○
依田参考人 御紹介いただきました
依田でございます。この重要な
特別委員会に
出席させていただき、
意見を述べる
機会を与えていただきまして、心からお礼申し上げます。
私、
経歴等既にお配りかと思いますが、
警察の方に二十七年ばかりおりまして、
総理秘書官を三年やっている間に
危機管理とか
防衛問題担当をしておったという経緯もありまして、
役人の
最後は
防衛庁に参りまして六年ばかり、
最後は
防衛事務次官で退官して、
野村証券に、主として
企業の
危機管理というような
立場からアドバイスしようということで、三年半ばかり
顧問をしておるという
状況でございます。
その間に、
内閣では、
総理大臣の
秘書官で
危機管理を
担当しておりましたときに
大韓航空機事件とかいろいろございまして、
総理のこういう
危機における役割というか、それを補佐する
秘書官としての
あり方というものをつぶさに経験いたしました。
防衛庁へ行ってから
事務次官になる前に
安保室長、
初代佐々
安保室長の後を受けまして私二代目でございますが
安保室長で、ちょうど海部さんの
内閣のときでございましたが、お仕えしたというような
状況でございます。
野村証券へ行ってから
同友会にも入りまして、主として、
国家像の
あり方とかニューワールドオーダーと
我が国の
あり方とか、最近の
阪神大震災では
大震災対策タスクフォースというようなことで、今後の
我が国のこういう大きな
地震等に対してどう対応していったらいいんだろうかというような問題も、直接
経済人の中にまじりまして経験させていただいた。きょうは、そんなことを踏まえまして、私の
感じている
意見を率直に申し述べさせていただきたいと思います。三十分でございますので、ほんの箇条的な形になりますので、
あとまた
質疑等の中で詳しく
意見を交換したいと思っております。
スケルトンとして二枚ばかり配らせていただきましたが、今日の
日本で非常に問題なのは、
民主主義というのは戦後五十年相当確立しているけれども、
危機管理的立場で見た場合には、これが非常に脆弱化している。したがって、いかにして
危機に強い
民主主義というものを確立していくのか、そして
国民が
安心して暮らせる本当に安全な
国家・
社会というものをどう構築していくかということは、私は、戦後五十年経て、これからの
日本なり
国際社会を建設していくという
意味で大変重要な問題ではないか、こう考えております。これも、ただ単に
我が国一国の問題だけではなくて、グローバルな
視野に立って、こういう
視点から物を考えていく必要があるのではないか。
我が国の場合は、ここにありますように
湾岸危機とか
阪神大震災、最近の
サリン事件、こういうものに関連して、何とか
危機管理体制を
強化しなければいかぬ、特に
阪神大震災等の例を見ても、もし
東京に大
地震が起こったらこれで対応できるのかというようなことから、最近、各
方面で
危機管理問題が大変な
関心を呼んでおるわけでございます。したがって、これをいろいろな角度から
強化すべきである、この
国会等移転問題もそういう中で大きな
インパクトとして考えるべき問題であろう、その
重要性の認識は高まっているのではないか、こう私は思うわけです。
ただ一方、こういう議論を進めますと、必ず、
危機管理に名をかりてまた旧
体制に逆戻りする、
我が国の確立した
民主主義が破壊されるのではないかとか、多少非能率でも
民主主義の方がいいんだ、だから多少の代償はやむを得ないというようなことを言う人もいるわけです。しかし、人命の重要さ、
国家・
社会の安全と安定の重要さというものをどこに置くのかということが大変問題だと思いますが、私は、ここに第二
項目で書きましたように、
国民の
安心・安全の
確保は最大の福祉である、そういう観点に立って、
民主主義の確立に努めつつ、かつ
危機に強い
国家の形成ということを考えていく必要があるのではないか。
それで、こういうことを進める上での大きな
インパクトとして
国会等移転という問題は大変重要だ。ただ、そこで考えなければいけないのは、
国会等を
移転しても、どこか
東京からちょっと離れたところに、提言によれば六十万
都市ができたというようなことだけでは、これは何の
意味もないわけです。そして、それを動かしていくのは人であり
制度であるということも考えますと、まずそういう世紀の大
