運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1995-02-20 第132回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会平成七年二月十五日(水曜日)委員会 において、設置することに決した。 二月十六日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       江藤 隆美君    深谷 隆司君       若林 正俊君    石井 啓一君       山口那津男君    細川 律夫君 二月十六日  深谷隆司君が委員長指名で、主査選任され  た。 ————————————————————— 平成七年二月二十日(月曜日)     午前十時開議  出席分科員    主 査 深谷 隆司君       江藤 隆美君    佐藤 剛男君       石井 啓一君    高木 陽介君       山口那津男君    渡辺浩一郎君       細川 律夫君    吉岡 賢治君    兼務 石田 祝稔君 兼務 遠藤 乙彦君    兼務 弘友 和夫君 兼務 桝屋 敬悟君    兼務 遠藤  登君 兼務 寺前  巖君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 亀井 静香君  出席政府委員         運輸大臣官房長 黒野 匡彦君         運輸大臣官房総         務審議官         兼貨物流通本部         長       永井 隆男君         運輸省運輸政策         局長      豊田  実君         運輸省鉄道局長 戸矢 博道君         運輸省自動車交         通局長     高橋 伸和君         運輸省海上技術         安全局長    小川 健兒君         運輸省港湾局長 栢原 英郎君         運輸省航空局長 土坂 泰敏君  分科員外出席者         警察庁交通局交         通企画課長   小池 登一君         警察庁交通局交         通規制課長   伊藤 哲朗君         大蔵省主計局主         計官      増井喜一郎君         大蔵省銀行局保         険部保険第二課         長       浦西 友義君         水産庁漁港部計         画課長     大島  登君         運輸大臣官房会         計課長     辻  通明君         運輸省自動車交         通局技術安全部         長       樋口 忠夫君         郵政大臣官房企         画課長     中山 治英君         郵政省放送行政         局放送政策課長 鈴木 康雄君         建設省道路局高         速国道課長   井上 啓一君         自治省財政局調         整室長     北里 敏明君         自治省税務局固         定資産税課長  板倉 敏和君         運輸委員会調査         室長      小立  諦君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ————————————— 分科員の異動 二月二十日  辞任         補欠選任   若林 正俊君     佐藤 剛男君   石井 啓一君     高木 陽介君   山口那津男君     渡辺浩一郎君   細川 律夫君     吉岡 賢治君 同日  辞任         補欠選任   佐藤 剛男君     若林 正俊君   高木 陽介君     石井 啓一君   渡辺浩一郎君     山口那津男君   吉岡 賢治君     山崎  泉君 同日  辞任         補欠選任   山崎  泉君     細川 律夫君 同日  第一分科員寺前巖君、第二分科員遠藤乙彦君、  桝屋敬悟君、第五分科員遠藤登君、第六分科員  石田祝稔君及び弘友和夫君が本分科兼務となっ  た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成七年度一般会計予算  平成七年度特別会計予算  平成七年度政府関係機関予算  (運輸省所管)      ————◇—————
  2. 深谷隆司

    深谷主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました。よろしく御協力のほどお願い申し上げます。  本分科会は、運輸省及び郵政省所管について審査を行うこととなっております。  なお、両省所管事項説明は、両省審査の冒頭に聴取いたします。  平成七年度一般会計予算平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算運輸省所管について、政府から説明を聴取いたします。亀井運輸大臣
  3. 亀井静香

    亀井国務大臣 運輸省所管平成七年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計予算として九千三百六十一億円を計上しておりますほか、自動車損害賠償責任保険特別会計港湾整備特別会計自動車検査登録特別会計空港整備特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。  また、財政投融資計画中には、当省関係公団等分として一兆七千百四十一億円が予定されております。  以下、主要な事項といたしまして、まず、鉄道整備につきましては、整備新幹線整備地下高速鉄道等都市鉄道整備幹線鉄道活性化等推進を図るとともに、日本国有鉄道清算事業団に対し助成等を行うこととしております。  空港整備につきましては、三大空港プロジェクトを最優先課題として推進するほか、関西国際空港国際競争力強化等を図るとともに、一般空港等整備周辺環境対策航空路施設整備等推進することとしております。  港湾及び海岸整備につきましては、急増する外貿コンテナ貨物に対応する外貿ターミナル整備推進するとともに、廃棄物海面処分場耐震強化岸壁等整備海岸保全施設整備等推進することとしております。  また、地域における公共交通維持整備として、路線バス運行維持及びバス事業活性化離島航路整備近代化推進するとともに、海運、造船対策として、外航船舶等解撤促進、超大型浮体式海洋構造物等研究開発事業等推進するほか、船員雇用対策推進することとしております。  さらに、海上保安体制充実強化として、船艇航空機等整備海洋調査充実航路標識整備等推進するとともに、気象業務体制充実強化として、静止気象衛生業務推進気候変動対策地震火山対策等推進することとしております。  以上申し述べましたほかにも、運輸行政の要請である交通安全対策を初め、技術開発、観光の振興、国際協力物流対策等各般にわたる施策を推進するために必要な予算を計上しております。  以上をもちまして、運輸省所管平成七年度予算につきましての説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
  4. 深谷隆司

    深谷主査 以上をもちまして運輸省所管についての説明は終わりました。     —————————————
  5. 深谷隆司

    深谷主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭に願います。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
  6. 佐藤剛男

    佐藤(剛)分科員 まず最初に、亀井運輸大臣、すばらしいリーダーシップで地震対策に取り組まれておられることを心より敬意を表しまして、引き続きよろしくお願い申し上げる次第でございます。  被災から一カ月を超えまして、まことにいろいろな問題を抱えているわけでありますが、私、大臣にこの機会に、港湾問題とそれから地震問題、この点につきまして御所見を賜りたいと思っているのです。  実は、兵庫のこのたびの関西大震災において、陸上の分断があった、交通道路ですね。船の活躍と私は言いたいところなのですが、比較しましてよくやっておった。そういうことを考えていきますと、これから、日本列島ハンディキャップ列島ですから、そういう中で港湾関係長期的展望に立つ、特に緊急輸送基地として港湾が私は焦点を浴びていかなきゃならぬと思うし、またしなきゃならないだろうと思っているわけでありますが、まずその点につきまして、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  7. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のとおり、港湾の通常での役割に加えまして、地震列島とも言われます我が国の震災に当たり、大変な緊急事態においても有効な基幹輸送路としての役割を果たしたことは、このたびの震災でも証明をされたわけでございます。御承知のように、当初トラック業者中心としての陸路の輸送、さらにヘリコプター輸送等、そうしたことについての民間業者の大変な御協力をいただいてやったわけでございますけれども、あわせて御承知のように、関空を基地といたしまして、海上保安庁の船艇を使用して海上からの緊急物資輸送被災者等についての輸送が大変な威力を発揮いたしたわけでありますし、百五十バースほとんど、耐震バース三つ以外はやられたわけでありますが、とりあえず使えるというような形に応急復興をやりまして、大阪からのフェリーによる海上ルートでの輸送というのが大変な威力を発揮したということでもございます。  そういう意味で、海洋国家日本における陸路、空路とあわせて、それが切断された場合の大きな動脈として、今後これをきっちりとさらにさらに整備をしていかなければならない、このように考えております。
  8. 佐藤剛男

    佐藤(剛)分科員 ただいま大臣の力強い御発言で感服いたしますが、大臣、今般の大震災を学説的に予言した先生が、御承知のように元東大の松田教授、九州大学の教授をやっておられますが、彼が、日本四つ活断層があるとはっきりと言っているのですね。有馬・六甲・高槻活断層、これは直下型大地震危ないぞ、それからあと三つが、伊那谷、それから富士川、それから国府津、東京に関連するものですが、四分の一、この四つのうち二五%が当たってしまったわけですね。私ども、今週松田先生においでいただきまして、自民党建設部会でもお聞きしようと思っているわけですけれども東京の話というのは単なる架空の話ではなくなってきてしまったのじゃないかと私は思うのです。工学関係の、地震というのは特別また頭のいい先生が、しかもそういうことをずっとかねてから言っておられてやっております。  そうなったとき、仮の話でもないわけですが、東京が非常に懸念されるような状況で、大臣はもう危機管理の大専門家でございますからあれですが、東京関西のような形になったときに、緊急救援基地というのが要るのですね。先ほどの大阪からフェリーであれするとか、そういう形で。  そうしますと、私は東京湾につながる部門としましては、これは私の、たまたま今度私の選挙区になるのですけれども福島浜通りと称しまして小名浜とか相馬港、この相馬港というのは六万トンクラスが入って、そこに石炭を輸入して、それで常磐共同火力などというのがスタートしている。立派な埠頭どもでき上がっているわけですが、そういう救援基地を、どこでもいいのですけれども、どこか近接のところを考えて、そしてそういう面についての港湾開発というのを、中期的というか非常に加速的に私はやらなければいかぬのではないかなと思っております。このハンディキャップ列島、何となくおかしい状況になっておりますから。  そういう面で埠頭を増設し、例えば相馬の場合だと第一、第二できておりまして、それから第三を深めよう、十メーターの水深を十二メーターにしよう、それから第四を新設しましてちゃんと貨物をやろうとか、この地震の問題からそういうふうな計画が各地方公共団体中心に出て、今検討し始めております。そういう一つ安全面セキュリティー救援セキュリティー港湾、そういうことの面が各地で出てくると思うのです。  そうすると、物流、きょう大臣がこの二ページのところで物流対策各般にわたるというものなのですが、物流と裏腹の問題なのですけれども、その救援を含めて物流を行う。そうすると、地域連携という問題になるのですが、大臣行かれたことがあると思いますが、たまたまこの浜通りなんというのは、阿武隈山脈を通りまして一時間半ぐらいかかってしまうのですよ。これは私この間朝七時半ごろ阿武隈山脈越えましたら、アイスバーンに乗ってしまいまして、対向車がなかったからよかったけれども、スリップしまして、対向車が来ましたら政治生命を失うところだった。こういうふうなところが県庁所在地福島市と浜、相馬港というところ、小名浜もそうですけれども、そういう横の連携がない。  そこで、私はそれについて三十分以内で行けるような弾丸道路を、高規格道路をつくるべきだということを主張しておるのですけれども、そういう一つ道路と港、物流、そしてそれと東京湾とのあれとがそういう面での一つ安全面の総点検といいますか、大きな規格を加速的にあれしていただきたい。とかくややもすると港湾というのが、全体の中で見ますと何となく予算的に不遇をかこっているのではないかという感じも私はするのです。  そこで、この機会にそういう面で力を入れてやることが必要なのではないかと思うのですが、大臣の御見解を。
  9. 亀井静香

    亀井国務大臣 今議員の卓見をじっくりとお伺いさせていただきながら、今からの国土づくり運輸省管轄のことだけではなくて、建設省を初め各省がまさに有機的な連携のとれた形で整備をしていかなければならぬし、それをやることで万一の地震等の場合においても日本動脈切断をされないということになろうかと思います。  このたびのことで、反省で言えますことは、第一国土軸切断をされましたら、今申し上げましたいろいろな形での代替措置はとったわけでありますけれども物流におきましても人の流れにおきましても、現在も非常な支障が起きているわけであります。これは、例えば日本海側日本海国土軸というようなものが形成されておれば、第一国土軸切断されても日本海国土軸機能する、あるいは宮崎、大分から四国に上って紀伊半島に出ていく第二国土軸、これができておればそれがかわって機能をしていくということがあったわけでありますが、残念ながら第一国土軸だったの一本だけということなので現在もこうした混乱が続いておるわけであります。  こちらの関東につきましても、おっしゃるように小名浜相馬港、大変な良港であります。委員のおっしゃっておられますような形で現在整備をそれぞれ進めようとしておるわけでありますけれども、これをやはりきっちりと整備をしていく。こんなことがあってはいけませんが、万一横浜港、東京港の機能に問題が起きたときも、そちらにシフトできるわけであります。現在横浜港について、荷物が三%程度釜山港にシフトしておりますけれども横浜大阪等にシフトしておるわけでありますけれども、やはりそうした震災が起きても近くの良港にきちっとシフトして、国際貿易支障が起きないという観点からの整備が私は大事だ。そういう意味では、相馬港も小名浜港も国際港としてきちっと使用できるようなそういうものにやはり整備をしていくことが非常に大事だ、このように考えております。
  10. 佐藤剛男

    佐藤(剛)分科員 ただいま亀井大臣から、相馬小名浜国際港湾、こういうような形で安全面を長期的に考えていくという、本当に心強い、私はまた非常に重要なことだと思うのですが、御発言を賜りまして、非常に感激いたしております。  それで、今、軸の話を大臣おっしゃられたのですが、国土審議会で第四次全総ですね、第四次全国国土総合開発計画が今進んでいる。これを検討して第五全総という名前になるかどうかはあれとしましても、それも審議会であれし、また自民党自民党の方で今プロジェクトチームをつくっておりまして、仏その副主査をやっているのであります。  そういう面での港湾観点をぜひ運輸省、これは国土庁中心でやっておるのですが、運輸省大臣からひとつ御指令をしていただきまして、運輸省からも優秀な方が国土庁に出向しているのです。仮称五全総の中にそういう面での、もちろん空港とかいろいろな問題がありますが、その大きな柱として安全、地震対策、それから今国際的な面、物流、そういう面でひとつ、私のところの我田引水を言っているわけではないのですが、ほかの各地域があるわけですから、そういう面での港湾計画重要性、そして予算につきましても、私も一生懸命そういう面では一国会議員としまして努力させていただきますから、御指示をお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
  11. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、私どもも五全総に向けては我々の担当分野を外して策定できるものではございませんで、そうした日本海国土軸あるいは第二国土軸、また東北国土軸、こういうものにつきましては、海の果たす役割というのは非常に重要だと思う。特に、今度テクノスーパーライナーが実験段階からいよいよ営業への見通しが立ってきたわけでございますから、これあたりも国土軸を形成させる、何も道路とか新幹線だけが軸ではございませんので、そういう海上の軸も考慮に入れたそうしたものをつくり上げていくということでやってまいりたいと思いますので、ひとつ委員応援をよろしくお願いしたいと思います。
  12. 佐藤剛男

    佐藤(剛)分科員 ありがとうございました。  それでは次に、農林省いらっしゃっていますね、伺います。  ウルグアイ・ラウンド関連で、やはり港なのですけれども漁港問題。ウルグアイ・ラウンドというと、米の話ばかりになってしまう。六兆百億円あるいは一兆二千億円の地方債の問題にしましても、ややもすると魚、漁港、そういう問題について、私は水産庁もその点で決して努力していないというわけではないのです、やっていることもよくあれなんですが、全体を眺めると魚に対する配慮が私はいささか元気がなさ過ぎるんじゃないかという気がいたすわけです。  それで、実は私、今度浜の男になったので、その話、僕は余り浜の話はしてなかったんですけれども、こういう問題が各地で起きているんですね、私は驚いたんですけれども。  また福島の例をとります、わかりやすいところで。福島に、茨城じゃないんですよ、鹿島町というのがあるんですよ、鹿島、同じ字を書くんです。これは漁港なんです。先ほど申し上げました相馬港のすぐ隣接しているところです。そこは、魚をとって、そこにヒラメだ何だというのを集めて生活しているわけであります。ところが、砂がたまっちゃうわけですね。砂がたまっちゃいますとどういう現象が起きるかというと、魚がまず来なくなっちゃう。それから、船を着けようと思いますと、砂が上がっちゃっていますので、船を停泊できなくなるという状況が出るんですよ。  それで、漁民の方々が非常に苦労をされまして、いろいろ陳情されているという姿に接しまして、私一肌脱がなければいかぬなということで今あれしておるんですけれどもしゅんせつ、要するに泥さらいですよ、簡単に言えば砂さらい。それをやはり、今、川の流れの、何だのの流れで、何か知らぬ、地球的にいろいろな現象が起きているわけですね。ヘドロではないわけですね、砂がたまっちゃう。そうすると、着かない、船が置けない。そうすると、どこかのところに停泊しなければいけない、金がかかる。それから点も、そのために、砂がたまっていくから来ない。  ですから、そういう中で、ウルグアイ・ラウンドというのは魚に対して例外にしているわけじゃないし、どんどんやっておるわけですから、そういうふうなことでの予算措置というのはないんですか。また、そういうことは考えていないんですか。また、それをどういうふうに。こういうことは各地で私はあると思うんですよ。私が聞いている範囲だけで二つ、今一つだけの例を言いましたけれども、二カ所、三カ所、この浜のところでそういう現象が起きているということでございますので、その点について、水産庁大島さんですか、計画課長、考え方、これからどうするのか、どうしようとするのか、それからどんなふうな予算的なことを考えておるのか、それについてお聞きいたします。
  13. 大島登

    大島説明員 漁港整備につきましては、本年度、平成六年度から第九次漁港整備長期計画というのがスタートしておりまして、当面はこれに基づいて整備を進めていく所存でございますが、真野川の例で申しますと、あそこは漂砂地帯でございまして、まず、漂砂、砂の問題で非常に悩んでおるところでございまして、砂浜に防波堤を築きまして、囲いをつくり、それからしゅんせつしていかなければいけませんので、まだそういう面ではおくれておりまして、防波堤整備促進に今鋭意努めておるところでございまして、それができれば次にしゅんせっして使えるようになる。今でも使ってはおるんですが、これは維持しゅんせつをやりながら使ってはおるんですけれども、そういうふうにして使えるようになっていくということでございます。
  14. 佐藤剛男

    佐藤(剛)分科員 大島さん、しつこいようですけれども防波堤をつくる、まあ細かいことで申し上げますよ、防波堤をつくる。つくっていないわけだ、まだね。それから、それに対して、今度防波堤ができてから砂ざらいをやりますといっていると、魚やっている人たちは、これは生活費だから、生活にかかるわけだから。  ですから、この六兆百億円だ何だといって、予算、私ども一生懸命やって、あれ、応援団でやったわけだけれども、少し水産関係について、米、米というような話ばかりでやったわけだけれども、そちらの方の水産庁からの、何というんですか、そういう全体的な計画が出されないで、どちらかというと、これ大丈夫かなと僕は思っていたんですけれども水産関係ウルグアイ・ラウンド対策についても。ちょっと、私、弱気過ぎるんじゃないかと思うんですよ。だからここでどうするか、計画がどうのというのはいいから。本格的に取り組んであれするかどうか、あなたの、担当課長としての意向でいいですから、あなたが、担当課長がこうしろと言えば動くんだ、動くはずだ、私も役人をやっていたからわかるんだけれども、そういうことをやって、ちょっとそういう答弁をしてください。抽象的なのは要らないです。
  15. 大島登

    大島説明員 ウルグアイ対策補正予算として漁港部分は百二十三億、国費でございますけれども、ありまして、これで漁港整備推進にも努めておるところでございまして、さらに今後も、我々としてはそういうウルグアイ対策機会あればぜひ入れていただくように努力したいと思います。
  16. 佐藤剛男

    佐藤(剛)分科員 そうすると、前向きにとっていいですね。
  17. 大島登

    大島説明員 私としてはそのように……
  18. 佐藤剛男

    佐藤(剛)分科員 ありがとうございました。  ちょっと時間が早うございますが、明快なる回答を賜りましたので、これをもちまして終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
  19. 深谷隆司

    深谷主査 佐藤剛男君の質疑は終了いたしました。  次に、石井啓一君。
  20. 石井啓一

    石井(啓)分科員 それでは、私はまず営団地下鉄民営化の問題につきまして、大臣に主にお尋ねをしたいと思いますが、営団地下鉄民営化につきましては、政府報告書の中では、「第一段階として現在建設中の七号線及び十一号線が完成した時点を目途に特殊会社化を図る」というふうにされております。さらに、「出来る限り速やかに完全民営化が図られるよう配慮する」というふうにされております。  また一方、完全民営化の時期につきましては、これは報道されているところによりますと、二月十日の閣議後の記者会見大臣が、八号線、十一号線、十三号線の区間営団建設をする、事業が終わってから株式市況を見てできるだけ早く完全民営化するという趣旨の発言をされたというふうに伝わっておりますけれども、そこで、まず確認をさせていただきたいんですが、営団が八号線、それから十一号線の残りの区間、それから十三号線を完成した後に完全民営化するかどうかということの確認と、あわせてその完成時期のめどをお願いをしたいと思います。
  21. 亀井静香

    亀井国務大臣 まず、民営化の時期でございますが、一応私どもとしては、七号線、十一号線の現在計画しておりますそれの区切りがついた時点を目安にしておるわけでありますけれども、御承知のように特殊会社を経由しなければいけませんので、その後、じゃ、完全民営化とはどの時期かという形になりますと、一つはやはり、新会社が新しく八号線も、十三号線を含めて、さらに十一号線の延伸等含めて、さらに設備を投資をし、路線の拡充をしていかなければならぬわけでありますから、膨大な設備投資が必要になってくるわけであります。それをどう調達していくかということを考えなければなりません。  そういう意味では、現在のような無利子融資制度を、そのままでは、完全民営化しただけではこれは続けるわけにいかぬわけでありますから、そのあたりの手当ての立法措置等を含めて、これは東京都だけ適用というわけにはまいりませんけれども、そういう全国の地下鉄を整備をしていく観点から、そのあたりの手当てをどうしていくかという問題も一つあると思いますし、また、証券市場のそのときの状況等で、どの程度国の財政に寄与できるかというようなそうした判断もあろうかと思います。  そうした中で、そうした以後の新線の建設支障が起きないような環境整備をきちっとやった上で、これは民営化という措置をとらなければならない、このように考えておるわけでございます。
  22. 石井啓一

    石井(啓)分科員 いろいろこれから財政当局等との調整もあると思いますけれども運輸省の意向としては、既に運政審で答申がなされている八号線、十三号線あるいは十一号線の残りは営団で実施するという意向であるということでよろしいのでしょうか。
  23. 亀井静香

    亀井国務大臣 少なくとも、できれば特殊会社に移行した後そのあたりは取り組むというぐらいのスピードでやっていきたい。したがいまして、七号線、十一号線、これを一応のめどにしたい、このように考えております。  ただ、その後について、今私申し上げましたように、資金的な手当てその他についてのやはりきっちりとした環境整備ができなければ、その後の建設にそこを来すわけでございますから、そのあたりをきちっとやれるという状況の中で特殊会社に移行をするという形になると思いますが、めどとしては、何度も私申し上げておりますように七号線、十一号線が一つのめどになる、このようにお考えいただきたいと思います。
  24. 石井啓一

    石井(啓)分科員 それでは、そういう方向で御努力されるということだと思いますけれども、今申し上げました八号線、それから十三号線、それから十一号線の残りの区間、この三区間の中で、私は、都心の中心部を走ります十三号線の利便性あるいは採算性というのは、他の二路線に比べ高いものと思っております。また地元の豊島区、新宿区、また渋谷区の各区でも活発な推進運動を展開しておりまして一客観的に見れば残りの三区間のうちの十三号線をまず最初に着工すべきではないかと思いますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
  25. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、十三号線の重要性というのは、委員指摘のように非常に都民の足としても重要である、このように認識をいたしておりますが、八号線にいたしましても十一号線の延伸にいたしましても、これもまた大変重要だ、このように考えておりますので、現在のところ差をつけてどうという考え方は持っておりません。同時に、これも資金の面はありますけれども、これは早期に完成させるということで取り組んでまいりたい、このように考えております。
  26. 石井啓一

    石井(啓)分科員 今の段階でそういう御答弁になるとは思いますけれども、それでは一般論で結構ですけれども、優先順位の考え方といいますか、着工順位の考え方といいますか、どういう要素を重点に考えていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  27. 亀井静香

    亀井国務大臣 やはり鉄道建設でございますから、いわゆるユーザーの現在の利便等を中心に考えなければなりませんが、一方ではやはり東京都の将来への発展していく青写真といいますか、東京都が今後どうあるべきかというそうした問題、また首都圏と東京との関係がございます。このあたりをどうきちっとつないでいくかというようなことも大きな要素であろうか、そういう意味では、東京都周辺の関係自治体、このあたりともやはり十分協議をしながら進めていかなければならない、私はこのように考えております。
  28. 石井啓一

    石井(啓)分科員 それでは、ちょっと民営化の問題にまた戻りましてお尋ねをしたいと思いますけれども営団民営化については既に行革審の答申において、昭和六十一年だと思いますが、「五年以内に可及的速やかに特殊会社に改組し、地下鉄のネットワークがほぼ概成し、路線運営が主たる業務となる時点において、公的資本を含まない完全な民営企業とする。」というふうにされておりました。この答申に対してどのように対応してきたのか、またどのような措置を講じてきたのか、お尋ねをしたいと思います。
  29. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 行革審答申、おっしゃったように六十一年にございまして、その後の対応でございます。  一つは、地下鉄ネットワークの早期概成に向けて積極的に営団は地下鉄整備を進めております。六十一年度以降これまで約二十キロ開業しておりまして、その後、先生承知のとおり、七号線につきまして現在駒込−目黒間をやっておりますし、また、十一号線についても水天宮−押上間で工事を進めているということが一つございます。  それから、要員の合理化、業務の合理化ということで、自動改札機を入れ、あるいは保守、保安業務の機械化、外注化といったようなことで、六十一年度末から六年度末までに約四百人を超えます要員を削減する見込みでございます。  また、関連事業を拡大するようにということがございまして、昭和六十一年度時点では関連事業を行っておりませんでしたけれども、現在営団は不動産の賃貸でございますとかフードサービス事業といったようなものを始めまして、平成六年度で約四十三億円の関連事業収入を見込んでおります。  また、東京都との関係でも、乗り継ぎ施設の整備、あるいは乗り継ぎ乗車券の整備といったようなことをやってきておるといったようなことでございます。
  30. 石井啓一

    石井(啓)分科員 ちょっと確認をしたいのですけれども、これまでのこの行革審の答申を受けて、行革の大綱の中でも、特殊会社化をして、さらにその地下鉄ネットワークの概成後に完全民営化を行うということだったわけですが、今回の見直しでは、民営化を前倒しをしたということになっておりますけれども、これまでの方針とどこが実質的に変わったのか、ちょっと御説明いただけますでしょうか。
  31. 亀井静香

    亀井国務大臣 私どもとしては、先ほどお話ございました八号線、十三号線、十一号線の延伸等いろいろございますけれども、そういう意味では、行革審の一応描いておられますそれを、早めると言ったらおかしいのですが、一応七号線、十一号線の完成時期で民営化し、その他の路線の建設等については、先ほど申し上げましたようなそうしたいろんな環境整備をきちっとした上で民営化後でも実施をするということが、変わった点といえば変わった点だと思います。
  32. 石井啓一

    石井(啓)分科員 先ほどのあれですけれども民営化といいますけれども、その一段階として特殊会社というのが挟まっているわけですね。先ほどの三路線も、今までのを大体説明すると、特殊会社が大体やる、三路線やった後で大体、そこら辺の時期はちょっとまだあれですが、株を市中に放出して完全民営化をするということでありますから、今回の見直しでは特殊会社化をする時期は確かに明確になったと思うのですけれども、完全に民営化する時期については、今までの方針とほとんど変わってないんじゃないかというふうに私は理解しているのですけれども、その辺はどうでしょう。
  33. 亀井静香

    亀井国務大臣 これは委員承知のように、特殊会社から完全民営化に移行するには、証券市場の状況等が一つは大きな要素になるわけでございまして、そのときの我が国の経済がどんな状況であるか、我が国国家財政がどういう状況であるか、いろいろなことを判断をしながら株の放出もしなければならぬわけであります。そういう意味では、特殊会社に移行いたしました後は、そうした意味で市場の状況等によって放出が可能だというような状況であればやはり思い切ってそれを放出をし、国家財政に寄与しながも、逆にそういう形の中で、これは営団のいわば財産でもあるわけでございますから、逆に民間会社になったその会社の今後の設備投資等について、国がいろんな意味で、国鉄がJRに移行した際にとったような措置を含めていろんな措置を講ずることによって、民営化後資金調達に不自由が生じない、それで残余の路線等もむしろ、営団地下鉄のまま、あるいは特殊会社のままよりも完全民間会社になった方がさらに効率的に推進をしていけるという状況も生まれようかと思いますので、そういう意味で早期に、私どもとしては七号線、十一号線の段階で特殊会社に踏み切るということは、その後の状況では速やかに民営化できるという条件を整えるわけでございますから、そういう意味では行革審の描いておりました行程よりもうんと早まってこようか。  我々は別に民営化することだけが金科玉条だと思っておりません。そのことによって地下鉄の整備推進され、都民の方あるいは首都圏の方々、国民の方々の利便性も向上していくということを目的でやるわけでございますから、別に名前を変えれば、形態を変えれば私どもはいいというようには考えておらないわけであります。  したがいまして、行革審の考えておることよりも形の上でちょっと前倒しをせぬと今度特殊法人について見直しをやったことにならぬから、格好だけ前に倒すみたいな道は私どもとしては選ばないということを御理解を賜りたいと思います。
  34. 石井啓一

    石井(啓)分科員 今のお話で大分わかってきましたけれども、そうしますと、議論を整理いたしますと、まず七号線、十一号線の完成した段階特殊会社化をする、さらに残りの三路線については、その資金調達等の対策をきちんととって、場合によっては、完全民営化をしたから残り三路線の区間が完成することもあり得ると。ですから、特殊会社化をして、その後は、市況の状況、それから残る三路線の整備等の方法をきちんとした上で速やかに民営化をするということでございますか、確認をしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  35. 亀井静香

