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1995-02-15 第132回国会 衆議院 予算委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月十五日(水曜日)     午前十時一分開議 出席委員   委員長 佐藤 観樹君    理事 衛藤征士郎君 理事 桜井  新君    理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君    理事 伊藤 英成君 理事 加藤 六月君    理事 草川 昭三君 理事 三野 優美君  理事 五十嵐ふみひこ君       伊藤 公介君    浦野 烋興君       江藤 隆美君    越智 伊平君       越智 通雄君    菊池福治郎君       後藤田正晴君    近藤 鉄雄君       志賀  節君    関谷 勝嗣君       中山 太郎君    長勢 甚遠君       蓮実  進君    浜田 靖一君       林  幹雄君    原田  憲君       平林 鴻三君    松下 忠洋君       村山 達雄君    横内 正明君       若林 正俊君    安倍 基雄君       伊藤 達也君    石井 啓一君       石田 勝之君    大口 善徳君       川島  實君    佐藤 茂樹君       笹木 竜三君    須藤  浩君       田端 正広君    高市 早苗君       武山百合子君    樽床 伸二君       月原 茂皓君    中田  宏君       冬柴 鐵三君    松田 岩夫君       村井  仁君    山口那津男君       山田  宏君    池端 清一君       今村  修君    輿石  東君       佐々木秀典君    坂上 富男君       細川 律夫君    前原 誠司君       松本 善明君    矢島 恒夫君       海江田万里君  出席国務大臣         法 務 大 臣 前田 勲男君         外 務 大 臣 河野 洋平君         大 蔵 大 臣 武村 正義君         文 部 大 臣 与謝野 馨君         厚 生 大 臣 井出 正一君         農林水産大臣 大河原太一郎君         通商産業大臣  橋本龍太郎君         運 輸 大 臣 亀井 静香君         郵 政 大 臣 大出  俊君         労 働 大 臣 浜本 万三君         建 設 大 臣 野坂 浩賢君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     野中 広務君         国 務 大 臣         (内閣官房長官五十嵐広三君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 山口 鶴男君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 玉沢徳一郎君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      高村 正彦君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 宮下 創平君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 小澤  潔君         国 務 大 臣 小里 貞利君  出席政府委員         内閣法制局長官 大出 峻郎君         警察庁長官官房         長       菅沼 清高君         警察庁生活安全         局長      中田 恒夫君         総務庁行政管理         局長      陶山  晧君         防衛庁防衛局長 村田 直昭君         経済企画庁調整         局長      吉川  淳君         科学技術庁長官         官房審議官   宮林 正恭君         環境庁長官官房         長       大西 孝夫君         環境庁大気保全         局長      大澤  進君         国土庁防災局長 村瀬 興一君         法務省刑事局長 則定  衛君         外務省アジア局         長       川島  裕君         外務省北米局長 時野谷 敦君         外務省条約局長 折田 正樹君         大蔵省主計局長 篠沢 恭助君         大蔵省主税局長 小川  是君         大蔵省関税局長 鏡味 徳房君         大蔵省銀行局長 西村 吉正君         国税庁次長   松川 隆志君         文部大臣官房長 佐藤 禎一君         文部省教育助成         局長      遠山 耕平君         文部省学術国際         局長      岡村  豊君         文化庁次長   林田 英樹君         厚生大臣官房総         務審議官    太田 義武君         厚生省健康政策         局長      谷  修一君         厚生省社会・援         護局長     佐野 利昭君         厚生省老人保健         福祉局長    阿部 正俊君         厚生省保険局長 岡光 序治君         農林水産大臣官         房長      高橋 政行君         農林水産大臣官         房審議官    紀内 祥伯君         通商産業省貿易         局長      広瀬 勝貞君         通商産業省産業         政策局長    牧野  力君         資源エネルギー         庁長官     川田 洋輝君         資源エネルギー         庁長官官房審議         官       並木  徹君         中小企業庁次長 鈴木 孝男君         運輸省運輸政策         局長      豊田  実君         運輸省鉄道局長 戸矢 博道君         運輸省港湾局長 栢原 英郎君         気象庁長官   二宮 洸三君         郵政大臣官房長 木村  強君         郵政大臣官房審         議官      品川 萬里君         労働大臣官房長 伊藤 庄平君         労働省労働基準         局長      廣見 和夫君         労働省職業安定         局長      征矢 紀臣君         建設大臣官房長 伴   襄君         建設省都市局長 近藤 茂夫君         建設省道路局長 藤川 寛之君         建設省住宅局長 梅野捷一郎君         自治省行政局選         挙部長     谷合 靖夫君         自治省財政局長 遠藤 安彦君         消防庁長官   滝   実君   委員外出席者         参  考  人         (首都高速道路         公団理事長) 三谷  浩君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 二月十五日  辞任         補欠選任   越智 通雄君     蓮実  進君   後藤田正晴君     横内 正明君   高鳥  修君     平林 鴻三君   中山 太郎君     長勢 甚遠君   原田  憲君     松下 忠洋君   山崎  拓君     林  幹雄君   若林 正俊君     浜田 靖一君   伊藤 達也君     樽床 伸二君   工藤堅太郎君     大口 善徳君   山田  宏君     高市 早苗君   細川 律夫君     輿石  東君   岩佐 恵美君     矢島 恒夫君 同日  辞任         補欠選任   長勢 甚遠君     中山 太郎君   蓮実  進君     越智 通雄君   浜田 靖一君     若林 正俊君   林  幹雄君     山崎  拓君   平林 鴻三君     高鳥  修君   松下 忠洋君     原田  憲君   横内 正明君     後藤田正晴君   大口 善徳君     中田  宏君   高市 早苗君     佐藤 茂樹君   樽床 伸二君     武山百合子君   輿石  東君     細川 律夫君 同日  辞任         補欠選任   佐藤 茂樹君     村井  仁君   武山百合子君     須藤  浩君   中田  宏君     田端 正広君 同日  辞任         補欠選任   須藤  浩君     伊藤 達也君   田端 正広君     工藤堅太郎君   村井  仁君     山田  宏君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  分科会設置に関する件  平成七年度一般会計予算  平成七年度特別会計予算  平成七年度政府関係機関予算  記録提出についての報告      ――――◇―――――
  2. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  平成七年度一般会計予算平成七年度特別会計予算平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田勝之君。
  3. 石田勝之

    石田(勝)委員 おはようございます。連日、大変御苦労さまでございます。  それでは、質問に入らせていただきますが、質問通告ですと、阪神大震災が第一項目に掲げられておりますが、官房長官記者会見関係で離席されるということでございまして、その官房長官質問する行政改革の方から先に質問させていただきたいと思います。  今回の特殊法人見直しについては、時代に合わなくなった法人の改廃、そして、昨年十月の税制改革特別委員会でも議論されましたように、行政改革なくしては税制改革なし、消費税のアップについて国民の理解を得るため、行政みずからの身を削る姿勢と実績を示すのが目的であったわけであります。  行政改革を行うと言っていた村山内閣は、これは内閣を挙げて取り組む課題だ、昨年十月の十八日から特殊法人見直しに着手されて、その結果を去る二月の十日までに総務庁長官報告をし、決定をする、そういうことであったわけでございます。二月の十日までに、十一法人削減案を含めた特殊法人見直しについて出されたわけでありますけれども、当委員会においてもこれらについては議論をされてきたところであります。しかし、これは当初の予定とは裏腹に、とても評価のできる内容ではなかった、私はかように思っております。  そしてまた、その特殊法人見直しをめぐって、二月十日までだ、その後、政府・与党を含めた政府では、いや、今国会未だ、あるいは昨日の報道あたりによると、いや、三月いっぱいだ、まあいろんなことが報道されておるわけであります。今回の特殊法人見直しについて、このどたばた劇を見ておりますと、本当に行政改革をやるのかやらないのか、疑いたくなるわけでございます。  そこで、山口総務庁長官にお尋ねをいたしますが、二月の十一日以降、政府系金融機関見直しをめぐって各党の思惑がいろいろと優先して、村山内閣の目玉の行革がつまずいた感があるわけでありますが、一昨日の予算委員会山口総務庁長官は、次の閣議決定のときには、特殊法人見直しをめぐって、人員とか経費とかの一定削減効果を明らかにできる、そういうことを予算委員会答弁されておりますが、その一定削減効果人員とか経費とか、これらの削減等々について、一定の見通しを述べていただきたいと思います。
  4. 山口鶴男

    山口国務大臣 昨日もお答え申し上げておきましたが、具体的にどのような姿になるかということは法律作成過程で明らかになるわけでございますし、また財政的効果がどのようになるかということにつきましては、これは予算編成の際に明らかになる次第でございます。  例えば、公務員の定員の問題については、平成七年度の予算編成過程におきまして、二千八十五名の定員を縮減する、そうして財政効果としては百四十億円であるというようなことを明らかにいたしたわけでございますが、今回の特殊法人整理合理化についても同様だと思います。  しかし、同時に、お答えいたしましたように、閣議決定を行います際に、例えば特殊法人定員全体について圧縮をしていくとかこのようなイメージで定量的に努力をいたしますとか、そういったものについては、明らかにできるものは明らかにしていきたいというふうにお答えしたわけでございまして、このように御理解をいただきたいと存じます。
  5. 石田勝之

    石田(勝)委員 それでは、具体的な削減効果等々についてはまだ詰めてないということでございますか。
  6. 山口鶴男

    山口国務大臣 閣議決定の段階までに詰めまして、定量的なイメージで明らかにできるものは明らかにいたしたい。しかし、具体的には、先ほどお答えしたとおりでございます。
  7. 石田勝之

    石田(勝)委員 それは具体的にいつまでに明らかになるのでしょうか。
  8. 山口鶴男

    山口国務大臣 特殊法人につきましては、それぞれ御案内のように財投支出もございます。それからまた補助金等一般会計からの支出もございます。こういうものにつきましては、明年度予算編成過程で、平成八年度にはこのような効果があるということが財政的には明確になると思いますし、それからさらに、役員人員等につきましては、これは統合いたしました場合の、当然法律改正が必要でございます、法律案作成過程で、役員の数についてはこうなるというようなことは当然法案作成過程において明らかになるものというふうに考えております。
  9. 石田勝之

    石田(勝)委員 そうしますと、特殊法人については財投支出もあるのでと、こういう総務庁長官の御答弁でありますが、財政投融資見直しも含めてこれは結論を出していこうということでございますか。
  10. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  私どもは、過般の鈴木委員長のもとの行革審答申というものを踏まえまして、今日まで行政改革の作業をいたしてまいりました。そういう状況のもとで、前政権におきましても、行革審答申を踏まえまして、特殊法人整理合理化については二年間、私ども政権ではこれを前倒しをして年度内ということにいたしました。  行革審答申は、ごらんをいただいていればわかるわけでございますが、公的金融機関の問題とそれから公社公団等特殊法人の項と分けて記述をしてございます。したがいまして、前政権もそうだったろうと思いますし私ども政権もそうですが、結局、行革審答申で示されました、時代要請でできたけれども現在はその必要性がなくなったものは廃止をしていく、さらに類似法人については統合していく、さらに民営化できるものについては民営化をしていく、さらに組織機構全般見直して、スリム化できるものについてはスリム化していくという基準がございました。  その基準に従って、私どもとしましては、今回特殊法人整理合理化問題については、村山総理のリーダーシップのもと、私も各省大臣要請をいたしまして、各省大臣が懸命な努力をして、御指摘ございましたように十一の法人に関して御案内のような結論を出した。  さらにそればかりではなく、九十二特殊法人がございますが、すべての特殊法人に関して、例えば住都公団のごときは役割を限定する、あるいは道路公団については、御批判がございました子会社、孫会社等々の問題等についても、これも整理をしていくというような形で、極めて積極的な方針総務庁の方に最終報告としてお寄せいただいたということでございます。
  11. 石田勝之

    石田(勝)委員 もうわかっていることを詳細にいろいろと御説明いただいたわけでございますが、要するに私は、総務庁長官おっしゃったように、特殊法人財投支出もあるからと、こういう先ほどの御答弁だったので、財投見直しも含めて今回の特殊法人行政改革を進めていくのかどうなのかということをお尋ねしているのですよ。     〔委員長退席三野委員長代理着席
  12. 山口鶴男

    山口国務大臣 行革審答申は、公的金融財投の問題は財投、それから特殊法人の問題は特殊法人の項という形でできております。私どもは、その特殊法人の項を踏まえまして、今日まで特殊法人整理合理化に懸命に努めてまいった次第でございます。
  13. 石田勝之

    石田(勝)委員 私は先ほどから、財投支出もあるからと大臣おっしゃったわけですね、だから、財投見直しを含めてやっていくのかどうなのかと聞いているのですよ。それ答えていないんですよ。委員長、それ答えていないんですよ。ちゃんとやってくださいよ。
  14. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたしましたように、行革審答申は、財投の問題は財投の問題、特殊法人の問題は特殊法人の問題という形で分けて最終答申はございます。したがいまして、もちろん特殊法人を考えます場合、財投が入っているものもございますし、それから一般会計からの補助もございます。しかし、それはそれとして、特殊法人整理合理化には、行革審答申基準というものをきちっと踏まえまして私ども整理合理化努力をしてまいったということでございます。
  15. 石田勝之

    石田(勝)委員 だから、その特殊法人の中には財投のお金も入っていますよと認めているわけですね。だから、特殊法人の今度の見直しに当たっては財政投融資あり方も含めて見直し、検討をしていくのですかと私は尋ねているのです。そんな難しい質問じゃないんですよ。
  16. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  既にお答えしていると思いますが、したがって、関連するものはございますけれども、私どもとしては、財投あり方全般議論をするということはとりあえずおきまして、特殊法人整理合理化について私どもは取り組んで、各省がその真剣な努力の結果を二月十日に最終報告として出していただいたということだと思います。  したがいまして、私どもとしては、特殊法人合理化につきましては、今申し上げた形で最終報告をいただきましたので、なるべく早い機会に閣議決定に持ち込みたい。そして、政府といたしましては、財投あり方については、抜本的に見直すということは、これは改めて行われるものであろうというふうに考えております。
  17. 石田勝之

    石田(勝)委員 そうすると、今回の特殊法人見直しの中では財政投融資見直し等々については入っていないということですね、政府系金融機関見直しの中で。
  18. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  もう既に何回もお答えしているわけですが、関係はあるわけです。もちろん特殊法人会計の中には財投が入っているわけですが、しかし、財投あり方全般についてこの際見直すという形では今日までは対処いたしませんで、とりあえず、そういった財投を受け入れている特殊法人もございますし補助金を受け入れている法人もございますが、法人自体効率化を懸命に図るという立場から最終報告をいただいたということでございますので、御理解をいただけるのではないかと思います。
  19. 石田勝之

    石田(勝)委員 つまり、今回の特殊法人見直しについては、出口のことだけで結論を出して入り口の議論は先送りだ、こういうことですね。そういうことですね。
  20. 武村正義

    武村国務大臣 もう御承知いただいておりますように、特殊法人の多くは財投資金を受けて存在している。かなりの数に上ります。その中で、政府系金融機関はもう押しなべて全部財投資金を背景にして存在しているものであります。  おっしゃるように、特殊法人整理合理化議論をすれば、そういった財投とのかかわりが当然無関係ではないわけですし、大いに関係があるわけでありますが、長官おっしゃっているように、今回は特殊法人効率化というふうな視点に立ちながらその整理合理化に取り組んできたわけでありまして、財投という視点が一つ大きく存在することは政府十分認識をいたしているわけであります。  それで、財投になりますと今度は、その財投の原資には、御承知のように郵貯とか簡保とか年金等の明治以来の我が国の行政システムの根幹にかかわる制度が存在しているわけでありまして、ここに目を向けなければならない。そういう大きいテーマ行革テーマとして存在する。行革というとらえ方もありますし、あるいは財政改革というとらえ方もできるかもしれません。  財投が今後とも今の仕組みのままでどこも改革しなくてもいいというふうには大蔵省も思っておりませんで、当然財投全体のあり方についてはこれからも真剣に議論をしていく必要があるなど。しかし、今回、もう短期日特殊法人整理合理化に取り組んできましたので、財投を奥深く幅広くきちっと見詰めるという余裕がありませんでした。だから、これは今後のテーマとして政府認識をいたしておりますということであります。
  21. 石田勝之

    石田(勝)委員 この間、私、三日の日にここで質問に立ちまして、武村大蔵大臣にちょっとその関係で御質問をさせていただきました。いろいろ云々あって、大蔵省行革に率先して取り組む姿勢は変わりがないのですか、二月の十日までに当然検討されて出されるのだと思いますけれども、その点間違いないのか、それから、大蔵大臣がかなり今まで積極的に取り組んできたことにも変わりがないのかその点についてお聞かせいただきたいということで私はお尋ねしました。  そのときに大臣は、行革はこの内閣の最大の課題であると総理が何回も繰り返しおっしゃっている、そのことには変わりないと思っているし、そこにいろいろ入って、私の行革に対する姿勢考え方は変わっていませんと。  また、私さらに、大蔵省としては二月の十日までにぴしっと特殊法人見直しについては出されるということなんですねということで、再度追っかけ尋ねたわけです。そのときに武村大蔵大臣は、そのとおりでございます、そういう答弁をされているわけでありますが、その後、約十二日経過しまして、十日までにびしっと出すかということが、大蔵省が出すとか出さないとか、政府系金融機関見直しについて、明け方、早朝三時までいろいろ大いに議論されたり、いろいろなあれがあったわけですね。  大蔵大臣にお尋ねしたいのは、二月の十日までに大蔵省として特殊法人見直しについてぴしっと出すんだ、そのとおりだという答弁なんですが、そのときに、じゃ、大蔵大臣は何を念頭に考えておられたのかなと思うのです。その点、ちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。
  22. 武村正義

    武村国務大臣 もともと政府年度内という目標を掲げてきておりまして、むしろこれはより積極的な姿勢として二月十日でできたらもう最終的にまとめようという方針に、より早めるという方針に変わってまいりました。  そういう中で整理をしておりまして、私ども大蔵省としては四つ法人がございますから、その中で、まず最低、塩の民営化大蔵省独自の判断で決断をしておりました。これははっきり申し上げるつもりでありました。しかし本当は、政府系金融機関大蔵省三つでありますが、これについてもやはり目をそらすわけにいかない、しかしこの三つだけでどうこう、足したり引いたりするというのはどう見ても粗っぽい話になりますから、結局、政府系金融機関全体の中で一定考え方を持とうと何回も勉強をいたしまして、先般、十日の日でございますが、大蔵大臣としてはこの案が当座、当面、近い、類似政府系金融機関をまとめていくという視点ですが、例えばこの三つの具体的な提案をいたしました。  しかし、最終日提案しておりますから、また各省関係省と協議ができておりませんから、ぽんぽんと夜まとまるとはもちろん思っておりません。だから、政府系金融機関については少し時間をかけて、私は四カ月という提案をしましたが、そして、全体の問題として総理のところに諮問機関も置いてきちっと専門家の意見を聞きながら最終集約をしていってはどうでしょうか今の時点で大蔵大臣が申し上げるのはこういう具体案です、こういうことで申し上げたわけであります。
  23. 石田勝之

    石田(勝)委員 今回の一連の行政改革についてでありますが、政府系の金融機関の整理統合に大きく踏み込むには、財政投融資議論は私は避けては通れないと思っております。それは大蔵大臣も今四カ月ぐらいということでお認めになったわけでありますが、この財投議論を先延ばしにすれば、政府系金融機関民営化なと思い切った整理統合とか、これは事実上無理になるのだろうと私は思っているのです。  今いみじくも大蔵大臣が、これは新聞ですけれども財投改革となれば四カ月ぐらいかかる、そういう広い視野で時間を持って取り組みたい、こういうふうにきのう閣僚懇の席で述べておられるということを報道されておりますが、大蔵大臣は、やはり今回の行政改革、率先して取り組もうということでかねがねやってきておられて、そしてこの政府系金融機関見直しを含めて、財投あり方も含めて、要するに抜本的にその全体のあり方を含めて行革村山内閣で進めていく、そういう考えも今でもお持ちなのですね。
  24. 武村正義

    武村国務大臣 閣僚の中で私だけが熱心ではありません。全閣僚が本当に今回は、かなりそれぞれの役所の中で所管の行政当局と激烈な議論をしながら進めてこられたわけであります。私は新党さきがけの代表も兼ねておりますから、さきがけの姿勢もありますから、一層積極的に努力しなければいけない思いではありますが、そういう中で、政府系金融機関の問題はおっしゃるように財投と表裏一体の問題であります。本当を言いますと、四カ月でもやや短い。しかし、これは余り延ばしたのでは、それこそ先延ばしという皆さんから御批判を受ける。  そういう中で、私はあえて、ちょっと短過ぎるけれども四カ月という目標を具体的に申し上げたわけでありますが、今回そういう中でいろいろ議論をいたしておりますと、まず、年度内という、特殊法人全体のこれまでの政府方針がございました関係で、年度内でできるものがあれば政府系金融機関についても固めよう、しかし財投のような基本的な問題はもう少し腰を据えてしっかり取り組んでいこうという、今政府・与党全体がまだきちっと決まったわけではありませんが、そんな雰囲気にきのうあたりはなってきているなと私は認識をしているところであります。
  25. 石田勝之

    石田(勝)委員 大蔵大臣のお考えとしては、要するに、財投も含めて抜本釣にこれは見直していく方がいいと考えているのかどうなのかということをお尋ねしたわけなのです、効果ということから考えて。
  26. 武村正義

    武村国務大臣 どちらかというと、私は財政改革という視点については一層責任が重いと思っております。  たびたび日本の財政状況、もう本当に聞き飽きたとおっしゃるぐらいに何回も御説明を申し上げているああいう状況でございますから、財政改革というのは大変抽象的な表現になりますが、いざ具体的な中身に入っていきますと、これこそ経費の節減、財政の収支をどう均衡させていくかというテーマでございますから、数字を焦点にした議論にもなってくる中で、一般会計と、特別会計もありますが、ここにもう一つ財投という大きな、五十兆近い資金が動いている。これは有償資金でございますから税金ではありませんけれども、この分野について目を向けなければ本当の意味の全体の財政改革にはならないというふうにも思います。  そういう意味では、今後政府全体の方針も固めていただいて、財政投融資改革というものを財政改革全体の中で一つの大きな柱として真剣にとらえていく必要があるというふうに大蔵大臣としては思っております。
  27. 石田勝之

    石田(勝)委員 つまり、来月、後で官房長官にお尋ねしようと思うのですが、最初二月十日と言ったり、あるいは六月と言ったり三月と言ったり、そこのところはちょっと後で官房長官に確認とりたいのですが、大蔵大臣としては、三月までの短い期間に徹底した見直し、つまり財投あり方も含めた中で政府系金融機関見直しは三月末ではできないのだ、こういうことですね。
  28. 武村正義

    武村国務大臣 ええ、もうあと一カ月余りでございますから、専門家委員会を置くにしましても、時間が、年度内という目標でありますと足りません。そういう意味では、私は今そういう雰囲気を感じていると言いましたが、そういう方向で政府・与党としては整理をしていただくのが一番いいかな、財投全体はこれからの課題ということで、少し腰を据えて取り組んでいくという方針整理をした方がいいかなと思っております。
  29. 石田勝之

    石田(勝)委員 大蔵大臣もよくわかっていらっしゃって、財投あり方をきちっと見きわめなければ今回の行革は成就できないのだ、それには多少の期間がかかるのだ、こういうことでありますが、当初政府が三月という、年度内ということで期限を切ってしまったから、これは切り離しやむを得ないんだ、そういう御発言であったと思うのですね。  それで、官房長官記者会見の時間がありますので手短にさせていただきます。  今総務庁長官とか大蔵大臣から御答弁をいただきましたけれども、新聞報道によると、いや年度内でやるのだとか、あるいは、いや今国会末までにやるのだとか、きのう官房長官記者会見の席では三月いっぱいでやるのだと言ったら、今度総理大臣は、いや違うのだ、そんなことを言ったことはないとか、そういうことを報道されておるのですが、官房長官としては、やはり村山内閣の目玉としてこれは内閣を挙げて取り組むということを言って、そしてもう去年の十月十八日からスタートしているわけですね。  十月十八日からスタートして、もう約四カ月以上経過をしようとしていて、当然そのときには政府系金融機関だとか財投あり方までやらなければいけないのではないかという議論だって私はされたのだろうと思うのですよ。きのうやきょう財投議論が出てきた話だったら、私はおかしいと思うのです。だから、それはもう四カ月も前からそういう議論がされてきているのだから、本来であれば二月十日、まあ譲っても三月三十一日までに、これは村山内閣として最大の重要課題として出される以上は私は結論を出すべきだろう、かように思っているわけですね。  それがここの二月十日をめぐって、何だか三月だ、いや六月だ、いや二月だとかそういうあれが全く理解できないような形で、官房長官総理の発言がそれぞれちぐはぐになっている。そういうことで、非常に今回の行政改革に取り組む内閣姿勢というのは私は疑わざるを得ない、そういうふうに思うわけです。  その点について、総理はいつと思っていらっしゃるのか、官房長官の御意見と違うようでありますけれども総理は三月いっぱいだと言ってないということを報道されております。その点についてちょっと明らかにしていただきたいと思います。
  30. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 今回の特殊法人整理合理化に関しましては、各大臣それぞれ大変な御苦心をいただきまして、それぞれ本当に私はよく頑張ってもらった、いろいろな御批判もありますが、私なんかから見ますと本当に頑張っていただいた、こういうぐあいに思っている次第であります。  ただその中で、今御指摘のようにいわゆる政府系金融機関の問題に関して、これは御承知のように各省またがるということもあったりして、なかなかこの問題については難航をいたしたのは御指摘のとおりなんであります。  そういう中でも、しかしこの問題に関しても、一応政府系金融機関特殊法人についても業務内容の点検や整理等に関しましては今回の報告の中には出されているわけなんでありますが、しかし、総理といたしましては、もう一歩踏み込んでこの問題についてもひとつ頑張ってみてもらえぬか、こういうお話がございました。きのうの閣議の折に、総理としては、全体的によく頑張っていただいたけれども、なお一歩踏み込んでできるだけのことを年度内にひとつやってみてくれ、こういうお話でございました。  私どもとしては、その意を受けて、特に問題とされている政府系金融機関に関して年度内にひとつ全力を挙げて取り組んでみよう、一方、今も大蔵大臣からもお話がございましたように、財政投融資全体に関しましては、これはもう大変なスケールの大きい問題でありますから、これはこれでしかし、しっかりこれから時間をかけて、腰を据えて頑張っていこう、こういうことに整理をさせていただいたわけでありまして、そういう今申し上げたような考え方につきましては、私ども、もちろん総理を含めて、考え方に差はないのであります。
  31. 石田勝之

    石田(勝)委員 そうしますと、今回の特殊法人見直しについては三月いっぱいまでに一定結論を出す、それは財政投融資の部分については切り離してやるんだ、総理もそう思っているんだということでよろしいんですか。
  32. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 今申しましたように、今年度中に最大限の努力をしてやはり取り組んでほしい、こういう総理の御指示というものを体して、我々としてはそういう方針でやっていきたい。財政投融資全体の問題についてはしっかりこれは別に取り組んでいく必要がある、こういうぐあいに考えている次第であります。
  33. 石田勝之

    石田(勝)委員 じゃ、財投議論についてはその先にと、こういうことになるわけでございますね。  余りこれは時間をかけていられませんので、郵政大臣も御都合がおありになるということでありますので、先ほどから財投の件についていろいろ議論されて、それでその入り口については、当然郵便貯金だとか簡保だとか年金だとか、いろいろな財源が入ってくる。そういうことで、郵政省と財政投融資とは非常なかかわりがある。こういう特殊法人見直しをめぐって、財投あり方見直していこうじゃないか、考えていこうじゃないかということで、政府で考えているわけですね。そういうことについて、所管の担当大臣としての御所見を伺いたいと思います。
  34. 大出峻郎

    大出国務大臣 石田さんの今の御質問にお答えをいたします。  財投の原資は、今お話ございますように、トータル四十八兆円ぐらいの総額の中で五八・一%ぐらいが郵政の貯金、保険の回収資金も入れました原資でございます。八兆九千億の住宅金融公庫から始まりまして、これは中小企業金融公庫も今の輸出入銀行も、あるいは住宅・都市整備公団道路公団も、ほとんど財投で動いているわけですから、国家予算七十兆何がし、片っ方で財政投融資原資が四十八兆ですからね。  ですから、私は、出身ですから長い議論をしてきましたが、これをやるとなると、もう本当にこの国のあらゆる運営が変わるわけですから、そういう意味で、今お話がありまして、切り離してということでございます。私もそう思っております。  そこで、今の御質問でございますけれども、この三事業と財投原資との関係ですけれども、これは九〇年、九一年、九二年、特に第三次行政改革推進審議会ですね、九三年の十月二十七日に答申が出まして、貯金事業というのは民間の金融機関と一緒になってトータルバランスを考えてくれ、巨大化することに対するいろいろな心配がある、だからトータルバランスを考えて運営してもらいたいという結論。それから、簡易保険事業についても、この第三次行革審でそれなりの役割を果たすようにということで結論が、三年審議して出ております。  したがって、今回、政府であるいは党で御相談をいただきましたのは、私が口出すのはいかがかとは思いますけれども、つまり、貯金、保険事業のあり方とはおのずから次元を画して別な問題というふうに考えておりまして、そういう意味で、貯金、保険のあり方は第三次行革審で出た結論、これでまいりたい、こう思っているところでございます。
  35. 石田勝之

    石田(勝)委員 郵政大臣も、どうぞ結構でございますから。  次に、運輸大臣にお尋ねをしたいと思います。  今回の特殊法人見直しの中で、御案内のとおり、帝都高速度交通営団、営団地下鉄の民営化というのが運輸省の目玉というか、として出されてきたわけでございます。実は私も、地下鉄導入は、埼玉でありますので、自分なりに随分研究、検討もしてきた経過もありまして、営団の内容とか、都市部に住む人間として混雑緩和等々で、営団あるいは都営とかそのほかの大量輸送機関、中量都市型輸送機関等々が私たちの生活とは切っても切り離せないものである、そういうことを私なりに認識をしておるわけであります。  そういう中で大臣は、七号線と十一号線の完成時、つまり予定ですと平成十一年ですか、西暦二〇〇〇年、平成十二年を目途に特殊会社にして、その後民営化に進めよう、こういうスケジュールと承っておりますが、それでよろしいんですか。
  36. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 委員御指摘のとおり、都民並びに首都圏の方々にとって、営団地下鉄の役割というのは大変重要性をさらに帯びてきておるわけでありまして、これにつきまして私どもとしては、今後とも新線の建設を含めて、とにかく積極的に取り組んでいきたいと思っておりますが、なぜこのたび民営化ということに踏み切るかということでございます。  もちろん無利子融資等を含めて、政府の全面的なバックアップのできる現在の形態、これのメリットというのは大変あるわけでございますけれども、一方、やはり交通機関が、民間の機関としてのある意味での競争原理、それと自由な経営の発想等を導入していくことが、長い目で見ればこれが活性化していくという観点に立っておるわけでございます。  当面七号線、十一号線の工事をやっておりますが、かなりこの延長も御承知のように考えておりますが、大体四、五年で当面の工事、一応区切りがつきますので、その時点で一応特殊会社に移行させ、しかし国からの財政支援ですね、直接間接、これを抜きにしてはやはり今後の新線建設ができませんので、そのあたりの手当てをやりながらこれを特殊会社に移行し、証券市場の状況等、また環境整備等の状況の中でこれを民営化をしていこうという方針でございます。そういう方向で部とも協議に入りたい、こういうことでございます。
  37. 石田勝之

    石田(勝)委員 今運輸大臣がお述べになったように、例えば十一号、七号が完成した後、特殊会社に移行して、特殊会社に移行した後、将来民営化へ向けて進めていこう。特殊会社になった時点で民営化に移行をしていこうというその会社に対して、公的助成ですか、今現在建設費の約七割国からの助成が出ておるわけでありますけれども、そういう助成を当然見直せ、こういう話に私はなっていくのではないか。しかし、そのあたりの手当てを考えてと、こういうことで大臣おっしゃっておりましたけれども、そのあたりの手当てというのはどういうことを手当てするということなんですか。
  38. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 これにつきましては、現在、どういうあり方がいいのか、御承知のような鉄道整備基金等、現在私鉄等についてもうんと活用もいたしておるわけですけれども、問題は民営化していった場合、増資相当の形の中で資金調達もある程度自由になる場合もあるわけでございます。  しかし一方、これは政府の持ち株を処分する中で国に相当な金も入ってくるという状況もあるわけでありますから、そうしたことの中で、国民的なコンセンサスの得られる形の中で新線建設等の設備投資能力は落ちない形を私は考えていきたい。今御承知のように私鉄等についても直接間接的な必要な支援はしておりますから、これは私は可能だというように考えております。
  39. 石田勝之

    石田(勝)委員 運輸大臣もよく御存じだと思いますが、七号、十一号の完成、それは十二年なんですが、そのほかに、例えば十一号線も松戸まで延伸の計画もあるし、また池袋-渋谷間の十三号とか、豊洲-綾瀬間の八号とかいろいろあるわけですね、細かいことを言えば。それなんかは、特殊会社になってしまうと、では今営団で新線の建設計画があって、やりますよというふうな形で進んでおるのが、今言った八号とか十二号とか十一号のさらにその先の計画については、これは私は今の大臣答弁を聞いていると、完全に見直しをせざるを得なくなってくるのではないか、そういう懸念を持つわけですが、その点について一点お伺いしたい。  それから、時間がありませんので、この営団の民営化につきましては、御案内のとおり旧国鉄が、今のJRですね、JRが五三%、それから東京都が四七%たしか出資をしている団体だと思うのですね。そうすると、当然営団の見直しをやりますよという中では東京都との話し合いとか東京都とのコンセンサスを得た上の話だろうと思うのですが、そこらの点の東京都とのコンセンサスは得られたのだろうか。例えば今言ったような十三号とか八号とか十一号とか、そういう問題が絡んできて、東京都とのコンセンサスは得られたのかどうかその点をちょっとお聞きしたいのです。
  40. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 私どもといたしましては、都との間での密接な協力関係の中で従来も運営をいたしておりますので、今後の経営形態の見直し等につきましても、お互いにそごのない、よりよき営団の未来ということを見詰めながら、委員御指摘のような新たな新線の建設等につきましても従来以上のやはり設備投資能力、これが維持でき、ユーザーに対して迷惑をかけない方法、これは私は十分それはやり得る、このように考えておるわけでありますが、現在細部につきましては、都との間につきましてはまだ詰めておるわけではございませんけれども、今までの流れの中で十分合意に達するものと考えております。
  41. 石田勝之

