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村山内閣総理大臣 このリーダーシップということがよく
議論されるのですけれ
ども、私はやはり、この今の時代に即応する
政治の姿勢、物事の決め方のプロセスというものは、できるだけ民主的に透明度の高いものにする必要があるということを前提に物を
考えています。ましてこれは連立政権ですからね。
したがって、社会党とさきがけと自民党と、それぞれ政策の違いもあるし、
理念の違いもある、
考え方の違いもある。しかし、その違いというものは、ある
意味から申しますと、これは国民からそれぞれの
立場で支持を得て
国会に出てきているわけですから、したがって、
それなりの
住民の、有権者の声を代弁している、う思いますね。
ですから、それだけやはり今国民の意識は多様化しているわけです。価値観が多様化しているわけです。そういう多様化している
意見がそれぞれの党を通じてこの国政に反映されてくる。そこでいろいろ
議論をされる。
議論をされて合意を得られたその合意点というのは、ある
意味ではそうした多様化した国民の意思のコンセンサスが求められていく、こういうふうに思いますから、そういう
意味における
議論というものは尊重しなきゃならぬものだというふうに私は思いますね。
その合意を得られた場合に、その合意をどう実行していくかというのはまさに
内閣の仕事であって、私はその限りにおいては、決断を持って、少々の抵抗があっても実行はするというところにリーダーシップというものがあるのではないかというふうに思いますし、どうしても合意が得られない、もうここはひとつ
内閣総理大臣でもって決断してほしい、こういうことになれば私の
責任において決断をする、そして
結論を出して実行していく、こういうことが私はやはり言われる
意味のリーダーシップではないか、こういうふうに思っておりますから、先に
方向を示してこれでやれと、こういうふうにすることは決して今の
政治のあり方にはそぐわないのではないか、むしろ逆行するのではないか。
むしろ今は透明度の高い民主的な、国民の皆さんにもよく
判断をしていただき、
理解をしていただくような手だてというものが必要だ、時間がかかるかもしれないけれ
ども、その民主的な運営というものは大事にせなきゃいかぬ、こう私は思っておりますから、そういう
考え方でやっているつもりでありますけれ
どもね。
どうもリーダーシップがないとかいろいろ批判を受けていることは、十分
承知をいたしております。
承知をいたしておりますけれ
ども、私はそういう
政治に対する
基本的な
考え方はやはり変えない方がいいと思うし、これは私のある
意味では
政治的な信念ですから、その信念は守っていきたいというふうに
考えています。