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1995-02-17 第132回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月十七日(金曜日)     午後一時五十二分開議 出席委員   委員長 日野 市朗君    理事 稲葉 大和君 理事 浦野 烋興君    理事 七条  明君 理事 村上誠一郎君    理事 赤羽 一嘉君 理事 小池百合子君    理事 小坂 憲次君 理事 石橋 大吉君    理事 高見 裕一君       安倍 晋三君    衛藤征士郎君       衛藤 晟一君    小此木八郎君       亀井 善之君    久間 章生君       小泉 晨一君    佐藤 剛男君       塩崎 恭久君    住  博司君       野田 聖子君    蓮実  進君       林  幹雄君    松下 忠洋君      三ツ林弥太郎君    横内 正明君       若林 正俊君    青山 二三君       石田 祝稔君    長内 順一君       金子徳之介君    北村 直人君       古賀 敬章君    白沢 三郎君       千葉 国男君    畑 英次郎君       弘友 和夫君    増田 敏男君       宮本 一三君    渡辺浩一郎君       佐々木秀典君    佐藤 泰介君       坂上 富男君    田口 健二君       鉢呂 吉雄君    前原 誠司君       穀田 恵二君  出席国務大臣         国 務 大 臣 小里 貞利君  出席政府委員         国土庁大都市圏         整備局長    荒田  建君         国土庁防災局長 村瀬 興一君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      長尾 和彦君         厚生省社会・援         護局保護課長  松尾 武昌君         気象庁地震火山         部地震予知情報         課長      内池 浩生君         自治大臣官房参         事官      陶山 具史君         特別委員会第三         調査室長    佐藤  仁君     ――――――――――――― 委員異動 二月九日  辞任         補欠選任   山本 公一君     浦野 烋興君 同月十日  辞任         補欠選任   山本 有二君     村上誠一郎君 同月十六日  辞任         補欠選任   穀田 恵二君     古堅 実吉君 同日  辞任         補欠選任   古堅 実吉君     穀田 恵二君 同月十七日  辞任         補欠選任   佐藤 剛男君     若林 正俊君   塩崎 恭久君     野田 聖子君   七条  明君     林  幹雄君   原 健三郎君     小此木八郎君   松岡 利勝君     亀井 善之君   横内 正明君     蓮実  進君   金子徳之介君     北村 直人君   白沢 三郎君     渡辺浩一郎君   山名 靖英君     青山 二三君   石橋 大吉君     鉢呂 吉雄君   濱田 健一君     坂上 富男君 同日  辞任         補欠選任   小此木八郎君     原 健三郎君   亀井 善之君     松岡 利勝君   野田 聖子君     塩崎 恭久君   蓮実  進君     横内 正明君   林  幹雄君     七条  明君   若林 正俊君     佐藤 剛男君   青山 二三君     山名 靖英君   北村 直人君     金子徳之介君   渡辺浩一郎君     白沢 三郎君   坂上 富男君     濱田 健一君   鉢呂 吉雄君     石橋 大吉君 同日  理事山本公一君同月九日委員辞任につき、その  補欠として浦野烋興君理事に当選した。 同日  理事七条明君同日理事辞任につき、その補欠と  して村上誠一郎君が理事に当選した。     ――――――――――――― 二月十七日  阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関  する法律案内閣提出第四四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関  する法律案内閣提出第四四号)      ――――◇―――――
  2. 日野市朗

    日野委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事七条明君から、理事辞任申し出があります。これを許可することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 日野市朗

    日野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任並びに委員異動に伴い、現在理事が二名欠員になっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 日野市朗

    日野委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に       浦野 烋興君 及び 村上誠一郎君 を指名いたします。      ――――◇―――――
  5. 日野市朗

    日野委員長 本日付託になりました内閣提出阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律案議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。小里国務大臣。  阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関   する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  6. 小里貞利

    小里国務大臣 ただいま議題となりました阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  平成七年一月十七日に発生いたしました阪神淡路大震災は、阪神淡路地域において、死者・行方不明者が五千三百名を超えるなど未曾有の震 災被害をもたらしました。  この阪神淡路大震災は、国民生活に甚大かつ深刻な被害をもたらし、内外の経済に深刻な影響を与えているところであり、今後、生活再建経済復興等救援策の一層の充実を図るとともに、関係地方自治体に対し最大限の支援を行い、阪神淡路地域復興全力を挙げて取り組む所存であります。  この法律案は、このような状況にかんがみ、阪神淡路地域復興を迅速に推進するため、その復興についての基本理念を明らかにするとともに、阪神淡路復興対策本部設置等を行おうとするものであります。  以上が、この法律案を提出する理由であります。  次に、この法律案要旨を申し上げます。  第一に、阪神淡路地域復興は、国と地方公共団体とが協同して、生活再建経済復興及び安全な地域づくりを緊急に推進すべきことを基本理念として行うものであります。  第二に、国は、基本理念にのっとり、阪神淡路地域復興に必要な別に法律で定める措置その他の措置を講ずるものとしております。  政府といたしましては、所得税雑損控除前倒し適用等税制特例を定めた阪神淡路大震災被災者等に係る国税関係法律臨時特例に関する法律案災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案並び被災市街地復興推進地域内における土地区画整理事業特例等を定めた被災市街地復興特別措置法案について、国会に提出させていただいておりますが、このほか、阪神淡路大震災に対処するための特別の財政援助等を定める法律案等検討も急いでいるところであり、その他の多くの分野にわたって復興を進めるための措置についても検討を進め、必要なものについては、できる限り早急に成案を得て、順次御審議いただきたいと考えております。  第三に、関係行政機関復興施策に関する総合調整等を行うため、総理府阪神淡路復興対策本部を置くとともに、その長を阪神淡路復興対策本部長として、内閣総理大臣をもって充てるものとする等、阪神淡路復興対策本部事務及び組織に関して必要な事項を定めることとしております。  その他、これらに関連いたしまして関係規定について所要の改正を行うこととしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  7. 日野市朗

    日野委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     ―――――――――――――
  8. 日野市朗

    日野委員長 これより質疑に入ります。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
  9. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 ありがとうございます。自由民主党の佐藤剛男でございます。  関西大震災、一カ月を迎えるわけでございます。この大震災によりまして不幸にしてお亡くなりになられた方々、本当に心より冥福を念ずるとともに、私、当委員会の一員としまして、一生懸命この対策について全力を挙げてやらせていただくことをこの機会に申し上げます。  また、委員長を初め小里大臣、本当に日夜大変でございます。心より敬意を表するとともに、一層の万全なる対策を講じていただきたいとお願い申し上げる次第でございます。  私に与えられました時間、約二十分でございます。いろいろの御質問、用意はいたしておりますが、その問を有効に活用させまして質疑させていただきます。  第一はこういうことでございます。現在の臨時対策本部、これは災害対策基本法の第二十四条に基づくものと私は理解いたしておるのですが、大臣、御確認を求めます。
  10. 小里貞利

    小里国務大臣 そのとおりでございます。
  11. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 今回の政府提案によりますと、総理府本部を置くというところが一つの大きなかなめでございます。問題は、この法律根底総合調整をする、縦型社会縦型行政の中において復興のための施策に関する総合調整中心にここに復興対策本部を置くんだということだと思うんですが、この復興対策本部、この法律が通りましてでき上がります。それから今の二十四条のものができております。これは併存していく時期がずっと続くんじゃないかと私は思うのでありますが、その点について大臣はどのようにお考えなのか。  といいますのは、私が申し上げたいことは、この法律根底総合調整であります、総合調整。それで総合調整の場合、総理大臣本部長になるわけでございます。副本部長としまして国務大臣を置くということになっておりますから、小里大臣が、仮の話で申しわけございませんが、この副本部長という形でなっておって、そして今災害対策基本法の二十四条の地震担当大臣である同一人が、同一の人がいる限りは私は非常にスムーズにいくと思いますけれども、一つの理論としてですが、こういう本部というのが、二十四条のものが置かれ、それからこの法律に基づく本部ができていた場合には、一応独立主体でございますから、これは人事の問題にもかなうわけでありますが、そういう場合のいささかの懸念を感じますので、その点についての大臣の御私見をお聞きしたい。
  12. 小里貞利

    小里国務大臣 先生お話しのとおり、災害対策基本法第二十四条で非常災害対策本部設置をされました。しかもこの本部は、御承知のとおり総理府に置かれております。今度また改めて御相談申し上げまするこの組織法は、御案内のとおり、また触れられましたように、同じく総理府に置きます。  そこで、実態論として申し上げるのでございますが、非常災害対策本部は、総理府のいわゆる国土庁のやかたと申し上げていいかと思いますが、事務所の中に置かれております。しかも、その非常災害対策本部担当大臣特命室という一つ機構と申し上げますか組織設置をいたしまして、言うなれば国土庁防災局皆さん中心であり、また各省庁から、先生お話しのとおり各行政部門調整を行うために、そしてまた政府が一丸となって一元的、総合的非常対策を行うために、それぞれ中堅幹部を御派遣をいただきまして、現在、総勢概数六十名前後各省庁から集まりまして非常災害対策本部責任業務に当たっておる、こういう状況でございます。  そこで、先生からお尋ねの、今次の復興本部というのは果たしてそれが混乱をしないか、あるいは一体どういう編成になるのかということだろうと思うのでございますが、同じく総理府に置かれまして、そして事実上、先ほど申し上げました非常災害対策本部関係する防災局を初め、あるいはまた各省庁から御出向いただいております方々の一部の入札かえはあるかもしれませんけれども、そのまま復興本部組織の中に入っていただくだろうと私はそう思っております。しかしながら先生指摘のとおり、若干その辺が複合していくのではないかというお話でございますが、まさに私は当分はそういう形があり得るかな。  言いかえますと、今次の災害が発生いたしましてから、当面のいわゆる緊急対策応急対策等を含めましてやってまいりました。これが復旧対策という一つ業務の範疇にもう既に入りつつありますことも御承知のとおりであります。  さらにまた、地元のたくましい復興のための息吹も燃えてまいりまして、地元の県、市などもその復興のための組織体制を今早急に編成しつつありますから、それらに対応するために復興本部を結成する、こういうことになっておるわけでございまして、実質、さきに設置をいたしました非常災害対策本部と今次お願い申し上げまする復興対策本部ができるだけむだが生じないように有効に、組織の上におきましても、業務実態の上におきましても、事務実態の上におきましても、 十分御指摘のとおり心得ていかなければならない、さように思っております。
  13. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 ただいまの大臣お話で安心いたしました。ひとつ、この両本部は当分の間、片や応急部分でありますけれども、それと復興という形でいくわけですから、併存していき、今大臣がおっしゃられましたように、人員的にも重なり合う。ただ、リーダーが、トップですね、こちらでいいますと副本部長、それから二十四条でいきますと大臣、これが違ってしまったりしますと、まさしくその両間の総合調整を要するような話になってしまいますと困りますので、その点のことをお話し申し上げまして、よろしく順調に円滑に、緊急にやっていただきたい。  それからさらに、これに関連しまして、私はこれも内閣総理大臣人事お話だと思いますが、この法律は五年間の執行法になっております。そうすると、この副本部長には国務大臣が当たることになっておりますが、本来ならば五年間は、この一年間に四人の内閣総理大臣がかわるくらいでありますからそうなんですが、これはかわらないで、しっかりと本当に復興を真剣にやっていただいて、これ民間人になっても、大臣が落選したというふうなことを申し上げるわけじゃないですけれども、憲法上は大臣の半分以上は国会議員でなければいかぬけれども、民間人でもできるわけですから、その意味において誠心誠意、この法律有効期間の五年間ある間はもう全身全力を挙げてやっていただくというようなことが私は国民に対し、被災者に対する安心感を与えるものである、かように考えます。大臣、今のは私の希望でございますが、よろしく適当な機会のときに内閣総理大臣にお伝えいただきたいと思いますことを申し添えておきます。  それから、次に第二条でございます。法律基本理念の点でございます。この第二条に関しますキーワードといいますのは、生活再建、これを緊急にやるということ、それから関西圏再生、これがキーワードであると思います。そして地域住民の意向を尊重しつつ、国と地方公共団体が協同して行うというところがさわりではないかと思います。そしてこの裏腹の問題、私は一番重要な問題だと思いますが、この言葉で、生活再建生活再建ということは被災者救済をやるという意味だろうと思います。  当然この二条の議論のときに、これをつくるときに、立法政策上、公共福祉のために、いわゆる憲法二十九条の私権の制限規定という、公共福祉に反しない限りにおいてできるという点は、関西圏再生するために、例えば亡くなられた人が、火事であれするところに公園があったならよかったなと言いながら人命を失われた方もいるわけでございますから、片っ方で一つの大きな強権発動というようなものが必要であるし、片面で被災者に対する本当に心の通った法律相談まで、体制までできる優しい政策というのが、この二つの対でなければならないと私は思うのであります。  この第二条の中に、私が申し上げました憲法二十九条の議論というのはなされたんだろうと思うんですが、それは一体どういう言葉に、ここにはちょっと理解しにくいのでありますが、どの言葉がこの第二条の中の基本理念として出てきているのか。これから土地区画整理の問題であるとかいろいろな問題が出てきます。その問題について第二条、一番重要なる基本理念でございますので、大臣の御見解をお聞きします。
  14. 小里貞利

    小里国務大臣 ごもっともな先生一つの重大な御配慮であり、そしてまた御指摘であると存じます。  本法案第二条の「生活再建」との文言は、まさしく、今般の大震災被災された方々が、罹災者方々が一日も早く通常の生活を回復していただきたい、これが最大の要請でありまた基本理念である、そこをこういうふうに明らかにしたものだ、こういうふうにひとつ御理解いただきたいと思うのです。したがいまして、御指摘被災者救済との御趣旨は、まさに生活再建に含まれている、その最も最たる本旨である、さようにひとつ御理解をいただきたいと思います。
  15. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 国土庁荒田局長、村瀬局長いらっしゃいましたから、恐らく法律の、内閣法制局審議やっていたり、あるいは各省庁でやっておられたんだと思う。大臣はお忙しい、いろいろもうやっているわけですから、そういう過程の中において担当局長として、各省庁においてどういうふうな意見議論があったのか。私は重要な問題だと思っていますから、憲法二十九条問題にどう踏み切っていくのか、この機会にその議論をお聞かせいただきたい。政府委員に問います。
  16. 荒田建

