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1995-02-07 第132回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月七日(火曜日)     午後一時三十一分開議 出席委員   委員長 遠藤 和良君    理事 木村 義雄君 理事 野田  実君    理事 藤井 孝男君 理事 太田 昭宏君    理事 北村 直人君 理事 渡辺浩一郎君    理事 松本  龍君 理事 玄葉光一郎君       安倍 晋三君    遠藤 利明君       古賀  誠君    佐田玄一郎君       斎藤 文昭君    塩谷  立君      田野瀬良太郎君    根本  匠君       山本 有二君    大口 善徳君       長内 順一君    白沢 三郎君       高市 早苗君    広野ただし君       山本 幸三君    沢藤礼次郎君       堀込 征雄君    三野 優美君       吉岡 賢治君    中島 武敏君       大矢 卓史君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野坂 浩賢君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 小澤  潔君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       三井 康壽君         国土庁長官官房         審議官     西川 一誠君         国土庁計画・調         整局長     糠谷 真平君         国土庁土地局長 山田 榮司君         国土庁大都市圏         整備局長    荒田  建君         国土庁地方振興         局長      松本 英昭君         国土庁防災局長 村瀬 興一君         建設政務次官  簗瀬  進君         建設大臣官房長 伴   襄君         建設大臣官房総         務審議官    原  隆之君         建設省建設経済         局長      小野 邦久君         建設省都市局長 近藤 茂夫君         建設省河川局長 豊田 高司君         建設省道路局長 藤川 寛之君         建設省住宅局長 梅野捷一郎君  委員外出席者         大蔵省主税局税         制第三課長   竹内  洋君         厚生省生活衛生         局水道環境部環         境整備課長   三本木 徹君         厚生省社会・援         護局保護課長  松尾 武昌君         運輸省鉄道局幹         線鉄道課長   平田憲一郎君         建設大臣官房官         庁営繕部長   照井 進一君         自治省税務局固         定資産税課長  板倉 敏和君         住宅金融公庫理         事       吉本 修二君         参  考  人         (住宅都市整         備公団理事)  鈴木 政徳君         建設委員会調査         室長      杉本 康人君     ————————————— 委員の異動 二月七日  辞任         補欠選任   沢藤礼次郎君     三野 優美君 同日  辞任         補欠選任   三野 優美君     沢藤礼次郎君     ————————————— 二月三日  住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進  法の一部を改正する法律案内閣提出第一五号  ) 同月七日  大都市地域における住宅及び住宅地供給の促  進に関する特別措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第二一号)  都市開発法等の一部を改正する法律案内閣  提出第二二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進  法の一部を改正する法律案内閣提出第一五号  )  大都市地域における住宅及び住宅地供給の促  進に関する特別措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第二一号)  都市開発法等の一部を改正する法律案内閣  提出第二二号)  建設行政基本施策に関する件  国土行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 遠藤和良

    遠藤委員長 これより会議を開きます。  建設行政基本施策に関する件及び国土行政基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両件調査のため、本日、参考人として住宅都市整備公団理事鈴木政徳君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 遠藤和良

    遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 遠藤和良

    遠藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田実君。
  5. 野田実

    野田(実)委員 本日から新年度建設委員会質疑に入るわけでございますが、その前に、先般の大震災被害を受けられたりあるいは亡くなられた方に対し、心から哀悼の意を表したいと思います。  また、建設大臣国土庁長官、連日にわたりまして、本当に御苦労をおかけいたしております。心から敬意を表しますとともに、両庁の職員におかれましては、マスコミやあちこちからいろいろな批判もございますけれども、そういう批判を適当な批判でないと私は思いますが、大変御苦労をおかけしていますことに対して、本当にお礼を申し上げたいと思います。本当にまた今後とも頑張っていただきたいと思います。  まず最初に、先般所信表明がございましたが、この阪神大震災教訓として、建設行政上あるいはまた国土行政上、両大臣がどういうことを一番痛感をされたか、あるいは反省をされたか、そういう点について、まずお伺いをいたしたいと思います。
  6. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 野田委員お答えを申し上げます。  今、今回の兵庫県南部地震につきましてお話かございましたように、多くのとうとい人命を失った、また莫大な財産が喪失をした、このことは極めて遺憾に思っております。私も二回、四日間、現地入りをしてまいりましたが、壮絶といいますか凄絶といいますか、極めて厳しい状況の中で、一刻も早く、一日も早い復旧と、そして、復旧から本格的な復興へと全力を尽くしてまいらなけれはならぬ、そういう思いを強くいたしました。  従来から、それらについては関心を持ちながら補強、補完をしてまいりましたけれども、このような重大な惨事に遭いまして、徹底的にその原因を追求をして、安全で安心して暮らせる町づくりをしていかなければならぬ、そういうふうに決意をしておるところでございます。
  7. 小澤潔

    小澤国務大臣 災害対策は国政の重要課題であり、政府といたしましても真剣に取り組んでまいりましたが、今回の地震では極めて甚大な被害発生をいたしました。私も、発生と同時に、二日間にわたりまして当地を訪れ、この目で、この肌で災害の恐ろしさ、本当に目に余る惨状を見て、もう本当にこの対策政府としても大変だということを身にしみて感じて帰り、報告をしたところであります。  特に、今日のように、複雑、高度な機能に支えられた大都市部を襲った災害として、事実上初めて我が国が体験した厳しい災害でありますので、迅速な救助活動必要性はもとより、ライフライン問題、交通路確保等の問題、食料や飲料水などの生活必需物資の配送の問題、応急住宅確保の問題、数多くの問題を提起したところであります。さらに、今後は、各種施設の迅速な復旧災害に強い町づくりを目指しての地域復興など、政府及び地方公共団体全力を挙げなければならない課題が存在しております。  このような中で、私は、今回の教訓を厳しく受けとめまして、政府としても、対応の全般にわたって反省すべき点は反省をし、国民生命、身体、財産を保護するために、政府並びに関係機関の一体的な連携のもと、災害対策充実強化全力を挙げる所存であります。
  8. 野田実

    野田(実)委員 両大臣から御決意のほどを承りました。  今まで社会資本整備必要性というのは戦後一貫して主張されてまいりましたが、今回の大震災を経験して、やっぱりといいますか、やはりというよりももっと強い表現でやっぱり、住宅整備社会資本整備がいかに大事であるかということを、我々国民全体が痛感したと思います。大臣の御答弁にもございましたが、私も改めて社会資本整備必要性ということについて強く胸を打たれております。  昨年の予算編成のときも、社会資本整備を通り越しまして、あるいは新しい社会資本整備ということも叫ばれておりました。建設省のどの局だったか忘れましたけれどもライフラインという言葉を、あるいはライフ資本整備というような言葉を編み出した方もいらっしゃいましたけれども、そういう必要性というものを痛感するわけでございます。  そこで、私は、今後社会資本整備というものがさらに一段と重要になってくると思いますが、大臣決意といいますかお考えを承りたいと存じます。
  9. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 先生からお話がありましたように、都市づくりは安全が第一だ。利便性とか快適性とかいろいろありますが、まず安全な都市づくり。  安全な都市づくりのためにはどうするかということでございますけれども、具体的に申し上げますならば、災害時には避難路防災活動拠点となる幹線道路都市公園等の骨格的な公共施設整備をやろう。市街地開発事業土地区画整理事業等による市街地の面的な整備。今度の災害でも、広い道路のところは割に災害は少なくて、区画整理事業等をやっておるところは被害が僅少でございますので、そういう点。それから、建築物公共物の耐震と不燃化。四番目には、共同溝整備等、今お話がありましたライフライン機能確保等住宅社会資本整備を総合的に、計画的に推進することによって、安心で安全な都市づくりを強力に進めてまいりたいと考えております。
  10. 野田実

    野田(実)委員 今、建設大臣から、計画的、総合的に社会資本整備を進めていきたいというお話がございました。  そこで、国土庁の方にお尋ねをしたいわけでございますが、全国総合開発計画というのがございます。新全総と呼ばれている計画でございますが、これが昨年十一月に国土審議会において、二〇一〇年を目標年次としまして新しい計画策定に着手したというふうに聞いております。  前回つくりました第四次のものは、かなりその時代と現代では状況変化があるのではなかろうかと思うわけでございます。当時は東京一極集中というようなこともございましたし、あるいは、また最近におきましては、高齢化社会の到来とかあるいは地球環境問題とか、いろいろ経済的、社会的状況変化で、当時と違っているのではないかというように感じるわけでございます。さらに、そこへ今度の大震災というものが発生したわけでございまして、そういう意味では、今回策定計画しておられますこの計画が、大変大きな意味を持つのではないかと思うわけでございます。  そこで、ちょっと事務当局に承りたいのですが、新全総の今審議状況あるいは今後のスケジュールについて、まずお答えをいただきたいと思います。
  11. 糠谷真平

    糠谷政府委員 先生指摘のように、四全総をつくりましてからかなり状況が変わっておりますので、昨年十一月の国土審議会におきまして、四全総にかわる新しい全国総合開発計画策定が了承されたところでございます。これを受けまして、今年一月十二日に第一回の国土審議会計画部会開催をいたしまして、新しい全国総合開発計画策定作業を本格的に始めたところでございます。  今後のスケジュールでございますけれども、まず、今年秋には新計画基本的考え方をまとめたいと思っております。それから、来年の秋には新計画中間案を取りまとめまして、その後、平成年度中を目途に新計画策定をいたしたい、このように考えているところでございます。
  12. 野田実

    野田(実)委員 今スケジュール等について承りましたが、そこで、この計画に盛り込んでいただくこと、あるいは盛り込むべきことの第一点として、従来にも増して安全性というものを考慮する必要があるのではないかと思うわけであります。新しい全総計画において、大規模地震等災害に強い国土づくりを進めていかないといけないのではないかと思うわけでありますが、国土庁長官、この点についてどういう取り組みをなさるおつもりであるか、お答えをいただきたいと思います。
  13. 小澤潔

    小澤国務大臣 政府といたしましては、現在国土審議会において、平成年度中を目途に、来るべき二十一世紀にふさわしい国土づくり指針を示す新しい全国総合開発計画策定作業を進めているところであります。国民生命財産安全確保国づくり基本であり、新しい全総計画においても、安全で質の高い国土形成が最も重要な課題であると考えます。  したがって、新しい全総計画策定に当たりましては、今回の丘庫県南部地震を初めとする最近の一連の災害についての調査分析災害対策についての教訓等を踏まえ、広域的な幹線交通通信網の複数・代替ルート確保業務機能多元化等災害に強い国土づくり指針策定すべく、鋭意努力をしてまいる所存であります。  ただいま局長からも報告がありましたが、昨年の十一月十日に国土審議会開催をし、総理並びに私から、全総にかわる新しい全総の二十一世紀に向けてのお願いをしたところであり、先般計画部会が誕生しまして、一月十二日に第一回、第二回は来る二月十六日に二回目を開催をし、これにおきましては、今回の災害についても検討をされる予定であります。  以上です。
  14. 野田実

    野田(実)委員 今お話ございましたように、新全総におきましては、新しい経済社会発展あるいは経済社会変化をもちろん反映していただくことは当然でありますが、従来にも増して、安全性ということにつきましても配慮をされた上、計画策定されることを望むものであります。  それに関連しまして、阪神大震災と関連いたします近畿圏整備及び開発について承りたいと思うわけであります。  近畿圏整備計画、これはもう大臣承知のとおり、昭和六十三年に策定されまして既に七年を経過いたしております。この間に、近畿圏におきましては、経済社会状況大変変化をしておりますし、関西新空港の開港というようなイベントもございました。そして、そこへこの阪神大震災という問題が起こったわけであります。  国土庁では、近畿圏の将来のあり方について既に検討を始めておられるように聞いておりますが、これについて、今後この近畿圏の将来のあり方について、これを検討するに際しましては、今回の災害を踏まえまして、震災に強い都市づくり、あるいは二十一世紀を目指す新しい都市づくりであってもらいたいと思うわけでございますけれども国土庁、いかがでございますか。
  15. 荒田建

    荒田政府委員 今般、神戸を中心とする大地震、この地域は、関西圏の中でも、大阪あるいは京都あるいはそういった地域と並びまして、近畿圏全体の発展をリードしてきた地域でもございますし、また、全国的にも大変重要な地域であるわけでございます。申すまでもなく、日本最大貿易拠点港でございます神戸港、あるいは新幹線高速道路の損壊、こういったものは、やはり近畿圏経済生活のみならず、我が国全体の経済生活に大きな影響を及ぼすということかと思います。  いずれにしましても、今回の地震、改めて震災対策重要性あるいは緊急性というものを認識させるものでございまして、この地域我が国全体における重要性、あるいは近畿圏全体における重要性ということにかんがみまして、活力ある近畿圏の再生のためにもぜひ復興させていかなければいけないわけですが、現在、私どもとして、近畿圏の将来展望というもめを始めようと思っておりますが、そういった中で、今先生指摘のような観点を十分踏まえまして、災害に強い地域づくり圏域づくりといったことを一つの大きな柱として取り組んでまいりたいと考えております。
  16. 野田実

    野田(実)委員 今回の大震災で問題になりましたといいますか、非常に隆路、ネックになりましたのは、やはり交通網の問題が一つ大きな問題としてあったのじゃないか、あるのではないかと思うわけでございます。  もう私がそういう御説明を申し上げるまでもなく、両大臣におかれましては現地を視察され、あるいはよく御承知かと思いますけれども大阪から神戸あるいは広島、九州へ結ぶ道路というのが、阪神高速道路と四十三号線が大動脈として一本走っているという状況でございます。それからまた、鉄道で申しますと、山陽新幹線東海道本線という動脈があるだけでございまして、日本列島のこういう地形から見まして、今まではやむを得ない面もあったかと思いますけれども、これが日本大動脈として交通の要衝に当たっていたという点、しかもその一番の道路鉄道が破壊されてしまった。  これが、人命を救い、あるいは避難された人たちに対する救援物資を運んだり、病院に病気の方あるいはけがをされた人を運ぶに際しましても、大変不都合であったと思うわけであります。これはやはり、日本列島第一国土軸が、東京から九州まで、大動脈として一本走っているだけであるということに大きな原因があるのではないかと思うわけであります。  そこで、今までたびたび議論をされております第二国土軸という議論、これが、つい最近といいますか、ここ何年か前から、この第二国土軸構想というのが出てまいりましたことは、両大臣承知のとおりだと思います。日本列島を、こういう災害あるいは何かのときに、最小限の被害に食いとめるために、やはり第二、第三の国土軸というものが本当に必要なんじゃないかということを、これはもう国民みんな、両大臣だけじゃなくて、我々みんな体験し、あるいは考えたことではないかと思います。  そこで、この第二国土軸問題について質問をさせていただきたいと思いますが、私は、第二国土軸を、今回のこの災害を契機として、早急に整備を進めていく必要があると思います。近畿圏を、先ほど御質問させていただいた近畿圏整備計画、あるいは新全総の中にもきちっと位置づけをしてもらいたいなと思っているわけでありますが、まず国土庁長官に、第二国土軸整備についてどういう御所見をお持ちか、承りたいと思います。
  17. 小澤潔

    小澤国務大臣 先生指摘のとおりでございまして、西日本地域を初め各地域から、新たな国土軸構想について提唱され、活発な推進活動が続けられていることは、よく承知をいたしております。  我が国自然的条件が極めて厳しく、地震台風等の多くの災害発生原因を抱えております。このため、国民生活経済活動の安定、安全を確保し、安心して暮らせる国土形成していく上で、多重的で代替性に富む強靱なネットワークを整備していくことは、国土政策上最も重要な施策であると認識をいたしております。  こうした観点から、新たな国土軸構想につきましては、これからの新しい全国総合開発計画策定に向けた取り組みの中で、最も重要な課題一つとして検討を進めてまいりたいと考えております。
  18. 野田実

    野田(実)委員 釈迦に説法でございますが、第二国土軸と申しますのは、伊勢湾から紀伊半島を通りまして、紀淡海峡を通りまして、四国を通りまして九州まで通じる、これを第二国土軸と申しておりますが、御承知かと思いますが、そういう国土軸でございます。北の方を通る国土軸をつくろうという考えもあるようであります。  そうした中で、今長官から第二国土軸必要性というのをお答えいただいたわけでございますが、今どうなっているのか、何をやっているのか、それについて承りたいと思うわけであります。  まず、道路をつくろうというのと鉄道をつくろうという話がある。それから、海の上へ橋をかけようという意見海底に潜るうという意見、いろいろあります。一番進んでおりますのは、紀淡海峡と申しまして、和歌山県から四国へ通じる道路でございまして、これについて今どういう進捗状況になっているのか、事務当局から承りたいと思います。
  19. 藤川寛之

    藤川政府委員 今、委員の方から御指摘がございました第二国土軸の一部を形成するという大プロジェクトでございます紀淡連絡道路でございますが、この道路構想につきましては、一方では大阪湾地域環状道路の一部を形成するというような、そういう役割も担っておりまして、その両方の観点から調査を進めているところでございます。  この連絡道路、紀淡連絡道路の実現のためには、やはり経済社会的にどのような評価を得るかというような問題がございますし、また技術的にも大変難しいところがございまして、新しい技術開発、あるいはコスト削減等技術開発等が必要でございますが、従来からこれらの視点に立った調査を進めているところでございます。  具体的には、平成年度から、海峡横断道路プロジェクト技術調査委員会というのを設置いたしまして、技術的課題について検討を進めております。また、平成年度からは、紀淡連絡道路につきまして、新交通軸調査の中の計画調査ということに位置づけまして、経済調査あるいは自然条件調査地質調査等検討をやっているところでございます。  今お話がございましたように、やはりこういう交通軸多様性代替性というのが今回の地震で大変注目されているところでございますので、私どもといたしましても、この紀淡連絡道路につきまして、地元自治体といろいろ協力し合って調査していきたいというふうに考えておりますが、協力し合いながら、調査促進に努める所存でございます。
  20. 平田憲一郎

    平田説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘ございました紀淡海峡調査につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして基本計画が決定されました四国新幹線調査の一環といたしまして、本州−淡路島間の海底トンネル部にかかる区間につきまして、日本鉄道建設公団がこれまで海底地形地質を把握するための深浅測量弾性波探査ボーリング調査などを実施してきたところでございますが、技術的可能性などにつきましてなお引き続き調査が必要であると考えておりまして、鋭意調査を推進していく所存でございます。
  21. 野田実

    野田(実)委員 今道路局と、それから運輸省鉄道局お話を承りましたが、私は、一番疑問に思いますのは、この第二国土軸あるいは紀淡海峡について、どの省のだれが責任を持っているのかという点について承りたいと思います。
  22. 糠谷真平

    糠谷政府委員 先生指摘の第二国土軸、最近は太平洋国土軸と言っているようでございますけれども太平洋国土軸を含みます新しい国土軸構想、各地域から出てきております新しい国土軸構想、これは昨年出しました四全総総合的点検報告におきましても、大変有意義な構想だ、こういうふうに位置づけているところでございます。  私ども国土庁といたしましては、平成年度から、新しい国土軸につきまして、その考え方国土政策上の位置づけということで調査をしてまいりましたし、未年度平成年度におきましては、新しい国土軸、それから地域連携軸を含みます多軸型の国土形成ということのための調査、これは次の全総にどう位置づけるかということにかかわってくる調査でございますけれども、それをやろうとしているところでございます。  こういった調査を踏まえまして、太平洋国土軸を初めとする新しい国土軸につきまして、全国総合開発計画策定に向けた取り組みの中で、最も重要な課題ということで、国土庁としては検討を積極的に進めていきたいと思っているところでございます。
  23. 野田実

    野田(実)委員 今御答弁いただきまして皆さんおわかりいただいたと思いますが、ぺーパーの上の議論でありまして、これだけ大災害発生して、そして一つ国土軸ではだめだということがだれでもわかったわけでありまして、私は、問題点として指摘させていただきたいのは、こういうことのソフト、こういう第二国土軸をつくっていくんだということの積極的な推進役というのは一体だれがやるのか。私は道路局運輸省鉄道局に御答弁をお願い申し上げましたけれども、事業官庁として二つの役所が別々に調査をしているわけですね。ところが、こういう国土軸というものをつくっていくんだということを一体政府としてだれがやるんだということが、大変私は大事な話だと思うのです。  例えば関西新空港でも全体計画というのができてないわけですわ。いまだに、全体構想をつくろう、つくろうといって議論をしておりますけれども、まだできていない。この第二国土軸も、道路局は先ほど御答弁いただきましたように、自然調査とかいろいろやっておられる。あるいは運輸省の方はボーリング調査、どの程度のことかわかりませんが、何かやっておられる。それなら一緒にやったらいいわけでありまして、何も別々にやる必要は全くないのじゃないかと思うわけであります。  その上にもう一つ申し上げたいのは、そういうことを進めることがまさしく国土庁の仕事ではないか。単に計画をつくって、ぺーパーの文書だけつくって、今の答弁も、私もこんな嫌われることは余り言いたくありませんが、単にきれいな新全総でやりますとかそういうのではなくて、本当に事業としてやっていくのだという御答弁なり決意というものが必要であると思うのです。その点についていかがですか。
  24. 小澤潔

    小澤国務大臣 やはり先生の御指摘のとおり、はっきりする必要があるのは当然でありますが、国土政策上の位置づけといたしましても、国土庁は企画調整をやっている庁でありますので、やはり主体は国土庁に相なろうかと思います。
  25. 野田実

    野田(実)委員 そもそも国土庁をつくりましたときに、私も関与したことがございますが、事葉調整費というのがあるのですよ。これは、やはりこういうことに使うために予算措置をしているのだと思っております。そういう事業調整費というものを活用して、各省に、こういうボーリング調査はどうですかとか、こういう環境調査はどうですかというようなことを、今御答弁いただいた国土庁計画・調整局長が中心になって、運輸省どうですか、建設省道路局どうですかということをリードしていただくような仕事をしてもらえないだろうかというように思っております。長官、いかがでございましょう。
  26. 小澤潔

    小澤国務大臣 全くそのとおりでありますので、よく体して、懸命な努力をしてまいりたいと思います。
  27. 野田実

    野田(実)委員 建設委員会はこれからまだ三カ月くらい続きますので、また質問に立ちたいと思っておりますから、きょうの御答弁を、どうか長官局長にしっかりやれということで、下を向いておりますので、きょうだけ逃げたらいいというのじゃなくて、お願いを申し上げたいと思います。きょうはそのくらいにしておきます。  それから次に、またもとに戻りますが、大震災復興の問題について承りたいと思うのです。  今回の阪神大震災で、マスコミはマスコミ、国民国民なりにいろいろなことを考えた、あるいは感じたと思います。やはり建設省の各局長さんというのはそれぞれの分野の専門家でございますので、道路住宅、河川、下水道について、どういう点に問題があったか、それについて、行政上ダういう反省をしているか、あるいはどういうことをこれからやっていこうと思っているか。本当に簡単で結構ですから、各局長お答えいただければありがたいです。
  28. 藤川寛之

    藤川政府委員 今回の大地震で、特に道路関係、阪神高速道路の高架橋が落橋あるいは倒壊するというような大変大きな被害が生じたところでございます。  私どもといたしましては、これまで関東大震災クラスの地震では落橋しないようにということで、耐震性の向上に努力してきたところでございますが、今回こういう形で落橋あるいは倒壊が起こったということで、私どもとしても、災害発生した事実を大変重く受けとめているところでございます。  私どもといたしましては、今回の被害がどういう形で起こったか、その辺をできるだけ徹底的に分析いたしまして、これは専門家の方に入っていただきました道路震災対策委員会というのを設けまして、現在検討していただいておりますけれども、被災の原因あるいはメカニズム等を徹底的に明らかにして、今後の耐震性の向上につなげていきたいというふうに考えているところでございます。  それからまた、今回道路がいろいろな形で被災いたしましたし、被災が起こった中で、道路の果たす役割というのも改めて認識したようなところもあったということでございます。いわゆる避難路あるいは延焼防止というような役割も道路が担うわけでございます、そういう面で大きな役割も果たしましたし、また今度は復旧に向けて、緊急輸送物資の輸送という問題がございました。そのために、やはり道路交通確保というのが非常に大切であるということを、改めて認識した次第でございます。  そういうことで、これから阪神地域復興計画というのが恐らく具体化してくると思います。いろいろな形で、特に災害に強い町づくりというような形で、恐らく検討がされるだろうというふうに考えているわけでございますが、そういう中で、道路というのは恐らく町づくりの骨格ということになるだろう。そういう意味で、私どもとしては、そういう町づくりの骨格となる道路整備というのを、復興計画にあわせて先行的に整備していくことが必要ではないかというふうに考えており申して、そういう方面の努力を今後やっていこうというふうに考えているところでございます。
  29. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 住宅について申し上げます。  住宅につきましては、一般の住宅の中でも、また公的に供給した住宅におきましても、かなりの被害が出ているというような状況でございます。また、住宅以外の一般の建物についても相当な被害が出たということでございまして、私どもはその状況に大変ショックを受けているわけでございます。  今申し上げました、我々が直接供給した住宅につきまして、一般的にほかの建物もそうでございますが、公的住宅については比較的古いものが多いということもございまして、従来から、できるだけ早く建てかえをしよう、あるいは、今後も使っていくものについては改修をしようというようなことに積極的に取り組んできたわけでございますが、今後は、できるだけ、建てかえなり改修というストックの改善については、さらに安全面も重視しながら、もっと進めていかなければいかぬなということを非常に強く感じたところでございます。  それから民間全体の建物につきましては、建物自体の壊れる、壊れないという問題は今調査中で、しっかり勉強しなければいかぬと思っておりますが、被害の影響ということを考えますと、マンションその他も含めまして、町づくりの中でできるだけ生かしていくような方向を一層強めていかなければいかぬのかなということを非常に強く感じておるところでございます。  これからの復興につきましては、特に民間の建物、マンション等については大変難しい問題を抱えておりますけれども、今申し上げたような基本的な考え方を、できるだけ生かしてやっていくべきだなというふうに考えているところでございます。
  30. 豊田高司

