運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1995-02-16 第132回国会 衆議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月十六日(木曜日)委員長の指名で、 次のとおり小委員及び小委員長を選任した。  恩給等に関する小委員       相沢 英之君    加藤 卓二君       唐沢俊二郎君    虎島 和夫君       今井  宏君    貝沼 次郎君       塚田 延充君    北沢 清功君       中島 章夫君    松本 善明君  恩給等に関する小委員長    加藤 卓二君  在外公館に関する小委員       池田 行彦君    武部  勤君       近岡理一郎君    渡辺 省一君       石田幸四郎君    江田 五月君       野田 佳彦君    田口 健二君       宇佐美 登君    松本 善明君  在外公館に関する小委員長   江田 五月君  地域改善対策に関する小委員       大石 千八君    加藤 卓二君       佐藤 信二君    鈴木 俊一君       石井 啓一君    中井  洽君       弘友 和夫君    山元  勉君       中島 章夫君    松本 善明君  地域改善対策に関する小委員長 山元  勉君 ————————————————————— 平成七年二月十六日(木曜日)     午前十時一分開議 出席委員   委員長 田中 恒利君    理事 加藤 卓二君 理事 近岡理一郎君    理事 渡辺 省一君 理事 石井 啓一君    理事 今井  宏君 理事 江田 五月君    理事 山元  勉君 理事 中島 章夫君       相沢 英之君    池田 行彦君       唐沢俊二郎君    佐藤 信二君       武部  勤君    虎島 和夫君       中谷  元君    石田幸四郎君       貝沼 次郎君    塚田 延充君       中井  洽君    野田 佳彦君       弘友 和夫君    北沢 清功君       田口 健二君    宇佐美 登君       松本 善明君    矢島 恒夫君       岡崎 宏美君    津島 雄二君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総務庁長官) 山口 鶴男君         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)     小澤  潔君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房審議官    平野 治生君         総務庁長官官房         長       池ノ内祐司君         総務庁長官官房         審議官     土屋  勲君         総務庁人事局長 杉浦  力君         総務庁行政管理         局長      陶山  晧君         総務庁行政監察         局長      田中 一昭君         総務庁恩給局長 石倉 寛治君         総務庁統計局長 小山 弘彦君  委員外出席者         内閣官房内閣参         事官      小幡 政人君         大蔵省主計局主         計企画官    中江 公人君         大蔵省銀行局特         別金融課長   五味 廣文君         気象庁総務部企         画課長     由良  武君         自治省行政局公         務員部公務員課         能率安全推進室         長       犬塚 英則君         自治省財政局財         政課長     石井 隆一君         内閣委員会調査         室長      菅野 和美君     ————————————— 委員の異動 二月十六日  辞任        補欠選任   鈴木 俊一君    中谷  元君   松本 善明君    矢島 恒夫君 同日  辞任        補欠選任   中谷  元君    鈴木 俊一君   矢島 恒夫君    松本 善明君     ————————————— 二月十日  在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務  する外務公務員給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第三二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  九号)      ————◇—————
  2. 田中恒利

    田中委員長 これより会議を開きます。  この際、新たに就任されました北海道開発庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。北海道開発庁長官小澤潔君。
  3. 小澤潔

    小澤国務大臣 このたび北海道開発庁長官を拝命いたしました小澤潔でございます。よろしくお願いをいたします。  北海道は、豊かな自然環境とゆとりある広大な国土空間に恵まれ、我が国国土の均衡ある発展を図り、生活者を重視した経済社会実現していく上で、極めて重要な役割を果たすことが期待されている地域であります。  私といたしましては、広く関係皆様方と力を合わせ、第五期北海道総合開発計画が目指す我が国発展に貢献する力強い北海道実現に積極的に努めてまいる所存であります。  特に、北海道においては、平成五年、六年の二年間に三回もの大地震が発生しており、阪神淡路大震災に係る被害状況をも踏まえ、災害に強い地域社会の形成に努めてまいります。  委員長初め委員各位の御指導と御鞭撻をお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。(拍手)      ————◇—————
  4. 田中恒利

    田中委員長 次に、内閣提出恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤卓二君。
  5. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 まず初めに、恩給法案について質問させていただきます。  平成七年度の恩給改善については、恩給年額の増額を初めとする諸事項を盛り込んでいると承知していますが、これらの改善はどのような考え方に基づいているのでしょうか。  また、今後の恩給改善についても、受給者のほとんどの方が戦没者の御遺族や戦傷病者を初めとする旧軍人関係方々であることを踏まえて、その処遇改善に努めていく必要があると考えますが、総務庁長官のお考えをお伺いいたしたいと思います。
  6. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  恩給につきましては、国家補償的性格を有するものであるというふうに認識をいたしておりまして、公務員給与改定物価変動等諸般の事情を考慮いたしました上で、恩給年額の実質的な価値の維持を図るために努力をいたしてまいりました。  御案内のように、公務員本俸のアップは一・二%程度でございましたが、ボーナスのカットがございましたために、それを引きますと、昨年の給与改定は〇・六%くらいしか実質的には上がらなかったわけでございますが、しかし、恩給の場合は、ボーナスは考慮する必要はない、国家公務員本俸上昇率及び物価状況、これを勘案をいたしまして、やはりふさわしい上昇率を確保するという決意対処をいたしてまいりました。その結果、本年四月から一・一%の改善を行うことができた次第でございます。  今後とも、今申し上げたような観点に立ちまして、改善については努力をしてまいりたい、かように考えております。
  7. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 ところで、去る一月十七日に発生した阪神淡路大震災では多くの方々被災に遣われました。このたび被災された方々に心からお見舞い申し上げます。  さて、この阪神淡路大震災被災地には多くの恩給受給者が住まわれていることと存じますが、被災された恩給受給者方々に対してどのような措置を講ぜられるつもりでございますか。
  8. 石倉寛治

    石倉政府委員 お答え申し上げます。  被災地には約四万二千人ほどの恩給受給者がおられます。恩給局といたしましては、今回の大震災状況を踏まえまして、これらの方々の御負担にならないように、各方面からの配慮をいたしておるところでございます。  まず第一番目に、恩給証書の問題がよく問題になるわけでございますが、震災により恩給証書を紛失された方に対しましては、その旨をお申し出いただければ迅速に対応したいと考えております。また、恩給を担保にして国民金融公庫から融資を希望される方がございます。その場合に恩給証書が必要になるわけでございますけれども、その際には公庫の支店または代理店で、恩給証書の再交付の申請を同時に行えるよう措置いたしておるところでございます。  それから二番目でございますが、被災地域に居住されている方の恩給受給調査恩給受給権調査ということで現況を報告していただくことになっておりますけれども申立書提出期限を延長することなどによりまして、被災者負担をできるだけ軽減するように配慮いたしております。  最後に、恩給請求でございますが、被災地域に居住されている方から新たな申請がありました場合には迅速に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
  9. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 今般の阪神淡路大震災被害に遭われた住民方々が何か行政相談しようとしても、どこへ行って相談すればよいのかわからないというようないろいろな話が報道されておるし、どういう手続をとったらよいのかわからない等の話も聞きます。  総務庁においては、現地出先機関特別行政相談所を開設し、行政全般に係る相談を受け付けていると聞いていますが、この特別行政相談内容と現在までの相談実績等を伺いたいと思いますが、担当者の方、お願いします。
  10. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  実は、総理大臣本部長とする対策本部設置をされまして、全閣僚をメンバーとして会議が発足したわけでございますが、私は、その際、冒頭、奥尻島の経験も踏まえまして、委員指摘のような、住民皆さん方要望があると思いましたので、総務庁といたしましては、直ちに行政相談所を開設いたしまして、国民皆さんの御期待にこたえたいというふうに申し上げた次第であります。  具体的な実績につきましては、政府委員の方から答弁をいたさせます。
  11. 田中一昭

    田中(一)政府委員 お答え申し上げます。  今大臣の申し上げたとおりでございますが、震災対策の一環としまして、総務庁では、私ども出先機関でございます近畿管区行政監察局、それと兵庫行政監察事務所が中心になりまして、被災された方々から行政に関する相談あるいは問い合わせを受け付けるために、仰せのとおり特別の行政相談実施しております。  具体的に申し上げますと、一月二十三日から、ちょうど一週間後でありますが、それまでは兵庫監察事務所が入っておりました合同庁舎自体が立ち入りができませんで開かれなかったのでありますけれども、二十三日から出入りが可能になったものですから、この二十二百から兵庫監察事務所に特別の相談所を開設しまして、いろいろな相談問い合わせを受け付けて処理しております。これは土曜日も日曜日も、以来ずっと開設しておるということであります。  それから、被災市民の非常に多種多様な相談問い合わせに総合的に対応する必要もありますので、去る二月九日と十日の二日間にわたりまして、神戸地方合同庁舎におきまして、兵庫県、神戸市、そして法務局、国税局などの国の出先機関、住宅・都市整備公団国民金融公庫等の十五の関係機関、それから人権擁護委員とか行政相談委員に一堂にお集まりいただきまして、特別総合行政相談所というのを開設いたしました。  なお、神戸市以外の被災市、あるいは被災の町でも行政相談委員協力のもとに、当該市町村と共同の特別行政相談を行っておりまして、現在まで神戸市の北区、尼崎市、西宮市、淡路の津名町等において特別相談実施しております。  その実績でございますが、これまで、全体を通じまして約二千百件の相談実績報告を受けております。主な内容でございますが、恩給証書年金証書を焼失したけれども再発行できるかどうか、それから、被災に伴う税金の減免措置はあるか、罹災証明書はどこに、どのように発行を求めればよいか等々非常に多様な御相談がございます。  今後とも、行政相談委員さんの協力も得ながら積極的な特別行政相談活動を行ってまいりたいと思いますし、さらには機会をとらえまして、関係行政機関と連携いたしまして、再度特別行政相談所の開設に努めてまいりたいと思っておりますのできる限り広く被災者の御相談問い合わせに応ずるように努力してまいりたいと思っております。
  12. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 この阪神淡路大震災被災地においては、タクシーだとか家賃だとか生鮮食料品建築資材等物価について、一部に被災者方々から苦情があると報道されていますが、全体には落ちついているように私たちは承知しておりますが、被災地の復興や住民方々生活にとって、便乗値上げ等の防止を初めとした物価対策は大変重要であります。物価対策政府を挙げて取り組むべき課題であると考えますが、総務庁としての考え方を伺いたいと思います。総務庁においては、物価対策についてどのような対処を考えておられるか、これをお願いいたしたい。
  13. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  委員指摘のように、物価の問題は極めて重大な課題だと認識をいたしております。総務庁消費者物価指数を所管しておりまして、そういった状況から、一月十一日、十二日、十三日、神戸市におきましては消費者物価状況を把握をいたしておりました。  その後、震災が起きまして、これがどのように動くかということを把握することが重要だと思いましたが、商店が倒壊をしたり、また県の職員皆さん方も大変な被災者となっておるわけでございまして、調査に大変な支障がございます。したがいまして、総務庁統計局から職員を派遣をいたしまして、その後の物価の動向について詳細調査をいたさせた次第でございます。  状況につきましては、政府委員の方から答弁をいたさせます。
  14. 小山弘彦