    荒田政府委員 今大臣から御答弁申し上げましたのは生活再建ということでございますから、大臣のおっしゃったとおり、被災者救援救済、こういったものがまず第一義であるべきだというお話でございます。  そこで、先生お話し憲法二十九条の議論でございますけれども、二十九条の議論は、たしか財産権関係議論であるかと思いますけれども、その部分については、この基本理念は、あくまで基本理念として提示してございます。生活再建経済復興、それから、将来にわたって安全な地域づくりを緊急に推進するという形で理念的に書いてございますので、直接的に――二十九条は財産権の不可侵とかあるいは公共福祉に適合するようにというような条文だったかと思いますが――(佐藤(剛)委員議論をしたんですね」と呼ぶ)直接的な議論はやっておりません。
  17. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 では憲法二十九条の話はここでは少しとめておきますが、これは法律で定めることができるということになっているわけですから、ここでこれからいろいろな、三条で「国が講ずる措置」ということで、「別に法律で定める措置その他の措置を講ずるものとする。」というようなところでいろいろなものが出てくる、こういうふうに私は理解いたします。いいですね。一荒田政府委員「はい」と呼ぶ)  それで、第四条の第二項二号に、第一号は「阪神淡路地域についての関係地方公共団体が行う復興事業への国の支援その他関係行政機関が講ずる復興のための施策に関する総合調整に関すること。」というのがあって、二号に「前号に掲げるもののほか、法令規定により本部に属させられた事務」というのがあるのです。本部に属せられる事務というのはどんなものを考えておられるのか。  ちょっと私これだけ見た限りにおいては、それは最後の受け皿法令ですから、何でもかんでもそういう受け皿がないといかぬという規定なんじゃないかとは思いますけれども、お考えを、何を考えて、どういうようなものを考えて、本部にどういう権限が来るのか、これは重要なことですから。例えば、今考えている法律の中で本部権限があるものがあるとか、ないとか、そういうことを伺いたい。  それは、先ほど本会議において内閣総理大臣あるいは小里大臣が、こういう法律考えておりますと、五つの法律をずっと並べられておりました。そういう中に、私の見る限り、本部に属せられる事項というのはないだろうと思う。何が本部に今後属せられるようなものがあるのか、御質問させていただきます。
  18. 荒田建

    荒田政府委員 法律上は、今先生おっしゃったように「法令規定により本部に属させられた事務」、こういう本部法をつくる場合の規定としてよくある規定でございますが、総合調整施策を行うために必要な事務、これからいろいろ検討するということになってくるかと思いますが、今私どもが想定しておる事務としては、先般できました阪神淡路復興委員会というのがございますが、あれが政令で審議会ですけれどもできておりますが、その庶務といいますか、委員会の運営に関する事務、これを一応この事務局で担当するということを想定してございます。
  19. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 今、局長から、下河辺先生だの七人の復興委員会、あの復興委員会というのは根拠法律組織令ですね。そうですね、行政組織令。それで、私は本来ならば、こういう組織の話 ですから、こういう中に復興委員会というのをきちんと明記して、七人の方々の役割というのをやるべきじゃないかということを感ずるわけでありますが、その点について大臣、どのようにお考えになったのか、どういう議論があったのかなかったのか。
  20. 小里貞利

    小里国務大臣 先生承知のとおり、復興本部事務機構は、御案内のとおりこれはもう執行機関でございますが、今先生指摘の七名の皆さん委員会なるものは、主として民間皆様方に委嘱いたしまして、そして、今次の復興について深い造詣をお持ちの各位でございますが、大所高所から、総理が諮問を申し上げる事項等に対して審議して御答申をいただく。あるいはまた、みずから創意工夫によりまして、地元の県、市の復興計画状況を把握もしながら、そしてみずから総理大臣に対しまして御助言いただく。その助言を受ける総理大臣復興本部本部長でございますので、これを重要な参考にして判断を下していくもの、そういうふうに考えております。
  21. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 時間がなくなりましたので、あと一分私の意見を申し上げます。  第二条の「基本理念」のところに、一応最終的に、「もって活力ある関西圏再生を実現することを基本理念として行うものとする。」とありますね。この「関西圏」という法律用語は、私の知識に関する限り、関西圏文化都市のという言葉がございますが、関西圏という形だけでどこら辺までを考えて、夢を考えているのか。近畿圏という言葉はあるわけですが、これは福井まで含んだりいろいろありますけれども、その点の、どういうふうなものをイメージに描いているか、局長で結構ですから。
  22. 荒田建

    荒田政府委員 活力ある関西圏再生の実現を基本理念としておりますけれども、関西圏というのは、もう先生よく御承知だと思いますが、東京一極集中との関係でだんだん地盤沈下しているということは、人口あるいは産業その他を見ましても、あるいは金融を見ましても、そのとおりだと思います。今回被災を受けた阪神淡路地域というのは実は関西圏中枢地域でございますから、もしここの地域が健全に一日も早く復興いたしませんと、そういう関西圏の全体に非常な大きなダメージを与えるということになります。  そういったことで理念を提起したわけですけれども、もとより、関西圏というものを明確に定義したものはないと思います。ないと思いますけれども、例えば私ども、関西文化学術研究都市法という法律がございますが、奈良、京都、大阪で今やっているプロジェクトでございますが、そういったところに関西という言葉が使われておりますけれども、一応、主として大阪、京都、奈良、兵庫と、二府二県のことを想定して書いてございます。
  23. 佐藤剛男

    佐藤(剛)委員 時間がなくなりましたので、これで終わらせていただきます。  最後に、どうか小里大臣、この法律は、必要なことは運用でございます。それから、基本理念というのも国民皆、大体合意を得ている話ですから、ひとつこれに対しまして、特に地方公共団体、それから民間も中に入れ込むぐらいの感じで本部をつくっていただいて、そして全力を挙げて阪神・淡路復興をやっていただきたいということの希望を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  24. 日野市朗

    日野委員長 次に、小池百合子君。
  25. 小池百合子

    ○小池委員 新進党の小池でございます。阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律に関しまして質問をさせていただきます。  きょう二月十七日でございますが、ちょうどあの一月十七日早朝に起こりました大震災発生から一カ月ということでございます。被災地におきましては、本日、亡くなられた方々への黙祷もささげられました。あのときの思いを新たに、そして、復興にかけるそのエネルギーというものは大変なものがございます。しかしながら、現在でも避難所に二十万人を超える方々がまだまだ寒さに震えておられる。時には、これだけたったというのにもかかわらず、食事が届かないというような状況がございます。  また、余震の問題でございますけれども、最近は、かつてよりはおさまったとはいえ、まだまだ不安が募るところでございます。例えば、今回の被災地の一つでございますけれども、兵庫県の川西市そして猪名川町といったところでは、以前から、昨年の九月ごろから群発地震が続いているということでございまして、今回の震災の後でも、非常に微小ながら、余震といいましょうか、また別物だということもございますけれども、群発地震が続いている。  今この大震災の後で、被災地の方々の心理状況考えますと、非常に心細い、不安が募るというような状況がいまだに続いております。そして、その現地の要望から考えましても、ぜひともここは地震計をつけてほしいというふうに伝えられているわけでございまして、地震計がついたからといってもなかなか地震がおさまるわけではございませんが、ここは、例えば被災地の方々の不安な心理であるとか、それから情報が欲しいといったようなニーズにこたえるべきではなかろうかと思います。  法律の中に入ります前に、この点につきまして気象庁の方から一言、この問題に対してどういう考えを持っていつまでに何をする御計画か、伺いたいと思います。
  26. 内池浩生

    ○内池説明員 御説明いたします。  猪名川町の震度計の設置につきましては、現在検討を進めているところでございます。  なお、地震観測につきましては、現在展開されております観測網により、活動の監視は十分行っておると思っております。
  27. 小池百合子

    ○小池委員 しかし、情報がすぐ被災地の方々、川西市そして猪名川町の方々に伝わっていないというのが現状でございます。その地元の要望に対しましてはどのように今後対処していかれるおつもりなのか、もう一度伺わせてください。
  28. 内池浩生

    ○内池説明員 実は気象庁といたしましては現在、毎日夕方ですけれども、その日の十五時までに起きた地震につきまして、分布図、それから、それまでの余震の状況について配付してございます。現在それが、例えば川西市、猪名川町まで伝わっているかどうかにつきましては完全に掌握しておりませんけれども、気象庁といたしましては毎日その情報を、マスコミ、関係機関、それから政府対策本部の方に配付してございます。
  29. 小池百合子

    ○小池委員 そうしますと、地震計をつける御計画というのは一切ないのでしょうか。
  30. 内池浩生

    ○内池説明員 今、議員の提案のありました猪名川可及び川西市、その付近に地震計を設置するということについては、地震観測そのものについては、現在展開されております観測網により観測は行われていると思っております。震度計の方につきましては現在検討中でありまして、その方向で検討を進めているところでございます。
  31. 小池百合子

    ○小池委員 ぜひとも実現をよろしくお願いいたします。  それでは、今回のこの法案に関しまして伺わせていただきます。  先ほども佐藤議員の方からも御指摘がございました、昨日から始まりました復興委員会でございますけれども、それぞれ見識の高い先生方がお集まりいただいて、そして大所高所からの御意見を伺うということでございます。その言やよしてはございますけれども、私は、総務庁の方で行政改革を担当させていただいたという経験を踏まえまして、非常に心配していることといたしまして、この阪神復興委員会の中でどんなにすばらしい御意見が出てきたとしても、それが本当に実現するのか、実行につながるのか。組織的、システム的に考えてどうかということを考えますと、今回、国家行政組織法の第八条ということで設置されたわけでございますけれども、なぜこの八条なのか、お答えいただければと思います。
  32. 荒田建

    荒田政府委員 国家行政組織法第八条、もう先生十分御承知のとおりだと思いますけれども、「重要事項に関する調査審議、不服審査その地学 識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。」こういう規定になっておるわけでございますが、この規定に基づきましていろいろな審議会等々が設けられているわけでございまして、そういった例にならって今回審議会を、委員会設置したわけでございます。
  33. 小池百合子

    ○小池委員 今まさしく審議会というふうにちらっとおっしゃったわけでございますが、今回の委員会は第八条に基づくものですから、内閣総理大臣審議会ということの位置づけになるかと思いますが、しかしながら、阪神淡路復興対策本部審議会という位置づけにきっちりなっているのかどうか、法的にそこのところがきっちりと整合性があるのかどうか、これについてはいかがでしょうか。
  34. 荒田建

    荒田政府委員 この阪神淡路復興委員会の政令設置でございますけれども、そちらの方に、今回の阪神淡路大震災に係る地域復興施策を総合的に推進するための総合調整に関し必要な事項について調査審議する、内閣総理大臣の求めに応じて、諮問に応じて、そういう復興に関し総合調整を要する事項について調査審議するということで、審議会の政令の方にそのように明記してございます。  きょう御提案いただいて御審議いただいている法律も、大体、復興本部業務として同じような総合調整を行うという規定がございますから、そこできっちり連携してやれるようになるということで担保しているわけでございます。
  35. 小池百合子

    ○小池委員 この八条に基づく審議会といいますと、臨調がそうだったわけでございますが、あの会長を務められました鈴木永二さんが、この臨調で幾ら意見を言ってもそれが現実に取り入れられるのは極めてわずかである、無念だという思いで亡くなっていかれたのを私はよく覚えております。  よって、今回こういった、まさに一日一日被災民の方々が、本当に復興できるのかどうか、夢も希望もない、ここまで一カ月もたっていながら何をしているんだといったような怒りに変わってきつつある段階で、今、臨調と同じような審議会の立場でこの委員会が開かれていったとしても、それが本当に実現できるものかどうかというのを私は大変心配するわけでございます。被災民の方々にとってみれば、まさに一刻一刻の問題を抱えておられる。そこでまた審議会審議会というある意味では形骸化した、そして意見は言いっ放しというような状況で本当にやっていけるのかどうか、ここについては私は大変危惧するところでございます。  八条機関というものはそういうものだと言ってしまえばそうなのですけれども、今はそういう状況ではないということを私はぜひとも申し上げておきたいと思います。また、この委員会先生方がこれから大変御苦労なさることを考えますと、どこかの時点でこの委員会委員先生方が、臨調の委員方々からの不満が爆発したのと同じような状況になるのではないか、そんな危惧さえ抱いているわけでございます。  こういった問題点について、先ほど担保されるというふうにおっしゃいましたけれども、実際にこの委員会で出てまいりました御提案がどのようにして、どういうその後の処理と申しましょうか、でもって実現ができるのか、その道筋についていま一度はっきりと伺わせてください。
  36. 荒田建

    荒田政府委員 昨日夜でございますけれども、阪神淡路復興委員会審議が始められたわけでございます。その委員会の中でも各委員先生方から議論が出ておりましたのは、通常の今先生おっしゃったような審議会のようなやり方でゆっくり時間をかけてやるというのは、今先生まさにおっしゃったようなことの要請に到底たえられないから、どんどん緊急提言をやっていきたいというような御意見が出ておったかと思います。私ども、委員会への総理からの諮問文書も、この阪神淡路地域復興に関して国がとるべき基本的な方針を緊急に意見を出してください、こういう形で総理から委員会意見提出をお願いしております。  さてそこで、先生お話しの、意見を出したわ、あるいは出しっ放しじゃないかとか、あるいは何か政府が四の五の言ってとかという話に多分なる話だと思いますけれども、こういう事態でこういう趣旨で設けられた委員会でございますから、委員会の運営もそういうことでやっていこうということですから、そういうことのないように、総理に出された意見は十分尊重して行っていくということになっていくと思います。
  37. 小池百合子

    ○小池委員 委員会で出た御意見復興対策本部中心となって実行ということをぜひともお願いしたいところですが、そうすると次に問題となってくるのは、肝心の復興対策本部がどれくらい実力があるかということになってくるかと思います。  そして、委員会の中で出てくる、例えば堺屋太一さんなどは新しい大胆な発想でいろいろな案を出される、すばらしい案を出してこられるということは私は十分考えられると思いますし、きのうも既にそういった大所高所からのお話も出ていると思います。しかしながら大所高所、そして緊急的な話だけに、これを実現するためにはいろいろなハードルがあるわけです。いろいろなハードルを越えるためには、この復興対策本部なるものが強力な布陣でないといけない。それは、置かれるところが本当に総理府でいいのかどうかというようなことが私の懸念する一つでございます。  ここで、今回総理府に置くという件でございますけれども、総理府設置法以外の法律に基づくものは本当になかったのでしょうか。その点、どういう検討がなされ、どこが決断されたのか、その経緯について御説明ください。
  38. 小里貞利

    小里国務大臣 先生から今御懸念の、御指摘にありましたことをちょっと念頭に置きながら申し上げたいと思うのでございます。  今次のこの設置に関する論議はどのあたりがらどういう話があったのかということでございますが、内閣にとりましても極めて重要なる当面の事項、その最たるものであることはもう御承知のとおりでございます。したがいまして、総理官邸を初め関係大臣等の意見も十分聞きましたし、そしてまた地元の県知事あるいは主なる市長等の御意見などもお聞きし、連携をとりながらこの段取りが進められてまいった、そういう経緯でございます。  それからまた、お話がございましたように、幾ら卓見を集めてもらって、そして大変格調の高いものを答申いただいても、それを実行する執行体制一つの機能性といいますか、その処理力がなければだめじゃないかという御指摘でございますが、まさにそのとおりでございます。  お話のようにこれは総理府設置をされます。総理府設置と申し上げますと、現在の非常災害対策本部総理府設置されておりますが、実態としてはその指揮下にあるいわゆる国土庁防災局中心に各省庁から出向していただいております。言うなれば、横の連絡連携を周到綿密にとりながら一元化された体制で執行いたしておりますが、大体その組織機構と似通った形におきまして推進されるもの、かように考えております。  もちろんのこと、おっしゃるように、決められたこと、またその諮問委員会の答申を聞いて本部長が判断したことが的確に、より弾力性を持って、前向きで積極的にとり行われなければならないもの、こう考えております。
  39. 小池百合子

