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1995-02-24 第132回国会 衆議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月二十四日(金曜日)     午前十一時二分開議 出席委員   委員長 田中 恒利君    理事 加藤 卓二君 理事 近岡理一郎君    理事 渡辺 省一君 理事 石井 啓一君    理事 今井  宏君 理事 江田 五月君    理事 山元  勉君 理事 中島 章夫君       相沢 英之君    池田 行彦群       唐沢俊二郎君    鈴木 俊一君       武部  勤君    虎島 和夫君       平林 鴻三若    貝沼 次郎君       坂本 剛二君    塚田 延充君       中井  洽君    野田 佳彦君       弘友 和夫君    北沢 清功君       田口 健二君    松本 善明君       津島 雄二君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総務庁長官) 山口 鶴男君  出席政府委員         総務庁長官官房         長       池ノ内祐司君         総務庁長官官房         審議官     土屋  勲君  委員外出席者         法務省民事局第         三課長     寺田 逸郎君         法務省民事局参         事官      菊池 洋一君         大蔵省主税局税         制第三課長   竹内  洋君         内閣委員会調査         室長      菅野 和美君     ————————————— 委員の異動 二月十七日 辞任       補欠選任  野田 佳彦君   吉田 公一君 同日 辞任       補欠選任  吉田 公一君   野田 佳彦君 同月二十四日 辞任       補欠選任  佐藤 信二君   平林 鴻三君  佐藤 敬夫君   坂本 剛二君 同日 辞任       補欠選任  平林 鴻三君   佐藤 信二君  坂本 剛二君   佐藤 敬夫君     ————————————— 二月二十四日  阪神淡路大震災に伴う許可等有効期間の延  長等に関する緊急措置法案内閣提出第五五号  ) は本委員会に付託された。     ————————————— 二月十七日  国家公務員災害補償法改正に関する意見 は本委員会に参考送付された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  阪神淡路大震災に伴う許可等有効期間の延  長等に関する緊急措置法案内閣提出第五五号  )  国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律  案一内閣委員長提出、第百三十一回風会衆法第  七号一      ————◇—————
  2. 田中恒利

    田中委員長 これより会議を開きます。  去る十七日、人事院より国会国家公務員法第二十二条の規定に基づく国家公務員災害補償法改正に関する意見申し出があり、同日、議長より当委員会に参考送付されましたので、御報告申し上げます。      ————◇—————
  3. 田中恒利

    田中委員長 次に、本日付託になりました阪神淡路大震災に伴う許可等有効期間延長等に関する緊急措置法案議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。山口総務庁長官。     —————————————  阪神淡路大震災に伴う許可等有効期間の延   長等に関する緊急措置法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  4. 山口鶴男

    山口国務大臣 ただいま議題となりました阪神淡路大震災に伴う許可等有効期間延長等に関する緊急措置法案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  平成七年一月十七日に発生いたしました阪神淡路大震災は、阪神淡路地域において、多くのとうとい人命と生活や経済活動基盤が失われるという未曾有の被害をもたらしました。  政府といたしましては、現在、阪神淡路地域の復興に全力を挙げて取り組んでいるところであります。  その一環といたしまして、震災により被害を受けた方々許可等有効期間を更新するための手続がとれない場合、あるいは履行すべき期限が何されている義務をその期限までに履行できないといった場合について、許可等有効期間等延長することができることとし、あるいは期限内に義務が履行されなかったことに対する責任を免除することとする措置を講ずることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、国の行政機関長等は、震災被災者等権利利益であって、その存続期間平成七年一月十七日以降に満了するものについて、その満了日を同年六月三十日を限度として延長する措置を、地域を単位とした当該措置対象者及び延長後の満了日を告示により指定することにより、または被災者等であって延長申し出を行ったものについて延長後の満了日を指定することにより行うことができることとしております。  第二に、法令に基づき平成七年一月十七日から同年四月二十七日までの間に履行されるべきであるとされている義務震災により履行されなかった場合において、その義務が同年四月二十八日までに履行されたときには、行政上及び刑事上の責任は問われないこととしております。また、震災の影響のためこの措置を継続して実施する必要があるときには、これらの義務ごとにその期限を政令で定めることができることとしております。  なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  5. 田中恒利

    田中委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  6. 田中恒利

    田中委員長 これより質疑に入ります。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。今井宏君。
  7. 今井宏

    今井委員 おはようございます。早速質問に入らせていただきます。  ただいま長官から提案がございましたこの法案でございますけれども、緊急を要するということで本日採決までやるわけでありますけれども、せっかくのこの緊急措置法でございますが、どのような方法被災地被災者皆さん周知徹底の工夫をなさっているんでしょうか。その辺につきましてまず御質問を申し上げます。
  8. 池ノ内祐司

    池ノ内政府委員 ただいま御指摘ございましたように、本制度緊急措置ということでお願いをしておるわけでございますけれども、この法律、生きるも殺すも、やはりそれを国民方々が活用していただかなければならないというふうに考えておりまして、政府としましても各種周知徹底策考えております。  報道機関に十分御説明申し上げまして、御協力をいただくことはもとよりでございますけれども政府広報、あるいは総務庁出先機関を通じまして、いわゆる政府中心となって周知を図る方法が一つございます。  さらに、各省庁お願いをいたしまして、それぞれ各省庁関係しております各種団体、この団体に、本法案並びにこの緊急措置につきましての内容を通知していただきまして、各省の方からそれぞれ周知を図っていただくという方法でございます。  さらに、関係地方公共団体にもお願いをいたしまして、本法案内容につきまして関係被災住民等に十分徹底していただくようにお願いをしたい、かように考えております。  なお、現在既に準備を進めておりますけれども政府広報紙で、本法概要、あるいは被災者に役立つ情報を掲載いたしました情報公開紙を現在準備を進めておりまして、これを各被災地域避難所あるいは行政機関へ直送、あるいは新聞の折り込み等を通じまして、被災地域方々本法に関する情報を十分御承知いただくように現在準備を進めておるところでございます。  いずれにいたしましても、本法案内容につきましては、十分住民に徹底いたしますように万全を期してまいりたいと考えております。
  9. 今井宏