    石田(勝)委員 ちょっとまだいろいろ質問したいのですが、またその後にいたします。  次に、阪神の大震災についてお尋ねをしたいと思います。  実はきのうの毎日新聞の全国版に、私どもの県の副知事が、来年度からの防災基本計画の見直しを進める際に、想定震度について現行の震度六から七にすると大変な影響が出てくると述べ、慎重な姿勢を示した。震度七を想定しての構造物耐震強度を高め、既存の建物、橋などを強化した場合に、膨大な建設費を念頭に置いて工事費がかかり過ぎてしまうというような地方自治体の心配からの発言であろうと思っております。  そこで、現在の防災計画、震災後の防災計画について国土庁において着手されていると思いますけれども、現在の防災計画についてどういう被害を想定して計画を進めようとしているのか。新聞等で、今言ったように六から七に震度のあれを上げるということの意見がありますけれども、そういう被害を想定した場合に、防災計画の見直しについて基本的に国土庁としてはどう考えているのか。今この埼玉の副知事が言ったような発言も含めて、防災計画についてはどういうふうな対応をしていくのかどうかということを小澤大臣からお聞かせいただきたいと思います。
  42. 小澤潔

    ○小澤国務大臣 先生御指摘のとおり、防災基本計画の改定に当たりましては、中央防災会議が検討をいたしておるところであります。今回の阪神・淡路大震災にかんがみ、震度その地震が発生することを想定した検討を行ってまいります。  その際、すべてのインフラやライフライン等が震度七に耐えられるようにすることは理想ではありますが、先生御指摘のように膨大な費用がかかることもこれあり、いかなる施設等が震度七に耐えられるかということについて検討を考えておるところであります。先生御指摘のとおりです。
  43. 石田勝之

    石田(勝)委員 野坂建設大臣、今の件に関して、今被害状況を見直して各学者さんとかそういう方が提言を取りまとめよう、できるだけ早くやろうということで検討に入っている、三月末までに中間報告として一定の方向が出されるやに聞いているわけですね。  例えば、震度六で揺れた圧力、加速が四百ガルだとか、七にするとそれが千まで至るだとか、それから水平震度が〇・一だとかあるいは〇・二が一応規定であってそれを今度の見直しによっては〇・二五にしなければいけないとか〇・三にしなければいけないだろうとか、そういう議論になると、今言ったような道路だ河用だ橘だダムだとか、建設省に関連するものに耐震基準見直しについて、今言ったような、前段述べたような話が当然これは影響してくると思うのですが、その点について建設大臣どういうふうにお考えがお伺いしたい。
  44. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 お答えをします。  今先生からお話がありました道路も下水道も建築物もというお話でございましたが、それぞれの委員会をつくりまして、御指摘のとおり一月二十四日と二月十日にやりましたけれども、まだ結論が出ないということでありましたから、私どもも今後の対応策として、三月三十一日までにはぜひ一つの結論を出していただけませんかということをお願いしております。積極的にそれにこたえていきたいということでありますから、その結果が出たら、一つの基準、対応策、そういうものは考えてまいりたいと思っております。  それから二番目の、埼玉県副知事の言明のことでありますが、やっぱり為政者としては金より今、まず人命尊重ということが最優先をするだろうと思っております。したがいまして、コストが高くかかるということは否定できないと思いますね、基準が見直されれば。したがって、私どもとしては、事業量も拡大していかなければならない、しかしコストもかかるという状況になってまいりますから、できるだけ、前々から先生方に指摘されておりますように、公共工事の建設費の縮減に関する行動委員会というものをつくりまして、世界各国を歩きまして、二年間徹底的に民間と官側とが研究をいたしまして、その方向を打ち出していかなきゃいけない。例えば、二十一世紀までには標準家屋は現在の価格の三分の一は切り落とすという方向を懸命に考え、両々相まつという方向というものを打ち出すべく、今進めておるところでございます。
  45. 石田勝之

    石田(勝)委員 結構でございます。  それでは経済企画庁長官、大変お待たせをいたしました。  今回の震災は一月、正月明け早々、若干明るさを取り戻しつつあった景気が、ああいう大災害、大震災に至って、これは消費者の心理に暗い影を落としているのが現況であろうと思っております。  一月十七日以降、新聞によりますと、首都圏の百貨店とか商店街とかそういったところで入店数も減った、一割以上減った。それから売り上げも振るわない、売り上げも一割から二割減っている。余りの惨事がテレビ、新聞等々で報道されて消費マインドが冷え込んだと、そういう報道がされております。  また、きのうもたしか議論の中で、神戸、近畿、京都、奈良も含めて観光地は、新幹線が途中でとまっちゃっているということもありまして、観光客が激減をしている。また、生活必需品に事欠く被災者の姿を見ていると、自分が浮かれた気持ちになって、買い回るつもりになれないというのが実際のところじゃないのかな。そういうことで、購買意欲をそぐような結果が出ていて、個人消費が再び落ち込む可能性が私は出てきているのだろうと思っているのです。  そこで、消費の落ち込みが景気に与える影響というのは、私は非常に大きなものがあろうと思いますが、きのう高村大臣は、これは長期的に見ればプラス要因もあるんだというような御答弁もされておりましたけれども、この今回の震災による個人消費の落ち込みが景気に与える影響をどのように把握しているのかちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  46. 高村正彦

    ○高村国務大臣 震災の個人消費に与える影響でありますが、確かに被災地においてはマイナスがあるというのはそのとおりでありますが、全国的にどのくらいのマイナスがあるのか、確かに先生のおっしゃるような消費マインドに影響するところがあるかもしれません。それについては現時点では不明であります。  最近の個人消費の動向を見ますと、乗用車あるいは家電製品等、増加傾向にある。この乗用車については、一月も含めて統計が既に出ているわけでありますが、増加傾向にある、緩やかながら回復傾向にあるということが言えるだろう、こういうふうに思っております。  いずれにしても、この震災の個人消費あるいは経済全体に対する影響というのは、この復興の対応の動向、これがポイントになる、こういうふうに考えております。
  47. 石田勝之

    石田(勝)委員 次に、労働大臣にお尋ねをいたします。  今回の阪神大震災の被災者の方々は、家もない、職もない、ローンだけが残った、非常な不安が広がっているわけであります。この復旧、復興を図る上で雇用の安定というものは、これは何よりも私、重要であろうと思っております。この問題に労働省も積極的に取り組んでおられると思っておりますが、私は、要するに働き場所がもう倒壊しちゃってなくなっちゃった、場合によったらそこの社長さんも亡くなっちゃったと、そういうケースもかなりあると思うのですね。  そういう中で、失業給付の問題なんですけれども、失業給付を、これは年齢だとかあるいは保険内容によって九十日から三百日と、それだけの開きがあるわけでありますが、九十日の失業給付をもらう人は、もう既に地震から、災害から一カ月たっているから、あと二カ月しかないということですね。  私も先月現地を視察して、現地の惨状を拝見して、これはとても職を見つけるというまでにはなかなか至らないだろう、あと一カ月や二カ月で働き場所が見つかるとか働き場所が再生されるということは、これはまず不可能だろう、そういう感じを強くしたわけでありまして、そこで、二カ月後には完全失業者になっちゃうわけですね。  そういうことを考えますと、とりあえずその失業給付の九十日をもらっている人たちの救済をどういうふうに図っていくかということを、今から検討してやっていかなければならない。失業給付の短い人には、これは特例で延長給付が必要だろうと思っておりますが、その点について労働大臣からお聞かせいただきたいと思います。
  48. 浜本万三

    ○浜本国務大臣 委員御指摘のように、今回の震災による被害者のうち、失業しておられる方々の数ですね、これは大変これから多くなってくるんじゃないかというふうに思います。それで、今の失業保険制度によりますと、九十日が最低でございます。したがって、今既に一カ月過ぎておりますからあと二カ月ない、こういうお説でございます。これはごもっともでございます。  そこで、私どもといたしましては、激甚災害の措置地域に居住する受給資格者に対しましては、六十日間の延長給付の対象にすることにいたしております。そういう特例措置をつくりましたので、結局九十日プラス六十日、百五十日、五カ月間は休業者に対しましては失業保険を給付することができるというふうに思っております。
  49. 石田勝之

    石田(勝)委員 自治大臣にお尋ねをいたします。幾つか質問項目あったのですが、時間が迫ってまいりましたので、ちょっと一、二点お尋ねをいたします。  震災に絡んで、今回の阪神大震災から学ぶものというのはたくさんあるわけでございます。そういう中で、例えば地震で避難する人などで交通が渋滞して、消防自動車が動けなくて、水も出なかった、それで長田区を中心として大火災に至った。六十五万平米と言われますから、物すごい広さになるわけでありますね。そういう大きな大火につながったわけでありまして、水の大切さとか重要性とかも学んだわけであります。  そういう消防体制を、消防力の充実独化を含めて今後の消防力整備をどういうふうに図っていくのか、その状況についてお聞かせいただきたいのと、それから、地方自治団体に対して、例えば自衛隊との協調とか、それから被害想定の見直し等々、私は必要になろうと思っておりますが、そういった地方への指導方針について、自治大臣からお聞かせいただきたいと思います。
  50. 野中広務

    ○野中国務大臣 お答えいたします。  今回の兵庫の南部地震、いわゆる阪神・淡路大震災におきます被害の教訓を生かしながら、地域の防災計画にこれを十分生かしていかなくてはならないと考えておるところでございます。  特に、私ども消防庁は一月の十九日、被災の翌々日でございますが、全国の消防防災主管課長会議を開催いたしまして、直ちに地域の防災計画の見直しを推進するようにしたところでございます。また、地方から、それぞれ職員が今救援に駆けつけております。その被災現場で学ぶことによって、そして防災計画を見直していく。あるいは、この防災計画の見直しにつきまして、項目を設けまして、二月六日付で消防庁の次長名の通達をいたしまして、緊急の点検を実施をして早急に見直すように指導をしたところでございます。  特に、直下型の今回の地震でいわゆる地方公共団体の中枢機能に重大な影響が及んだわけでございますので、そういうときにおける職員の動員配備体制、情報の収集・伝達体制、応援、こういう迅速な初動の体制を確保することが特に重要であると考えておりますし、また、今回の地震災害では消火栓がすべて使えなかったということを考えまして、耐震性の貯水槽、あるいは河川その他水利を多面的に使う方法等を考え、はしご車等の整備を十分にやっていかなくてはならないと考えておるわけでございます。  自衛隊との関連につきましては、災害対策基本法に既に、その会議に自衛隊の関係者を入れること、あるいは自衛隊の派遣についても定めておるところでございますので、これが有効に機能されるようにこれからも指導をしてまいりたいと考えておる次第であります。
  51. 石田勝之

    石田(勝)委員 行革の問題についてちょっと一つ触れさせていただきたいと思うんですが、行政改革というのはやはり、最終的には、どういう結果でどういう効率が上がったものが国民に示されるか、国民がそれを理解できるか、将来の税負担の軽減だけではなくて、次の時代を担う子供やお年寄り、また働き盛りの人たちに、それぞれ夢を与えるものでなければいけない、行革をやることによって国民に不信感を芽生えさせることであってはならない、より国民との間で信頼関係を深くさせるものでなければ行政改革をやった意味がない、私は基本的にこう思っているわけであります。  その中で、警察官の増員については、これは土光臨調以来ずっと凍結になっておるわけであります。実際のところ、人口の急増県とそうでないところの警察官の一人当たりの負担人口というのは、かなりの差が出てきている。例えば、東京とあるいは京都だとか、あるいは大阪だとかあるいは私どもの埼玉のような人口急増県とはかなりの違いがある。国家公安委員長の地元は京都で、京都と埼玉じゃ一人当たりの負担が倍以上違う、こういう実態があるわけであります。私は、やっぱりこれはいずれ平準化をしていかなければいけないんじゃないかという気持ちを持っているんです。  そういう中で、そのほかの刑法犯の犯罪数だとか一一〇番の受理数だとか、そういったものを勘案すると、やはりそういった県が非常に高くなっている。そういう現況にかんがみると、今のままでいいんだろうかという、非常にこれは疑問を持つわけでございます。  この点について、警察官の定員についての見直しについて、公安委員長の方からでもお答えいただければありがたいですが。
  52. 野中広務

    ○野中国務大臣 地方警察官の増員につきましては、委員御指摘のように、臨時行政改革推進審議会におきまして原則凍結ということの答申や、厳しい財政事情等も考慮されまして、可能な限り抑制をしてきておるところでございますけれども、今御指摘ございましたように、各種警察事象が一途にふえてまいっております。また、治安情勢は年々厳しさを増しておるという状況でございます。御指摘のように、埼玉等は非常に住民当たりの警察官がもう極度に少なくなってきておるという認識を持っておるわけでございます。  可能な限り、組織の効率化あるいは人員の効率的な運用を行いながら、装備の充実、近代化を行いまして、警察力の充実を図ってまいりたいと思うわけでございますけれども、また、政府全体で臨調のこの答申をも踏まえながら、警察官の現実的なあり方については、今後また政府部内において討議を深めて、そして実情に合うように努力は国家公安委員長としても傾けてまいりたいと考えております。
  53. 石田勝之

    石田(勝)委員 ありがとうございました。これにて終わります。
  54. 三野優美

    三野委員長代理 この際、大口善徳君から関連質疑の申し出があります。石田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大口善徳君。
  55. 大口善徳

    大口委員 新進党の大口善徳でございます。  まず、今回の阪神大震災に対しましては、五千名を超える死者が出、また、遺族の方々のことを思いますと、深く哀悼の意を表したいと思います。また、避難所で生活されている方、たくさんいらっしゃいます。こういう方々に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。  私の方から、まず第一に、仮設住宅の件について考えてみたいと思います。  私も一月の十七、十八日あるいは一月三十一日、二月の一日、二月の八日、九日と三回現地を見てまいりました。直近の二月の八日、九日に行ったときも、小学校の廊下にお年寄りが毛布を敷いていらっしゃる、こういう姿を見ますと、非常に胸の痛む思いでございます。そういう点で、仮設住宅については、これは大変緊急の課題であり、しっかりと計画を立ててやっていただかなきゃならない、そう思っておるわけでございます。  一日三十一日、県知事が、入居を希望される方々全員に対して応急仮設住宅を提供する、こう言明をしているわけでございますのですが、裏づけがなければいけませんし、それを政府としても全面的に応援しなければならないと思います。  ところが、応急住宅対策の充実という書類を見てみますと、当初予定しておりました全国四十七都道府県の公営・公団住宅、これの確保戸数がこの計画を立てるときに二万六千五百、ところが実際六千四百七十七しか入っていない。二万戸余りまた余裕はあるわけですけれども、ここには入っていない。皆さん何をお望みかといいますと、今まで住んでいた近くのやはり仮設住宅というのをお望みである、こう思うわけです。そうしますと、当初の三万戸の予定からいたしましても、あと二万足りない、私はこういうふうに見ております。  そういたしますと、私は、新進党におきましても仮設住宅五万戸最低必要であるということを要求をしておりますが、計画の目標についてこれは見直さなきゃいけない。最近四万戸ということで出ておりますが、五万戸ぐらい必要ではないか、そういうふうに考えております。  また、市の内訳で見ましても、例えば神戸市の場合ですと、応募総数が五万九千四百四十九あって、実際今発注しているのが一万四千六百十九ということで、これだけでも四万五千戸ギャップがあるわけであります。四万五千戸、今ライフライン等も復旧して、また自分のところに戻ってまいる方もいらっしゃると思いますが、それにしましてもこのギャップ、四万五千の神戸市におけるギャップというのは非常に大きいわけでございます。そういうことで、目標についてどう考えるのか。  そしてまた、神戸市におきまして特に問題なわけでありますが、神戸市の市に聞きますと、用地の確保、これが最大の問題である、神戸市においては二万戸以上、それ以上用地を確保することができない、こういうふうに聞いております。そうしますと、あと一万戸ないし二万戸の用地の確保をどうするのかということが問題になってまいります。このようなことにつきまして、大臣の……。
  56. 小里貞利

    ○小里国務大臣 まず、御指摘のように、緊急対策さまざまでございますが、なかんずく、御指摘のとおり応急仮設住宅を中心にいたしまして住宅対策、これはもう最大の、要請中の最たるものだ、さように心がけておるところでございます。  まず、御案内のとおり、仮設住宅三万戸を準備をしたが、なかなかこの仮設住宅の応募者は限りなく出てきておるようだ、そしてまた一万戸の追加をいたしたことも先生御承知のとおりでございますが、それでもなおかつ足らざるところが十分にあり得るのじゃないか、そういうような一つのこれからにかけてのお話でございます。  先生も御承知のとおり、三万戸、さらに一万戸、そのほかに、実は災害が発生いたしまして十日前後経過いたしました時点におきまして、当初計画をいたしました三万戸、これではなかなか、御承知のとおり用地の確保あるいは資材の確保、調達あるいはまた作業能力等の関係等から、あるいはまたそのほか緊急物資輸送、混乱いたしておりました状況等から、今から新しい資材を持ってきて建てるという計画は現実になかなか乖離があるよということで、別途に、その三万戸のほかに実は八千戸というのを仮設住宅並みの取り扱いをいたしますよ、しかもこの使用方は、高齢者の方々あるいは体調がすぐれない皆様方をひとつ優先してお入りいただきましょう、それは既設の個人民間マンションあるいは宿泊所あるいは公営の施設などを、手続さえ敏速に運べば直ちに物理的に今でも使用できますよというところを用意いたしましたことも御承知のとおりでございます。  それから、その中におきまして、先生が今御指摘の二万七千、ざっと申し上げまして二万七千の公営・公団住宅等も用意いたしましたことも御承知のとおりでございますが、この中におきまして、お話もあったかと思うのでございますが、七千戸弱は既に使用をいただいておる。あとの分が実は兵庫県外域にわたっておるということなどもあり、なかなかその辺が消化をされていないという実態がございます。  その一つの、前段を踏まえた上におきまして、私どもは、実は貝原知事さんにもあるいは関係市町長にも、この三万戸プラス八千戸等々を措置したところであるが、あとの追加措置もいつでもよろしゅうございますから連絡してくださいよ。これはもうかたずをのんでお待ち申し上げ、なおかつ緊密な連絡をとってまいったところでございますが、御承知のとおり九日にプラス一万というのが知事さんから参りました。夕方の実は五時四十五分に参りましたけれども、二十分後の実は午後六時五分には総理大臣から直ちに、私もいたしましたが、貝原知事さんに、一万戸の増加は結構です、直ちにその準備を始めてくださいという返事を申し上げた状況からいたしましても御推理いただけると思うのでございますが、これ以上さらに必要であらばいつでも段取りをいたしております、こういう一つの含みのある積極的な気持ちはお伝えをいたしておるところでございます。  そこで、先生の方から土地の確保方についての御指摘がございましたが、ごもっともなお話でございまして、実はこの土地の確保につきまして、地元を初め私どもも大変苦慮いたしておるところでございます。  しかしながら、実態といたしましては、それなりの準備はいたしておるのでございますけれども、恐らく御承知だろうと思うのでございますが、この避難者の方々あるいは市民の方々が新しく求められる住宅の位置、これは本来の住居地またはその集落地域を圧倒的に希望せられる状況が出てまいっておりまして、その辺の調整に手間取っておる、こういう状況でございます。  改めて申し上げますと、今度の一万戸の追加にいたしましても、既に住宅・都市整備公団あるいは市、県等の提供によりまして二千戸分、ざっと申し上げまして十五ヘクタールはもう既に確保いたしておりまして、あとの八千戸分におきましても、さきに御承知のとおり、兵庫県内域におきまする国の出先等の公有地分も提供いたしますということを取りまとめて御説明申し上げておりますが、その分も、大体百八十ヘクタールの中で、三十七カ所、面積にいたしまして五十七ヘクタールはもう既に三万戸分で使用されておりますけれども、あと百二十三ヘクタール相当分は残っておりますから、これらもできるだけ消化してくださいませんか。しかも、今申し上げました、百二十二ヘクタール分の中に、今度追加をいたしました一万戸分の、それから二千戸は措置いたしましたと申し上げましたから、八千戸を入れても、十分それを包み込み得るだけの面積は用意いたしておる、こういう状況でございます。  しかしながら、先ほど申し上げましたように、住居地そしてその集落を望まれるという傾向があるものですから、その辺の調整を、できるだけ罹災者の意にかなうように鋭意努力をいたしておるところでございます。
  57. 大口善徳

    大口委員 端的に答弁は答えていただきたいと思います。  そういう中で、この芦屋市におきまして、芦屋市の遊休地はほとんどないということから、市立の芦屋高校と市内の全中学校に当たる三中学校の校庭に仮設住宅を建てることで方針が固まった、こういうことなんでございます。これは芦屋市だけに限らず神戸市においても検討をしておると思うのですが、このことにつきまして、文部大臣、こういう要請があった場合どのように考えるか、それと大学の用地、これにつきましても御答弁を願いたいと思います。
  58. 与謝野馨

    ○与謝野国務大臣 住宅を失われた方が大変憂慮すべき状況にある、また仮設住宅の建設も一生懸命やっておりますが、やはりそう、きょう計画してあした全部できるというものではありません。ある程度の時間が必要だ、こういうことで、たくさんの方が学校施設等に避難をされておられます。それ自体は、大変私はお気の溝なことであり、何とかしなければならないという気持ちでいっぱいでございます。  今の先生の御質問は、学校の校庭、運動場に仮設住宅を建てた例があるよ。確かに御指摘のとおり、芦屋市の一部では校庭、運動場に仮設住宅をつくったわけでございますが、芦屋というところは大変狭隘な地域でございまして、なかなか用地の確保が難しいという特別の事情があったことから、その地方公共団体が御判断されたと思います。  しかしながら、学校教育施設について、一般論を申し上げれば、学校教育施設は、やはり第一義的には学校教育施設であって、近い将来期待がされる授業の本格的な再開に向けてやはり校庭、運動場はその本来の目的に確保されるべきものだと私どもは考えております。  しかしながら、地方公共団体がやむを得ざる判断として、最終最後の、最後の最後の御選択としてそういうことをお決めになるということは、それはそれ自体の判断としては私は尊重してもいいのではないかと思っておりますが、その際にはやはり本格的な授業再開ということを念頭に置いて御判断をいただきたいと思いますし、また、被災地全体の授業再開のぐあいを見ておりましても、短縮授業をやっておるところあるいは二部授業をやっているところが大半でございまして、必ずしも授業再開ということを今胸を張って言えるような状況ではございません。  したがいまして、やはりできれば校庭、運動場は本格的な授業再開に向けてとっておいていただきたいと思っておりますし、また仮にそういう選択をされて、それが仮設住宅の用地に一時使用されるといたしましても、近い将来行われるであろう本格的な授業再開に向けて早急に代替措置をとって、校庭、運動場は児童生徒のために確保するということが必要であると思っております。  なお、大学の用地の提供につきましては、文部省の関係いたします諸施設、諸団体の持っております土地九万平米以上は、既に兵庫県、神戸市等市町村にその提供方を申し出ているところでございます。
  59. 大口善徳

    大口委員 次に、私も現地の保健所に行ってまいりまして、それで民間の病院等のお医者さんの状況を聞いてまいりました。それこそ立入禁止になっているビルでもってその地域の診療に従事をされている、あるいはお隣の軒先を借りて地域診療に当たられておる、こういうふうな大変な御苦労を地域のお医者さん方がやっておられます。  そういうことからいきますと、やはりその地域診療というものを支えている病院につきまして、今回大変な打撃を受けたわけでございます。そういうことから、この壊れた医療機械あるいは建物の復旧費用についてやはり助成をすべきである、このように考えております。もしそういうことができなければ、これは地域医療自体の体制が壊れてしまうのではないかな、そう思うわけでございます。  また、医療施設の近代化施設整備事業があるわけでございますけれども、百二億円、平成七年度、こうなっておるわけでございます。これにつきましても要件を緩和して、そしてまたこの被災地にかなり重点配分をしていかなければ間に合わないだろうし、またその融資の限度枠なり利率につきましても、これは十分考慮をしなければならない、このように思います。  また、社会福祉・医療事業則からの融資につきましても、これはその利率、限度枠等について考慮しなければいけませんし、また既にその医療薪業団からの借金につきましても、その返済について、六カ月というようなことではなくて、これは非常に柔軟に長期の返済ということを考えるべきである、こういうふうに思います。  それと現地の状況を聞いてまいりますと、救護の応急班、この方々が今一生懸命全国から来て応援をしておられるわけですけれども、これはスムーズに地域医療に誘導をしなければならない。その中で、現場の声といたしまして、救護医療班の場合は無料である、ところが、地域のお医者さんの場合は、これは自己負担というものがあります。このあたりのことにつきましても、自己負担の減免等につきましても、やはり考慮していただくことが地域医療にスムーズに移行することのためにも必要である、こういうこともございます。  国民健康保険につきましてはいろいろ柔軟な対応が規定どおりできますが、健保につきましても、減免、そしてまた保険料につきましてもこれは免除というようなことも考え、また健保組合における打撃についての助成、こういうことも私は考えるべきであると思います。この点につきましてまとめて、申しわけないのですが、厚生大臣お願いします。     〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
  60. 井出正一

    ○井出国務大臣 お答えいたします。  先生御指摘のように、現地の医療機関の打撃は大変大きなものがございます。その中で懸命な御努力をしていただいておるわけでございまして、心から感謝と敬意を表しておるわけでございます。  医療機関への補助につきましては、公的医療機関に対しましては予算補助によって何らかの措置はとれるあれができておるのですが、民間がなかなかその体制ができておりません。この間の、先月二十日の閣議で医療事業団の方の融資は一部利率を下げるとかしましたが、またこれで十分とは思っておりません。そこで今、被災地における医療の確保を図るために、この医療施設の早期復旧が何よりも重要でありますし、また喫緊な課題であります。  先生御指摘の、やはり地域医療の方へ移っていかないことにはきちっとした医療が十分とは言えないわけでございますから、したがいまして、今政府内におきまして、そのための最終的な調整を急いでおるところでございます。いましばらくの御猶予をいただきたいと思いますが、十分承知しておるところでございます。  それから、医療保険制度でございますが、既に健康保険等の一部負担金等は、二月末までの支払い猶予あるいは保険料の納付猶予等の措置を講じているところでございます。国民健康保険制度につきましては、現行制度においても災害時の一時負担金や保険料の減免制度がありまして、この仕組みに基づいて適切な対応がなされるよう、保険者である市町村等を指導してまいるつもりであります。また、健康保険等の被用者保険につきましては、現在こうした減免制度がないわけでございますが、今回の地震による被害が例のないものでございますから、必要な対応について今検討しております。  また、健康保険組合につきましても、今回の震災によって相当の被害を受けているところであります。今後引き続き実情の把握に努めまして、被災した健康保険組合の復旧の見通しや今後の組合財政に与える影響も見きわめながら、適正な運営が確保されるよう、最大限の努力をしてまいるつもりでおります。
  61. 大口善徳

    大口委員 それでは、現在神戸市あるいは西宮市、芦屋市において統一地方選の繰り延べ問題、これを繰り延べてほしいという要請が来ておると思います。これにつきましては、一つの地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その住民の投票においてその過半数の同意を得なければいけない、こういう憲法九十五条の規定がございます。  私は、この規定は地方公共団体の本質にかかわるような不平等、不利益な特例の場合にこういう住民投票が必要である、こういうふうに考えるわけでありまして、この場合、選挙の適正な管理、執行が望めない、それは参政権を守るということにとっても適してはおらない、こう考えますと、憲法九十五条には抵触しないでこの特例の繰り延べという立法ができる、こう考えますが、自治大臣、御所見をお願いしたいと思います。
  62. 谷合靖夫

    ○谷合政府委員 お答えいたします。  被災地における地方統一選挙について、法的な措置を講ずるのか、あるいはその内容をどうするのかということにつきましては、これから兵庫県の選管の意向等も十分踏まえた上で具体的に検討する、こういうことになると思います。ただ、その際に法的措置を講ずるという場合において、憲法九十五条の規定との関係ということにつきましては、具体的に今白紙でございますけれども、十分考慮の上で検討していくということになろうかと思います。
  63. 大口善徳

    大口委員 時間がもうわずかになってまいりました。  今回の経験を生かしまして、やはり防災マップというもの、これは真剣に考えていかなければいけないと思います。釧路市におきましては、一年九カ月の間に二回の地震がありましたが、その釧路沖地震の教訓を得まして、防災マップを全戸に配布した、こういうことでございます。そういう点で、防災マップの全戸展開、またはその自治体レベルにおける全戸配布、こういうことも私は今回考えるべきじゃないか、こう思います。  また、地域防災計画の見直しにつきましても、ことしの九月一日に防災の日がございます。その防災訓練のときに、今回のものを見直して、ことしの九月一日から、見直した地域防災計画に基づいて訓練をすべきではないか。そしてまた、自治体間のいろいろな連携というものが大事でございます。そういう点では、共同で中小の自治体間における地域防災計画というものを考えていく、こういうことも大事ではないか、こう思っております。  それと、これは公安として聞きたいのでありますが、銃規制の問題でございます。  最近、一般人が被害に遭っている。そしてまた、水際における防止が大事でございますが、昭和五十九年、三十三件で四百十九丁の水際による押収がありました。六十年、四十八件、二百二十六丁の押収がありました。ところが、平成五年になってきますと九件で六十丁、平成六年ですと六件で六十四丁と、水際における押収の件数、数が減っております。このあたりにつきましてもお聞かせ願いたいと思います。自治大臣にお願いします。
  64. 野中広務

    ○野中国務大臣 最初に、防災マップの問題でございますけれども、今御指摘のように、釧路市を初め一部の各地方公共団体におきまして、住民の防災意識高揚のために各戸に配布されていると私どもも承知をいたしております。例えば、液状化マップ等につきましては、六都道府県において地域防災計画に掲載をされ、各市町村でも多く取り扱われておるところでございます。今後、こういう地震の経験を踏まえまして、防災マップに各自治体で鋭意取り組まれるように私どもも指導をして、有効にこれが活用されるようにやってまいりたいと考えておる次第でございます。  地域防災計画の見直しにつきましては、消防庁といたしましては、毎年地域災害対策に関する諸検討を行っておるところでございます。今回も、去る一月十九日、先ほども答弁申し上げましたように、全国消防防災主管課長会議におきまして、その点検の作業を行う九項目を示しまして、この見直しを図り、また二月六日付でも消防庁次長名をもって防災計画にかかわる緊急点検事項について通達をいたした次第でございまして、今後も、より地域の実情に即した実践的なものになるように地方公共団体を指導してまいりたいと考えておるわけでございます。  また、委員御指摘のように、大規模、広域的な災害に対しまして、地方公共団体の区域を超えて、機動的、効果的に対処できる地方公共団体間の相互の連携を強化する必要があるわけでございます。災害対策基本法におきましても、防災対策を広域的で実施することが効果的な事項として協議会を設置するようにされておるところでございます。また、それぞれ関係の都道府県あるいは政令指定都市におきましてこの協定を結んでおるところもあるわけでございますので、今後一層、地域防災計画の充実におきまして、緊密な連携あるいは協力体制が確立できるように指導をしてまいりたいと考えておるわけでございます。  今、銃器犯罪についてお話がございました。残念ながら、最近市民社会にまでけん銃が犯罪として入ってくることになったことはまことに憂慮すべき残念なことでございます。  私どもといたしましても、そのほとんどが外国から密輸をされたものでございまして、けん銃の供給を遮断する上で水際対策というのが御指摘のように重要な課題であると認識をしておりまして、昨年末、関係省庁申し合わせを踏まえまして、関係機関相互の連携によりまして、それぞれ関係省会議及び関係閣僚会議を開催をいたしまして、これに鋭意対応をしておるところでございます。  今後も、重大な認識といたしまして、このけん銃の摘発を徹底して行いますとともに、この種事犯の防圧に最大限の努力をしてまいりたいと考える次第でございます。今申し上げましたように、銃器犯罪に関係する関係省会議あるいは関係閣僚会議等を開催をいたしまして、鋭意この問題の実を上げるように努力をしてまいりたい考えてあります。
  65. 大口善徳

    大口委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  66. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて石田君、大口君の質疑は終了いたしました。  次に、高市早苗君。
  67. 高市早苗

    高市委員 新進党の高市早苗でございます。よろしくお願いいたします。  まず、防衛庁長官にお伺いをいたします。  世界各国で、自己完結型の組織であります軍隊が災害時に人命救助や復旧作業で活躍されることが常識的だと言われているのですが、日本でも、国防とともに災害対策に対して自衛隊の皆様に国民が期待する面は非常に大きいと思うのです。長官は、自衛隊は地震発生時に人命救助活動に対応できる十分な能力を備えた組織であるとお考えでしょうか。
  68. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 自衛隊は、人命救助に全力を挙げ、また、今回におきましても懸命に対応いたしました。また、その能力も十分持っておる、このように思います。
  69. 高市早苗

    高市委員 今のお答えを伺って安心をいたしました。  震災発生当日、本格的な自衛隊派遣の開始がおくれたことが瓦れきの下で生き埋めになっておられたたくさんの方の救済をおくらせたのではないかというような思いが強いのですけれども、これに関しましては、兵庫県知事からの要請がおくれたことを理由とする説明も何度か耳にいたしました。  自衛隊法八十二条の解釈についてお伺いしたいのですけれども、八十三条によりますと、自衛隊の災害派遣の命令権者は、防衛庁長官またはその指定する者となっております。適用要件は、「都道府県知事その他政令で定める者」の要請となっております。ただし、緊急を要するものは要請を待たないとなっているばかりに、テレビ番組などでも、自衛隊の独自の判断で助けに来るべきだったなどという非難の声も上がっております。しかし、これは自衛隊の皆様にはとても気の毒なことだと思います。多分、独自の判断で出動しましたら、責任問題も当然後で取りざたされますでしょうし、シビリアンコントロールの原則という点の違反に通じる可能性もあると思います。  そこで、「防衛ハンドブック」という本がございますけれども、この「防衛ハンドブック」を読みますと、八十二条の二の解釈として、「地震防災派遣」という項目がわざわざ設けられております。ここでも命令権者は防衛庁長官なんですけれども、適用要件は都道府県知事の要請ではなくて、「地震災害警戒本部長(内閣総理大臣)の要請」と書かれております。私は、これが防衛庁の解釈だと思っておったのですけれども、長官、いかがでしょうか。
  70. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮者である、こういうことになっておるわけでありますが、災害時におきましては、委員が御指摘されましたように、防衛庁長官が指定する者、今回の場合におきましては、地域におきましては中部方面総監、これが受けて対策に当たった、こういうことになるわけであります。
  71. 高市早苗

    高市委員 私が伺ったのは適用要件の部分でございます。都道府県知事の要請があって防衛庁長官が命令権者となるということじゃなくて、地震災害発生のときは内閣総理大臣要請とこの本に書いてあるのです。
  72. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 この場合は、予知を可能とする東海地震の場合ですね、東海地域の大震災を想定をいたしまして計画を立てておるわけでございますが、この場合におきましては、地震が予知されまして震災が来る、こういうふうになった場合におきましては、内閣総理大臣防衛庁長官に派遣要請をいたしまして、そして事前にこの対策に当たる、こういうことになっております。
  73. 高市早苗