    亀井国務大臣 はい。
  36. 石井啓一

    石井(啓)分科員 それでは、もう一つ確認をしたいのですが、今までの行革審の答申、可及的速やかに特殊会社化をして、なおかつ地下鉄のネットワークが概成後に完全民営化するという、この答申がなかなか実行されてこなかったということは、一つは特殊会社に対して財政投融資を導入するのが難しいという財政当局の意向があったというふうに私は理解をしておりますけれども、今回の見直しにおいて、そういう今おっしゃったような資金調達の道がどういうふうに可能になっていくのか、私は、これは今までの答申が実現できなかったのに、今回順調にいくのだろうかという懸念を抱いておりますけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
  37. 亀井静香

    亀井国務大臣 財投の運用等につきましても、委員承知の、いろいろなバイパスを通すやり方もありますれば、直接という形の場合もあるわけでございます。そういうことにつきましては、私ども、財投資金が一般財源に比べて非常に潤沢になってきておる中で、それが国家財政上どういう機能を、日本の経済に果たす役割上どういう運用の仕方がいいかということがあると思いますけれども、私どもは、地下鉄とかその他基幹的な交通機関の整備については、それを運用することが有利であれば、有利というのは事業にとってですよ、財投の運用という意味じゃございませんで、メリットがあれば、それを活用していくということも当然視野に置いていかなければならないと思いますし、それはまた可能である、このように考えております。
  38. 石井啓一

    石井(啓)分科員 もう一つ営団についてお尋ねしますが、東京都との関係でございますけれども営団地下鉄は現在東京都が四七%を出資をしております。現在、鈴木都知事は営団地下鉄を買い取って都営地下鉄にしたいというような意向があるというふうに伝えられておりますけれども、今後の都の議論あるいは新しい知事の意向がどうなるかということもございますけれども東京都が国の株式を購入したいというふうに要望があった場合、国としてどういうふうに対応しようとするのか、基本的なスタンスをお聞かせいただきたいと思います。
  39. 亀井静香

    亀井国務大臣 私どもは、営団地下鉄民営化をしたいと考えておりますのは、何も政府が経営にかかわることが嫌だとかなんとかということで言っておるわけじゃございませんで、やはり民営化した方が、株主からのいろいろな提言だとか、監視的な役割だとか、あるいは経営者がより自由な発想において経営戦略を駆使できるとか、いろいろな意味で、政府なり自治体が経営をやっておるよりか、これは交通機関の性格によっても違いますけれども、相当部分というのは民営化をしていった方がやはりこれは国民のためになる、地域住民のためになる、そういう判断でおるわけでございますから、政府から東京都に肩がわりをすればいいというのじゃなく、それ以前の、哲学の問題といたしまして、我々としてはやはり地下鉄を民営化した方がいいという判断でやっておるわけでございますから、東京都がそういう御意向を持っているかどうかは確認はいたしておりませんけれども、我々は共同して、いい民間会社をつくり上げるという方向で協議をしたい、このように考えております。
  40. 石井啓一

    石井(啓)分科員 それでは、ちょっと話題を変えまして、自転車等駐車場、いわゆる駐輪場の件についてお尋ねをします。  昨年六月に施行された改正の自転車法では、鉄道事業者は、地方公共団体及び道路管理者との適切な連携のもとで、放置自転車問題の解決にみずからも主体的に取り組むというふうになっておりますけれども、そこで、鉄道事業者が駐輪場の用地を貸し付けをしたり、あるいは譲渡する際には特段の配慮をすべきというふうに考えます。  すなわち、具体的に申し上げますと、用地の貸し付けに当たっては無償貸し付け、あるいは有償の場合でも公租公課程度の低廉な使用料、あるいは現在貸し付けている用地についても、当分の間、現状の契約金額を据え置いたり、あるいは譲渡する場合にあっても、自治体がかわって駐輪場の設営をするということを考慮して、なるべく低い価格にするというような配慮をすべきと考えますが、運輸省としてはどのようにお考えですか。
  41. 亀井静香

    亀井国務大臣 ちょっと私の方から、基本的なことに触れますので、申し上げますが、これは基本的には、自治体が住民に対するサービスといいますか、交通安全の面を含めての、そういう観点からこれを実施をしていく性格が強いことだと私は思いますので、自治体の財政力との関係でJRサイドは個々の問題に対応をしていくべきだと。  財政力の強い自治体においては、やはりきちっとした賃料を払って措置をすべきであろうと思いますし、財政力が極めて弱いという自治体に対しては、JRとしてはやはり特別な配慮、措置をするというような基本線にのっとってこの問題は処理をすべきであろう、このように考えております。
  42. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 大臣の御答弁をちょっと補足させていただきます。  駐輪場法の一部改正、昨年の六月二十日から施行されまして、私どもも、鉄道事業者に対しては、この駐輪場の問題について、関係の地元の自治体と御協力して解決するように努力するようにということで指導しているところでございます。  それで、駐輪場用地の提供につきましても、今大臣が申し上げたようなことでございまして、積極的に御協力できるところは御協力していくということでございまして、基本的には、用地が必要な場合に、鉄道事業者が持っているようなものがそういうことでお使いいただけるものであれば、貸し付けで対応しているというのが実態でございます。  貸付料につきましては、今大臣が申し上げたようなことでございまして、各事業者の判断によりそれぞれでございますけれども、その多くは低廉な価格あるいは公租公課程度といったようなものが実態になっているというふうに承知しております。  駐輪場については、今後とも地元の自治体と御協力しながら対策に取り組むようにというふうに適正に指導してまいりたい、こんなふうに考えております。
  43. 石井啓一

    石井(啓)分科員 ところで、昨年六月にこの改正自転車法の施行に伴い出された鉄道局長の通達の中では「新駅設置または駅施設若しくはその周辺の大改良の際には」ちょっと中略をいたしますが、「計画段階において必要な自転車等駐車場の確保が図られるように努めること」というふうにされております。  具体例でございますけれども、私の地元でございます豊島区あるいは練馬区で、新駅の設置及び駅の大規模改良を行う際の駐輪場対策について、計画あるいは検討している事例がありましたら、御説明いただきたいと思います。
  44. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 豊島あるいは練馬区内の新駅の例でございます。  一つは、昨年十二月に西武池袋線の練馬高野台駅というのが開業いたしました。ここにつきましては、練馬区が自転車を千台収容予定の駐輪場を整備するということがございまして、そのために、本年三月に西武鉄道から高架下用地千二十三平米を練馬区に貸し付けをする予定と聞いております。  それからもう一つ、大規模改良と申しますか改良の例でございますが、山手線の目白駅でございます。  現在豊島区におきまして、駐輪場を含む駅前広場を整備計画中でございます。そのために、JR東日本は昨年十月に、区の御要請によりまして、JR東日本所有の駅前用地を区の所有の用地と交換をしたというふうに聞いております。
  45. 石井啓一

    石井(啓)分科員 それでは、西武池袋線の現在進められております高架の複々線事業、連続立体交差事業についてお尋ねをしたいと思います。  昨年十月には桜台駅それから練馬駅間の下り線の高架が完成をいたしまして、また、十二月には地下鉄有楽町線が練馬駅まで単線の乗り入れを開始しました。下り線高架化による踏切渋滞も緩和され、また地元も大変に喜んでいるところでございますが、桜台−練馬間の残りの事業の進捗状況及び練馬駅の西側から富士見台駅付近の事業の進捗状況及びそれぞれの事業の完成のめどについて説明をいただきたいと思います。
  46. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 おっしゃいました西武池袋線の桜台−石神井公園間でございますが、特定都市鉄道整備事業ということで六十二年十二月に認定をいたしまして、連続立交とともに事業を進めているところでございます。全体の完成のめどは一応九年十二月ということをめどにして、全力を挙げて西武鉄道で工事をしているところでございます。  特定都市鉄道整備事業としての全体の進捗状況といたしましては、六年度の上期末現在で、用地は九九・六%の手当てが終わりまして、工事といたしましては六一・二%という進捗状況でございます。  先生がおっしゃいましたように、高野台駅付近が六年十二月には完成いたしましたし、それから桜台−練馬間は、単線でとりあえず下り線の高架化が完成しております。練馬−富士見台間につきましては、連続立体交差事業ということで現在鋭意工事を進めているところでございます。  全体としては、九年十二月というのが一つのめどであるということでございます。
  47. 石井啓一

    石井(啓)分科員 現在、特定都市整備事業で認定されている桜台それから石神井公園間のうち、石神井公園駅付近の事業化の見通しがまだ明らかになっておりません。この箇所の立体工事による踏切渋滞の解消、この効果は非常に顕著でございますし、また、駅周辺の町づくりを推進するためにも、一日も早い事業化が望まれているところでございますが、都市計画上の課題が残っているということは承知しておりますけれども、早期の事業化に向け御努力されることを確認をしたいと思います。
  48. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 おっしゃいましたように、桜台−石神井公園間のうちの石神井公園付近につきましては、地元の合意がまだ得られておりませんで、道路計画との調整が未了といったようなことがございまして、都市計画決定がおくれております。事業の進捗がおくれておりますけれども、今後とも関係機関と調整しながら事業を進めるように鉄道事業者を指導してまいりたい、かように考えております。
  49. 石井啓一

    石井(啓)分科員 もう一つ、西武池袋線ですけれども、現在、地下鉄有楽町線が単線で練馬駅まで乗り入れをしているわけでありますけれども、これの直通乗り入れのめどにつきまして説明をいただきたいと思います。
  50. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先生おっしゃいましたように、有楽町線、昨年十二月に新桜台−練馬間を単線で開業いたしておりまして、練馬から有楽町線へ直通列車が運行されております。  ただ、池袋線の練馬駅では下り線が高架で、まだ上り線が地平でございます。そういうことがございまして、現在は物理的に直通ができないわけでございますが、練馬以西への有楽町線の直通運行を早くやりたいということで高架化工事を進めておりまして、上下線の高架化工事が完成した時点で直通乗り入れを可能にするということでございます。その時点から直通運転を開始したいというふうに考えております。
  51. 石井啓一

    石井(啓)分科員 ちょっと確認したいのですが、上下線の高架化が完成した時点ということでありますけれども、物理的に考えますと、まず練馬駅で上り線が完成をいたしますと、有楽町線は複線で練馬駅までには乗り入れが可能になります。さらに、練馬の西側の中村橋駅あるいは富士見台駅で高架が、これは上下線でなくて、一期工事が完成をすれば、直通乗り入れは物理的には可能になると思うのですけれども、そこら辺どうでしょうか。
  52. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 練馬から今度は新桜台の方に向かいますところがうまくつながるようになりませんと、直ちに直通運転が可能にはならないということだろうと思います。
  53. 石井啓一

    石井(啓)分科員 いや、それを前提として、練馬の上り線はできたとして、さらにその練馬の西側は、上下線高架ではなくて、第一期で高架になれば可能なはずですよということを確認をしたいと思うのですが……。
  54. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先生のおっしゃるようなことだと思います。
  55. 石井啓一

    石井(啓)分科員 それでは、最後でございますけれども、西武新宿線でございますが、この地下線による複々線計画が延期になりまして、特定都市鉄道整備事業から除外をされました。地元の自治体及び住民、利用客は大変大きな失望を生じているわけでございますけれども、いろいろ説明を伺いますと、特待事業で積み立てた積立金については、利息を含め積立期間に応じて七年間で利用者に還元をされる、運賃を割引をして還元をされる、こういうふうなことでありますけれども、もともとサービスの向上ということで計画をされたこの複々線計画……
  56. 深谷隆司

    深谷主査 時間が参りましたので、簡潔にお願いします。
  57. 石井啓一

    石井(啓)分科員 この利便性の向上がなくなった現在、それにかわるサービスの提供、具体的に申し上げますと、線路の片側にしかない改札を両側に設けるとか、跨線橋をつくったりとか、あるいは時間制限のある改札口の時間延長をする等のサービス向上を図る、あるへは踏切遮断時間が、これは急行が地下へ潜る予定ですから非常に短縮されるはずだったのですが、これが短縮されない。逆に輸送力を増強させるために急行をふやすということになりますから、むしろ遮断時間が延びます。その代替措置として、少なくとも歩行者、自転車が通行できるような横断施設を設置することを鉄道事業者もやるべきではないかというふうに考えますが、この点いかがでしょうか。
  58. 深谷隆司

    深谷主査 時間が過ぎましたので、戸矢鉄道局長、簡略にお願いします。
  59. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 混雑緩和あるいはサービス向上のために適切な対策を講じるようにということで指導しておるところでございます。  混雑緩和では、準急四本を十両化いたしましたけれども、さらに急行のラッシュ時一時間二本というのを平成九年度から増発をするといったようなことを西武鉄道は今検討しております。  また、サービス改善策といたしまして、先生今おっしゃいましたように、一部の駅改札口の開設時間を終日化する、あるいは反対口を設置する、あるいは踏切遮断時間が、急行がふえても長くならないようにするといったようなことを検討するということでございまして、今後とも引き続き、混雑緩和あるいはサービス向上に向けて適切に対応していくように指導してまいりたいと考えております。
  60. 石井啓一

    石井(啓)分科員 以上で終わります。
  61. 深谷隆司

    深谷主査 これにて石井啓一君の質疑は終了いたしました。     〔主査退席、佐藤(剛)主査代理着席〕
  62. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 次に、渡辺浩一郎君。
  63. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 新進党の渡辺浩一郎です。  きょうは、これから三十分間、運転代行業につきましてちょっと御質問させていただきます。  運転代行業、御存じのとおり、私どもが飲食店で飲んだ後、飲酒運転、酒気帯び、こういうのは絶対禁止でございますので、しかし、行くときは車で行ってしまったけれども飲んでしまったらどうしようということのために、酒を飲んだ人にかわって、じゃ運転代行をやってあげましょうということからこの業界が出てきたというふうに私は認識しております。このこと自体は大変結構だと思っています。しかし、私が見ていますと、この運転代行業の業界の中は、大変いろいろと、業界のレベルの差が非常に激しいとか、あるいは非常にまゆをひそめるような行為をやっているとか、もっと規制を厳しくしていく必要があるというふうに私は認識をしています。規制を厳しくしていくというよりも、まだまだできて間もないこともありましょうが、ルールが全くできていないところもある。ですから、今の政治状況、こういう規制緩和の状況でありますけれども、規制を緩和するのではなくて、規制をきちっとつくっていく、つまりまだまだルールをきちっとつくっていくような段階じゃないかなと私は認識しています。  私は昨年の六月にこの問題をこの分科会で取り上げさせていただきまして、大変混沌とした状況の中で、業界あるいは関係各位の皆さん方の相当な努力の必要性を訴えてまいりましたけれども、その後、きょうこうやって質問に立たせていただく中、少しずついい方向に進んでいるなどいう実感はしております。例えば、運輸省が管轄するのかあるいは警察庁が管轄するのかという問題に関しましては、これは共管という形で決着をしておりますし、また保険に関しましても、運転代行業専用の新保険がきちっとでき上がっていますし、そういう意味ではこの業界あるいはこういう分野に関して着々と前進をしているな、私もいつかは安心して酒が飲めるなという実感はしておりますけれども、そういう中で、しかしまだまだ細かい点でいろいろとこれからまた改善していかなければいけないことが目につきますので、きょうはそういう視点からちょっと質問させていただきたいと思います。  まず、細かい話で恐縮ですけれども、AB間問題、つまり飲食店があって、そこからその利用者の車の間というのは、ここは運転代行業者が運んではいけないということになっておりますけれども、つまりそれは運んだら違法行為であるというふうに聞いておりますけれども、本当に違法行為なのかどうかをちょっと確認したいのです。
  64. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 ただいま先生から運転代行業についてのお尋ねでございます。  運転代行業、これは主として飲酒等のために自分の車両を運転することができない、そういった方にかわりましてお客様の車を運転代行する、こういうものでございます。通常、これは二人一組で行うということでございまして、一人がお客様の車にお客様を乗せまして、その車を運転していく、もう一人が自分の用意した運転代行用の車で追随していく、帰りは二人がその車に乗って帰る、こういう形態でございます。  お尋ねのAB間輸送と申しますのは、飲食店等からお客様が駐車をしております駐車場まで、これを運転代行事業者が自分の車にお客様を乗せて運行する、こういうものでございます。これをいわゆるAB間輸送と言っておるわけでございますが、運転代行自体の料全体系というものは、法的な規制がございませんから自由料金でございますけれども、通常有償でお宅までお送りする、その間に、飲食店から駐車場までの間、これもそこが幾らというふうに明示的には通常はっきりとはしていないケースが多いのだろうと思いますけれども、全体の代行料金の中にはこの間の対価も含まれている、こう考えられるわけでございます。  したがいまして、このような形態の運送行為を反復継続して行うということがあります場合には、これは道路運送法上、他人の需要に応じて自動車を使用して旅客を運送する事業を経営する者、こういうことになりまして、道路運送法第四条に違反をするということでございます。また、反復継続して実施する意思がないという場合でありましても、自家用自動車を有償で運送の用に供してはならない、こういう規定が道路運送法第八十条にございまして、これに違反するということでございます。
  65. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 要するにAB間輸送というのは違法であるという御認識だと思いますけれども、その違法が、運転代行業全体の中でどういう形で実際に実態になっているか、その実態の調査というのはされているのでございましょうか。その辺、もしもあればお聞かせ願いたいのです。
  66. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 運転代行業の実態につきまして、これまで過去何年間にわたって予算をとりまして調査を行っておりますけれども、今申し上げたAB間輸送についての実態というのは、残念ながら詳細には把握していないという状況でございます。
  67. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 今後、その問題に対しては調査を強化していく、あるいは調査をきちっとやっていくというお考えはあるのでございましょうか。
  68. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 先ほど先生もお話ございましたが、昨年の十月から、私ども、これまで警察行政と運輸行政、それぞれの立場から運転代行の問題に取り組んでおりましたが、共同で取り組みましょうということになりました。そこで、警察行政とも相協力いたしまして、まず実態把握をやらなければいかぬという認識を持って、今御指摘がありましたようなAB間輸送の問題について、警察と一緒になって、実態を把握の上どう対応するか、現在勉強中でございます。
  69. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 なぜそういう質問を申し上げたかといいますと、この運転代行業の業界の中で、言葉はどうですかわからないのですが、そういったAB間の違法行為をしていても、全然違法行為という認識がないとか、それから、わかっていても警察が何にも手だてをしていないからいいやというようなことが実態じゃないかと僕は思うのですね。今は、局長から話されましたように、実態調査すらもしていないという中で、現状ではそういう警察の手ぬるい対策、取り締まりをみんな見透かしている状況だと私は思うのですね。違法行為だということがきちっとわかっている中、これはもっと毅然とした態度で早急に対応してもらいたいと思うのですよ。  例えば重点地区をどこかつくって、取り締まりを早めていくとか、場合によっては、こういうことが当てはまるかどうかわかりませんけれども、頻繁な違法行為者に対してはきちっと——きちっとというか、逮捕していくというような強い姿勢が業界のレベルの向上に必ずつながると私は思うのですね。そういうことをしない限り、この問題に関しては、いつまでたっても業界のレベルというのは上がっていかないし、私どもの利用者の立場からすれば、いつも安心して乗れないというような状況が続くだろうと思うのですね。ですから、そういうことに関しましては、ぜひとも早く実態調査をするなり、方針を決めてもらいたいというのが私の考えでございます。  それから、あと、これはどちらに当たるかわからないのですが、今実態調査をしている段階だからということでお答えしにくいかもしれませんけれども、当面の対策として、余りにもひどい業者がいれば営業停止を行っていくというような措置もお考えかどうかだけ、ちょっとお伺いしたいのです。
  70. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 先ほど申し上げましたように、AB間輸送というものが違法である、そのことが立証されました場合、どういう処置が可能であるか、こういうお尋ねでございます。  道路運送法上の規定、八十一条というものがございます。ここは「運輸大臣は、自家用自動車を使用する者が次の各号の一に該当するときは、六月以内において」「自家用自動車の使用を制限し、又は禁止することができる。」こういうことになっておりまして、その一つが第四条の免許を受けず自家用自動車を使用して旅客自動車運送事業を経営したとき、それと、有償で自家用自動車を運送の用に供したとき、この二つの場合に使用の制限、停止ということが可能でございます。
  71. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 それは法的にそうなんでしょうけれども、それは実行していくような段階に今なっているのかどうか、その辺だけちょっと最後、最後というか、この件に関しては質問したいのですが。
  72. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 これは警察の取り締まりとの関係もあるかと存じますが、なかなか、夜間の、ある特定の時間帯におきますサービスの提供ということでございますので、その立証ということは現実問題として大変難しいということでございます。
  73. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 私も、今の局長の話、ある程度はわかるのですけれども、やはりこの取り締まりを、公的な機関での取り締まり、あるいはまた営業停止というかそういう強硬的な態度をとりませんと、やはりこれは業界の発展というか、つながらない。つまり、業界の発展というよりも、私どもが安心してやはり乗れるような体制になかなかならないだろうというふうな気がしますので、ぜひその辺は強く検討していただくことを望みますので、お願い申し上げます。  次にちょっと移らさせていただきます。  やはり、私ども利用者が安心して乗れる方法として、今申しましたAB間輸送の問題だけではなくて、やはりもっと根本的なことで言えば、保険とか車検とかそういったものの整備、きちっと整えていくことが必要だと思うのですけれども、先ほど新保険に関しては、私の聞いている範囲では、昨年の九月下旬ごろに大蔵省から認可が出て、十月一日からこれを施行していく形になったと聞いておりますけれども、このために、今まで陸送の運送の保険で代用していたものが、これによって運転代行業の保険がきちっとでき上がったという意味では大変一歩前進だというふうに私は考えておりますけれども、しかしこうは言っても、また次のステップというのですか段階として、またこの保険業務に対してもう少し整備をしていかなきゃいけない課題があるんじゃないかというふうに私は考えているのですね。  その一つが、今冬運転代行業の事業者が運送法の規定に基づいて陸運支局に対する報告書というものを年に一回出しているのですけれども、この報告書に、今度の新保険の、あるいはまた共済保険ですか、そのきちっと保険に入ってますという契約書を別に今のところ添付しなくてもいい形になっているのですね。ですけれども、添付しない場合、もしくは新保険に入ってなかった場合、共済にも入ってなかった場合、これは事故があった場合は当然利用者の保険を一部使うようなことにならざるを得ないというようなことが当然考えられるわけですね。したがいまして、きちっと運転代行業者は新保険もしくは共済に入っている、あるいはそのたぐいに入っているということを、義務づけるために、その報告書に添付をする義務づけを僕はしたらいいんじゃないかと思うのですね。その辺のお考え方、ちょっとお聞かせ願いたいです。
  74. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 自動車の保険のお話でございます。これも、昨年六月に先生から御指摘を受けまして、私ども関係方面と鋭意調整をいたしまして、昨年の十月から新しい運転代行の保険が発足したということでございます。  それで、今運転代行事業者に対しましては年に一度、御指摘のように、事業の実態につきましての報告書の提出を求めております。その中にも保険への付保の有無ということを今調べておりますけれども、より実効性を上げていくという観点からは、先生指摘のように、その際に保険に入っているという証明する書類を一緒に出させるということも大変有効な手段ではないかと思っております。  ただ、なかなかその報告書の提出もきちっと出てこないという面もございますので、やはりその事業者の団体をより強化拡充いたしていきまして、そういったことを通じて実効の上がる方策というものをとっていくということも現実的な問題じゃないかなということでございます。  大変有益な御指摘だと私ども受けとめて、警察との協議会の場においても検討させていただきたいと思います。
  75. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 確かに実行している段階におきましてはいろいろの問題点がありますけれども、ともかくそういう義務づけをしていくことが僕は大変大事なことだと思いますので、ひとつ、御検討と同時にぜひやってもらいたいと思います。  なおかつ、この今の新保険の、何というか、義務づけ、添付の義務づけ以外に、御存じだと思いますけれども、例えばことしの一月に石川県の加賀で、県警の摘発で、無車検、無保険、この運転代行業者が県警によって摘発されているわけですね。車検にも入ってないというのが運転代行者をやっているわけですよ。これは恐ろしくて、本当にうっかり酒も飲めないような状態になってしまうわけですね。  したがいまして、その代行者の使用の方の車の車検、何というのですか車検査証というのですか、これもきちんと添付をする義務づけをやはりぜひしていく必要がある。保険と車検の方の、この双方を義務づけをしていく必要がある。特に車検の方は、これは当然だと思うのですが、ここは今義務づけに、報告書に義務づけをする必要が私はあると思うんですけれども、この辺はいかがでしょうか。
  76. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 ただいま、車検に入ってない車で運転代行を行ってその結果事故が起こったという話でございますけれども、通常、運転代行の場合はお客様の車にお客様を乗せて運行するということでございますので、AB間輸送あるいはAC間といいますか、直ちに自宅まで代行車で、代行用の車で送るという場合以外は、お客様の安全ということを考えた場合に、車検証、運転代行車の車検証を義務づける必要があるのかどうか、その辺についてはこれからちょっとまた勉強さしていただきたいと思います。
  77. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 わかりました。  そうですね。車検に関しては今局長のお話も一理あるのですが、私はやはり、今その業界、後でまた質問しますけれども、やはり質的向上ということ、これはやはり大事だと思うんですよ。そのために今できる範囲内の中で義務づけをしていくというのも一つの方法だと思うんです。新保険に入っている、それをきちっと報告書に添付するとか、義務づけるとか、あるいは車検の場合も、それはもう当然車検なんか入っているのは当たり前のことなんですけれども、それをきちっと添付させるというぴりっとしたところをやはり示す必要が僕はあるんじゃないかというふうに思いますので、今局長が話がありましたけれども、ぜひこの問題は、業界の質的向上と同時に利用者の安全、そういう大局的な立場でひとつ御検討をいただきたいというふうに思います。  それで、これに関しまして、またほかの質問にちょっと移らさしていただきます。  今、道路交通法では、自家用自動車を五両以上持っている使用者に対しては、安全運転管理者を選任するということになっているわけですね。これも、先ほど言いましたように、業界の質的向上あるいは利用者の安全確保ということからしますと、運転者に安全運転管理者をさせるという方法が僕は一つ考えられると思うんですね。  ただ、自家用車一台持っている人に対しても、運転代行業者、一人で一台でやっている場合もあるわけですから、それに安全運転管理者を選任いたしますと、私どもが持っている自動車全部が安全運転管理者にならざるを得ない、こういう非常に、矛盾とは言いませんけれども、難しい問題になってしまいますので、これに対して何らかの方法がないだろうかというふうに思いますが、例えば、一つ最初に聞きますのは、一台でも安全運転管理者を選任することができるかどうか、その辺のお考えをちょっとお伺いしたいのですが。
  78. 小池登一

    ○小池説明員 お答えをいたします。  先生指摘のとおり、現在の道交法におきましては、乗車定員が十一人以上、この自動車にあっては一台でも安全運転管理者を選任しなさい、さらにまたその他の自動車にありましては、五台以上の自動車を所有する場合に、本拠ごとに安全運転管理者を選任をしなさい、そういうぐあいになっておるわけでございまして、現在警察といたしましては、運転代行業における安全運転管理者の実態というもの、あるいはまた交通事故の発生状況等々を踏まえまして、道路交通法における安全運転管理者の選任に係る基準の強化につきまして検討をしてまいりたいと考えております。
  79. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 要するに、十一人以上の場合は一人の安全運転管理者が必要というのですけれども、これは運転代行業には当てはまらないですし、また、一車両でも安全運転管理者を出すというのもこれもまた非現実的だと思うので、そこで代行業という位置づけを法的にきちっとして、それに関しては安全運転管理者を選任するというそういう措置ができるかどうか、その辺の御検討はしているのでしょうか。
  80. 小池登一

    ○小池説明員 お答えをいたします。  先生のお尋ねは、いわゆる自ナンバーの自動車についてでございますけれども、これにつきましては、御案内のとおり、既に道路交通法の体系の中で安全運転管理者による安全運転管理の規定が整備をされておるところでございます。したがいまして、青ナンバーの車両についても道路運送法上同じ規定をするということになりますと、いわば二重行政の弊害というようなものも出てまいるのではないかと我々考えておりまして、いわゆる自ナンバーの自動車につきましては、現行の道路交通法上の規定で十分であると考えております。
  81. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 それでは、その道路運送法で準用して運転管理者を選任するという形はとれないでしょうか。その点はいかがでしょうか。
  82. 小池登一