    今井委員 次に、地方分権につきまして御質問させていただきますが、私、きょう四十分という時間でございますので、大変恐縮でございますが結論だけで結構でございますし、なるたけその骨格を承知しておきたい、こういうふうに思っておりますので、答弁者皆さんお願いをさしていただきます。  まず、地方分権でございますが、明治維新以来百三十年に及ぶ行政システムの大転換、こういうことになりますので、私たちにとっても大変正念場を迎えてきたのではないかと思うわけであります。私は野党でございますので、実は法案内容をまだ承知をしておりません。そんなわけで、各報道機関からの報道によりますと、その骨子あるいは要綱の内容報道されているところでございますが、その報道による内容でよろしいのだろうか、そして、スケジュール的には、来週、二十八日に閣議決定して、その後法案提出、こういうふうに伺っているところでございますが、まず、確認をさせていただきます。
  10. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  今、昨年十二月二十五日に決定いたしました地方分権大綱を踏まえまして、法律案作成を鋭意進めているところでございます。来週早々には閣議決定に持ち込みたいという決意で今作業しているところでございます。
  11. 今井宏

    今井委員 まず最初に、国と地方公共団体との役割分担、言うなれば地方分権推進基本方針について、一点御覧固させていただくわけであります。  地方団体あるいは二十四次の地制調等々から答申もあるわけでございますが、国の存立にかかわる事項、本来国が果たすべき役割というのを最小限度に明確にしていくべきではないか、こういう指摘があるわけでございます。限定するということについては、憲法上その他で議論があろうかと思いますので、ここで議論いたしますと時間が足りなくなるものですから、むしろ限定的なスタンス最小限度にするべきだと考えておるのですけれども、どのような法案になるのでしょうか。
  12. 山口鶴男

    山口国務大臣 分権大綱におきましては、「国は、国家存立に直接かかわる政策、国内の民間活動地方自治に関して全国的に統一されていることが望ましい基本ルールの制定、全国的規模・視点で行われることが必要不可欠な施策・事業など国が本来果たすべき役割を重点的に分担することとし、その役割を明確なものにしていくものとする。」というふうに明記をしてございます。この大綱に沿って、国と地方役割分担を根本的に見直すという形の法律にいたしたいものと考えておる次第であります。  いずれにいたしましても、今、国から地方へというのが私は国民皆さん方願いだろうと思います。そういったことを踏まえまして、地方公共団体自主性自律性を高め、住民に身近な行政住民に身近な地方公共団体が処理するということを基本にいたしまして地方分権を進めるべきであるというふうに認識をいたしている次第であります。
  13. 今井宏

    今井委員 報道等々で見る範囲での私の見解でございますが、それでもまだまだ不明確なところがあってあいまいさが残るのではないか、こんな感じがしてならないわけでございますが、実際に法案をいただいてからまた議論をさせていただければ、こういうふうに思っております。  次に、地方分権推進に関する国の施策でございます。  言われております機関委任事務の取り扱いでございますが、整理合理化等所要措置を講じる、こういうふうに報道されておるわけでございますが、この点、法律にどのような文言明記される準備をなさっていらっしゃるのでしょうか。お聞きさせてい」ただきます。
  14. 山口鶴男

    山口国務大臣 私、宮澤内閣当時でございましたが、国から地方へという地方分権はまさに国民願いだ、この際、国会地方分権推進国会決議をすべきであるということを提唱いたしまして、当時与党でございました自民党の幹部の諸君とも話をいたしまして、地方行政委員会中心となりましてあの衆参両院国会決議実現をいたしました。そういう経験もございますので、私は地方分権は徹底的にこれを進める、これが政治家としての私の任務であるという決意でやってまいりました。  御指摘機関委任事務を含めまして、国から地方公共団体への権限移譲、そして国の関与必置規制整理合理化等分権推進に関する基本方針法律において明記をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  15. 今井宏

    今井委員 その機関委任事務、国の関与必置規制でございますが、やはりこの種の分権に関する原理原則と申しますか根本原則は、法律にきちんと廃止という方向を明確にしませんとこれまた課題の先送りになってしまうのではないか。分権に欠かすことのできない最低限度のことが機関委任事務廃止、こういう姿勢がと思うわけでございます。これらをきちんとした基本方針の中に目標としてしっかり掲げるべきではないか、私はこのように思っております。  ただいまの大臣のお話ですと、そういう方向性を出すということはわかるのでありますけれども機関委任事務廃止、国の関与必置規制最低限度のものにして、むしろ必置規制そのものについては法律規定に基づくものだけ、こういうふうに限定していかなければいけないのだと思うのであります。  私も地方自治経験があるわけでありますが、通知とか通達で大変な関与があるのは事実でございますし、そういう原理原則法律の中で明確にしていくべきだ、こういうふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
  16. 山口鶴男