    高市委員 じゃ、東海大地震はいつ起こるんですか。
  74. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 天災でございますので、天災をできるだけ予知をする、また予知でき得る、こういう形でやっておるわけであります。
  75. 高市早苗

    高市委員 そうなると、この「防衛ハンドブック」の八十三条の二の解釈というページは、東海大地震のことだけのための解釈なんですか。法律の解釈というものがそういうふうに行われるとは思わないんですけれども
  76. 村田直昭

    ○村田(直)政府委員 お答えします。  八十三条の二は、東海大地震を想定しまして、地震防災派遣ということで、大臣から御答弁をしましたように、予知が行われた段階であらかじめ、総理大臣からの要請を受けて部隊が出動するということでございまして、実際に発災した段階では八十三条の二項によります災害派遣ということに移行するということでございまして、あらかじめ、その発災前の状態で部隊を派遣しているというのが八十三条の二の規定でございます。
  77. 高市早苗

    高市委員 それでしたら、できたら「防衛ハンドブック」の出版社に抗議をされて、書き直していただいてほしいんですね。そんなふうな注釈が細かくそのページに出ているわけでもなく、国民の手に簡単に入るものですから、これは八十三条の二の適用要件が総理大臣であると、私たち読んでもそう思うわけでございますので、もう少し解釈をしっかりしていただきたいと思います。  あと東海大震災、予知ができる予知ができるというと、これまた気象庁の予算の問題にも結びついていくかと思うんですけれども、予知ができる地震とできない地震なんというものを分けて法律の解釈なり、こういう自衛隊法の用意をしているというのは、非常に変な話だと私は思います。  次は、官房長官にお願いをいたします。指揮権の話のついでに伺いたいんですが、今回の震災では兵庫県知事や職員の出勤がおくれてしまったということも初動態勢のおくれの原因とされておりますけれども、知事自身も被災者でございますし、大変だったと思います。それでも総理のリーダーシップがあれば十分カバーできたんじゃないかと思うんですけれども、もしも東京で大震災が起きて、まあ少し不謹慎な話ですが、都知事のみならず、総理の身に万一のことがあった、もしくは自分の意思を伝えられない状態になったときに、総理の権限の継承順位というのはどうなるんでしょうか。
  78. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 ここにおられます河野副総理でございます。
  79. 高市早苗

    高市委員 その次はどうなりますか。(発言する者あり)
  80. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 不肖私がやることになっております。
  81. 高市早苗

    高市委員 危機管理でございますから、聞かずに自分でお答えいただいたらありがたかったかと思います。  次に、防衛庁長官にまたお願いしたいんですけれども、テレビ報道によりますと、私もテレビを見ていたんですが、十七日の時点で、目立った火災の発生、数カ所と報道されておりました。道路の損壊で消防車がたどり着けないとか、水が出ないなどの厳しい状況の中で時間が経過して火災が拡大しまして、多くのとうとい人命と財産が失われたわけなんですが、初期消火の有効な方法を確立するということは、今後の地震対策でとても重要な要素だと考えます。  私の手元に資料が一つありますので、読み上げさせていただきます。  一月十七日十七時四十分、午後五時四十分、中部方面隊総監部及び第三師団司令部は、空中消火の可能性について検討するとともに、兵庫県の空中消火実施の有無について県側に確認。  同日二十時、第三師団の連絡要員が、県側の担当者から、空中消火は考えていないとの情報を入手。  十七日二十二時ごろ、第三師団により、県側は明朝七時に決心するとの回答を得た。第三師団司令部及び航空隊の総監部は、県からの空中消火要請の可能性があることを予想し、諸準備を開始した。  十八日午前七時を過ぎても県側の空中消火の実施について回答がないため県に確認したところ、午前十時に決心を延期した。  十八日午前十時過ぎ、県の空中消火実施の決心を確認したところ、空中消火は実施しないことを確認。実施しない理由については不明。とございますけれども、長官は、自衛隊内にこのような動きがあったことは御存じでしょうか。
  82. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 存じております。
  83. 高市早苗

    高市委員 私も現場の関係者に確認いたしましたから、自衛隊から兵庫県に対して空中消火活動の提案があったということは事実でございます。  この資料によりますと、自衛隊の現場の方々は、空中消火が初期において有効な手段だと考えておられるようですが、長官のお考えはいかがでしょうか。
  84. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 今回の場合におきましては、都市部における空中からの消火ということで検討されたようでありますが、今まで自衛隊はヘリコプターをもちまして、山林火災のような場合に、自治体側から、そのヘリコプターに装着する消火装置をつけまして消火に当たっているわけです。今回の場合におきましては、それが都市部の消火にも使用できるかどうかということを検討したと思うのでありますが、市側あるいは地方自治体側からその必要はないという回答、要請がないという、そういう形になっておるわけであります。
  85. 高市早苗

    高市委員 長官御自身は、都市部でもヘリによる空中消火は可能であり、有効だと思われますか。
  86. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 空中消火が行われた場合の危険性とか、それからまたいろんな二次被害をもたらすこと、そういうことはいろいろ考えられるわけでございますが、これは今後研究、検討課題である、こう思います。
  87. 高市早苗

    高市委員 いや、今後の研究課題では、もう亡くなった方の命は戻ってこないんですけれども、都市部で空中消火をする場合の危険性、具体的に何と何か教えてください。
  88. 村田直昭

    ○村田(直)政府委員 空中からの消火の場合でございますけれども、私ども専門家ではございませんけれども、これは消防庁等のお話も聞いたところでございます。  まず、消火というのは、基本的には酸素を断つということによって消火をするというのが原理でございますので、まだ生き埋め等の状態にあられる方がおるとすれば、そういうような状態をつくり出すということについて十分配慮しなければならぬということと、それから、水による勢いというものが相当あるということで、やはりこれについても、被災者の方々がおられるとすると、そういうような配慮をする必要があるというようなことが言われておりまして、それからそのほか、操練に比較しまして、効果が果たしてどのくらいあるかというような比較考量の問題があろうかと考えております。
  89. 高市早苗

    高市委員 水圧があるというのは当たり前のことで、消防庁が想定しているような、水をまきながらヘリを移動するような散布消防のことじゃございません。自衛隊がこのとき提案したのは、ロス地震でも活躍しました破壊消防、つまりピンポイントで大量の水をぼっと落とす、それで水圧で火を消す方法なんです。これに対して、危険性があるとか酸素を断つというようなことをおっしゃいましたけれども、まず、消火剤で窒息するというお話、随分ここでも出たようですし、マスコミでも言われましたが、消火剤の会社、かんかんになって怒っているという話で、即、呼吸困難にして人が死んでしまうようなものでないものがあるということでございます。  それから、水圧によるということをおっしゃいましたけれども、当然、ピンポイントで消火する場合、監視用ヘリを飛ばしておいて、それで、もうその家が火の海であって、中に人がいてももう生存できている状況じゃない、火の海である場合に、それからなおかつ自衛隊の隊員さんをおろして確認も一応させる、そういったところで、発生当日なんというのはあっちこっち点々と火事が始まっていたことですから、これはもう十分火の海であるということを上から監視用のヘリでしっかり監視した上でやるというのが条件でございます。  それから、破壊することで財産権の問題とかもありますけれども、通常ばや程度の火事でも消防車がやってきて水損被害というのは当然出ますけれども、このピンポイント消火をする条件は、もう当然家が火の海で、屋根も落ちちゃって、上から見えるという条件のもとでございますから、効果がないとかいうような御答弁には私は納得できませんし、外国でこれは効果を上げている方法なんです。当日ちゃんと自衛隊の現場の方が、効果が全くないと思ったら、また非常に危険なものであると思ったら、こう再三兵庫県に確認はしないと思うのですね。  こういった消火法について、日ごろ訓練をされていなかったのか。また、有効かどうかこれから研究していくようなことをおっしゃっていますけれども、研究もされていなかったのか。今後自衛隊ヘリによる破壊消防を地震発生時の対策の一つとして取り入れられるお考えがあるかどうかを確認したいと思います。  それからもう一つ、破壊消防しないまでも、その日、水や消火剤を周辺にまいて防火帯をつくることぐらいはできたと思うのですが、なぜそれをされなかったか。二点、防衛庁長官にお願いします。
  90. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 消防は消防が責任を持ってやるわけです、消防部隊が。自衛隊はその要請に応じてやるわけでございますので、今回の場合におきましても、可能性はあるかということについていろいろ検討し、地方自治体の方にも話をされたようでございますが、地方自治体の方でそのような必要はないということであったわけでありますから、防衛庁としましてはあくまでもその要請に応じて行うということでございますから、ふだんから消防についてそれだけの訓練ということはしておらないわけでございます。
  91. 高市早苗

    高市委員 今回、可能性のある方法があった、また提案があったにもかかわらず、地方自治体で必要ないということで火事があれだけのものになった。つまり、今後もこういった形が続いていく。そして、今回の火事の拡大は兵庫県知事の責任だ、そう思われるわけでございましょうか。
  92. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 火災に対する専門の方は、やはりこれは消防でございますから、やはり消防の方々がよく、向こうの方がプロですから、ですから、この見解は、今後都市部における空中消火についてどうすべきかという点については消防庁にお聞きしていただく方がより適当である、こう思います。
  93. 高市早苗

    高市委員 防衛庁長官、一度、消防庁が持っているヘリの数と防衛庁が持っているヘリの数をきっちり確認していただきたいのですけれども、やはり私は、こういった大災害の場合、自衛隊のヘリによる初期消防活動というのが非常に有効な手段だと思って御提案を申し上げておりますので、火災のプロは消防庁だからとおっしゃらずに、また、消防庁の火の消し方、それから自衛隊の初期消火の考え方に私は大きな食い違いがあると思っております。どちらがより有効か、国民の命を守るのが政府の役割でございますので、ぜひ前向きに御検討いただきたい、このように思います。  防衛庁長官ばかりで悪いのですが、十七日午前七時の段階で、八尾飛行場から自主的に自衛隊のヘリが飛びまして情報収集をしたと聞いておりますけれども、このヘリの把握した情報をどの程度生かされましたでしょうか。
  94. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 陸上自衛隊は、当日七時過ぎに八尾からヘリコプターが飛びまして、二機飛んだわけでございますが、いずれもそれぞれの被災地の上空を回りまして、これは中部方面総監に報告がなされております。  それから八時過ぎには、徳島の海上自衛隊の航空教育集団から出ました。これは、淡路島及びその海面を見ながら淡路島の広域消防本部それから海上保安庁等に報告をいたしまして、それぞれ災害対策に役に立てたと考えております。
  95. 高市早苗

    高市委員 ヘリから撮影したビデオというのは結構振動が激しくて不明確である、広域を把握しにくいと聞いておりますけれども、高度一万メートルで真上から精密な航空写真の撮影が可能だと言われておりますRFファントムですね、これを発進させられなかった理由は何ですか。
  96. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 RF4ファントムの場合は、上空から目視することができるわけですし、空中写真も撮れるわけでございますが、ただし、空中写真を今度は現像してこれを実際に見れるようにするためには相当の時間がかかる。大体十時間以上の時間がかかるんじゃないか、こう思いますので、緊急性には、その場合においては間に合わない、こういう判断があったと思います。
  97. 高市早苗

    高市委員 十時間でできれば上等だと思います。  空からの情報収集というのは、作戦計画上非常に私は今回重要だと思いました。高速道路や鉄道の損害や建物の損壊箇所、それから火災の発生箇所、火災現場に行くための道路の損壊、そういったものをつかめますし、どれほどの規模の自衛隊をどういう地点に投入していけばいいかということも早期にわかったはずですので、今後できるだけこの空からの情報収集機能ということも御検討願いたいと思います。
  98. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 正確を期します。  RFファントムも飛んでおります。写真も撮っております。ただし、ヘリコプターと比べますと緊急性がない、ちょっとおくれる、こういうことでございます。写真は膨大な写真を撮っております。
  99. 高市早苗

    高市委員 官房長官にお伺いいたします。  一月十七日の地震発生当日、総理から官房長官には具体的にどんな指示がございましたでしょうか。
  100. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 総理と御協議申し上げて、総理の方からも、非常災害対策本部の設置について直ちに準備にかかるように、こういう御指示がございました。
  101. 高市早苗

    高市委員 外務大臣に同じ質問をさせていただきます。  総理からどんな指示がございましたか。
  102. 河野洋平

    ○河野国務大臣 閣議におきまして、今官房長官お話しのような対策本部をつくるというお話がございました。
  103. 高市早苗

    高市委員 というと、対策本部をつくれという指示だけしかお一方になかったということのようでございますけれども、それでは官房長官、逆に総理に対して何か進言をされましたか。
  104. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 これは、今総理からの御指示は具体的に一番大事な点を申し上げたのですが、それはもちろんテレビなんかでごらんになられながら、できるだけのことをやれよ、どうかなというような大変御心配の御指示はその都度あったのはもう言うまでもないことであります。  それから私の方からも、今こういうことになっていますとかなかなかどうも全体の災害の状況が把握できないで今困っているところですとか、いろいろなお話を申し上げたりして、もちろんそれは、あの日は丸一日一緒に話し合いながら努力した、こういうことであります。
  105. 高市早苗

    高市委員 防衛庁長官にもお願いいたします。  当日、総理からどんな指示があり、長官の方からどんな御進言をされましたでしょうか。
  106. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 十時の閣議までの間に、私は、六時に発災の事実を聞きまして、状況の把握をできるだけ確保し、そして対応に万全を期せ、こういう指示を与えたわけでございますが、九時に防衛庁に登庁いたしまして、それまでの間に三自衛隊がとった出動態勢初め、基地その他にどのような被害があったかということもあわせて報告を受けまして、十時の閣議におきまして、自衛隊はこのような出動態勢を整えております、こういうことを報告をいたしました。  対策本部をそこで設置をいたしまして、総理からは、とにかく対応に適切に、万全を期すように、こういう指示をいただいたところであります。
  107. 高市早苗

    高市委員 国土庁長官にお伺いいたします。  昨日の建設委員会で、時間の都合で議論が十分尽くせませんで、長官も不本意な形で委員会が終了したことと思いますので、改めて伺いたいと思います。  長官が、その所信表明の中で「政府一丸となって、被災当初の人命救助、消火活動に始まり、」さまざまな「応急対策に万全を尽くしている」とおっしゃいましたけれども、その「被災当初」が具体的に何日の何時、いつを指すのか。つまり、政府一丸となって人命救助に取り組んだと長官が所信表明で書いておられる「被災当初」というのがいつの時点か明確にいま一度お答え願います。
  108. 小澤潔

    ○小澤国務大臣 具体的に申し上げたいと思います。昨日の委員会におきましては途中からお話を申し上げましたので、わかりやすく最初から申し上げて御判断をいただきたいと思います。  当日は、起きましてテレビを見て地震のあったことは知りました。そして、六時十五分ごろ秘書官から、五時四十六分ごろ地震が発生をした報告をいただいたところであり、私はそれに対して、直ちに被害状況を報告をするとともに、そして国土庁に対しましては適切な対応を行うように指示したところであります。  そしてまた、七時三十分ごろに秘書官から電話が入り、六時十五分に国土庁に対して適切な対応を行うように指示するとともに、非常災害対策本部をつくるべきではないかと思うのでということも申し上げたところであり、七時三十分ごろには、非常に状況も甚大をきわめつつあるので、非常災害対策本部を設置したいがどうかという電話がございました。私は、直ちに官邸とも相談をして開始をするように申しつけたところであります。  そして、七時五十分に家を出まして、九時二十分の閣僚会合に臨み、そのときに官房長官に非常災害対策本部をぜひ閣議で決めてほしい、このことを申し上げて閣議にかけ、十時の閣議で決まったところであり、そこで非常災害対策本部ができました。  総理官房長官からは、第一回の会合を開いて、直ちに飛ぶようにということを言われましたので、第一回の非常災害対策本部を開催し、六項目を決めて、それは十一時三十分であります。  十二時四十分ごろ国土庁を出て、入間に参り、軍用機で伊丹に着き、そして当日は空から視察をした。そして、官房長官とは車の中から、防災局長が一緒でしたから、連絡をとりつつ行ってまいりました。  それで官房長官には、空から見た状況はよくわからないということも防衛庁の人に聞いておるので、でき得れば一泊して明くる日地上から視察をし、そして総理報告を申し上げたいがどうかと言いましたら、一泊してよく実情を調査してこい、こういったことが言われましたので、早速明くる日は地上から現場の調査をさせていただいて、避難をしている皆さんを激励をし、政府も頑張るから皆さん頑張ってくださいということで各現場も回ったところであり、そしてまた伊丹に戻り、そして入間に戻り、総理に状況を事細かく、そのときには防衛庁長官、自治大臣も一緒の飛行機で伊丹から帰ってまいりましたので、一緒に三名が伺いました。  そしてまた官房長官は、それに時間を合わせて閣僚会議を開くようにしてあるからということで、総理報告の後、閣僚会議において詳細にその様子を報告をした、これが経緯であります。
  109. 高市早苗

    高市委員 長々と個人のスケジュールを教えていただいて恐縮ですけれども、私の質問は、政府一丸となって人命救助、消火活動に取り組んだのが何月何日何時何分かと一言で教えていただける質問を申し上げたのですが、今の御答弁では、つまり翌日ということでしょうか。帰ってみえてからということでしょうか。国土庁長官、お願いします。――国土庁長官、お願いします。
  110. 小澤潔

    ○小澤国務大臣 午前十時九分に非常災害対策本部において政府として講ずべき対策について関係省庁に照会するとともに、午前十一時災害対策関係省庁連絡会議を開催をし、被害状況及び出動状況について把握をし、午前十一時三十分には第一回非常災害対策本部会議を開催をしたところであります。  第一回会議において、行方不明者の捜索、救出、火災に対する早期消火等六項目を重点的に、先ほども申し上げたとおりであります。私は、これらの決定事項に基づき、災害対策、応急対策に万全を期するよう、関係者に指示をしたところであります。
  111. 高市早苗

    高市委員 もうその点は結構でございます。  昨日の建設委員会で、長官は、反省すべき点は反省しとおっしゃりながら、具体的な反省点が何であるかということを何度お伺いしても明確にされませんでした。きのう時間もございませんでしたので、ここで改めて伺います。具体的な反省点とは何と何でしょうか。
  112. 佐藤観樹

    佐藤委員長 防災局長。(発言する者あり)
  113. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 お答え申し上げます。  政府として関係機関が一丸となってあらゆる施策を講じてまいりましたけれども、極めて甚大な被害が発生しております。  反省すべき点を幾つか申し上げますと、まず初動期におきまして、被害規模を早期に把握する手法が確立していなかった。ああいう状況で現場の機関からの情報も必ずしも的確に入っておらない状況を考えますと、初動期において被害規模がどれぐらいかということを把握する手法を確立する必要があろうと思います。  それから、官邸への情報連絡体制の確立ということが欠けておるというようなことでございます。  それから、先ほどから話が出ておりますけれども、自衛隊との連携のための事前の防災体制の確保というようなことにつきまして、よく考えて実施する必要があろうかと思います。  それから、同時多発型の火災に対する、先ほどからもお話がございましたそういった消防力の強化というようなことがあろうかと思います。  今申し上げましたような問題につきまして、被害規模の早期把握ということにつきましては、FEMAで若干そういうことをやっているという情報がございますので、来週早々にも担当官を、各省から成ります担当官を派遣いたしまして調査をいたしたいというようなことを考えておるところでございます。(発言する者あり)
  114. 佐藤観樹

    佐藤委員長 はい、防災局長は結構です。  それじゃ、小澤国土庁長官
  115. 小澤潔

    ○小澤国務大臣 今局長答弁したとおりでありますが、私からも再度申し上げてみたいと思います。  政府としては、関係機関が一丸となってあらゆる施策を講じてまいりましたが、極めて甚大な被害が発生したところでありますので、反省すべき点といたしましては、初動期における被害規模の早期把握手法の確立てあり、また官邸への情報連絡体制の確立てありますが、この件は、早い時点では現地からの情報が来なかった、得られなかったところであります。自衛隊との連携のための事前の防災体制の確保であり、同時多発型の火災に対する消防力の強化でもあります。これらが反省すべき点であります。  また、これらの課題に対しましては、ただいま具体的には地理情報システムなど被害早期評価システムの活用を挙げております。来週にも現地に、FEMAの調査を米国、アメリカのワシントンへ向けて調査をさせることにも相なっております。  また、緊急災害発生時の官邸及び関係機関の即応体制整備の検討を行うためプロジェクトチームを創設し、大地震発生における官邸と関係省庁との間の情報連絡体制を十分にすることを中心に検討中であります。  我が国の災害対策の根幹となる計画としての防災基本計画を中央防災会議において見直し中であり、あわせて地方自治体の地域防災計画も緊急点検を実施をしておるところであります。耐震性貯水槽等の防火施設の整備促進も行っております。  なお、これらの初動期対応における課題のほかに、被害地の面的整備、ライフラインの耐震化、多元化、建築物の耐震化、不燃化等が挙げられるかと思います。
  116. 高市早苗

    高市委員 官房長官にお願いします。  官房長官は、一月三十一日の予算委員会で、「今回の災害で反省すべき点は非常に多うございます」とおっしゃいましたし、また、村山総理も、反省すべき点は謙虚に反省してという言葉をお使いですけれども、今国土庁長官が読み上げられた反省点というのが皆さん共通の政府としての反省点と受け取ってよろしいんでしょうか。
  117. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 反省すべき点は本当に山ほどあるというふうに思うんですね。この機会にとにかくもう全面的にチェックをしていく必要がある、こういうぐあいに考えています。したがって、そういう反省点の整理というのは、私は、やや時間をかけてでも全面的なものがちゃんと整備されるべきものだろうというふうに思いますが、しかし当面、まず取り急ぎ、あした、あさってまた災害が起こらないとも限らないわけでありますから、こういうことを考えて、まず何をすぐにでも直さなきゃいかぬかということもまた大事なことであろうというふうに思います。  そういう点で申しますと、今国土庁長官報告にもございましたように、まず最初のときの被害の規模の状況というものを的確に把握をするということだろうと思うんです。申し上げておりますように、震度五であるとか六であるとかということは直ちにこれはわかるわけなんでありますが、しかし、震度六と申しましても、どの程度の実際被害の規模であるかということはやはりそのときにはなかなかわからないわけなんですね。  したがって、これはもう大変な実は今回のような大震災であるというような状況を一刻も早く掌握をする必要がある。そのためには、反省すべき点として、やはりなかなかその把握に時間がかかった。例えば、こういうことのためには、先ほどもちょっと委員御指摘がございましたが、ヘリなんかも、これはもうそれぞれの所管を問わず、例えば震度六以上ということになったらその付近のヘリはもう一斉にやはり飛び立って上の方から見る。  カメラがどうだとか何だとか難しいこと言わないで、肉眼で見ればいいわけですから、いや大変です、今こんなことになっていますということがどんどんどんどん報告されてくるという状況であるべきだということだとか、あるいは実は、政府関係の情報のルートだけではなくて、例えばJRであるとかNTTであるとか電力であるとかというものは、それぞれ民間ではありますが大変な情報網を細々と地域に張りめぐらせて、何か災害があったときには、電力は電力で大体どこがどんなことになっているということはすぐ手にとるようにわかるようなシステムにもなっているわけですね。  こういう民間の情報もお願い申し上げて、これを政府側で御協力をいただいた情報を一緒に掌握できる、即時わかるというようなことも考えて、総合的に今度の災害は大体どの程度の被害だなということが測定できるようなことがもう一分でも早く行われるようなことの体制をとりたい、こういうぐあいに思っているのです。それがこの間のようなプロジェクトでやや出てまいりまして、恐らく今週末ないし来週の頭にわかってくると思いますので、それはぜひすぐにでも実施していきたい、こういうぐあいに思っております。
  118. 高市早苗

    高市委員 今の官房長官の御説明でよくわかりました。ありがとうございました。  官房長官今おっしゃいましたように、災害、いつ起こるかわからない、だから今すぐにでも変えられるところは変えていきたいという姿勢をお示しで、一月三十一日の予算委員会でも草川委員質問に答えられて、結論が出たら次の日からでもこれを実施に移すということでなければいけないとおっしゃっているのですけれども、今の官房長官の御姿勢を前提に、国土庁長官にもう一度伺いたいのです。  一月三十一日の予算委員会で草川委員が、夜間あるいは土、日に国土庁へ電話するとテープしか答えがない、だから一般の人が、どこどこでこういう話があるよ、大変だよといって国土庁に情報を入れようとしても、本日はお休みですというテープしかない、災害のセンターでやるべき日常活動の初歩がなっていないと指摘があったわけです。これに対して長官の御答弁は、「ただいまの先生の御指摘は非常にそのとおりであり、遺憾に思います。今後厳重に、ひとつ二十四時間体制をとるように指示をしたいと思います。」というものでした。  ちなみに、私、二月十二日の日曜日、時間を変えまして三回国土庁に電話をしました。三五九三-三三一一の代表番号なんですが、どなたも出られなかったし、テープの案内もセットされてませんでした。何十回もコールしました。御答弁から十二日間たっても改善されてないんですね。だから、もう全然、何が結論即実行なんだという気がするんですが、政府姿勢が問われる、とても小さな問題だけれども政府姿勢が問われる大切な問題だと思いますので、明確に事情を教えてください。
  119. 小澤潔

    ○小澤国務大臣 先生のただいまの御指摘は、一月三十一日に当直体制をやるように指示をしまして、三十一日から当直を置くことに決めたところであります。
  120. 高市早苗

    高市委員 とにかく、あのときの質問は、電話してもテープしか出ないということで、私が電話しても当直の人すら電話に出てくださらなかったわけですから、早急に対処をお願いいたします。口だけで終わらないようにお願いしたいと思います。  それから、官房長官にもう二度お願いしたいのですが、二月九日の記者会見と十日の衆議院本会議村山総理は、総理の政治責任を追及する声に対して、重く厳しく受けとめるという表現を繰り返されました。まだ私、政界用論の解釈に精通してないものですから教えていただきたいのですが、この重く厳しく受けとめるという表現は、総理がみずからの政治責任を認められたものなんでしょうか。
  121. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 私は、総理の身近にいて、日常のお姿をよく見ておりますから、そういう立場で明確に申し上げておきたいと思うのですが、今度の地震災害の問題におきましても、十七日、この災害が発生以来、本当に心を砕いてこの問題に取り組んでおられまして、まあ見ていても総理の体が心配でならないほどの日々が続いたというふうに思っている次第であります。  今日の状況の中で、先ほど申しましたような多くの、我が国の防災体制に関するいわば制度疲労といいますか、こういうような問題等については全力を挙げてこれを改めて、今後こういう点に関しての対応についても最善を期していくようにしていかなければならない、そのことにしっかり取り組むことこそが私の責任だという気持ちで総理はまた頑張っておられるところでありまして、この前の御答弁もそういう趣旨でのお答えであったと伺っている次第であります。
  122. 高市早苗

    高市委員 一月二十二日の本会議で、村山総理が「私は、今回とってまいりました措置は、現状の情勢に照らして最善の策であったと確信を持って申し上げたいと存じます。」とおっしゃいまして、後日、最善の体制と訂正されたんですけれども、きのうの時点で記録部に問い合わせましたら、本会議の議事録も訂正されてないんですね。  それで、議事録を訂正せずに言葉で言い直せばそれでいいじゃないかというのは、私は国会のあしき慣例だと思います。やはり議事録を訂正していない限り、国権の最高機関たる国会、本会議での発言というのはそのまま生きていることになると思いますし、そうじゃないというんだったら、まさに国会軽視だと思います。国会改革の一環として、こういう慣例はもうおやめにしていただきたいですし、本気でまだ総理が最善の策だと思っていらっしゃるなら別ですけれども、そうでないんでしたら、議事録の訂正もお願いしたいと思います。これはお願いでございますので、お伝えください。  それから、政治責任ということにこだわるようですけれども、先ほどの御答弁で、実はよくわかりませんでした。一生懸命やっていらっしゃることも、健康が心配なぐらい心を砕いていらっしゃるということもわかったんですが、政治責任ということを、私は、政治の危機管理のあり方を考えるときに、あるべきリーダー像というのを押さえるのは物すごく大事な問題だと思うのですね。  官邸機能の見直しとか自衛隊法の改正とか、先ほどからシステムの問題を議論しましたし、これまでもシステムの問題が議論の対象となりがちでしたけれども、今の法律のもとで総理に与えられている権限をもってすれば、初動期において必要な手がかなり打てたんじゃないかと思ったり、総理の初動期の判断の甘さからいろいろな対応がおくれたんじゃないか瓦れきの下で救出を待っていた何千というとうとい命が失われていくことになったんじゃないか。そんなことも、もしほかの人が総理だったら、ほかのやり方があったら、いろいろなことを考えますと、システムを幾ら整備しても、その道具を迅速に使いこなせるリーダーでなければ、今後も日本の危機管理に大きな不安を残すということを感じるわけです。  今、余り村山内閣の政治責任ということを申し上げますと、すぐに地震を政争の具にしているんだというような誤解を受けやすいですし、野党の方でも、ある意味では自粛をしているというふうに思いますけれども、私たち国会議員には、与野党問わず、今後いつの時点でいかなる事態が起きても、国民の命と財産を守る体制を整える義務というのがあると思うのですよ。  もちろん、復興対策に私たち新進党の方も全面的に協力するということを明言しておりますし、よりよい対策のために、こういった委員会論戦を通じて各議員がアイデアを出して、明日の内閣としてもアイデアを出して、一生懸命やっているわけです。  しかし、災害というのはいつ起こるかわかりませんから、復興対策と危機管理システムの整備というのは同時進行で当然進まなければいけない。私は、その危機管理システムというものの重大な構成要件が、資質あるリーダーだと考えております。  そんな思いから、去る一月二十四日、村山総理が本会議で「最善の策」発言をした翌日ですが、有志で村山総理の辞職を求めまして、四十三名の議員の署名もお渡ししました。  これに対しまして、一月二十六日の予算委員会で、与党筆頭理事の深谷先生が、こんな災害発生の重大な時局に総理大臣を辞職させて一体何をしようというのか、いたずらに混乱を起こし、対策をおくらせるだけではないかと思う、私は強く反省することを野党の皆さんに申し上げたいと思うと、我々の行動を批判されました。  深谷理事の御発言は、人命救助対応のおくれを「最善の策」とした村山総理認識の甘さと無責任な姿勢を認めるものであり、また、今後の危機管理体制整備の足を引っ張る、私は非常に不謹慎な発言だったと感じました。我々が強い反省を求められるいわれはないということを、この場をおかりして申し上げておきたいと思います。  とにかく、村山政権下でもう一度同様の災害が起こらないという保証は全くないわけでございますから、閣僚の皆様にも政治的責任という考え方、これは別に倒閣運動でも何でもない、政治的責任という考え方を御認識いただいて、国民が安心して暮らせる国をつくっていただきたい、そのように思います。  あと、私の時間もわずかになりましたけれども、外務大臣にお願いいたします。  自民党総裁としての外務大臣の御意見を伺いたいんですが、行政改革について、一月十四日に森幹事長が石川県で講演をされましたときに、国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁を一緒に建設省にまとめることを考えてもいいと思うと、行政改革に対する見解を示されたんですが、総裁はどうお考えなんでしょうか。
  123. 河野洋平

    ○河野国務大臣 我が党内には、行政改革についてさまざまな意見がございます。森さんは森さんとして、そうした考え方の一端を述べられたのだと思います。我が党内で正式、公式に党としてそうした見解を定めているわけではございません。  しかし、国会議員がさまざまな場所で行政改革についていろいろな意見を述べるということは、これはまたそうしたことをしてはいけないというものでもないと思います。一つの意見というふうにお聞き取りをいただけばそれでいいのではないかと思います。
  124. 高市早苗

    高市委員 さまざまな意見があるということなんですが、国土庁長官は昨日の建設委員会で、森幹事長の御意見には反対だという御意向を示されたんですけれども、きのうの本会議村山総理、それから武村大蔵大臣の御答弁を伺っていますと、かなり行政改革では第一段階として相当な効果があったというような感じで自画自賛されているように思ったんですけれども、こういった、国土庁と建設省をまとめるかどうかというかなり大きな枠の問題に関しても、与党内でまだまだ大きな意見の食い違いがあるという段階なんでしょうか。与党第一党としてどう対処していかれるのか、お願いします。
  125. 河野洋平

    ○河野国務大臣 行政改革は、不断の議論が必要だと思います。我々は、我々が二月十日を目指してやってきた行政改革特殊法人整理統合について一つの作業を終えたわけでございまして、それはそれで、私も、各省が大変な努力をなさったと評価をしておりますけれども、と同時に、行政改革は、いつでも、いつまでも不断の努力をし続けていくべきものだというふうに思います。  したがって、将来にわたってさまざまな議論というものがあっていいと思いますし、それについて賛成とおっしゃる方もあるでしょう、反対とおっしゃる方もあるでしょう、それはそれぞれの考え方、それぞれの主張があっていいのだと思います。やがて我が党は、意見をまとめるべきときにはきちっとまとめて実行をするということになろうかと思います。
  126. 高市早苗

    高市委員 どうもありがとうございます。  もうあと一問ぐらいの時間になりましたので、最後に建設大臣にお願いをしたいと思います。  昨日、建設委員会におきまして、建設省の方々に大ざっぱな見解は伺ったのですけれども、今回の震災でいろいろ公共施設が破損したということで、恐らくこれから利用者の安全第一に設計、施工の基準を設定して、見直していこうというようなことなのだろうと思います。  きのうの御答弁では、既に三月を目標に新しい基準の中間報告程度は各省つくられるおつもりなのでしょうけれども、最終的な見直し時期、これは事務サイドでわからないということでしたので、ここで大臣のリーダーシップと強い意思にこれはかかってくると思います。  つまり、阪神地区で本格的な復興が始まる前に基準ができれば非常にこれは効率的なわけでございますので、大臣としていつまでにこの安全基準見直しの最終的な結論を出すおつもりなのか、目標とされている時期。それから、この時期によりましては、これはもう地方の行政当局でかなり不安の声が出ているのですけれども、もう既に実施計画に入っているもの、来年度の予算案に上がっているようなものに関して、発注がずれ込んだり、計画そのものが改定されたり、コストアップによって一部事業の圧縮があったりというようなことなのじゃないかという懸念の声がございます。  事務方の御答弁では、基準が変わってもそれほどのコストアップにはならないだろうし、十分な配慮もするということだったのですが、ある程度コストアップがありましたら、各県決まった予算の中ですることですから、当然影響は出ると思いますので、一つは時期と、それから具体的にどのような配慮をもってこの事業のずれ込みを防いていくのか、コストアップについての見通し等、簡単にお願いいたします。
  127. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 お答えいたします。  お話があったとおりに、道路橋あるいは橋梁あるいは下水道その他もろもろの大損害が起きておるというのが現実です。したがいまして、事は極めて重大でありますので、それぞれの委員会をつくりまして、学識経験者の皆さん方に熱心に、現地調査から討論会、こういう格好で作業を進めていただいております。  過去二回やってまいりました。もう結論出ませんかというお話をしておりますけれども、まだ深く検討していかなければならぬ点が諸点ある。したがって、我々も来年度、四月一日からは具体的な作業に入るというような状況でございますので、急いで申しわけございませんが、三月いっぱいに一つの方針というものを出していただけないでしょうかということをお願いをしております。  しかし、学界の皆さん方は非常に慎重な方が多いわけですから、簡単に出るかどうかわかりませんが、何とかして中間報告だけは出したい、こういうようなお話でございますので、十分参考にしてそれぞれの対応をしてまいりたいと思います。  もし基準見直しで、コストが高くかかるということもあろうと思います。そのことも私たちは承知をしておりまして、前々から先生方からお話がありましたように、また先ほど御質問がございましたが、公共工事の建設費の縮減に関する行動計画というものをつくりまして、外国を全部歩いてまいりました。したがって、規制緩和も含めて、コストを下げていくような方向というものを進めていきたい。したがって、官民一体でこれは研究をしながら努力をして、御期待に沿うようにしなければならぬ、そういうふうに考えております。
  128. 高市早苗