    ○小池委員 総理府の中に置かれて、そして横の連絡をしっかりとりながら一元化してということでございますけれども、この総理府設置法でいきますと、例えば国土庁であるとかその他の総理府関係のところとまさに横並びになってしまうわけですね。そうすると、今必要なのはそういったところから意見を吸い上げて、むしろ一段上で指揮を、そして指導力を、調整力を発揮するということであって、横並びになってしまうとなりますと、結局また同じ対策本部が横につくられるというだけになってしまうのではないか。  だから、総理府設置法以外の法律に基づくことは考えられなかったのですかというふうに私はお尋ね申し上げているわけでございまして、その辺のところの明確な御答弁をいただきたいと思います。
  40. 荒田建

    荒田政府委員 おっしゃる趣旨法律形式の問題の議論もあると思うのですけれども、国家行政組織法に基づきまして各行政機関が設置されておるわけでございますが、法律で横並びに並んでいる云々というようなことも大事なことかとは思いますけれども、問題は、本部に与えられた権限、これがどういうようなものなのかということにかかってくるのではないかと私は思います。そういう意味で申し上げますと、この復興施策に関する総合調整を行うという政府の機関は、まさに現在どこもないわけであります。そういうことで、復興に関する総合調整を新しくこの本部権限として置いたというようなことが、やはり相当大きな意味を持つというふうに考えております。  ですから問題は、そういう総合調整権限が与えられた本部がいかにその総合調整の実を上げていくかということでございましょうから、恐らく先生の御指摘のような方向で、本部ができますとそういう形で強力な総合調整本部長のリーダーシップのもとに行われていくものと期待しているわけでございます。
  41. 小池百合子

    ○小池委員 今の御答弁から、例えばこういうことと同じことかなと思うのは、新しい権限が与えられ、横並びではない総合調整をする新しい分野として例えば環境庁などが出てきた。これは環境庁とは関係のない話で例えばのことで出させていただいているのです。しかしながら、そこで今何が起こっているかというと、それぞれの縦割り行政でがちがちになって、本来の環境行政がなかなか進まないというような弊害も出ているわけです。これは、緊急性と、それから環境という全く新しい分野での話と、少々時間軸は違いますけれども、同じことになるのではないかと私は懸念するわけでございます。  そこでいろいろと考えてみまして、本当に今回の復興を、百年かけてやろうというなら別ですけれども、これは一刻も早くやらなければならない。そうなると、ここはただ決意とか心意気とか、そういうことも必要ですけれども、やはり組織としてやっていくからには、どこにどういう力でもってやっていくのかを確実なものにしないと、例えば先ほどの委員会にしても、御尽力いただいても行政の組織の中で力が発揮できないというような問題も起こってくるということを申し上げているわけでございます。  例えば、内閣法の中で第十二条というのは検討の対象にはならなかったのでしょうか。第十二条、特に四項。
  42. 荒田建

    荒田政府委員 ちょっと済みません。内閣法の何条と申されましたか。
  43. 小池百合子

    ○小池委員 第十二条四項です。
  44. 荒田建

    荒田政府委員 「内閣官房の外、内閣に、別に法律の定めるところにより、必要な機関を置き、」云々という規定でございますか。この規定は、内閣官房の業務といいますか、仕事といいますか、そういったものを規定して、また、別に法律の定めるところによる必要な機関という形でございますけれども、もちろん法令の作成でございますからここらあたりも含めて検討したわけでございますけれども、やはり、法律で独立した規定を置くということで今回御提案のような法案にしたわけでございます。
  45. 小池百合子

    ○小池委員 私は、この内閣法十二条に基づいて、対策本部、そして先ほどから申し上げている復興委員会皆さんの会ですね、これをこの内閣法のところに位置づけていく、工夫しつつ位置づけていくということになれば、まさに強い権限と実行力のある機関ができたんじゃないかというふうに思うわけでございます。  聞くところによると、当初自民党さんの中には復興院の構想というのがあったはずでございます。どこで、いっこのように後退してしまったのか。これについては、小里大臣いかがでしょうか。
  46. 小里貞利

    小里国務大臣 確かに今次の経過におきまして、帝都復興院あるいは戦災復興院、そのようなイメージの、大変ダイナミックなど申し上げますか、高度な所管形態を持った話が出されたいきさつは私も承知いたしております。  しかしながら、今次の社会的な背景、あるいは政治、行政の原則から考えていきますと、やはり今日の行政の推進に当たって一番大事なことは、地方自治という本旨を外しながら、なかんずく、このような大震災復興でございますから、あくまで市、県がその主役になって、そして我々はそれを直接間接、積極的に支援をする、そのような原則も重んじなければならない一つの側面を持っておるわけでございます。さようないきさつからいたしましても、いろいろ地元の、先ほども申し上げましたが、県知事やあるいは経済団体、あるいは市などとも相協議をいたしまして、そしてそれらを参考にしながら進めてまいったといういきさつがございます。  要するに問題は、先ほどから御指摘がありまするように、その役割分担をきちんといたしまして、住民の意思を尊重しながら、そして、言うなれば防災性の高い復興計画を進めなければいかぬ。そのためには県、市、あるいは町、あるいは国が一つの長期的なビジョンのもとに、各級のあらゆる分野についての復旧・復興事業を展開するわけでございますから、その運びを戦略的に有効に進めるために、そしてその基礎的なところを政府がきちんと押さえなければならぬ、そういう観点で今次に至ったもの、こういうふうに判断をいたします。
  47. 小池百合子

    ○小池委員 国と地方の今回のこの復興に関しての役割づけというのが、この法案の中に、「国と地方公共団体とが適切な役割分担の下に地域住民の意向を尊重しつつ協同してこれは基本理念ですからこういったところになるのでしょうけれども、しかしながら実際には、瓦れきの処理を自分で行った方に対して、その費用例負担はどうするんだといったようなこと一つとりましても、国と地方自治体で大混乱がきのうも生じているわけでございまして、決して、適切な役割分担のもとに協同してというような状況に現在なっていない。  だからつくるのだということもお答えになるかもしれない。しかしながら、私現在見ておりまして、県、市それぞれから、フェニックス計画なども出てきております。しかし、その中でもなかなか整合性が見出せない。また、小さな市になりますと市の職員がまだまだ日々の被災民のお世話に追われているような状況で、例えば芦屋市などの場合には、全壊、半壊合わせて市の四三%以上のお宅がつぶれているということになりますと、これはもう一回新しい市をつくりましょうよというような話でございまして、日々の行政とはもう全く規模的にも内容的にも違うということでございます。  やたらと地方の考えを尊重し、これはもちろん地方議会などを通さなければならなかったり実際に市民の声も聞かなければならない、それはそうなんですけれども、都合のいいときには地方分権だ、地方を尊重しましょうと言っておいて、こういう非常事態において国が本当の指導力を払わないというのは、これはある意味で、命ではないけれども、人災になる、私はこのように懸念しているところでございます。  言い過ぎかもしれませんけれども、被災民の方々と毎日接していると、だんだんそういう心理状況に私もなってまいるわけでございます。それだけに、今回のこの復興対策本部でございますけれども、位置づけにしろ、それから先ほどの委員会の位置づけもしかりでございますけれども、これでは弱い。  そして、これから本来実行力を持ってやっていかなければならないのは、区画整理など、いろいろな私権に関する問題でございまして、これを地方自治体にそのまま任せておくと、一本の新しい道路をつくるのに今何年かかっておりますか。あ の地域被災地の復興を百年かけてやろうというのなら話は別だと先ほど申し上げましたけれども、そうじゃないんですよ。ですからこそ私は、総理府と同じ形で置くというのは非常に弱いし、それから、自民党さんの中でも異論があったと聞いております。なぜそれを突っぱねなかったのか。もう一度小里大臣に、御心境も含めて伺いたいと思います。
  48. 小里貞利

    小里国務大臣 私は、住民の意思を尊重するというのは極めて大切な一つの要素である、こう思っております。それと並んで、役割分担ということを委員会設置においても復興本部設置においても私どもは言っておるわけでございますけれども、それは一つの一般的な姿勢でありまして、中身においては旺盛な意欲を持って、日ごろの、ちょっと表現としてはどうかと思いますけれども、国、県、市町の行政区分を乗り越えでいろいろな面で、特に県、市町などがやりづらいようなところは積極的に旺盛な意欲を持って切り込んでいかなければいかぬ。そういう一つの姿勢というものが大事じゃなかろうか、私はこう思います。  だから、例えば先ほどお話がございましたように、都市計画をかける、土地区画法をかけるという場合には、末端の自治体というのはなかなか苦労をいたします。そしてまた、通常、そのようなやり方におきましてはなかなか事が順調に運ばない大きな障害の側面もありますから、そのようなところは、地元の自治体の意向を尊重しながら積極的に、あるときには大胆に切り込んでいくという姿勢が必要だ。  あるいはまた、瓦れきの処理のお話がございましたが、これも、通常やらないことを負担区分を乗り越えて、二分の一をさらに八十数%に切り込んで、さらにまた個人の資産まで、あるいはいわゆる会社等の、中小企業のその処理まで切り込んでやっていきましょうという姿勢を示しておるところも象徴的に一つ御紹介申し上げたわけでございますが、そういう意気込みでやっていかなければならぬ、かように思っております。
  49. 小池百合子

    ○小池委員 意気込み、そして形容詞が非常に多いというふうに私は率直に思うのでございますが、意気込みだけでは、結果的にこの霞が関の皆さん方の本当の意味での復興に対する御努力というのが実を結ぶかどうかについて、私は本当にこのままでいいだろうか、そして今回の設置の法で本当に十分だろうか、大変心配をしておるところでございます。  これからの官邸、そして内閣の機能ということが危機管理の中でも考え直されている。すなわち、私はここで先ほども申し上げましたように、内閣法十二条の中で、まさに内閣法制局人事院等が当てはまるわけでございますけれども、ここにしっかりとした位置づけをすべきであったということを後々に反省することがないように、しっかりやっていただきたいというふうに思っております。  時間が参りましたので、ほかにもたくさん伺いたいことがございますけれども、とにかく時間内に終わらせろということでございますので、ここは協力させていただきます。ありがとうございました。
  50. 日野市朗

    日野委員長 次に、石田祝稔君。
  51. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 まず最初にお伺いしたいのは、この法案の名称のことでございます。  私の手元に中身がまるっきり同じで名前が違う法案がございますが、なぜ一日のうちに、阪神・淡路復興法案という被災された方からすれば大変希望を持たせる名前の法案が、中身が同じで、基本方針及び組織に関する法律、物すごくトーンダウンした、ある意味ではこれが中身にふさわしいタイトルかも知れませんけれども、一カ月かけて、災害復興をやるぞと言われ続けてきた政府のお考えにしては余りにも中身がないのではないか、私はこのように思わざるを得ません。  法案の名前が変わったことをも含めて、この法案で一体何をしようとしているのか、何ができるのか、端的に大臣のお答えをいただきたいと思います。
  52. 小里貞利

    小里国務大臣 確かに昨日の朝、この件について論議にかなり起伏があったことは先生おっしゃるとおりでございます。ただ、お言葉をお返しするわけでもありませんけれども、この法案の中身は全く二言一句変わっておりません。ただ法律の名称が若干変わった、こういうことでございます。  ではどこがどういう理由で変わったかと申し上げますと、端的に申し上げまして、この法案の性格及び実質的な意味するものを、総体として呼称、タイトルを変えた方がいいのではないか、その方がより親切であり、そして直接的である、こういうような御指摘がありましたので、実は本日申し上げましたように、基本方針及び組織が中身に主なる柱としてうたってあるのだからそのまま顔を出した方が素直ではないか、そういうような一つのいきさつにおきまして採用いたしたわけでございます。  なおまた、この法案がどのような役割を果たすのかというお尋ねでございますが、各位からいろいろ昨今お聞かせいただいておるように、この復興が、政府として十分な責任を果たせるように、大きな座標軸となってこれから展開されることを私どもは心得ていかなければならぬ、さように思っております。
  53. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣、非常に率直にお答えをいただきましたけれども、要するに阪神・淡路復興法案という名前にふさわしい内容ではなかった、端的に言えばこういうことですね。
  54. 小里貞利

    小里国務大臣 先生は専門家だからもうおわかりいただいておるわけでございますが、第三条で、では何をなさんとするのかというのは本当に限りなくたくさんありますよ。しかしながら今日の段階においては、具体的に末端の市、町、県におきまして、もろもろの甚大広範にわたった被害状況等を把握をし、かつまたそれに対する各機関の対応の一つの事業項目というものを整理をいたしておられる実態でございますから、私どもはそれらをより早く吸収をして、そして国は国としてなすべきことをいろいろと、絵をかくものは絵をかく、具体的に実践に踏み込むものは踏み込む。もう既にきょうの本会議でも踏み込んだわけでございますが、そういうものが、順次いろいろ客体が出てまいりますから、それを第三条でひとつお断り申し上げておきます、こういう一つ考え方で編成をいたしました法律でございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。  なお、きょうも提案理由説明で申し上げましたように、これから幅広い分野で順次御相談を申し上げたい、かように考えております。なおまた、きょうも御案内のとおり本会議で御相談申し上げたとおりでございますが、次の第二波は二十四日ごろ御相談を申し上げたい。これは復旧、復興に関するもろもろの当面の施策に関する法令等でございます。
  55. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣の言わんとされることもよくわかりますけれども、残念ながらこの法案阪神淡路大震災復興法案ではない。やはりある意味で言えば、一カ月間被災された方々が、何とかして復興の方途を法律の体系の中でやっていただきたい、何とかして復興したいと待ち望んでいた法案と余りにもかけ離れているのではないか。法三章と言いますからこれが基本だと言われればそうかもしれませんが、余りにも待ち望んでいたものとは遠いと私は言わざるを得ません。  大臣もよく御存じだろうと思うのですけれども、もともとは大臣の所管のところの法律でこういう法律があるのですね、沖縄振興開発特別措置法というのがございます。この総則のところの「目的」に、ちょっと読んでみますと、「この法律は、沖縄の復帰に伴い、沖縄の特殊事情にかんがみ、総合的な沖縄振興開発計画を策定し、及びこれに基づく事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、」云々となりまして、「住民の生活及び職業の安定並びに福祉の向上に資することを目的とする。」こういう、これは大臣のもともとの所管のところの法律でございます。この法律はこういう目的で出されている。ですから、この目的 のところを今回の阪神・淡路の復興という形で当てはめてみれば、目的もそのままだと私は思うのです。  そして、その中身は実に多岐にわたっております。「振興開発計画の内容」、また財政面では「国の負担又は補助の割合の特例等」、それから道路から港湾、ずっと書かれておりまして、そして「地方債についての配慮」、こういうこともすべて含まれている法案大臣の所管のところにあるのですよ。どうしてこれを参考にしてこういう計画をつくらなかったか。五条の法律をつくって、その他はその他の法律に任せますということにしないで、こういうものを先に出して、網羅的にこれで復興するんだ、財源措置もちゃんとやっていますよ、地方も困らないように地方債にも特別の配慮をすることも書き込んでありますよ、なぜこういうふうにしなかったのか、私は不思議でならないのですよ。  ですから最初に申し上げたように、これは復興の基本法案ではないと私は申し上げたのですよ。大臣のところにちゃんとこういうすばらしい手本があるのに、なぜこの沖縄振興開発法みたいなものを阪神・淡路復興開発法としなかったのか、そこがよくわからない。これは御通知申し上げておりませんでしたけれども、感想で結構ですから、大臣のお気持ちをお聞かせください。
  56. 小里貞利