    ○豊田(高)政府委員 この地域は、地形地質上、もともとがけ崩れだとか土砂崩れだとかいう災害の非常に多い地域でございます。従前から、降雨期前にはこれらの箇所をパトロールしておりまして、必要な箇所には重点的に事前対策を行ってきたところでございますが、このような地域に今回大きな地震が来たわけであります。  特に、一番最初に報道されましたのが仁川地区の地すべりということで、ここは十数戸の家を巻き込んだ上に、小さい川でありますが、川を閉塞したということで、私どもは二次災害を心配いたしました。早速緊急に専門家を現地に派遣いたしまして、応急対策、警戒対策、避難体制について助言を行ってまいりました。今後さらに相当大きな余震も心配されておる、あるいは降雨期を控えまして、さらに仁川以外につきましても、不安定化しておる地域で二次災害が起きるおそれがあるのではないかというのを心配しておるわけでございます。  このために、広い範囲で調査をすべく、地震直後から、ヘリコプターによりまして、まず空から調査をいたしまして、崩壊状況調査いたしました。それとともに、すぐその結果に基づきまして、学識経験者、他の地方建設局の職員あるいは近隣府県の職員等総勢約二百六十名ほどの緊急支援チームを派遣いたしまして、約千二百カ所の点検を行いました。  その結果、約七十カ所ほど注意が必要だということがわかりましたので、その調査結果を、地元の地方自治体の災害対策本部に情報を提供いたしまして、そこの自治体によりまして割れ目にシートを張るだとかといった応急処置を施しました。また、特に心配なところは、付近の住民の皆さんに緊急避難勧告を出して避難していただいたという場所もあるわけでございます。  したがいまして、今後とも地元の自治体との連携を密にいたしまして、警戒避難体制の充実、それから恒久対策の実施に対しまして積極的に協力を行ってまいりまして、土砂災害に係る危険箇所について、また、従来よりもっと広い場所に危険箇所が発生しているのではないかということも検討を行いまして、二次災害発生の防止に努める所存でございます。
  31. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 下水道関係につきましても相当の被害を受けました。  まず、処理場でございますけれども、現在でも東灘処理場につきましては簡易処理の段階でございます。その他の処理場につきましては、応急復旧することによって従来どおりの恒久処理が可能となっておりますが、東灘処理場につきましては、運河に仮の沈殿池をつくりまして、滅菌と簡易処理で放流するという状況でございます。  また、管渠につきましても大分破損がございました。応急復旧によって汚水の流通は可能となっておりますけれども、今までの震災ではない大きな被害となっております。  従来、処理場につきましては、構造物でございますので、これは建築基準法に準じて耐震設計を行ってまいりましたし、それから、管渠につきましては、折れ曲がらないように、いわゆる伸縮性のある継ぎ手等を採用していたわけでございますけれども、これだけの被害が出たということで、現在、下水道地震対策技術調査検討委員会、京都大学の名誉教授の先生を座長といたしまして、検討委員会を設けさせていただいております。そこで原因、対応策を検討いたしているところでございまして、早急にそういう検討結果を得て対応してまいりたいと思っております。
  32. 野田実

    野田(実)委員 各局から御答弁いただきましたが、テレビ等で放映されたり、あるいはマスコミ、新聞等で報道されますところを拝見しますと、道路であれば一本の橋げたで橋を支えているところをテレビに映される、ああやはり一本じゃだめだなと素人的な意味では思うわけでありますし、あるいは、どうも報道を聞いておりますと、建築年度の古い建物はやはり倒れているとかそういうような報道をされているわけでございまして、きょうはそこまで立ち入って技術的なことをお尋ねするだけの能力も私は持っておりませんが、どうか、そういう点の反省に立って、新しい行政あるいは基準づくりにぜひとも取りかかっていただきたいと思うわけであります。  なお、都市局長にお尋ねしたいと思いますが、今回、公園の重要性というのが見直されたように思うわけであります。都市における都市公園の必要性というものについて、大変大事なことになってきたと私は思いますが、いかがでございましょう。
  33. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 先生指摘のとおりだと思います。  今回の地震におきましても、都市公園は、避難地あるいは火災の延焼防止、そういった機能を持ちましたし、また災害復旧に当たりまして、ヘリポートあるいはボランティア等の救援対策拠点、さらには復旧資材、機材の基地あるいは仮設住宅用地としても大分利用されていたわけでございます。そういった意味で、公園の機能は非常に重要だという認識でございます。  特に、防災拠点となる都市公園につきましては、今後、福祉施設とか医療施設あるいは学校、こういったものと一体整備が特に必要であろうと考えております。この七年度の予算案におきましては、福祉触れ合い公園ということで、医療施設と都市公園整備を一体にするという新しい施策を打ち出しておりますが、快適性、潤いのある都市づくりといった観点だけではなくて、防災という観点からも、こういった施策を今後進めていかなければいけない。さらにまた、防災公園につきましては、いろいろ災害応急対策に必要な施設の整備、食料、水寺の備蓄倉庫、こういったことも充実していかなければいけない、このように考えているところでございます。
  34. 野田実

    野田(実)委員 今各局長からお答えいただきましたが、耐震性ということを加味してこれから公共事業が行われていくとしますと、やはりかなりのコスト高になる可能性もあるわけでございます。そうなりますと、予算が、単価掛ける事業量でございますから、一定の予算の枠内で事業をこなそうということになりますと、単価が上がってまいりますと事業量が落ちるのではないかという心配をする向きもございます。  そうなってまいりますと、今の五カ年計画で十分事業量を達成できるのかとかそういう心配もございますし、あるいは来年度の補正予算で、ライフラインを中心にした公共事業の追加を要求すべきではないか、あるいは追加すべきではないかという意見もございます。この点について、各局というわけではございません、まとめてどなたか、お答えをいただければありがたいと思います。
  35. 藤川寛之

    藤川政府委員 今お話がございましたように、耐震性というのが今回大変問題になっているわけでございまして、耐震性を向上させるということになりますと、建設コストの向上につながる可能性は十分あるわけでございます。そういうことで、私どもとしては、安全というのはやはり第一でございますので、耐震性の向上のために必要なコストは、これは当然優先的に配慮していかなければいけない事項だと考えているところでございます。  私ども道路という視点で見ますと、今もライフラインというお話がございましたが、道路そのものが、いわゆる日常生活を支える、あるいは経済社会活動を支える基盤になる大変重要な施設だということでございます。そういう観点から、道路整備というのはまだまだおくれておりますので、積極的に道路整備を進めていかなければいけない。また、この地域のこれからの復旧あるいは復興という中でも、やはり当然優先的に道路整備を進めていかなければいけないというふうに考えております。  そういう意味で、私どもとしては、できる限り必要な事業費を確保して、今事業量が減るのじゃないかというようなお話もございましたが、事業量が減ることのないような努力は進めたい。私どもの五カ年計画は、平成年度がまだ三年目ということでございまして、平成年度につきましては、今の五カ年計画に基づいて、今申し上げましたように、必要な事業費をできるだけ確保するという形で、いろいろな道路整備に対する期待、要請というのがございますが、そういうものにこたえていきたいと考えているところでございます。
  36. 野田実

    野田(実)委員 事業量の落ちないようにぜひとも御配慮いただきたいのですが、今地方に参りますと、この阪神大震災復旧復興、これは最優先である、これはだれも異論は差し挟まないわけでありますが、今の予算の枠内でこれを実行しようということになりますと、地方の高速道路なりあるいは地方道の整備が大変おくれるのではないかという心配の声をちらほらと聞くわけでございます。この点について、道路局長、どういうお考えでございますか、承りたいと思います。
  37. 藤川寛之

    藤川政府委員 今も委員の方から御指摘がございましたが、今回の震災復旧復興のための道路整備の必要額というのは、相当大きな額になろうかと思います。私どもといたしましては、こういう復旧の事業費等については、できる限り別枠で確保していただくようにお願いしてまいりたいと考えているところでございます。  今もお話がございましたように、道路は全国的にまだまだ整備がおくれております。活力ある地域づくり、あるいは地域連携というような中で、道路づくりに対する要請、非常に強いところがございますので、私どもとしては、当然のことですが、こういう大震災復旧復興には全力を尽くさなければいけませんが、それと同時に、やはり国土の均衡ある、バランスのとれた発展ということが、これはもう我が国にとって大変重要なことでございますので、道路づくりにつきましても、そういう全国的なバランスというのは十分配慮しながら対応してまいりたいというふうに考えております。
  38. 野田実

    野田(実)委員 御答弁いただきまして、安心をいたしましたが、まだ来年度予算が成立をしていない段階から平成年度の概算要求の話に入るのも不謹慎かと思いますが、今からお願いをするといいますか、注意を喚起するといいますか、しておきたいこととして、平成年度建設省の公共事業の概算要求に際しまして、今回の阪神震災教訓をもとにしまして、やはりライフラインあるいは社会資本整備というものが改めて重要であるということを認識したことは、これは国民の皆さん一緒でございます。  その点について、来年度、六月、七月になりますと、平成年度の概算要求の段階、検討に入るわけでございますが、大臣決意のほどを承りたいと思います。
  39. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 平成年度の予算につきましては、公共事業が四・一増になりました。建設委員先生方に随分と御厄介になりまして、四・三%増ということで一応のこれからの見通しを立てました。  平成年度はどうかということでありますが、それぞれ公共事業の分野におきましては、今までのように、より以上に防災都市をつくっていかなきゃならぬ、各地域整備していかなきゃならぬ、緊急な問題がたくさんあるわけでありますから、積極果敢に現在以上の予算を要望し、獲得をしていかなきゃならぬ、そういうふうに決意しております。
  40. 野田実

    野田(実)委員 少し技術的な話に入らせていただきたいと思いますが、神戸市の復旧に関連しまして、現在ございます法律で、土地区画整理事業とかあるいは再開発事業というのを行うことができるわけでありますが、どの程度の範囲のことを考え、さらに、それで足りない場合、新しい法律が必要かと思うわけであります。  そういう意味で、今検討している範囲で結構ですから、現在ございます法律で対処できる範囲、さらに、それでは対処できないから新しくこういうことを考えている、こういうことをやろうと検討していることについて、新法案について、まだ確定していないと思いますが、概略お話をいただければありがたいと思います。
  41. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 先生指摘のとおり、今回の被災地の復興につきましては、区画整理事業とかあるいは市街地開発事業、いわゆる面的事業が非常に有効だろうと考えております。基盤整備という点では区画整理事業が非常に有効でございます。  ただ、御案内のとおり、区画整理事業というのは、土地につきましては、基盤整備をした後、土地の形状等を整序して、また所有者に換地として与える。土地は土地という格好になりますので、全部倒壊した地域、あるいは焼失した地域につきましては、現在、住宅建設そのものが非常に急がれているということで、現行の区画整理事業では限界があるだろう。そういう点に関しまして、地元公共団体と大臣の指示のもとで、連携をとって十分相談に応ずるようにということで、事業法の特例についても、区画整理事業の中で住宅建設が一体としてできるような、そういうことについて現在検討している最中でございます。
  42. 野田実

    野田(実)委員 もう一つ、今国会で提出を予定されております電線の地中化の話に関連して承りたいと思いますが、今回の神戸、特に神戸のような大都市におきまして、これを再開発あるいは都市復興していくということになりますと、電線の問題をどうするかという問題が出てこようかと思うわけであります。  そこで、今回の法律にも関連しますが、この電線の地中化の問題について、これからこの新法との関連でどういうような進め方をしていこうと考えておられるのか、承れればありがたいです。
  43. 藤川寛之

    藤川政府委員 電線類の地中化につきましては、都市景観の向上あるいは安全で円滑な交通確保、あるいは高度情報化への対応というような面で、早急な地中化というのが要請されているわけでございまして、従来からキャブシステムというような形でこの地中化を進めていたわけでございます。  ところが、このキャブシステムというのは建設費が結構高いということもございまして、そういう地中化を促進してほしいという要請にこたえるためには、やはり建設コストを安くして促進する必要があるだろうということで、今回の電線共同溝、新しい法律で整備しようと考えております電線共同溝につきましては、できるだけコンパクトなものにいたしまして、建設コストをできるだけ低減させるという工夫をしたいというふうに考えているところでございます。そういう工夫をしてコストを安くして、できるだけ延長を延ばしたいということでございます。  また、今お話がございましたように、今回の地震の中で、キャブシステムなどの共同溝につきましては、今回の地震でも被害を余り受けていない。そういう意味では、私どもが今進めております電線類の地中化のやり方というのは、やはり耐震性という面でも、結構強いのではないかというふうに考えているところでございます。  そういうことでございますので、今後、この阪神地域復興の中で、電線の地中化ということが相当強く要請されてくると思っておりますので、そういうものについても、私ども積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えておりますし、また、全国的にもこの延長をできるだけ延ばしたい。  実は、来年度四百キロの延長を整備したいということで考えておりますけれども、今後、この地中化整備する延長を、これは関連する事業者の御協力も得なければいけないわけでございますが、できるだけ全国的に延ばすように、私どもとしても努力してまいりたいというふうに考えております。
  44. 野田実

    野田(実)委員 電線の地中化、出発点は恐らく都市景観の問題から出たのではないかと思うわけでありますが、やはり耐震性という面からも、ぜひともこの地中化を進めていっていただきたいと思うわけであります。  そういう意味で、今度の災害阪神大震災教訓として、住宅の問題あるいは道路整備の問題、あるいは河川改修の問題、都市公園の必要性、下水の問題、いろいろな問題点を我々は指摘を受けたと思っております。  さらに、一番痛切に感じましたことは、最初から申し上げておりますように、社会資本整備、もう古くて新しい言葉でありますが、新のつかない、本当の意味社会資本整備というものが、我々国民安全性を保ってくれ、そしてまた、豊かな生活をしていく上での一番基本になっているのではないかと思うわけであります。社会資本整備を担当しております建設省国土庁、ぜひとも頑張ってこれからもやっていただきたいと思います。  最後に、両大臣から、社会資本整備について、大臣決意を承りたいと思います。
  45. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 野田先生からお話がありましたように、私どもはこの阪神大震災教訓を受けて、神戸市を世界の神戸ということにしていかなきゃならぬだろうと。  都市づくりの要点は安全性であり、利便性であり、快適性であると言われております。その中で、委員から御指摘のありました、まず幹線道路だと。そして、どういうことにも使える公園というものを機軸にして、景観というものも考えながら、いわゆる障害物になる電柱というようなものは排除して、すべてC・Cボックスに入れて地下に埋設しろと、それが社会資本であるというふうにお話しになっております。  したがって、建物は不燃性であり、そのためには区画整理事業を徹底的にやり、都市の再開発をやれば新生神戸ができる、新生兵庫県ができてくるだろうというふうに考えるわけでありますから、あくまでも神戸市や兵庫県、この地方自治体が中心でありますから、我々は、指導なり助言なり協力なり、積極的に行うためにも、審議官等を現地に派遣をして、積極的に助言、協力をしておるところでありますので、我々も、リーダーシップというわけにまいりませんが、地方自治体を大事にしながら、積極的な応援をして、立派な都市づくりを進めてまいりたい、こういうふうに決意しております。
  46. 小澤潔

    小澤国務大臣 先生の御指摘のとおりであり、今回の地震によるライフライン道路等の被害は甚大であり、それに対して早急な完全復旧を図るため、所要資金について補正予算で対応すべく準備を進めるなど、あらゆる対策を講じていく所存であります。  さらに、今後被災地域復興を進めるに当たっては、今回の災害から学んだ教訓を生かして、災害に強い町づくりを進めることを基本として、長期的ビジョンのもと、社会資本整備等各種事業を戦略的に推進していくことが必要であると考えております。  なお、復興に当たっての町づくりは、地元自治体が住民のコンセンサスを得て計画を作成し、事業を実施していくこととなりますが、政府といたしましても、あらゆる支援、協力を行ってまいる所存であります。
  47. 野田実

    野田(実)委員 ありがとうございました。頑張ってください。
  48. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、大口善徳君。
  49. 大口善徳

    ○大口委員 新進党を代表いたしまして、質問に立たせていただきます。  まず、今回の阪神大震災に対しましては、五千名以上を超える死者が出、また、たくさんの方々が今もなお避難をされておる、また負傷者の方々もたくさんおられまして、そのことにつきまして心より、衷心より哀悼の意を表しますとともに、お見舞いの意を表したいと思います。  ところで、私たち新進党におきましても、十七日に明日の内閣国土交通政策の担当代表である二階代議士がまず現地に参りました。十八日は海部党首初め、私も十七、十八と現場に行ってまいりました。そして、その現場の状況をつぶさに見てまいりまして、これはただごとではないな、私が今三十九歳であるわけですけれども、人生の中においてこんなすさまじい光景を見たのは初めてでございます。政治家といたしまして責任ある対応をとっていかなきゃならぬ、そのことを痛感しておるわけでございます。  そのようなことから、新進党におきましても、十七日にもう現地対策本部を設けました。また、三十一日からは、復興支援のための現地対策本部を設けました。そして、現地状況等を調査いたしまして、二月一日には、まず政府に対して六項目にわたる要望を出しました。その中で、特に建設関係について言えば、仮設住宅、個人住宅を含め、緊急に八万戸を確保すべきである、あるいは住宅用地の確保のため、市街化調整区域の解除等に配慮すべきである等々の要望を出しております。  また、兵庫県におきましてはフェニックス計画神戸市におきましては神戸復興計画、こういうものについても積極的にこれは支援をしていく等々の要望を出しております。また、昨日は、現地の本部におきまして明日の内閣の閣議を行いまして、そして十二項目、これをまとめまして、これも政府に要望しております。  このことは当然政府、そして両大臣に対しましても全部関係をしているわけでございますけれども、このことについてはしっかりと取り組んでいただきたい。野党も与党と一緒になってこの災害に対して全力を挙げていこう、そういう姿勢で積極的に提案を出しておるわけでございますので、この第一次、第二次の提案につきまして、積極的に両大臣に取り組んでいただきたい、そのことをまずお願いいたします。  これについては、両大臣より御答弁を願います。
  50. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 大口委員お答えをいたしますが、今回の大震災は、この救援、復旧復興に当たっては、与野党の壁を乗り越えて、挙国一致といいますか、国民の皆さんに全体で支えてもらい、全体で理解をしていただき、そして見事な復興ぶりを示していかなきゃならぬ、そういうことを基本的に考えております。  この震災に当たりまして、お話がありましたように、仮設住宅八万戸ということでございましたが、神戸市なり西宮市なり兵庫県なり、この地方公共団体が中心的な位置を占めておるわけですから、いろいろと協議をいたしまして、御案内のように、現在は三万戸の仮設住宅、そして他県から、近隣県から公団住宅なりあるいは公営住宅なり、そういう住宅の空き家二万六千二百戸、こういうものを進めておるところでございまして、特に、仮設住宅が足らない場合は、現在英国の業者と話し合いをして、至急に五百戸送ってもらうように住宅局長の方で手配をしております。  したがって、お話がありましたように、一日も早く厳しい生活から、豊かなとは申し上げることはできませんが、家族一緒に暮らすことができるような、そういう不安のない生活というものをつくり上げていかなきゃならぬ、そういうふうに決意をし、そして、トゥモロー内閣考えておられるようなそれぞれの復興問題については、先ほどもお話を申し上げましたように、積極果敢に早急に整備拡充をしてまいりたい、こういうふうに決意をいたしております。
  51. 小澤潔

    小澤国務大臣 私も、建設大臣の言われたことと同じでありますが、とにかく復興のために、町づくりのために積極的に対処してまいりたいと思っております。
  52. 大口善徳

    ○大口委員 また仮設住宅につきましては後ほど聞かせていただきたいと思いますが、現地の声を、私も計四日間行ってまいりましたが、非常にいろいろ相談をしたいことがある、もうだんだん心配事がいろいろとふえてきた、特に、住宅の問題等につきましてもいろいろ困っておる、こういう場合に、やはりこの被災者の方々のその一番の要求に、私たちは全力でおこたえをしていかなければいけないと思うのですね。  日曜日のテレビ、ある民放の番組で、私もビデオを撮っておるわけですけれども、見ておりますと、建築相談について、瓦れきだとか解体だとか、あるいはその後、家をどう建てるのか、そういうことについて建築相談というものを、区でやっているのか市でやっているのかわかりませんが、やっている。  ところが、役所をたらい回しにされて、行列が並んで、そういう状況で、しかも担当者が三名、その後ろに十名ばかりいるわけですけれども、実際にやっているのは三名、そういうような状況で、非常にそのことで、その不満がテレビで映し出されておりました。特にきょうは建設ということでございます。これからは、いよいよ仮設を含めまして住むところというものが一番大事になってくるわけでございます。そういう点で、住宅相談、これをしっかりとやっていかなければ、被災者の皆さんにおこたえできる政治にはならないのじゃないか、私はそういうふうに思っております。  そして、私も事前に建設省にいろいろとお伺いしましたら、兵庫県では一月二十七日から、大阪府は一月二十四日から、大阪市は一月二十四日からそういう相談を受け付けている、こういうことでございました。そして兵庫県は、一月二十七日から二月二日時点におきましては一日大体五百件の相談がある、こういう状況を聞いております。ところが、兵庫県の各市、これがどういう状況になっているのか、そういうことについては建設省住宅局の方でも実態を把握されていないといいますか、私が聞いたところにおいては、市についてはまだどういう状況なのかわからない、こういう状況でございます。特に兵庫県の相談者の方が一番多いと思いますが、そのあたりの体制がどうなっているのか。  そして、その中身におきまして、兵庫県においては常時十人の相談体制だそうですが、公庫の方が六名、ほかの方が四名。この四名の方は、兵庫県の住宅建築総合センター、神戸弁護士会、兵庫県建築士会、兵庫県宅地建物取引業協会あるいは兵庫県、こういうところから人を出して、公庫から六名、それ以外の今述べた各種協会、団体から四名、この十人体制で、午前十時から五時まで、お昼休みを入れないで七時間、お昼休みを入れれば六時間ですか、これでやっております。今毎日五百件ということでありますと一人十分くらいしか、単純計算しても十分を切るわけです。  このような状況で皆さんのニーズにこたえられるのか。もっと皆さんのところに行く、例えば巡回相談を行う、あるいは各市各区においてそういう相談コーナーを設ける、ボランティアの方々と一緒になって早急にこういう相談体制をやるべきだ、私はそのように考えております。新進党第二次の要望の中でも「被災者の方々の希望調査の実施」ということを要望として挙げております。このことにつきましてお伺いしたいと思います。
  53. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 お答え申し上げます。  これからいよいよ住民の方々のいろいろなそれぞれの事情に即した御相談事が、一回ならずもずっと長い間御心配が続くのであろうというふうに私ども考えておるところでございます。私ども取り組みは、当然地元の県も市もああいう状況でございますから、地元の公共団体では到底応じ切れないということがございます。  全国から私どもも含めまして支援に参りましたのは、今日までの段階ということでございますが、一つは危険の判定という作業をやってきて、なお続けているところでございます。こういう問題が一つ大きくございます。それからもう一つは、先ほど来お話がございますような、仮設住宅なり空き家なりにお入りいただくための相談窓口ということがございます。  最初の方で申し上げますと、マンションの系統の作業が一段落いたしましたが、これからは戸建ての住宅の被災度判定、それは、それと同時にこれからどうするかという御相談とほとんど一体化してまいるわけでございます。そういう問題にこたえていこうということで、その点では私どもも積極的に、今までつくっていた応援体制をそちら側に完全にシフトしていこうということで、準備を進めているところでございます。  今先生指摘のように、これから先は、いずれにしても、復旧なり復興なりあるいは住まいの安定なりということにつながる個別の具体的な御相談が大変たくさん出てくると思いますので、ボランティアといいましょうか、専門的なボランティアの方が必要でございますから、役所の関係とそういうものを合わせまして、できるだけしっかりした体制を組んでいきたいというふうに思っております。  巡回相談については、例えば今申し上げた被災度判定というような問題は、まさにそのもののところへ行かなければいけないものですから、現実に行っております。実は、そこでも個々の方々からいろいろな相談をその場で受けておりまして、そのことも若干判定作業がおくれた一つの要因でもあったわけでございます。今お話ございましたようなことも、体制の中でどういうことならできるのかということも含めまして、当然体制の組み方の中で検討の対象としてとらえたいと思っております。
  54. 大口善徳

    ○大口委員 そこで、今一番問題になっております仮設住宅の件でございます。  これは、一月十九日に決定したことによりますと、三万戸が建設の目標である。大臣もおっしゃいましたように、公営住宅は二万六千二百戸。ただ、これは全国ですから、北海道から沖縄までございます、これが二万六千二百戸、こういうことでございます。これは一月二十二日のサンプリング調査をもとに計算をしたわけでございますけれども。西宮と芦屋ですか、一月二十八日、二十九日に行った調査によりますと、とにかく遠いところは行きたくない、移転するとしましても兵庫県とか大阪である、これは九六%なのですね。移転を希望する人の中で、九六%の方はそういう近いところということでございますので、まず二万六千二百戸の計画自体が地元のニーズに合っていないと思います。そういうことから、二月五日時点におきまして、兵庫県において八万一千三百二十三戸希望がある、こういうことなのですね。そうしますと、今仮設住宅が三万戸の目標ということでありますが、これは到底足りないことは目に見えておると私は思います。  水道とか食糧事情あるいは今の危険の判定とか、そういうことが済んでまいりますと、自分の住んでいるところに帰れる人は帰るでしょう。ただ、まだガスが見込みがないですし、余震等の心配もある等々がありまして、避難所へ戻られる方がどれぐらいなのか、これもまた不確定でございます。そういうことで、地元の県知事も一月三十一日、希望すれば仮設住宅には皆さんに入っていただくということを発表したわけでございます。  このこと自体は、皆さんに安心していただくために非常に大事な的確な発表であったと私は思うのですが、我々国としても、それをしっかりとバックアップしていかなければならないと思うわけです。知事も、四万戸必要であるとかそれ以上必要であるとか地元ではおっしゃっているようでございますけれども、そういうふうに五万戸、六万戸必要ではないか。ですから、今の計画にさらに二万とか三万必要ではないか、このように見ておるわけでございます。  その点につきまして、厚生省、ちょっと御答弁願います。
  55. 松尾武昌

    ○松尾説明員 応急仮設住宅位置づけでございますが、若干御説明させていただきます。  兵庫県におきまして、各市町村の要望を踏まえながら現在三万戸の建設計画を立てておりまして、約二万二千戸について発注をしております。最初の着工分が一月未に竣工いたしまして、ごく一部でございますが、先週から入居も始まっておるところでございます。二月中の八千戸につきましても、国公有地あるいは公団所有地等の積極的提供を得て速やかに市町村別の計画を立てまして、三月末までに完成されるべく最大限の努力を払っているところであります。  なお、この増設につきましては、今後兵庫県等の協議を受けた段階で適切に早急に対処する所存でございます。
  56. 大口善徳

    ○大口委員 私、一番心配するのは、高齢者あるいは身障者等の社会的弱者の方々が、仮設住宅に入居をどういうふうになされているのか。これにつきまして、最優先でやっていきます、こういう大臣お話もあったようであります。このことについてちょっとお答えください。
  57. 松尾武昌

    ○松尾説明員 お答えします。  仮設住宅の入居者の選定に当たりましては、高齢世帯、障害世帯、母子世帯等の方から優先的に入居できるよう、基準を設けて行っているところでございます。また、仮設住宅を建設しておる段階でも、健康面に不安がある高齢者、障害者等につきましては、旅館等の借り上げや民間アパートを一定の状況のもとに借り上げる制度をつくりまして、その確保に向けて努力しているところでございます。  今後とも、このような社会的に弱い立場にある方々への配意については十分指導してまいりたいと思っております。
  58. 大口善徳