    ○小池説明員 同じ趣旨のお答えになろうかと思いますけれども、現在、運転代行業というものをいかに法的に位置づけていくかということを、先ほど運輸省の自動車交通局長からも御答弁がおりましたけれども、両省庁で検討しておる最中でございます。そういった検討の結果を踏まえてそれについても結論を出していきたいと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、現在のところでは、白ナンバーの自動車については道交法上の手当てで十分整備がされておると理解をしております。
  83. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 わかりました。それでは、ともかく運転者、運転代行業をやっている方々の、運転者の質的な向上というものはぜひ大事ですので、先ほど言いましたように保険に入ってないとか車検に入ってないとかそういう周辺の整備というのはもちろん大事ですけれども、運転するその人が非常に質的にぐあいが悪ければ事故につながりますので、ぜひその運転者の質的向上のために強い検討をお願いしたいと思います。  続きますけれども、やはり利用者にとっては保険に入っているとか、あるいはまた車検に入っているとか、あるいはまた運転者の質が向上しているとかなかなかわからないわけですから、何か酔っていてもすぐ、ああ、これは安心して乗れる運転代行業者が来たなというのがわかる制度を私は早急に考えるべきだというふうに思っております。  具体的に申せば、マル道マークというものを導入するべきだろうというふうに思うわけですね。このマル通マークを、私もいろいろなところからこういう話を考え方を聞いておりまして、これはぜひ早急にしてもらいたいという気はしておりますけれども、この辺に関して関係各位のお考え方をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  84. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 安心して乗れる運転代行車についてマル連マークをつけてはどうかというお話でございます。確かに、利用者の立場から選別をするということからは意義のあることではあると思います。ただ、その安全、安心の範囲というものが一体どこまで保証されているかという点につきまして、さらなる検討がやはり要るのじゃないかと思っております。保険に入っているということだけで済むのか、あるいは運転者はアルバイトの方が多いわけでございますけれども、その方の運転技量、運転経験というものがきちっと担保されているのかどうか。あるいは、先ほど申し上げたAB間輸送というものについてきちんとした対応がとられているのかどうか。さらには違法駐車の問題もございます。そういったあらゆる点について、マル道であるというふうな状態を私ども把握するには、やはりそれなりの準備と体制とが要るわけでございます。むしろ、やはりこれは事業者団体、責任ある事業者団体というお立場で、まずそういう団体を健全育成という観点から私ども育成をしていく必要があると思っておりますが、そういったところでまず仲間内として一つの目安というものをお決めになるというのも一つの方法じゃないかなというふうに思っております。
  85. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 今、局長の方からマル道マークに対して業界団体の方のまず質的な向上というのでしょうか、そういうものがきちっと整えられてからとかいうお話がございましたけれども、私は逆に、もちろんマル連マークの中身については相当厳しく検討しなければいけないと思うのですけれども、それを先にやることによって、運転代行業界のレベルアップだとかあるいは私どもの利用者の安心感というものができると思うのですね。業界のいろいろな状況を待っていたら、これは僕はいつまでたってもできないと思うのです。  したがいまして、これは卵が先か鶏が先かになっちゃいますけれども、ここはひとつ思い切って、例えば公的な機関、前から言われております、前にも質問させていただきましたけれども、公的な機関としての社団法人をきちっとつくって、そこが窓口になって各省と連携をとりながらマル道マークの中身をきちっと詰めて、そして実行していくということを早急にしなければいけないのではないか。冒頭申しましたように、なかなか運転代行業が社会の中に浸透していかないのは、業界団体のそれの育成を待つという姿勢ではなくて、やはりそれは公的な機関をつくってそこで検討するということを早急にしていくことが先かなという気が僕はするのですね。  したがいまして、マル道マーク、方法にはいろいろありましょう。例えば専用のナンバープレートをつくるとかそういう方法もあるかと思うのですけれども、これよりも僕は利用者にとってはマル道マークがきちっとあった方がたやすいと思いますので、ぜひこれも早急に検討して実行していただきたいというふうに思います。  時間がなくなりましたので、一つ二つの質問で終わらせていただきますが……
  86. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 簡略にお願いします。
  87. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 はい、わかりました。  ちょっと離れますけれども、今零細の代行事業者が非常に多い中、代行事業者の健全な育成あるいは事業者の経営基盤の確立のためにも協同組合の育成が必要だと思っておりますけれども、この辺に関してのお考え方を伺わせてください。それと同時に、大臣、この運転代行の業界に対する今後の方針も大臣から直接伺わせていただきたいと思います。
  88. 亀井静香

    亀井国務大臣 この運転代行業は具体的なニーズが存在をしたために自然発生といいますか、そういうニーズに基づいて生まれてきたという経緯が私はあると思います。そういう中で、タクシーと家族の方が迎えに行くみたいなこととのはざまみたいなものを埋めてきておると思います。  それなりに社会的な意義もあると思うわけでありますが、委員指摘のように、非常にそれぞれ零細であり、非常に歴史が浅いわけでありますから、これをどう秩序立てて、ユーザーの方々が安心して簡便に利用されるか、そのあたりは、やはり私はまず業者の方自体が社会的なそうした自覚をお持ちいただき、官がどうだこうだといって締めつけていくというようなことの中では余りうまく進まないのじゃないか。やはりまずそうした業者の方々が、どうしたら自分たちの業界が皆様方に愛され、支持されるのかということを真剣にお考えいただく、それについて役所等が指導していく点はどんどん指導していく。そういう面でも、また今委員指摘のように、協同組合化とか社団法人化とか、そういうような形でお互いにばらばらじゃなくて連帯を持ちながら、零細でございますから、助け合っていく中で伸びていくということが大事だ、このように考えております。
  89. 渡辺浩一郎

    ○渡辺(浩)分科員 私も大臣と同じ考えでございますので、ぜひこの問題のために尽力をしていただきたいと思います。  では質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  90. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 これにて渡辺浩一郎君の質疑は終了いたしました。  次に、吉岡賢治君。
  91. 吉岡賢治

    吉岡分科員 兵庫県の南部の大震災がありまして、運輸大臣を初めとして、一日も早い復旧をということでJRあるいは阪神、阪急、山陽電鉄、そして神戸電鉄等を御指導いただき、御努力いただいていることに心から敬意を表したい、このように思っているところでございます。  さてそこで、この震災による交通網の状況というのを考えてみますと、神戸のいわゆる瀬戸内のところに道路あるいは鉄軌道、これらの動脈が集中をしていた、こういうことが大きい混乱を起こしていくということにつながったのではないかと思料されるところであります。そこで、鉄道網の分断等、今回の地震を教訓として、日本海国土軸強化あるいは兵庫県内の日本海側と瀬戸内側との連絡線の強化、こういうものが必要であり、鉄軌道においてもダブルネットワークがどうしても必要ではないか、このように考えておりますけれども、一言、冒頭大臣の方から所見を伺っておきたいと思います。
  92. 亀井静香

    亀井国務大臣 震災地から出ておられる委員のそうした現場の貴重な経験の中からの御提言であろうと思いますが、私も全く同感でございまして、一つの軸が切断されるともう日本経済も身動きができなくなるということが証明されたわけでありますので、日本海軸あるいは九州から四国、和歌山と上がっていく第二国土軸等含めて、多角的な交通整備をすることがどうしても必要だ、それと今委員指摘のように、まさに今度の場合、兵庫県と日本海側との縦の軸が極めて整備されていない、これは六甲山という山があるということもありますけれども地域の発展ということを考えた場合、そのあたりも横だけじゃなくて縦の軸もどう整備をしていくかということがやはり今後の喫緊の課題である、このように考えております。
  93. 吉岡賢治

    吉岡分科員 現実に、私は十七日の日に伊丹に保飛びまして、とてもその日は入れませんでした。したがって、三田に行きまして、その明くる十八日、自動車で西宮まで山越えで参りました。そしてそこからは、職員の皆さん、出勤者が少ない、こういう現状も私は見てまいりましたので、そこから自転車で神戸へ、そして明石、ここまで行きまして、明石で初めて山陽電鉄が動いていた、こういう状況でございました。国会に帰るために、十九日の日に回りました姫路に行きますと、通常であれば大変すいているあの播但線がまさしく和田山までの間ぎっしり立っていかなきゃならぬという現状でございまして、そういうことから、やはり先ほど申し上げますような鉄軌道の分散化と、そして通常、過疎地であるから経済性がないから、こういうことで放置されがちでありますけれども、このネットワークの重要さというのをつくづく感じさせていただいた次第でございます。  一カ月たった今日におきましても、山陰線の方に九州の夜行列車が通っておる、こういうことで、私自身が愛用させていただいております出雲二号、出雲四号が一本減りまして、切符を申し入れますと、一カ月前のものが詰まっておりますので、今制限申し上げておりますので売れませんというようなことまで言われまして、私は実は二月五日はどうしても用事がありましたもので来なければなりませんので、福知山線で大阪まで出て、そして銀河に乗ったという経過がございます。それほど、緊急時になりますと、この山陰本線が見直されてきたというように私は思っているわけであります。そこで、今大臣もおっしゃいましたけれども、山陰本線の輸送力といいますか、そういうものが見直されてしかるべきではないのか、このように一つは思っています。  それと同時に、今もう一つ考えておかなければならないのは、環日本海経済文化圏構想、これも着々と国際的に会議が何回も重ねられ、進んできている。とりわけ豆満江流域開発、こういうことによって中国、ロシア、北朝鮮、この三国の関係するところに経済の拠点をつくろう、あるいは大ウラジオストク構想ということで進んでいる。特に中国は日本海に港がございませんから、どうしても大連に集中している、それも限界があるということで日本海に港を求める動きが起こっているわけであります。現にザルビノ港を中国が借款をして、そこに鉄道をつけようという計画も進んでいるやに聞いておるところでございます。  そういうことにかんがみて、この日本海岸におけるところの日本の対応、こういうものもきちんと進めていかなきゃならぬということになりますと、今山陰本線の実情というのは電化が城崎まで、しかも複線が難しいというような状況に追い込まれているわけでありますが、そういうことと相まって、ひとつこの山陰本線の輸送力の増加といいますか、強化というものを考えなきゃならぬときに来ていると思うのですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
  94. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は委員の御指摘はそのとおりだと思います。交通アクセスを考える場合、東京大阪中心の考え方をとるべきではない。やはり整備新幹線にいたしましても、御承知のように基本計画があるわけでございまして、ところが、そういうものは毛頭夢のまた夢みたいな、そういう雰囲気でこの数年間来ておるわけでありますが、私はこれは間違っておると思います。日本国の国土じゅうにそうした基幹的なものの交通網を整備をすることがやはり日本国全体の発展にとって不可欠だ、このように思いますし、そういう意味では、ぜひ委員、ひとつ音頭をとっていただきまして、日本海のそうした軸を今度万全総等を含めてどう位置づけていき、さらに具体化をしていくか。  村山政権は「人にやさしい政治」ということを言っておりますが、これは、東京大阪に住んでおる人たちだけに優しいということではなくて草深い田舎に住んでおる方にとっても優しい政治を目指しておるわけでありますから、そういう観点から、どういうあり方がいいのか、それについてコンセンサスをつくり、かつそれを実行していかなきゃ意味がございませんので、ぜひ委員、今後ともそういう面で御指導、また御支援を賜りたいと思います。
  95. 吉岡賢治

    吉岡分科員 現在、私ども地域におきましても地元の皆さんが非常に熱心に電化促進を訴えておられます。ここに、表紙だけお持ちいたしましたけれども、山陰本線城崎−鳥取間の電化促進に関する、香住町で一万数千件の署名、竹野町でも三千五百、それから浜坂町では七千五百七十三というような大きい署名を持ちながら住民の皆さん方の要望もあるということを明確にお伝えをしておきたい、このように思っているところでございます。  さて、そうなってきますと、問題はあの転落事故を起こしました全部鉄橋でございます。今日二十メートルの風速で安全運行ということでストップしておる。したがって、年間に三百本の列車に影響を与えているというように思います。そういう状況にかんがみて、この全部鉄橋の問題というのを具体的にどうするのかということで、転落事故以降一向に措置がされないではないかという皆さん方の意向もございます。そういうことにどうお答えいただけるのかということについて、ひとつ御見解を伺いたい。
  96. 亀井静香

    亀井国務大臣 今御指摘の件、私もこれについては、転落事故の後、再発防止と同時に輸送力の強化という観点からもやはり取り組んでいかなければ、もとのとおりに戻すということであればまた同じことの繰り返しになるわけでもございますし、もとのままにしておいて運行を考えれば、今おっしゃいましたようにできるだけ運転を差し控えるという形が続くわけでありますから、JR西日本の今後の設備投資計画、営業計画等があるわけでありますが、私の方から井手社長に、この点について御要望のとおりに従って前向きに検討するようなことは指示をいたします。  鉄道局長から現在の状況をちょっと説明させます。
  97. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 大臣答弁を一言補足させていただきます。  全部鉄橋、先生おっしゃいましたように、強風時に列車をとめる状況がございます。今年度の実績では延べ三日間、九十六本とめざるを得なかったというような状況でございました。  当面の措置といたしまして、本年度から兵庫県、鳥取県で専門家を入れまして、防風ネットをつくるということをやった場合にどういう効果があり、技術的にどういう問題があるかというようなことを調査を開始しております。これは東海道線の白糸川橋梁で防風ネットを設置いたしまして効果を上げております。そういうこともございますので、一つの方法として防風ネットの設置ということを検討を始めているということでございます。  この結果が出れば、それを踏まえてまたそれなりの対応を考えていきたい、とりあえずそんなことを考えております。
  98. 吉岡賢治

    吉岡分科員 全部鉄橋自身が今の車両を運行するということには支障ないのですが、風防をつければどうかとかということになりますと、小低気圧で落ちましたものですから、小低気圧の下からの吹き上げというのは大変でございますから、風防ネットという問題も十分検討していただかなければならぬと思いますけれども、大変難しい問題だなというふうに実は考えております。  それから電化の問題でございますが、あそこは御案内のとおりトンネルが多い。十数キロになって二十カ所ぐらいトンネルがあるということですね。それは急峻なところを通っているということもございますけれども、その辺もお金がかかるどうこうということがございますけれども、ぜひひとつそういう方向で電化促進、そして全部鉄橋の問題についても根本的な考え方で調査をお願いしていきたいというふうに思っておりますので、その点要望を申し上げておきたいと思います。  そういう立場で山陰本線をどう位置づけるか。先ほど大臣の方から、災害に対する総合的なネットワークあるいは国土の均衡ある発展、こういう立場からもということで、大まかにはわかるのですが、具体的に電化の方針なりそういうことについてどういう方針でJR西日本を御指導なさっているのか、お聞きしておきたいと思います。
  99. 亀井静香

    亀井国務大臣 私どもは、それぞれのJR、採算路線と不採算路線両方抱えておるわけでありますが、ただ単に採算面での設備投資に走ることがないように、やはり不採算路線も抱えながらその地域のためにどう責務を果たすかという観点を忘れてはならないということを強く言っておるわけでございまして、そういう意味でJR各社が今後とももうかる路線に集中的に設備投資をしていくということがないように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
  100. 吉岡賢治

    吉岡分科員 鳥取県も兵庫県もかなり熱心でございます。JR西日本に言いますと、やはり経済性の問題、乗客が少ないということで日の目を見ない、こういう現状が続いておることを打開しなければならぬと思いますので、国としても十分な検討を加え、そしてJRを御指導いただきたい、このように申し上げておきたいと思います。  二つ目の問題でございますが、先ほど申し上げました播但線の重要さを今回ほど感じたことはないわけであります。したがいまして、播但線で山陰線の和田山まで行くという乗客が急増したというのは現実の問題でございますが、そういうことを通して播但線の整備もこれまた必要であります。姫路の市長さんも大変熱心で、私どもの方にも複線電化を訴えておられるところでございます。  JRとしても、たしか寺前だったと思いますが、その辺のところまで検討をして電化を進めたいということでございますが、そこまででとまってしまうと山陰線との接続という問題ができない、こういうことになりますから、私はやはり和田山まで早急に延ばしていくべきではないのか、こういう見解を持っておりますが、いかがでございましょうか。
  101. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 播但線の電化計画でございます。姫路−寺前間につきましては兵庫県とJR西日本の間で電化工事を進めるということになっておりまして、現在工事着手に向けて準備中でございます。平成九年度までということで、変電所あるいは軌道改良等を行いまして電化を進めるということでございます。  残り区間の電化につきましては、和田山まででございますが、トンネルが多い、あるいは非常にお金がかかるというようなこともあるようでございます。ただ、今回の大震災ということもございました。そういう輸送需要の問題もございますけれども、全体的に総合的なことを考えながら検討を進めるように今後JR西日本を指導してまいりたい、こんなふうに考えております。
  102. 吉岡賢治

    吉岡分科員 たしか寺前までだったですか、今回。そこまででいきますと私が質問をしている意味と少しく変わってきますから、寺前までということでなくて和田山までということで一挙にやっていただかないと、先ほど申し上げたような状況に対して対応するということはできない。そこで、和田山という山陰線との合流点、そこまで早急に延ばしていただきたいということをJRの方にぜひひとつ御指導いただくようにお願いをしておきたい、こう思うところでございます。  和田山までの延伸の必要性について、JRの場合は先ほど申し上げましたように経済性を考えますから寺前というようなことになっていると思いますが、今回の実情にかんがみて運輸省としてどのようにお感じになっているかということについてお尋ねします。
  103. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先ほど申し上げましたように、とりあえず寺前というのが今計画があるということでございます。その先の問題につきまして、今回のようなこともございましたので、JR西日本にもよく話をし、検討させたいと思っております。
  104. 吉岡賢治

    吉岡分科員 JR西日本も今回大きな被害を受けている、そして株の上場も延期しなければならないのではないか、こういう局面に立たされている中で、過疎地域における鉄軌道の整備というのはなかなか、経済性を中心に考えざるを得ないというところで、おくれおくれになっていくのではないか。災害等があって、いや必要だな、こういうときには言っていただけるのですけれども、しばらくたちますと、やはり経済性が優先をするという結果を生んできているように思っているわけであります。  現に、鳥取から大阪への距離が、私どもは山陰線の豊岡というところでございますが、そこより早く着くというような状況も生まれておりまして、要するに浜坂、あるいは鳥取から東側の山陰線の皆さん方は随分歯がゆい思いをしているという現状もございます。  したがいまして、今申し上げた方向でぜひひとつ検討を進めていただきますようにお願いを申し上げておきたい、こう思っているところでございます。
  105. 亀井静香

    亀井国務大臣 この震災で受けた教訓とは別に、私も鳥取県に二年半ばかりおりまして、ああした日本海行きの実態は私なりに承知もしておるつもりでありますが、今委員おっしゃるように、兵庫県につきましても、表と裏と言っては失礼でありますけれども、表側と山陰側との格差の問題等、私はいろいろあると思います。それを、このたびの震災の教訓も踏まえながら、やはりそのあたりをどうやって一体的に今後再建をしていくか。  今度、御承知のように、復興委員会もできまして、復興本部も衣がえをして取り組んでいくわけでございますが、ぜひひとつ委員委員所属の社会党から総理も出ておるわけでございますから、そのあたり、地元のいろいろな国会議員の方々の御意見、それを十分おまとめをいただいて、復興委員会、復興本部へそれを反映をさせていただくということが私は大事だと思います。  私ども運輸省も、各省も、また復興本部も、いろいろと兵庫県、各市町村と協議をしながらやってまいるわけでございますが、やはり地元出身の議員の皆様方、一番実態をよく御承知でございますから、私どもはそういう御意見を聞きながら取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくひとつお願いいたしたいと思います。
  106. 吉岡賢治

    吉岡分科員 三つ目の問題でございますけれども大阪から福知山へ通ずるJR福知山線の問題でございます。  篠山口駅まで複線化の事業を進めていただいております。今回、災害もございまして、一時不通になりましたけれども、皆さんの御努力の結果、早い段階で開通をし、そして三田、宝塚、伊丹、こういうところの大阪の方への輸送が非常にスムーズにいくということに寄与していただいたわけでございます。そのことでございますが、今計画をされております篠山口駅までの工事着工を見ているわけでございますが、これが予定期限内にきちんとできるのかどうか。この災害という問題がございまして、予算の問題もございますけれども、その辺について明確にお答えいただきたい。
  107. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 福知山線の複線化でございます。  現在、新三田−篠山口間につきましては、鉄道整備基金の無利子貸し付けという形の助成を行いまして工事中でございまして、八年度末に完成ということで、鋭意工事を進めているところでございます。
  108. 吉岡賢治

    吉岡分科員 今福知山線の複線が篠山口駅まで延びる、こういうことになりまして、過疎地域で人口が減少していた地域がこの二、三年で自然増に向かっていっているという現状があります。過疎地にとっては非常に福音だというように期待をしているわけでございます。一日も早い実現をということと同時に、篠山口駅までで終わってしまいますとこれは大変でございまして、それから以北、いわゆる福知山まで、この辺の住民の皆さん方にとりましても、ぜひ複線化をという要望が強うございます。  その点について、とりあえずは篠山口駅までということでございましょうが、これは日本国有鉄道民営化、あのときに篠山口駅から篠山までのいわゆる線を廃止するということが前提になって複線化のことがきちんと事業化されておって、それをJR西日本が引き継いだ形で実施していただいておるということで、計画からしますと二十年間かかっているわけですね。そういうことでございますので、この篠山口以北の複線化計画という問題についてどのようにお考えになっているのか、お尋ねしておきたいと思います。
  109. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先生おっしゃいましたように、今篠山口まではお客様も相当見込まれまして、そういう意味で優先的に複線化ということを国が助成をいたしまして始めているわけでございます。その先につきましては、もちろんやはり需要動向、かなり篠山口までと異なって段差がございます。そんなこともございますけれども、私どもとしましては、今後の輸送需要の動向等を勘案しながら、JR西に対しまして、その先の複線化も含めて検討させていきたいというふうに考えております。
  110. 吉岡賢治

    吉岡分科員 京都−福知山間の山陰本線も今電化工事が進んでおりまして、この部分についても増強されていくというように思いますし、さらに、今申し上げた福知山線、電化はしておりますけれども、複線化が福知山まで届くと、いわゆる京都、福知山、大阪、この三つのデルタ地帯を結ぶということになりますので、地域としても、いわゆる北近畿という立場からも非常に注目をしておるということでございます。  私ども地域の中での、いわゆる福知山線の複線化の推進ということで、何回となく地域の中でも推進協議会等が開催されながらやっておりますけれども、ぜひひとつ、住民の期待にこたえていただきますようにお願い申し上げておきたいと思います。  最後に、この兵庫県の兵庫五区にかかわる部分について質問をさせていただきましたけれども、先ほども大臣がおっしゃいましたように、過密の地域は当然のこととして、過疎の部分についてはともすると政治の世界からも忘れられる、こういうことがございます。ひがんでいるんじゃないかというふうに言われますけれども、ひがんでいるといえば、私もその一員でありますからひがんでいるということになるというように思いますが、今回の大震災等を体験をさせていただく中で、まさしく機能の分散ということが必要だということをつくづく感じさせていただきました。  そういう意味におきまして、運輸行政のあり方につきましても、ひとつ抜本的な検討を加えていただき、そして国土の均衡ある発展と住民の期待にこたえていただきますように心からお願いをして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  111. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 これにて吉岡賢治君の質疑は終了いたしました。  次に、弘友和夫君。
  112. 弘友和夫

    弘友分科員 新進党の弘友和夫でございますけれども、去る一月十七日に発生いたしました阪神・淡路大震災から一カ月経過いたしまして、亡くなられました五千四百名を超える皆様方に、ここで改めて御冥福をお祈り申し上げ、また御遺族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。また、負傷された方々、今なお避難所で不自由な生活を余儀なくされている二十一万余の方々に対しまして、衷心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。  そこで、神戸港の復旧、復興に関しましてお尋ねをしたい、このように思っております。  今回、この大震災は、全国シェアの三〇%を持つ我が国最大のコンテナ港である神戸港、国際貿易港としても世界で有名なこの神戸港に壊滅的な打撃を与えたわけでございますけれども、去る本会議でもまたいろいろ大臣が御答弁されておりますけれども、この復旧には二年ないしはもっと相当長期間かかるのではなかろうか、このように言われております。そしてまた、その復興の費用の総額というのは一兆数千億から二兆円、このようにも言われておるわけですけれども、これまで神戸港青利用しておりました荷主はそこで他の港湾を利用しなければならなくなっておりまして、輸出入の物流拠点の移転など、国内外に与える影響というのは非常に大きいわけでございます。  そこで、まず大臣にお尋ねしますけれども、神戸港の復旧、復興に当たっての基本的な考え方、また復興の見通し、また国内外の物流に与える影響というのをどのように予測されているのか。また、聞くところによりますと、その復旧費用の三分の一ぐらいは第二次補正でやるんだということも聞いておりますけれども、そこら辺を含めてお伺いしたい、このように思います。
  113. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員承知のように、もう壊滅的と言ってもいいような打撃を受けておるわけでございますので、これを私どもは一応二年がかりで復興をいたしたい、このように基本的には考えておるわけであります。  基本的な考え方は、ただ旧に戻すということじゃなくて、国際港として今まで以上の近代的な機能等を持つものとして整備をしたい。具体的には、今いろいろと神戸市、兵庫県とも協議をいたしておりますけれども、水深十五メーターから十六メーターの大型バースを新たに五つ整備をするというようなことを含めて、荷揚げ機械、また海から陸への物流の関係の整備等を含めて、ただ旧に戻すということじゃなくて、新しい機能を持った復興をしたい、これが基本的な考え方でございますが、当面は、今委員指摘のように、部分的にでも応急的な機能を回復しなければ荷がよそにシフトするという危険性がございます。  現在、横浜港、大阪港等に主としてシフトしておるわけでありますが、釜山港等にも今三%程度シフトをいたしているという数字が出ておりますけれども、応急的な復興、これがおくれればおくれるほど、今後本格的な国際港建設をいたしましても荷が戻ってこないという危険性があるわけでありますから、そうした本格的な復興とあわせて当面の応急的なものもやらざるを得ないという考え方で進んでおるわけであります。  具体的に申し上げますと、コンテナバースにつきましては、二十一のうち八つを六月末、七月までにこれを一応応急的に復興いたしたい、そして平成七年度内に本格的な復興を三分の一については終了したい、このように考えております。さらに、フェリー岸壁につきましては、そのうちの四を九月末までに、これを本格復興をしたい。現在一バース機能いたしておりますけれども、さらに残りにつきましても七年度内について完全にこれは復興をしたい。そして、残余の岸壁につきましては、一応七年度内に約半分を復旧をしたい、このように考えております。  そういう意味で、平成六年度の二次補正にいたしましては、そうした応急的なことを含めて、施工能力との関係もございますから、そこらをにらみながら編成をいたしたわけでございまして、さらに七年度の第一次補正、さらに八年度の予算におきまして、先ほど申し上げましたような視点からの復興に万全を期したい、このように現在考えておるところでございます。
  114. 弘友和夫

    弘友分科員 今大臣お答えいただきましたように、やはり本格的な復興をやっていくのも当然だと思うのです。また、やはり時間との勝負という部分もあると思うのですよね。それでなくても神戸港、台湾・高雄だとか韓国・釜山だとか、そこら辺と競争が激しくなっておるという状況から見ますと、やはり早急にそこら辺の復興というのをぜひやっていただきたい、このように思います。  それに関連しまして、神戸港が今そうした機能麻痺に陥っているわけでございますけれども、今お答えありましたように、これの代替港として考えられているのは大阪ですね、大阪港。それから名古屋。しかしそれは、非常に受け入れの能力というのは限界があるということから東京横浜ということになると思うのですけれども、しかしながら、これ、聞くところによりますと、例えば広島あたりのいろいろな業者の方が、今まで神戸港に持っていって、それから例えば東南アジア、タイなんかに持っていくと大体二十万円ぐらいで済んでいたのが、これを横浜に持っていって同じタイに持っていくと、これは四十五万ぐらいかかる。要するに、倍以上のコストがかかるということで、これは日本経済また中小零細企業、そういうものに対する影響というのは非常に今から大きくなってくるのじゃないかというふうに思うわけですね。  そういうことで、特に西日本の荷主にとりまして、国内輸送に時間と金がかかるというのは大きな問題であるというふうに考えるわけですけれども、そうした意味からいうと、地理的条件からいって、例えば九州の博多だとか北九州港、この方が代替港として非常に有望適地だというふうに考えられるわけですけれども、全体的に、中国、九州、これまで神戸港に輸出入を依存しておりました荷主さんが今後どの港から輸出入を取り扱っていく、そういうのがどういう方向にあるのかということを、見通しというのをひとつお答えをいただきたいというふうに思います。
  115. 亀井静香

    亀井国務大臣 あと事務局の方からもちょっと詳細に説明をさせたいと思いますけれども、今のいわゆるシフトの状況を見ますと、委員指摘のように横浜港それと大阪港ですね、これへ主としてシフトをしておるわけでありますが、今後の荷の具体的な動きとなってまいりますと、恐らく可能なものであれば、これは御承知のように能力との関係もありますから、可能なものであれば、東南アジア向けその他のものについては、西日本の各港がそれを代替をしていくという傾向は強くなっていこうと思います。  具体的なことをちょっと事務局から答弁させます。
  116. 栢原英郎

    栢原政府委員 現在、神戸港の機能を代替している港につきましては、先ほどのとおりでございますが、関連をいたしまして、周辺の港、特に大阪港、堺・泉北港、姫路港等六港につきまして、平成六年度第二次補正においてコンテナ岸壁の整備を促進するための予算を見ていただくようになっております。
  117. 弘友和夫

    弘友分科員 もちろん神戸港、現在ある神戸港の代替でございますので、今言われたところもやはり整備していかないといけないと思うのですけれども、既に、聞くところによりますと、北九州港でもコンテナの取り扱いというのは急増しておりまして、一月二十六日から二月九日までの十五日間で見ますと、前年同期に比べて四割増というふうになっているし、また今後もその増加が予想されるわけでございまして、そうした意味におきまして、やはり機能の分散、先ほども鉄道機能の分散ということが御質問に出ておりましたけれども、やはり港湾もこういうことに対して機能の分散というのが必要になってくるんじゃなかろうかというふうに考えているわけで、そういうことで、やはり西日本の主要港の整備充実ということが必要なんじゃないか。  今、例えば北九州では港湾業者が神戸から六人の荷役機械の運転をする方を派遣してもらって対応しているとか、そういう実態もございますので、ヤードの緊急確保や当面のコンテナ受け入れ態勢の整備に対して、やはりこれは国としてもぜひ御支援をしていただきたいというふうに考えておりますけれども、国としての考え方についてお尋ねします。
  118. 亀井静香

