○前原
委員 日銀の総裁、来ていただいていますね。話を少し今度は拡大して、全体の今の経済の
状況等々について日銀総裁に御
質問をさせていただきたいと思います。
政府が出している統計、日銀が出している統計を見ておりますと、景気、もちろん円高等があって、またその修正があるのかもしれませんけれ
ども、私からすると非常に楽観的だなという感覚を持っております。
地元に帰り、あるいはいろいろな地域に行かせてもらって経営者の話なんかを伺っている段階では、ますます景気は悪くなっているのではないかという気すらするような
状況であります。特に資金繰りというものについてうまくいっていない、大変な
状況になっているというケースが多いような気がしております。先般西村銀行
局長から不良債権四十兆円という
お話がございました。まだまだ、実勢がどのくらいになるかは別にいたしまして、この不良債権の処理というものが進まない限りは不況というものの出口は見えないのかなという感じがしております。
やはり、
日本は不動産、そして土地というものにある程度、それはいいか悪いかは別にいたしまして、それをベースに経済活動が行われてきました。それがどんどん価格が下がり続けていて底が見えない。やはりその大きな部分を占める不動産というものについて何らかの歯どめといいますか底といいますか、そういうものをみずからつくり出していく姿勢というものも必要ではないかと思っております。
円高の問題とも絡むわけでありますけれ
ども、ちょっと私の私見を総裁に言わせていただいて、それに対してのお答えをいただぎたいと思うわけでございます。
公定歩合一%という非常に低い金利でありますけれ
ども、しかしながら、市中金利がまだまだそれに伴って下がっていないという問題点もございます。公定歩合をさらに下げるというふうな選択肢というものも私は
考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。
また、日銀が行っておられますオペレーションというものについて、現段階ではこの神学論争があるということも十分
承知をさせていただいておりますけれ
ども、微調整、そして受動的、受け身なものに徹しておられるというふうな印象を私は持っております。
今、金詰まりの
状況といいますか資金繰りがいかない。そして、不動産の土地が下がり続けている。それを担保にしてお金を借りようとしても銀行がなかなか、その評価が低くて、また、まだまだ下がり続けるんじゃないかということでお金を貸してもらえないということがございます。したがいまして、何とか市中にお金が出回るような
努力を、受動的ではなくて、微調整ではなくて、積極的に進めていく必要性があるのではないかと思います。
簡単に言えば、お金をたくさん日銀に刷ってもらって、そしてオペレーションで債券を回収してもらって、市中にお札がどんどん行き渡るようにしてもらうと、円の価値が薄れて円高もとまる。そんな簡単にはいかないかもしれませんが、そういった見方も一面にはあるわけであります。
御
質問を繰り返させていただきますと、さらなる公定歩合引き下げというものの選択肢、いかにお
考えか。また、オペレーション、特に買いオペレーションでありますけれ
ども、それを微調整、受動的なものではなくて、積極的に、そして活用して市中にお金がどんどん行き回るようにする。そして、ある程度のインフレ施策というふうなものについても積極的に日銀が関与をしていくといったことが私は必要だと思いますけれ
ども、それについての総裁の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
〔
委員長退席、三野
委員長代理着席〕