    高市委員 どうも長時間にわたりましてありがとうございました。
  129. 佐藤観樹

    佐藤委員長 この際、中田宏君から関連質疑の申し出があります。高市君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中田宏君。
  130. 中田宏

    中田委員 それでは、時間も短いので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。  阪神大震災は、近代の都市において直下型の地震ということでありますから、これは我が国がこれまでのところ初めて経験をする災害であったというふうに思うわけです。  地震そのものは天災であるわけですけれども、一方で、これは我々政治、行政全体の問題として、災害対策が万全ではなかった、これはもう全員が認識をしていることでありますし、また同時に、その災害対策が万全ではなかった中において、初動のおくれなど、こういったことも当然あるわけでありますから、そういう意味でいくと、これは単なる天災ということだけでなく、既にきのうの時点で五千三百名の死者が出ていることを考えると、ある意味では人災である、これは否めないことだというふうに思うわけであります。  そこで、起こってしまった地震に対しまして、私は、まず急いでいく今後の復旧策、とりわけ住宅の問題に関して、それから今後の災害対策のあり方を考える上で、自衛隊と自治体との協力のあり方などについて、大別するとこの二つについてお尋ねをさせていただきたいというふうに思っています。  それでは、まず今後の対策を考える上での復旧、復興策の部分の住宅の問題であります。  私は、先週大蔵委員会におきましても、武村大蔵大臣にこの件はお伺いをさせていただいた部分であります。実際に十年、二十年という住宅ローンを抱えて、そして家を失ってしまっている方、実は私も知人で一人いるわけでありますけれども、本当に今絶望感に浸っているわけであります。  既に住宅金融公庫の融資に関しましては優遇措置がとられているわけであります。金利が最大で一・五%引き下げられる、そして三年間は元利とも据え置きという措置がとられているわけであります。今建設省、新たにさらなる体制というものを整えているかにお聞きをしておりますが、この実施ぐあいというのは今後どういうスケジュールで進んでいくのか、内容の充実も含めて、まずちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
  131. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 中田委員にお答えをいたします。  被災に遣われて、御心痛のほど、よくわかります。したがって、被災者の皆さん方の御期待に沿うようにどうやるか。総理から、でき得るだけはすべてをやれということでありますから、今お話のありましたように、据置期間を九十日間、あるいは三%の利息ということでございますと、それでもやっぱり被災者は大変だ。したがいまして、私はこの予算委員会で据置期間は五年間というようなことを、思いがあったものですから、本当に言ってしまって、後で訂正をしました。  したがって、今大蔵省等の、あるいは住宅金融公庫と話をして、立ち上がるまでにはやっぱり三年間では無理じゃないか、だから五年間程度は必要じゃないかということで、大筋そういう姿で合意しておりますが、災害の場合に三%以下というのはないものですから、いろいろと相談をして、助成策その他を考えながら、被災者の皆さん方のでき得る限りの応援をして、安定した生活を営むことができるような方途というものを現在考えながら、最終的には十七日ごろ、あさってごろ一つの結論が出るのではなかろうか、こういうふうに思っております。
  132. 中田宏

    中田委員 といいますと、十七日ごろにはさらに優遇した支援策というものができるということでございますね。
  133. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 前進した措置ができるだろうと思っております。
  134. 中田宏

    中田委員 それはぜひやっていただきたいわけでありますけれども、先般も大蔵委員会で一度私がモデルを出させていただきました。  借入総額が一千五百万円で金利が五%、借入期間が二十年間、そして残っている返済期間が十年、すなわち十年はもう既に返済をして、残り十年残っている。こういう方でありますと、現在の元金残高が九百三十三万円ということになっています。その方の月額の返済額というのは、これまで九万八千九百九十三円ということになっているのですね。  これを今既に優遇措置で行われている金利でもう一度やっていきますと、当初三年間は据え置きですから、そして三年目以降はどうなるかというと、十万七千百五十七円という金額で返済をしていかなければいけない。これは当然かもしれませんけれども、月額はふえるわけでありますね。  そこにもう一軒家を建てなければいかぬという現実が出てくるわけでありますから、これは確かにそれが最大できる、今行われている最善なのかもしれないけれども、しかし、実際に被災に遣われている方々からすると、全く絶望感が消えないわけであります。人生、一生一回しかないわけでありますけれども、二回分の家のローンを払えという形になる。これはもう、私が実際その立場の人間だったらぞっとするわけでありますね。  じゃ、建設省が今度仮に五年間元利とも据え置いて、そして金利を基本的には三%まで引き下げるという形でやった場合でも十一万六百五十六円ということですから、これも九万八千九百九十三円から比べると、今よりもまたさらに、五年間分がありますからふえる、毎月の返済額がふえてしまうわけであります。そこにもう一軒家を建てるということになると、これでは、とりあえず今財政面はおいておきますが、不十分だと思うのですね。よし、もう一回元気出して頑張っていこうという、やる気になっていくのかどうか。これでは不十分だと思うのですが、この点についてまずお願いをしたいと思います。
  135. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 御指摘の点はもっともだと思っております。したがって、法律を改正をして、三年間を五年間にして、十年間あると、数字を示されましたけれども、直ちにそれに反応することはできませんが、三%という金も、相当金額であれば大変だ。これについては地方の自治体とも御相談をして、できるだけ、金利の低下ということはできないということになれば、助成金というような姿ということを考えていかなきゃならぬのではなかろうかということを鋭意折衝しておるところでございます。そして、その五年間延べた後の、二十年間、あるいは先生がおっしゃったように十年間に薄く広く延ばしていこう、そういうことを考えていこう、こういうことを考えております。  さらにお話がありましたのは、新たに建てた場合は一体どうなるんだということでありますから、新たな場合については、何といいますか、三%という災害もあるし、そして、これだけのお借りをしていただくというのは、金額も千九十万ということでしたけれども、もっとずっと引き上げて、ある程度の期間というものを考えながらやっていけばできるんではなかろうか。いわゆる立ち上がりのための希望というものをつくるように、千九十万を一千万程度ふやしていく、そういうふうなことを具体的に検討しながら、被災者の皆さん方の希望といいますか、夢といいますか、困難ではありましょうけれども、立ち上がるという方途というものを今考えて、提案をしたいと考えておるところでございます。
  136. 中田宏

    中田委員 中小企業の支援策、こういうことで考えると、国の貸付金利を二・五%まで引き下げて、それでさらに兵庫県、神戸市が利子補給を行っていく、ですから実質無利子で融資を実行していける、そういう形で今整いつつあるようであります。これは企業ももちろん大事なんですけれども、本当に被災者の人たち、一番、多数の被災者の人たちが抱えている問題で、かつこの方たちにとってみれば、当然高速道路やあるいは新幹線の復旧というのも大事な問題だけれども、実は、自分の家という生活をしていく基礎ができないと被災というのは終わらないと思うのですね。  中小企業に関してはこういうような実質無利子ということができそうなんですけれども、個人の場合、もう少しこれはやっていかないと、いつまでたっても個人の人たちが元気になっていかない、活力が出てこないということでありますから、ここにはもう一段、建設大臣、ぜひ要望をさせていただきたいと思います。
  137. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 御指摘の点については十分留意しなければならぬと考えております。今のところは三%を、先生からお話があったのは二・五ということですが、さらに掘り下げていかなければ、財投の金利も〇・一%下がったわけですから、それらの中身というものも十分検討して、被災者であるという現実、立ち上がるという資金、そして、安定した生活ということを我々としても中小零細企業の皆さん方以上に考えていかなければならぬ、こういうことを考えて、現在鋭意折衝し、検討し、あるいは地方自治体ともそれらについてはいかまで、どの程度までいくかということについて協議をしておるところでございまして、先生の御指摘の点については重く受けとめておるということははっきり申し上げておきたいと思います。
  138. 中田宏

    中田委員 ぜひお願いをしたいのですが、先般大蔵委員会で私がひとつぜひ大蔵省の方でも御検討をお願いをしたいと言った件でございます。こういうことが可能かどうか大蔵省の中でぜひ検討してほしいというふうに私は提案をさせていただいた件でありますけれども、一度特別融資の何か策を設けて、そして一たん、例えば住宅ローンに関して全額返済をする、そうすると、利子分を浮かせて、返済というものを後々楽にしていこうというようなアイデアを実現できないかどうか。  例えば、この間も御提示をさせていただきましたが、一千五百万円借りていて、金利五%、借り入れ二十年間、残っている期間が十年間ということになると、先ほどのプランと同じですから、月額返済九万八千円、これを仮に一%の金利で一度借りて、全額借りて返済をする、そしてその後、毎月毎月返済をし直していくと八万二千三百五十五円に減らすことができるのですね。  同じモデルで、残っている返済期間が仮に今度は十五年と少し長目に設定をすると七万五千円、先ほど申し上げたように、現在までは九万八千九百九十三円で返済をしている方が七万五千二百八十九円になるわけですから、約二万五千円くらい減らすことができる。  こういった策をぜひ研究をしてやってくださいということを大蔵大臣要請をさせていただきまして、前向きは言わなかったですか本当にひとつ検討してみようというふうに言っていただいたわけですが、その後どうなっているか、大蔵大臣にお願いをしたいと思います。
  139. 武村正義

    武村国務大臣 被災地のローンを借りておられる方々、ローンを返済しながらなお頑張って新しい家を新築しようとされている方々のお気持ちに立って、中田議員が真剣に勉強されながら御質問をいただいているわけであります。敬意を表します。  いろいろな仮定で、要するに既往債務については利子を下げてあげることができないかという思いでいろいろ計算なさったお話、今も伺いました。今建設大臣からお話がありましたのは、建設省と私どもも必死で今最後の条件を詰めておりますが、大臣、大変正直でございますからどんどんその状況を漏らしていただいている。大体そのとおりでございますが、かなり意欲的に建設大臣のリーダーシップで事が運んでいるわけでありまして、やはり民間もたくさんローンといいますか住宅ローンを貸しているわけですね、それとのバランスとか他の政策金融とのバランスとか、その辺も考えて、それでもぎりぎりどこまで詰められるかというところで今判断をしているところでございます。
  140. 中田宏

    中田委員 建設大臣はいかがでございますか。
  141. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 いろいろお考えになっておることと余り変わらないことを考えておるわけですけれども、現在の法制下でどうするか。例えば私どもとしては、返済期間を延ばすかという問題もありましょうし、どのように利息というものを下げられるか、その場合、できなかった場合は助成金でいけるのかというようなことを、あらゆる角度から検討しております。  あるいは、お入りになっておる方に公共・公営住宅というものに二、三年入っていただいて、そしてその間に自分の胸算用といいますか、そういうものを検討していただいて、これから私どもは、今は仮設住宅を建てておりますけれども公団に命じまして六甲山の裏側に恒久住宅を建てて、それに入ってもらう、入ってもらうというのは、いわゆる買ってもらう、土地つき住宅という、建て売りのように、そういう格好で並行してどちらでも選択できるような方途も考えていかなければならぬというような趣旨で作業も始まっておるわけでございます。  そういう点については、先生のお話もよく聞きましたので、大蔵省とも十分詰めて話し合いを進めてまいりたいと思っております。  以上です。
  142. 中田宏

    中田委員 せひお願いをしたいと思うのですが、ちょっと時間の関係もありますので、もう一方の方の質問をさせていただきたいと思います。  それは、先ほども申し上げましたように、自衛隊と自治体との協力のあり方ということを考えさせていただきたいのですが、今後の災害対策を考えていく上で、自衛隊と各自治体が日ごろより緊密に連絡をとって災害対策に当たっていく、これは非常に重要なことであります。  ここ数日の間に、「大震災地誌 京阪神編」というA4版の約四百ページにもわたる調査書がクローズアップをされてきました。現物、これでございますけれども、本当に四百ページにもわたって、実に綿密に、もう地形から気象から避難所から、全部がここに出ているわけであります。「京阪神編」というふうに書いてありますが、正式には陸上幕僚監部というふうに書いてあります。これは、きょう防衛庁からお借りをしたものでございます。  この中には、道路や電気、ガス、そういった都市機能を綿密に調べてありますし、そして、何よりも今回非常に具体的なのは、阪神地区や京都地区の二編に分けて、具体的な地震を想定をして、この具体的な地震というのは、紀伊半島沖にマグニチュード八、震度が五から六の海洋性地震という具体的な地震を想定をして、そのシミュレーションまで行っているわけであります。  まずお聞きをしたいのは、私は、これは防衛庁として、自衛隊として本当に一生懸命やってくださったたまものだと思うわけでありますけれども、ほとんどこれまで注目をされてこなかった、これだけのもの、二年間かかっているのだそうであります、これをつくるのに。これが自衛隊、防衛庁内でどういう位置づけになっているのか、まずそれをお聞きをしたいと思います。
  143. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 御指摘の地誌は、陸上幕僚監部が平成六年三月、部内における地震災害に磯する研究、災害派遣に関する検討の際の基礎資料として作成したものでありまして、部隊の行動についての計画を定めたものではありません。  その概要について申し上げれば、阪神地区及び京都地区の地形、地質、気象、海象、建造物、道路、鉄道、電力、ガス等の現況及び地震発生時の被害見積もり、防災組織体制等について、関係する地方自治体、国の機関、公益事業者等の作成した防災計画、統計資料、調査研究等の資料をもとに取りまとめたものであります。
  144. 中田宏

    中田委員 としますと、とにかくこれは私は大変にすばらしいものだと思っておるわけですけれども、これは各方面隊が独自にやったのか、それとも、指揮のもとに、こういった災害マニュアルというものを整備をしていくべきだという庁の方針に基づいてやっているのか、そこのところはいかがでございますか。
  145. 村田直昭

    ○村田(直)政府委員 お答えいたします。  当該資料は、先ほど大臣からもお答えしましたように、陸上幕僚監部として、災害派遣というような事態も考えられるわけでございますから、そういうものとして各方面総監部に指示をして作成を命じておるというものでございます。
  146. 中田宏

    中田委員 そうしますと、これは京阪神編だけでなく、五つの方面隊全部にこのような充実した資料というのはもう既にでき上がっているわけでございますか。
  147. 村田直昭

    ○村田(直)政府委員 これは、京阪神編のほかに東海編、これは平成二年の七月に作成しております。それから、南関東編、平成四年の五月に、中京編、平成五年の三月に作成をしております。そういうようなものが四編ございます。東海編については、今後さらに改定をしていく予定でございます。  それから、ちなみに御報告しておきますと、これは関係の自治体等に配付をして御参考にしていただくようにしており、もともと資料源についても、いろいろな自治体でつくった防災計画とかそういうものから集大成したものでございます。で、自治体に配付をして参考にしていただいておるというものでございます。
  148. 中田宏

    中田委員 ということは、ある意味では自衛隊内の内部の資料である、それをさらに親切でもって各自治体に参考資料としてお渡ししたという位置づけでございますか。
  149. 村田直昭

    ○村田(直)政府委員 さようでございます。  同時に、これは内部の資料といいましても、それぞれの資料源というのは、それぞれの自治体でもともとつくったものを集大成したという性格のものでございまして、特に秘にわたるというような性質のものではないわけでございます。
  150. 中田宏

    中田委員 再度繰り返しますが、本当にこれは立派な内容になっておるというふうに先ほど見させていただきましたし、また、この地誌の大きなメリットは、しっかりとしたシミュレーションが行われている。ですから、例えば長山地区、今火災で本当に悲惨な状況で、私も行ってきましたが、そういう状況でした。ここに関しても、もう既に全焼地域であるという、そういったシミュレーションも行われているわけですね。  ですから、これは各自治体が、どうも調べてみますと、大阪、兵庫、神戸市、それぞれの自治体がなかなか重く受けとめてないで、そしてまた自衛隊との訓練その他に役立てていないというのが残念で仕方がないわけであります。  まだこれはできて間もないわけでありますけれども、今後ぜひ、これは自衛隊の力の大きさ、役割の大きさというものを我々国民全員が認識を今回しているわけでありますから、役立てていかなければいけない。今までのところどうもそこの部分が役立っていないように思うのですが、自治大臣に、そこのところ、各自治体がどういった形でこれを受けとめられておられたのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
  151. 野中広務

    ○野中国務大臣 委員御承知のように、災害対策基本法におきましては、その十五条におきまして、当該地域の防災計画の作成を行います場合には、都道府県の防災会議委員として、陸上自衛隊の方面総監またはその指名する部隊の長を充てることといたしております。また、その三十五条におきましては、自衛隊の災害派遣の効率化に関する事項が定められておるところでございます。したがいまして、地域防災計画上、自衛隊の派遣要請については調整が図られておるところでございます。  今後とも、今回の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、自衛隊との合同訓練の実施等、地域防災計画の的確な運用を地方公共固体で行われるよう指導してまいりたいと存ずる次第でありますが、委員が今お示しの資料につきまして、防衛庁において、そんな公費でつくられたということは私は承知をいたしておりません。
  152. 中田宏

    中田委員 自治大臣にぜひお願いをしたいのは、もう各地においていつこのような災害が起きても対応できるように、各自治体との自衛隊の訓練の計画、こういったものを各自治体にぜひ御指示をいただきたいというふうに思うわけであります。  新聞等の調査でありますと、これは産経新聞の十二日のアンケートですと、四十七都道府県のうち三都道府県四政令指定都市がまだ自衛隊との共同した防災訓練などを毎年きちっと行っておらぬということでございます。そういう意味においては、これはしっかりとやっていかないとこういうような事態がまた出てきてしまうというふうに思うわけであります。  この部分、それぞれの自治体、濃淡あるでしょうけれども、自衛隊との連携、今後充実をしていくために、現状の認識と、それから今後これに対する連携の強化についての御見解をお伺いをしたいと思います。
  153. 野中広務

    ○野中国務大臣 今後、防災の日を中心といたしまして行います防災訓練につきましては、消防、警察初め自衛隊あるいはライフライン事業者等関係機関の多岐にわたる皆さんの御参加をいただきまして、自衛隊の参加ももちろんのことでございますが、今回の地震被害の教訓を踏まえまして訓練のあり方を再検討してまいりたいと考えております。
  154. 中田宏

    中田委員 今度は防衛庁長官に、ぜひ今度は自治体側との自衛隊側としての災害に対する対応、より充実した対応ということをお願いしたいわけですが、これについて今後のことをお願いしたいと思います。
  155. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 お説のとおり、このような大震災に当たるに当たりましては、地方自治体との連携を強化してふだんからの訓練も十分やっておくということが大事だ、こう思うわけでございます。  今回の場合におきましては、阪神、関西の地域におきましては、各県の地域防災計画はあったようでありますけれども、全体としての震災を想定したものはなかった、こういう点が指摘されなければならぬと思うわけでございます。そういう日本全国が、各都道府県を超えて、地域ごとに大きな震災が来るものと想定をして計画を立て、それに向かっての共同訓練を行いながら万全を期すべきである、このように考えます。
  156. 中田宏

    中田委員 先ほど申し上げた質問のまず第一点目は住宅、これはもう本当に今地震が起こってしまって、そして困っている皆さんに対して、今してさしあげられること、何よりも寝てそして安らぎ食事をする、そういう場所がきちっとないというのが、これは大震災のつめ跡として被災された御本人たちにいつまでも残るわけでありますから、まずこれについて建設大臣初め皆さんにぜひ最善を尽くしていただきたい。  そして、今後のことを考えると、この震災に対する、災害に対するきちっとした国の対応、政治、行政の対応ということでアメリカのFEMA、こういったことが昨今事例でよく出されていますけれども、そういう中においてはこのような地誌、ぜひ大いに役立てていただいて、きちっと対応していただきたいというふうに要望をさせていただきたいと思います。  持ち時間が大体この辺で終了しますので、以上で質問を終わらせていただきます。
  157. 佐藤観樹

    佐藤委員長 午後二時より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時三分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十三分開議
  158. 佐藤観樹

    佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、御報告申し上げます。  去る二月七日の本委員会において、予算の実施状況に閲する性の調査に関し、東京共同銀行問題について、議長を経由して、大蔵大臣並びに東京都知事に対し、期限を二月十五日までとして記録の提出を求めました。  本件につきましては、本日、それぞれから回答が提出されましたので、御報告いたします。  質疑を続行いたします。佐藤茂樹君。
  159. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 新進党の佐藤茂樹でございます。  私も、今回の阪神・淡路大震災に際しましては、大阪に住んでおりまして兵庫ほどではございませんでしたけれども、五時四十六分の段階で、本当に突き上げるような第一撃と、その後四十秒ぐらいの横揺れを経験したわけでございます。その後、兵庫の地が大変な被害になっているということを目の当たりにいたしまして、若さに任せまして、同じ関西の一員として何度か救援物資を持って、もう国会議員とかそういうことは関係なしにボランティアとして現地に何度か行かせていただきました。そして、その惨状を目の当たりにし、被災者の方々からいろいろな御意見また御要望を承りました。  その経験を踏まえ、また先週には全く違う角度から、地方分権特別委員会におきまして、今まで災害に遣われました首長さんの代表である島原市長さん、また釧路市長さん、そして奥尻町長さんの三人の方から貴重な御意見を拝聴いたしました。そういうものを踏まえましてこれから質問をさせていただきたいと思います。  今、政府を初め行政の方々もほとんど不眠不休で、きめ細かな施策に本当に一生懸命手を入れておられるところでございますけれども、なおかつ、現地の方々の声を聞きますと、まだまだやはり対応が遅いという、そういう率直な御意見も行くたびに聞かせていただくわけでございます。  そういう中で、先週の土曜日でございますけれども帰っできますと、ある新聞が目につきました。そこできょうは最初に、災害弱者対策に対してさらにどういう手を打っていこうとされているのか、まずお聞きしたいと思います。  避難者の生活ぶりというのは、多分、大臣も避難所に行かれて、想像以上に過酷なものがあるということは目の当たりにされてきたと思うのですけれども、もう既にあと二日で一月という長期化する避難生活の中で、最初は元気なお年寄り等も非常に弱ってきて、お亡くなりになるお年寄りが非常に相次いできているわけでございます。ある意味では、いろいろな手を当初打たれたわけでございますけれども、そういう手が及ばずして、人命にまで及んでいるというケースがふえてまいりました。  これは二月十一日の読売新聞の記事でございますけれども、「被災者二十七人死亡」「疲労で持病悪化」。内容を見ますと、「地震後二日で八十九歳の男性が亡くなり、その後一週間の間に三人、二週間目までに十二人、以後今月六日までに十一人が亡くなった。」これは本当にゆゆしき大事でございまして、第一撃の、例えば天井が落ちてきたとか家具の下敷きになったということで即死をされた方々に対しては、まことに申しわけない限りですけれどもこれは第一次災害で亡くなられたとしか言いようがないのですけれども、その後本当にこの約一カ月の間に、そうではなくて二十七人の方々が続々と亡くなられているということに対しては、やはり何らかの手を打たなければいけないのではないか。これを調べた兵庫県監察医事務所では、「手を打たないと同様のケースが増える恐れがある」、そういうように警告にも似たような談話を出しているわけですね。  まさにこういう長引く避難生活の中で衰退される方々、また心のケアが行き届かなくてストレスがたまっていかれるような方々に対して、緊急に、これからなお第二、第三の犠牲者を出さないためにどういう手を行政として打とうとされているのかまず厚生大臣にお聞きしたいと思います。
  160. 井出正一

    ○井出国務大臣 お答えいたします。  先生御みずから現地でボランティアとしての御活動をしてくださいまして、本当に御苦労さまでございました。  避難所において生活している方々の医療の確保は急務でございます。したがいまして、これまで、医師、看護婦の常駐する避難所救護センターの設置を進め、千人以上の避難所にはすべて設置するなど、現在百五十一カ所に避難所救護センターは設置されております。また、設置されていない避難所につきましては、医師や看護婦さんによる巡回診療体制を設けて対応をしているところでございます。  さらに、兵庫県内の二十カ所の保健所を拠点として、保健婦による母子、老人等を対象とする巡回健康相談も実施してございますなど、体制整備に取り組んできたところでございます。  このような体制のもとで、兵庫県の調査によりますと、一月二十四日以降避難所救護センターや巡回診療で治療を受けた方は、二月十二日現在延べ一万二千六百二十九名おります。うち風邪の方が六千六百四十五名、肺炎が十九名、そのうち六十五歳以上の高齢者の方が十三名等となっておりまして、入院、治療が必要と判断される方につきましては病院へ移送されているとの報告を受けております。  一方、監察医が検案した死亡者数でございますが、先生御指摘の読売新聞の二十七名ですか、ちょっと私どもの受けている報告と違うのでございますが、私ども、一月十八日から二月十日までの間で兵庫県監察医務室が検案した死亡者数は四十七人でございまして、うち避難所が居住場所とされていた方は十三人と承知しております。  また、特に高齢者等については、避難所救護センターや巡回診療による対応に加えまして、パトロール隊の巡回により要保護者の発見に努めるとともに、要保護者を発見した場合の対応マニュアルを定め、必要に応じ福祉関係機関への連絡を行っておりまして、これまで、こうした取り組みによるものも含めまして既に二千人を超える方々が特別養護老人ホームなどの施設に緊急入所されておりますほか、地域により避難所にホームヘルパーを派遣しているところもございます。  しかしながら、まさにもう一月に相なろうとしておりまして、今後とも避難所生活が続かざるを得ないわけでございますから、避難所等における被災者の方々に対する適切な医療の確保、さらには衛生状況とかあるいは栄養価、あるいはおいしい食事なんかももちろん提供しなくちゃならぬと思いますが、そういった医療の確保と援助を必要とする高齢者等、特に弱い方々の把握やきめ細かな対応に全力を挙げて取り組んでまいりたい、こう考えておるところであります。
  161. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 四十七人ということで、新聞記事よりもさらに多い人数をつかんでおられるわけでございまして、確かに、今大臣答弁のように御努力されていることはわかるのですけれども、事は人命にかかわる問題でございますので、さらに力を入れてやっていただきたい。  そこで、厚生省の方としても非常に努力をしていただいている部分としては、例えば民間のホテルとか旅館とか民宿を借り上げられるとか、また公営住宅にそういう障害者とか弱っている御老人に優先的に入っていただくというようなことを決められたそうなんです。  しかし問題は、地元の行政がなかなか、もう壊滅的な打撃を受けておりまして、例えば神戸市の場合ですと、まあこれは大体の数なんですけれども、被災前につかんでいた寝たきりのお年寄りというのが約三千人、そのうち既に七百人は保護したけれども、残りの方がどうなっているかわからない。また、被災前に二万人のひとり暮らしの御老人がおられた、それもどうなっているかわからない。また、三千人いると言われている痴呆症のそういうお年寄りというものも実態を何とか把握して、第二、第三の犠牲者が出ないように、優先的にそういう人たちを本当に行政の側で掌握して、せっかくそういうすばらしい方針を決められたわけですから、手を打っていかなければいけないと思うのですけれども、その辺の実態把握について現状がどうなっているのか、またどういうように強化されていくおつもりなのか、厚生大臣にお聞きしたいと思います。
  162. 井出正一

    ○井出国務大臣 お答えをいたします。  被災地の高齢者のうち、寝たきりや痴呆により介護が必要なため施設への入所が必要な方についてでございますが、兵庫県内外の施設へ緊急に受け入れを行っております。先生今挙げられた数字は、大体、神戸市が老人福祉計画を策定されたときの数字だと承知しておりますが、神戸市からは、二月八日までに千名を超える高齢者の方が緊急入所をされております。  このような援護が必要な方の把握につきましては、避難所をパトロール隊が巡回する中で、あわせてその近隣に住んでいる方も含めて援護を必要とする方の把握に努めているところでございます。  ただ、神戸市は、御案内のような大変な災害なものですから若干おくれていたことは事実であります。神戸市が、要援護者の緊急対策を実施するためさらに詳細な状況を把握することを目的といたしまして、一昨日、二月十三日から福祉事務所の職員あるいはホームヘルパー、保健婦、保母によるチームが、民生委員や児童委員の方々の協力も得ながら、今、全市の避難所やあるいは在宅の要援護者の実態調査を行っておるところでございます。  また、高齢者や障害者などの方々につきましては、応急仮設住宅への優先入居も実施しておりますが、そのほか、今先生お触れになりました、旅館やホテルなどを借り上げまして高齢者等の避難所として優先的に入所をしていただく。二月十三日までに百九十三世帯、四百六十三人の方がこれらの旅館やホテルに入られて利用しているところでございます。  今後とも、援助を必要とする高齢者等の状況やニーズの把握と、さらにきめ細かなサービス提供の支援に全力を挙げてまいりたいと考えております。
  163. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 ぜひ早急にさらに強化して手を打っていただきたいと思うのですが、この震災を通して一つ私たち政治家も盲点をつかれたなと思われる部分がございます。  それは、今度の災害で施設や有料老人ホームに住んでいるお年寄りの死者というのはゼロなんですね。ところが、在宅老人の死者はもう推定でも二千数百人に上る。死者の大体半分ぐらい占めているのじゃないかそういうように言われているわけでございまして、今までゴールドプランとか、また昨年の十二月に発表された新ゴールドプランで、大体の大きな方向としては在宅福祉を一段と進めていく、そういう方向で我々政治家も、また政府の方も考えていたわけでございますけれども、しかし、このゴールドプランとか新ゴールドプランというのは、災害のような非常時を想定していない平時の計画なんですね。  これからどんどんどんどん各自治体とも条例でも当然そういうものを進めていくと思うのですけれども、在宅福祉を進めていく中で、ふえていくこの在宅老人に、どういう危機管理といいますか、災害が起きても大丈夫だという手を打っていくのかということが、今まで盲点になっていたのですけれども、これから本当に大事になってくるのではないかな、そういう気がするわけです。  例えば、住宅を少々金かけても独化するとか、これで第一撃を何とか支えて、あと、避難をしっかりとやってもらうために近所の町内会なんかの組織をもっと強くするとか、また避難経路をあらかじめ明確に御老人たちに示してあげるとか、いろいろな対策が考えられると思うのですけれども、そういうこれから在宅老人がふえていく中での危機管理について、何か御所見がございましたらお聞きしたいと思います。
  164. 井出正一

    ○井出国務大臣 今回お亡くなりになられた五千数百名の方のうち高齢者の割合が大変高かったということは、私どもにとりましても大変ショックでございましたし、また、先生今お述べになられましたような、まさに高齢化社会に対応した施策をより以上考えていかなくちゃならぬ、こう痛感をしておるところでございます。  特に、災害の場合におきましては、身体機能の弱まっている高齢者や障害者等の安全と福祉を確保することは極めて重要な課題であると認識をしておるところでございます。例えば福祉サービスを利用されている在宅の高齢者等につきましては、在宅介護支援センターや福祉事務所等において日ごろからその状況を把握しておるわけでございます。そして、そういうことがきちっとされているところは、今回の震災においても迅速な実態把握や福祉サービスの提供に大変役に立ったということを聞いております。  今後とも、今回のこの震災を教訓としつつ、すべての要援護高齢者をカバーできるよう在宅介護支援センターの整備等の施策を推進し、日ごろからこうした方の状況の把握をより一構きちっと行うとともに、被災時にこの情報がきちっと活用できる体制を整備していかなくちゃならぬ、こう考えておるところでございます。  さらに、防災計画の見直しもしなくちゃならぬと思いますが、その検討に当たっては、災害等の緊急時においても高齢者や障害者に対する必要な配慮が行われるような見直しをしていきたい、こう考えておるところであります。
  165. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 ぜひ、危険な在宅福祉政策ではなくて安全な在宅福祉政策というものをきちっと考慮して進めていただきたい、そのように思います。  もう一点でございますが、いろいろ避難所に行かせてもらうと、被災者同士の間でいろいろなもう既に情報交換が始まっておりまして、今話題になっている一つに、やはり毎日支給される食事の格差があるということをいろいろな避難所でお聞きするわけでございます。民間のボランティアの方々が急逝持ってこられる分についての差があることは、これはもう仕方がないわけですね。例えば、マスコミによく映されている避難所なんかにはどっと物が入ってきたりとか、そういうことはあるのですけれども行政側の対応に差があり過ぎるという点についてはやはり是正すべきではないかな、そのように考えるわけです。  災害救助法の施行細則では、一日一人当たり八百五十円以内の配給におさめてもらいたい、それは全額国が支給します、そういうことになっているのですけれども、報道なんかにもよりましても、その八百五十円以内できっちりとやっているのは芦屋市のみで、川西市なんかは、それに市が補給して一日大体平均千百二十三円分、それに対して、逆に宝塚市は五百円強ぐらいに抑えているという、倍の差があるわけです。こういうものに対してきちっと実態をつかんでおられるのかどうか。また、そういうことに対して厚生省としてきちっと是正すべきではないかと思うのですが、御所見をお伺いしたいのです。
  166. 井出正一