    ○大口委員 抽せんをして、二割の人については高齢者、障害者の枠を設けるが、八割については、これはその中に高齢者、障害者の方が入っておられる場合もありますけれども、これは特別枠でない、こういうことで、その二割の特別枠で足りるのか。新聞等を見ましても、避難所の入り口の方、一斉に避難所に入られますので、どうしてもお年寄り、足の悪い方がおくれます。風が通る、吹くような寒いところにそういう社会的弱者の方がいらっしゃる、そういうことも新聞で報道されております。そういう点では、この社会的弱者の方々の優先的な入居を、二割の枠でいいのか、私は非常に疑問がありますが、その点もよく考えていただきたいと思います。  そういうことも含めまして、二万戸以上さらに仮設住宅が必要だと私は思いますが、建設大臣、特に用地の確保等も含めまして、あるいは仮設住宅の建設資材等の確保を含めまして、どのようにお考えでしょうか。
  59. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 仮設住宅の設置場所についてでございますが、私ども、初め公団住宅に用地がないかということで出しまして、二十三ヘクタールあります、こういうことでした。その後、足らないから何とかしなければならぬということで、いろいろと配慮いたしまして七十二ヘクタールになりました。JRも、清算事業団が持っておる土地は出す、そこにお住みになった方は、永住をしたいと思えばそこに永住してもらっても結構だ、分譲いたします、こういう発言がございました。そのほか、厚生省、文部省等の空き地があるところは全部いわゆる対策本部の小里本部長のところに集約をして、地方公共団体と話し合って、設置場所についてそれぞれ決めてもらう、そこに私たちが乗り込む、こういう段取りになっております。  先生もお行きになったと思いますが、最初に菊水公園の方に建てておりまして、ほとんどでき上がっておりますけれども、私、そこに行ってみました。そういうところを、一つ一つ設置場所を決めてもらわなければできませんが、今お話があったように、実は私も焦っております。六万戸といい、七万戸といい、八万戸といい。しかし、本部の方で現地地方公共団体と合意して発注をしてほしい、直ちに我々はそれに対応するということを申し上げております。  そこで、とりあえずのことでありますが、六万四千二百と、お年寄りの皆さんには民宿がありますしホテルもある、そういうところで仮に体を休めていただくために八千戸を用意するということでございましたので、大体予定どおり、当分は七万二千程度になるという判断でありますから、お話のように、北海道や鹿児島の方にはなかなか行きにくい、神戸は離れがたいという被災者の皆さん方の心境もよくわかるわけでありますから、それらも勘案をして、早急に、仮設住宅の増設ということであれば、積極的に自治体と話し合って決めてもらう、それによって我々は作業を進めていく。そういう意味での手配はそれぞれに、プレハブ住宅の業者だけじゃ足りませんので、家屋を新築する産業についても打診をし、協力要請をしておるというのが私どもの現況であります。
  60. 大口善徳

    ○大口委員 地元の県知事の方から、こうやって追加してくれ、こういうような要請がこれからさらにあると思うのですが、大臣の方として、大体これぐらいはプラスされても大丈夫だという部分の、用地とかあるいは資材とかについてお答え願います。  それと、市街化調整区域の解除等も考えておられるかについて聞きたいと思います。
  61. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 先ほど来、厚生省からもお話がございましたように、三万戸につきましては三月いっぱいということで、具体的な仮設住宅そのものの仕事の方も大体段取りが終わりまして、現時点で、きのうまで発注が終わっていなかった八千戸につきましても一両日中には発注、きょうにも終わっているかもしれませんが、そういう段階まで来ております。  追加の問題につきましては、いろいろな条件があろうと思います。私どもの本体自体がどういう状況かということでございますが、今大臣から申し上げましたような、相当に幅を広げて生産力を上げたというようなことでやっておるのが現在目いっぱいでございます。したがいまして、現在の状況では、四月、五月といいましょうか、そういう時間的な余裕をいただけるのであれば、一、二カ月で一万戸から二万戸というようなことは、もう一度改めて取り組むという対象にはなるのかなというのが正直な実情でございます。
  62. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 市街化調整区域の解除の問題でございます。  先生御案内のとおり、災害復旧のための応急住宅ということであれば調整区域の中でも建てることができるわけでございますが、本格的な建物を建てるということになると、調整区域を市街化区域に編入することが当然必要になってくるわけでございます。  市街化区域線引きの見直しにつきましては、定期的な見直しをしております。阪神地域につきましては、定期的な見直しの際に、いわゆるフレームを全部使い切ることなく、一般的なフレームがまだ残っておりますので、また線引きそのものは、大臣の認可を必要とするということにはなっておりますが、知事が決定される。そのフレームを活用することによって随時見直しが可能な状況になっております。
  63. 大口善徳

    ○大口委員 あと、キャンピングカー等の活用等も今提案をしております。  次に、恒久住宅の建設、これをやっていかなければいけない、こう思うわけでございます。本格的な住宅が、復興計画の中におきましても非常に大きな柱といいますか一つになってくると思います。そういう中で、公的な住宅の大量の確保、それから住宅の再建、今まで自宅を持っておられた方の再建あるいは購入、それに対して最大限の支援をすべきであると私は思います。被災者の方がそういう点では住宅確保ということについて今一番関心があり、これに対して希望の持てる施策を早く発表をしていかなければならない、こういうふうに思っております。  提案といたしまして、一つ災害公共住宅の建設、これは区画整理事業あるいは市街地の再開発事業等、フルに弾力的に活用していただいて、そしてまた申し込みにおきましても一元化をして、そしてそこへ行けばいろいろ細かい要件等も余り考えなくて、そこでその災害公共住宅に入居できる、そういう入居手続の一元化、これが私は大事になってくると思います。  また、特別優良賃貸住宅の件につきましても、平成年度におきまして三万五千戸の予定でありますけれども、これについても、この被災地を抱える自治体に重点的に配分をすべきではないか。また、高齢者のためのシルバーハウジングとかシニア住宅の建設、あるいは高齢者の方、特に長屋住まいの、文化住宅等の方については、家賃が一万円とか、そういう低家賃で住んでおられるわけですけれども、それが全部壊れてしまったということになりますと、家賃が上昇しますと、これは非常に生活にかかってまいります。そういう点では、特定目的物の借り上げ住宅というものについても積極的な活用が私は必要であると思います。  また、住都公団の家賃、これも値上げを凍結する、あるいは当分の間は家賃を避難者の方たちから取らない、こういうことについても提案をしたいと思います。  まずこれは大臣に、一応私のこの提案について御答弁を願いたいと思います。補足を局長にお願いをしたいと思います。
  64. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 既存の公営住宅の全国配分については、できるだけ兵庫県、神戸市その他のところに集中して配分するようにというお話がございました。  今、兵庫県の南部の方々の状況は、日本全国知らない者はないと。したがって、何かしなければならぬ、何か義援金を送らなければならぬ、これが私は全国民の声である、こういうふうに認識をしております。したがいまして、既設の、既存のそういう公営の建物その他については、割り当てを積極的に神戸に、むしろ国民の側から、地方の側から言っていらっしゃるだろうと、それを信じて疑っておりません。したがって、お説のように、その方向で進めてまいらなきゃならぬ、こういうふうに考えております。  なお、御老人の、高齢者の皆さん方の対策については十分に配慮してまいらなきゃならぬと思っておりますが、きょうはせっかく公団住宅の責任者が来ておりますので、公団の問題についてはそちらの方から答弁してもらいます。
  65. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 ただいま大臣から、全体的なことについての考え方お答えさしていただいたわけでございますが、私ども、先ほど先生がおっしゃいました、公営あるいは特定優良賃貸住宅、それから借り上げというような問題にもお触れになったわけでございますが、いずれにしましても、今御審議いただいております予算で計上しております中で、仮に窮屈であっても、今大臣が申し上げましたように、その他の各都道府県の御理解を得て、集中的に希望どおりの事業が円滑にいくように、配分等については第一順位としてやっていきたいというふうに思っているところでございます。  特に、いろいろな被災がございましたので、より公的な住宅への需要というものが通常よりは高くなるだろうと。例えば、マンションの建てかえなどの際にも、マンションの建てかえ問題は問題として、当座といいましょうか、生活の安定そのものについては別途やらなければいけないというようなケースも相当出てくると考えておりますので、今御指摘のような、特に公的な住宅については、全体に、公団も公営も特定優良賃貸住宅もすべて力を入れてやっていきたい。その上で、御指摘のような、どういうふうに皆さんに一番いいところに御利用いただけるかということについては、何らかの方法でお互いの事業主体の間でしっかりした調整を組んで、お入りいただく個々の場所、住宅についても十分考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
  66. 大口善徳

    ○大口委員 特に、特優賞につきましては、入居負担額の毎年五%程度アップといいますね、そういうものがあります。これを五%アップしないというようにする、それでその据置期間をきちっと確保する。あるいは戸数の十戸の要件というもの、これを五戸に緩和をするとか、そういうことも考えて提案をしたいと思います。
  67. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 大変具体的な御提案をいただいたわけでございますが、今御提案いただきました特定優良賃貸住宅についての家賃の決め方、あるいは戸数要件の問題、それはいずれも私どもとしても十分検討さしていただいているところでございます。  それから、先ほどちょっとお答えできませんでしたけれども、公団の家賃の問題でございますが、罹災地域につきましては、全体的には予定をしております公団家賃の値上げは見合わせるということで処理をしていく予定でございます。
  68. 大口善徳

    ○大口委員 それは期間は、見直しはどうなっていますか。値上げをしないというのは、どれくらいの期間ですか。
  69. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 とりあえずは、当分の間は見合わせるということでございます。
  70. 大口善徳

    ○大口委員 当分の間といっても、実際にそれに入居されている方は心配なわけですから、今わからないですか。
  71. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 後ほど正確に答弁させていただきます。
  72. 大口善徳

    ○大口委員 マスコミの方もいらっしゃるわけですから、ではこの質問の時間の中で……。  次に、住宅金融公庫の問題でありますけれども、今、例えば住宅金融公庫から一千万ぐらい借りている、それに住宅ローンも借りている、そして借りて間もない、それで我が家が全壊をしてしまった、今度また、もちろんその住宅金融公庫からもお金を借りる、また銀行からも借りなきゃいけない、こういう方々がたくさんいらっしゃるわけでございます。そういう点で、住宅金融公庫法の二十二条によって、既存の債務については、まずその支払いの繰り延べを九十日とする、それでまた罹災の程度によってその振り込みの据置期間を三年以内、また償還期間の延長を三年以内、そして利下げは一・五%以内、こういうことなわけです。  ただ、この二十二条は、これは大臣の裁量でもって、この利子も無利子にすることだってできるわけであります。また、その償還の期間につきましても、これはこれから新しく借りるその期間に合わせておしりを同じにするというような、償還期間のそういう延長、あるいは二世代でこれを返済していく。民間の銀行の場合はもっと柔軟にこのあたりはやっておりまして、その地元の銀行では最長四十年の借り入れ期間の延長をするとか、民間の方が非常に柔軟に対応しているようでございます。  そういう点で、新進党におきましても、返済の猶予、三年間は無利子で、四年以降二%ということで、利子をもっと減額すべきであるという要望も出しておりますが、私は、さらにその返済方法につきましても、二世代で返済していいとか、あるいは新しく借りるときの支払い期限、償還期間におしりを合わせる、それぐらい思い切ったことを、これは大臣の権限でやっていただきたい、そういうふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
  73. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 私、大口さん、この間、三年間延長というのを予算委員会で五年間と言ったのです。そういう思いがあった。しかし、あれはやはり三年間ということになっておるから訂正してもらいたいということで訂正しました。  お互いに被災者の立場になって考えてみれば、四・一五から、激甚災害であるから三%にする。それは三年して、普通、銀行の場合は十年たったら上がりますけれども、これはずっと上がらないで四・一五、こういうことになっておりますけれども、その問題については、無利子とか、あるいは期間の延長の問題とか、私の裁量でできるかどうか。最大、あなたの御意見というものを重く受けとめて、皆さんと十分相談をして対応してまいりたい、こう思います。
  74. 大口善徳

    ○大口委員 次に、同じ住宅金融公庫法の二十一条に基づいて、災害復興住宅貸し付け、これもやることになっておるわけでありますけれども、これにつきましても、三年間の無利子ということについては、これは法の改正が必要だと思いますが、こういうことをまず、これはこういうときに思い切ったことを私はやってまいらなければいけないと思います。  償還期間につきましても、今言いましたように二世代返済をやっていくとか、こういうことも大事であると思います。また、この限度額が一千九十万、それから整地費を含めて一千四百二十万、こういうことでございますが、これじゃ足りないと実際思うわけでございます。そういう点でも貸し付けの限度額、これもアップを私はすべきであろうと思います。こういうことについても、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
  75. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 現在、金融公庫の新しい、今回に適用すべき融資については早速窓口を開いたわけでございますけれども、いわゆる公庫の性格としての考えられる最大の条件で窓口を開かせていただいているということでございます。  先生指摘のように、こういう状況でございますので、公庫融資についても、当然そういう状況にできるだけ即したものにすべきであるということについては、私どももそれなりの気持ちでございますけれども、やはり公庫の成立している条件の中でどこまでできるのかということで、なお検討はさせていただいているということでございます。  それから、この時間で申しわけございませんが、先ほどの公団の家賃の据え置きの期間でございますが、四月からという予定でおりますので、最終的に出発しているわけじゃございませんが、現在はとりあえず六カ月ということを想定しているということでございます。そういう点で調整をしているということでございます。
  76. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 貴重な御意見として承っておきたいと思っておりますが、御案内のように、去年は三月までに五十万戸ばかり積み残しがありまして、それを受けて九十九万戸やったのです。九十九万戸をやりますと、金が、財投を使うものですから、思うように回ってこない。したがって、あえて建設省としては、利息が高くても、現在は安くなっておる、その安くなっておる間にお払いになったらどうですかということで、繰り上げ償還を奨励して、その繰り上げ償還によってでき上がった財源で回した、こういう経緯もありまして、建設省としては、御意見というものは尊重してまいりますが、ただ、資金繰りがどのようになっていくのかということを考えますと、軽々には、きょう、こうしますということは申し上げることはできませんが、大口委員意見を重く受けとめて、検討させてまいりたい、こういうふうに思います。
  77. 大口善徳

    ○大口委員 次に、マンションの建てかえの件ですが、これもテレビでやっております。  マンションの建てかえは、私も弁護士をやっておりますので、大変これは難しい。権利者のたくさんいらっしゃるところの調整というのは大変なことである。また、壊れ方も違いますし、ただ、建てかえをしますと、皆負担額が同じになるわけです。そういうことで、今まで全国でマンションの建てかえというのは三十棟余りあったわけですね。ところが、これはすべて低層で敷地にゆとりがあって、そういう点では建て増しをして、等価交換方式でその各区分所有権者の負担というのはないという形であった例がほとんどだということを聞いております。  ところが、今度の被災地におけるものはこういう建てかえに適した状況になってないということで、これはもう大問題になる、私はこういうふうに思っております。そう簡単にこれは区分所有権者の調整がうまくいくとは考えてない。そういう点で、国の方におきましても弾力的に、この区分所有に関する法律も含めて、これは検討していかなければいけない。  私としましては、やはり区分所有権の公社公団による買い取り、それから等価交換ができやすいように容積率とかあるいは斜線制限というもの、これを緩和していく、あるいは優良建築物整備事業の支援措置によって国の補助あるいは面積要件の緩和、こういうものをやっていく、あるいは市街地開発事業による支援措置をやっていく等々、あらゆる措置を講じてやっていかなければいけない。それとともに、皆さんに正しい法律知識といいますか、これを知っていただいて、現実は、法的にはこうなんだということも必要ではないか。そういうこともあって、法律相談というものも大事だな、こう認識しておるわけですけれども、このマンションの再建対策につきまして、もう短くお答えいただきます。
  78. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 ただいま先生がおっしゃったことは、私どももテーマとして取り上げているほとんどのことをおっしゃったというふうに理解しているところでございまして、それぞれにつきまして、今の権利の調整の問題、あるいは事業をどう具体的に組み立てていくのか、あるいは御相談に対してきちんとこたえられるかどうかというようなこと、あるいは資金の問題、それぞれ全部私どもとしても重要なテーマとして取り組んでいるところでございます。
  79. 大口善徳

    ○大口委員 次に、耐震基準等の問題についてお伺いしたいと思うのですが、今回、大震災建築物が倒壊をしました。その原因の究明をしっかりとしていかなければならない。こういうふうに思うわけでございます。そういう点で、その原因究明、そして耐震基準の見直しはどうなっているのか。また、一九八一年の新耐震基準の施行以前と以後によって差があるのかどうか。また、新耐震基準施行以前のものについて、遡及措置というのはないものですから、そういうものについてどう対処をしていくのか。  また、ビルの倒壊が、本当にいろいろなところでビルの倒壊がなされておるわけでありますが、その一つとしまして、道路に面した方に窓が多くて、そして道路と反対側の方は窓が少ないということで、建物のバランスが偏り過ぎていて倒壊をしたというふうに思われることもございます。そういう点では、採算性とか効率性といいますか、そういうものを優先し過ぎているんじゃないかという反省を私たちはしなければならないと思います。その耐震構造の安全性の再確認が必要である、こういうように思います。  そういう点で、建築基準法は耐力壁の数量は決められていますが、建物全体のバランスをよく配置するということにつきましては、これはさらに今回検討していかなければいけないと思います。静岡県の場合は、五十三年から、建築構造設計指針というのがございまして、この設計指針によりまして大体四十万戸ぐらい誘導している、こういう状況で、構造計画上のバランスを指針でもって誘導していくということを静岡県ではやっております。こういう指針というようなものについても、全国に今回の教訓を生かして普及させるべきではないか、私はこういうふうに思っております。  この諸点につきましてお伺いしたいと思います。
  80. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 今回の建物の被害の実態については、当然専門的なことをさらに徹底的に調査しなければいけないわけでございますが、ただいま先生が御指摘のように、現在の基準でやっているものとそれ以前のものとの間には、どうやら結果に顕著な違いがあるようであるということは、ほとんどの皆様からの御指摘のとおりではないかと考えているところでございます。  それからもう一点は、基準のレベルそのものもございますが、今御指摘のように、具体的な建物にその基準を当てはめるときに、いい当てはめ方をしていただいている場合と、必ずしもそうでない場合というものがかなりあるようでございまして、その一つの例がただいま御指摘のように壁の配置の問題でございます。これは、木造の場合にはさらに顕著なわけでございますけれども、中高層の場合にも、そういうことが欠点として寄与したのではないかというケースも大変多いわけでございます。  したがいまして、基準そのものを調査結果に応じて当然チェックいたしますけれども、設計面、実施面でどうしていくかということについては、戸建て住宅の場合と中高層の場合と、それぞれのケースに合わせましてしっかりやっていかなければならぬということを考えているところでございます。  特に、今御指摘ございました中高層よりも戸建てのケースについては、大工務店あるいは技術者の方に具体的にそういうことが伝わるようにやっていかなければいかぬと思いますので、静岡の例をほかでも、軽いやり方は従来もやっているのではございますけれども、静岡のようなやり方を積極的に全国的にも展開したいと考えております。
  81. 大口善徳

    ○大口委員 応急危険度判定士、静岡県と神奈川県、静岡県は五千人いるわけでございます。そして建物の危険度の判定、これは二次災害を防ぐために非常に大事でありますとともに、その心配のない建物でも危険度の判定がなされていないために不安になって戻れない、こういう方もいらっしゃいます。そういう点で、この応急危険度判定士というものの制度をしっかりと育てていかなければならないということを痛感しておるわけでございます。  そしてその場合に、やはりボランティアの身分保障という問題とも関係してくるわけでありますが、応急危険度判定士につきましては、他人の建物についでこれが危険であるかどうかということを判定するわけでありますから、そういう点では権威というものが大事になってくるのではないかと思います。そういう点で、応急危険度判定士というものの建築基準法上の資格、法的根拠のある資格あるいは身分保障、こういうものをきちっとしていく必要があるのじゃないか、こう思います。  また、危険度判定士というものを育成していく。に当たっては、危険度の判定ということ、そういう点では建物の耐震診断というものの仕事、それとともに応急の補強技術、こういうものも学んでいただいて、応急危険度の判定、それから応急補強の技術、そういうものを学んでいただくことによってさらに活躍していただけるのじゃないかな、こう思うわけでございます。  また、被災地の判定士の方は当面は動けませんので、やはり全国から判定士の方が応援に行くという形になると思います。そういう点では、こういう判定士というものを全国に展開していただきたい。建築士だけで一級が二十五万、二級が五十万いらっしゃるわけですから、こういう方にも積極的にこういう資格を取っていただきたい。そして、日常活動としても、こういう方々が耐震診断というものをやっていただくことによって技術を磨く。また、今国民の皆さんも、私の建物は大丈夫なのか、こういうことを気にされておりますので、そういう点で耐震診断というものをひとつの仕事としていただく。その場合に、助成等も考えるべきではないか、こういうふうに思います。  また、静岡県におきましては「わが家の地震対策」、こういうものをつくっておりまして、自己診断ができるようなものもこの中には入っておるわけであります。また、これは住宅局監修、日本建築防災協会、日本建築士会連合会編集の「わが家の耐震診断と補強方法」、こういう立派なものもあるのです。ただ、これは余り、こういう問題が出て初めて注目されたという状況でございますので、せっかくつくったこういうものをもう少しわかりやすくした方がいいと私は思うのです。こういうものの普及も考えるべきであると思います。  さらに特殊建築物の、これは建築基準法の十二条の定期報告というものがあるわけでございます。特殊建築物、これは不特定多数の人が出入りする建築物ですが、これについて定期報告というのを実際になされていみのかどうか、そのあたりの状況をお伺いしたい。また、国の建物につきまして定期的に耐震チェックというものがなされているのか、これもお伺いしたいなと思います。  それと、災害対策基本法において、交通の危険になるというもの、いろいろな復旧の危険になるというような危険な建物につきましては除去ができるわけですけれども、そうではない、結果的に建築基準法上問題になってしまった建物についての除去制度というのが建築基準法にない。この辺についてどうなのか。  以上についてお伺いしたいと思います。
  82. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 応急の危険度判定の技術者の問題でございます。  今回の場合にも大変有効に、本当に献身的にやっていただいたわけでございます。実は私ども、ほとんど翌日から立ち上げたわけでございますけれども、連日二百名オーダーで現地にお入りいただいたわけでございますが、結果的には延べ六千人くらいの規模になってございます。その場合にも、今御指摘いただきましたような静岡、神奈川の方々がいわばリーダーになって、全体を動かしていただいているというのが実態でございます。  これは、当然東海沖地震に対する体制の一環として静岡、神奈川で先駆的におやりになったわけでございますが、そこで使われております診断、あるいは先生指摘のそれに引き続きます改修技術というのは、ノウハウとしてはセットで、私どもも一緒になって開発したものでございます。ただ、今も御指摘ございますように、今まではなかなか、きょうでなければいけないという仕事でないこともございまして、静岡、神奈川以外では、まあ御理解いただいていると思うのですが、なかなか普及しなかったという実情がございます。  今回の機会に全国から人もお集まりいただいて、実地でも御経験になったわけでございますので、リーダーができたということもございますので、これからはそういう前提で、先生指摘のようなことについてどういう仕組みがいいのか。これについては、むやみに法的な資格制度をつくるということについてもまた御批判もございますので、そういうことも十分考えながら、有効なシステムをぜひっくり上げたいというふうに思っているところでございます。  それからその場合に、今御指摘のような基準法の十二条を中心として組み立てております日常の定期報告制度というのがございますので、それと今の点検制度のようなものも、できれば連続した形に組み立てられないのかなというようなことも考えているところでございます。  それから、倒壊の危険の除去のための基準法の見直しというようなこともございますが、現在は、今回のケースについては費用負担等が積極的に講ぜられるというようなことで進んでいるわけでございますけれども、基準法を発動してどうこうするというのは間々出てまいります。普通の場合の保安上危険であるとか、そういうケースと今回のようなものとは、かなり様相を異にするのではないかということで考えているところでございます。
  83. 照井進一

    ○照井説明員 国の官庁施設につきましては、昭和四十六年から三次にわたって耐震点検を実施してきております。官庁施設につきましては、防災拠点として活用するという意味もございますので、やはりきちんとした耐震点検が必要だろうと考えておりまして、今回の地震による被害状況を十分検討させていただきまして、今後また必要な耐震点検を行っていきたいと思っております。
  84. 大口善徳

    ○大口委員 次に、道路についてお伺いしたいと思います。  阪神高速の神戸線、惨たんたる状況になりまして、あるいは湾岸線、これについてもダメージを受けております。こういうことの復旧が本当に、大動脈がこれは切れたわけでありますので、何としても早い復旧をということで、この点の見通しについてお伺いしたいということが一点。  それから、今回の倒壊の原因につきまして、例えばビルツ工法が悪いとか、あるいは帯筋の幅が広かったとか、あるいは橋脚の鉄筋の溶接箇所の上下にずれがあっただとか、いろいろ新聞紙上書かれております。会計検査院においても調査をする、また、問題のある場合については施工工事の責任についても問題にする、こういうことでございます。早急にこの原因の究明をすべきである、こういうように考えております。  さらに、こういうことで、ルートが一本でありますと、経済的にもいろいろな面におきましても大変な支障がございます。やはり物の流れ、人の流れ、そのルートにつきましてはダブルルートで考えていかなければならない、こういうふうに私は思います。  これは、地元の静岡県の場合も心配する箇所がございまして、由比というところの地すべり地帯というのがあります。薩た峠と言われているのですが、そこは国道一号線、JR東海道線が集中をしております。また、東名自動車道、こういうようなものが切断されますと、これは大変なことになります。そういう点で、第二東名等の推進というのは本当に大事になってくるのではないかな、こういうふうにも考えます。こういうことにつきましてお伺いをしたい。そしてまた、環状線道路のそういう整備についてもお伺いをしたい、こういうふうに思います。
  85. 藤川寛之

