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1995-02-14 第132回国会 衆議院 消費者問題等に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月十四日(火曜日)     午前十時一分開議 出席委員   委員長 大石 正光君    理事 小野 晋也君 理事 岸田 文雄君    理事 佐藤 剛男君 理事 青山 二三君    理事 石田 美栄君 理事 実川 幸夫君    理事 大木 正吾君 理事 田中 秀征君       赤城 徳彦君    小川  元君       小此木八郎君    岸本 光造君       赤松 正雄君    伊藤 達也君       大口 善徳君    竹内  猛君       畠山健治郎君    矢島 恒夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      高村 正彦君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     小粥 正巳君         公正取引委員会         事務局取引部長 大熊まさよ君         経済企画政務次         官       細田 博之君         経済企画庁調整         局長      吉川  淳君         経済企画庁国民         生活局長    坂本 導聰君         経済企画庁物価         局長      谷  弘一君         経済企画庁総合         計画局長    土志田征一君         経済企画庁調査         局長      大来 洋一君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    福井 武弘君         総務庁統計局統         計基準部統計審         査官      戸塚  誠君         法務省民事局参         事官      升田  純君         大蔵省銀行局特         別金融課長   五味 廣文君         大蔵省銀行局保         険部保険第一課         長       滝本 豊水君         農林水産省食品         流通局市場課長 山村 宗仁君         食糧庁管理部企         画課長     小林 芳雄君         通商産業省産業         政策局消費経済         課長      伊藤 隆一君         中小企業庁計画         部金融課長   鈴木 隆史君         中小企業庁小規         模企業部小売商         業課長     蔵元  進君         運輸省運輸政策         局貨物流通企画         課長      磯田壯一郎君         運輸省鉄道局業         務課長     岩崎  勉君         運輸省海上交通         局外航課長   本保 芳明君         郵政省電気通信         局電気通信事業         部業務課長   小笠原倫明君         労働省職業安定         局高齢障害者         対策部企画課長 太田 俊明君         建設大臣官房技         術調査室長   城処 求行君         建設省建設経済         局建設振興課労         働資材対策室長 荒井 俊行君         建設省住宅局民         間住宅課長   坂田 隆史君         特別委員会第二         調査室長    田中 宗孝君     ————————————— 本日の会議に付した案件  物価問題等国民消費生活に関する件      ————◇—————
  2. 大石正光

    大石委員長 これより会議を開きます。  物価問題等国民消費生活に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
  3. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 最初に、かような機会を賜りまして、特に関西大震災の後でございまして、私、消費者問題等特別委員会というのは、消費者という名前が入ったごとく、今回、申し上げれば、被災者生活者といいますか、そういう方々の問題、ある意味ではもう非常に緊密に関係している問題を当委員会が特に重点を置いて取り上げていかなければならないんじゃないかという立場をとっているわけでございます。  まず、そういう地震問題に入る前に、私、省略しましたけれども、御被災者方々に対する言葉であらわせない思いを込めて今ここに立っているわけでございますが、前回高村大臣がお話しされました所信表明の中で、きょうは大臣お見えでないので、細田政務次官あるいは担当局長から御説明いただきますことで結構でございます。質問というより、私の意見を申し上げさせていただくわけでございます。  それから、かねてから私の基本的考えなんですが、各官僚の方々が準備できるために、二日前にできるだけ質問というか意見というか、こういうことを言いますよということをやるべきだという国会活動の中で持論を持っておりまして、私、政府委員をやっておりましたころから、それをしないとどうしても夜遅くまで、国会想定問答を書くために、ひどいと朝方までやっておる。それから、霞が関がもう十二時過ぎもこうこうと電気がついておる。これは異常なる現象だと私は見ておりまして、一人一人の政治家考えていかなければならない問題じゃないかと思っております。  そういうことでございますので、政府委員方々におかれては、私が意見で申し上げますから、特剔出てきて、完璧なる答弁を求めません。わからないことはわからない、また追って調べまして御返事申し上げるという立場で結構でございます。それをやることが知らざるをもって恥とせずの原則というんですが、質問は二日前に一応提示する。それから、わからなければ、政府委員方々は、一〇〇%の答弁をするためにどれだけ皆様方の部下の人たちが時間を費やすかというようなことも考える必要があるんじゃないか。こういうことを当委員会の初めに当たりまして、私、意見としまして各委員方々を含め、関係省庁方々に申し上げさせていただきたいと思います。  それでは最初に、大臣と議論したかったんでありますが、それは、経済企画庁の一番重要なる仕事は何かという問題であります。  私は、経済企画庁の一番やらなければならない仕事は、この日本政府における今現存する一番大きな課題というのは、いわゆる産業空洞化であり、それを助長しているのは円高ということでございます。円高があって、産業空洞化ということで、国内設備投資よりも海外投資というのが、これは数値を企画庁方々は把握されておると思いますけれども海外投資は伸びておって、国内民間設備投資というのがそれに比べてはるかに低いという現状にある。そして、その原因を探っていくと、これは経済理論の問題で、ISギャップという問題にぶつかるのであります。  委員長、私、御意見をお話しするためにちょっと資料を用意しているんですけれども、これを配らせていただいてよろしゅうございましょうか。
  4. 大石正光

    大石委員長 はい、結構でございます。
  5. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 これはこういうことであります。  経済企画庁経済審議会を通ずるあるいは企画庁独自の、どこの局がやるか、省を挙げてやっていただきたいと思いますが、予算、税金、こういう面においてISギャップを解消する方策、これが何かということを全力を挙げてやっていただきたい。これがないと、御承知のように日本経常黒字が、この数字は大まかに入れておきましたけれども、約千五百億ドル、百円に計算して十五兆円、こういう経常収支というものが残って、その結果、海外投資が増大している。  国内の条件というのがこれまた非常に高コスト経済になっています。電気は外国より高い。水は高い。それから石油は高い。土地は高い。それから人件費は、中国に比べて二十倍あるいは二十五倍というものもあります。あるいは人件費は、日本を一〇〇にしまして、もうアメリカの数字というものは六五ぐらいだろう。そこら辺はお話を聞きたいと思っておりますけれども、そういう高コスト経済にすごくなっちゃっている。  この高コスト経済の中で今一番重要なることは、Sが大きくなっているということです。このお手元の資料です。この資料はどういうことかというと、経常収支の面というのはとかく貿易収支貿易外収支という観点だけでとらえがちなんですが、これは別のマクロ経済でとらえれば、セービングからインベストメントを引いた、これがカレントアカウントとして出てくるはずなんであります。  私、あえてこういう数式を申し上げたのは、こういうとらえ方をもとに、例えば機械の特別償却であるとか何だとかというのが始まります、またことしの税制改正の問題で。各部からみんな上がってきます。そして年末になってどういう税制の減税をするか、こういうような場合においても、Iをふやすという観点基本姿勢をぴしっと企画庁が出しておる、これが一つ政府の姿で出ておるということが必要なわけであります。現状は、SというものがIに比べて大きいところに今日の産業空洞化を引っ張る問題があるわけであります。この点は経済企画庁長官いらっしゃってから、払いつの機会でも申し上げますが、一つの契機としましてこの紙を配らせていただきますから、政務次官、ひとつ全省を挙げてこの問題に取り組んでいただきたい。  それで、ことしのベースで見ますと、私の計算では総貯蓄が百六十兆円、それから総投資が百四十五兆円ぐらいだ。この総投資の百四十五兆円、個別に分担して公共事業が幾らになった、それから民間設備がどうなった、こういうのを細分して御説明いただきたいと思いますし、そういうことの論争といいますか、この問題が重要なんだ。あの戦後のとき、安本のころの日本経済政策はこういう傾斜生産でやっていった。あのころは立派でした、経済企画庁一つの大きな政策で成功したわけですから。  今経済企画庁に必要なることは、一番大きなこととして、マクロエコノミーの中で大きく予算も、それから税も引っ張っていくことだろうと思う。これが私は非常に不足していると思って遺憾の意を表明するとともに、きょうはあれですから、私の申し上げる意見に対します政務次官の御感想なりをお聞きしたい。答弁ではございません。
  6. 細田博之

    細田政府委員 ただいまおっしゃいましたように、経常収支というものが総貯蓄から総投資を引いたものであるというのは、経済学の定義上はっきりしていることでございます。  これに対して小宮教授のように、その結果として黒字が出るのであるから、経常収支黒字は気にするに当たらないという所説もございますし、逆に、若干佐藤委員からもその趣旨でおっしゃいましたように、だからこそ我が国において総投資をふやすことによって経常収支黒字を減らすべきだ、国際的な配慮を加えた投資の増大を図るべきであるという、例えば野口教授のような説もあるわけでございます。  非常に幅広く学説も分かれておるわけでございますが、政府といたしましては、まず総投資につきましては御存じの長期計画、どんどん社会資本を整備していこう、これは国民のためになるんだということでふやすべきだという説をとっておるわけですし、総貯蓄については、年金の貯蓄が非常に大きいということが一時的な要因であったわけですが、これがだんだん減ってまいるということ、それから国際貿易における日本競争力がだんだんにこれから変化していくということで、変化の兆しは見せておりますけれども、やはり経常収支大幅黒字というものが国際的に問われていることはおっしゃるとおりでございますので、そういった観点から、このISバランスをもっと政策的に検討を加えながら考慮していくべきであるという説に、私は賛成でございます。
  7. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 一応私、このISバランス問題についてはここでとめさせていただきます。大臣がいらっしゃいましたときに、今政務次官から御答弁賜りましたし、その問題について詳細を承ります。  いろいろちょっと企画庁の中でこの問題について申し上げたが、Iの個別の細目分類、今日の予算措置の面でいきますと、やはり初めからISギャップになってしまっているということで、これは黒字の部門というのが出てゆゆしき問題であるということを私は指摘しまして、問題を次に変えさせていただきます。  次の問題は地震関係でございます。関西大震災に絡みます問題で、二つ側面から本問題を取り上げたいと思っております。  一つ物価対策の面。この問題は当委員会の一番大きな課題であります。  新聞情報によりますと、物価統制令を活用して、警察が悪らつな行動に対しまして取り締まりをやって逮捕した、こういう話がある。物価統制令は、御承知のように法律並みに扱われて現存しているわけでありますけれども、この物統令で今仮に警察がそういう行動をとらえてやる、物価統制令違反でやっていくということは、裁判に行きましたら、裁判上それが維持できないだろうと私は思っております。その物価統制令所管というのは、私は経済企画庁なんだろうと思うのですけれどももの物統令というのはどういうふうに今考えて、物統令をどうするつもりでおられるか。  それから、物統令違反というようなことで警察がやっているというのは、あたかも大潟の、秋田県のところでありましたが、食管法違反だということでしょっぴいてやりましたけれども、たしか訴訟維持というのができなかった。それと同じようなことになると私は思いますので、この機会に、まず物価統制令問題について、経済企画庁としては、法律自身の問題を含み、あるいは今回の関西大震災でこの発動というのが適当なのかどうなのか。  次の問題として申し上げますが、国民生活安定緊急措置法という法律石油ショックの後、四十八年でございましたけれども経済企画庁中心につくったわけでございまして、私は、やるならばその国民生活安定緊急措置法適用で持っていくことだと思っております。  特に国民生活安定緊急措置法というのは、地域的に、地域のところで物価が上がった場合には、特定標準価格というのをできる建前になっているわけでございます。これは一般の場合には、標準価格というのは全国ベースでやるわけでございますけれども関西というような地域の中において家賃が急激に上がるとか、あるいは鋼板価格がぼんと上がるとか、あるいはサッシが上がるとか、これからそういう問題が私は出てくるという気がしてならないわけであります。そういう面について、国民生活安定緊急措置法所管省庁としてどのように考えて、どう適用していこうとしているのか。そういう物統令国民生活安定法との連携といいますか、その二つ側面から所見をお伺いいたしたいと思います。
  8. 細田博之

    細田政府委員 震災直後に、我々は、物価が急上昇して国民生活に非常な不安感を与えるのではないか、また、被災者の人が大変な迷惑をこうむるのではないかという心配もしたわけでございますけれども、その後の情勢を見ますと、幸いにもそのようなことが非常に少ないというのが実態でございます。  特に地震発生の翌週ごろから、物価ダイヤル等家賃への苦情とか、そういったものを中心に若干の苦情はありましたけれども政府関係地方公共団体において調査監視を強めまして、大体のものについては、あるいは家賃については従来の水準を維持しているというのが現状でございます。しかしながら、これはとりあえずの現在の状況でございますので、今後は、建設が進むとかいろいろな経済状況変化に応じてどうなるかということは、油断なく見きわめる必要があると思っております。  なお、生活二法の関係について申しますと、これは物価高騰等に対処するために個別物資需給価格調整等緊急措置を行うということを定めておるのでございますが、家賃物資に当たらないということで、法律上は適用されないということになっておるわけでございます。なぜこれが入っていないかということを調べてみますと、やはり家賃個別性が強くて、なかなか同法の指定対象としてなじまないということから外れたようでございます。しかしながら、家賃につきましても、これから関係省庁間で協力いたしまして、地方公共団体等を通じて状況把握、そして相談体制の充実、関係業界への協力要請等によって対処してまいりたいと思います。  また、物資につきましては、もうちょっと今の安定した状況から変化するかどうかということを見きわめたいと思いますし、今おっしゃいました物価統制令にいたしましても、その統制令におきまして、物価が著しく高騰するおそれある場合という要件が書いてございまして、まだその要件には該当していないので、今後とも引き続き調査監視を強化しながら検討してまいりたい、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
  9. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 政務次官、私が質問したのをちょっと御理解されていない部分があるのですが、一つ物統令物価統制令というのは、ある場合には発動しようとする気があるのですか、例えば家賃だの何だのとかなったとき。私は、物価統制令というのは時代錯誤法律じゃないかという問題意識に立っているので、この点についてどう考えておられるか。物価統制令経済企画庁でしょう。そうでしょう。ですから、そこの点をまずひとつお考えいただきたい。  物価統制令というのは、今ふろ屋か何かの部分だけが恐らく適用されているような話だろうと思います。私が言っているのは、仮にそういう場合が出てきても物統令でやるというのはおかしいよということ、やるならば国民生活安定緊急措置法だよと。しかし、じゃ家賃のところ、まず一番大きな問題は住宅の問題ですから、そこのところが対象になっていないわけですよね。できない。  この問題も非常に難しい問題で、また後ほど申し上げますが、そういうふうな面で、最初物統令というのをどう考えるか、これをちょっとここで確認しておきたいのです。
  10. 細田博之

    細田政府委員 物統令が非常に古い法令であることは事実でございますけれども、どこかで物を規制しよう、物価が著しく高騰した場合に法律適用できないものをやろうとした場合には、これしか手がないのじゃないか、いわゆる生活法等対象になっていないものについては。ということで一応検討対象にはなっているわけでございますが、佐藤委員のおっしゃった、そもそもこの法令考え方なり制定の経緯から見て、こういうものは適当でない、あるいは立法論として別の法体系で臨むべきだというお考え方も、立法府としては一つのお考えだと思います。
  11. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 といいますのは、物価統制令違反だということで既に刑事事件としてなっていることは把握されておると思うのですけれども、それに対する物統令所管官庁である経済企画庁のそういう運用いかんという問題をお聞きしたいわけであります。
  12. 谷弘一

    ○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  読売新聞に警察物統令適用して立件をするという報道がございましたが、これについては警察庁に私ども確かめましたところ、異常な価格高騰事例等があった場合には、これを立件するために訪販法とかいろいろな法律被災地事態に対応して適用したいと考えている、そういう中で、物統令一つの選択肢としては考え得るというような立場だというふうに警察について私は聞いております。  私どもの方は、物統令適用する場合には、一つ一つ統制令で物を指定して価格等を決めて適用する。今おっしゃいました入浴料等、我々の物統令適用の仕方というのは、そういう物を一つ一つ値段を決めて統制するということでございますので、今の事態統制令を使うというような事態にはまずないだろうというふうには考えております。
  13. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 ちょっとまだよく理解できないのですが、私は物統令というのは時代錯誤だ、時代錯誤じゃないと思っておられるようですけれども。それから、いわんやその物統令をもって捕まえたり何したって訴訟維持できないよと。やるならきちんと直しなさい。今の世の中がこういうときに、平常時のときに直すべきである。  それは、一つの足がかりというのは、国民生活安定緊急措置法というふうな法律をつくったときには、なかなかその両者の間の問題を調整し切れなくて、ほっぽり出してしまったわけですよ。何かおかしいなということの議論はあったのだけれども、まあ置いておくかという話で残しただけの話なので、私はその問題を企画庁立法論として、立法政策として考えていただきたい。これに対するちょっと答弁を、担当局長
  14. 谷弘一

    ○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  ただいま警察についての取り扱いと申しますか、警察がどう取り扱っているかというのは、不当高価契約等を禁止する条項というのが物統令にございます。これは、価格を決めてこれを適用するということではなくて、不当に高価な契約をしていることを禁止するという条項適用して、物統令を発動するという考え方警察はとっておるようでございまして、私ども行政府でとります場合には、統制額指定という行政行為をしまして、それから扱うということでございます。  これについては物価が著しく高騰するおそれがある場合という前提がございまして、今こういう場合ではない。むしろ今我々がやらなければならないのは、需給をうまく調整していくことであるというふうに考えておりまして、統制令適用するという考え方は当面あり得ない……(佐藤(剛)委員「それはおかしいというのでしょう。警察がやっている動きというのはおかしいならおかしいと」と呼ぶ)警察の判断についてはちょっと我々……(佐藤(剛)委員「だって所管官庁じゃないの」と呼ぶ)ですが、これは裁判で立件して、警察の方がこれを司法手続としてやっていくということでございますので、これについては我々判断することは今控えております。
  15. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 こういう問題があるということだけ指摘しておきます。よくそこら辺は、運用の問題と絡み、それから、法律というのは時代が古いものは整理していかなきゃだめですよ。そんな物価統制令みたいなものを持って、片っ方それがあれだという形はおかしいと思います。  それから次に、やはり地震絡みの問題で申し上げさせていただきます。  今、これから災害関係で出てくる一番大きな問題が法律問題じゃないかと私は思っております。第一次災害というのは、まず崩壊した。第二次災害で火災になった。第三次災害でライフラインといいますか、水道とか電気とかあるいはガスとか、そういうようなものが壊れる。それから第四次災害で、神戸なら神戸にある問屋さんとケミカルシューズ人たち、あるいはニットだの何だのの生産地との間で受注が来なくなってくる。こういうのがもう今既に現実的に出てまいっております。  それから、第五次災害と言っていいのだろうと思うのですが、あの神戸港を通じて輸出したり輸入したり、こういうような点で、日本海外に出している工場への部品輸出であるとかに影響が出てきております。  それから、私は第六次災害とあえて言いたいのですが、今バラックですよね。応急措置ということでの応急建物、仮の建物であります。この仮の建物に行っている人たち、入れる人はいいのですが、学校だの何だので入れないというところをずっと探っていきますと、一つの慣例、不動産賃貸借関東関西における大きな違い、差があるというところにぶつかるわけであります。  といいますのは、関東で言いますと、例えば四畳半を借ります。そうすると、アパートを借りようとすれば敷金二カ月、それから礼金が二カ月、あるいは礼金がないというのが東京あたりでは今やふえているわけでございます。ところが、関西状況というのは、敷金が八カ月近い形にある。あるいは保証金が五カ月ぐらい取られている。  こういう私が得ている実態を見ているのですが、まずそこら辺につきまして経済企画庁——長官いらっしゃいましたが、その前に私はIS問題をやりまして、企画庁としてぜひやっていただきたいという問題提起をいたしまして、資料をお配り申し上げました。私、時間がございませんので別の機会にさせていただきますが、この今の災害問題についての不動産賃貸借、この問題について真剣になって考えていく省庁というのがなかなかないのですよね。私は、やはり経済企画庁あたりが中心になって、法務省と相談しながら、いろいろリーガルサービスをしていくという体制がこれから必要になると思います。  といいますのは、神戸で弁護士事務所が三十数カ所つぶれてしまっているのですよ。そういう話は、法務省の方おられると思います。おられますね。そういうことで資料だの何だの、裁判の案件の資料、あるいは民事だ刑事だとやっているその資料もなくなってしまっているケースがある。証拠物件もなくなってしまっている。  そういうケースというのは、私は怖いなと思うのは、例えば法務省の登記所なんというのがあるのですけれども、ああいうふうなものが、今回は大丈夫のようですからいいですけれども、それが焼失してしまったり、なくなったらどういうことになってしまうのか。いわゆる登記簿謄本の台帳のたぐい、そこら辺の面もいろいろ考えなきゃいけない。  その根底にあるのは、官庁というものは絶対安全なんだということの建前。建設省の営繕部に来てくださいと私は言っておいたのですけれども、基本は、官庁が建てる、国が建てる建物は安全でなければいかぬと思います。ところが今回の場合、神戸市の市役所自身がおかしくなっている、あるいは六階にある住宅関係のところというのは、それがひっくり返っている、こういうふうな状況であろうと思いますので、その面について、国がつくるもの、あるいは国が補助金を出したものは、本当に完全なものをつくっていくということがまず前提で必要だということを私は申し上げておきますが、建設省営繕部、それに対してちょっとまず最初に御意見をいただきたい。  それから次に、弁護士関係状況について、法務省の方から状況現状をお話しいただきたい。  それから第三は、企画庁あるいは法務省等々でいいですが、リーガルサービス、法律相談、こういうものについて必要であるなら予算をとって、弁護士なら弁護士の日当、そういうようなものについて手厚い形でやって、全国的なそういう動員態勢をとっていく。このところは最高裁判所の事務局になるのか、ちょっと微妙な部分があるのでありますけれども、どういうふうにお考えになるか、それぞれの所管官庁からの御意見を求めます。
  16. 升田純

