○金子(徳)
委員 大変御苦労なさって二十一名余に及ぶ方々からヒアリングをとられた、その労を歩といたしておるわけであります。しかし、ここで私は非常に危惧をしておるのは、内部
機関である各局が持っておるこの番審、これは、みずからを
真実かどうか裁く、そうした組織については機能しないのだ、マンネリ化してしまってもうやっていないのだという
判断の前提で物事を進めるとすれば、これはやはりもうマスコミ界の堕落と言われてもしょうがないのじゃないかなと私はあえて申し上げますが、こういう
事例があるのですよ。
これは時間がありませんから簡単にやりますが、一昨年になりますか、いろいろ政界再編のうねりの中で、私はまあある人と表現するかと思ったけれども、あえて自分の
事例で申し上げます。
一つの派閥が解消しました。そのときに、もう
テレビを担いだマスコミの皆さん方がどっと押し寄せて、私は、ノーコメントだ、しかも、この派閥を解消することは、新しい政策集団として生まれ変わりたいからそうなんだと言ったのですよ。映った
番組を見ましたら、これはワイドショーで、夜中にみんなからしかられたのですがね、支持者から。彼は派閥の論理で云々ということで別な解説がなされているのです。私の言ったことは全く
報道されていない。
それから、再編の中で、やはり我々にとっては命がけの不幸な出来事あるいは未来にかけた出来事と言ってもいいかもしれませんけれども、あったときに、
テレビ、民放、ある会社でありますが、ぱっとライトを照らす。私は眼鏡をかけていますからまぶしいです。その上の方が毛がありませんからなおまぶしい。さっとこう手をやったのですがね、何と解説者が言ったか。女性のキャスターですよ、なぜ顔を隠すのですかという、こんな無礼なことを言った。私は怒りに震えました。これが本当のもし
真実ということで、ここで解き明かされるならば、私は敢然と今うつぼつたる思いでそれに抗議したい、まあその
ような気持ちがあったということをまず申し上げておきたいと思うのです。
よく選挙で誤報がありますわね。当確出てから消えるのです。昭和六十二年なんか、もうこれは民放の方で大変いろいろやってくれまして、私は二回落選させられました。そして
ようやく三度目に上がってきたという
ようないわくつきでありますから、なおさら
真実の
報道というものは何か、プライバシーの
侵害や人権
侵害ということにアンタッチャブルという
ような形で目をつぶっていいのか。みんな怖がっているのです。後でやっこさんあんなこと言うとみんなマスコミの皆さんにたたかれるからざまを見ろと思っているかもしれない。この表現、大変雑駁になりましたが、お許しをいただきたい、まあこの辺
にしておきます。
そういったことで、これから
第三者機関をでは設置するという方向になった場合の、逆に言うと今度はその裏腹の問題で私は非常に危惧を感じるのです。憲法第二十一条表現の自由、言論の自由といいながら、
第三者機関ということで独立
機関をつくって、それが完全に今度は機能した場合どうか。これはやはり言論の抑圧であり、また
報道の自由に対して手かせ足かせをはめることになる可能性がある。そうした面で、私はやはり最もいい方法というものは、今の番審というものを
改正をすることででき得る限りの、このあまねく公平なということにこたえていくべきだ。
報道の自由、そしてまた
真実をいつも
ニュースとして
報道するという姿勢、基本的な姿勢というものも守っていかなければならない。
それから、私は、今視聴率優先の
時代になって、視聴率を上げるためならば手段を選ばずということがもしあるとすれば、それは四月は新入社員をどこでも採用する時期ですから、そういう教育を何らかの形で
報道界にもやってもらわなければいかぬな。これは活字媒体も含めて、
先ほど同僚
委員からのお話にございましたとおり、間違った場合には修正は小さく虫眼鏡で見るほどしか出ない活字媒体もあるわけですね。
そういった
事例を挙げていくならば、やはりもろ刃のやいばとしての
放送法の
改正、極めて慎重かつ時間をかけた
論議が、
議論が今後も必要であるし、また、これで
改正は終わりだということにはならない。法制上の問題を云々するだけではなくて、やはり今後の国民の民度を高め、文化的な本当のマルチメディア
時代にふさわしい多チャンネル化あるいは
内容のあるこれからの主権国家としての
日本の国民の需要に真の
意味でこたえていく、そういったものをぜひ実現してほしいな、いろいろと問題が山積されているところであります。
そうしたことでぜひ、今、例えば戦争の反省
一つについても
議論がされている最中でありますから、
放送法との絡みで私は云々は申し上げません。やはり自由で闊達で本当にやすらぎのある国民生活が、例えばドイツ等ではこれは各州ごとにそれぞれの基準が決められておりますけれども、娯楽として国民が楽しめる
部門も提供しなさいよということを
イギリスもやっている、フランスもやっている。そうしたことをきちんと、単なる興味本位でもってプライバシーを暴き、目を覆う
ようなことがあの松本サリン事件等ではありましたね。結果的には、今また新しい展開を見せている。そういうことを繰り返してはいけないのだろうなというふうなことから私は申し上げるわけでありますが、その件について、今後
審議機関のより独立性の高い
第三者機関を設置すべきとの
意見が多少出た
ように私は受けとめましたので、
大臣からの御
所見を伺いたいと思います。