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1994-11-29 第131回国会 参議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年十一月二十九日(火曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    委員異動  十一月二十四日     辞任         補欠選任      吉川 春子君     聴濤  弘君  十一月二十八日     辞任         補欠選任      聴濤  弘君     橋本  敦君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         岡野  裕君     理 事                 板垣  正君                 狩野  安君                 瀬谷 英行君                 寺澤 芳男君     委 員                 井上  孝君                 岩崎 純三君                 岡部 三郎君                 村上 正邦君                 萱野  茂君                 栗原 君子君                 中尾 則幸君                 中村 鋭一君                 永野 茂門君                 吉田 之久君                 猪熊 重二君                 橋本  敦君    国務大臣        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 五十嵐広三君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  玉沢徳一郎君    政府委員        内閣官房内閣内        政審議室長        兼内閣総理大臣        官房内政審議室        長        藤井  威君        内閣法制局第一        部長       津野  修君        宮内庁次長    鎌倉  節君        皇室経済主管   古居 儔治君        防衛庁長官官房  三井 康有君        防衛庁防衛局長  村田 直昭君        防衛庁教育訓練        局長       佐藤  謙君        防衛庁人事局長  萩  次郎君        防衛庁経理局長  秋山 昌廣君        防衛庁装備局長  荒井 寿光君        防衛施設庁長官  宝珠山 昇君        防衛施設庁総務        部長       粟  威之君        防衛施設庁施設        部長       小澤  毅君        防衛施設庁労務        部長       涌田作次郎君        外務大臣官房長  池田  維君        外務省総合外交        政策局軍備管        理・科学審議官  林   暘君        外務省北米局長  時野谷 敦君    事務局側        常任委員会専門        員        菅野  清君    説明員        大蔵省主計局主        計官       後藤 敬三君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査並びに国防衛に関する調査  (航空自衛隊の次期多用途支援機機種選定に  関する件)  (平成七年度防衛関係予算に関する件)  (防衛大学校卒業生任官辞退に関する件)     ―――――――――――――
  2. 岡野裕

    委員長岡野裕君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る二十四日、吉川春子君が委員辞任され、その補欠として聴濤弘君が選任されました。  また、昨二十八日、聴濤弘君が委員辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国防衛に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 村上正邦

    村上正邦君 おはようございます。  委員長から若いのがやれ若いのがやれと言われて、きょうもまた若いのが時間を二時間いただきましていろいろと、特にUX問題についてお尋ねをしてみたい、こう思っております。  本題に入ります前に、実は先週の二十四日、陛下の勲章が紛失した件につきまして、宮内庁長官にお出ましいただいていろいろとお聞かせをいただいたのでございますが、質問を終わりました後、これはテレビそれから新聞にも報道された関係か、いろいろと多くの国民の方から私のところへ電話がかかってきたり投書が来たりいたしております。私は、やっぱり国民の方の関心の深さということをこのことで感じたのでございます。  そこで、この問題は二十四日でと私は申し上げましたが、毎度毎度長官ということはいかがかと思いまして、きょうは鎌倉次長に御出席を賜っておりますので、冒頭このことにつきまして、そういう国民関心の深さということをひとつ宮内庁はしっかり受けとめておいていただきたい。そしてやはりきちっとした経過、そしてその責任の所在、そしていつの時点結末をつけるお考えなのか。もう相当経過いたしております。ですから、やはりいつの時点においてこの結末をきちっとつけるのだというようなお考え方があるのかどうなのか、その点をちょっとお伺いし、要するに国民関心は非常に強いですよということを宮内庁は知っていただきたいためにきょう冒頭に御出席をいただいた。こういうことでございますので、どうかひとつそうした面でお答えできることがあればお答えをしていただきたい、こう思います。
  5. 鎌倉節

    政府委員鎌倉節君) 今回の問題につきましては、天皇陛下に大変御迷惑をおかけいたしましたことを何よりも申しわけなく思っております。また、スペイン政府に対しましても大変遺憾の意を表明したところでございます。  宮内庁といたしましては、本件につきまして深く責任を痛感しております。個々の事務処理につきましては従来から担当者誠心誠意これに当たりまして、これまで間違いなく処理してきたところでございますが、今回、結果的にこのような重大な事態が発生したことにつきましては、組織としてチェックする機能が十分働かなかったということ、あるいは上級者指揮監督が十分に行われなかったという組織運営につきまして監督上の責任があるというふうに認識をいたしております。  宮内庁といたしましては、今般の事案の経緯を踏まえながらその責任につきましてはできるだけ速やかにかつ厳粛に対処していきたい、このように考えております。
  6. 村上正邦

    村上正邦君 今、御答弁を聞いていていろいろ申し上げたいと思いましたが、これはこれで一応、宮内庁はどうぞ御退席いただいて。  また事柄事柄ですから、こういう公式の席ではなくしていろいろとまた場を改めまして次長にひとつお聞かせいただければと思います。しかし国民に心配をかけているんですから、ちゃんとした公表を、その結末をどの時点でどう公表していくのか、これをやることがいいことかということも含めてひとつ考えておいていただきたい、こう思います。  外務省官房長、それから防衛庁長官天皇陛下がこの六月にアメリカに行かれましたね。アーリントン墓地献花の際、事前打ち合わせでは天皇陛下とともに進むことになっていた防衛在官代表がその直前になって排除された。結果的にワシントン駐在自衛官日本側関係者の最後尾に追いやられた。外国賓客献花の際は駐在武官が付き添うことが外交慣例であるにもかかわらず、それを直前になって変更した理由、その変更を決定したのはだれなのか、そこらあたりをちょっとお聞かせいただきたい。北米局長、まずあなたにそのことをちょっと聞いておきたい。  それと、そういうことで果たして防衛庁長官、いいのかなと。やっぱり自衛隊の士気にもかかわることにもなるんじゃないのか。それから国際慣例上、いろいろと日本自衛隊社会的地位というのか位置づけというのか、そういうことに疑問を持たれるんではないのかな、このように思うものですから、この点お尋ねをしておきます。  まず北米局長からお聞きしましょう、なぜそういうことになったのか。
  7. 時野谷敦

    政府委員時野谷敦君) お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘の点は、従来、両陛下外国を御訪問になりまして、戦没者慰霊碑などに献花をされた先例に従ったものというふうに承知をいたしております。  より具体的に申し上げれば、昭和五十年に昭和天皇アーリントン献花をされましたけれども、その際にもそういう形で行われた、こういう先例に従ったものということでございます。
  8. 村上正邦

    村上正邦君 私が聞いている事実としては、当日、その日までそういうことで駐在武官には陛下とともに進むという打ち合わせになっていたんじゃないの。その直前になって変えたということはどういうこと。そういう慣例になっていればそういう武官の扱いというものは事前に通告しなきゃならないでしょう。僕の聞いている範囲では、その直前になって変更したというふうに聞いていますよ。  それから、これは六月二十二日のある二社の新聞切り抜きですが、一社は「献花駐在武官を排除」、一社は「制服武官が最後列に 防衛庁内に不満も」、こういう記事が出ているじゃないの。防衛庁長官、こういう事実はどう思われますか。
  9. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) お尋ねの件は、本年の六月、天皇陛下アーリントン墓地での献花式の際、防衛在官公式随員の直後に続く形で式典に参加したと伺っております。従来、両陛下外国を訪問され戦没者慰霊碑等献花された際には、防衛在官天皇陛下の直近に位置した例はなく、今回もこの先例に従ったと承知いたしております。  しかしながら、今後米国における慣習あるいは国際慣習等も含めて、外務省と相談をしてみたい。宮内庁考え方もありますので、これを防衛庁といたしましても尊重してまいりたいと考えております。
  10. 村上正邦

    村上正邦君 外務省長官が今おっしゃられたようなことでよろしいね。
  11. 時野谷敦

    政府委員時野谷敦君) そのようなことで結構でございます。
  12. 村上正邦

    村上正邦君 もう一つ本題に入ります前に外務省防衛庁にお聞きしておきます。  十一月十日でしたか、内閣委員会自衛隊法の一部を改正する法律案が可決したのは。このときに附帯決議が出されて、「一、正確な情報把握一、安全の確保等」と。この二つの附帯決議に対して防衛庁長官お答えになられている。「一、正確な情報把握 正確な情報を得られるよう関係する情報収集機能を一層強化すること。」、このことについて防衛庁長官は、そのとおりだ、防衛庁としてもそういう方向で情報収集強化していくことに努める、こういうことをお約束なさったわけでありますが、具体的にどういうふうにして情報収集強化を図っていくのか。その点をちょっと具体的に聞かせてもらいたい。  これは役人さんが答えることじゃない。役人さんが答えることは、今までの通り一遍の情報一元化だとか、これはどうだとかああだとかということだけに終わることは決まっているんだから。私も防衛政務次官をやっていたから、防衛庁情報というものはどういうふうにして入手するのかというぐらいのことは承知して申し上げておるわけですから、これは長官、やっぱり高度なお立場で今後、情報収集強化を図っていくのか、長官からお答えを願いたい。
  13. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 御指摘附帯決議にもありますとおり、在外邦人等輸送に当たりまして緊急時に随時正確な情報を得られるよう情報収集機能を一層強化することは極めて重要になってくると考えております。  防衛庁といたしましては、従来から各種情報収集処理分析に努めているところでありますけれども、かかる観点も踏まえつつ、今後とも総合的な情報処理分析体制の確立、質の高い情報要員の育成、各種情報収集手段整備等に努め、在外邦人等輸送の実施に遺漏なきを期してまいりたい、こういう決意で臨んでまいりたいと思います。
  14. 村上正邦

    村上正邦君 それは役人さんの書いた答弁用紙で、長官はもう少し思ったことをおっしゃらなきゃだめ、こういうときに。私はあのイラン・イラク紛争のときにも現地に行きました。そして邦人皆さんにも会いました。それから大使館にも行きました。あの状況から考えて、外務省にしても防衛庁にしても的確な情報というものは得られてなかったんじゃないのかなと、私は現地に行きましてそう感じたわけであります。  今おっしゃられたようなことをするために、具体的に予算措置はどうするのか。それから防衛庁として情報入手武官外務省へ出ていても、これは外務大臣を通じてしか情報防衛庁が聞くことはできないだとか、建前にしたってこういうシステムじゃ防衛庁としては的確な独自の情報なんというのは入ってこない。むしろ民間の商社の方が的確な情報を持っているんですね。  そういうことからいけば、やっぱり防衛庁にも情報を、今おっしゃられたような、それは立派なことですよ、もうあらゆる言葉を駆使して今お読みになられたわけでありますが、そういう目的を達するためにはやっぱり人も要るんです。金も要るんです。それから、システムの上においても、機構上の問題においても、今回いろいろと検討し前向きにやらなきゃならぬことがあるんじゃないのか、こう思うがゆえに私は申し上げているわけであります。  それから外務省外務省には今、情報調査局というのがあるの。これは年間予算幾らぐらいですか。それから人はどのぐらいいるんですか。
  15. 池田維

    政府委員池田維君) 外務省といたしましても、情報機能強化のために予算とか定員等で努力をいたしておりますけれども、ただいま御質問のどの程度予算があるかということにつきましては、これは一つの局に限定されているわけではございませんけれども情報機能強化のための予算ということで五十二億円が平成六年度でついております。これは、ちなみに平成五年度に比べまして二三%の増ということになっております。  それから、ただいま御質問国際情報局につきましては、現在、現有員六十名でございます。
  16. 村上正邦

    村上正邦君 大体、これだけ激しく目まぐるしく動く国際政治国際情勢、それからいろいろと北朝鮮一つにしたってそうですよ。そんな予算とそんな金ぐらいで、官房長、的確な情報というものを入手できますか。私はできないと思いますよ。局は何というの、もう一度聞くけれども
  17. 池田維

    政府委員池田維君) 局の名前は国際情報局です。
  18. 村上正邦

    村上正邦君 国際情報局。だから外務省にしても、これはやっぱり情報入手についてはもう少し力を入れていいんじゃないのかなと。国際情報局なんて名称自体も、情報局なら情報局でいいんだよ。だって、要るべき金は当然大蔵省、金握ってるばかりが大蔵省じゃないんだよ。やっぱり取るべき金は取る。そうして日本国家安全保障を維持していくために情報というのは耳というのが一大事なんですね。外務省機能の中で一番大事なのはむしろ情報ですよ。だからこの際、防衛庁長官がいみじくも内閣委員会でお約束なさった情報強化ということについて、一元化がいいのか二元化がいいのか、そういうことも十分外務省防衛庁検討する時期に来ていると思いますので、ひとつこれを検討課題にしてもらいたい。防衛庁情報局ぐらい持つ、そのくらいのことをやらなきゃ、やっぱり独自に情報をつかむというぐらいの組織的な機能を持たなきゃ、防衛庁の本当の役目は果たせないと私は思いますよ。  参議院防衛政務次官をやったのは僕だけだよ。かつては土屋義彦という中曽根防衛庁長官のときに参議院から防衛政務次官が出たけれども、私の以後出ない。だから、防衛庁のことを参議院で知っているのは私だけと思っている。永野さんがいるけれども、この方は内局じゃないんだから、制服組で全体は見られないんです。全体を知っているのは私なんです。この私がそう言うんだから、そういう意味で外務省防衛庁は再検討の時期に来ていると思いますので、そこらあたり
  19. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 海外における邦人紛争に巻き込まれてそれをできるだけ早く輸送し安全を期すと、こういう点につきましては、これは一防衛庁ばかりではなくして外務省とも十分協議の上に的確なる情報把握し、それに対する決断をいたしましてできるだけ早く救出するということが大事であると、こう考えますので、この点に関しましては今後とも情報能力の向上のために全力を尽くしてまいりたいと思います。
  20. 村上正邦

    村上正邦君 全力を尽くすとかなんとかじゃなくて、私が言う、組織的にそうした情報がいかに的確に把握できるかということのために、私は不備だと思いますから、そういうことについて検討に入ったらどうかと、こう申し上げているんです。
  21. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 検討してまいります。
  22. 村上正邦