    ○升田説明員 まず、神戸におきます法律事務所の被害の実態法律相談等の問題につきましてお答えいたします。  まず、委員御指摘のように、被災地におきまして数十の法律事務所が全壊し、あるいは相当被害を受けているという実態にございます。  そこで、委員御指摘のような借地・借家等々のさまざまな法律問題につきまして、現地でどういう対応ができるのかということにつきまして私どもも非常に関心を持っておりまして、今後、弁護士会等の協力を得て、各種の法律相談につきまして相談体制を整備充実していくことが非常に重要な課題であるということを認識しております。  このような観点から、法務省といたしまして、まず、相談に応じていただく例えば神戸の弁護士の方々あるいは近隣の大阪、そういった近畿地方の弁護士の方々に借地・借家関係法律内容を正しく承知していただくということが極めて重要であると考えられますので、先般、現地におきまして、そういう方々に対する説明あるいは質疑等のために説明会を開催したところでもございます。  今後も、御指摘の点を踏まえまして、弁護士会などとの協力関係を緊密にいたしまして、各種の法律問題の円滑かつ迅速な解決に努めてまいりたい、こういうぐあいに思っております。
  17. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 委員御指摘のように、私ども生活一一〇番あるいは震災関連消費生活ダイヤル等につきまして、不動産関係の案件が非常に多いということ、半分近くがそうでございます。したがいまして、私ども、弁護士さんにお願いして御相談したりしておりますが、極めて専門的な点がございますので、やはりそういった点につきましては、関係方面に御連絡して、専門的知識の応援を得たいと考えております。
  18. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 ですから、この問題は、今局長から答弁ありましたけれども、普通の苦情の問題と違うのですよ。それで、女性の人とか消費生活アドバイザーとかコンサルタント、あるいは市の人たちが話しても、それで解決できるものじゃないのです、法律問題ですから。  これから一番大きな問題は第六次災害だと私が言っておったのは、一つの問題を先ほど申し上げたが、八カ月なら八カ月の敷金を出しておる、保証金を五カ月渡してある。ところが、その家主の方はつぶれてしまった。つぶれてしまったから返せない、そういうふうな単純な話で、それだから動けないという人たちもいるわけですよ。金はもらえない、それでまた家を新しく民間の住宅をやろうとすると、民間の住宅は上がっていると私は思いますよ。そこら辺の民間住宅について少し把握の仕方が甘いと思いますけれども、どこがやるのか。私が得ている情報は上がっておる。  そうすると、それの一年分ぐらいのものをやらないと借りられないという状況。ですから、今やっている応急住宅というのはあくまでも仮ですから、そこのところから民間のような形に自然に吸収されるような流れになっていかないと、この関西震災対策というのは終わらない問題だということを私は申し上げているのです。  委員長、岸田先生から五分間、数分間、ちょっとこちらの方に食い込ませていただくことに今お話ししたのですが、よろしゅうございますか。
  19. 大石正光

    大石委員長 はい、結構です。
  20. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 それで、今話が途中ですからちょっとお話ししたいのですが、法務省、今、弁護士事務所がつぶれてしまったり、あるいはそういうことで体制については近隣からやられるということですけれども、日当を例えば一万円だとかいうふうな形では、一番重要なるリーガルサービスの人たちといっても、弁護士がなかなか行かない。ですから、そういう意味ではどこかが予算的措置を講じて、そういう法律の相談というものを非常に手厚くやっていくリーガルサービス体制、そういうことが必要ではないか、かように思っているのです。その点を回答をいただきたかったわけなんです。例えば予算なら予算措置をしてやる。今のままでは私は十分でないと聞いております。
  21. 升田純

    ○升田説明員 私、直接の担当ではないのですけれども、各種の法律問題が多発するということは十分に認識しておりまして、そういった関係で、弁護士会等との関係を緊密にいたしまして、さまざまな観点からそういう方向で解決に努めてまいりたい、こういうぐあいに思っております。
  22. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 それではお願いしておきます。その関係省庁、消極的権限争いではなくて、こういうときにひとつ連係プレーをとって、そういう法律相談を専門家がやっていく体制をとってやるということが、今被災を受けている人たちに対する安心感を与える根底ではないか。  ということは、いろいろ建設省も法律を出しできます。区画整理の問題だとかいろいろ出てくると思います。私権の制限問題、出てくると思う。それと強権的なもの、これから町づくりをやるんだからという形を執行するためには、どうしてもこのリーガルサービス体制は非常に重要な課題であり、それをやるのが私は消費者問題の、経済企画庁の、一つの調整官庁の役割だということを指摘いたしておきます。  ということで、私の質問はこれで終わらせていただきます。  それから、ISギャップの問題につきましては、きょうは残念ながら大臣とお話をする機会ができませんでしたが、後日御意見の取り交わしをいたしたいということでございます。  本日はありがとうございました。
  23. 大石正光

    大石委員長 岸田文雄君。
  24. 岸田文雄

    ○岸田委員 自由民主党の岸田文雄でございます。  先日、高村経済企画庁長官の所信をお伺いさせていただきました。その中で、阪神大震災の被害の深刻さについて触れておられたわけでありますけれども、我々がこうしてこの場で議論をしているさなかも、寒い中、多くの被災者皆様方、大変な御苦労をされておられますことを考えますときに、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  長官初め関係者の皆様方に力いっぱい復旧、復興のために頑張っていただきたい、そういった思いを込めまして、まずもって今回の震災に関しまして思いますところを幾つか質問させていただきたいと思います。  先日、経済企画庁物価局がおつくりになられました「兵庫県南部地震に関する物価対策について」という資料をいただきました。この資料を見させていただきました。その中で、物価監視調査ということで、食料品あるいは日用品三十五品目についての調査を行った結果が載っておりました。それを見させていただきまして、結論としましては、安定しておる、特に便乗値上げ等は見られなかったというような御報告になっておりました。  このことにつきましても引き続きまして調査監視をお願いしたいと思うわけですけれども、この資料の中にも触れておられますように、当面は食料品、日用品の物価の安定が最大の関心事でありますけれども、これから復旧、復興が進みますと、監視調査対象となるべき品目、これはおのずと変わっていくわけであります。この調査の中にも触れておられますように、資材とか労賃とか家賃、こういったものが物価調査監視対象になること、関心の的になること、これは当然のことだと思うわけですが、まずもって資材とか労賃、また家賃といったものについて、この調査以後、その実態の把握、何かおやりになられましたでしょうか、そのことをお伺いさせていただきます。
  25. 谷弘一

    ○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  今まで、震災が発生した翌週に神戸市、それから経済企画庁物価モニター調査、それから緊急の調査ということで職員等が実際に小売のお店に行きまして、被災地の市町村、大阪府、大阪市も含めまして調査を毎週やってもらっています。  それから同時に、被災地の方あるいは周辺の方々から物価一一〇番にお電話をいただいております。これは被災地の自治体、それから私ども経済企画庁、それから関係省庁等にも、物価の一一〇番と通称しておりますけれども、電話がございます。そういうところで受けておりまして、その中で、今委員御指摘いただきましたように、生活必需財、食料品とか日用品とかそういうものにつきましては、かなり安定をしておるということでございます。ただし、建設資材あるいは住宅等につきまして、特に物価一一〇番にかなりの苦情が数としては上がってきておるという状況でございます。
  26. 岸田文雄

    ○岸田委員 物価につきましては、先ほど佐藤委員の方からの質問にもありましたが、生活二法ですとかそれから物統令の問題がございます。先ほどのお答え聞いておりますと、まだそういった法律適用までには至る段階ではないというようなお答えだったように思うわけですけれども、今後のこともございます。こういった資材、労賃、家賃といった品目につきまして、ぜひしっかりとした調査監視をお願いしたいと思います。  そして、その調査監視ということで、これは質問というよりはお願いなのですけれども、現地におきましては、各機関、団体の方から各種の調査、アンケートが殺到しておるような状況をお聞きしております。本当に調査洪水といいましょうか、いろいろな調査、アンケートが殺到しまして、現地の被災者皆様方、うんざりするような状況が伝えられてもおります。  経済企画庁とされましては、お仕事をされる上でどうしても調査監視、アンケート、こういったことが中心になられるのかとは思いますが、ぜひ関係省庁間で調査一アンケートを整理されるとか、アンケート、調査のやり方を少し工夫されて、被災者の皆さんに負担がかからないように、こういったことをぜひそれぞれ御担当の方同士で御相談され、調整されて、御配慮していただくことをお願いしたいと思います。その点をひとつよろしくお願いいたします。  それから、先ほど来お話に出ておりますように、物価ダイヤルとか生活一一〇番、経済企画庁の方もいろいろ御苦労して情報を集めておられる、苦情を受けておられる、こういったことを聞くわけでありますけれども、その物価ダイヤル、生活一一〇番、こういったことを通じて苦情等を受けられた後、お聞きしますと、それは内容によりまして各担当省庁へ通報されて、内容ごとにそれを担当する省庁に通報して、対応をお願いしておるというようなことをお聞きするわけです。  私は、それはぜひ引き続きお願いしたいと思うわけですが、その各省庁に通報された後がまた一つ大切なのではないかというような気がいたしております。内容によりまして各担当省庁に連絡をされ、その担当省庁がどういった対応をされたか、そういったことをフォローして、その情報をPRするということ、これが大切ではないかと思うわけです。そういったPRを行うことによって、不穏な動きに対する警告にもなるでしょうし、また消費者に対する安心ということにもつながるのではないかと思うわけです。  そういったことを思うわけですけれども、その物価ダイヤル、生活一一〇番等で苦情等を受けられて、それを内容ごとに各担当省庁に通報されたその後のフォロー、何か具体的におやりになっておられますでしょうか。
  27. 谷弘一

    ○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  今委員御指摘のように、物価ダイヤル等が非常に重要な情報になっておりまして、これを受けまして被災地の自治体とも情報交換をいたします。あるいは、事実認識のところが非常に重要でございますので、苦情等だけで即断することもできませんので、関係省庁等の物価ダイヤル等への上がり方等も調べまして、それから、その苦情等を上げられた御本人にも確認するという作業を、これは自治体等は特に近いのでございますので、お願いして、その所管に合わせまして関係省庁に対応をお願いするということをしております。  この際、関係省庁では、業界等にそういう苦情が出ているけれどもどうかというような、団体等に当たるというやり方をしているようでございます。それに対応して、個別に一つずつ問題をつぶしていくという形で関係省庁が対応しているということで、我々もその結果について報告は受けております。  ただし、これを公表いたしますかどうか、その最終処理の仕方につきましては、公表いたしますと、そういう業界に協力を要請したときに業界が非常にかたくなる。要するに、その情報を公開するということは、確かに一般にそういう問題が二度と起きないようにするという効果もあると思うのでございますけれども、逆に言いますと、それで業界がどう対応したかというようなことが表に出ますと、業界がかえって非常に慎重に対応してしまうのじゃないかというような懸念もあるというふうに聞いております。  そういうことで、今のところは、関係省庁で対応いただいたところで公表をするかどうかという御判断もしていただくということで、経済企画庁として、公表してくれというような指示は今いたしておりません。
  28. 岸田文雄

    ○岸田委員 確かに、内容によりましてはいろいろ難しい問題も絡んでくるかとは思いますが、ぜひ内容を吟味し、また公表の仕方もいろいろ工夫されまして、できる限りそういった後の追跡調査あるいはPRということに努めていただいて、そういった不穏な動きに対する警告、あるいは消費者に対する安心感を与えるということに御努力いただければと思います。よろしくお願いいたします。  それから、もう一つお伺いいたしますのは、先週あたり、震災倒産第一号というような新聞の記事を拝見したのを覚えております。震災に絡みまして倒産が発生したという記事が新聞に載っておったわけであります。  聞くところによりますと、神戸の地場産業神戸の長田区あたりにはケミカルシューズ業界約四百五十社、下請を含めますと関連約千五百社あるのだというふうに聞いております。そして、さらに聞くところによりますと、その半数近くが連鎖倒産の危機に直面しているのではないかというような話を聞くわけです。この地区での生産は国内生産高の七割を占めておるという状況で、これは小売にも随分影響が出ておるという話をお聞きいたします。  大手の小売、スーパー等では、品物の仕入れを海外にシフトをさせる。またこの業界は、もともと人件費の安さに目をつけて、海外の製品にだんだん小売の方もシフトしていくというような傾向があったようですけれども、その傾向に一段と拍車をかけて、小売の方がケミカルシューズ海外からの仕入れにどんどん切りかえていくというような動きも見られるわけです。この調子ですと、この騒動が落ちついてからも、なかなか国内に小売の仕入れが戻ってくるかどうかわからないというようなことも伝えられております。まさにこの地区、日本においても七割を占めると言われるこのケミカルシューズ業界、壊滅的な状況が伝えられております。  加えて、それ以外の経済に対する影響にしましても、現在の景気、輸出頼みの傾向がまだ続いておるわけでありますが、神戸港が使えないということになりまして、輸出に対する影響は当然出てくるわけであります。さらには、内定取り消し等失業の心配も出ておる。さらには、先週あたり経済雑誌等を見ておりましても、盛んに株価の不安定、先行きの心配が取りざたされておるというような状況を見ますと、日本経済に対します影響の広がり、随分あるのではないかというような気がしてならないわけであります。そうしますと、経済の見通しにつきましても影響が出てくるのではないかというような気がいたしております。  そこで、一月二十日の日に「平成七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」というものが閣議決定されたわけであります。実質経済成長率二・八%、それを盛り込んだまま閣議決定されたというように聞いております。これは主な経済指標、いろいろその中に盛り込まれておるわけでありますけれども、今申し上げましたような今回の震災の影響を考えますと、やはり少なからずそういった主な経済指標、いろいろなところに影響が出てくるのではないかというような気がいたしておりますが、その点についてどのように見通しを持っておられるか、お聞かせいただけますでしょうか。
  29. 高村正彦

    高村国務大臣 ミクロの点については後で通産省から答えていただくこととして、マクロの点についてお答えいたしますと、やはりこれだけの大震災で物流、生産等に大変な打撃を受けておりますから、当面マクロについてもマイナスの影響が出ることは必至である、こういうふうに考えております。  一方、速やかな復興努力がもう既に始まって、生産にしても物流にしても一部復旧しているというところもあるわけでありまして、これから本格的な復興努力がなされなければならないわけでありますし、日本経済全体の大きさを見ればそれに十分こたえていく余力がある、こういうことだと思うわけであります。  でありますから、平成七年度全体について言えば、当初、当面のマイナスをその復興努力、復興需要にこたえていく努力がだんだん取り返していく、こういう経過になり、それではその二・八%よりプラスになるのかマイナスになるのかということは、現時点では、被害総額もまだ国土庁から出ていない段階でありまして、直ちに言えない。そういうことで、私も経済演説でも不確定要素ということで掲げさせていただいた。直ちに二・八%が不可能になったとか、あるいは逆にそれよりずっと上に行くのだとか、そういうことは言えない状況であると思います。
  30. 岸田文雄

    ○岸田委員 ぜひ引き続きまして、その見通しにつきましてもしっかりとした御判断をいただければと思います。  次に行かせていただきます。  復興、復旧、これから進めていかなければいけないわけですけれども、企業にとりましても、また個人にとりましても、立ち上がりのためにはどうしても金融機関の借り入れに頼らなければいけないと思うわけです。政府系金融機関等では、金利ですとか金額ですとか、それから返済条件ですとか、そういったもので多大な御努力をしてくださいまして、復興資金の貸し出しに前向きに取り組んでいただいておるということ、これは大変歓迎すべきことだと思っております。ぜひ引き続きまして大変な努力をお願いしたいと思っております。  しかし、一つ私思うことがございます。お金を借り入れる場合に、金利ですとか借り入れられる金額ですとか返済条件ですとか、こういったものも確かに大切だと思うのです。しかし、事お金を貸すということに当たって、貸し手市場といいますか、貸す側の方が立場が強くなるということになりますと、どうしても債権保全というものが気になってくるのだと思うのです。何も危ないところへ貸さなくてもいいのではないかというようなことが、どうも金融機関の習性なんでしょうか、そういった発想が出てくることが考えられると思うのです。  一方、被災者立場に立ってみますと、今回、家も財産も、また身内までも失った方が大勢おられるということになりますと、担保もない、それから保証人もない、不十分であるという方が随分おられるのではないかと思うのです。  そうやって考えますと、確かに金利ですとか金額ですとか返済条件ですとか、そういった配慮も大切だと思うのですが、そもそも金を借りられるかどうかということになりますと、やはり担保ですとか保証人、こういった部分に関して配慮がされないと、こういったせっかくの前向きな取り組みが十分利用されないという心配が出てくるのではないかというような気がしております。この担保、保証人、つまり、債権保全の部分に関して復興資金の貸し出しにおいて特段の配慮というものをされておるのでしょうか、ちょっと聞かせていただけますでしょうか。
  31. 五味廣文

    ○五味説明員 お話のございましたように、特に被災された企業の方、立ち上がりの資金というのは非常に重要でございますので、御指摘のありましたように、金利ですとかあるいは返済条件等で特に立ち上がりの部分を軽減する措置というのをいろいろ工夫させていただいておりますが、さらに信用補完の面でやはり何らかの配慮がないと難しいというのは全くおっしゃるとおりでございまして、とりあえず現在、被害を受けられました中小企業の方に対する信用保証協会の債務保証、これを充実させるということで、中小企業信用保険公庫の保険限度額の拡大というのを実施しております。  特にお話のございました担保、保証人に関連する部分でちょっと具体的に申し上げますと、無担保の方というのは通常は二千万円までしか保証を受けられませんが、四千万円ということで今倍増で実施をしております。また、無担保、無保証、こういう方につきまして、これは特に小さな企業の方ということで、例えば商業、サービス業などですと二人以下とか、製造業でしたら五人以下とか、こういった特に規模の小さい方について、無担保、無保証人ということであっても五百万円までは保険を掛けるという、これが従来の制度ですが、これを倍憎いたしまして、一千万円ということに合いたしております。  ただ、やはりだんだん被害の状況が明らかになってまいりますし、いろいろ御相談もたくさん出てきておりますので、今般これをさらに改定をするということで措置をさせていただくように決定をいたしました。  具体的に申しますと、ただいまの無担保でかつ無保証人である小企業の方、これは一千万の特例をさらに倍憎いたしまして二千万に引き上げるということ、それから、こういった五人とか二人とかいう制約の範囲内に入らない中小企業の方、もう少し規模の大きい中小企業の方についても、限度額一千万円で無担保、無保証人で保険を掛ける、こういう制度を新設をしております。  それからもう一つ、経営基盤が特に弱い、担保力の乏しい小企業者の方は、小企業等経営改善資金融資、いわゆるマル経と呼ばれる制度がございますけれども、これにつきましても、今般貸付限度額を、現行六百万円でございますが、七百五十万円に引き上げるということで、こうした担保力の特に弱い被災企業の方への支援ということを特に重点的にやろうということで、措置を決定いたしました。  具体的な実施はまだでございますけれども、できるだけ早く実施できるように、今所要の準備を進めておるというところでございます。
  32. 岸田文雄