    小山政府委員 ただいま大臣お話にありましたように、今回の阪神淡路大震災影響というものが統計調査実施に極めて大きく影響を及ぼしている、こういうことにかんがみまして、急速統計局職員神戸市に派遣しまして、兵庫県の協力を得ながら店舗の被災状況商品の出回り状況について把握してまいり、その際、百七十四品目商品等につきまして価格を収集してまいりました。  その結果、先ほど大臣が申し上げました、震災前の価格とその分布状況品目ごとに比較しましたところ、おおむね震災前と同じでございまして、際立った価格変動というものは見られなかったということが日常品食料及び日用品という観点生活必需晶についての状況でございました。  しかし、小売物価統計調査物価政策上極めて重要な調査でございますので、私ども急速このような措置をしたわけでございますが、今後とも県と協力をしながら物価情報について的確に把握し、的確な統計を作成できるよう努力しているところでございますし、これからも一層努力していく、こういうことでございます。
  15. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 特に建築資材だとか工費等に関しては十二分に今後注意していただくように、よろしくひとつお願いしたいと思います。  さて、次に、行政改革についてお尋ねします。  村山内閣は国政上の最大の課題として行政改革に取り組んでおられますが、行政社会経済変化に対応して常に見直されなければならず、この意味で行政改革は不断に進めなければならない課題であります。与党においても、政府と連携して行政改革推進に努めているところであります。  行政改革課題の中でも、国際化の急速な進展、経済状況などを考えますと、規制緩和推進が極めて緊急な課題であると考えます。規制緩和は、諸外国要望に耳を傾け、国際的調和に努めるばかりでなく、我が国経済活性化経済構造の変革のためにも、これこそ必要であります。  そこで、規制緩和に取り組む具体的な方針と今後の取り組みについて、総務庁長官の御決意をひとつお願いいたします。
  16. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  加藤委員指摘のとおり、村山内閣といたしましては、行政改革を最重点課題として取り組んでまいりました。行政改革課題といたしましては、委員が御指摘されましたように、規制緩和の問題あり、また特殊法人整理合理化あるいは地方分権、さらには情報公開行政透明化等々の重要な課題があることは御指摘のとおりでございます。  特に規制緩和につきましては、内外からの強い要望もございますし、また、世界第二の経済大国になりました我が国は、諸外国からの要請に対しても、これを受けて立たなければならないことは当然でございます。また、国内的な状況からいきましても、新しいベンチャー企業等が伸びていきますためには、国内において規制緩和を行っていくということもこれまた重大な課題であることは言うまでもございません。  そういう立場に立ちまして、昨年、行政改革推進本部におきましては、内外の有識者の方々をお招きをいたしまして、意見の交換を率直に行いました。また、民間の皆さん方を含めました規制緩和検討委員会設置をいたしまして、規制緩和要望について今日まで取り組んでまいった次第でございます。  具体的には、五年間を期間とするところの規制緩和推進計画年度内策定をいたします。そうして、これは策定したらそのままということではございません。絶えず見直しをやっていく必要があると思います。  また、昨年の国会で当委員会の御審議もいただいたわけでございますが、行政改革委員会が発足をいたしました。行政改革委員会は、この規制緩和等の問題に関しまして監視をし、また内閣に勧告もしていただく、こういう重要な機関でございます。そういった行政改革委員会の御協力もいただきまして、先ほど申し上げた規制緩和推進計画策定をいたしまして、これを着実に実施をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  17. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 次に、地方分権についてでありますが、地方分権推進時代の大きな流れでございます。地方の実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開できるよう、地方自主性自律性を強化していくことが大切であると考えます。  地方分権推進に取り組む具体的方針と、今後のその取り組みへの決意をお伺いしたいと思います。
  18. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  御指摘のとおり、地方分権は重要な課題だと思います。今行政が考えなければなりませんのは、一つは、官から民へという形で規制緩和を進めること、それからいま一つは、国から地方へということで、住民の身近な行政につきましては、挙げて地方公共団体が責任を持って取り組む体制をつくっていくということがやはり重要であることは言うまでもないと思っております。  そういう観点から、政府といたしましては、昨年の十二月二十五日、地方分権大綱閣議決定いたしました。この分権大綱では、国と地方役割分担を見直すということ、国から地方公共団体への権限の移譲、あるいは税財源の再配分等々を行う、そうしてこの地方分権を進めるための十分な機能を持った地方分権推進委員会、これを設置をするという方向地方分権大綱で決めた次第でございます。  私どもは、この地方分権大綱を踏まえました上で、今開かれておりますこの国会にできるだけ早く地方分権推進に関する法律を御提案申し上げて、そうして皆様方の御論議をいただきたい、かように考えておる次第でございます。  また、個人的なことで恐縮でございますが、私、二年前、一昨年になると思いますが、当時宮澤内閣のときでございましたが、地方分権は今まさに国民皆さん方要望する方向であるし、また地方時代ということが叫ばれて久しい、この際、地方分権を積極的に推進するという国会決議をやるべきではないかということを自民党の首脳部皆さんにもお話をいたしました。  それがもとになりまして、当時地方行政委員会におきまして与野党の皆さん方十分話し合いをいただきました上で、一昨年の六月だったと思いますが、衆参両院において地方分権推進に関する国会決議実現をした、このことを私は大変うれしく思っておる次第であります。そういったこの国会決議推進したという立場からも、私はこの問題に真剣に取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  19. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 最後に、特殊法人見直しについてお尋ねいたします。  特殊法人というのは政府の別動隊みたいなもので、企業的経営になじむ事業について、自主性弾力性を兼ね備えた独立の法人に機能的に経営をさせようという趣旨で設けられたものですが、その役割社会的経済情勢変化に応じて常に見直されなければならない、そういうふうに存じます。  先日、特殊法人見直しの結果が発表されましたが、九十二法人中三法人廃止民営化、十四法人統合等が決まりましたが、今後どのようにこれを具体化していくかということと、また、積み残したようになった政府系金融機関の問題については、これは極めて国民が注目しておりますので、予算委員会等でさまざまな論議が出ているようでありますが、この問題については精力的に対応していただきたい。適切な処理を要望いたします。長官、ひとつよろしくお願いします。
  20. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  加藤委員が御指摘されましたように、それぞれの特殊法人は設立されましたその時代におきましてはそれなりに十分意義があったということはもう当然のことだろうと存じます。特に、昭和二十年代から三十年代、我が国が廃墟の中から立ち上がりまして、そうして経済の成長を目指して国民全体が全力を挙げて取り組んでおりましたときに、法律予算に縛られない、ある程度自由闊達な活動もできる、そういった仕組みをつくろうということで、法律によってこの特殊法人が次々と設立されていった。そうしてこの特殊法人が、例えば高速道路網整備でありますとか、あるいは金融の面では特に中小企業金融でありますとか、さまざまな分野において国民のニーズにこたえて大きな成果を上げてきた。このことは、私ども高く評価しなければならないと思っております。  しかし、現在我が国世界第二の経済大国にもなりました。そういう中では、当時は意義があったけれども、現在はいろいろ問題がある、見直さなければならぬ、こういう法人があることもこれまた事実だと思います。そういう観点に立ちまして、政府といたしましては特殊法人整理合理化に取り組んでまいりました。  前政権におきましては、この二年間に特殊法人は見直すということでございましたが、与党皆さんともお話し合いをいたしました上で、この際、前倒しで年度内特殊法人整理合理化については決着をつけようということで取り組みました。その結果、御指摘ありましたように、十四の法人をその法人統合する、一つ法人廃止をする、そうして三つの法人につきましては民営化方向を打ち出すという形で一応の成果を上げたことは、御案内のとおりだろうと存じます。  具体化をどうするかということでございますが、私が、各省庁から参りました最終結果につきまして先日の閣議において報告を行いました。そうして、できるだけ近い閣議においてこれを正式に閣議決定に持ち込みたい、かように考えております。  この法人統合あるいは民営化等々行います場合は当然法律改正が必要でございます。今後、法律改正手続取り組みますと同時に、これが一体どの程度経済的な効果を上げるかという問題につきましては、当然次の予算編成の中でこの財務関係の問題については結論が出てまいるということであろうかと思う次第でございます。  さらに、御指摘政府系金融機関の問題でございますが、実は政府系金融機関につきましても、開発銀行あるいは商工中金、中小企業金融公庫あるいは環衛公庫、それぞれ事業分野を見直す、事業あるいは組織の縮小、圧縮等について、さまざまな形でそれぞれの機関が真剣に取り組むという報告はいただいております。  そういう意味では、九十二すべての法人について見直した結果について御報告をいただいて、それを閣議決定に持ち込めると思いますけれども、しかし、さらにこの行政改革は引き続いて取り組む課題である、総理大臣の強い要請もございまして、年度内政府系金融機関についてさらに一層の見直しを進めようではないかということに過般の閣議でなりまして、今そういう立場で、政府与党一体となってこの問題についても結論を出そうということで取り組んでいる次第でございます。  与党におきましても、行革プロジェクトチームを中心にいたしまして、大変御協力を賜っておりますことに対しまして、この際、心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
  21. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 総務庁長官の大変な御決意のほどもよくわかりましたが、今後とも、ぜひひとつ、国民の注目するところでございますので、庁を挙げて精力的に取り組まれるようお願いいたします。  以上で質問を終わります。
  22. 田中恒利

    田中委員長 次に、中島章夫君。
  23. 中島章夫

    中島(章)委員 さきがけの中島章夫でございます。  まず、恩給法につきまして一つ確認だけさせていただきたいと思いますが、先ほどの加藤委員の御質問で、阪神淡路大震災によって被災をしました恩給受給者、御答弁がありまして、四万二千人と伺いました。これらの方々について、既に関係者で御用意をいただいております附帯決議にもございますように、受給権調査というのを、先ほど監察局等で相談事業に応ずるというお話がありましたけれども、この受給権調査というのはどういう進め方をされるのか、参考までに教えていただきたいと思います。
  24. 石倉寛治

    石倉政府委員 お答えをいたします。  受給権調査内容でございます。毎年、受給者の誕生月に現況を御報告いただく、それが受給権調査内容でございます。  したがいまして、四万二千人の居住者の中に被災者がどれくらいおられるかということは私どもまだ十分につまびらかにしておらないわけでございますけれども、御返事をいただく際の問題がないように、申立書提出期限を延長するなど、被災者負担をできるだけ軽減するように努力をいたしているところでございます。
  25. 中島章夫

    中島(章)委員 ここにありますように、恩給の受給に支障のないように、ひとつぜひお進めをいただきたいと思います。  さて、私も、加藤委員と同じように、行政改革に関連をした問題、特に、この十日の日、実際には十一日の未明にわたったわけでありますが、課題となっておりました政府与党によります特殊法人見直し作業、これを終えまして、私自身も与党の行革プロジェクトチームの座長グループの一人として作業をさせていただいたわけでありますが、その反省も兼ねまして、限られた時間でありますので、この問題について御質問を申し上げたいと思います。  実は、この見直し作業は、与党の行革プロジェクトチームとしては、昨年の七月以来七カ月にわたりまして、たしかきょうが七十八回目になりますから、八十回近い会議を進めてまいりました。そして、政府の方も別途この作業を進められまして、今回、これから閣議にかけられようとしております作業の内容は、政府与党と、それから政府、この二つの作業の合作の結果でございます。この時点、大変困難な作業でございまして、これに当たられました関係者の御努力に敬意も表したいし、そして相応の成果を得たということで評価もいたしたいと考えております。  ただ私は、この作業にかかわっておりまして、一つの矛盾点というのを感じておりました。と申しますのは、今戦後五十年、先ほど長官も二度にわたってお話がございましたように、五十年にわたって我々が乗っかってまいりました行政組織、機構、特に特殊法人、こういったものを見直す作業というのは、やはり二十一世紀にかけてかなりきつい、厳しい見直しの作業をしていかないと、新しい世紀の組織にはならないと思います。  そういうことから考えますと、各省庁別に所属をし、各省庁が所管をしております特殊法人というものも、省庁を超えた見直し、特に政府系金融機関で話題になりましたようなことが非常に大事なことだと思っておりますし、今後、行政改革の中で、行政組織あるいは定員といったようなものも見直していくということになりますと、その辺の横断的な作業というのが非常に大事になってくると思います。  総務庁、この点に関しまして、私は、総務庁が果たすべき機能ということを中心にちょっと伺ってまいりたいと思うのでありますが、総務庁設置法の中にも、第四条の八号、九号、十号あたりに「行政機関の機構、定員及び運営の総合調整」なり「調査、企画、立案及び勧告」なり「各行政機関の機構の新設、改正及び廃止並びに定員の設置、増減及び廃止に関する審査を行う」、この種の大事な仕事があるわけです。ただ、これがどうも、今回の仕事の中では、各省庁の壁が厚かったという感じがするわけでございます。  そこで、まず一つ伺いたいのでありますが、昨年の九月の中旬に、行革のプロジェクトチームから、「行政改革を進めるに当たっての基本方針」、いわゆる行革大綱というのを定めまして、閣議にも御報告し、了解をいただいたわけでありますが、その後政府の方で、政府自身も独自の作業をするということで、各省庁から特殊法人見直しについての作業状況を、十一月二十五日でありましたか、第一回の報告を求め、さらに今回、期限となって大変緊張しました、二月十日が期限とされたわけでありますが、第二次の最終の報告を受けるということになったわけであります。これはどういう考え方で、どういう意図で」ういう日時の設定があったのかということをまず伺いたいと思います。
  26. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  先ほど来お答えいたしましたように、昨年の行革大綱では、特殊法人見直しについては二年間で行うということになっておりました。しかし、昨年村山内閣が発足をいたしまして、委員指摘のように、与党の行革プロジェクトチームにおきましても真剣な御議論をしていただきました。そうして「行政改革を進めるに当たっての基本方針」というものを御決定をいただき、政府の方に御報告をいただきました。その段階で、政府といたしましても、与党プロジェクトチームの御提言というものを重く受けとめて、これに従って、この特殊法人整理合理化については進めていこうではないかという方針を決めたわけでございます。  具体的に言いまするならば、十月十八日の閣僚懇談会におきまして、各閣僚からそれぞれ意見の開陳をいただきました。各閣僚とも、この際、各省庁が中心になって、閣僚がリーダーシップを発揮をして、省が所管をする特殊法人について積極的に見直して、そうして整理合理化方針を決めようではないか、こういう御意見が相次いだわけでございます。  同時に、私ども、第三次行革審のときのことを忘れることができません。行革審といたしましては、この特殊法人整理合理化に取り組むためにヒアリングをやろうというようなことを計画をいたしましたが、当時は、それぞれの官庁あるいは取り巻く団体等の抵抗がございまして、ヒアリングも実施することが困難であった、そういうような事情も聞きました。  結局、幾つかの特殊法人に絞ってやろうということを計画しましたために、絞られたところも抵抗するし、それから、絞られなかったところは、絞られたところは何ぼやぼやしているかというような形で、お互いそれが悪い方向に作用してプロジェクトチームが惨たんたる状況になったという報告も承りました。  私は、したがいまして、これは、すべての九十二の特殊法人に対して、各省庁がみずから、所管する閣僚が先頭に立って、まずこの整理合理化に徹底的に取り組んでいただく、これがまず第三次行革審の反省の上に立ってやるべき課題ではないか、こう思いましたし、また各閣僚の御意見もそうでございました。  したがって、そういった御意見を踏まえまして、十一月二十五日にこの第一次の報告を取りまとめて発表する、そうして二月十日を最終報告という形で各省とも真剣に取り組んでやっていただきたいということを、何回かの閣議において確認をいたした次第でございます。  総務庁といたしましては、次官以下本当に懸命に、各省の官房長その他の人たちとこの問題について真剣にやりとりをしていただいた。私は、総務庁皆さん方の御努力に心から感謝をいたしている次第です。また、私は、その報告を受けまして、またプロジェクトチームの皆さん方も、お話ありましたように、七十回以上にわたって各省庁の人たちを呼んで、懸命にこの問題に取り組んでいただいた経過も承っております。  そういう中で、私は、これはやはり大臣の決断を迫らなければどうにもならぬと思ったところにつきましては、直接各閣僚に対してお会いをいたしまして、要請もいたしました。昨年は官房長官と私とで、すべての閣僚に対してお願いをいたしましたが、それとは別個に、ことしに入りまして、総務庁の役人の皆さん方報告を受けて、問題の省庁についてはそれなりに懸命の努力をいたした次第でございます。  そういう結果が、与党、野党の努力が相重なり合いまして、先ほど御報告申し上げたような結果になった。関係されました皆さん方の御苦労に心から感謝をいたしたいと思いますし、また、野党の皆さんも、行革は大事だ、大いにやれという形で、我々政府を鞭撻をいただいたわけでございまして、そういう点で、野党の皆さん方の御協力にも私は感謝をいたしたいと思っております。  ただ、御指摘ありましたように、この間大震災もございましたり、また各省庁にわたる問題に関して十分な議論をするいとまがなかったことは、これはもう委員よく御案内のとおりだと存じます。そういう中で、政府関係金融機関の問題については、さらに引き続き、年度内成果を上げるように努力をしようということで取り組んでいるということで、御理解を賜りたいと存じます。
  27. 中島章夫