    ○井出国務大臣 災害救助法による救助の実施につきましては、迅速的確な救助を図る意味から、炊き出し等食品の給与などの実施はあらかじめ各市町村に委任されているのが通常でございます。  今回の場合も、兵庫県においても、食品の給与につきましては事前に各市町に委任されており、今回結果的に市、町ごとに差異が生じたのは、今先生お触れにもなられましたが、実はそれぞれの避難所の避難者数の相違もかなりの差がございます。したがって、大規模な避難所においては供給体制に限界があったことも事実だったと思いますし、支援物資の提供やあるいはボランティアの協力体制が、これまた避難所ごとに差があったことなどによるものと思われます。  実は、新聞報道も私も読んでおりますし、兵庫県の方から、例えば二月十一日には各市でどんなメニューでどのくらいかかったかというようなデータも送ってもらっております。芦屋市は、おっしゃるとおりこの日も八百五十円ということでしたし、川西市はこの日は千五百円であります。あるいは宝塚市は六百五十円でございました。ただ、例えば川西市は二月十三日現在、避難所は十一カ所で、避難されている方は三百四十七人というように大変少ない市でございますが、一方、神戸市は、五百三十二カ所の避難所にまだ約十八万五千人の方がいらっしゃる、こういった避難所ごとに非常に大きないろいろな差があることによって、おっしゃるようなことがあったことは事実でございます。  今までは応急対策に追われて十分な食事の提供ができたとは言いがたいわけでありますが、避難所生活もまさに一月になろうとして長期化していることを踏まえまして、厚生省といたしましては、八百五十円という一般基準にこだわることなく、被災者の方々に温かく栄養価も考慮したより充実した食事を提供するよう、県あるいは市の方へも必要な指導あるいはまた支援を行っていくつもりでございます。
  167. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 以上で、厚生大臣に対しては終わらせていただきたいと思います。  続きまして、防衛庁長官、お待たせしました。実は今回、中部方面総監の松島総監、実は災害の起きる三日前に私も大阪の地でお会いしておりまして、なかなか立派な方でございました。その方が涙の会見をされるとは思いもよらなかったわけでございますし、また、今なお自衛隊の方々というのは非常にやはり頑張って任務についておられるということに対して本当に敬意を表したいのです。  既に今までこの委員会におきましても同僚議員の方からいろいろな形でこの災害派遣の問題については議論があったところでございますけれども、私は、やはりシビリアンコントロールの一つのポイントを握っておられる長官の判断、また、今どういう考えでおられるのかということが一番の大きなポイントになってくるのではないかなということで、ちょっとその当時のことを振り返ってお聞きしたいわけでございます。  まず、六時に長官は秘書官より連絡を受け、万全を期すように指示を出されているわけですね。その後、六時半には陸上自衛隊の中部方面総監部は第三種非常勤務態勢に移行しているわけです。そして、陸上自衛隊中部方面航空隊、八尾ですね、八尾からヘリが二機ぱっと状況把握に飛んでいるわけですね。八時十一分には、今度は徳島の方から海上自衛隊のヘリが飛んできている。それぞれ状況把握をされた後にそれぞれのルートで上に報告をされていると思うのですけれども防衛庁長官は最初の第一報を、いつの時点で現地の状況把握を受けられたのか、また、それはどういう内容だったのかまずお聞かせ願いたいと思います。
  168. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 御指摘のように、六時に連絡をいただきまして、委員御指摘のような指示を行いました。私としましては、九時に防衛庁に登庁をいたしまして、それまでの間に特別な連絡はなかったわけでありますが、九時までの時点で三自衛隊がとった措置、非常呼集あるいは偵察、それからまた各自衛隊の基地の損害状況、こういうものが私の手元に報告されました。  状況の問題でありますが、そのときは、陸上自衛隊と海上自衛隊からヘリで今偵察中である、こういう報告をいただきました。私は、防衛庁で警備隊の激励を行いまして、その後に閣議に十時に出たわけであります。そこで、その九時までの報告事項を閣議に報告をいたしまして、出動態勢はできておる、こういうことで報告をいたしたところであります。
  169. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 長官、それでもう少し詳しくお聞きしたいのです。  ということは、偵察中という報告は閣議で報告されていますけれども、自衛隊独自の情報ルートで、それぞれ飛び立ったヘリから、下から報告が上がってくると思うのですけれども、その報告を受けられたのはいつの時点ですか。
  170. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 まず、災害に対処するのは現地の部隊、こういうことになっておるわけでありますので、当然のことではありますが、陸上自衛隊の方から発進をいたしました偵察機は、帰ってまいりましてから中部方面総監部に対して報告がなされ、それから、海上自衛隊は徳島教育航空群の方から偵察活動を行いまして、この収集した情報は海上幕僚監部を通じまして私のところまで報告されました。  なお、この情報につきましては、淡路島広域消防本部及び小松島海上保安部に対して連絡が行われた、こういうふうに聞いております。
  171. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 そうしますと、中部方面総監部に入った報告というのは長官のところまで上がっていないというふうに考えてよろしいですか。そうすると、海上自衛隊の報告だけが長官の方に上がってきたわけですね。それは何時の時点で、どういう内容だったのですか。
  172. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 状況については全般的な状況が次から次にと入ってきておるわけでございますので、ヘリコプターによる状況のあれは、写真を撮ったものを現像いたしまして、それが伝送されてきた、こういうことでございまして、午後三時に受け取っております。
  173. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 これは私の認識が間違っているのかもわかりませんけれども、中部方面隊のヘリコプターには映像を伝送する装置はございませんね。ただ、ヘリから写真を撮る装置はあったわけですか。――わかりました。  そうすると、自衛隊独自の情報ルートで長官に自衛隊の情報が入ったのは三時ということですね。
  174. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 要するに、いろいろなその後の情報は伝えられたわけでございますけれども、ヘリによる偵察といいますのは、写真が、海上自衛隊のものが午後三時、こういうことです。
  175. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 それじゃ、ヘリのは三時ということで了解いたしましたが、その前に、自衛隊独自の情報ルートで長官のところにきちっとした現地の状況報告が入ったのは何時の時点ですか。
  176. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 九時ということです。
  177. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 九時に、どのような報告を、どなたから受けられたのですか、現地の状況報告です。
  178. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 三自衛隊の幕僚部にそれぞれのところからの連絡が入っておるわけであります。
  179. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 大変申しわけないのですけれども、その情報の中身、現地はどういう状況で、どういう被害状況であるということがその九時の段階で報告があったわけですか、それをちょっとお聞かせ願いたいのですけれども
  180. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 震災で相当の被害があるということでございますが、具体的には、どこがどういうふうになっているかという細かいところまではございません。
  181. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 今回、これからも議論されていくのですけれども、これから自衛隊が一つのかなめになってほしいという、そういう期待が例えば各紙の世論調査なんかを見ても非常に高いわけですね。当然、第一次的には警察、消防が災害に対しては対処するのですけれども、それをバックアップする力として、やはり実力組織を持っている自衛隊に対する期待が高いのですが、今長官とのやりとりの中でも、自衛隊独自の情報ルートでどれだけのことをきちっと的確に現地の被災状況なんかをつかんでおられたのかというのは、今回非常にあやふやなんですね。  長官はその九時の段階でどういう判断をされたかということをお聞きしたいのですけれども、その報告を受けられた時点で、これは十時に知事から正式な要請が来ておりまして、九時の時点で、今回の災害は八十三条二項のただし書きである「ただし、天災地変その他の災害に際し、その事態に照らし特に緊急を要し、前項の要請を待ついとまがないと認められるときは、同項の要請を待たないで、部隊等を派遣することができる。」という、このいわゆる自主派遣に今回の震災は相当するんじゃないのか、そういう判断はされなかったのですか。
  182. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 つまり、災害といいますのは、自衛隊が出動する場合は、あくまでも原則としまして都道府県知事の要請によることになっておりますから、大災害である、そして県の対処能力を超えておるという場合におきましては、速やかに県知事からの要請があるもの、そういうふうに判断しておりました。
  183. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 それは八十二条の一項の最初を強調されていることは、それはもう間違いないのですけれども、その上で、今いろいろなことがこの約一月間議論されてきましたけれども、結果的に、さまざまな総合的な状況を判断して、今回、防衛庁長官が今の時点で、やはりこの八十三条二項に当たるような災害であったな、そういうふうに考えておられるのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
  184. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 現在の状況から判断をしますと、神戸市の中心部が最大の被害を受けている、こう確定されております。  災害が発生したという最初のニュースをテレビで見た場合は、震度五という場合におきましてはかなり広範囲にわたっております。大阪も被災したかもしれませんし、京都も被災したかもしれません。しかも奈良も被災したかもしれません。そういうところにおいていち早く、つまり、どこを一番救済しなければならぬかという判断をするまでには、やはり相当の時間がかかるものと考えなければいかぬと思います。  今回の場合はヘリコプターが飛び立ったわけでございますが、現地の地域におきましては、やはり下から見て、例えば警察、消防、これとの情報の連携をまって被害地を特定できると思うのです。  したがいまして、奈良県におきましては、この委員会でも申し上げておりましたが、全県下の市町村に連絡をとりまして、つまり、自衛隊の要請をするような被害があるかどうかということを連絡をとって、そして、九時四十分に中部方面隊の方にその必要はないという連絡がありました。  私は、やはり広範な地域にわたるわけでございますから、特定の地域に最も救援が必要だという判断はできるだけ早ければ早いほどいい、そういうふうに考えております。
  185. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 本当はここを時間があればもうちょっとやりたいのですけれども、また別の機会にさせていただきまして、きょう防衛局長来られておると思うのですけれども、これから議論されていく中で、やはりこの八十三条についてのいろいろな問題が議論されていくと思うのです。一項及び二項について、現在、運用面でどこまで自衛隊としては許されていると判断されているのか。  特に一項では、要請できる者の範囲はどの範囲までかということで、特に都道府県知事となっているのですけれども、法律の文章上は。ところが、当直でもいいのかどうか。また、その当直はどんな地位の人でもいいのかどうか。事が起こったときに、具体的にその人が、例えば知事と何らかの意思を通じてなくてもいいのかどうかということをはっきりさせていただきたい。  また、二項について、長官またはその指定する者は自主派遣の指示を出すことができるということですけれども、訓令第二条で、長竹以外には方面総監とか自衛艦隊司令官とか航空総隊司令官等となっておるわけですけれども、具体的にもう少し、だれが入ってだれが入らないのか。例えば総理や統幕議長というのは入っていないとか、また、ここまでは入りますということを明確にお答え願いたいのです。
  186. 村田直昭

    ○村田(直)政府委員 お答えさせていただきます。  御指摘の自衛隊法の第八十三条一項に規定する都道府県知事等からの災害派遣の要請につきましては、同法の施行令によりまして、「事態が急迫して文書によることができない場合には、口頭又は電信若しくは電話によることができる。」ということが定められております。それから、この場合の口頭や電話での要請という場合には、必ずしも知事本人が直接連絡するという必要があるわけではございませんで、他の者が知事の要請を伝達して、知事の意思として伝達していただくことで差し支えないわけでございます。したがいまして、知事が被災して登庁できない場合には、知事が当直者を通じて自衛隊に災害派遣の要請を連絡することも可能であります。  同時に、地方自治法では、知事に事故があるときの規定等が置かれておりますし、その場合には副知事とか助役とかいろいろ規定されておりますが、さらには、知事が指定する吏員というような者にも権限を委任してやることができるという規定がございますが、いずれにしましても、知事の意思を外する者として連絡を受ければ、自衛隊としてはそれを権限ある依頼として扱うということでございます。  それから、八十三条二項の「長官又はその指定する者」は、自衛隊の災害派遣に関する訓令がございまして、先生もう御指摘のとおりでございますが、第三条で、方面総監以下、一号から二十二号まで書いてございます。  まず、最初の、総理大臣、統合幕僚会議議長等が入っておるかということについては、これは入っておりません。  それから、そのほかに挙げられておる者としましては、方面総監のほかに、師団長、それから駐屯地司令の職にある部隊等の長、それから自衛艦隊司令常、護衛艦隊司令官、航空集団司令竹、護衛隊群司令、航空群司令、地方総監、基地隊司令、航空隊司令、教育航空集団司令竹、教育航空群司令、練習艦隊司令官、掃海隊群司令、航空総隊司令官、航空支援集団司令官、航空教育集団司令官、航空方面隊司令官、航空混成団司令、補給本部長、その他、基地司令の職にある部隊等の長ということに規定されておるわけでございます。
  187. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 それで、これからまた八十三条についてはいろんな議論がされると思うんですけれども、冒頭に申し上げましたとおり、先週、奥尻町長の越森町長さんの御意見を拝聴したのですが、災害に遭われた首長さんですね。その方が、大きな災害時には、迅速な人命救助のため自衛隊の自発的な派遣の必要性を感じるということを強調されておられたわけでございますけれども、今、防衛庁長官方針として、今後、災害時に機敏にこの自衛隊が対応されるために法改正で対応されていくつもりなのか、それとも、あくまでもこの八十三条の運用面で工夫していこうと、それで対応していこうとされるのかどちらかお聞かせ願いたいと思います。
  188. 玉沢徳一郎

    ○玉沢国務大臣 結論から言えば、運用面でやはり対処するということを強調したいと思います。  まず市町村から要請できるようにという意見もありますけれども、大震災という場合におきましては、市町村の枠をさらに超えて、各県の枠を超えて相当広範囲になるという場合もあり得るわけです。したがいまして、その災害の態様にもよりますけれども、市町村から自衛隊に要請できるという点においては早い面もありますが、災害が大きくなればなるほど、市町村からも来る、県からも来ると、こういうようなことでは情報が錯綜してかえって効果が薄いんじゃないか。  したがいまして、できるだけ状況判断ができるところは一本化して、要請できるところはその窓口を特定して、そしてできるだけ速やかに部隊が派遣され対応ができるように、こういうふうな方がより効率的ではないかと考えます。
  189. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 今防衛庁長官は私の次の質問の分まで答えていただいたのですが、釧路市長さんが言われていたのは、要するに今防衛庁長官が答えられた部分でございまして、やはり災害時には、どこで災害が起きているかなどは現地が一番わかっていると、だから、できれば自衛隊に速やかに対応していただくためにも、知事を経由せずに市町村の首長に要請できる権限を与えてもらいたいという、そういう依頼があったわけですね。その辺についてお答えいただいたのですけれども、私も、やはりこれは考える余地はあるのではないかなと。  今回、その後の貝原知事のお話を聞いていると、寝ている横にたんすが倒れてきたというんですね。これもたまたま本当によかったわけでございまして、もしかするともう究極の場合、知事も亡くなられる可能性もいろいろな災害の場合にある。そういうやはりバックアップ体制、多重的に要請が出てくるような形にしておくということからも必要だと思いますし、また、どれだけ初動のスピードが大切かということを今回痛感させていただいたんですけれども、市から知事、そして自衛隊というルートを必ず守らなければいけないという、こういうことをやっていると、やはりその分だけ時間がかかってしまうことからも考える余地があるのではないか。そういうことから、今後また一考をしていただければありがたいな、そのように思うわけでございます。  もうあと残り時間少なくなりましたので、最後に自治大臣にお聞きしたいんですけれども、午前中に既に地域の防災計画については同僚議員から何人かに分けて質問がありましたので、その重なる部分はなるべく避けまして御質問させていただきたいと思うのです。  今回、先週のときに奥尻町長さんも釧路市長さんも、非常に食料等の事前の備蓄の必要性ということを訴えておられたんですね。当然、今回なんかもよくわかるように、自治大臣は関西の方ですからよくわかると思うんですが、二号線と四十三号線の二本しかなくて、四十三号線は阪神高速が倒壊していて、二号線一本だったんですね。交通網がほとんど遮断されているという状態で、何日間か自治体が生き延びないといけないという、そういう状況がこれからもこういう災害のときは考えられると思うんですね。  そのときに、やはり食料を中心とした備蓄をきちっとしていかなければいけないことは重々各自治体の方々わかっておられるんですけれども、そういう対策は当然必要だと思うんですが、そのときに言われていたのが、釧路市長さんの言葉ですからあれですけれども、例えば北海道でアンケートをとっても、札幌市と釧路市だけが今は備蓄している、札幌市も一万食で、釧路市に至っては今の段階で百五十食ぐらいしか備蓄をしていないと言う。奥尻町に至っては、食料は備蓄していなくて灯油だけを備蓄しているという、そういうお話だったんです。  なぜそうかというと、こういうものには非常にお金がかかるので予算がつけづらいという、そういう発言をされていたわけです。こういう備蓄に対しての対策を強化するために財政的配慮とか支援が必要だと思うんですけれども、自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  190. 野中広務

    ○野中国務大臣 各地方公共団体におきまして、災害時におきます備蓄につきまして、今回の場合に限って考えますと、関係のそれぞれ機関にリースで契約をしておった、そして、自治体みずからが備蓄を倉庫等で行うような状態になかったということは、私ども大いなる反省点でございました。やはり、この時期におきますと、みずから倉庫に備蓄する部分と、そして契約を業者にする部分と分散をして、いろいろな対応に備えておかなくてはならないということを深刻に今回の経験で学んだわけでございます。  委員が御指摘になりました備蓄等の防災対策につきましては、普通交付税の単位費用において所要の措置を講じておるわけでございますけれども、防災の資機材の地域備蓄施設及び地域総合整備事業などを活用した防災街づくり事業というのを起こしております。これなどによりまして、今後、今回の阪神・淡路大震災の被災者の救済における幾つかの教訓を踏まえまして、地方公共団体が地域の実情に即して安全な町づくりがさらに積極的に行えるように、地方公共団体を指導してまいりたいと存じております。
  191. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 もう一点だけ自治大臣に最後お尋ねしたいんですけれども、午前中に、たしか大口委員の方からだと思いますが、釧路市が、釧路沖地震から一年九カ月後に東方沖地震を経験した、その一年九カ月の間に非常に防災対策を強化されて、被害が約六分の一に終わったわけですね。市長さんの話ですと、市民に対する啓蒙活動というのを非常に活発にされたそうでございまして、その一つが、きょう釧路市からちょっといただいたんですが、「津波防災マップ」というものを全戸配布して、いざそういう地震が起きたときに避難行動がよりスムーズにいくようにあらかじめ徹底しておいたという、そういうお話をしていただきました。  大臣は御存じかわかりませんけれども、今一般の国民は「民間防衛」というこの本が非常に売れ筋だそうでございまして、これは、日本政府が出したのではなくてスイス政府が出しているわけですね。緊急のときにどうしたらいいのか、どういうように生き延びればいいのかということが明確に書かれた本なんですけれども、そういう意味では、今国民が、いかに身を守るのか、また、いざそういう地震等が起きたときにどうすればいいのかということを非常に求めているわけでございまして、ぜひこれは国で一本ということではなくて、各自治体ごとにこういう防災マップの作成等を強く推進していただきたいと思うんですが、自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  192. 野中広務

    ○野中国務大臣 御指摘のように、釧路市におきまして、その後「津波防災マップ」を作成されまして、全戸配布をされましたそのパンフを私も見せていただいたわけでございます。住民それぞれが地震の発生時に自分の身を守るための方法を取得しておくというのは、災害の避難場所あるいは災害の起きたときにおける被害を軽微におさめていく上で重要な課題だと考えております。  地方公共団体に対しましても、私どもも防災の日等の機会をとらえまして、それぞれ避難場所あるいは地震時の身の守り方、持ち出し袋等の重要な問題をパンフレットにして配布することを指導しておるわけでございますが、今後も、今御指摘になりましたような防災マップを作成し、啓蒙普及をするように地方公共団体を指導してまいりたいと考えております。
  193. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 以上で質問を終わらせていただきます。
  194. 佐藤観樹

    佐藤委員長 この際、田端正広君から関連質疑の申し出があります。佐藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。田端正広君。
  195. 田端正広

    田端委員 私は大阪出身でございまして、今回の阪神大地震を身をもって体験した一人でございます。  ちょうど本日が一月十七日から三十日目に当たります。つまりきょうで一カ月、こういうことになるわけでございますが、しかしこの間、いろいろな調査が進むにつれて被害が大変ふえております。亡くなった方も五千三百人、こういう状態でありますし、また、今なお二十二万人の方が避難所での生活を余儀なくされている。心からお悔やみとお見舞いを申し上げる次第です。  総理が、「人にやさしい政治」あるいは復興に全力で取り組む、それが私の責務だ、こうおっしゃっているわけでございますが、しかしこれは、大変政治的には大きな責任を負っているのではないか、口で言うはやすし、どう実際に行っていくかが大事であろう、こう思います。  今なお傷跡が痛々しく残っている神戸の状況を考えるに際して、まず官房長官から、避難所での生活をされている方がまだ二十二万人いらっしゃる、この実態に対して、こういう人たちをいつまでにゼロにするか、なくするか、その辺のところの御決意、政府を代表して神戸の被災者の皆さんへのメッセージを、このちょうど一カ月という、三十ほという区切りのところでしっかりと送っていただきたい、まず官房長官にお願いしたいと思います。
  196. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 このたびの大災害は、本当に想像を絶する大きな被害を生じまして、五千三百人を超える痛ましい犠牲者を出しまして、しかも、たくさんの避難を余儀なくされる方々が、今日なお非常にお苦しみになっておられる。こういう点につきまして、政府といたしましても、もう全力を挙げてその救援に努力をしなければならない、こう考えて、今日まで全力を挙げて、政府一丸となり、地方自治体とともに努力しているのは御承知のとおりでございます。  いっときは三十万人を超えるような避難なされている方々が千カ所以上の避難所で大変御不便な生活をしていただいていた状況でありましたが、あれから一月近くなりまして、やや御自宅で安全を確認できる部分に関しましてはそれぞれ御自宅に行かれたり、あるいはそれぞれ頼りにするようなところがあればそちらに参りますとか、あるいは子供たちはかなりの人数の方々がそれぞれ疎開し、他の地域で通学等をするとか、いろいろな御配慮をいただいておるわけでありますが、そういう中で住居についての確保にまず最善を尽くそう、こういうことで三万戸の仮設住宅についての方針政府が立てまして、これは後ほど兵庫県知事の方からさらに一万戸追加という要請がございまして、合わせて四万戸の仮設住宅の早急な建設のために今日全力を挙げているところであります。  同時にまた、公営住宅、公団住宅等につきましても、これをできるだけ、兵庫県に近いところも当然でありますが、各地域でも御協力をいただきながら、これも相当数の手当てをしていることも御承知のとおりでございまして、これらにそれぞれ入居も次第に進んでいるところでございます。  今、いつまでに、御避難をいただいている方々について、それぞれ一時的な住居とはいえ、仮設住宅あるいはその他の用意している住居にお移りいただける見通しが立つかということでございますが、三万戸の仮設住宅に関しましては、三月いっぱいに建設を終えて入居してもらおうということで全力を挙げていることは御承知のとおりでございます。  また、公団やあるいは営団の確保しているものにつきましては、これは相当まだ御入居いただける余地が準備されておりますが、しかし、これはもとよりそれぞれ避難なされている方々のニーズと合っていかなくちゃいけないものでありますから、必ずしもそれが直ちに十分にお移りいただくという状況にはなっておりませんが、総じて私どもといたしましては、御避難いただいている方々と十分にお話をしながら、なるべくその御趣旨に沿う格好で、なるべく早く対応していくように全力を挙げているところであります。
  197. 田端正広

    田端委員 はっきりとなかなか言えないところもあろうかと思いますが、しかし、今おっしゃったこの仮設住宅あるいは公団住宅に対しても、昨日現在の状況を調べますと、公営住宅が、二万六千五百芦の確保計画のうち七千二十九戸が入居できるようになった。あるいは仮設住宅、四万戸計画しているうちの完成したのはまだ千三百五十八戸である。これ、トータルしてもまだ八千三百八十七戸で、計画の予定しているうちの一二%。そういう状況でありまして、一カ月たっているのにもかかわらず仮設住宅が千三百戸と、これは一生懸命やっている、こう言っても、被災地の方からすればもっと何とかならないのか、こういうことになるのではないか、こう思います。  担当大臣、お忙しいということなので、これについてぜひもう少し明確な方向性、そしてこの一万戸もめどが立っている、これも用地がまだ確保されていないとかいろいろな状況があるようですから、そういった状況について本気で取り組んでいるという姿勢をぜひお示し願いたい。
  198. 小里貞利

    ○小里国務大臣 大筋はただいま官房長官の方から御説明いただきましたので、重複を避けましてお答え申し上げたいと思います。  その一つは、ただいま先生もお話あり、官房長官から答弁申し上げましたが、三万戸プラス一万戸、そしてそのほかに実は八千戸、これは総理大臣の特別な途中におきまする配慮で、高齢者あるいは体調のすこぶる整わない方々を対象として、今から仮設住宅をつくるのでなくして、今すぐ物理的には間に合う一つの施設、例えば民間マンション、宿舎、ホテル等々、こういうものを仮設住宅の基準によって準備したらどうか、こういうような対応を打ち出したところでございまして、今触れられた以外に八千戸というのはもうすぐ物理的に間に合います。ただし、あのように大変混乱をいたしました市政あるいは県政事務の中におきまする取り運びでございますから、若干その辺がおくれておるかと思うのでございますが、これらの方も推進をいたしておるところでございます。  なおまた、土地の問題でございますが、例えば三万戸についてはもう既に全部これが対処は終わっております。今お尋ねのあと一万戸の分がどうか、こういうお話でございますが、けさほども現地と連絡をとってみますと、もう既に二千戸分、面積にいたしまして約十五ヘクタールでございますが、これは住宅・都市整備公団及び市、県等の協力をいただいて準備をした、こういうことでございます。  ではあとの八千戸分はどうか、こういうことになりますが、これも、おおむねの話でございますけれども、国有地等を準備をいたしましたことを先生御承知いただいておると思いますが、三百二十ヘクタール、その中で百四十ヘクタールは県外でございましたから、差し引き百八十ヘクタールを兵庫県内域で一応確保いたしたわけです。この百八十ヘクタールも、一万戸分といたしまして既に七十ヘクタール敵後使用いたしておりますが、あと百十数ヘクタール分は残っておるわけでございまして、兵庫県内域においてそれだけ残っておるわけでございます。  この面積からいたしますと、今度のあとの八千戸分も一応対応できる、こういう判断でございますけれども、先ほど官房長官も若干触れられましたように、この罹災者の方々を含め仮設住宅を志向せられる方々の大体の傾向といたしまして、本来我々が住居せし場所あるいはその周辺の集落を圧倒的に希望せられる傾向が出ておりまして、その一応限定せられた位置を選択するところに市や県の大きな悩みがあられるなということを私どもは大きく気にとめておるところでございまして、その辺の調整接点も鋭意急ぎながら対応をいたしておるところでございます。
  199. 田端正広

    田端委員 とにかくこの寒い時期であります。家という、住という環境、ぜひこれは急いでいただきたい、切にお願いするわけでございます。  それで、復興計画でございますが、あれだけの震災でございますから、中途半端な復興計画であってはならないのではないか、現場を見れば見るほどそういうことを痛切に感じますが、どうか大胆に本格的な再建というものをぜひ政府の方でもバックアップしていただきたい、こう思うわけでございます。  建設大臣、この復興計画、復興委員会等ができて、近々新しい法案も予定されているようでございますが、被災市街地復興特別措置法というものも予定されているようでありますけれども、ぜひ公共用地の取得については前向き、積極的にお願いしたい。区画整理事業とか再開発事業とか、できるだけそういう対象を広げて、そして公共用地として買い上げたりあるいは土地の交換も大幅に積極的に行うとか、いろいろな弾力的な面をお願いしたい。そして、もう防災都市として本当に立派な計画そして立派な都市がつくれる、こういう方向をぜひ政府が地方自治体、神戸市や県とタイアップして進めていかなければならないのではないか、こう思います。  それで、県ではフェニックス計画というのがおありのようで、今計画されているようでありますが、例えば三年計画で十万戸建設というふうなこともお考えのようでございます。そういった意味で、公共用地の取得あるいはそういう計画に対する財政的バックアップも含めて大臣としての御決意のほどをお願いしたいと思います。
  200. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 お答えいたします。  従来から申し上げておりますが、都市というものは、まず安全性そして利便性、快適性ということが三条件と言われておりますが、今度の阪神大震災につきましては、地震に強いもの、強力な都市づくりをしていかなければならぬということは、国も県も市も一致した見解でございます。幸いにして、先生も御承知かと思いますが、神戸市は都市再開発、区画整理事業というものを前から手がけておりまして、今度の震災と同時に積極的に動き始めました。  順序立てて申し上げますと、建築基準法の八十四条で一応網をかけたわけでありますから、きのう私は一カ月延ばすということを決めました。したがって、私どもの方から技官を派遣をして、市、県と一体となって復興計画をつくっております。  ただ、問題は、被災者の身になって考えれば、被災を受けた我々はさらに私権制限までされるのか、我々の減歩までされるのかというような点がございますので、今度の区画整理事業に当たりまして、今お話にありましたように、復興推進地域指定ということを考えておりますが、できるだけ公用地は確保しよう、売るという方々があったら積極的に買おう。  それから、例えば例を長田区にとりますと、ここに工場があり商店があり民家がありますね。こういう点については区画整理をして工場群、商工街、そういう点と、住宅の場合は、例えば二十坪のお持ちの方があります、それを二坪は制限する。公共用地を確保しますから、道路は広くなりますね。したがいまして、この二十坪を二坪ずっとられても、制限がありましても三軒一緒になればもっと広くなるし、利便性も快適性も土地区分もきちんとできるじゃなかろうか。  しかも、防火対策というもの、耐震対策というものについても徹底することができる。そういう地震に強い町づくりを徹底してやらなければならぬ。そのために、御指摘のように、公共用地の確保はすべて要望があればお受けをしたい、こういうふうに考えておりますし、避難されておる方々も積極的に御支援をいただけるような今日の状況であり、雰囲気でございますので、速やかに、スムーズに進むのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  201. 田端正広

    田端委員 今回のこの地震は、かつて経験したことのない震度七という大激震でありました。そして、この震度その地域が、幅一キロ、長さ二十五キロにわたって、須磨海岸からずっと西宮の夙川のところまで帯状に伸びていた。日本建築学会が調査されたところによりますと、ここにおける建物の倒壊率、壊れた率は約五割であった、こう報告されておりますけれども、そういうことから、ここに新しい活断層があった可能性がある、こういうことも述べられています。  それで私は、きょうぜひこの活断層の問題について、閣僚の皆さんにも、御承知のことと思いますが、さらに認識を深めていただきたい。実は、これは私ももう本当に見て驚いたわけですが、日本の活断層、日本の周辺海底の活断層図がこういう形であるわけでありますが、これちょっと、大臣、ごらんになってください。もう驚くべき活断層の実態でございます。それで、それの各区分図になっているのが、この「日本の活断層」という活断層研究会が発表され、東大出版会から出している本でありますが、こういう活断層がこんなにあるということ。例えば、その地図をごらんいただけばわかりますが、もう縦横斜め、日本国じゅう活断層が走っている、そういう状況。  例えば、今回話題になった野島断層、これは、既にここで一九一六年ですか大正五年にマグニチュード六・一の地震が起こっているわけでありまして、前例がある。しかもこの野島断層というのは、縄文時代にはこの辺は海岸線であった、こう言われています。大体、活断層というのは海山序線に密集しているのが普通である。だから阪神間は、活断層というのは、その地図にあるようにもう密集している、活断層の巣であります。  例えば、五助橋断層とか芦屋断層、甲陽断層、こういう断層が今回のこの被災地の下にあったわけですけれども、これらは、この書物を見ても、個々の活動はB級であるが、その総和はA級である、こういうふうに書いています。明確に書いています。それから、新幹線の新神戸駅の建設の際には、諏訪山断層というのが工事中に発見されている。そして、この断層も新しい運動を起こしそうだということもここに書いています。というふうに、野島断層から淡路島を渡って、須磨海岸からずっと有馬-高槻構造線に至るまで、もうここのところにはたくさんの活断層がある。  じゃ、それは関西だけであって東京は関係ないのかというと、そうではなくて、東京にも例えば立川断層とか荒川断層とか東京湾北部断層とか、たくさんあります。既に東京は建物がいっぱい建っているから、そういう実態の調査はもうできないような状況になっている、現実的には。しかし、関東平野の中に断層がたくさんあるということは、これはもう事実でございます。  そういったことから、この活断層に対する調査研究、そしてそういう監視、チェック、こういうことをもっとこれから真剣にやっていく必要があるのじゃないか、痛切にそういうことを感じるわけでありまして、例えば、今回のこの地震は、最初の一撃、最初の五秒で物が飛んできた、倒壊が始まった、こう言われています。  横浜市大の菊地正幸教授が調査した上で発表された見解によりますと、淡路島北部の震源地で最初地震が起こってから五秒後、野島断層に飛び火するというか、移っている。そして野島断層に拡大されて、そこからまた五秒後に今度の神戸の地下の部分のところに新しい断層の活動の動きがあった。つまり、三段階にわたって、最初の震源、野島断層、神戸下の地下の断層、こういうふうに三つに飛び火した形での断属の活動が、このわずか二十秒という時間の中で圧縮して起こってしまった、ここに直下型のその恐ろしさがあるということを菊地先生は言っているわけでありまして、そういった意味で、この神戸の下に新しい断層があるというのは、もう今地質学者の間では定説になっているようであります。  千葉大学の伊藤谷生という地質学の教授も、従来は地表に出ている断層を調査していたけれども、これからは地下にある断層を本格的に調べていく必要がある、こう今回の教訓としておっしゃっているわけであります。  石油資源開発会社等が、石油の探索のためにバイブロサイスという、戦車のような、人工地震を起こして地下の状況を探索する機械を民間でお持ちのようでございますが、これだと地下三十キロまで断層がわかるそうであります。こういう研究は民間の方が進んでいるようでありまして、地下の断層のところまではそれぞれの大学でもまだ進んでいない、こういうことになっています。  それからもう一つ、今回は淡路島周辺、明石沖の海底でも三カ所において断層が発見されて、海底のひび割れが見つかっています。海上保安庁がその辺のところは調査されたようであります。  こういうふうに、断層が至るところにあって、しかも今まで考えていなかったような地下、海底、そういったところにもたくさんあることがわかってきたわけで、しかもそれが、一つの地震が引き金となってそういうふうに活動を次々と派生していく、こういうことになりますと、活断層に対する総点検といいますか、これはぜひ必要ではないかこういうように思いますが、代表して官房長官、まとめてお答え願えませんでしょうか。
  202. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 今のるるお話ございました御意見というのは、私どもも本当にそのように感じているところでございまして、なかなか活断層というのは大変な問題ではありますものの、確認しがたい点も多うございまして、なかなか容易でないことではありますが、しっかり各学会の御協力もいただきまして、鋭意そういう努力をいたしてまいりたい、このように存ずる次第であります。
  203. 田端正広

    田端委員 活断層がいかに怖いかという意味で具体例を何点か提示したいと思いますが、建設大臣、今回、結果的には阪神間の活断層の上に高速道路が走っていた、こういうふうなことを実感として感じるわけでありまして、例えば阪神高速の神戸線の一本足の橋脚が折れ曲がったのも、それから昨年十一月に開通したばかりの湾岸線の西宮大橋の橋脚が海底の部分で崩れたとか、あるいは六甲アイランドの橋げたがずれ落ちだとか、あるいは名神とか阪神でトータル九カ所ですか、橋が落ちたというふうに言われています。  こういう実態を見ますと、活断層の実態に対しての調査研究というものに少し油断があったのではないのか、こういうふうに思わざるを得ません。ぜひその辺のところ、全国の高速道路をもう一度再チェックしていただいて、震度七でも耐えられる、そういう再点検をぜひお願いしたいと思います。  神戸線とか湾岸線の復旧の見通し、もしお立ちでしたら、一言それも加えていただきたいと思います。
  204. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 お答えします。  先生が御指摘ありました活断層の上に橋脚その他がかかっておるのではないか。で、調べてみました。  一番大きく損害がありましたのは約百五十基ありまして、それから中小では四百七十基、これはもう補修すればすぐ直りますから。なし、軽微は五百六十基。全体で千百八十を調査してまいりました。  活断層の上がどうかということについても十分今検討中でございまして、学界の先生方にいろいろと御検討をちょうだいしております。橋脚二本の場合、一本の場合、それら一つ一つを分析をしながら、目標は三月いっぱいに御努力をいただきたいというふうに考えております。  なお、お話がありましたように、どの橋脚につきましても全力を挙げて復旧に挑んでおりますが、けさもテレビニュースごらんになりましたように、緊急輸送物資のトラックが渋滞をきわめておりまして、もう一遍やり直さなければならぬというほどのふくそう状態にあるということは、残念ながら認めなければならぬと思っております。  そこで、一日も早く復旧をせよということでございまして、大規模な工事になります、阪神の六百三十メーターは。これについては一日も早く復旧ができるように、今最大の努力をして準備に取りかかっておるところでございまして、原因究明と同時に、これについては立ち上がるという考えてあります。  さらに、交通が非常にふくそうしておりますので、湾棒線の問題については神戸線のバイパスとして使おう、こういうことで、四月中旬にはこれについては通行ができるように復旧をしたい、こういうふうに考えておるところでございますので、よろしく御了承をいただきたいと思います。
  205. 田端正広