    ○岸田委員 ぜひ引き続きまして、その方面でも努力をお願いしたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、阪神大震災関係質問、ここで一区切りつけさせていただきまして、私は、ひとつPL法につきましてお伺いさせていただきたいと思います。  ことし七月、PL法のスタートが予定されておるわけでありますけれども消費者の保護あるいは国民生活の安定向上、国民経済の健全な発展のために、この法律の意義、大変大きなものがあると私自身思っております。  そこで、一つお伺いさせていただきます。幾つかお伺いしようと思ったのですが、ちょっと時間がなくなりましたので、少しはしょってお伺いさせていただきます。  この法律の導入を念頭にしまして、要は、紛争解決の手段というものが非常に関心の的になっております。紛争解決、当事者同士の解決もあるでしょうし、またさらに裁判での解決もあるでしょうが、その中間の部分において、裁判になる前に迅速に紛争を解決しなければいけない。この部分が重要になってくるかと思います。  その部分に関しても政府も御努力されておると思うわけですが、その中で業界主導によります紛争処理機関というものが今つくられつつあります。去年九月には住宅部品、あるいはことし三月、これは予定ですけれども家電製品、あるいは四月には日本自動車工業会、あるいは五月には日本ガス石油機器工業会、こういった業界が業界主導で迅速な紛争処理機関をつくろうという動きがあるわけです。そういった動きは、消費者にとっても迅速なる紛争解決に資するという意味では歓迎するべきかもしれませんが、要は、そういった業界主導の紛争処理機関が中立とか公平とか透明性、これをいかに維持するかがこの機関がうまく機能するかにかかわってくると思うわけですが、この点についてどのようにお考えになっておられるか、お聞かせいただけますでしょうか。
  33. 伊藤隆一

    伊藤説明員 御説明させていただきます。  民間の活力による製品分野ごとの紛争処理体制の整備については、御指摘のとおり、これら体制による被害救済の実効を高めるために、専門性はもとより、中立性、公平性、透明性の確保が重要であると認識しておりまして、このため通産省といたしましては、昨年十月、関係業界に対する通達を発出して紛争処理体制の整備を要請する中で、人的、資金的に中立、公平な組織のあり方、あるいは紛争処理の手続、さらには紛争処理結果についての透明性の確保等についての基本的な考え方を示し、指導を行っているところでございます。
  34. 岸田文雄

    ○岸田委員 ぜひもっと具体的に、だれが判定するのか、だれがどうやって調査するのか、そういった部分まで含めて、公平、中立、透明性を確保できるように御尽力いただきたいと思います。  時間がなくなってまいりましたが、もう一つお伺いさせていただきます。  このPL法に関しまして、事故が起こった場合のその賠償能力の問題について一つお伺いしたいと思います。  これは、当初から言われておったわけですけれども、事故が起こった、そして企業としてそれを賠償しなければいけなくなった場合に、特に中小企業においてその賠償能力を確保することができるか、あるいは、従来からPL保険と言われるようなものがあったわけですけれども、その保険金の負担が中小企業の収益を圧迫することにならないだろうか、そういったものが価格転嫁されることはないだろうかということを前々から懸念されておったわけであります。そういった中で、このたび中小企業向けのPL保険というものが大蔵省から認可されたということをお聞きしております。これは、団体契約を行うことによって個人契約に比べて負担が半分になるということで、そのPL保険の促進に期待がされておるというわけであります。  そこで、もう時間がないのでまとめてお伺いしますが、このたび大蔵省で認可されました中小企業向けPL保険の内容がどういったものになっておるのか、それをお伺いし、そしてなおかつ、そういった内容であって効果の方が十分であるか、要は、これによって中小企業の保険の普及に資することになるのか、あるいは中小企業の支払い能力を十分カバーできるのか、あるいはこれでは不十分だからもう少し何か必要だというようなお考えがあるのか、そういったことをひとつまとめてお伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  35. 滝本豊水

    ○滝本説明員 ただいま御指摘の中小企業向けのPL保険、いわゆる商工三団体、すなわち日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会の商工三団体を通した中小企業向けの保険でございますけれども、これは、一般の保険と比べまして、中小企業者のニーズに即しまして、いわゆる保証する範囲を少し縮小することによって保険料を低減する、また、これは団体が組織を活用して制度の啓蒙等を行うということによりまして、募集経費等が削減されるということによりまして、保険料を低減するということで中小企業者のニーズにマッチした商品を提供する、こういうことでございます。
  36. 高村正彦

    高村国務大臣 今の保険料率が物価に転嫁されたとして〇・〇〇五%程度、全体の物価にほとんど影響がない、こういうふうに考えております。
  37. 岸田文雄

    ○岸田委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  38. 大石正光

    大石委員長 実川幸夫君。
  39. 実川幸夫

    ○実川委員 新進党の実川幸夫でございます。大目もお見えでございますので、関係当局に今回の阪神大震災、これに関連しまして今後の経済状況、あるいはまた、今、岸田先生からも御指摘ございましたPL法について、何点か御質問させていただきます。  まず、その前に、去る一月十七日の阪神大震災、多くの方がお亡くなりになりました。皆さんに対しまして、また、御遺族の皆さんに対しまして心から哀悼の意を表したいと思います。そしてまた、多くの方がけがをなされ、家を失い、また、避難生活を余儀なくされております。皆さんに対しましても心からお見舞いを申し上げさせていただきます。  とにかく今は、一日も早く皆さんがもとの生活に戻ること、それが先決であります。先般大臣所信表明の中で申されておりましたように、とにかく復興に対しまして最善の努力をさらにお願い申し上げたい、このように思います。  それでは質問に入らせていただきますけれども、今申し上げました阪神大震災に関連しまして、何点か質問させていただきます。  日本経済円高を乗り越えまして徐々に上向いてきております。そして今回の阪神の大震災でありますけれども、生産あるいは流通の一部が滞っていることは事実でございます。その被災地での工業生産の落ち込みあるいは物流機能の低下など、関西地域中心に大きな被害が出ております。  そこでお伺いしたいのですが、最初のころは、この震災が今の安定した上向いた景気に水を差すのではないか、そのようなことを言われておりましたけれども、近ごろになりまして、この復興需要等を考えると、中長期的にはプラスな面があるのではないか、このように言われてきております。事実、先週のある経済新聞では、この復興需要が今年度の後半にはさらに今の景気に後押しをするのではないか、そのようなことを書かれておりました。これらを踏まえまして、今回の地震日本経済に与える今後の影響について、できれば大臣にお伺いしたいと思います。
  40. 高村正彦

    高村国務大臣 当面は、生産、物流に大打撃を受けましたので、マイナスの影響が出るのは必至であります。ただし、速やかな復興努力が始まっておりまして、一部では復旧がされている。さらに本格的復興努力がなされる。日本経済はその復興需要にこたえていく力がある。でありますから、短期的にはマイナス、中期的にはそのマイナスを取り戻していく、それから長期的には、マクロ経済だけですよ、マクロ経済からいえばプラスになり得る可能性もある。  しかし、また一方では、その復興努力のために財政バランスが崩れるのではないか。長々期的にはまた不安な面も出てくる。いろいろな面がありますので非常に複雑でありますが、大まかに言えばそういうことだろうと考えております。
  41. 実川幸夫

    ○実川委員 いずれにしましても、復興は長期な形になると思いますので、その動向を見定めながら指導していただきたい、このように思います。  阪神大震災に関連しましてもう二点ほどお伺いします。  これは農林省の管轄になると思うのですが、先ほど岸田議員からも価格の安定等についていろいろと御質問がございまして、答弁も聞いておりました。いわゆる関係機関いろいろ指導していただきまして、便乗価格ということはないと思いますけれども、ある一部の報告を聞いておりますと、その中でも生鮮食品、特に生野菜あるいは生鮮な魚類等、この価格が一部上昇の傾向にあると聞いております。  そこで、農林省にお伺いしたいのですけれども、先般農林省の被害状況を聞いておりますと、何百億という被害をこうむっておりますけれども、その中でも生鮮食品に直接関係あります卸売市場、これが二百四十億円というような被害をこうむっておると聞いております。ほとんど被害を受ける前の状況にはいっていない、このようなことも言われておりますし、まだ水道も来ていない、そのような状況だと聞いております。この卸売市場、市民の生活に直接関係ありますし、また生鮮食品を供給するためにも本当の意味でのライフラインではないかな、このように思います。  そういうことで、これから長期的な復興に向けて、恐らく生鮮食品のこの卸売市場が非常に関係してくると思います。まずこの復旧が大事だと思います。農林省にお伺いしたいのですが、その復旧対策はどのようなことになっているのか、お伺いしたいと思います。
  42. 山村宗仁

    ○山村説明員 今回の大地震によりまして、卸売市場の施設に大きな被害を受けております。特に、中でも神戸市の中央卸売市場、本場におきましては、荷物の運搬、搬入路、それから活魚売場等が陥没したということでございますし、また特に被害の大きい東都市場では、施設全体が液状化によりまして地盤沈下したとか、それから水産の卸売場の支柱が破損いたしまして、大きな被害を受けているところでございます。  このような厳しい環境ではございますが、市場関係者が一体となりまして被災地域に生鮮食料品を供給するということでございまして、本場では一月十九日から取引を開始しております。それから、東都市場でも一月二十三日から取引を開始しております。確かに東部につきましては、まだ水道は来ておりませんが、できる範囲で営業をやっているということでございます。  また、農林省といたしましても、被災地に対しまして生鮮食料品等の安定的な供給を図るということで、産地出荷団体等に対しまして、被災地の市場へ優先出荷ということで指示したところでございます。  このような結果、現在被災地の市場では、厳しい環境のもとでございますが、必要な出荷も行われまして、卸売価格も安定しているという報告が来ております。ちなみに、きのうの市況でございますが、本場では、青果の場合は平年並みといいますか通常並みの荷が来ておりますし、水産の場合は六十数%の荷が参っております。また、東部の青果につきましても、七十数%の荷が参っております。ただ、東部の鮮魚につきましては、本場から運んだり、それから加工品を運搬したりというような状況でございます。  神戸市の中央卸売市場、本場それから東都市場など、このように相当な被害を受けております。これらの施設の早期復旧と業務の円滑化が図られますよう、できる限りの支援を行いたいと考えております。
  43. 実川幸夫

    ○実川委員 昨晩のテレビでも報道されておりましたけれども被災地の皆さん、今何が一番欲しいかという質問に対しまして、やはり新しい生鮮食品、魚類等、このように答えておりましたので、どうか今後も被災地の皆さん、また市民の皆さんが不安を募らせないような形で万全を期していただきたい、このように思います。  次にもう一点、被害状況についての質問でございます。  これは建設省の管轄になると思いますが、先ほどからもいろいろと質問の中で、今復興が大変急ピッチで進んでおります。建物の取り壊しあるいは瓦れきの始末というように、大変な労働力が要るわけでございます。私の聞くところによりますと、今、御承知のように年度末でございますので、公共事業も各県また各町村から一斉に出ております。そういうことで、各町村の公共事業も当然必要なんですけれども、それ以上に今復旧に対して、各大手のゼネコンあるいは建設業者が一様に関西ということで、現場監督がみずから各地方の現場を離れて阪神地域に行っております。  そういうことで、もちろん復旧は大事でありますけれども、関連の各町村の公共事業に人が足らなくなったということも聞いておりますので、その辺の支障がないかどうか、その辺の指導をどのようにしているのか、この点についてまず建設省にお伺いします。
  44. 荒井俊行

    ○荒井説明員 これまでのところ、被災地におきまして労働力の需給あるいは資材の需給、ともに逼迫は見られておりませんで、その他の地域での公共事業に支障は生じていないと聞いております。  具体的には、応急復旧工事は近畿地方の建設業者を中心として今施工をされておりまして、復旧に必要な労働力も、地元を中心にこれまでのところ確保をされております。資材につきましても、供給能力は回復をしております中で、需要は総じて低水準でございまして、需給の逼迫は見られておりません。したがって、価格も総じて安定をしている、こういう状況でございます。  今後、災害復旧工事の本格化によりまして、労働需給あるいは資材需給が逼迫するということも考えられますので、事態の推移を注意深く見きわめながら、関係省庁とも連携を密にして、機動的な対応が確保できますように対処してまいりたいと思います。
  45. 実川幸夫

    ○実川委員 今のお答えに関連してなんですが、そういう状況ではないというお答えだったのですが、私の聞いているところでは、相当の人数が各町村の現場から関西地区に行っていると聞いております。その中でも賃金の問題ですが、特に建築技術者、土木技術者、いわゆる技能を持った技術者でありますけれども、こういう人たちが足らないので、賃金が現在が二万円のところを四万円だとかあるいは五万円とか、そういうような形で動員をされている、このように聞いております。  そこでお伺いしたいのですが、こういうことになりますと民間の工事現場にも影響してまいりますので、この点についても徹底的に対処していただきたい、このように思います。この点についてはどうでしょうか。
  46. 城処求行

    城処説明員 公共事業の発注についてまず申し上げたいと思います。  公共事業につきましては、会計法令等がございまして、取引の実例価格、これに基づいて価格を決めるということになっております。したがいまして、人件費でありますとか資材費、これが基本になるわけでございますけれども、これにつきましては、地域ごと、例えば都道府県ごと、資材にまいりますとさらにそれを細かく割った地域ごと、あるいは人件費でいきますと、普通の作業員の方でありますとか鉄筋工の方、それぞれ職種ごと、それから資材につきましては、当然鉄筋でありますとかセメントでありますとか品目ごと、こういったことを地域ごと、品目ごとにとらえて公共事業の基礎としていくということが基本でございます。  そういうことを的確にやるという努力をしているところでございますけれども、お話一しのように、今のところの需給のバランスが崩れるのではないかという御懸念かと思いますけれども、それらにつきましては、積算上は当然市場の価格というのがまず前提になるわけでございますが、それらが安定的といいますか、資材需給の安定が図られるように前提条件を整える努力をするということが肝要ではないかと思いますので、先ほど建設省の方から申し上げましたような関係団体に対する要請などもさせていただいて、努力をしているというのが実情でございます。
  47. 実川幸夫

    ○実川委員 今いろいろとお答えいただきました。阪神大震災につきましてはこの辺で終わらせていただきますけれども、とにかく、今お答えいただきましたように、いろいろな面で各省庁に万全を期していただきたい、このように思います。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  先ほど岸田議員からもPL法の質問がございました。これは二十年間懸案であったと思います。きょうも坂本局長お見えでございますけれども、皆さん大変お骨折りをいただいてつくられた法案であったかと思います。現在、経済社会の急激な変化の中で消費者を取り巻く環境も多様化してまいりましたし、また複雑なものになってまいりました。そういう中で、今申し上げましたように、二十年来の懸案でありました製造物責任制度が昨年六月に成立し、いよいよことしの七月一日から施行されることになりました。  この法律は、消費者利益の増進を図るためにも、また新しい時代消費生活を構築していくためにも、あるいはまた消費選択の幅の拡大など、期待されることが多くあります。また、その一方で、製造者にとりましても、この制度を一つの契機といたしまして、商品に安全性と高い価値を見出すことにより、各企業ともいわゆる物づくりの原点に立つということで、大変画期的な制度ではないかな、このように思います。  そこでお尋ねしたいのですけれども、いよいよこの制度が今申し上げましたようにあと半年ということになったわけであります。この法律の中身もいろいろ複雑で、多省庁にまたがっております。今申し上げましたように、消費者にとりましても、また製造業者にとりましても大変よい制度だと理解しておるのですけれども、果たしてこの制度がこの半年間で、今まで半年ありましたけれども消費者の皆さん、また製造業者にとりまして理解しているのかどうか、大変疑問なわけであります。あと半年ありますけれども、施行された時点で今の理解度では恐らく混乱を招くのではないか、そのような感じすらいたします。  いろいろと関係機関あるいは都道府県、マスコミ等を通じてPR活動をしておると思いますけれども、どのような状況になっておるのか、また今後どのようなPR活動をしていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  48. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 実川委員御指摘のように、この法律国民生活の権利義務関係に大幅な変更を加えるというものでございまして、消費者、事業者、双方において限られた時間内に十分に対応していただく必要がある、そのための準備が必要であるというふうに考えております。  こういった点を考えますと、政府におきましても一体的かつ総合的な施策を講ずることが重要でございまして、関係省庁によりその連絡調整を図るため、製造物責任関連七省庁担当課長会議というものを設けまして、頻繁に相談、協議をしているところでございます。したがいまして、今後はこうした会議を通じまして、関係省庁が一体となって施行前後における本法の周知徹底、裁判外の紛争処理体制の整備等を図ってまいりたいと考えております。  さらに、経済企画庁におきましては、国会における附帯決議あるいは実川委員の御指摘等の趣旨を踏まえまして、関係省庁と連携を保ちつつ、新聞、ラジオ、雑誌、テレビ等でたびたび広報を重ねておりますが、さらに、本法を解説したビデオテープあるいはパンフレットを作成して配布しております。  今後も、この七月の製造物責任法の施行に向けまして、消費者、事業者、地方公共団体職員等の参加をいただきながら、フォーラム等を開催するなどによりまして、この法律の周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
  49. 実川幸夫

    ○実川委員 いろいろ機関を通じて今PR活動をしているというふうに局長からも聞いておるのですが、これは実際この正月に私の地元であった話なんですが、ある建設業界の新年会で、建設業界に関係しますがス組合の皆さん、あるいは水道屋さん、またサッシ屋さん、大工さんとかいろいろな業界の集まりの中で、ちょっとした懇談会の中でこのようなことを申していた方もいらっしゃいます。  と申しますのは、今度の製造物責任法、PL法は、いろいろ各党から文書か何かで来ているけれども、この制度は消費者生活者、もちろんそういう制度でありますけれども、その者に最優先にできた制度じゃないか、我々がすべて法的にもひっかかるんじゃないか、ぶつかるんじゃないか、そのように不利な制度じゃないか、そのようなことを質問している方がいらっしゃいました。  そういうこともありますし、恐らくまたそういう皆さん、特に零細企業者の皆さんにとりましては大変不安なように理解していると思いますので、今局長が申しておりましたように、これから徹底的にいろいろな機関を通じてこの制度というものを、こういうものだということをPRしていただきたい、このように思います。  それから、これも先ほど岸田議員からも御質問ございましたように、紛争処理の前の段階、いわゆる大手メーカーはいろいろもう発足されていると思いますし、また準備中とも聞いておりますけれども、一番大事なのは、今申し上げましたように、中小企業者、また零細企業者、こういう人たちが今後この製造物に対しましての賠償責任を負うということで一番大変だろうと思います。  この辺も恐らくいろいろの形で指導していくと思いますけれども、その中で、先ほどPL保険ということを御回答いただきました。これまでありました保険制度がございますね、それと今回のPL保険、近々発売するというふうには聞いておりますけれども、どのような点が違うのか、またその賠償を支払う時点での設定基準、その辺について御質問をしたいと思います。
  50. 鈴木隆史

    ○鈴木説明員 お答えいたします。  中小企業者が製造物責任に基づき賠償責任を問われた場合の保証能力のてん補につきましては、既に民間による損害保険制度が機能しておりますため、これらを積極的に活用するのが基本と考えられます。  現行の損害保険制度に対しましては、中小企業者からはその負担につきまして、保険料の水準が高いとかそういう懸念を抱く人たちも多く、中小企業関係団体からもその対応策を求める声が私どものところにも来ておりました。  このため、中小企業庁といたしましては、中小企業関係団体の要望等を踏まえまして、保険料の低廉な、中小企業者の加入しやすい保険商品の開発につきまして大蔵省等々に要請を行ってきたところでございますが、今般これが中小企業のためのPL保険制度といたしまして大蔵省の認可を得るところとなりました。  今後この制度の活用が十分図られることによりまして、中小企業者、また消費者双方にとってよい製造物責任制度の構築が実現できるものと期待しているところでございます。
  51. 実川幸夫

    ○実川委員 いずれにしましても、あと半年後と迫ったわけでありますけれども、とにかく混乱を来さぬように万全な対策をしていただきたい、このように思います。  次に移らせていただきます。価格破壊についてでありますけれども価格革命とか価格志向とかいろいろ言葉があります。余り価格破壊という言葉は私自身も好きな言葉ではないのですけれども、あえてきょうはこの価格破壊という言葉を使って質問させていただきます。  いわゆるこの価格破壊を招いた原因、いろいろとあろうと思うのです。世間一般で言われておりますバブル経済時期に見られた異常価格の是正、その後の不況によります所得の伸び悩み、またそのような状況の中で消費者生活の見直し、また商品を選ぶ上での能力の向上と、いろいろとあろうかと思います。また一方では、内外価格差についての消費者の皆さんの認識の高まりというものが一番大きな要因ではないかな、このように思うわけであります。そういう中で、今申し上げましたいわゆる価格破壊が急激に進行しております。  そこでお伺いしたいのですが、今後も消費者の購買態度あるいは企業マインド等に価格破壊が少なからぬ影響を与えていくと思うのですけれども、この価格破壊を踏まえて、今後の日本経済の中長期的な経済動向について経済企画庁にお伺いしたいと思います。
  52. 高村正彦

    高村国務大臣 いわゆる価格破壊というのは、実質所得が増加する、家計にはプラスになる、あるいは名目の売り上げが減る、企業マインドに悪い影響を与えるとか、短期的にはプラス・マイナスどっちが多いか、なかなかはかりがたいところがある、こう思うわけであります。  今、内外価格差、国際的に日本物価が高い、こう言われている中で、中長期的に考えれば我が国経済の合理化、効率化に資する、そして消費者利益にもかなう、そういうふうに考えております。
  53. 実川幸夫