    村上正邦君 外務省もいいね。
  23. 池田維

    政府委員池田維君) 外務省といたしましても、ただいま防衛庁長官が御発言になりましたとおりに考えております。
  24. 村上正邦

    村上正邦君 前段はこの程度にいたしまして、UX問題に入りたいと思います。  さっきもちょっと触れましたが、私は昭和五十九年から六十年にわたりまして防衛政務次官を務めさせていただいたわけでありますが、そのときに、そこに座っておる村田防衛局長内局総務課長だったと記憶していますが、間違いないと思う。今そこに防衛庁の幹部が来ていますけれども、一番私と接触があったのはあなたです、以後ずっと。ですから、私の防衛に対する理念、理想、スタンスというものはあなたが一番よく知っていてくれていると私は思っております。  ですから、きょうこのことについて質問するときにいろいろ雑音が入ってきた。UXについては後ほど入りますけれども、やはりフランスだとかアメリカだとかドイツだとか、いろいろ機種をめぐって問題があった。中にはアメリカを担いでいく政治家も、フランスを担いでいく政治家もいる。そうした目でこの問題を私が取り上げているのではないという、このことは防衛局長、一番あなたが理解してくれている。私は商社の代理人でもなければ、またそうしたことにかかわっていく立場でもないし、そういうことは一番嫌いな方で、不得手な方であるという、この前提をしっかりわきまえていただきたい。そして、謙虚にひとつこれからのいろいろな疑問点に対してお答えをしていっていただきたいと思います。  防衛国民の支持があってこそその使命が果たせる、国民の信頼と理解が第一であろうかと私は思います。そのために、防衛政策というものは政争の具であってはならない、政治家の利権をもてあそぶようなものであってはならない。なかんずく政界再編の中で、政治抗争の渦中に自衛隊防衛庁が巻き込まれてはならない、これをいかにして守っていくかということが私どもの務めだと思っております。  特に、私がかつて旧連立のときに、自由民主党の国防部会である問題を指摘いたしました。当時の官房長は今の宝珠山施設庁長官だった。それで自衛隊防衛庁が政党の選挙のマシンなどになるということはけしからぬ。防衛庁地方選挙、知事などの選挙に利用されて自衛隊部隊のあるところへ選挙期間中に入るなどという、こういうことについて絶対いかぬということを私は強く国防部会で発言したことがある。そのときに宝珠山官房長は時の大臣に、そういう疑惑を持たれるから選挙に利用しているんではないか、大臣選挙応援のために部隊に入っているんではないかと言っていさめたというんです。  私は、やっぱりこういう政治家に対して勇気ある、防衛庁自衛隊を守っていくために断固言うべきことは、大臣であろうと政務次官であろうとどこの党首であろうとも言うべきことはぴしっと言っていく、このことが大事だと思います。  今回の場合も、私はそういうことを前置きにするということは、村田局長以下、官房長にしてもそういうことにやや欠けている嫌いがあったんじゃないのか。そういう感も否めないものですから、この質問に入る前に私の防衛に対する姿勢、そして内局の、また自衛隊の職務、自衛隊のあるべき理想像について私は申し上げたのでございます。  以上申し上げて、幾つかの質問に入りたいと思います。  まず防衛庁長官防衛局長、このUXの問題がいろいろと取りざたされております。機種選定に絡む疑惑が持たれているというようなことに対する、この疑惑とは何ぞや、そしてそのような疑惑に対する認識をどう持っておられるのか、ちょっとお聞かせを願っておきたい。
  25. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 機種選定に当たりましては、あくまでも防衛目的を達するための性能を有する飛行機選定する。その選定に当たりましては、今日までこれまでの機種選定と同様の手続に従いまして行っておる。その選定に当たりましては、あくまでも先ほど申し上げたように防衛目的を達するための機種として、公正、厳正を目途としてその選定作業に入っておる、こういう決意で臨んでおります。
  26. 村上正邦

    村上正邦君 大臣決意を聞いているんじゃないんですよ。こういう疑惑絡みの、ちょっと私はこの質問をするのに新聞や報道されたいろいろの切り抜きを見てみますと、これだけ膨大な活字が、これは全部そうですよ。疑惑まみれ記事がこれだけ踊っているんですよ。ですから、この認識に対してどうなのかと聞いているんです。
  27. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) いろいろな報道がなされておるわけでございますけれども、あくまでも防衛庁といたしましてはこの手続に従いまして公正、厳正に決めていく、これでございます。以上です。
  28. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 今、大臣がまさに申し上げたとおり、私どもは従来から航空機の選定に当たりまして用いられた手法といいますか、手続というものを順々と踏んでその上で選定をしているわけでございます。  今までやってきたことを具体的に申し上げますと、若干時間をいただいて申し上げたいと思いますが、まずUXという飛行機、これはユーティリティーのXということでございまして、多用途支援機というふうに我々考えているわけでございますが……
  29. 村上正邦

    村上正邦君 疑惑に対しての認識をどうかと聞いているんだ、まず。だから一つ一ついきましょう。後々そういうことは聞いていくから、皆さんにわかりやすく一つ一つ問題点指摘して、それに答えてください。  厳正中立にやってきた、疑惑はないと、防衛庁長官のおっしゃられたそういうことだね。あなたもそういう認識だね。
  30. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 防衛庁長官もおっしゃられましたし、私も厳正中立、公平にやってきて、疑惑などという問題はないというふうに考えておるわけでございます。
  31. 村上正邦

    村上正邦君 そう答えるだろうと思った。一切疑惑がないということですね。  しかし、疑惑がないといったってこれだけいろいろマスコミや専門家の方々や、現に閣議においても、今までの異例な閣僚懇などができてクレームがついて、そして後でも触れますけれども検討委員会などができた。本来ならば参事官会議で決まって予算が計上されて、防衛庁長官がこれひとつ何とか頼むよと、こうなっていくわけだね。ところが参事官会議で決まった翌日、閣議の中で、こういういろいろな問題があるのはちょっと待ってくれと、こうなったわけだね。そういう認識はどう考えているのかね。  それは、私がもう少し言いますけれども、その選定に入る前に既にこのガルフストリーム機種は決まっていたということが言われているんです。  そこで、その疑惑の第一は、UX機種選定問題でいわゆる組みかえ問題という重大な経過がある。この資料、皆さん方のところに配っているのが、これがそうなんです、この組みかえが。本来ならば大倉商事と新明和、こうくるわけです、ガルフは。ファルコンはソニートレーディング日本飛行機。それからチャレンジャーは伊藤忠と川崎重工。これは商社と裏表の関係にある整備工場、これが入ってくるわけです。防衛庁の出した導入目的性能に合致するかしないか、そういう深い技術的なことは商社なんかわかりゃしないんだ。これは整備会社、そういうゼネコンがいろいろやる場合に、ゼネコンと設計会社がペアで組む、これは井上先生が専門だけれども、それと同じような形になるわけです。これは本当ならば大倉商事と新明和がペアでいくのが常識とされていたのを、大倉商事が日本飛行機と組んだらどうだという、この組みかえに疑惑が発せられたわけであります。そのことを申し上げているわけであります。  それから第二の疑惑は、こうした組みかえが行われれば事実上ガルフストリームに決まるということは当然になってくる。  疑惑の第三は、その組みかえに空幕の幹部が関与したのではないかという極めて具体的な指摘がなされているわけであります。  このことについて、どうなんですか。これまた説明が長くなるだろうから私がまたついでに言っておきますが、大体このUXというのは何なのか。UXというと何か軍用機で非常に軍事機密に関するような、そういう一部印象にとらわれがちなのでありますが、これは戦闘機でもなく、軍だけが使う、自衛隊だけが使う飛行機じゃないんです。一般に使われているビジネス機ではないのかと私は思っております。言うなればこれは空のタクシーなんだ。民間もどんどんこれは使っているんですよ。だから軍事上特別に秘密にしなければならないようなものではないと思っております。  二年前に問題になり、なぜことしまた選定作業が復活したのか、そうした疑惑が報道される中、またなぜ急いで新年度の予算要求に盛り込もうとするのか、こういうことについてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
  32. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 幾つか御質問がございましたので、順を追って御説明をさせていただきたいと思います。  一つは、最初にまず特定の機種が前提となっておったのではないかという御指摘でございますけれども、この点につきましては若干時間をいただきまして申し上げます。  この機種選定につきましては、三候補機種というものに関して具体的な評価作業に入る以前に、これまでの航空機の機種選定手続と同じように、まずこの飛行機を指揮連絡、空輸、訓練支援等に使用することなどを規定した運用構想書でありますとか、これを具体的かつ詳細に規定しました運用要求書というものを策定し、これに基づき、この飛行機が持つべき性能、離着陸の性能でありますとか航続性能でありますとか、そういうような性能を規定した要求性能書というものをつくりました。それ以降、こうした要求性能を満足する可能性のある機種を選び出して後に、提案意思を表明した会社、これはまず最初にそういう今申しましたビジネスジェットのようなものが広く見渡しまして八社あるわけでございますが、その八社に呼びかけて、そのうち提案意思があると申しました三社、今、先生がそこに表で掲げられている商社及びその整備会社でございますが、三社が提案意思を表明したわけでございますが、その提案意思を表明した会社に対し提案要求を提示しているということでございます。  したがって、候補機種の中にいろんな機種が、米国製のものも含まれておりますしフランス製、英国産のものも含まれている、それからカナダのものもございますが、御指摘のようにある機種を前提として提案要求書が策定され、選定作業が行われる前に機種が決まっていたんだというような事実は全くございません。  それから、その件に関しまして商社と整備会社の組みかえ疑惑についてのお話がございました。これにつきましては、御指摘の組みかえの動きに関する報道を受けまして、その組みかえと申しますのは先生御指摘のように大倉商事と日本飛行機の間の系列化というような話として浮上してきたわけでございますが、この報道を受けまして、防衛庁としましてUX機種選定が客観的に見て公正に行われる必要があるという観点から、関連会社から任意に事情を聞くとともに、部内についてもその事情を聞きまして事実関係を調べましたが、報道されている商社と整備会社の動きはあくまで民間会社の商取引関係の範囲で行われていたということでございまして、これに航空自衛隊が関与した事実はないということを確認しております。  ちなみに、ややその点について詳しく申し上げますと、日本飛行機が、防衛産業の受注自体が大分減少してきておりますので、そういう意味で売り上げの減少があるということで、いろいろな飛行機についての整備修理の会社になることを希望しておりまして、その件に関しまして大倉商事と組んでガルフストリームを共同提案すべく大倉商事に働きかけを行いまして、大倉商事もそれに対して好意的な対応を示しておりました。そこで、この状況を当時の装備部長に説明しましたところ、装備部長から、それは民間と民間で決めるべき問題であるという対応があったということでございます。そして、私どもその件につきまして関連会社にもその事実を確かめましたところ、そのような話が民間同士であり、空幕の装備部長にも相談をしたがそういう話があったということを確認しているわけでございます。  それから、UXとは一体何であるのかという御質問、まさにUXの必要性でございますが、UXという飛行機、先ほど言いましたように他用途の連絡支援機でございますけれども、これは航空自衛隊が指揮連絡、空輸、訓練支援等に使用するために整備するものでございまして、昭和四十四年度及び四十五年度に取得しまして現在、指揮連絡用として運用しておりますB65という飛行機がございますが、これが随分古い飛行機でございますので用途廃止されるということが予想されますので、この用途廃止するものを補うために今回整備しようとするものでございます。  具体的な必要性についてでございますが、一つは、現在B65等で行っております指揮連絡体制を維持する必要があるということでございます。第二点は、小型の軽量貨物輸送あるいは少人数の人員輸送を効率的に行う必要がある。例えば、航空事故等の調査に行く場合に事故対策チームというのは十八人編成で成っておりますが、そういうようなものを一気に運んで迅速に事故対策に当たるというようなことの人員輸送。それから、近年の航空軍事技術の進歩に対応しましてAWACS等を導入したわけでございますが、その警戒管制部隊や防空部隊等の訓練を有効に支援する、いわゆる訓練を支援するAWACS等あるいは要撃戦闘機部隊、地上のレーダーサイト部隊等に対し目標機としてこの飛行機を利用するということ、そういうような必要性がございまして今回導入をすることと決めたものでございます。  そういう意味でございまして、この飛行機はあくまでビジネスジェット機を利用するものではございますけれども、そういうような防衛目的を達成するために各種の要求に基づいて調達をしようというものでございます。
  33. 村上正邦

    村上正邦君 あなたの立場からすれば疑惑なんというのはないということなんでしょうが、これはまた一つ一つお尋ねしていきます。  私はやっぱりこれはいろいろ疑惑があると、そうした中でなぜ急いで新年度の予算要求に盛り込もうとしているのか。これは特に長官のお立場ですと、早くこの疑惑がはっきりして来年度の予算に盛り込みたい、こういう思いでしょうが、なぜ急がなきゃならぬのかということを。
  34. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 先ほどの答弁にもありましたように、B65という飛行機昭和四十年代に購入して今使っておるものでございます。また、二年前にもこのUXの必要性がそういう観点からどうしても老朽化したものをかえなきゃならぬということがあって予算要求をしようか、こういうことになったわけでございますけれども、その際におきましてはAWACS等の飛行機を購入しなきゃならぬ、こういうような観点から予算上の余地がなくて今日まで延びてきたわけでございます。  そういう意味におきまして、今回におきましてはこれ以上老朽化した飛行機を使っておりますと極めてこれは事故等の問題になる、訓練等の問題におきましても支障を来す、こういうことでございますので、これはやはり何としても今回購入をさせていただきたい、こういう観点に立って要求を出しておるものでございます。
  35. 村上正邦

    村上正邦君 そうすると、その話はそれでよろしいんですが、今お話を聞いていると、防衛局長、そうした組みかえが行われようとした事実はなかった、こういうことですね。
  36. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私が先ほどお答えしましたように、組みかえが行われようとした事実がなかったかといいますと、先ほど言いましたように組みかえは事実上行われなかったわけでございますけれども、そういう動きというものが民間の間にあったということは私が調べた限り事実でございまして、しかしそれは結果的に行われなかったということでございます。そして、それについて航空自衛隊の者が関与しているということはないということでございます。
  37. 村上正邦

    村上正邦君 ここで、民間の中で動きがなかったという、民間の中になかったが、今言った空幕の幹部がそういう働きかけをしたことはないと。それは調査の上ですか。
  38. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 本件については、部内において調査の上の回答でございます。
  39. 村上正邦

    村上正邦君 これは大事なところなんですね。私がここでそこまで言っていいのかどうかは知らないが、内局の方たちの話を聞いても、結果的には行われなかったけれどもそういう働きかけはあったという確証を私は得ています。そこで、やっぱりこの話を進めていくためには、その当時の空幕装備部長にできればきょう参考人でお出ましいただきたい、こう私は委員長にお願いをしたわけでありますけれども局長、これは非常に大事な点なんですね。  マスコミ関係も本人のところへ行っていろいろ聞いているんですね。「自衛隊機に事前選定疑惑 商社-整備会社、異例の組み替え 空幕幹部が打診」、これがもしないとなれば、なぜないかということ、またこういう新聞報道に対して、名誉棄損なり告訴なりやらなかったのか。これは大事なところなんです、そういう働きかけをしたかしなかったのかということは。  その点はひとつもう一遍明確に聞いて、委員長防衛庁責任を持って調査したということでございますが、次期この委員会なりに参考人としてお願いをしておきたいと思います。
  40. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 別途、理事会で協議させていただきます。
  41. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 今の件につきましては、私ども部内におきまして、本件は航空自衛隊の当時の装備部長に関する件でございますので、航空自衛隊を通じ航空幕僚長が調査したということでございます。  そして、その結果、先ほど申し上げましたように、当時そういう防衛関連事業の売り上げが減少しているということを踏まえて、日本飛行機の方から、ガルフストリームⅣを扱っておりました大倉商事と相談し、大倉商事もそれに好意的にこたえるという対応を示しまして相談があったということでございますが、そういうような業界の組み合わせというものは民間同士で決める話であるということの回答をし、各会社についてもそのとおりであるかという事実を確認し、会社からもそのとおりでございます、そういう事実はございますという回答を得ているわけでございまして、その調査結果に基づいて今回御報告をしているわけでございます。
  42. 村上正邦

    村上正邦君 民間企業間の話で片づけてよい問題ではないんだね、これは。  航空自衛隊の作成した専門的な要求性能書に対し、先ほど言いましたように正確な回答ができるのは技術者を抱えている整備会社なんですよ。しかし、その整備会社はこの時点では一円にも金にならない。ペアを組んで、商社の航空機が売れて初めてその後整備を請け負うことができる。金になる仕組みになっているんですよ。だから、これは民間企業の話だけだとあなたは突っぱねているが、そんなことじゃないんじゃないかな。  それから、このUX機候補は先ほども図解しておりますように、ガルフストリームのほかフランス製のファルコン、カナダ製のチャレンジャーの三機種と言われ、ガルフを扱う商社と整備会社のペアは大倉商事と新明和工業、ファルコンがソニートレーディング日本飛行機、チャレンジャーが伊藤忠と川崎重工の各社で、二年前の組み合わせ騒ぎは大倉商事と日本飛行機がペアを組もうとしたといわれるところにあった。業界が問題にしたように、最初からガルフに決まっていたからガルフを扱う大倉商事に対し日本飛行機がペアを組もうとしたと見るのが自然ではないんですか。  さらに、組みかえが実現していれば日本飛行機と組む予定だったソニートレーディングはペアの会社を失うことになり、ファルコンをUX候補機として提案できなくなるおそれがあったとなるわけであります。  七月十五日の新聞によりますと、当時の空幕装備部幹部は「(おかしな話を持ちかけたといわれても)仕方ないかもしれないが、意見を聞きたかった」と防衛庁内で組みかえを打診したことを認めているんじゃないか、あなた、これはどうなの、認めているんじゃないの。
  43. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 先生が今挙げられましたような報道があったということを私どもも知っておりますし、その報道があったので今私が申し述べましたような当時の装備部長にかかわる事実関係について、本人並びに相手方となった会社というようなところについて調査をしたわけでございます。その結果、各幹部ないし会社側から先ほど申し述べたような回答を得たわけでございます。
  44. 村上正邦