    田端委員 続いて建設大臣にお尋ねしますが、明石海峡大橋でございますけれども、これは考えてみれば本当に身震いするような恐ろしい感じがいたしますが、こちら側が淡路島、こっちが神戸側ですが、この淡路島のここのところに震源地があったわけですね。そして、ここから野島断層が淡路島の南の方に向かって伸びている。そして神戸側の、ここの向かいの、対岸の須磨海岸から震度七がざあっと西常まで広がっている。まさに活断層の、今回の野島断層の上、震源地の上、そこにこの明石海峡人橘を今建てているわけであります。  もう新聞でも報道されたように、橋脚が一・四メートル伸びた、こう言われています。つまり、2P、3Pというのですか、この主塔がずれています。そして、4Aというのが一・四メートルにわたって動いているわけですね。全体が三千九百十メートルのこの橋が三千九百十一・一に調査の結果なった、こういう報告が今出ているわけでありますけれども、まだ完成してなくてよかったのではないのかな、でき上がった後だったら大変なことになっていたのではないか、こう思います。  で、このパンフレットを見ますと、この橘の安全性についてるる説明がありますが、「地震に対しても百五十年に一回程度起こる地震を想定」している、こう審いています。ところが今回のは、百五十年に一回じゃなくて千五百年に一回と言われる地震であったわけでありまして、そういった意味で、この明石海峡大橋については、もう少し実態を調査研究して、平成十年春完成予定と言われていますが、そう急ぐ必要もないのではないか。神戸側の高速道路、つなぎになる高速道路そのものがおくれる、こう思いますから、そういった意味で、少し安全第一に、もう一回再チェックされた方がいいのではないか、こう御提案申し上げるわけですが、いかがでございましょうか。
  206. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 委員が御指摘いただきましたように、すべて人命尊重、安全が第一であるということは十分私も同感でございます。  この明石大橋は、お話がありましたとおり、三千九百十メーターの橋でございます。今お話がありましたとおりに、一・一メーター伸びて十一・一メーターということになっておるということは今御指摘されたとおりだというふうに理解しております。ただ、これにつきましては、十分な大きな地震力を見込んでいるところでありまして、基礎の位置については、お話がありましたが、地質調査を十分行った上で古い断層を避けて強固な地盤の上に選定されたというふうに私は報告を受けております。  そういうお話がありましたので、実態をよく調査をしなければならぬということで、多くの人を派遣をして、専門家に見ていただきました。幸いにも、この橋脚にも支柱にも全然影響はありませんで、報道されるところによると亀裂が生じておるというようなことが聞かれましたので、特に注意をして調査をするようにということをお願いしたわけですが、その結果、全部水中に入って一つ一つ点検をいたしましたけれども、幸いなことに無傷でございまして、橋脚は安定しております。一・一メーターは、こういう橋でございますから、それに対して大きな影響はございませんし、主塔とかアンカレージとかケーブルともに損傷は全然認められないというのが現況でございまして、胸をなでおろしておるというのが私の心境であります。
  207. 田端正広

    田端委員 原発についてお尋ね申し上げますが、本委員会でも何回か質疑はあったと思いますが、しかし、活断層との関係で調査してみますと、これは大変な感じがいたすわけで、特に若狭湾、ここのところはまさに活断層の巣になっている。敦賀から若狭湾に至るところに十三基か原発があると思いますが、今回のような震度七が起これはどうなるんだろう。一九二七年北丹後地震、マグニチュード七・三ですか、既に過去にも起こっております。そういった意味で、ここのところに活断層がたくさんある、そこの近くにまた原発が十幾つもある、非常に身震いする思いがいたすわけであります。例えば、伊方原発にしても中央構造線の延長線上にありますし、柏崎にしても近くには活断層がたくさんあります。  そういった意味で、これは私一人ではなく、日本国民のたくさんが原発について非常に不安といいますか心配をしていると思いますので、ぜひ大臣として、もう一度きちっとチェックをして国民に報告する、しばらく時間をかけてきちっとした報告ができるように、また、震度七にも耐えられるように、至らないところは補強する、そういうことをやっていただきたい。そして、その結果をまたこちらに、この委員会等に、国会にも御報告いただきたい、こう思うわけですが、いかがでございましょうか。
  208. 橋本龍太郎

    ○橋本国務大臣 先般来本委員会におきましても何回か御論議がありましたが、委員が御指摘のように、確かに我が国には多くの活断層がございます。しかし、原子力発電所の立地、設計の場合におきましては、そもそも活断層というものがあるということを前提にしながら、地点選定に当たりましては活動可能性のある活断層を避ける、同時にすべての重要な建物あるいは構築物というものを最強の岩盤に直接に固定をし、加えて敷地周辺の活断層でありますとか過去の地震などの詳細な調査をいたしました上、これに基づいて、想定される最大の地震動にも耐えられるような設計がされております。  今回も、実は私はこの地震の知らせを受けましたときに、一番最初に気になりましたのがやはりライフラインとしてのガス及び電気でありましたけれども、それと同時に、発電所の安否、原子力発電所の安否というものが非常に気になりました。ところが、今回の数字を見てみましても、地上における震度とは別に、この岩盤に固定されております。その結果として、その震度は高いものではございませんでした。そして、建築基準法の三倍の地震力にも耐えられるようにするなどの十分な安全余裕度を持った耐震設計を行っておりまして、耐震上の安全性には私どもは問題はないと考えております。  しかし同時に、新たな知見が入れば、それに基づく努力をすることは当然でありまして、常に安全確保に最大限の努力をすることは必要であります。各方面で今回の地震に係る調査などが進められておりますこと、また原子力安全委員会が今回の地震を踏まえた検討会を設置され、耐震設計に関する指針の妥当性についての確認を行われるということになっておりますことを踏まえまして、私どもはこうした調査検討を注視いたしますと同時に、通産省自身におきましても、省内に設置されております原子力発電技術顧問の専門的な御意見も伺い、今回の地震によって得られます知見から、原子力発電所の安全性について参考とすべき視点が存在しないかどうかの確認を行いますように、引き続き原子力発電所の安全確保には万全を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
  209. 田端正広

    田端委員 もう時間がなくなりましたので、一言だけお願いして質問を終わりたいと思いますが、今回のように、山を削り、海を埋め立て、あるいは人工の島をつくり、高速を走らせ、大きな橋をかける、こういう科学技術を過信した余り、そして日本経済が世界に冠たる経済水準だ、そういう形で評価してきたことに対して、やはりここに人間のおごりのようなものがあったのではないかということを感じるわけであります。  明石の近くであれだけ大地にくいを打ちつけるから、だから地震を呼び起こしたんだ、こういうことを言う神戸の人もいました。だから私たちは、そういう意味ではここで、ことしは戦後五十年というときでもあるわけで、ある種我々の日本経済のあり方、文化のあり方、生活のあり方、生き方まで含めて考えるときを迎えているのではないかな、こんな感じがしてなりません。  そういう意味で、一つだけ提案申し上げたいのですが、地震庁というものを思い切ってつくったらどうだろう。地震に対する、地質学に対する研究調査がばらばらで、科学技術庁とか文部省とか気象庁とか、いろいろ分かれているようでありますし、情報収集ももっとしっかりやっていく。そして、天気予報だって、最初は当たるか当たらぬかわからぬ天気予報と言われたのが、今は国家試験をするところまで非常に大事な学問になってきているわけでありまして、地震に対して、日本は地震国である以上世界の先頭を切って調査する、研究する、学問としてやっていく、こういうことが必要ではないかこう思います。  そういう意味で、ぜひ一回、行革の意味でも、ばらばらになっているのを統合するという意味でも大事だと思いますから、地震庁というものを一度考えてみる必要があるのではないか。これはちょっと時間がありませんから答弁いただきませんが、提案を申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  210. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて佐藤君、田端君の質疑は終了いたしました。  次に、村井仁君。
  211. 村井仁

    村井委員 官房長官がちょっと記者会見でおいでになりませんので、昨日新進党が、阪神大震災の復旧、復興を緊急に実施するために必要な費用を出していただくための第二次補正予算についての要求、それから、きょうまた平成七年度の予算案の編成替えにつきましての要求というのを提出しているわけでございますが、これが主題でございますけれども、これはちょっと後にさせていただいて、初めに行革の問題につきまして若干お尋ねをさせていただきたいと存じます。  今度、特殊法人整理問題というのが大分騒ぎになったわけでありますけれども、ある種の世間の官僚批判というのに便乗して、余り具体的な詰めもしないで思いつきで世の中を騒がせているだけじゃないか、こういう印象を私、持っております。  昔私は、橋本自民党行財政調査会長が大変な勉強をなすって行政改革に取り組まれていらっしゃった姿を、私の場合は本当に部分を見ておりましただけでございますから、よしの髄から天井をのぞくような、そういう本当に部分的なことでございましたけれども、かいま見ておりまして、そのときの本当に詰めに詰めた白熱した議論、あるいは当時の橋本会長の気迫のある姿勢というものを思い返してみますと、大変失礼ですが、武村大蔵大臣初めさきがけの皆さんの行革の話というのは、どうもちょっと質が違うのじゃないかな、こういう印象があるわけでございます。  お二人の閣僚が今の内閣には入っておられる。武村大蔵大臣とそれから井出厚生大臣、お二人でありますが、そのお二人で、例えば環衛公庫の統合問題というのが、武村大蔵大臣と井出厚生大臣で連携が全然できていなかったように私どもから見ると見える。どうもそこのところは本当にやる気があったのかどうなのか、この点でまず両大臣からそれぞれ御所見を承りたいと思います。
  212. 武村正義

    武村国務大臣 特殊法人も含めた行政改革については、村山内閣全体としては、各党も閣僚も最も重要な課題として昨秋来取り組んできたところであります。しかし、個々になれば、各党あるいは個々の政治家のやはり考え方にはいささか違いがあって、これは当然だろうと思っております。昨今新進党が発表されたのほかなり大胆なものでありますが、大胆な考え方は質が低いということでありましょうか。  問題は、そのくらい大胆なことをこの時期の行革は目標に進めていかなければならない、しかし、それが簡単にやすやすとできると思っていたら、これは非常に現実を踏まえない政治家ということになろうかと思っております。私自身も、行革は容易でないという認識からスタートをいたしましたが、恐らくこれから内閣が何代かにわたって、数年以上は行革の時期といいますか、次々と、あるいは同じテーマを繰り返し、このテーマに挑んでいかなければならない、そんなときを迎えているように私は本当に認識をいたしております。  それで、環衛公庫と国民公庫につきましては、プラス中小企業金融公庫も入れて、大蔵大臣の考えとして先般、十日の夜ですが、私が申し上げたものであります。私が申し上げたのは、一つは、大蔵省プロパーとしては塩の民営化。二番目が、大蔵省三つの金融機関を持っておりまして、これは政府にある十幾つかの政府系金融機関全体の中での統廃合を考えていきたい、今最も類似性のある統合としてはこの案だと思いますという提案をいたしました。最後に、しかしそれでもこれは政府系金融全体にわたっておりません、そういう意味では、総理の私的諮問機関として公的金融あり方についての専門家の機関を置いて、一番短くても四カ月ぐらいかけて、専門家の御検討を得て、その上で政府整理合理化考え方をまとめていってはどうかという提案をいたしたわけでありまして、その中に環衛との統合という考え方を提示をさせていただいております。  問題は、厚生大臣と協議したのかどうかということでありますが、これは協議は正式にはいたしておりません。大蔵大臣考え方であります。
  213. 井出正一

    ○井出国務大臣 環境衛生金融公庫は厚生省も主務大臣、私やっておるわけでございますが、既に先生御案内のように、環衛業は中小企業の中でも特に零細な業者が多く、従業員四人以下の業者が全体の九割ぐらいを占めているはずでございますが、中小一般を対象とした制度では必要な融資を受けられなかったという苦い経験から、昭和四十二年でしたか、国民金融公庫から独立した経緯があるわけでございます。したがいまして、中小企業金融のあり方を含めた政策金融全般のあり方、あるいは財投あり方等の検討、議論の中から、メリット・デメリットをみんなで検討した結果、その方が国民にとってプラスになるというような結論がもし出たとすればそれはまた考えなくちゃなりませんが、今回そういう論議がないままの統合論だったものですから、これはやはり基本的に問題があるので、厚生大臣としては賛成をいたしかねる。  やはりこの問題は、繰り返しになりますが、今申し上げましたような問題につきまして、こういう時期でございますからそんなに長い間というわけにいきませんが、できるだけ短期間に、専門家の意見も交えて方向を見出すべきである、こう考えて、十日の夜ですか、私は今回これには反対申し上げた次第であります。
  214. 村井仁

    村井委員 与党である以上、ある程度言ったことを実現するということでやっていただかなきゃならないし、また実現できることを言っていただかなきゃならないんだろうと思うのですね。  私、そもそも今度の特殊法人の統合、あるいは特に政府系金融機関の統合整理の話というのをずっと見ていまして、不思議なのは、一体何を目的にしているのかどのような効果をねらっているのか、どうもよくわからないということなんです。役割が終わった機関を廃止する、これは当たり前の話なんですね。それから、類似の業務で、統合して処理すれば一般管理経費が安くなるのを、そのようにするというのは、これも当然のことで、こんなものは鳴り物入りで騒ぐ話じゃそもそもないでしょう。何のためにやろうとしたのか。  私は、これは武村大蔵大臣とそれから行革の責任者である総務庁長官と、お二人にお伺いしたいと思うのですけれども、特にさきがけては、党として、消費税の増税問題などに関連しまして非常に早い時期から行政改革、特に特殊法人整理というのをおっしゃった。そしてさらに、行革で二兆四千億は浮かせることができる、こういうような表明をされた、こういう経過もある。私は、そういう意味で大蔵大臣総務庁長官に、一体今度の行革の目的、それから、そのねらっている効果はどういうものなのかお尋ねしたい。
  215. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  村井委員も御指摘されましたように、特殊法人に関しましては、行革審答申をも踏まえまして、またこの間の政府として議論をいたしました行革大綱をも踏まえまして、お話のございましたように、役割の終わった法人については統廃合を考える、あるいは民営化できるものについては民営化をする、さらに、同じような、類似した法人については統合も考える、さらに、全法人に関してその組織機構、これを見直しましてできるだけスリム化する、そういう方向で特殊法人整理合理化に取り組んでまいりました。  その結果、去る二月十日に、御案内のような各省庁における最終報告をいただきまして、政府といたしましては、それを踏まえました上で、できるだけ速やかに閣議決定に持ち込んで正式決定といたしたい、かように考えておる次第であります。
  216. 武村正義

    武村国務大臣 戦後半世紀たって、おおむね戦後スタートしたさまざまな行政の制度が、大なり小なり一つの壁にぶつかっているというふうにも言えるわけでありますし、また昨今の、あるいはこれからの時代要請に今までのシステムがこたえ切れなくなってきている、こういう認識に立ってこの時期に行革というテーマが浮上してきているというふうに私は認識をしております。  もちろん、行財政改革という言い方、ないしは行政改革財政改革も含めて表現する場合もあるわけでございますが、こういう視点でとらえたときには、財政面の節減合理化、改革という面がかなり強く出てきているというふうに認識をいたしております。我が国の行革は、この村山政権になってからは昨年末の行東大綱、この考え方が私どもの基本的な姿勢だというふうに御理解いただいていいと思っております。
  217. 村井仁

    村井委員 具体的に大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、大蔵大臣、やはり政治家として一つの見識を持って御見解をお出しになったと思うのです。輸銀、開銀、中小公庫、北東公庫、環衛公庫、それから国金、これを全部一本にまとめようという統合の主張をされたわけですけれども、これによってどういう効果が生まれるというふうにお考えになっていますか。あるいは国民の負担というものはどれだけ軽くなる、国民経済にどういう影響がある、そんなふうにお考えになっているか。     〔委員長退席三野委員長代理着席
  218. 武村正義

    武村国務大臣 私の大蔵大臣として提案したのは承知いただいていますよね。全部統合ではないですよ、輸銀、開銀統合でもありませんし。  十日という政府・与党の最終の目標が来てしまって、かねがね大蔵大臣は各種政府系金融機関について主務大臣としてかかわっているから専管のものを超えて全体についてのひとつ考え方をまとめてくれという要請も受けておりましたので、地震も起こって一層時間が制約されていた中でありますが、もしここで申し上げるならば、類似のもの、政府系金融機関の中で類似のものだけに主として限って統合を申し上げたわけであります。しかし、全体としてはもう少し時間をかけてきちっとやりましょうという提案をあわせてしたわけであります。  類似のものとして開発銀行と北東公庫、御承知のように、地域開発融資といいましょうか、北東公庫は北海道、東北という特定の地域を限っておりますが、しかし、地域開発金融であることには間違いありません。そういう意味では非常に性格は近いということからこの提案を申し上げました。  もちろんもっとほかに言えば、北海道、東北の経済レベルが公庫がスタートしたときに比べて随分変わってきている。今、日本は、都道府県の一人当たりの国民所得、県民所得の一覧表を見ておりますと、むしろ四国、九州の方が北海道、東北よりも低い。特に九州は福岡を除けば低いという状況が明らかであります中に北東公庫は一定の役割を終えつつあるのかなという思いも込めて、しかし、少なくとも仕事が類似しているということからこういう提案をいたしました。  三つの公庫につきましても、橋本大臣にも、井出大臣にも、大臣としては相談をいたしておりません。個人としてもしていませんけれども、公式に御相談をしておりませんが、しかし、中小企業金融公庫はおおむね三百人以下、そういう規模の中小企業。国民金融公庫は百人以下。そして、環衛公庫の対象は環衛事業者でありますが、多くは国民公庫の対象に近い個人事業者が多いわけですが、かつて国民公庫にあったということも含めまして、そういう意味で中小個人事業者を対象にした政府系金融機関である。これも類似性の側面から提案をいたしたものであります。  奄美群島振興開発基金については、これは国の機関、総合的な融資システムでありますが、特定の地域でございますから、鹿児島県に移譲してはどうかということも加えておりますが、いずれにしましても、事務的に見てもそれなりの筋が通っていて、少なくとも仕事の面で類似性があるというものについて三つの案を提案をいたしたところであります。
  219. 村井仁

    村井委員 そこのところ、もうちょっとお伺いしたいのですけれども財投財政投融資というのがあくまで原資ですね、これ多くは。  それで、特殊法人、これをまとめる、あるいは民営化なんという議論もいろいろありましたね、その中には、議論としては。一体、この特殊法人を廃止する、例えば金融機関につきまして民営化するとかいうような議論もありますけれども、そうすると、どういうメリットが生まれると大蔵大臣は考えておられますか。あるいはこれはさきがけでも結構ある議論ですから、さきがけ党首としてでも結構ですが……。
  220. 武村正義

    武村国務大臣 メリットをどうとらえるかにもよるのでしょうね。類似するような機関が縦割りであれ横割りであれ二つ三つ存在するなら、それは二つ三つよりもそれを一本にまとめることが役割としてもよりスムーズになるでしょうし、いささか重複とか競合があるなら、それが解消できる。加えて、一番わかりやすいのは、総裁が一人になるということに象徴されますように、重複するような人事とか経理とかそういうセクションというのは一元化できるかもしれません。役員が減るかもしれません。というふうなことで、統合は統合としてそれなりのメリットはあると思いますね。同じ事務量で二つあって、それが一つになっても、いわゆる総務的な分野がある程度整理できるのと、役員が減るという、そういう単純なとらえ方だけでしましても、一定の成果はある。  しかし、財政効果という大きな、今我が国は二百十二兆の赤字国債を抱えているとか、単年度の予算があれだけ国債を発行してもなお特例措置を何兆円と四苦八苦して講じなければならないという、こういう財政状況、これに答えを出すために、特殊法人整理というものはそんな大きなテーマではあり得ません。そんなことはもう当然お互い認識した上で取り組んでいるところであります。
  221. 村井仁

    村井委員 今特殊法人整理というのは財政という観点からはそんな大きな効果のあるものではないという言葉がはしなくも大蔵大臣の口から出たわけであります。  行政改革というのは、私は、不公平税制の是正だとかと同様に、ある意味では永遠の課題だと思っているのですよ。官僚機構というのは、ほっておけばどんどん肥大化する、これはもう当たり前の話なんです。それに対して、国会がいつでもウォッチフルアイできちんと見ていくというのが大切なんだと思っているのです。  同時に、私たちは、政府が安上がりで、それから国民にとって必要なサービスを過不足なく提供する、そういうことをまた確保していかなければならない。賢明で、そして効率的で、しかも安上がりな、そういう政府というものが必要なんだと私も思っているのですよ。  しかし、それはなかなか大変な仕事なんですね。昨年来の税制改正と行政改革の絡み合いの中で、国民に新しい負担をお願いするのに行政改革が必要だという認識、これは私は否定するものじゃありませんよ。ですけれども、それぞれの官庁や特殊法人の成り立ち、役割、それからそれに対する国民のいろいろな期待、そういうものを無視して、行革だけやればその先にバラ色の世界があるような幻想を、しかも二兆四千億の金が浮くとかなんとかというような根拠のない話まで世間に振りまいた、これは私は大変失礼な言い方になるかもしれないが、大蔵大臣が代表を務めておられるさきがけの皆さんが相当大きな役割を果たされたということを申し上げざるを得ない。そういう意味で、国民に与えたその誤解の責任というのは、これはやはりしっかりこの機会にとってもらいたいと思うのですね。  どういうことを言っているかというと、大体財政投融資が原資であることが変わらなければ、実際の仕事の内容なんてそんなに変わるものじゃないのですよ。それで、こう言ってはなんですけれども、一般管理的な経費が多少節約されるかもしれない。しかし、トップの役員が多少減ったところで、それは心理的には確かに多少の効果はあるかもしれないが、それによってもたらされる逆のいろいろなマイナスも出てくる、それはそれぞれの適切な専門家による判断という意味でですよ、そういう問題もある。  私はそういう意味で、行革あるいは特殊法人整理というような、本当はそれほど物すごい大変な話じゃない、まさに今大蔵大臣言われた話を、いかにも意味ありげな話に仕立てて、国民に行革についての過剰な期待を与えた。そして、結局のところそれが実現できない、責任がとられない。これは非常にまずい状態だと思うのですけれども、これ大蔵大臣どうお考えになりますか。
  222. 武村正義

    武村国務大臣 村井さん、新進党の発表された案、当然御存じですよね。サンセットを含めて、ある意味では輸銀、開銀も民営化に入っていますし、さきがけ以上に大胆な案だなと思って私は拝見をいたしておりますが、今の御批判は新進党の案については別でございますか。  やはり、この時期はそのぐらい大胆な案を出しながら必死で努力をしていく。それは、三党連立政権でございますから、社会党さん、自民党さんは大変長い歴史を持った政党でありますし、私どもは若いから、新しいから割合大胆なことが提案できたと思っていますし、ある種、この案どおりに最終成果がまとめられたわけではありません。そういう意味では、さきがけとしてのああいうアイデアというか、理想という意味で大胆な提案をしたことのもし責任があるならば、さきがけとしてはその責任を感じなければならないと思いますが、しかし、けさ私どもの党内議論では、やはりああいうリーダー役を果たしてきたことが今日政治改革をここまで盛り上げてきた、まだまだこの姿勢は変えないでこれからもやっていこう、どの問題も恐らくまだ数年以上かかるテーマだ、そういう私たちの党は認識でございました。  それで、私どもはたまたま新しいという立場から、同じ連立を組んでいる二つの政党の皆さんよりはやや身軽に理想というか大胆なことが言えることをむしろある程度御了解いただきながら、これからも行革については意欲約にひとつ党としては進めていこうという気持ちでございます。
  223. 村井仁

    村井委員 かりそめにも与党で責任を持ってやっていらっしゃるのですよ。それで政策を述べて、そして政策を掲げて集まって、そして政権とって大臣になったら、やはりちゃんと言ったことをやってもらわなきゃいけないのですよ。そのためにいわば政党というものは存在してやっているわけでしょう。それを四年も五年も先の話だなんてだれも受け取っちゃいませんよ、皆さんがおっしゃっていたことを。申しわけないけれども、私は、非常にそういう意味で問題な、国民に対してミスリーディンクな幻想を与えた。これは非常に困ったことだと思っておるのです。そういう意味で、皆さんが、自民党や社会党のような歴史のある政党と違って理想を掲げることはいいことだなんて、そんな無責任なことを政権の座にある人が、しかも重要閣僚が言ってもらっちゃ困るのです。
  224. 武村正義

    武村国務大臣 新しい政党で、少人数ですから理想を掲げやすいということを言ったわけで、私どもは、新党さきがけとしての今の時期そういう特色を持っているということをあえて御説明を申し上げたわけであります。言ってもらっちゃ困るというのは、そういう政党であるということをむしろ誇りにしながら申し上げているつもりであります。  それで問題は、さきがけと――私は大蔵大臣という立場では、ほとんどこの問題については慎重に終始をしてまいりました。この間、十日の日にそういう最終段階で一つの類似の金融機関の統合案は申し上げましたが、それまではほとんど具体的な発言は控えてきております。極めて慎重に、内閣全体の方針に合わせながらやってきたつもりであります。
  225. 村井仁

    村井委員 いずれにしても、こんな押し問答をやっていてもしょうがない話ですが、これからのために二つばかりちょっとこの問題に関連してお尋ねさせていただきます。官房長官戻られましたから、もうそろそろ本題に入らなきゃいけないので。  一つは、特殊法人民営化して株式を売却すれば国としてそれなりの収入は得られる、こういう考え方がある。それはわかりますけれども、JRにしたって、民営化して七年余りですか、大変な御苦労があって、最も条件に恵まれた東日本だけがやっと上場できたのです。しかも、それでも最大の株主はまだ実質的には国でしょう。そんなに容易な話じゃない。しかも、これを実現するには大変な準備を尽くしているんですよ。さらに、三島会社なんというのは、どれもこれもとてもじゃないが民営化のメリットなんというのは享受できるかどうかわからないのですよ。そういった問題も私たちは十分認識しなければならないと思うのです。  それから、財投を原資とする政府系金融機関が仮に民営化されたにしても、何がどう変わるのか。本来、政府系金融機関というのは民間金融の補完なんですよ。その補完機能は必要ないかどうかの議論もしないで、いきなり機関いじりするからこういった混乱が起きてくるのですよ、私に言わせれば。このことについて、私はまず大蔵大臣に一言御見解を伺いたい。  要するに、民間金融の補完機関である政府系金融機関が、その補完機能がそれぞれに必要あるかないかという議論を詰めた上で、私は本当は統合の議論をするべきだったと思うのですよ。それをなしにおやりになったように拝見するのですよ。そこのところを言っている。
  226. 武村正義

    武村国務大臣 それは村井議員のおっしゃるとおりだと思います。ある意味では政府系金融全体についても言えることかもしれません。なぜなら、これだけ日本経済は五十年のうちに大きくなったわけでありますから、敗戦直後のあの時期の開銀等を含めた個々の政府系金融の役割と、世界のトップに躍り出た日本経済の今の役割とかなり変わってきております。  同時に、個々の金融機関についても、銀行、公庫ともどもおっしゃるとおり補完という立場から、今どういう役割が担えているのか、今後担っていくべきなのか、何をやめればいいのか、そういう議論をさせていただいたわけです。それを全体を総務庁は今回おまとめいただいていまして、何となく、報道としては幾つ減ったということだけに関心が向かっておりますが、特殊法人全体について総務庁見直しをしていただいた、個々についてそういう姿勢を取りまとめをいただいているところであります。金融機関も例外ではありません。
  227. 村井仁

    村井委員 政府系金融機関統合問題につきまして、私はもう一点だけ御指摘申し上げておきたいのです。  例えば日本勧業銀行、今第一勧業銀行ということになっちゃって完全に民間化しています。あるいは日本興業銀行、これも民間化している。しかし、これはもともとは特殊会社としてできたことは御案内のとおりですね。こういった機関になり得るかもしれない、開銀が。しかし、それは財投との関係とかいろいろなことを考えた上での話。しかし、もともと国の機関だった巨大な金融機関が民営化されて誕生するということは、金融の世界に物すごい大きなインパクトを与える可能性もあるのですよ。そういう問題もよく認識してこれから御議論をいただきたい、そのことだけちょっと御要望を申し上げておきます。今度の一件は、私は正直言って余りにもお粗末だったと言わざるを得ない、それだけ申し上げておきます。  さてそこで、官房長官お戻りになられましたので、第二次補正予算と本予算の組み替えの問題につきまして入らせていただきます。ほかの大臣方に大変お待たせしまして申しわけございませんでした。  新進党は、昨日、阪神大震災の復旧、復興を緊急に実施するために必要な費用をすぐにも支出できるようにするために、平成六年度の第二次補正予算案を提出するように政府に要求をいたしました。それから、本日、平成七年度の予算案の撤回、それから編成替えを求める要求を提出しております。  このたびの震災は、これまでの予算委員会でも終始最も多くの時間が割かれ、さまざまの議論が行われてきておりますけれども政府平成七年四月一日にならなくては使えない予算案の審議を先行させまして、今直ちに必要な、使わなきゃならない震災対策、これは平成六年度第二次補正予算という形に多分まとまるんだろうと思いますが、これが全然出てこない。私は非常に驚くべき無神経さだと思うんですね。  大体、事故が起これは道路でも緊急車両が優先される、あるいは急行列車が通るときには、普通列車は側線に入ってちょっと急行列車を先に進ませる、そういうことをやるものなんですよ。それと同じように、こんな戦後例を見ないような大事件が起きたら、まずは緊急に必要な予算措置をどんどん講じていく、これは当然のことでしょう。それなのに、震災が起きて早くも四週間たつのに、すぐ使える予算が用意されていない、緊急車両が予算という面では全く稼働していない、それが実情じゃないですか。  一日も早く第二次補正予算を提出するべきではないか。この点につきまして、官房長官それから大蔵大臣、それぞれちょっとお答えいただきたい。
  228. 武村正義

    武村国務大臣 たびたびお答えをしてまいりましたが、全力を挙げて各省庁、第二次補正の編成作業に取り組んでおります。既に二十四日提案を申し上げておりますので、この約束はどんなことがあっても延びるようなことでたがえてはならないという思いで取り組んでおります。  御承知のように、それは確かに一カ月近くなったわけですが、既に発表いたしておりますような瓦れき対策は、国が二分の一持つ、あとの半分は地方が持つという方針を発表した翌日からもうどんどん動いています。業者も動いていますし、関係者も動いております。すぐに予算措置はできてなくても、そういうものでありますし、あるいは応急住宅対策も、何千から始まって、三万になり、さらに四万になり、それもどんどんもう敷地を求めて工事は発注されております。  予算が決まらなければ現地は動かないというものばかりではありませんし、その他、人命にかかわるさまざまな経費も、あるいは食糧関係経費も、どんどん予備費その他で支出をしておりますし、地方団体も、たとえ国の予算がなくても、これは後でこういう性格の予算としてちゃんと面倒見てもらえると思えばどんどん進めていきます。あるいは私立学校とか、公立以外の学校とか福祉施設も、激甚災が適用されて二分の一とか二分の二というその補助率が決まれば、おおむねどんどん業者にもう修復の発注をしていくわけであります。現場がそういう意味ではかなりフレキシブルだということも当然御承知いただきたいと思いますし、補正対応そのものも、普通は二月ないし三月かかるわけですが、もう一カ月たって、ほぼ今作業が見えてきております。  私どもは、大体一兆円余りという規模になる予定でございます。そんなスケールで、さらにここ数日、一生懸命念査をしながらまとめさせていただきたいと思っております。
  229. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 大変いろいろ御心配をいただきまして恐縮に存ずる次第でありますが、今大蔵大臣がお話しいたしましたように、政府といたしましても、十七日、大震災発生以来、総力を挙げて救援あるいは復旧活動に努力をしているのは御承知のとおりでございます。  そういう中で、まさに走りながら、仕事をしながら補正予算の作業にも鋭意取り組まさせていただいているところでございますが、ようやくそれぞれ、今大蔵大臣申し上げましたように、予算の編成の内容も固まってまいりまして、近々お示し申し上げて、遅くも二十四日には御提示申し上げたい、こういうぐあいに思っておりますので、よろしく御審議賜りますようにお願い申し上げたいと思う次第であります。
  230. 村井仁

    村井委員 私は、やはり少し粗っぽい数字であっても一日も早く第二次補正が出されるということが非常に被災民に安心感を与える、皆さんに安心感を与える、この要素は非常に大きいと思うのですね。  そのことをちょっと申し上げまして、私は、第二次補正につきまして、少し個別の問題になりますけれども、私たちの震災関係の補正あるいは組み替え要求につきまして関係大臣の御見解を伺ってまいりたいと思います。  労働大臣が何か委員会関係で先にお立ちになるようなお話を伺っておりますので、ちょっと労働大臣にお伺いいたします。  企業の雇用者に対する支援でありますけれども、雇用調整助成金それから失業手当の給付率の拡充等に伴う助成、こういった問題につきましてどんなような対応をしておられるか。それから、もう一つ、これは組み替えの方で私ども要求しているのですけれども、職業安定所機能、これをふるさと復興のために、まさに被災地の現場で職のあっせんというのは非常に重要である。それを充実する、強化する、こういったことをやっていかなきゃいけないんじゃないだろうか。こっちの方は恐らく組み替えで対応しなきゃいけないんじゃないだろうかと私ども考えているわけでありますけれども、そんな点につきまして労働大臣からお答えいただきたい。
  231. 浜本万三

