○小粥
政府委員 平成六年における
公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。
独占
禁止法違反行為については、
我が国市場を国際的により開かれたものとし、消費者の利益を
確保して豊かな
国民生活を実現していくとの
観点から厳正に対処し、
価格カルテル、入札談合事件等三十件について審決により違反行為の排除を命じたほか、二十一件の警告を行いました。また、二十三件の
価格カルテル、入札談合事件について、総額七十八億一千三百十九万円の課徴金の納付を命じました。
独占
禁止法違反行為の未然防止については、入札談合行為の未然防止を図るため「公共的な入札に係る
事業者及び
事業者団体の
活動に関する独占
禁止法上の指針」を公表したほか、独占
禁止法との関係において問題を生じさせるおそれがある
行政指導の具体例等を示した「
行政指導に関する独占
禁止法上の
考え方」を公表しました。
また、金融会社の株式保有の認可に当たっての
考え方に関し明確化を図ることにより一層の運用の
透明性の
確保に資するため、「金融会社の株式保有の認可に関する事務処理基準」を作成するとともに、合併等・株式保有に関するこれまでの事務処理基準をより明確化することにより、
透明性の一層の
確保を図るため、「会社の合併等の審査に関する事務処理基準」及び「会社の株式所有の審査に関する事務処理基準」を改定、公表しました。さらに、ベンチャー・キャピタルの許容される
活動範囲等について明確化するとの
観点から、「ベンチャー・キャピタルに対する独占
禁止法第九条の規定の運用についての
考え方」を公表しました。
政府規制制度については、従来から
競争政策の
観点からの
検討を進めてきているところですが、
平成六年においては、研究会を開催し、
物流分野における
政府規制の現状及び問題点について
検討を行い、その結果を公表しました。また、独占
禁止法適用除外制度の見直しについては、独占
禁止法適用除外制度見直しに係る関係省庁等連絡
会議
の場などを通じて、関係各省に対し積極的に見直しの働きかけを行いました。
価格の同調的引き上げに関する報告徴収については、乾電池、一般日刊全国新聞紙及びビールの三品目について
価格引き上げ理由の報告を求め、その概要を年次報告において
国会に報告申し上げました。
事業
活動及び
経済実態の
調査については、
競争政策の
観点から、農薬及び合成ゴムについての
企業間
取引の実態
調査や六大
企業集団に関する実態
調査を行い、その結果を公表しました。さらに、円高の
影響が大きいと考えられる鋼材及び
石油化学工業の市場構造、
価格動向、
取引慣行等の実態
調査を行い、また、食料品、化粧品及びスポーツ用品といった消費財についても同様の
調査を行い、それぞれの結果を公表しました。
下請法に関する業務については、下請
取引の公正化及び下請
事業者の利益
確保を図るため、下請代金の支払い遅延等の違反行為を行っていた親
事業者一千九百四十二社に対して、違反行為の是正等を指導しました。
景品表示法に関する業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、
平成六年中に十三件の排除命令を行ったほか、八百二十一件の是正指導を行いました。
以上、簡単ではございますが、業務の概略について御説明申し上げました。
今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。