    山口国務大臣 私も地方政治経験がございますので、委員の御指摘はよくわかる気がいたします。  ただ、機関委任事務、とにかく地方自治法を見れば、地方自治法の中で定めております自治体の行うべき事務というのがこのくらいでありますと、地方自治法の後の別表第一から別表第四に至る機関委任事務団体委任事務、その方がはるかに膨大な量であるということは私は地方自治本旨からいっておかしいということをかねがね思っておりました。  しかし、それでは機関委任事務を全部廃止していいのかということになりますと、これは、例えば国政選挙事務地方公共団体委任をするというようなことはどうしてもしなければならないことだろうと思います。それ以外にもやはり機関委任事務として残すべきものは私はあると思います。  ですから、全部廃止というのはいかがかと思いますが、機関委任事務を思い切って整理合理化していくということは必要である。そういった方向法律でお示しをいただきまして、具体的には、法律でもって設置されます地方分権推進委員会で私はこの問題については明確な具体策を策定していくべきではないか、かように考える次第でございます。
  17. 今井宏

    今井委員 その辺が私ども基本的なスタンスのところでニュアンスを含めて違うのではないかと私は思っておるのです。  やはり地方団体も、原則廃止、こういうふうにまず決意を表明したわけですから、ぜひそういったことを理解していかなければいけないと思っていますし、総理大臣諮問機関地制調でも、概念の廃止、こういうふうに明確にしてあるわけですから、これは法律にきちんと位置づけをしておきませんと、ただ単なる今御説明いただきました整理合理化ですと、これは委員会にその作業をゆだねるということになるわけでございます。どうしてもその辺がはっきりしなくなってきますし、やはり原理原則明確化というものは法律にきちんと位置づけするべきである、このように考えておるわけでありますが、これもまた法案が出た段階で議論をさせていただきたい、こういうふうに思います。  ちょっと心配なんですが、地方分権、今の機関委任事務でいいますと、国からの機関委任事務が県では八〇%、地方自治体基礎自治体ですと三〇ないし四〇%がその事務にとられているわけですね。実態はそういうことであります。  分権最終目標は、都道府県から基礎自治体分権権限すべてゆだねていくという形が望ましいと思うわけです。住民に一番身近なところに分権をさせる、こういうことだと思いますが、これも法律の中に何らかの形で担保されませんと、都道府県移譲はされたけれども、今度は都道府県基礎自治体との関係でこれまたあいまいになってくるわけでしょうし、首長の考え方によってまた各都道府県ばらばらになりますので、法案の中に基礎自治体に最終的には分権させるのだという文言というものは必要ではないか、このように考えておりますが、いかがでしょうか。
  18. 山口鶴男

    山口国務大臣 私も国会に参加させていただきまして一番最初に属しましたのは地方行政委員会でございまして、地方行政委員会委員理事を十年以上いたしました。この間、私も地方制度調査会委員は何回かいたしました。  問題は、御指摘の点は、地方公共団体のあるべき姿をどうするかという問題では、道州制の提起あり、それから基礎的自治体である市町村、これを全国三百ぐらいに再編したらどうかとか、さまざまな御提起が今日までありました。  今の地方制度調査会答申、それから地方分権部会答申も共通していると思うのですが、やはり都道府県市町村をどうするかということについて議論をいたしますとこれはなかなか大変な議論になるわけでございますので、とりあえず都道府県市町村といういわば二つの地方公共団体、二層の地方公共団体、こういった現実を踏まえました上で、国から地方へという形で、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体へ。もちろん基礎的な自治体市町村です。また、市町村では処理し得ない広域的な事務都道府県が処理するということでしょうが、そういった実態を踏まえました上での答申であったし、また地方分権都会のお考え方もそうであったと私は思います。  したがって、基礎的自治体市町村であるということは認識をいたしておりますし、そういう立場で法律もっくるわけでございますが、今申し上げたように、この問題については、現状を踏まえた上での答申というものを踏まえました上で法案作成をいたしておるということで御理解をいただきたいと存じます。
  19. 今井宏

    今井委員 実はその辺がとてもとても大切なことでございまして、当然、分権をすることによって国も地方お互い責任が増大してくるということでございますし、それを不明確じゃなくてきちんと分担を明確にしていかないと本当に中途半端なものになってしまいますし、この法案が通ることによって逆に現状が固定化されてしまう、非常にその危惧を抱くわけでございます。  そういう意味では、地方分権推進法なるものではなくて。基本的には地方主権があるのだというのを認めて、むしろ地方主権確立法をやっていくぐらいな気持ちがなければいけないのではないか、こういうふうに思うわけですね。いつになっても中央から分けるのだ、とるのだということではなくて、お互い主権を持ってやっていくのだ、こういう姿勢が今回の法律ににじみ出しをしてもらいたい、こういうふうに思っているわけです。  時間がありませんので、地方財源基盤の強化その他についてもお聞きしたいわけでございますが、財政基盤もきちんと地方地方自主性を与えるということが大事だ、こういうふうに思っていますが、いかがでしょうか。
  20. 山口鶴男

    山口国務大臣 私も、地方行政委員時代は今委員が御指摘のような議論地方行政委員会で大いに展開をいたしました。そういった気持ちは私は委員と共通でございます。地方自治体と言わずして地方政府と言ったらいいのじゃないかというような議論も実は私展開をいたしました。  ただ、やはり憲法には行政権内閣にあるというような規定も一つあるわけでございまして、「地方自治本旨」という憲法規定もある、それから「行政権は、内閣に属する。」という憲法上の規定もある。そういった両方をにらみながら、いかにして国から地方へ、住民に身近な行政地方公共団体へということを実現していくかが今回の地方分権またその法律提案するゆえんではないか、私はこう思っておる次第でございます。  ですから、財政の問題も、三割自治という言葉がよくございました。財源税源もほとんどが中央に集中して、地方は、仕事はおっつけられるけれども財源は大変乏しいということは私も随分主張してまいったわけでございますので、国と地方役割分担を明確にいたします場合は、税源財源につきましてもそれにふさわしいような再配分をやっていくということは当然ではないかと思いますし、そういう趣旨は今回の法律の中でも明記をいたしたいものと考えて、鋭意努力をしているところでございます。
  21. 今井宏