    村上正邦君 これは先ほど言いましたようにやっぱり御本人に出てきてもらう必要があると思いますので、ここで当時の空幕の幹部の装備部長の名前を申し上げることはどうかと思いますので、名前まではこれは申しませんけれども、ひとつお取り計らいをお願いしておきます。
  45. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 先ほど同様、別途理事会で協議いたします。
  46. 村上正邦

    村上正邦君 十月十日の新聞では、UXと同機種になると見られた政府専用機の導入構想が跡形もなく消えたと報道しております。この理由は、政府専用機として活用する場合、ガルフよりもそのライバル機が有利になるためで、ガルフ導入が最初から決まった疑いが一層深まったと伝えられています。ライバル機の方が滑走路が短くて済み、国内で使える飛行場はガルフよりも一割以上も多いと言われています。UXは六千キロ以上の走る距離が必要であるわけであります。確かにジャンボ機に続く第二の政府専用機としての利用価値がある。また自衛隊には政府専用機を運航する任務が与えられている。  そこで防衛庁にお伺いしたいのですが、空幕が作成し商社に示した要求性能書にUXを政府専用機として活用するくだりがないのはなぜか。UXに政府専用機としての任務を持たせようとしていないのは防衛庁の職務怠慢と言われても仕方がないのではないか、こう思うんですが、いかがですか。
  47. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) まず最初のUX機種選定に際し、政府専用機構想というものがあったのではないかということでございますが、UXにつきましてはこれまで先生が言われるような政府専用機として運用するという想定をしたことはございません。なお、政府専用機の三号機の取り扱いにつきましては、このUXの整備とはかかわりなく現在二機で運用しているわけでございますが、任務運航の実績等を見ながら今後検討することとしております。  しかしながら、私どもが政府専用機をどのくらい必要か、もちろんあれは総理府で要求したわけでございますが、という話がございましたときには任務を適切に遂行するためには三機体制が望ましいということは申し上げましたわけでございますが、結果として二機の体制になった。その後、政府専用機の三機目をどうするかという話が全くないわけではございません。ありましたが、現在私どもが考えておりますのは、政府専用機が多数あるような場合にはバラエティーがあって、距離の大型のもの、中型のもの、小型のものと、各国ともかなりそういうような持ち方をしているわけでございます。  そういうふうな持ち方もできるわけでございますが、現在二機でございますので、これで運用する場合には同型機であることが必要である。したがって、ほかの飛行機を買うならほかの飛行機でもやはり三機ないしそれ以上のものを買わなきゃならぬし、まずとりあえずは現在二機で運用している型と同じようなものを三機持って運航をするということがベストの案ではないかと考えておりまして、政府専用機について私どもは以上のように考えているわけでございます。  したがいまして、このUXについては、繰り返すわけでございますけれども、その間において政府専用機として運用するという考え方はとられたことはございません。
  48. 村上正邦

    村上正邦君 自衛隊法第百条の五「国賓等の輸送」によって、航空機による国賓、内閣総理大臣などの輸送自衛隊の任務になっており、だから今御説明のむうに、ジャンボ機二機を千歳基地にある航空自衛隊特別輸送航空隊が運用している、こういう話でございますね。  欧州各国は大中小の政府専用機を備えている。UXはまさに中型の政府専用機に当たる。現にUX候補機であるガルフをイタリアが、またファルコンをフランスとイタリアが、チャレンジャーをドイツがそれぞれ政府専用機として保有している。こうした事実も防衛庁が知らないはずはないと思います。UXが直ちに政府専用機にならないまでも、将来のニーズを考えれば日本もジャンボ機より小さな政府専用機を持つ可能性は十分あると思う。しかも、UXとの相互運用性を考えれば同一機種とした方がよいのは自明であります。  UXに政府専用機としての視点を盛り込むべきであったのではないか、私はこう考えますけれども、どうですか。
  49. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) ほかの国もそのような使い方をしておるということで、そういう意味で言えば、それが近距離のものとして全くなり得ないかというと、それはほかの国が使っておるわけでございますから、そういうことも可能性としてあるであろうというふうには思います。  しかし、この飛行機は、先ほど言いましたようにまずB65の用途廃止に伴ってその任務あるいは訓練の支援、それから小型物資の輸送等の任務、防衛任務を達成するために調達するものでございます。政府専用機の場合は、今の運航状態を見てもそのとおりでございますが、要するに非常に政府専用機としての運航が中心になる。もちろん邦人の救出等にも使うことあり得べしてございますが、そういうようなこととして使われるとすれば私どもが必要とする任務の遂行ができないわけでございまして、あくまでも今回の整備の目的は今言った三つの目的を達成する防衛用の航空機として整備をしようと考えておるわけでございます。  したがって、この飛行機が全く政府専用機にならないものかどうかということは別の次元の話でございまして、私どもとしてそのようなものとして整備目的を考えたことはない、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
  50. 村上正邦

    村上正邦君 しかし、これだけの金を使うんだからやっぱりそこまで考えて、ある程度長期でもない、そういう二機ぐらいで足りるということではなくして、私はこれからますます政府専用機の必要性というものは出てくると思いますよ。そういうときに一番適した、これだけの金を使って購入するとすればそこまでやっぱり考えていくのは当然ではないのかな。その運用が自衛隊に任されているんだから、そこまで考えがどうしていかないのか。それは怠慢だよ。得々と、これとこれとこれしかこれの使用の道はないんだ、だからというようなそういう固定したものの考え方で物を買ってもらっちゃ困るね、これだけの国民の血税を使うんだから。  そうすると、政府専用機として考えた場合には国内状況からいって条件的にガルフに非常に不利になる、だからそれを入れなかったということではないんだね。それははっきり否定できますね。
  51. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) はっきり否定できます。  詳しく申し上げますと、先ほどちょっと先生の御質問お答えを落としましたが、国内での離着陸性能から、国内の飛行場の九割弱をファルコンが使用できるのに対して、ガルフと残りの一機種は七割前後にとどまるという事実関係があるということでございます。まずこの点について申しますと、航空機の離着陸性能について、航空機の重量でありますとか大気、滑走路の状態により変動し得るものではございますが、仮に三候補機種が最大重量、大気状態がISA、これは国際の標準気圧で十五度Cでございますが、滑走路が乾いている、ドライの場合については三候補機種の運用可能な飛行場の数はほぼ同数、どの飛行機でも運用は可能であるということでございます。  なお、航続距離の点から申しますと、どの飛行機も、もちろん今のボーイング747のような大型機と違いまして、油の状態から申しまして、例えば米国であれば大西洋岸まで行ける飛行機もあればそういうところまでは届かない飛行機もあるということでございますから、その運用の仕方は割合近い距離に限られるということになろうかと思いますが、滑走路の問題について言えばどの機種が有利でどの機種が不利という問題はないわけでございます。  なお、今先生のは長距離のお話で、国内の主要空港の話として申し上げましたが、我々の検討の中では離陸滑走距離ということが一つの問題になっているという事実もあわせて申し上げておきたいと思います。
  52. 村上正邦

    村上正邦君 今のあれは航空自衛隊の指揮通信機B65の後継機、さらに訓練支援、要人輸送、緊急輸送などに使用することを目的としている、こういうことですね。PKOは考えていないのですか、PKOは。
  53. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) PKOにつきましても、PKOは百条の七によりまして私どもの任務としてなっておるわけでございまして、PKOの任務に使う場合にどのくらいの航続距離でどこの地域まで飛べるかというような観点のプロファイル、飛行形態と申しますか、そういうようなものについて会社側からの提案を求めております。  ただし、ちょっと先回りするようになりますけれども、この件についてはPKOの任務がいわゆる自衛隊の百条の規定といいますか、余力の活用という面もありますので、機種選定に当たりましてはこの能力をもって評価するということはしておりません。参考としてどのくらいの距離に、どのくらいの地域に運用が可能かということは求めております。
  54. 村上正邦

    村上正邦君 これは、やっぱりPKOに使うときには閣議了承は必要なのですか。
  55. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 御質問が採用された後ということであれば、当然のことながらPKOに使うときにどのような飛行機でどういう任務をするかということはPKOの仕事の実施計画として閣議に諮られるということであると思います。  したがって、この飛行機だからということではなくて、PKOを実施するための実施計画として、それから一方、今先生PKOでございますので……
  56. 村上正邦

    村上正邦君 これはそれでいい。閣議にかけなくていいのか、これはきょうの主たる問題のあれじゃございませんので、これはこの辺にしておきましょう。  そこで、先ほども触れましたが、去る八月十一日の防衛庁参事官会議でこのUXガルフストリームが内定した。そこで、翌日の閣僚懇談会で選定作業の不透明さを指摘され、防衛庁内に学者三名による再検討委員会を設けたわけですね。そういうことですね。
  57. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) その十一日の閣僚懇談会においてお話が出て、それを受ける格好でといいますか、それはいわゆる選定の透明性といいますか、より慎重を期すべきだという御意見だったと私は承知しておりますが、そういうものを受けて新たに四閣僚のもとに慎重な検討をするということが決められたわけでございます。  したがって、それを受けまして防衛庁として有識者による検討委員会というものを設けて検討しているということは事実でございます。
  58. 村上正邦

    村上正邦君 官房長官、どうもお忙しいところを。  そこでちょっとお尋ねしますが、この閣僚懇談会でどのような点が指摘され、何が問題となったのか、何が不透明だと指摘されたのか。そこらあたりのお話が聞ければ聞かせていただきたい。新聞にはどの大臣からどういう発言があってという事実経過についていろいろと報道されておりますが、官房長官、そこらあたりをちょっとお聞かせいただきたい。  ということは、今までこういう機種購入について閣僚懇で待ったがかかったなどということは前代来聞なんです。ですから疑問を解明していくために、私も閣僚経験者の一人でありますが、少なくとも閣僚懇で発言する内容というのはそれだけ発言に対する責任があると、私はこう思うのです。閣僚の発言というものは重い。ゆえにお聞きをさせていただきたいのです。
  59. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 今、村上委員お話しのように、八月十二日の閣議後の閣僚懇談会におきまして、この機種選定について慎重をさらに期すべきでないかというような御意見が出ましたのは事実でございます。  それは、当時さまざまな報道等でこれに関するいろいろな情報が流されておりましたりしていたものでありますから、そういう中から閣僚から、防衛庁でしっかり内部で選定をいただいているものではあるが、なお国民の目から見ても本当に公正な選定がなされているという意味の、念には念を入れると言いますか、そういう透明性についてなお明らかにするために、この際、関係閣僚と申しますか、内閣官房、外務、大蔵、防衛、この四閣僚でいろいろこれに関して打ち合わせをしてみてはどうかと、こういうことで四閣僚のこれに関する会合を持つことにさせていただいたような次第でございます。  そんなような状況でこの会合というものがなされて検討をしている、こういうことでございます。
  60. 村上正邦

    村上正邦君 そうすると官房長官、これは閣僚懇、四閣僚でいろいろと今後の対応について話し合っていこうと。  それと玉沢長官、これは閣僚懇の、これで手続上も問題はなかったね、技術上も問題はなかったね、それから商社のいろいろと不明な不可思議な、例えば後ほど出てきますが、ガルフ政治家のモザンビーク視察の利用等々に格安で使用されているということですが、こういうことも問題ないねと。そういうことの疑惑が晴れなければこれは予算化されないのか。結局今は凍結、閣僚懇という縛り、どのくらいのこれは拘束力があるのか知りませんが、それはどういうふうに認識しておられますか。
  61. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 機種選定に当たりましては、今までもいろいろな手続その他やってまいりましたが、一番大事なことは、だれがだれの目で見ても透明性が明らかになるということだと思うんです。  そこで、御指摘をいただきましたように、例えば最初から機種を特定しておったのではないかとか、あるいは機種を決定する場合におきましては特定の人間が影響を及ぼしておったのではないか、こういうような疑問等が呈せられた。したがいまして、あくまでも内閣全体として責任を持つという上におきましては、やはりそういう点について明確なる透明性を持って説明できるような公平、厳正なる決定の仕方をしなけりゃならぬ、こういうことでございますので、四閣僚のもとでそれを検討し、そして防衛庁におきましては有識者の先生方にさらにまた検討をしていただきまして、より透明性を明確にした上で防衛庁長官としまして機種選定の決断を下す、こういう方式をとってやっておるということでございます。
  62. 村上正邦

    村上正邦君 官房長官、その四閣僚の懇談会というのはできてから何回ぐらい開かれましたか。
  63. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 四閣僚会合につきましては、これまで二回開催されているところであります。八月二十二日には機種選定作業の経過について説明を受けました。さらに精査しつつ慎重に対処するということにいたしまして、九月十三日にはその後の検討状況や透明性を確保する方策等について話し合いをいたしたような次第であります。  先ほど来防衛庁長官も言っておりますように、現在、防衛庁において有識者の意見を聞き機種選定の内容をさらに精査するという作業が行われているところでございます。そのようなことで、四閣僚の会合としては二度行われているということでございます。
  64. 村上正邦

    村上正邦君 これは防衛庁長官、急ぐんですよね、新年度の予算に何としても間に合わせたいというさっきのお話ですよね。こんなテンポでよろしいんですか。やっぱりやるなら徹底して、せっかくそういうものができたならできたで、そこで少なくとも月に二回ぐらいはやるぐらいの、八月にできてもう十一月ですよ。本当は十一月、今月いっぱいでこれは白黒をつけるという話を僕は聞いていましたが、このテンポでできるんですか。それと、長官は先ほどから透明透明とおっしゃる。その透明さが大事なんですよ。  そこでお聞きしますが、再検討委員会をつくったと言うのだが、その委員はだれがどういう基準で決めましたか。そしてその選定の透明性が求められていながら、なぜ再検討委員会委員や設置の事実そのものを内密にしているんですか。  先ほども言いました、私は最初に。このUXという飛行機は一般に売買されているビジネスジェット機であります。特に隠す必要、そういう秘密にするようなことはないと私は思う。  実はきのうも防衛局長が、事前にいろいろとどういう質問をするのか私のところに来られて、この問題を私が申し上げましたら、メンバーを公表すると嫌がらせの電話がかかってきたりいろいろ妨害が出るので内密にしているのだというようなことをおっしゃっておられました。しかし、これは一九八一年、いわゆる短SAM導入問題で防衛庁機種選定が問題になった際も、やはり民間有識者によって再検討委員会が設置された。このときは公表しているんですよ。そのときにそういう嫌がらせがあったから今回そういう迷惑かけちゃいかぬからと、こういうことなんでしょうけれども、私はやはり透明さを求めるための再検討委員会だったら、その再検討委員会そのものが透明でなけりゃ、それがどろどろしたヘドロのような、上から見ても全然底がわからないようなそういう不透明な委員会が何で透明なものをつくり出すことができますか。私はこれはちゃんと公表すべきであると思いますよ。それが常識じゃないですか。  それから、この再検討委員会に何を依頼したんですか。どういうことを検討していただくようにしたんですか。どうも私が知る限りにおいては、三人の再検討委員の連中はみんなこれは技術屋さんじゃないの。そんなものを、技術的なことを依頼したんですか。不透明というのは技術的なことだけじゃないでしょう、今、官房長官が閣僚懇でいろいろ話し合いをされたことの話を聞いていると。いろいろ問題が含まれている。技術屋で解決できるような事柄じゃないじゃないの。どうですか、その点。
  65. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) まず、再検討委員会じゃないんです、これは有識者委員会でございますから。四閣僚の中でこれは決定をいたしたわけでございます。つまり、この委員をお願いした先生方は最も航空機技術に精通するとともに、機種選定の内容を十分把握し理解する最も日本で権威ある専門家である、こういうように考えまして、そしてお願いをいたしたものでございます。  それで、四閣僚の御了解をいただきまして、結論を得るまでは委員は公表しない。なぜならば、その検討していく内容におきましてはあくまでも公正、厳正中立に行われなきゃならぬわけでございますから、必要以上の予断をいろんな各方面から与えられるということは決定についてもいろんな問題点がある、こういうように判断したからでございまして、結論を得た後におきましては委員の先生方の御了承をいただければ公表してもよろしいと、こういう形でお願いをいたし御検討いただいているものでございます。
  66. 村上正邦