    中島(章)委員 詳しい御説明をどうもありがとうございました。  御承知のとおり、与党のプロジェクトチームでは、先ほど申しました九月の十九日に決めました行革大綱におきまして、お話がございましたように、前の内閣で決めておりましたこの特殊法人見直しを前倒しをして、三月、今年度いっぱいに見直しをするということを決めておったわけでありますが、政府の方で、今御説明がございましたように、二月の十日をめどにして見直しの作業をしようということが決まりましたものですから、私どもも、政府与党とが別々の時期に別々の考えでやるのもということもございまして、結果的に大変、最終的には両方が一緒になってやったというところがあるのは御承知のとおりでございます。  ただそれが、先ほどもちょっと申しましたように、政府でおやりになる、あるいは総務庁でお進めになる場合には、やはりどうしても各省庁の壁の中におさまってしまう。私どもは実は、そういう省庁を超えたような見直しというのも大事であろうと当初から思っておりまして、一月の十日、新年早々に十二人の委員から、長い、四十回を超えるヒアリングの中で、それぞれの委員が無記名で持ってまいりました考え方を全部吐き出しまして、そして、一省一つというような進め方ではなくて、これからの組織機構を、特殊法人を大きく構造を見直していくということのためには、問題になっている法人を省庁に関係なく拾い上げて、別途の、省庁を超えた進め方もしなければいけないという課題意識を非常に強く持っていたわけです。  ところが、そういう日程の中、御承知の阪神淡路大震災が起こった。そしてそのことに政府が忙殺されたということも一方にございまして、先ほど来申し上げておりますような、省庁を超えた見直しということについて、非常に十分にいかなかった点をいまだに反省をしているわけでございます。  そこで、もう一点、当初から、政府で進められる作業と与党として進める作業との仕分けをどのようにお考えであったかを、ちょっと御参考までに伺わせていただければと思います。
  28. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  もう委員御存じのとおりなんでございますが、政府といたしましても、かつての大平内閣の宇野行革のときのように、一省一つずつというようなノルマを課してやったわけではございません。各省庁で、一つでも二つでも、やれるところはひとつ全力を挙げて取り組んでほしいという要請をいたしまして、省によりましては、四つの法人を二つに統合するというような最終報告をいただいたところもあるわけでございまして、決して一省一つずつというようなノルマを課したわけでもなし、また、そういう形で各省庁が取り組んでいただいたわけでもない、これはよく御理解をいただきたいと思う次第でございます。  問題は、各省にわたる問題、特に、政府関係金融機関の場合は主務大臣が何人もおられるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、閣議後の懇談の際にも、政府系金融機関のあり方については議論をすべきではないか、いや、その場合は財投の問題まで踏み込んで議論をするということになる、そうなると大変議論の幅が拡大されるのではないか、それはいかがか等々の議論がいろいろあったことは事実であります。  しかし問題は、とりあえず、各省庁が大臣のリーダーシップを発揮して、それぞれの法人について徹底的な見直しをひとつやっていただこう、これにまず全力を挙げよう。そうして、その上で、今お話のございましたような、各省にまたがる問題についてはひとつ議論を進めていこう。そうして、与党のプロジェクトチームでも、そういう形で大変な御議論をいただいている。したがって、政府の方としても、そういう議論を進めようではないかと言っておりましたところに、あの阪神淡路大震災ということになりました。  その際、こういった大震災も起きたので、二月十日をそれでは動かそうかという意見が内部的にあったことは事実でございます。否定はいたしません。しかし、その際、そういった形で二月十日を動かすと、やはりせっかく各省庁が懸命になって詰めていただいている問題に緩みがくるのではないだろうか、それではいかがか、したがって二月十日というのを、これはきちっと定めて動かさないで、全力を挙げてやり、そうして政府与党で、このプロジェクトチームの座長の皆さんとも連絡をとる中で、各省庁にまたがる問題についてもひとつできるだけの結論を得るように進めたらどうであるかという形で、政府与党首脳会議方針を決め、今日に至ったというのが実態でございます。  そういう意味では、私もこの間総務庁長官として、さまざま、ああすればよかったかもしれぬという思いはございますし、また、与党皆さんが本当に真剣に取り組んでいただいたことに対して、私、心から感謝をいたしております。ただ、よかったことは、政府与党がやはり一体になって事を決着しなければならぬ、この問題だけは貫き通し得たと思う次第でございます。  今後とも与党が一体となって、また政府がこれに加わって、政府与党一体となってこの行政改革には取り組む、この態勢こそが私は重要ではないか、また、そういう形の中で、野党の皆さん方も行革は大切だということで御支援を賜っている、この御協力もありがたいことだ、こう思っている次第でございます。
  29. 中島章夫

    中島(章)委員 もう時間が終了しましたので終わりますが、私は今の問題、これからも大事だと思います。これから行政組織等を見直していくというような大きな課題がございますときに、各省庁別でしか仕事が動かないということは、これは総務庁にどんな立派な大臣がおられ、どんな立派な方がおられるかどうかと関係なしに、少し各行政組織を横断的に動かせるような仕掛けを、例えば官邸機能を強化する等のことが必要ではないか、こう思っている次第でございます。どうもありがとうございました。
  30. 山口鶴男

    山口国務大臣 御指摘のございました官邸機能の強化は、官房長官を中心にして今懸命に取り組んでいるところでございます。
  31. 田中恒利

  32. 松本善明

    松本(善)委員 総務庁長官に伺いたいのですが、阪神大震災は五千三百名を超える犠牲者を出し、いまだに二十万前後の被災者が避難所での生活を余儀なくされております。これは今政治が対応しなければならない最大で緊急の問題だと思いますが、恩給局は、阪神淡路大震災被災した恩給受給者について、恩給証書の再発行などを柔軟にやっているようではありますが、私は、恩給証書を担保に国民金融公庫から融資を受けている恩給受給者である被災者に返済の猶予措置をとる問題について質問をしたいと思います。  恩給証書を担保に国民金融公庫から小口の融資が受けられます。三年限度で二百五十万までの制度であります。この返済については、恩給局から直接国民金融公庫恩給が送金されるシステムで返済されているわけでありまして、この制度を利用している方が、ことしの二月現在、全国で三万四千二百人、阪神被災地域で約八百人ということです。  これらの恩給受給者は、多少の仕事の収入を得て生活をしたり、貯金を取り崩すとか、または子供に生活を見てもらっているとか、いろいろであります。ところが、今回の震災生活してきた家が崩壊する、細々あった収入が途切れるなどケースはさまざまでありますけれども、返済を先に延ばしてほしいという被災者の切実な声が私どもに届いております。  この問題の所管は、直接には大蔵省かもしれません。しかし、村山内閣として、被害者救援にも全力を尽くすということをたびたび言っておる内閣の閣僚として、また恩給受給者を擁護すべき恩給担当大臣として、やはりこの返済猶予を図るように総務庁長官努力をしてもらいたいと思うのですが、どのようにお考えですか。
  33. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  松本委員指摘のように、残念ながら、恩給を担保とする貸付制度、これにつきましては総務庁の所管外でございます。しかし、委員指摘の点は、私も十分聞くべき御意見ではないかというふうに思っております。  したがいまして、私といたしましては、関係いたします主管大臣に対しまして、やはり恩給を所管する総務庁長官としては、あれだけの大災害を受けられた地域の問題である、したがって、できる限りの対応というものを考えていただきたいものだということにつきましては、よく申し伝えたい、かように思います。
  34. 松本善明

    松本(善)委員 政府の今までの対応を考えますと、阪神大震災について政府は住宅金融公庫、年金住宅融資などで返済について猶予策をとってきております。元金の三年間据え置き、利息は激甚の三%に引き下げるなどもやってきました。国民金融公庫中小企業金融公庫などでも、特別貸し付けや利子は激甚災並み三%、返済期間の延長などの措置もとっているし、その他の融資でも、個別に各公庫相談に乗った救済策をとっているということです。  それで、こういうことがやられているにもかかわらず恩給担保その他年金証書担保の融資には返済猶予策がとられていない。今総務庁長官は、担当大臣にその旨言って努力をされるということでありましたが、大蔵省も来ていると思うので、そういう事態について大蔵省の中では議論がされていないのか、やはり今までどおりなのか。従来の枠を超えて救済策をやっているわけですけれども、大蔵省の中ではそういうことは一切議論されていないのかどうか、お聞きしたいと思います。
  35. 五味廣文

    ○五味説明員 恩給担保貸し付けでございますが、恩給担保法に基づいて今お話のございましたような貸し付けを行っております。返済は、恩給担保法三条で、担保に供されている間は公庫がその支払いを受けるということでございますので、法律上、元金返済の措置等の条件変更というのは予定をされていないという仕組みでございます。また、恩給の支給金をもって借入金の弁済に充当する、こういうことでございますから、他の収入等、先ほど御指摘ございましたように、これが細るというようなことはおありかもしれませんが、恩給で借りた分についての返済というのが特に困難になるわけではないであろうと思われます。  そうは申しましても、災害に遣われました結果、いろいろ臨時的な経費が必要になるとか、あるいは他の収入がやや細るとかいうことがございましょうと思います。こういう点につきましては、恩給担保貸し付けで、恩給の支給金によって借入残高がだんだん減少してまいりますので、貸付限度額の範囲内でその減少した部分を活用いたしました反復利用ということが可能になっております。  こういうことでいろいろ御相談もお受けしておりますので、被災した恩給受給者の方、恩給担保貸し付けを現に受けておられる方も、こういった反復貸し付けの部分というのをよく御相談になって利用いただけるとよろしいのではないかと思います。  また、そうはいっても生活が大変苦しくなったというような方でございますと、厚生行政の方の観点から、生活資金について別途市町村などを通じました貸付制度、見舞金制度、こういったようなものも措置されておるというふうに聞いております。  ところで、住宅金融公庫や、あるいは中小企業系の政府金融機関お話がございましたが、ちょっとこれは性格が異なるというふうに私どもは思っております。住宅金融公庫では、お話ございましたように、事業財産の損害による収入の減少が起こるということで、既に借りている債務の返済が非常に困難になった、このような場合に、据置期間ですとか償還期間、こういったものの利率の引き下げということを行っておるわけでございますけれども恩給貸し付けと申しますのは、恩給の支給金をもって借入金の返済に充当するという形でございますので、直接災害によって返済が困難になるということではございませんので、住宅公庫の場合と同列に論じるというのはなかなか難しかろうかと思われます。  いずれにいたしましても、この恩給担保貸し付けと申しますのは、恩給あるいは共済年金を担保とした金融の円滑化ということで、事業資金、生活資金、いわゆる消費資金を問わず貸し付けを行うということで、住宅金融公庫が行いますような、災害の早期復旧、災害から早く家を立ち上がらせていただくために助力を申し上げたい、こういった特定の政策目的というものを必ずしも負っている仕組みではございません。したがいまして、これらの措置がとられておりますような形の、金利の低減、利子補給等というのが必ずしも適当ではないというふうに思います。  国民金融公庫などの政府系の中小金融機関お話のございましたような措置をとっておりますが、これも、新たに貸し付けを行います分についてそういった低減を図って、できるだけ早く経済の復興を図ろう、こういった政策目的が限定されておりますので、なかなかこれと同列というわけにもまいらないのではないかというふうに今思っております。  以上でございます。
  36. 松本善明

    松本(善)委員 従来の枠ではできない、法令上のことではできないということは承知の上で聞いているのですよ。こういう問題がある、こういう問題があると長々と答弁してもらったってしょうがないのですよ。今本当に大変な震災で、戦後初めてのでしょう、だから特別の体制がとれないか。せいぜい八百人のことです。  総務庁長官、お答えいただきましたので、格段の努力を閣内でやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それで、防災に強い国土づくりということで、防災計画や道路等の建設基準などの見直しが始まっております。単に各種基準の見直しにとどめず、災害に強い国土をつくる観点から、行政機関も総点検をする必要がある。そういう観点から、私、定員管理についてどうなのかという問題を長官に御質問したいと思います。  防災関係省庁の定員を見ますと、例えば気象庁の定員の推移は、臨調行革の始まる前年の一九八〇年度の定員が六千五百七十九人であります。それが、十五年後の一九九五年度末の定員は六千二百四十一人。この十五年間に三百三十八人の定員が純減しております。率では五・四%のマイナス。  次に、国土地理院の場合、一九八〇年度が九百三十人です。一九九五年度末が八百四十七人。八十三人の削減です。率で八・九%のマイナスであります。この十五年間、全体の削減率が四・八%ですから、防災関係の定員は平均以上の率で削減をされております。中には部分的にふえているところもありますけれども、全体はそうです。  災害に強い国土づくりを目指すというのであれば、こうした防災関係の部門への定員はふやすべきだ。この配置は直接的には該当省庁の責任であることは言うまでもありませんけれども、定員管理を担当する総務庁長官は、定員の査定に災害に強い国土をつくるという観点をもっと入れるべきだと考えますが、いかがでございましょう。
  37. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  確かに気象庁の定員等、御指摘のような状況にありますことは承知をいたしております。問題は、各種の観測システムあるいは情報処理システム、こういうものが近代化され、スーパーコンピューターの導入等による気象観測技術の進展など、こういった状況の中で、あるいは地震、津波業務については地震計のテレメーターの整備、計測震度計の展開等、さまざまなOA機器化の中で、定員の削減等が行われてきたのではないかというふうに推察をいたしております。しかし、今回の大震災によりまして、観測体制の強化ということが極めて重大だということを与野党の皆さん方から御指摘をいただいているところでございます。  総務庁としては、私どもの方から何人定員をふやすべきだ、こういうようなことを申し上げる立場にはございません。問題は、気象庁の場合でありまするならば、運輸省の方から、これこれこういう形の観測体制の強化を図りたい、ついてはこのような増員を図りたい、こういうような申し出があります場合、今日、総務庁としては、第八次定員削減計画で四・数%の削減を一律やっておりますけれども、反面、必要だという面につきましては、例えば外交関係職員とか、あるいは看護婦さんの方々とか、そういう方々については増員は認めてきたわけでございますので、そういう立場から対処することはできる、かように考えておる次第でございます。
  38. 松本善明

    松本(善)委員 この問題でお聞きしたいのは、気象庁の測候所の夜間無人化問題であります。  これは、予算委員会でも問題になりまして御存じのとおりでございますが、神戸海洋気象台では、NTTの回線が壊れて大阪管区気象台への震度情報が二十分おくれました。洲本の測候所では、震度計が壊れて、結局、職員が自宅から必死で測候所に駆けつけて、体感で震度六と無線で大阪管区気象台に通知した。これは地震発生から一時間十四分、大阪管区気象台が発表したのは、さらにおくれて一時間四十三分後の発表でありました。やはりこれは無人化に原因があると思います。  現在、九十七ある測候所で、夜間無人化が三十四測候所、気象庁はことしさらに宮城の石巻測候所を初め八カ所を夜間無人化することを計画しております。こうした夜間の無人化計画は中止をすべきだと思うのです。  気象庁の地震火山課が調べたもの、九二年一月から二月にかけて防災関係八百四機関調査した結果によっても、震度情報職員待機に利用するという実態が三九・二%、職員参集に利用する、四五%、被害状況の把握に利用する、六二%。震度情報は初動の態勢には非常に重要だと思います。この点について、一月二十七日の予算委員会で、我が党の志位議員の質問に対して亀井運輸大臣は、「このたびの経験、反省を踏まえて測候体制の強化をいたしたい」というふうに答弁をしております。  運輸省から測候所に関係する定員の増員等の要求があれば認めるべきだと考えますけれども総務庁長官、どうお考えですか。
  39. 山口鶴男

    山口国務大臣 私も、委員が御指摘の志位委員の質問に対する亀井運輸大臣答弁は承っておりました。したがいまして、運輸省の方から、これこれの理由でこのような定員配置をいたしたいという申し出がありました場合は、十分その状況を承りまして、誠意を持って対応いたしたいというふうに考えております。
  40. 松本善明

    松本(善)委員 総務庁関係のあることをちょっと申し上げますと、この測候所の夜間無人化は、実は総務庁の一九八〇年十月の行政監察、つまり測候所の廃止を含めた再編整理の行政監察が引き金になっているわけです。もちろん、長官が就任される前のことでございますけれども、こういう結果があります。  それで、監察の翌年の一九八一年に気象庁は、関係自治体、職員組合などの反対を押し切って、十四カ所の測候所の夜間無人化を強行をしたわけであります。そういう点で蓄えば、気象庁と総務庁は一体になってこれを進めてきたと言っても過言ではないわけです。  この夜間無人化による障害というのがたくさんあるということは、今回初めてではありません。九三年一月の釧路沖地震のときも、広尾測候所が夜間無人化になっていたために、職員が地震発生後測候所に駆けつけると、震度計のデータ回線に異常が起きていたので、札幌管区気象台への送信がストップしていた。それで、無線で釧路地方気象台を経由して札幌に転送して、結局、地震発生から三十分後に震度発表になる、こういう経過であります。奥尻島の場合も同様であります、詳しくは申し上げませんけれども。こういう実情であります。  こうしたことがあるわけですが、昨年七月、総務庁は、再び行政監察で測候所の整理合理化を勧告したのであります。この問題については、やはり総務庁の中でも矛盾があるように思いますのは、一九九二年十月の都市防災に関する行政監察の中では、自治省に対して「地方公共団体に対し、震度階等による事前配備体制の確立あるいは災害対策本部設置など具体的な基準の設定を行うよう指導すること。」と、震度階ごとに事前配備、災害対策本部設置ができるように指導することを勧告している。そうすると、やはり震度情報を早くするということが初動態勢に非常に大事なのだということは総務庁の文書の中でもあるのですね。  そういうことでありますので、やはり今度の教訓から、国民の命と財産を守るというために災害に強い国土づくりを進めるというのであれば、少なくとも測候所の夜間無人化計画を中止して、三十四カ所の夜間無人化した測候所をもとに戻すべきだと思うのです。これは政府の責任として、閣僚の一人としてもそれに努力をしていただきたいと思うのでありますが、総務庁としては、先ほど御紹介をいたしました一番大もとの一九八〇年十月の行政監察を根本的に見直して、この測候所の問題については閣内で再検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  41. 山口鶴男