    今井委員 次に、地方分権推進計画につきまして何点がお聞きをさせていただきます。  時限立法で五年、こういうふうに言われておるのですが、この時限立法を五年間にした理由をお聞かせいただきたい。そして、その五年間の中でどういうスケジュール分権を確かなものにしていくのだろうか、その辺につきまして御見解なりお考えをお聞かせいただきたい、こういうように思います。
  22. 山口鶴男

    山口国務大臣 今法案作成中でございまして、委員会任期をどうするかということは、今鋭意諦めているところでございますが、五年程度は必要になるのではないかという認識を私も持っております。  問題は、それでは任期を五年とした場合に、五年の間ゆっくり議論しておっていいというような問題ではないだろうと思います。委員会審議スケジュールは、委員会が構成されました場合に、委員会独自で委員会のいわばお仕事として決定すべき問題だろうと私は思っております。しかし、政府といたしましては、例えば昨年成立をいただきました行政改革委員会、この任期は三年、こういたしましたが、特に情報公開については、国民皆さん方期待もある、行政透明化ということはできる限り早く実現をすべきである、こういう認識のもとに、委員会におきまして情報公開に関する提言は、これはひとつ二年以内でやっていただくという形の法律改正委員会でいただいた次第でございます。  そういう意味で、五年間の任期、これは委員会自体がどういうスケジュール審議をするかということはお決めになると思いますが、やはりまとまるものは逐次おまとめをいただいて、積極的に地方分権を具体的に推進していただくということを私ども政府としては期待をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  23. 今井宏

    今井委員 法案作成をただいまやっている、こういうことでございますが、先ほど来、来週早々、報道では火曜日の二十八円ですかというふうに言われているのですが、当然のことながら準備はしておるのでしょうけれども、もうかっちり固まってなかったら閣議にかけられるわけないですよ。あと手続上の問題だと思うのですね。そういう意味で、もう一回確認させていただきますが、二十八日に閣議にかける予定という件については確定はしていないのでしょうか。
  24. 山口鶴男

    山口国務大臣 二十八日の閣議決定に持ち込みたいということで総務庁としては鋭意努力をしているところでございます。
  25. 今井宏

    今井委員 ということであれば、骨格から中身から法案の条文からもう整理されているはずでございますので、あえてお聞きをさせていただきたい、こういうふうに思うのでございます。  推進計画スケジュールなんでございますが、これは推進委員会にゆだねるという御答弁をいただいたのですが、それではやはりちょっと弱いと思うのですね。政府がやる、政府基本的な考え方地方分権を積極的にやっていくのだということであれば、冒頭申し上げましたように、やはり基本原則みたいのはしっかり明確にして、そして委員会にゆだねていくということがなければ、白紙委任で、五年ですからどうぞやってくださいでは本当の基本的な姿勢が出てこないのではないか、このように考えておるわけでございます。  地方団体意見書では、この推進法の施行後二年以内に計画作成して、国会に提出しなければならない、こういうふうに地方団体決意表明しているわけですよね。そういうことを受けて、政府の方ではどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか、お聞かせをいただきたい。
  26. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、委員会を構成いたしました場合、その委員会がやはり主体的にスケジュールを決めて作業を進めていただく、これは基本だと思います。  ただ、だからといって、政府は漫然とどうぞ御審議をと言っておるわけではないわけでございまして、先ほど来お答えいたしましたように、国と地方役割分担法律において明確にし、また税財源の再配分についても、考え方を、ある程度方向性を明らかにし、そういう中で地方分権推進の具体的な提言をこの推進委員会にもお願いする。そしてまた、分権大綱では「意見」というふうになっておりますが、私はあの予算委員会で、この「意見」というのには勧告ということも含むし、また監視ということも含むと思いますというふうにお答えをいたしました。  総務庁といたしましては、この地方分権を進める具体的作業を進める委員会、その機能をできる限り重いものにしていくということが必要だという観点から、先ほど申し上げましたように、委員会の任務は単なる「意見」の表明だけではなく、監視、勧告、そうしてまた、勧告があった場合、内閣総理大臣がこれを尊重するという趣旨も明確にしたい。率直に言って、各省庁の間には大分抵抗があったことも事実であります。  しかし私は、少なくとも地方分権推進する以上は、今申し上げたような分権委員会権限というものは明確にしてやはりお願いをすべきであるということで、今日まで鋭意作業を進めてまいりました。何とか今申し上げた趣旨で来週早々閣議決定に持ち込みたい、こういう決意で今進めているところでございます。
  27. 今井宏

    今井委員 その分権推進計画でございますが、当然達成期限というものを明らかにしていかなきゃならぬでしょうし、毎年の達成の年次計画というものも作成していかなければならない、このように考えておりますが、いかがでしょうか。
  28. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  当然、地方分権推進委員会では、何といいますか、メルクマールと申しますか、そういうものは委員会としてお立てになって、私は熱心な作業をいただけるものと確信をいたしております。  総務庁といたしましては、また政府といたしましては、その委員会に極力協力を申し上げていくということで、とにかくこれだけの国と地方役割分担、あるいは税財源の再配分ということを目指した法律というのは、私は、まさに戦後の歴史におきましては画期的なことではないかと思うのです。  そういう意味では、あの特殊法人の整理合理化が問題になっておりますときにも、私は、霞が関の諸君がこれに対していろいろ抵抗しているけれども、しかし、より問題なのは地方分権推進法律だと思う、これこそが本当の意味での政治改革であり、本当の意味での行政改革であるということをたびたび強調してまいりましたが、そういった決意で、今総務庁として、政府としてこの地方分権の課題に取り組んでいるということをぜひ御理解を賜りたい。  委員のお気持ちと私ども気持ちは、そういう意味ではまさに一致した方向を目指しているのではないだろうかというふうに考える次第でございます。
  29. 今井宏