    ○実川委員 いわゆるこの価格破壊、これからの日本経済に新しい芽を出してきたのではないか、そのような感じがいたします。この新しい芽をどのように育てていくかはこれからの経企庁の仕事だと思いますので、今後もこれらの動向を見誤らぬように指導していただきたいと思います。  それと、これに関連いたしまして公正取引委員会質問させていただきます。  この価格破壊に関連してでありますけれども、昨年九月に大手化粧品メーカーと特約店との間で紛争が行われておりました。それで、判決が出たわけでありますけれども、東京高裁はメーカー例の勝訴を言い渡していると思います。メーカー側の勝訴でありますけれども、多くの消費者の皆さんの安売りの期待に水を差したのではないか、このようなことも言われておりますし、また、今申し上げております価格破壊に歯どめをかけたのではないか、そのようなことも言われております。  そこで、公正取引委員会にお伺いしたいのですけれども、大手化粧品メーカーが行っております対面販売の義務づけ等の契約も、また価格破壊を抑制するのではないかと思うのですが、このような対面販売の義務づけについて、独占禁止法上の公正取引委員会考え方をお伺いしたいと思います。
  54. 小粥正巳

    ○小粥政府委員 ただいまの委員のお尋ねは、化粧品メーカーが行っている対面販売の義務づけ等の契約について独占禁止法上どのように考えるか、こういうことでございますけれども公正取引委員会といたしましては、平成三年七月に、我が国の流通・取引慣行につきましてどのような行為が独占禁止法に違反するかを明らかにするために、流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針、いわゆるガイドラインを公表しております。  この中で、ただいまお尋ねのような、メーカーが小売業者に対しましていわゆる対面販売を義務づける等その販売方法を制限することは、このような条件であればということでありますが、一つは、商品の安全性の確保あるいは品質の保持等その商品の適切な販売のために合理的な理由が認められる、それから、かつ、ほかの取引先小売業者に対しても同じように同様の条件が課せられている、そういう場合にはそれ自体直ちに独禁法上問題になるものではない、こういうふうにお示しをしております。  しかし、例えばメーカーがそのような販売方法の制限を手段といたしまして小売業者の販売価格等について制限を行っている場合、価格についての制約を課している場合には、これは独禁法上問題になる、今申し上げましたガイドラインの中でこういうふうにはっきりと示しているところでございます。  なお、先生が先ほど御質問の前段でお触れになりました昨年九月の裁判例、これは東京高裁の判決でございますけれども、東京高裁の判決の中では、今の点につきましては、私がただいま御説明を申し上げましたような公正取引委員会のガイドラインで示しました考え方と同様のことが述べられております。  ただ、念のために申し上げますと、この昨年九月の東京高裁判決は、当然のことでございますけれども、民事訴訟法上裁判所に提出された証拠に基づく事実認定が行われたわけでありますから、最終的な判決による判断が当委員会の判断と直ちに一致するわけではもちろんないわけでございます、これはあくまで具体的な問題についての判断でございますから。私が申し上げましたのは、お尋ねの対面販売の義務づけ、これが契約にうたわれている場合に独禁法上どう考えるか、それについての一般的な考え方を申し上げたということで御理解をいただきたいと思います。
  55. 実川幸夫

    ○実川委員 もう一点質問させていただきたかったのですが、時間が参りましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
  56. 大石正光

    大石委員長 青山二三君。
  57. 青山二三

    ○青山(二)委員 新進党の青山二三でございます。  このたびの阪神大震災におきまして、五千三百人を超える方々がお亡くなりになりました。心から御冥福をお祈り申し上げます。  今もなお二十数万人の被災者方々が厳しい寒さと闘いながら避難生活を送っておられることを考えますと、この阪神大震災が我が国の経済、今後の景気にどのように影響を及ぼすかというお話をすることは、被災者方々の将来にとりましては大変重要であり、避けて通ることのできない重要な問題でございます。この大震災が日本経済に及ぼす影響につきましては、先ほど来お話があり、また大臣も所信の中で「企業の生産、物流に当面マイナスの影響があるのは必至である」と述べられておりますけれども、私も同感でございます。  そこで、私からは、日本のGNPの一七%を占め、八十兆円を生み出す日本第二の大経済圏である関西経済圏、この関西経済圏へ及ぼす影響について、短期的所見並びに中長期的分析について、まず大臣にお伺いしたいと思います。
  58. 高村正彦

    高村国務大臣 当面は、物流あるいは生産に打撃を受けておりますので、マイナスがあるのは必至である。しかし、それと同時に、復興の対応についても考慮していく必要があるということは、それは阪神経済圏についてもあるいは日本全体についても同じことが言えるんだろうと思っております。  ただ、まさに阪神経済圏においては、そこに被害が集中しているわけでありますから、その被害の総額がどのくらいになるのかというのが大変重要な要素になるわけでありますが、これについては国土庁で今調査中であるので、遠からず何らかの数字が出るというふうに思っております。
  59. 青山二三

    ○青山(二)委員 今回の被害の総額につきましては、民間の経済調査機関では試算を発表いたしておりまして、その多くは被害総額を六兆から十兆を超えるだろうという予測をいたしております。被害は予想以上に深刻ではないかと思うわけでございます。  大臣は所信の中で、「我が国全体の生産能力を考慮すれば、十分被災地域の復興のための需要にこたえていく余力がある」と述べられております。この見方はやや楽観過ぎるのではないかと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
  60. 高村正彦

    高村国務大臣 我が国経済がこの復興需要にこたえていく余力がないとすれば、それは悲観的に過ぎる見方だと、私はそのように考えております。関東大震災のころと我が国経済というのは全くその大きさにおいて違っておりますし、今の日本経済の生産能力その他において、十分こたえていくだけの余力はあると考えております。
  61. 青山二三

    ○青山(二)委員 それで、被害を受けた地域には製造業が密着いたしておりまして、地元企業のケミカルシューズとか灘のお酒、この地場の中小企業などの生産活動やまた物流の回復に関しまして、税制とか財政、金融の各方面に厚い援助、また救援の手を早急に差し伸べなければならないと考えております。  昨年、本委員会で視察いたしました日本最大の生活協同組合のコープこうべの被害額が五百億円に上っており、売上高が当初予想から三百五十億円減収が見込まれています。さらに、直接被害に遭っていない国民も、戦後最大かつ最悪の被災にショックを受けまして、買い控え等の気持ちが働きまして、消費活動が鈍くなっているというのも事実でございます。  いずれ復興いたしまして、復興需要が経済成長を押し上げるということになるかもしれませんが、当面はようやく回復軌道に乗り始めた日本経済にマイナス効果をもたらし、また、トータルで見てもかなりのマイナスになることが懸念されるのは当然でございます。最悪の状況考えながら、きめ細かな対応と対策を講じるべきと考えますが、経企庁として具体的にどのような対応をされるのか、お伺いしたいと思います。
  62. 高村正彦

    高村国務大臣 経済企画庁マクロ経済ということでありますから、個々の方に対しては通産省、建設省あるいは運輸省、そういったところでしていただきますが、日本全体のマクロ経済における景気がどうなっていくかということについて、私たちは、この復興努力を十分することが結果としてマクロ経済対策にもなる、こういうふうに考えておりますし、逆にまた、マクロ経済をきっちりやっていくことがこの復興需要にこたえていくことにもなる、こういうふうに考えているわけであります。
  63. 青山二三

    ○青山(二)委員 今こそ経企庁が第一の任務である国民生活の安定を守って、企業の復興を助けるためにより具体的な行動が大事でありますので、くれぐれも国民の味方として強いリーダーシップをとっていただきたいと要望しておきます。  それでは、このたび設置されました生活問題一一〇番についてお伺いしたいと思います。  この生活問題一一〇番は、震災に関する生活上の問題、住宅ローンの返済とか賃貸住宅保証金などの相談に乗ってもらえるということで、被害者の方々のこれからの生活の安定のため大変重要なことであります。  そこで、この設置期間を三月の三十一日としているようでございますけれども予算措置などを講じまして何とかせめて半年ぐらいは続けていただきたい、そして日曜日も開設するなどの対応をしていただきたいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
  64. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 委員御指摘のように、経済企画庁といたしまして、震災直後は水、食糧等の確保、これがまず第一だろうと考えました。しかし、その次に発生する問題としては、御指摘のように住宅の問題、あるいは住宅ローン、事業資金のローンの返済の問題、あるいは損害保険の問題、生命保険の問題、こういった問題が生ずるというふうに考えまして、この生活問題一一〇番を設置したわけでございます。  ただ、この設置に当たりましても、できるだけ地元の地方公共団体に御迷惑をかけないようにということで、全国消費生活相談員協会に委託いたしまして、そちらの方々にやっていただいているという実情にございます。  御指摘のように、一応今の予定では三月三十一日となっておりますが、その状況によって、必要があればまたその時点で適宜判断をさせていただきたいと考えております。  それからまた、土曜、日曜でございますが、これは現に相談がございますので、土曜、日曜も開設して相談に応じているところでございます。
  65. 青山二三

    ○青山(二)委員 それでは、よろしくお願いいたします。  次に、大臣に公共料金についてお伺いしたいと思います。  この大震災に国民が目を奪われております震災の二日後に、平均値上げ率一九・七%という大幅な私鉄運賃の値上げが申請されたことに驚いているのは、私一人ではないと思います。  公共料金につきましては、大臣は、一月二十日の本会議経済演説の中で、「公共料金につきましては、昨年十一月の「今後の公共料金の取扱いについて」の基本方針に基づき、個別案件ごとに厳正な検討を加え適切に対処するとともに、情報の一層の公開に努めてまいります。」と述べられておりますけれども、先日のこの委員会の所信のあいさつの中では一言も触れておられません。  公共料金につきましては、羽田前内閣において、物価抑制、内外価格差縮小を通じ、国民の暮らしの豊かさを実現するため、また、景気の回復の後押しのため、今こそ政治の出番であると大英断をいたしまして、値上げを凍結いたしました。しかし、村山内閣において、マスコミや、また国民の批判のある中、値上げ凍結が解除されたわけでございます。  公共料金は国民にとって基礎的、必需的な性格が強いものが多く、値上げに際しては国民生活に及ぼす影響が十分に考慮されなければならないものでありながら、今回、本委員会で触れていないわけでございます。大臣は、そのことを本会議でも演説されましたように御承知のことと思いますけれども、なぜこの本委員会で一言も触れなかったのか、お伺いしたいわけでございます。
  66. 大石正光

    大石委員長 ただいま坂本国民生活局長から、先ほどの青山議員の質問に対して答弁の修正を求められておりますので、大臣の前に答弁の修正をいただいてよろしゅうございますか。
  67. 青山二三

    ○青山(二)委員 はい。
  68. 大石正光

  69. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 失礼いたしました。  先ほどの土曜、日曜の開設でございますが、こちらの方は生活一一〇番ではなくて震災関連消費生活ダイヤルということで、これで土曜、日曜を対応しておりますので、この点、修正させていただきます。
  70. 青山二三

    ○青山(二)委員 はい、わかりました。
  71. 高村正彦

    高村国務大臣 公共料金については、経済演説でも触れさせていただきましたし、この委員会でも触れさせていただいたつもりでありますが、万々が一載ってないとしたら私の大変なミスでありますが、本会議経済演説で触れさせていただいたということで、私が重視しているということは御了解いただきたい、こういうふうに思います。  羽田内閣が昨年五月二十日にされたのは、公共料金の年内一括凍結であります。村山内閣はそれをそのまま継承しております。年内一括凍結はそのまま継承いたしました。したがって、その間に凍結解除というような行為は行っておりません。  それから、一般的に凍結というようなことを行ったときに一番難しいのは、凍結期間経過後の取り扱いというのが一番難しいので、従来の例からいえば、凍結期間経過後、必ず当初の申請以上の大幅値上げになってくるということでありましたが、私たちは、そういうことがあっては絶対ならないということで、実施時期及び改定幅等極力調整させていただいて、凍結期間が切れたから一月一日にみんな上がるんだとか、あるいは当初の申請幅にさらに凍結期間中のコストが上乗せされるんだということがないようにし、幅も当初の申請以上に切り込んで、個別案件ごとに厳正に対処してきたつもりであります。  国民生活者の目からすれば、それは厳しい御批判があって当然だと思いますが、私たちは個別案件ごとにさらに厳しく取り扱っていく所存でございますので、御理解賜れば大変ありがたいと思います。
  72. 青山二三

    ○青山(二)委員 ただいま大臣の御答弁の中で、入っていないとすればそれはミスだ、ミスだったとおっしゃいましたけれども、私、質問するに当たりまして、何度も何度も繰り返し熟読させていただきました。一カ所も入っておりませんので、それでは追加項目として入れていただけるのでしょうか。もう一度御答弁をお願いします。
  73. 高村正彦

    高村国務大臣 今、事務当局にチェックさせておりますが、事務方も入っているはずだ、こう言っておりますし、もし抜けているとすれば、それを追加すること、やぶさかでございません。
  74. 青山二三

    ○青山(二)委員 それでは、政府は今後、申請されているほとんどの値上げを容認するように見えるわけなんでございますが、阪急電鉄において、申請運賃が許可されても、当分の間凍結する方針を決めだということが報道されておりました。民間企業もこうした判断を下しております。やり方によっては公共料金の値上げを回避することができるのではないかと私は思うわけですけれども大臣、いかがでしょうか。
  75. 高村正彦

    高村国務大臣 先ほどの所信の件でありますが、今検討させましたところ、本会議経済演説、それから商工委員会についてはきっちり言っていたわけでありますが、消特委のものについて抜けていたということでありますから、これは何らかの機会にきっちり入れさせていただきたい、こういうふうに思います。  それから、公共料金といってもいろいろあるわけでありますから、十把一からげに公共料金はどうだとか、こういうことではなくて、公共料金の中でも非常によく努力しているところもあれば、必ずしもそうでないところもあるかもしれない。あるかもしれないところについては私たちは厳正に個別案件ごとに審査させていただく、こういうことでありますので、御理解をいただきたいと思います。
  76. 青山二三

    ○青山(二)委員 それでは、具体的なことで、個別にまず郵政省にお伺いしたいと思います。  二月一日よりNTTの基本料金が一六・四%、そして番号案内が現在の三十円が二倍の六十円に値上がりをいたしました。この値上がりに関しては、いかに厳正な検討を加え、また適切な対処をされたのか、お伺いしたいと思います。
  77. 小笠原倫明

    ○小笠原説明員 先生からただいま御質問のございました電話料金の件でございますが、これにつきましては、昨年の三月三十一日にNTTの方から申請があったものでございます。ただいま大臣の方からも再三お話のございましたように、政府全体として厳正に審査をする、それから実施時期や改定幅についても極力調整する、そういう方針のもとに私どもでも検討を進めてきたものでございます。  具体的に申しますと、昨年の七月、政府全体で公共料金の総点検というものをさせていただきましたが、その際、NTTの合理化状況、ちなみに数字で申し上げますと、民営化時三十一万四千人おりましたのが、ことしの年度末には二十万人を割りそうな情勢でございます。そうしたような合理化の状況でございますとか、あるいはサービスの改善状況、例えばディジタル化、つまり、新しいサービスに必要な設備の改善でございますとか、さらには、これまでNTT民営化以降九千億円ほど値下げをしております。そういった状況についても検討を進めさせていただきました。  さらに、具体的な審議につきましては、電気通信審議会というところに諮問をいたしまして審議をお願いいたしましたけれども、そこでは全国四カ所で公聴会を開きまして、地元の皆様方の御意見も承り、さらに、審議会自体としても七回審議をいたしまして、昨年十月にひとまずの答申をちょうだいしております。  その答申におきましては、基本料につきましては、特に小口の利用者の方々に配慮が必要であるということで、住宅用料金の改定幅を圧縮すべきである、それから、時期についても極力配慮されることが望ましいというような答申をちょうだいいたしました。  それを踏まえまして、昨年の十二月九日でございますけれども、NTTの方では、住宅用料金につきまして収入ベースで約二百億円ほどの圧縮、それから実施時期につきましても、当初の十月一日から四カ月延期というような再申請が出されました。  こうしたものにつきまして電気通信審議会にさらに改めて諮問いたしましたところ、これは認可することが適当であるという答申をちょうだいいたしましたので、昨年の十二月二十日でございましたか、私どもとして認可をさせていただいたということでございます。  私ども、以上のような経緯にかんがみまして、今回の検討と申しますか、厳正な検討をさせていただいたと思っておりますし、申請者側、つまり、この場合NTTにおきましても、そうした国民皆様方の御意見を十分に踏まえて、住宅用料金の圧縮その他適切な配慮をしたものというふうに考えております。  以上でございます。
  78. 青山二三

    ○青山(二)委員 それでは、運輸省の方にお伺いしたいと思いますが、今回の私鉄運賃の値上げに関しましては、凍結解除後初めての申請でありますので、慎重に扱わないと、公共料金値上げラッシュの引き金になるということが懸念されるわけでございます。  そこで、値上げの根拠、内容をどう把握しているのか、お伺いしたいと思います。
  79. 岩崎勉

    ○岩崎説明員 御答弁申し上げます。  先生今御質問の大手民鉄運賃の値上げでございますけれども、旅客鉄道運賃につきましては、これまで、できる限り現行の運賃水準を維持するために各般の経営努力を尽くすように指導してまいったところでございます。  しかしながら、大手民鉄各社ともに、その経営環境を見ますと、昨今におきます混雑緩和のための輸送力増強、あるいは安全対策、あるいはサービス向上のための積極的な設備投資というものを計画的に実施しております。これに伴いまして資本費負担の増大ということがございまして、厳しい局面に立ち至るという状況でございます。平成七年度の見込みでは、いわゆる収入不足が、十四社計でございますけれども、約千七百億円という状況でございます。  こういう状況のもとで、もちろん各社ともさらなる経営の合理化、効率化ということに努めていくこととしておりますけれども、これからも計画的に設備投資を進めることによりまして、より良質な輸送サービスを提供していくためには、やはり可及的速やかに収支の改善を図る必要があるということで、一月の十九日に十四社平均で平均改定率一九・七%の運賃改定に及んだもの、こういうふうに受けとめております。
  80. 青山二三

    ○青山(二)委員 今るる御説明いただきましたけれども、公共料金につきまして似国民の批判が大変高まっているときでもありますし、また阪神大震災のこのような大きな災害を受けたときでもあります。今いろいろな値上げについて研究もされているというときでもありますので、しばらくの間凍結すべきだ、私はこんなふうに思いますけれども、もう一度御答弁をお願いいたします。
  81. 岩崎勉

    ○岩崎説明員 先ほど、一月十九日に申請を受理をいたしまして、私ども運輸審議会に諮問をしております。  運輸審議会におきましては、三月の中旬でございますか、運輸審議会として公聴会を現地で開催するということで、官報公示も既に行っておられるところでございますが、もとより公共料金の取り扱いにつきましては、大臣の御答弁にもございましたけれども、昨年の十一月十八日の閣議了解の趣旨を体しまして、本事案につきましても私ども慎重に審査し、厳正適切に対応してまいりたい、こういう所存でございます。
  82. 青山二三

    ○青山(二)委員 この不況がまだ抜け切っておりません今日、また追い打ちをかけるようなこの大震災で、国民生活は本当に脅かされております。  また、このような状況の中で民間企業はと申しますと、血のにじむようなリストラで経営の合理化を進め、いわゆる価格破壊が進む今、公共料金だけが例外視されてよいはずがないわけでございます。円高を背景に内外価格差が拡大し、特に割高な公共料金が問題となっている今日、国民感情としても値上げが許されるはずはありません。我が党としても、民間のリストラ努力に対応した徹底的内部改革に取り組むとして五年間の公共料金値上げ凍結を提案いたしておりますが、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
  83. 高村正彦

    高村国務大臣 先ほども申し上げましたように、公共料金といって十把一からげにとらえるのは私は必ずしも適切でない。それぞれ公共料金に係る事業体でも、一般の民間と同じように血のにじむような努力をしているところもあるし、そうでないところもあるかもしれない。それぞれ個別具体的に審査していくのが本来の建前であるし、そうしていかなければいけない、こういうふうに思っております。  長期にわたって一律に公共料金の引き上げ実施を見送ることは、事業の収支を悪化させて、国民生活に欠かすことのできないサービスの安定的な供給を困難にすることもありますし、また、先ほど述べましたように、後により大幅な料金改定が必要となる可能性もありますし、あるいは、社会主義国などでよく言われているわけでありますが、経済全体の適正な資源配分をゆがめるおそれもあるということで、それぞれ公共料金に係る事業体についてもいろいろあるわけであります。それを十把一からげに一括凍結だ、しかも五年間にわたってというのは、一見人に優しいようであっても責任ある政治とは言えない、私はそう考えております。
  84. 青山二三