    小里国務大臣 先生よく御調査いただいておるようでございますが、沖縄開発法というのは大変特殊な一つの社会的背景を持っていたということ、御承知のとおりでございます。一九四五年以来二十七年間占領下にあった、したがいまして、今から逆算いたしますとおおむね二十年前に組織された法律であります。そういう一つ状況。あるいはまた、その沖縄なるものは、長い間占領下にあると同時に、また今日でさえも米軍駐留基地として日本全体の二五%を提供しておるというような状況でもありますし、戦後の二十七年間というものの生活水準と申し上げていいでしょう。あるいは産業、経済の水準において本土と大変な乖離があったことも事実でございまして、その辺を、いわば国家責任におきまして、復帰と同時に国民総力をかけてこれが体力をつけていこう、そういう趣旨から始まったものと私は思っております。  今次の場合は、その基本理念におきまして、これは被害が甚大で広範であったよ、この復旧、復興は大変だよという認識、そしてまた、これから政府も重大な責任を持ってやろうというその姿勢においては全く私は変わりはないと思うのでございますが、いろいろな方面から検討されまして、特に、御承知のとおり日ごろでさえも神戸を中心に、兵庫県下というのは復興についても大変志の高いビジョンを持っておるし、あるいはノウハウもあるし、あるいはリーダーシップを持った地帯でもあると高く国内でも評価されておるところでございます。また御承知のとおり、もう既に兵庫県下におきましても都市再生戦略策定懇話会等も十一日に始まった。あるいは神戸市におきましても復興検討委員会が始まりまして、たくましい息吹を見させていただいておりますから、これらと提携して、そして御意見もお聞きしながら、そしてまた国は積極的に踏み込んでやる形の方がいいのじゃなかろうか。そういう判断において選択をした。  御承知のとおり、総理大臣の諮問委員会であるそのメンバーにも、貝原知事さんもお入りをいただきます、あるいは神戸市の笹山市長さんもお入りいただきます。そういうことで積極的に御参加をいただいて、知恵を結集して一体となってやろう、そういう一つの姿勢であることを御理解をいただきたいと思います。
  57. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣、今回特別法をつくるわけですね、それも非常に大きな基本法という形でおつくりになる。ですから、特に災害対策基本法というのがございますね。これは要するに、伊勢湾台風のときにも個別法をつくった、だけれども、これから一々大きな災害のときに個別法をつくっておってはいけない、ですから災害対策基本法でやりましょう、これでずっと来たわけですね。それがありながら今回、阪神・淡路の復興法案をつくった。これは、今までの災害対策基本法の枠の中では難しい、やはりそれぞれの特殊な要因があるということでやられているわけですね。  ですから、沖縄はこうだったけれども、今度阪神は計画も自治体が持っているから云々とかそういうことではなくて、やはり特殊性、災害の甚大性にかんがみて法案をつくるという政治の決断をされているわけですから、私を言うのは、なぜそこに、法三章じゃないけれども、五条というのじゃなくてもっと財源のことも突っ込んで、一カ月かけてつくったのですから、やらなかったのかということが疑問なんです。  実はこのことは、きのうの復興委員会の会合で貝原知事が、沖縄復興特別措置法のようなものをつくってほしい、こういう御発言もあったやに新聞でも私は拝見をいたしました。ですから今回、復興法案から基本方針及び組織に関する法律と名前が変わりましたけれども、これではとても兵庫県の方は、もろ手を挙げて賛成をして、ああもうこれで安心だ、希望の光が見えた、こういうようにはいかないのじゃないだろうか。これは私の率直な気持ちでございます。  この名称の件に関しては時間もございませんのでこれ以上申し上げませんが、大臣復興本部をつくって、これで都合四つになるわけですね。非常災害対策本部緊急対策本部、それから復興委員会復興本部。これは一体どういうふうな関係になるのですか。数がたくさんあって、これは一体何をするのだろうか、よくわかりませんが、どういうふうに整理をされておりますか。
  58. 小里貞利

    小里国務大臣 まず、官邸に一つの軸を置いたのが緊急対策本部、御承知のとおりでございます。これは総理大臣本部長となりまして、閣僚が部員となって当たっております。いわゆる緊急対策本部、当面のいわゆる応急緊急諸対策に当たってまいりました。いわゆる村山内閣の高度な政治判断、行政指針を示す一つのものであった、かように思っております。  もう一つ非常災害対策本部でございますが、お話のとおり災害対策基本法二十四条によりまして設置をいたしました。これはもう御案内のとおり、政府がこもごもその規模の大きい災害に対しまして施策を打たなければならない、そのためのいわゆる実施本部なるものでございまして、しかもその本部長は担当大臣の不肖私が当たっておりますが、その私が先ほど申し上げました緊急対策本部の副本部長でもございますので、その間におきまして緊密な督励指揮を受けることもできますし、そして一体感のもとにやってきた。それを受けまして、今度は各省庁からその担当大臣の特命室のもとに六十名前後中堅幹部が出向してきておりますから、そこで情勢を把握し、緊急対策を協議し、そしてこもごもの緊急措置をとってまいりました。こういう形でございます。  さて今度は、今度の復興委員会あるいは復興本部というのはどういうふうに位置づけられるかという話になるわけでございますが、その性格、目的、中身については先ほど申し上げたとおりでございますが、これと非常災害対策本部との関係は、先ほども若干説明申し上げたのでございますが、当面若干重なるところが出てくるでありましょう。これは今までの応急対策でとってまいりました事項の継続性が大事でありますから、そして適宜にその辺をスライドしながら、今度できましたこの復興対策本部で遺漏なきよう、そして円滑に、かつまた旺盛にボリュームを持たして再発進をしていくものであろう、私はそういうふうに思います。  そこで先ほどの話に返るのでございますが、緊急対策本部というものは一体どうなるのか、こういう御指摘であろうと思うのでございますが、現地の災害状況及び復興に関する県、市などの進捗状況をにらみながら、この一つの存在については議論されてくる時期が来るだろう、私はそう思っております。  それから、もう一つ非常災害対策本部もそれ と同じく、この復興対策本部がきちんと軌道に乗って、そしてきちんとその遺漏なき体制に入ったときには、またこの継続の問題について議論される時期が早晩やってくる。もう率直に申し上げましてそういう認識をいたしております。
  59. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ちょっと大臣にお願いしたいのですけれども、答弁をもうちょっと整理をして、おっしゃりたいことはよくわかるのですけれども、私が聞くのの五倍ぐらいしゃべっているのですね。もうちょっと短く、時間がないものですから、そこはよろしくお願いをしたいと思います。  そうしますと大臣、この緊急対策本部というのは法的根拠はありませんね。今回つくったのは全くメンバーが同じ、総理本部長、多分小里大臣か副本部長になられるでしょう。それで全閣僚か参加をする。これは今回の法案で法的根拠を与えた。そうすると、同じメンバーで、片一方は法的根拠がある、片一方は法的根拠はない。せっかくつくったのですから、緊急対策本部はもう解散したらどうですか。
  60. 小里貞利

    小里国務大臣 簡単に申し上げますが、先生がおっしゃるように、わかりやすく言いまして今度つくる復興本部事務局のメンバーは、今務めております非常災害対策本部の職員の皆様方が大方継続されるのではないか。あるいはまた、復興という本格的な事業に差しかかるわけでございますから、各省庁の専門幹部の皆様方を入れかえられるものでもあろう、私はさように考えております。
  61. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣、私が言ったのは緊急対策本部の方なんです。非常災害対策本部じゃなくて、緊急対策本部は法的根拠がないし、今回全く同じメンバーで、要するに法的根拠を与えた復興本部をつくるのですから、緊急対策本部はもう必要ないのじゃないですか。ですから、もうそれはやめられた方が組織上もすっきりして明快じゃないですか、こういう質問です。
  62. 小里貞利

    小里国務大臣 これは総理大臣の裁量に関することだろうと思いますが、いずれその時期が来るだろうと私は一応推察いたしております。
  63. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 これはもうぜひ、四つもつくってわかりませんので、明確に立て分けられて、要らないものはやはり新しいところに移していく、こういうことでやられた方がいいと思います。  それから、この復興計画の立案ですけれども、この法律案五条の中で計画ということが言葉の中に出てまいりません。要するに、二条の中で、協同して復興を緊急に図る、こういう書き方をされておりますけれども、明確な計画を立てるということがどこにも出ていません。その割には復興委員会では下河辺さんが、復興計画をつくるのだ、こういう言い方もされている。そして、その復興委員会意見を大事にする、こう総理も言われている、片や、もう地方に任せるんだみたいな言い方もされる。結局、復興のグランドデザインというのでしょうか、それを描くことが全然書かれてないのじゃないか、どのようにされるおつもりなのか、この点はどうお考えでしょうか。
  64. 荒田建

    荒田政府委員 今お話し復興計画の策定、本法案にきっちり位置づけよというような御指摘かと思います。  復興計画といいますともう先生承知のように、現在兵庫県も、フェニックス計画ですか、そういったものを御提案なさっていますし、市の方でもおつくりになる。スケジュール的には三月の末までに方針を決めて、六月末には県、市とも復興計画をつくるというような形で、私どもとしては、やはりまず地元に、地域に即した具体の復興計画というのを地域がつくるというような体制にまずなりますから、国としてもそういった関係行政機関がみずから行う復興事業復興計画、こういったものに全面的に支援をするというようなやり方で進むのがよかろうということでございますが、いずれにしても、この総合調整に関することで何も計画を立てないのかということになりますれば、それはそうじゃなくて、やはり、国が講ずべき諸施策、こういったものを総合調整するためには何らかの国としての基本方針は要るのだろうということで考えておりまして、実は阪神淡路復興委員会の方にも、きのうですけれども、総理大臣から、阪神淡路地域復興に関して国がとるべき基本的な方針いかん、緊急に提言を求めるという形で、御意見を求めております。  ですから、国としてもそういった、名前は、余り国が復興計画をつくってやるということになると、地方公共団体との関係でやはり全面的な支援ということが国としての第一義的な仕事だということから、やはり基本的な考え方はきっちりまとめて、それに基づいて強力に推進するということで、実質的には国もやはりそれ相応の計画をつくってやるということに変わりはないと私どもは考えております。
  65. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、国が相応の計画をつくる、こういうことでよろしいわけですね。  それでは、やはりこれは地方分権という言葉によって、要するに市町がやるのだ、県がやるのだ、こういうことで国の責務をいささかも放てきしないように私はお願いをしたいと思います。
  66. 荒田建

    荒田政府委員 今私は国の復興計画と言いましたが、国は実質的な意味でと申し上げまして、総合調整をするために必要な基本的な方針はきっちり定めていきたいというふうに考えております。
  67. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、今おっしゃいましたからお聞きをしますけれども、そうしたら、ここのどこに具体的基本方針というのは出ておりますか。
  68. 荒田建

    荒田政府委員 先ほども申し上げましたけれども、地方のつくります復興計画等を国が全面的に支援するわけですけれども、その復興事業に関する総合調整という機能がございますから、総合調整を行うためにはそういう基本的な指針、基本的な方針がどうしても必要になりますから、そういう意味で申し上げているわけでございます。
  69. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ですから局長、要するに、ここのどこに、国がリーダーシップをとってこういうふうな町づくりをしていくのですよ、そして個々具体はそれぞれの市町、県があるでしょうから、それは第一義的には地方自治体にお任せをする、ですけれども国の基本方針はこうですよと――応援するということは書かれているのですよ、これはまた後で財源のことも聞きますけれども。どこにどういうふうに、国の方針でなおかつ地方自治体のお考えも尊重してやりますよと。方針が全然ないじゃないですか。
  70. 小里貞利

    小里国務大臣 概念で申しわけないのでございますが、私は先ほどから申し上げておるように、やはり今次のまれに見る、本当に複雑多岐、広範な被害をこうむった復興でありますから、関係者はみんなが主役であり、わき役であり、沸かせ役である、そういう気持ちで一体となって取り組むべきだ、こう思います。  ただ、ではこの法律上、姿勢としてどこにそれが書いてあるか、先生こうおっしゃるわけでございますが、行政の原則といいますか、行政の一つの基本からいって、それは相互にひとつ役割分担してやりましょう、そして市民の御意向を尊重してやります、こう言っておるわけでございまして、私は、実態というのは、もう政府だって、私どもが主役でやりますよというような気持ちのみならず、行政、財政のあらゆる措置を打っていくべく考えなければいかぬ、さように思っております。  したがいまして、先ほど局長が答弁申し上げましたように、ゆうべだって、まず神戸の市長さん復興計画を出しなさいよ、それを我々は重要な参考にしながらひとつ分析もさせてもらいます、そして意見も言わせてもらいます、どうぞ、こういうような一つのコンセンサスが、和やかにといいますか題しくといいますか、そういう空気が出ておりまして、私は非常に感銘を強くした、こういうことです。
  71. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣はもう何分かで出られるようですから、ちょっと角度を変えて聞きます。  国が応援をするということはよくわかったのです。私はこの法案を見て、あと抜けているのが財源のことですね。財政措置のことが私が見た限り では余りというか、どこに書かれているだろう。おまえは読み方が悪いぞ、こう言われればそうですけれども、どこに書かれておりますか。
  72. 小里貞利

    小里国務大臣 それはあらゆる措置の中に入っておるつもりでございますが、その第一弾が、今度また二十四日に御相談申し上げます。当面の緊急施策に関連する財政的な措置についての法案を御相談を申し上げる。それのみならず、先ほどから申し上げておりますように、それぞれの対応策が整うに従って順次御相談を申し上げてまいります、さように申し上げておるわけです。
  73. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 二十四日にということでしたら財政援助等に関する法律案のことを言われているのだろうと思いますけれども、これは中身が私もまだわかりませんが、そうすると、今回の法案で個々の法律で出して対応しますよ、その中に、地方が立てた計画に対しては必ず応援をしますよ、要するにそごを来すようなことはありません、こういう内容になっているということでよろしいですか。
  74. 小里貞利

    小里国務大臣 県、市町、それぞれの自治体が、あるいは政府が臨機に急ぎながら対応措置を決めてまいりますから、その整理がつき次第、いろいろと出てまいりますから順次、先生のおっしゃるように政府は積極的に支援をするべきは支援をしていかなければいかぬ、かように思っております。
  75. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣、どうぞ出ていただいて結構です。  それで、それは二十四日に出るということですからまた見させていただく以外ありませんので、財政措置はされている、こういう大臣の御答弁でしたので、大蔵省と自治省にも来ていただいておりますから、財政措置についてお伺いをしたいのです。  私が、この法案そのものには入っていない、こういう問いをしたときに、大臣が、二十四日にそれについては出してくる、こういうお答えでございましたけれども、大蔵省としては、大臣の答弁を大蔵に確認してもらうというのは非常におかしな話なのですが、財政当局の立場として、財政措置は万全だ、その法案を二十四日に出す、こういうことで大蔵もいいのですか。
  76. 長尾和彦