    村上正邦君 私の言っていることはわかりますね。再検討委員会ではないとかなんとか言っているけれども、問題は何をこの委員会に依頼したのか。航空関係の専門者だと言うけれども、そういう専門的なことだけじゃないんですね。閣僚懇でどんなことが話題になったんですか。話題になったことということは、一つ一つ疑問があるわけですね。  特に官房長官、モザンビークへ行ったと。この飛行機ガルフを使って行ったという、こういうことについてもやはり問題として取り上げられているわけだよ。そういう真相解明をしなければこの疑惑は晴れないんですよ。じゃ、航空専門家の三人の委員会以外にまたそういうあれをつくってほしいと、こう言わざるを得なくなりますよ。  だから防衛庁長官、そういう紋切り型のあれだけじゃいかぬ。もう少しざっくばらんに、お互いに立場はわかっているんだから、その苦衷を訴えながら、防衛庁長官としてもこういう問題についてはこうあるべきだと、こういう透明性を持たなきゃいかぬと、こういうことについても疑惑に答えていかなきゃいかぬと。そんな疑惑は一切ない、新聞に出ているけれどもそんなことは関知しない、そういうことではこれは疑惑解明に――我々は仲間だからね、いざというときには予算獲得するために徹夜でもして私ども大蔵省とかけ合わなきゃならぬ、そういう気持ちは持っておる。そういう私ども、本当に自衛隊を愛するこの私自身が今までの答弁聞いていても釈然としない。敵でもなければ味方でもない。  だから、もう少しこの一つ検討委員会のあり方についても、防衛庁長官、あなたは大臣になる前から常に正論を吐露してこられた方だ。私は尊敬している。あなたの勇気ある発言、百万人といえども我一人行かんというこの気概、いずこに行ったんだ。私以上に自衛隊防衛問題については心血を注いでこられた先生の政治経歴の中からいけば、防衛庁長官、もう少し真摯に処していただきたいなということを申し上げておきたい。  そこで、再検討委員会、私はこれは再検討委員会だと承知していますのでそう言わせていただきますが、防衛局長、これはもうでき上がっているんでしょう。いつこれはお出しになるんですか。公表するんですか。
  67. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 有識者による検討委員会でございますけれども、これにつきましては九月の下旬に設けまして既に四回の会合を開いております。そして現在、その結果について有識者の方々に意見の取りまとめを依頼しておりまして、近々その有識者の方々の検討した結果の取りまとめが行われ、私どもに御提出していただくことになると思っております。
  68. 村上正邦

    村上正邦君 あなたはそういうことが通ると思うのかね、近々だとか。これはタイムリミットがあるんだろう。なぜそれも言わないんだよ。通り一遍のことであなたはこの場をおさめようと思っておる、そういう証拠なんだよ。タイムリミットがあるじゃないの、これは。予算要求しなきゃならないんじゃないか。それまでにきちっとしなきゃならないんでしょう。  近々というのはいつだよ。そういうところを僕はもう少し真摯に答弁しなさいと、こう言っているんだよ。
  69. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私は先生がおっしゃるとおり真摯に答弁をしているつもりでございますが、近々というのはそのように私も理解しておるからでございまして、例えば十一月中というふうに今言うわけにはちょっとまだ私どもそういう情報を得ておりませんので、近々と。  しかし、これは先ほど来先生御指摘のように予算要求にかかわっておりますので、できるだけ早くもらわなきゃなりませんので急いでいます。  したがって、近々というのは何もこれから随分長く先ということではございませんで、間もなくということで御理解いただきたいと思います。
  70. 村上正邦

    村上正邦君 十一月中というのは、きょう、あしただよ。
  71. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 失礼しました。十二月でございます。
  72. 村上正邦

    村上正邦君 十二月。予算編成はいつから始まるんだよ。我々はこの国会でも、参議院側がいろいろ審議権の問題などと言われながらでも会期延長なしでおさめようと、それは年内予算を組むことだと、これが我々与党の責任だと、こう言っているわけだよ。そういう悠長なことは言えないだろう、あなた。  だから、検討委員会、有識者委員会か何か知らないが、これが出る前、公表する前にもうこれはやるつもり。それでまた官房長官はよろしいのか。これはやっぱり灰色のままというわけにいかないんじゃないの。それで官房長官、この問題、予算計上させますか、新年度の。
  73. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) これは大臣から有識者の方々にお願いしたわけでございますから、その有識者の方々の検討の結果というものは踏まえて、さらに私どもとして判断をいたします。
  74. 村上正邦

    村上正邦君 だから、いつまでということがあるでしょう。それを言えと言っているんだよ。
  75. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私ども、先ほど言いましたように報告書についていえばもう近々ということでございますし、予算までにこれは決定しなきゃならぬわけでございまして、私どもとしてはそれに向けて全力投球を今しているわけでございます。
  76. 村上正邦

    村上正邦君 いいの大臣、それで。
  77. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) いろいろな御指摘をいただいたわけでございますが、防衛庁としましては、この機種選定といいますのはあくまでも防衛目的を達するために行うわけでございますから、その過程においてもし疑惑の点があったということについては我々は我々なりに調査をいたしまして、したがいましてこの国会におきましても透明性を明らかにするために御審議をいただくということは極めて大事なことだと、こう考えておるわけでございます。  同時に、手法にかかわる諸問題等につきましては、我々にはそこまでの権限はございません。それはしかるべくところでもしそういう事実があった場合は御指摘をいただきまして追及していただくということは、それはやぶさかではないと思いますので、防衛庁の権限として行うべきことを行って、公正、厳正に決定する方向で頑張っておる、こういうことでございます。
  78. 村上正邦

    村上正邦君 よくわかりました。防衛庁としては要求性能、技術的なことだけで厳正に決定していけばいいんだ、こういうことですね。
  79. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) そうです。
  80. 村上正邦

    村上正邦君 ではなぜ閣僚懇あたりで、素人の集まりでそういういろいろ言われたことにおいて一々中断したり、ストップをかけられたり、かんぬきをはめられたりするんですか。なぜそのとき断固、これは絶対今まで防衛庁としてはいろいろな角度から精査して我々が購入する性能目的にもうすべて百点満点だと、だからあなたたちからがたがた言われる必要ない、これはこれでやるんだと、防衛庁長官はなぜそのときに今のようなことをぴしっとおっしゃられてやらないんですか。
  81. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) この機種選定の作業は四月ごろからやったと伺っております。私どもが内閣を構成して私が防衛庁長官になりましたのは六月三十日でございます。  したがいまして、前からの経過がわからないものでありますから、一応私なりに検討をいたしたわけでございますが、もし疑問の点があって、新しい内閣で決定したことが内閣全体としての責任を負わなきゃならぬようなことがあった場合は大変だ、こういう議論等もありましたので、これは時間をかけて検討し、だれから見てもわかるように明確なものにしなきゃいかぬと、こういうことで時間をとっているわけでありますので、疑惑があるということであれば明確なる事実をお示しいただければ我々としましてもそれに十分対処をしていくということであります。
  82. 村上正邦

    村上正邦君 官房長官、それでよろしいんですか。これはそういうことで官房長官としてもこの新年度の予算にこれを盛り込んでいくことについて、そのお考えをお聞かせいただきたい。
  83. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 機種選定につきましては、言うまでもないことでありますが、その第一義的な権限を持っているというのは防衛庁長官なわけであります。当然、防衛庁といたしましてはこれの選定に当たりまして真摯な検討というものを続けて公正にこれを決めているものというふうに我々は考えている次第であります。  しかしながら、いろいろな意見がこれをめぐって出ていることも事実でございますし、先ほども申しましたように閣僚懇談会でもそういうような御発言がございまして、慎重を期して念には念を入れるという意味で、またいささかの疑問も残らないようにできれば努めたい。こういうこと等もあって、閣僚懇談会の意見を受けて関係の四閣僚でこれについて防衛庁長官とともにいろいろ打ち合わせしていこうということになった次第であります。  そういう中で防衛庁としては、客観性のある再検討、再検討という言い方はちょっと適当でないと思いますが、チェックをするという意味で、これは村上先生の言う言葉で言えば検討委員会ですか、有識者の委員会を設けていろいろ先日来専門家による検討も重ねてきているところでございます。  それの結論が、これはもちろんいろんなことは抜いた純粋な機種選定における専門的な検討の結果の報告というものがあろうというふうに思われますので、そういう報告が出て、防衛庁長官としてそれを確認されますと、私ども四閣僚の方にそれの報告、打ち合わせがあろうというふうに思われますので、そこで我々もその報告を聞きましてまたそれなりの協議をいたしたい。それら全体としての作業の日程等につきましては、今ほどお話がございましたように予算編成の作業に間に合うようにそれらをいたしたいと、こういうことのようでありますので、そのように受けとめてまいりたいと考えておる次第であります。
  84. 村上正邦

    村上正邦君 そこで官房長官、もう一つ。  十月二十八日の新聞によれば、ことしの五月上旬に私どもの同僚議員、お名前を申し上げるのもちょっとはばかった方がいいと思いますが、これはもうどなたかということは、何のことを言っているかということはもう皆さん方既におわかりでございますのであえて申しませんが、格安の料金で大倉商事を通じてガルフ社の保有するガルフ機をチャーターし、モザンビークPKOに参加している自衛隊を視察するため、パリ-モザンビーク-ロンドン間を利用したと報道されております。これにはガルフ機を扱う大倉商事の航空機担当部長も同行した。またこの報道を受け、その日の閣僚懇談会で再度選定の公正を求める発言が相次ぎ、官房長官が政府として調査する旨発言したという報道がありますが、これは事実ですか。  事実であればどういう調査をしておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  85. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) その折の閣僚懇談会で意見が出たというのはお話しのとおりでございます。しかし、私どもはその折にも申し上げたのは、そのこと自体の調査というよりは、今回のこの四閣僚の機種選定における協議というものに当たりまして、そういうことがあったということについても私どもはひとつ踏まえてしっかり適正な公正な結論を得るようにしていかなければならぬと、こういうような意味でございまして、そのこと自身の調査官房長官としてするというような意味のものではございません。
  86. 村上正邦

    村上正邦君 防衛庁長官、そのあなたの手法の問題は手法の問題で指摘していったらいい、こういう御発言でございますので、ここで具体的なことについて、これは長官自身がかかわることじゃない、防衛局長または防衛庁官房長が、恐らく世上言われていることについて、例えば組みかえに対しての空幕の幹部が関与したということについても本人にたびたび面談して、いろいろとそういうことがあっなかなかったかという事実関係についてお聞きになったと、そういうことでございます。  そのことについて、先ほど私は私でお聞きしたいことがあるからひとつ委員長の取り計らいでお願いを、参考人として御出席いただく。これはこの内閣委員会になるのか、通常国会が始まった予算委員会になるのか。  防衛費というのは、今は特に社会党と自民党と連立の中でとにかく防衛費は削減しろと、こういう厳しい、私どもはむやみやたらに削減することについては問題があると思っておりますが、しかしその連立の中からそういう声が出ている。  これはまた話は違っできますが、基地問題一つをとったって、宝珠山防衛施設庁長官の、この前猪熊さんがここでやっておられたけれども、共生だとかなんとかと。私どもは私どもの長年自由民主党としての基地対策、私は基地対策の委員長もやっておりましたので、やはり自由民主党としての基地対策に対する考え方もこれあるわけであります。しかし、そうした中で国民の血税をいろいろとやりくり算段を大蔵省はしていることも知っております。  そうした中で、この防衛予算というものはそれなりに何一点疑惑のない、先ほど言いましたように本当に国民から信頼されていかなきゃならない。こうした防衛庁の国防に当たっていく、防衛に当たっていく、そうした理解をしていただくためにも、特に防衛庁出身、自衛隊出身の議員、また防衛族と言われる議員、こうした人たちがいろいろとかく言われればそれはすぐ防衛政策問題にはね返ってくる。装備の面、予算の面の疑惑にすぐはね返ってくる、それから自衛隊の士気にすぐ及ぼしていくという、こうしたことにもなりますから、私はここらあたり疑惑については、防衛庁長官はしっかりこの際晴らすべき疑惑は晴らしておくということが大事だと、こう思っております。私も個人的に今言われている政治家または空幕の幹部とおつき合いはあります。しかし、私にすれば本当に泣いてここでいろいろなそういう疑惑、本人たちのためにも私は疑惑を晴らしてあげなきゃならない、こう思うがゆえにこの空幕の参考人もお願いをしようと。  そしてこのモザンビーク、ここに同僚の永野さんいらっしゃるけれども、このことについてもこれからちょっと触れていきたいなと思っておるわけであります。  そこで局長、大倉商事提供のガルフでモザンビークの視察に行くという、このことは事前にわからなかったんですか。
  87. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) お答えいたします。  事前にこのようなフライトが行われるということについては承知をしておりませんでした。それで、もちろんこの件について私どもとして調査した中で、このフライトについてといいますかモザンビークのPKO部隊の視察につきましては、田村議員と尾辻議員がモザンビークを訪問したことについて、これは総理府の国際平和協力本部事務局が日程の調整を行っておりましたので、防衛庁としては事前に承知をしていなかったところでございます。  そこで、事務局の方に問い合わせたところ、事務局の方でもガルフストリームⅣをチャーターする、そしてそのチャーターした飛行機に乗ってくるという事実については事前に承知をしていなかったということでございます。  要するに、部隊を視察するという話があって、その部隊の視察についての調整を行っておったけれども、そのフライトがどういう飛行機で行われるかということについては承知をしておらなかったという回答を得ています。
  88. 村上正邦

    村上正邦君 それは常識では考えられないんだよ。防衛庁でしょう、自衛隊でしょう。PKOの視察に来てくれるのに、しかもそれがかつての同僚ですよ。どういう飛行機を使ってだれと来るのかというぐらいのことは当然これは反射的に問い合わせていくんじゃないですか。これが常識じゃないですか。そう思うけれども、僕は。
  89. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 今申しましたように、当然のことながら視察を受けるわけでございますから、空港にお迎えに行くとかそういうこともやらにゃなりません。したがって、何時に飛行機で来るということは私は知っておったと思います。そして迎えに行ったと思います。  ただ、そのときに仮にこれがガルフストリームという飛行機で来ると言われても、現地に派遣されておる陸上自衛隊を中心とするモザンビークの部隊が、五十二名派遣しているわけでございますけれども、そこにこれがあのガルフストリームであるというような意識を持つということではなくて、部隊視察に対して先輩が見えられるということでお迎えに行くということにもちろん重点があって、それがまた東京にまではね返ってきて、このガルフストリームで見えられるというようなことまではだれも意識しておらなかったということでございます。
  90. 村上正邦