    藤川政府委員 まず、阪神高速道路復旧の見通してございますが、今お話がございましたように、今回被災を受けました阪神高速道路神戸線、湾岸線、地域において大変重要な役割を果たしている道路でございます。大変な交通量の利用がされているということでございますので、早期の復旧が図られるようなことが強く望まれているというふうに考えているところでございます。  特に神戸線でございますが、大変大きな被災を受けたわけでございます。被災の状況について現在詳細に調査を進めているところでございまして、できるだけ早くこの被災状況を詳細に把握する。それと並行いたしまして、今本格的な復旧計画を取りまとめているところでございますが、できるだけ早く復旧計画を取りまとめまして本格的な復旧工事に取りかかりたいと考えております。いずれにいたしましても、大変大規模な復旧工事になる見通してございまして、私どもとしては、最初申し上げましたように大変重要な道路でございますので、地元の協力を得まして、できるだけ早期に復旧できるように全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。  一方、湾岸線の方は、けたがワンスパン落ちたということでございまして、その他若干被災しているところもございます。湾岸線につきましては二、三カ月程度で、神戸線のバイパスとなる区間については何とか供用できる見通してございます。  阪神高速のその他の路線については、一月末までにすべて復旧しているという状況でございます。とにかく、残された区間の復旧ができるだけ早期にできますように、私どもとしても全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  それから、阪神高速道路の倒壊の原因について、いろいろなことが新聞等で報道されているところでございます。既に申し上げましたように、今回こういう倒壊あるいは落橋というような事故が起こったというのを私どもとしても大変重く受けとめているところでございまして、私どもとしては、どんな地震の力が加わって、どういう形でああいう落橋なり倒壊が起こったかというのを徹底的に調査したいと考えております。いろいろなことを言われておりますので、私どもとしても、被災の状況を写真等を撮ってきっちり記録するようにしておりますし、現地のコンクリートなり鉄筋等のサンプリング等も実施しております。  そういうデータ等を収集いたしまして、徹底的に分析、試験等をやりまして、この原因を究明したいと考えております。私どもとしては、そういう究明の中で将来に向けて耐震性の向上に役立てなければいけないということでございますので、そういう視点に立ったできるだけ早期の取り組みができるように、専門家による委員会で今検討していただいておりますので、早期にそういう点について究明してまいりたいと考えております。  それから、今も御指摘がございましたように、今回の地震高速道路等が軒並みやられたということで、交通確保、特に広域間の交通確保という面で大変大きな影響が出たところでございます。今も御指摘がございましたが、広域的な交通ネットワークにつきましては、やはりダブルネットワークというのでしょうか代替性、そういうものを持たせるような計画でなければいけないというふうに私ども考えているところでございます。  現在、私ども、高規格幹線道路一万四千キロのネットワークの整備を進めているところでございますが、このネットワークの考え方につきましても、やはりそういう災害時の代替ルートというのが確保できるようにというような視点につきましても考えたネットワークを構成しているところでございまして、私どもとしては、これは一万四千キロのネットワーク、まだ整備率が半分までもいっていないわけでございますが、今後この整備を進める、そういう中で幹線の交通ネットワークについてもダブルネットワークが図れるように、今後とも積極的に取り組んでまいりたいというように考えております。
  86. 大口善徳

    ○大口委員 国土庁長官にちょっとお伺いをしておきます。  今回、早期の情報収集ということが非常に問題になったわけでございますけれども大臣自体いつ地震発生を知ったのかということが一つと、海自、陸自の偵察した被害情報についていつ大臣がお知りになったのか。それからまた、今回の反省に立ちまして、内閣情報調査室において、そのルートに消防、警察、防衛庁の情報を集める、国土庁においても同じで、その二つのルートでやる、その関係についてどう考えておられるのか、この三点についてお伺いいたします。
  87. 小澤潔

    小澤国務大臣 私が知りましたのは、とにかく私は毎日六時ごろ起床いたしますので、起きるとすぐテレビのニュースを見る習慣になっておりますので、テレビを見て地震を知ったところであります。  前に、私も三陸はるか沖地震も一月十二日に視察をいたしましたので、テレビに見入っておったところでありますが、秘書官から六時十五分ごろ、五時四十六ごろ地震のあった旨の報告をいただいたところであり、早速、今後の情報を逐一連絡をするように、また国土庁においても対応を行うように指示をいたしたところであります。  そして、七時半になるまでまたテレビを見ておったのですが、これは大変な事態になるなということも心配をしておりました。本当に祈る思いでテレビを見ておったわけでありますが、七時半ごろになりましたら、いよいよ地震も大きくなるようだから、国土庁としては防災局に非常災害対策本部を設置したい、かような旨の報告が秘書官からございましたので、早速そのように、政府ともよく相談をして、ひとつ万全を期しなさいということで設置を指示したところであります。  ちょうど、たまたまその日は閣僚会合と、そしてまた閣議がございました。そんなわけで、七時五十分ごろ自宅を出まして、閣僚会合に臨んだところでありますが、七時五十分にうちを出、そして九時二十分に月例経済報告の閣僚会合に出席をし、そのときにも官房長官に、非常災害対策本部の設置を閣議決定をしていただきたい、こういったお願いをして、十時の閣議で非常災害対策本部、そして本部長小澤国土庁長官ということで設置をさせていただいたわけであります。  そして、十一時二十五分に、そのときの閣議でも総理から、また官房長官から、ひとつ非常災害対策会議を早急に開いて、早急に現地に飛びなさいということで現地に行くように言われました。早速、十一時二十五分、第一回の非常災害対策本部の会合を開きまして、そのところにおきましては、応急処置として六項目を決め、そして十二時四十分には国土庁を出発して、そして自衛隊の飛行機で入間から飛び立ち、十四時三十分であります。十五時三十分には伊丹空港に着き、上空からつぶさに淡路島も視察をさしていただいて、兵庫県庁に戻って要望を聞いた、いきさつはそういうことでございます。
  88. 大口善徳

    ○大口委員 海上自衛隊、陸上自衛隊の偵察した被害情報をいつ入手されましたか。
  89. 小澤潔

    小澤国務大臣 一月十七日の被災発生の初動期においては、私のところに陸自、海自からの被害情報は入ってきておりません。  私は、発災当日の午後、政府調査団の団長として現地に行って、そのときの午後四時ごろ、現地で直接に自衛隊の現地指揮者から対応状況を伺いました。その際、各地に甚大な被害発生していること、行方不明者の救出が急務であること、自衛隊としても救出作業に使う重機の搬入を急ぐこと、自衛隊の車両が大変な道路の混雑によって現地にスムーズに到達できない、こういった説明を伺ったところであります。  また、十七日の夕方、兵庫県庁において知事から、自衛隊を含めた警察、消防等の活動分野の調整は、県の災害対策本部に関係者が集まって行っていること、行方不明者が相当数に達しているので、救出作業に使う重機が十分でない、こういった説明も受けたところです。
  90. 大口善徳

    ○大口委員 三点目、お願いします。
  91. 西川一誠

    ○西川政府委員 ただいま初動の関係のお尋ねがございました。この点につきましては、ただいま長官お答えしたとおりでございます。  もう一点、今回、初動の関係で、官邸に直接防衛庁あるいは消防庁それから海上保安庁からの情報をいただくということとあわせて、国土庁もいただくという予定でございます。  といいますのは、もともと、地震の一番最初の震度情報等を私どもいただきまして、関係の省庁、もちろん官邸もそうでございますが、お知らせすると同時に、あわせて、私ども非常災対本部等の事務局でございますので、そうした対応をとる必要がございます。また、私ども、従来からいろいろな地震の勉強をしておりますので、そうした御意見も述べる、こういう立場にございますので、そうした方向での議論が進んでいるということでございます。
  92. 大口善徳

    ○大口委員 今回の反省をきちっと我々政治家はやっていかなきゃいけないと思います。  そういうこともありまして、やはり防災基本計画の見直し、あるいは地域防災計画、これも見直して、ことしの九月一日の防災の日にはその見直したものでもって訓練をしていかなきゃいけない、こういうように提案をいたしたいと思いますし、あるいは北海道の釧路で二度の震度六の地震がありましたが、釧路沖地震教訓災害に強い町づくりを推進してきました結果、二回目の一年九カ月後におきましては、東方沖地震におきましては被害が六分の一であった、これも非常に学ぶべきことであると思います。防災マップを全戸に配布をした、そしてそれに避難行動とか非常持ち出し品等の詳細な説明がありますので、それに基づいて避難をした、こういうことでございます。  そしてまた……
  93. 遠藤和良

    遠藤委員長 大口君に申し上げます。  質問の持ち時間が終了いたしておりますから、簡単にお願いします。
  94. 大口善徳

    ○大口委員 はい、わかりました。  あと、防災基地建設の問題、モデル事業につきましても、これは今回は被災地にその防災センター等の設置をしていく。また、空港等につきまして、空港等に食料、毛布等の備蓄をする防災基地を設置する、こういうことも提案させていただいて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  95. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、山本幸三君。
  96. 山本幸三

    山本(幸)委員 新進党の山本幸三でございます。新進党を代表して、両大臣の所信について御質問させていただきます。  まず最初に、今の質問にちょっと続けたいのですが、国土庁長官にお伺いしたいのですが、長官は六時ごろテレビで地震発生というのを知ったということなのですが、それを知って、官邸、総理にはそういう地震が起こったというような報告はされなかったのですか。
  97. 小澤潔

    小澤国務大臣 官邸からですか。——一番先にあったのは秘書官からであります。
  98. 山本幸三

    山本(幸)委員 いや、国土庁長官から総理に対して、地震発生したと、そういうことについての報告をされなかったのですか。
  99. 小澤潔

    小澤国務大臣 しておりません。
  100. 山本幸三

    山本(幸)委員 それはどうしてされなかったのでしょうか。
  101. 小澤潔

    小澤国務大臣 テレビを見ておりまして、おや、と思いまして、テレビに見入っておったところです。そして、先ほども言いましたように、六時十五分ごろ、秘書官から、五時四十六分に地震発生をしたと連絡を伺いました。防災局を通じてあったわけであります。
  102. 山本幸三

    山本(幸)委員 防災局を通じて秘書官から報告があった。そうすると、もうそれでストップして、官邸には国土庁長官から連絡をするということはない、そういうことはしないのですか。官邸は勝手に、知っておくべきだというふうに理解しておるのですか。
  103. 西川一誠

    ○西川政府委員 ただいま長官御答弁をいたしたのでございますが、私ども長官と連絡をいたすと同時に、官邸とも連絡をとりながら、災害状況を勘案して、非常対策本部の設置手続を、七時三十分ごろから手続的に開始をさせていただきました。それで、具体的に閣議の場で、大臣から御発言を賜ったということでございます。
  104. 小澤潔

    小澤国務大臣 ちょっと補足といいますか、私の考えを、先ほどの方に申し上げたことをもう一度申し上げますと、とにかく六時十五分ごろ、防災局を通じて秘書官から、五時四十六分に地震発生をした旨の連絡をいただきました。私は、そのときに、絶えず次々の情報は的確に報告をしなさい、また、国土庁にも、ひとつ万全の体制で対処するように指示したところであります。  ですから、したがって、国土庁に指示してありますので、防災局から官邸には連絡が行っていると思います。
  105. 山本幸三

    山本(幸)委員 防災局のどなたから、官邸にいつ連絡が行っているのですか。
  106. 小澤潔

    小澤国務大臣 それは秘書官に命じたところであります。
  107. 西川一誠

    ○西川政府委員 今ほど長官申し上げましたように、七時三十分ごろ、私どもの方で非常災害対策本部を設置したい旨の連絡をいたしまして、その設置手続を、総理官邸とも相談して開始するよう指示を受けたところでございます。  それで、私ども、防災局から官邸とも随時連絡をとり合いまして、その結果、七時三十分過ぎでございますが、設置手続と同時に、実務的に開始すると同時に、八時過ぎには関係省庁にもその旨を連絡をさせていただきまして、その結果、十一時に関係省庁の連絡会議を開くと同時に、十一時三十分に非常災害対策本部を開催した、こういう状況にあります。
  108. 山本幸三

    山本(幸)委員 ということは、七時半ぐらいにやっと官邸に報告が行ったということなんですね。つまり、六時から七時半ぐらいまで約一時間半、対応が何らとられなかったということになると思うのですが、いかがですか。
  109. 西川一誠

    ○西川政府委員 若干の補足をいたしますと、七時及び七時十分に、総理秘書官及び官房長官の秘書官と連絡をとり合っておりますので、ちょっと補足をさせていただきます。
  110. 山本幸三

    山本(幸)委員 七時半じゃなくて七時十分ということですが、大臣、この一時間十分、この空白というのはどのように考えられますか。
  111. 小澤潔

    小澤国務大臣 先ほど言いましたように、六時十五分に来たときに、秘書官を通じて防災局の方に指示をし、逐次連絡をもらうことと、またよく防災局にも万全の体制を行うように指示をし、七時三十分ごろ、また事の重大さに非常災害対策本部を設置をしたい、これはもう当然すべきである、よく内閣にも報告をし、連絡をとりながら、万全のこれまた対策をとりなさいという指示をしたところであり、その間は、とにかくテレビに見入って、ちょうどその日は関係閣僚会議、閣議の日でありますので、車の来るのを待っておったところであります。
  112. 山本幸三

    山本(幸)委員 アメリカでは、もう地震発生したら十分後か十五分後には大統領は知っているのですよ。あのサンフランシスコの地震のときに、大統領のところにはもう十五分後には行っているのですね、それは危機管理の長官から。  そういう点に比べると、我が国の対応というのは非常に問題があって、そして、一分おくれれば一人の人命が奪われるというぐらいのものであるのに、初動で実に大きな問題があったと私は思います。この点は、今後いろいろな改善もやっていただかなければいかぬと思います。  それともう一つは、その日、月例経済報告閣僚会議というのがあったということなんですが、それだけの地震が起こっているのに、長官はそういう会議はキャンセルして、自分は地震対策に専念するんだというような気持ちはなかったのですか。
  113. 小澤潔

    小澤国務大臣 もちろん、閣僚会議に臨みまして、官房長官に、事の重大さ、非常災害対策本部をつくることにしたい、ぜひ閣議決定をよろしくお願いをしたい、この旨も申し上げたところであります。事の重大さは十分認識しておりました。
  114. 山本幸三

    山本(幸)委員 それから、ちょっとお伺いさせていただきたいのですが、災害対策基本法の百五条、災害緊急事態というものが想定されて、緊急災害対策本部というのが設置できることになっているのですが、今回はその災害緊急事態の布告というのをやらなかったわけですね。これはどうしてやらなかったのか、教えていただけますか。
  115. 小澤潔

    小澤国務大臣 先生指摘のように、災害緊急事態の布告が発せられれば、緊急災害対策本部が設置されるとともに、内閣は、国会閉会中に、法律によらずに政令で、物資統制、価格統制または支払い猶予措置をとることができるものとされております。  布告を発するのは、基本的にはこれらの措置をとることが想定され得るような社会的、経済的混乱を生ずるおそれがある場合と考えられますが、今回の災害においては、物価が総じて安定しているなど、布告を発するような状況に至っていないものと判断したところであります。
  116. 山本幸三

    山本(幸)委員 そうですね。ここで、この法律で言っているのは、こういうことができるということですから、こういう事態が必要なときを考えているんでしょうが、それは物価の最高価格を決める、あるいは債務の支払いの延期をするというような必要があるときを想定していると思うのですね。  ところで、今物価が心配するほど高騰してないということでしたけれども、きのうの新聞の夕刊では、物価統制令を兵庫県警は適用する、そうせざるを得ないような事態になっておると。例えば、家を覆ういろいろなビニールのシート、そういうものが異常な高値になっているというようなことが言われているわけですよ。そういう事態だというふうに認識していないのですか。兵庫県警の認識と違うのですか。
  117. 西川一誠

    ○西川政府委員 ただいま災対法との関係で、物価に絡みますお尋ねがあったわけでございます。  物価につきましては、既に地元の神戸市におきまして、物流あるいは流通関係のいろいろな調査をなさっておられまして、その判断としては、物価は総じて安定しているという判断をなすっておられるところでございます。また経企庁も、物価モニターに対して調査をしておりまして、物価は全般的に安定している、従来よりも安く販売しているものもあるという方が、全体の七割を占めたという状況でございます。一部は、今おっしゃいました防水シート、家賃等の苦情等も寄せられているところでございますが、これにつきましては、一層監視を強めるという必要があると思います。  いずれにいたしましても、全体として、物価は安定的な状況にある、こういう判断がなされているというふうに承っております。
  118. 山本幸三

    山本(幸)委員 そうすると、兵庫県警の認識と少し違うようですが、もし、今後そういう異常な物価高騰がある場合には、そういう措置をとる可能性はあるのですか。
  119. 西川一誠

    ○西川政府委員 法的にはいろいろな御議論があろうかと思いますが、現状でそういう布告を発する状況にはないというふうに思っております。
  120. 山本幸三

    山本(幸)委員 現状はないということですから、そういう現状になったらやるということだというふうに理解します。  それでもう一つ、債務の支払いについて、この点は先ほども住宅金融公庫の例でも出ましたけれども、被災者が今一番頭を悩ましていることは、単に住宅金融公庫だけじゃなくて、住宅ローンを抱えて、あるいはほかの借金を抱えているかもしれない、そういう人たちが、資産は全部なくなってしまった、場合によっては収入の道もなくなってしまった。にもかかわらず、負債というのはなくならないのですね、これが一番大きな問題なんですね。そうすると、これをそのままほっておけば、自己破産するか逃げていくかしかない。私は正確にその新聞記事をとっておりませんが、記事を読んだのですけれども、サラ金か何か、取り手が避難所まで追いかけてきているというような記事も一部ありました。  そういう意味では、この債務の支払いの延期というのは真剣に考えるべきじゃないかと思うのです。その意味で先ほど建設大臣が、住宅金融公庫について、自分は五年くらいのつもりだというように考えておられたということでありますが、大変心強い。本当に五年くらいのつもりだったら、五年だってやられたらいいじゃないですか。そういう法律改正だったら協力しますよ。別に法律が三年だから三年でやらなければいけないということはないので、やろうと思えば改正すればいいわけであります。あるいは、住宅金融公庫だけじゃなくて、ほかの金銭債務についてもそういうことを考えてやるべきじゃないかと思うのですけれども、この点、建設大臣いかがですか。
  121. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 金融公庫の問題については、大蔵省からもおいでになっておりますので詳しくお話しをいただきたいと思いますが、かつてない大震災が起こった、このことは衆目の一致するところです。したがって、ローン等が払えないという状況もある。すべての財産を失って再び立ち上がることができるかどうか、このことは極めて疑問である。したがって、それの法律の改正をどうするかということが課題になってくる。  山本さんからお話があったのは、財産がなくなってしまってローンが払えない、これについては三年では少ないじゃないか、おまえは五年だったら五年で頑張ればよかった、こういうふうにおっしゃった。まさにそのとおりだと思っております。したがって、激甚地指定になったので、四・一五から三%に落とす、そして二十年を途中で上げないでずっとそのままでいく、こういう方向で第一段階というのはとりあえずのことはやった。これからどういうふうな事態になってくるか予測ができませんが、それらの点については、山本先生お話も頭の中に重く受けとめておいて対応していかなければならぬ。  今日までの経過については、大蔵省の方から述べていただきたいと思っております。
  122. 山本幸三

    山本(幸)委員 そういう役所の説明は要りません。大臣の政治家としての決断をお聞きすれば結構です、大変心強く思っておりますので。  それに、住宅金融公庫だけじゃなくて民間のローンだってあるし、単に住宅ローンだけじゃない、金融債務があるわけですね。そこのところまで考える必要があるのではないかと私は思うのです。しかも、そもそも災害対策基本法には、そういうことを念頭に置いたことを考えているわけですから、そういう事態はあり得るということで規定があるわけですから、ぜひ大臣の意気込みを買わせていただいて、大いに期待いたしたいと思います。  それから、ちょっと技術的なことをお伺いします。こういう災害に遭った場合に固定資産税、これは建物についてはなくなってしまったから免除されると思いますけれども、土地については残っているということになると、免除されるわけはないと思いますが、こういう異常事態になった場合には、何らかの方策が考えられるのかどうか。自治省の方、いらっしゃいますか。
  123. 板倉敏和

    ○板倉説明員 お尋ねの件でございますが、固定資産税の減免ということになろうかと思います。  地方税法第三百六十七条におきまして、「市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において」「当該市町村の条例の定めるところにより、固定資産税を減免することができる。」こうされております。  兵庫県の南部地震により被害を受けました固定資産に係る平成年度の課税につきましては、法のこの趣旨を踏まえまして、その具体的運用を定めた「災害被害者に対する地方税の減免措置等について」という昭和三十九年の自治事務次官通達に基づきまして、各市町村が減免等所要の措置を講ずることが適当と考えておりまして、今回の災害に関する取り扱いにつきましては、既に一月二十五日付で通知をいたしております。  この通達におきましては、土地に係る固定資産税につきましては、その被害面積に応じて減免を行うということといたしております。ただ、その具体的な運用ということになりますと、関係地方団体の意向が最も重要でございます。地元では、応急対応に現在忙殺されておる状況でございまして、なかなか十分な検討の時間がないというのが実態でございます。したがいまして、いましばらく時間が必要ではないかというふうに考えておりますけれども、私ども自治省といたしましては、地元自治体考え方も十分お聞きして、適切に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  124. 山本幸三

    山本(幸)委員 それから、相続税と地価税の取り扱いについてお伺いしたいのです。  相続税は、残念ながらこの震災で亡くなられた方に関する相続についてはその時点、つまりその評価が落ちればそれなりにケースとして考えていくと思いますが、以前に相続が行われておったという場合に、しかし、その後突然こういう災害に遭ったというときの取り扱いといったものは、もう何らの対応もとれないものなのか、それとも今後何か考えられるものなのか、相続税と地価税についてお願いできますか。
  125. 竹内洋

    ○竹内説明員 まず、先生の御指摘いただきました、震災前に相続した土地について、震災により地価が下落した場合に、何らかの救済措置がないかという御質問と理解しておりますが、相続税は財産に対して課税されることでございますから、既に災害減免法におきまして、災害により相続財産被害があった場合には、これから納める相続税については、被害を受けた相続財産に対応する税額が減免されるという措置が講ぜられるところでございます。  この場合の被害というものでございますが、土地に関しては土砂崩れ、地割れ、陥没などの物的被害をいうものでございまして、震災前に相続した土地の地価が下落しても、被害に当たらないと考えておるところでございます。したがいまして、震災による地価下落分については、災害減免法による適用はないということでございます。  相続税についての災害減免法による減免は、相続財産が滅失または損壊した場合に、現実に原状回復のための費用を投下しなければならないことを踏まえて措置されているものでございまして、土地の価格は、災害のみならず、一般的な経済社会情勢により頻繁に変動するものでございまして、震災により一時的に下落しても、その後の経済情勢によりやがて回復する可能性もあるというものでございます。  したがいまして、土地についての、先ほども申し上げましたような地割れ等の物的被害と、土地を相続した後の地価下落とは、その本質については異なるものであると考えておりまして、地価下落分は、減免措置ということにはなじまないものということを御理解願いたいと思っておるところでございます。  もちろん、今申し上げました災害に関する災害減免法による減免措置、これにつきましては、これを最大限活用していただけるよう、その内容、手続には周知徹底、円滑化を図っていかなくてはならないと考えているところでございます。  次に、地価税でございます。地価税につきましても、現行の制度のもとでは、災害によって軽減されないわけでございますが、これは地価税というものが一定の課税時期、これはその年の一月一日午前零時に土地等を有する者に対して、課税時期におけるその土地の資産価値に応じて負担を求める税でございまして、その土地の利用状況とか利用期間に応じて負担を求める損益的概念がない税でございます。  また、例えば課税時期後、被災前に土地等の譲渡が行われたときなどに、どのものを災害による減免の対象とすべきかについては、税の公平の観点から確定しがたい等という税の性格もございまして、減免の対象になじまないものでございます。もちろん、災害により土地等の価額、時価が低下すれば、災害後に到来する課税時期、先ほど申し上げました、例えば来年の平成八年一月にかかる地価税については、その低下に応じて負担が軽減されるということになるわけでございます。
  126. 山本幸三

    山本(幸)委員 そうすると、既に震災前に相続が行われていた場合には、もう払えなくなってしまった人が多いと思うのですけれども、物納にならざるを得ないのかなという気がしておりますが、ただ、この問題は当委員会でずっとやるのが適当かどうかちょっとわかりませんから、いずれ別途の機会に議論をしたいと思います。  時間がありませんから、ちょっと震災以外の話に移りますが、建設大臣所信表明をお伺いしておりまして、その中で、まず行政改革について、積極的にやっていきたいというように述べておられるのですが、巷間伝えられるところでは、特殊法人の整理、十日に確定するということであります。これに建設省関係が何も入っていないような報道がなされておりますが、まさか、建設省関係は何もないというようなことにならないのでしょうね。震災があるから、これはもう免除されたというような、逆の、震災太りみたいなことが特殊法人に起こるというようなことはないのだと思っておりますが、その点、いかがですか。
  127. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 お答えしますが、震災太りをするというような考え方は毛頭持っておりません。今の内閣は、行政改革あるいは地方分権、規制緩和、三つの目標を掲げて、我々に対して、民間がこれほど血を流しておるのだから、政府みずからリストラをやるべきであるということを、総理大臣は常々言明をしております。私も一閣僚として、この方向というもの、方針というものは堅持して、泣きながらでもやっていかなければならぬだろうと思っております。  従来から、いわゆる住都公団につきましては、こういうことを申し上げております。今まで民間がやっておったような高層住宅その他については民間に任せる、したがって、先ほどもお話がありましたように都市づくり、公園とかあるいは避難場所とか、そういうものを含めた、防災対策も含めた町づくり地域づくりというものを考えて、大規模な点について集中してやったらどうか。そして、本四架橋公団については、完成すれば三分の一は切っていこう、こういうことまでは申し上げております。  しかし、それでは行政改革にならぬではないかという議論もあります。したがいまして、もっと積極的に対応していかなければなりませんが、十日という期限を切られております。十日には総務庁長官と官房長官に対して、建設省では二月十日を最終案の日として決めたい、三月いっぱい、本年度いっぱいでやるというようなことではなしに、厳しくとも二月十日にやらなければならぬだろう、こういうことを私は申し上げております。  私は、現地に参りましたときに、本四公団の職員が、二十四時間態勢で復旧作業にいそしんでおる姿を見て、涙いたしました。しかし、行政改革はそれを乗り越えていかなければ、国民に約束したことでありますから、建設省は空手形で出したということはしないつもりでおります。
  128. 山本幸三

    山本(幸)委員 大変心強い決意であります。  簗瀬政務次官、さきがけはこの特殊法人の整理合理化について大変積極的で、ある意味でいうと、さきがけの一つの看板になっているわけですね。その一員として、建設省の政務次官ですから、よもや期待に沿わないようなことはあり得ないと思いますけれども、不満な結果が出るようだったら、腹を切るぐらいの覚悟で考えておられるのかどうか、ひとつお伺いしたいのです。
  129. 簗瀬進

    ○簗瀬政府委員 初めて答弁をする機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。  大変緊張いたしておりますが、今、山本委員がおっしゃられたとおり、私は、さきがけに所属をしておる建設政務次官でございます。そういう意味で、この問題についても、今大臣が申し上げたとおり、内部にあっていろいろな努力をしてまいりました。  政務次官の立場というようなものについては、いろいろな議論があるわけだと思いますけれども、国家行政組織法を改めて読み返してみますと、その十七条三項に「政務次官は、その機関の長たる大臣を助け、政策及び企画に参画」をしていく、そういうふうな規定がされております。先ほど御答弁がありました大臣大震災で、この対応のために寝食を忘れて大変努力をしております例えば阪神高速道路公団の皆さんもいらっしゃる。  しかし、そういう人たちのことを考えつつ、やはり行政改革に対する国民の期待に建設省としてもしっかりとこたえていかなければならない。そして、十日に日限は切られておるけれども、まだきょうが七日でございますから、八、九、十とこの三日ある、その間に最大の努力をするというふうな御決意の御表明もあったわけでございますから、私は、その大臣全力を挙げて支えていきたいと考えております。
  130. 山本幸三