    ○長尾説明員 お答え申し上げます。  今回の地震災害につきましては、関係省庁全力を挙げて復旧対策に取り組んでいるところでございまして、当面必要となる事業、施策を円滑に進めるため、私ども財政当局としても財政的にも必要な措置を適時適切に講ずる所存ということでやっております。その一環といたしまして、六年度の二次補正予算の編成作業に鋭意取り組んでいるところでございますし、今小里大臣から話がありました今回の大震災に対処するための特別の財政援助等を定める法律案検討も急いでいるところでございます。
  77. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大蔵省にもう一度詳しくお聞きしたいのですが、二次補正というのは、これはある意味では平成六年度に執行権限が与えられる補正案ですよね。この復興法案というのはこれから長く、ある意味で言えば七年度も八年度もかかるかもしれない。瓦れきの処理等も考えてみたら、一年以上かかるというところもあるそうですから。そうすると、二次補正だけで対応できるものではないわけですね。そして、それについては平成七年度の補正をすぐやるというふうにお考えかもしれませんが、このずっとにわたって、年度を越えての財政措置についても心配はない、こういうことでよろしいのですか。二次補正だけではなくてその先についても、今回の復興法案で盛られているようなことは財政措置をしますよ、こういうことでいいですか。
  78. 長尾和彦

    ○長尾説明員 先ほども申し上げましたけれども、私どもとしても、今回の地震災害に対しましては財政的にも必要な措置を適時適切に講ずる所存でございます。そして、きょう御提出の法案の第三条におきましても、「復興に必要な別に法律で定める措置その他」を国として講ずるということでございます。したがいまして、いずれにいたしましても、私ども財政当局といたしましても、阪神淡路地域復興、これを円滑迅速に推進するために万全を尽くしていきたいというふうに考えているところでございます。
  79. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 では続いて、自治省にお伺いをします。  やはり地方自治体がしっかり計画を立ててくれ、それを参考にして国も頑張る、こういうふうな大臣のお答えだったと思いますが、これで、復興の財政措置ですが、地方自治体で裕福なところ、不交付団体も今回被災されたところにあったようですけれども、これから税収もどうしても伸び悩みますし、ある意味ではもう交付団体になるだろうと思います。それで、復興の財政措置について、地方自治体の分についても、地方に計画を立てなさいとまず言っているわけですから、地方が立ててきた計画にこれだけのお金がかかる、そういったときに、財政の面からそういう計画では困りますよ、こういうことがないのかどうか、これをお聞きをいたします。
  80. 陶山具史

    ○陶山説明員 阪神淡路大震災被災地域地方公共団体におきましては、当面の被災者の救助あるいは災害復旧を初めといたしまして、今後の被災地域復興に多大な財政負担が見込まれるところでございます。こうした被災地域復興の推進に資するために、特別交付税の総額の増額、あるいは歳入欠陥等債の発行年度の翌年度への拡大等、被災地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう適切な財政措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
  81. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 自治省の方、念を押すようで申しわけないのですが、この計画、今回の法案ではとにかく国と地方が協同して、お互いにいろいろなことを言わない、縄張りとか言わないで協同してやろう、そして計画はまず地方がつくりなさい、こういうことです。私が心配しているのは、繰り返しになりますけれども、地方がせっかく一生懸命考えて、我が町をこういうふうに復興させていこう、こう考えて頑張ってやったときに、これだけのお金がかかる。そうすると、とてもこれは交付税では貯えませんよ、ここのところをこう削ってここをこう削って、こういうことになるのか。それとも、財政措置は一生懸命我々が面倒見ます、ですから思い切って防災に強い都市を考えてください、こういうことでいくのか、どちらか。端的にお答えいただければ結構です。
  82. 陶山具史

    ○陶山説明員 先ほど申しましたように、被災地域で今後の復興等に多大の財政負担が見込まれるということでございます。先ほど大臣の方からもございましたけれども、地方公共団体中心に策定されます今後の復興計画等に要します地方負担につきまして、国としても支援すべきは支援するという形で、地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう適切な措置を講じてまいりたということでございます。
  83. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ありがとうございました。終わります。
  84. 日野市朗

    日野委員長 午後四時十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後三時二十六分休憩      ――――◇―――――     午後四時二十三分閉議
  85. 日野市朗

    日野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小坂憲次君。
  86. 小坂憲次

    ○小坂委員 災害からちょうど一カ月目になります。まずもって、いまだに避難生活を重ねていらっしゃる皆さんの御苦労を思い、心からお見舞いを申し上げますとともに、本日阪神地域において行われておりますように、私どもも、犠牲となられた皆様、御遺族の皆様に心から哀悼の意を表し、黙祷をささげる気持ちを持ってこの審議に当たりたいと存じます。  まず第一にお伺いをいたしたいと存じます。  今回の阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律を決めるに当たりまして、当初は名前が阪神・淡路復興法となっておったわけであ りますが、これが変わって、「基本方針」という文言が入ってまいりました。しかしながらこの内容を見ますと、当初理事会等でも議論をされましたけれども、内容は設置法的性格が強いものである、こういう御意見も強かったわけであります。設置法としてその内容を限定せずに、逆に基本方針というような、具体策が入っているかのごとき名前をこの法律につけられた理由を、具体的に経緯をお述べいただきたいと思います。
  87. 荒田建

    荒田政府委員 今般国会に御審議いただいている法案でございますが、阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律ということでございまして、御指摘のとおり「基本方針」という言葉法律名に記載されているわけでございます。  これは、本法案が、まず阪神淡路地域復興についての基本理念というものを明らかにする。そして、その基本理念というものにのっとって、国が法律措置あるいはその他必要な措置、こういうものを講ずる。いわば基本理念にのっとって、これから、あるいは現在御提案申し上げているような法律規定される。それは基本理念にのっとって作成されるんだということを明確に規定することによりまして、復興対策についての国の基本的な考え方、基本方針法律上明確にするという意味におきまして、本法案の名称も、そういう法案の性格を明確に出せるようにということで名前をつけているわけでございます。
  88. 小坂憲次

    ○小坂委員 大臣にお伺いしたいのですが、国語的な問題で恐縮でございますが、基本理念基本方針との言葉の違いはどういうところにありますでしょうか。
  89. 小里貞利

    小里国務大臣 ただいまも若干局長が触れておりましたように、まずこの法律は「目的」をうたってございます。そしてまた「基本理念」をうたっておるのでございますが、その基本理念を具・体的に推進するために、実は第三条で「その他の措置」でと、今回は緊急対応でございますから、順次、県、市町あるいは国などが取り上げてまいりまする緊急対応施策に関連する制度上のこと、法制上のこと、いろいろなものを具体的に盛り込んでまいるわけでございますが、それらをして基本方針及び施策の明細化が進められていくもの、さように御理解をいただきたいと思います。
  90. 小坂憲次

    ○小坂委員 まるで答えになっていないように思います。おっしゃりたいことはわかりますが、本来方針というのはもっと具体的な内容を言うのであろうと思うのでありまして、今おっしゃったような趣旨からすれば、阪神淡路大震災復興基本理念及び組織に関する法律とされた方がよかったのではないかと思います。  きょうの本会議でも質問が出ておりましたが、阪神淡路復興対策本部、この法律規定します本部緊急対策本部、この違いを端的に御答弁いただきたいと思います。
  91. 小里貞利

    小里国務大臣 御案内のとおり、緊急対策本部は、地震災害が発生いたしまして、緊急に政府としてもろもろの施策を推進する、緊急措置を講ずる、なかんずく、高度な政治判断、行政判断を要するようなもの等も限りなく頻発をしてまいるわけでございますから、それに緊急に対応するための一つの機関として設置をされた。  今次の復興対策本部は、御案内のとおり、緊急応急措置等もひとまず落ちついてまいるでありましょうから、いよいよ本格的な復興にかかる。したがって、その本来の応急復旧諸施策を受け継ぐと同時に、本格的な復興施策に当たって、そして政府が一丸となって対応できるように、中でも各省庁間の調整を円滑に進め、かつまた統括をして、政府の一丸とした体制を組もう。そういうところに一つの大きな違いがある、こう思っております。
  92. 小坂憲次

    ○小坂委員 今おっしゃいました後段の部分は理解できるのでありまして、前段の部分なんですが、後段の部分は理解できると申し上げましたのは、緊急対策本部の目的もそうであろう。政府一丸となって、そして各省庁間の調整を行いながら緊急対策を強力に推進する、こういう趣旨では同じであろうと思うわけでありますが、実際には、緊急対策本部では権限上なかなか根拠法がないために動きづらい、そうかといって非常災害対策本部ではなかなかうまくいかぬ。そういうことで新たに、屋上屋にはなるけれども、復興対策ということで将来的対策をあたかもやるがごとく名前はつけておりますが、緊急の対策も踏まえて同じようなものを同時並行的に進めていこう、こういうことではないか。  何が緊急で何が緊急でないかというのはむしろこれは被災者の側から見るべき問題でありまして、政府の方からは緊急と思っているものが、実際には被災者の方ではもっと緊急なものがある、こういうこともあるわけであります。そういう点から、緊急災害対策本部を最初につくるべきであった、私はこう思うわけでありますが、大臣の御意見はいかがでしょう。
  93. 小里貞利

    小里国務大臣 今先生の方から指摘されております問題は、委員会、本会議のみならず、内外でしばしば議論されてまいった経緯がございます。ただ、決して誉言葉を返すわけじゃないのでありますが、緊急対策本部あるいは非常災害対策本部は、決して私は十分であったとは申し上げませんけれども、そのときそのとき、それなりの一つの機動的な、しかも弾力性のある対応を遂行する上において、そのような組織がつくられたがゆえに大きな障害になったとは考えておりません。  なおまた、緊急対策本部あるいは非常災害対策本部と今度つくる復興対策本部が重なって、例えば効率性を発揮しにくいんじゃないかという意味お話であったかとも思うのでございますが、これも時期を見て、非常災害対策本部も、現地の被害状況の把握、あるいは復旧・復興対策の進捗状況を見ながら、一定の時期におきましてきちんとそれは整理されるべきものであろう、私はさように思っております。なおまた、緊急対策本部におきましても、これは総理大臣の裁量でございますけれども、そういう時期がいずれ来るのかな、そういうふうに判断をいたしております。
  94. 小坂憲次

    ○小坂委員 ただいまのお答えではちょっと明確ではない部分があるんですが、そうすると、きょうの本会議の質問にもあったように、知事、市長たちにとりましては、現地でもう不眠不休の大変な努力を重ねているにもかかわらず、この三本部委員会、今度新たに設置をされました復興委員会、これらに呼び出されて意見聴取を求められる、こういうことが想定をされるわけでありますが、これらの重複は避けられるのでしょうか。
  95. 小里貞利

    小里国務大臣 先生が憂えておられるような重複、あるいはまた効率性を下げるというようなことがないように、最も留意しなければならない話でございまして、私は実は復興委員会の昨夜の会議も終始聞いておりましたが、これには御承知のとおり地元の市長も県知事も出ておいでになりまして、我々が今復旧対策に対してあるいは復興対策について考えておること、あるいは今考えられる復興対策のアウトラインとはというようなものなども非常に具体的に述べられておりました。  私は非常にこれは有効な、意義ある一つのチャンスであるな、そういうふうに思った次第でございますが、今お話しのような、むだ、あるいは効率性が下がることがないように十分留意をしながら、しかも地元の意向を主体的にとらえながら心得ていかなければならぬ。しかも、その政府支援策は積極的でなければならぬ、かように思っております。
  96. 小坂憲次

    ○小坂委員 小里国務大臣、大変に御親切に、御丁寧にお答えいただくわけでありますが、もう少し簡潔にお答えいただきますと私の質問ももう少し先へ進みやすくなりますので、ひとつお願いを申し上げます。  それでは、今回のこの復興本部復興委員会との関係を簡単に。
  97. 小里貞利

    小里国務大臣 委員会は、復興本部本部長すなわち内閣総理大臣の、いわば諮問機関でございます。
  98. 小坂憲次

    ○小坂委員 そうしますと、委員会で事情聴取したことは、復興本部ではもう聞かないでもよろしい、大体そこに全部包含される、そういうことで 重複は避けられる、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
  99. 小里貞利

    小里国務大臣 その委員会の中に、市長、県知事等もお入りいただいておりまするので、その辺の調整は期待どおり進められるものと期待を申し上げております。
  100. 小坂憲次

    ○小坂委員 委員会のメンバーを拝見をいたしますと、大変に著名な、またお忙しい方ばかりでありまして、総理大臣御自身も大変にスケジュールが過密であられますが、これらの委員のメンバーを調整をしてお集まりをいただいて、時間、スケジュールを組んでいくというのは至難のわざであろう、こう思うわけでありますが、その辺に対するお考えはいかがですか。
  101. 小里貞利

    小里国務大臣 ざっくばらんに申し上げまして、実は昨夜の会議におきましてもただいま御指摘になりましたようなことなども配慮されまして、そのうちテレビ会議等もひとつ段取りしようじゃないか、そういう話が出ておりまして、もう既に総理官邸では物理的に若干その準備も進んでいる、さように承っております。
  102. 小坂憲次

    ○小坂委員 テレビ会議も導入するから委員は常時会合が可能である、一週間に一度ないし二度開くというようなことが聞かれておりますが、それは間違いございませんか。
  103. 荒田建

    荒田政府委員 委員会の運営に関しましては、委員会の自主的な決定によって行うことになっているわけでございますけれども、きのうの第一回の委員会で、やはり事は大変緊急を要するので一週に一遍ないし二遍というペースで、少なくとも三月の中旬ぐらいまでには五、六回やろうじゃないかということで委員会でお決めいただいております。
  104. 小坂憲次

    ○小坂委員 防災局長にちょっと御説明いただきたいのですが、緊急災害対策本部がもし設置をされたとしたら、この緊急災害対策本部は将来的な復興計画についても関与することが可能であったと考えられますか。
  105. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 その緊急対策本部についてお答えをする前に、現在の非常災害対策本部、いろいろ設置してございますが、例えば去年の北海道南西沖地震についても非常災害対策本部……(小坂委員「緊急災害対策本部です」と呼ぶ)緊急対策本部につきましても非常災害対策本部につきましても、設置いたしました場合には、今回のような特別の措置を講じない場合には復興段階まで関与し得るというふうに考えております。
  106. 小坂憲次

    ○小坂委員 今のお答えを聞きますと、やはりどうも、何でこの復興対策本部なんて新たなものをつくったのか、やはり最初に緊急災害対策本部設置しておればこのような屋上屋を重ねることもなかったのではないかという疑問がますます起こるわけであります。  そういう中で、現地は本当に、もう倒れんばかりの、体力の限界に挑戦をしながら毎日の業務に当たって、地方自治体の長の皆さんが頑張っているわけでありますので、その辺には十分配慮をして、この復興対策本部、それから各本部調整を行っていただきたい。  最後に、きのうの委員会議論された内容、とりわけ知事、市長から報告を受けた内容を簡単に御説明いただけますか。その前は結構です、今の質問だけお願いします。
  107. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 先生緊急対策本部設置すれば可能であったというふうに今おっしゃいましたけれども、それは非常災害対策本部でも可能でございます。
  108. 荒田建