    村上正邦君 私の常識からいって、何月何日、ましてチャーター機となれば、そしてどこに着くとなればそれを迎えに行くわけでしょう。チャーター機となればどういうチャーター機の機種か、自衛隊はそれは専門じゃないですか、防衛局長。だから、そこらあたりもこういう答弁は常識では考えられない。これは知らなかったというのなら怠慢ですね、そうでしょう。  それから田村さんも、これは同僚がいるからあれですが、新聞か週刊誌のあれを見ると、知っていたら乗らなかったはずだと、こう言っているわけだね。彼は空幕の専門家だよ、自負しているんだよ。この参議院の中で、おれが防衛関係政務次官をやったただ一人だと自負しているよ。彼にすれば、この参議院の議員の中で飛行機のことにかけておれの右に出るやつはいないと、こう思っているんだよ。  その思っている人がチャーターするときに、その飛行機がどんな飛行機かとも聞かずに、大倉に頼めば大倉がどんな飛行機を使うかということは明白じゃないか。ガルフしかないじゃないか。そうでしょう。それに乗るということ、それで視察に行ったということ、これをあなたはどう思うか。  そこにはやっぱり大倉商事といろいろな問題があったんだなと。しかも売り込みの担当部長までそれに同行しているということになれば、あなたはそこに何にも感じないかね、知らなかったで通るかね。子供におもちゃを与えるのと一緒だよ。飛行機専門家がチャーターする場合にどんな飛行機になるか。子供がおもちゃを与えられた、そのおもちゃをいろいろひっくり返したりなんかして研究していくのと一緒だよ、これは。田村さんにすれば機種は一番関心のあるところだよ。そう思うのが普通じゃないのか。
  91. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) まずその前に、現地部隊にそういう意識がなかった。したがって、私どもに意識がなかったという知らなかったと、乗る機種を知らなかったというところはちょっと混同されるといけませんので、私どもはそういう事実を知らなかったということについては事実でございますから、そのようにまず御報告します。  それから、今回の報道されましたガルフストリームⅣの利用についてのお話でございますけれども、これにつきましては、私どもその報道を受けて十分調査をさせそいただきました。その調査結果によりますと、四月ごろに、私どもが知る範囲でございますが、田村事務所の方から大倉商事の方に個人的な依頼があったということ。その際に、ガルフ社ではヨハネスブルクでガルフストリームⅣのデモンストレーションの計画があるということがございまして、この往復便に便乗してマプトへ立ち寄ることとして日程を調整した。そして料金については、ファーストクラス料金並みを支払うことで合意をしたということでございます。そして日程については、パリーカイローマプト、それからマプトーベイラ-マプト、マプト-カイロ-ロンドンという経由をもってパリからロンドンに着いておるということでございます。
  92. 村上正邦

    村上正邦君 時間がないから、そんなことはどうでもいい。そういう疑惑を感じなかったかねと言っているんだよ。そういうことは迷惑だろう、防衛庁は。大臣も迷惑だよ、こんな変な疑惑をかけられて。しかし、かけられた事実があるんでしょう。局長、どう思うんだ。あなたの感想聞いているんだよ、時間がないよ。
  93. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 先ほど来、しつこいようですけれども、このことによって私ども選定というものにいささかの影響もないわけでございますけれども、こういう報道がなされたとき非常に残念に感じました。
  94. 村上正邦

    村上正邦君 いろいろの疑惑事件というものはやっぱり商社政治家との癒着、それにいろいろと物を買ったり売ったり入札したり選定したり、こういう構造があるから問題として指摘されてきたわけでしょう。だから、それは一つの構造の中にそういうものがやっぱり含まれているんだよ。いささかも防衛庁としてはこういうものに左右されるものではないと言うけれども、しかし世間様はそうは見ないんだよ。そこに我々が襟を正さなきゃならぬことがあるんだよ。そこに官僚の諸君においても襟を正していかなきゃならぬことがあるんだよ。  だから最初に、政治家であっても大臣であっても言うべきことはなぜ言わないんだ、注意しないのか。ただ調査した、ただこういうことであったああいうことであった、いささかも防衛庁はこれに対しては左右されることはありませんと。左右されているじゃないか、現実に。これだけの時間を費やしながらこういう問題が問題になっているということは大いに問題があるんだよ、これは。あなたがそういう考え方でこういう問題に対処しようなんというのはこれはとんでもないことだ。  それから、あなたはこれは知らないと言えばそれで済むことかもしれないけれども永野さんもいるからよく聞いておってください。円木会というのがあるという、これはその議員の後援組織だそうでございますが、それから真一会というのがある。これは知っているかね。
  95. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) これにつきまして報道等がなされましたので、私どもとして調べました。  それでまず、円木会というものはどういうものかということでございますが、それは当該の田村事務所に聞いた結果でございますけれども、後援会組織ではなくて防衛問題について話し合う私的な集まりであるということと、そしてそれの目的は、自衛隊という殻に閉じこもらず幅広く民間の方々とも防衛について語り合う趣旨で創設したもので、月に一回勉強会のようなものを行っているということでございました。  それから真一会というものがございます。これもやはり後援会組織でなく、個人的な御縁のある方々、仲人をした人でありますとか親戚などと言っておりましたが、議員を囲んで語り合う会であって、個人的に親しい方々との私的な集まりであるということでございました。
  96. 村上正邦

    村上正邦君 この円木会に、先ほど参考人要求をしました空幕の幹部、それからモザンビークへのガルフに同乗した大倉商事の部長、こういうメンバーが入っていると聞いていますが、これは後ほど何か共産党さんがおやりになるんで、共産党の赤旗を見たらそういうことが書いてあるんだが、私がこういうことを言うと私自身の人格まで疑われるからそこまでは申しませんけれども、ちょっとそこらあたりを聞いておきます。
  97. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 本人に確かめましたところ、元空幕装備部長昭和六十二年夏ごろに円木会に入会したということを言っております。以上であります。
  98. 村上正邦

    村上正邦君 わからない。もう少しはっきり言ってください。
  99. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 昭和六十二年夏ごろに円木会に入会したと。
  100. 村上正邦

    村上正邦君 だれが。
  101. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 元空幕の装備部長でございます。
  102. 村上正邦

    村上正邦君 そのメンバーがわかればさらに言ってください。私が今言った大倉の営業担当のその人も入っているのかね。
  103. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) その円木会なるものにどういう方が入っておられるかということは、私どもの方では承知しておりません。
  104. 村上正邦

    村上正邦君 関係者ぐらいは、あなた、そこまで調べるんだったら疑惑とされる人物、そこまで当然注意を払うのが人事局長、あなたの知恵はそのくらいの程度なの。そんな人を人事局長防衛庁は置いていていいのか。
  105. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 私どもの方の所掌の範囲は防衛庁の職員、自衛隊の隊員ということでございますので、そのようなことにつきましては調査する方法がございません。
  106. 村上正邦

    村上正邦君 人事局長、最近、新聞に山田商事という何か防衛庁と取引をしている商社があるようだけれども商社か部品屋さんか何か知らないが、最近急激に取引が防衛庁とあるということですが、この事実は知っていますか。
  107. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 山田洋行でございますか。
  108. 村上正邦

    村上正邦君 はい。
  109. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 山田洋行という商社がありまして、防衛庁がそこと取引があるということは聞いております。
  110. 村上正邦

    村上正邦君 そこの役員には防衛庁OBはいらっしゃるんですか。
  111. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 元二等空曹でやめられた方が役員をやっておられるということは聞いております。
  112. 村上正邦

    村上正邦君 やっぱり官房長官、大臣はいなくなったけれども防衛局長も、自衛隊は他の省庁と違って定年後の再就職等々に、私もこれは防衛政務次官をやり、防衛庁皆さん自衛隊の人たちと多くの個人的な関係があります。他の省庁に比べれば第二の人生を送る道というものが非常に狭められていますけれども、建設会社あたりもOBがゼネコンへ行ったりなんかして、行くときにはお土産がどうだとかああだとか、これが問題に一時なっているわけでありますね。道はその幅は狭いは狭いなりにそういうOBが行った、特に役員なんかやっておる会社が新聞あたり疑惑を持たれるような、急激に防衛庁との取引がぐっとふえていったなどということの言われないように一つやっていくことも大事なことではないのかなと、こう思います。  時期が時期だったから、このガルフ選定と山田洋行との新聞報道が一時出ましたのでいろいろとまた変にせんさくの目が行くのか知りませんけれども、しかしこれも一つの氷山の一角かと思いますので、防衛局長、三井官房長そこらあたりやっぱり十分、防衛庁は余り批判の対象になっちゃいかぬ、それだけは注意をしていくことが大事だと私は思います。  そこで最後に、時間になりました、済みません、もう一問だけ。官房長官、こんなことがあっていいのかなと。フランスの首相から何か村山首相に親書が来た。その中身ですが、よろしくという程度だったらいいけれども、これは事実とすれば大変な事柄、よその一国の首相が我が国に対して機種選定にまつわって疑惑があったんじゃないかというような中身が書かれているということになってくると、書く方も書く方だし、今いろいろ防衛庁と話をしてきまして、国際信用上にもこれはかかわることだし、それは否定なさるのかどうなのか、中身。これは重大なことですから最後に聞いておきます。どういう中身だったのか。そこまで言及しているのかどうか。言及しているとなれば直ちにこれは防衛庁の言うようなことであれば抗議しなきゃならぬ。そこに国と国とのいろいろなこういうあれになってくると非常にいかがわしい、いかがわしいということを通り越して国際信用にまで発展していくようなことになるだけによほどこれは透明性が必要だ。
  113. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 簡潔に願います。
  114. 村上正邦

    村上正邦君 そして、ぴしっとやっぱり正当性を説明できるようなことでいかなければならない事柄だなということを申し上げて最後の質問にさせていただきます。
  115. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) バラデュール・フランス首相の書簡につきましては、フランス政府としてUX導入計画に関心を表明なされまして、我が国が同国製の航空機を購入するよう要請してきたものでございますが、御指摘のようなそう詳細な内容のものではなくて、今言いましたようなメッセージであったということであります。
  116. 村上正邦

    村上正邦君 どうもありがとうございました。  しかし、そういうことはやっぱりぴしっと国民に知らせてあげないと、こういう報道が出れば疑惑から疑惑を生み、国際信用上にも大きな影を落としていく、こう思いますので、官房長官、適切に、やはり日本国にかかわる問題ですから、それはしかと抗議するものは抗議する。幸いに今お聞きしてそういう文面は具体的にはなかったということでございますのでほっといたしております。  ありがとうございました。
  117. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 午前の部はこの程度にとどめ、午後零時四十五分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時四分休憩      ―――――・―――――    午後零時四十五分開会
  118. 岡野裕

    委員長岡野裕君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国防衛に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  119. 栗原君子

    ○栗原君子君 どうも官房長官御苦労さまです。  私は、軍縮を進める立場から、防衛予算の削減について質問をいたします。  初めに、五十嵐官房長官にお尋ねをいたします。  村山総理は、就任直後の所信表明の演説の中で、「我が国は、軍備なき世界を人類の究極的な目標に置いて、二度と軍事大国化の道は歩まぬとの誓いを後世に伝えていかねばなりません。また、唯一の被爆国として、いかなることがあろうと核の惨禍は繰り返してはならないとのかたい信念のもと、非核三原則を堅持するとともに、厳格に武器輸出管理を実施してまいります。」。また、「自衛隊については、あくまで専守防衛に徹し、国際情勢の変化を踏まえてそのあり方を検討し、必要最小限の防衛力整備を心がけてまいります。」と、このようにおっしゃっておられるわけでございます。  そこで、国際情勢の変化を踏まえての自衛隊のあり方、さらには軍縮の具体的なあかしとしての防衛予算の削減、そしてまた核廃絶を目指しての日本の取り組みなどについて、官房長官の決意のほどをお伺いをいたします。
  120. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 総理の所信表明にございましたように、私どもといたしましては、いわゆる軍備なき将来の世界や国家というものを目標としながらそのために努力していくということは、これはもう人類共通の今日課せられたものであろう、こういうぐあいに思っているところでございます。したがいまして、そういう究極の目標を立てながら、かつ今日の諸情勢というものもしっかり踏まえて着実に前進をしていくべきものであろう、このように考えている次第であります。  平成七年度の防衛予算の概算要求につきましても、厳しい財政事情等を踏まえて、御指摘の正面装備やあるいは在日米軍駐留経費も含めて、経費全般にわたって鋭意節減圧縮を図ってまいったと承知いたしている次第でございます。  平成七年度の防衛予算につきましては、これからの政府部内における予算編成過程を通じまして、効率的で節度ある防衛力の整備の必要性、あるいは日米安保体制の運用というようなものを一方で踏まえながら、他方、深刻さを増している財政事情、あるいは我が国をめぐる諸情勢というようなものの全体の調和を図りながら適切に対処してまいりたい、このように考えている次第であります。
  121. 栗原君子

    ○栗原君子君 ありがとうございます。  もう一点お伺いをさせていただきたいと思いますけれども、十一月の初めに読売新聞の憲法改正案が出されてまいりました。その中で、賛否両論を含めまして国民の中からもさまざまな意見が出ているところでございます。  そこで、読売新聞は真実、公平を信条としていらっしゃるようでございますが、一千万部を誇る天下の大読売新聞がこのようなものを発表したことについて、官房長官、個人的なお考えで結構でございますけれども、コメントを求めさせていただきたいと存じます。
  122. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 憲法をめぐる議論そのものは国民に広くそういう議論があって当然いいものであろうというふうに思います。しかし、国の基本法である憲法の改正につきましては、私どもとしては世論の成熟をしっかり見定めるなど極めて慎重な配慮を要するもの、こういうぐあいに考えているところであります。  憲法改正をめぐりましては、最近各方面からさまざまな意見が出されているのでありますが、現在、国民の中で憲法改正の具体的内容について合意が形成されているとは考えておりません。したがいまして、現段階で内閣として憲法を改正するという考えは持っていないところであります。  読売新聞社が憲法改正試案を発表したことについては承知しておりますが、内閣としては以上のような考えであるということでございますので特段の意見を申し述べることは差し控えたい、このように思っている次第であります。
  123. 栗原君子

    ○栗原君子君 次に、外務省の方にお伺いをいたしたいと存じます。  世界は今軍縮に向かって動いていると私は思います。そういうことで、外務省として各国の軍縮への動きはどのようになっているのかお伺いをいたします。  米ソの和解と大幅な軍縮という冷戦構造終結は、確実に平和をもたらし核戦争の脅威を遠のかせてくれたものの、まだ核の時代は今も続いていると私は思います。今、世界が新しい平和の秩序を求めている中で、日本は憲法九条の精神に立って核廃絶に向けての決意と提案を国連でもしっかりと行うなど、ひたすら軍縮への努力をするべきだと思います。  外務省は、冷戦後の国際的軍縮の動きをどのように認識していらっしゃるのか、あわせてお伺いをいたします。
  124. 林暘