    山本(幸)委員 大変心強い御決意でありまして、私ども大いに期待したいと思いますし、逆に、何もできなかったら、厳しく責任を追及していきたいというように思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  次に、ちょっとこれは今後の政策と関係するので、こういう質問をさせていただいて大変申しわけないのですが、土地の保有税、具体的に言えば、例えば固定資産税も地価税もそうですが、いわゆる土地を保有していることにかかる税金、これについて、この土地保有税をもし上げるとすると、第一に、地価は値上がりするのか値下がりするのかという質問について、どちらでしょうか。  二番目に、土地保有税が上がると住宅開発というもののタイミングは早まっていくのか、あるいはおくらされていくのか、その質問が第二番目。  三番目が、その場合に、一戸建ての住宅と高層住宅の一体どちらが有利になるのか、これが三番目の質問。  四番目は、ちょっと違いますが、日本の場合は土地保有税に農地の特例があります。この農地の特例というのは、農地に対しては低い税率でかかっておる。これはそもそも宅地供給にどう影響しているのか。この四つの質問についてお答えをいただきたい。
  131. 小野邦久

    ○小野政府委員 最初に私の方からお答えをさせていただきますけれども先生指摘の、土地の保有税を上げた場合に地価が下がるのかということでございます。  御案内のとおり、地価は、土地の生産性とかその時々の金融情勢など、さまざまな経済社会的な情勢によって影響されるわけでございます。そういう点では、一概にこうだということは言えないと思いますが、一般的には、土地の保有税を引き上げた場合には、土地の収益性が低下をするということになるわけでございます。それは当然のことながら、土地の供給あるいは有効利用を促すことにもなりますので、需給両面から、一般的に言えば、地価の引き下げの方向に働くのではないか、こういうふうに考えられると思います。  それから、御質問の二番目の住宅開発のタイミングはどうなるのか、こういうことでございますけれども住宅開発用地の供給促進させる効果をもたらすのではないか、その意味では、開発時期を早める方向に作用するのではないか、こういうふうに考えられるわけでございます。  それから、農地の問題でございますけれども、これも先生大変詳しく御指摘のとおり、三大都市圏の特定市内の市街化区域内農地につきましては、いろいろ過去御論議もございました。平成三年から宅地並み課税が完全に実施をされているわけでございますが、農地の宅地供給促進する効果というものを持つのではないかというふうに一般的には考えられると思っております。  以上でございます。
  132. 山田榮司

    ○山田(榮)政府委員 今、建設経済局長から行われた点以外の点でございますが、二戸建てと高層住宅の比較ということでございます。  二戸建てと高層住宅のどちらに有利に働くかは、土地の立地条件等によって異なるので、なかなか一概に申し上げられない点があるわけでございますが、特に高度利用すべき地域において低利用にとどまっている場合などには、保有コストの増大に対応する土地の利用を促す効果があるものだというふうに考えております。
  133. 山本幸三

    山本(幸)委員 試験をしているみたいで大変申しわけないですけれども、最初の、地価は恐らく値下がりするでしょう、収益が下がりますからね、これはそのとおりだと思いますね。二番目と三番目は、私は違うと思う。反対だと思うのです。  二番目は、例えば農地から宅地に転用するというような場合に、そういう転用費用がかかる。転用費用がかかったときに、例えば今開発したら、その後宅地としての収益、地代収入が上がるわけですね。地代収入が将来的に得られてくる。そうすると、地代収入と今転用したことによるコストの費用との比較になるわけですね。そうすると、今期転用しないと、その転用費用に掛けることのその期の収益率、それは割引率と同じものですが、転用しないわけだからその分の費用が浮く。しかし、そのかわり地代収入が減るということで、結局のところ、地代収入と転用費用に収益率を掛けたところで一致する。  この保有税をかけますと、理論的に何が起こるかというと、その割引率が保有税率分だけ上がったというふうに理論的にはなるのですね。そうすると、転用費用に最初は収益卒だけ掛ければよかったのが、収益率プラス保有税率を掛けないと、掛けたところで将来の地代収入と一致するようなところでないと宅地転用というのは意味がない。したがって、宅地開発はタイミングがおくれるのです。これが一つ。  それから三番目の、そういうふうに保有税というのは、収益還元するときの割引卒が保有税率分だけ上がったというふうになりますから、もう早く回収するようなプロジェクトの方にインセンティブが働くわけですね。その結果、やりやすい一戸建てにどんどんいくのですよ。早く、短期的には二戸建てがふえるんだけれども、長期的には、高層住宅が不利になりますから、長期的にはいい住宅というのはできない。ここのところをもう少し議論しないと。  今後、都市の居住を推進するための法案を準備していろいろ考えておられるというのですが、やっていることがちぐはぐなんです。一方では保有税というもので固定資産税の評価をどんどん上げて、あるいは地価税をかけて、保有税をかけながら、つまり宅地開発をタイミングとしておくらせるようなことをやり、高層住宅よりも一戸建ての方を促進するような政策をやっておいて、そして新しい法律で今度、別途そういうインセンティブをつくるようなことをやりましょうというのは、政策としておかしい。そこのところはいずれ詳しくその法案の審議のときにやりたいと思いますけれども、そういう問題意識も必要だということをぜひ御理解いただきたいと思います。  それからもう一つ、農地について宅地並み課税をやっているというのですが、事実上は長期営農農地というので外されている。その結果、日本の中で何が起こっているかというと、土地というのは供給量が一定なんですから、埋め立てしてふやすこと以外は。そうすると、農地の方が低くて、宅地の方が税率が高ければ、税率が高い方の供給が減って、農地の供給はふえているのです。だから、日本の場合は農地が必要以上にふえて、宅地が必要以上に少ないのですよ。だから、本当に宅地供給をしていい土地をつくろうと思うなら、特に大都市についてはこういうことも本当は考えなければいけない。  それから、今の大都市の長期営農についても、例えば林地というのは特例がないんですよね、農地しかない。つまり、緑の保全という意味では、森林を残した方がよっぽどいいんだけれども、森林持っていたってそういう特例がないんだから、農地にみんな変えちゃうわけですよ、林をつぶして。そうしないと、特例で優遇措置が得られない。そういういろいろ不備がこの税制だけでもある。  したがって、これからその都市の居住性を高めるという議論をするならば、そういう議論を根本的にやってもらいたいというように思います。その意味で、私は地価税も大変問題があるというように思っておりますが、ちょっと時間がありませんから、いずれ改めてそういう議論をさしていただきたいと思います。  本日は、ありがとうございました。
  134. 遠藤和良

    遠藤委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後四時三十分休憩      ————◇—————     午後五時五十一分開議
  135. 遠藤和良

    遠藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。吉岡賢治君。
  136. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 阪神大震災は、死亡者五千名を超し、そして全壊五万五千戸、そして被害額総額が十兆円にも達しようかとする大災害となりました。激甚災害の指定が速やかに行われた、このことをもってしてもこの災害のすごさがわかろうというものであります。まさに戦後最大の災害であり、現行法の枠を超えることを含めた敏速な実行と対応が求められている、このように私は思うところでございます。  十七日伊丹に飛びまして、十八日には西宮へ入り、そして西宮から十八、十九と自転車で私は現地を見て回りました。そして、多くの方々にお会いさせていただくと同時に、それぞれの責任者である県知事さらには神戸市長、こういう方々のお話も聞かせていただきながら、火急な問題である市民生活については、まさしく命を張って何とでもしたい、こういう決意をそれぞれ聞かせていただきました。私は、そういう立場から、今後の復興あり方あるいは住宅確保について、そういう視点で質問をさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、切実な問題でございますから、確たる答弁を心からお願い申し上げて質問に入らせていただきます。  最初に、住宅確保についてであります。  住宅金融公庫及び国の利子補給制度についてですけれども災害復旧住宅融資における貸付金限度額の大幅引き上げと金利限度の軽減についてということで、先ほどお話がございましたように四・一五%、三年間据え置き、こういうことであったかと思いますが、そういう方向を出していただいております。しかし、それではまだまだ問題解決にならないというように私は考えているわけであります。既に融資を受けてそして残高がある、この償還期限の延長や利子の軽減をされる、こういうことでございますが、古いローンの方はともかくとして、新たなローンの人は二戸分の支払い、こういうことになるわけでございます。マンション等の権利を、そういう人たちの場合公的機関が買い上げるなどの緊急措置、こういうものは考えられないかということを、まず質問させていただきたいと思います。
  137. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 ただいまの、壊れました、あるいは焼失をしましたそういう従来の区分所有権の一部について、公的機関がその権利を買い取るということはどうかという御質問でございまして、私どももそういう方法が何とかとれないかということでは検討をいたしております。しかし、一般的な条件の中で、あらゆるケースについてそういうことができるというふうにはなかなかすりついてはきそうもないことではございますので、いろいろな、それを引き受けした場合に有効にそのお引き受けしたものがつながっていくようなケースをなるべく広げて、そういう参加の道も探っていきたいというふうに考えております。
  138. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ぜひ検討して実行していただきたいと思うのですね。例えば、経済がバブルが崩壊をするという局面を迎えて、銀行その他でいろいろな施策を講じました。そして、そういう意味では国もその責任があるということで、一定の出資をしながら会社をつくった経過がありますが、それに準じるとは言いませんけれども、まさしく厳しい状況に置かれているということでございます。  特にマンション等の再建、こういうことになってまいりますと、今申されました建物の区分所有等に関する法律の規定、こういうことがございますから、その緩和も必要になってくるであろう、このように思いますし、また、反対者が出た場合、その所有権移転ということについても一定の措置を考えなければならないということに直面をしていくわけでありますから、その点について確たる答弁をいただきたいと思います。
  139. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 先ほどの問題と一連のことかと思いますが、新しいマンションにいずれにしても建てかえるというケースが相当出てくるわけでございます。当然合意が、意見の一致を見ないケースも多々あると思います。その場合の、その合意に至らない、特に反対をされる方にも、いろいろな理由によって反対をされる。単なる反対としての反対をされる方もあるいはいらっしゃるかもしれませんが、今回のケースにおいては、いろいろな理由によって反対をされるということを想定しなければいけないというふうに考えるわけでございまして、そういう方々ができれば合意につながるようにするというためには、いろいろな情報を提供いたしますとか、合意に持っていくためのいろいろな組み立て方を一緒になって御相談に応じていくとか、そういうこともあると思いますし、ただいま御指摘の、制度上も区分所有法の五分の四の同意という最終的な決断をする際の仕組みについて、今回の被災の状況に対してどういう手当てができるのか、その点も大変難しいようでございますけれども、一生懸命検討はしているところでございます。
  140. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ぜひひとつ検討の中で、公団等の買い上げも含めて考えるということで決断をしていただきたいと思うわけです。  大臣、最後にひとつこの問題で。
  141. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 今局長が申し上げたとおりでありますが、吉岡先生が御指摘のように、区分所有のあるマンション等は、それを再改築する場合は五分の四以上ということになっております。反対をしてはできないじゃないか、何としても大勢としてはつくりたいということであれば、最悪の場合は我々は買い取らなきゃならないか。しかし、吉岡さんだけが反対しておるのだったら、遠藤さんにもその権利を譲ってもらって協力をしてもらうという格好になれば、五分の四以上になればやり上げるのではなかろうか。最悪の場合は、御意見どおりに考えていかなければならぬだろう、それが国の政治のあり方であろう、こういうふうに考えております。
  142. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ぜひひとつ実行していただきますようにお願い申し上げたいと思います。  次に進みます。復興対策についてでございますけれども、まず、具体的な問題に入るまでに、先ほどもお話が出ておりましたけれども安全確保の問題でございます。今これが非常に重要な段階を迎えていると思っております。  私は、現地から派遣されている一級建築士、この方が五人でチームを組んで現地に入っている状況をつぶさに聞かせていただきました。何が問題か。何といっても、判定士には法的な根拠はないから私的制限ができない、したがって建築基準法の改正をきちんとしてもらいたい、最初にそれが出てきました。今ボランティアに任せております。三段階で判定をしておりますけれども、立ち入り権限も保障されていない中でやらなければならぬという問題もあります。ビルが倒壊の危険にさらされている、そういう場合でもビルの所有者に権限がある、こういうことで、解体や除去が速やかに行い得ないというふうに言い切っております。神奈川県と静岡県にその判定士の資格試験を受けてやっておられる、こういう方々がおられると思いますけれども、今後のことを考えてみますと、何としてもこの問題の法制化というものをきちんとなし遂げていくというのが国の責任でなければならぬではないだろうか、このように思うところでございます。  今までの質問もあったようでございますが、私は端的に、もうこの辺で決断をするというふうにお答えいただきたい、こう思っているわけでありますが、いかがでしょうか。
  143. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 法的なことが御質問の中に含まれておりましたので、今回のマンションの危険度判定をするときにどういう立場としてやったのかということについて若干御説明をしておきたいわけでございますが、私どもの今回さまざまな御協力を得てやった具体的な人員そのものは、御指摘のように一部ボランティアの方も入っておりますが、基本的には各都道府県の役所のいわば主事さんないしはそれに相当するような方が大変たくさんいらっしゃったということでございます。実際に入っていったときはどういうことでやったかということは、それぞれの地元の建築行政庁の職員が一応基準法の調査権限がございます。そういうものを使いながら行ったということになっております。  しかし実態は、あれだけの量でございますので、一々一つ一つの建物がきちんとした手続なりなんなりをとって形式にのっとってやったかというと、決してそうではないわけでございます。建前の、全体の構成はできるだけそういう考え方の中で調査に入っていったということを、まずちょっと御説明をしておきたいと思います。  それから、ただいまそういうことで、今申し上げましたように、そういうつもりではあるけれども実態とはずれているという実態もございます。そんなこともございますので、今回の経験を踏まえまして、どういう仕組みでやるのがいいのかということを、ぜひ前向きに検討したいと思います。
  144. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 一定区画をボランティアの人たち五人で任されて、それで報告をするということになっているのですが、具体的に言いますと、二次災害の防止の保障はないというのですよ。どうしても地権者、所有者、この間で使える使えないという議論が起こる。結局、我々には権限がないから、こういう方法で新しく建てることができますよという法律のお話をして帰らなきゃならぬという現実をやはり直視していただく。検討だの何だのということでなしに、よしやろう、こういう決断に立っていただかないと前に進まないのじゃないでしょうか。今後も同じことを繰り返すと思うのですが、いかがですか。
  145. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 検討いたしますと申し上げましたのは、どういう仕組みでやるのが最もいい方法であるかということについてのことでございまして、こういう災害に備えた仕組みというものをつくらなければいかぬということについては、私どももそう感じておるところでございます。
  146. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 今の状況では、ボランティアの人に頼んで、いわば行政がそれを責任を持つからということになっているわけでございますけれども、限界があります。そういうことを踏まえて、少なくとも今からは二次災害の防止ということをきちっとしていただくようにぜひひとつ進めていただきたい、こう思っております。  次に進みます。災害のあった市街地都市計画または土地区画整理法による事業の推進についてお尋ねをしたいと思います。  建築基準法の八十四条の適用を決定されました。そうしますと、日時の限度は最大三月十六日、こういうことになろうかと思うわけであります。その限られた時間内に、都市計画審議会での復興計画の協議であるとかあるいは計画案の縦覧期間二週間だとかこういうものを消化して、都市計画の決定までとにもかくにもこの二カ月の間でやり遂げていかなければ、そういうスキームになっていくだろうというように思うところであります。  そうなりますと、私は少し疑問に思う点がございます。その一つは、芦屋市あるいは洲本市、淡路十町については建築主事もいないという現状であります。それは県の方がやらぬかというふうに言われても、県の職員も被災者であると同時に限界もある。こういうことに対して人的に援助をしないと、この二カ月間の中で決定まで持ち込めない、こういう現実にぶつかるのではないか、このように思っているところでございます。運用はいろいろあるんだということでございましょうけれども、その辺について少しまずお聞きしておきたいと思います。
  147. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 先生指摘のとおり、八十四条は一カ月間、そしてさらに建設大臣の承認があれば一カ月延長をすることができるという制度になっているわけでございます。そして、その間に都市計画法の、例えば区画整理事業であれば区画整理事業の施行区域、予定地として決める、そして事業計画を決めていくという段取りになるわけでございまして、この二カ月の間に都市計画決定に移行することが原則的には必要になるというのは、御指摘のとおりでございます。  現在、公共団体等からの報告によれば、現行制度で対応できみという報告をいただいているわけでございますが、一つは、実は今回の建築基準法の八十四条の発動段階で、法律そのものでは、あくまでも緊急の措置でございますので具体的な整備方針を示さないでとりあえずの建築制限ができるわけでございますが、すべて八十四条を発動した市町村におきましては、いずれも今後の整備方針、具体的に区画整理か再開発か地区計画、そこまで示して、そして区域を示して八十四条を発動しているという点。  それから、御案内のとおり、一部都市計画決定について十分な知見がないところもあるわけでございますが、一般的には、阪神地域の公共団体、これは芦屋を含めてすべて土地区画整理事業の経験はございます。特に神戸市については十分な知見があるということ。加えて、今先生御案内のとおり、一部公共団体によっては十分な技術者がいないということで、実はこの点につきましても、大臣の指示によりまして私ども都市局の技術審議官が派遣されておりまして、一週間に一、二回報告に戻るということで、基本的には常駐する体制で、また、公共団体の要請があれば他の大都市にもお願いいたしましてそういうプランナーを派遣するということで、基本的には現行制度の、一部懸念がないかと言われれば懸念は確かにあるわけでございますが、十分現行制度で対応できるように人的な準備態勢についても万全を期してまいりたい、このように思っております。
  148. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 もう一つ問題を感じますのは、八十五条であろうと思いますが、要するに自分の建物で三十平米以下で容易に移動できるもの、これは制限されていないということになろうかと思います。もちろん、都市計画法での防火地域というのは制限されるということもありますけれども。となりますと、一言で言ったら、三十平米以下の木造建築で、失礼な言葉で申し上げたらなんですが、バラックが建つ可能性もある、住居も建つ可能性もある。  そうした場合に、その計画地域を事業推進をしていくという場合、大きな支障になると思うのです。一方では仮設宿舎を要望され、いろいろな経過がある中で、一たん建てたものを移動できるよ、言葉では言いますけれども、現実にはできないということになるのではないか。この辺についての事情が、これからのことでございますけれども想定をいたしますと、やはり支障が起こってくるのか。何といっても、判定士には法的な根拠はないから私的制限ができない、したがって建築基準法の改正をきちんとしてもらいたい、最初にそれが出てきました。今ボランティアに任せております。三段階で判定をしておりますけれども、立ち入り権限も保障されていない中でやらなければならぬという問題もあります。ビルが倒壊の危険にさらされている、そういう場合でもビルの所有者に権限がある、こういうことで、解体や除去が速やかに行い得ないというふうに言い切っております。神奈川県と静岡県にその判定士の資格試験を受けてやっておられる、こういう方々がおられると思いますけれども、今後のことを考えてみますと、何としてもこの問題の法制化というものをきちんとなし遂げていくというのが国の責任でなければならぬではないだろうか、このように思うところでございます。  今までの質問もあったようでございますが、私は端的に、もうこの辺で決断をするというふうにお答えいただきたい、こう思っているわけでありますが、いかがでしょうか。
  149. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 法的なことが御質問の中に含まれておりましたので、今回のマンションの危険度判定をするときにどういう立場としてやったのかということについて若干御説明をしておきたいわけでございますが、私どもの今回さまざまな御協力を得てやった具体的な人員そのものは、御指摘のように一部ボランティアの方も入っておりますが、基本的には各都道府県の役所のいわば主事さんないしはそれに相当するような方が大変たくさんいらっしゃったということでございます。実際に入っていったときはどういうことでやったかということは、それぞれの地元の建築行政庁の職員が一応基準法の調査権限がございます。そういうものを使いながら行ったということになっております。  しかし実態は、あれだけの量でございますので、一々一つ一つの建物がきちんとした手続なりなんなりをとって形式にのっとってやったかというと、決してそうではないわけでございます。建前の、全体の構成はできるだけそういう考え方の中で調査に入っていったということを、まずちょっと御説明をしておきたいと思います。  それから、ただいまそういうことで、今申し上げましたように、そういうつもりではあるけれども実態とはずれているという実態もございます。そんなこともございますので、今回の経験を踏まえまして、どういう仕組みでやるのがいいのかということを、ぜひ前向きに検討したいと思います。
  150. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 一定区画をボランティアの人たち五人で任されて、それで報告をするということになっているのですが、具体的に言いますと、二次災害の防止の保障はないというのですよ。どうしても地権者、所有者、この間で使える使えないという議論が起こる。結局、我々には権限がないから、こういう方法で新しく建てることができますよという法律のお話をして帰らなきゃならぬという現実をやはり直視していただく。検討だの何だのということでなしに、よしやろう、こういう決断に立っていただかないと前に進まないのじゃないでしょうか。今後も同じことを繰り返すと思うのですが、いかがですか。
  151. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 検討いたしますと申し上げましたのは、どういう仕組みでやるのが最もいい方法であるかということについてのことでございまして、こういう災害に備えた仕組みというものをつくらなければいかぬということについては、私どももそう感じておるところでございます。
  152. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 今の状況では、ボランティアの人に頼んで、いわば行政がそれを責任を持つからということになっているわけでございますけれども、限界があります。そういうことを踏まえて、少なくとも今からは二次災害の防止ということをきちっとしていただくようにぜひひとつ進めていただきたい、こう思っております。  次に進みます。災害のあった市街地都市計画または土地区画整理法による事業の推進についてお尋ねをしたいと思います。  建築基準法の八十四条の適用を決定されました。そうしますと、日時の限度は最大三月十六日、こういうことになろうかと思うわけであります。その限られた時間内に、都市計画審議会での復興計画の協議であるとかあるいは計画案の縦覧期間二週間だとかこういうものを消化して、都市計画の決定までとにもかくにもこの二カ月の間でやり遂げていかなければ、そういうスキームになっていくだろうというように思うところであります。  そうなりますと、私は少し疑問に思う点がございます。その一つは、芦屋市あるいは洲本市、淡路十町については建築主事もいないという現状であります。それは県の方がやらぬかというふうに言われても、県の職員も被災者であると同時に限界もある。こういうことに対して人的に援助をしないと、この二カ月間の中で決定まで持ち込めない、こういう現実にぶつかるのではないか、このように思っているところでございます。運用はいろいろあるんだということでございましょうけれども、その辺について少しまずお聞きしておきたいと思います。
  153. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 先生指摘のとおり、八十四条は一カ月間、そしてさらに建設大臣の承認があれば一カ月延長をすることができるという制度になっているわけでございます。そして、その間に都市計画法の、例えば区画整理事業であれば区画整理事業の施行区域、予定地として決める、そして事業計画を決めていくという段取りになるわけでございまして、この二カ月の間に都市計画決定に移行することが原則的には必要になるというのは、御指摘のとおりでございます。  現在、公共団体等からの報告によれば、現行制度で対応できみという報告をいただいているわけでございますが、一つは、実は今回の建築基準法の八十四条の発動段階で、法律そのものでは、あくまでも緊急の措置でございますので具体的な整備方針を示さないでとりあえずの建築制限ができるわけでございますが、すべて八十四条を発動した市町村におきましては、いずれも今後の整備方針、具体的に区画整理か再開発か地区計画、そこまで示して、そして区域を示して八十四条を発動しているという点。  それから、御案内のとおり、一部都市計画決定について十分な知見がないところもあるわけでございますが、一般的には、阪神地域の公共団体、これは芦屋を含めてすべて土地区画整理事業の経験はございます。特に神戸市については十分な知見があるということ。加えて、今先生御案内のとおり、一部公共団体によっては十分な技術者がいないということで、実はこの点につきましても、大臣の指示によりまして私ども都市局の技術審議官が派遣されておりまして、一週間に一、二回報告に戻るということで、基本的には常駐する体制で、また、公共団体の要請があれば他の大都市にもお願いいたしましてそういうプランナーを派遣するということで、基本的には現行制度の、一部懸念がないかと言われれば懸念は確かにあるわけでございますが、十分現行制度で対応できるように人的な準備態勢についても万全を期してまいりたい、このように思っております。
  154. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 もう一つ問題を感じますのは、八十五条であろうと思いますが、要するに自分の建物で三十平米以下で容易に移動できるもの、これは制限されていないということになろうかと思います。もちろん、都市計画法での防火地域というのは制限されるということもありますけれども。となりますと、一言で言ったら、三十平米以下の木造建築で、失礼な言葉で申し上げたらなんですが、バラックが建つ可能性もある、住居も建つ可能性もある。  そうした場合に、その計画地域を事業推進をしていくという場合、大きな支障になると思うのです。一方では仮設宿舎を要望され、いろいろな経過がある中で、一たん建てたものを移動できるよ、言葉では言いますけれども、現実にはできないということになるのではないか。この辺についての事情が、これからのことでございますけれども想定をいたしますと、やはり支障が起こってくるのではないかという気がしておりますが、いかがでしょうか。
  155. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 先生指摘のとおり、八十五条では、三十平米以下の仮設建築物については建築確認も不要であるということで、緊急の事態に対応できるようになっているわけでございますが、期間制限が一カ月という点がございます。したがって、現在の状況でも、事業の施行の著しい障害になるかどうかという点については、現時点ではそういう事態は発生しておりません。  それと、特に区画整理事業ということになりますと、先生ちょっと触れられたわけでございますが、引き家ないし引き家ができない場合には移転するときの補償を払った上で区画整理事業を施行する、そういう制度でございますので、私ども基本的に土地区画整理事業の施行区画については、ビルが建ってしまったらこれはもうなかなか将来の事業施行の障害になるということで、ビルが建たないようにする。まあ仮設建築物等、木造建築物等であれば、ある程度事業の施行に障害になることは確かであっても決定的な障害にならない、そういうふうに考えて今手続を進めているところでございます。
  156. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 今のお話を聞いておりますと、要するに、市民の皆さんをいかに誘導するか、このことの重要さをつくづく感じるわけであります。そういう意味で、震災復興事業の種地、これを先行取得するということに支援を行うべきだ、このように思うのですが、いかがでしょうか。
  157. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 その点は、全く先生の御指摘のとおりだと考えております。  特に、今回の災害を受けた地域につきましては、非常に密度の高い地域がございます。そういったところでは、用地の先行取得、これを積極的に活用していかなければいけない。さもなければ、かなり公共減歩、保留地減歩ということで減歩卒が高くなる。これは、基本的にできるだけ少なくしなければいけない。そういった意味でも用地の先行取得、これは現在、都市開発資金制度のほかに一般的な公共用地先行取得事業債、こういったものもございますので、その積極的な活国策が大前提になろうか、そういうふうに考えております。
  158. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ぜひそのことを検討を進めていただきたいと思うのですけれども、私は特に大臣にお願いをしておきたいのですが、今の種地の問題は計画地というだけではなくて、そこに計画の地方からこっちに移ってもらうということも含めてでございまして、この重要さは、これからの神戸市づくりにとってかけがえのないことだと思っているわけでございます。  そうしますと、時間を食っておって、都市計画決定ができるまで待っておるというようなことではだめだと思いますから、その決定前にでも買い取る、そういうことに対してきちんとした支援を行うということをぜひひとつお答えいただきたい、こう思うところであります。
  159. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 都市局長が申し上げましたとおりでございます。  例えば例を長田区にとりますと、ここは住宅、平屋だ、ここは商店だ、ここは工場だという格好になっておりますね。今度区画整理事業をやる場合に、私どもの方から技術審議官をそれぞれ派遣しておりますので、応援体制も十分整えております。したがいまして、できるだけ住宅は持っていく。例えば二十坪しかなかった場合は、それが二坪減歩があるといっても、三軒を一つにして平屋建てを三階建てにすればもっと広く活用できて、快適で利便性もある、安全性も高いといういわゆる都市ができ上がるという意味で、先行取得をすることは何よりも必要であろうということを局長とも話し合って、その方向で進んでまいりたいと考えております。
  160. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ぜひ決断をしていただいて、政府の支援を含めて検討いただきますようにお願いをしておきます。  次に、ハートビル法の適用拡大と補助制度の拡充について質問をします。  適用拡大についてでありますけれども、現在適用されていない共同住宅あるいは学校、地下街、雑居ビル、こういうこともぜひ対象とされたいし、また審査や指導等が速やかに行われるようにしていただきたい、こういう要望が来ていることを申し伝えておきたいと思います。  また、補助制度については、現状は非常用の出入り口やトイレ、スロープ、この経路については補助対象になっておりますけれども、通常の出入り口あるいはエレベーター等の通路は対象外だ、こういうように言われています。今回の地震考えてみますと、鋼材による強化も復旧の際は必要である、これらについてもぜひ経費助成をお願いしたい、こういう要望について、ひとつ皆さんの方で十分御検討をいただいて、御理解をいただきたい、こう思うところでございます。
  161. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 ハートビル法と言われる、公共的に一般の方が御利用になるような建物についても、高齢者や身障者が使いやすい、利用が可能なようなものに持っていこうという趣旨から新しくできた法律制度でございますけれども、この考え方の中には、その御議論の中にも、当然に義務化をして規制をすべきでないかというような御議論もございました。  現在の私どもの置かれておりますこの日本の社会の中のいろいろな社会的な条件の中で、規制をするということよりも、本来であれば当然の責務としてやっていただくべき領域と、それから大変進んだところまでやっていただける領域というものを二つ設定いたしまして、その高いレベル、今の社会的なレベルで期待されるぎりぎりといいましょうか、普通といいましょうかそういうレベルよりも相当高い、将来にも大変有効なレベルまでぜひ御努力いただこうということで、補助金その他の方も、我々としても、国としても応援できるところは大いにしていこうという組み立てになっているということでございます。  もっと現状はずっと低いじゃないか、そこから持ち上げるにはもっと大きな助成が要るではないかという御見解も今御指摘になったのだろうと思いますが、私どもは、今回組み立てた中は、先ほど申し上げたような考え方の中で、助成というものがそういう部分に限られてきたということでございますので、その点はなかなか難しいのではないか、みんなが取り組んでいくという環境をより進めて考えていくべきだろうというふうに考えているところでございます。  それから、住宅等その他の比較的一般の方が文字どおりお使いになるような建物、そういう公共的な建物と、基本的には私的な御利用を中心にでき上がっている建物、共同住宅でございますから当然共同部分はあるわけでございますけれども、そこの建物の性格の違いというものは、政策の組み立て方にはやや違いがあるのかなという割り切り方をしてあの制度ができたわけでございます。  したがいまして、住宅の方については、住宅に関しますさまざまな動きの中に、例えばバリアフリー化というものを内在化させていく。例えば現在でいいますと、公的な住宅はすべて新規のものはバリアフリー化するということを義務化いたしておりますが、そういう姿の中で取り上げていくのが実質的じゃないかという考え方でございまして、ただいまの御意見につきましては、また今後の指導を進める上でどういう拾い方をするかという、それぞれの受けとめる場面で積極的に受けとめさせていただきたいと思います。
  162. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 いろいろな言い方もありますが、今おっしゃったことに加えて、この法律ができるときに附帯決議があったと思うのです。その中では、ある意味で私の要求というのが盛り込まれている、このように思っているところでございます。  神戸は、これから新たにスタートするわけです。やはり障害者に優しい町づくり、そして地震に強いあるいは災害に強い町づくり、こういうことで今計画を進めています。フェニックス計画等が既に、概略でありますけれども検討をしようではないかという素案ができているという状況にあるわけでございまして、その限りにおいて、今申し上げましたことをある意味で真剣にお考えいただかないと、今おっしゃったように、それぞれの希望あるいは努力目標だということにとどまることにおいてそごが起こるのではないか、このように心配しておりますので、きちっとした検討をお願いし、結論を出していただきたい、こう思うところでございます。
  163. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 ややハートビル法そのものにこだわったお話を申し上げ過ぎたかと存じますが、今回の被災地におきます場合には、いろいろな民間の建物にいたしましても、共同住宅にいたしましても、建てかえ、復興に当たるわけでございますので、少なくとも地下街その他いろいろな、皆さんがお使いになるところの復興の際に、当然高齢者、身障者がアクセスしやすい、アクセスできるようなものに持ち込むような形で取り組みたいと存じます。
  164. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 次に進みたいと思いますが、今建設中の公共土木施設の被害があります。これをどうするのかという問題も実は出てきているわけであります。災害復旧事業の適用をこれにも行うということはできないのか、ぜひやっていただかないとと私は思いますが、いかがでしょうか。
  165. 豊田高司