    荒田政府委員 きのうの委員会で知事や市長がどういう発言をなさったか、こういう御質問だったかと思います。  一応、知事さん、市長さんから、現在県が復興のためにどういう計画を考え、どういう方針、手続のもとにやっていきたいということを、被害の現状を含めまして委員会の場で御発言なさいました。そして我々、我々といいますか知事や市長さんなんですが、我々としても一生懸命頑張るので、ひとつどうか国においても我々の計画を全面的に支援してほしい、こういう要望がございました。
  109. 小坂憲次

    ○小坂委員 ただいまお答えいただいた内容は、今までに非常災害対策本部並びに緊急対策本部で市長あるいは知事から報告があったこととダブっていませんか。
  110. 荒田建

    荒田政府委員 確かにそちらの方でも知事や市長の意見を適宜お聞きしたり、あるいは現地本部もございますから、いろいろな形で上げておりますけれども、委員会の場は、やはり私どもも、総理以下御出席なさいましたが、委員会の仕事になりますから、行政レベルではもちろん絶えず密接に連絡はしてございますけれども、各委員にそういう各県あるいは各市の意見を申し上げて、私が言うのも変な言い方ですが、お話しして、各委員が直接生の声を聞いて大所高所からの意見に役立たせる、こういう意味があったかと思います。
  111. 小坂憲次

    ○小坂委員 私が一番心配している部分がそこなのであります。生の声という意見が常に聞かれて、各本部の構成員また委員会のメンバーは、常に現場の生の声を聞きたい、こういうことで、生の声を言う人は限られておるわけでありまして、この人たちが一番の被害者になってしまうということであります。  屋上屋をこれ以上重ねないように、速やかに緊急対策本部を解散するとか、あるいは非常災害対策本部を縮小してこちらの方に権限移譲をして、これを整理するということに直ちに着手をしていただきたい、強く要望をいたしておきます。  さて、この法案の中に、第二条「国と地方公共団体とが適切な役割分担の下に」ということがあるわけでありますが、国と地方公共団体の適切な役割分担、この役割分担の基準となるものを明確にお答えいただけますか。
  112. 小里貞利

    小里国務大臣 これは先ほども御説明申し上げたところでございますが、今日の行政形態の一つの基本からいたしまして、国あるいは県、市町村の役割分担というものも節度を持って一応考慮しなければいかぬ、そういう気持ちもこの中に反映いたしておると思います。  また、住民の意向を尊重するというのはもう当然のことでございますが、さてその上に立ちまする復興本部の、国の施策の立て方あるいはまた私どもの心得というものは、私は日ごろの国、県、町の行政区分などもさることながら、もっと旺盛な積極的な気持ちで対応しなければならぬ、さように実は心得ておるつもりでございます。
  113. 小坂憲次

    ○小坂委員 国の役割と地方公共団体の役割について余り明確ではなかったように思うのですが、現在認識されているところでは、瓦れきの処理は国及び地方公共団体が主体的にやろう。これは両方で役割を分担してやろう、住民の負担に帰さないようにやろう、こういうふうに言われていると思うのですが、これは間違いございませんか。
  114. 小里貞利

    小里国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
  115. 小坂憲次

    ○小坂委員 まずこの点から入りたいと思います。  ここに十六日の毎日新聞夕刊がございますが、個人で瓦れきその他の災害の家屋を撤去した場合、国は補助しない。「国は被災地の各自治体に「個人での解体・撤去には補助しない」と文書で通告していたことが十六日、分かった。」このような事実はありますか。
  116. 小里貞利

    小里国務大臣 全く初めてお伺いする話でございまして、個人の分も解体費から一切公費でやります、さらにまた、会社、企業等の場合には、資本金一億円以下、従業員三百人以下の場合も、解体、搬送、一切を公費で行います、かように私どもはきちんと対策を持っておるつもりでございます。
  117. 小坂憲次

    ○小坂委員 そのお答えを聞いて非常に安心したのでございますが、ということは、この毎日新聞の記事はうそである、こういうことですか。
  118. 小里貞利

    小里国務大臣 私はその新聞記事のことをあえて存知いたしておりませんが、政府の対応は私が申し上げたとおりでございます。
  119. 小坂憲次

    ○小坂委員 それでは、この辺は毎日新聞さんの今後の取材にまちたいと思います。  今おっしゃったように、小里大臣もテレビでおっしゃったと思いますけれども、事前に個人が撤去をした場合であっても、見積もり及び領収書等の書類が整備されている場合にはこれを補助することができるというふうに考えてよろしいですか。
  120. 小里貞利

    小里国務大臣 原則としてそのとおりでございますが、もう少し突っ込んで申し上げますと、市町が廃棄物処理という方針に基づいて、その計画のもとによって一月の十七日以降処理された個人の分もきちんと対象になる、さように私どもは判断をいたしております。
  121. 小坂憲次

    ○小坂委員 それではそれを信じるといたしまして、一応記事の内容だけここで述べておきたいと思います。  「神戸、西宮、芦屋など六市は、国が半額以上を負担してくれることを前提に、自前解体についても一定基準内の費用については全額公費負担することをすでに発表、一部の市では受け付けを始めている。国の「負担拒否通告」で、関係自治体は大幅な負担増にもなりかねず、強く反発している。兵庫県内の倒壊家屋は」云々とありまして、「しかし、自治体の解体・撤去が遅れているため、「自主的な撤去も費用を負担してほしい」との声が上がり、川西市が自前解体も一定の基準で公費負担することを決め、受け付けを開始。神戸市や西宮市も同様の方針を打ち出している。」とあるわけでありまして、これでやれるということで方針の変更はなしというふうに理解させていただきました。
  122. 小里貞利

    小里国務大臣 方針におきましても、そしてまた負担区分におきましても、なお細々と先ほど先生との一問一答で申し上げたことにおきましても、私が責任ある御説明を申し上げておるつもりでございます。  なおまた、負担区分において二分の一云々のお話がちょっと出ておるようでございますが、実態として申し上げますと、二分の一を直接国費で支弁いたしまするものの、あとの五〇%についても大方交付税等で措置する裏打ちまで私どもは呼び込んでおるわけでございまして、概略申し上げまして総体経費の九十数%は何らかの形による国費の弁償でやる、負担でやる、さように御理解いただきたいと思います。
  123. 小坂憲次

    ○小坂委員 そうしますと、自治体のうち不交付団体に対しても同じ措置特例的に行われると考えてよろしいですか。
  124. 小里貞利

    小里国務大臣 これは先生承知のとおり特交という措置がございますが、それらによって措置される、さように判断いたしております。
  125. 小坂憲次

    ○小坂委員 国のもう一つの役割の今までに明確になっているものの中に、金融税制における特例措置というのがあったと思います。  金融措置に関して、小里大臣は十二日のサンデープロジェクトで、司会者の質問に対して、無利子・無担保で国民金融公庫等から総額で八千万円融資ができる制度がある、内訳を言えば県が五千万円、国が三千万円のようなものだ、こういうような話をされて、その後に若干訂正のようなことをおっしゃっておりますが、この辺の八千万円というのをどういうふうに考えられておっしゃったのですか。
  126. 小里貞利

    小里国務大臣 時間の関係もおありのようでございますから概略申し上げますが、一つの形として三千万、一つの形として五千万、そしてこれを今二・五%まで利子を持っていきました、さらにこれを、県、市と目下相談を詰めておりますが、無利子に持っていくべく私は確信を持って御説明を申し上げたつもりであります。  それから、今先生お尋ねの無担保・無保証人の制度については、あのテレビ討論会でもちょっと私の方で後から説明をつけ加えたつもりでございますが、それは限度額は二千七百五十万円まででございます、こういう説明を申し上げたつもりでございます。
  127. 小坂憲次

    ○小坂委員 この二千七百五十万円というのは紙が入って小里大臣はおっしゃったようでありますが、司会者が、では前の八千万円は一体何だったのですかというような会話の中で、ごとごととなって、はっきり記正されたという認識がどうも聴視者にはなかったようであります。その結果、翌日銀行の窓口に、各地の窓口総計で数千名というふうに伝えられておりますが、これはだれも確認したわけではありません、風間でありますから私も人数に対して特にこだわることではありませんが、しかし多くの方々が、そんな便利な融資があるならぜひとも借りようじゃないか、おれは三千万貸してくれ、五千万貸してくれということで列をなした、こういうことがあるわけであります。  今、神戸の方に視察に行って帰ってきた私どもの議員は皆、月曜日が怖い、月曜日になると日曜日のテレビ討論で言われたことの反応が現地に大きな混乱を来しておって、非常に困る、こういうふうなことを言っております。今後のテレビ出演に際しましては、くれぐれも、後ほど訂正ということの起こらないような慎重な御発言をお願いいたしたいと思います。この点について一言お願いします。
  128. 小里貞利

    小里国務大臣 これは先生御理解いただきたいのは、同じテレビ討論会の場で、私が制限枠を最初のラウンドで説明いたさなかったものだから、これはもう一回説明しておいた方がいいと思いましたので、私が気づいて、実はこれは制限がございますよ、こういうふうにその同じテレビの討論番組で申し上げたわけでございますから御理解いただきたいと思います。  なおまた、この種のいわゆる数字、基数に基づいて政府が取り扱いを決める、それを説明、広報する場合には、おっしゃるように正確を期さなければいかぬと心得ております。
  129. 小坂憲次

    ○小坂委員 今、与党の理事さんの方から時間の問題が何か提示をされておりますが、委員長、どういう御判断をされますか。
  130. 日野市朗

    日野委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後四時五十三分休憩      ――――◇―――――     午後五時十五分開議
  131. 日野市朗

    日野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小坂憲次君。
  132. 小坂憲次

    ○小坂委員 大臣、お帰りになっていただきまして、御協力ありがとうございます。  先ほどのあの質問の続きでございますが、大臣が御答弁の中で、具体的な八千万円という金額は言わなかったとおっしゃいましたように聞こえましたが、それはおっしゃったんですか。
  133. 小里貞利

    小里国務大臣 私が説明申し上げましたもう本当に輪郭を申し上げますと、まず一千万を三千万に枠の拡大をいたしました、それからこれは二年を五年に据え置き、そしてその償還期限は十五年です、そこでその一口の三千万を融資、それから、省略をいたしますが五千万を申し上げまして、そしてその担保あるいは保証人の件は、これは御心配要りません、こういう説明をいたしたわけです。今度は、その後ちょっと討論のすき間があったものだから、私が、実は先ほど申し上げた無担保・無保証人のその貸し付けは二千七百五十万という一応の制限枠がございますから申し添えておきます、こういうふうに申し上げたわけです。
  134. 小坂憲次

    ○小坂委員 では、八千万を言わなかったというお話であります。  そのときに同時に、立ち上がりの中心役者である中小企業、その融資問題、激甚法を適用して三%にしたと言ったらおしかりをいただいた、その後、総理中心に二・五%まで持っていく努力、さらにそれを県、市等の協力を得て無利子に持っていくことがおおむね決まりました、こういうふうに発言をされておりますが、間違いございませんか。
  135. 小里貞利

    小里国務大臣 全くおっしゃるとおりでございます。
  136. 小坂憲次

    ○小坂委員 小里大臣、大変に前向きに取り組んでいただいていますので、私どももその点は大変に評価をさせていただいて、ありがたいと思って おります。その意気で、おっしゃったことが確実に実現できるようにお願いをいたしたいと思います。先ほど申し上げましたように、おおむね決まったんだけれども最後にだめになっちゃった、こういうことになりますとまた現地の方で混乱が起きますので、そういうような場合であれば、むしろ期待を持たせるようなことをおっしゃらないでとどめていただいた方が、今の現地の混乱状況からするとそういうものがあるようであります。
  137. 小里貞利

    小里国務大臣 それは、決して相手に過大な期待を持たせてはいかぬわけでありますから、私はその点はもう入念に、まさに入念にしゃべったつもりです。しかも、その同じテレビ討論に知事も出ていらっしゃるんです、あるいはまた市の助役さんも出ているんです。ですから、三%激甚法で持ってきたが、これをさらに、もう少し気張れ、こう言われたから二・五に内閣で決定して持ってきました。さらにその二・五は、今そこにいらっしゃる県の知事さんやあるいは市の関係者の御協力をいただいて、ゼロ%に持っていくべく今努力をいたしております。私は確信を持った意味において御説明申し上げます、こう申し上げたわけです。
  138. 小坂憲次

    ○小坂委員 大変に結構であります。そのように被災者の立場に立って今後とも推進をしていただきますようにお願いを申し上げます。  テレビというのは、媒体としては非常に同時的に多くの方々に情報を伝達できますけれども、それだけに、個人個人が自分の希望に従った理解をしようとしてしまう面がありますので、そういった誤解が生じて、現地で過大な期待が発生して、翌日銀行に列ができるようなことのないように、ぜひとも御留意を賜りたいと思います。  最後になりますが、今回の本部長内閣総理大臣になるわけでありますが、現地の情報、余震等の新たな緊急事態が発生した場合、この情報はどういうルートを伝わって総理に現地から伝達をされるか、そのルートを明確に御答弁いただけますか。
  139. 小里貞利

    小里国務大臣 組織上のことはさておきまして、実態として申し上げますと、現地における余震の問題でございますが、実は私、二十日に、発生いたしまして三日後に現地に参りました。知事が一番最初おっしゃったのが、今議員御指摘の余震問題だ。確かにそういう厳しい雰囲気でございました。知事さん、どうしたらいいかな、当面我々が手助けできる点を教えてくれ、こう言ったら、地震、気象に詳しい専門家を私の知事室に派遣してくれぬかとおっしゃったから、すぐその翌日だったと思いますが、専門家を派遣をいたしまして、きのう実はその人が帰ってまいりました。  そういう一つ実態として便宜を図ってあげておりまして、その辺から、専門家が知事の周辺におると最も有効に機敏に対応できるのではないか、そういう取り計らいもいたしました。
  140. 小坂憲次

    ○小坂委員 私の質問は、緊急事態が起こったときに現地から総理大臣に、だれの口から、だれからだれへ伝わって伝わるのかということです。
  141. 小里貞利

    小里国務大臣 今も実は総理官邸でその話が出ていたのでございますが、いわゆる事態発生、緊急対応、初動における情報の収集それから伝達はどうなるかというお話でございますが、政府が出先におきまして、すなわち発生をした現地の周辺において、持てる機関が可能な限り情報をキャッチする、そしてそれをストレートで内政調査室に送る、そこで統括をする。こういうような一応の新しい体制を組みまして、もう既にそのための人的な配備、あるいは通信体制等、線を引っ張ったりいろいろ、そのような物理的な施設も作業に取りかかっておる、こういうことでございまして、当面、とりあえず今議員御指摘の問題はそういう措置で対応しよう、こういうことでございます。
  142. 小坂憲次