    ○青山(二)委員 大臣のお考え、よくわかりました。  それでは、最後にお尋ねいたしますけれども、今回の阪神大震災に遭遇して思いますことは、今までは余りにも経済重視、開発優先に重点を置いた町づくりが進み過ぎてきた。ですから、各界からも指摘がありましたように、今後は暮らしやすく、安全で災害に強い町づくりという、言いかえれば環境重視の町づくりの政策経済政策においても主な柱として取り入れるべきではないかと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたしまして、これで最後の質問とさせていただきます。
  85. 高村正彦

    高村国務大臣 公共料金につきましては先生と若干意見が異なるところもありましたが、今の点においては全く意見が同じでございます。  現行の経済計画にも「環境と調和した内需主導型の経済構造を定着させる」、こう明記されているところでありますが、新たに総理から新計画の諮問があったところでありますから、その中にも当然地球環境問題への対応、あるいは災害に強い都市づくり、そういったことも含めて経済審議会に御審議いただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  86. 青山二三

    ○青山(二)委員 大変ありがとうございました。これで私の質問を終わらせていただきます。
  87. 大石正光

    大石委員長 この際、休憩いたします。     午後零時八分休憩      ————◇—————     午後二時五十六分開議
  88. 大石正光

    大石委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。赤松正雄君。
  89. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 質問に入らしていただきます前に、阪神大震災からあと三日で一カ月がたちます。改めましてここで亡くなられました五千三百人を超える方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災者の皆さんに心よりお見舞いを申し上げます。また、関係者の皆さんの日夜の奮闘に心より感謝を申し上げる次第でございます。  さて、きょうの朝からこの消費者問題特別委員会でさまざまな議論が展開をされてまいりました。私も聞かせていただいておりましたが、経済企画庁という役所の所管する委員会ということでもあり、先ほど来大臣マクロ経済というお言葉を盛んに繰り返しておられました。  そういう経済企画庁という立場はわかりますけれども、私自身兵庫県選出の議員であり、かつ、私事で恐縮でございますけれども、今までは長田(ながた)というのを長田(おさだ)と呼ばれたりしておったのですが、私は長田区にあります長田高校の出身でございまして、いわば見なれた風景、見なれた地域、それが本当に焼け野原になってしまっている。そういった状況を目の当たりに連日地元に帰るたびに見まして、頭の中はほとんど震災のことでいっぱいでございます。  きょうの朝の議論を聞かしていただいて、大変申しわけない言い方ですけれども、この場の議論は少し遊離しているのかなという印象が否めません。もちろん専門、専門がございますし、長官のお立場はございますけれども、私がこれから幾つかの質問をさせていただきますことにつきまして、経済企画庁は直接関係ないからとおっしゃらないで、重要閣僚のお一人である長官でございますので、御私見で結構でございますので、さまざまな私見を聞かしていただきたい、そんなふうに思う次第でございます。  まず、先ほども申し上げましたけれども神戸・長田の地域で青春の一時期を暮らしました人間にとりまして非常に印象に残っておりますのは、私、昭和三十九年に高校を卒業したのですけれども、ちょうどその三十九年ごろから四十年代にかけて、神戸の町というのは、今回の震災は直接ありませんでしたけれども、ありませんというのは被害がそう多くは出なかったという意味ですけれども神戸の一番西の、昔は垂水区と言っておりました、今は西区と言うのですけれども、この神戸の最西部、明石とかと接触している地域、六甲山系のいわば西の端になる地域の山を取り崩して、その土砂を神戸港に持っていって、神戸港の港を埋め立てて、ポートアイランドでありますとかハーバーランドでありますとか、一連の神戸港湾周辺の整備をした。  私は、実は昭和五十六年に一たん仕事の都合で関西へ戻るわけですが、非常に印象的だったのは、私が東京に出ます前、昭和三十年代最後半と帰ってきた五十年代半ばで神戸の姿は一変をしていた。今申し上げましたように、六甲の山が切り崩されて、沿岸地域が広がって、神戸の港の周辺が見違えるような形になっていたということが極めて印象的でありました。  ある意味で神戸市、私の先輩が市長を長くやっておったわけですけれども、株式会社神戸市と言われるように、今申し上げたようなことを象徴的に、すさまじいまでの開発をしてきて今日がある。いわば、高度経済成長日本のある意味の代表的な部分神戸だっただろうと思うんですけれども、それが、先ほど来申し上げておりますように、また、皆さんそれぞれのお立場で実感をしておられますように、完全に壊れてしまった。  せんだっての土曜日、神戸に行ったわけですけれども、そういう焼け野原、マンションが崩れている、普通に見ても、まともに建っている建物がどうも曲がっているように見えるというふうな状況神戸の町を、私、三宮から長田の方まで歩きまして、しみじみと考えました。住民の命と暮らしを守らずして何のための政治であり、経済発展と言えるんだろうかというふうな思いを強くいたしました。  冒頭、大臣神戸に行かれたというふうに聞いておりますので、今申し上げたようなことを踏まえまして、現在のこの震災、先ほどの本会議におきましてもほとんど震災一色のやりとりでありましたけれども、そういったことに対する経企庁長官の今の御感慨を聞かしていただきたい、そう思います。
  90. 高村正彦

    高村国務大臣 ただいまの赤松委員の御質問にお答えする前に、午前中の青山委員の御質問に関連して一言発言させていただきたいと思います。  公共料金の取り扱いについての政府の方針につきましては、午前中の御審議の中で、経済演説及び商工委員会におけるあいさつの中で言及いたしましたと申し上げましたが、経済演説だけでありまして、その点については訂正させていただきます。  今国会経済演説でも申し上げましたように、公共料金につきましては、昨年十一月の「今後の公共料金の取扱いについて」の基本方針に基づき、個別案件ごとに厳正な検討を加え適切に対処するとともに、情報の一層の公開に努めてまいる所存でございまして、本消費者問題等に関する特別委員会の場でも、この点につき改めて明確に申し上げておきたいと思います。  今の赤松先生のお話でありますが、まさに政治は何のためにあるのかと、五千数百人の方が亡くなられたということで、大変重く受けとめているわけであります。取り返しのつかない点は取り返しのつかない点といたしまして、将来について少しでも災い転じて福となすというところがあるとすれば、この中から、単なる復旧ということ、旧に復するということだけでなくて、新しい自然災害に強い都市をつくる、そういうことが大切なのではないか。  そして、先ほどから申し上げておりますように、そういうことをすることに応ずる力は我が日本経済全体の力の中にあるわけでありますから、そういったことをきっちりやっていくことが大切である、こういうふうに考えております。
  91. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 今大臣が、旧に復するのではなくて新たなる展開をと、将来に向けての、復旧じゃなくて復興をというふうなことをおっしゃったと思います。  今、神戸中心とする今回の震災を受けた地域でもさまざまな将来復興計画が出されつつありますけれども、私がちょっと気になりますのは、神戸や兵庫やあるいはそういう地方自治体が出すプランニングと、それから国が出すさまざまな計画と、その辺がばらばらになって調整がつかないというふうなことにならないようにする必要がある、こんなふうに思います。  神戸は、神戸製鋼とかあるいは川崎重工業、こういった重厚長大型の産業がありますと同時に、また、長田区とかの先ほど来語が出ていますいわゆるケミカルシューズ産業、極めて零細な企業が多いわけですけれども、そういった地域、そして、いわゆる灘の生一本主言われるような酒屋さんたち、こういった地場産業等が混在しているわけですけれども、この際、こういう機会に、改めて神戸のそういう産業配置の見直しをというふうな主張をする向きもあります。  短期的に、あるいは中期、長期的にさまざま打つ手はあろうと思うのですけれども、今申し上げたような、今の時点でおっしゃりづらいというか、そういうことは言うべき筋合いのものじゃない、こう思われるかもしれませんが、そういう産業配置の見直しということに関しまして長官のお考えを聞かしていただきたいと思います。
  92. 高村正彦

    高村国務大臣 私見でいいから答えろということでありますので、そういう前提のもとで答えさせていただきたいと思いますが、復興の青写真をかくのは、あくまで第一義的に神戸市なり兵庫県である。そして、それに対して国は、その持てる経済力その他を使って全面的にバックアップしていくということだ、こういうふうに思っております。  そして、そのバックアップの一つに、やはり復興委員会みたいなものをつくって、そして神戸市長なり知事なりにも入っていただいて、その中で、神戸市なり兵庫県がやるわけでありますが、そのもろもろの経済力その他とともに知恵も一緒に出していく、こういう形になっていく。ただ、第一義的には、国が勝手に青写真をつくって押しつけるということではないんだろう、こういうような感じを私は持っております。
  93. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 兵庫県知事の貝原知事もまた神戸市長も、それぞれに名立たる県知事であり市長であります。今大臣おっしゃったように、地元の意見を尊重するという前提のもとにお互いに知恵を出し合って、すばらしい神戸・阪神地域の復興に尽力をしていただきたい、そう思う次第でございます。  ところで、経済企画庁としての直接的なこの震災に対する対応というものは、私が聞いている限りでは、例えば物価一一〇番ですか、それからパソコン通信での苦情受け付け、こういうものかなと思っていたんですが、あと生活問題一一〇番と、ちょっとその辺がはっきりしないのです。先ほど、午前中の青山委員質問に対して、局長でしたか、何か訂正をなさいましたね。そのときに出てきたのは緊急何とかとかおっしゃっていましたが、その辺のところをちょっと整理をして教えていただきたいと思います。
  94. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 二つございまして、一つは、青山委員御指摘の生活一一〇番でございます。これは全国消費生活相談員協会にお願いいたしまして、大阪で電話相談あるいは面接の相談を受けている、こういうものでございます。  それから、国民生活センターを中心といたしまして実施いたしておりますのが震災関連消費生活ダイヤルでございまして、これは地方の消費生活センター等の協力を得ながらネットワークを組んでやっている。こういう二つで対応しているところでございます。
  95. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 物価一一〇番というのは、今回の震災とは関係なしに日常的に置かれているものですか。
  96. 谷弘一

    ○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  一一〇番につきましては、以前のあの狂乱物価のときに一一〇番ということで、全国的に物価についていろいろのお問い合わせ、苦情等あれば常時受け付けるという形でやっておりますが、今度は震災が入りまして、各省にもこれを設けるように、あるいは現地でも即応できるようにということで支援をいたしました。
  97. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 そうしますと、先ほど坂本局長おっしゃった国民生活センターがやっている震災関連消費生活ダイヤルですか、これは例えば神戸の住民が、被災に遭われた人が電話をするということですね。その電話先というのは東京なんですか。なんでしょうね。  私の宿舎に入ってきておりました「今週の日本」の特別号で、「兵庫県南部地震被災者の皆さまへ」という「政府各省庁の緊急対策の内容」というのが八ページにわたって掲げられたのを見まして、経済企画庁のところを見ますと、「物価ダイヤル等活用を」という中の電話番号、これはまた別なんでしょうか。要するに、今おっしゃったのは、政府の今回の被災者の皆様に対する緊急対策の内容に入っていないと思うのです。
  98. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 先ほどの国民生活センターの電話でございますが、これは東京ではございませんで、地元で連絡をさせていただいている、そのために国民生活センターから職員が向こうへ常駐しでいるということでございます。
  99. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 わかりました。  今回の震災に対して経企庁として置かれたそういう緊急のダイヤルに現在まで寄せられたもので、幾つかの特徴があろうかと思いますけれども、かいつまんで、全体像と、その中で特徴的なものがあれば教えていただきたいと思います。
  100. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 二つとも大体同じような傾向でございますが、生活一一〇番の方でございますけれども、現在まで全体件数で五百件程度ございまして、大体半分、四九・五%、二百四十件が住宅、不動産関係でございます。それから救援対策というものが二割くらい、あるいは保険、金融というものがございます。雇用がございます。そういったものが中心でございます。  それから、国民生活センターの方でございますが、これもやはり住宅問題というのが半分程度でございます。そのほか、いろいろな面で罹災証明がほしいとか、義援金はどうやったらもらえるのかとか、行政サービスのところでどうやったらいいのかとかいうような点、あるいは家電製品はどこでどうしたらいいのかとかいったぐいの非常に多岐にわたった内容になっておりますが、いずれにいたしましても住宅問題というのが大半、半分程度ということになってございます。
  101. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 今のお話、経企庁が設置をされた国民生活センターをキーステーションにするところの電話には恐らく上がってこないのだろうと思うのですが、私なんかが接触をする皆さんからの声は、何というのでしょう、現時点にかかわる生きていく上での厳しい話というのが大変多うございます。  余り時間もありませんので、なかなか言うのは難しいのですが、例えば一例を挙げますと、これも直接は経企庁マターではないのかもしれません。ぜひ関係のところに言っていただきたいと思うのですが、私たちは通常こうやって被災地から離れておりますと、一カ月くらいたちますと、いわゆる避難所の皆さんの生活というのはだんだんよくなってきているというふうに思いがちだろうと思うのです。現に新聞とかテレビなんか見ていますと、ひところに比べると安定してきたとか落ちついてきたというふうな表現が見られるのですが、実際はそうではないということがあります。  例えば、神戸市内には五百カ所の避難所があります。大体一カ所平均四百人、約二十万人。一万人くらい切って神戸市内の場合は十九万くらいだということですけれども、そこに避難しておられる方々の食事、一例でございますが、一体どんな食事を食べておられるのかをちょっと聞いてみたいような気もするのです。まあやめておきますが、朝はパンが二個、牛乳一本、昼はなし、夜はよくてお弁当。時には朝パン一個、牛乳一本、昼抜きで夜は豚汁一杯。  私は、最初そういう話を聞いたときに、うそだと思って、そんなことはあるわけないというふうに思って、神戸の東京事務所と兵庫県の事務所にその後問い合わせましたけれども、実情はそういうことだと。お昼のなしというのは、皆さん、昼、現場にいません。いる人もいるけれども、自分のおうちへ帰ったり、さまざま動いていますから、昼はつくると余ってしまうのでつくらない。自主的ないわゆるボランティアに任せられている、こういうふうな状況があるわけでございます。  私たちの仲間で現場に東京から行った人で、本当にこんな食事ではかわいそうだ、こちらにいて何とかできないのかというふうなことがありまして、いろいろ自治体の方に確認をしますと、いずれにしても二十万人、一食千円で二億円かかるのです、昼が抜きでも夜で四億円、一日にかかるのです、現状からしますとこれが精いっぱいです、こういうふうな反応が返ってまいりました。この辺のことにつきまして経企庁長官、どう考えられますでしょうか。
  102. 高村正彦

    高村国務大臣 先生の御指摘は私も頭の真ん中に入れさせていただきまして、関係各方面にいろいろお話をしてみたい、こういうふうに考えております。
  103. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 今、私は自身の経験と問題意識と、それから実際に行った人から聞いたお話を申し上げたのですが、実はその直後に、地元の神戸の灘区の神戸大学農学部の避難所でもってボランティアの活動をしている学生から「炊きだし資金カンパのお願い」というのがやってまいりました。この中身につきましては、まさに私が申し上げた、最初うそではないかと思ったということを文字どおり裏づけている内容でございます。  これを読む時間がありませんので読みませんが、要するに、私たちの、神戸大学の学生ですが、炊き出しボランティアが食材と人手と燃料、かまを持参して駆けつけるしかないのです、今、避難所で六甲おろしの寒さに震えている病弱者やお年寄りの方々が一番望んでいるのは温かい一杯のみそ汁です、こういうふうなことが書かれているのです。  私は、実は、さっき青山委員でしたでしょうか、実川委員でしたでしょうか、の質問に答えられた農水省の方が、生鮮食料品が十分に行き渡っているというお話をされたのを聞いていて、生鮮食料品は現地に行ったとして、その被災している二十万人の人が生鮮食料品を食べるというようなシステムに今なっていないし、先ほど申し上げたように菓子バンと牛乳と冷たいお弁当を食っているわけですから、非常にそういうことがむなしく聞こえたわけなんです。  それで、もう時間もありませんので一々申し上げませんが、こういったことと、それから、大臣がせんだってのこの委員会の冒頭で所信のごあいさつをなさいました。その中で、今のことと関連するのですけれども、五ページの冒頭のところに「兵庫県南部地震災害においてボランティアの活動が注目されるなど」というふうに、ボランティアのくだりがございます。ボランティア問題に関する関係省庁連絡会議を設置する、支援方策を検討していく、こうあります。  経企庁が考えておられるこのボランティア問題に関する関係省庁連絡会議を若干説明していただくとともに、今申し上げたような、例えば神戸大学の学生たちが集まって、校長先生やあるいは学校の先生やその地域人たちが集まって、緊急にボランティアをやっているのとどうかかわってくるのかという、その辺のお話を聞かせてください。
  104. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 私ども経済企画庁は、官房長官から御指示をいただきましたが、今回の罹災者のために働いているボランティアの方々ということに限定することなく、むしろボランティア一般、それは環境問題もあり、国際的なところで働いておられる方々もあるし、福祉もあり、いろいろな面がある。  ところが、現在、正直に申しまして、このボランティアの関係所管する役所がない。そういう中で、ボランティアが法人格を持たないために財産の帰属がはっきりしないという問題もある。あるいは、そういった立派な公益活動をしておられるボランティアに個人が寄附をされても、控除の対象にならないというような問題もある。したがって、一体ボランティアというのはどういうようなボランティアがあるのか、海外ではどういうようなそういったボランティアに対する制度があるのか、そういうことをじっくり腰を据えて、できるだけ早く立派な成案を得てほしいということでございます。  したがって、直ちに震災のためのボランティアの方々ということではなくて、もっと幅広く、奥深くという御指示をいただいて、現在、関係十八省庁で集まって相談をしているところでございます。
  105. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 要するに、ボランティアに関しては、今回の大震災が起こって初めて政府としては、今の政府だけを責めるということもならないのですけれども考え出した、こういうことなんですね。でもないのでしょうか、長官。
  106. 高村正彦

    高村国務大臣 後で詳しく政府委員から答えさせますが、かねて国民生活審議会等で、ボランティアに対して公はいかにあるべきか、支援、環境整備、どうするべきかというような検討はしていたわけでありますが、政府全体として必ずしも一つの取り組みにならなかった、こういうことでございます、非常に広い分野にわたるものでありますから。  今度の地震災害に対して、ボランティアの方たちの活躍ぶりは、まさに本当に涙が出るほどありがたい大活躍をしていただいている。そういう中で、それぞれがそれぞれの検討はしておりましたが、政府全体としてボランティア全体をやろうという機運は、こういったことも一つのきっかけとなって、今まで全く研究してこなかったというわけではないわけでありますが、政府全体として取り組もうという機運になった、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。  政府委員から答弁させます。
  107. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 わかりました。  私、身体障害者の集まりとのかかわりを長年持っておりまして、その人たちをボランティアするメンバーと会う機会がしばしばあったわけですけれども、彼らの意見を聞いてみますと、こういう震災があって初めてボランティアは世の中に大きく注目をされる。もちろんボランティアにもいろいろな種類があるわけですけれども、余りにも遅きに失する。だけれども、遅くても、こうやって世の中全体が、政治がボランティアに目を向けてくれることはありがたいことだというふうなことを言っていたことを付言をさせていただきたい、そのように思います。  時間がだんだんたちましたので、運輸省の方に来ていただいておりますので最後に質問します。  神戸は言わすと知れた世界有数の貿易港なんですが、今回壊滅的な打撃を受けました。また、大臣の所信の二ページのところにありますが、「物流、インフラ等を見ましても、その被害の大きさにもかかわらず、復旧に向けた努力が成果を生みつつあり、一部では暫定的な迂回路が設定されるなどの措置が講じられております。」と、先ほど青山さんでしたか、おっしゃっていたのですが、私も同じように、このくだりを読んで、少し楽観的に過ぎるのではないのかなというふうな気がいたします。  そして、暫定的な迂回路について、陸の方は、私なんかは東京へ出てくる場合に実際に中国縦貫道を使って来ておりますので、陸の迂回路はわかるのですが、海の方の迂回路等についてわからない部分が多いもので、聞いてみたいと思っております。  一個ずつ分けて質問しますと長くなってしまいますもので、かいつまんで申し上げますが、要するに神戸港が大きな打撃を受けた。神戸港は日本の輸出入の三割ですか、大変多くの分量を扱っている。その物流をさばくための手だてがどういうふうに今なされているのか。そのことが国際的な海上物流にどういう影響を与えるのか。また、海上輸送が陸上に振りかえられると陸上のコストの上昇が懸念される、こういうふうなことが指摘をされております。この陸上輸送の問題を克服するために、いわゆるフィーダールートというのですか、そういったことが考えられてしかるべきだ、こういうふうな指摘があるのですけれども、まとめて申し上げましたが、今申し上げたようなことについて現状を聞かせていただきたい。
  108. 磯田壯一郎