    ○豊田(高)政府委員 今次の大災害で各種の公共土木施設がいろいろな傷み方をしていますが、これは公共土木施設災害国庫負担法に基づきまして当然国庫負担の対象になるわけでございますが、ただ、今回の災害が大災害にかんがみまして激甚災害に指定されておりますので、通常の災害によります国庫負担率よりは相当高い負担率になろうかと思います。しかも、単に従前の機能を復帰するだけではなくて、機能回復面を含みまして、いわゆる関連事業だとか助成事業だとかを含めまして、積極的に前向きに取り組んでまいりたいということで、今、県、市に、私どもの方の職員を現地に派遣いたしまして、復旧工法だとか、そういう関連助成事業、関連事業だとか助成事業とか申しておりますが、そういうものでできるだけ幅広に取り組むように、現地に行って直接指導しているところでございます。
  166. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 明石と淡路との間に今架橋が進められております。少々こういうふうになったけれども許容範囲だというような段階で終わっておればいいのですけれども、建設中でもやはり本格的に壊れているところもあるという現状をきちんと踏まえていただいて、ぜひお願いをしたいと思います。  次に進みたいと思います。阪神高速道路についてお尋ねをしたいと思います。  私は、先ほども申し上げましたように、西宮から自転車で行きました。兵庫、長田、須磨、その間で、こうなっておると言ったらおかしいですが、コンクリート一本で、かなり重量の重たいコンクリートでやっておられる。早くできるので非常に有効だったと聞いておりますけれども、そこの部分が随分被害を受け、あの倒れている六百メートルもその中であります。相当な区間、二次災害を起こさないようにという措置もしなければならないと同時に、これ復興には随分時間がかかるのではないか、このように思っております。  先ほど、湾岸線は二、三カ月でというふうにおっしゃいましたけれども、倒れている部分をきちんと復元をするということになりますと一体どのくらい時間がかかるのだろうか。そして、あの工法の問題点はこれから解明するんだということでございますが、ぜひ解明をしていただきたい。現に、門構えといいますか、鉄骨でつくってあるのが並んでいるところは持ちこたえているわけです。もう両極端でありますから、その部分について今後の対応というものをぜひお聞かせいただいておきたい、そのことが一つ。  二つは、これには膨大な復旧資金が必要だ、このように思慮されます。その調達は、現状であれば財投でということで済まされる。しかし、このことを考えてみますと、これは財投だけでやりますと復旧後の通行料というものにまたはね返ってくる仕組みになってきております。そういう点を考えてみまして政府補助、こういうものも必要だろうというように思いますけれども、早期の補助制度の確立を待たなければなかなかこの復旧ということが進まないのではないかと思いますので、その点、明らかにしていただきたいと思います。
  167. 藤川寛之

    藤川政府委員 今お話がございましたように、阪神高速道路神戸線につきましては、大変広範囲な区間にわたりまして被害を受けている状況でございます。今もお話がございましたが、コンクリートの一本柱ということでございますが、あそこは四十三号、二号線という、下を通しながら上に高架道路をつくっているということもございましてああいう一本柱を採用したようでございますが、全体的に被災の状況を見てみますと、確かに倒壊したところのように大変大きな被害を受けているところもございますし、比較的軽微の損傷で済んでいるところもある、いろいろな形の損傷を受けているわけでございます。  ただ、調べてみますと、全体で橋脚は千百八十基あるわけでございますが、その中で大変大きな損傷、これはもう壊さざるを得ない、やりかえなければいけないというような大変大きな損傷を受けているのが百五十基でございます。それから、四百七十基につきましては中小の損傷だ、その他の五百六十基につきましては損傷がないかほとんど軽微だというようなことでございまして、現在、そういう被災の状況を踏まえまして、さらにちょっと突っ込んだ、例えばフーチング、下の基礎なんかが使えるかどうか、そういう調査も継続してやっているわけでございますが、具体的な復旧をどうやってやろうかということで計画を練っているところでございます。  今もお話がございましたが、できるだけ私どもとしても短期間に供用を図りたい、復旧したいということでございまして、阪神高速道路公団のお話ですと三年くらいかかるという話もあるわけでございますが、私どもとしてはできるだけ早く、地元の協力なんかを得ながら、できるだけ短期間で復旧するように、今後とも最善を尽くして努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、阪神高速の復旧費に相当膨大な額が必要だろうということでございますが、お話のようにやはり相当な復旧費が必要だろうというふうに考えております。まだ具体的なきちっとした積算というのはできていないわけでございますけれども、相当な額に上ることはもう確かでございまして、今お話がございましたように、これを借入金で対応するということになりますと、どうしても利用者の負担増につながってくるということでございます。私どもとしては、何とかやはり国費の充当を考えていかざるを得ないだろうというふうに考えておりまして、阪神高速道路災害復旧費につきましては、阪神高速道路公団法の四十一条に、予算の範囲内において国及び地方公共団体は公団に対し経費の一部を補助することができるという規定がございます。そういうこともございますので、私どもといたしましては、先生からもお話がございました利用者負担をできるだけ軽減する、利用者の御負担に影響を与えるようなことがあってはならないということを基本にしなければいけないだろうということで、復旧費の補助について関係省庁と現在具体的な協議をやっているところでございます。
  168. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ぜひひとつ、被害総額を早期に算定をしていただきたいというように思っております。制度をぜひひとつ活用しながら頑張っていただきたいと思います。  それで、これは大臣にお尋ねするのですが、今の高速自動車道も、下の道を使いたい、こういうこともあって今の工法ができているというように思うんです。大体、狭いあそこに鉄道新幹線も何もかにも道路もすべて、幹線道路を通していくというところに無理があるのではないか。今回、九号線等が非常に活躍をしました。思い切って計画いただきました鳥取からの地方高規格、こういうものも開いていただくということが非常に重要ではなかろうか、こういうことが自治体の中あるいは市民の中から出ておる、こういうことも要望として申し上げておきたいと思います。  最後になると思いますから、引き続き質問させてください。  次に、河川についてでございますが、私は先ほど言いましたように自転車で行きましたので、道路がどうなっていたかというのを一番よく知っているわけです。そうしますと、神戸の場合、河川が洞道になって地上では見えないということになっているケースが五河川か大河川あるのです。昭和四十二年に神戸は大水害を起こしている。ですから、それが上からは見えない、下に入るにもなかなか危険だということでもしふさがれたまま放置されるとするなら、大雨が降りますと大災害になる、いわゆる二次災害間違いなしというふうに感じましたので、私は、県庁に着きまして直ちにそのことを、国土庁防災局の大野防災課長が出ておられましたから申し伝えたところでございます。河川の調査は、洞道ですからなかなか難しいということを途中で聞いておりますけれども、今時点でどうなっておるのか、いわば二次災害の心配はないのか、こういうことについてお尋ねをしておきたいと思います。  最後の質問は、激甚災害というように指定をされました。しかし、港湾であるとか水道事業所であるとかあるいは市民病院であるとか専修学校であるとか、こういうものは補助金対象外になるというふうに聞いておりまして、そのことだけでも大変だのに、港湾は御案内のとおり、二百数十バースあって今二十七バースしか動いていないという現状でございますだけに、深刻な問題になっているわけでございます。その辺について、これは国土庁長官の方に最後の問題はお尋ねをしたいと思います。  以上です。
  169. 豊田高司

    ○豊田(高)政府委員 この六甲山地から出てきておる河川は、大小合わせまして大体七十河川ほどございます。これは、過去は昭和十三年に大変大きい被害が出ました。その後昭和四十二年に、先生の御指摘がありましたように被害が出ました。それ以来、昭和十三年以来、水害あるいは土砂災害からこの地域人命財産を守るということを第一に、営々としてそのときの計画を現在も引き続いてやっております。  具外的に申しますと、昭和十三年当時で一時間に八十ミリの対策を立てるように復興計画が立てられまして、それ以来営々として現在もまたその途上であります。大分でき上がっておりますが、まだ途上でありまして、四十二年にはその途上で被害を受けたという状況でございまして、そのほぼ七十河川のうち実はトンネル河川が幾つぐらいあるかというのを細かく調べてみますと、御指摘のように神戸市で管理している河川が五本あります。そのほか、県で管理しているやつを細かく拾っていきますと十六本ほど、合わせて二十一ほどございました。  これは特に下流部で、狭いところをこれ以上広げられないというようなことで、上は道路、下は川というように兼用しておるところでありまして、まず入り口から可能な限りテレビカメラを入れたり、あるいは下から潜水夫が酸素ボンベをつけて潜っていったりというようなことをしながら、あるいは地表から目視で見れる範囲は見るというようなことで現在調査しております。  ただ、何分にも市、県、人手が足りませんで、大臣の御指示によりまして近県から応援をこの前から入れておりまして、しかもこれは専門的な知識と経験がないとできませんので、だれでもというわけにいきませんので、現在調査しておるところでありますが、大部分わかってきておりまして、その結果では、ぐしゃっとつぶれておるところはどうもなさそうだということはわかっております。ただ、川の中に一部護岸が倒れ込んだりして疎通能力が悪くなっておるところがございますので、これが二次災害を起こさないように、極端に埋まっておるところは急いで取ったところでございます。  あとは、引き続き本復旧に向けて災害復旧でやってまいりたいということを考えておるところでございます。
  170. 小澤潔

    小澤国務大臣 今回の地震からの復旧復興につきましては、激甚災害制度を含めた現行制度を十分に活用しながら所要の対策を図っていくことがまず肝要と考え政府といたしましても必要な対策を講じているところでございます。  いずれにしても、今回の地震による被害の甚大性にかんがみ、被害状況を踏まえつつ、また、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の立法経緯等も勘案しつつ、適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
  171. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 以上で終わりたいと思いますが、今日まで建設大臣あるいは国務大臣、大変な御苦労をいただいておりますが、また、職員の皆さん方も疲労も重なっているのではないかというように思っておりますけれども、ぜひひとつ、現地の市民の実情にかんがみまして最大の御努力を賜りますように心からお願い申し上げて、終わりたいと思います。
  172. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、玄葉光一郎君。
  173. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 新党さきがけの玄葉光一郎です。  冒頭、今回の大震災でお亡くなりになられた方々に対して心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、また、被災された方々に対してお見舞いを申し上げたいというふうに思います。また、両大臣、両省庁の皆さん大変御苦労されておられて、ともに頑張りたいなというふうに思います。  阪神大震災復旧並びに復興の問題に関しましては、大分お聞きしたい点について既に答弁もございましたし、また、私自身も連立与党の対策本部で政府と密に連絡をとり合っておりますから、今回の質問の中では、前半は国土政策について、あとは時間の関係もありますが、住都公団の今後のあり方について御質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず国土政策についてでございますが、長官はこのたびの所信表明の中で、最近の我が国国土をめぐる環境変化を踏まえた新しい全総というものを「平成年度中を目途」に策定をするんだというふうにおっしゃったわけでありますけれども、その新しい全総については、「これまでの単なる継続ではない新しい理念」に基づいて策定をするんだということでございます。まず、その「新しい理念」とはどんな理念なのか、お伺いをしたいと思います。
  174. 小澤潔

    小澤国務大臣 新しい全総の理念とはどうかと、こういう御質問でございますが、人口減少、高齢化時代の到来、世界各国間の相互依存性の高まり、地球環境問題の広まり、地方の主体性を高める方向の論議の活発化などの時代の大きな変革に対応するため、昨年十一月十日に国土審議会を開き、総理並びに私からも、委員先生方にお願いをいたしたところであります。平成年度目途に、新しい理念に基づいた全国総合開発計画策定することといたしております。  新しい理念の内容につきましては、先ほど申し述べた時代の大きな変革に対応し、安全で質の高い国土多様性のある国土、国際化に対応した国土等を念頭に置きながら、二十一世紀にふさわしい国土づくり指針となるよう、十分に検討を重ねてまいりたいと考えております。
  175. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 今、長官から多様性のある国土というお話がありました。お聞きをするところによれば、国土庁国土計画基本問題懇談会の報告書は新しい全総のたたき台になるのだというお話でございます。この懇談会の報告書によりますと、新しい全総が目指すべき方向というのは、いわゆる今までの地域格差の是正というか、そういったものをある意味では捨て去って、今おっしゃったような多様性のある国土をつくるのだということを方向として出されているわけでございます。  地域整備の画一性というのが目立つ昨今でもございますし、また同時に、いわば子供が少ない、生まれる赤ちゃんが少ない、あるいはお年寄りがふえる。そういう中で、我々の国土あるいは国力というのは、基本的にはそのままいけば衰退をしていくのだろう。その衰退を回避するためには、やはりどうしても競い合いというか、競争というか、地域間競争というか、そういったものが必要になるのだろう。そういう意味では、今おっしゃった多様性とかあるいは自律性とか、そういったことに関しては理解を示したいという気持ちがございます。  ただ、問題が二つあるのではないかというふうに思っております。一つは、地域がそういった多様性とか自律性といったものを発揮するためには、まさに昨今言われているような地方分権というか、財源と権限の大幅な移譲、特に財源問題の解決なんかは非常に大切になってくるし、大前提なのだろうというふうに思います。新しい全総と地方分権との関係についてお伺いをしたいと思います。
  176. 小澤潔

    小澤国務大臣 お答えをいたします。  魅力と活力に富んだ多様性を有し、自律的な地域社会を形成していくためには、住民の選択と責任のもとに、地域が主体的にその地域課題に取り組むことが重要であると認識をいたしております。  新しい全総計画策定に当たりましては、こうした点を踏まえ、国土政策観点からも地域開発地域づくり等に対する国のかかわり方、あるいは国と地方の役割分担のあり方等について十分検討してまいりたいと思います。     〔委員長退席、太田(昭)委員長代理着席〕
  177. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 もう一つは、もし地域格差の是正という理念を捨て去るということになれば、特に小都市とか農山漁村というものが大変心配でございます。  多様性というのは先ほど申し上げたような意味で理解をするわけでありますけれども多様性とか自律性という名のもとに、どうしても基盤の弱い小都市とか農山漁村が、見捨てられると言ったら語弊がありますけれども、活力が弱まってしまうのではないか、そういうふうに一方で危惧しているところでございます。もう御存じのとおりの小都市や農山漁村の状況でございます。人口も減り、お年寄りもふえている。一方で、さらに産業空洞化の現象というのは、特にそういった小都市とか中山間地域にもろに打撃があって、せっかく自治体が誘致した工場は、もう今や地域に行きますと閉鎖になったり縮小されています。さらに、ガット・ウルグアイ・ラウンドの影響ということでございます。  今回、私は長官の所信をずっと改めて読ませていただいたのでありますけれども、これは大都市に住んでいる方が読むと、特に「都心居住」ということが書いてあって、まあある意味では、この施策が進めば通勤時間が減って、家族との団らんもふえて、場合によっては住宅価格も下がって、地価も下がって、何となく大都市に住んでいる人は、ああ今のままいってくれれば生活がよくなるなという印象を受けるのですね。しかし地方圏に住む人がこれを読めば、今の活力減退の状況をある意味では追認をした上で今の振興法を単純に延長する、それでさらには総合的な施策が必要だ、そういう感じなのですね。率直に申し上げて、夢や希望もないというか、そんな感覚が私にはございます。  長官、小都市とか農山漁村の整備についてどのようにお考えになっておられるか、お伺いをしたいと思います。
  178. 小澤潔

    小澤国務大臣 私も、かつて農村の過疎地帯をつぶさに視察をしてまいりました。群馬県でありますが、そして農民の皆さんと直接懇談もしてまいり、その大変さ、これは活性化しなければならない、こういったことも痛感して、視察をしたところであります。  過疎地域等の条件不利地域におきましては、一般に過疎化、高齢化が進行しており、今後この傾向がさらに強まるおそれがあります。このため、国土庁といたしましては、これまでも産業振興、生活環境の整備等地域の活性化に向けて積極的に取り組んできておるところであります。  今後につきましても、国土庁といたしましては、過疎地域等の条件不利地域について、地域の活性化と国土」の均衡ある発展を図るとともに、これら地域が有する国土保全機能が十分に発揮されますように、例えばU、J、Iターンを推進するための就業機会の確保や定住促進団地の整備等生活基盤の整備、そして地域資源の活用や滞在型施設の整備等による地域間交流の推進など、各般の施策を関係省庁と緊密な連携のもとにさらに積極的に推進してまいる所存であります。  また、農山漁村地域生活圏の中心となっている地方中小都市につきましては、近年その多くで人口減少等の停滞傾向が見られるところであり、これら中小都市の活性化は重要な課題であると認識をいたしております。  地方中小都市の活性化を図るため仁、地域資源の有効活用など発展のかぎとなる特色ある分野の育成、圏域住民の生活センター機能の充実など、生活・生産基盤を整備することが必要であると考えております。国土庁におきましては、このための調査研究を実施することとし、この成果を十分踏まえ、今後の活性化方策を検討してまいる所存であります。
  179. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 農山漁村については、建設委員会の所管からは外れますけれども、例えば森林を保全するために、森林交付税というような形で国税の一部を市町村に還元をするとか、あるいは中山間農業に対して何らかの日本型の新しい仕組みをつくって財政措置をするとか、そういったことも将来は視野に入ってこなくてはいけないというふうに私は思っていますし、また、小都市でありますけれども、我々のこの国土というか日本というのは、地方の中核都市の周りにというか、十キロ、二十キロくらい離れたところに数多くの、人口一万人から三万人くらいの小都市というものを有していると思います。大体その小都市というのは、周りを何カ町村かの過疎地域、過疎町村に囲まれているのではないかなというふうに思うのです。ですから、そういう過疎地域への波及ということを含めて考えますと、ある意味では、小都市をいかに元気づけるかということは、私はこれから国土政策の大きなポイントになってくるのではないか、そういうふうにも思っているところであります。  ところが、小都市の活性化の施策展開というのは、今までの国土政策のいわばエアポケットに私はなっていたのではないだろうか、そういうふうに思います。過疎については、まだまだ不足はしていますけれども、例えば過疎債を発行して、かなり事業がしやすくなっています。あるいは地方の中核都市なんかは、昭和三十七年ですか、新産都市が制定されて、今の地方拠点都市に至るまでさまざまな施策が展開されている。しかし残念ながら、小都市については、ある意味では何もしてこなかったと言ってもいいのかなというふうに私は考えているところでございます。  そういう意味では、これから小都市の振興施策というのを大胆に、小都市債を発行するとか、いろいろ知恵を絞って仕組んでいく必要があるのではないかなというふうに思いますけれども、一言だけ長官よろしく。
  180. 松本英昭

    松本政府委員 ただいま御指摘のように、小都市に対する施策というのが今まで十分ではなかったのではないかということでございますが、私どもも、ただいま大臣が答弁いたしましたように、中小都市が持ちますいわゆる周辺地域に対する生活センター的機能、これにやはり着目をしてこの小都市あり方というものを考えていかなければならないのではないかということで、明年度の予算で調査費を計上をいたしているところでございます。  ただいま過疎情的なということをおっしゃいましたが、過疎というのは、これは言ってみれば自然的、社会的条件のために一種のいわゆる病理現象的な現象が起こっている、こういうことでございますので、同じようにはなかなか考えられないと思いますが、しかし現在でも中小都市に対しまして、地方債と交付税を組み合わせた制度のいろいろなものがございまして、それを有効に活用していくならば、非常にこれが有益になるだろうという考え方を持っております。  なお、いわゆる来年度の予算で、この中小都市というものに対してどういう対応をしていくかということについて、私どもとしても十分勉強させていただいて、また適切な対応をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
  181. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 私は、この小都市という問題、ポイントだと思っておりますので、これからもお互い知恵を絞っていいものをつくり上げたいものだなというふうに思います。  東京一極集中というのは、私は、集中が集中を呼ぶメカニズムになっているというふうに思います。東京というのは、もう御存じのとおり、過密に伴うデメリットはあるけれども、一方で、情報化とか国際化が物すごく速く進んだ結果、ビジネスチャンスとかが生まれて、企業が集中をする。企業が集中をして人が集まり、人が集まるから労働市場とか消費需要を求めてまた企業が集まる、そういう悪循環あるいは集中が集中を呼ぶメカニズムになっているわけでありますけれども、それを断ち切る非常に有力な手だてが、私は遷都ではないか、あるいは国会移転あるいは首都機能の移転分散ではないか、そういうふうに思っております。  長官、この遷都あるいは首都機能の移転分散は、まさに新しい全総に対して明確に位置づけをしていくべきだというふうに思いますが、その関係についてお伺いをしたいと思いますし、また、今回の阪神大震災、痛ましい震災であったわけでありますけれども、ある意味で危機管理のあり方をもうさまざま提起をしたのではないかというふうに思います。この危機管理の面からも、首都機能の移転分散あるいは国会移転、遷都、この議論を急ぐべきではないかというふうに思いますけれども、お伺いをさせていただきたいと思います。
  182. 小澤潔