事業というか、大変な
長期的視野で
コストをかけた大
事業をやる以上、それが本当に
我が国土の
分散型の
発展に寄与するような、そしてそれが本当に
国民の
安心・安全に役立つような形で活用されるような
システムというものを確立して、並行して進んでいかなければ
意味がないのではないか。
だから、そういう点で、きょうの私の
意見としては、まず第一点としては、最近の
事例等から見て
我が国ではどういう点が
危機管理の面で欠如しているのだろうか。私は、
内閣その他に勤務した経験で、若干私見でございますが、率直な
意見を言わせていただこうと思っております。それからやはり
危機に強い
都市づくり、こういう二点でお話をさせていただこうと思っております。
私は、最近の
事例、特に
湾岸危機のときちょうど
防衛庁で
事務次官をしておりまして、あのときつくづく
感じたのですが、
安全保障というようなものについて、
我が国の
国民も
政治家の
皆さんも本当に
腹構えができていなかったのじゃないか。ゼロからの出発というか、まず
自衛隊は使わずに文民でやろうかと考えたけれども、人が集まらぬ。そういうことから、
事務次官どうだろう、
自衛官が休職して服を脱いで行くというのはと。だがしかし、
自衛官というのはやはり宣誓して、
国家のために一たん緩急あれば命をささげるということでやっている
集団ですから、それを使う以上、
国家としても
腹構えを持ってぴしっとシビリアンコントロールのもと活用しなければ、
安全保障の一環としての位置づけができないわけです。その
あたりのところはほとんどゼロから出発した。
それを考えますと、今日
PKO法等によるカンボジア、モザンビーク、ザイール、そういうところで活躍しておる姿を見ますと、大変な変化だ。ただ、これは
国際常識に照らすとまだまだ不十分な点がいろいろあるのじゃないかというような点をつくづく
感じております。
阪神大震災につきましては、私も
警察庁で
警備課長とか
警視庁の
警備部長とかしておりましたが、
大震災とか
東海大地震というようなことから
大震災対策特別措置法というのができて大変にみんな
関心が高まっていましたが、どうしてもやはり
関東の方に向いておって
関西はほとんど
関心が薄かった、こういうところに今回の
大震災の大きな原因があったのじゃないか。
しかし、
予知の
制度を見ますと、名古屋・京都・大阪・
兵庫地区というようなことで、
予知連絡会等の八つの重点的な
予知観測地域に入っておるわけですね。そうして、十年前ぐらいの
新聞を見ましても、当時もう
専門家は
関西でも危ないというようなことを結構警告している。しかし、
国民も
担当の
役人も
政治家の方々も、それほどこれを大変だから備えようということがない。やはり焦眉の急は
関東だという
感じがありますから、
多発地帯に対する手当てみたいなのが重点的になってしまう。ここは
対策と
コストの問題が出てきますが、そういうことで、やはり
予知というものは、
直前予知は難しくても
中期予知、
長期予知等に基づく、それに見合った
対策を指導していくというのも、これも私は
政治の
リーダーシップではないかという
感じがいたします。
地下鉄サリン事件というようなのは全く
予想外のというか、私
ども警察で
極左暴力集団、第一次
安保、第二次
安保、その他
連合赤軍等も
担当しましたが、彼らの中には
一つの
節度というものがあって、無差別な大衆を
殺傷というようなことはやらないし、それから
銃器等による
殺傷というものはほとんどなかった。そこには
節度があった。
ところが、
國松長官の
狙撃事件なんかを見ますと、全く直接ねらう。
日本の現在の
民主主義というのは、
銃器等によって直接ねらうというようなことについては極めて脆弱というか、防備はゼロというに近いのじゃないか。私も、
警視庁の
警備部長で
SP等の
責任者をやっておったわけですが、もし今の
日本で
銃器その他で
殺傷しようということで直接ねらわれたら、本当に守り切れない。したがって、そういうことを起こさせないような
銃器取り締まりないし
社会というものをつくっていかなければいかぬということじゃないかと思います。
そんなことで、結局、それぞれについて
国家・
社会として必要な備えというものをしなければ必ず憂いというかまずい結果が出る、これは当たり前なことではないが、こう思うわけです。したがいまして、我々としては、