    今井委員 ただいま大臣決意をお聞きしまして、大変心強く思いました。それをぜひ実践をするということが大切だ、こういうふうに思うわけであります。  せっかくその重大な決意をお聞かせいただきましたし、まさにこの地方分権こそが最大の行政改革ではないか、政府のリストラにもなりますし、スリム化にもなるわけでございますし、特殊法人というのは、そう言っては大変失礼ですけれども分権から比べたらその比ではない、私も全く認識を一にするわけでございます。  そこで、年次計画を当然つくっていかれるということになろうという御答弁もいただいたわけでありますが、この年次計画を確かなものにする、権威あるものにしていく、そのためには国会に年次計画を提出する、そして国会の議決、承認を得る、そういうことできちんとした足取りを歩んでいくということが大切だと思いますけれども大臣いかがでしょうか。
  30. 山口鶴男

    山口国務大臣 私、もう一昨昨年になりますか、国会等移転に関する法律提案者となりまして、衆参両院において御提案を申し上げ、また、御質問に対しては御答弁をいたしまして、その成立を見た次第でございます。その過程で、実は私は、国会等移転を考える場合も、地方分権を徹底的にやる、地方分権と的確に関連づけてこれはやるべき課題だということを法律にも書きまして、成立をさせていただいたのであります。  したがいまして、今お話がございましたが、私どもといたしまして、この地方分権推進するのにはやはり国会の御協力が必要であるし、また、衆参両院国会決議というものがあったからこそこの地方分権推進法律を御提案申し上げるということにもなってきたのだと私は思う次第でございます。  国会等移転に関する法律、成立をいたしまして、調査会ができて調査も進めるわけでございますが、同時に、国会と軍の両輪でやる必要があるというので、国会国会等移転に関する特別委員会も存置をいただいて、そして国会国会で御議論をいただく、調査会は調査会で議論をする、車の両輪で進めていただいていると思います。から私は、委員会から内閣に対して意見がある、また勧告があるという場合は、これは政府として国会に、こういう意見がございました、こういう勧告がございましたということを報告をいたしまして、そうして国会の御論議もいただくということは当然であろう、そういうことはきちっといたしたいもの、こう考えております。
  31. 今井宏

    今井委員 そうしますと、報告は国会にする、ただ、推進計画国会の承認事項にするところまでは踏み込んで考えていない、このように理解してよろしいのでしょうか。私は、計画国会の承認にしていくべきだ、このように考えておるわけであります。  あと五分しかございませんので、最後、まとめて御質問申し上げます。  それから、国会の報告、大臣がおっしゃるように、とても大切なことだと思うのですね。それは国会議員が知るだけではなくて、地方分権というのは、地方の協力、何よりもそこに住む国民皆さん住民の理解と協力がなければできないわけでございますので、国民ひとしく全部が情報を共有するというところで実は分権が確かなものになるのだと思うのです。分権されましても、地方は本当のこと言って、自己責任でやるわけですから簡単なものじゃないのですね。大変な責任を負うわけでございますから。  そういう意味でも頻繁に、途中の経過も含めまして国会に御報告していただき、それが全国民ひとしく、今どこまで分権が進められようとしているのか、何が議論されているのかということを知るということがとても大切なことだと思いますので、定期的に審議内容を公表するお考えがございますでしょうか、御質問させていただきます。  それから、最後の質問になりますけれども、問題は事務局ということになります。独立した事務局、こういうことでありますが、どれだけ独立性を保てるかということが課題かと思うわけであります。その事務局のメンバーを、どの程度のメンバー構成をお考えになっておるのでしょうか。事務局の構成、人数ですね、規模をどのくらい考えていらっしゃるのか。  それから、今回は予算措置がされてないわけでありますけれども、予算の規模をどの程度イメージなさっていらっしやるのでしょうか。その辺につきまして、やはり政府分権に対する決意というものを感じ取りたい、こういうふうに思っておりますので、御答弁いただきたいと思います。
  32. 山口鶴男

    山口国務大臣 審議内容をできる限り国民の皆様方に明らかにしていくという趣旨は当然ではないだろうかと思います。  先ほど申し上げた、国会等移転に関する法律を私は御提案申し上げて、また御質問がございましてお答えもしてきたのですが、問題は、その委員会会議の内答を公開するかどうかということは、これは私どもがとやかく言うわけにはいかぬ、これはまさに委員会が独自に委員会の運営規則としてお決めになることだと思う。  しかし、できる限りその内容国民皆さん方に明らかにするということは極めて大切だと思うので、提案者としては委員会にその趣旨を申し上げて、例えば委員会がありました後、行革審もそうだったようでございますが、委員会審議の中身を会長ができる限りマスコミの皆さんに丁寧に御報告を申し上げるというような形をとっていただくようにお願いをいたしたいもの、そういう中で委員会独自の運営として、委員会として善処をいただけるのではないだろうかと私は考えておる次第でございます。  事務局の規模あるいは予算の問題につきましては、これは予算関係法案ではございませんので、予算のことについては、この法律を御審議をいただきました場合、当然その運営に関して差し支えがあってはいけないわけでございますから、これは行革委員会の例もございますし、その他の例もございますので、当初予算に具体的に計上してありませんでも、差し支えないように対処する方法というのはさまざまあろうかと思いますので、その点は十分な活動ができますように対処いたしたいと考えております。
  33. 今井宏