    ○小坂委員 それでは、ちょっと明確に御答弁をいただきたいと思っておりますので、国土庁の方からで結構ですから、内政審議室までたどり着く、そのたどり着くのは、現地で例えば知事さんなり市長さんからあるいはどこから内政審議室へ行って、内政審議室からだれを通じて、秘書官を通じて総理大臣に行くのか、だれがどう伝えるのか。このおくれが、テレビの方が先に伝わったけれども、実際には秘書官が言ってくるまで待っていらっしゃるのかよくわかりませんけれども、七時半に最初は秘書官から聞いた、そのうちに六時半にテレビを見た、いろいろ発言が変わることにもなっていると思うので、情報のおくれにつながっていると思うので、少しそこを具体的に役職名を挙げてお願いします。
  143. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 例えば今先生がおっしゃいました余震が発生した場合でございますが、今大臣も申し上げましたように、私どもには地震が発生すると直後に気象庁からファクスが入ってまいりますけれども、それを官邸にも入れます。したがいまして――
  144. 小坂憲次

    ○小坂委員 そのファクスはだれから。どこからファクスが入るのですか。
  145. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 気象庁から直通のファクスを入れるようにいたします。
  146. 小坂憲次

    ○小坂委員 続けてください。そして、総理大臣にはだれから。
  147. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 それで、内閣情報調査室については夜間も宿直が常時二名ばかりおるようでございますので、そこを関係省庁からの情報の窓口にするということにいたしております。情報調査室から官邸、総理あるいは官房長官に伝えるという体制でございます。
  148. 小坂憲次

    ○小坂委員 要は官房長官から総理にどう伝わるのかなんですよ、今回の問題も。すべて、そのルートがはっきりしていないから、今回の危機管理の大きな問題点は、情報を把握した人間が総理にいかに短時間に伝えるかということが規定の中で明文化されていないのですね。これが一番大きな問題だと思うのですよ。  最終的にだれが総理に伝えるか、総理が判断を下せる状況がいつ生じるのか、そこが一番問題だと思うのです。
  149. 小里貞利

    小里国務大臣 お断り申し上げておきますが、私が先ほど申し上げましたのは、緊急即応体制を、今総理官邸で措置いたしました事項を申し上げたわけでございまして、今局長が申し上げておるのは現行制度を申し上げておるわけです。  それから、先生お話しのように総理官邸周辺のみならず防災計画全般について、この際、私どもは厳しい教訓を得ましたからもう根本的に、本当に全体を総反省、総括をする。そして総体的に根本的に対応を検討しなければならぬ、さように十分心得ておるつもりであります。
  150. 小坂憲次

    ○小坂委員 いや、私は余震が起こってほしいと思っているわけじゃないんですよ。しかし、余震というのは今この瞬間に起こるかもしれないのです。その起こったときにだれがだれに伝えるのかと幾ら聞いても、前向きな対処をするとか今回のを勉強して頑張るとか、その努力目標はわかるのですが具体的氏名が出てこない。これが結局は、もし万々が一そういうような事態が発生して、また対応がおくれたときに、総理はまたこういう弁解をおっしゃることにもつながってしまう。この辺をできるだけ速やかに明確にしていただきたいと存じます。  これ以上お聞きしましてもなかなか具体的答弁を得られないようでありますので、次の機会に譲りまして、最後に、今ボランティアが大変な御努力をいただいて、このボランティアの支援のおかげで行政部分の不足を補っているという状況だと思いますが、ボランティアの方に対する具体的な支援、財政的な支援等ですね。具体的にはこれは何もとられていないのが今日の姿であろうと思います。  一方、義援金というのも集まっておるわけでありまして、義援金はどういうふうに処分するかといろいろな議論がある中で、罹災証明等に基づいて、その規模によって幾らかの形で配分する。いろいろな話が流れてまいりますが、ボランティアの方にもこの義援金の趣旨を体してこれが行き渡るとか、あるいはいろいろな方法があると思うのですね。  そういうことを考えて、ボランティアの方に、 これは身銭を切って毎日頑張っていらっしゃるわけですから、そういう点に十分な配慮をして対応していただきたい。この本部設置されたらそういった面にもぜひとも配慮をしていただきたいと強く要望して、質問を終わらせていただきたいと思いますが、最後にその点について、一言だけ小里大臣の見解をお願いいたします。
  151. 小里貞利

    小里国務大臣 ボランティアのすばらしい今回の貢献度、お話のとおりであります。これからやらなければならないことは、公益性としての担保を法的にどういうふうに枠組みをつくるか、それから、お話がありましたように公共団体、政府がどのような支援を申し上げられるか、その辺だろうと思っております。なおまた、今回のボランティアの皆さんに対する、けが人の方々に対する保険、この関係等は現地におきましてそれぞれ、好転と申し上げますか、契約等をなさいまして進んでおるようでございます。  なおまた義援金の問題は、私どもが直接監督するわけでもございませんけれども、ただいまお話のありましたようなことなどを踏まえまして、助言を申し上げていきたいと思っております。
  152. 小坂憲次

    ○小坂委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  153. 日野市朗

    日野委員長 次に、穀田恵二君。
  154. 穀田恵二

    穀田委員 私は、二月の七日でしたか、前回の災害対策特別委員会でいろいろ提案をさせていただきました。時間もありませんでしたから、はしょって言わせていただきましたけれども、小里大臣にはいろいろ御答弁いただきまして、例えば私が提案した暖房のための畳、カーペットの問題については、極めて適切だと。それから、食事改善のための学校給食施設の利用とか、栄養士の利用とか、お話ししましたよね。そうした際に、早急に検討するというお話がございました。ですから、私は、言葉ではなくて実際はどうかという問題をちょっときょうは聞きたいと思います。  まず第一に仮設住宅ですけれども、私何度もこれは繰り返して、一番最初に言ったものですからこだわっているのですが、現実問題としては今仮設住宅に入居している方々は何人おられて、希望者の何割に当たるのですか。まずそこから聞きます。
  155. 松尾武昌

    ○松尾説明員 お答えします。  何人おられるかというところは正確な数字はつかんでおりませんが、申し込みがあったという数字で把握をしております。七万人程度の申し込みがあったというふうに承知しております。現在千三百人くらいの人が入所の決定をしておりまして、まだ実際に入所しておりますのは五百程度でございます。
  156. 穀田恵二

    穀田委員 今お聞きになった数字、わかりますね。五百人なんですね、入っているのは。そうですね、松尾さん。だから結局、一カ月たって、きょうはもう二月の十七日ですよ。一カ月たって仮設住宅に入った人は何人か、要するに五百人なんです。ここに、残念ながらスピードが間に合ってないという実態をあからさまにこれは示していると思うのです。ですから、小里大臣の決意や方向性についての示唆については、私本当に、現地の声をよくお聞きいただいた面があろうかと思うのですが、現実はまだそうなっていないよと。たった五百人しか入っていないという現実に対して、しっかり目をやっていただきたいと思うのです。  そこで、何回も抽せんするわけじゃありませんからね、どうなるんでしょうね、今後。今抽せんされた方の中でも、外れた、今後入れるんだろうかということが非常に御意見が出ているようです。今課長からお話ありましたけれども、いつまでにどういう見通しで先ほど述べた希望者が入れるような段取りを行い得るのかという点についてお話しいただきたいと思います。
  157. 松尾武昌

    ○松尾説明員 四万戸の設置計画を立てておりまして、三万戸既に発注しております。この三万戸につきましては、三月中の完成を目標に全力を投球しているところでございまして、二月十五日現在で千三百八十三戸が完成しておりますので、これにつきましても順次入居していただくという予定でございます。
  158. 穀田恵二

    穀田委員 それでは、いかに何といっても、答えじゃないじゃないですか。つまりそれは今発注した軒数と完成した軒数を述べているだけであって、どういう見通しで、いつまでに完成をして、結局希望者全員に行き渡るのはいつなんだということについてお聞きしているのであって、今の数字ぐらい先ほど昼の答弁の中であったじゃないですか、そんなもの。二月中に六千戸つくる、三月中に三万戸やりたいというような話は本会議であった話ですよ。それ以下の話をしてもらっては困るじゃないですか。  問題は、見通しはいつまでに、本当に掌握されている希望者全員に行き渡るための手だてはどうしてとるのかということについて、皆さんが気にされているんですよ。つまり、自分は当たらなかった。抽せんは漏れた、しかし本当に入れるんだろうか。そして、三月になるんだろうか、四月になるんだろうか、本当に入れるんだろうかということで悶々としているわけでしょう。現実はと聞いたら五百人しか入っていないわけでしょう。何人いると思っているんですか。七万人いるんでしょう、おたくの計算だって。そうすると、七万人が入れる事態をつくるためにはどうしたらいいのかということについて聞いているんですよ。
  159. 小里貞利

    小里国務大臣 先生から厳しく、そしてまた強く御督励いただく気持ちはよくわかるんでございますが、まずちょっと私の方から大ざっぱに整理して申し上げますと、今課長説明申し上げておりますあの数字ですね。これはもう先生承知のとおり、仮設住宅が必要だよ、その段階でまず三万確保いたしたわけですね。それから、そのほかに八千戸は特別枠で、御老人なりあるいは体調の整わない人々がいらっしゃるから、これを準備しますよ。それからさらにそのほかに、二万七千戸と称しておりましたが実態は三万を上回っておりますが、もう一つ、公営・公団住宅等を準備しますよ、こうやったんだ。さらに、はるかにおくれてと申し上げますか、九日の日でございましたか、兵庫県知事から仮設住宅をもう一方戸、こう来たから、それも、では早速お受けいたします、こういう一つのいきさつでございます。  その中で、特に命先生が御指摘になる問題について私がお答えする意味で申し上げるのでございますが、最初準備をいたしましたこの三万戸というのは、全く不測の事態で実は私どもは緊急確保しなければならぬということで、早速県、市と協議をして、そして三万戸の発注に入ったわけですね。ところがそのときに、現物がない。しかもこれは月産、量産は一万戸だ、だから、今政府が発注する三万戸というのは計算すると三カ月かかるよ。その中で一部はあるんだけれども、それは大変なことだよというのが実情でありました。しかしながら、そういうことを言っておったって始まらぬから、とにかく急いでくれ、量産一万戸というのを三〇%、四〇%量産アップしてくれ、そういう相談を厚生省ももう本当にやってくれました。そしてこの三万戸を今急ぎつつあるのです。  それから、そのほかの申し上げました八千戸というのは、実は今ある施設を、例えば民間マンションでもいい、あるいは個人、民宿でもいい。そういうところを県は、市は、早速契約をしなさい、それは物理的にすぐ間に合う話ですからやりなさい、それも仮設住宅並みでやりますよ、こうやっているのです。  それから、あとのそのほかの二万七千戸から三万戸と言いましたその分も、公営・公団住宅等の既設のやつを使いましょうと準備をいたしましたものの、この中にはさすがに反省しなければならぬものがありました。それは何かといいますと、兵庫県域外が一万六千入っておりましたから、この一万六千だけは、一部は使ってもらっておるけれども、なかなかなじまないなという反省事項があります。  ですから、今申し上げておるように、この八千戸、あるいは三万戸という中の一万六千を除いた一万四千ですね、これは大体あの兵庫の県域内に ある品物だからこれにぜひお入りをいただきたいと、これを督励督励申し上げておりますが、昨夜も実は兵庫の知事さんに直接話したんだけれども、なかなかそこが、実は特に先生承知いただきたいのは、みんな、自分たちが今まで住居せしめしところ、あるいは住居しておったその周辺集落を望まれる傾向、先生承知だろうが非常に強いですね。その辺がなかなか、今申し上げた準備をいたしておりまするその施設が埋まらない一つの原因にもなっておるということを御理解をいただきたいわけであります。
  160. 穀田恵二

    穀田委員 委員長からもちょっと注意いただきたいと思うのですね、やはり幾ら何でも長過ぎますよ。私、別に小里大臣に意趣遺恨があるわけじゃありませんし、いつも我慢している方ですけれども、少しやはり短くいただかないと、私の時間いつも短い方ですからね、それでも配慮いただいているわけですけれども。  だから私は、そうは言うけれども実際はどうかというと、入っているのは五百人ですよと言っているのですよ。だから、あれこれ話は、もう千度聞いているのです、私。小里大臣、私何回も質問しているのですから、会ってはその話ばかりしているわけです、お互いに。問題は、では入れる見通しは、いつまでにこれを完了するのかということであって、もういいですわ、そういうことを言っているんですよ、私は。本当にかなわぬなという感じしますわ。  といいますのは、大事なことなんですよ。つまり、そういう話でだらだらして、結局ではこの一週間何が変わったのかというと、入ったのは五百人だったんですよ、そこに私は問題を指摘しているのですよ。だから、そうすると地域の住民の方々、罹災している方々は、一体自分はいつ入れるんだろうかと思っているときに、その話をずっとされたって、それこそ何とかの耳に念仏という話になりますよと私は言っているのですよ。そこだけ答えてくださいな。
  161. 小里貞利

    小里国務大臣 非常に大事なところでございます。すぱっと申し上げまして、三万戸は三月いっぱいで完成させる、その報告でございます。なおかつ、徹底的にあの手この手で私どもも督励をいたしておりますから、ひとつ御理解いただきたいと思います。
  162. 穀田恵二

    穀田委員 何回も私繰り返して嫌になるのですけれども、つまり、被災者は、先ほど松尾課長からありましたように、松尾課長の報告でも七万人は入りたいとおっしゃっているのですよ。そうしますと、ありとあらゆる手だてを使ってというところについては、今までにない手だてを使ってでもやってほしい、任せてくれと言ってほしいのですよ。そこだけ言っておきますよ。  それと、もう時間がありませんから、それで本当に払いつも苦労するのですが、畳の問題やマットの問題や栄養士の問題、学校給食施設の利用の問題を随分私言いましたよね。そこで、昨日もNHKのテレビを見ますと、やはりお年寄りは随分苦労されているのですね。寒い、そして温かい御飯がない。パンでいいますと、六十過ぎた方々に朝菓子バンを二つ食べろといったって無理なんですね。結局どうしているかというと、袋に全部入れているときのうもおっしゃっていました。食べられないのですよと言っているのですね。  そういうときに、私はこの前提案して、学校施設が神戸市内でいえば百六十五もあるのだから、そこに栄養士や調理師を派遣して自治体の協力も得でやれば、せめて温かい汁物が出れば元気が出るのではないか、そうしたらせめて健康管理の面からも救うことができるではないかという現実的提案をしたのですよ。どうなっています、それは。
  163. 小里貞利

    小里国務大臣 実は穀田先生からもそういう御意見をお聞きいたしまして、早速十三日でございましたか、現地で避難所を二十三カ所、高齢者の生活環境及び今おっしゃる保健、栄養、食事関係等を中心に現場点検をさせました。  その結果、ただいまお話しのようなことなども私どもは再度、避難所は御承知のとおり県が設置者であり市町村は保管者でありますから、まず県知事に対しまして、十五日の日付でもって、穀田先生が言ったということは書かなかったけれども、私の、対策本部長の名前でもって親書をお送りいたしました。今先生がおっしゃるようなことを書いて、神戸の市長さんあるいは兵庫の貝原知事あてに公式に避難所における栄養改善等について次のことをひとつ御留意してくださいというような文面でお送りしてございます。  かつまた、きのうも実は神戸の笹山市長さんともその問題を直接お話をいたしました。その話をまた申し上げますと時間をとりますから、でございますが、逐一その辺は機微に触れまして対応をいたしておるつもりではございます。
  164. 穀田恵二