    亀井国務大臣 震災対策という面におきましても、委員指摘のように、九州等についての手当てはきちっとしていかなければならないと思いますので、これは具体的に、そのあたりは今後の補正等の中できちっと対応してまいりたい、委員指摘のことに対応できる体制をとっていきたい。  さらに申し上げますと、震災に関係なしに、やはり今後、中国大陸、朝鮮半島が地球において発展可能な最有力な地域だということも言われておるわけでありますから、そこらとの物流ということを考えた場合、地政学的に言いますと、今運賃のことを言われましたけれども、九州を中心とするあの地域がその拠点になっていく歴史的な一つ流れもある、私はこのように考えておりますので、現在いろいろな計画、御承知のようにございます、北九州あたりは人工島をつくって大型の港を建設するというようなことも今あれされておりますけれども、そういうことを含めて、私どもは、従来のような、東京湾、また大阪湾、神戸を含めて、そういうところの港だけを整備すればいいという考え方は、海についても持っておりませんので、今後いろいろと地元からのアイデアなり要望なりを私どもにもお教えいただければありがたいと思っています。
  119. 弘友和夫

    弘友分科員 今大臣お答えのとおり、今からの、特に東南アジアに対する拠点というのは、やはり九州になってくる。今、この大震災、神戸港の復興ということでございますので、それは当然やっていかなくてはならない。  それと同時に、震災ということだけじゃなくて、東南アジア等にらみましたら、九州の港湾もやはり充実さしていただきたいということで、データを見ましたら、東京横浜、名古屋など、その整備が進んでおります東日本に比較しまして、神戸以西、北九州、博多、下関等では、例えばこの三つを合計しても十バース、クレーンが十二基ということになるわけです。全国のコンテナクレーンの数が約百七十のうちのわずか七%、北九州では全国の四%といったくらいな状況であるということから見ましても、大きな視野に立ったときに、物流コストの面だとか今からの輸出競争力等、そういうものを考えると、やはり九州方面を充実さしていただく必要があるんじゃないかなというふうに思いますので、もう一度大臣の御決意のほどをお願いします。
  120. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員の全く御指摘のとおりだというように考えております。それについては、ぜひひとつ、委員のような、あの地域から出ておられる政治家、どんどん声を大きくしながら、具体的なまた私どもに御指導も賜りたい、このように思います。
  121. 弘友和夫

    弘友分科員 それでは、今度、鉄道の復旧支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。  今回、この地震で大きな被害を受けましたJRや民鉄の関係が十二社ございますね。その被害総額が、というか、復旧に要する費用が、JR関係で千二百八十億、それから民鉄関係で二千二百五十億の合計三千五百三十億というふうに大体推定されているわけです。大変な被害でございますけれども、これは従来の鉄道軌道整備法だけではとても対応できる額ではないというふうに考えるわけです。  例えば、今お話のあった神戸港の復興に対しましては、従来補助対象になっていなかった神戸港の埠頭公社の管理コンテナ岸壁の復旧などは、大臣は特別法を考えられて、それでもって救済していくというような御答弁もこの間されておりましたけれども、そういう新たな財政支援、もちろん民間でございますので限度はあるかもしれませんけれども、そういう新たな阪神地域鉄道輸送のネットワークというか、東西物流動脈であるこの貨物輸送新幹線の公共の重要性ということを考えましたら、やはり国の補助を拡大するとか、また超低利の融資での財政支援というのを行って、一日も早くその復旧をさして、社会経済の復興に向けた基盤整備を急ぐ必要がある、このように考えるわけです。  新聞報道等では、今回の補助の中に、JR西日本だとか、またどこでしたか、上場を前にして、それに支障があるので補助金の申請はされていないとかいうような、やはり私は、これだけ大災害でございますので、そういう特別な何か、それに影響しないようなことを考えられる必要があるんじゃないかなというふうに思いますので、その点と、その超低利の融資ですか、そこら辺はどういうふうに考えられているか、お尋ねします。
  122. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、今の鉄軌法の省令では国が補助することができないわけでございますので、私ども、これは省令を改正をいたします。  ただ、支援をする場合に、個々の事業体の意向を無視して我々として押しつけるわけにはまいりませんので、阪急には阪急、阪神には阪神、それぞれの経営の中での要望がございます。それを鉄道局は詳細に、本音でひとつ言ってくださいということで今までも接触をしてまいりました結果、阪急につきましては、これは低利融資をということでございました。阪神については、補助と低利融資両建てという要望でもございます。JR西日本は、これも低利融資をという要望でございまして、別に、JR西日本の場合、補助を受けたから上場に問題が出るというようには私どもは考えておらぬわけでございまして、これは御承知のように、そういうことを言い出しますと、JR全体が、東も東海も西日本も、国から現在も二十七兆の債務を棚上げしているような状況の中で、新しい民間企業として再出発をしていくという方向の中で、一日も早く、証券市場との状況の中では、民営化していくという路線の中を走っておるわけでございますから、別に補助金を受けたから上場できないということではございません。ただ、西日本としての今後のいろいろな検討の中でそうした低利融資の方がありがたいということでございましたので、私どもはそういう措置をいたすことにしたわけでございます。
  123. 弘友和夫

    弘友分科員 低利融資、超低利融資ということであれなんですけれども、大体今どれぐらいなことで考えられているんですか。(亀井国務大臣「三・七五です」と呼ぶ)三・七五。超低利融資、今どうなんですかね、三・七五というのは、もっと一般的には低い金利というか、ほかのあれに比較しますと、三・七五だったら一般のあれと余り変わらないような気がするんですけれども、そこら辺はどんなものですかね。
  124. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおりでございますが、私ども、今回の鉄道災害、大変大きな災害でございまして、住民の足を一刻も早く復旧しなければいかぬということで、関係当局とも折衝をしながら支援措置を考えてきたわけでございます。  先ほど大臣から申し上げましたように、一つは、鉄道軌道整備法の要件を緩和しまして補助金を出すということでございます。これは五割補助でございますが、その五割補助を受ける企業につきましても、実は開発銀行の融資と組み合わせができる、こういう仕組みでございます。五割は補助でございますが、残りの五〇%のうちの二五%について、当初五年間、四・二五%という低利の融資をするということでございます。それから、JR西日本あるいは阪急等、むしろ融資で自力で復旧できるというところにつきましては、先ほど大臣申し上げましたように、五年間、三・七五%ということで開銀の融資をするということでございます。金利につきましては、これは今鉄道につきまして、開発銀行が特利五ということで最優遇の金利がございますが、それからマイナス一%ということで、三・七五%をお認めいただいたということでございます。全体のバランスを考えれば、私どもとしては、三%台の融資制度を認めていただけることになりましたので、それなりの形になっているというふうに考えております。
  125. 弘友和夫

    弘友分科員 最後に、あわせて税制面でのこの御支援というのを、時間がありませんのでまとめてお尋ねします。  例えば国税の法人税でありましたら、災害復旧工事に係る修繕引当金について、新潟地震また十勝沖地震のときの個別通達に準じた取り扱い、及び同引当金の見積もり方法の弾力化というようなことも、御要望も上がっているようですけれども、その法人税。また消費税につきましては、災害復旧工事代金の支払いに伴い発生する仕入れ消費税について、実際に目的物の引き渡しを受けていない場合であっても仕入れ税額控除をすることを許容する特例措置の創設だとか、または三番目は、登録免許税につきましては、災害復旧工事に伴い取得した資産については非課税とする特例措置の創設。  それから、地方税に関しましては、自治省の方も来られていると思いますけれども、固定資産税及び都市計画税、内容は省略します、また不動産取得税等、そういった税制面での支援というのがやはり必要なんじゃないかというふうに思いますけれども、お答えをいただきたい。
  126. 板倉敏和

    ○板倉説明員 今御質問ございました中で、固定資産税、都市計画税の関係でお答えを申し上げたいと思います。  鉄道施設に係る固定資産税につきましては、設備投資の負担が大変大きいということにかんがみまして、各種の特例措置を講じてきております。今後、復旧工事に伴いまして取得した資産につきましても、既存の特例措置の対象となるものにつきましては、平成八年度以降、一定の軽減措置が適用になるということになります。しかし、特例の趣旨によりましては、被災後の復旧投資によりまして新規に取得した資産のすべてが対象になるとは限らないわけでございまして、さらに何らかの特例をという御要望があるということは承知をしておりますが、財政と税制の役割分担の問題ですとか、他の企業等の資産や一般の住宅なども含めた全体の対応ですとか、対象資産の特定が実務上可能かどうか等、いろいろと検討しなければならない問題があるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、復興のための税制ということで、このあり方につきましてはこれから検討を進めていくということになりますので、この問題もその中の一つの課題と認識をいたしております。
  127. 亀井静香

    亀井国務大臣 税制につきましては、運輸関係だけ特別な措置というのは御承知のようにしておりませんが、損金勘定等についての特例措置を講ずる等、他の産業と横並びの形での特別な措置を講じております。
  128. 弘友和夫

    弘友分科員 ぜひとも国税、地方税、これはやはり公共的なものでもございますし、一般的、民間のものではございませんので、やはりそこら辺も内容をよく見ていただきまして、できるだけの御支援というのを大臣の方でもやっていただきたい、このように要望いたしまして、終わりたいと思います。
  129. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 これにて弘友和夫君の質疑は終了いたしました。  次に、石田祝稔君。
  130. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 大臣に御質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、運輸省がやられております地方バス路線維持費補助制度の存続についてお伺いをしたいと思います。  これは、平成六年度でこの制度が一応切れると申しますか、六年度までの措置、こういうふうになっているというふうに承知をしておりますが、この地方バスというのは、非常に地域住民の大事な足でございますし、特に、私は高知県の選出でありますが、地方へ参りますと大変な過疎でございまして、そういう中で唯一の住民の足、このように申し上げても過言ではございません。この地方バスの路線の維持費の補助制度がなければ、ある意味では大変地元の負担というものが大きくなる、こういう意味で、このバス路線の維持制度について平成七年度以降どのようにお考えになっていらっしゃるのか、お願いしたいと思います。
  131. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、過疎地域等については大変重要な足でございますので、これにつきましては、内容につきまして検討し、そうした観点から、むしろ実質的な意味において強化されるということで実施をいたす予定にしておりますが、局長から中身について答弁させます。
  132. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 地方バス運行維持費補助制度でございますけれども先生今お話ございましたように、平成七年度から新しく制度を見直したということでございます。  地方バス路線の維持のために、これまでも地域生活上必要な路線について一定の要件で公的助成を行ってきたところでございますが、平成七年度以降につきましても、事業者の一層の経営改善努力を前提といたしまして、制度適用期間の延長、これはこれまで一応五年間ということでございましたが、今回十年の適用期間ということといたしました。それから、補助要件につきましても一定の緩和を行っております。七年度予算額でございますが、九十八億二千万ということで、これは前年度に比べまして二・八億円、二・九%の増ということで計上させていただいております。  それから、市町村等が運行いたします廃止路線代替バス補助金につきましては、これは既に二十年間地方公共団体の事務として同化定着している、こういうことから地方の自主性をより発揮していただくことが適切ではないか、こういうことで、七年度から一般財源化を行って自治省から地方交付税により措置するということにいたしたわけでございます。
  133. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 そうすると、七年度から予算も増額をして、なお新たな制度で十年間存続させる、こういうことを決めていただいたわけでありますが、それで一つ気になることは、せっかくやっていただいたのですが、結局、二種、三種以外の路線で、いわゆる地方で運営しなさい、そのかわりお金は補助金をやめて一般財源にしますよ、こういうことであります。ですから、一般財源というのはもともと色がついておりませんので、ある意味でいえば一緒に入ってくるわけですね。ですから、どういう使い方をされるかというのは、非常に心配になるところでもございます。  また、それとともに、十二分に一般財源で心配ないようにしていただけるのかどうか。この点も自治省の方からお伺いをしたいのですが、この新しい制度で、今までの制度から新たになった場合に落ちる部分、廃止路線の代替バス、ここのところの一般財源化は地方公共団体にとって全然心配がないようにしていただけるのかどうか、自治省からお伺いをしたいと思います。
  134. 北里敏明

    ○北里説明員 廃止路線代替バスの国庫補助制度でございますが、今ございましたように、制度発足以来二十年余を経過いたしまして、地方団体の事務として同化定着しているということが認められるということ等踏まえまして、代替バス運行に係ります許可手続の簡素化を図る、あるいは運送の内容、サービス水準につきまして、できるだけ地方公共団体の意向を反映させるというようなことをした上で一般財源化を行うということとしたものでございます。  それで、この一般財源化に伴います地方財政の影響額につきましては十五億でございますが、関係地方団体の財政運営上支障のないよう特別交付税におきまして、従来からも講じております地方バス路線の運営維持に関する経費とあわせまして措置を講ずることとしておるところでございます。
  135. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 自治省の人、もうちょっとお聞きしたいのですが、一般財源化をして特別交付税でも措置をする、それで運輸省は今まで五年だったものを十年にしてくれる、制度を十年間のスパンで延ばします、こういうことですけれども、そうするとここの部分も十年間は、廃止路線代替バスに係る補助金の一般財源化、これは十年は少なくともやってくれるという認識でよろしいのでしょうか。
  136. 北里敏明

    ○北里説明員 制度そのものはこれで一般財源化、すなわち地方の単独事業ということになっておりますので、今後財政支援を続けてまいりたいと考えております。
  137. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 では、よろしくお願いをしたいと思います。  変わりまして、高知県のこれからの発展のために、非常に重要な問題についてお伺いしたいと思います。  まず最初に、今回の阪神・淡路大震災で神戸港が非常に大きな打撃を受けた。これは、私の前に質問された方もお伺いをしたところでありますけれども、それで、高知県では今度外洋港として高知新港、運輸省の御尽力によりまして今着々と進んでおりますけれども、今回の地震でケーソンが神戸港で非常に大きな打撃を受けた。地震によって前にせり出して、その後ろのエプロンというのでしょうか、そういうところが陥没をして大変被害をこうむっている。聞くところによりますと、高知新港もやはり同じケーソンを沈下させて、それによって岸壁をつくっていく、こういう方式だと聞いております。それで、この高知新港のケーソンの安全性について心配ないのかどうかをお聞きしたいのです。  大臣も御存じだと思いますが、実は昭和二十一年に南海大地震というのが起こりまして、今回の活断層の分布図を見ましても、やはり土佐湾の南方に活断層がある、こういうことも言われておりまして、何かあったときには、今回のことを非常に教訓にして処置をしておかなければ同じような被害が出るのじゃないか、こういう心配もしておりますが、平成九年度一部供用開始予定の外洋港高知新港のケーソンの安全性についてお伺いをしたいと思います。
  138. 栢原英郎

    栢原政府委員 先生指摘のように、神戸港でケーソン式の岸壁が非常に多く被災いたしましたが、今回被災をしております施設はいろいろな種類に及んでおります。たまたまケーソン式岸壁が非常に多かったので目立つということではないかというふうに思います。  一般に岸壁の構造型式は桟橋でありますとかケーソン式とかございますが、ケーソン式はどちらかというと地盤条件の大変いいところに設計をされるということでもございますし、高知港の場合にも砂質の大変いいところに建設をしております。さらに、高知新港の岸壁は新しい技術基準に基づきまして、いわゆる重要度係数もA級として十分な耐震性を想定しておりますので、通常の地震、想定される地震には十分な耐震性を持っているというふうに考えています。
  139. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 私は老婆心ながらさらにもう少しお伺いをしたいのですが、大臣、今回の地震の被害というのはほとんどが予想された範囲より超えていた、こういうのが大体まくら言葉にありまして、耐震性の基準を超えていた、こういうふうな言い方で、ある意味ではそこのところに全部逃げ込んでいるんです、基準に。ですから、そういうことで、せっかくつくっていただくのですから、瀬戸内海という神戸港ではなくて、やはり太平洋の荒波も押し寄せできますし、先ほど申し上げましたように、昭和二十一年、約五十年前には南海大地震という地震も来ておりますので、それでなおかつケーソンの心配がないのか、こういう質問でございます。  実は、いろいろな種類があるというふうに今局長もおっしゃいましたが、私も去年、釧路港にも参りまして、釧路港もやはり岸壁がせり出しているのですね。鋼矢板でやっているところどかいろいろあるのですけれども、そういうことをいろいろ種類を含めて、せっかく外洋港としてつくっていただいているわけですから、波の問題から含めて耐震性の問題、何かあったときに、いや、我々の想像を超えていましたとか、そういうことを言われたら困るので、そこのところも含めて心配ないのか、端的に御答弁いただきます。
  140. 亀井静香

    亀井国務大臣 現在、港湾につきましても、耐震構造検討委員会を設置をいたしまして、精力的に検討をいたしておるところでございます。  委員指摘のように、このたびの震災では、新幹線につきましても、岸壁につきましても、我々の予想をしなかった、そうした状況になった。これは大変に我々はショックであります。それぞれ、日本列島を過去襲った最大級の地震にも耐え得るというところに目線を置いて設計、建設をしたわけでございますが、現実は現実でございますから、検討委員会の現在の検討を踏まえながら、港についても耐震性について見直すことはきちっと見直すということでやっておるわけでございますので、高知港につきましてもそうした検討委員会の御判断を前提にして建設を進めてまいる所存でございます。
  141. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 大臣から力強い御答弁をいただきましたので、次の問題に移りたいと思います。  実は、高知新港の周辺は、すぐ近くに高知空港もございます。また、ちょっと北には高速道路のインターチェンジ、そして高速道路平成九年には須崎市というところまで延びる予定でございます。その高知新港に例えば水揚げ、荷揚げをして高速道路に乗せる。今北向けにずっと走っておりまして、もうすぐすると日本海の方まで道が一直線につながる。非常に陸海空の、ある意味で言えば交通の拠点になり得るところだろうと私は思っております。  それで、神戸に私も災害の視察にもお邪魔いたしましたけれども、やはり瀬戸内海を、余り狭いところをごちゃごちゃ通らないで、外洋港を使ってぜひ高知も一つの拠点にしてもらいたい、こういうふうに思っておりますけれども、陸海空の交通体系のモーダルシフトについてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
  142. 亀井静香

    亀井国務大臣 現在、陸海空のバランスのとれた交通体系の整備ということで、運政局を中心に今省内で検討を進めておる最中であります。また、連立三党ともそうしたすり合わせをやっておる最中でございます。  委員指摘のように、過去の日本列島のあり方がこうであったから二十一世紀もそうであろうというようなわけにはまいらない。そういう意味では、委員の選挙区であります高知が、従来のような四国の経済、文化にだけ影響を与えるということではなくて、委員承知のように、横断道も完成いたしますと日本海とも結ばれていくわけでもございますし、また第二国土軸ということも御承知のように検討いたしておるわけでございますから、いわゆる高知県というのがローカルな機能を果たすだけのことはもうなくなる、このように私は認識をいたしておるわけでございます。  今後のそうした我々の検討の中においても当然そういうことを視野に置いてやってまいりたいと思っておりますので、今後委員の方からぜひひとつそうした建設的な御提言、御指導を賜りたい、このように思っております。
  143. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 陸海空のバランスのとれた交通体系、非常に私は重要だと思います。  そこで、今までともすれば陸上のトラック輸送、また速さの点では航空輸送、この点に比べて若干光の当たり方が少なかった海上交通輸送についてお伺いしたいのですが、船はやはりどうしても遅いというのが非常に大きなデメリットで、たくさん物を運べるというのはまた逆の意味で大きなメリットであります。  そこで、テクノスーパーライナーという非常に速力の速い船がずっと平成元年度から研究をされてきております。聞くところによりますと、平成六年度までに一応の研究を終わって、七年度から実験航海を進めていこうではないか。ですから、実際の荒海に乗り出して、半日なら半日コースで、約五百海里の航続距離があるようでありますけれども、そういう実験をされるというふうに伺っております。  それで、関東から例えば高知ですね、ですから実験航海の寄港地として高知をぜひ指定をしてもらいたい。これは実験航海が終わりましたら、その後はそれぞれの船会社の経営判断等もございましょうが、現実に就航させて物を運ぶ、こういういわゆる商業ベースの話にもその次の段階ではなろうかと思いますけれども、その前段階の実験航海でも寄港地に高知をぜひ指定してもらいたい。これは要望ともつかぬお願いなんですが、この点についてはどのように進めていただけるでしょうか。
  144. 亀井静香

    亀井国務大臣 一応私どもといたしましては六月中ぐらいにそれは決めたい、このように考えております。  現在、委員だけではなくてあらゆる国会議員から大体そういう、うちにしてくれ、うちにしてくれという大変なありがたい御要望が殺到しておるわけでございますが、現在鋭意検討しておるところでございます。
  145. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 大臣、私余り大臣に質問する機会がございませんので、ぜひもうちょっと踏み込んでサービスしてやろうというふうな御答弁にはならないでしょうか。
  146. 亀井静香

    亀井国務大臣 サービスということではなくて、先ほどから申し上げておりますように、私は、高知県の役割というのは大変重要だ、このように認識をいたしておるわけでございまして、委員から御熱心なそうした御要望があるということもしっかりと踏まえまして検討させていただきたいと思います。
  147. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 それで、実験航海を続けられて、やはり技術的には問題ない。そうするとその次は、国でやるわけではありませんから、民間企業、運輸会社、船会社等がいわゆる経営判断の面から見て、これは商業ベースに乗る、そういうふうになったときにはまたその次の段階に進むだろうと思いますが、予定では一九九〇年代の後半には就航させたい、こういうふうにも聞いております。  そうすると、そのときにはどういう港に、実験航海をやって、それからその次は実際にはどうしていくのか。そのときには、高知新港も平成九年一部供用開始ですから、受け入れる港も、もうからっと決まっております。それで陸海空の交通体系も大体高知新港の近辺でうまくジョイントできるようになっておりますから、対応港湾配置計画というのを次の段階でつくられるというふうに聞いております。これも、高知県の位置づけを対応港湾配置計画の中にぜひ入れていただきたい、このように思います。  大臣は先ほど非常にいい、高知県の重要性を踏まえた上で検討する、こういう善言葉をいただきましたけれども、この対応港湾配置計画についてはどうでしょうか。
  148. 亀井静香

    亀井国務大臣 私が答弁したことを超えて事務局は答弁するわけにはいかぬと思いますから私が申し上げますが、何度も申し上げますように、私どもは、少なくともアジアの極東地域との間では外交も視野に入れての強力な海上物流の手段になる、このように思いますので、運輸省としてはこれを強力に推進をしたい。  もちろんこれは民間と十分タイアップしながらやるわけでございますが、これにつきましては、今申し上げましたように、どこどこということを現在この場で申し上げるわけにはいきません。先ほど申し上げましたように、九州から北海道までノンストップで行くわけではないわけでございますから、重要な経済拠点等をきちっと視野に入れながらルート等も設定をしていくことになろうかと思いますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
  149. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 これはぜひよろしくお願いをしたいと思います。  続きまして、FAZのことでお伺いをしたいのですが、平成四年七月に施行されました輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法、これに基づきまして各地で輸入促進地域、いわゆるフォーリン・アクセス・ゾーン、FAZというふうに呼んでおりますけれども、これの指定がされておるところでございます。  先ほども何度も申し上げておりますように、高知新港というものが平成九年供用開始になる。非常に南に開かれた港でございまして、私の地元では高知県の隣はアメリカだ、こういうふうな言い方もしておりまして、非常に南に大きく開いて、外からいろいろなものを受け入れて、それを、後背地ということで兵庫の地域関西も、そして日本海もとらえていこう、そういう大きな考え方で一生懸命頑張っております。  それで、このフォーリン・アクセス・ゾーンも、運輸省、通産省、農林省、自治省が主務官庁だ、こういうことで、きょうは予算委員会運輸省分科会で私質問させていただいておりますので、これはぜひ運輸大臣にお答えをいただきたい、こういうことできょうは質問をいたします。  このフォーリン・アクセス一ゾーンにぜひ高知を指定をしてもらいたい。四国ではたしか松山が指定をされていたと思いますけれども、フォーリン一アクセス・ゾーンに指定をしていただければ、非常にいろいろな意味で弾みがつく、このように考えておりますけれども、この次期の指定についてはどういうふうにお考えでしょうか。
  150. 亀井静香

    亀井国務大臣 フォーリン・アクセス・ゾーンというのは、私は、ある程度気分的な面が相当強いというような感じがするわけでございまして、中身についてもっと整備をしていく必要がある課題だというふうに私は思っておるわけでありますが、それにいたしましても、それなりの効果がそれぞれの地域についてもあると思います。  もし、そちらの方で強い御要望があれば、関係省庁と検討いたしまして、これはサービスじゃなくて、検討いたしたいと思います。
  151. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 検討ということでありますので、これもぜひよろしくお願いをしたいと思います。検討というとなかなかいろいろな幅広い意味がありますので非常に心配をするのですけれども
  152. 亀井静香

    亀井国務大臣 それでは、極めて前向きに対応いたします。
  153. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 それでは、極めてという形容詞もつきましたので、その言葉を重く受けとめまして、これはこれぐらいにしたいと思います。  それで、最後になりますが、大臣がいい答弁をしていただきますので質問時間を若干余して終わるだろうと思いますが、今度は航空の問題でございます。  大阪−高知、また東京−高知、路線がそれぞれ開設をされておりますが、大阪−高知が今ダブルトラッキングで、東京−高知はシングルなんですね。これは、私も自分が選挙区と往復するのに利用いたしますけれども、特に東京−高知は大変混雑をしております。おまえが乗っているから込むのだ、こういうことかもしれませんが、それで、ぜひ大阪−高知のトリプルトラッキング化と東京−高知のダブルトラッキング化、これは羽田空港の発着容量の問題もあろうかと思いますが、これはぜひ推進をお願いをしたい、このように思っておりますけれども、現状と見通しについてちょっとお伺いをしたいと思います。
  154. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員が御指摘のように羽田空港の容量の問題がございますが、一応、八年度末の時点で、今御要望のダブルトラッキング、これは検討をいたしたい、このように考えております。
  155. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 大臣、済みません、大阪−高知はどうですか。
  156. 土坂泰敏

    ○土坂政府委員 大阪−高知でございますが、トリプルの基準が、今で申しますと、大阪の場合は七十万でございます。したがいまして、基準は超えておると思います。具体的な申請があった段階で検討させていただきます。
  157. 石田祝稔

    石田(祝)分科員 大臣に非常に前向きな、極めて前向きな答弁をいただきましたので、時間が余りましたけれども、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
  158. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 これにて石田祝稔君の質疑は終了いたしました。  午後二時から当分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十四分休憩      ————◇—————     午後二時開議
  159. 深谷隆司

    深谷主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  運輸省所管について質疑を続行いたします。遠藤登君。
  160. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 まず、阪神の大震災に日夜懸命なる御努力をされていることに深く敬意を表したいというふうに思います。  それで、現在、何よりもまずその被害の実態についての専門的な立場からの調査が各分野で行われているというふうに思いますが、その上に立って耐震性の強い構造なども含めて具体的な対応が迫られている。そのためにもまた御努力をされているということだと思いますが、またそれに関連をしながら、補強を含めて全体的な見直しも迫られているという状況にあるのではないか。特に活断層中心とする見直しが早急に迫られている状況もあるのではないかというふうに思う次第であります。鉄道を初めとしての震災の早期復旧対策ということに大変な御努力を重ねていらっしゃる状況にありますが、現在最大の力点ほどこに置かれていらっしゃいますか、ちょっとお聞かせをいただきたい。
  161. 亀井静香

    亀井国務大臣 約一カ月経過をしたわけでありますが、現在なお一番大事なことは、やはり被災者の救護、救援活動である、このように考えておりますので、その点について、総理からも非常に細かい御指示をいただいて、それぞれつかさつかさが全力投球をしておる状況であります。しかし、現在なお、いかに全力投球いたしましても至らないところだらけであろうか、このように思っておるわけでありますけれども、当面まだ被災者の救援、救護という面でも本当に全力を尽くさなければ大変な事態はまだ解消されていない、このように考えております。  ただ、あわせて復興が進んでいくということが被災者の方々の今後の立ち上がりということ等にも極めて影響してくるわけでありますから、現在御承知のように復興本部に本部も衣がえもしながら、復興にもあわせて取りかかっていくという状況におるわけでありますけれども、今後そうした復興についても、自治体との細かい協議が必要であろうと思います。国がお仕着せでこういうものをつくれとか、こういう方向でやれというわけにはいかぬわけでありまして、それぞれ県民、市民の方々と自治体がよく協議される中で今後の青写真をおつくりをいただく。それを国が全面的に国家的立場からサポートをさせていただき、推進をしていくということであろう、このように思います。
  162. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 大変な課題を背負われて、それぞれに真剣に対応されている大臣初め皆さんに深く敬意を表したいというふうに思います。  大変な課題でありますが、中長期的な視点もあろうかと思います。国民全体的な、しかも各分野の御協力をいただいて、被災地はもちろんでありますが、一日も早く災害に強い日本をつくり上げるというために最大の御努力を我々もしていかなければならないし、お願いを申し上げる次第であります。  この機会にちょっと私も、これは釈迦に説法だと思いますが、山口さんもいらっしゃったわけでありますが、災害特でヨーロッパを視察をさせていただいた経験があります。それで、フランスにしてもイタリーにしてもイギリスにしても、御案内のとおり、空港のそばには必ず巨大な支援センターが設置をされている。これは国際機関でありますけれども輸送機はもちろん常駐している。それで、国内外の、ECはもちろんでありますが、災害の折には水難であろうが山火事であろうがすぐ飛び立っていく。  アジアに話を移して聞いたら、これはアジアではシンガポール、フィリピンにきりない。日本になぜつくれないかという主張をしてきたところが、北海道あるいは各ローカル空港を含めて地方に存在する。そういう体制を、支援センターと支援隊をきちっとつくる必要がある。  今回政府においても抜本対策の対応などについていろいろ総合的な御検討がなされていらっしゃいますが、特に運輸大臣としては十分承知でいらっしゃるわけでありますから、その点については、それぞれの体制や財政問題を含めて大変なことだと思いますが、何といっても国民の生命や財産を保障する、やはり国の政治の最大の責任がそこにあるのではないかというふうにも思いますので、この際、私の考えてきた一念の一端をひとつ申し上げて、御努力を賜りたいというふうに思います。  何か大臣から一言。
  163. 亀井静香