国民の
安心・安全の
確保のために、今後どう
国づくりをしていくかということが大変重要じゃないかと思います。
余り詳しく述べていると時間がなくなってしまいますので、
あと項目的に申し上げます。
まず、
危機に強い
民主主義国家というものをつくる。
国会移転して
内閣機能が
移転し
官庁機能が
移転して、それが今度は
東京、
大都市圏とも離れ
全国をフルに統括するというような形になりますれば、な水そういう
システムというものが必要じゃないか。
私、
内閣安全保障室長をしておりましたが、今いろいろ
内閣機能の
強化が叫ばれておりますが、
日本の場合はまだまだ
縦割り行政というものが徹底しておりまして、私が行ってびっくりしたのは、ここの点は口出しするな、この点は口出しするな、これは口出しするなとなっております。したがって、何か起こったときに
新聞記者はすぐ
安保室長に飛んできますが、何もすることはないという状態です。
それで、大
地震は、御承知のように
国土庁所管でございますし、
中央防災会議の系列は
総理府に
中央防災会議があります。
内閣は
内政審議室が
窓口になっているということです。しかし、これが何か一たん大変な
事態になってきたら
安保室が引き受ける、こういうことになっているのですが、その
事前の
情報はちっとも来ないわけですね。そこで、私は
内調室長に友達があって、ちょっと
事前情報をくれないかというようなことを、
安保室にはファクスもありません、そんなことで
内調から回してもらうということでやっていました。
私は、
防災も含めた
内閣の
危機管理機能というのは一本化して二十四時間
態勢で、
国民の
生命財産等を中核になって
総理のもとで守っていくわけですから、
態勢を
強化して二十四時間の
ウォッチ態勢をつくるべきじゃないか。この
阪神大震災の後、
内調で今二人ぐらいいる当直が
窓口になってやるという
当座の
制度ができていまして、それはそれで
当座としてはいいのですが、国として
危機管理をしていくためには、
内閣でそういう二十四時間
態勢、それで業務統合した、もうちょっと
縦割りの
各省行政を調整できる強力な
機能というものが必要じゃないか。それから、
内閣情報体制というものは、もう少し
強化していく。
それから、
閣議によって決められた方針でやるので
首相は
リーダーシップを発揮できないということをよく言われますが、
首相が、
関係閣僚集まってくれ、
安保会議は
諮問機関だけれども、ちょっと
意見聞くから集まってくれと言えば、活用できるのです。しかし、今日のようにいろいろな方が
首相になるというような
実態を眺めていますと、
国家の仕組みとして
首相が
危機において
リーダーシップを発揮できる
体制というものをつくっておく必要があるのじゃないだろうか、こう
感じております。
安保会議というのは、アメリカなんかは
執行権は
大統領に属するということで、
大統領に
助言する。集まってくれと言ったら、こうこうやるべし、じゃ、こうやろうということになる。
日本は
内閣の
諮問機関ですから、
安保会議の必要はないわけですね。何か
中期防をつくるときに
長期間かけて諮問して受けるという形になっていますが、私は、この
安全保障会議の
危機における
助言的機能というものをもうちょっと
強化したらいいんじゃないか。それで
首相に
助言する、
首相はそういう
助言に基づいて決断して、その方向で実施する。
閣議報告は事後になっても、また
国会等で後で承認するとか、そういう手続にして、もっと
危機に強い、
リーダーシップが発揮できる
体制をつくっておくということが大変重要じゃないかと思います。
それから、新
官邸の建設の問題が今あって、私も最近
委員をやっておったわけですが、これは
国会等移転をやっても結構
長期な問題になりますから、当面、
対策をしていくためには、ぜひこういう
機能を備えた新
官邸を早急につくる。それでまた立川にバックアップとしての
防災機能を充実する、こういう
危機管理機能というのは複数あるほど結構なので。そして、
国会等を
移転して
官庁機能とか
国会機能が向こうに
移転した場合でも、これはやはり大
東京の
拠点としていろいろな活用の仕方があるのじゃないか、いざという場合はここも
一つの