    政府委員(林暘君) 冷戦後の軍縮の世界的な状況でございますが、御指摘のとおり、冷戦が終わりましてから戦略核兵器の軍縮につきましては米ロ間で交渉が行われまして、STARTⅠ、STARTⅡという条約ができ上がっております。ただ、この条約については、ウクライナがNPTに非核保有国として加入することをロシアが条件といたしておりますので発効はいたしておりませんけれども、そういうのができ上がっております。  それから、ことしの初めからジュネーブの軍縮会議におきまして全面核実験禁止条約という条約の交渉が始まっておりまして、我々としてもできる限り早期にこの全面核実験禁止条約というものをつくり上げたいというふうに思っておるわけでございます。  我が国といたしましては、こういう冷戦後の国際的な状況において軍縮への機運が高まっているということを認識しておりますし、さらにそういった環境のもとで一層の核軍縮というものが進められていくべきであろうというふうに思っております。  そういった観点から、具体的にはこの秋に国連の第一委員会、第一委員会と申しますのは軍縮関係をやっております国連総会の委員会でございますが、この第一委員会に核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮に関する決議という決議案を日本が単独で提出いたしまして、幸い多くの国の支持を得ることができまして反対なし、棄権は八カ国ございましたけれども、圧倒的多数で可決されたという状況でございます。  こういうことにあらわれておりますように、政府といたしましては世界的な軍縮、特に大量破壊兵器の軍縮に向けての努力をさらに今後とも推進していきたいというふうに考えております。
  125. 栗原君子

    ○栗原君子君 実は、ことしの十月七日の日でございましたけれども、中国の核実験がありました。その中で、多くの広島の市民の人たちは怒りの声を出したわけでございます。それはなぜかと申しますと、ちょうどアジア大会の開催中でありまして、世界の友好のために行われているアジア大会の開催中に中国が核実験をしたということに対して多くの人たちから怒りの声が出たわけでございます。国際世論を無視して核実験を続けていることに対しての怒りの声でございました。  私も、その翌日でございましたか広島の平和公園で抗議の座り込みがありまして、そこに参加をさせていただいたわけでございます。ちょうどインドネシアの観光客も来ておられまして、一緒に少しの時間座っていただいたということがあるわけでございます。  そこで今、核保有国は核実験の停止をしているわけでございますけれども、まだ中国につきましては核実験をやめるということは言っていないわけでございます。何とか日本も、先般国連総会の第一委員会におきまして核軍縮の要請決議案を提案いたしまして採択されたところでございます。そういったことからしても、被爆国の日本がこういった核兵器廃絶に大変力を入れているということが鮮明になったものだと思うわけでございます。  そこで私は、外務省にお願いをしたいのは、九二年に閣議決定されたODA大綱四原則は、援助の条件といたしまして、「大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払う。」としているわけでございます。核兵器の開発はこの項に触れるわけでございます。新聞の報道によりますと、外務省の方が第四次の円借款も見直す、こういった発言をされておられまして、私たちもよく言ってくださったという気持ちも持っているわけでございます。  そういったことも含めまして、日本がODAを中国にも多額なものを出しているわけでございますから、もっと強く核実験の停止をするようにということを外務省からも国連を通じるなどして、また中国との二国間におきましてもこういった提案を強くしていただきたいという、こういう思いを持っているわけでございます。  広島では核実験が行われるたびに抗議の座り込みを市民や被爆者たちがいたしておりまして、二十年間続けてまいりました。もう既に四百八十二回も抗議の座り込みを続けました。そして、広島市長はその都度抗議の電報を在日の各大使館にあてております。これも既に五百三十八回にもなりました。そういったことで一部市の市民や市長の問題でもありますけれども、それ以上に私はもっと国際的な問題であろうと思いますので、こういったことで核兵器廃絶への決意のほどをもう一度御答弁いただきたいと思います。
  126. 林暘

    政府委員(林暘君) 中国の核実験につきましては、御指摘のとおりことしの秋、ことしはこれで二度目でございますけれども、中国は核実験をいたしまして、これにつきましては日本政府として中国政府に対して極めて遺憾であるという抗議の申し入れをいたしております。  特に、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ジュネーブにおきましては全面核実験禁止条約の交渉が精力的に行われておりますし、中国を除きますあとの四つの核兵器保有国が核実験のモラトリアムということで自発的に核実験をやらないようにしている状況の中で中国だけが現在核実験を行っておりますので、そういった観点からも極めて遺憾であるということをいろいろなレベルで中国側には申し入れてきております。  ことしの十月の核実験につきましても、東京で外務次官から在京大使に申し入れたわけでございますし、御指摘のODAとの関係で経済協力局長からも在京の公使に申し入れております。それから、先日行われましたAPECの首脳会議、インドネシアにおきましても村山総理及び河野外務大臣からもその点は中国側に話しているところでございます。  ODAの四原則につきましては、御指摘のとおり大量破壊兵器の関係のことが書いてございます。そういった観点がございますので、中国側に対しては、中国が今のような状況で核実験を続けるということは、ODAというのはそもそも日本国民の理解を得て行っておる事業でございますし、そういった点から中国が核実験をするということが対中経済協力に対する日本国民の理解と支持を得ることに好ましくない影響をもたらすという観点からの申し入れを中国側にもいたしておるところでございます。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように現在核実験の全面禁止条約の交渉が鋭意進められておりますし、このCTBTといいますか、この全面核実験禁止条約については中国も交渉に参加しておりますし、かつ条約それ自体については基本的に合意をいたしておりますので、それが早期にできますれば中国も核実験を停止するという状況になろうかと思っておりますので、それが一刻も早くできるように我々としては今努力をしているところでございます。
  127. 栗原君子

    ○栗原君子君 ぜひこの地球上からそういった核実験がなくなり、また核兵器がなくなるように、これは被爆国の日本であるから世界に対して言えることだと思うわけでございます。世界の安定のために、また大量破壊兵器である核兵器は絶対にもう人類を減ぼすものだと私は思っておりますので、なくなるようにさらに努力をしていただきますようにお願いいたします。  それでは、続いて防衛庁の方にお伺いをいたします。  長官がおいでになりましたのでお伺いをさせていただきたいと思いますが、これはことしの十一月十六日の新聞記事でございますけれども、青森県にあります米軍の三沢基地第三五戦闘飛行団のノーウッド司令官が、飛行団の主な警戒対象はロシアではなく朝鮮民主主義人民共和国だと語ったということを報じているわけでございます。この間、日本は軍備を増強してきたわけでございますけれども、これは旧ソビエトを対象にいたしまして増強してきたものだと私は感じるわけでございますが、既にロシアとアメリカとは大変友好的になっております。そしてまた、そういった冷戦構造が崩れたことによって今日の世界の平和というものは私は着々と築かれていくであろう、このように思っているわけでございます。  そこで、ノーウッド司令官が警戒対象はロシアではなく朝鮮民主主義人民共和国だと言っておりますけれども防衛庁長官並びに防衛庁も大体北朝鮮を対象にして今日の防衛費の予算化をしていらっしゃるものでしょうか、お伺いいたします。
  128. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 米軍の司令官の言は言といたしまして、一般的に今まで東西冷戦下の場合におきましては、ソ連の軍事力といいますのは日本に対しまして潜在的な脅威を与えてきたということは事実だと思います。やはり日本も北方の防衛体制というものを重視してやってきたことは事実だと思います。  北朝鮮につきましては、御承知のとおり現在、核兵器開発疑惑というものがございまして、これが核兵器を開発してまいりまして大量破壊兵器を所有するということ、それからまた長距離の弾道ミサイルを開発しているというふうにも伺っておるわけでございますので、こういうものが開発をされて実戦配備ということになってまいりますならば、日本のみならず国際社会全体にとりましても大きな懸念すべき問題である、こういうように認識をするところでございます。
  129. 栗原君子

    ○栗原君子君 ノーウッド司令官が言っていることはこの人の個人的な見解だと思われますか。これは日本防衛庁としては個人的な見解だから別に気にしないと、そういう感じで受け取ってよろしいですか。
  130. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 司令官は司令官として自分の所見を述べたものと思いますが、私ども日米の間で常々意思疎通を図っておりますけれども、お互いの周辺諸国についての認識については冷戦終結後においても基本的には変わりがないというふうに考えています。
  131. 栗原君子

    ○栗原君子君 冷戦終結をしたからこそ、私はもうかつてのああいった緊張状態がなくなったんだから軍縮に向かっていいんではなかろうかと、こういう気持ちを持っております。
  132. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 冷戦終結で劇的な軍縮という形になりましたのは、これはヨーロッパの情勢だと思います。冷戦終結で確かに米ソの劇的な対立というものはなくなったわけでございますけれども、世界の中におきましては、地域紛争とか民族対立てあるとか、あるいは宗教上に基づく対立てあるとか各種の紛争は引き続き行われる可能性があるわけでございますし、日本周辺並びに極東アジア等におきましても対立の要素というものは考えておかなければならぬじゃないか、そういう点につきましてまだまだ不透明な部分が相当ある、こういう認識を持っております。
  133. 栗原君子

    ○栗原君子君 そこで私は、軍縮につきましてこの間ずっとこだわってきておりますので、幾つか軍縮の基本的な考え方について述べさせていただきたいと存じます。  九四年度の当初予算は四兆六千八百三十五億円でございました。これは防衛費でございますけれども、これを来年度は今年度と同額またはそれ以下にとどめる、こういうことをしていただきたいと思うんです。  それから二つ目には、それらをやることにおいて、一年間をかけて本格的な軍縮の計画を具体化し、九六年以降に着実な実施に入るとの方針を政府として確立していただきたい。  三つ目には、当初年度の削減額はそれほど大きくなくても後年度負担というものが大変大きいわけでございますので、これがまた年々増大をしているという、これが防衛予算の特徴でございます。後年度において大きな削減をするということを考えていただきたい。  それから四つ目には、削減の対象は、国際情勢の変化により不必要なものが大変多くなったわけでございますので、攻撃能力を持つ高性能のものを優先し、それに伴う装備、人員、施設等も一定の比率で削減をする。こういったことを基本的な考え方に持っておりますけれども、このことについてどのように考えておられますか。
  134. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) まず、軍縮についての考え方でございますけれども、村山連立内閣が成立するに当たりまして、自民党、社会党、さきがけの三党で政策協議を行いまして、そのもとで軍縮については次のように言っております。近隣諸国との信頼醸成を強めつつ軍縮を目指す、こういうことでございますが、軍縮といいますか、そういうものを進めていく場合におきましては、やはり近隣諸国との話し合い、信頼醸成を高めながらこれを進めていくということが一番大事だ、こういう考えに立つものでございます。  そこで、今お尋ねの点につきまして、防衛関係費につきましては、経費全体の約八割が義務的経費である人件・糧食費及び歳出化経費にあることなど、その構造上の理由からその抑制にはおのずから隈界がございます。特に、平成七年度の防衛予算の概算要求につきましては、その伸び率が〇・九%増となったことを踏まえ、あらゆる経費を対象として経費の削減圧縮を図り、極めて厳しい状況となっております。  かかる状況も踏まえ、七月二十八日の防衛調整会議におきましては、社会党を含めた与党三党間で、〇・九%の伸び率は七年度政府原案の決定に際しても尊重される旨の合意がなされたものと承知をいたしておるわけでございまして、これを我々としましては大事にしながら予算編成に臨んでまいりたい、このように考えております。
  135. 栗原君子

    ○栗原君子君 正面装備のうち、その主要兵器の来年度の新規分を私は削減してほしいと思うんです。  その総額は約十八億円でありますけれども、これは今年度の当初予算の比率では〇・〇三%にすぎないわけでございますが、この削減により後年度負担は約五千九百五十億円の縮小となるわけでございます。だから、十八億円だって後年度負担が六千億に近いわけでございます。このことにつきまして、どう考えてみても私はおかしいと思うんです。これは防衛力を増強するためにだれが考えたのか知りませんけれども、頭金を大変少なくしてそして後年度負担で次々とこれを負っていくということで防衛費は膨らんできている、これが実態であろうと思うんです。  例えば、高価な兵器が頭金なしで買えるというものでございます。F15戦闘機、これは五機が六百二十七億円のうち頭金は六千二百万円でございます。〇・一%の頭金なんです。それからP3Cの対潜哨戒機が百四十三億、これは一機なんですけれども、頭金はゼロでございます。それからAWACSの追加分、これが二機で千百二億でございますけれども、たったの、たったのではありませんけれども、五億円強で千百二億というものが買えるわけでございます。それから艦艇につきましては平均〇・五%の頭金で買えるというのでありますから、こんなに私はまやかしのようなことをして装備をする必要があるのかどうか、お伺いをいたします。
  136. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 今、先生の御指摘平成七年度概算要求における正面装備の要求については、一昨年の十二月、内外諸情勢の変化を受けまして大幅に下方修正されました、中期防衛力整備計画で。すなわち、二十二兆七千五百億円の計画でございましたが、これを五千八百億円削減しまして二十二兆千七百億円ということに下方修正したわけでございますが、そういう下方修正をしました中期防衛力整備計画の残事業、平準的な取得に配意するとともに、事業の緊要性をさらに吟味いたしまして抑制を図ったということでございまして、本来的に言えば残事業を、七年度は中期防の最終年度でございますから、全部達成したいところでございますが、それをさらに抑制し平成七年度の概算要求をしておるというようなことでございまして、ひとつ御理解をいただきたいと思います。  それから、御指摘防衛庁の主要装備の要求について、いわゆる継続費あるいは国庫債務負担行為ということによりまして長期間にわたって支出をするという取得方式をとっておりますが、これは基本的には装備の生産、取得にやはり数年を要するということから一つにはそういう方式によって調達をしているということでございまして、御理解をいただきたいと思います。
  137. 栗原君子

    ○栗原君子君 次に、幾つか私は提案をさせていただきたいと思っておりますけれども、その一つに乙類、トラックとか通信機、それからまた弾薬、それから武器、車両等及び後方関連の新規の支出を五%減らすことを提案したいと思います。それから在日の米軍の駐留経費も五%削減をしていただけないか。  これらをやることによりまして、乙類、弾薬、武器、車両等で十九億円でございます。後年度負担は百六十億円でございます。それから後方関連で二百六十五億円、同これは後年度負担が五百五十億でございます。駐留経費で百三十億円でございますが、これは後年度は四十八億円、合計いたしまして四百十四億円でございます。こういった私は削減ができると思うわけでございます。これにさらに先ほど申しました正面装備の新規分を削減いたしますと、これは十八億円でございますから四百三十二億円の削減ができるということになると思うんです。とりわけ私は、在日の米軍の駐留経費につきまして、何でここまで日本がしなきゃいけないのであろうかということをこの間ずっと調べてみまして気づいたわけでございます。  これらにつきましてどのようにお考えであるのか、お考えを聞かせてください。    〔委員長退席、理事板垣正君着席〕
  138. 秋山昌廣

    政府委員(秋山昌廣君) 今、御質問がございました乙類でございますけれども、これは陸上自衛隊の乙類でございますが、これは陸上自衛隊の他の正面装備品と一体となりましてその能力発揮を支援する上で重要な装備品でございます。  また、弾薬につきましては、所要の訓練用弾薬等を整備するものでございまして、これらについて新規支出を五%削減するということは考えておりません。  また、武器、車両あるいは後方関連経費でございますけれども自衛隊の現勢維持等のための経費でございまして、これを削減すること自体が非稼働の装備品の出現、あるいは隊員施策の一環である隊舎、宿舎等の生活関連施設の整備、あるいは処遇改善の推進に重大な支障をもたらすこととなるために極めて困難であるというふうに考えております。  また、在日米軍の駐留を維持していく上で必要不可欠なものとして米軍関係の駐留経費負担というものがございますが、その負担が在日米軍の効果的な活動の基盤を確保することに大きく寄与しているものでございますので、概算要求額を削減することはできないというふうに考えております。
  139. 栗原君子