    亀井国務大臣 空港がこうした大災害時におきまして救援等について極めて重要な役割を果たすということであろうかと思います。  このたびの場合も御承知のように陸路が断たれたわけでございますので、関空が救援の補給基地として重要な役割を果たしました。海上保安庁があそこから巡視艇等を総動員いたしまして、壊れておった岸壁がほとんどでありますけれども、そのあたりを選びながら、応急措置をとりながら海路そうした救援物資をピストン輸送もいたしたわけであります。またヘリコプターも、最終的には十七基地被災地に設けまして、八尾空港また伊丹空港等からシャトル運航で一時間に一回必ずそこに飛んでいくという形の中で、救援物資の輸送、また病人とか被災者の運搬等の役割を、民間のヘリコプター四十五機を総動員をいたして、自衛隊のヘリの活動を補完をする形で実施したわけでございますけれども、そういう意味では、まさに災害時における先生指摘の航空の果たす役割というのは非常に重大だと思います。  このたびの反省の中で、八尾空港を防災基地にしたらどうかというような御意見も出てきております。伊丹をヘリポートとして使用したわけでございますが、これは普通の飛行機が離発着いたしておるものですから、ヘリコプターが自由に離発着をできなかったというようなこともありまして、八尾空港が非常に大きな働きをしたわけでございます。そういう意味では、ヘリポートを含めて、大都市についてはそうした対応をしていく必要がある、このように考えております。
  164. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 大変な課題でありますが、ぜひひとつ万全の体制をこの際確立をするということについて強く要請をさせていただきます。  時間がないのでありますけれども、まことに恐縮でありますが、地元のことを中心に、お願いを含めて発言をさせていただきたいというように思います。  それで、地方の鉄道の第三セクター、それぞれ地方にとっては、過疎過密の進化が激しい中で、足をどのように確保するかということで地元も大変な苦慮をされているし、運輸省当局も大変な御努力をされていることに敬意を表したいというふうに思います。  それで、現在三十六線が第三セクターとしてそれぞれ運行されているという状況がありますが、財政的にも非常に大変な状況にある、それぞれの路線の御努力もさることながら、大変な状況にあるという状況を認識するのでありますが、どのような運行状況にありますか。
  165. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先生指摘のとおり、第三セクターは地元の足として大変重要な機能を果たしているわけでございます。今、全国で三十六社ございます。そのうち七社が黒字、赤字は二十九社である、こんなことでございます。なかなか経営の状況は厳しいわけでございますが、地元のいろいろな意味での御協力を得ながら経営を維持していただいている。国といたしましても、いろいろな意味での、安全対策の向上でございますとか、あるいは事業効率化に役立ちます設備の助成といったようなことで支援をしているという実態でございます。
  166. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 信楽の大事故などもあったりして、極力低コストに努めての運行、あるいは乗車卒を高めるためのそれぞれイベントづくりの問題とか、乗車率を高める各種の手だてがそれぞれの路線において行われているのでありますけれども、特に安全性の問題、あるいは近代化に向かって運輸省当局もあるいは都道府県も含めて支援体制が強化されつつあることに深く敬意を表するのでありますが、それらの実態についてちょっとお聞かせをいただきたい。
  167. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 おっしゃるとおり、安全の確保というのがもちろん最重要な課題でございます。そういう意味で、私ども鉄道事故の防止ということで御協力、御支援を申し上げているところでございます。  第三セクターの関係でございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども一つ近代化補助の対象ということでございまして、経営が困難な鉄道事業者が行います安全対策につきまして、例えばATSの設置でございますとか、あるいは軌道改良といったような近代化の設備を整備する場合につきまして、補助率を従来五分の一でございましたものを三分の一に上げるといったようなこと、あるいは技術レベルの向上を図るために、これは日本鉄道技術協会というところから隔年に専門家を派遣いたしまして、実際にその現場で安全向上のための教育指導を行うといったような助成制度をつくるといったようなことを応援申し上げているところでございます。  私どもといたしましても、今後とも安全の確保のための各鉄道のそういう意味のレベルアップというのにさらに御協力をしていきたいと考えているところでございます。
  168. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 これは総体的に、国の支援として平成七年度の財政措置はどのような状況にあるのですか。
  169. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 ただいま申し上げました近代化設備につきまして、制度的充実を図りましたけれども、また平成七年度の予算におきましては、前年に比べまして一二七%のアップということで、二十三億一千四百万円を今の政府予算原案に盛り込みまして、量的にも充実に努めたところでございます。また、近代化あるいは合理化工事あるいは事故防止工事というために必要な資金につきましては、日本開発銀行あるいは北海道東北開発公庫からの融資というのもあわせてお願いしているところでございます。そういう財政的な支援あるいは融資といったようなもので、さらに地方公共団体と御協力しながら、こういう第三セクター鉄道、中小鉄道が多いわけでございますので、その自立への努力を強化していきたいと考えているところでございます。
  170. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 資金対策については、これは都道府県も含めて利子補給の対応はあるのですか。
  171. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先ほど申し上げた近代化の補助はございますが、利子補給というのは今のところ制度化されておりません。
  172. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 これは都道府県の対応も非常に重要だと思いますので、状況によっては、大変経営が悪化しているという路線もありますので、その実態に対応して御配慮願ったらありがたいというふうに思います。  それから、フラワー長井線の支援状況、まことに細かくて恐縮でありますが、平成七年度の支援状況はどのような状況になっていますか。
  173. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 平成七年度の近代化補助をどういう格好にするかというのはまだ決まっておりませんので、これから地元の方と御調整をさせていただくということになっております。
  174. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 大変経営が苦慮されているという状況がありますので、格別の御高配をいただきたい。
  175. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員からのそうした実態も踏まえての御要望でございますので、運輸省といたしましても全力を挙げて努力をいたしたいと思っております。
  176. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 よろしくお願いをいたします。  それから、これもまことに恐縮でありますが、ミニ新幹線ということで山形までべにばな国体に合わせて開通をさせていただきました。これは、乗車率がほとんど九割方乗車ということで、大変なにぎわいを見せております。  それで、奥羽線の全線ミニ新幹線化の問題もあるわけでありますが、全県挙げて、あるいは秋田県の南部の県民を含めて、特にこの促進について大変な願望を持って、過般も促進大会がありまして、国会の議員は何をやっているというおしかりをいただいております。おかげさまで検討委員会を去年設置をしていただいて、それぞれ各機関の代表の皆さんで検討がなされてきている。これは、県民を挙げて、秋田県民も含めて、その意欲的な対応について非常に大きな感謝と期待を込めているのであります。  この検討委員会がいつまで続くのかな、あるいはいつごろ結論が出るのかな、あるいは建設の費用などについてもそれぞれ検討の過程にあると思いますが、どのような状況になっているのかなとについてお聞かせをいただきたい。
  177. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 山形ミニ新幹線、とりあえず新庄まで延ばしてほしい、その先もまた御要望があるというふうに承っておりますが、とりあえず新庄まで延伸をしてほしいという地元の非常に強い御要望があるというのは、私どももよく承知しております。  現在、山形新幹線東京−山形を通しで運行しておりますが、山形から新庄まで約六十キロほどでございますか、この間につきましては、実は今特急が走っております。ただ、全体には、実は山形から先になりますと、かなり需要に段差があるというようなことが片っ方でございます。そういう意味で、とりあえず地元におかれましても鉄道利用を大いに促進していただいて、需要がなるべくふえるようなことで環境づくりをしていただけると、いろいろな意味で案件の成熟性が高まっていくのではないかというようなことだろうと思います。  先生指摘委員会でございますが、六年九月に山形県在来線高速化検討委員会というものを県が中心になっておつくりになりまして、私ども運輸省といたしましても、これにメンバーを出しまして、積極的に検討に参画しているところでございます。  検討状況でございますが、費用の問題でございますとか、あるいは収支、採算性といったようなことを含めて御議論をいただいていると承っております。結論が出るまでにはもう少し時間がかかるというふうに承っておりますが、いずれにいたしましても、私ども、この検討結果を踏まえてこの問題には対応してまいりたいというふうに考えております。
  178. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 これは運輸大臣としても、地方の、県民にとっては重要な課題でありますので、それぞれの機関の、いわば先導的な立場で御配慮をいただければありがたいというふうに思いますが、大臣からも一言、所信をお聞かせいただければありがたい。
  179. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、新幹線につきましては、ミニを含めまして、やはり国土の均衡ある発展という観点から、きちっと整備をすべきものは着実にこれを前へ進めていくべきだという姿勢で臨んでおるわけでございまして、そういう意味では、先生指摘のミニ新幹線の延伸の問題等につきましても、今後前向きにまた努力をしてまいりたいと思っております。  ただ、今鉄道局長が申し述べましたように、さはさりながら、日本国じゅう、いろいろなところから新幹線の要望というのはきついわけでございますので、そういう中での、同時にというわけにもまいらぬわけでもございますので、そのあたりを、やはり実需との関係も完全に無視をするわけにもまいりません。そういう意味で、ぜひひとつ先生、そのあたり、鶏が先か卵が先かということはあるわけでございますけれども、御尽力を賜りまして、御指導いただければありがたいと思います。
  180. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 よろしくお願いを申し上げます。  続いて、これは第三セクターの鉄道の問題ともちなむような状況でありますが、地方のバス運行についてですね。これもそれぞれ過疎過密の深化の中で、やはりお年寄り、高齢化社会と相まって、いかにして足を確保するかということが非常に深刻な課題になってきております。これも、長い期間にわたりまして地方バスの運行について積極的な支援体制を組んできたということについては、深く敬意を表したいというふうに思います。  最近ますますそういう地方バスの運行も厳しい昨今の状況でありまして、何とか支援体制を強化してもらいたいという願望がそれぞれの地域で出されてきております。それぞれの地域の運行に対する考え方ということなども極めて重視される現場の状況もあるわけでありますが、こういう地方バスの運行について、あるいは第二種、第三種、あるいは市町村の代替運行なども含めて、それぞれどのような実態なのか、ちょっとお聞かせをいただきたい。
  181. 亀井静香

    亀井国務大臣 先生指摘のように、私どもも、JRの路線廃止後の代替バスを含めて、過疎地域におけるお年寄り等の、あるいは体の悪い方々等を含めてのそうした交通手段について、採算性に任せておけば、これはもうなくなってしまうわけでありますから、国としても自治体とお互いに協力しながら、むしろ中身においては強化もしなければならないという観点で取り組んでおりますが、平成七年度予算におきましてもそういう形で取り組まさせていただいております。  中身につきまして、局長から説明させていただきます。
  182. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 地方バスの維持につきましては、私ども地域生活上、大変重要な住民の足であるということで、この拡充に努めておるところでございます。  地方バスの状況でございますけれども、制度的に二種、三種というのがございます。二種と申しますのは、乗車密度が五人以上十五人未満、一定の補助をすればバス事業として成り立っていく事業という認識でございます。この事業者数でございますけれども平成五年度で百五十七事業者、大体この十年来横ばいでございます。  それから、三種という事業者でございますけれども、これは乗車密度が五人未満、バス事業としての経営はなかなか難しい、地方の皆さん方の助力によりまして、これをぜひ二種に上げていただきたい、こういう路線でございますが、この事業者数が平成五年度で六十九事業者でございます。これは全体的にはだんだん減少傾向ということでございます。  三種で事業経営がなかなか難しいといったものにつきまして、これを廃止代替バスということで、地方自治体にその運営をお願いしているというものがございます。これが年々急増しております。事業としてはなかなか成り立ちにくく、市町村で運行していただく、これは直営もございますし、バス事業者に委託するという形態もございます。  今回この廃止路線代替バスにつきましては、二十年この方やってまいりまして地元に密着した地元のバスということで、同化定着しているということで一般財源化を図りまして、地方交付税で対応していただくということにしたわけでございます。  地方交付税で対応していただくに当たりまして、私どもこれまで以上に市町村の創意工夫が生かせる、言うならば、国の手かせ足かせがない、そういう格好ででも運行していただけるような使い勝手のいい地元のバスということで育てていきたいというふうに思っております。
  183. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 いわば代行運転市町村の数はどのくらいありますか。路線はどのくらいありますか。平成七年度の一般財源の予算の額はどのくらいですか。
  184. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 廃止代替のバス事業者の数でございますが、平成五年度で四百四十一事業者でございます。系統数で二千五百二十系統ということになっております。  この廃止代替の予算でございますが、平成六年度で約十五億円あったわけでございます。これは国が三分の一、都道府県が三分の一、地元の市町村が三分の一ということで、合計四十五億円の事業ということでございますが、今回一般財源化するに当たりまして、自治省の方におきまして、これまで国の補助以外でも市町村が独自で、単独事業としてやっておるものもございます。これらを合わせますと約百二十億円の規模に上るわけでございますが、これらについて自治省の方で交付税で対応する、こういうふうに伺っております。
  185. 遠藤登

    遠藤(登)分科員 いろいろ短い時間で格別の御配慮をいただきましてありがとうございました。よろしくお願いをいたします。終わります。
  186. 深谷隆司

    深谷主査 これにて遠藤登君の質疑は終了いたしました。  次に、桝屋敬悟君。
  187. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 新進党の桝屋敬悟でございます。  本日は地元の問題も含めまして二点ほど、せっかく運輸大臣もいらっしゃいますので、地元の現状等から二点ほどお願いを申し上げたいと思います。  一つは、JRの駅の無人化の問題が一つございます。それからもう一点は、午前中渡辺先生からもお話があったようですが、運転代行業、この二つのお話をさせていただきたいと思います。  最初にJR駅の無人化の問題でございます。JR西日本では、十二月のダイヤ改正に伴いまして、私山口県選出でございますが、本県山口県でも幾つかの駅が無人化になったというお話を伺っております。当然これはJRさん、民間企業でございまして、積極的な合理化ということは私も理解はできるわけでございますが、今般の無人化は、どういう乗降客とどういう実態のものが幾つぐらい無人化になったのか、まず本県の実態だけでも結構なんですが、お教えいただきたいと思います。
  188. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 駅の無人化でございますが、先生おっしゃいましたように、西日本も含めまして、経営の効率化という観点から、もちろん利用の実態を踏まえながら駅の無人化を進めているわけでございます。  JR西日本の場合でございますと、五年度末で約五一%の六百十九駅が無人化されております。ただ、もちろん無人化に際しまして安全面なりサービス面での十分な配慮というのは必要なわけでございまして、そういういろいろな設備の設置等を行いまして無人化を行っているということでございます。
  189. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 ありがとうございます。  今お話を聞きますと、約半数ぐらいは無人化ということのようでございますが、何か話を聞きますと、一気に無人化ではなくして、田舎の駅になりますと、非常に駅というのは公共性といいますか、地域の中で中心の建物でございまして、地域の方の御理解をいただいて、御協力のもとに委託というような実態もあるように聞いておりますが、今の五一%、六百十九という数字に対して、そうした委託というような実態はどのぐらいございますか。ちょっとお教えいただきたいと思います。
  190. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先生おっしゃったのは、業務委託のようなものでございましょうか。申しわけないのですが、手元にその数字を持ち合わせておりません。  ただ、先ほど申し上げましたように、無人化に際しましては利用の実態をもちろん踏まえながら行うということと、それから安全面の配慮が必要でございますので、例えばそのホームの形状等各駅の状況に応じまして、自動放送装置とか接近ブザーでございますとか警告灯の設置といったような安全対策、それからもちろん、切符を売る人がいなくなるわけですから自動券売機をつくる、あるいは駅利用者の方々には情報伝達手段を確保するといったようなことで、サービスをもちろん維持しなきゃいけないということでやらせていただいております。
  191. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 わかりました。済みません、ちょっとしつこいお話をお聞きしまして。  それで実は、私が現場で地域住民から非常に切なる声をいただいているのが山口県の山陽本線、四辻という駅でございます。昨年の十二月から無人化になりました。私も、先ほど申し上げたように合理化という方向は当然理解ができる、まあそうした方向も必要だろうと思っておりますが、実はこの駅が大変に地域特性を持っております。  私も長い間県で福祉の仕事をやっておりましたので、実は山口県内でも珍しく施設銀座と言われている地域でございまして、聾学校、それからそれに付随する聾唖児施設、さらには特別養護老人ホーム、それから精神薄弱者施設、それから精神障害者の社会復帰施設と、本当に山口県のありとあらゆる施設が全部集まっている。我々は通称施設銀座という言葉を使っているわけですけれども、それぐらい福祉施設が集まっている駅でございます。お隣小郡駅は山陽本線の基幹的な駅でございますが、その隣ということになるわけでございます。  特に私が問題を感じておりますのがいわゆる聾唖児でございます。聾唖児、耳が聞こえないわけでございまして、聾学校の生徒の通学に使われている。私が聞きますと、四百八十六人ぐらい毎日御利用がある。その中で二十五人ぐらいは、数は少ないのですけれども、中には保護者がもちろん一緒に通学をされているケースもございますが、聾学校の耳の不自由な子供がお使いになっている。特に安全面で非常に心配になる。  あるいは精神薄弱者の施設、あるいはもう一つは精神障害者の社会復帰施設というのがございまして、ともにこの駅を利用するわけでございますが、やはり社会復帰のために職場訓練といいますか、社会適応訓練という形で公共交通機関を利用してお隣の町まで仕事に行く、あるいは土日に社会訓練と称して町に出かけていく。そうした場合に、施設の職員がつけばいいわけですが、当然ながら訓練の過程では、自分でできる子は自分でやらそうということになるわけでございまして、大変に駅員さんが今まではいろいろな御理解をいただいていた、あるいはキヨスクのおじちゃん、おばちゃんが随分温かな御面倒をいただいていたという、当然これからもそれは期待できるわけですが、そうした地域特性というものが特にございます。  今回の十二月の改正で四つぐらい駅が山口県内でも山陽本線は無人化になったようですが、ほかの三つと違いまして、ここだけは特別の地域特性という、言ってみれば福祉の駅のような、こんなことがございます。そうしたことで、随分JRさんも御努力をいただいたということは私も伺っております。まず、その辺の地域特性に応じた対応ということをちょっと御説明いただきたいと思います。
  192. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先生指摘の山陽本線四辻駅の無人化でございますが、昨年十二月三日の無人化に際しまして、おっしゃいましたように聾学校の方々、一日二十五名通学定期でお通いと伺っておりますが、そういう方々の安全面あるいはサービス面の確保ということが大事であるというのは当然のことでございまして、そのために、一つは列車接近警告灯、今もあるわけでございますが、それを今度は大型のフリッカータイプのものに取りかえるという工事を合しておりまして、三月三日にはでき上がる予定でございます。  それからまた、サービス施策といたしまして、聾学校にお通いの方々の定期券の購入につきましては、小郡駅で電話なりファクスで受け付けいたしまして学校へお届けするといったようなことをやらせていただいております。また、もちろん自動券売機は設置しておりますし、異常時の場合にはお隣の小郡駅からも駅員を派遣するということをとることにいたしております。  また、四辻駅自身では、この無人化の前に、列車接近掲示器とかあるいは最寄り駅から異常時等におきます遠隔放送というのができるような装置は設置が行われているということでございます。
  193. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 今御説明がありましたように、相当きめ細かく今回はお取り組みをいただいたということにつきましては、これは事前に地域住民からもぜひ何とか駅を残してほしいという強いお声もあって、JRさんも対応に相当御努力をいただいたということは私も評価を申し上げたいというように思います。あとは、地域住民の方も全部JRにお任せをするのではなくして、地域住民みんなで何とかしたいというようなことで、この前大雪が降ったときなんかは、地域の方が皆寄られて自分たちで雪のけをしたというような話も伺いまして、相まって地域住民の方のボランティアの精神、そしてJRの御努力、こういうことで何とか安全な運行をというふうにお願いをするわけです。  私も先般この駅を見てまいりました。今、フリッカータイプの警告板に取りかえるという予定ですか。私、見ましたら、確かに前からあるようなもので非常に古くて、聴覚障害者の方にはいかがかなという。で、横には立派な、パテライトといいまして、ああ、これだなと私は思ったのです。ここまで配慮していただくのかと思って見ましたら、実はそれは券売機につながっておりまして、券売機が故障した場合にぴかぴか光りまして、むしろ運転士さんが見られて次の駅で通報するという、こういうシステムのようでございまして、私はむしろこれは厚生省あたりに相談していただきますと、聴覚障害者の方は、例えばおうちで玄関のブザーを押しますと、家の中をパトカーの光でいっぱいになるぐらいにびかびか光るようなパテライトなんかがございまして、これははっきりわかるほどいいわけでございますから、ぜひその辺の、せっかくお取りかえになるのであれば福祉サイドともよく、学校の先生あたりとも御相談をいただいてお願いをしたい。  私、時刻を見ましたら、行き、通学の朝はいいのですが、帰りは生徒が待っている間に急行列車が通過するような、跳びはねているような子供たちですから、どんといってしまったら本当に不安だなという気がしまして、どうせお取りかえいただけるのであれば、その辺の御研究もひとつお願いをしたいなと思いますが、いかがでしょうか。
  194. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 大型のフリッカータイプに取りかえるというふうに承っておりますが、先生の御趣旨はよく会社の方にもお伝えし、指導したいと思います。
  195. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 ありがとうございます。こういうことは事故が起きて、公共交通機関、事故が起きて対策ということはよくあるわけでございまして、ぜひ十分な御検討をお願いしたいと思います。  事前にお話を伺いましたら、JRさんがこうした無人化を図るについては、基本的にJRの経営方針ということで、行政指導余りないのですよ。JRに任せております、こういうお話でしたが、やはりこうした地域特性等を勘案していただいて、全部お任せということも、もちろんそれはJRさんも一生懸命お考えいただいているのですが、人に優しい村山内閣、本当にこうしたときにきめ細かな対応をひとつお願いしたいというふうに思いまして、いわゆる公共交通機関としての無人化に対する運輸省としての直接間接的な今後の御指導、こうしたことをちょっと大臣にお話をお伺いしたいと思います。
  196. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員の先ほどからの非常に細かい障害者等に対する配慮の御質問、本当に政治というのはそういうところに目線をきちっと置いてやらなければならない、このように思います。  村山政治は人に優しい政治、とりわけそうしたハンディをしよっておられる方々の御生活が具体的に今後どうなるかということで、かけ声だけではどうしようもないわけでありますから、委員の御指摘のように細かいところに、総論だけじゃしょうがないわけでありまして、細かい各論について、運輸省といたしましても、幾ら民営化いたしたといいましてもこれは国が今株を持っておるわけでございますから、大株主でございますから、また交通行政全体、私どもは特に安全面等については責任を持っておる立場でございますから、今後JRだけじゃなくて私鉄を含めて、特に障害者の方々にとって安全で使いやすいそうした交通機関にしていくように運輸省としても努力をしてまいりたい、このように考えております。
  197. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 力強い大臣のお話を伺いまして、大変うれしく思いました。ひとつ本当によろしくお願い申し上げたいと思います。  それから、続いて運転代行業の問題でございます。午前中、十一時から渡辺浩一郎先生がお話をされたようでございますから、できるだけ重複を避けたいと思います。  実は本件、私、山口県でございますが、山口県でも本当にいろいろな問題が起きております。運転代行業への行政対応につきましては、長い間運輸省と警察庁さんがいろいろ協議をされた経緯も伺っております。最近は、両省の共管事項ということで、運転代行問題協議会を設置をされた。これは何か団体さんも大臣にお会いして、本当に一生懸命やる団体が発展をしなければいかぬ、こういう御指導をいただいたということで、大変喜んでおりました。そういうことで、重ねてにならないように何点がお話をお伺いしたいと思います。  最初に、道路運送法上の運転代行業、途中から報告義務が課せられるようになったと私も伺っております。この導入の経緯と、現在の報告件数が、きょう、警察庁さんもおいでいただいているかもしれません、運輸省さんの数字とそれから警察サイドがつかんでおられる実態の数字、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  198. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 運転代行業につきましては、昭和五十年ごろから、マイカーが普及しております地方都市を中心に発達してまいっております。最近は、国民の新たなニーズにこたえるものとして、国民生活に定着しつつある状況にございます。  こういった運転代行業は、地域の住民のニーズに大変こたえてはおるのですけれども、いわゆる白タク行為でございますとか、事故時の補償の問題等が出てまいりまして、やはり健全な育成を図るためには行政としても何らかの措置をとる必要がある、こういう判断に立ちまして、平成四年の六月に私ども通達を発しまして、道路運送法に基づいた事業報告を求めることといたしたところでございます。  その後、平成六年の二月、昨年の二月でございますけれども、運転代行事業者を当事者といたします交通事故が続発いたしました。こうした事故の再発防止のために、昨年の三月に具体的に私ども事故防止等のための通達を出しております。  一つは、安全な運転代行業の確保のため、運転者の採用に当たって十分な審査をしてくださいという点、あるいは教育を徹底してもらいたいという点、それから、運転代行業務に係る管理体制、これをしっかりとやってください、さらには、保険への加入をしてください、こういうふうな内容の通達を出して現在指導いたしております。  それから、昨年の十月に、今先生からもお話ございましたが、これまで警察行政、運輸行政、それぞれ独自の立場で取り組んできたわけでございますが、やはりこの問題は両省庁一体となって対応する必要がある、そういう観点から、先生お示しのとおり協議会を発足させて、現在いろいろな検討を行っている状況でございます。それで私ども報告を受け取っておる状況でございます。  これは、事業者団体等を通じまして自発的に提出してもらうという性格のものでございますので、必ずしも全貌を把握しているとは言えない面もございますが、平成六年度の事業者数が千六百二十九事業者、車両数が九千五百一両、運転者数が二万六千七百六十四人という報告が出ております。後ほど警察庁の方からも御報告があるかと思いますが、警察庁はまた独自の調査もやっておられるようでございまして、私どもの報告よりもかなり多い数ではないかと思われます。  今後、やはり業務の実態というものを的確に把握する必要がございますので、警察庁と私ども協議会の場もつくりましたので、一緒になって事業の実態把握に努めてまいりたい、かように思っております。     〔主査退席、佐藤(剛)主査代理着席〕
  199. 小池登一

