○笠原潤一君 クリントン大統領の原爆投下の正当発言、これはいろいろなとり方があろうかと思いますけれども、新聞紙上では甚だセンセーショナルでしたから、
日本人もいたくその点については不快感を持ったことも事実です。私もアメリカヘたび重ねて行ってまいりまして、アメリカ人の感情というか、大統領がこういうことをおっしゃるとは私も夢想だにしなかったんです。
アメリカは北から南まで広い国土ですから、ディープサウスではほとんど
日本を知らない人も今でもおるわけですから、そういうところでは
日本の製品は知っておっても
日本人と話したことがない人もいるでしょうし、そういう点ではそういう方々がおっしゃることならやむを得ないとしても、大統領がそんなことをまさかおっしゃったとは私は思わないけれども。そういう点では、今はそういうことでクリストファー国務長官とのお話でその点については特に御留意をいただきたい、こういうことでありまして、今後ともその点を留意されたいと思います。
次に、幾つかありますけれども時間もございませんが、円高の問題であります。この円高は、私は前の予算
委員会で申し上げました。九十円を割る前後のときに武村大蔵大臣に、恐らくや八十五円は到来するだろうと、こう申し上げたら、八十五円じゃなくて、もう八十五円をはるかに割って八十円を切ってしまった。マネーマーケットといいますか金融市場の動きというのは非常に不可解でありまして、これは何人も予測できない。
例えば、
日本でもアメリカでもそうですけれども、資金を調達する株式市場の動きは各国とも大体わかるわけですよ。
日本だって証券局は、例えば生保あるいは銀行が株の資金調達なりをどうするかというようなことや仕手の動きも大体わかりますけれども、金だけは、マネーの動きだけは全然捕捉できていないわけです。したがって、G7で幾らどんなことをおっしゃっても、実際この世界の通貨の動きというのはもう本当に複雑多岐で、一体どれだけのドルがアメリカから流出して、例えば
日本なら
日本銀行が紙幣を発行すれば必ずいずれの時期か回収できますからわかります。ところが、一たん流出したドルというものは、インターナショナルカレンシーですから世界のどこにでも保有されていますし、どこでどうなっているかわからぬわけですから、それで金融市場が混乱し、そしてその動きがさっぱりつかめない。
こんなことが今あっていいだろうかということでありますが、その点について、これは今後のG7で果たして世界の主要国の蔵相が集まってそれをやるのか、あるいは世界のトップが集まってこの問題を、世界の通貨をこれからどういうふうに管理していくかというのは大きな問題だと私は思うんですよ。これはIMFでもなければ何でもない、本当にそういう点でははっきりしないと大変なことになってくると、こう思っています。
それはそれとして、
我が国としてはかつて、プラザ合意の前か、とにかく竹下大蔵大臣が昔おっしゃったことがあるんですよ。変動相場制と固定相場制というのは一体、私も大蔵大臣でわからなかったとおっしゃったんです。我々は三百六十円の固定相場制から今日この八十円を割るときまでずっと来たんですが、かつて私が四十数年前にアメリカヘ行ったときは三百六十円、やみでは四百円から五百円ですからドルの崇拝というものは物すごくあるわけです、
国際通貨というのはドルだというふうに思っていますから。それが今や八十円になってしまったんです。
二百円を割ったころから、円高ドル安の動きの中で、バブルのときは多少円安ドル高のときもあったでしょうけれどもそれは一時期であって、日銀は絶えずこの問題で
為替の市場介入をやってきたわけです。この三年間でもいいんですけれども、一体幾らの
為替介入でやってきたのか、その総額は一体どれだけあるのか。また同時に、ドルを買うんですけれども、その金は
外国為替勘定の中でどういうふうに運用されているのか。それで、いつどういうふうにドルは売っていくのか。そういう
日本の
為替の会計の動きというのはさっぱりわからぬわけですけれども、その点についてちょっとお尋ねしたいと思うんです。