    ○栗原君子君 特別協定というのがありまして、これに基づいてやっているということをおっしゃりたいのだろうと思うんですが、これが改正するごとにだんだんふえてきまして、初年度は六十二億円だったんですけれども、十年後の一九八八年は千二百億円になりまして二十倍になっちゃったんです。それから九四年度、今年度でございますけれども、これがもう二千五百億円という、これは思いやり予算がこんなにふえちゃったわけでございます。それに周辺の整備を含めますと五千九百四十四億円という、もう六千億近いものが思いやり予算として出されているわけでございます。そしてまた、これは米兵の一人当たりにいたしますと千二百七十万円になるということでございます。もう目が飛び出るようなんです。  日本自衛官の宿舎と、それから在日の米軍の宿舎を比べても天と地の差がある、このように聞くわけでございますけれども、そういったことをそれでもしなきゃ本当にいけないんですかね。中にはちょうネクタイまで買うとか、それからフィットネスクラブ、こういうものを整備するのにお金を使うとか、もう本当に言いなりに金を出しているわけでございますけれども、ここらをもう一度お伺いいたします。
  140. 宝珠山昇

    政府委員宝珠山昇君) 在日米軍駐留経費負担、これは特別協定、地位協定などに基づいております。この点の数字を先ほどおっしゃいましたけれども、若干私どもが掌握しております数字を超えているように思いますが、その点をおきましてお答えさせていただきます。
  141. 栗原君子

    ○栗原君子君 数字はいいから、必要なのか必要でないのか、そういうことです。
  142. 宝珠山昇

    政府委員宝珠山昇君) 我が国の安全保障体制というのは、在日米軍の駐留によって大きく支えられているということは御承知のとおりであります。この体制を円滑に確保していくという観点からは、在日米軍駐留経費負担あるいは御指摘のありました提供施設の整備というものについて適切な我が国の努力を行うべきであるということから、自主的な判断のもとにできる限りの努力を払っているわけでございます。  その中の一環として、先ほどございました家族住宅の提供など、あるいは労務費負担、光熱水料負担等も行っているわけでありますが、日米安全保障体制といいますのは冷戦後においてもなお重要性を持っている、ますますその重要性を高めているとさえ言われていることについては御承知のとおりでありまして、このためには引き続きこれらの努力をするべきものであるというふうに考えているところであり、先ほど経理局長から御説明ございましたように、防衛庁予算の伸びが非常に低い中でもこれを超える大きな伸びをこれらの経費の増加に充てて要求させていただいているところであります。  ちょうネクタイについて特別の御質問がございましたが、ちょうネクタイだけに着目いたしますとそういうことがあろうかと思いますが、これは福利厚生施設の一環でございまして、隊員あるいは各企業におきまして作業服を貸与するのと変わらないものでございます。
  143. 栗原君子

    ○栗原君子君 ちょうネクタイと作業服と一緒にされているけれども、私はどうもこれは納得がいきません。  それで、冷戦構造が崩れたと言っているんですよ。崩れたと言っていながらこういうものを次々と出していくということに対して、私はどう考えてみても国民の、庶民の目から見たら納得いかないと思うんですね。そういうことを思うんです。  それでもう一つ、先ほど人件費が大変多いと言われました。まずそれでは人件費を削減していただくことを提案をいたします。退職自衛官の補充を、退職自衛官が平均いたしまして大体一年間二万三千人ぐらいあるかと思います。これを皆までとは言いませんけれども、九千人ぐらいは大体削減はできないものかと思うんです。これは生首を切るんじゃございません。この削減額が大体九千人減らすことによって四百五十三億円が見込まれるわけでございます。それに先ほど装備をしないということを言いましたので、この十八億円を合わせて四百七十一億円が削減できるわけでございます。この人員の削減の方法は、任期制とか非任期制、また退職後の補充人員を減らすわけでございますから、現職者の首は切らなくてできるわけでございます。人が多いから多いからと言われるんですから、ここで私はしっかりと減らしていただいたら防衛費は削減につながっていくと思うんです。  それからまた、装備と人員の削減に伴って、陸の師団の縮減ですか、これをさらには九千人を七千人にもできると思うわけでございます。これは甲師団を乙師団へ持っていくということなどいたしますと、海と空で乗員のいない艦艇とかあるいはまた航空機などの凍結の保管とか廃棄などの措置がさらにこれでできるというようになって、ここでも相当な私はお金が出てくると思うわけでございます。このことにつきましてお伺いをいたします。
  144. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 自衛官の実員につきましては、自衛官の充足率をして各年度ごとの募集状況、部隊運営等を総合的に勘案して決定しているものでございます。  平成七年度概算要求におきましては、募集の可能性はあるものの、厳しい財政事情等を踏まえ、充足率を前年度と同水準に据え置くこととしたところでありますが、これを六年度より引き下げ、実員を削減することは、所要の教育訓練に支障を与えるなど我が国の防衛体制に影響を与えるものであり、また交代制勤務者のオーバーロードを招くなど隊員施策上も問題があり、今のところ考えておりません。
  145. 栗原君子

    ○栗原君子君 これは何か米ソの冷戦さなかのような状況と同じようでございます。さらに私は、今日ではまたさまざまなそういった戦闘機なども性能がよくなっておりますので、だからむしろ軍縮ではなくて軍拡になっているんじゃないかと思うわけでございます。NATOの諸国を私はずっと調べてみました。もう軒並み大幅に隊員を削減しているわけでございます。そういったこともやっぱり参考にして削減が私はできると思うわけでございます。  それから、研究開発費のうちの次期支援戦闘機、FSXの研究開発費を削除する、こういたしますと六百七億円が不要になるわけでございます。それに先ほどの十八億円の新規分をやめるとなると、六百二十五億円が削減をされるわけでございます。これは今年度比で一・三三%に相当し、来年度の防衛予算は今年度比よりもさらに〇・四三%低くなる。こういったことで、正面整備のうちでもFSXは最も必要性の私は低いものの一つであると思うわけでございます。この研究開発を削除するということにはならないのか。  それで、今までいろいろ契約をしているということを言っておりますけれども、削除することによって違約金の支払いをしてもやっぱりこれは軍縮のシンボルとしてFSXの開発をやめるということは、大変私は効果的であろうと思うんですけれども、このことについてはどうですか。
  146. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) まず、ヨーロッパの例を示されましたが、ヨーロッパの場合は、やはり東西冷戦構造の対立が解消されることによって劇的に脅威とか懸念材料というものが存在しなくなった。そして政治的な安定を目指して信頼醸成活動を展開しておる、こういうことだと思うんですね。    〔理事板垣正君退席、委員長着席〕  ところが、やはりアジア極東地域におきましては、例えば朝鮮半島におきましてもまだ南北の国家が休戦ラインを通じて対峙しておるというような状況は変わらないわけでございますし、また中国等におきましても防衛費を拡大し核実験をする。また東南アジアの国々もそれぞれ防衛費をふやしておる。こういうような経過を見てまいりますと、各国の安全保障観というものがそれぞれ異なるわけでございますから、多様にして非常に不透明な情勢というものがいまだに続いておる、こういう認識に立つものでございます。  したがいまして、この東西冷戦構造がなくなったから極東においてもNATOの国々と同じように全面的な軍縮をしろという御発言でございますが、これはやはり近隣諸国との信頼醸成というものをさらに一段と確保した上でなければ政治的安定もありませんし安全保障の確保もあり得ない、こういうふうに考えるわけでございまして、お尋ねのFSXにつきましては、御指摘のとおり平成七年度概算要求におきましては、平成四年から六年度の国庫債務負担行為の歳出化分約六百七億円を計上しているところでございます。  防衛庁としましては、この経費はFSXの日米共同開発をスケジュールどおり実施するために必要最小限のものと考えているところでありまして、開発スケジュールがおくれる場合に予想される我が国の防衛力整備や日米防衛関係への影響等を考慮すれば、今後政府部内における予算編成過程を通じ、本経費についても適切に対処してまいることとなるが、一般的に言ってその削減は困難と考えております。
  147. 栗原君子

    ○栗原君子君 それでは、もう一つ提案いたします。  主要兵器でない装備の圧縮も検討するという、正面装備ではあるが主要兵器とは言えないものは新規歳出額が五億六千万円、これは後年度負担が一千三十三億円でございます。後年度負担の大きさからこの圧縮もやっぱり検討すべきである、このように私は提案をするわけでございます。  それから、先ほど防衛庁長官のお話の中で、ヨーロッパにおいては軒並み軍縮をするのは、これはもうそういった環境が整っているからと、だけれどもアジアはそうでないとおっしゃいます。日本防衛費というのは、もう四兆七千億近いわけでございます。それに比べまして、それではアジアはどうかといいますと、中国が七十三億ドル、韓国百二十一億ドル、北朝鮮二十二億ドル、台湾百五億、タイ三十二億ドル、シンガポールが二十一億ドル、マレーシアが推定二十億ドル、インドネシア二十億ドル、そういった状況でございます。莫大に違うわけでございますね。  それから、やっぱりアジアの人たちというのは、今、日本が世界第二位の軍事費の大国になっているわけでございますけれども、真の意味から軍事大国に脱皮するのではなかろうか、こういったことでかたずをのんで見守っているのが私は現状であろう。なかなかこのことについてはODAなどの援助がありまして、難しい問題があって口には出して言えないけれども心配をしている国が多いということがいろいろ調査でわかったわけでございます。このことにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
  148. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 日本防衛体制といいますのは、あくまでも専守防衛でございます。したがいまして、これを世界の国々によく理解をしていただくということが大事であると思います。  また、日本アメリカが日米安保体制を構築している、そして米軍のプレゼンスがこの地域にあるということがやはり東南アジアの国々にとりましても非常に大きな信頼感、安定感というもとになっている、こういうふうに考えるわけでございます。  そういう点におきまして、日本防衛費が高いか低いかということでございますけれども日本はまず第一に軍事大国にはならないということを明確に出しておるわけでございますし、核大国にもならない、そして核軍縮をむしろ提唱いたしておるわけでありますから、それにもかかわらず中国は核の実験をどんどんやっている、北朝鮮は核開発疑惑、まだ疑惑がとれてないわけですね。そういうようなことも考えましたときに、ただドル換算でいけば日本防衛費は非常に高いわけでございますけれども、その防衛費の八割はほとんどが人件費であるということを再三先ほどから申し述べてきておるわけでございますので、そういう点についてただただ防衛費が高いからということで宣伝をするのではなくして、日本防衛体制というものは専守防衛を旨として世界の平和のためにお役に立ってまいりたいという意思表明をやっているということを誤解なく理解していただくということが大事である、こういうふうに思う次第であります。
  149. 栗原君子

    ○栗原君子君 専守防衛はわかるわけでございますけれども、どう考えて見ても専守防衛を飛び越えているように思えるわけでございまして、そういった意味で私は大変心配をしているわけでございます。  それで、最後になりましたけれども大蔵省の方にお伺いをいたします。  今やりとりを聞いていただいていたと思いますけれども、来年度の予算編成のことで大変お忙しくしておられると思いますけれども、これだけ財政難のときにやっぱり防衛費につきましては要求どおり出していくというようなことなんでしょうか、それとももっと削減をしてもいいんじゃないかとお思いなんでしょうか。  例えばきのう社会党の厚生部会がありました。その中で、厚生省の方からいろいろ意見を聞かせていただきました。新ゴールドプランあるいはまた児童対策、また水道とか廃棄物の対策など、やりたいものはたくさんあるんだけれどもなかなか財政的に厳しいというお話でございました。これらを含めまして、今国民生活そして福祉、教育、こういったものにもっと予算をかけていただきたいという、私はこれは庶民の願いだろうと思うんです。こんな中で防衛費についてはどのように予算を組まれる中でなさろうと考えていらっしゃるのか、イメージを聞かせてください。
  150. 後藤敬三

    説明員(後藤敬三君) お答え申し上げます。  お尋ねの七年度の予算編成につきましては、一段と厳しさを増しております財政事情のもとで限られた財政資金の効率的、重点的な活用に努めていこうとして現在編成作業を行っている最中でございます。  防衛関係費につきましても、今後の予算編成過程におきまして、関係省庁と協議の上、適切に対処してまいりたいと存じております。
  151. 栗原君子