    山口国務大臣 御指摘の監察については私承知していないのですが、その後、地域防災計画に対しては監察をいたしまして、特に阪神地域に対しましても地域防災計画を十分樹立するように勧告をいたしたという経過については報告を受けております。  また、昨年の気象庁に対する監察でございますが、これは、気象庁以外に観測業務を行っている官庁あるいは事業所等数々あるわけです。その連携が十分でないぞと、この連携をもっと効果的にやっていけばもっと効果的な観測、予報もできるのではないかという趣旨を勧告したということを私報告を受けております。  いずれにいたしましても、総務庁といたしましては、国民のための行政というものを打ち立てるのが基本でございますので、今後監察計画を立てますときに、国民の生命財産を守るという観点からの監察を行うように私としては指示をいたしたい、かように考えております。
  42. 松本善明

    松本(善)委員 時間が来ましたので、最後にしますが、亀井運輸大臣答弁長官もお聞きになったように、経過として測候所の無人化問題を取り上げて、そしてああいう答弁になりました。ところがこの後、気象庁長官が、この無人化は変えないという趣旨の記者会見をしたということが報道されているのですよ。私もびっくりしたのですが、気象庁は一体どういう考えなのか。今の総務庁長官答弁からも運輸大臣答弁からも、私は考えられない対応ではないかと思うのですが、気象庁はどういう議論になっておるのですか、ちょっと報告してください。
  43. 由良武

    ○由良説明員 お答えいたします。  いろいろと問題がございましたということは理解してございます。ただ、気象庁におきましては、従来より、各種の観測システム及び情報処理システムの近代化に努めてまいりました。また、スーパーコンピューターの導入等によりまして、気象予測技術の進展があったということでございまして、従来より格段に気象観測監視体制の高度化を図ってまいってきております。また、地震津波予報につきましても、地震計のテレメーターの整備あるいは計測震度計の展開等によりまして、迅速な情報提供を図ってきたというところでございます。  県単位に配置されております地方気象台等を中心にいたしましてこれらの情報を的確に活用する、このことによりまして地域の気象サービスというものが充実してまいっております。測候所の業務の効率化を図ったといたしましても、防災業務体制に特段のふぐあいは生じないというふうに考えておるわけでございます。  自動観測機能を一層強化して、その万全を図るということは当然でございますし、さらに、気象庁全体のネットワークとして、有人の観測所、無人の観測点、そういったものを総合的に利用いたしまして、即座に対応できるもの、こういうふうに考えているところでございます。
  44. 松本善明

    松本(善)委員 これで終わりますが、今の報告でもわかりますように、やはり気象庁は、無人化という方針にこだわって、結局ああでもないこうでもないと言っているわけなのですね。今度の経験では、やはり機械は壊れるのだから、人間の力によっても初動態勢を早めないといけない、これは大きな教訓だと思います。そういう点で、長官が閣内で格段の努力をしていただいて、無人化ということがここで終わるようにひとつ御努力をいただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  45. 田中恒利

    田中委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時十六分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議
  46. 田中恒利

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中井洽君。
  47. 中井洽

    中井委員 山口大臣に、主に、過日まとめられました特殊法人の問題を含めて質問をさせていただきたい、このように思います。  過般予算委員会で、一時間ぐらいの間に御議論をさせていただいたわけでありますが、その時点で大臣は、十日にまとめる、このように言われました。過日おまとめになられた特殊法人整理合理化、私どもから見ると、到底まとまったと言えるものではない。御努力の跡は見えますけれども、マスコミ等の評価も大変残念ながら低いものであります。  大臣が、ああいうまとめしかできなかったことに対して、行政改革の担当大臣として、どのようにお思いになっていらっしゃるか、お尋ねをいたします。
  48. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  特殊法人整理合理化につきましては、中井委員案内のように、二年間という前政権の方針でございましたものを、与党政府十分論議をいたしました上で、前倒しをして今年度内にと。しかも、行革審の際に、行革審の皆さんが、幾つかの特殊法人に絞ってヒアリングをしようということを計画されましたが、さまざまな妨害があってそれが実現しなかったというような、特殊法人整理合理化というのは、過去におきましても大変難しかった経過があるわけであります。  それだけに、私どもといたしましては、各省の大臣が、それぞれの所管する特殊法人に対してリーダーシップを発揮してこの整理合理化に努めるべきだという方針を決定いたしまして、閣議後の懇談あるいは閣議におきましてその方針を幾たびとなく確認をいたしまして、二月十日を迎えた次第であります。  結果につきましてはさまざまな御批判もあろうかと思います。しかし、大平内閣、当時、行管長官は宇野宗佑さんだったわけでございますが、当時百十一ございました特殊法人、これを十一統合するという方向を出しました。現在、特殊法人の数は九十二でございますが、特殊会社を除けば八十でございます。この八十の特殊法人、十四法人を七法人統合し、三つを民営化方向を打ち出し、一つ廃止をするという形でこの方向を出ましたことは、過去の例から見まして、私は御評価もいただけるのではないだろうか。  統合ばかりだという御批判もございますが、新進党さんの御提言も、例えば蚕糸糖類事業団と畜産事業団は統合せよ、ちょうど私どもの案と同じような案も御提起されておるわけでございまして、そういう点では御評価いただけるのではないか、かように考えております。
  49. 中井洽

    中井委員 委員長にお願いがございまして、山口大臣は大変国会の大ベテラン議員で、何もかも知ってお答えになるわけでありますが、私どもも時間制限があります。尋ねてないことを言わないように御注意を賜りたい。そして、お尋ねをしたことに端的にお答えをいただきたい。このことは、大臣委員長にも御要望を申し上げておきます。  結局お答えは、あれで十分胸を張れるものだ、こういうお答えであったと思うのでありますが、特殊法人整理合理化を十日にまとめる、そして各閣僚のリーダーシップのもとでやってもらえる、こういう予算委員会での御答弁であります。あれが精いっぱいということなのか、本当に第二弾としておやりになるのか、第二弾に至った理由は何だ、こんなことをお聞きいたします。
  50. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  決して胸を張ってというふうに私は申したつもりはございません。過去の例から見て、一定の成果を上げたのではないだろうかというふうに申し上げた次第でございまして、さまざま御批判はありましょうということもつけ加えた次第でございます。そういういろいろな状況があります中で私どもとしては精いっぱい努力をした、こう申している次第でございます。  なお、政府関係金融機関の問題につきましては、各省庁にわたる問題でもあり、あるいは財投とも絡む問題である、さまざま難しい点はあるわけでございますが、特に総理大臣の御意向もございまして、三月末まで政府系金融機関整理合理化についてはさらに努力をしようということにいたした次第でございます。
  51. 中井洽

    中井委員 総理やあるいは大蔵大臣を含めて村山内閣の閣僚は、行政改革についてかなりのことを言ってこられた。また、この大震災がなければ、行政改革は最大の政治課題であったと私は思います。その割には、今お話のあった政府系の金融機関の統廃合、これについては努力をする、三月いっぱい努力をする、こういう姿勢は少し、今まで大言壮語なさったところから見ると大きな後退と言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。
  52. 山口鶴男

    山口国務大臣 政府系金融機関につきましても、二月十日の最終報告で触れていないということではございません。開発銀行にいたしましても、輸出入銀行にいたしましても、さらには商工中金、中小企業金融公庫あるいは住宅金融公庫等々の問題につきましても、それぞれ組織、機能をできる限り見直す、スリム化するということにつきましては、それぞれの努力をするという報告を寄せているわけでございまして、決してあの二月十日の最終報告政府系金融機関が手つかずということではございませんでした。  しかし、今までの経過もございますしいたしますので、特に村山総理の強い御意向もございまして、政府系金融機関についてはさらに三月末まで鋭意、整理合理化見直し努力しようということでございますので、この点は御理解を賜りたいと存じます。
  53. 中井洽

    中井委員 与党と野党の違いはあると思います。しかし、行政改革というのは、いずれも大変難しいことはお互い承知をしているわけであります。  その中で私自身は、新進党の明日の内閣行政改革担当といたしまして、どういう手順でやるか、あるいはどういう方向でやるか、かなりの論議をいたしました。それぞれ私どもにも担当大臣がありますから、政府のように、それぞれ担当の中で御努力をください、お出しくださいとやっておったのでは行政改革というのは進まない、こういう思いで、私ども行政改革担当の者だけでプロジェクトチームをつくり、まとめて、そしてそれを閣議にかけて了解をとり、そして逆にそれを党内討議にかけて今決議、決定をしようといたしております。  行政を預かる皆さんでありますから手続も要るでしょう。しかし問題は、行政改革というのは、どこかで政治家のリーダーシップあるいは方向性、決断、こういったものがなければやれない。残念ながら村山総理のリーダーシップというのは何も見えてこない。あるいは山口長官のような大物ですら、ただただ調整を待っておると言うだけで、リーダーシップをとられておる、あるいは方向性を打ち出されておる、こういう姿が見えてこない。このことは大変私は残念だ。行政改革というのは役所に任せておいたのでは到底できない、このことを改めて痛感をいたしております。そういった意味で、社会党さんが政権に加わっておる、総理大臣であるこの時期にやはりリーダーシップを出されて、行政改革をもっと実りあるものにしてほしい、こんな思いであります。  そこで、特殊法人についてはそういう状況でありますが、地方分権規制緩和、これらについては、あとどういうスケジュールであるのか。また、政府閣議決定をいたしました方針には、行政情報推進基本計画というのが盛りだくさんに盛られております。これはどういう手順でお出しになる、あるいはおつくりになる腹づもりなのか、お答えをいただきます。
  54. 山口鶴男

    山口国務大臣 最初御意見がございましたが、これは先ほど来中島委員に対しまして私の方からお答えをいたしました。決してそれぞれの省庁の努力に任せておったわけではございません。総務庁は、全力を挙げて各省庁に整理合理化を要請して、なかなか困難なものにつきましては私直接担当大臣とも話をいたしまして、そういう中で先ほど申し上げたあのような成果は出てまいったという点は御理解をいただきたいと思いますし、また、この間、終始村山総理がこの中間報告、最終報告、その節目節目に閣議において各大臣に対して強いリーダーシップを発揮して主張してこられたという経過はぜひ御理解を賜りたいと存じます。  それから規制緩和でございますが、これはもう現在懸命に作業を進めております。年度内に五年を期間とする規制緩和推進計画を決定をいたします。なお、一たん決定したらそのままということであってはよくないと思います。昨年の国会で成立を賜りました行政改革委員会におきまして、監視さらには勧告という形で、絶えず監視もいただく、また御提言もいただくということになっておりますので、そういった行政改革委員会の御努力と相まちまして規制緩和推進いたしたいと存じます。  地方分権につきましては、十二月二十五日に決定いたしました地方分権大綱、これを踏まえまして、現在、鋭意地方分権推進に関する法律案を作業中でございます。今国会中にできるだけ早く御提案申し上げて、御論議をいただきたいと思っております。  私、個人的なことを申して恐縮ですが、地方分権に関しては、一昨年私が、国会決議をいたします際にこの国会決議推進したという経験もございますので、私といたしまして、政治家としてもこの地方分権には全力を挙げたいと思います。  なお、情報推進計画につきましては、これも昨年十二月の行革大綱において閣議決定をいたしました。
  55. 中井洽

    中井委員 行政情報推進基本計画はどういう進みぐあいでやるのかということもあわせてお尋ねしたので、決定したのなんかとっくの前に知っております。
  56. 山口鶴男

    山口国務大臣 各省庁間をネットワークで結びまして、行政情報推進計画を決定をいたしまして、これを進めていきたい。将来はできれば、官庁といえば書類の山ということになるのですが、ぺーパーレスで仕事もできる、あるいは国民皆さんからの御期待で、直ちにファクス等で書類の提供もできる、こういったシステムを、総務庁が中心となりまして今計画を進めているところでございます。
  57. 中井洽

    中井委員 宣伝を聞いているわけじゃありませんので、この行政情報推進基本計画というのはどういうスケジュールで出てくるんですか。地方分権は三月までにとか規制緩和も今国会内とかいろいろと、そういうことをお尋ねいたしておるんですから、先ほどから申し上げましたように端的にお答えいただきたい、このように思います。  そういう形でおやりになっているのはわかりましたが、そうしますと、今回おまとめになりました特殊法人見直し結果、さらに三月中に、政府系の金融機関努力の問題と足して出てくる、それをどういう形で、あるいはどのくらいの年数で実施なさろうとお考えになっていらっしゃいますか。
  58. 山口鶴男

    山口国務大臣 特殊法人整理合理化につきましては、特殊法人は、御案内のように、それぞれ法律でもって設立されております法人でございます。したがいまして、これを廃止をするあるいは統合をするという場合におきましては、あるいは民営化するという場合におきましては、当然法律改正が必要でございます。  二月十日に出ました最終報告につきましては、できるだけ速やかに正式閣議決定に持ち込みたいと思います。その後、先ほど申し上げたように、法律改正の作業をいたしまして、これは逐次国会に御提案を申し上げて御審議をいただくということになろうかと思います。  それから、地方分権の問題は、もう国会手続は申し上げました。
  59. 中井洽

    中井委員 大臣、さっきからちょっと私の質問を聞き違えていらっしゃるのか何かわかりませんが、お聞きをいただいて、端的にお尋ねをしたい。  例えば、二月十日の最終報告は、閣議決定をして、それぞれ法案化するんだ、今こうおっしゃった。そうすると、政府系金融機関は見直す、三月いっぱいかけてやるけれども、やらないということなんですか。これが一つ。  それから、これらの法律を一年で一括しておやりになるのか、あるいはできたものから順番に何年かかけておやりになるのか、そういうスケジュールをお尋ねしておるんです。
  60. 山口鶴男

    山口国務大臣 政府系金融機関の整理統合の問題は、これから三月末までに鋭意努力をする、結論が出ますれば速やかに閣議決定をするということだと存じます。  それから、近く閣議決定いたします案件につきましては、例えばアジア研究所等の問題は、施設が移動することになっておりまして、それには三年ほどかかる、したがいまして統合はその後ということになります。それからまた、帝都高速度交通営団、地下鉄の問題は、これは今七号線、十一号線の作業をしているわけでございまして、これが完成した暁に民営化に持っていくということですから、これも時間がかかります。しかし、速やかにできるものもあるわけでございまして、したがいまして、閣議決定いたしました後、できるものから法律作業をいたしまして法律改正案を国会に御提案申し上げていくということになろうかと存じます。
  61. 中井洽