    ○小池説明員 警察庁の調査の結果を申し上げます。  平成五年末でございますけれども、これは各都道府県警察に特別に調査を命じまして年末にやっておるものでございまして、平成六年のものが現在集計中でございますので、平成五年中のもので申し上げたいと思います。  今運輸省局長さんも申し上げましたけれども、うちの方がやや多いということ、事業者数が平成五年末現在で二千三百二十五でございます。従業員数の方が三万三千九百三十二人、これも参考でございますが、うちアルバイト、これが二万五千七百十九人。したがいまして、七五・八%がアルバイトである。使用自動車数でございますけれども、一万三千五百十一台ということでございます。
  200. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 ありがとうございます。今御報告がありましたように、警察庁サイドのデータで二千三百事業者で、これは平成五年度末ですね。それから、運輸省さんの方がお持ちなのが千六百だったですか、若干乖離がある。恐らく取り組まれておられる業務上の違いだろうというふうに私は理解をしております。  それで、実態として、今も種々お話がありましたとおりなんですが、本当に業界として健全に発展をしていきたい、そのためには、やはり違法行為は何とかやめたいという、こんな思いで取り組まれているわけですが、午前中お話がありましたように、相当、やはりいろいろなトラブルが現場で起きているようでございます。恐らく、この数字の乖離というものは、今後両省、当然ながらこの問題、協議会で取り組まれるようになるんだろうというふうに思うのですが、一等最初にお話ししましたように、どうしてもいいかげんな、先ほど七五%アルバイトという話がございましたが、ある意味ではこの業界、だれでもできるといいますか、今の実態からすると、報告すらされていないところも多々あるわけでございまして、そういういいかげんな業者が、本当に一生懸命、健全にやっていこうという者を駆逐してしまうようなことになったのでは意味がないのだろうというふうに思います。  一つお伺いをしたいのですが、今後、運転代行問題協議会、これはレベルを地方にもおろしてお取り組みをというふうに伺ってはおるのですが、その状況をちょっとお伺いしたいと思います。
  201. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 事業者数の警察庁との差異をできるだけ縮めていく努力は、私どもしなきゃいかぬと思っております。警察庁さんの方がより実態に近いのだろうと思います。私どもに報告されてこられる方は、それだけ自覚の高い方が報告してこられているのじゃないか。できるだけその数をふやすために、私どもも警察庁さんとも一緒に努力をしてまいりたいと思います。  先ほど申し上げましたように、昨年の十月に、中央におきまして、警察庁との間で運転代行問題協議会というものを発足させて、いろいろな勉強を今やっているところでございますが、先生指摘のように、地方レベルにおきましても、やはり同じような協議体をつくってまいりたいと思っております。特に、事業協同組合とか、こういうものも今後より育成していく必要がございますので、これはより地元に密着した格好で、警察行政と運輸行政一体となって取り組まなければいけない、このように思っているところでございます。
  202. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 午前中の渡辺先生のお話で、いろいろな白タク等の違法行為、これを取り締まる方法はどうなのかとか、また取り締まるために新たな法的な対応も考えたらどうか、こういうお話もあったようですが、私自身は、現場で団体さんのお話なんか、業者のお話を伺いますと、非常に悩んでおるわけでございまして、ある意味では、規制緩和の時代に規制をふやすということが果たしていかがなものか。そうはいいながら、私なんかも以前役人をやっているときには、本当にこの業界に助けられて、飲酒運転をしないで現在まで法を犯さずに来ておるわけでございまして、本当に、夜間の道路の安全確保のためには、私は一定の役割を果たしていただいている業界である、業であるというふうに理解をしているわけでございます。そういう意味では、こうした方々を法的にオーソライズするといいますか、社会的にもオーソライズして、やはり一定の役割を果たしていただくような、まさに健全な発展ということが非常に大事だろうというふうに思います。  そういう意味では、法的な規制ということの前提に、ぜひこの運転代行問題協議会、恐らくこれで相当今協議をされていると思うのですが、そうした協議の過程が私は非常に大事だろうというふうに思います。そういう意味では、中央レベルだけではなくして、ぜひ地方でも、県レベルぐらいで積極的にこういうものをやっていただいて、皆さんの業界について本当に行政も真剣に取り組んでいるんだというような、本当に運動論といいますか、法の規制の前に、私はそういうものがぜひあっていいのではないかというふうに思います。そういうお取り組みをいただくということなので、ぜひ期待を申し上げたいと思います。  業界、これは団体も幾つかあるようでございます、大きな団体も。団体によってかなり思惑、思いもまだありまして、なかなか意思統一ができないということも伺っております。私どもは、ぜひこうした団体、できるだけ一本化して、気持ちを一つに、こうした業の発展に努めていただきたい、こう私どももお願いをしておるわけでございます。  ぜひ大臣に最後にお伺いしたいのですが、こうした業界の健全な発展を期するという意味で、全国運転代行事業協会あたりも大臣のところへ行かれたようでございますが、こうした団体を通じて、今後適正化の取り組みをぜひお取り組みいただきたい、こう思うわけでございまして、最後に大臣の所信をお伺いしたいと思います。
  203. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、代行業は、今委員指摘のように、これはニーズがあったがゆえに、自然発生的と言ってはどうかと思いますけれども、生まれてきた仕事であると思います。それだけ社会的な貢献、価値のやはり高い仕事だ、それを何かタクシーの潜りみたいな感じで白い目で見るということは、私はやはり基本的に間違っておると思います。  そういう意味では、まず業界の皆さん方が、やはり自分たちがそういう社会的に有為な仕事を担っているんだという、ある意味では誇りを持って、自分たち自身の仕事が皆さん方に頼りにされて評価をされる、その協会等を中心にぜひひとつそういう努力をいただきたい、このように思います。それを運輸省なり警察庁がバックアップを申し上げる。運輸省や警察庁が東京からああだこうだといって規制をかけて、それで私は健全に発展をしていくものではない、このように考えております。両々相まっていかなければならない、このように考えております。
  204. 桝屋敬悟

    桝屋分科員 ありがとうございます。  今の大臣のお話をしっかり私も団体に伝えまして、団体にも誇りを持って取り組んでいただくようにお願いをしたいと思いますが、ぜひ、せっかくの両省、どうも私は、縦割り行政の中で共管する業というのは大変に谷間になる可能性がございますので、バックアップをいう言葉がございましたが、こうした運転代行問題協議会を舞台に、行政としても積極的なバックアップをお願いして終わりたいと思います。  きょうはありがとうございました。
  205. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 これにて桝屋敬悟君の質疑は終了いたしました。  次に、寺前巖君。
  206. 寺前巖

    寺前分科員 神戸港を中心とする阪神の今日の大震災をめぐって、港湾なり、関係する輸送部門の問題について質問をしたいと思います。  私も、何度かこの間に当該の震災地に入りましたけれども、あの神戸港に入っていったときに、つくづく思いました。あの神戸港の一角に摩耶埠頭というのがあります。摩耶埠頭の第一突堤西側の岸壁は、あれは私は外から見ておったから間違いないと思うのですが、からっとしているのです。ところが、全体の港湾はがたがたになっておる。何であんなに差がつくのだろうか。関係の人に聞きましたら、あそこは、それはきちっとした対策を岸壁にしましたよ、こういうことを言うんです。こんなに違うものなんだろうかと、私は実は感心をさせられたんですが、一体、神戸港については、摩耶埠頭の部分とどういう違いがあるのか、教えてほしいと思うのです。
  207. 栢原英郎

    栢原政府委員 摩耶埠頭と通常のその他の岸壁との差につきましては、摩耶埠頭の岸壁は、想定いたします地震よりもはるかに強い地震が襲ったときに、港湾機能が完全に麻痺をし、救援物資も揚げられないということを避けるために、昭和五十八年の日本海中部地震の手痛い経験に基づきまして全国に展開している施設の一つでございます。したがいまして、他の通常の岸壁は七十五年に一度起こるような地震を想定して設計をしておりますが、摩耶埠頭につきましては、神戸を襲いました過去最大の地震にも耐えられるということで設計をしたものでございます。
  208. 寺前巖

    寺前分科員 神戸は、港あっての神戸です。神戸港といえば、日本のコンテナの三割を占める大きな役割をしている港であるだけに、摩耶埠頭の第一突堤のあの西側の岸壁のようなことをもともとすべきではなかったのだろうかと私は思うのです。  港湾地震対策について、八四年八月の港湾における大規模地震対策整備構想、昨年の十一月の港湾における大規模対策施設の整備基本計画、こういうものによって進められているということを本で読みました。  そこで、耐震強化のあり方について質問をしたいのです。  一九六四年六月の新潟地震を機に運輸省が策定し、七四年には同省の港湾局長名で通達が出されている。その通達を見ると、各港の岸壁の耐震基準は三つのことが書いてあるのです。地震被害の可能性、地域別三分類。二、港湾の地盤のかたさ、地盤別三分類。三、地震による人的、経済的損失の大きさや復旧の困難さ等によって、設定された係数を掛け合わせて決められるのだ。しかし、地域別は運輸省によって設定されるけれども、地盤別や重要度については各港湾管理者任せになっている。その結果を見ると、東京横浜港の全岸壁はAランク、名古屋、大阪港は半数がAランクである。今度事が起こった神戸港ではほとんどBランクになっている。何でBランクになっていたのだろうか。  あの特別に警戒をしなければならないという地域で、東海と南関東のほかに八地域をわざわざ指定してきて、そしてその一つに、一九六九年ですか、向こう二十年から三十年以内にマグニチュード七クラスのことが起こる可能性を持っていると位置づけられた。ところが、位置づけられているのにもかかわらず、摩耶埠頭だけがそういう対策を組んだか知らないけれども、あの神戸港、あの埋立人工島全体が、今度の結果を見たときに、待てよと私は感ずるのです。耐震強度をもう一度全国的に総点検して、改めて耐震強度基準等の必要な見直しの音頭を国自身がとるべきではないのだろうかということを私は一つは感ずるものなのです。  それからもう一つは、あの神戸港へ行ってみて、港湾の施設、すなわち上屋や、あの港湾のずっと横にあるところのガントリークレーン等の被害というのは、また裂きになってがっとやられています。まともなのが残っているのが一つあるかなしかじゃないでしょうか。ああいう被災を見たときに、摩耶埠頭では岸壁は被害に遭わなかったが、港湾施設が被害を受けている。考えてみると、地震に強い港湾をつくる場合には、港湾施設にも耐震基準を決めて、震災に万全な対策を組むべきではなかっただろうか。素人考えですから間違っているかもしれませんので、ひとつ丁寧にお教えをいただきたい、こう思います。
  209. 栢原英郎

    栢原政府委員 今回被災をいたしました港湾施設につきましては、既に港湾施設耐震構造検討委員会というものを設置いたしまして、詳しくその被災状態を調査するとともに、原因あるいは設計の問題点を洗い出すことにしております。その結果を待ちまして、今後の技術基準等の見直しをしていきたいというふうに考えています。  また、先生指摘の、岸壁と一体として背後の港湾機能施設も設計すべきではないかということにつきましては、上屋につきましては建築基準法、ガントリークレーン等の機械につきましては労働安全衛生法等によってそれぞれ耐震設計をしているわけでありますが、今後は、これらが一体となって地震に抵抗するような施設のあり方も含めて検討していきたいというふうに考えております。
  210. 寺前巖

    寺前分科員 一緒に総合的に考えてほしいなと私も思います。  次に、あの神戸港の人工島の問題です。  あそこの液状化現象というのは異常な姿だった。テレビでもいろいろ報道されています。  八四年八月の港湾施設の液状化防止対策の実施要綱に基づいて行ってきたのだ、こう言うのです。この中で、液状化対策工事については「おおむね次期港湾整備五カ年計画の期限内、九五年度に完了することを目途とする」と書かれているのです。ちょうど九五年だなと私は思うわけです。この実施要綱に基づいて液状化の可能性の有無を調査した結果、三十一港百九十二バースが液状化の可能性があり、その工事が急がれていたはずです。しかし、九三年度末の対策工事の完了は、十三港三十六バース、進捗率は一八・八%にしかすぎなかった。  これは、国が直接管轄しているところの仕事だろうと思うのです。国においてこの程度であったならば、何が九五年か。私は、そうでない港湾施設の管理者にあとの問題を提起したところで、これは車ほどさようじゃないだろうかというふうに思われて仕方がないわけです。この計画運輸省港湾建設局が行われる直轄の内容であるだけに、これでよかったのかなということを改めて運輸省は考えるべきではなかっただろうか。埋め立てがいろいろ広がってきている時代であるだけに、一層埋め立てに対する問題は、液状化対策に対する問題は重視をする必要があるのじゃないだろうか。事実は、私の問題提起が誤っているならばお教えをいただくということにして、御説明願いたいと思います。
  211. 栢原英郎

    栢原政府委員 先生がお尋ねの港湾施設の液状化対策の実施計画といいますのは、これも同じように日本海中部地震の結果、秋田が液状化で大変大きな被害をこうむったということに基づきまして、昭和五十九年八月から全国の既存の岸壁を液状化するか否かの調査をいたしまして、液状化をする可能性のあるものについては対策を施すということで今日まで実施してまいったものでございます。  お尋ねのように、対策の必要な港が三十一、そして対策の必要な岸壁は百九十二という結果になっておりますが、この進捗率が非常に低いのは、実は既に使われている岸壁を利用者との調整が済んだものから実施をするということでございますので、使われているものほどなかなか、約一年あるいは二年の工事期間がかかるということから、話し合いがつかず、進捗率が非常に低くなっているということでございます。ただ、昨年の釧路沖の地震でも、話し合いがつかずにおりました水産埠頭が大変大きな被害をこうむり、話し合いがついて液状化対策を行いました岸壁についてはほとんど被害がなかったということで、この工事の有効性が改めて検証されましたので、今後この液状化対策が必要なバースの工事の進捗率を高めていきたいというふうに思っております。
  212. 寺前巖

    寺前分科員 私はそこで、今国の管理をしているところですらもそうだから、そうでない地方自治体が管理する港においてはどうなるだろうか、それがまたかなり典型的に出てきたのが今度の神戸港をめぐる問題であるだけに、あの人工島の問題については心配でかないません。九三年度の港湾における人工島の総面積は二万四千百十二ヘクタールにも上っています。その用途は港湾施設だけではありません。空港があります、臨港都市等などさまざまな目的に供されています。  今回の大被害を受けた神戸港の場合には、港湾区域の埋め立てによってポートアイランド、六甲アイランドという人工島をつくり、その人工島に港湾施設、居住地、業務ビルあるいは病院などを建てております。今回の地震によって、液状化によって多くの箇所で陥没、最大の陥没は三メートルとも言われています。そのため、道路やライフライン等に深刻な被害をもたらして、復旧の重大な支障にもなっています。  現在の国が液状化対策は、岸壁から二十メートルを限度として行われているようです。しかし、それ以外は港湾管理者やあるいは分譲地の所有者任せになっています。液状化工事は一バース当たり一億円が必要とされていますが、費用がかさむと言われる工事でもあります。しかし、国の液状化対策事業を見ると、八九年度は二十八億六千九百万円、今年度の予算を見るとうんと減って十七億二千百万円、八九年度と比べて大きく下回っております。国が港湾整備計画として認可して地方債を認めて実施している事業は、この間、人工島等を含めた港湾臨海部土地造成事業は、三千三百九十三億円から六千百億円と約二倍の事業費になっています。  ところが、この際に考えなければならないのは、液状化対策の分野を考えるときに、それにふさわしい状況予算がふえているんだろうか、逆に減っているではないか、ここが私は心配なんです。本当に今阪神のこの地震を考えたときに、積極的にこの液状化対策に打って出るという立場こそ考えなければならないんじゃないだろうか、そういうふうに思うのですが、いかがなものでしょうか。
  213. 栢原英郎

    栢原政府委員 先生がお示しになられました液状化対策事業費と埋立地を造成する事業費とはそれぞれ別個のものでありますので、まずそのことを説明を申し上げたいと思いますが、液状化対策として計上されておりますものは、先ほどお尋ねのございました、国が管理をしております直轄岸壁の背後を液状化対策をするという費用でございます。埋立地の造成につきましては、港湾管理者が起債で行うものが大部分でありますので、六千百億円という事業費は、この中に液状化対策が必要な場合にはその費用も含まれているというふうに解釈をしております。  なお、埋立地を造成する場合には、大変広い面積に及びますので、全域を液状化対策するということはほとんど行われていないというふうに思われます。主として重要な構造物が建設される周辺の地盤に対して改良工事を施し、施設を建設をしているということでございますので、先ほども申し上げましたように、この六千百億円の中で液状化対策が実施されていくものと考えております。
  214. 寺前巖

    寺前分科員 おっしゃるとおりだと思うのですが、私は、問題は、国でさえもこういうふうに減ってきているんだから、地方自治体がおやりになる造成事業の中で、国とは逆に地方ではふえているんだという根拠があるのだろうか、実はそこを心配して聞いたのです。ふえていますか。
  215. 栢原英郎

    栢原政府委員 直轄岸壁の液状化対策費が減っておりますのは、利用者との調整がつかなかったことや、あるいは、全体として港湾予算が今年度抑制をされましたので、新しい施設の造成の方に主に力を入れたということの結果でございます。  港湾管理者が起債で造成をいたします埋立地につきましては、最近はライフライン等を事前に共同溝等で埋設をいたしますが、東京臨海副都心等の例にも見られますように、この共同溝の周辺についてはかなり厳格な液状化対策を実施しているということで、この傾向は全国の港湾管理者が同じような状態にあるというふうに解釈をしております。
  216. 寺前巖

    寺前分科員 予算がふえているんですかと私は聞いたのです。  それで、実は神戸港のあの周辺の人工島にしたって、本当に、きょうもどこかの新聞に書いてありました、本管の水道水の管が切れてしまうんだという事態が生まれている、そのために病院が仕事にならない、えらいことになったといって、私、行ったときに大騒ぎをしていました。ああいうことを考えたときに、本当に液状化対策というのは全面的に考えなかったら、軽い気持ちでおったらえらいことになるなということをつくづく感ずるものです。  ところで、地震対策港湾整備事業をやる上において、運輸省の直轄の仕事自身、私非常に大事だというふうに思うのです。港湾建設局の職員は一体どうなっているだろう。いわゆる行(二)職の不採用の方針等によって、第一次から現在の第八次までの定員削減計画によって約三千四百人が削減されています。現在の第八次定員削減計画では、政府全体の削減率は四・五二%、運輸省全体四・二六%ですが、港湾建設局は、政府全体の削減率の約二倍の九・六%になっておる。何でそういうところがべらぼうにふえていくんだろう。  現在、業務量は職員の超過勤務の常態化によって何とか切り抜けられている。その結果、在職死亡率が高いとされている建設省の十万人当たりの死亡率は百四十八・二人ですが、港湾局の場合には、それより百人多い二百五十二・二人となっている。私は、これから復旧事業をやっていただかなければならないだけに、特別にこの港湾局の職員問題についてのあり方について見直してもらう必要があるんではないだろうかというふうに思うのですが、いかがなものでしょうか。
  217. 栢原英郎

    栢原政府委員 港湾局の職員が、かつての削減の中で、三千四百人ほど減ってまいったということは、先生の御指摘のとおりでございます。  これは、戦後民間の建設会社の能力が、特に海の工事についてそれほどなかったということから、戦前の伝統を引き継ぎまして、国がみずから機械力をもちまして港湾工事を実施していたということの結果でございまして、現在ではほとんどが請負工事ということで、同じょうに三千五百名の今建設局に職員がおりますが、ほとんどの工事が請負工事ということで発注をしておりますので、何とか切り抜けているというところでございます。ただ、現実にはもうこれ以上の削減が非常に困難という状況にあるのは、先生の御指摘のとおりでございます。
  218. 亀井静香

    亀井国務大臣 私の方からもお答えをいたしたいと思います。  私どもは、今後海洋日本の港の建設、国際化がますます進展する中で極めて重要だ、また、国内の海上物流観点からも大事である、このように考えておりますが、さらに最近の空港建設は、御承知のように港湾局の職員がこれに関して携わっているという実態もございますので、港湾局のプロパーの職員の仕事量は今後ますますふえてくる、このように思うわけでありますが、しかし、今後より仕事の効率化等に努めまして、人員に対しては大幅な増強をすることは現実的にはなかなか難しゅうございますので、なおますます一人の職員が一生懸命頑張ってもらうということに期待もいたしてまいりたいと思っております。
  219. 寺前巖

    寺前分科員 次に、海上コンテナトラックについてお聞きをしたいと思います。  輸入コンテナ四万個がこの地域にある。これらの搬出のために延べ四万台の専用車両が必要になる。しかし、これを大阪南港に搬出する海上コンテナトラック業者は、道路事情がよければ一日に一往復行けるけれども、一日がかりでやっと一便といった状態で仕事にならないというのが今日の実情ではないかと思うのです。物流の社会的役割や荷主との関係で休業するわけにもいかないし、搬出を続けています。  私は、幾つかのコンテナトラック事業者に経営の実態について聞きました。A社の場合、昨年一月の売り上げは九千四百万円、人件費三千万円、稼働率一〇〇%ですが、ことし一月には売り上げは六千二百万円、人件費は二千九百万円、稼働卒は三五%となっています。売り上げはふえないが、人件費は横ばいで経営は悪化せざるを得ないという実情に今日あります。B社の場合には、昨年一月とことしの一月を比較すれば、稼働日十二日から四・三日、稼働卒一〇〇%から三五・八%、運賃収入は千六十三万円の減収。もともとトラック事業者は、営業費に占める人件費率が高い労働集約型事業で、中小規模の事業が圧倒的であるだけに、経営は震災後深刻な事態にあると言わなければなりません。  そこで、運輸省として、これらのトラック事業の場合に、復興事業との関係もあるわけだけれども、こういう事態に置かれていることに対して、何らかの対処をする必要があると思うのですが、いかがなものでしょうか。
  220. 高橋伸和

    ○高橋(伸)政府委員 海上コンテナのトラック輸送につきましては、先生おっしゃられましたように、神戸港だけじゃなくて、東京港、横浜港、こういったところにも揚がっております。  現在神戸で働いております海上コンテナ事業者、このようなほかの地域で仕事をしたいというものにつきましては、本来ならば事業計画の変更手続という厳格な手続が必要なのでございますが、この辺を簡略化して、弾力的に事業ができるという対応を行っているところでございます。
  221. 寺前巖

    寺前分科員 よその港で仕事をするのだからということだけでは済まないやはり事情下にあるということを、何らかの形で御検討いただきたいと思うのです。  警察庁の方にお願いをします。道路事情から優先車両の交通を緊急車両という形で今日までやってきましたけれども、これから復旧事業が進む中で、海上コンテナトラックはどのように扱ってくれるのでしょうか。
  222. 伊藤哲朗

    ○伊藤説明員 海上コンテナ物資等につきましては、関係自治体等からも、阪神地区の復興のためにはその輸送の確保が必要不可欠である旨の御説明を伺っているところでございます。その他の物資を輸送するトラックにつきましても、いろいろルート別や時間帯別に規制等を行っていくこととしておりますけれども、そうした事情も踏まえて、兵庫県公安委員会の方で適切に対応していると伺っております。
  223. 寺前巖

    寺前分科員 神戸港からの荷のシフト状況は、横浜四七%、東京二一%、大阪一九%、名古屋六%、博多・門司四%、韓国・釜山三%など、これによると横浜東京への荷のシフトというのが大半を占めていることになります。この全部が関西地区に運送することはないにしても、相当部分が同地区に輸送が行われることになるでしょう。大部分がトラックを使用して、高速道路を利用することとなると思われます。他港への振りかえによる運送費は収受されずに、トラック事業者の経営を圧迫することになっています。さらに、四月から既に閣議で決められた高速道路料金の値上げという問題になってくると、経営は二重の圧迫になりかねません。高速道路の料金値上げをしばらく凍結してほしいという要求がありますが、いかが対処されるでしょうか。
  224. 井上啓一

    ○井上説明員 高速自動車国道は、活力ある地域づくりを支えまして、また国土の均衡ある発展を支える最も根幹的な施設でありますし、これからの高齢化社会の進展を控え、早急に整備する必要があると認識しております。  しかしながら、その供用延長、現在計画延長の半分にも満たない状況でございまして、計画的に整備を図るため、一昨年十一月に全国の三十四区間について施行命令を発しました。  これらを含めました全体の採算性を確保するために、昨年四月二十六日、日本道路公団から料金改定の申請がなされました。申請を受けまして、建設省運輸省、両省におきまして、公聴会あるいは物価安定政策会議の特別部会等におきまして出された御意見を踏まえまして、建設費や管理費の節減等合理化に最大限の努力を図るとともに、事業計画の見直し、あるいは実施計画の先送り、改定率の圧縮等を行った上で、昨年九月二十日に認可いたしました。  今回の料金改定は、今後高速自動車国道の計画的な整備推進するための必要な認可であると考えておりますので、認可どおり実施させていただきたいと考えております。
  225. 寺前巖

    寺前分科員 時間が来ましたのでやめますけれども震災が起こった前に計画を進めていたのだから、この震災という事態の中でいろいろ見直しをしたり、反省をしたりすることが大切なんじゃないだろうか、私はそういう意味を込めて質問をしたつもりなんです。  大臣、いかがでしょうか、これで終わりますが。
  226. 亀井静香

    亀井国務大臣 震災に当たりまして、被災された方、直接被災をされなくても、先生指摘のような形で事業その他に大変な影響を受けておる方々に対して、政府としてはとにかくできる限りのことをしてさしあげたい、それが政治の責任であり、行政の責任だということで取り組んでおるわけでございますが、今の高速道路の料金の問題等、個別の問題につきましては、やはりそれぞれ他の分野に影響する面もございますので、全体の震災対策の施策の中で実施できるものとできないものを、私どもとしては非常につらい思いをしながら選別をして、対策を講じておるところでございますので、御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
  227. 寺前巖