    ○浜本国務大臣 どうも時間の関係で、相済みません。  お答えいたします。  先生御指摘の点は、被災地における雇用対策、労働保険制度の運用及び労働保険料の徴収に関する事項についての七年度予算にも関係することではないかと思っております。労働省といたしましては、現地の要望等を踏まえながら、これらの事項に関しましても順次必要な対策を実施しているところでございます。  具体的には、御指摘の雇用調整助成金や失業給付の特例措置、休職者に対する積極的な職業細分、迅速かつ的確な労災補償の実施、労働保険料の納付期限の延長等の対策をもう既に講じておるところでございます。また、現在、新卒者の採用内定取り消し回避のための雇用調整助成金制度の活用もいたしております。また、公共事業に一定割合まで被災者を優先的に雇用する立法措置も検討中でございます。そのような準備を進めておりまするし、引き続き全力で対策に取り組んでまいりたいと思っております。  なお、これらの措置にかかわる所要額につきましては、現時点の把握は大変困難ではございますが、今後において被災地における復興状況の雇用失業情勢を的確に把握しながら、適切に対処してまいりたいと思うわけでございます。  それから、第二の御質問は、安定業務の体制を整えたらどうかということなんでございますが、この点につきましては、現地の事情もございますので、現地の皆さんとよく相談をしながら、どういう人員が必要かということを的確に把握をいたしまして、その要求に応じてこちらから応援体制を整えておるような次第でございます。したがいまして、それに要する経費というものは余り必要ではないというふうに思っております。  したがいましてい当面の緊急対策として、被災にかかわる事業所の休業や一時的な離職により賃金を受けられない方々への失業給付の支給や、被災地地域内の雇用の維持を図ろうとする事業主への雇用調整助成金の支給等は、もう特例措置によって十分現在の予算で賄える、十分とは申しませんが、一応賄えるだろうという見通しを立てておる次第でございます。  今回の特例的な措置にかかわる所要額は、現時点ではなかなか把握しにくいわけでございますが、六年度予算の執行状況を勘案いたしますと、大体予算の範囲内で対応できるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
  232. 村井仁

    村井委員 私どもの聞いているところでは、いわゆる口入れといいましょうか、それが下手をすると、何といいましょうかプライベートに行われる可能性がある、職業安定所が十分に機能しないというおそれがある、それは原因は人が足りないせいだ、こういう話がありますので、よくその辺は現地の事情に耳を傾けて御対応をいただきたい。私どもは、これは大臣おっしゃるほど簡単な話ではなくて、もっと人の要る話ではないか、こんなふうに受けとめておりますので、その点を申し上げておきます。ありがとうございました。  続いて、逐次申し上げてまいりますが、まず何と申しましても二次補正で一番重要な問題は民生の安定のための措置でございまして、仮設住宅の建設、個人住宅の確保、こういったことが当然重要であります。  これは、厚生大臣それから建設大臣、さらに大蔵大臣関係する話でございますから、それぞれお答えをいただきたいわけでありますが、仮設住宅それから個人住宅、私ども、八万戸を早急に建設しなきゃならぬ、そのうち当面仮設住宅五万戸を緊急に確保するということが必要だと思う。ところが現在は、実際千二百五十戸ですか、のところまでいったというのがけさの報道にあった。こういった問題。  それから、ひとり暮らしの高齢者のための公的施設を緊急に整備する必要がある。  それから、個人住宅の建設を支援するために、被災者に対する住宅金融公庫の既存融資の返済条件の緩和とかあるいは新規契約の優遇措置、それから民間金融機関の住宅資金貸し付けに対する利子補給措置、こういったようなことが必要なんではなかろうか。さらには、公的賃貸住宅の供給の促進それから被災マンションの建てかえ促進のためにいろんな措置が要るんじゃないだろうか。  それから、これは本当に気の毒な話ですけれども、保護者を失ってしまった子供たちを保護するための施設、これ、何とかしてあげなきゃいけないんじゃないだろうか。こういった問題につきまして、それぞれ関係大臣からコメントをいただければありがたいと思います。
  233. 井出正一

    ○井出国務大臣 今回の地震災害につきましては、これまで緊急対策に取り組んできておりまして、これから本格的復旧対策にも取り組んでいこうとしておるところでございます。目下、六年度二次補正を編成している真っ最中でございます。昨日、夕方お申し出をいただきました問題につきましては、必要な措置を適時適切に講ずるべく最善を尽くしてまいりたいと思います。  今、村井先生、厚生省関係三つ御指摘くださいましたが、まず最初の応急仮設住宅につきましては、約四万戸を建設するという県の計画を支援しているところでございます。さらに必要な場合には、もちろんその方向で支援していくつもりでございますが、このうち額の確定したものにつきましては既に予備費を使用したところであり、これ以外の所要経費については、必要に応じ今後措置してまいりたいと考えております。  また、ひとり暮らしの高齢者等に対して今後どのようなサービスを提供していくか、地元自治体とも御相談していく必要があると考えております。その結果、必要があれば、今後所要の措置を講じてまいりたいと思います。  それから、今回の地震により両親を失う等により養育する保護者がいない児童につきましては、既に養護施設あるいは里親等で、今四十五人の方がいらっしゃいますが、保護しているところでございます。
  234. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 お答えをします。  非常に甚大な大災害でございますから、私どもも、地方公共団体の皆さんと十分に連絡をとりながら、被災者の皆さん方の救援、そして復旧、復興に向かって全力を挙げておるところでございます。  建設省といたしましては、所管公共施設等の被害額をもとにした災害復旧事業、あるいは二次災害防止のための施設の点検及び緊急整備、被害者向けの住宅の確保、被災市街地の復興事業等最善の努力を尽くしてまいりたい、このように考えておるところでございます。  先生からは特に質問がございませんでしたが、予算の組み替え等は、復興といいますか景気回復の軌道にまさに緩やかながら乗っておるところでございますから、これはこれでやって、第二次補正予算では万全の対策を立てていただくように財政当局に要望しておるところであります。
  235. 武村正義

    武村国務大臣 特に住宅を例にとられて御質問がございました。  政府系については先ほど野坂大臣がお答えをしておりましたが、いずれにしましても、公庫の災害復興住宅貸し付けを発動をして、激甚災害金利を適用しておりますが、さらにこれを上回る努力ができるかどうか、今真剣に詰めているところでございます。いずれにしましても、金利を下げる、あるいは据置期間を設ける、あるいは償還期間を延ばすというふうなさまざまな貸し付け条件の、利用者にとって有利な方向で緩和措置が講じられているところでございますし、さらにこれをもう一歩強化ができるかどうか、真剣に詰めているところでございます。  民間につきましては、やはり何といっても民間、個々の銀行が融資をされているわけでございますから、その自主的な経営判断にゆだねなければなりません。それぞれ、低利融資の考え方をとろうとしていただいているようでございますし、既往の民間債務についても、個々に銀行が話し合いに応じて、極力御相談に応ずるように努力をしていただいているところであります。
  236. 村井仁

    村井委員 それから、瓦れきそれからごみの処理、これはもう何といっても復興の第一歩でありまして、これは私は国の責任で処理をするべきものだと思うのでありますが、何しろ急ぐ話でありますから、二次補正で相当きちんとやっていただかなきゃいけないんだろうと思っております。  それから、被災地域におきまして、生活の安全、治安の維持確保あるいは交通秩序の維持のために、全国から多数の警察官が加勢に駆けつけられる。その派遣費用、これは国が当然二次補正で対応するということが必要なんじゃないだろうか。  さらには、被災住民の医療、衛生の確保のために要した費用を補てんするとか、被災した医療機関や社会福祉施設の再建を急ぐとか、このための助成も二次補正で手当てするべきだと思っておりますけれども、この辺はどうなんでしょうか。  それから被災住民の生活再建のための支援について、現在二食しか支給されてない食事を三食支給にするとか、生活物資を確保するとか、災害弔慰金、見舞金の速やかな支給、それから生活福祉資金貸付制度の特例措置に伴う助成、無担保の生活資金融資の拡大に伴う必要な助成、こういった点、国として急いで二次補正に盛り込むべき問題ではないか。  大変包括的でありますけれども、このあたりにつきまして、これは厚生、自治というようなことになりますか、それぞれ……。
  237. 井出正一

    ○井出国務大臣 私ども関係した点につきまして、お答えをいたします。  瓦れき、ごみ等の廃棄物処理は国の責任で行えということにつきましてでございますが、今回の地震による損壊家屋等の災害廃棄物の処理につきましては、被災規模の大きさ、都市機能や社会全体に与える影響が多大なことなどから、市、町の実施する災害廃棄物処理事業に対しまして、特例的にその解体まで含めて国庫補助二分の一の対象とすることとしたところでございます。その所要経費につきましては、必要に応じて今後措置してまいりたいと考えております。  また、先生、国民健康保険等社会保険の減免措置もお申し出にはありましたものですから、触れさせていただきます。  国民健康保険等については一部負担金の支払いや保険料納付を猶予するなどの取り扱いをしておるところでございますが、このことにつきましては、県、市、町の御要望も踏まえて、今後また適切に処理してまいるつもりであります。  また、被災医療機関の再建のための助成についてでございますが、地域医療の確保の観点から、必要な方策についてただいま政府部内で早急に検討し、今後適切な措置を講じてまいりたいと考えております。  また、被災社会福祉施設の再建のための助成についてでございますが、その早期復旧に向け、これまた今後適切な措置を講じてまいるつもりであります。  被災者に対し三食分の食事、現在二食分、の支給と生活物資を確保することについてという御指摘でございますが、現在避難所の被災者の食費単価は一日一人あたり八百五十円というのが基準にはなっておりますが、これは県からの協議により特別基準を設定することは可能でございまして、今その旨、県の方へも通知、指導をしております。食費の問題を含め、避難所に必要な生活物資につきましては、状況を踏まえ、所要の措置を講じてまいりたいと考えております。  災害弔慰金及び見舞金の速やかな支給でございますが、これは大阪府で一部、支給が始まりましたが、実は、大変全国にわたっておるものですから、事務的になかなか困難でございます。できるだけ早期の支給に向けて、今準備が進められているところであります。その所要措置についても、今後必要に応じて措置してまいるつもりであります。  さらに、生活福祉資金貸付制度の特例措置に伴う助成及び無担保の生活資金融資の拡大に伴う助成をせよという点でございますが、今回の地震に関しまして、所得制限のない小口貸付制度、最高二十万円までですが、を設けて貸し付けを行っております。  また、従来からの災害援護資金の貸し付けも行うこととしております。その所要経費につきましても、必要に応じて今後措置してまいります。
  238. 野中広務

    ○野中国務大臣 被災地域におきます警察官の活動につきましては、兵庫県警はもとより全国から多数の警察官を派遣いたしまして、警察の総力を挙げて現在対処しておるところでございます。  被災期間が長引いてまいりまして、避難所の問題もありますので、現在は五千五百名の応援を行い、そしてそれに兵庫県警を加えまして、三万人体制で臨んでおるところでございます。特に最近は、百名に余る婦人警察官を避難所に重点的に配置をいたしまして、避難者のケアを行ったり、またパトロールを行っておるところでございます。  消防につきましても、消防の施設が破壊をされたり、あるいは損傷しておるわけでございますから、これにつきましては、地元公共団体の意向を聞きながら、それぞれ第二次補正でお願いをしておるところでございます。  委員先ほどから、災害のこれからの取り組みについて、平成七年度の予算の組み替えをやれと、それをやらないのは何か政府の怠慢のようなお話を聞きますけれども、私のような未経験者はともかくも、委員は少なくとも、花の通産省でエリート官僚と言われる道を歩んで来られ、亡き塩島大君の後を継がれた方であります。そして、大蔵委員会理事やら大蔵政務次官をおやりになった方であります。その委員が、今、二十日に国会が開かれ、その直前の十七日に地震が起きて、その予算を組み替えせよといったら、どんな手間暇がかかって、民間の皆さんからも大変な行政改革を言われておるときに、どのようなむだな経費がかかるぐらいのことは、委員が一番、経験を通して承知のはずであります。私は、委員の発言とは承知しかねますので、この機会に申し上げておきたいと存じます。
  239. 村井仁

    村井委員 私は、今まだ組み替えの話はしていないんですよ。二次補正でちゃんと入れろと言っているんですよ。どうも自治大臣、いろいろ御指摘いただきまして、私の経歴に至るまで御指摘いただきまして恐縮でございますけれども、あくまで二次補正の話を申し上げている。  あと、私は、やはり急がなきゃいけないのは、被災地における経済活動の早期復興という問題だと思うのです。  企業活動の再開支援というのは非常に大切な問題なんですけれども、そのためには、災害復旧貸付制度の無担保低利融資の拡大ですとか、あるいは既存の融資金の返済条件の緩和、あるいはさまざまの金融特例措置が可能になるような措置を二次補正で手当てする必要があるのじゃないだろうか。それから、早く生産を再開させますためには、仮設の工場団地、こんなものをつくっていく必要があるのじゃないか。  それから、電気、ガス、それから通信、放送、上下水道などのライフライン、これについての復旧事業を円滑にするためにもいろんな支援措置をとるべきじゃないか。さらには、復旧について、専門の従事者、これはある程度限定されているのですね。ですから、全国的にもいろんな支援態勢がとられている。これにつきまして、国もこういった行動を支援するために何らかの手当てをしていく必要があるのじゃないか。このあたりにつきまして、主として通産大臣からお伺いしたいと思います。
  240. 橋本龍太郎

    ○橋本国務大臣 今委員が御指摘になりましたような認識のもとに、まず最初に我々がいたしましたのは、一月二十日の閣議決定、そして二十四日の激甚災の指定によりまして、災害融資等に対する特別措置を講じました。そして、二月の九日には、国としてとり得る最大限の措置として、過去の災害に比べて非常に踏み込んだ内容の総合対策を取りまとめたわけであります。時間もありましょうから、その細かい点を申し上げるつもりはありません。  また、今、企業についての影響についていろいろな角度からの御指摘がございました。その信用保証の問題につきましても、今回の災害の状況を考えますと、中小零細企業だけではなく、大企業までを視野に入れた支援体制が必要ではなかろうかと、私自身この委員会で御答弁も申し上げてまいりました。  そして、仮設工場団地のお話もありましたが、一月のたしか二十八日に参りましたとき、県市に対して私の方からお願いをし、場所の選定を急いでいただくように依頼をいたしましたが、最近になりまして、その場所がようやく出そろってまいりました。  それぞれの対応について全力を挙げてまいります。
  241. 村井仁

    村井委員 文部大臣が他の委員会関係でお出ましになっておられませんので、これは私は希望だけ申し上げて、答弁は結構でございます。  教育施設が避難場所となっているということがございまして、教職員にとりまして学校の管理というのが大変重い負担になっているという実態がございます。そういう意味で、学校の管理に必要な費用というものを追加的に支援していかなければならないと思われますし、また被災学童に対しまして、学業支援措置の拡充を行っていく必要もあります。  それから、当然のことでございますけれども、各所の学校につきましても、復旧につきましても金を手当てをしなければならないでしょうし、専修学校、各種学校等の施設の復旧のための国庫補助、これの新設も考えるべきではないか。こういった点からも、私どもは二次補正は大切である、このように考えております。  続いて、鉄道、道路、港湾等の交通インフラの復旧整備、これは特に急がなければならないことで、いろいろ御苦労いただいていることでありますけれども、私鉄などに思い切った無利子融資を与えるとか、国庫補助率の拡大等々の措置をとっていく必要があるんじゃないか。特に神戸港というのは、国際的にもいわゆるハブ港湾というのでしょうか、ということでありますし、それから新幹線というのは大震災復興のシンボルでもあるわけでございますから、一日も早く復旧を図るべきでありまして、そのためにもこれは、私はかなり二次補正できちんとしたことをやっていただかなければならないんじゃないかと思います。  運輸大臣にちょっとお答えいただきたいと思います。
  242. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 委員御指摘のように、まさに被災者に対する――ちょっとこっち向いて。答えているんだから、こっちに向いてください。被災者の救援、それからさらにそれと重なりながら、復興への取り組みを今やっておるわけでありますが、御指摘のように、現在の法制のもとでは、そうした資金的な手当てができない点がございます。  具体的に言いますと、例えば埠頭公社、これは現在の法律では国は補助できない。これは立法措置をやりまして、八割まで国がやるということで、これは大蔵も了解をしてくれておりますし、さらに私鉄につきましても、現在の鉄軌法の省令ではこれはカバーできません。これも、省令の改正もやりまして、個々の私鉄、それぞれ経営上の事情がございますから、融資でというところもございますし、国の補助金をというところもございます。これはもう細かく個々の事業体と連絡をとりながら、その要望に従って万全の措置をとるということをやっております。  以上でございます。
  243. 村井仁

    村井委員 さらに、農林漁業関係のいろんな公共事業がございますね。これにつきまして、災害復旧事業の追加、それから卸売市場、これはかなり壊滅的な状態になっているようでありますが、これの復旧整備、これを二次補正で手当てする必要があると私どもは考えておりますけれども、農水大臣、どんなふうにお考えになるか。
  244. 大河原太一郎

    ○大河原国務大臣 お答え申し上げます。  お話しのとおり、農地、農業用施設なり、あるいは漁港あるいは山地崩壊、共同利用施設あるいは卸売市場等につきまして、大きな被害を受けました。ただいまは仮工事とか二次災害の防止等を行い、さらに調査査定をいたしまして復旧事業費を確定して対応したいと思いますが、さらに激甚災害法の指定が行われまして、高率補助は確保されました。したがって、応急的な措置はどうしても二次補正で計上して対応いたしたい、さように考えております。
  245. 村井仁

    村井委員 通産大臣、恐縮でございますが、もう一つだけちょっとお尋ねさせていただきたい。  阪神大震災の経済的影響というのは、これは他府県にも及んでおりまして、それで間接的に経済的な影響を受けた企業というのも、これは少なくないわけであります。そのような企業に、例えば無担保低利の融資を措置するとかいうようなこと、相当思い切ったことを考えなきゃならないんじゃないかという問題意識が私どもありまして、これは二次補正で何とかならないかということを昨日官邸へ申し入れているわけでございますが、このあたりにつきまして、大臣
  246. 橋本龍太郎

    ○橋本国務大臣 今回の災害に当たりまして、私どもが一番問題意識を持ち、一番最初に対策を発表いたしました段階で、御承知のように、従来の市町村対象の指定ではなく府県単位での指定を行いますと同時に、その影響が及びますことを想定し、被災地内の業者との御商売上のつながりのために影響を受けられる方々を対象にして、当初から対策を組んでまいりました。そして、我々はその考え方は間違っていなかった、そう考えております。
  247. 村井仁

    村井委員 震災担当の小里大臣に、包括的にちょっとお尋ねしたいのでございますけれども、兵庫県がフェニックス計画というのをつくろうとしておられる。それから、神戸市が神戸市復興計画を推進するというようなことで、災害に強い新しい都市地域というものをつくっていく。こういうことで、いろいろ今、こういう状況の中でも既に動いておられるわけでありますが、このあたりにつきましてどのような支援をなさるおつもりか。  それから、大規模地震発生の可能性に備えまして、緊急にその対策を講じるためにいろいろな手当てをあらかじめしておかなきゃいけないんじゃないだろうか。一つは、例えば情報通信施設の整備、それから緊急に行うべき防災体制の整備。それから私は、一つのターゲットとしまして、ことしの九月一日の防災の日までに、国、地方、民間企業が、今度の教訓をベースにしまして、きちんとした防災計画をつくっていくというようなことが非常に重要なんじゃないだろうか。さらには地震予知の研究体制、こんなことももっともっと重点を置いて考えていかなきゃいけないんじゃないだろうか。ちょっと包括的にお答えをいただければありがたい。
  248. 小里貞利

    ○小里国務大臣 まず最初の話でございますが、御案内のとおり、大変甚大で広範にわたる被害をこうむった、その中におきまする復興、先生も御存じのとおり、大変たくましい復興への息吹が見え始めたと、私は非常に感銘深く、そしてまた私ども政府もそれなりの復興にかける責任を重々しく感じておるところでございますが、御承知のとおり、神戸市におきましても、去る七日でございました、神戸市復興計画検討委員会、発足をいよいよいたしました。あるいはまた、ただいまお話しのように、兵庫県におきましても都市再生戦略策定懇話会、これが十一日発足をいたしました。  それぞれ、復興にかけまする基本方針を三月いっぱいで策定しましょう、そしてまた復興計画を六月いっぱいですよ。しかも、ただいまお触れのとおり、防災性の高い都市づくり、これを一つの理念にいたしまして、言うなれば長期的ビジョンに基づく火急の事業を展開していくわけでございますが、これを戦略的に推進するためにさような機関あるいは方針、計画をお定めになった、私どもはそのように判断いたしております。  また、政府といたしましても、御承知のとおり復興本部を組織いたしまして、委員会も大所高所から検討いただいて、しかも全国的あるいは関西的、特に今次の復興は地元の市、県が主役にならなければなりませんから、そのようなことにも十分配慮しながら大所高所から御意見を総理大臣にいただく、そういうような諮問機関的なものも編成をいたす計画でございますし、御承知のとおりでございます。  さらにまた、総理大臣を本部長としまして、閣僚が部員になりまして、すべてのと申し上げていいのじゃないでしょうか、制度、体制、あるいは事業費の確保、あるいはそのほか細々と対応を集中的に打っていくための組織編成を今段取りをいたしまして、近々ハウスにも御相談申し上げたい、さような段取りでございます。
  249. 村井仁

    村井委員 もう一つ、私は今度の阪神大震災で非常に感じますことは、私たちは七十数年前に関東大震災というのを経験している。そして、多くの卵を一つのかごに入れるということがどんなに危険なことかということを、あのとき思い知らされているわけですね。それなのにまた、今度のような大被害を起こしてしまった。これは、私は大変な問題だと思うのですね。  そういう意味で、小澤国土庁長官にお伺いしたいのですが、国の中枢機能に災害の直撃があったら、本当にこれは大変なことになる。そういう意味で、首都機能の移転というのを本当に真剣に考えなきゃいけないんじゃないか。その点について、大臣のお答えをいただきたい。     〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
  250. 小澤潔

    ○小澤国務大臣 首都機能の移転問題について申し上げます。  首都機能は、大規模災害発生時における災害対策の中枢という重要な任務を有しております。首都機能自身が被災すると、応急対策の指揮、統括が十分に機能しなくなるおそれがあり、長期間にわたって国内、国外の社会経済に大きな混乱を来すおそれがあります。  首都機能の中枢である国会の移転につきましては、国会等移転調査会において、その具体化に向けた調査審議が精力的に進められているところでありまして、国土庁といたしましては、今回の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、今後ともこの調査会の調査審議の円滑な推進に努めるとともに、その具体化に向けて積極的に検討を進めたいと考えております。  以上でございます。
  251. 村井仁

    村井委員 それでは、お待たせいたしましたけれども、これから組み替え要求の話につきましてお話をさせていただきます。  きょう新進党は、平成七年度の予算の組み替え要求につきまして申し入れをさせていただいたわけでありますが、これにつきまして関係大臣の御見解をお伺いしてまいりたいと思います。  そもそも、何遍も私も申し上げ、また私どもの同僚議員も申しましたように、現在審議されている政府予算案にはこのたびの震災対応の経費というのは全く含まれていない、こういうような実態で、自明のことであります。したがって、これだけの大災害に平成七年度予算案は対応できない、これはもはやわかり切ったことでありますから、政府はこれを撤回して組み替えて、既に被害が判明している事項については、今までいろいろ私は指摘してまいりましたけれども、二次補正に引き続いて事業が円滑に行われるように措置するべきだと思うのですけれども、この点について、大蔵大臣、まずいかがですか。
  252. 武村正義

    武村国務大臣 政府は、御提案をいたしております七年度の当初予算、組み替えをする考えはありません。この大震災対応は新年度の補正で進めていきたいという考え方であります。
  253. 村井仁

    村井委員 今度の震災は、防災都市づくりが大切だということを改めて我々に教えたということでありまして、その意味では、平成七年度予算が防災都市づくりという意味では余り対応していない。特に、平成七年度が公共投資十カ年計画の開始年度だというようなことも考えますと、七年度の補正で対応するというよりは、真っ正面から当初予算で対応するべきものと思うのです。そういう意味で、私どもは組み替えをするべきではないかと考えますが、重ねて、大蔵大臣どうですか。
  254. 武村正義

    武村国務大臣 予算が成立する過程でございますから、組み替えの御主張があるのは認識をいたしますけれども政府としては、その考えをとらないということであります。  理由はいろいろございますが、何といっても、第二次補正対応もやっと昨今になって被害の現地から数字が上がってきている、やっぱり一カ月ぐらいかかりましたよね。そういう状況でありますし、まだ今なお数字が見えてこない。技術内容まで変えながら復興をしていこうとする事業については、少し時間がかかりそうでございます。新年度に入るものも当然出てきます。高速道路の設計なんかは特にそうであります。そういうことを考えますと、この限られた、もう残り少ない今年度の日程の中で提案をいたしております予算を組み替えるということは、もう間違いなく予算成立が新年度にずれ込んでいくというふうに考えるものであります。  そういう意味では、当初予算は、これはまた全国民的な、さまざまな緊急の仕事が盛り込まれているわけでございますから、そのことを考えますと、年度内にきちっと成立をさせていただいて、年度当初からこの予算が実施に移せるように全力を傾けていくのが政府姿勢であるべきだというふうに思っております。
  255. 村井仁

    村井委員 各大臣に、私どもの予算組み替えの重点事項につきまして申し上げまして、見解を伺いたいと思います。  建設大臣、それから運輸大臣になるかと思いますが、交通、物流の復旧を急ぎ、それから鉄道、道路、港湾等のインフラ機能の回復のために、JR、各私鉄、埠頭、また河川、下水道等の復旧、それから公営住宅の緊急増設、こういったものを中心に事業費を追加するということが必要だとは考えられませんか建設大臣
  256. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 先ほど申し上げましたように、道路あるいは下水道、橋梁、こういう、生活に関連する重要な諸問題でありますから、早急に対処、対応していかなきゃならぬと考えております。  阪神道路公団の場合は、いわゆる料金を収受してつくり上げたものでありますが、これは四国四県と瀬戸内海周辺の府県及び市、政令都市でありますが、これでやっておるというのが現状でございますので、それらを含めてこれから作業を進めてまいりますが、政府が、国自身がこの補助金を出してやらなければならぬというふうに考えておりますし、地方公共団体及び阪神道路公団等とも十分な連携をとって今進めております。  その他の事業についても、もちろん、地方公よ団体と連絡の上、スムーズに現在復興に取りかかっておるというのが現状であります。
  257. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 先ほどお答え申し上げましたようなことで取り組んでおりますが、大体、港湾関係では被害額は一兆円を超えると思いますが、私ども復旧とは言っておりません。復興ということで、耐震性を含めてやりますので、もうちょっとふえるかもしれませんが、これらについては、現在財政当局も、特に神戸の場合は港湾機能の回復、鉄道等の機能の回復が喫緊の課題だということで認識をしていただいておりますので、第二次補正におきまして重点的にこれらについては取り組んでいくということで、基本的な合意ができ上がっております。  これには、御承知のように施工能力等の問題もございますので、一遍に出して消化不良というわけにもまいりませんので、現在、全国の業者を神戸に集中をさせるというようなことも現に今やっておりますが、大蔵省の大変な御理解のもとで、資金面については何の心配もない状況でございますので、御安心をいただきたいと思います。
  258. 村井仁

    村井委員 厚生大臣、生活福祉資金貸付制度の拡充ですとか、それから住宅融資資金への返済猶予、無担保融資の拡大、あるいは救急医療体制の整備、災害発生対処に係る調査費、瓦れき・ごみ等の廃棄物処理、上水道の復旧等の経費の追加、それから臨床心理士の派遣等被災住民の心のケア対策、こういった点、私どもも、この平成七年度の予算案というのを見ておりますと、足りないんじゃないかな、こういう感じがするのでありますが、どんなふうにお考えになるか。  それから、通産大臣、災害復旧貸付制度への無担保超低利、それから中小企業につきましては全額利子補給というような思い切った措置を講ずることはいかがか。それから、既存の融資金返済の猶予と金利の引き下げ、中小企業高度化資金の復興資金への活用等の経費を追加する、こういったことをお考えにならないか。  以上、それぞれお答えいただきたいと思います。
  259. 井出正一

    ○井出国務大臣 お答えいたします。  七年度予算組み替えにつきましては、先ほど大蔵大臣あるいは自治大臣が御答弁なさったことと私も同様であります。  御提案いただきました六点でございますが、簡単に申し上げます。  まず、生活福祉資金貸付制度につきましては、先ほども申し上げましたが、今回の地震に関して小口資金貸付制度を設け貸し付けを行っているとともに、災害援護資金の貸し付けを行うこととしております。その所要経費については、必要に応じて今後措置してまいるつもりであります。  救急医療体制の整備でございますが、研究班を設けて研究を始めたところでございまして、その結果等を踏まえ、必要な対処をしてまいりたいと思っております。  瓦れき、ごみ等の廃棄物処理につきましては、これまた先ほど申し上げましたが、特例的に今回はその解体を含めて国庫補助の対象とすることとしたところでありまして、その所要経費につきましては、必要に応じて今後措置してまいります。  水道でございますが、全国各地の応援を受けて鋭意復旧作業が行われているところでございまして、昨日現在、約八五%の復旧を見たところであります。復旧のための経費につきましては、これまた必要に応じて今後措置してまいるつもりであります。  心のケアについてでございますが、精神救護所の設置あるいは協力診療所の確保、巡回健康診断における精神保健相談を実施し、臨床心理技術者等によるフリーダイヤル電話相談などの御協力もいただいております。心理判定相談員などによる児童こころの相談の実施も今しておるところでございます。今後とも、これらの対策を推進してまいりたいと考えております。この上で必要となる経費については、これまた所要の手当てをしてまいりたいと存じます。  お尋ねの臨床心理士による相談は、大変現在頑張っていただいていて、ありがたいと考えておりますが、臨床心理技術者の国家資格制度については、検討の場において意見のまだ一致が見られていないということを申し添えておきたいと思います。  もう一つ御提案いただいております点が、被災者及び被災企業の社会保険料負担の猶予、減免についてということもございます。社会保険料につきましては、納付の猶予を行っても徴収する保険料の額には影響を与えないので予算への影響はないのではないかと考えておりますが、保険料の減免ということになりますと、どのような対応が可能かどうか、現在実は検討しておるところでございます。その結果、仮に何らかの措置を講ずるとした場合には、その影響がどの程度の規模であるかなどを見きわめて、必要があれば適切な対応を行ってまいりたいと考えておるところであります。
  260. 橋本龍太郎

    ○橋本国務大臣 国として今までに講じてまいりましたその内容につきましては、平成六年度の補正予算におきまして所要の資金が手当てされると信じております。そうした中で、兵庫県が基金の構想を打ち出されました。これと相まちまして、被災をされた方々に対し、特にひどい方々に対しては、利子のつかないお金がお届けできるようになったことをほっといたしております。
  261. 村井仁

    村井委員 文部大臣おいでじゃございませんから、これは私どもの方の予算組み替えの重点要望として申し上げておきますけれども、学校及び専修学校各種学校の補修、それから入学科・授業料の減免、奨学資金の助成、避難場所となった学校及び被災児童受け入れ枝への助成、それから被災地の学校教職員定数の弾力運用、こういったことへの助成の経費を追加する、こういうことで組み替えが必要じゃないかという問題を指摘しておきます。  それから、農林水産大臣にでありますが、漁港施設、農地・農業用施設、卸売市場整備、農林漁業共同施設等の復旧のための事業費の追加。  それから、防衛庁長官ですが、映像電送装置の中部・東北・西部方面総監部への設置、こういったことが必要なんじゃないだろうかということを指摘を申し上げておきます。  さて、時間がだんだんなくなってまいりましたが、もう一つ、自治大臣関係では、被害想定ですとか自治体中枢機能など地域防災計画の見直し、中央及び地域での情報収集・伝達体制の整備、それから同時多発火災等に対応する施設・体制の整備、震災復興物資輸送に関する交通対策、それから震災に便乗する商法への対策の強化、こういったような点で配慮が要るのではないだろうか。こんな点が我々が予算組み替えで重点事項として考えている問題点であります。  それから、これは地震担当相の問題だろうと思いますが、抜本的な防災都市づくりのための耐震基準見直しに係る調査費を追加する必要があるのではないか、この点もつけ加えておきます。  さて、ちょっと時間もだんだん切迫してきましたので、一点だけ。  これは主税局長、それから国税庁おられるかと思いますが、税の関係で、農地を被災者用住宅用地として貸与または譲渡した場合に、例の相続税の猶予制度の特例がございますね。あれをきちんと適用されるように措置していただいてあるかどうか。  それから、被災者の財形貯蓄の払い出しに係る税制上の優遇措置の継続の問題。これはちょっと細かい話なんですけれども、要するに、財形という形で貯金は持っている、しかし、それに手をつけてしまうと財形のメリットが消えてしまう。これは案外深刻な問題でありまして、この辺、運用でできるのじゃないかと思うのですけれども、その点について確認をしたい。  それから、防災設備に係る租特の措置の強化、これはいろいろ工夫する必要があるのではないか。  以上三点、ちょっと簡単に触れてください。
  262. 松川隆志

    ○松川政府委員 お答えいたします。  仮設住宅用地といたしまして相続税の納税猶予適用農地を市町村が一時借り上げてそれを使用するケースでありますが、既に問い合わせがございます。そして、我が方としては、一時的な転用でございまして、終了後、確実に農地に復元されるというような一定の条件を満たす場合には、納税猶予の継続を認めるということを既に伝えております。
  263. 小川是

    ○小川(是)政府委員 勤労者の財移住宅及び財形年金貯蓄制度につきましては、一定の金額の範囲内で利子非課税制度になっておりますが、この目的外の払い出しにつきましては、遡及して利子に課税されることになっております。  ただいまの御指摘のようなケースが今回あるのかどうか、それに対して対応する方法があるのかどうかという点につきましては、財形制度にかかわるところでもございますので、十分状況を把握した上で、必要があれば、かつもし可能であれば、対応を考えるよう検討いたしたいと思っております。  なお、防災関連の租税特別措置の問題につきましては、これは現在の災害後の各種の緊急対応の問題とは一つ別の問題として、将来の政策課題の問題であろうかと考えております。
  264. 村井仁

    村井委員 以上、ちょっと時間の関係もございまして、私どもの予算組み替えの要求の内容を概略各大臣からも御意見を伺いました。しかし、いずれにしても、各大臣からは、被災地の復興に対しまして精いっぱいの努力をしたいという御熱意はよく承ったと思います。  そうであるならば、阪神大震災の被害に苦しむ多くの人たち、そしてその人々に同情を寄せる全国民の心情を考えるなら、政府は一日も早く第二次補正予算を提出するべきでありまして、私たちも国民の期待にこたえて、遅くとも平成七年度予算の衆議院通過の前に平成六年度の第二次補正予算を通過させるのが私は衆議院の良識である、このように思うわけでありますけれども政府はもっと早く第二次補正を出すべきじゃありませんか。その点につきまして、大蔵大臣それから官房長官、それぞれちょっとお答えいただきたい。
  265. 武村正義

    武村国務大臣 きょう現在では、二十四日提案を目指して全力を尽くしていきたいというふうに思っております。
  266. 五十嵐広三

    ○五十嵐国務大臣 先ほど申し上げましたように、鋭意取りまとめておるところでございまして、遅くも二十四日までには御審議いただけるように御提出申し上げたい、このように存じておりますので、何分ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
  267. 村井仁