    今井委員 御答弁いただきました、国民ひとしく情報を共有する手だてということはとても大切だと思うのであります。そういう意味では、会議の都度記者会見もしながら国民に知っていただくような機会を持ちたいという大臣答弁、大変頼もしく思いましたし、ぜひ実践をしていただきたい。定期的に、例えば三カ月に一遍なら一遍、年四回の公表とかをしながら確かなものにしていただきたい、こういうふうに強くお願いを申し上げたいと思っておるわけでございます。  それで、地方への移管ということになりますと、権限財源、それから人員、人間でよく三ゲンなどという話がございます。ちょっとイメージがわかないのでございますけれども、そういう意味では御指導いただきたいと思いますけれども国家公務員から地方公務員への身分の移管という問題が出てくるかと思いますね。中央のやる仕事の範囲が明確になってきますし、今中央でやっているそれ以外の仕事地方に今度は任せていく、自立させる、こういうことでございますので、人の移管、異動、どういう形でやっていくのでしょうか。  当然中央の方の体制整備もありますし、それを受け入れる受け入れ側の方の体制の整備、一定の時間をかけて丁寧にこれはやっていかなければいかぬと思っているわけですが、私には十分なイメージがわかないのでございますけれども、ぜひお教えいただきたいと思います。
  34. 土屋勲

    ○土屋政府委員 地方分権を進めるに当たりましては、具体的な事務事業をどのようにしていくかということから議論が進められると思います。したがいまして、国家公務員から地方公務員への身分の移管等も、事務移譲がどの程度、どんな内容で行われるかということに関連をしてくるのではないかと思っております。
  35. 今井宏

    今井委員 これで最後にさせていただきます。  いずれにいたしましても、今回画期的な分権推進法決意したということは評価をさせていただきたい、こういうふうに思っていますが、それを本当にしっかりしたものにしませんと、時限立法でただ何となく五年間やったよ、それで五年たってみたらもうその熱意が消えてきてしまったよ、これでおしまいよとか、あるいは分権お互いに不明確なものになって、ちょっとやって、やった気持ちになって、それが固定化されてしまう。そうしますと、元も子もないのですね。いいかげんな分権ならやらぬ方がいい、一たん固定されてしまったものをまたさらに変えるということになると倍のエネルギーと時間がかかるわけですから。  今回、分権推進法がどういう位置づけになってどうやっていくかということが一番大切なことだ、このように考えておりますが、最後に決意をお聞きして、おしまいにさせていただきます。
  36. 山口鶴男

    山口国務大臣 衆参両院において地方分権推進国会決議が全会一致でなされたことは、画期的なことではなかったかと私は思っております。国会がそのような決議をする、国権の最高機関がそういう決議をするということは、いわば主権者である国民皆さん方の総意を結集したものということだろうと思います。  したがって、国から地方へ、官から民へという流れは、これはもうとうとうたる大きな流れである。そういった流れがあります以上、また国民皆さん方のそういった意識がございます以上、この地方分権は、必ず国会決議方向実現するものであるし、またしなければならないと私は考えておる次第でございます。
  37. 今井宏

    今井委員 ありがとうございました。
  38. 田中恒利

    田中委員長 次に、松本善明君。
  39. 松本善明

    ○松本(善)委員 初めに、議題となっております許認可期間の延長法案について質問をいたします。  法案による許認可や届け出、報告の期限延長するという措置は、許認可などの手続が難しくなっております被災者への対策としては当然の措置だと考えております。そのことを前提にして幾つかの問題について確認をしておきたいと思います。  この法案は、被災者の権利、利益に係る許認可の有効期間を各行政機関が六月三十日まで延長できるという通則法であります。どの許認可を六月三十日の中でいつまで延長するかは、それぞれ各省の判断に任されております。今回の法案が成立をいたしましても、実際は、各省庁から一つ一つの許認可について期間延長の告示が出なければ被災者の権利、利益は守られない仕組みになっております。実際に救済されない被災者が出ないかという問題なんです。  また、告示はどのようなものが考えられているか、速やかに告示の必要がありますが、その段取りはどうなっているか等についてお聞きしたいと思います。
  40. 池ノ内祐司

    池ノ内政府委員 三点のお尋ねでございます。  まず最初に、漏れが生ずるのではないか、こういう御指摘ではないかと思います。今御指摘がございましたように、今回の期限延長に関する措置につきましては、二つの方式を採用しております。ただいま委員の方から御指摘いただきました一括方式、つまり各省の大臣がある地域を単位といたしまして延長措置対象者、それから延長後の満了日、これを告示により一括的に延長をするという方式でございます。  それからもう一つは、同じ条項の二項がございまして、それで救済されない地域につきましては、被災者からの申し出があった場合には同じ六月三十日までの期間でそれぞれ個別に延長措置をすることができるということでございまして、一括方式並びに個別方式、両方あわせますと、必要な措置は十分に対応できるのではないかと考えております。  それから、告示による延長措置をとるものは具体的にどんなものがあるかということでございますが、これも、緊急的なことでございまして、靴在関係省庁準備を進めております。  ただ、代表的と申しますか例示的に申し上げますと、一番数が多いのはいわゆる自動車の運転免許関係、これは免許証の有効期間であるとか、あるいは運転試験の有効期間であるとかの自動車の運転免許関係有効期間、あるいは業者のいろいろ登録がございます。これも有効期間が決まっておりますので、そのような業者の登録の期間であるとか、あるいは営業関係、これは販売、製造、いろいろ営業関係の許可がございますけれども、それぞれの有効期間、こういうようなものがあるのではないかということでございますが、いずれにしましても、現在各省の方で検討しておるところでございます。  なお、最後に、これはもう即時にやるべきではないかということでございまして、御指摘のとおりだと思います。そこで、けさの閣議におきましても、山口長官の方から各省大臣に対しまして、迅速に措置をするように、こういうことを指示しております。そういうことで対応してまいりたいと思います。
  41. 松本善明