    小澤国務大臣 先生の御指摘のとおりであろうと思います。  首都機能移転につきましては、二十一世紀我が国の政治経済及び文化のあり方に大きな影響を及ぼす課題であると認識しており、今後の国土構造をデザインする上でも、重要な検討事項であると考えております。  現在、国会等の移転に関する法律に基づき設置された国会等移転調査会において、首都機能移転の具体化に向けての調査審議が鋭意進められておるところであり、次期全総計画での取り扱いについては、その調査審議の状況や今回の兵庫県南部地震教訓等を踏まえながら、危機管理を踏まえて検討してまいりたい、かように考えております。
  183. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 では、次に移りたいと思います。住都公団についてでございます。  昨年十一月のこの委員会の中で、私自身の私見と申しますか、住都公団の今後のあり方について、その一端は述べさせていただいたところでありますけれども、私自身は、この住都公団の果たしてきた役割について評価をしております。ただ、これからもその延長線上で、その存在意義をそのまま認めていくということは果たしてどんなものかというふうに考えているわけであります。  率直に申し上げれば、住都公団は、民間ではできない大規模開発とかあるいは再開発、まあ町づくりのプロといいますか、そういったものとして生きていくべきで、直接の住宅供給はこれからはもうストップしてもいいのではないか、場合によっては、これから住宅供給部分をでき得るなら民営化するくらいのことも含めて大胆に検討していく必要があるのではないか、そのように思っておりますけれども、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
  184. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 お話がございましたように、住都公団の任務、確かにおっしゃるように新しい町づくり、そして住宅でいえば、公営住宅は二分の一で安い。勤労者の住宅としては、この住都公団が供給し、七十年間で減価償却をしているものですから比較的安い、中堅層向け。お金がある方々は、民間のマンションにお入りになればそれでいいのではないか、こういうふうな段階になってくるだろうと思います。  先生が何回もお話しになったように、私は、全国を見て均衡ある国土発展をしなければならぬだろう、東京一極集中は排除しなければならない。だから、地域高規格道路というものを考えておる。だけれども東京にお住みになっている方々は、そのままでいいのか。そういうわけにならない。だから、サンサン・グリーン方式というようなものも考えていかなければならない。したがって、三十分間で企業のところに到着ができるような住宅というものを考えていかなければならない。  しかし、それぞれの任務、効率的に運用されておるのか、国民のニーズに合っておるのか、こういう面から十分検討していかなければ、これは行政改革の対象にしておるわけです。だから、そういう地域づくりというような、都市づくりというものについて、三菱とか三井とか、いろいろ相談してみましたら、とてもそういうことはできぬ、一枚かむことはできるけれども自分らではできません、こういうことですから、民間でできる住宅は全部民間に移管していく。したがって我々は、新たな国民のニーズに合う都市づくりというものについて、住都公団は使命感を持ってそれに突き進む、こういう姿にしていきたいと考えております。     〔太田(昭)委員長代理退席、委員長着席〕
  185. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 まさに今おっしゃったように、民間でできるものはもうみんな民間にやらせるのだという方針をこれから貫いていただきたいな。そうすれば、必然的に直接供給はなくなるのではないか。場合によっては、民間でやりにくい、高齢者の住宅とか、そういったものについてはわからないでもないのでありますけれども、もう民間は大分しっかりしてきていますから、大抵のものはやれるのではないかなというふうに思っておりますので、ぜひその方針を貫いていただきたいなというふうに思います。  確かに大都市の借家の質というのはまだまだ低いのですけれども、やはり圧倒的な量を占めるのは民間の賃貸でありますから、もう直接供給をやめて、そちらの質を上げる何か違う方法をこれから考えていくということの方が、私は住宅政策の望ましい姿ではないかなというふうに思っております。  また、先ほど大臣がおっしゃったように、住宅弱者が入っているというお話もありましたけれども、そういったことに関しては、例えば違う家賃補助とか、あるいは地方公共団体にある意味ではお任せをすることも含めて、そんな工夫だって、私は可能ではないかなというふうに思いますので、どうか、これは今後また委員会などで質問させていただきたいと思いますけれども、行革の一環として、抜本的にかつ大胆にこの住都のあり方をさらに深く検討していただきたいなということをお願いを申し上げたい。  最後に一言だけ、決意だけお伺いをして、質問を終わらせていただきます。
  186. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 玄葉さんの話を聞いておりますと、すべて民間に移管をしろ、住宅直接供給は、こういうことですね。  我々も、民間と競争して銀座や新宿に一つずつ建てていくというようなことはやめましょう、大きな地域都市づくりをやりましょう、そういう姿が住都公団の一応の任務である、そういう任務づけをして、住宅供給も、都市づくりの場合はやります。やらなければ、やはり勤務者等については民間の住宅にはなかなか入れないということもありますので、それぞれをにらんで、民間でできる方法というところは民間に移管、我々が都市づくりをしてそこに建てる場合は建てていくという格好に当分はしていきたい、こういうふうに考えておりますので、先生の御意見意見として十分承った、参考にしてまいりたいと考えております。
  187. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 また委員会でやらせていただきますが、ぜひそういうことも含めて検討していただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。
  188. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、中島武敏君。
  189. 中島武敏

    ○中島(武)委員 私は、きょうは阪神大震災とその対策について伺いたいと思っております。  まず最初に、去る一月十七日の阪神大震災でお亡くなりになった五千人を超える方々と御遺族の方々に心から哀悼の意を表明するとともに、けがをされた方、避難所で今なお不自由な生活を送られている方々に、心からお見舞いを申し上げる次第であります。  私たち日本共産党は、被災住民への救護活動と地震に強い都市づくりを目指して、神戸市を初めとした被災自治体の復興全力を挙げる決意であります。私自身、二月三日より九二日間、芦屋市、神戸市、東灘区、灘区を歩いてまいりました。マスコミの情報よりはるかに大きい被災の現状は、言葉に言い尽くすことのできないものであります。被災者の方々が安心して生活できることを最優先した緊急策の実施とともに、災害に強い兵庫県と国土の構築こそ、当面する政治の最重要課題であると思います。  さて、私が現地に行って非常に感じたことは何かというと、今回の阪神大震災は、地震という自然現象によるものではありますが、死者五千人以上というとうとい人命の犠牲をもたらした政府の責任は覆いがたいということであります。なぜこれだけの犠牲者を出したのか、なぜ神戸を初めとした都市の壊滅的ともいうべき被災をもたらしたのか。世界でも有数の経済力と近代的な科学技術水準を持っていると言われている我が国が、確かに巨大なエネルギーの地震であり、その被害を完全になくすことはできないにしても、被害を最小限に抑えることができなかったのか。これは政治の責任であり、人災と言われるゆえんであります。  政府は、震災発生後、一貫して予想を上回る被害その他の言葉で言い逃れに終始したと思うのです。これは、政府震災に対する軽視と恐るべき無反省と言わなければならないと私は感じています。  私は、震災対策、また当面する応急復旧対策で責任ある部署を預かる建設、国土大臣に、多くの犠牲者を生み、今なお今後の生活の展望さえ見出せない多くの人々に対して、現在どのように思い、またその責任をどのようにとられるおつもりか、率直にお伺いいたしたいと思います。
  190. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 兵庫県の南部地震に対しまして、中島委員からも御指摘がありましたように、五千人に上る死亡者を出した、そして多くの避難民がいまだにこの寒空に避難所におられる、こういうことを考えてまいりますと、あなたと同じように胸がつぶれる思いがいたします。  私も、建設大臣でありますが、当日六時に起きまして大阪のニュースキャスターがお話をされるのを聞き、神戸のNHKの放送局が大揺れに揺れておる。それで、橋が落ちたということを聞いて、私の秘書官から六時三十分電話が入りました。六時四十分には防災課長からありました。八時から建設省災害緊急対策本部をつくるということで、九時につくりまして、私は閣議が終わるとすぐに現地に飛びました。二日間おりました。次の土曜日と日曜日も行きました。聞きしにまさるといいますか、空から見たものと下におりたものとは随分違うなということを痛切に感じ、極めて残念に思い、遺憾に思っております。  そういう認識に立っておるわけでございまして、建設省としては、関東大震災や新潟地震や、その都度補強し、基準というものを見直してまいりましたが、今度の場合はそれ以上の大きな地震であった、こういう認識をしておりまして、徹底してその状況というものを把握し、地震学会あるいは橋梁学会、そういう合同の委員会をつくりまして、現地に十八日に派遣をしております。そして一月の二十四日に第一回、二月の十日に第二回と、今三月までにはその原因追求は終わるという気持ちでやってほしいということで、その対応策については、業界の諸君等も十八日集めて、社長以下陣頭指揮で現地に赴いておるところでございます。  私は、この貴重な体験、本当に二度とあってはならないというこの大震災を十分重く受けとめてこれからの対応をしてまいりたい、こういう決意でおります。
  191. 小澤潔

    小澤国務大臣 私も建設大臣と同じであります。  地震多発国である我が国は、過去多くの地震災害を経験してまいりました。政府といたしましても、国民生命財産地震災害から守るため、都市防災化の推進や防災体制の強化などの対策を講じてきたところであります。  今回の兵庫県南部地震により甚大な被害発生いたしましたが、このことを重く受けとめ、今回の災害について詳細な調査分析を早急に行うとともに、この結果を踏まえ、地震対策の一層の充実強化を図ってまいる所存であります。
  192. 中島武敏

    ○中島(武)委員 今の決意に関連して、国土庁長官に伺いたいことがあります。  それは、初動のおくれが被害を増幅させたことは、今日では非常に明白だと思います。実は、地震発生後すぐ現地に入って救援活動を行った同僚議員からの連絡で、私は一月十八日の午前に国土庁に対して申し入れをいたしました。飲料水が足りない、食料が、毛布が緊急に必要としている、また瓦れきの下にはまだとうとい命が救出されるのを待っておる、このためにも重機を総動員してもらいたい。輸送路が壊滅をいたしておりますので、ヘリコプターを政府の責任で大動員してもらいたい、政府関係で足りなければ民間のものを動員をしても、総動員をしてこれらのことをやってもらいたい、こういう私、申し入れを行ったわけです。  ところが、これは本当に残念に私は思っているんですけれども、実際に本格的な救援に自衛隊のヘリが飛んだのは、報道によりますと二十日と言われているんです。十八日に申し入れて、十八日は動きがない、十九日も動きがない、そして二十日になって初めて動きが出たという報道なんですね。もし自衛隊のヘリが救援のために最初から飛んでいたならば、私はとうとい人命もかなり救うことができたんじゃないかと思えてならないんです。  そういう点で、この初動の決定的なおくれについてどんな責任を感じていらっしゃるかという問題について、私は率直な長官の気持ちをお聞きしたいと思うんです。
  193. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 今ヘリの話が先生からございましたので、消防なりそれから警察あるいは自衛隊のヘリの最初の一、二、二日間の活動状況について御報告させていただきたいと思います。  発災当日の十七日には、まず消防関係のヘリでございますが、広域応援を含む十二機が出動いたしております。被災状況の把握、負傷者の輸送や隊員、物資の輸送などを行っております。また警察関係では、大阪府警初め兵庫県警、京都府警等六都府県のヘリ十五機が情報収集、レスキュー隊員等の輸送を行ったところでございます。さらに自衛隊においては、陸海空合わせて七十六機のヘリコプターが出動・待機し、航空偵察、映像伝送や物資、人員、負傷者等の輸送を行っております。  翌十八日でございますが、まず消防関係でございますけれども、広域応援を含む十五機が出動いたしまして、前日と同様負傷者の輸送などを行ったほかに、医薬品の搬送を行っております。また警察関係では、ヘリコプター十機によりまして、情報収集、レスキュー隊員等の輸送を行っております。さらに自衛隊におきましては、陸海空合わせまして百十六機のヘリコプターが出動・待機し、物資、人員、負傷者等の輸送を行っているという状況になっておるところでございます。
  194. 中島武敏

    ○中島(武)委員 私も防衛庁に聞いたんです。なかなか国土庁から御返事がなかったんで防衛庁に聞きましたら、確かに待機しているんですね。何機動いたのかということについては、そういう数字はとってないから言えない、こういうお話でした。ですから、今のお話の中で、初日十七日が七十五機、それからその次の日百十六機といいますけれども、百十六機とか七十五機すべてが動いたんではないみたいなんですね。待機しているものも随分いたらしいです。
  195. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 おっしゃるように、出動・待機という表現を自衛隊は使っておりますが、その出動状態にあって待機をしておるけれども先生おっしゃいますように、確かに常に全機が空を飛び回ったということではないようでございまして、その区別についてはつかんでないというふうに聞いております。
  196. 中島武敏

    ○中島(武)委員 今、局長認められたとおりなんですよね。ここでは、この問題で初動が、自衛隊も救援のためには大いに使うべしというのが私どもの立場でありますから、もっと本当に早く、単なる待機を含めての数字、いや大部分は待機であったかもしれない数字だけではなくて、やってほしかったなという思いが非常に強いわけです。  それから、次に移ります。  緊急住宅対策、この問題について伺いたいんです。現地に入って私は避難所を回り、言葉をかけることさえできない状況ですよ。私が芦屋の市役所に行ったのは二月四日のもう正午近くでありましたけれども、被災者は昼食の最中でした。ある人は毛布の上で、ある人はトイレに近い廊下で、周りを気にしながら食事をしているんです。プライバシーも何もあったもんしゃないんです。温かい物を食べたい、こういう切実な食事への要求とともに、生き長らえた家族がせめて一家団らんで寝食をともにすることは最低限の要求でありますし、これを保障するのは政治の責任ではないかと私は思うんです。現在避難所に入っておられる方々は二十五、六万人と言われておりますけれども、しかし実際には、実家に帰ってしまったりあるいは親戚に身を寄せたりしている人がおりますので、当面住宅を必要としている人は本当は何人いるのかということはいまだに正確にはつかめない、そういう状況だと聞いております。  仮設住宅を含めた住宅確保については、当初二万戸、三万戸それから四万戸、そして最近では六万戸と確保目標計画を膨らませてきましたけれども、現在どこに何再確保したのか、このことについてお尋ねしたいと思うんです。
  197. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 私どもの関係いたしておりますのは、応急仮設住宅と、公営住宅その他の空き家を何とか活用できないかということを中心に取り組んでいるところでございます。  応急仮設の戸数につきましては、地元あるいは厚生省でお決めいただいております現時点の三万戸という数字に対しまして、何とか三月中には供給ができるような体制をとりまして、昨日までは二万二千戸が発注をされていたわけでございますが、きょうあるいはあすには残りの八千戸も発注が済むものという見通してございます。  それから、公営住宅あるいは改良住宅、公団住宅、地方住宅供給公社の住宅、雇用促進住宅、こういう既設の、現に建っておる住宅の空き家の活用というものは、それぞれの事業主体、都道府県その他の事業主体からいろいろな活用可能な住宅をお申し出いただいているわけでございまして、それが合計で現在二万六千五百戸という数字でございます。
  198. 中島武敏

    ○中島(武)委員 これは、実際に建設がなかなか進まないのはどこに原因があるとお考えですか。用地が不足しているのか。用地がもし不足しているのだったら国有地、公有地その他をどんどん放出するべきでありますし、それから民間から借り上げたっていいと思うのですね。あるいは未利用地を使ったっていいと思うのですが、生産が間に合わないのか。  一番望まれているのは、自分の生まれ育ったところで仮設住宅をと、それで後にはちゃんと落ちついた住宅を、こういうお気持ちなんです、みんな。ですから、今のお話の中にもありました公団、公社その他の応急住宅対策ですね、これは私も数字を出してもらったから知っておりますけれども、もう大多数は全国に散らばっているわけですよね。ですから、それがいけないというのではないのですけれども、それではなかなか応募しないいという現実がもう既に証明されておりますね。  やはり仮設住宅なんですよ。この仮設住宅なんですけれども、私も直接そこの責任ある人に電話して聞いているのです。そうしますと、やはりプレハブ建築協会に入っておられる方々、もう不眠不休の努力をしているのですけれども、しかし限界があるのですね。  だから、それでは大企業、大手メーカーはどうかということが当然問題になるのです。それで、この点についても、大手メーカーは厚生省が注文しておられるようなものはつくっていないのですよね。もしそれに応じるということになったら生産ラインを全部変えなきゃいけない、大変な問題が起きてくるわけなんです。そこで、その厚生省規格のものじゃなくてもっと大きいものでもいいという決断をするのか、それとも、いや生産ラインを変えてくれ、こういうふうに言うのか。もう実際にこの問題、地震が起きてから二十日間過ぎているのですね。随分建設大臣もこの問題でお骨折りをいただいているということを、直接私はこの協会の人たちからも聞いておりますけれども、ここのところは非常に大事なところで、決断をして進めませんと、なかなか十二社のプレハブ建築協会だけでは間に合わないという状態はもう目に見えておりますので、ここはひとつ、どうなのかというところを私、端的に聞きたいと思っているのです。
  199. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 特に応急仮設の場合には、先生指摘のように用地の手当てがつけば比較的近くに仮住まいができるということで、大変御期待が高いということは私どもも聞いておりますし、容易に想像できるわけでございます。  今の三万戸について詳しい情報もお持ちのようでございますが、私どもがこの建設の供給体制を組みましたのは、実は発災の翌日から始めたわけでございますが、現在日本のストックといいましょうか、過去通常できておりますシステムというのは、全国を動員いたしまして直ちにできるといいましょうか、そういう期間で見ますとおよそ五千戸ぐらいのオーダーでございます。したがいまして、その段階で今すぐ取りかかれるものについては、その段階では戸数は全くわからなかったわけでございますが、直ちに五千戸は動かしました。  その後で、今、先生ございましたように、いろいろな数字が、結果的には被害が思ったより大きいということもございましてどんどんふえてきたわけでございますが、その後は順次新規に生産をするという形で二万戸までいったわけでございますけれども、さらにその後で一万戸の御要望が参りました。その一万戸につきましては、ただいま先生が御指摘になりましたが、従来の仮設住宅の生産システムを超えまして、通常はそういうものは手がけていない、そういう部門も動員をしていただきまして、一万戸を追加して現在三万戸になっているということでございます。これらを共通して、戸数の生産面からの最も制約になっておりますのは、設備ユニットでございます。浴室ユニットあるいはキッチンユニット、そういうものの手当てがそう簡単にはいかないということが一点ございます。  それはそれといたしまして、今申し上げたような経緯で、何とか三月いっぱいまでは、今までやらないいろいろなことを動員いたしまして三万戸の体制ができたというのが実情でございますので、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。
  200. 中島武敏

    ○中島(武)委員 建設大臣決意もと思いましたけれども、ちょっと時計を眺めますと大分に時間が迫っておりますので、次の問題に移らせてもらいます。  芦屋シーサイドタウンについて伺いたいのです。この芦屋市の海岸の埋立地に芦屋浜シーサイドタウンという、公団の賃貸、分譲、それから県の公社賃貸、それから県営住宅、アステムというマンションが混在した団地があります。これは新日鉄、竹中工務店、松下電工、松下興産、高砂熱学が共同してつくったディベロッパーが開発したものであります。入居は一九七九年、三千三百戸か四百戸、人口八千人の団地です。  十九階の高層住宅であるアステムの団地では、肉厚が五センチ、一辺四十センチの鋼鉄の主柱が破断されているのです。もう見事に切れてしまっています。もうすき間がこんなにあいているのです。これが、住民の調査によりますと全部で五十一棟のうち二十一棟、三十九カ所破断されている、こういうわけなんですね。ある号棟では、百四十四戸のうち約二割の三十戸しか今住んでいない、全体でも二割から三割しか住んでいないと、住民が夜電気のつく部屋を見てそう言っていました。とにかく不安な毎日を過ごしているのです。ところが、この団地を施工した竹中工務店は、損傷が大きい棟でも震度五、揺れの最大速度で毎秒十二、十三センチ程度までは耐える、そういう調査結果が出た、柱が切れた部分に板を溶接し、一日でも早くもとの強さが出るようにしたいと、そして住民合意も十分でないまま一方的に補強工事をやっているのです。  私が現地に入ったとき、ちょうど住民が自主点検を行っていました。とにかく不安だ、居住する人はわずかで大部分は避難している、しっかりした科学的判断を早くしてくれと要望されました。専門家の中には危険を警告する人もおります。問題なのは、施工した竹中工務店が安全宣言をしていることでありまして、これでは住民が信用するはずはないのです。もちろん、個人の財産であり、個々に軽々に危険をあおるということは慎まなければなりません。したがって、第三者の公的機関による診断が緊急に私は必要だと思うのです。  それからまた、竹中はなぜ安全なのか、そのデータを公開するべきであります。結論だけじゃなくてデータをきちっと公開しないと、だれも、安全だと言われたって、ちょっと私も行ってみたけれども、おまえ住んでみると言われたらウーンと、こういう気持ちになりますね。大変な状態ですよ。このことについて伺いたいのです。
  201. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 専門家の住宅局長に後から答えていただきますが、私どもは、自治体の職員の皆さんあるいは建築士の皆さん、そういう方々の応援を受けて約三百名で、危険箇所は赤い紙を、そして物をとりに入ってもいいけれどもここに泊まってはだめですよというのは黄色、それから大丈夫ですというのは青というふうに、マンションその他には張ったつもりでございまして、公正な市の職員なり県の職員なり、あるいは公団なり建築士なり、そういう方々が見て、たたいてみて、そういうことを明確にしておるわけですから、私は、それを見て処理していただきたい。  大家さんはみずから、大丈夫だから入ってほしいということを言われることはわかりますけれども、第三者から、人命尊重という意味で、この家には、このマンションには入っては困る、貴重荷物の引き出しだけは結構というふうに選別をして、目に見えるように張っておるつもりでございますので、どういうぐあいになっておるのか定かではありませんので、担当の住宅局長から詳しく御報告させていただきます。
  202. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 ただいまの芦屋浜の高層住宅団地につきましては、御指摘のような主柱を構成する鉄骨に一部破断が生じているということは、報告をきちんと私どもも受けているわけでございます。  ただいま先生が御指摘になりました補強のことにつきましては、決して恒久的対策としての補強ではないというふうに聞いております。当面の予想される余震等に対しては十分耐えられるというレベルでの補強工事を目指してやっているものというふうに伺っているところでございまして、当然、恒久的な補強対策が行えるとしても、それについては工学的な検討を行った上で、地元の関係者において、ただいま大臣申し上げましたように、関係者、公共団体もございますし、そういうところで適切に進めるべきであるし、進められるというふうに考えておるところでございます。
  203. 中島武敏

    ○中島(武)委員 私の質問した点については、お答えはどうですか。  もう一回言いましょう。やはり竹中自身が検査をするということは、それはもう当然のことなんですけれども、しかし竹中は施工者でありますから、ですから竹中だけの言うことで皆さん信用ならないぐらい——やはり行ってごらんなさい、もう惨たんたるものですよ。僕らでもぞっとするような状態なんです。ですから第三者機関で、いわばもっと信用のおける、そういうところでもきちんとした点検と科学的な分析をちゃんと加えて、どうなのかという判断をするべきじゃないか。そういう診断が必要じゃないか。それからもう一つは、竹中のやったのは、大型コンピューターを使って、その柱がなくてもこれは大丈夫なんですという結論を出しているんですよね。ですから、ほう、そんなものかなと。  ちょっと時間がなくなっちゃったから、実はこれは引き続きやらないと、とてもじゃないけれども、これだけでちょっと終えられないのです。ですから、最初に聞いたそれについて。
  204. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 ただいまの御疑念を受けまして、そういうことも含めまして、きちんと処理をしたいと思います。
  205. 中島武敏

    ○中島(武)委員 実はこの問題は、補修のやり方そのものについても、さっきお答えがあったんですけれども、仮のものであったにしても震度五までしか耐えられないと言っているんですよ。それ以上の余震が来たら、さあどうするんだ、皆さんこういう気持ちがあるんですよね。だから、非常に急がなきゃならないし、補修のやり方、もう本当に急がなきゃならない。それから本格的な対策も、判断とそれからそれに従ってどうするのか、この問題も急がなきゃならない、こういう状況なんです。  それで、まだ途中なんですけれども、住都公団からおいでになっておりますので、一言聞きたいと思っております。  住都公団の賃貸でも、「応急に調査した結果、大きな被災は見当たりません。」と、「調査済」のこういうのを張っているわけなんですね。ところが、その後にだと思うのですけれども、また住都公団の名前で、これは大型コンピューターによる立体解析を行った結果大丈夫だということを出しているのです。これは、文言は住都公団になっておりますけれども、個人分譲住宅の方もアステムのところもみんな同じ文言なんですよ、実際の中身は。果たして住都公団でちゃんと責任のある点検をおやりになったのかどうか、科学的な分析を加えてこういうものを出したのか。名前は皆さんの名前になっているのだけれどもどうなんだと、住民みんを言っているのですよ、こんなので大丈夫なのかなと。もう物すごい不安ですよ。だから私は、こんなことで、応急補修というだけではとても済まないのじゃないかというように思うのです。  時間が来ておるようですけれども、その点ひとつ答えてください。
  206. 鈴木政徳

    鈴木参考人 御指摘のように、この芦屋浜シーサイドタウンには、私ども、賃貸住宅及び分譲住宅が多数ございます。  そこでまず、先ほど住宅局長からもお話がございましたように、破断した柱部分を補強することがまず第一に必要なことということで、現在、溶接により補修を、分譲、賃貸両方とも既に工事に取りかかっているところでございます。さらに、その後の恒久的な対策につきましては、詳細な調査を行った上で、建設省あるいは兵庫県ともよく検討して、その対策を今後講じていくというつもりでございます。
  207. 中島武敏

    ○中島(武)委員 時間が来ておりますので、私これでやめますが、今の問題は、結論じゃなくてまだ継続してお尋ねをしたいと私思っておりますことを申し添えまして、これで質問を終わりにさせていただきます。
  208. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、大矢卓史君。
  209. 大矢卓史

    ○大矢委員 民主新党クラブの大矢卓史でございます。  質問に入ります前に、委員長初め理事、また委員の各位に大変御協力いただきましたこと、心から御礼を申し上げたいと思います。  今回の兵庫県南部地震につきましては、五千名を上回る死者を出しました。亡くなられました方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災に遣われました皆さん方にも、心からお見舞いを申し上げたいと思います。  限られた時間でございますので、建設大臣に、質疑内容を聞いていただきながらお答えをいただければ大変結構かと思います。  今度の災害状況についてはいろいろと新聞報道もございますけれども建設省は、安全と復旧についてこれから一番頑張っていかなきゃならぬところであると思いますが、資料がたくさん出回っております、数字が。それがおのおの違うのですけれども建設省はどの資料で、いわゆる内閣としてはどの資料を中心に、数値をもって対策を立てていらっしゃるのか。まず、わかりましたらお答え願いたいと思います。
  210. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 私はよく聞き取れなかった点がございますけれども、もし間違ったら再質問をお願いしたいと思い、ます。  おっしゃるように、五千名を超える死者を出したということについては痛恨のきわみというのは、大矢先生と同感であります。心から御冥福を祈りますが、被災者の皆さんにどう住宅をやるかということが問題であります。  一つは、お話があったように、仮設住宅は今三万戸ですね、三月末までに三万戸できます。それから、今お話があったように、雇用促進住宅やあるいは公営住宅や公団の住宅の空き家、これが二万六千二百あります。そうすると五万六千二百です。さらに、足らないということで、これから発注をしなければならぬだろうと思いますが、これは兵庫県と各市の自治体の結論を待たなければならぬ。したがって、今は高齢者の皆さんや肢体不自由な方たちに対して何とかしなければならぬではないかということで、閣議できのう八千戸、例えば民宿、ホテルどこでもいい八千戸を用意するという格好で、合計いたしますと六万四千二百という数字が出てくるのではなかろうか、こういうふうに思っております。  そこで、隣県及び他県のそれぞれの空き家については、神戸市あるいは芦屋市ではなかなか難しいので、大阪市に十四人で支援センターをつくって、そこに申し込めば神戸とつなぎ合わせて対応する、こういうふうに、割に簡素化をして実のあるような方法をとっておるというふうに承知をしておるところでございます。
  211. 大矢卓史