    中井委員 先ほど大平内閣のときの行政改革お話がございまして、それを体してのお答えもございました。このときも五、六年かかっておるわけであります。しかし、皆さん方行政改革の目的、これは平成九年、消費税を五%にするのか、あるいは附帯条件でもう少し上げざるを得ないのか、あるいは場合によっては引き下げることができるのか、これを判断するために財源を生み出すんだ、総理以下大蔵大臣がたびたび言われておるわけであります。  しかし、目玉でおやりになっておる特殊法人の統廃合、整理統合、これですら五年も六年もかかる。あるいは帝都高速なんかは、七号線、十一号線ができたらそれからやるんだというと、いつになるかわからない。また、本四も平成十年に完成したらそれから考えると書いてある。そうすると、一体どこでお金が浮いてくるんだ。国民に対しては、行政改革はやりましたよというポーズだけで、結局、平成九年には消費税を六%、七%と上げざるを得ない、その書いわけに数合わせをやった、こう言われても仕方がないのじゃないでしょうか。  もっと短期間に、平成九年までにこれだけやるんだ、年数を入れておやりになるべきじゃない一が。大平内閣のときは、時間はかかりましたけれども、五十五年十二月に出されたときには一つ一つ年数が書いてある。何年までにやるということが書いてある。今回のは書いてないじゃありませんか。その点はいかがですか。
  62. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  閣議決定をいたしますときに、先ほど私が例を挙げましたように、若干期間を要するものは別といたしまして、一定の期間を区切って実施をするということをつけました上で閣議決定をいたすつもりでございます。  実は、昨年の臨時国会におきまして随分御議論がございました。私に対しましても、この行政改革の重点は何だというようなお話がありました。行政改革は絶えず行うべきものであり、私どもとしては、規制緩和そして地方分権特殊法人整理合理化情報公開、こういったものを着実に実施をしてまいりますと、どれが目玉であるとかどれが重点であるとかいうことは、私は予算委員会で申したことはございません。  それでは、これらの行政改革で幾ら経費の節減になるのか、数字はどうかという点も随分大勢の皆さんからお話がございました。しかし、例えば国家公務員の定数削減のように、平成七年度二千八十五名の削減をいたしました。この場合は金額で百四十億円というのが出ますが、なかなか計量的、数量的に把握できないものはあるわけでございますので、数量的に明確に言えるものと言えないものとがございますということは、私は明確にお答えをいたした次第であります。
  63. 中井洽

    中井委員 大蔵大臣や村山総理は——総務庁長官は何もおっしゃらない、当然であります、財政と関係ないのでありますから。ただ、内閣のトップまたは財政当局の責任者がたびたび財政問題に絡めてこの財政改革を言われておる。  そして消費税についても、奇妙きてれつな見直し条項を入れて五%という人気取り政策をおやりになった。それならそれで、それにあわせて御努力をなさればいいけれども、大半が五年、六年かかる行政改革統合しでもお金が浮いてくるかどうかもわからない数合わせの改革、それらで自分たちの血を流した、国民に消費税の負担をお願いする、こういうことは私は到底言えないのだろうと考えております。  五年もかかって大半をやる、こういうことであるならば、私ども海部党首が本会議で御提言をいたしました、すべての特殊法人は全廃か民営だと、五年間でオール見直しをする、そして必要なものだけ法律で改めて残す、それも期限を切ってやっていく、そういう大枠をはめた思い切った改革の方が私ははるかにスマートであり、はるかに財政的にも寄与するものだ、このように考えております。  皆様方の御努力は、残念ながら財政的にも何も胸を張れるものではない、このことを改めて申し上げていきたいし、先ほど大臣は、閣議決定の中で期限をつけると言われました。それぞれをきちっと期限をつけて、できるだけ短期にスタートをいただけるように改めて要請をいたしたい、このように思います。  同時に、お尋ねもしないのにお触れになりました人員削減のことであります。  お話しのありました人員削減は地方公務員であろう、私はこのように思います。特殊法人の人員削減、定数削減、これは五十五年の大平内閣行政改革の案の中でも盛られている、また役員の数あるいは常勤役員の数という形でまで書かれているにもかかわらず、過日予算委員会でお尋ねしましたとおり、JR七社、JT、これらを除いては一万数千人この六年間でふえておる。今回の統廃合でも本当に人員について対応なさるのか。  閣議決定におきましては、「昭和五十四年十二月十八日の閣議了解の趣旨を踏まえつつ、その適正な人事管理の在り方を検討する。」こう書いてあるだけであります。しかし、この五十四年十二月十八日のときにも、さっき言いましたけれども、盛られておるけれども守られてこなかった。その守られてこなかったものを「検討する。」と書いたところで、やはり人数は減らない。この数年間の民間の企業のリストラはすさまじいものがあります。その中で、官公庁だけが、あるいはそれに伴う特殊法人だけが人数がふえておる、この現状はやはり正していかなければならない。私どもは、何も生首を切れと言っておりません。退職者の不採用を全面的にやっていく。  かつて私は、国会に初当選しました昭和五十一年、私の郷里の三重県上野市というところが二回目の赤字再建団体に指定されました。私は、地方行政委員で自治省との橋渡しをやりながらやりました。このとき私が特に市長に言ってやらせたことは、五年間新卒のストップであります。この五年間の新卒のストップだけで実は再建ができた、こういう状況であります。雇用は、こういう難しい時期ですから採るなとは言いません。しかし、思い切って私どもが提言しているような形で五年間で五%なら五%、一割なら一割削減、これを閣議決定の中に盛り込むべきであると思いますが、大臣、いかがですか。
  64. 山口鶴男

    山口国務大臣 現在、国家公務員の定員につきましては、(中井委員特殊法人だけ答えてください」と呼ぶ)特殊法人ですか、特殊法人につきましては、今度の閣議決定で抑制の方針はきちっと打ち出したいと存じます。そうして、職員皆さん方の雇用の問題もこれまた重要でございます。この雇用の問題に対しては、政府全体として、職員の方が路頭に迷うことのないように雇用対策に対処する、こういった考え方につきましても明確にいたしたい、かように考えております。
  65. 中井洽

    中井委員 重ねてお答えをいただきます。  これは数字を示して減らす、こういうことなのか、あるいは努力するとか努めるということでおやりになるつもりかお聞きをしたい。私は、今の大臣の姿勢あるいは政府全体の姿勢では到底特殊法人の定数削減ということに気をおつけになれないと思っております。  それは、例えばこの閣議決定であります。十二月二十五日、「特殊法人等の改革・合理化、この中に「特殊法人に対する補助金等については、平成七年度予算において新規の創設は原則として行わないこととし、抑制に努める。」こう書いてあります。しかし、これもこの時期には予算編成が終わっておるんであります。  その中で調べますと、昨年度の特殊法人に対する補助金の総額は二兆百十億円、本年二兆三百六十九億円、やっぱりふえているんですよ。ふえた予算をつくっておきながら、閣議決定の中にはのうのうと抑制に努める、新規は認めない、ちゃんと新規もあるんです。そういうやり方が今日までの行政改革のやり方、あるいは役人さんの逃げ道をつくったきれいごとと私は思わざるを得ません。  ついでに、もう一つ言いますと、補助金の整理合理化、ここには現行都道府県向けが三千万円、それを三千五百万以上にする、それから市町村のは三百万、それを三百五十万にすると書いてございます。これ大変結構です。私ども大賛成であります。ところがそれをやったのか。九十五件ある中で十二件残っておるじゃありませんか。そういう抜け穴だらけの実績をして、そして定員削減いたしますとか、図りますとかおっしゃったって減らないんです。私どもはそこにお勤めのまじめな勤労者をいじめるつもりはありません。しかし、今の財政の厳しさ、民間企業のリストラの激しさを考えたときに、特殊法人といえども当然おやりになるべきだ、このことを強く申し上げますが、いかがですか。
  66. 山口鶴男

    山口国務大臣 零細補助金の上限を抑制する問題については、与党皆さんのリード項目として提起をされて、閣議で決定をいたしまして、できる限りその方向努力をいたしたということで御理解をいただきたいと思います。  それから、特殊法人の問題につきましては、御指摘の十二月二十五日の文章は、これは全体としての行革大綱でございます。特殊法人整理合理化閣議決定いたしますときには、さらに特殊法人の定数を抑制するという方向を明確にいたしたい。ただ、特殊法人の中には、御案内のように特殊会社もある、あるいは事業団もある、それから公団もある、さまざまな形態がございます。  しかし、全体的に抑制の方向を強く打ち出すと同時に、委員もよく御存じだろうと思うんですが、具体的に定数の問題を決めますのは明年度の予算編成の際に、それぞれの特殊法人に対して定員は幾ら、予算は幾らと財務的な問題は決定をするわけでございますので、そこで具体的には明示をされるわけでございますけれども閣議決定では、いわば抑制の方向はきちっと打ち出したいということでございます。
  67. 中井洽

    中井委員 抑制の方向というのは抑制にならない。現実に今までやってきてもふえておるんだ。JRとJTと除いたら、これはもう民間会社ですから必死の合理化努力をなさっておられる。しかし、それらを除いたらふえていらっしゃる。だから、抑制の方向なんて言ったって絶対ふえるんだ。それでは行政改革にはならないと私は申し上げております。  大臣のお答えは、来年の人がやればいいやということでありますから、来年ひょっとしたら私がやっているかもしれませんが、それは私ならやらしていただきます。  では、もう一つ中身に入らせていただきたい。その中で抑制抑制ということでいろいろと書かれておりますが、統廃合しない特殊法人についてもいろいろと報告をお受けになっていらっしゃる。そこも大半が予算の合理化、人員の抑制、もうほとんどが載っております。しかし、これは本当にできるのか。  例えば鉄建公団、道路公団、今度の阪神大震災で大変な被害を受けられた。またはこれから見直しをしていかなきゃならないだろう、そういう公団がいっぱいある。それらが平気でそのまま予算コストのダウンだとかみんな書いてあるじゃありませんか。できるんですか。私は、そんなことできない。これだけの災害が起こって国民の不安がある中で、やはり設計から強度の問題からいろいろと見直していかなきゃならないだろう、それでも予算削減、コストの削減をやる、こういうことですか。
  68. 山口鶴男

    山口国務大臣 建設省関係では、特に住都公団につきましては、委員も」らんをいただいていると思いますけれども、この業務を大きく変える、単独の工業用地開発からは撤退するとか、あるいは賃貸住宅の管理に当たっては十分適切な措置をするとか、さまざまなスリム化の方向を出していることは、これはもうごらんいただいていると思います。  阪神大震災に関しまして、それでは道路公団どうだ、阪神の高速道路公団がどうか、あるいは本四公団がどうか、さまざまそれは問題がございます。またそれ以外の公団につきましても、例えば開発銀行につきましても、あのような災害に対して低利の融資をする機関として開発銀行役割というものは大きいものだと思います。しかし、そういう役割役割としまして、今回そういう災害があったから二月十日を延ばそうかという議論が内部でなかったわけではございません。しかし、二月十日を延ばしますと、やはりせっかく二月十日を目標にして体制を詰めてまいりましたわけでございますから、それが緩んではまずい、したがって、この際、二月十日はあくまでも最終目標というのは変えない、こういう形で最終報告を求めた次第でございます。  御案内のように、災害でさまざまな仕事があることは事実です。しかし、少なくとも災害が起きてからこの二月十日の最終報告はいただいたわけでございますから、この最終報告に出ております項目については、これは厳に関係省庁でこれを実行していただく、内閣としてそれを実行せしめるということについてはこの際明確にお答えを申し上げておきたいと存じます。
  69. 中井洽

    中井委員 私は無理があると申し上げておるのです。これは官僚の皆さん方の作文にすぎない。道路公団なんかは建設費の節減と書いてある、しかし、本当に節減になるか。この阪神大震災のことを考えたら、節減なんかできず逆にお金が要るんだろうと思うんですね。そういう無理なことまで、できないことを平気で書いた作文じゃないか。二月十日、二月十日とおっしゃるけれども阪神大震災は一月十七日です、起こったのが。だからその間、文章の書き方もあるだろう、本当にできるかどうか考えてお出しになればいいのに、どうせ作文だからということでお出しになっただけじゃないか、このように申し上げているところでございます。  もう一つ、気になる最終報告がございます。一つは塩のことであります。塩の専売制を民営化する、こう書いてあります。あとはたばこ審議会等の結論を待ってと、こういう書き方になっております。しかし、既に塩の事業のあり方については、中間答申等を含めて、自由化の方向、これは打ち出されているんだと私どもは理解をいたしております。  塩産業にお取り組み皆さん方の自立、これをどういうふうにしていくか。大変低価格でやっておりますから、なかなか自立というのも大変だ。そこのところは今、審議会あるいはJTあるいは業界の皆さんとの話し合いで行われておる。それをわざわざ自由化と、この行革の一つの目玉のようにお出しになっておるけれども、本来決まっておったことを出しただけじゃないか、このように思いますが、いかがですか。
  70. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  阪神高速道路公団につきましては、このような形で機能の合理化を進めていくということを書きますと同時に、なお兵庫県南部地震に伴う被害の早期復旧を図るということは最終報告の中にもきちっとございます。したがいまして、復旧はきちっとやる、同時に、やるべきスリム化についてはやるというのが最終報告でございますので、これはもう、あの大震災を踏まえての最終報告ということで御理解を賜りたいと思います。  なお、大蔵省関係で、日本たばこ産業株式会社の塩専売にかかわる問題でございますが、御指摘のような点もございます。したがいまして、早急にたばこ事業審議会に付議いたしまして、審議会の御議論もいただきまして、この専売制については廃止をするという方向を必ず実現するということで御理解を賜りたいと存じます。
  71. 中井洽

    中井委員 それは早まったのですか。決まっておったのを書いただけでしょう。これは大蔵省のテクニックじゃないですか。何も出さないわけにいかぬから、決まっておるものをちょっと早めてという形で書いただけじゃないですか。
  72. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  そうではございません。審議会において、さまざまな議論があってまとまらなかったのであります。それを、大蔵大臣のリーダーシップのもとで廃止をするという方向を打ち出したということであります。
  73. 中井洽