    ○松本(善)委員 期限内に届け出や報告が履行されなかった義務の免責については、四月二十八日までに履行されれば行政上、刑事上の責任に問われないことになっております。同時に、二項では、四月二十八日までにその義務、つまり届け出や報告が何らかの理由でできない場合を考えて、その期限を政令で定めることができるという二段構えの措置をとっておりますが、例えば四月二十八日までに義務が履行できないケースというのはどういうものを想定しているんでしょうか。お答え願いたいと思います。
  42. 池ノ内祐司

    池ノ内政府委員 一応、原則的には、四月末日までにそれぞれ届け出をしていただけますれば免責措置が講じられる、こういうような仕掛けになっております。しかしながら、現在のところ、大規模な災害でございますので、例えばコンピューター管理、現在、いろいろな面でコンピューター管理が行われておりますけれども、今回の大震災によりましてコンピューターが損壊をして回復の時期がまだめどが立っていない、こういうものが現時点で、抽象的でございますけれども予想されるものがございます。したがいまして、そういうものにつきましては、今後その回復状況を見て政令で必要な措置をする、こういう考え方でございます。
  43. 松本善明

    ○松本(善)委員 この問題の最後に、被災者への周知の徹底の問題であります。法案を通して告示をされても、肝心の被災者が知らなければ何の意味もないわけで、この周知徹底、現地ではいろいろな問題が起きているようであります。どういうふうに周知をするのか、考えているか、お聞かせいただきたいと思います。
  44. 池ノ内祐司

    池ノ内政府委員 この法律自体につきましては、緊急措置ということで緊急提案お願いしております。したがいまして、迅速に被災地住民方々周知をしたいというふうに考えております。  報道機関に御協力を要請しております。さらに、政府公報あるいは総務庁出先機関ということで、中央省庁中心とした周知徹底策、それから各省庁にも、関係の諸団体につきましてはこの周知徹底お願いをする、さらには、地方公共団体がございますので、地方公共団体にも周知の徹底につきまして協力を要請をしております。  既に、政府広報紙につきましては準備を進めておりまして、これは各戸に頒布できるような形で準備を進めております。
  45. 松本善明

    ○松本(善)委員 じゃ、次に、被災者に対する登録免許税の減免措置について質問をいたします、大」蔵省ですが。  登録免許税というのは、金融機関から融資を受けるときの担保の設定登記や建物を新築して登記をする所有権保存登記、そのほか死亡による相続の登記、会社役員の変更登記、各種登記名義人の住所変更登記、会社本店移転登記、借地の買い上げ、交換などによる所有権移転登記など、相当数あります。  今の登録免許税はかなり高額な税であって、現金あるいは収入印紙で前払いしない限り登記は受理をされません。会社の登記も同じであります。  例えば、阪神震災の復旧のために民間金融機関から十兆円の融資が行われて、十兆円相当の建物が新築されたと仮定をいたします。仮定はもちろん仮定の話。そうすると、どのくらいの税収が国庫に入るかといいますと、おおよそ一千億になります。これは専門家団体の東京司法書士政治連盟が行った試算であります。付随的な登記は除いて、融資を受けた際の抵当権設定登記は千分の四ですから、十兆円で四百億円、建物所有権保存登記は千分の六ですから六百億円、合わせて約一千億になるという大変な金額です。  命政府が仮設住宅を建てていますが、一戸二百五十万円としまして四万戸分に当たるんですね。四月までに建てると言っているのが四万戸ですから、この一千億という金額というのは膨大なものだということ、おわかりと思います。  今全国で多くの皆さん被災者に対する義援金を出しておりますけれども、この登録免許税の減免措置がなければ、これは結果的に義援金を国が取り戻すということになるわけですよ。四万戸分仮設住宅を建てても、その部分は国庫が取り上げるということになるんですね。  登記制度の本来の目的は、国民の権利の保護にあって、収税のためではありませんので、この原則に立ち返って、被災証明を添付する被災関連のすべての不動産登記、会社登記の登録免許税を減免すべきだと思いますが、大蔵省、見解をお聞きしたい。
  46. 竹内洋

    ○竹内説明員 ただいま御指摘がございました登録免許税の件でございますが、今般の大震災に対する税制上の対応といたしまして、地震の災害の状況、各方面での取り組みの状況等を踏まえながら、税制の仕組みの中でいかなる対応が適切か、可能か、現在鋭意検討を進めているところでございます。  ただ、先生御指摘のすべての不動産登記、会社登記に係る登録免許税の減免という御提案でございますが、登記なら何でもというわけにもまいりませんものですので、被災者の再建を支援するという観点を基本に据えながら現在検討しているところでございます。
  47. 松本善明

    ○松本(善)委員 新聞報道では、倒壊住宅の新築に伴う登録免許税の減免を検討というようなことは出ているんですけれども、今答弁がありましたが、それだけではやはり不十分だ。被災証明を添付する被災関連のすべての不動産登記、会社登記の登録免許税の減免をやはりやるべきだ。今の答弁では、全部はやらぬというニュアンスに受け取れるんですけれども、しかし、被災者から今国庫が吸い上げるというのは、それはもう道理に合わないですよ。だから、全面的に検討をすべきだということを要求しますが、どうですか。もう一部はやらないということになっておるんですか、今の段階で。
  48. 竹内洋