    村井委員 重ねて、一日も早く第二次補正予算を出していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
  268. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて村井君の質疑は終了いたしました。  次に、細川律夫君。
  269. 細川律夫

    細川(律)委員 社会党の細川でございます。連日の予算審議、大臣の皆さん、そしてまた政府委員の皆さん方には大変御苦労さまでございます。あと一時間でございますから、ぜひともよろしくお願いをいたしたいと思います。  私の方からは、まず、大震災におきます交通インフラの点についてお聞きをいたしたいと思います。高速道路そして新幹線、地下鉄の問題、また神戸港の問題についてお聞きをいたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  まず、高速道路についてお聞きをいたします。  高速道路は、これは大変安全な道路であるという、安全のいわば神話があったものでありますけれども、あの震災直後に、テレビとかあるいは新聞等で報道されておりました阪神高速道路の神戸線のいわゆる一本柱の橋脚が連続して倒れました。そして、高速道路が倒れたあの状況を見た人たち、あるいはまた、高速道路の橋げたが外れまして落ちていた、そこに観光バスがいわば墜落寸前のところでとまっていた、ああいう状況を見たときに、これは大変だと。特に私ども関東の人たちにとっては、一体東京の首都高速道路は大丈夫であろうかというような心配を大変されたわけでございます。  ちょうど一年前のあのロサンゼルスのノースリッジの地震については、これは日本の調査団が行きまして、そして高速道路が倒れている状況を見て、日本の高速道路は大丈夫だということをこの調査団の専門家の人たちが自信を持って言われていたわけでございます。ところが、今度この高速道路が崩壊をいたしました。特に、一本柱の橋脚が何であんなに連続して倒れたのか、あるいはまた、大丈夫な高速道路が倒れたのは一体耐震基準に合っていたのか、それともそれ以上の強い地震が来たのか、こういうことでいろいろと建設省の方でもいわゆる災害対策委員会をおつくりになって鋭意調査をされているということを聞いておりますけれども、一体これはどういう原因でこういうことになったのか、これについてまずお聞かせいただきたいというふうに思います。
  270. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 細川委員の御指摘どおり、神戸線の破壊状況については、千百八十本の橋脚をすべて調べてみました。約百五十本の橋脚が大きな損傷を受けておる。御指摘どおり、神話にも似た、関東大震災なり新潟地震等の状況を受けてその都度整備をして補完をしてまいりましたけれども、そういう中にあって倒れだというのは現実なんですから、どう理由をつけようもございません。したがいまして、これらの原因というものを徹底的に追求して、二度とこのような事態が起こらないようにしなければならぬというのが我々の使命であり、任務であると考えております。  そういう意味で、地震学会及び橋梁学界、そういうような方々に素早くお話を申し上げて委員会を設置して、過去二回論議を続けていただいております。予算もございますので、できるだけ三月中に一つの原因究明をして結論が出ないものかということをお願いを申し上げておりまして、その結果によって対処、対応、基準見直し、そういうことをやって、二度と再びこのような災害が発生しないように最大の努力をしてまいらなければならぬと考えております。
  271. 細川律夫

    細川(律)委員 関東大震災のような大きな地震でも大丈夫だという高速道路が崩壊をしたわけでありますから、これまでの耐震基準は見直さなければならないだろうと思います。  そこで、耐震基準を見直す場合に、日本の今の技術でいきますならば、今回のような大きな地震が起きましてもそれに耐え得るようなそういう高速道路をつくる、そういう技術は十分あるんだ。しかし、それに耐え得るような高速道路をつくるには大変な金がかかる。そうしますと、一体どう比較考量してつくらなければいけないか、こういうことになろうかと思います。  ただ、それを考える場合に、高速道路という高速のインフラでありますから、この安全性はまず第一だろうと思いますけれども、しかし経済性というのを考えますと、果たしてそういう耐震基準になるのかどうか。そこのあたりの基本的なお考えと、そして、その委員会報告が三月ごろだと言われましたけれども、それでは一体いつごろまでに耐震基準見直してつくり直すのか、耐震基準のあれはいつごろになるのかということについてお伺いしたいと思います。
  272. 野坂浩賢

    ○野坂国務大臣 先ほど申し上げましたように、耐震の基準は、学界等で十分検討して原因追求を行い、その対応策を発表していただきますので、その際に決めたいというふうに考えておりますけれども、それは三月中にできるかと言われましても、学者先生方の御意見によりますと、二回もやったのですけれどもなかなか結論が出ない、もうしばらくということでございますので、でき得る限り速やかにその対応をしていかなければならない、こういうふうに思っております。  もし、仮説でありますけれども、先生がおっしゃったように、耐震基準が高くなってくればもちろん金もたくさん要る、そこが兼ね合いは一体どうなるんだということでございますが、やはり人の命というものを最重要に、最重点に考えなければならぬ、金よりも命だ、こういう原則に従って耐震基準というものは見直していかなければならぬだろうと思います。  ただ、経済効果ということを先生から御指摘がありますが、地形、地質というようなものについても十分勘案した上で御結論が出るはずでございますから、それに合わせて十分考えていきたい、こういうふうに考えておるというのが現状でございます。
  273. 細川律夫

    細川(律)委員 東京にあります首都高でありますけれども、この首都高につきましては、神戸線よりも古くつくられたというのもたくさんあるわけでございます。そういうことから、この首都高についてもいろいろな補強をしたりしていたところであるようでありますけれども、果たしてこの首都高が大丈夫なのかどうかあるいは、これまで補強をしていた点についてまだどれぐらい残っているのか、そういう点もいろいろ心配なところもあるわけでございます。  したがって、この首都高について、従来の耐震基準でつくられておりますから一体それをどう補強をするのか、あるいは残りの部分がどれぐらいあるのか、それらについて、首都高について詳しくお聞かせを願いたいと思います。
  274. 三谷浩

    ○三谷参考人 お答えいたします。  今先生お話がございましたように、首都高速道路につきましては、関東大地震クラスのまれに起こる地震に対しても落橋が生じない、こういうことを目標といたしました技術基準に基づいて整備を行ってきたところでございます。首都高速道路は首都圏の大動脈であります最重要の都市施設であることにかんがみまして、これまでも地震に対する安全性に配慮をいたしまして、道路の建設を進めてまいったところでございます。  今お話がございましたように、建設が終わった後、現在使われております高速道路につきましても、これまで数回にわたります耐震の点検を行いまして、例えば新潟地震等の過去の地震から得られました最新の知見を踏まえまして、その都度、必要な対策を実施し、耐震性の確保、向上に努めてきたところでございます。例えば、橋げたの落下を防ぎます処置といたしまして落橋防止装置がございますが、これにつきましてもすべての橋梁についてその処置を完了させたところでございます。  今回の地震で高架橋などに大きな被害が生じたことにつきましても、首都高速道路公団としましては大変重大な問題として受けとめておりまして、緊急点検を直ちに開始したほか、既に実施しております橋脚の耐震性向上のための施策、これは橋脚に鋼板を巻きづけるなどの耐震対策でございまして、粘りあるいはひび割れ、損傷防止あるいは耐力のアップ、こういうことを目途としておりますが、これにつきましても計画を、現在施工中でございますが、繰り上げて、平成七年度に概成させる方針でございます。  なお、先ほどお話がございましたように、建設省でいろいろ学識経験者から成ります委員会が設置をされまして、種々の角度から検討が進められておりますが、これらの中で解明されること、あるいは新しい知見、こういうものについて耐震対策が指示された場合は、首都公団といたしましても速やかに対処してまいる所存でございます。
  275. 細川律夫

    細川(律)委員 神戸線の一本柱の倒壊を聞きましたら、あれは補強をする予定で、補強ができていなかったということを聞いておりますので、ぜひとも首都高におきましても、補強ができていないところを、来年度中にはやり上げるということでありますけれども、できるだけ早くそれもしていただきたいと思います。  次に、鉄道についてお伺いをしたいと思います。  鉄道の中でも、新幹線、地下鉄についてお聞きをしますけれども、山陽新幹線では橋げたとかあるいは橋脚、これが壊れております。そういうことで、新幹線は大丈夫だという神話も崩れてしまいました。また、地下鉄につきましても、地下は大丈夫だろうというのがこれまでのあれだったわけですけれども、今回地下鉄もこれまた壊れてしまいました。  そういう新幹線あるいは地下鉄が壊れました原因は、耐震基準に合った建設ができていたのかどうか。あるいはいろいろな報道では、例えば木片が入っていたとか、あるいは工法上のミスがあったとか、いろいろ報道もされておりまして、大変心配なわけです。また、地下鉄については、開削工法の部分がだめだった、いわゆるシールド工法の場合はいいんだ、大丈夫だ、こういうことも言われているようでございます。  したがって、今回の新幹線あるいは地下鉄の崩壊というのは耐震基準に合っていたのかどうか。合っていなければ、早急に耐震基準を見直さなければいけないというふうに思います。運輸省の方では、早速その検討委員会を結成をされて、既に調査もされているようでありますけれども、この点について、この基本的なお考えと、そしてまた一体基準はいつごろできるのか、その点などについて……。
  276. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 委員御指摘のように、私どもとしては予想もしない事態になったわけでございまして、はっきり申し上げまして、大変な私どもはショックを受けておるわけであります。  山陽新幹線につきましては、四十二年から四十七年に建設をしたわけでありますが、当時、建設に当たりましては、過去日本列島を襲った最大級の地震、近いところでは関東大震災、これクラスにも十分耐え得るという耐震設計のもとで建設をされたわけであります。  ところが、御承知のような状況でございます。これが、委員御指摘のように、耐震設計そのものはちゃんとしておったけれども、施工の過程の中で問題があったのではないかというような疑問の御質問もございましたが、現在、検討委員会またJRの技術陣を総動員をいたしまして、そのあたりのことを含めて調査をしておるところでございます。  木片が出てきておるというような、予想できないようなこともあったわけでもございますから、委員御指摘の点も視野に入れて、徹底的な検討をしていく。その上で、今後、天災でございますから、上限がどこに来るかというのは、これは予測できないわけでありますが、少なくとも今回の、そうした震度七、それよりかもうちょっと上のハイレベルの復興工事をしなければならない。  検討委員会のしっかりした結論が出てからやるというわけには、やはりこの交通機関も早期に開通をさせにゃいかぬわけでありますから、待つわけにはまいりませんので、検討委員会結論が出ても十分耐え得る、そうしたハイレベルのことで復興工事をやれという指示を運輸省はしておるわけでございまして、JR西日本もその形で現在やっております。  なお、検討委員会とは常時連絡をとりながら、検討委員会の意見もいただきながら、現在復興工事にかかっておるという状況であるということで御理解をいただきたいと思います。  地下鉄につきましても、委員御指摘のような、予測しがたいああいう事態になりましたので、現在も委員会で検討をいたしておりますが、これも非常にレベルの高い復興工事を、鉄板を巻くとかそういうような形でやっておりますけれども、私どもとしては、交通機関については、走らせる以上は、とにかく復旧工事をやってどうにか平時に走れればいいということは絶対やってはならない。地震というのはまたいつ起きるかわからぬわけでありますから、そういう点で、きちっとした耐震性を考慮に入れた復興工事をやりたいというように考えております。  また、港湾につきましても、百八十バース、ほとんどやられたわけでありまして、現在六十八バースを応急復興いたしておりますが、これは応急でございまして、この港はBクラスのあれで建築されておりますから、東京、横浜はAランクでございますが、復興に当たりましてはAランクでの、しかもさらに耐震性を考慮した復興をやりたい、このように考えております。  なお、三バース、耐震バースがあったわけでございますが、これは無傷でございまして、やはりそういう意味では、建設過程におきまして万全を期することが必要である、このように考えておるわけでございます。  以上でございます。
  277. 細川律夫

    細川(律)委員 まだ港湾の方については質問してなかったのですけれども、もうついでに、先にお答えをいただきました。  それで、私の方からは、この山陽新幹線が崩壊したということは、東海道新幹線、東北それから上越、これらも心配だ、東京の地下鉄も心配である、こういうことになるわけですね。そうすると、既存の今大丈夫なこれらについて、この耐震強化はどういうふうにされるのか簡単でいいですから……。
  278. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 私どもは、山陽新幹線についても予期してなかったわけでありますから、これは他の新幹線につきましても直ちに総点検を指示をいたしておりまして、検討委員会の指導をいただきながら、応急的にも問題のあるところはこれをきっちりと補強したいと思いますし、さらに検討委員会結論が出ましたら、それに基づいて旧線についてもきちっとやりたいと思います。また、新線建設についてもその新しい基準で取り組んでまいりたいと思っています。
  279. 細川律夫

    細川(律)委員 先ほど、神戸港のお話もございました。この神戸港については、日本の外国貿易の約一割、それから外貿コンテナの約三割ということで、これは日本一の貿易でありますけれども、大変重要な港でございます。  ただ、この港につきまして、私は単なる復旧というのではいけないと思います。特に、海運業界の競争というのは大変熾烈でありまして、神戸港の方はほかのアジアの港から比べて少しおくれているといいますか施設がちょっとおくれているわけです。  そこで、この際、コンテナ船も四万トン級から五万トン級が接岸できるような、そういう大変大きな、アジアの神戸港といいますか、ほかの港にも対抗できて競争力にたえ得るような港をぜひつくっていただきたいというふうに思います。その点について、ちょっと簡単にひとつ。
  280. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 先走って答弁いたしまして、失礼をいたしました。  今委員御指摘の点は極めて重要である、このように私も考えます。ただ旧に復するということじゃなくて、国際港神戸、これを新たに建設をするというような立場で取り組んでまいりたい。  したがいまして、現在のところ一応、港の被害というのが一兆二、三千億程度という形で言われておりますけれども、私どもは、今後かかる金は場合によっては二兆円に近い金がかかるかもしれません。大蔵省も、旧に復するだけじゃなくて、やはり国際港神戸港の建設という視点で取り組むことについても深い理解をいただいておりますので、今後そういう形で私どもも頑張ってまいりたいと思います。
  281. 細川律夫

    細川(律)委員 大変力強いお答えをいただきました。大変な復旧費用がかかると思います。この交通インフラにつきましては、大変重要な公共的な施設でもありますので、ぜひともこれに財政的な国の援助をしていただかなければいけないと思いますけれども、この交通インフラの復旧、復興について、大蔵大臣の方から財政的な点について基本的なお考えを聞かせてください。
  282. 武村正義

    武村国務大臣 建設大臣、運輸大臣にお答えいただいておりますように、真剣に、現地の状況を踏まえて数字を整理をしていただいて、私どもと協議中でございます。両省の真剣な御期待に極力こたえるべく、大蔵省としても精いっぱい努力をさせていただきます。
  283. 細川律夫

    細川(律)委員 よろしくお願いをいたします。  それでは、これから環境庁長官にいろいろお聞きをしたいと思います。  ここに、これはドイツの新聞の写しといいますか、拡大したコピーでありますけれども、これをちょっと見ていただきたいと思います。見えますか。こういうものですけれども、ドイツのベルリン・モルゲンポストという新聞なんです。これはたまたま去年の七月二十二日の新聞なんですけれども、これに週末の天気予報、三日間の天気予報が出ているわけなんです。曇りとか晴れとか、そういう予想なんです。  それで、この丸の中に数字が書いてある。この数字、何の数字かおわかりでしょうか、まあわからないと思いますが。
  284. 宮下創平

    ○宮下国務大臣 突然の提示でございますので、私もちょっと正確にお答えできるかどうかわかりませんが……。まあこれはちょっと正確を期す意味で、先生の方からひとつよろしくお願いいたします。
  285. 細川律夫

    細川(律)委員 この丸の中に書かれている数字というのは、これは紫外線指数というものです。紫外線がどれだけ強いかというのを一から一五までの数字によってあらわしている、いわゆる紫外線指数なんです。これが、ドイツでは、こういう天気予報と同じように紫外線予報ということで新聞に載っているわけなんです。去年、アメリカとかカナダでもこういう紫外線予報というのが出ているわけです。オーストラリアとかあるいはニュージーランドでは、もっとずっと前からこういう紫外線予報というのは出ております。  一体何で紫外線予報というのがこういう新聞などで天気予報と一緒に出ているかということでございます。これは、紫外線に当たりますといろいろな病気になるといいますか、例えば皮膚がんであるとかあるいは白内障とか、そういう病気にかかる、こういうことで、紫外線には気をつけろ、こういうためにこういう予報が出ているわけなんです。これは、こういう予報まで出て紫外線から自分たちの体を守らなければならない、こういう事態まで世界の環境といいますか、地球環境が来ているということであります。  なぜ紫外線がこういうふうに、前は大丈夫だったのですけれども、最近、紫外線が危ないかといいますと、地球の周りにあります成層圏という中にありますオゾン層、このオゾン属の破壊が行われている、それによって紫外線の強さが出てきている、こういうことなんです。このオゾン層の破壊は、一体どうしてそういうふうになるかといいますと、いわゆるフロンというものでなるということは、これは長官も御存じのとおりだと思います。  そこで、我々がふだん非常に便利に使っております冷蔵庫であるとかカーエアコンであるとか、そういうものからフロンが出て、そのフロンがオゾン層を破壊をして、そして今ではもう天気予報と一緒に紫外線予報までしなければいけないような、そういう事態に世界はなってきている、こういうことにつきまして、環境庁長官の、いわゆる地球環境といいますか、これに対するお考えを少し聞かせてください。
  286. 宮下創平

    ○宮下国務大臣 委員は今、地球環境の問題の例示といたしまして、オゾン属の破壊、そして有害紫外線の人体に及ぼす影響について御指摘がございましたが、最近における地球環境問題は、委員御承知のように、地球温暖化、オゾン層の破壊あるいは酸性雨の問題、また砂漠化の問題、海洋汚染、熱帯林の喪失等々、国境を超えた領域でこういう問題が発生しておりまして、今大変、一九九二年のUNCED以降特に世界的な関心を強めております。そして、人類の生存にとって極めて重大な問題であると私ども認識もいたしまして、これに対応することが政治上非常に大きな政策課題である、このように考えております。  昨年の十二月に環境基本計画というのをつくりました。これは一昨年の環境基本法に基づくものでございますが、今までは、日本の環境問題というのは、垂れ流し公害みたいな克服の問題、あるいは都市生活型の、大量生産、大量消費、大量廃棄に基づく公害が、現在も続いておりますが、こういった問題でございますが、最近は、今申し上げたように、地球環境問題というのは、国境を超えた、各国の最大な関心の課題でございますから、私ども、環境基本計画を定めたときにもキーワードを四つ定めました。「循環」と、それから自然との「共生」、それから環境問題はすべての人が関与しなければなりませんから「参加」、そして、この地球環境問題に取り組む「国際的取り組み」ということで、この四つのキーワードを定めておりますが、この最後の「国際的取り組み」、オゾン属の破壊も、先生御承知のように、これはモントリオール議定書で、国際的な取り決めに基づいて我が国もオゾン層保護法をつくったり、そして追加的に、CFCをなるべく早く絶滅しようとか、いろいろの策を講じているところでございまして、地球環境問題というのは我々がこれから二十一世紀に向けて取り組まにゃならぬ大変重要な問題だというように考えております。
  287. 細川律夫

    細川(律)委員 大臣の積極的なお取り組みをこれからも期待するわけでございます。  そこで、私は先ほど、オゾン属の破壊がなされている、こういうことを申し上げました。じゃ、その実態は一体どういうことまで進んでいるのか、あるいはそのオゾン属が破壊をされ、紫外線が多くなりますと、一体どういうような具体的な人体に対する影響があるのか、そこらあたりについてお聞かせを願いたいと思います。
  288. 宮下創平

    ○宮下国務大臣 それでは、技術的な問題ございますから、大気保全局長答弁させます。
  289. 大澤進

    ○大澤政府委員 御承知のように、オゾン属が破壊され、紫外線がふえると、これはモントリオール議定書に基づく環境パネルの報告によりますと、仮に有害紫外線量が増加した場合には、人の健康やその生態系に悪影響を与えるということが予測、推測されております。  具体的には、人間の場合であれば、皮膚がんとか白内障の発症例の増加とか、あるいは生物系の成長への影響等が考えられる、この専門家による議論の中で、そういう見込みがされておるところでございます。
  290. 細川律夫

    細川(律)委員 気象庁、来ていないかな。
  291. 二宮洸三

    ○二宮政府委員 フロン等オゾン層破壊物質によりまして、オゾンが全球的に減少しつつあるのは事実でございます。特に、これが南極では顕著でございまして、一九七〇年代末以降、オゾンホールという非常にオゾンの少ない領域が発生しております。南極ほどではございませんけれども、全球的に減少しておりまして、特に高緯度ほどオゾンの減少が著しくなってございます。  それで、日本の状況でございますけれども、日本土空では、現在、札幌、つくば、鹿児島、那覇の四地点で観測をいたしてございますけれども、南側の三地点では有意な変動は見られておりませんけれども、札幌におきましては、十年間で約八%のオゾンの減少が見られでございます。  今御指摘ございました、オゾンの減少に伴って、有害紫外線がどの程度になっているかということでございますが、現在、有害紫外線といたしまして、二百八十から三百十五ナノメーターのところを有害紫外線といたしまして観測をいたしてございます。  それで、全く雲がなく、また空気中にほこり等がない状態におきましては、オゾンが一%減りますと有害紫外線は一・八%増加することが確かめられております。しかしながら、日本土空におきましては、雲が多く、また空気中にエアロゾルと言われる微小物質がございますので、それによりましても有害紫外線の地上への到達が妨げられております。そういうわけでございまして、快晴の場合では今申し上げたことでございますけれども、現実に雲が多く、またエアロゾル等の影響がございますので、全体といたしましては、現在のところ、まだ有害紫外線の有意な減少は認められていないところでございます。
  292. 細川律夫

    細川(律)委員 フロンによってオゾン層が破壊をされ、そして人体に大変強い影響が心配される、そしてまた、いわゆる生態系そのものも破壊をされるのではないかという心配があるわけでございます。  そこで、そのオゾン属破壊の元凶でありますフロンを大気中に放出をさせないということが非常に大事だろうというふうに思います。そうしますと、フロンを回収をしなければいけない。フロンについては、生産についてはもうことしじゅうでやめる、こういうことに法律でなっているわけなんですけれども、しかし、生産はやめても、使っているフロンが大変多いわけでありまして、それをどう回収をするかということが大事だろうと思います。  例えば、冷蔵庫一つをとりましても、東京で三十四万台の冷蔵庫が毎年廃棄をされるわけなんですけれども、そのうち、粗大ごみとして収集されるのが七万台、それも、四万九千台というものは途中でプレスされたりいたしましてフロンが全部外に出るわけなんで、結局、その三十四万台のうち、回収を東京都はやっていますけれども、二万台ぐらいしかやれないわけなんですね。  そういう回収状況で、この日本ではアメリカに次いでフロンを使っておりまして、そのフロンが大気中に放出をされて、そして南半球、最近では北半球までオゾン属が破壊をされて、その影響が深刻になってきている。日本としては、何としてもこのフロンを大気中に放出させないように回収をしなきゃいかぬ、それから、回収したものを破壊をしなきゃいかぬと思うのです。それが一体どういうふうになっているのか、そのことについてお聞きをいたします。
  293. 宮下創平

    ○宮下国務大臣 簡単に申し上げますが、今先生御指摘のように、冷蔵庫でありますとか自動車あるいはまた工場における洗浄等でフロンを排出するわけですが、これを回収し再利用する、あるいは焼却等の廃棄をする、このことは非常に大切でございまして、今環境庁として指導しておりますのは、各地方公共団体にモデル的に、一体この役割分担をどうするのか、費用負担をどうするのか、技術的にどうかというような点を検討させておりまして、平成五年度と平成六年度でそれを実施いたしておりますから、その成果を見て対応をきちっとしたいと思っております。  これはまだ法令に基づいて規制をするとかそういう段階にはなっておりませんけれども、環境基本計画に定められた趣旨によりましてよく指導をしていきたい、そしてその回収なり廃棄なりをきちっとしていきたい、こう思っておるところでございます。
  294. 細川律夫

    細川(律)委員 せっかく大臣答弁でありますけれども、私は大変不満でございます。これをきちっと回収をしないと、日本は、果たしてその環境に対して、環境破壊に対してきちんとしているのかどうか、国の政策としてやっているのかどうかということを世界の国々から私は問われるのではないかというふうに思います。  それで、私の方からは簡単に申し上げますけれども、今のオゾン保護法からいきますと、規制をしているのは、極端にいいますと、生産をすること自体、これだけが規制をされておりまして、回収とかあるいは回収したフロンを破壊をする、こういうことについては強い義務としての規制がなされていない。そこで私としては、そういうことを義務づけるような法制化をする必要があるのではないかというふうに思います。その点について大臣の御意見を聞きたいと思います。
  295. 宮下創平

    ○宮下国務大臣 先ほど申しましたように、地方公共団体でモデル的にやっておりますし、それから十八省庁の省庁会議を持ちまして、役割分担、費用負担、その他協議をしております。  また、焼却の問題等はプラズマ法等々の開発も今やっておりまして、必ずしも一本にはなっておりませんけれども、なるべくこれを集約をいたしまして、そしてできれば、私どもは、こうした問題は非常に広範にわたりますから自主的な対応というものを期待し、そして指導していきたいと今のところは考えておるところでございます。
  296. 細川律夫

    細川(律)委員 ちょっと私の考えと合わないようでありますけれども、ぜひこの点に強い意欲約な取り組みをお願いをしたいと思います。  そこで、私は、環境庁の方でこれについて余り熱心でないということは、実は、平成七年度のこのオゾン属保護の予算、これが昨年よりも減っているわけなのです。去年は、平成六年は五十六億でありましたのが、平成七年度の予算では四十四億、マイナス十二億、パーセンテージで二一%も減っております。  まことに私は残念で仕方がないわけでありますけれども、ぜひ私は、この地球環境を保護するための予算というのは大いにとっていただかなければいけないと思いますし、きょう、大蔵大臣がおられますからお聞きをしたいと思いますけれども大蔵大臣は、非常に環境に熱心な大臣でもございます。琵琶湖条例などもつくられた大臣でもありますから、こういうオゾン層破壊なんかに対する対策としての国の財政的な援助などについての大臣の基本的な考え方をひとつよろしくお願いします。
  297. 武村正義

    武村国務大臣 オゾン層の破壊の問題は大変重要な課題だと認識しております。  予算が減りましたのは、調べますと、特定フロン対策施設整備事業なるものが平成六年度で終了するということから、絶対額はやや少なくなりましたが、片方、環境庁長官のところで各省庁が集まってオゾン属保護対策推進会議も熱心に脇かれておりますから、ぜひここの結論を待って、財政当局としましても適切に対処をさせていただきたいというふうに思っております。
  298. 細川律夫

    細川(律)委員 ぜひとも、国の財政的な援助をいただきながら環境対策に積極的に取り組んでいただきたい、心からお願いをする次第でございます。  次に、鉄道整備の関係について、簡単に亀井大臣質問をいたしたいと思います。  実は私、この国会に来るにも、埼玉の方から東武鉄道、地下鉄を利用しながらこちらの方に参っております。そこで、通勤のときのラッシュといいますか、ラッシュ時の混雑というのは大変な込みようでございます。年々ラッシュの混雑度は低くなっているということを言われておりますけれども、私が利用している感じではそうでもないわけでありまして、通勤通学の混雑を解消する、これはまあ鉄道整備もあると思いますし、またいろいろ時差出勤とかそういうこともあろうかと思いますけれども、そういう点にぜひとも力を入れていただきたいと思います。  また鉄道整備につきましては、東京の地下鉄なども充実をしていただかなければいけないと思いますし、運政審の答申にあります鉄道整備をぜひとも実現をしていただかなければいかぬと思いますけれども、ただ、行政改革の中で営団地下鉄が民営化をしていくというようなこともありまして、この民営化によります地下鉄整備が不十分ということになれば、これはまた一方では大変大きな問題もあろうかと思います。その点をちょっと大臣の方から聞かせてください。
  299. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 委員御指摘のように、私もかつて埼玉に勤務しておったことがございますが、残念ながら、委員大変御努力をしておられるわけでございますけれども、やはり特に埼玉と東京との交通アクセスというのは私は非常におくれておる、このように認識をいたしております。  土屋知事も今この問題に精力的に取り組んでおられるわけでありますから、私どもとしては自治体ともよく協議をしながらいろいろなアクセスを考えていきたい。委員御指摘の地下鉄もその一つであります。  営団地下鉄を民営化したからそれでこの首都圏の方々のニーズに対応できないということになれば、これは行政改革に反するわけでありますから、そういう意味では、民営化いたしましても設備投資資金をきちっと調達できるような、その仕組みも同時に考えてまいりたい、このように考えておりますので、今後とも委員ひとつ積極的に、具体的なことについて、ひとつ知事とも相談をしていただきながら私どもにお話しをいただきたいと思います。
  300. 細川律夫

    細川(律)委員 私の方からは少なくとも、運政審の方で昭和六十年の七月に答申が出ておりまして、これでは東京の七号線、八号線、十一号線の延伸、それから十三号線の建設と複々線化ということが運政審で答申をされております。この点につきましては、地域の住民の大変強い要望もありますし、ぜひともひとつ実現をしていただきたいというふうに思いますので、大臣の御指導、御協力をひとつよろしくお願いをしたいというように思います。  続いて、東京共同銀行の設立について質問をさせていただきたいと思います。  きょう、東京協和信用組合、安全信用組合の資料が出てきた、提出をされたわけでありますけれども、しかし、預金者のリストの要求に対しては、これは固有名詞がないわけでありまして、これはぜひとも固有名詞もきちんと出すように重ねて要望をいたしたいというふうに思います。  そこで、この問題は再三この委員会でも取り上げられまして審議がされているわけでありますけれども、この間この二つの信用組合の前理事長については、違法な貸し付けあるいは違法な融資あるいはまた組合に大きな損害を与えた、こういうことから、この前理事長二人に対しては民事上あるいは刑事上の責任を追及しなきゃいかぬというようなそういう動きが強くなってきているところでございます。この二つの信用組合を救済をするということで日本銀行あるいは東京都から公的な資金を出して救済をするわけなんですけれども、一方、やはりこの乱脈な経常をしていた、放漫な経営をして、そして大きな損害を与えたこの前理事長に対しては、どっちも強く民事上、刑事上の責任を追及をしなければいけないというように私も思います。  そこで、これらの二人の前理事長の責任を追及をするという観点、あるいはまた、この新しい東京共同銀行を設立することについての可否についてのいろいろ議論をする前提として、私は、どういうところにどういうような融資がされたか、こういうことをぜひとも知らなければ審議にもならないのではないかというふうに思っているところでございます。  したがって、私は、この二つの信用組合、東京協和信用組合、そして安全信用組合の方から、一体どういうところに、だれに、幾らの融資がなされたか、その名前と金額を教えていただきたいと思います。
  301. 西村吉正

    ○西村政府委員 融資先及び債権額につきましては、この両組合の監督は東京都が行っていることでもございますので、私どもといたしましては、この場で直ちにコメントできる性格のものではないということを御理解いただきたいと思います。  ただ、監督当局である東京都においても、ただいま御指摘の経営者の責任の追及等につきましてはいろいろと努力をしておられるように伺っておるところでございますし、また、先ほど東京都から提出いたしました資料の中におきましても、両組合の経営実態と指導事項に関する資料が提出されているところであると承知しておりますので、ぜひ参考としてごらんいただきたいと存じます。
  302. 細川律夫

    細川(律)委員 これはかってない救済の例でありまして、今までにもこういう例はなかったわけでございます。したがって、こういう特別な措置をとりながらこの二つの信用組合を救済をしたということでありますから、この点についてはぜひとも、この信用組合の実態を知る上にも、私は、この融資先の名前と金額をぜひ出していただきたいと思います。
  303. 佐藤観樹

    佐藤委員長 後刻、理事会において協議をさせていただきます。
  304. 細川律夫

    細川(律)委員 この二つの信用組合の、合計千百億円にも上ります回収不能の金額があるわけでございます。そして、二人の前理事長につきましては、数々の違法な行為もなされているということも言われております。  例えば、イ・アイ・イ・グループに対しての六百六十億円の融資の九割までが回収不能であるとか、あるいは大口融資の規制の違反がある、あるいは、理事会の承認を受けなければならないのにそれを受けずにいわゆる自己貸しをしたとか、あるいはまた、主力銀行が手を引いてから追加融資をした、大変違法な、そういう経営が行われた、あるいは理事長の行為が行われた、こういうことが言われております。  そうしますと、私は、これについてはきちんとした刑事責任を追及もしていかなければいけないというふうに思いますけれども、この点について、法務大臣のこれに対する姿勢を聞かせていただきたいと思います。
  305. 前田勲男

    ○前田国務大臣 お答え申し上げます。  御指摘の件につきましては、いろいろの報道がなされておることは承知をいたしております。  具体的な事案にかかわることにつきましては、法務大臣としてお答えをいたしかねる問題でございますが、一般論として申し上げれば、検察当局は刑事事件として取り上げるべきものがあれば厳正に対処するものと理解をいたしております。
  306. 細川律夫

    細川(律)委員 世間的にも大変注目をされている事件でありますので、ぜひとも大臣の適切な御指導もお願いをしたいところでございます。  それで、最後にお聞きをいたしますけれども、この二人の理事長に対する捜査当局の捜査が行われているのか、言いかえれば、既に捜査を始めておられるのかどうか、この点についてお聞きをいたします。
  307. 則定衛

    ○則定政府委員 御指摘の二つの信用組合につきまして、この国会におきます議論の内容を含めまして新聞等で種々盛んに今報道されているということは、法務当局はもとより、検察当局もよく承知していると思います。  ただ、この具体的事件につきましてどう検察が対応するのか、これはあくまでも検察当局が独自に決めることでございますし、また、捜査の性格というのが御存じのとおりございます。したがいまして、現時点で、検察が捜査をしているのかどうか、これにつきましてここで明確にお答えするのは差し控えたい、こう考えます。
  308. 細川律夫

    細川(律)委員 この件につきましては、巨額の金融犯罪ではないかということも言われておりまして、ぜひとも、捜査当局におかれましては、徹底的な捜査のお願いを私の方から申し上げまして、私の質問は終わります。
  309. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて細川君の質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  310. 佐藤観樹

    佐藤委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。  平成七年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は  第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣総理府(ただし経済企画庁、環境庁、国土庁を除く)並びに他の分科会の所管以外の事項  第二分科会は、法務省、外務省、大蔵省所管  第三分科会は、文部省、自治省所管  第四分科会は、厚生省、労働省所管  第五分科会は、総理府(環境庁)、農林水産省所管  第六分科会は、総理府(経済企画庁)、通商産業省所管  第七分科会は、運輸省、郵政省所管  第八分科会は、総理府(国土庁)、建設省所管 以上のとおりといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  311. 佐藤観樹

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  312. 佐藤観樹

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次いで、お諮りいたします。  分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  313. 佐藤観樹

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、明十六日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十分散会