    中井委員 その点は、業界の皆さん方あるいは審議会の皆さん方認識が、総務庁長官、違うように私は思います。  次に、この間の予算委員会で申し上げたのでありますが、皆さん方行政改革の中に中央省庁の問題が入っていない。総理や長官は、中長期の課題で絶えずやっていかなきゃならない、こういう言われ方で終始をされております。  私どもは、過日、中央省庁の統廃合について幾つかの提議を、あるいは提案をいたしました。第二弾で、各省庁の中の部局の統廃合、これらについても提言をしていきたい、今準備をいたしております。過般、私どもが党内論議をいたしましたところ、私どもの案ではぬるい、総務庁ももう要らないから恩給局は厚生省へという話を含めての議論まで実は出てまいりました。  中長期でやる、こうおっしゃるけれども、先ほどのスケジュールを聞きますと、特殊法人だってかなり中長期でおやりになる、五、六年以上かかる、こういう問題であります。先ほどの、大平内閣の五十五年の行政改革、これを見ますと、この中にはちゃんと中央省庁、統廃合まで言っていませんけれども、中央省庁の部局の統廃合やら、かなり踏み込んで実はやっておる。いろいろなところの地方出先機関やらをつぶしたり、やっておる。やっているのです。やり出したらこっちの方が早い、特殊法人よりかはるかに早いのです。  どうして中央省庁を私どものように取り上げておやりにならないのか。国民から見れば、自分たちのところを、自分たちの城をやらない政府が一番するいじゃないか、こういう感情はいつも残る、そして行政改革案全体に対する不信や不満が募る、私はそのように思います。いかがですか。
  74. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  総務庁のこともお話ございましたが、前総務庁長官の石田さんもおられるわけでございますが、総務庁は、行政管理庁それから総理府を、総理府はできるだけスリムにした方がいいということで、十年前に統合いたしまして現総務庁というのができまして、そういう意味では、中央省庁統合の模範が我が総務庁であるというふうにも思っている次第であります。この点は御理解いただきたいと思います。  問題は、今私どもは、地方分権推進するための法律、この作成に全力を挙げております。そうして、この地方分権推進するための機関設置をすることを御提案したいと思います。これは、まだ何年と決まっておりませんけれども、一定の期間存置をいたしまして、その間に積極的に地方分権推進をいただきたい、そうなれば中央省庁がスリム化するわけであります。そういう中で、私は、この地方分権と並行して中央省庁の統廃合については考えるべき課題だ、こう思いまして、中期的課題というふうに申し上げている次第であります。  また、過般の予算委員会では、新進党のある委員の方から、新進党の一次案に対して、自分はどうもこれには異を唱えたいという意味で御質問もございました。ですから私どもは、やはりさまざまな形で、この中央省庁のスリム化については、決して後ろ向きではございません、地方分権推進して、積極的に対応してまいりたいということでありますから、御理解をいただきたいと思います。
  75. 中井洽

    中井委員 先ほどお尋ねをしまして、一向にどういうスケジュールなのかさっぱりわかりません。  行政情報推進基本計画というのがございます。見させていただいて、私は、これは大変いいことを書いてある。これも五年計画だと書いてある。これをやりますと、私どもも、これをやることによってかなり人員を減らすことができるだろう、地方分権によってもそういうお話のとおりだろうと思うのであります。そういうことをやることを大前提にして、やはり中央の公務員の定数削減、今第八次、かなり厳しくやっていただいておる。僕は中央はかなり厳しくやっておると思うのですね。それをもっとやっていくべきだ。  あるいはまた、この間、予算委員会で少し大臣とはかけ離れた議論になってしまいましたけれども、やはり減らすところは思い切って減らす、そして省庁間の垣根を越えて、ふやすところはふやしていく。そうでなければ到底、今の中央省庁を残したままでいろいろな改革をやろうと思ったって、ちょっとずつ減らしてちょっとずつふやしてということでは、国民のニーズにこたえられる中央省庁ではない。だから、中央省庁を思い切ってだんと統廃合しちゃうか、あるいは減るときに思い切って減らして、その中で、垣根を越えた人事交流あるいは採用を含めた公務員の制度の見直し、どちらかに手をつけないと、私は、行政改革の名にふさわしくない、このように思います。  しかし、残念なことに、皆さん方のはお言葉だけで、中長期でと。自社さきがけ連立政権がそんな中長期まで続くわけはないのでありますから、もっと端的に、先ほども申しましたように、平成九年七月に消費税があるんです。それを出されたのは皆さんなんですから、そこのところを猛烈に思われて、私は、中央省庁の問題あるいは公務員制度の見直し、定数の問題、思い切ってお取り組みになるべきだと思いますが、いかがですか。
  76. 山口鶴男

    山口国務大臣 御指摘のございました行政情報推進計画におきましては、平成七年度を初年度とする五カ年間の計画を立てまして、先ほど申し上げましたようなペーパーレスの行政というものも目指して、これを推進していきたいと考えておる次第であります。  また、地方分権につきましては、委員指摘のように、これも先ほどお答えいたしましたが、地方分権推進委員会、一定の期間存置をいたしまして地方分権推進していく。そうなれば、当然私は中央省庁がスリム化できる条件というものが整ってくると思います。したがって、これらの五カ年計画と並行して進めていくのがいいのではないか。  しかも、この問題は、与党がこの行政改革をやろうと言っているだけではないのでありまして、野党の皆さんも、そしてまた野党のトゥモロー・キャビネットのこの問題の責任者である中井さんからも御指摘があるわけでございますから、そういう意味で、この行政情報推進計画を着実に与野党力を合わせて推進していく、また地方分権もともにこれを推進していく、そういう中で、私どもが願っているところの行政改革、まさに政治がリーダーシップを握っての行政改革というものが実行されていくのではないでしょうか。そういう意味では、野党と与党との間で論争すべきはする、提携すべきはするということでよろしいのではないだろうか、私はかように思います。
  77. 中井洽

    中井委員 過日、予算委員会でも、私は、行政改革は政治家の取り組むことであって、与党、野党という対決ではないと。しかし、中身についてはやはり政策の違い、発想の違いでいろいろとある。ここで論議をしていくのは非常にいいことだと思います。  皆さん方の案を見ていると幾つも欠点がある。私どもも百点満点とは言いません。その中で、番大きいのはやはり中央省庁、公務員制度、この問題に直接お触れになっていない。コンピューター化をやればできるだろう、地方分権、やればできるだろう、二つとも五年だ、成果が上がるじゃないか、こういうお答えであります。しかし、この盛られております行政情報推進基本計画、大変立派です。各省庁がどんなのを出してくるかわかりません。しかし本当に、大臣、これだけのことを五年でできますか。膨大な思い切った提言であります。できますか。  例えば、私は法務大臣を短期間やらせていただきましたが、法務省において、今法務局において土地の登記、コンピューター化をやっています。何年かかるかわからない。また、過日の国会の法案で戸籍のコンピューター化をお願いをして、与野党一致で通していただきました。しかし、これだって十数年かかります。十数年かかる。本当にお金をほうり込んでやる意気込みがなければ到底これだけのことはできない。  これは、本当に五年間でやれば公務員の削減なんてあっという間にできます。計画は五年でつくるけれどもちっともできない、それでは絵にかいたもちであります。それならば、やはり公務員、中央省庁の統廃合、これも五年間で思い切って計画を盛り込むべきであると私は思いますが、いかがですか。
  78. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  委員もこの行革大綱をお持ちだと思います。規制緩和から始まりまして、各項目ございまして、そうして最後行政情報推進基本計画が載っているわけでございまして、これはし十二月二十五日、閣議でこれを実行しろということで決定したわけでございます。班に、各項目につきましてはそれぞれの省庁が予算を立てまして、実施できるものはやっているわけでございます。  この計画は総務庁が中心になって、各省庁まとめて、全体としてこの計画でやりますということで取りまとめをいたしました上で閣議決定に持ち込んだわけでございますから、内閣としてこれは実行する、こういう決意であるということは御理解をいただけるのじゃないかと存じます。
  79. 中井洽

    中井委員 なかなか論点がかみ合いません。お立場もおありでありましょう。しかし、到底五年でできないですよ。これだけの今の予算的な対応でいこうと思えば二十年かかります。日本の民間企業を含めて、中央官庁を含めて一番アメリカなどにおくれているのはこの分野なのです。  だから、この分野を徹底的にやるということは、人員の合理化、これにつながる。これが本当に五年でやれるなら結構だ。到底五年でやれない。そして、公務員の枠を超えた、省庁の枠を超えた異動やらあるいは増やら減ができない。そういう中であるならば、この時代の激しい動きの中に対応できる中央省庁の統廃合を逆に思い切ってやる。また、公務員の純減の案というものをきちっとやはりおつくりになって守っていく、そういう激しさが行政改革に必要ではないか。私はこのことを重ねて申し上げておきたい、このように思います。  もう一つ質問でありますが、この公務員制度の中でいろいろと天下りの問題が出てまいりました。私どもは、その中で公務員の定年が年金支給開始年齢に近づくように努力する、やる、このことを言いました。議論の中で、もっといろいろな議論があったことであります。  それは、五十一、二歳で、省庁によって違いますけれども局長になる前で退官をする、あるいは局長になって退官をする。これはずっと続いてきた慣習であります。戦前からのこの慣習は、平均寿命が五十六、七歳のころの慣習であったと思うのであります。ところが優秀な人たちが、また専門的な知識を持った人たちが、五十一、二歳で退官しろ、こう言われる。そうすると、六十五ぐらいの間にやはり三回ぐらい天下りをしていく、渡り鳥をせざるを得ない、ここに大きな問題がある。行政改革案だって、役所の若い人たちにつくらせたらもっといい案が出てくる。ところが、ある程度以上になったら、あそこ削れ、これ削れ、自分のポストないじゃないか、どうしてくれるんだ、こういう切実な問題があって、うやむやな形でしか省庁はまとまらない。私は、一つそこに原因があると思うのです。  長寿社会の中で優秀な方が五十二、三歳で役所をやめていく、こんなばかな慣習はやめて、次官六十歳、あるいは私のおりました法務省、検事総長六十五歳じゃないですか、大臣よりか月給高いのだけがちょっとおかしゅうございますが。そこら辺も制度としてやり方があるのだ。この公務員の制度をやはり見直していくということも一つ行政改革であろう。また、役所の中で自分の肉体や知的能力が精いっぱい生かされるまで働きたい、こう思っていらっしゃる人、いっぱいいらっしゃる。そういったことをやはり考えていくのも、役人をいじめていくだけが行政改革じゃないのだろう。これはもう大臣、よくおわかりのとおりだ。どうしてそういった方向を思い切ってお考えにならないのか、私どもの提言に対してどう思われるのか、お答えをいただきます。
  80. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  我が国公務員皆さんが極めて優秀な素質を持った方々である、その点は委員の御指摘と私も同じ認識であります。そういった方々が、幹部の養成システムに従って、同期の人が次官になればもちろん同期の人はすべてやめていく、その前に局長になるときも、局長にならない人はやめていくというようなことが果たして、人材を効果的に使っていくと言っては恐縮ですが、活用していく面からいっていかがであるかということは、私も同じ認識であります。  ですからこのシステムが、ラインばかりではなくて、やはりスタッフと申しますか、そういった面で専門的知識の方々に大いに活躍をいただく、こういう仕組みもこれは考えてしかるべきではないだろうかというふうに私もかねがね思っておりますし、また、今申し上げたようなシステムが、いわば特殊法人の天下りの一つの原因にもなっているということも、私は同じような認識を持っております。  ただ現在、それでは定年制をどうするかということになりましても、六十歳定年を今直ちに改めるべきだということは私は考えておりません。ただ、年金の支給開始年齢と定年との間に五歳の乖離があるということについては、これは大きな問題であると思います。  したがいまして、人事院におきましても、六十歳を超えた高齢者の方で働きたい皆さん方に対しては、どのような形でそれらの方々の求めに応じていくかということについては今議論を重ねてもらっております。総務庁といたしましても、この点については熱心な議論を行っていきたいと思っております。  そういう努力はいたしたいと思いますが、今直ちに先ほど申し上げたような公務員の幹部の養成システムを変えるということになりますと、これはなかなか大変でございます。したがいまして、委員の御指摘は私もわからぬではありません。これらの点は、やはり与党と野党との間でもっと議論を尽くす。そして、これは単に公務員の問題ばかりではなくて、公社公団にもかかわる、また民間にもかかわる問題にもなるわけでございますので、そういう意味では真剣な検討の課題ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  81. 中井洽

    中井委員 わかっておるけれども、担当大臣としてはやらないというお答えであります。  山口大臣ほどの当選回数また御経歴の方が行政改革の担当大臣、そのことによって、国民行政改革に対する期待も高いわけであります。細川内閣、羽田内閣と私どもは石田公明党前委員長大臣をなさいました。山口さん、石田さん、それぞれ野党の経験は長かった。この時期に、政府に対して行政改革をお互い言ったものであります。このお二人が頑張って、そしていいものができた、いい行政改革がやれた、それが政権交代の私は一つの大きなプラスだ。行政改革というのは政権交代したときにやれるものだと思います。それがやれないなら何のための政権交代か。こんなことも思わざるを得ません。  大臣の御理解は感謝いたしますけれども、実行されるための大臣でありますから、このことを強く求めて質問を終わらせていただきます。
  82. 山口鶴男

    山口国務大臣 いろいろ御指摘をいただきましてありがとうございました。  私どもといたしましては、先ほど来お答えいたしておりますように、規制緩和、そして地方分権、公社公団、特殊法人整理合理化あるいは情報公開、さまざまな問題について真剣に取り組んでおります。これだけの多くの課題一つ内閣で懸命に一定の期間で推進したということはいまだかつてなかったのではないかと思っております。  私どもといたしましては、さまざま御批判はあろうかと思いますが、今申し上げた方向を懸命に全力を挙げて努力をするということでお答えにかえたいと存じます。
  83. 田中恒利

    田中委員長 次に、石井啓一君。
  84. 石井啓一

    石井(啓)委員 新進党の石田啓一でございます。  私、本日は、恩給法の関係の質問、さらに行政改革関係いたします質問をさせていただきたいと存じます。  まず恩給法でございますけれども、今回の改正案の要点について、長官の方から御説明をいただきたいと存じます。
  85. 山口鶴男

    山口国務大臣 今回御提案を申し上げております恩給改善内容でございますが、恩給改定につきましては、公務員給与改定物価変動等を総合勘案いたしまして、恩給年額を一・一%引き上げることにいたしております。  第二に、寡婦加算及び遺族加算を引きkげることにいたしております。  第三に、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額に係る七十五歳以上という年齢区分を廃止することといたしております。  第四に、比較的軽度の戦傷病者に支給される傷病賜金の支給要件を緩和することといたしております。  以上、四点を御提案申し上げている次第でございます。
  86. 石井啓一

    石井(啓)委員 それではちょっと個別にお尋ねをいたします。  まず、引き上げ率が一・一%、この決定根拠でございますが、公務員給与改善率一・二%と消費者物価上昇率〇・七%を総合勘案しております。これもこれまでの本委員会で幾たびも質問がなされているようでありますけれども公務員給与改善率と消費者物価上昇率、この数字をどう組み合わせてこの引き上げ率につながっているのか、この説明をお願いをしたいと思います。
  87. 石倉寛治

    石倉政府委員 お答えをいたします。  平成七年度の改定率の一・一%は、公務員給与改定率の一・二%、物価の上昇〇・七%、これらの諸般の事情を総合勘案して出した結果でありまして、確立された計算方式で計算したものということではございませんで、恩給受給者の処遇の改善努力した結果であるということでございます。
  88. 石井啓一

    石井(啓)委員 総合勘案方式というのは非常に便利な言葉でありまして、総合勘案すれば何でもできるという、まさにマジックみたいな数字でございます。  これは、過去の経緯を調べてみますと大体どういう重みづけをしているのか分析はできますけれども、たまたまこれまでは公務員給与改善率に対して物価上昇率が低いという、その間をねらって公務員給与改善率より多少低目に設定をしているという形で決まっているようでありますけれども、私はやはりある程度はっきりしておきませんと、その都度その都度あるいは財政状況等々によりましてこれが大きく変わるという事態もあり得るわけでありますので、総合勘案方式の中身をもう少し明らかにしていただきたいと思うのです。そういう努力をぜひお願いしたいのですが、どうでしょうか。
  89. 山口鶴男

