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国務大臣(
武村正義君)
お話の御
趣旨も一面御理解をさせていただきますが、私
ども経営責任を追及しないままとおっしゃいましたが、これはそうではありません。これはむしろ厳しく最大限の
責任追及をしなきゃならない。
よく
二つの
金融機関を救済すると
表現をされがちでありますが、これも、この
金融機関は救済はいたしません。事実もうこれは消えてなくなる形であります。もう三月二十日でなくなりますが、
共同銀行が正式にスタートしますとなくなります。
債権債務関係を
協同組合が受け皿として預かつてそこで
処理をしていく。
協同組合はそういう
意味で私はホスピスというか、この
債権債務を
処理するための
金融機関だと。この
共同銀行もその役目を終えればなくなる存在であります。
もう当初、去年の秋にこの方針を決めたときから、やはり
経営者の
責任、これだけの異常な社会の
常識をはるかに超える
実態を我々も大体認識をしておりましたから、これは許せないという
気持ちはございました。
かなりの
法律違反も犯しているわけであります。そんな
意味で、あらゆる法的な
責任をやはり厳しく求める必要があるという考え方を持っておりました。
なおしかし、この現在の
法律では対処できない限界もあります。それはまさに
国会にもお諮りをしながら、今後のためにはもう少しきちっと
法整備をしていく必要がある。例えば、
大口融資なんかでいわゆる過剰、
資本金との
関係で大体
融資額が決められているんですが、それをはるかに超えた
融資をしている。これはもう
法令違反です。あるいは、
組合員を基本にしていますから、員外貨し出しは二割以下、あるいは
員外預金も二割以下という
法律の決めがございますが、これも両方とも大幅に
違反をいたしております。あるいは
役員が
自分の
関連会社に
融資をすることは、禁止はいたしておりませんが、その場合は
事前に
理事会できちっと決定をして了解をとって
融資する、これも
法律で決められておりますが、これは行われておりません。
というふうに幾つか明確に
法律に反する
経営の
状況があるわけですが、残念ながら
罰則が皆ありません。今申し上げたことにはありません。
導入預金とか刑法上の
罰則がついているものもありますが、今申し上げたのはない。これでいいのかどうかという
議論もあるでしょうし、あるいは
預金保険機構も、
ペイオフするためには今のこの
預金保険機構の仕組みでいいのかどうかという
議論もやはりしなければなりません。あるいは
ペイオフするためにはもう少し
事前の
検査のやり方、体制も国と都道府県の
かかわりもございますが、そのことも含めてもう少ししっかりより十分な
検査をする必要があるんではないか、こんなところも
一つの
反省点だと思っております。
しかし、そういう
経営をめぐるもろもろの問題はきちっと解明もし、
責任も問わなければならないという考えでございますが、そのことと、私は
ペイオフしてもいいと思ったとおっしゃいましたが、もし
ペイオフした場合にどうなるかというその一点は、言葉は
金融秩序の
維持とか
金融の
安定性とか、こういうことでしかお答えをいたしておりません。余りそれをオーバーに
大蔵大臣が強調すること自身、これはまた世間を騒がすことになりますから、そういう抽象的な
表現でしか申し上げておりませんが、これは
昭和金融恐慌あるいは世界の例をごらんいただいて、そういうことがどうなるかということだけは、お互い真剣に見詰めながら冷静な
判断が必要ではないか。
私は、少なくともこの時期
大蔵大臣という職員をお預かりをしていて、その一点だけ見詰めたらこれはとても、不安がある以上は、
ペイオフの方がはるかにすきっとしますけれ
ども、今の時期はこの国ではまだ選べない。しかし、将来はやはりその
方向も目指さなきゃいけない、そのためには何が必要かと、こういう
判断をさせていただきました。