    寺前分科員 終わります。
  228. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 これにて寺前巖君の質疑は終了いたしました。  次に、遠藤乙彦君。
  229. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 委員長大臣初め皆様には、大変過密な分科会のスケジュールの中、大変御苦労さまでございます。私は、車検制度の規制緩和に関連した問題点ということで、きょうは質問をさせていただきたいと思っております。  私自身は、まず規制緩和ということが大変重要なことであって、日本経済の活性化、あるいはさまざまなコストを下げて日本経済の競争力を高めていくためには、大胆にこの規制緩和を進めなければいけない、そういった考え方でございますが、ただ、そうはいっても、何が何でも規制緩和すればいいというものではない。特に国民の安全にかかわる問題あるいはまた環境問題、公害規制にかかわる問題については、これは慎重に考えて、細かい点を詰めながら総合的に規制緩和を進めるべきだ、そういった趣旨から、きょうは車検制度の規制緩和に関連した問題点について御質問をしたいと思っております。  特に安全にかかわる問題、私も以前交通安全対策特別委員会に所属したこともありまして、大変強い関心を持って交通安全の問題はフォローしてきておりますが、交通事故の犠牲者が年間一万人をなかなか切れない。これは実は大変厳しい課題になっております。関係者も大変努力はしておりますけれども、なかなかこの目標が切れない。やはり交通安全のためには、これといった決め手はない。実にいろいろな幅広い要素がありまして、一つ一つを丁寧に積み上げてこそこういった目標も一歩一歩前進できるとは思いますが、そういった意味からも、きょう取り上げる問題はぜひよく検討をしていただきたいということでございます。  そこで、まずお聞きしますけれども、第百二十九回国会で成立をいたしました道路運送車両法の一部改正法、これが本年七月から施行されることになっております。また、これに関連しましたいわゆる関係省令が、去る二月十三日に運輸当局から発表になっておりますけれども、まず、その概要、ポイントにつきまして運輸当局から御説明をいただきたいと思います。
  230. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 お答え申し上げます。  昨年の七月に公布されました道路運送車両法の一部を改正する法律の施行に当たりまして、御指摘のとおり、今般関係省令を改正いたしまして今月中に公布いたしたいということで準備をいたしているところでございます。今御質問の趣旨は、その改正内容いかんということでございますので、その中で重立った点につきましてかいつまんで御報告申し上げたいと思います。  まず、定期点検の項目の大幅な削減を行うと同時に、車齢十一年を超えます自家用自動車等につきましての自動車検査証の有効期間、現行一年でありますのを二年にする等の延長を講じることといたしております。それからさらに、整備工場の設備あるいは面積基準の緩和を行うと同時に、指定整備工場の活用範囲の拡大、こういった点を図ることとしておりまして、今回関係省令十二本改正を行ったということでかなり膨大な改正内容になってございます。  この七月に向けましてできるだけ準備期間を置こうということで、政令に先立ちまして省令の公布を行う、こういった状況になっております。
  231. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 運輸当局としては大変な努力をされたのだろうと推察をいたします。また、内容的に評価すべき点も多々あるとは私は考えておりますが、他方、改正法の附帯決議におきましては、その「六、」におきまして、「本法改正に伴う、政省令の策定に当たっては、関係団体の意見等を十分に聴取し、法の円滑なる施行に努めること。」ということがあることは御承知のことと思います。  この関連団体であります日整連あるいは関東ブロック会議では、改正車両法検討プロジェクトを設置しまして、要望書をつくって運輸当局に提出をしているということは御承知と思いますが、果たしてこの省令が、十分そういった関係団体と意見協議を経て、また十分に要望を取り入れたものかどうかということは、私は疑問を持っているわけでございまして、この点につきましてはどうお考えでしょうか。
  232. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 御指摘のとおり、改正道路運送車両法の法案審議に当たりまして、法改正に伴う政省令の策定に当たりましては、関係団体の意見等を十分に聴取し、法の円滑な施行に努めること、こういった内容の決議が衆参両院において行われたわけでございましたが、この点を踏まえまして、今般の省令の策定作業に当たりましては、関係団体の意見等を広範にわたって聴取いたしたところでございます。  具体的に申し上げますと、関係団体からの要望事項を十分考慮しましてとりあえず原案を作成いたしますと同時に、その内容を事前に関係団体にお伝えいたしまして意見を聴取させていただきました。  したがいまして、附帯決議を尊重し、最大限の努力を我々はしたつもりでございますが、業界の要望、二十数項目あったかと思いますが、これをすべて受け入れるということはできないということもございまして、我々としましては精いっぱいの努力はしたつもりでございます。
  233. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 当然そういうお答えかと思いますけれども、私もこの日整連の要望書それから関東ブロックの要望書をよく精査をいたしました。  ただ、私の印象では、これらの要望書に盛られている主要な、特に重要な点が取り上げられていないのではないかという感じを持っております。  具体的にこれを伺っていきたいと思うのですが、まず前検査の問題ですね。従来は、いわゆる整備と検査一体という考え方で進めてきたわけですけれども、今回の車検の規制緩和によって、検査と整備というのは、いわば概念的には分離をしたわけでございますね。  そこで、前検査を選択できる車種は、全車両を対象としておりますけれども、やはりこれは自家用乗用車及び軽自動車に限定すべきではないか。その理由は、一たん検査に通ってしまいますと、これは人情からいって、整備をちゃんとやろうというインセンティブが働かないわけですよね。試験を受けてしまって、合格してしまった後からしっかり勉強せいと言っても、それはやはり人情からして、そういうシステムは余りワークしないのではないかという印象を私は持っております。自家用車とか軽自動車はいいとして、特に問題になるのはダンプとか大型トラック等々、そういった車が無整備状態で走行することは安全上非常に心配がある、私は国民の一人としてそういう感じを持っております。  やはりそういった状況、特に交通安全対策から見て私は非常に関心があるわけですが、運輸当局としては、事業用の車種、車両に対しては整備管理者研修等で前整備の実施にできるだけ努力するよう指導するとおっしゃっているわけですけれども、問題は、これに含まれないその他の車種ですね。例えば、いわゆる白ナンバーのトラック、ダンプ、バス、実際にこういう車両が多いわけでして、恐らく交通事故を起こすのもこういった車両が蓋然性が高いと思われるわけでございまして、特にこういった車両に対してどういった措置を考えられているのか、これにつきましてお聞きしたいと思います。
  234. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 御指摘の前検査、これは、いわゆる定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わずその判断はユーザーの選択に任せる、こういうことといたしました関係から、対象車種につきましては、原則的にはすべての車種であるというふうに我々は考えております。  しかしながら、先生から今御指摘いただきましたように、いわゆるトラック、バス等につきましては、重量物を運搬したり、あるいは不特定多数の乗客を輸送する、そういった車両であることから検査前に点検整備が励行されるよう整備管理者、これは、事業用だけでなくて自家用車につきましても、ある一定以上の車両数を持っている事業者に対しては整備管理者の選任の義務づけをいたしておりますので、そういった整備管理者の研修等の機会をとらえて点検整備の必要性を周知徹底していきたいと考えております。  いずれにいたしましても、自動車は機械であります。使っていけば当然摩耗、劣化してそのうち壊れてしまう、そういったものでございますので定期的に点検を行うべきものでありますし、車種を問わずに定期点検の必要性というものはよくユーザーに訴えていかなければいけないだろうというふうに考えております。  このため、安全の確保あるいは公害の防止を図る上で後退がありませんように、例えば検査の際、国の検査でございますが、定期点検記録簿の提示を求めまして、定期点検整備未実施車両について点検等の勧告を活用するなどして、所要の点検整備が確実に実施されますよういろいろと配慮していきたい、このように考えております。
  235. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 勧告ということで努力したいということなんですが、私は、勧告ということではちょっと弱いのじゃないのかという感じがしておりまして、実際に、無整備の車両として特に事故の発生の確率が高いのはいわゆる白ナンバーのトラック、ダンプ、バスですね。こういった車両は、一たん車検をとってしまえばほとんど恐らく整備しないんだと思うのですね。勧告程度のもので担保できるのかという心配があるわけでして、何かもう少し踏み込んだ強力な指導策がないものかということを重ねてお聞きしたいと思います。
  236. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 先生の御指摘の趣旨につきましては、我々もそういった危惧を持たないわけではございませんで、何とか自動車ユーザーに対しまして定期点検整備の必要性を、事業用あるいは自家用を問わず訴えていかなければいけないと考えております。  先生の御指摘の趣旨は、点検整備につきまして行っていない車両についてペナルティーを科したらどうか、こういう御趣旨か士思うのでございますけれども、ペナルティーの関係につきましては、確かに、御指摘のように自動車ユーザーによる定期的な点検整備が現在必ずしも確実に実施されていない状況を踏まえますと、国が道切な定期点検整備の励行措置を厳しく行うべきであろうということになるわけですが、しかしながら一方におきまして、今回の法改正を行うに当たりましては、今後は自動車の保守管理をユーザーに任せていこう。そういった方針のもとに、自分から定期点検を行っていこうという、ユーザーがみずから参加していく、そういった趣旨に切りかえていく。これは正直言いまして時間はかかるかと思うのですが、それが長い目で見れば安全、事故防止につながるであろうということで考えてございまして、罰則等過重な負担を科すことなく、とにかくユーザーに必要性を徹底していきたい、こういうことでございます。  それに当たりまして、特に点検整備促進のキャンペーン等、いろいろ運輸省のみならず関係の業界等にもお願いいたしまして対応を考えておるところでございます。
  237. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 今回の改正の趣旨は私もよく理解をしておるわけでございまして、まずユーザーの自発的意思に任せるということなわけで、それはそれとして大事な点なんですが、ただ、結果としてきちっと整備が行われるような風土、雰囲気をつくるということが大変大事でございまして、具体策につきましては運輸当局にさらに御検討いただきたいと思いますが、さまざまな可能な手段を活用して、そういう風土あるいは雰囲気というものをぜひつくっていただきたいということを強く要望したいと思っております。  続いて、今の問題に関連をしますが、保険の問題でございます。  自動車保険に対して、保険金支払いに関して、無整備車両に起因する事故に格差を設けてペナルティーを科すべきではないか。また、運輸省としてもそういった考え方、問題意識のもとに損保業界に要請をしていると内々聞いておりますけれども、他方、損保業界の反応として、定期点検の未実施車両を運行すること自体は違法性がない等々の理由から、ペナルティー制度を導入することは困難であるというふうに反応していると聞いております。  ただ、国民生活、安全性を考えた場合に、きちっと整備をした軍とそうじゃない無整備の軍と保険の対応において全く同等であるということは、やはり保険制度からいって不公平ではないかという気がいたしまして、こういった点でペナルティー、保険制度におけるいわば格差をつける。例えば免責卒、整備車両と未整備車両については免責率で差をつける等のこういった配慮はぜひ必要だと考えますが、この点、運輸省はいかがお考えでしょうか。
  238. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 ただいま先生からの御指摘は任意保険についてのお話かと思うのですが、その前に、運輸省の所管であります強制保険、いわゆる自賠責保険についてどういう対応をすべきなのか、いろいろ検討した結果につきましてちょっと御報告を申し上げたいと思います。  自賠責保険につきましては、被害者救済を目的としてつくられている制度である、こういう観点から被害者に確実に保険給付がなされることが必要でございます。このため、整備不良という被害者の責めに帰さない事由で保険給付に差を設けるということは、法目的からしていかがかなという問題がございます。  さらに、それでは料率に差を設けたらどうか、こういう考え方もあろうかと思うのですが、これは保険期間中整備が確実になされるか否か、言いかえますと、ユーザーが今後定期点検を行っていただけるかどうかを保険契約時点で判断せざるを得なくなる。これは、今後将来のことについて約束をするわけでございますので、実質的にちょっと問題があるだろうというようなことで、実施につきましては非常に難しさがあるわけでございます。  そこで、任意保険につきまして、実は関係団体であります日本自動車整備振興会連合会、日整連と称しておりますが、あるいは自販連、こういったところからも要望が上がっておりますので、こういった点につきまして損保協会さんの方にいろいろ我々の方もお願いをし、現在関係団体で検討をしていただいている、こういう状況でございます。
  239. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 それでは、大蔵省も来ておられると思います。同じ質問につきまして大蔵省の見解をお聞きしたいと思います。
  240. 浦西友義

    ○浦西説明員 お答え申し上げます。  交通事故の原因といたしましては、運転者の技量、車両の状況あるいは運行されている道路状況、さまざまなものが考えられるわけでございますが、それぞれの要因を直接に保険料や保険金に反映させるのは大変困難でございまして、結果といたしましては、生じた事故の発生状況に応じて保険料が変動いたします現在の等級別料率制度という制度を実行しているわけでございます。
  241. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 この問題は、運輸当局それから大蔵省もよく研究をしていただいて、だれでも納得できる公平な制度をぜひつくっていただきたい。  特に、考え方のポイントとして、事故が起こってから対処するということよりもやはり予防的な性格を強めるという意味で、ペナルティーを科すことによって未整備車両をなくしていくという予防的なことがポイントになりますので、ぜひその点はよくお受けとめいただいて、今後さらに研究をしていただいて、いずれまた研究成果を御報告いただければと思っております。  続いて、次の点に行きますが、今回の要望の中で、特に関東ブロックからの要望の中で、認証工場と指定工場の業務提携という要望が出ております。特にこれは関東ブロック中、実は一番大きな要望事項だったそうでございますけれども、要するに、今までの車検のコースは、ユーザーが直接自分でやって国の車検に持っていく、それから認証工場で整備してそれを国の車検に持っていく、それから指定工場が全部、検査、報告までやってしまう、三つのコースがあったわけですけれども、現場の人たちの要望を聞きますと、やはりもっと認証工場と指定工場の業務提携をしっかりやって、もう一つの現実的なコースをつくったらどうなんだと。  これはいろいろな意味でメリットがあるのではないかという意見でございまして、認証工場と指定工場の業務提携を強化して、例えば、認証工場で整備をして、それを近くの指定工場に持っていって点検して、保安基準適合証を交付するまでやる、こういったことはできないのか。これは大変強い要望のようでございますが、この点につきまして御意見をお聞きしたいと思います。
  242. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 先生の前でそもそも論の話で恐縮なんでございますが、自動車に限らず、一般に検査というのは大体そういう方向になっているかと思うのですが、自動車について申し上げますと、自動車の検査は、その安全確保あるいは公害防止を図る上で公正中立に実施されるべきものである、こういう考えのもとに、国または公益法人のような公正性あるいは中立性が確保される者が行うべきものだ、こういうふうに考えております。  一方におきまして、現在の指定整備制度はどうなっているかということでございますが、指定整備工場におきまして点検整備が行われ、その責任のもとにおいてできばえ的に検査を行う。したがって、整備を行ったという責任がその指定工場側にあるわけでございまして、その責任が全うしてもらえる、そういった場合には検査もあわせてお願いすることが可能であろうという建前から現在指定整備制度を設けておりまして、これがいわゆる民間車検工場と言われるゆえんでもあるわけでございます。  したがいまして、御指摘のように、点検整備を行わずして、認証工場の責任において行ったのですが、それを指定工場で検査だけをお願いする。経営者が違うわけでございますので、ここにやはり公正中立な検査の実施が果たしてできるのかどうか、営利を目的とする事業者であるという点を考慮しますといろいろ問題がある、こういう状況でございまして、当面はちょっと難しいというふうに判断してございます。  ただ、御指摘の点につきましては、指定整備の拡大の観点からでございますけれども、検査施設を共用することができる制度がございます。わかりやすく申し上げますと、Aという指定工場では当然ながら検査施設を持っております。その検査施設をBという認証工場が業務提携といいますか、契約をして借り受ける。その検査施設を借り受けたときに、国の検査官に当たるのが指定工場では検査員でございますが、自動車検査員は、Bという認証工場の検査員であるという者がAという指定工場の検査施設を借りまして、そこで検査をする。そうしますと、これは点検整備から一貫して検査まで行ったという意味での事業者責任が担保できる、こういうことになりますので、この制度を十分活用していただきたいと考えておりまして、この点についても今後大いにPRをしていきたいというふうに考えております。
  243. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 検査、整備一体ということで指定工場を認めているというお答えですけれども、そもそも今回の規制緩和自体が、その整備と検査というものを概念上分離しているわけですよね。したがって、そういうことからいっても、そういった規制緩和、民間活力の向上という点からは、ぜひ認証工場と指定工場の業務提携を強化する方向が望ましいのではないかという気が、私はしております。  指定工場だけで既に車検を出しているわけですから、認証工場と指定工場が業務提携をして、そのシステムだけで車検を出すことがなぜいけないのか。国民には余りよく理解できないわけでございまして、また、問題が起こった具体例がどれほどあるのかということもお聞きしたいと思いますが。
  244. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 具体的な例はかなり古うございますが、かって沖縄が返還された時点でございますが、その時点で指定整備工場の考え方というのは沖縄では当然違っておりまして、いろいろとトラブルがあった。それは何かと申し上げますと、今のような関東ブロックからの要望として上がってきている、そういった形で処理をするというようなこと、あるいは沖縄では、簡潔に申し上げますと、検査のみを行う民間の工場がある、それによりまして情実が絡む等、いろいろと検査上安全の問題、公害の問題でトラブルがあったというような状況がございました。  したがいまして、現時点におきまして、その整備と検査を一体的に一つの経営者が責任を持ってやっていただける、そういうことであれば現行の安全と公害の防止は担保できるであろうということで、従前どおりこの部分についてはやっていきたいと考えておるわけなんですが、繰り返しになりますが、認証工場といえども指定工場の検査施設を契約して借り上げる、そういった対応を図ることによってその経費は当然負担していただくことになりますが、やはり数百万という単位で検査施設、投資額がかかるわけでございますので、そういった点を考慮しますと、今後認証工場が指定化を図る上では大きな方法ではないかなというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思いますと同時に、そういったPRも我々は努めていきたいと思っております。     〔佐藤(剛)主査代理退席、主査着席〕
  245. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 私は、この業務提携はぜひ進めるべきだと思っておりまして、責任が持てないじゃないかとおっしゃいますけれども、持たせるようなシステムをつくればいいじゃないかと。もしそういったペナルティーを科す、あるいは行政罰を科して営業停止とか、そういったことを明確にしておけば、十分これは対応できるのではないかと思っておりまして、自己責任をどんどん今やっておるわけですから、こういった業者においても自己責任を明確にして進めることが時代の要請じゃないかと思っておりまして、ぜひそういう方向で考えていただきたい。  また、今、国の車検がございますけれども、これは何か処理能力が一つのラインで一日二百五十台と言われております。他方の指定工場の場合には一日二台くらいが平均だと聞いておりまして、かなり民間の方は設備が余っているという感じなのですね。そういった意味でも、民間のそういった施設をさらに活用する意味からも、また行政改革にもなると思うのですね、ちょっと言いにくいのでしょうけれども、にもなりますし、そういった観点も踏まえて、ぜひ業務提携の問題は前向きにひとつ検討していただきたい。強くこれは要望をしておきたいと思っております。  最後の点、お聞きしますが、こういった道路運送車両法の認証を受けないで、いわば継続的かつ反復的に分解整備を行っている業者、いわゆる車検代行者ですね。こういった車検代行者が多いことは、いわゆる不正改造の問題あるいは不法な車検代行の温床になっているわけでございまして、運輸当局はこういった不正な、不法な代行業者の排除に努力をされているかと思いますけれども、今回の前車検システムの施行によりまして、こういう不法ないわゆる代行業者が激増することが見込まれておりまして、私の地元でもそういった傾向が看取されるわけでございますので、ぜひともこういった不法な代行業者の排除には強く取り組んでいただきたいということを、これは希望したいと思っております。これはどうですか。
  246. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 御指摘の点につきましては、我々もそのとおりだと思っておるわけでございまして、自動車分解整備事業を経営する場合には、道路運送車両法第七十八条の規定によりまして、地方運輸局長が認証しない限り反復継続して分解整備ができないという規定になってございます。したがいまして、車検代行業者を含め、この規定に違反したということがわかりましたら、厳正に法に照らしまして対処していきたいというふうに考えております。
  247. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 時間になりましたが、最後に、私の質問の趣旨は、規制緩和、大変結構だけれども、やはり国民の安全、特に交通安全それから公害規制に係る問題についてはぜひ慎重に検討をしていただきたいというのが私の趣旨でございまして、ぜひ大臣に御見解をお聞きしたいと思います。
  248. 亀井静香

    亀井国務大臣 このたび、改正法律の施行に伴っての政令、省令、これにつきまして委員からいろいろ御意見を承ったことを聞いておりまして、委員の御質問の中に極めて傾聴に値する点があるということを実感をいたしました。  車検制度にいたしましても、これは交通安全を守るといいますか、事故防止をする観点からどうするか、そういう面では、日米交渉の背後には車検制度をなくせという強力な圧力があることは御承知でございますが、私どもとしては、そういうことは一切応ずるわけにはいかないという形で頑張っておるわけでございますけれども、一方、規制緩和という問題、これは合理性、これに視点を置いて進めなければならぬ点も多々あると思います。今委員が御提起されました問題、私は聞いておりまして、やはりこのあたりは今後検討の余地がある、しかしその前提としては、やはり認証工場の経営者の自覚といいますか、そういう問題もあろうかと思います。しかし、今部長が答えておりましたけれども、実質とこに差があるのかという話になってきますと、私はこの面は検討に値する分野であろう、このようにも考えております。  今後そうした事故を防ぐまたもう一つの大きな視点は、誤解があっては困りますけれども、やはり中小零細の交通事故防止のために貢献をしておられる方々の生活をどう守っていくかということも、そうすると保護かという批判もされますけれども、やはり私は、そういう方々がきちっと今後生活をしていかれる、また従業員の雇用その他含めてきちっといかれる、きちっとした展望を持たれるような規制緩和でなければならない、このように考えておりますので、今後一層の御提言等をお願いしたいと思います。
  249. 遠藤乙彦

    遠藤(乙)分科員 大臣から大変心強い御答弁をいただきまして、多とするものでございますが、ぜひ運輸当局の前向きの取り組みをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  250. 深谷隆司

    深谷主査 これにて遠藤乙彦君の質疑は終了いたしました。  次に、高木陽介君。
  251. 高木陽介

    高木(陽)分科員 新進党の高木陽介でございます。  きょうは運輸省所管ということで、郵政省所管もあるのですけれども、後半ちょっと郵政省の方にも聞きたいと思います。  まず、運輸省所管ということで、首都圏の交通網について。  交通網の整備というのは充実させていかなければいけないし、いまだにずっと充実は続けていると思うのですけれども、私の地元でもあります多摩地域の部分が、二十三区内は結構高架だとか安全対策等々はしっかりとされていると思うのですけれども、だんだん都心から離れていくとそこら辺のところがまだまだかな、そんな実感もしているのです。特に、こうやって一極集中が進む中で首都圏というのがだんだん拡大してきて、実際問題、JRの中央線なんかも、大月あたりからの通勤は当たり前というような形になっております。道路網は、これは建設関係になってしまうのですけれども道路網自体でいつでも、圏央道の問題ですとかどんどん整備が進んでいる中で、鉄道網も、やはり安全、さらには輸送力の増強等々をしっかりと検討していかなければいけないかな、そんなふうに考えている次第です。  そんな中で、今申し上げた安全で円滑な広域の交通体系を求めていく上において、多摩地域の、特にJR中央線における近年の整備状況、聞くところによると、中央線の連続立体交差ですか、これもかなり進み始めているのですが、そこら辺の実情についてお伺いしたいと思います。
  252. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 多摩地域、おっしゃるとおり非常に輸送実績が伸びております。特に立川以西を申し上げますと、平成五年度で、立川−八王子間では二十七万四千人ほど一日当たり運んでおりまして、六十二年度比で二五%の増加でございますし、八王子−高尾間では六万五千人、六十二年度比で二九%増加しております。また、先生指摘のように、大月−高尾間でございますが、この間も一日二万七千人ということでございますが、六十二年度比で二五%の増加という状況にございます。これに対応いたしまして、列車の運転本数等もこの区間それぞれかなり増加させてきているというのが実態でございます。
  253. 高木陽介

    高木(陽)分科員 そういうような中にあって、先ほどちょっと申し上げましたけれども、立川−三鷹間が連続立体交差、高架部分と地下鉄部分というのですか、こういう形で踏切をなくしていく。これは本当に安全においては特に重要で、しかも、複々線となることによって輸送量が増大されるということが見込まれます。  ただ、この場合にはかなりの地元の要望、または都計審等としっかりとやっていかなければいけないのですけれども、そんな中で、実際問題、立川以西の部分であかずの踏切が多々ある。これは、今回来年度の予算案の中でもついたのですけれども、立川−三鷹間の部分では、百二十分、二時間の間に百十八分ですか、ずっと閉じたままになっている。そんな踏切がある中で、その立川以西、今一番踏切で問題になっているのが八王子−高尾間というのが地元の意見なのですけれども、そこら辺の踏切、あかずの踏切の状況みたいなのがわかればお願いします。
  254. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 例をということでございますが、一つは中央線の八王子と西八王子間の国道十六号線の踏切がございます。相模街道と申します。それから西八王子駅東側の踏切、第二水道の踏切がございますけれども、現在、踏切の遮断時間はラッシュ一時間当たり約三十分ということでございます。
  255. 高木陽介

    高木(陽)分科員 そういうような現実の問題もある中で、やはり一番気になっているのは安全対策ということで、連続立体交差というようなことになれば踏切での事故も減る、減るというか、なくなるわけですから、そういう部分を考えていかなければいけないのかな。ただこれは、先ほど申し上げました地元の各自治体もしっかりとやらなければいけないし、また都も絡まなければいけないし、またJRもそれに絡んでいかなければいけない。じゃ運輸省が主体的にできるかというと、これはなかなか運輸省が音頭をとってやることはできないのですけれども、ただ、これは仮定の話ということで、ちょっと答えづらい質問かもしれませんが、これが地元からかなり要望があって、地元はそれをやっていこうという流れになっています。  ただ問題は、建設省がどうなってくるか、建設省がこれに乗っかった段階運輸省としてもこれを積極的に推し進めていただきたいなと思うのですけれども、そこら辺のところはどうでしょうか。
  256. 亀井静香

    亀井国務大臣 そういう場合は積極的にやりたいと思います。そういう場合という以上に、私どもとしては、そういう方向で地元住民の方、自治体、JR等が協力して進んでくれるように、今後とも指導を強化したいと思います。
  257. 高木陽介

    高木(陽)分科員 大臣の心強いお言葉をいただきまして、しっかりと地元と連携をとりながらやらせていただきたいのですけれども、今連続立体交差の問題でお話し申し上げましたけれども、都心、特に二十三区内の方はかなりそういう部分で高架部分だとかふえています。今後とも首都圏はそういった形で、これは全国的に連続立体交差の問題というのは要望等があるのですけれども、そういった中でも考えていただきたいのです。  そこで、さらに問題となってくるのが、今回の阪神大震災の、橋梁部分がかなり傷んだとか、大臣新幹線の復興の問題で耐震対策というか強化すべきである、これは本当に大切なことで、実際問題首都圏に、関東大震災また東海大地震等々、いつ起こるかわからないという状況にあって、首都圏の高架部分というのですか、ここら辺のところでどういうふうな現状、耐震構造というのですか、例えば、実際震度幾つぐらいを想定して今までできてきた、または、いつから前はこれぐらいのことで想定しでやってきた、その中でこれからこういうふうに取り組まなければいけない、そこら辺のところをお話ししていただければと思います。
  258. 亀井静香

    亀井国務大臣 JR東日本も社長以下、実はこのたびのことで大変なショックを受けておるわけでありまして、あれは西日本のことであって東日本は大丈夫だなんというような、そうした思い上がった気持ちは全然持っておりません。直ちに東日本としては技術者をあの現場にも派遣をいたしておりまして、西日本と一体となっての調査活動をやっておりますが、東日本新幹線につきましても、一応、関東大震災程度のものが来ても大丈夫だという耐震構造のもとで建設はされておるわけでありますが、西日本も実はそうだったわけでございますから、そういうことは何ら安心にならないということで、JR東日本も現在、総点検をやっておるところでございまして、さらに、松本委員会での検討結果等を踏まえて総点検をやり、補強等について万全を期すというのが、今JR東日本からの私どもに対する報告といいますか、方針でございます。  なお、新幹線のみならずその他の鉄道施設等につきましても、これは私鉄を含めまして高速性という面においては若干危険度が下がるかもしれませんけれども、これもやはり同じでありますから、鉄道局におきまして現在厳しく点検を指示をいたして、その補強等について検討委員会からの指導を受けるようにということは、これは鉄道局が責任を持ってそういう措置をするということで現在取り組んでおるところでございます。
  259. 高木陽介

    高木(陽)分科員 今、私鉄の方もちょっと触れられましたけれども、実際問題、首都圏の場合には、JRも網の目のように鉄道網が伸びているのですけれども、私鉄というのがかなり大きな部分を占めていると思うのですね。また地元の話をして申しわけないのですけれども、私の場合、八王子ですので、多摩川を渡らなきゃいけないわけですね。そうしますと、かなりの橋が、JRもそうですし、また小田急も、または京王線もいっぱいあるということで、これが地元の人たちにとってみればかなりの不安感というか、連続立体交差をしてくれという要望とともに、また逆みたいな部分でこれが大丈夫なのかと。また道路網も結局橋を、これはまた建設省になってしまうのですけれども、これが崩れた場合に孤島になってしまうという、こういう不安が今回の地震を機にかなりいろいろ、地元からまたは市民の方々から話を聞いたときにそういうのが出てまいりました。  実際問題、今大臣のおっしゃられた西日本の方も、かなりの耐震構造であったにもかかわらず実際なってしまった。だから、どうすればいいのかというのは、なかなか見えない部分かなと思うのですね。ただ、本当にJRも東日本の方もかなり総力を挙げて検査、調査をやられていると思うのですけれども、特に私鉄関連。私鉄ですとやはり民間の、JRも民間化したのですけれども、かなり規模が大きいですから、私鉄の場合にはなかなかそういう、ちょっと危ないなといったときに、ではすぐに補強できるか、それだけの財政力というのですか、そういうものがなかなか私鉄はちょっと大変かなという気もするのですけれども、そのときに、じゃ、運輸省というか国の方としてそういう形の支援、応援、これはどうなのかということで……。
  260. 亀井静香

    亀井国務大臣 それにつきましては、個々の事業体の財務内容その他によると思いますけれども、私どもはこのたびのことを踏まえて、安全のための設備投資、これについては、個々の企業体が独自でできない場合等については、やはり政府として低利融資等を含めて積極的な支援を具体的にしてまいりたいと思いますので、鉄道局の方から各私鉄に対しても、そういうことを含めてひとつ総点検をやって、危険のない状況にしてくれという指導をいたしておるところでございます。
  261. 高木陽介

    高木(陽)分科員 大臣がこの震災以来、特に安全のことでかなりいろいろと御発言をされているということで、本当にそれを積極的に取り組んでいただくことがやはり市民のためであると思いますし、そういう不安というものを取り除くためにこれからもさらに推し進めていただきたいな、そういうふうに思います。  ちょっと時間がだんだん経過してしまって、本来はきょうは運輸でずっとやりたかったのですけれども、明日の郵政ということで、時間がないので郵政の方にもちょっと御質問したいと思いますのでよろしくお願いいたします。  まず、郵政省の方でちょっと聞きたいのですけれども、マルチメディア、マルチメディアという言葉がずっとここ一、二年、また数年春言われ続けております。そんな中で、まあ民間の方はかなりいろいろなベンチャービジネスだとかそういうことで挑戦し始めて、いろいろと開始され始めているのですけれども、特に官庁内でのマルチメディアのとらえ方ですね、これがなかなか進んでいないのかな、そんな気もしているのです。  そんな中で、特に、情報があらゆる角度からすぐに入手できる、またはそれをすぐにまた発信できる、こういうことがマルチメディアの特色だと思うのです。そんな中で省庁内というか、省庁間はまだなかなか難しいと思うのですけれども、マルチメディアを進めている郵政省自体のデータベース、いわゆるその情報を発信していく、こういうことに関して今どういう取り組みをされているのかということをちょっと聞きたいと思うのですが
  262. 中山治英

    ○中山説明員 お答え申し上げます。  今先生おっしゃいましたように、目下、マルチメディア社会を迎えるということで我が国に進んでいるわけでございますが、郵政省といたしましても、ある意味では広い意味での情報化と申しますか、これまでも、近年LANでございますとか、あるいはテレビ会議システムでございますとか、あるいは映像情報ということでは衛星通信を利用いたしまして、これは省内の本省でございますとか郵便局等を結ぶわけでございますが、P—SATというようなシステムとか、順次そういったような情報のメディアを使いまして、省内の情報連絡システム体制を構築しつつあるところでございます。  これにつきましては、単に本省だけではなくて、地方の郵政局でございますとかあるいは郵便局など、私ども郵便局ネットワークとなりますと、全国に二万を超える郵便局所があるわけでございますが、将来的にはそういうものを目指しながら、そういったような新しい情報メディアというものを使いながら、今先生おっしゃいましたように、音声とか単なる文字情報だけでなくて映像情報等を含めまして、そういったシステムを構築してまいりたいというふうに思っているところでございます。
  263. 高木陽介

    高木(陽)分科員 そこで具体的に、行政の情報というのは、まあこれは情報公開制度の問題ともかなり絡んできてしまうと思うのですけれども、やはり将来的にこういう情報公開というものが進んでいくと思うのですね。そんな中で民間の一般の市民がすぐにアクセスできるような、そのためにもデータベースという形でしっかりと行政側が管理という言葉はまたおかしいのですけれども、しっかりと持っていなければいけないのではないかなと思うのですね。その点、本来は郵政省だけではなくて、各省庁すべてがそういうものを持ってお互いに双方向に交換している、そして何かあればすぐ引き出せる、こういう形にするのが私は理想論だと思うのですけれども、ここら辺のところも含めてどうなのかということをちょっとお伺いしたいのですが。
  264. 中山治英

    ○中山説明員 お答え申し上げます。  先生今おっしゃいましたように、こういった行政全般の情報化といいますか、これにつきましては、昨年五月に電気通信審議会の答申もうたっております。その中でも行政の情報化というものがうたわれておりますし、昨年の年末には、これは政府全体でいわゆる行政改革大綱といいますか、当面の行政改革の進め方についての指針を出しておりますが、その中でも行政の情報の基本的な計画をうたわれておりまして、この中で、これは郵政だけじゃございませんけれども、こういった、今先生指摘のようなデータベースの構築でございますとかあるいはそういったものを使いましてのペーパーレス化といいますか、電子化といいますか、そういったものがうたわれているわけでございまして、これから取り組んでまいるわけでございます。  私どもも、こういったものを受けまして、郵政省の情報化五カ年計画といいますか、そういったものを目下鋭意検討中でございまして、この中で、今言われましたようなデータベースの構築ですとか、それから従来も、例えばインターネット等を通じましてある程度の情報は郵政省関係の情報を提供しているわけでございますが、こういったものにつきましても、国民がより容易に入手しやすくなるようなシステムを目指してまいりたいと思っております。
  265. 高木陽介