    山口国務大臣 制度的な問題は政府委員答弁していただくとしまして、私政治家としては、公務員本俸改定、それにできるだけ近づけたい、そうすることがやはり恩給受給者皆さん方の御期待にこたえる道だ、そう思いまして、そういう立場で大蔵省に対して強く要請をいたしまして一・一%という引き上げ率を確保したということでございます。
  90. 石倉寛治

    石倉政府委員 補足して御説明を申し上げますと、恩給年額改定の経緯というのはいろいろ長い歴史がございまして、今のような総合勘案方式というのは昭和六十二年から確立してきたものであるわけでございます。したがいまして、いろいろな数字で見ますと、恩給改善率なりと給与改善率の差というのはいろいろデータ上はございますが、これは先ほど申し上げましたように、確定した計算方式ではないというところで、諸要素を勘案して計算をした、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
  91. 石井啓一

    石井(啓)委員 それでは大臣、政治家としての御発言がございましたので、これからも大臣御在職の間は頑張っていただきたいと存じます。  それではもう一つ、最低保障額のうち七十五歳の年齢区分が廃止をされておりますけれども、その理由を御説明をいただきたいと存じます。
  92. 石倉寛治

    石倉政府委員 普通恩給等の最低保障額につきましては、平成五年度の改善ででき上がったものでございます。この普通恩給受給者の平均年齢が約七十五歳に達しているというような実情に配慮いたしまして、特に高齢者の優遇を図るために七十五歳以上の者に係る最低保障額について見直しを行いました。  このたびの改善におきましては、最低保障額の対象となる低額恩給受給者処遇改善を図るということを目的といたしまして、七十五歳未満の者に対しても平成五年度の見直しにより改善された最低保障額を支給することとするということで、最低保障額に係る七十五歳の年齢区分を撤廃したという内容でございます。
  93. 石井啓一

    石井(啓)委員 ですから、六十五歳から七十五歳の方も従来の七十五歳以上の額と同じになったということですね。それはそれで結構だと思うのですが、私が指摘したいのは、これは平成五年度ですよね、わずか二年前に導入された制度をこの二年間で廃止をする。それも、特に高齢者の優遇を図るという趣旨から導入されたはずですので、再来年度以降を考えると、これは七十五歳以上の方については同額になるわけですね、ですから、高齢者の優遇を図るという趣旨からすると、この区分は残して、さらに七十五歳以上の方一・一%、例えば平均の上げ率より上乗せをしてやるということもお考えになっていくべきなのではないか、そういう趣旨からちょっと御説明をいただきたいのです。
  94. 石倉寛治

    石倉政府委員 当時の、平成五年度におきましては七十五歳に平均年齢が達していたという状況は毎年更新をいたしておりまして、昨年度末で既にもう七十六歳に達しておるというような状況でございまして、平均以下の方、つまり七十五歳以下の方の数がどんどん減っているという高齢化の現象を受けとめまして、これまでの七十五歳以上の優遇措置というものを全年齢に均てんする、こういう趣旨で今回の改正をいたしたわけでございます。したがいまして、今おっしゃるような御提案も一つの方法かどば思いますけれども、財政上の問題その他も勘案いたしましてこういう形になったわけでございます。
  95. 石井啓一

    石井(啓)委員 それにしても、余りにも朝令暮改というそしりは免れないのではないかと私は思います。  ちょっと質問を変えまして、平和祈念事業関連の質問をさせていただきたいと思いますが、恩給欠格者への贈呈事業平成元年度から制度発足して始まっておりますけれども、この請求件数の推移をまず御説明をいただけますでしょうか。
  96. 平野治生

    ○平野(治)政府委員 いわゆる恩給欠格者の方々に対します慰藉事業の請求件数でございますけれども、制度の発足いたしました平成元年におきましては約十四万件、翌年、平成二年でございますけれども九万七千件、それから平成三年、四年はおおむね二万五千件ぐらいでございます。五年度は三万四千件、六年度は十二月までで二万八千件、合計いたしまして約三十五万人の方々の請求が行われている次第でございます。
  97. 石井啓一

    石井(啓)委員 贈呈事業の対象者は百八万人いるわけですね。百八万人で三十五万人でございますから、三〇%ちょっとという方しか御請求をなされてないわけでございます。今御説明ありましたように、ここ数年を見ますと、最初の二年は非常に多い数でございますけれども、ここ数年二万ないし三万人ということになってとどまっております。どのようにこの事業の周知徹底を行っているのか、私はもっと積極的に行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  98. 平野治生

    ○平野(治)政府委員 御指摘ございましたとおりに、三十五万人、百八万人に対する三十五万人でございますから、先生の御指摘の数字になろうかと思っております。  私どもといたしましては、政府公報等を通じまして、例えば新聞に突き出しという、一面のちょうど右下とか左下にございますけれども、そういう新聞に対する広告を初め、テレビとかラジオとかいろいろな媒体を使いまして広報を行っているところでございます。また、特に地方自治体、市町村で発行されておりますいわゆる広報紙へもその旨を掲載いたしておりまして、周知徹底を図るべく努力しているところでございます。  また、関係団体あるいは戦友会みたいないろいろな集まりの際にもそういう話が伝わるように、いろいろ努力をしているところでございます。ただ、現実においてはそういう割合になっているというところでございます。
  99. 石井啓一

    石井(啓)委員 この件については、これまでの本委員会において過去においても指摘をされております。その際、政府委員の方から、努力している、もう少し推移を見守ってほしい、そういう答弁もあるわけでありますけれども、どうも推移を見守っておりましてもなかなか数がふえてこないようでございます。  それで、これまでも提案をされているようでありますけれども、個別に周知をする、例えばはがき等で周知をするという方法も提案をされているようですけれども、これについてはどうでしょうか。
  100. 平野治生

    ○平野(治)政府委員 実は、いわゆる恩給欠格者の方々がどこに住んでいらっしゃるかということが正直言ってわかりません。わかりますのは、戦争直後にどこにいたかということは、御承知のように陸軍あるいは海軍のあれがございますからわかるのでございますが、その後の住所がどこに住んでいらっしゃるか、また、極端なことを申しますと、生きていらっしゃるか死んでいらっしゃるか、それもよくわからないということがあるわけでございます。したがって、個々人の方々に連絡することは非常にいいかと思いますけれども、実際的には困難、ほとんど不可能に近いというふうに思っております。
  101. 石井啓一

    石井(啓)委員 いずれにいたしましても、これは請求期限がないようでございますけれども、対象者の方の年齢も高齢ということもございますので、この努力は積極的にやっていただきたいと存じます。  同じく、平和祈念事業のうち、引揚者への贈呈事業でございますけれども、これも平成三年度から事業が始まっておりますが、この請求件数の推移についても御説明をいただけますでしょうか。
  102. 平野治生

    ○平野(治)政府委員 外地からの引揚者に対する慰藉事業の請求件数でございますけれども、制度の発足いたしました平成三年度は二万三千件、翌四年が一万三千件、五年度は五千件、六年度は十二月までで三千件の請求が行われております。
  103. 石井啓一

    石井(啓)委員 これについては、贈呈事業の対象者が百二十五万人ですね。それで、現在まで四万四、五千人ということでございますから、これは四%弱ということでございます。なおかつ、この請求期限が平成八年三月三十一日ということでございますから、あと一年少ししかない。極めて限られた期間の中でどのように残りの方に、これはより積極的にやっていただかなければならないと思いますけれども、どのようにされるおつもりか、御説明をいただきたいと思います。
  104. 平野治生

    ○平野(治)政府委員 引揚者の方々につきましても同じように、先ほど私から御説明申し上げましたとおりに、政府公報を通じたり、あるいは市町村で発行される広報紙で呼びかけたり、あるいは引揚者の団体がございますから呼びかけたりいたしているわけでございます。それで、確かに八年の三月三十一日までということでございますので、あと一年余りしかないということで、私どももそう思ってやっているわけでございます。そして、計画的には先ほど申しました媒体を使ってやっていこうというふうに思っているのでございます。  ただ、これについてもいろいろな御意見と申しますか、お考え等もございまして、引揚者の方々については、申し上げるまでもないわけでございますけれども、二度にわたる給付金が出ているということ、あるいはいろいろなお考えがございまして、さきの大戦に対するいろいろな思いがございまして、それはいいやというふうに、私の身近でもそういう方がいらっしゃいまして、いろいろ申し上げるのでございますけれども、あれは終わったことだというふうにおっしゃる方もいらっしゃいまして、なかなか正直申し上げて、周知徹底も図るように努力はいたしているのでございますけれども実績はそのとおりであるというところでございます。
  105. 石井啓一

    石井(啓)委員 これはちょっと質問通告は申し上げてなかったのですけれども、戦後強制抑留者の方の請求期限ももう終わっていますね、平成五年三月三十一日。この後、請求期限が切れた後、請求が来たという事例はあるのでしょうか。そのときどういう対応をされているのでしょうか。ちょっと御説明いただきたいと思います。
  106. 平野治生

    ○平野(治)政府委員 これは、御承知のように、国債も発行するということでございますので、期限は、正直申しまして、法律的にはきちっと書いてあるわけでございますから、それ以後出たものについては、だめと言うとあれでございますけれども、ただ、それまでにいろいろお問い合わせがあったり、あるいは請求がございましたけれども処理ができないとか、あるいは各都道府県等関係団体、また基金そのものに対しましてお問い合わせがあったり、あるいは御相談があったり、あるいは申請中、書類作成中というものにつきましては、できる限りそれはその期限内にあったものとして処理しているところでございます。  その後、じゃ、請求がなかったかということになりますと、これは都道府県の方にも問い合わせ等も決してなかったというわけではないというふうに私も思っておりますけれども、実際問題、そういうふうに法律上、国債をいつまで発行するということ等も含めて書いてございますので、その後、まさにその後、その時点でいろいろ手続情報があった方は別にいたしまして、その他の方々については現実には裁定できないという状況になっております。
  107. 石井啓一

    石井(啓)委員 私も法律を見ましたら、確かに法律に明記されておりますので、これは法律改正しない限りはなかなか難しいかと思いますけれども、今言いましたように、引揚者の方も来年三月三十一日で期限が切れますので、今おっしゃったような弾力的な措置問い合わせ等ある方については措置をとっていただきたいと思います。  それでは、質問を変えまして、行政改革につきまして質問を申し上げたいと存じます。  まず、特殊法人の問題でございますけれども、今、私どもの新進党の中井行政改革担当の方から質問をいたしましたが、ちょっと私、再度確認をしておきたいと思います。  政府系金融機関見直しについては、これは政府与党内でも大分すったもんだがございました。当初は、二月の十一日の未明に、与党内で今国会中をめどに検討ということでございましたが、その後、我が党からも、これは総理の公約は今年度中ではないか、こついう批判もいたしましたし、あるいは報道で伝わるところによりますと、二月十四日の閣僚懇談会でも複数の閣僚から異論が出たということで、再度、与党三党首でお話し合いになった。また、昨日も武村大蔵大臣と自民党の森幹事長らの会談の中で、来月中には、新たな統合案ですか、政府系金融機関について統合案等をまとめることで合意したというふうな報道がされておりますけれども、ちょっとここで確認をしたいのですが、政府系金融機関については今年度内見直しをするということでよろしいわけですね。長官、お聞きします。
  108. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  予算委員会でも、十三日、十四日、お答えをいたしたわけでございますが、九十二すべての特殊法人に対してその見直しは行い、その最終報告が十日に総務庁の方に提出をされた。ただ、その上に、さらに政府系金融機関見直しについてはもっと踏み込むべきだという議論がありまして、それが結局、今国会中にこの政府系金融機関については見直しを行うという趣旨の合意と申しますか、与党間の合意、また政府がそれを尊重するということについて確認を行ったところでございます。  各政府系金融機関についてそれぞれ見直しを行ったわけでありますけれども、しかし、行革というのは引き続き努力すべき課題であるということは当然でございますので、私も十四日の閣議後の懇談におきましては、与党一体となってこの問題については真剣に取り組み、総理の意向に沿って速やかにこれは結論を出すべき課題であるということを私自身も実は発言をし、強調をいたしました。  そういった状況を踏まえまして、村山総理が、できれば年度内政府系金融機関見直しについてさらに努力してほしい、こういう発言をいたしまして、それが政府としての方針となり、また与党におきましてもそれを了解をいただいたということでございます。  したがいまして、政府系金融機関の問題については、二月十日に、それぞれの金融機関、機構組織、これについて見直しを行うということは既に最終報告として出ておりますけれども、さらに政府系金融機関については、その上に立って、それを踏まえた上でさらに見直し年度内に行うということで現に努力中であるということで御理解をいただければよろしいのではないかと存じます。
  109. 石井啓一

    石井(啓)委員 先ほどから大臣政府系金融機関についても二月十日に見直し報告を出したということでございますけれども、私、手元にございますが、これは、見直し報告を出したといっても、非常に抽象的なんですね。  ちょっと読み上げますが、「日本開発銀行については、民間金融機関の補完という位置づけを徹底する観点から、融資対象の限定・重点化及び融資比率の引下げ等に努めるとともに、引き続き毎年度、個々の融資制度毎に見直しを行い、融資規模の適正化等を図る。」こういう抽象的な表現では、正直言って、これは見直しと言うには値しないのではないか。少なくとも、あれほど焦点だと言われていた政府系金融機関見直しについて、こういう抽象的な表現でもって見直しをしたというのは、ちょっとこれはどうかなというふうに私は思うのですけれども長官、どうですか。
  110. 山口鶴男

    山口国務大臣 政府系金融機関については、大蔵省関係の三つの機関は、三つの機関ばかりではなくて、そのほか、農水省関係あるいは通産省関係あるいは厚生省関係、それぞれの政府系金融機関、共菅の形で対処をいたしていることは御案内のとおりであります。そういったものを、大蔵省関係の三つよりはやや具体的に踏み込んで見直しを行っているところもないではございません。  しかし、何と申しましても政府系金融機関、確かに今回阪神大災害もございまして、開発銀行が——私は、率直に申しまして、戦後あの荒廃の中から我が国が立ち上がっていく際に開発銀行が行った融資が大きな力になったという功績は十分認めるものでございますけれども、今金融がだぶついておりまするときに、果たしてそういった大企業向けの政府系金融機関が必要であるのかということついては、さまざまな議論があってしかるべきだというふうに私は認識はいたしております。  ただ、阪神の大災害がございまして、例えば、鉄鋼会社であるとかあるいはJRでありますとか、あるいはその他の交通機関でありますとかというところに対して低利の融資を行うということになりますと、開発銀行役割というものが改めて必要であるということもこれまた否定し得ない事実だと私は思います。  しかし、そういうことはありましても、二月十日の最終報告ではこのような形になっておりますが、さらに踏み込んでこの見直しを行うという必要性は、私も痛感をいたしております。  したがって、二月十四日の閣議でも、私は私なりの考えを発言をいたしました。閣議においてもさまざまな議論があり、総理大臣の発言があり、年度内にこの政府系金融機関についてはさらに見直しを行うということになったわけでございますので、総務庁といたしましても、その政府方針実現すべく、総務庁挙げて努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  111. 石井啓一