    ○大矢委員 ちょっと聞きにくかったら済みません。  おいおいそのことにつきましてはお聞きをしたいと思いますけれども、そうでなしに、まず基礎的になる被害状況の数字が、これは国土庁からいただきました。国土庁からいただいたやつについては消防庁の資料でもって出てきておりますし、また厚生省は厚生省なりに世帯数で数字を出していらっしゃいます。このときに非常に図られたのは、警察庁が出しておりますが、その警察庁が出しておるのが十五分違いでやはりもう既に数字が違うわけですね、消防庁と。ですから、建設省は一番仕事の中心でやっていらっしゃるので、やはりまたそれと、村山内閣の片腕と言われる建設大臣がどういう数字でもってすべてのこれからの問題に対処していただいているのかということを、まずお聞きしたいということであります。
  212. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 私ども、発災の日に非常災害対策本部を設置しておりますが、そこで公表いたします基礎数字は、消防庁の数字を基礎にいたしております。例えば、現時点でといいますか、最新の時点では二月の六日の十六時の集計ということになっておりますが、死者が五千二百五十、行方不明者が六名というふうなことでございます。  ただ、先生今おっしゃいましたように、警察でも特に死者等の数字を発表しておりますが、若干ずれております。むしろ警察の方が、一般的に言いますと消防の数字より早いケースが多いわけでございます。したがいまして、急を要する最初の段階では、警察の数字もあわせて使って判断の材料にはいたしております。  以上でございます。
  213. 大矢卓史

    ○大矢委員 これは、六日の資料をいただきましたら、十六時四十五分警察の方の建物の被害状況は十万七千六百十でございまして、消防庁の方は十一万四百六十八というふうになっております。多少は違うかもわかりませんけれども内閣でもって同じ調査をするのになぜこんな違うものが出てくるのか。それはもう当然、国土庁でやっていらっしゃるから、建設省国土庁のやつを使っている、内閣としてはこれでやっているというならそれで結構なんで二ざいますけれども、その点がまず聞きたかったことであります。  それから、時間がございませんので、まずお聞きをしたいのは、これはもう大臣に聞いていただいておけばいいと思いますけれども、私、大臣出席にならなかった交通安全対策特別委員会で二カ月前、十一月の十七日、このときに道路の安全で道路局長の藤川さんにお尋ねをいたしました。ところが、もう絶対大丈夫だ、ずっと巡回しておるから大丈夫なんだと言ったその二カ月後に、こういう不幸な結果が起きたわけだ。決してこれは藤川さんのせいでも何でもないですから、これを追及しようと思いませんけれども、阪高でもって今開通をいたしておるところでございます。それは、先ほどから言われておりますように、関東大震災のときには大丈夫だということですべて合わせてやってきたんだということでありますけれども、一体震度幾らまで大丈夫なのか、今開通させたところについてはどのように安全なのか、そういうことを簡単にお答え願いたいと思います。
  214. 藤川寛之

    藤川政府委員 阪神高速道路の被災状況、大変厳しいものがあったわけでございますが、被災後、阪神高速道路公団で被災状況について、橋脚とか橋げた、床板、それからあとは附属物、照明灯等が倒れたりしているケースもございますが、そういうものについてパトロールし、徹底的に点検をいたしまして、その点検結果に基づいてそれぞれ復旧を急ぎまして、その復旧工事を実施してまいったところでございます。  その復旧工事の進捗度合いをにらみながら、最初は緊急車両等の通行に供しようということで、走行条件に二足の制限を課しまして走行させていたところでございますが、現在では通常の走行ができるような、阪神高速の大阪府内の部分については走行ができるような状況になっているところでございます。私どもとしては、この応急復旧工事をやったわけでございますが、その応急復旧工事をやることによって、おおむね被災前の状況程度には復旧させることができているというふうに判断しているところでございます。  今も委員の方からもお話がございましたように、私どもの耐震設計の考え方というのが関東大震災クラスの地震にも耐え得る、落橋しないようにという考え方に立っているところでございまして、復旧後の状況というのは、ほぼそのような状況になっているのではないかというふうに想定しているところでございます。
  215. 大矢卓史

    ○大矢委員 簡単にお願いします。震度幾らまでなら大丈夫なんですか。
  216. 藤川寛之

    藤川政府委員 関東大震災の震度というのは六だというふうにお聞きしているところでございますが、御承知のとおり、国内でも新潟地震以来震度六の地震というのは結構ございました。五回ぐらいあったわけでございますが、その震度六の地震では、新潟地震のときには落橋いたしましたが、その後は落橋してないということでございまして、今申し上げましたように、関東大震災程度ということは、震度六程度には耐えられるのではないかというふうに想定しているところでございます。
  217. 大矢卓史

    ○大矢委員 大丈夫だと言われて二カ月後にだめになったということがございますので、ただ、けさの新聞で、大臣、これは政府としては震度七を想定して防災計画をつくり直すんだということになっていますね。だから、そうなってきますと、今のあのお答えでは、今後このままの形でいかないと思いますので、その点、大臣よくもう御存じですので、やはり安全というものが一番大事でございますから、今通ってもいいよということで急いでこれは通らせていただいておりますけれども、それがそういう形で政府自身がもう全部やりかえるのだということになりますと、それにのっとってやはりこれもやっていただきたいということをお願いをいたしたい。  それから、時間がございませんので復興の問題で、先ほどから言われておりますように安全であ  今度の災害状況についてはいろいろと新聞報道もございますけれども建設省は、安全と復旧についてこれから一番頑張っていかなきゃならぬところであると思いますが、資料がたくさん出回っております、数字が。それがおのおの違うのですけれども建設省はどの資料で、いわゆる内閣としてはどの資料を中心に、数値をもって対策を立てていらっしゃるのか。まず、わかりましたらお答え願いたいと思います。
  218. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 私はよく聞き取れなかった点がございますけれども、もし間違ったら再質問をお願いしたいと思い、ます。  おっしゃるように、五千名を超える死者を出したということについては痛恨のきわみというのは、大矢先生と同感であります。心から御冥福を祈りますが、被災者の皆さんにどう住宅をやるかということが問題であります。  一つは、お話があったように、仮設住宅は今三万戸ですね、三月末までに三万戸できます。それから、今お話があったように、雇用促進住宅やあるいは公営住宅や公団の住宅の空き家、これが二万六千二百あります。そうすると五万六千二百です。さらに、足らないということで、これから発注をしなければならぬだろうと思いますが、これは兵庫県と各市の自治体の結論を待たなければならぬ。したがって、今は高齢者の皆さんや肢体不自由な方たちに対して何とかしなければならぬではないかということで、閣議できのう八千戸、例えば民宿、ホテルどこでもいい八千戸を用意するという格好で、合計いたしますと六万四千二百という数字が出てくるのではなかろうか、こういうふうに思っております。  そこで、隣県及び他県のそれぞれの空き家については、神戸市あるいは芦屋市ではなかなか難しいので、大阪市に十四人で支援センターをつくって、そこに申し込めば神戸とつなぎ合わせて対応する、こういうふうに、割に簡素化をして実のあるような方法をとっておるというふうに承知をしておるところでございます。
  219. 大矢卓史

    ○大矢委員 ちょっと聞きにくかったら済みません。  おいおいそのことにつきましてはお聞きをしたいと思いますけれども、そうでなしに、まず基礎的になる被害状況の数字が、これは国土庁からいただきました。国土庁からいただいたやつについては消防庁の資料でもって出てきておりますし、また厚生省は厚生省なりに世帯数で数字を出していらっしゃいます。このときに非常に図られたのは、警察庁が出しておりますが、その警察庁が出しておるのが十五分違いでやはりもう既に数字が違うわけですね、消防庁と。ですから、建設省は一番仕事の中心でやっていらっしゃるので、やはりまたそれと、村山内閣の片腕と言われる建設大臣がどういう数字でもってすべてのこれからの問題に対処していただいているのかということを、まずお聞きしたいということであります。
  220. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 私ども、発災の日に非常災害対策本部を設置しておりますが、そこで公表いたします基礎数字は、消防庁の数字を基礎にいたしております。例えば、現時点でといいますか、最新の時点では二月の六日の十六時の集計ということになっておりますが、死者が五千二百五十、行方不明者が六名というふうなことでございます。  ただ、先生今おっしゃいましたように、警察でも特に死者等の数字を発表しておりますが、若干ずれております。むしろ警察の方が、一般的に言いますと消防の数字より早いケースが多いわけでございます。したがいまして、急を要する最初の段階では、警察の数字もあわせて使って判断の材料にはいたしております。  以上でございます。
  221. 大矢卓史

    ○大矢委員 これは、六日の資料をいただきましたら、十六時四十五分警察の方の建物の被害状況は十万七千六百十でございまして、消防庁の方は十一万四百六十八というふうになっております。多少は違うかもわかりませんけれども内閣でもって同じ調査をするのになぜこんな違うものが出てくるのか。それはもう当然、国土庁でやっていらっしゃるから、建設省国土庁のやつを使っている、内閣としてはこれでやっているというならそれで結構なんで二ざいますけれども、その点がまず聞きたかったことであります。  それから、時間がございませんので、まずお聞きをしたいのは、これはもう大臣に聞いていただいておけばいいと思いますけれども、私、大臣出席にならなかった交通安全対策特別委員会で二カ月前、十一月の十七日、このときに道路の安全で道路局長の藤川さんにお尋ねをいたしました。ところが、もう絶対大丈夫だ、ずっと巡回しておるから大丈夫なんだと言ったその二カ月後に、こういう不幸な結果が起きたわけだ。決してこれは藤川さんのせいでも何でもないですから、これを追及しようと思いませんけれども、阪高でもって今開通をいたしておるところでございます。それは、先ほどから言われておりますように、関東大震災のときには大丈夫だということですべて合わせてやってきたんだということでありますけれども、一体震度幾らまで大丈夫なのか、今開通させたところについてはどのように安全なのか、そういうことを簡単にお答え願いたいと思います。
  222. 藤川寛之

    藤川政府委員 阪神高速道路の被災状況、大変厳しいものがあったわけでございますが、被災後、阪神高速道路公団で被災状況について、橋脚とか橋げた、床板、それからあとは附属物、照明灯等が倒れたりしているケースもございますが、そういうものについてパトロールし、徹底的に点検をいたしまして、その点検結果に基づいてそれぞれ復旧を急ぎまして、その復旧工事を実施してまいったところでございます。  その復旧工事の進捗度合いをにらみながら、最初は緊急車両等の通行に供しようということで、走行条件に二足の制限を課しまして走行させていたところでございますが、現在では通常の走行ができるような、阪神高速の大阪府内の部分については走行ができるような状況になっているところでございます。私どもとしては、この応急復旧工事をやったわけでございますが、その応急復旧工事をやることによって、おおむね被災前の状況程度には復旧させることができているというふうに判断しているところでございます。  今も委員の方からもお話がございましたように、私どもの耐震設計の考え方というのが関東大震災クラスの地震にも耐え得る、落橋しないようにという考え方に立っているところでございまして、復旧後の状況というのは、ほぼそのような状況になっているのではないかというふうに想定しているところでございます。
  223. 大矢卓史

    ○大矢委員 簡単にお願いします。震度幾らまでなら大丈夫なんですか。
  224. 藤川寛之

    藤川政府委員 関東大震災の震度というのは六だというふうにお聞きしているところでございますが、御承知のとおり、国内でも新潟地震以来震度六の地震というのは結構ございました。五回ぐらいあったわけでございますが、その震度六の地震では、新潟地震のときには落橋いたしましたが、その後は落橋してないということでございまして、今申し上げましたように、関東大震災程度ということは、震度六程度には耐えられるのではないかというふうに想定しているところでございます。
  225. 大矢卓史

    ○大矢委員 大丈夫だと言われて二カ月後にだめになったということがございますので、ただ、けさの新聞で、大臣、これは政府としては震度七を想定して防災計画をつくり直すんだということになっていますね。だから、そうなってきますと、今のあのお答えでは、今後このままの形でいかないと思いますので、その点、大臣よくもう御存じですので、やはり安全というものが一番大事でございますから、今通ってもいいよということで急いでこれは通らせていただいておりますけれども、それがそういう形で政府自身がもう全部やりかえるのだということになりますと、それにのっとってやはりこれもやっていただきたいということをお願いをいたしたい。  それから、時間がございませんので復興の問題で、先ほどから言われておりますように安全である、また注意だ、またこれはもう危険だというようなやつは、やはり先ほど御説明ありましたように、二つの段階で、公のやつにつきましては、また集合住宅については県と近隣の市町村の人たちが一緒になって、全部ローラー作戦でやったという。個人の問題については、これはやはり今どんどん個人の申し入れしてくださいよということで、これはボランティアに任せておるということですから、これも含めてやはり再建の計画をやっていくためには、いつまでもボランティアということにはいかないと思いますので、これもやはりそういう近隣の府県の応援を得ながら早急に危険度というものを決めていただかないと、そして危ないというものについてはこれを取り除く。  これを取り除くことについては、応急仮設住宅につきましても、瓦れきにつきましても、先ほどから住宅局長説明をしていらっしゃいますけれども、これは厚生省の担当だそうであります。厚生省の方に、瓦れきについてはいつまでに全部終えるつもりなのか、二言だけでいいですから答えてください。
  226. 三本木徹

    ○三本木説明員 瓦れき処理の計画は、まだ具体的には現在着手している状況でございまして明確に答えられないわけですが、ただ数市町村においては、一カ月から六カ月以内で可能ではないかというふうに言っております。ただ、神戸市などにおきましては、全部が片づくまでには一年以上かかるのではないかというふうに報告を受けております。
  227. 大矢卓史

    ○大矢委員 応急仮設住宅について、お答え願います。
  228. 松尾武昌

    ○松尾説明員 応急仮設住宅につきましては、厚生省の災害救助法の中に規定されておりまして、私どもで担当しておりますが、今回の大震災における仮設住宅につきましては、大量に早急に対処する必要があることから、建設省に全面的なお願いをいたしましてやっておるところでございます。  内容でございますが、現在三万戸の建設計画を立てておりまして、二万二千戸を発注し、一万一千戸について工事に着手しているところでございます。未発注の八千戸につきましても、国公有地あるいは公団所有地等の積極的な応援を得まして早急に取りかかるということで、三月末までには完成させるべく最大限の努力をしておるところでございます。
  229. 大矢卓史

    ○大矢委員 けさからも、住宅局長、輸入の住宅について報告ございました。聞きましたけれども、それにつきましても、応急住宅であるというなら何か厚生省だそうだ。そういうものは、この際一元化して建設省で全部やるということでないと、これはたまたま一カ所でどうだこうだということの場合にはこれでもいいのですけれども、もうやはり前面に立って建設省の方で一括してやっていただくということでないと、たまたまごみはどこだとか、それから応急住宅はどこだとかいう、普通のような感覚でこれは進んでいけないと思います。それだけ一生懸命皆さん方やっていただいておるのに、一向に現場で、今神戸市は一年先だというふうになりますと、応急住宅が二年になっている。二年で、一年先に片づいてそれを建設にかかろうとしたら、とてもじゃないけれども建設に間に合わないわけであります。  それと、住宅の問題も住宅局長おっしゃっていますけれども、実際に入れる住宅というのは少ないわけです。今の戸数というのは日本全国のものを集めたものです、公団と市、府の住宅、そして供給公社、雇用促進事業団も出しておるようでありますけれども。雇用促進事業団は事業団の窓口でやっています。これがみんな集められて、一つのところで受け付けたら全部行くんだということでないんです。ですから、大臣もよく御存じだと思いますけれども、雇用促進事業団の住宅住宅大阪にもたくさん余っております。余っておるけれども、実際にそれは大阪へ行かなければ申し込みはできない。一つの窓口ではできないわけです。  そういうものを、すべて局長よく御存じだと思うので、そういうものを一つにして考えていただかないとなかなか、この間からテレビ等でも不足が出ておりますように、実際のせっかくやっていただいていることが生きてこない。そして、今の二万六千とか何ぼという日本全国の住宅は、全然それはだめです。実際幾ら入っているのかわかっているはずですから、そんなにたくさんあるわけではない、それは日本全国のものですから。そういうことで、大臣、このことをまたよろしくお願いいたしたいと思います。  そこで、時間がございませんので、住宅金融公庫、来ていただきました。私は、金曜日に住宅金融公庫の大阪へ行ってまいりました。そして、復興されるために、今住宅金融公庫の貸し金がまだローンが残っておって次に建てるものがどうだとかいう問題、大臣も非常に心を砕いていただいておりますけれども、それについて一体どれだけあるのか、残存がどれだけあって実際に被害がどれだけあったのかということの調査は一切できておりません。大阪でできておらないのですから、東京であるはずがない。それだけを答えてください。
  230. 吉本修二

    ○吉本説明員 公庫の仕事は、御存じのとおり受託金融機関を通じてやっておりますので、全体の模様を掌握する段階にまだ至っていない状況でございます。特に、罹災者がどの程度かという問題をまず市町村の方ではっきりしていただかないと、公庫の方でもこれに対応できないという状況でございます。  これからそういう調査に鋭意取り組んでまいりたいと思います。
  231. 大矢卓史

    ○大矢委員 これは性格にもよるのですけれども、聞きますと、すべて窓口は銀行を経由してやっているので、いつごろかのものはコンピューターに入っているけれども、それ以前のものは全然銀行任せでわからない。銀行がまたつぶれてしまって調査に行けないからそこらを待つんだということで、一体いつごろこれが答えが来るのか、それもまだわからない状態であります。  そういうものも出していただいて、私はなぜ数字のことを言うかといいますと、そういうものも的確につかんでいただかないと、せっかく大臣の方でやろうとしてもやれないわけだ。そして、再建に向けてみんな一人一人が立ち上がって、ローンを組んでいただくとかなんとか、それはこれからも、いろいろなことを施策でやっていただいておりますし、やってもらわなければいかぬと思いますけれども、それについても全然めどが立たぬ。そして、やるんだやるんだとおっしゃっていただいていますけれども、その基礎の数字も何もない。幾らのローンが残っておってというなら、この際これはチャラにしようとかいうことも大臣の決断で言えるかもわかりませんけれども、全然数字が出てこないのですから、それは言えるわけがないわけです。  そういう実情でございますので、もう時間が参りましたので、現場へも行っていただいて、皆さん本当に寝ずに頑張っていただいておりますが、今後大臣を中心に、安全と復興について全力を尽くしていただきますように心からお願い申し上げ、一言ございましたらお願い申し上げます。
  232. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 大夫委員から非常に貴重な御意見をちょうだいしました。  村山総理が口にいつもしておりますように、縦割り行政ではなしに内閣一致してこの問題を、正確に情報をつかみ、正確な数字のもとに全閣僚一致してやれということでございますので、厚生省の区分ではございますけれども、言うなれば我々は下請でございますので、それらの数字を受けて、具体的に我々自身も数字をつかみ、対応ができるような措置をとっていかなきゃならぬ。  小里地震対策本部長に、兵庫県なりあるいは神戸市の皆さん方に仮設住宅は本当に幾ら必要なのか、そして発注はいつするのかということをやってもらわなければ我々は動きようがない、だから本部同士で話し合ってきちんと命令はしてもらいたい、それには必ず対応しますということも言い切っておるわけでありますから、お説のように、地震の予知の問題やあるいは瓦れきの運搬の問題や仮設住宅の建設の問題、各般にわたりまして十分に縦横に連絡をとりながら、被災者の皆さんの不安を一日も早く解消して、安定したとは言い得ませんけれども、最低の生活ができるような一家団らんの体制というものを一刻も早く、一日も速やかに実施できるように最大限努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  233. 大矢卓史

    ○大矢委員 ありがとうございました。終わります。      ————◇—————
  234. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、内閣提出住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案並びに本日付託になりました大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び都市開発法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  順次趣旨の説明を聴取いたします。建設大臣野坂浩賢君。     —————————————  住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進   法の一部を改正する法律案  大都市地域における住宅及び住宅地供給の促   進に関する特別措置法の一部を改正する法律   案  都市開発法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  235. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  住宅金融公庫は、かねてより国民住宅建設に必要な資金を融通することにより、国民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったところでありますが、今後なお一層国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図っていくためには、現下の財政状況を考慮しつつ、諸般の改善措置を講ずることが必要であると考えられます。  この法律案は、以上のような観点から、今国会に提出された平成年度予算案に盛り込まれている貸付制度の改善等につきまして、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の改正を行おうとするものであります。  次に、その要旨を御説明申し上げます。  第一に、一定の中古マンションに対する貸付金の利率の引き下げ及び償還期間の延長の特例措置について、平成七年三月三十一日が適用期限とされているものを、平成年度末までの二年間延長を行うものとしております。  第二に、平成年度から平成十一年度までの各年度の特別損失について、平成十七年度までに交付金を交付して整理することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願いを申し上げます。  次に、ただいま議題となりました大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  豊かさとゆとりを実感でき、安心して暮らせる優しい社会を築いていく上で最も重要な課題一つは、国民住宅に対する多様なニーズに的確にこたえ、住生活の充実を図っていくことであります。  今日まで、国民の居住水準は全体として着実に向上してきておりますか、大都市地域においては、通勤時間の増大による中堅所得者の住宅立地に対する不満や都心における便利な生活へのニーズの高まり等により、都心の地域を中心として良質な住宅に対する著しい需要が存在する状況にあります。また、今回の兵庫県南部地震の激甚な被災状況にかんがみれば、大都市地域における災害に強い町づくりを積極的に推進していくことが強く要請されているところであります。  このような状況に対処するためには、大都市地域内の都心の地域を中心として良質な住宅及び住宅地供給が円滑に行われることが不可欠であります。このため、都心の地域及びその周辺の地域において良質な共同住宅供給する都心共同住宅供給事業の制度を創設するとともに、住宅及び住宅地供給とあわせて道路、公園等の公共施設整備を行い、市街地の防災性の向上に資する特定土地区画整理事業、住宅街区整備事業の拡充を図ることとし、ここに大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案として提案することといたした次第であります。  なお、今国会におきましては、本法案とあわせて、職住近接の住宅供給促進、土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の環境の改善を図るための措置を講じることを内容とする都市開発法等の一部を改正する法律案提出しておりますが、本法案はこれと一対のものと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、法律案の要旨を申し上げます。  第一に、供給基本方針の策定に際し旨とすべき事項に、居住に関する機能の低下を来している大都市地域内の都心の地域及びその周辺の地域における居住に関する機能の向上を総合的に推進することを追加することとしております。  第二に、国及び地方公共団体住宅市街地開発整備の方針に従い、良好な住宅市街地開発整備促進するために定めるよう努めるべき都市計画として、地区計画を加えることとしております。  第三に、土地区画整理促進区域及び特定土地区画整理事業の面積に関する要件を〇・五ヘクタールに引き下げるとともに、土地区画整理促進区域の対象区域に住宅市街地開発することが定められている地区計画の区域を加えることとしております。  第四に、特定土地区画整理事業の換地計画において、居住者の共同の福祉または利便のため必要な施設の用に供するため、一定の土地を保留地として定めることができるようにすることとしております。  第五に、住宅街区整備促進区域及び住宅街区整備事業の面積に関する要件を〇・五ヘクタールに引き下げるとともに、住宅街区整備促進区域の対象区域に住宅街区を整備することが定められている地区計画の区域を加えることとしております。  第六に、都心共同住宅供給事業を実施しようとする者は、都心共同住宅供給事業の実施に関する計画を作成し、都府県知事の認定を申請することができることとしております。都府県知事は、計画住宅の規模、構造、貸借人または譲り受け人の資格、賃貸の条件または譲渡の条件等に係る基準に適合するものであると認めるときは、認定を行うことができることとしております。  第七に、国及び地方公共団体は、認定事業者に対し、都心共同住宅供給事業の実施に要する費用の補助を行うことができることとしております。  第八に、認定を受けた計画に従って都心共同住宅供給事業が適正に実施されるよう、都府県知事が報告の徴収、改善命令、認定の取り消し等の措置を講じることができることとしております。  その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願いを申し上げます。  次に、ただいま議題となりました都市開発法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  近年、大都市地域を中心として居住環境の良好な住宅市街地整備し、都市の健全な発展を図る必要性が高まっている現状等にかんがみれば、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の環境の改善を図ることが重要であります。また、今回の兵庫県南部地震の経験を踏まえれば、都市における防災性の向上も極めて重要な課題となっております。  この法律案は、このような状況にかんがみ、市街地開発事業の施行区域要件の緩和、再開発地区計画及び住宅地高度利用地区計画に関する都市計画を定める場合における要件の緩和、建築物の形態を適切に誘導するための地区計画制度の拡充、建築物の形態に関する規制の合理化、建築協定制度の拡充等を行おうとするものであります。  特に、市街地開発事業の施行区域要件の緩和により、空地の多い地区での事業施行を可能とするとともに、地区計画制度の拡充により、建築物の形態に関する規制を弾力化し良好な町並みの実現を可能とするなど、本法律案は、今回の震災による被災地の計画的な復興を通じた良好な町づくりのために大いに役立つものと考えております。  次に、その要旨を御説明申し上げます。  まず、都市開発法の改正についてであります。  第一に、市街地開発事業の施行区域要件について、一定の事項が定められている再開発地区計画の区域を追加するとともに、市街地開発事業の施行区域内の耐火建築物の割合の算定に当たり、区域内の耐火建築物の敷地面積の全宅地に対する割合により判断する基準を追加することとしております。  第二に、再開発地区計画都市計画に定める際の公共施設に関する要件について、その弾力化を図る等の措置を講ずることとしております。  次に、都市計画法の改正についてであります。  第一に、区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物整備することが、合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認めるときは、地区整備計画において、壁面の位置の制限、建築物の高さの最高限度及び工作物の設置の制限を定めることとしております。  第二に、住宅地高度利用地区計画の用途地域に関する要件について、大部分が現行の要件に該当する土地の区域内とするとともに、住宅地高度利用地区計画都市計画に定める際の公共施設に関する要件についてその弾力化を図る等の措置を講ずることとしております。  さらに、建築基準法の改正についてであります。  第一に、前面道路の境界線から後退して壁面線等の指定がある場合について、前面道路の幅員による容積卒制限を合理化するとともに、前面道路の幅貝が十二メートル以上である建築物について道路斜線制限の適用の合理化を図ることとしております。  第二に、地区整備計画において壁面の位置の制限、建築物の高さの最高限度等が定められている地区計画の区域内にある建築物で、当該地区計画の内容に適合し、特定行政庁が支障がないと認めるものについては、前面道路の幅員による容積卒制限及び斜線制限を適用除外とすることとしております。  第三に、建築協定制度について、土地の所有者等がその意思表示により建築協定に加入できることとする建築協定隣接地制度の創設等を行うこととしております。  その他、これらに関連いたしまして、関係規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願いいたします。
  236. 遠藤和良

    遠藤委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時十四分散会