    高木(陽)分科員 これはそうやって努力はされていると思うのですけれども、そんな中で、例えば、去年、おととしでしたか、各省庁のペーパーがA4になるだとかB5だとかいろいろと、何かそういうのも、マルチメディアが本当にしっかりと、またデータベースがしっかりしていてぱっと取り出せる、B4だろうがA4だろうがまたはB5だろうが、それはその人が見たいように見ればいいわけです。そんなことから考えますと、これは、ちょっと聞いたところでは、郵政なんかは三人に一台ぐらいのパソコンという、これも予算の関連にもなると思うのですけれども、本当は各省庁一人一台ぐらいしっかり持って、その中で、ペーパーはもうソフトの中にしっかり入っている、それをぱっと引き出したいときに引き出す、それがさらには民間で将来的に情報公開になったときにすぐに利用できる、そういう形にしていくべきじゃないかな、そういうふうに強く感じているので、そこら辺のところもしっかりとよろしくお願いしたいなと思います。
  266. 中山治英

    ○中山説明員 先ほど申し上げました、そういった郵政の五カ年計画も今検討しているわけですが、そういう中で、今の先生の御指摘などを踏まえながら、確かにぺーパーレスといいますか、あるいは民間その他ではいろいろ進んでいるわけでございますから、これは当然のことながら、役所、行政部門も世の中におくれるというよりはむしろ先んじていけるように努力してまいりたいと思います。
  267. 高木陽介

    高木(陽)分科員 マルチメディア関連であともう一つ。  マルチメディアがどんどん進んでまいりますと、それだけ情報量が多くなってくる。そのときのソフト部分がこれからどんどんいろいろな角度に広がっていくと思うのですけれども、そのときの知的所有権というか、著作権ですか、ここら辺の問題というのがいろいろトラブルが出てくるんじゃないかな、そんな気がするのですね。特に昨年はマルチメディアのことでいろいろな、マスコミ等々も書いていましたけれども、特に、著作権のルールづくりを急げ、こういった論調が目立っていたと思うのです。そんな中にあって、郵政も知的所有権専門委員会、これは正式名称をちょっと確認したいのですけれども、それを昨年発足させたと聞いています。それが一体今どういうふうな形でこの知的所有権、著作権について検討されているのかということをお伺いしたいと思います。
  268. 鈴木康雄

    ○鈴木説明員 今先生指摘のとおり、マルチメディア時代の情報通信技術の高度な開発成果を国民に早く普及するという観点から考えますと、当然多様で充実したソフトの流通を何よりも充実しなければならないと考えております。そのためには、ソフトに関する知的所有権が適切に保護されるとともに、その流通のための円滑な処理のシステムが必要だと考えております。  こうした観点から、郵政省では、二十一世紀の通信・放送の融合に関する懇談会というものを設けておりまして、高度な情報通信技術を利用したサービスが円滑に展開されますよう、多角的な観点から検討を行っております。その一環といたしまして、今先生指摘の検討会、正式名称はソフトの流通に関する検討会と申します。成蹊大学の紋谷先生をキャップにしていただいておりますけれども、その中で、ソフトの流通を促進するための環境整備一つの方法といたしまして、著作権を含む知的所有権のあり方全般について御議論を願っております。  郵政省としましては、今後、映像あるいは音楽といったソフトの、つくる方とまたそれを使う方といいましょうか、受け手といいましょうか、その双方から御意見を承って、知的所有権問題も含めた将来のあるべき高度情報通信社会像をつくってまいりたいと考えております。  以上でございます。
  269. 高木陽介

    高木(陽)分科員 今、ちょっと現状をお話をお伺いしたのですけれども、そんな中で、通産の方もこの問題について取り組んでいるようなんです。これも巷間よく言われている、特にマルチメディア関連に関しては、通産と郵政の縄張り争い、こういった言い方がされていて、これもどっちに偏るか、自分自身はある意味では中立として見ているのですけれども、そんな中で、きょうは通産省の人はいないので欠席裁判みたいになってちょっと申しわけないのですけれども、通産というのはどうしても業界、いわゆる送り手側、つくる側、製造者側、メーカー、こういった立場にかなりつながっている。そういう部分でこの所有権問題もかなり出てくると思うのです。  一方、やはり一番大切なのは、つくる側も大切なんですけれども、使う側が本当に後でトラブルがないように、またしっかりとそういった、規制をかけるということじゃないのですけれども、やっても大丈夫、安全、安全という言葉もちょっとうまくないですね、気兼ねなく使えるような形で、そういった意味では、特に郵政などは、ユーザー側の感覚、今ユーザーとつくる側と両方と聞いていましたけれども、特にユーザー側をしっかり育てないと、このマルチメディアも発展していかないと思うのですね。そういう部分でのユーザー側からの視点、または著作権の問題、こういうものに積極的に取り組んでもらいたいと思うのですけれども、それはどうなんですか。
  270. 鈴木康雄

    ○鈴木説明員 今先生指摘のとおり、ソフトの流通あるいは開発ということになりますと、なかなか微妙な問題がございまして、使う方がまたそれを同時にだれかがつくったものを加工して人に出すということになりますと、その真ん中の人からとってみると、自分は使い手であり、またつくり手である、そういうことになります。  そういう意味で、どちらか一方に偏することなく、つくる方が同時にまた受け手でもございますので、その辺、バランスをとりながら進めてまいりたいと思っております。御指摘どうもありがとうございます。
  271. 高木陽介

    高木(陽)分科員 マルチメディアというのはやはり複雑になってくると思うのですね。今おっしゃられたように、受け手、いわゆる利用者がそのまままた送り手に変わっていく。双方向になっていきますからね。では、どっちがどっちのものなんだ。だからこそ、しっかりとその部分、知的所有権、著作権の問題を吟味しながらやらないと、実際問題、民間の方はいろいろなソフトを開発しながら、またはいろいろな機械を通しながら、どんどんマルチメディアを発展させていこうということでやっているわけですから、それが、後で著作権の問題にタッチしようとしても、もうこれだけ広がってしまったから全然何にもできなくなってしまう、そういうふうにならないように、今の委員会というか、省内でやっているものをベースにしながら、理想論を言えば通産もある意味では巻き込むぐらいな形で、政府でもこの情報通信の問題に関しては総理が本部長となってやっているわけですから、そういう問題も含めてやっていただきたいし、逆に郵政がマルチメディアの、情報通信の中心となってやるんだという意識があるならば、それを本当にしっかりとやっていただきたいな、そういうふうに思います。  きょうは、郵政の方にもこうやって聞いたのですけれども、最後に、また戻って運輸の方の大臣にちょっとお伺いしたいのです。  先ほど、地震の問題等々お伺いしました。これは地震だけではなくて、やはり一番大切なのは、冒頭に申し上げた安全の部分だと思うのですね。そういった意味からも、大臣がずっと、この震災以来西日本新幹線の問題でかなりきつい、まあきついというか発言をされた。そういった中で、それをただ単なる発言というよりも、要ば安全をどうしていくのだということをもう少しうまく国民の人たち、マスコミは、どうしても大臣が言うとまた規制を厳しくするみたいな、そういったイメージでとらえると思うのですけれども、そこら辺のところをもう少しうまく大臣もやっていただければな、そういうふうに思うのですけれども、最後に一言。     〔主査退席、佐藤(剛)主査代理着席〕
  272. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、生来口下手でございまして、またなかなかちょっと内気なものですから、思い切った、しかも委員指摘のように、国民が共感を持たれるような形での安全問題についてもアプローチがしかねておるのじゃないかということを反省いたしますけれども、規制緩和の時代であっても安全、環境、弱者の保護、この視点からは、規制にしても強化すべき場合だって私はあり得る、このように思っておるわけでありまして、特に安全の問題につきましては、このたび手痛い我々は教訓を受けたわけですけれども、この文明の利便さを享受をする、しかしその場合は、常に裏腹にやはり安全の問題があるということを我々は自覚をしなければならないし、そのためのコストを常に我々は覚悟しなければならない。このたびの震災がそういうことを我々に思い知らせたのではないかな、このように思っておりますので、今後とも努力をしてまいりますので、よろしく委員からもバックアップをお願い申し上げたいと思います。
  273. 高木陽介

    高木(陽)分科員 以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  274. 佐藤剛男

    佐藤(剛)主査代理 これにて高木陽介君の質疑は終了いたしました。  次に、山口那津男君。
  275. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 大臣には、長時間の質疑で大変お疲れであると思いますけれども、本日の質問は私が最後でありますから、いましばらくお願いしたいと思います。  さてそこで、私は帝都高速度交通営団につきましてまずお伺いしたいと思います。  昭和六十年の運輸政策審議会の答申におきまして、地下鉄のネットワークというものが示されました。既存の計画線というのが、幾つかまだ残っているわけですね。七号、八号、十一号、十三号、こういう路線になるわけでありますけれども、本来の予定線を今までのようなペースで仕上げるとしましたら、これが概成をするのにおよそどれくらいの期間がかかるか、そのめどというものをお示しいただきたいと思います。
  276. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 営団の地下鉄ネットワークの概成の問題でございますが、現在営団は鋭意七号線、十一号線を着工しております。これがあと五年ぐらいかかる予定でございますが、先生がおっしゃいました八号線、十一号線の延長、それから十三号線、渋谷−池袋間を含めまして全体でございますけれども、必要な助成措置の確保等を前提といたしまして、工事が順調に進めばおおむね十年後ぐらいには完成するのではないか、こういうふうに考えております。
  277. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 そこで、十一号線ですが、現在押上までつくる予定で予算化もされつつある、こう思いますけれども、今五年ぐらいで十一号線は完成するというお話でした。これは念のため伺いますけれども、五年で完成するというのは押上までの間を言うのでしょうか、それともそこから先のことを含むのでしょうか。
  278. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 失礼いたしました。水天宮−押上間でございます。
  279. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 そこで、今回の行政改革の素案によりますと、この七号、十一号が、計画中のものが完成したときに特殊会社に移行する、こういうわけでありますから、十一号線について言えば、押上まで完成したところで特殊会社に移る、こういうことになるわけですね。  さてそこで、この特殊会社化したことによって、その後の概成までの路線が、場合によっては縮小したりあるいは廃止になるというようなこともあり得るというふうなお考えなのでしょうか。それともこれは、財政措置を鋭意確保して必ず完成する、こういう御決意をお持ちなのでしょうか。
  280. 亀井静香

    亀井国務大臣 私どもは、八号線も十三号線も、さらに十一号の延長、これも必ずやらなければならない、このように考えております。また、それだけで都内の交通事情、十年後十分賄い切れるのか、また首都圏との関係で十分ということになると、私のこれは予測ですけれども、それでもまだ私は十分ということにはならない、このように思います。
  281. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 大臣の力強い御決意を伺ってひとまず安心したわけでありますけれども、しかし、五年後に特殊会社化しますと、今営団のシステムによっては、投資財源というのはほかの会社のシステムと比べれば確保しやすいという状況だろうと思うのですね、これが特殊会社化する、あるいは概成後完全に民営化されるということになりますと、現状ではこの投資財源の確保にいろいろな制約が出てくる可能性があるのではないか、なかなかこの投資財源の確保が容易ではないというふうに常識的には予想されるわけですね。これをどのように、特殊会社化後確保していかれるおつもりか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
  282. 亀井静香

    亀井国務大臣 特殊会社にすることによって、そうした委員指摘のような八号線、十三号線を含めて整備がおくれる、マイナスになるということであれば、逆に私はやるべきじゃないと思う。経営形態を変えることが、行政改革でもなければ特殊法人整理の目的に合っておることでもない。要は、都民の方々に今まで以上のサービスができ、また首都圏を含めてこの関東地方のやはり交通体系の整備営団地下鉄民営化した方がこれがプラスになる、そういう判断で決断をしたわけでございまして、行革審の今までの答申等も、恐らくそういうことでなされたのだろうと私は推測をするわけでございます。  特殊会社にし、民営化した場合のメリットは何かということでありますけれども、デメリットもあるのじゃないかという御批判も私はあろうかと思いますけれども、現在のJRを見ておりましても、交通機関の相当部分というのはやはり競争原理をいろいろな意味で導入をして自由な発想のもとで、そうして株主の監視といいますか、そういうもとで経営をしていくことがやはりあるべき姿だし、その方がこの今後の設備投資等を含めて私はメリットが出てくると思います。  ただ、問題は、委員承知のように、今のような無利子融資等を含めて、現在のような、いわば手厚い、国が責任を持って、都が責任を持って、行政が責任を持って推進をしていくという方が都民の方々にとっても安心だ、簡単に言いますと安心だという一つの面もあろうかと思いますけれども、しかし、先ほど申し上げましたような観点から、特殊会社にして、できれば早期に私は完全民営化したい。  ただそのときに、証券市場の状況等がございますから、直ちに株を処分できるかどうかはあれでありますけれども、恐らく五年後が今と同じような日本経済の低迷であるとは私は思いませんし、そうなれば日本は大変なことでありますから、そうなってまいりますと、そうした持ち株を処分をすることによってどの程度、これはこの間のたばこ会社のようなことでやってはしようがございませんが、そうでなければ相当の財政上の寄与が生まれるわけでありますから、しかしもっと言えば、それは営団地下鉄の財産をそういう形で処分をしたということにもなるわけでありますから、営団地下鉄のその後の、いわば八号線、十三号線への設備投資等に関して、逆に国が得た利益といいますかそのものを、いろいろな形で工夫をしなければいけませんけれども民営化した営団地下鉄に対して還元をしていくということも私はやるべきだと思いますし、それがまた一つの筋の通った方法だ、それは全部を還元するかどうかは別といたしまして、そういう方法で逆に設備投資への新たな財源を確保していける道も開かれると思うし、また増資等もやって資金調達もできるわけでもございます。  また一方では、これは東京の地下鉄の建設だけ特別視して、福岡だとか京都とかそのあたりは別だというわけにいきませんから、そのあたりとの横並びの検討もしなければなりませんけれども、極めて公共性の高いそうした建設については、現在も、委員承知のように鉄道整備基金等を使っての、あるいは運賃に設備投資分を前倒しをしてというようなそんな工夫もしている。これは事実上の減税措置でもございますから、国が補助していると言ってもいいと思うわけでございますが、現在の施設に対しても公共性があるゆえにそうした国としての、自主性を損なわないそういう範囲内での支援もやっておるわけでありますから、営団地下鉄民営化した後も、民間会社としてのそうしたよさを生かしながら、国が公共交通機関として支援はしていける道はきちっとある、このように私は考えております。     〔佐藤(剛)主査代理退席、主査着席〕
  283. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 今の大臣のお話は、主として民営化した後の資金の調達、とりわけ株の市場においての調達ということを中心にお話しいただいたように聞こえたわけです。  しかし、特殊会社化されてから民営化まで約五年ぐらいを予定するということになりますか、概成が今のペースでいけば十年とおっしゃいました。五年後に特殊会社化すると言いましたね。ですから、まあ単純に言えば、特殊会社化の期間は五年というふうに考えていいのかどうかわかりませんけれども、その特殊会社化したその間にやはりこの概成ということをなし遂げなきゃいけないというわけであります。  期間が厳密に何年になるかは別にして、完全民営化とその特殊会社時代と、この間の財源の調達についてもやはり確固たる見通し、計画、こういうものが明らかにされていなければ、そのときの財政状況でその都度考えますというのでは、これはまことに心もとないし、そういうことで大幅な組織改革というのはかえって本末転倒だろうと思うのですね。ですから、この辺についてどうお考えか、お答えいただきたいと思います。
  284. 亀井静香

    亀井国務大臣 私先ほど申し上げましたように、五年後特殊会社、五年後完全民営化というスケジュールは申し上げていないわけでございまして、特殊会社にした後、証券市場の状況等から環境が整えば直ちに完全民営化すれば私はいいと思うわけであります。  しかし、その間、委員指摘のように、それができない場合もあるわけでありますから、そのときに新たな設備投資への資金調達ができないということであれば、これは大変な話でありますから、特殊会社にいたします場合も、現在とやはり同様な、あるいは場合によってはそれ以上のことになるかもしれませんけれども、きちっとした国の直接間接の支援が受けられることは、もし立法措置が必要とあればそういうことも当然視野に入れてやらなければならない、このように考えております。
  285. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 さてそこで、八号線、十一号線というのは、計画によりますと荒川を渡って葛飾区あるいは千葉県松戸の方面へ行くことになっておるわけですね。私はこの地域、かねてから東京メソポタミアと、こういうふうに呼んでおりまして、メソポタミア、これは原義は川の間の地方、こういう意味でありますから、大河川に挟まれた、隅田川も含みます荒川あるいは江戸川という大河川に挟まれた地域の特殊性ということを常々念頭に置いて活動しておるわけでございます。  そして、このたびの阪神の大震災を教訓といたしますと、この地域、かなり人口が欄密な地域でありますけれども、ここへの大きな輸送インフラというものがすべて地上を通っている。一本だけ千代田線というのが地下を通っているわけでありますが、すべて鉄橋その他道路で結ばれているわけですね。そうすると、これが万が一にも破壊されたりしますと、たちまち孤立してしまう。そういう脆弱性を持った地域柄であるということであります。今回の震災の中で、道路鉄道等に比べて地下鉄は、一部被害に遭ったものの比較的損傷が軽かった、こういう観察もあるわけでありますから、私はこの輸送インフラというものを分散した形態で持っておく必要があるのではないかと思うわけであります。  千代田線一本に頼るというのではなくて、この八号、十一号、結果的にはというか、専門の設計のサイドから見て当然都内においては地下鉄の形態でやるということは常識なんだろうと思いますが、私が申し上げたいのは、地上か地下鉄かの選択ではなくて、地下鉄としての輸送ラインを確保するという意味でこれを早くこの地域に設置する必要があるのではないか。これは墨田区、江東区、荒川区といったところも同様の条件にあるわけですね。そうした意味で、この八号、十一号の延伸については、地下鉄で早期に着工する、完成させる必要があるというふうに思うわけであります。この点についての大臣のお考えはいかがでしょうか。
  286. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は委員の選挙区がそこであるからということでリップサービスするわけじゃございませんで、委員がそちらに住まれ、活動されておられる実感を含めて今その重要性指摘されたわけでございますけれども、私どもはそのことを強く受けとめまして、八号線、また十三号線につきましても、民営化していくという経営形態とは別に、これについてはとにかく一応十年というあれを持っておるわけでありますから、これがおくれることがないように、しかも川の底の問題もございますし、そのあたりについては耐震能力、このあたりも御承知のように、今度の神戸におきまして、私現場も見ましたけれども、技術陣が予想もしなかったようなそうした破損が起きておるということもございますから、そういう面では耐震性を考慮をしたそうした地震に強い地下鉄を計画どおりこれを建設をしたい、このように考えておりますので、委員からも今後いろいろとアドバイスもいただき、また御支援を賜ればありがたいと思っております。
  287. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 ぜひ公共投資の配分の中でこの地下鉄の重要性ということに思いをいたしていただきたい、こう思います。  さてそこで、今大臣のお話にも出ましたけれども、地下鉄の耐震性について今回いろいろな反省点がおありになっただろうと思います。従来建物についてはある程度明確な耐震基準というものがあったわけであります。しかし、地下鉄についてそのような耐震基準というものがはっきりと明示されていたのかどうか、これは私自身が勉強不足でよく知らないところでもありますけれども、改めてこの点を確認したいと思います。
  288. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 現在地下鉄につきましても、他の鉄道と同様に地震に対します技術上の基準の細目を定める運輸大臣の告示がございます。その中で、水平方向、鉛直方向の基準というのが示されております。
  289. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 これが余り世間には周知されてなくて、新聞やテレビ等の報道で、基準があいまいである、あるいはなきに等しいかのような報道ぶりがなされておりますので、ぜひこの際これを国民にわかるような形で周知させる手段を考えていただきたいと思うのです。  さてそこで、今回の地震専門家の調査がなされただろうと思います。それを生かして、特にこの今回の揺れは上下動の、上下の振動による被災というものが予想を超えたものであったというような指摘もあるやに聞いておりますので、この点の調査を踏まえた上での耐震基準の見直し、新たな設定というものについてどのようなお考えをお持ちか、伺いたいと思います。
  290. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 今回の地震で地下鉄も、大開駅のあたりは大きな被害を受けております。鉄道全体の問題でございますが、鉄道施設耐震構造検討委員会、松本委員会を既に設置して検討しておりまして、新幹線初め在来線と同時に地下鉄につきましても、この中で現在の基準につきまして、実際の被害状況を分析していただきましてどこがどう問題があるのかというのを御検討いただいております。その結論を踏まえて、既存の鉄道の補強も含めまして対応していきたい、こんなふうに考えております。
  291. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 今回被災した神戸市内の地下鉄というのは、それほど古い路線ではございません。ところが、東京の場合は、これは戦前につくられたような路線も含めましてかなり時代の隔たりがありまして、それぞれこの建築の耐震性の考慮の仕方というものは大分差があるのではないかと思うわけですね。そうした意味で、既存の地下鉄路線について、耐震性の観点から補強なり総点検なりが必要だと私は思うわけです。この点の考え方をまず伺いたいと思います。
  292. 亀井静香

    亀井国務大臣 運輸省といたしましては、これは新幹線のみならず、一般の私鉄、それから地下鉄、すべてについて総点検を今指示をいたしておるところでございます。  なお、現在松本委員会が、はっきり申し上げまして、いろいろな仕事を持っておられる方々でございますが、その分も犠牲にしていただきまして、できるだけ早期に結論を出していただきたいということでお願いしておるわけでありますが、しかし、何月何日までというようなことですべきことではない。やはり十分な、徹底的な調査に基づいて、今までの構造物について、これに補強あるいはやり直す必要があれば思い切ってそれをやらさなければなりませんし、今後、新線の建設についてもそれの基準をやり、神戸の場合は、復興についてもそれ以上のところで、現在余裕を持って鉄板を巻いたりしてやっておるわけでございますが、今後の本格復興についても、それに耐え得るものでなければならぬということでおるわけでございます。  今我々がやっておりますのは、そうした検討委員会の結論を待ってというだけじゃなくて、それぞれ技術員がおりますから、それぞれの技術陣がそれぞれの構造物を今自主点検をしておるという最中でございます。その結果、もし思い切った補修なり改造が必要だということであれば膨大な資金がかかる場合もあろうかと思いますが、これについて、自分たちの自主調達等について、経営を極端に圧迫するというようなことが出てくるとすれば、これは震災地神戸の交通機関と同様に、低利融資を含めてこれは国が積極的に支援をしていかなければならない、このように考えております。
  293. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 大分先の見通しまで語っていただいてありがたいと思うわけでありますけれども、調査の結果がいつ出るか、そしてそれに基づく対策はどういうものが可能か、さらにまたそのためのお金がどれくらいかかるか、これはにわかに判断し切れないとは思います。しかし、およそのめど、例えばことしの上半期に出せるとか、そういうめどをできるだけお示しいただきたいと思うのですね。それで、この結果によって、例えば来年の予算に対して概算要求に盛り込めるとか、あるいは今年度の予算、まだ成立しておりませんが、これの補正に組み込むとか、ある程度のそういう見通しをお示しいただければありがたいと思います。
  294. 亀井静香

    亀井国務大臣 先ほど申し上げましたように、本当に集中して御検討いただいておるわけでありますが、四月ぐらいまでにはおおよその検討結果が出てくるのではないかなというふうに期待を申し上げておるわけであります。
  295. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 ぜひ御努力に期待をしたいと思います。  さて次に、この東京、これは言うまでもなく大都市で、都心を中心に放射線状に鉄道路線あるいはその他輸送インフラが整えられてきているが、環状型のものが割合少ないわけですね。放射路線を整備すれば、必ずそれぞれの地域に商業あるいはその他の拠点というものはできてまいります。しかし、こうした拠点を環状型でつなぐ路線というのが余りにも不足しているわけですね。  私の地域を申し上げて恐縮ですが、かの東京メソポタミアも、一度都心に出ないとその周辺の拠点に行けない。バス路線も必ずしも整備されておりません。鉄道もありません。船も十分ではありません。道路も数が限られ、しかも常に慢性的な渋滞である。こういう状況の中で、やはり鉄道を待望する声というのは強いわけですね。最近、この環状路線の一つとして、例えば道路の環状入号線あるいは環状七号線、こういった路線を利用しながら鉄道整備していこう、これは地上か地下かと、いろいろな議論があるわけですが、これをエイトライナーとかメトロセブンとか称して地元の待望というものがあるわけですね。このメトロセブン、エイトライナーといったような、二十三区のいわば外縁部に計画、予定されそうなこの鉄道路線についての現状、そしてまた、これからどういう見通しを持ってこれらの整備について検討を加えていくか、これらについてまとめてお示しをいただきたいと思います。
  296. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 環状方向の交通機関、私どもは大変大事であるというふうに認識しております。  先生おっしゃいました環状八号なり七号なり、あるいはそういうところに沿いまして新しい大量の輸送機関を敷設するという構想につきましては、現在、東京都におきまして、具体的なルートあるいは導入の機種、これはリニアメトロのような小型の地下鉄あるいは新交通システムといったようなものが考えられるわけでございますけれども、一体どういう機種が適当なのかどうか、そしてまた、需要がどうあり、あるいは事業の採算性がどうかといったようなことを調査研究中であるというふうに承知しております。  この東京都の御検討を踏まえまして、かなり前から、三年度ぐらいから調査を始めておられるようでありますが、私どもとしても、取り組んでまいりたい、こんなふうに考えております。
  297. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 今の運輸政策審議会は、昭和六十年に答申が出たものですが、この答申というのは、およそ十五年ぐらいの期間を考慮してそれぞれの計画を組むということになっているんだろうと思うのですね。そうしますと、西暦二〇〇〇年が今の計画の終期ということになるわけですから、次の運輸政策審議会の中に、これらエイトライナーあるいはメトロセブンといった計画が答申の中に盛り込まれるかどうか、ここが一つの具体的な焦点になるわけですね。これらに具体的に盛り込まれるとすれば、これからどういうことを個々に、具体的に検討していかなければならないのか、この点についてもう少しポイントをお示しいただければありがたいと思います。
  298. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先ほど申し上げましたように、一般論としては、都内の場合、環状鉄道整備というのは、都市機能の多極化あるいはネットワークの形成、お客様のために非常に便利になるといったようなメリットがあるわけでございます。  ただ、基本的には、先ほどから先生もおっしゃいましたように、今の非常に厳しい都市空間の制約の中で建設を進めていくということになりますので、大変お金がかかることになると思います。したがいまして、やはり需要の動向なり事業採算性がどうかといったようなことも十分検討した上で進めていく、こういうことが必要だろうと思っております。
  299. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 東京は、都心から見て西の方、東の方と大別しますと、どちらかというと、西側に人口が集中しており、また交通手段もそちらに集中している傾向があります。西高東低という配置になっているわけですね。  そこで、エイトライナー、メトロセブンなどというものを考えますときに、放射状の路線との結節点がどうしても西側の方、つまりエイトライナーの側の方が多いわけですね。ですから、採算の面でもこちらの方が、所与の条件を考えますと、いわば採算性が高い、こういう結論が出がちであります。  しかし一方で、東側の方は、これはまた広大な後背地を抱えておりまして、そこの宅地開発その他を当て込んだ鉄道整備、例えば常磐新線のようなものもあるわけですね。そうすると、こちらの地域というものは、鉄道路線の敷設によってまた需要を飛躍的に喚起する、こういう可能性の非常に高い地域であります。そして、先ほど申し上げました八号、十一号その他が整備されれば、この環状ラインとの結節点というものもふえてきて、相乗効果を生むということが十分考えられるわけですね。そうした視点も含めまして、この首都圏の環状鉄道整備についての国全体の公共投資の配分の中で、大臣はどのような所見をお持ちか伺いたいと思います。
  300. 亀井静香

    亀井国務大臣 私が自分の直観みたいなことを申し上げて誤解があってはいかぬと思いますが、私も実は委員と同じような感じを持っておるわけでありまして、この東京中心とする首都圏、どちらかというと西の方があらゆる面で熟度が高くなってきちゃっている。それに対して東側が、どちらかというと熟度が若いというようなこともありますが、言葉はちょっと悪いですが、スプロール現象みたいな形で、そうした社会資本の整備がきちっとされないうちにどんどんと工場が建ち、住宅化がしていっているという嫌いが、私は東側についてはあるのではないかなというような印象を持っておるわけでありまして、やはり日本にとっても大事な東京都、首都圏が、今後そういう意味では今からさらに発展をしていく地域を控えた、先生の地元等含めて、そのあたりの交通体系をどう整備をしていくかということが私は非常に重要な点であろうと思います。  また、これは東京だけじゃなくて、埼玉、千葉、茨城につきまして、今度常磐新線建設いたしますけれども、まだまだ、今から二十一世紀を展望した場合、首都圏と東京都の関係を見ましても、東側というのは極めて手薄な状況ではないか、非常におくれている、このように私は思っておるわけでございますので、運輸省としても、自治体と協力協議をしながらそういうものについて整備に努力をしたいと思っています。東京都も今度知事がかわるようでありますが、ぜひ公明党も協力いただきまして、いい知事をつくるようにもしていかなければならぬ、このように思っております。
  301. 山口那津男

    ○山口(那)分科員 最後に公明党とおっしゃいましたけれども、現在公明党は存在いたしませんけれども、趣旨は踏まえて御期待に沿いたいと思います。  きょうの予算委員は、いずれも東京の東側の御出身でありまして、私と同感の議員先生方だろうと思います。ぜひ大臣の御活躍を期待したいと思います。  ありがとうございました。
  302. 深谷隆司

    深谷主査 これにて山口那津男君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十一日午前十時より開会し、運輸省及び郵政省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二分散会