    ○磯田説明員 運輸省から今の御質問の件についてちょっと御説明をさせていただきます。  先生おっしゃいますように、三割のコンテナを中心とした貨物が今入れないということでございまして、これにつきましては、当然のことですが、まず代替の港というのが必要になる。とにかくどこかの港に運んでこられたコンテナを受け入れていただかなければならない。それで、実は東京を初め横浜、それから大阪、名古屋等のいわゆる主要港と呼ばれます港に受け入れのためのいろいろな関係者の集まり、連絡協議会をつくりまして、ここでとにかく受け入れていただく、こういう態勢をまずつくりました。積極的に受け入れるために、夜間も、それから日曜も荷役をやっていただく、こういう態勢もとっております。  入ってまいりましたものを今度は実際に荷主のところへお届けしなければならぬ。荷主の皆さんへお届けするのに今現在どういうふうにやっているかと申しますと、ありとあらゆる手段、鉄道もございます、それから内航海運もございます、それからトラックもございます、ありとあらゆる手段を動員をして、とにかくお客様のところへ問題がないように届ける、今そのために一生懸命やっている最中でございます。  先生おっしゃいましたような海を使うルートの関係でございますが、この関係で申しますと、内航海運だけで運んでまいりますとやはり不足する部分がございます。それにつきましては、実はカボタージュという、大変専門的な言葉で恐縮でございますが、外航船、本来日本の船でない船、これを日本国内の輸送に使う。これは特許を与えます。そういう制度も活用をいたしまして、具体的に海を通じて、あるいは陸を通じて、それから鉄道を通じて、とにかくお客様のもとへ届くように今最大限の努力をやって、一応何とか届いている、こういう状況でございます。  今の外航船というのは、要するに、外国の船を本来ですと日本国内の輸送に使ってはいけないわけでございます。それを特例で、特許をいたしまして日本国内の輸送に使う、それによってコンテナを運ぶ、こういうことまでやって今輸送しておるというのが現状でございます。
  109. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 時間が来たのですが、申しわけありません、もう一問だけお願いいたしたいのです。  そこで、例えば私の地元の話で恐縮なんですけれども、長田のケミカルシューズのところに靴の製品を送り出す。もちろん長田だけでなくて東京にも、牛乳なんかのいわゆる原皮を輸入して、それを第一次加工したものを長田へ持っていったり、あるいは東京へ持っていったりする産業が私の地域には圧倒的に多いわけですけれども、その業者の皆さんが、もう一カ月たっても神戸港に原皮が来ないということで、大変に今難渋をいたしております。もうはや倒産をしかねないという企業があるわけでございます。その人たちの要望としては、大阪湾に船を入れて、そこからフィーダー船で姫路港にと、こういうふうな要望があるのですが、例えばこういうことは可能なのでしょうか。
  110. 本保芳明

    ○本保説明員 ただいまの御質問に御説明をさせていただきたいと思います。  先ほどもどもの担当課長から御説明申し上げましたように、具体的に海上でこういう形で荷物を運びたいというものが出てきましたら、大変例外的ではありますが、外国籍の船を使った内航輸送も許すということでやっておりますので、今先生からお話がありましたようなものについて具体的にこんな形で運びたいという話がありましたら、これを検討してまいりたいと思っております。
  111. 赤松正雄

    ○赤松(正)委員 わかりました。  以上で終わります。ありがとうございました。
  112. 大石正光

  113. 小野晋也

    ○小野委員 先日の阪神大震災は、死者五千名を超える大変な災害となりました。亡くなられました方の御冥福をお祈り申し上げますと同時に、被災されました皆さんにお見舞いを申し上げまして、一日も早い御復興を心からお祈りを申し上げたいと存じます。  先ほどは被災地御出身の赤松委員から、生活の身近なところの問題、産業の問題、本当に被災された方々の心情を受けとめられた御発言がございました。私自身は愛媛県の東部の出身議員でございまして、古くから神戸とは、経済面でも、また生活側面でも非常に御縁の深い土地でございます。  私も先日、神戸の町を歩きながら、これほどまでの災害というのがわずか数十秒の地震によって引き起こされるのだろうかと非常に驚愕をした次第でございます。町を歩けば傾いたビル、そして焼け落ちた建物、避難所に参りますと、たくさんの人たちが希望を持てないようなうつろな目であふれ返っている姿、こういう状況を見るにつけまして、国会立場からも、力を合わせ、本当に被災地の皆さんの気持ちに立つ対応をとっていかなくてはならないと心新たにした次第でございます。  そこで、考えてみましたときに、今政治の側面に求められる課題というのは、大きく申しますならば、恐らく現段階では二つあるのではなかろうかという気持ちがいたしております。  一つは何かと申しますと、先ほど来も仮設住宅の問題等、生活の基盤になる施設整備の問題が取り上げられておりました。また、ライフラインの整備、復旧の問題、そして日常の食事の問題、また交通手段の回復の問題、さまざまな課題がございますけれども被災地の皆さん方の生活の基盤をしっかりと回復させるという問題、これは何をおいても早急に取り組んでいかなくてはならない問題だと考えております。  そして、それに加えまして、これから地域が復興を果たしていくためには、復興のためのポジティブな地域の中におけるサイクルと申しましょうか、例えば経済の面においては、地域経済がうまく回っていくような仕組みをつくり上げていくというようなことが、これから政治の舞台の大きな仕事として求められているような気がしてならないのでございます。  このようなことを通しまして、被災を受けて大変な状況に至っている阪神地域ではございますけれども考えてみれば、我が日本の国も、第二次世界大戦を終えたときに、国土の多くの部分が焼け落ちて、食べ物もない、住む場所もない、そして着る服にも事欠くような状況から、五十年の月日の間に立ち上がった私たちでございます。  今回の災害の場合は、今先ほど大臣もお話ございましたとおり、阪神地域にいろいろな災害は引き起こされましたけれども、幸いにいたしまして、それ以外の日本の各地域は被害を受けたわけではございませんし、経済活動も、その地域にかかわる部分には多少の問題を持つといたしましても、大きな部分においては支障なく動いている今の状況でございますから、戦後復興に比べれば、これからの復興は幾分がはたやすかろうというような気持ちがいたしますので、希望を失わず、政治が力を注いで、地域の復興の一日も早からんことを私の立場からもお祈り申し上げ、皆さんの御奮闘をお願い申し上げたいと思う次第でございます。  ところで、被災地を歩きながら私が感じましたのは、倒れた家屋が随分多いということでございました。ある商店街を歩いてみますと、倒壊にまでは至らないけれども、その入り口には立入禁止の札が張られている商店がずらっと並んでいるというような商店街もございました。  その姿を見ながら、これは住宅問題がこれからの復興の中において地域の非常に大きな課題になるなということを直感した次第でございます。テレビ等を拝見しておりましても、多額の住宅ローンを借りて新しい家を建てたけれども、その家の借金がまだほとんど払えていない状況にもかかわらず、倒壊をしてしまったというような方の悩みの声を流している番組もたくさんございます。  その状況を見ながら、今回の被災によりましてすべてを失った気持ちになっている被災者方々の中には、もうこの際、いろいろな借金をすべて帳消しにして、ゼロから人生を再スタートしたいと思う方が出てこられたとしても不思議ではないと思うのでございます。天災によって多くの借財を抱えられた方々が、これから自己破産の申請に向かわれるケースもふえてくるのではなかろうかということを案じているわけでございますけれども、このようなケースが生じましたときにどう対応されようとしておられるのか、そのあたりの御所見をお伺いさせていただきたいと存じます。
  114. 坂田隆史

    ○坂田説明員 私ども住宅金融公庫の担当をさせていただいております。  住宅金融公庫の場合、既に住宅金融公庫から資金借り入れを行っておられる方につきましては、罹災の程度に応じまして、最大で三年間の元利の払い込みの据え置き、それから償還期間の延長、そういう措置を行っております。さらに、据置期間中の金利につきましては、最大で一・五%まで引き下げるというような、現行制度では可能な限りの救済措置を講じているところでございます。  公庫融資は、有償の資金を調達して融資を行っているということでございますし、なおかつ長期にわたって返済をしていくというような性格もございます。自己破産された場合につきましては、一般の金融機関もそうでございますけれども、破産の手続でありますとか抵当権の実行でありますとか、そういったことになろうかと存じます。  自己破産というようなことになりますとなかなか大変なことでございますので、こういうことが起こることがないように、お申し出がありました場合には、救済措置等についてはできるだけ弾力的な取り扱いをいたしてまいりたい、かように考えております。
  115. 小野晋也

    ○小野委員 続きまして、物価問題について幾つか御質問させていただきたいと思うわけでございますけれども、まず第一点は、先ほども指摘がございました、今回経済企画庁の中に設けられましたパソコン通信による苦情受け付けの問題でございます。  こういう災害が起こりましたときに問題になりますのは便乗の値上げで、この機会にいろいろなものを高く売り抜けてやろうというような人たちが出るのではなかろうかというようなことが危惧されたわけでございます。それに早速に対応されまして、このような苦情受け付けの取り組みを進めていただいたわけでございますが、私もいろいろなケースを見てまいりました中で、パソコン通信を活用されて皆さんの苦情を吸い上げてやろうというような取り組みは、国の機関では恐らく初めての取り組みではなかったろうかという気持ちがいたしております。  新しい取り組みでありますだけに、いろいろないい点もあれば、こういう点は問題だったなというようなこともあっただろうと思いますけれども、それを行いました結果、どの程度の件数の苦情が寄せられて、どういう特質を持った相談が多かったのか、この点についてお聞かせをいただきたいと同時に、今のところ判断される中で、パソコン通信活用ということについてのメリット、デメリットについてどういうふうにお考えなのか、この点についてお聞かせをいただきたいと存じます。
  116. 谷弘一

    ○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  パソコン通信につきましては、物価一一〇番と同じように、直接被害地の方、あるいは全国的に新聞等の情報を踏まえて問題があるというような御指摘もございまして、生の苦情というか、物価問題だけではなくて、かなり考えてからパソコン通信に入れてくるというような情報、データが多うございまして、したがって、ここで上がっているよというような生のものよりは、こういうことを聞いたけれどもとか、新聞に出ていたけれども自分もこう思うとか、そういうやや積極的と申しますか、対応を考えてくれ、こういう感じの情報が多いように思います。  これまでの実績でございますけれども、数の上ではまだ九件というような数字が上がっておりまして、その中では、テーマとしては家賃等についての御意見、したがって、苦情というよりはやや意見に近いような感じで我々は受け取っております。  これも我々初めてのことでございますので、今後こういうような手段をどのように使っていくかというのは、もう少し集まったところで、どういう情報の種類としてこれを活用したらいいのかというようなことを改めて検討したいとは思っております。
  117. 小野晋也

    ○小野委員 それから、物価に関しまして第二点目でございますけれども、当初、被災地物価が随分上がるのではなかろうかというような危惧を私ども持ちました。しかし、実際に調査をいたしました結果を見せていただきましても、また、現実の商店を歩いてみまして売っている物価を拝見いたしましても、日常生活品につきましてはそれほど高騰しているというようなことを感ずるものはなかったように思います。むしろ、こういうときだから安く提供しようというような、良心的な商店主の姿勢が見受けられたような気持ちがするほどでございました。  考えてみますと、この地域は安売り思想が昔から非常に根強い地域でございますし、また今回の震災は、先ほど申しましたとおり神戸中心にした限られた地域の震災でありますだけに、他地域からのものが容易に流れ込みやすい環境があったから、物価の面でもこういうような状況を示したのかなと思うわけでございますけれども、今後、復興に向かいました段階におきましては、多少問題が起こってくる部分が出るのではなかろうかというのが私の危惧でございます。  それは何かと申しますと、人件費の高騰を伴わざるを得ない部分における物価の問題でございまして、先ほど申しましたとおり、神戸の町を歩いておりますと、もうあちこちに倒壊家屋があり、焼失家屋があるというような状況を見ておりますと、例えば住宅の修理、また新規の建築というようなことに取り組んでいかれる場合に、もう地元の各種技能を持っている方の力だけではこれに取り組めないということになりますと、日本全国から技能者を集めながら、家の再建に取り組んでいかなくてはならなくなるのではなかろうかということになりますと、かなり高い値段を提示しながら、その技能者を集めてくるというような事態も想像されるわけでございます。  そういった場合に、物価監視して、高い値段のものについては警告を与えるというようなことを言われているわけでございますけれども、現実に人件費が高くかかれば、それに対応する物の値段は必然的に高くなるわけでございますから、この部分について今後どのように対応していけばいいのかということになろうかと思うわけでございます。  この点についてはまだ不明確な点が多々ございますから、どうするということはお伺いできませんが、ただ、モニターにきちんと取り組んでいただきたい。人件費をかけながら対応していかなければいけない部分で異常な価格高騰が起こる場合には、政府としてその対応をとっていかなければいけないわけでございますから、経済企画庁物価監視の機能をフルに使っていただきまして、対応をお願いしたいと思うわけでございますけれども、どういう体制をとっていかれようとされているのか。そしてまた、こういう分野においてこれから物価が上がっていきそうだというように考えておられる分野は、どういう分野を想定しておられるのか、この点の御答弁をお願い申し上げたいと思います口
  118. 谷弘一

    ○谷(弘)政府委員 お答えいたします。  今委員御指摘のように、今ちょうど発生から五週間目に入ると思いますが、当初、生活必需財、これにつきましては、業界、事業者の方々の御協力あるいは被災地方々の冷静な行動等もあって、かなり安定したものであったと思いますが、今後被災地の復旧、災害の復旧から復興に向かって動いていくわけでございまして、これによりまして被災地域のニーズが変わってくるというふうに我々も考えております。  それに合わせまして物価の動きについても、もちろんそういう被災地のニーズの変化によって変わってくるわけでございますので、その辺についての調査監視というのは正確にやっていかなければいかぬと考えておりますが、同時に、それに対応いたしまして被災地経済活動が回復していく、あるいは復興していくことが重要でございます。  大臣がお答えしておりますように、供給全体についてはかなりありますので、これがうまく被災地につながっていくように、物流あるいは流通というような側面で我々ができることは、関係各省あるいは地元の自治体と合わせてやっていきたいというふうに考えております。
  119. 小野晋也

    ○小野委員 特に被災をされた皆さん方におかれましては、これから生活基盤をしっかりとつくっていかなければならないところでございますから、その基盤を形成する部分が円滑に進みますようにぜひ監視機能を強めていただきたい。これは要望をさせていただいておきたいと思います。  引き続きまして、次は商店街等の再興の問題でございます。  先ほども少し触れましたとおり、神戸の中央部、特に三宮から東の方の商店街を私も歩いてみたわけでございますけれども、こちらの商店街は、商店街全体がもうほぼ壊滅しているようなところもございました。そういうところを見ておりまして、商業機能をまず回復させていかなければ、被災された皆さん方が日常必要なものを手に入れようとされても、これはかなり御苦労をされておられるのではなかろうかという気持ちがしたわけでございます。  加えまして、前段で申し上げましたとおり、経済を回復させていこうといたしましたら、一つのその地域の中で潤滑に動くサイクルを形成していくということが何より大事なことでございまして、消費者がお金を使えるような状況をつくる。そして、それによって得られたお金をまた商店の人がみずからの店の再建のために使っていけるようにしていくというような、ポジティブな形で経済が伸びていくようなものをこれから形成していく必要があることを考えましたときに、生活者側面から見ましても商店の側面から見ましても、商店街ないしその商店の復興という問題について、今後の大きな課題として取り上げていく必要があるのではなかろうかというのが率直な感じでございました。この点につきまして、どのような施策を準備されて今から取り組みをしていかれようとしておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  120. 蔵元進

    ○蔵元説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、今回の地震によりまして大変な被害が商店街、それから御地元の小売市場で起きているのは承知しております。このため、私どもでも早速、地震のございました直後、一月二十日でございますけれども、閣議の決定によりまして、緊急な災害融資の特例を設けるといったことを直ちに講じております。  加えまして、先週でございますけれども、二月九日に新しく中小企業関係の支援策ということで、大きく八項目の対策を取りまとめまして発表いたしました。この中で、商店街、それから小売市場の事業の早期の再開ということに関しますいろいろな具体的な対策をまとめまして、決定したというところでございます。  以上でございます。
  121. 小野晋也

    ○小野委員 その取り組みでございますけれども、地元商店街の皆さん方の方からの申込数というのは、順調に来ているようでございましょうか、いかがでございましょうか。
  122. 蔵元進

    ○蔵元説明員 今回の対策で講じております、いろいろございますけれども、その一つが、御地元から大変御要望がございます仮設店舗をどう設置するかといったことでございますし、それからまた商店街のいろいろな共同施設、例えばアーケード等ございますが、それをどう復旧するか等々多岐にわたっております。これにつきましては、地元の県、それから市、それからいろいろな商工関係団体から御要望を受けまして、直ちに講じるということで今対応しております。  いずれにしましても、これから補正予算を組みまして対応するということで、できる限りのことをしていきたいと思っておる次第でございます。
  123. 小野晋也

    ○小野委員 ぜひその点につきましては積極的な取り組みをお願い申し上げたいと存じます。  それともう一つ、この商店の問題に関しまして気になっております点というのは、避難所に逃れてきております被災民の方々、今、赤松委員のお話で申しますと、神戸市内で十九万人おられるというお話がございましたけれども、その方々が手持ちのお金をほとんど持っておられないのではなかろうかというふうに感じられた点でございます。  その被災地の近くには、一部商店を復興いたしまして、店はだめでも、その前に台を置いて商品を並べて売っているような場所もございましたけれども、必ずしも被災者の皆さん方がそういう商品を買いに出られておられないような気持ちがいたしまして、多少お伺いしてみますと、みんなお金を持っていないんじゃないかなというようなことを言っておられました。貯金を持っておられる方も、なかなか今の状況では証明をいただいてお金を引きおろすということも難しいのかもしれませんし、現金をお持ちだった方も、それを置いたまま飛び出してしまった方も恐らくおられるのでしょう。  ですから、要望といたしまして、そういう被災された方々がどの程度の手持ち資金を今お持ちになっておられるのか。聞いてみると、まだこういう調査は行っていないんだというお話でございましたけれども、プライバシーの問題等も配慮していただきまして、可能ならば一度きちんとそのあたりを押さえていただいて、今後の政府としての取り組みを考えていただくようにしていただきたいというように思います。  そして、それとともにその被災地の中で感じましたことは、働いている人たちは結構明るい表情で働いておられたことなんですね。避難所におられる方々は、先ほど申しましたとおり、なすべきこともなく、希望を失ったうつろな目で毎日毎日を過ごして、プライバシーのない生活の中で、何か疲れ切っておられるなということを感じるわけでございますが、商店等で働いて、店は傾いていても、その前で声を張り上げながら物を売っている人たちの表情を見ていると、もう既に被害を受けたことから、次の再興の希望を持ちながらの動きに変わっているというようなことを私は痛切に感じました。  そのような様子を見ておりまして、やはり避難所におられる皆さん方にも早い時期に仕事をあっせんして、みずからが働きながら収入を得られる道をつくり、そして、皆さん方がこれから立ち上がっていくための希望を与えていかなくちゃならないんではなかろうかということを思ったわけでございます。労働省の方でも、いろいろとこの面につきましてお取り組みはなさっておられると思いますけれども、今後これをどう推進していこうとしておられるのか、この点お教えいただきたいと思います。
  124. 太田俊明

    ○太田説明員 お答え申し上げます。  兵庫県あるいは隣接府県の公共職業安定所、ハローワークにおきましては、被災された事業主あるいは求職者の方々のために特別の相談窓口を設けまして、被災者方々からの御相談に応じているところでございまして、特に離職を余儀なくされた方々に対しましては、きめ細かな職業紹介あるいは職業相談を行いまして、あるいは必要に応じまして各種の職業訓練なども活用しながら、その円滑な就職を図ってまいりたいと考えております。  さらに、事業主の方々にも雇用調整助成金等の特例支給なども行いまして、できる限り雇用の維持あるいは失業防止をやっていただくような支援を行っているところでございます。  それから、もう少し中期的には、被災地におかれましては、今後、道路とか港湾あるいは都市の復旧等を目的としました公共事業の需要が大変大きく見込まれているわけでございまして、これによって相当の労働需要が創出されるのではないかと期待しているところでございます。  他方、被災地におきましては、産業が復興するまでの間、一般の民間の事業所の雇用の場はなかなか広がらないという状況もございまして、早急に仕事を深さざるを得ない人が多数発生することも見込まれるわけでございます。このために、これらの被災地におきまして計画実施される公共事業の事業主体や施工業者は、一定の割合まで被災された方々を優先的に雇用しなければならない、こういうような法的措置を早急に講ずべく現在準備を進めているところでございまして、これによって被災された方々の雇用の促進を図ってまいりたいと考えております。
  125. 小野晋也