現地拠点になり得るというようなことも考えて対応していく必要があるのじゃないか。
あと、時間の
関係がありますので後ほどまた述べたいと思いますが、
サリン事件等の例を見ますと、これからの
犯罪捜査の
あり方というのも、
危機管理と
民主主義じゃありませんが、
基本的人権を尊重する中でいかに広域的な極悪な
犯罪というものに対応していくか、そういう
捜査体制なり
捜査の手法もいろいろ考えていく必要はないかという点をつくづく
感じております。
それから
有事法制の問題は、これも
有事法制をつくるというのは当たり前のことなんですが、こういうのは
有事を想定するものですから、最悪の
事態を想定して備えておくというのが
危機管理の要請なんですが、どうしてもやはり嫌なことは考えたくない。それから、こういうことを考えるというのは、そういうことを考えてそういうことをしようとしているのかという考えになりまして、
防衛庁の
防衛出動に関連しての
防衛庁所管法令それから各
省庁所管法令のところは、一応こういうことをすべし、こういう点は欠落しているというのが
報告になっていますが、一番重要な
国民の
権利義務とかその他に関連するような部分というのは、今
安保室が預かって細々と研究はしておりますが、この
あたり全くやっておりません。
ただ、これだけでなくてもっともっと重要な
有事法制という問題はあるわけですが、これは私は、やはり不備なものは平時に備えておくということで、淡々と命じていただいて、
関係方面で研究し備えておくということが大変重要じゃないか。
それで、何としてもこういう
危機に強い
民主主義体制をつくるためには、
最後に書きましたが、
国民の
理解と
協力と参加。
最近の
阪神大震災では
ボランティア活動等も脚光を浴びましたが、これもまだまだ
日本の場合は未
組織というか、非効率的な
組織。だからもう少し
ボランティア活動の
組織化とか、今度
阪神大震災等でも非常に問題になりましたが、どこに人が埋まっているかわからないわけです。それは
自主警防組織とか
消防組織というものがないと、コミュニティーが崩壊してくると、いかに
警察とか
消防とか
自衛隊というのが出ていっても
地域がしっかりとそういう
実態を把握していなければ、結局災害があってもどこにおじいさんが埋まっているかということがわからぬわけです。
そういう点を考えますと、私は、こういう
防衛関係ではシビルディフェンスなんという言葉が言われておりますが、やはり
民間防衛組織というか、そこまでいかなくても自主的な
消防組織、また
犯罪捜査等にも
協力できるような
組織というようなもの、そういう
地域住民の
理解と
協力、こういう
体制をどうつくっていくかということがこれからの複雑な
社会に対応していくための大きな問題じゃないか。こういう点は、今からでもできるものから逐次整備していっていただくということが大変重要じゃないか。
次に、二枚目の
危機に強い
都市づくりという問題、これはまさに
首都圏移転の問題にかかわってくるわけです。
東京一極
集中排除と、言われて久しいわけですが、私
役人のときにちょうど
国土庁などに呼ばれて、
防衛庁としてはどこが動かせるか。いや
市谷移転をやっているから、じゃこれを朝霞にやって、その地やる。じゃそれを計画にのせましょうとか、
施設庁の
東京の支局をこっちにやりましょうとか、そういうようなことで名前は挙がっていますが、本当にじゃそれで
移転が十分行えるのかといったならば、言うなればほんのちょっと、形ばかりじゃないかと思うのですね。
私は、これから
国会等を
移転してまで目指すというものはもっともっと本格的な
分散であるべきじゃないか。
岩波新書で
皆さんお読みと思いますが、建設省の
石橋克彦氏「
大地動乱の時代」というので、
最後の方で
首都圏の
移転問題、
東京一極
集中排除なくして
東京は救えないということを取り上げておりますが、まさにそのとおりじゃないか。
それで、
国会等を
移転するということは、これを強力な
インパクトとして、あらゆる安全な
都市づくりという問題を並行して進めていく。ただ
国会を
移転して
東京をそのままだったら、まだ依然として危ない過密の
経済産業都市というか
経済都市というものになっているわけですから、この
機会にやはり
地方分権を徹底する。それから、
企業なんかも可能な限り
地方に移して、かつ、十分活用する。
それで