    穀田委員 十三日、私が言ったのは七日ですから、十三日といったらちょっと日があるわけですけれども、確かに救護センターに引き取りされているということも私は聞いております。ただ、病人の方々は、避難所からまた第二次避難所といいますか、必ず病院なりそういう施設に避難されていますから、現実はそこには、避難所で生活されている方々の病気自体は当然なくなりますよね。だけれども、それがかわりばんこに出てくるわけですから、どうしてもこれは緊急を要する。  しかも、小里大臣がそういう通達を出していただいたのは非常に喜ばしいことなんですが、そこでもう一つだけ、では現実はどうか。再び現実に戻るわけです。先ほどの松尾課長の話でありました五百人しか入っていないという話と同じで、例の食事代の八百五十円も現実は改善されてないのですよ。  つまり、県に行けば市に行ったり、こんなことを言ったら怒られるでしょうけれども、地方自治体の間でもめたり、国との関係でどうしたらいいかという話になって、現実は、どこで詰まっているかは別として、現実の支給されている内容について言うならば、食事代の供与についての八百五十円といういわば足かせがやはり問題になっていて、改善されていない。だからそういう点でいうならば、地元の実際にそういう供与に関係されている方々を集めていただいて、それこそ命令一下、号令一発かけていただいて、安心してやってくれと、何ぼでもとはそれは言わぬけれども、その枠にこだわらずにやってくれ、私が責任を持つというふうに言ってほしいのですよ、下の方に。
  165. 小里貞利

    小里国務大臣 健やかな栄養食は維持していただきたい、そのような念願のもとに実は知事さんにもあるいは市長さんにも私は親書を送ったつもりでございます。御案内のとおり、これは決して言いわけを申し上げるわけではないのでありますが、県が設置者であり市は保管者である。私どもはこれを応援を申し上げる立場でありまして、しかしながらそのような余り悠長なことは言っておれませんから、いろいろな形で具体的に助言は申し上げておるつもりでございまして、今八百五十円云々の話がございましたが、そのことについても私は督励を申し上げておるつもりです。
  166. 穀田恵二

    穀田委員 私は、悠長なことを言っていないというふうに大臣おっしゃるけれども、やはり、県が設置者、市が保管者というのは話が、何というのかな、こういう場面はテレビに出ないからいいですけれども、被災者方々が聞いていたら、そんなことになっているのかと言って怒ると僕は思いますよ。そうじゃないんだ。それはそうかもしれないが、私が責任持ってやるから任せてくれというのが筋じゃないですか。私はそこを言っているのですよ。  現地の方々は、もう一カ月なんですよ。またこれであと一カ月、二カ月とやるわけでしょう。そのときに担当の大臣が、県が設置者だ、市が保管者だなんて話をして、私は助言していると。そんなあほなことを言っている場合じゃないんだということをお互いに認識を一致させて進めてきたのではないですか。私は情けなくなりますよ。だから、事このことに関して言うならば、健やかな、健やかなではないんですよ。健やかなもくそもあったものではないのですよ、八百五十円で何が食えるというのですか、ほんまに。だから、とも かくそこは何が何でも改善しろと言ってほしいのですよ。
  167. 小里貞利

    小里国務大臣 一つの心得として、姿勢としては、先生がおっしゃることはよくわかります。だから私はそう言っているのですよ、大胆にやりなさいと。いろいろな所定の規則もあるだろうし立場もあるだろうけれども、この際は緊迫体制下だ、勇気を出してやれと督励はしておりますよ。おりますが、あくまでこれは、詰めていきますと行政機関がやられる話でありますから、その辺のもろもろの経費等を算定基礎に置く話はまず関係者で詰めなければならないわけでありますから、その詰めるところを私も踏み込んで督励をいたしておる、こう申し上げておるわけです。
  168. 穀田恵二

    穀田委員 わかりますけれども、私はこれは譲ることができないのですよ。なぜかというと、督励している督励しているって、一日も二日も三日も四日も待つわけにいかないと言っているのですよ。これはお互いの認識ではないですか。それだったら、それこそ詰まるまで詰めてくださいな。それが私は小里大臣の心ある対処だと思うのですよ。健やかなという話をしているのではなくて、八百五十円でやらずに、市がどう言おうが、市長がどう言おうが、県知事がどう言おうが、やはり現実に配っておられる、対処されている現地の市の行政マンの方々が安心してできるようなことを、国は保障しているんだよ、やりなさいということを現実に処理していただいて、あすあさってには必ず改善できるようにしてくださいな。いいですね。
  169. 小里貞利

    小里国務大臣 政府も、これは国会も含めまして、本当にこの際、言うなれば積極的に、そしてもろもろの平常の壁を越えて大胆にやろう、そういう気持ちですよ。私はもちろん責任者だからそういう姿勢で臨んでおるつもりでありますが、どうしても関係県、市、この機関の立場というものは大事にしなければいけませんから、おのずからその関係においては節度がなければならないところに、あなたの気持ちもわかるけれども、私自身もあなた以上にやるせない気持ちがあるわけですよ。その点はひとつ御理解いただきたいと思う。  だから、そういう指摘をこの前の委員会でもいただいたから、私は早速現地の兵庫県の県庁にある本部に指示して、ぜひ、最小限八百カ所の避難所を点検しなさいと言いたかったけれども、地域的に選んで二十三カ所だけはきょうじゅうに点検をしなさい。しかも単独ではだめだ、複数で行きなさい。その場合、老人等、食事と栄養、カロリーをきちんと基準に置いて点検をして、夕方まで報告をしなさい、こうやったわけです。そうしたら報告が来た。その報告の内容は先ほど申し上げなかったけれども、おおむね避難所としての形態は、個人差はありますけれども、世話人の方々等々に話を聞いてみると、一応これで納得をしていただいております、こういうような話でありました。  しかしながら、それでもなおかつ私は、さらに前向きで督励する必要があると思ったから、先ほど申し上げたようにその日の夕方、知事と神戸の市長にそういう文書を送って、さらにひとつ市あるいは県の方でもそういうことを再考慮くださいませんか、再検証を頼むという意味の文書を送ったわけです。そういうことでございます。
  170. 穀田恵二

    穀田委員 何回も繰り返しますけれども、私もこれ以上、これだけでやっている暇ありませんから。問題は、先ほど入居者の問題についても、三万戸という話が出る、それから次の一万戸という話が出る、そういう数字は出るのだが、現実はというと五百人しか入っていないという現実なんですね。八百五十円の話も、何度も改善すると言って、現実は改善されないのですよ。そういうあたりについて、やはりこじあけてでもやってほしいということを再三強調しているわけですね。  ではついでに、同じように瓦れきの除去についても、先ほど同僚議員から若干ありましたけれども、新聞紙上その他では非常にいろいろな話が飛んでいますから、私は、公費で全部責任を持つという話について、担当の厚生省の方からもきちんとそうだと、先ほど領収書や見積書などがあればきちんとやるんだということについて大臣お話ありましたけれども、厚生省の方はそれで、確かにやるということでいいのですね。
  171. 小里貞利

    小里国務大臣 もう先生、それは御信頼ください。先ほどもお答え申し上げましたように、これは二分の一国費で弁償します。あとの大体四七、八%も、あとの五〇%分に対して交付税等あわせまして九八%前後国費で弁償する、こういうことでありますから、御信頼ください。  ただ、この作業がなかなか進まないのですね、もう先生承知のとおり大変な量ですから。大変な量だし、しかもその瓦れきの中に、倒れた家の中にまだ私有財産が相当入っていますから、その人々がいないし、了解をとらなければならぬし、立ち会いで作業を進めなければならぬし、もうもろもろの障壁、条件がありますが、その点ひとつ御理解しておってください。
  172. 穀田恵二

    穀田委員 それはわかっているのです、そのことは。私はそこまで言っていないんですよ。ただ、いろいろな新聞情報が出ていますから、先ほど言った「国が補助拒否も」だとかいう新聞がるる出たから、もう一度確かめたいなと私は思ったわけですよ。そういう点については大丈夫だということなので、もう一遍確認しておきたいと思うのです。  最後に、今度の法律の問題について質問しておきたいと思うのですが、復興に当たっての今度の基本的な考え方で、やはり一番大事なのは国の責任だと思うのですね。ただ、一条からずっと見ていますと、先ほど大臣お話では地方自治体に支障がないようというふうにはおっしゃるのですけれども、なかんずく財政的支援の方向も含めた大枠がやはりどんと出ていないという感じがどうしても否めないのですね。ですから私は、今国がどういう政治の責任を果たすべきかということでいいますと、何といっても財政的支援を抜本的に強めるということが本来の主柱でなければならないと思うのです。それがどうも明確でないような文章なものですから、その辺はいかがでしょうか。
  173. 小里貞利

    小里国務大臣 私がある意味の責任者としてこういうことを申し上げるのはどうかと思いますが、今までの緊急対応措置、あるいは当面のもろもろ復旧、復興にかけるこの段階におきまする各種各般の事業の集計を今行っております。きょうこの委員会が終わったら閣議があるはずでございますが、当面必要な、復興、復旧に要するような経費が、三千億とか五千億とか補正予算の額が言われておりましたけれども、恐らくこれも一兆を超えて出てくるだろうと思うのです。そして、二十四日ごろハウスに御相談する段取りでございます。今までの感じからいえば、なるほど平素がなり腰が重いと言われておる大蔵、財政当局等も、この問題に対しましては際立って厳しい自覚と、そして積極的な対応をしておってくれるんじゃないか、またそうあるべきだ、さように私は認識をいたしておりまして、今後とも気を緩めることなく徹底的にその意味におきましても措置を講じていきたい、かように思っております。
  174. 穀田恵二

    穀田委員 この復興基本方針及び組織に関する法律案に関して二つ目に、地域住民の意向を尊重するということについて書かれてあって、それは当然なわけですが、問題はどういう形でそれを保障していくのかということだと思うのです。だから、一般論としてはそう書かれてあって、基本理念としても私どもは当然支持できるわけですが、どういう形でそれを保障していくのかという点についてはいかがですか。
  175. 荒田建

    荒田政府委員 先生おっしゃるとおりに、地域住民の意向を尊重するということで「基本理念」を書いているわけです。まさに、被災者生活再建その他について十分な意見を酌み取ってやっていくことがこの復興にとって最も大事なことだということで、「基本理念」として書かせていただいているわけです。  現在、県や市、復興に当たりましていろいろ復興計画の作業をやっておって、そうした中で、学識経験者の意見とか地元の住民の意見なども聞く ような形で策定していく、そういうような形でなっていくことと承知しているわけであります。  また、個別の、別に法律で定めるところによりというようなところで、例えば都市計画の手続などもそうでしょうけれども、やはり復興に当たってそういった別法による手続もございますし、少なくとも復興を進めるに当たってはそういう形でよくよく住民の要望を地方レベルで十分に吸い上げてやってほしいということで基本理念として書いているわけでございます。
  176. 穀田恵二

    穀田委員 基本理念に書いているわけですから、今度の再建に当たって私などが考えるのは、どうしても、住民参加による計画づくりというものをしない限りなかなかだめだと考えているのです。同時に、被災者生活再建なしに全体の復興というのはあり得ないというのを、私どもは立場として明らかにしているものです。  ですから、そういうことからしますと、地域住民の意向を尊重するという場合に、公聴会というのですか、そういういろいろな意見を聞く場だとかを徹底して持たないと実らないものだと私は思うのですね。ですから、そういう点も含めて考えておいででしょうか。
  177. 荒田建

    荒田政府委員 今ほど申し上げましたように、復興方針あるいは復興計画を県や市のレベルでつくる段階でいろいろな方々の御意見を聴取しながら進めていると承知しておりますし、また、これから個別に復興のために事業がいろいろ行われる段階で、例えば都市計画ですと先生承知のような手続があってきっちりやるようになっていますし、それぞれの事業でも、やはり地域住民方々とかいろいろな方々から御要望を受けとめながら進めてまいると思っているわけであります。  いずれにしましても、先生がおっしゃるとおり、被災地域の住民の希望というものを十分に尊重してやっていくということが一番大事なことでありますから、そういった形で復興事業が展開されていくと考えております。
  178. 穀田恵二

    穀田委員 最後に一言だけ言います。  「基本理念」の中で「生活再建」とありますが、この点でも、自立のための条件というのですか、私はいつも災害対策の場合に何度も主張してきたのですが、いざとなると、自立自助といいますか、自力復旧とか原形復旧とかこういうのがいつもネックになってなかなかできないというのが現実なんですね。ですから私は、自立のための条件が整備されるまでについて言うならば、生活支援というものを徹底してやる必要があるんだということを最後に要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  179. 日野市朗

    日野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  180. 日野市朗

    日野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  181. 日野市朗

    日野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)     ―――――――――――――
  182. 日野市朗

    日野委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、稲葉大和君外三名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの四派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。稲葉大和君。
  183. 稲葉大和

    ○稲葉委員 私は、この際、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの四会派を代表いたしまして、阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。     阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一 阪神・淡路復興本部は、災害復興事業に関する極めて重要な目的をもって設置される趣旨にかんがみ、復興に関する指導を旨とし、関係省庁間の円滑かつ速やかな調整を図り、地方公共団体又はその機関が実施する災害復興事業が円滑に施行されるよう国は必要な関係法規の整備に努めること。  二 阪神淡路地域復興を円滑かつ迅速に推進するため、地方の主体性を重視しつつ、国としての役割を明確にし、新しい時代の都市づくりの観点から、国は地方公共団体と協力し、復興計画を速やかに提示できるよう積極的に支援することとし、必要な財政措置を講ずること。  三 被災地域の雇用の安定を図るとともに、被災中小企業を初めとする地域の企業の一日も早い事業再建へ向けて、財政、金融、税制上の万全の措置を講じること。  四 被災者生活再建及び経済復興に当たっては、財政、金融、税制上の助成等負担の軽減に配慮し、万全の措置を講じるとともに民間の活力をいかした復興意欲を振興するよう努めること。  五 新たな復興計画の策定に関しては、防災都市づくりを考慮して公共福祉と私権の調整を図ること。  六 復興計画の策定に当たっては、建築基準法、都市再開発法等の建築規制の特例を活用するなど、特に区分所有建物の円滑な復興に配慮し、土地区画整理事業等市街地の面的整備に関しても災害に強い都市づくりの観点から、都市基盤施設やオープンスペースの確保に配慮した計画を策定すること。   右決議する。 以上であります。  何とぞ皆様方の御賛同をよろしくお願いいたします。
  184. 日野市朗

    日野委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  185. 日野市朗

    日野委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、小里国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小里国務大臣
  186. 小里貞利

    小里国務大臣 本委員会におかれましては、本法案につきまして熱心な御審議をいただき、ただいま全会一致で議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。  ここに、本法案審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対しまして深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。
  187. 日野市朗

    日野委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  188. 日野市朗

    日野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  189. 日野市朗

    日野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五分散会      ――――◇―――――