    ○小野委員 この点は、やはり人は働き、生活するというのが古来からの本性として非常に大事な点でございますから、労働省の方といたしましても陣容を大きく拡充していただきまして、この労働あっせんの件につきまして力を尽くしていただきたいと要望させていただきたいと存じます。  被災地、いろいろな課題を抱えている中で、きょう取り上げましたのはほんの一部の問題だけでございまして、あの現状を見ておりますともっともっといろいろな課題があるはずでございますし、その問題に対して我々真剣に論じ合いながら、その道をつけていかなくてはならないという気持ちがいたしているわけでございますが、きょうは時間の関係で、もうこの程度で被災地地震に対しての質問とさせていただきたいと思います。  加えまして、長官に一つお尋ねをさせていただきたいのでございますけれども、この災害マクロ日本経済に一体どのような影響をこれから及ぼしていくんだろうかという点でございます。  例えば、幹線の交通路が随分遮断されて、これが半年ないし物によれば一年以上もその機能が回復されないということに伴って、日本経済がどのような影響を受けていくんだろうかという問題もございます。また、先ほど来指摘のありましたとおり、その地域の企業が被災を受けることに伴って、部品供給がうまくいかないとか、製品がそこでつくれなくなるということに伴う経済的な影響もございましょう。  そしてまた、この被災に伴います不動産担保価値の下落という問題が起こってくることに伴いまして、現状におきましても金融がなかなかうまく流動化をしていかない、不良債権が随分多くて、日本経済はその回復の軌道にうまく乗らないという指摘もあるわけでございますが、ますます被災現場におきます不良債権の増加に伴います経済の機能低下という問題も生じてまいりますでしょうし、さらに申しますならば、この復興のための債券発行が引き起こしてまいります経済的な影響というものもあるだろうと思います。  こういうことをすべて勘案をいただいて、これからの日本経済の方向を示していくのが経済企画庁の大きなお仕事一つかなと思っているわけでございますが、この点に関しましてどのような御所見をお持ちになられながら取り組んでおられるのでしょうか、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
  126. 高村正彦

    高村国務大臣 今先生御指摘になったように、現在の状況一つ一つ見ると、非常に全体的に悲観的な方向に行きがちなんであります。ただ一方で、速やかな復旧努力も行われている。これから本格的復興努力が行われる。そして日本経済全体はそれにこたえていく力がある。日本経済全体はあるのですけれども、それじゃ財政だけとってみるとどうかというと、確かに今おっしゃった債券発行、財政バランスを崩すのではないかというような問題もあります。  だから、今余りはっきりしたことは申し上げられませんが、ごく大ざっぱに言えば、短期的にマイナスであるのは必至である、中期的に復旧努力、復興努力の中で少しずつそれを取り戻していく、長期的には、その復興需要にこたえていく中で、マクロ経済だけからいえばプラスの面も出てくるかもしれない。一方、下手をすると財政バランスを崩すということで、超長期的におかしなことになるかもしれない。そういったことをすべて目配りしながら、今の日本経済全体の大きさはこの復興需要にこたえていくだけの力はあるという自信は持って、その中でうまいかじ取り、上手なかじ取りをしていかなければいけない、こういうふうに考えております。
  127. 小野晋也

    ○小野委員 日本経済のかじをとられる経済企画庁でございます。このような災害に遭遇いたしまして、今予想外のことも多々あろうかと思いますけれども、今後の経済の進路にこうだというような明確な指針を示していただきますように、ぜひともお願い申し上げたいと存じます。  なお、最後になりましたけれども、私の大好きな言葉に堺屋太一先生の言葉がございます。偉大なる仕事は夢で始まり、情熱で持続させられ、そして最後には責任感で取りまとめられるという言葉でございます。今被災地の皆さん方は夢を失って、これからどうしたらいいかということに迷って、苦しんでおられる方が多々おられると思います。その皆さんに、みずからも夢をつくる努力をしなければならないと同時に、私たち政治の場にいる者も、また行政の場にいる者も、彼らにこうあればいいという希望の光を与えることが大事かと思います。  そして、困難は多々ありますけれども、情熱と責任感を持って、我が日本の、同じ日本人、同胞として、早く立ち直っていただけるように我々も努力をしていかねばならない、こう考えている次第でございまして、皆さん方のこれからの御活躍をお祈り申し上げ、そして一日も早い復興を心から祈念して、質問を終えさせていただきたいと思います。
  128. 大石正光

    大石委員長 竹内猛君。
  129. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、去る一月十七日に発生し、間もなく一カ月を経過しようとしている兵庫県南部の地震に対して、お亡くなりになった方々の御遺族、そしてまた現在、病のために治療をされている皆さん、それから多くの避難をされている方々、こういう方々に対して心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  この超異常の問題に対して、村山総理大臣中心として、閣僚の皆さんが一体となって、人命と財産とその復興のために御努力をされていることに対して敬意を表しますと同時に、先日も国会で決議をいたしましたが、海外からの御援助、そしてまた全国からの御支援、こういうことに対して敬意を表します。さらにまた、各省庁が一体となってこの問題について努力されていることに対しても、改めて敬意を表したいと思います。  本日も現場の声がここにあらわれましたけれども、時間の関係上、私はそのことについては触れませんが、長官として今日までどういう取り組みをし、これからどのような取り組みをされるかということについて、一言、御意見あるいは御見解をお述べいただきたいと思います。
  130. 高村正彦

    高村国務大臣 村山総理を中心といたしまして、内閣一体となって、ともかく当初は人命を助けることだ、あるいは火災の広がりを防ぐことだ、こういうことで全力を尽くしたわけでありますが、初動等についていろいろ御批判をいただいたことは謙虚に反省しなければいけない、こういうふうに考えております。これから内閣一体となって復旧、単に旧に復するだけでなくて、新しい自然災害に強い世界に冠たる神戸、兵庫県をつくっていかなければいけない、こういうことに日本全体が取り組んでいかなければいけない、こういう気持ちで内閣一体となって取り組んでいるわけであります。  経済企画庁長官といたしましては、やはり当面の被災者の方たちの生活、そういった面から、日用品、食料品等の供給をきっちりやって、そして物価を安定させて、できるだけ多くの方が生活の上で困らないように、できるだけ早く通常の状態に戻れるように、そういったことで努力をしていく、そういう気持ちで取り組んでいるところでございます。
  131. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 これからも大変ないろいろの御苦労があると思いますけれども、これはだれだれの責任というよりも、本当に全国民が一体となってこの問題には対応していかなければいけない。あれの責任だ、これの責任だという追及をしている暇などはない、こういうふうに私は考えますので、ぜひ自信を持って進めていただきたいことをお願いをします。  さて、私はやや、ややこしい問題について質問をいたします。  戦後五十年と言われております。日本は世界一の経済大国になったとか第二位であるとか、こういうふうに言われておりますが、資源のないこの日本が加工貿易という形をとりながら、しかもそういうふうに経済が大きく復興した。それから、食糧も、これはカロリーからいえば四八%ぐらい、穀物でいえば二八%ぐらいになっていますね。これは大変問題なのです。平和だから間に合うけれども、もし事故があった場合には大変なことになりますね。  そういうことを考えたときに、なお雇用関係というものを例にとってみれば、失業状態は、これはかなり前の統計ですけれども、イタリーで一一%、フランスが九・五、カナダが八・一、アメリカが五・五、イギリスが五・九、合併する前の西ドイツが七%ですね。それで今日本は三%、こういうふうになっているわけですが、その基礎は一体何であるのかということを重要な順から、一、二、三ぐらい、四か五でもいいですから、ひとつ並べてみていただきたい。
  132. 高村正彦

    高村国務大臣 外部的環境からいえば、日本が極めて平和な環境に取り囲まれていた。資源のない日本が世界から自由に一番いいものを安く買う、一番安いものを買ってくることができたということが一つあったかと思います。  国内的な原動力というのは何かといえば、やはり日本人が非常に勤勉だったといいますか、広範な基礎教育に加えて、企業内訓練の充実を通じて生産性の高い人づくりがなされてきたということもあると思います。あるいは国民の高い貯蓄意欲のもとで企業の旺盛な設備投資が持続し、資本蓄積が着実に進んできたということもあると思います。また、諸外国から技術導入、積極的な研究開発活動などを通じて、さまざまなレベルでの技術革新が行われてきた。そういったような要因が相互にいい影響を及ぼしつつ達成できたので、必ずしも今言ったとおりの順番だかどうかわかりませんが、そういうことだろうと考えております。
  133. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 一番大事なことは、平和憲法という問題について、軍事費というものはGNPの一%以下に抑える。かつて戦争前の予算は、ほとんど軍事費に使われていた。資材もそうだったですね。そのことについて長官、どういうふうに考えますか。
  134. 高村正彦

    高村国務大臣 極めて安いコストのもとで日本の平和と独立が保たれてきたということは一つの大きな理由だ、こういうふうに考えております。
  135. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 次に質問をしたいことは、最近、生活者の政治ということを言いますね。細川元総理大臣生活者の政治ということを言った。あるいは新進党の重要な幹部もそういうことを言われた。一体生活者の政治というのはどういうことなのですか。それについてひとつ定義があるとしたら教えてもらいたい。
  136. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 率直に申しまして、生活者とは何ぞやという公式的な定義があるわけではございません。しかし、経済計画等、私どもが一般的に生活者考えておりますのは、人間のさまざまな活動のうち、消費とか余暇あるいは学習、社会参加などといった生活面でのそういったさまざまな活動に特に注目して、その活動主体の全体を生活者というというように考えておるわけでございます。  したがいまして、先ほどの生活者重視の考え方というのは、とかくこれまでの政策が生産力の拡大や、あるいは経済の効率化というものに重点が置かれてきたというような批判を受けまして、経済発展の本来の目的である国民一人一人の生活の向上や、あるいは心の豊かさあるいは社会的公正といった点に十分配慮して、生活者としての面を従来にも増して重視していく、それが生活者重視の政策ではないかというふうに考えております。
  137. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 私は、広辞林、広辞苑、こういう字引を引いてみました。あるいは社会学事典を二冊、その部分を読みました。どこにも生活者という言葉は出ていませんね。にもかかわらず、偉大な政治家生活者の政治ということをあえて言うこと自体、これは何か意図があるのじゃないか。つまり、生産者に対する消費者ということであるならば、それは間違いだ。今の答弁からいえばそうじゃない。消費、教育、いろいろ全部含まれているわけでしょう。政治的用語としてそれが使われるなら、それはそれでもいいですよ、そういう言葉を使うなら。いいけれども、どうですか、それは。
  138. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 御指摘のように、生産者と対比してという言葉であるならば、やはり消費者ということになろうかと思いますが、生活者という言葉は、さらに消費者以上にもっと広い概念であるというふうに考えております。
  139. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 非常に言葉というものは重要ですからね。特に総理大臣とか偉い人が、そういう人たち生活者の政治ということになると、それじゃ生産力の低い山の中で働いている生産者、農民、あるいは魚をとって一生懸命苦労している人、これは生活者じゃないのか、こういうことになると、これは大変なことになりますよ。  だから、消費者対生産者というような区別じゃなくて、広い意味の生活をしている者、そういう理解をするならばわかるけれども、この点については非常に大事なことですね。その点についてはよく検討していただきたい。  そこで、その次。  最近、豊かさという言葉がありますね。豊かさとは一体何ですか。それをひとつ説明をしていただきたい。
  140. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 これも、価値観というのは非常に一人一人多様化しておりますので、一義的になかなか申し上げるわけにまいりませんが、例えば所得水準ということもございましょうし、あるいは労働時間ということもございましょうし、あるいは失業率がどうかというような問題もございましょう。あるいは平均寿命がどうか、あるいは健康なお年寄りの数が多いかどうか、あるいは犯罪件数が少ないかどうか、あるいは社会資本が整備されているかどうか、そういったさまざまな全体のものを含めて、豊かであるかどうかということを判断していくのだろうと考えております。
  141. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 総理府見えていますか。世論調査をされましたね。その結果をちょっと発表してください。
  142. 福井武弘

    ○福井説明員 総理府では、毎年国民生活に関する世論調査ということで、国民の暮らし向き、あるいはその不満、満足度等々を調査しておりまして、この中で、世間一般から見た生活の程度あるいは資産の程度について調査をしております。  その結果で申し上げますと、生活の程度、これは五段階の分類になっております。上、中の上、中の中、中の下、下という五段階の分類になっておりまして、上と答えた人の割合が〇・七%、中の上と答えた人の割合が一〇・三%、中の中と答えた人が五四・七%、中の下と答えた人が二四・八%、下と答えた人が六・四%ということで、一般に中の上中下、合わせて九割程度になっております。資産の程度につきましても、同じく中の上中下、合わせて八割程度になっております。  ところが一方、私どもそれ以外にも日常生活の満足度というのを聞いてございまして、その中では、現在の生活そのものにどの程度満足しているかということで、満足している、まあ満足している、合わせて六五・三%、やや不満だ、不満だ、合わせて三一%ということになってございます。  その中で、これも分野別に聞いてございますけれども、所得・収入については、不満が五割、五一・七%、それから資産・貯蓄については、不満が五八・六%ということで六割弱、こういった結果になってございます。
  143. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 中産階層化という言葉が使われていますね。その中産階層というものは、心の問題ですか、それとも物の方の問題ですか。どっちですか、これは。
  144. 福井武弘

    ○福井説明員 この問題につきましても、物質的な豊かさと心の豊かさ、どちらにウエートを置くかということで聞いてございまして、物質的にはある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活に重きを置きたいと答えた人が五七・二%、それから、物質的な面で生活を豊かにするという、物質にウエートを置いた答えが三〇%ということで、これは昭和五十五年ぐらいに逆転をしておりまして、最近の傾向としては、物よりも心の豊かさを求めるという人がその二倍程度になっております。
  145. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 結局、心の問題と物の問題と二つに分けて考えていかなくちゃならないと思うのですけれども、物の方はまだ必ずしも十分ではない。  例えば、衣食住という問題があるのですね。着るものはある。食べるものも、平和である限り、安全性には問題があるけれども入ってくる。住というのは、先ほどから神戸実態にも触れましたように、これは神戸だけじゃありませんで、全国的にこの住というものについては問題が多いのです。何としてもこの問題は緊急に全国的に解決をしなければならない。  私は、十年前、つくばの万博のときに委員長をやっておりまして、そのときに、労働組合の代表、それから一橋大学の野口教授、それから経団連の小川理事さんといろいろ話をして、少なくとも五年ないし六年の中堅のサラリーマンの給与、給与というのは税金なんか引かないそのままの所得で、五十坪の土地と三十坪の家が持てる、しかもそれは大体片道一時間くらいのところでというのが理想だ、こういう話になった。今はとてもそれは不可能ですな。  だから、そのことについては議論はしない。議論はしないが、そういうことは十年前に既に申し合わせをされている。これは法律で決まったわけじゃないからしょうがない。一つの夢みたいな話ですが。ところが、今はその夢は打ち切られちゃった。どうしてもこれは難しい問題ですね。  そこで、次には、最近、国際化、自由化の波に乗って、内外価格差の縮めること、それから規制緩和、競争原理の導入、この三つが問題になっていますね。そこで、例えば内外価格差とは、何をどこのどういうものと一致をさせようとしているのか。その価格です。特に、その問題について農林省、米の問題を中心にして、農産物の問題を中心にひとつ説明してください。
  146. 小林芳雄

    ○小林説明員 農産物価格の国際比較でございますけれども、これにつきましては、為替レートでありますとかあるいは国際価格そのものは変動するということがございます。また、米について見ますと、品質格差等ございまして、客観的な比較ということはそもそも困難であるという面がございますけれども、ただ、一方で内外格差というものがまた存在することも事実でございます。  特に米についての状況でございますが、こういった内外格差の状況を見てみますと、最近は非常に大幅な円高がございました。まず、その進行によるところが大きいわけでございますけれども、また他方で、賃金の格差でありますとかあるいは経営規模、こういった生産条件によって大分異なってくるという点もあるわけでございます。我が国の場合には、賃金格差はもちろんのこと、国土条件の制約ということで、特に米のような土地利用型作物につきましては、国際的に見て経営規模といった制約があるわけでございます。  そんなことで、内外価格差問題、これにつきまして、これを急速に縮小させていくということにはなかなか困難な面がございますけれども、ただ、生産基盤の整備でありますとかあるいは経営規模の拡大、それから生産組織の育成といったことを通じまして生産性の向上を図り、これを価格に的確に反映させるということを通じまして、内外価格差の縮小の努力ということは私どもも引き続き努力していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
  147. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 ガットの受け入れをして、いよいよ六年後には、二〇〇〇年にはWTOにこれは入っていくという形になる。そのときに、今もお話があったけれども、米を減反をしているわけですね、減反をしている。米の価格というのは昭和五十一年から上がっていない。今六十キロ一万六千七百円というものを基準にして、もう二十年ぐらいそのまま据え置かれている。  これを例えば家庭にかえてみると、今六十キロから六十五キロと言われていますね、米の消費量は。今のあれは玄米ですから、それに対して加工をしているし、精米にして、仮に十キロ五千円とする。六十五キロの場合には三万二千五百円。これを三百六十五で割ると一日が百円ですね、一日百円。それを三で割ると三十三円だ。これが高いということを世間では言っている。一杯のコーヒー二百五十円はどんどん使うけれども、この米は高いと言う。農家は生産費をもっと上げてもらわなければ困る、こう言っている。これは一体どうなんです、食糧庁、この考え方は。
  148. 小林芳雄

    ○小林説明員 確かに、我が国のいろいろなものを見たときに、国際比較だけではなくて、国内でのさまざまなものの比較という点もあるかと思います。  ただ、そこが価格の点で、どれが安くてどれが高いか、なかなか評価は難しいと思いますけれども、ただ、いずれにしましても、先ほど申しましたようなコストの低減というような形で、生産性向上、またそれに伴いまして内外価格差の是正をしていくという余地といいますか、そういう方向があるわけでございまして、そういった意味で、できるだけ国民の皆さんに理解されるような方向での政策、対策というのは進めていかなくてはいけないのじゃないかというような理解をしているところでございます。
  149. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 日本の米がタイの八倍、アメリカの三倍、こういうふうに通常言われていますね。タイという国の労働賃金というものを調べてみると、これは労働省でもちょっと調べにくいと言っているけれども、また別なところで調べると、一カ月二万円ですね、日本の金にして二万円。  アメリカは、今度は経営規模が大変広いですね。私は去年、農林水産委員長のときに、農林水産委員会を代表して、フランスの農業、カナダの畜産、畑作、アメリカの米、こういうのを調査をして帰ってきました。アメリカで一番少ない経営でも百五十ヘクタール以上だ。みんなそれより上。フランスでも、兼業農家でも二十八ヘクタール、専業は五十ヘクタール以上。カナダに行くと四百五十ヘクタールですね。  こういうような規模が非常に拡大をしている国、賃金が著しく低くてタイのように一年に何遍も米をとれる国、こういうものと比較をして高い、安い、内外価格差を縮めろとかなんとかいうことはおかしいじゃないですか。これは比較ができないんじゃないか、相手が。同じ条件ならいいよ。鉄を幾ら使って、電気を幾ら使ってどうのこうのとできるけれども、これはそうはいかない。おまけに、そこには農業を使い、安全性の問題が問題になっている。だから、WTOに入る前にもう一遍ガットで再交渉しろという声がちまたにはある。これはどうですか、農林省。
  150. 小林芳雄

    ○小林説明員 ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、確かに、先ほども申しましたような賃金格差でありますとか国土条件の制約、そういうことを考えていきましたときに、内外価格差、そういうものをすべて解消するといいますか、それは困難ということであろうかと思います。  ただ、他方で、我が国の農業の場合に、経営規模の拡大でありますとか、そういった課題が多々ございます。私どもの方でも新政策というような形でいろいろな方向といいますか、そういうものを打ち出しまして、そういった規模拡大とか経営合理化の努力を生産者の皆さんにしていただく。これが稲作でいいますれば、我が国の稲作生産の体質強化ということを目指してやっているわけでありまして、そういった取り組みというのはいずれにしても必要で、大事なことだと思います。  そういったコスト削減が行われます結果、価格というものも下がり、それがひいては国民の皆さん全体のプラスにつながっていくということは必要であろう。ですから、内外価格差というそういった観点だけではなくて、むしろ今申しましたような一つ政策方向といいますか、コスト削減、そういったことに向けて今さまざまな努力をしているというふうに考えております。
  151. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 また、そのほかに地価の問題がある。日本の地価は非常に高い。アメリカの二十五分の一の日本の土地が、今度は価格で換算すると四倍に計算をされる。いろいろ計算のしようがありますけれども。千六百三十七兆円という、日本の土地は。それでは都市近郊などというものは到底規模拡大なんかできない。規模拡大をしろ、足腰の強い農業をやれ、そんなことを言ったって、それはできない話なんだ。そうすると、中山間地帯がこれからは生産の中心になる。今度中山間地帯に光を当てるようになったから、それは大いにやらなきゃいけませんが。  そこで、農業の持つ一つの問題は、安全性の問題を含んで、食糧の自給というものを国内で高めていくことが必要であるし、それから、水とか緑とか、国土の保全とか、環境保持という、むしろ社会的役割がこれは大きい。この二つを一緒にして、日本の国土にふさわしい環境保全、国土保全というものをやっていくというのが農業の仕事じゃないのか。これは長官にもちょっと聞きたいことだけれども、常識ですね。
  152. 高村正彦