分散した
国土の計画的な
発展に資するというような形で、それには
教育改革というか、どこで
教育を受けても十分やっていけるということがまた大変重要じゃないかと思うわけです。
同友会等で
教育改革委員会にも所属して
教育問題もやりましたが、
企業の方としても採用の場合に大学名なんというのは書かないところも多くなってきております。そういうことで、
全国どこでも同質の
教育が受けられるような
国土というものもつくっていかないといけない。こういう
分散型の
国土、
国民がどこでも平等に幸せを享受できるような
社会、しかもそれが安全で住みよい、こういう
社会をつくるためには、私は、
国会の
移転というのは画期的な
インパクトではないか。
そういう
意味で、ただ
移転するだけでなくて、
移転する以上は今言ったような点も十分徹底した、そういう一斉な構想のもとに
都市づくりというものをやっていく必要があるんじゃないか。
時間がなくなってきましたので
項目だけ申し上げますが、その場合に、
危機管理という
視点に立った場合には、何しろ
日本はどこに行っても危ない
地震列島である。今度の
関西の例を見ても、千年に一度か何かのああいうのが起こってしまったわけです。だから、
立地条件というものは、
地震とか火災とか津波にできるだけ強いところに立地して、千年
規模、
長期的規模で
国づくりの
拠点をつくっていくということが重要ですし、
危機管理の場合に、何しろ
政治、
経済、
文化等重要機能が一カ所に固まっているなんということは、まさにこの過密な
地震列島の上で、手の施しようがない。要員を集めようとしたって、
関西では知事が相当長い時間おくれるぐらいですが、
東京だったら
担当者なんというものはほとんど集まれないぐらいに
分散しているわけです。そういうような問題も考えますと、やはり
重要機能というものを
分散していく。
それで、
企業でもデータベースなんかは今
関東と
関西に分けていて、
関東でもし問題があっても
関西の方が
機能するとか、いろいろそういう
対策を講じていますが、そういう
代替機能。だからこの
国会等移転なんかも、今建設しようとしている
東京の新
官邸、それから新
都市における
国会、
官庁、こういう
代替機能があることによって、
国家としてもいずれがあれしても安泰の対応ができるというようなことだと思います。
それで、
危機管理に強い
都市の構築という面では、
耐震構造とかインフラその他交通とかいろいろあるわけですが、今度の
阪神大震災なんかでも
広域体制というのが非常に脆弱であったわけです。それから、そういう
体制に基づく
訓練。
訓練の大体半分以下しか
実力発揮できない、
実力部隊でもなかなか
訓練ほどの
実力が発揮できないところを見ますと、
訓練をしなくて今度
自衛隊は出るべきだったなんといったって、出たって何の役にも立ちません。だから、そういう点を考えると、そういう
耐震構造とか
ハード面の
強化とともに、
ソフト面でいろいろ広域的な
システム体制をつくり、
訓練を徹底していく。
その場合に、何としても
危機管理というのは、どこまで
コストをかけるか。徹底して
コストをかけてトーチカみたいな
都市をつくれば安全ですが、それじゃもうやっていけないわけですが、やはり致命的な欠陥は避ける。何が致命的かということから
対策を講じていくということが重要じゃないだろうか、私はこんなふうに
感じております。
いずれにしましても、私は、
危機管理というのはあらゆる面で総合的に、戦後五十年確立した
民主主義の中でいかに
国民が
安心して暮らせるような安全な
国家・
社会をつくっていくか、そしてまた、
我が国だけでなく、難問山積している
国際社会の中にどういう心構えを持って対応していくのかというような問題、これらも包括的に考えて
対策を講じていく必要があるのではないか。
そこで一番重要なのは、
政治の
リーダーシップではないだろうか。こういう問題はちょっとずつやっていたのではなかなかできないと思います。そういうことで、
国会等移転というような大きな強力な
インパクトを推進すると同時に、そういうものと並行して新しい
国づくり、
都市づくりというものをやっていく、私はそういう
意味での
政治家の
リーダーシップというものに大いに期待している次第でございます。
以上でございます。どうもありがとうございました。