    ○竹内説明員 現在のところ御要望にございますのが、被災住宅等の建物の再建の関係の登録免許税の問題でございます。この問題につきましては、大震災により全壊、半壊といった損害をこうむった建物を再建という観点でございますので、ここの点を中心に、私ども現在検討を進めているところでございます。  すべての登録免許税ということにつきましては、私ども、登録免許税の性格あるいは財政上の理由等含めまして、なかなか難しいというふうに考えておるところでございます。
  49. 松本善明

    ○松本(善)委員 全面的にやるべきことを要求して、次に、被災建物の滅失登記について質問をいたします、法務省ですね。  滅失登記は、通常、新築のために家を壊したり、災害で崩壊した際に所有者本人申請が原則であります。しかし、今回のような大規模に焼失した地域などについては、本人の了解をとることを前提に、滅失登記は市町村からの申し立てないし法務局の職権によって可能であります。本人、市町村、法務局と協議の上、簡素な手続被災者の負担にならないように処理をすることを検討すべきじゃないかと思います。  ただ、その際に職員の負担が大きくなりますので、職員の増員も検討をすべきだと思いますが、それらについて、法務省、どういうふうに考えているか、伺いたいと思います。
  50. 寺田逸郎

    ○寺田説明員 御指摘のとおり、建物が滅失した場合には所有者の申請によって行うのを大原則といたしておりますけれども、職権で登記することもまた可能だという規定になっております。  このたびの震災による滅失登記につきましても、この手続は原則的にはそのとおりなんでございますけれども被害の甚大さにかんがみまして、被災者の負担が軽減されるような簡易な措置、ただいま委員の方から御指摘あった簡易の措置でございますが、これをただいま検討中でございます。  現在のところ、滅失建物の分布状況、それから関係市町村の調査の状況、それから建物所有者らの意向などの把握に努めておりまして、今後関係機関とも協議の上、適切に対処してまいりたいと思います。  なお、この検討措置に関連いたしまして、登記事件、相当数増加するというものが見込まれるわけでございまして、その事件の処理に当たりましては、土地家屋調査士関係団体あるいは地方自治体の御協力をいただきながら対処するということを第一に考えているわけでございますけれども、実際の実施に当たりましては、職員に過度の負担がかからないように十分配慮してまいりたい、このように思っておるわけでございます。
  51. 松本善明

    ○松本(善)委員 引き続いて法務省に伺いますが、被災者の最低資本金制の導入、株式会社で千万円以上、有限会社で三百万円以上に関する税制の優遇措置についての特別期間延長問題です。  この期限は、来年、一九九六年の三月三一日までに増資または組織変更手続をとることとしていますけれども、法務省は、この期間を被災者に対して延長することを決めたように聞いておりますが、これは法改正を伴うものであります。その内容とこれからの段取りについてどうなっているか、お聞きしたいと思います。
  52. 菊池洋一

    ○菊池説明員 お尋ねの最低資本金の関係でございますけれども、今回の大震災被災地にある会社につきましては、御指摘のとおり、原則は猶予期間あと一年でございますけれども、今後一年余りの間に法律で定められた手続すべてを終えていただくということは現実には困難であろうと私ども考えておりますので、被災地にあります株式会社と有限会社につきましては、必要な手続、例えば株主総会等でございますけれども、必要な手続をとるための時間的な余裕を認めるために、特例として猶予期間を若干延長するということを現在鋭意検討いたしております。  御指摘のとおり、これは法律事項でございますので、なるべく早く結論を得まして法律案国会に御提出できるよう、現在作業を急いでいるところでございます。
  53. 松本善明

    ○松本(善)委員 長官に伺いますが、今かなりきめの細かい点をいろいろ各省庁に伺ったわけでありますが、被災者というのは本当に何もかも失ってしまったわけですね。最大限にいろいろな負担がなくなるようにしないとやはり立ち上がれないという問題で、私どもは、被災者の個人補償をやはり何とか考えないといけない、これは予算委員会の方でも提起をした点でありますけれども、あらゆる省庁がきめ細かく被災者の援護のために検討すべきだと思うのです。  今法務省も大蔵省もかなり検討しているということでありますが、今の答弁でも、私どもから見れば不十分な点も大蔵省の税制措置などではございます。  閣僚といたしまして、所管でなくても、被災者の立ち上がりのためにやはり全力を尽くさなければならないと思いますので、その点の御決意のほどを伺いたいと思います。
  54. 山口鶴男

    山口国務大臣 ただいま政府としましては、総理を本部長とする緊急対策会議で、被災者皆さん方のために今の法律でなし得る対策は全力を挙げてやる、また、現在の法律制度で対処できないものについては、今回御提案申し上げたような法律もそうでございますが、できる限り法律改正もやって対応できるものはやるという決意で進めておりますことは、委員の御存じのとおりでございます。  したがいまして、命政府委員の方からあるいは説明員の方からそれぞれ、検討するというお答えがございましたけれども、できる限り被災者の立場に立って検討いただくよう、私からもお願いを申し上げたいと存じます。
  55. 松本善明

    ○松本(善)委員 終わります。
  56. 田中恒利

    田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  57. 田中恒利

    田中委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  内閣提出阪神淡路大震災に伴う許可等有効期間延長等に関する緊急措置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  58. 田中恒利

    田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 田中恒利

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  60. 田中恒利

    田中委員長 次に、第百三十一回国会内閣委員長提出国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案は、第百三十一回国会、本委員会においてその成案を決定し、委員会提出の法律案とすることに決定しましたが、今国会に継続され、本委員会に付託されたものであります。  その趣旨につきましては十分御承知のことと存じますので、趣旨説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 田中恒利

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————  国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律   案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  62. 田中恒利

    田中委員長 本案につきましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  第百三十一回国会内閣委員長提出国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  63. 田中恒利

    田中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 田中恒利

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  65. 田中恒利

    田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時七分散会      ————◇—————