    高村国務大臣 おっしゃるとおり、常識だと思っています。
  153. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 そうですね。  そこで、今度は規制緩和。規制緩和ということを盛んに言って、今委員会でやっていますが、これは、だれのためにこの規制緩和というものをどういう方向でやるのかということについて、ちょっと聞きたいですね。  それで、規制緩和には経済的規制と社会的規制の二つがある。現在規制をしているのが一万二千四百ぐらいあるのですね。それをどういう方向で規制をしていくのか、その規制をしなきゃならない目的があって、その規制をすることによって何が助かるかどうかということについては、これは総務庁だな。
  154. 戸塚誠

    ○戸塚説明員 お答えいたします。  私ども、今、規制緩和という問題に取り組んでおりますが、どのような規制が必要かというお尋ねでございます。  私どもは、規制緩和が必要なものはどういうようなものかという観点から取り組んでおりますが、その目的とするところは、国民生活の向上とか経済の活性化、国際的な調和、こういった観点から取り組んでおりまして、そういうような規制緩和を通じまして、市場原理を生かした、自由で創意工夫にあふれた経済社会を築き上げていく上で、ぜひとも取り組んでいくべき問題だと考えております。このため、政府は、現在積極的かつ計画的に規制緩和に取り組むため、本年度内に五年を期間とする規制緩和の推進計画を策定することにしております。
  155. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 現在、規制緩和は委員会をつくっているところだから、これ以上物を聞いても聞く方がおかしいから、この辺で時間の関係からやめます。  今の社会というのは物と金によって評価をされて動かされている。今までの犯罪を見ても物と金が中心で、心の問題がどうもおろそかにされてはいないか。これは甚だ悲しいことだと思うのですね。何とかこの心を、物質的な面も大事だけれども、精神的な問題ももう少し大事にするような政治が必要じゃないですか。長官、いかがですか。
  156. 高村正彦

    高村国務大臣 物、金と心の問題、そのバランスをとった生活が必要なんだろうと思いますが、そこに政治がそれなりの役割を果たすべきだ、こういうふうに考えております。
  157. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 一月七日の朝日新聞に福田元総理が投書をされていますね。もったいない運動というものをやれ、こういう投書なんです。  私は先ほどからいろいろ申し上げたけれども、「私たち人間は「モノ」「カネ」というものに関心を奪われてしまった。「作りましょう」「使いましょう」「棄てましょう」という風潮が今、世を覆っている。」まあちょっと中略しますが、資源エネルギーは無限ではない、有限であるという認識に立つべきだ。世界の人口は毎年一億ずつふえている。今世紀の末には六十四億になる。二〇二〇年には八十億になる。二〇五〇年には百億に達するという。こういうように人間がふえた場合に、現在の世界の農耕地では八十億の人間を食わせるだけの力しかないのだ、こういうふうに福田元総理が言われている。  これは非常に重要なことだと思うのですね。だから、価格が高いから安いからという物だけの面で判断するのじゃなくて、やはりもう一つの面というものを大きく取り上げて政治の中で考えていく必要がある。それで私は最初にああいうような質問を出発点にして申し上げたのですけれども、この点については、これはやはり長官の方からお答えをいただきたいと思いますね。
  158. 高村正彦

    高村国務大臣 資源も有限でありますし、環境の問題も大変大切でありますから、私は市場原理というのは大変大切なことだと思っておりますけれども、ただ、短期的な面だけの市場原理ですべてをやったらいいものだとは考えておりません。そういう意味で、先生のおっしゃることにはかなり理解できる部分があると思っております。
  159. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 時間が来たからこれで終わりますけれども、先ほど申し上げたように、農山村というものが日本では七割のあれを持っていますね。これが今崩壊の寸前にある。これはやはり大事にするということと、それから、外国からいろいろなものが入ってくるけれども、これの安全性というものを確認をして、健康とそれから快適な生活環境というものをつくっていく。物が外国にあって、安いからそれを輸入するんだということは、やはりこれは政治としては非常に慎んでもらわなきゃならない、そういうことだと思う。  食糧庁の方にもよく今の米の問題は申し上げておきますが、わかりやすくこれから説明してもらわなきゃだめですよ。さっきの答弁じゃまだあいまいだ。時間がないからもう言わないけれども、大変あいまいだよ。  まあ、きょうはこれで終わります。
  160. 大石正光

    大石委員長 矢島恒夫君。
  161. 矢島恒夫

    ○矢島委員 これは経済企画庁が二月十日に出した月例経済報告でございますけれども、この中に「兵庫県南部地震被災地域についても、一部の商品・サービスに値上げの事例も認められるが物価は総じて安定している。」さらに「政府は、関係府県市、事業者等の協力も得つつ、生活関連物資建設資材、賃貸住宅等の安定的な供給の確保、需給価格動向の調査監視等の強化を図るとともに、情報の提供に努めている。」こういう報告が出されております。  私も実は現地へ参りました。現地の非常に大変な事態というものを目の当たりにいたしました。予算委員会等でも、私、政府に対して質問し、また要望もしてまいりました。高村長官の経済演説の中にも、「良質な住宅の蓄積が豊かな国民生活実現の基礎となるとの見地から、今後とも土地対策や住宅対策の充実を図ってまいります。」という文言がございます。先ほど来の質問にもありますとおり、被災地での住宅問題というのは非常に重大な状況にあると思います。  そこで、私、きょうはこの阪神大震災の問題に関連いたしまして、住宅問題のうちの特に借地・借家にかかわる問題について質問をしていきたいと思います。建設省の方の問題かもしれませんが、もし企画庁の方で調べていたらお答えいただければと思うのです。  被災地住宅被害の棟数は出ておるわけですけれども、いわゆる賃貸借住宅、借家の倒壊あるいは焼失棟数、あるいは借家の方で被災された世帯数はどれくらいあるかという数値ですけれども、おわかりでしたらお答えいただければと思います。
  162. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 今の段階では把握してございません。今の状況で仮に調査をすると、非常に著しく地元公共団体等に負担をかけることになりますので、避けさせていただいております。
  163. 矢島恒夫

    ○矢島委員 推定でも出ていないようですけれども、やはり十五万棟以上の住宅が倒壊したり焼失したりしました。そうしますと、その中に借地・借家人の方々というのも相当含まれているだろう、こう思います。今の段階ではいろいろと現地との関係で支障があるという状況ですが、ぜひひとつ、今後こういう被災対策をやっていく上に、あるいは復興という状況へ進むにつれて、この問題はいろいろな点で重要になってくると思いますので、今後適当な時期に調べていただきたい、こういうことを御要望申し上げておきたいと思います。  そこで、実は法務省の方の関係質問していきたいと思うのですが、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二にかかわる問題です。  今回の震災で建物が滅失した場合は、通常の場合と違って一定の条件のもとで借地権の主張ができるとか、あるいは借家権を失わずに新たな建物に対して他の者に優先して借りることができるとか、こういう政令なんです。実は政令に関して、二月六日の日にこれは公布され、施行されたわけですけれども、法務省の民事局が「兵庫県南部地震の罹災地域に罹災都市借地借家臨時処理法が適用されます。」こういうリーフレットをつくられたと思うのです。  委員長、長官とそれから理事方々にこれ、部数が少ないのであれですが、配らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  164. 大石正光

    大石委員長 はい、結構です。
  165. 矢島恒夫

    ○矢島委員 法務省にお聞きしますけれども、これは阿部印刷されて、どういうところに配布されたのか、そしてまたこれに対する現地での反応、反響というのはどういうのがあるか、教えていただきたいと思います。
  166. 升田純

    ○升田説明員 ただいま委員御指摘のリーフレットでございますけれども、二万部作成いたしました。そして、一万九千八百部につきましては、被災地であります兵庫県と大阪府の関係に配布しております。具体的に申し上げますと、法務局を初めといたしまして、弁護士会、司法書士会、土地家屋調査士会の各相談所などにおきまして、被災者方々に配布できるように配布しております。  なお、市町村からも配布要望がございますので、可能な限り対応していきたいと考えております。
  167. 矢島恒夫

    ○矢島委員 これに関しての何か現地の反響とか、こういう相談があったとかというのはお聞きになっていらっしゃいますか。
  168. 升田純

    ○升田説明員 まず、相談をどこで受けるかという問題もございまして、私どもの参事官室におきましても罹災都市措地借家臨時処理法に関する問い合わせに応じておりますけれども、具体的には弁護士あるいは関係省庁、地方公共団体などからの問い合わせが太いという実情にございます。被災者自身からの御相談というものは多くございません。  なお、今まで受けております相談内容について見ますと、参事官室におきましても、あるいは弁護士さんなどの様子を伺ってみましても、やはり借地・借家関係の相談が一番多いというぐあいに聞いているところでございます。
  169. 矢島恒夫

    ○矢島委員 経企庁にお尋ねいたしますけれども、経企庁の方でも、被災者から先ほど来の生活問題一一〇番等の中での相談が持ち込まれていると思うのですけれども、この罹災都市借地借家臨時処理法に関係する問題での相談というのはどれくらいあったか、また、それに対してどういう対応をとられたのか、把握している範囲でお答えいただければと思います。
  170. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 経済企画庁といたしましては二つの窓口をつくってございます。一つは、委員御指摘の生活問題一一〇番でございます。それからもう一つは、国民生活センターの方が現地に震災関連消費生活ダイヤルというのを設けてやっております。これは生活相談一般でございますから、すべての相談が入ってまいります。したがって、相談員がすべてに精通しているというわけじゃございません。その実態は、委員御指摘のように、住宅関係に関連するものが大体半分ということでございます。  中身をちょっと二、三申し上げますと、住宅については、被害が少なくて居住可能な借家なのに家主から退去を求められたとか、あるいは賃貸マンションが全焼してしまった、敷金は返してもらえるのか、あるいは賃貸している住宅が半壊してしまい家賃が入らず、ローンが支払えない、避難中に家主が別人に部屋を貸してしまった、あるいは手付金を払った中古住宅が一部損壊してしまった、こういったもろもろの住宅に関する相談でございます。  私ども、弁護士先生にも同席していただいて相談に乗っておりますが、しかし、個々の権利関係というのは極めて複雑でございますので、おのおの専門のところを御紹介申し上げて、そちらで御相談するように指導をしているところでございます。
  171. 矢島恒夫

    ○矢島委員 今までのやりとり、高村長官お聞きいただいて、住宅問題についての御感想がありましたらお述べいただければと思います。
  172. 高村正彦

    高村国務大臣 今の被災者の方たち、大変な立場にあるわけで、やはり早く生活の安定を取り戻すために一番大切なことは、住むところをしっかりさせる、こういうことであると思いますので、非常に大変なことでありますが、政府としてもあらゆるところで万全の措置をとってまいりたい、遺憾なきを期してまいりたい、こういうふうに考えております。
  173. 矢島恒夫

    ○矢島委員 非常に不動産関係住宅問題というのは深刻な問題になってきていることは事実です。  それについてですが、このリーフの問題で、まことに不十分だと私は考えるわけなんです。といいますのは、まず一つは、作成した部数が非常に少ないということが一つ。十五万棟からの倒壊や焼失があったわけですから、それくらいの数で本当に足りるのか。まあ足りないと思うんです。  もう一つは、この中身なんです。お配りしたもので見ていただくとおわかりいただけると思うんですけれども、いわゆる問答形式になっているわけです。ただ、この中の文章というのを読んだときに、果たして罹災された方がわかるだろうかというふうに私は非常に懸念するわけです。  例えば、Qの三に、「「対抗要件の補充」(第十条)とは、どういうことですか。」中身ちょっと飛ばしますけれども、「その建物が滅失すると、借地権自体は失われませんが、借地権を第三者に対抗することができなくなります。そこで、政令施行の日から五年間は、建物を建てて登記をしていなくても、借地権を第三者に対抗することができるものとしています。」こういう文章なんですね。  法律を見ますと、大体これと同じような文章で法律の方も出ているんです。もう少しそしゃくしてわかりやすくしないと。それで最後になりますと、Q七、Q八へ行きますと、結局裁判所へ行きなさい、こういうリーフになっちゃうんですよ。  ですから、もう少し内容的にわかりやすくするということや、あるいはもっと数多く被災者に渡るように配布したらどうかなと思うんですが、その点はいかがですか。
  174. 升田純

    ○升田説明員 まず、委員御指摘のリーフレットの作成経緯について若干御説明さしていただきますと御承知のように、一月十七日の震災から約二週間後の二月三日に、罹災都市借地借家臨時処理法を今回の罹災地に適用するということを定めた政令が閣議決定されまして、二月六日に政令が公布、そして施行されたという経過になっておりますけれども、リーフレットは、この法律の重要性にかんがみまして、被災者方々に早期にその内容をお知らせする必要があるということから、早急に作成したものでございます。  リーフレットの内容につきましては、この法律の前提となります借地・借家関係のさまざまな法令につきましてもちろん説明する必要はあるわけでございますけれども、最小限この罹災都市借地借家臨時処理法の内容につきまして御説明する必要があるということで、正確さを損ねないように配慮しながら、できるだけわかりやすいものを目指して作成したもので、現地では御理解いただける内容になっていると考えております。  なお、個々具体的な事案につきましてさまざまな疑問が生じる、あるいは法律相談が必要になるという点につきましての、被災者の方からの相談につきましては、法務省の方といたしましても弁護士会、司法書士会、土地家屋調査士会等の協力を得まして、大阪府、兵庫県において相談体制の整備充実を図っているというところでございまして、今後ともそういう努力を続けてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
  175. 矢島恒夫

    ○矢島委員 先ほど生活局長の方からもお話がありましたとおり、幾つかの事例がありました。家主から退去を命ぜられているとか、あるいは避難中に家主が別の人に貸しちゃったとか、いろいろな問題があります。私のところにもいろいろな問い合わせがあるのですが、中にこういうのもあるのです。これは貸し主と代理人の連名で一月三十日に借りている方すべてのところに渡ったというわけですが、前半は抜きます。このまゝ居住されて住居が突然倒壊し、下敷き等人身事故が起きては大変です。また、家主としても責任を負われませんので、至急転居先を探して頂き転出されますようお願い方上お知らせいたします。なお、保証金は全額を返還いたします。宜しく、至急ご対処下さるようお願い申し上げます。これ、どうしたらいいんだという問い合わせなのですね。結局、こういうのが実際の被害地の方々にとっては知りたいわけなのです。  ほかにも幾つか例がありますけれども、これは全大阪借地借家人組合連合会、通称大借連と呼んでいますが、弁護士の方にも協力を得て、二月一日から阪神大震災借地借家問題一一〇番というのをやったのです。  それによりますと、二月一日から三日間の集計だけちょっと見せてもらったのですが、借地人の方から百二十一件の相談があった。そのうち一番多いのが「家屋が倒壊したが借地権はどうなるのか」、これが三十一件です。「再築したいが地主の承諾が必要か」、これが十九件。「地代を受け取らないというがどのようにすればよいのか」、これが十七件。  それから、借家人の方々からの相談は三百十件、三日間であったのです。一番多かったのは「明け渡しを要求された」ということ、これが九十六件。「敷金全額または一部返還してもらえるか」六十六件。罹災都市借地借家臨時処理法というのが適用されるのか、これが三十八件等々あるわけです。  大体先ほどの生活局長のお話と同じような相談があるわけです。事前にこういう相談を持ってこられる方はまだまだいいのです。実際に現地ではどうかといいますと、借地人や借家人の問題が後でこじれないように、地主や家主にかわって不動産屋などの代理人が借地人や借家人に対して保証金を返す、それで言葉巧みに契約解除を勧めているという例も結構あるということを聞いております。  また、特に問題だと思いますのは、先ほど言いました大借連の分析によりますと、こういう契約解除を勧めている中には、被災者の弱みにつけ込んで、いわゆる地上げ屋と呼ぶべき不動産屋も入ってきている、こういうことも報告されております。私はもちろん全部の地主さんや家主さんが悪いのだとは申しておりません。自分の家屋が倒壊したり、あるいは焼失して途方に暮れている地主さんや家主さんもいらっしゃるわけです。しかし、この大借連がやりました阪神大震災借地借家問題一一〇番に電話をかけてきた人の大体九〇%以上は、神戸、芦屋、西宮の人たちだというのですね。こういう状況の中で、地上げ屋が入り込んできたなんというような話も入ってきているわけです。  そこで、私は、こういう疑問あるいは聞きたいことを借地人や借家人の方々が、そしてまたそういう人たちがだまされないように、借地権や借家権が守られるように、だれにもわかりやすいような文書をこの被災地の借家人の方々に全部渡るくらい配布する必要があるのじゃないか。同時に、テレビというのは非常に宣伝効力があります。ですから、罹災都市のこの処理法が適用されるようになりましたよというPRなども行っていくべきだと思うのです。法務省がやらないとしたら、ぜひ企画庁でこういうわかりやすいのをつくって配布したらいかがかと思うのですが、どうでしょうか。
  176. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 委員のせっかくの御指摘でございますが、これは民事法体系の極めて法律的な問題でございますので、やはり法務省にお願いするわけになると思います。しかし、私どもには企画庁の窓口があるので、そこにできるだけ御相談いただいて、関係方面、専門家の方におつなぎするということで、私どもの窓口の存在を大いにPRしていきたいというふうに考えております。
  177. 矢島恒夫

    ○矢島委員 それは内容的に難しい面もあるかもしれませんが、余り省庁間の縄張りに拘束されることなく、できることはどんどん被災者の要求にこたえていくというのが今積極的に求められていると思います。これは地方自治体の仕事だとか、これは民間の問題だというような形じゃなくて、今政府は何をやるべきか、政治とは何かが問われているときですから、ぜひひとつそういう面でも真剣に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、この問題は今後いろいろな問題で出てまいりますので、経企庁としてもぜひ法務省と連絡をとりながら、あるいは建設省と連絡をとりながら万全を期していくようにお願いしたいわけですが、このまま放置しておきますと、現地では悪徳商法に泣かされる方が出てくるというような事態が起こりかねない事態にあると思いますので、その点もぜひよろしくお願いしたいと思います。  それで最後に、時間になりましたので、やはり現地の人たちから直接できるだけ近場で聞くということが非常に今大切なことではないかと私は思うのです。もちろん相談窓口あるいは電話、ファクス、いろいろな形で経企庁も頑張っているわけですけれども被災者に直接近づいて聞く。相談を待つのじゃなくて、相談を受けに行くという姿勢というのが非常に大切じゃないか。だから、今の問題にしましても、あるいは住宅問題の窓口にいたしましても、できれば避難場所にそういう窓口ができるというようなことが望まれるのではないかと思いますし、積極的な対応をお願いしたいのですが、長官、最後にひとつその点で頑張っていただきたいということで。
  178. 坂本導聰

    ○坂本政府委員 長官が答弁申し上げる前に一言だけ申し上げますと、率直に申し上げまして、経済企画庁は地方出先機関を持っておりません、したがいまして、全国の生活相談員協会にお願いしまして、相談員協会のできる範囲でできるだけ大阪地区へ集中して協力していただく。それからまた国民生活センター、職員もわずかでございますが、可能な限り現地へ派遣して相談体制に応ずるということをやっておりまして、私どもの力の中では可能な限り努力しているつもりでございます。
  179. 高村正彦

    高村国務大臣 ただいま国民生活局長答弁したとおりでありますが、縄張りとか言わないで、できるだけのことはしたいと思っております。  一言つけ加えますと、法務省民事局でつくったこのリーフレット、確かにわかりにくいのですが、法律というのは、うんとわかりやすくすると不正確になる、正確に書こうとするとわかりにくい、こういうことになるわけでありまして、これを見て、何か今までの借地借家法の常識とちょっと違った取り扱いがあるぞといって専門家に相談していただく、そういう気持ちになるだけでこういうものをつくっていただいた効果がある、私はそのように考えております。
  180. 矢島恒夫

    ○矢島委員 最後ですが、質問じゃありません。法務省と建設省がこの法律を出すに当たって、図入りで出ていますね。これの方がまだわかりやすいなと私は思ったという感想だけ述べまして、終わります。
  181. 大石正光

    大石委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時散会