    石井(啓)委員 わかりました。  それでは、政府系金融機関についてはさらに年度内に行うということでございますね。  その「さらに」という内容でございますけれども、どういう検討を行うのでしょうか。これは、さらにといいますか、ここで、二月十日で出しているのはほとんど検討していないのに等しいと私は思いますので、ほとんどゼロからのスタートと同じだと思いますけれども、どういう検討がこの年度内に行われるか、御説明をいただきたいと思います。
  112. 山口鶴男

    山口国務大臣 ただいまお答えいたしましたように、政府といたしましても懸命に努力をいたします。  また、午前中の質疑の過程でも中島委員にお答えいたしたわけでございますが、この問題は政府与党一体となって進めるべき課題であることも言うまでもございません。したがいまして、これから政府与党、あるいは政府与党一体となってという形で議論をする問題でございますので、今私が予断と偏見を持ってどうすべきだということを申し上げることは控えさせていただきたいと思います。  いずれにせよ、私ども総務庁が当初掲げました特殊法人に対する見直しの原則というものを踏まえての御議論をしていかなければならぬし、またすべきものというふうに考えております。
  113. 石井啓一

    石井(啓)委員 私は本来、総理もみずからやるというふうに言明されておりましたので、政府が責任を持ってやらなければいけない。与党の検討ということを、失礼ですけれども、何となく隠れみのにしているような、そういう印象を受けざるを得ません。  では、質問をちょっと変えます。  先ほどから、特殊法人の定員について、大臣も次につくる閣議決定の中で定員の抑制について述べる、言及する、こういうお話でございましたけれども、現在の特殊法人の定員について、どういうことになっているのか、ちょっと確認をしておきたいと思うのです。現在でも、いわゆる大蔵省において予算の査定といいますか管理の中で、特殊法人の定員について各省庁と協議されていると思いますけれども、どのような実態なのか、ちょっと大蔵省さん、御説明ください。
  114. 中江公人

    ○中江説明員 お答えいたします。  特殊法人につきましては、各法人自主性を尊重し、また公共的性格を十分考慮の上、各主務省庁におきまして適切に定員管理を行っているところでございます。  また、財政当局といたしましても、各法人の主務大臣特殊法人予算を認可する際の協議におきまして、その定員につきましても国家公務員の削減計画に準じました削減措置を講ずるとともに、新規の増員については厳しく抑制するよう各省庁とも十分協議を行っているところでございます。
  115. 石井啓一

    石井(啓)委員 各省庁の定員削減に準じてやっているということですけれども、ちょっと具体的にどういうふうにやっているのか、御説明いただけませんか。
  116. 中江公人

    ○中江説明員 お答えいたします。  国家公務員の定員削減に関しましては、御案内のように、現在第八次定員削減計画ということで、平成四年度から行っているわけでございますが、これは、平成四年度から八年度まで五年間かけまして約三万九千人の削減目標を立てて定員削減を行っているわけでございます。これは平成三年度末の定員対比でいきますと約四・五%の削減比率になるわけでございますが、そういった国家公務員の定員削減計画というものに準じまして、特殊法人の定員につきましても定員管理を行っているということでございます。
  117. 石井啓一

    石井(啓)委員 では、国家公務員が四・五%削減をする。それに準じて各特殊法人も四・五%削減という目標で定則をやっているというのが現状なのですね。それは大蔵省が予算の管理という中で見ている。  ただ、実態をもう少し詳しく見ると、定則の、片や新規の増員があるわけでございますから、今大蔵省さんの予算を通じての定員管理というやり方では、残念ながら特殊会社を除いては、やはり定員の総数はふえておりますね、これは過日の予算委員会の中でも説明がありましたけれども。ですから、残念なのですけれども閣議決定の中で盛り込んでやるといっても、今の大蔵省さんを通じた予算での管理をするシステムでは、残念ながら総数が減っていくということにはなかなかなっていかないのですよ、現状の仕組みを使う限り。  閣議決定とおっしゃっていますけれども、この第八次定則の閣議決定の中でもちゃんと「公庫、公団等の職員についても、経営の実態に応じ、上記に準じて措置する」、「上記」というのは国家公務員に準じて措置する、こういうふうに明記をされていながらも、やはりなかなか進まないという実態があるわけです。したがって、今回特殊法人見直しについて、定員の抑制について閣議決定をするという、それはそれで結構ですけれども、しかしそれだけであっては、今のシステムを使う限り、実数の削減ということにつながるというのは難しいと私は思うのですね。  ですから、これは私どもの提案でございますけれども、やはり特殊法人の定員についても、各省庁の自主性に任せる、あるいは法人自主性に任せるということではなかなか難しい。国家公務員にならって特殊法人全体の定員について総定員の枠をかけたり、あるいはその増員について厳しくチェックをするようなシステムをつくったり、そういう新たな仕組みをつくらないと、特殊法人に関して定員の削減というのは、その総数の削減というのは厳しいのではないかと私は思いますが、その点はいかがでしょうか。
  118. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  先ほど大蔵省の方が国家公務員の第八次定員削減計画についてお触れになりましたが、公務員の定員削減の問題は、これは我が総務庁でもって査定をいたしましてあのような形を出している次第でございます。約三万九千人、五カ年計画では削減をする。ただ、必要なものについては増員を認めるということでございますので、平成七年の場合には、増減含めまして、ネットで二千八十五人の減員ということに厳しく実は査定をいたした次第であります。  特殊法人の方は、大蔵省からお答えがございましたように、これは総務庁ではなくて大蔵省が、七十法人については予算編成の過程で定員のチェックをいたしている次第でございます。これに対する委員の御批判は承りました。今回、特殊法人整理合理化に関しまして閣議決定をいたしますときに、特殊法人の定員につきましては厳しく抑制をするという方向については、あわせて閣議決定の中で明確にいたしたいということは、十三日以降予算委員会でもお答えをいたしてまいったところでございまして、この点は閣議決定の中身としてきちっといたしたい、かように考えておる次第でございます。  具体的には大蔵省の査定ということになるとは思いますが、方針は明確にいたしたいと考えております。
  119. 石井啓一

    石井(啓)委員 いや、私が申し上げたのは、方針は明確にするのはそれで結構なのですけれども、それを具体化する仕組みが今の大蔵省の予算管理を通じる仕組みではなかなか難しいのではないかということを申し上げたわけです。これについても、ちょっと真剣に検討をいただきたいと思いますが、ほかの省庁の方を呼んでいますので、ちょっと質問を移りますけれども特殊法人の天下りでございます。  これは過日、予算委員会の中でも我が党の広野ただし委員の方から質問を行いましたが、昭和五十四年の閣議了解では、この役員の天下りの数は半数以下を目標とするというふうになっておりますけれども、現状はなかなかそういう目標を達していない。官房長官は、予算委員会答弁の中で前向きにお答えになっているのですね。全役員が天下りで占められているケースについては、任期が来た場合は役人以外とする、さらに、ある年限の中で、この特殊会社を除く八十法人ですね、これについても天下りを半分以下にするよう検討する、こういうふうにお答えになっておるのですけれども、この特殊法人の天下りについての見直し、これは今回なされる閣議決定の中に盛り込まれますでしょうか、担当の方。
  120. 小幡政人

    ○小幡説明員 お答え申し上げます。先ほどの五十四年の閣議了解に基づく全特殊法人の役員総数のうち、半数以内にとどめることを目標とする、この目標につきましては、平成七年一月一日現在、天下り比率は四六・三%ということになっております。  そういうことで、一応この五十四年の閣議了解の線は達成しているわけでございますけれども、本問題につきましては、与党の行革プロジェクトチームの方から、さらなる趣旨の徹底を図るべきであるという御提言をいただきまして、これを受けまして、政府といたしましては、昨年十二月の行革大綱におきまして、特殊法人の役員につきましては、五十四年の閣議了解の趣旨を踏まえつつ、その適正な人事管理のあり方について検討するということを閣議決定しているわけでございます。  これに従いまして、現在各省庁と検討を進めているところでございまして、先ほどの例にございますように、官房長官から御答弁申し上げておりますように、この検討の中で、独占法人に対しては早期にこれを解消するというところまでは各省の合意に達しておりますが、それ以外のものにつきましては、先ほどの対象法人をどうするかというようなことも含めまして、現在検討中ということでございまして、そういうことでの閣議決定なりのお話になってくるのじゃなかろうかというふうに考えております。
  121. 石井啓一

    石井(啓)委員 いずれにしても、これは早急に検討してください。検討、検討と言っているとまた先送りになりますし、先ほど中井担当の方からもありましたけれども、五十四年に閣議了解をしておきながら、もう十五年以上たってまだ守られていない。もう一つ言うと、これは本来は、総数で五〇%以下じゃなくて、個々の特殊法人についてということですよね。個々の特殊法人について半数以下にするということですね。
  122. 小幡政人

    ○小幡説明員 先ほど御説明申し上げましたように、五十四年の閣議了解の趣旨は、全特殊法人特殊法人全体として五〇%以内にとどめるということを目標にしてございます。
  123. 石井啓一

    石井(啓)委員 特殊法人全体ですか。じゃ、特殊法人全体でも結構ですけれども、少なくとも閣議了解の目標が守られておりませんので、さっき四六・三%と言いましたけれども、それは特殊会社を含んでですよね、民間移行した。特殊会社を除くとなると六〇%以上になるわけですから、それについては早急に、この閣議了解の目標を守るように検討をお願いしたいと思います。  もう一つ地方公務員の定員について、自治省に来ていただいておりますので、お尋ねをします。  今、行革ということで私ども取り組んでおりますけれども、やはり国、地方あわせての行政改革ということが非常に重要になってくると思います。そういう意味で、国家公務員については総定員法もございますし、また定員削減計画もございます。総数については着実に、少しずつでありますけれども低減をしている。しかしながら、地方公務員についてはなかなかそういう状況になっていない。  そこで、まず実態について、地方公務員の総数の推移について、昭和四十二年、これは総定員法を制定した当時ですね。昭和五十六年、これは臨調が設置された年です。それから直近の年、この三カ年についてどういうふうな数になっているか、御説明ください。
  124. 犬塚英則

    ○犬塚説明員 地方公務員の総数につきまして、お答えいたします。  昭和四十二年が二百三十二万三千四百九十八人でございます。それから、昭和五十六年が三百二十万五千七百十八人でございます。直近といたしましては、平成五年になりますけれども、三百二十七万七百九十九人となっております。
  125. 石井啓一

    石井(啓)委員 この間、四十二年から五十六年の間には沖縄返還というのがありましたから、若干、数はベースが変わっているかと思いますけれども、しかしながら、この間の国家公務員の削減数を見てみますと、四十二年が八十九万九千人、五十六年が八十九万八千人、平成七年で八十五万七千人ですか、特にこの臨調設置以降削減が進んでいるわけでありますけれども、他方、地方ではなかなかそういうわけにはなっていない。やはり地方自治体においての定員管理について改善の余地が多いのではないかというふうに私は思います。もちろん、各自治体が自主努力で行うということは、原則はわきまえながらも、これについての改善の余地は私は大きいのではないかと思います。  そこで、現況、現在地方財政計画の中で、定員削減について盛り込まれておりますけれども、その内容及び仕組みについて御説明をいただきたいと思います。
  126. 石井隆一

    石井説明員 御説明申し上げます。  昨今の大変厳しい行財政環境もございますし、また、委員指摘のとおり、行政の簡素効率化、あるいは定員配置の合理化、行政コストの削減ということが必要でございますので、地方財政計画上の職員数につきましては、国家公務員の定員削減計画に準じまして、平成四年度から八年度までの五年間で四・五%の定員削減を行うということにいたしております。  平成七年度の地方財政計画について具体的に申しますと、七千三百二十五人の定員削減を行っておりまして、新規の職員の増加、これは福祉の分野とかそういったような分野でございますが、そういうものを見込みましても、全体として六千九百四十八人の減員になっているところでございます。
  127. 石井啓一

    石井(啓)委員 私も、事前にちょっと説明を受けて勉強したのですけれども、いわゆる地方財政計画の中で組み込まれている普通会計ベースの職員数については、これは削減になっているのですけれども、いわゆる公営企業等の職員を含めた総数でいくと微増ですね。毎年少しずつふえている、そういう状況でございます。したがって、私は、やはり総数で定員管理をするということが重要だと思いますので、今後各自治体の定員管理、この自主的な努力を促す方策としてどういうことをお考えになっているのか、お聞きをいたしたいと思います。
  128. 犬塚英則

    ○犬塚説明員 地方公共団体におきます定員管理の方策についてでございますが、昨年の十月に自治省といたしまして、地方公共団体におきます行政改革推進のための指針というものを示しております。その行政改革推進のための指針の中の重点事項といたしまして、定員管理の適正化の推進を掲げておりまして、国の定員削減計画を参考に、各地方公共団体ごとに自主的、主体的に定員適正化計画を策定して推進してもらいたいということを要請をいたしております。  今後とも自治省といたしましては、各地方団体に対しまして、その指針に沿った形で一層の定員管理の適正化を推進するように指導助言をしてまいりたいと思っております。
  129. 石井啓一

    石井(啓)委員 それでは、もう時間も大分迫ってきましたので、最後コメントをして終わりたいと思いますけれども、今後地方分権を進めるに当たって、さっき長官おっしゃっておりましたように、国がスリムになり得ると。ただ、その分地方の機構なり組織、人員が肥大化するということであっては、全体としての行政改革という趣旨から見るとやはり問題がある。そういう意味では、地方分権を進める際に地方における行革というのをどういうふうに進めるのか、これは私は大きな課題としてぜひ御検討をいただきたいと思います。  では、以上をもちまして私の質問を終了いたします。
  130. 田中恒利

    田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  131. 田中恒利

    田中委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  内閣提出恩給法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  132. 田中恒利

    田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  133. 田中恒利

    田中委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、加藤卓二君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。江田五月君。
  134. 江田五月

    江田委員 ただいま議題となりました自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党の各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について速やかに善処すべきである。  一 阪神淡路大震災により被災した恩給受給者については、その被災状況にかんがみ、恩給証書の再発行、受給権調査実施等につき特段の配慮を行い、恩給の受給に支障のないよう努めること。  一 恩給年額改定については、国家補償としての恩給の性格、恩給受給者の高齢化等に配慮し、今後とも現職公務員給与水準との均衝を維持するよう努めること。  一 恩給改定実施時期については、現職公務員給与との遅れをなくすよう特段の配慮をすること。  一 恩給の最低保障額については、引き続きその引上げ等を図るとともに扶助料については、さらに給付水準の実質的向上を図ること。  一 恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制限を撤廃すること。  一 外国特殊法人及び外国特殊機関の未指定分の件について、速やかに再検討を加え適切な措置を講ずること。  一 戦地勤務に服した旧日赤救護看護婦及び旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労給付金の増額について適切な措置をとること。  一 恩給欠格者等の処遇について検討の上、適切な措置を講ずるよう努めること。  本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。  よろしく御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  135. 田中恒利

    田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  136. 田中恒利

    田中委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。山口総務庁長官
  137. 山口鶴男

    山口国務大臣 ただいまの附帯決議に関しまして、所管大臣として申し上げます。  このたびの阪神淡路大震災により被災された恩給受給者については、被災の実態に十分配慮し、適切に処置してまいりたいと存じます。  恩給改善等に係る各事項につきましては、今後慎重に検討をしてまいりたいと存じます。     —————————————
  138. 田中恒利

    田中委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 田中恒利

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  140. 田中恒利

    田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十五分散会