    ○栗原君子君 終わります。ありがとうございました。
  152. 宝珠山昇

    政府委員宝珠山昇君) 先ほどちょうネクタイの関係で一言だけ補足させていただきます。
  153. 栗原君子

    ○栗原君子君 例えばの話です。
  154. 宝珠山昇

    政府委員宝珠山昇君) 例えばで結構でございますが、防衛施設庁は二万数千人の在日米軍従業員を雇用しております。この人たちはいろいろな職種にわたりますけれども、警備でありますとか倉庫でありますとか、その中にはウエーター、ウエートレスというものがございます。この人たちの福利厚生の一環として、帽子でありますとかエプロンでありますとか手袋類、作業等々の一環としてちょうネクタイ、その他のネクタイ等についても貸与しているものでございます。  このことはすべてのホテルについて調べたわけではございませんけれども、この種の仕事に携わっている者に対しては各企業とも貸与しているということでありまして、これと異なるものではございません。
  155. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 最初に私は官房長官にも質問したいと思っておりましたが、衆議院の方へ連れていかれてしまいましたので、かわって防衛庁長官質問をいたしたいと思います。  十一月三日の読売新聞に憲法改正というのが大々的に出ておりました。その後、ジス・イズ・読売という本にも「憲法タブーに挑戦を」と、こういう記事が出ております、冒頭に。自衛隊について言うならば、「四兆七千億円、約五百億ドル強の軍事予算を使う自衛隊は、国際的に立派な”陸海空軍”のレベルにある。」、こう書いてあります。そして自衛隊の英訳を「逆和訳すれば、当然に自衛”軍”で、憲法第九条二項の”陸海空軍その他の戦力”ではないとするのは、合理的な解釈とは言えない。」、こういうふうに書いてあります。そして、「従って、村山首相も河野副総理も、憲法の解釈に政治家としての良心と誠実さを示そうとするなら、九条二項に沿って自衛隊を解体するか、自衛隊を必要とするなら、現状にあわせて憲法の方を改めるしかない。」、こういうふうに書いてあるんですよ。  一新聞が憲法改正を打ち出すということは極めてゆゆしい問題です。新聞社が箱根駅伝であるとか読売ジャイアンツに金を出すということは、それは一般の国民も異議を挟まないと思うんです。しかし、事柄が、憲法を改正しろと。それから今の内閣の総理も、九条二項に沿って自衛隊を解体するか、それができなければ、自衛隊を必要とするなら現状に合わせて憲法を改正しろと、こういうことを書いているんですよ。これはちょっと公平なるべき報道機関のあり方としては問題があるんじゃないかな、こういう気がいたします。その領域を超えているような気が私はするのでありますが、長官としてはどのようにお考えになっているでしょうか。
  156. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 御指摘の文書が発表されましたことは私も承知をいたしておるところでございます。一般論としまして、憲法につきましていろいろ自由闊達な議論をすること自体は民主政治の上からも奨励されるべきことと考えておりますが、憲法を尊重し擁護する義務を負う現職閣僚である私としましては、こういった意見の一つ一つについて特段のコメントをすることは差し控えたいと考えております。  いずれにしましても私としましては、防衛庁長官として現行憲法の範囲内で防衛力の整備や与えられた任務の達成を図ることに専念してまいりたいと考えております。
  157. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 防衛庁長官としては優等生的な答弁であります。しかし、一般的に言うなら、新聞社が憲法をこう改正しろというのは新聞社の分をわきまえないもんじゃなかろうかという疑問を持たれてもしょうがないですよ、これは。第一、ほかの新聞はそういう記事を出しておりません。  しかし、私自身は憲法を改めることがいいとか悪いとか、そういうつもりはございません。確かに今の憲法だって、ここにも書いてあるけれども、「GHQ草案の直訳による不自然な表現」ということが書いてあるんです。それから、前文なんというのはやたらと長いんですよ。憲法を大事にしたいと言っている人だって、じゃ憲法の前文を暗唱していろんなら言ってみると言われたら、言える人は一人もいないと思うんですね。それほどややっこしくて長ったらしくて現実的でないんです。だからそういう点で、今の憲法でも手を加えようとすれば問題は多々あると私は思います。このGHQの押しつけじゃないなどという言葉は、もう現実の問題として通用しないと思うんです。  しかし、その中でも大事なのは憲法九条の問題ですね。九条の問題を率直に言うならば、日本の軍隊があるいは自衛隊がよその国に行って戦争はしないということをこの九条の中ではっきり約束をしているわけです。よその国に行ってたとえその名目が国際貢献であれ何であれ戦争をするということになると、かつての日本の軍隊が外地に行って戦い、そしてその地域においていろんな問題を引き起こしたという、こういう事例を思い起こさざるを得ないんですね。  だから、そういうことを考えるならば、この九条の問題は何と言われようとも大事だと。ここのところをどうするかということは、多くの国民の有識者の意見というものを全部総合して冷静に検討する必要があると思うんです。一新聞社の思いつきでやられちゃたまらないと思うんですね。だからその点は、私は防衛庁長官としても十分にわきまえていただきたいと思うんです。  それから、今までの質問の中でいろんな御意見が出てまいりましたけれども、私は安保条約の関係と核兵器の問題、それから国際法の問題、この点についてまず意見を述べてみたいと思いますが、核兵器のために損害を受けたのは具体的には日本では広島と長崎です。しかし、この核兵器を三度目の使用ということに追い込んだら大変なことになると思うんですね。だから、もう広島、長崎だけにして、もはや核兵器は一切地球上でどこの国も使わないということを明らかにするということが非常に必要なことじゃないかと思うんですね。  もっと具体的に言うなら、核兵器はこれは明確に国際法違反であるというふうに決めて、この国際法違反に関しで核兵器を使った国が出てきたら徹底的にこれはあらゆる方法でもって制裁をするというふうなことを何とかしなきゃいかぬというふうに私は思うんです。もしそういうことになれば、核兵器を開発するなどという余分なことをする国は出てこなくなる。うっかり使ったらもう国際社会から全く孤立をしてしまう、世界じゅうのつまはじきになる、こういう状態にしておけば研究をする者もなければつくる者もいないんですね。こういうものを使うな使うなというよりも、使ったらえらいことになる、絶対に使えない、こういう状態にすることが一番望ましいというふうに思うんですが、国連その他の世界的な機関においてこういう方向で事を運ぶということは果たしてできるかどうか、できたらいいんじゃないかと私は思うんですが、長官としてのお考えはどうですか。
  158. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 大量破壊兵器といいますのは、私は戦争の場合におきましては、非戦闘員である一般市民、国民を殺りくするという点におきまして極めて私は国際法に違反するものである、こういう考えに立ちます。やはり戦争は戦闘員同士が行うべきものである、こう考えるわけでありますが、さて廃絶をするという場合におきましてどういう手段があるか。今核を使った国に対して制裁を加えると言いましたが、核を使った国に対して制裁を加えたところが逆にまた核兵器で攻撃されるというようなことがあったんではこれは制裁にも何にもならないわけでございまして、そういう意味におきましてはやはり各国が国際連合なら国際連合の中におきましてお互いに協定を結ぶというような形で進んでいくということがよろしいのではないか。  そういう意味で核の不拡散をまず確定し、そしてまた実験等についてもこれを禁止し、さらにはこの使用等についても禁止するというような形に国際機関で各国の合意のもとに進めていくということであるならばこれは核廃絶が可能になってくるのではないか、このように考えます。
  159. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 今、長官の言われたことには私も賛成です。国際連合を初めとする国際機関において核はもう使わないだけではなくてつくらない、実験もしない、こういう申し合わせをする、使うことは国際法違反になるということを明確にしなきゃならぬというふうに思います。そうでないと、かけ声だけではなかなか事は進まないという気がする。制裁といったような戒めがなければなかなか事は成就しないというふうに思います。  そこで今、長官が言われた国際連合の中でそれらの申し合わせをするということをぜひ推進してほしいというふうに思います。例えば北朝鮮において核疑惑だとか何だとか言いますけれども、それらのことを考えるならばやっぱり国際的な友好関係を築いていく必要があると思うんですね。国際的な友好関係を築いていく場合に日本の場合は過去においてはソビエトが仮想敵国だった。ところが、最近になってソビエトも軍備の重圧のために腰が抜けたような格好になってしまっておる。経済的にどうにもならなくなっちゃった。だから、やはりこれは無理な話だということを悟っただろうと思うんですね。それからロシアあるいは南北朝鮮、そして中国、これらの国々が核兵器について持たないというだけじゃなくてお互いに軍縮をやっていくということができるならば日本も軍縮はやれると思うんです。自分だけ軍縮をやって相手はちっともやらないというんじゃ、これはやっぱり国内的には不安感が増大してくると思うんです。だから、自衛隊自身も近隣諸国との友好関係を深めるというための努力をしたらどうかなという気がいたします。  例えばウラジオストクであるとか、あるいは北朝鮮の港であるとか中国であるとか、これらの国々の港湾に対して友好訪問を行うといったような方法が一つある。お互いにそれを交換する、そして、まあ腹の中を見せ合うというわけじゃないけれども、そういうような関係でお互いは戦わないことにしようじゃないか、不戦の約束をしようじゃないかということができれば私は一番いいと思うんですよ。不戦条約というのがありましたけれども、実際問題として役に立たなかった。しかし、我々の周辺の国々と戦わないという約束ができれば軍備の方はお互いに節約できるんですよ。余分なものをつくらなくたっていいんです。  それからまた専守防衛ということをたびたび言われましたけれども、専守防衛ということを考えるならば戦い方自体も、これは戦い方と言うとちょっときな臭くなるかもしれないけれども、発想の転換をする必要があると思うんですよ。過去においては陸軍というのが主役だった。戦場で戦うあるいは事を決めるのは陸軍だった、海軍は補給といったようなわき役だった、空軍に至ってはまるっきり付録だった、こういうような今までの例はあります。  例えば、私どもが兵隊に入ったときに空に対する備えはどういうことかというと、地面にあおむけに寝て三八式歩兵銃を空に向けてそれで敵の飛行機の飛ぶ指何本先を撃てなんということを言われたんです。実際にそんなことをやったら皆殺しになっちゃう。しかし、ついこの間の太平洋戦争の初期においてはそういうような教育訓練が行われていたんですよ。その結果どんなことになったか。その教範どおりにやればやられることはわかっているから、だれもそんなものは信用しないということになったんです。しかし、その後太平洋戦争の経験によって、陸軍が主体であってはならぬ、制海権と制空権というものがなければ戦には勝てないということは日本の陸海軍自体が体験したところなんですね。  それを考えるならば、専守防衛のあり方も昔のような陸軍中心の考え方を一掃しなきゃならぬと思うんですよ。自衛隊でも正面装備はいろいろあります。立派な戦車があります、装甲車があります、大砲があります、ミサイルがあります。それらのものがあるけれども、しかしそれらの主要兵器は戦いの主たる武器ではなくなった。例えば飛行機でもって攻撃をされた場合、戦車と飛行機ではどっちが強いか。どっちが強いかと言うとちょっと子供じみてくるんですけれども、その場合には圧倒的に飛行機の方が優勢なんですね。ヘリコプターだって戦車と戦えばヘリコプターの方が有利ですよ。戦車がどんなに頑張ったって跳び上がって飛行機に食いつくわけにいかないんだ。タカとスッポンのけんかみたいなものです、飛行機の方はタカなんです、スッポンやカメは戦車なんです。  こういうことを考えると、大々的な装備を持ってそして正面装備を充実してみたところで、時代の流れというものはそういうふうに戦い方自体を変えてきているんですよ。専守防衛ということに徹しようと思ったならば、敵の上陸を空と海でもって食いとめれば上がってこられないんですね。どんなに頑張ってみても戦車は泳いでこられないし装甲車も泳いでこられない、そういうことは当然なんですよ。だから敵を日本の本土に上げない、上げて戦って水際で撃退するなどという昔の戦法を考えるよりも、徹底した海空軍の力によって撃退をするというようなことの方が合理的だと私は思うんですよね。戦い方がもう根本的に変わってきた。昔のように陸軍が横綱で海軍が太刀持ちで空軍が露払いといったような役割は逆転しちゃった。今や中心は空軍になってきた、その次に海軍である、その次に陸軍である、順番が入れかわったと思うんですね。  こういう入れかわりの順番に合うような装備というものがこれから先を考えていく場合には非常に大事なことだというふうに私は思うんですが、私のような考え方の変わり方というのはこれはお認めになりますか。
  160. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 先生の大変含蓄のある御意見をお聞きいたしまして、確かに制空権と制海権を持つということが戦闘が起こった場合におきまして非常に大きな影響力を持つという点については全くそのとおりだと思います。  ただ、我が国が他国から侵略されるという場合を想定した場合におきましては、やはり海と空の戦闘だけですべてをせん滅といいますか、上陸をさせないでせん滅できるかということになりますと、なかなかこれは至難のわざだろうと思います。やはり海空の攻撃と同時に、その中をかいくぐって陸上兵力も日本の上に着上陸をしてくるということも当然考えていなければならぬのじゃないか。海空の戦力だけ増強いたしまして陸の方を全然おろそかにした場合におきましては、ほんの少数の陸上兵力が上陸した場合におきまして何らこれに対抗することができないということにもなってくるわけでございますので、やはりバランスよく、専守防衛の場合におきましては、陸上の場合におきましても部隊におきまして正面装備その他におきましての整備を行いまして、そしてバランスのいい陸海空の体制を整えていくということが国を守る上におきましても大事ではないかと、このように考えます。
  161. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 バランスを考えるといっても、これは儀式の場合と違うんですから、現実の問題としては、今までの日本の戦争の経験を十分に考えていくならば重点の置き方だっておのずから違ってこなきゃいけないと思うんです。  それで、近隣諸国との友好関係なんでありますけれども、これは専ら外務省の仕事のように思われておりますけれども、これは外務省だけのことじゃないんですよ。外務省だけに任せておくと、この間も、太平洋戦争が始まったときに日本外務省がたるんでいてえらい失敗をしたと、こういうことが公表されておりました。みっともない話ですよ。だから、こういうことを考えたならば、外交関係を考えるならば国全体が考えなきゃいけないし、防衛庁だって最近は在外公館に防衛在官というのがいっぱいいるんです。あの人たちの役割は、向こうへ行って、向こうのまさか軍事機密を探るために行っているんじゃないと思うんですね。そうすると、やっぱり外交官としての仕事を分担しているんですよ。そういうことも非常に重要な問題であろうというふうに思うんです。  したがって、防衛庁自体が、自衛隊自身がやはり重要な外交官のつもりで行動してもらわなきゃならぬだろうというふうに私は思うんですね。その点、長官考え方をお聞きかせ願いたいと思います。
  162. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 外交政策と安全保障政策といいますものは、国の平和と安全を守るという上におきまして常に一体のものでなければならないと考えます。また同時に、治にあって乱を忘れずという言葉もございますが、平和な時代におきましてはその平和をいつまでも確保するために、やはり近隣諸国との友好関係というものを確保するためにいろんな交流というものをやっていくということが大事だと思いますし、またこの防衛在官の場合におきましても、当然外交官の要素を持って各国の方々とおつき合いをし、そしてお互いに政策の趣旨を示し合いながら友好関係を維持するという上において大きな役割を果たすことができるのではないかと、このように思います。  先生の意見に全く賛成でございます。
  163. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 先ほど防衛施設庁長官が、日米安保条約の重要性を高めていると言われているというふうな御発言ありましたが、言われているというのはだれが言っているんですか。だれか言われているというから、だれか言う人がいなけりゃ言われているとは言えないんだけれども、どなたが言っているんですか。
  164. 宝珠山昇

    政府委員宝珠山昇君) いろいろなところで聞いております。これはだれがと、外国の人を含めてでありますが、私の承知しているのは外国の学者などの講演会において聞いたのをこのように引用させていただいたものでございます。
  165. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 日本の学者の言うこともちゃんと聞いてもらわなきゃいかぬですよね、外国の学者よりも。それから一番大事なのは、日本人がどういう意識を持っているかということですよね。日本人が決めることです、憲法の問題にしても。  したがって、日本の米軍の基地の問題ですが、いろいろとトラブルを起こしているわけですね、あっちこっちで。騒音問題であるとか、沖縄なんかでもいろいろ問題を起こしておりますけれども、このトラブルをやっぱり解消するためには、基地は漸次整理していくことの方が望ましいんじゃないかと思う。もっとも、そのためにはそれだけの周辺の環境をつくらなきゃいかぬ。環境をつくるためには近隣諸国との軍事的トラブルがないようにすることが必要だ。だから、それらの問題を根本的に解決するためにいかにすべきかということを考えなきゃいけないと思いますよ。一々私はこの戦車が要るか要らないとかというようなことを申し上げません。  しかし、ここでちょっと気になったことを一つだけ聞いておきたいと思うんですけれどもね。天皇陛下の勲章に関連をして、ああいう大事なものを忘れるということも論外だけれども、忘れたからといって宅配便みたいなものに頼んで送ってもらってなくしてしまったなんというのはみっともない話ですよ。だから、そういうことはあってはならないことだし、考えられないことだと思ったんですね。それで、宮内庁の方は二度とそんなことがないようになんて月並みなことを言っているけれども、そんな問題じゃないと思うんです。  そういう機密文書などというものは、例えば私は記憶にあるんだけれども、機密文書を受領した場合には、これは肌身離さずに図のうに入れて自分のそばから離さないで、たとえ十時間の列車旅行でも持って歩いたという記憶があるんですよ。今の自衛隊にそういったような機密文書といったようなものがあるのかないのか。あったとしたならばそれらの機密を守るためにしかるべき措置を講じているのかどうか、そのことも参考までにお聞きしたいと思います。
  166. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 自衛隊にも秘密文書と指定されるものがございます。極秘あるいは機密、秘というような分類でございますが、これらを輸送するあるいは運ぶときには所定の秘密保全に関する訓令というのが大臣命令として定められておりまして、そういう所定の手続に従って運ぶというようなルールが定められております。今詳しい内容については、私ちょっとその訓令を持ってきておりませんが、そのような手順がきちっと定められております。
  167. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 例えば、忘れたからペリカン便に頼んでしまうとか、こういったようなことは考えられないと思うんですよね。その点ほどうなんですか。
  168. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 当然のことながらそのようなことはなされておりません。
  169. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 きょうは、一応UX機種選定に関する問題について、村上委員の方からいろいろ詳しい質問がありましたが、私もこの件に関して若干質問をさせていただきたいと思います。  ことしの五月十三日に防衛庁は、UX調達に関する参加申し入れのあった三社に対して提案要求書というものを交付しました。そのちょうど一カ月後のことしの六月十三日、提案要求書の交付を受けた三社から提案書というものが提出されたということです。一口に簡単に言えば、こちらから申し込む人は申し込めというのを言ったのが五月十三日、その申し込みの誘引に応じて私の方はこういう機種をお売りしたいと思いますという内容が来たのが六月十三日だということだろうと思います。  提案書を受けた六月十三日、これからこの提案書の内容について防衛庁としていろいろ検討されたことだろうと思いますが、まず提案書を受けてから、提案してきた三社に対してこの提案の内容についていろいろ折衝等はもちろんあったと思うんですが、三社それぞれに対してどの程度の折衝をされたんでしょうか。
  170. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 折衝と申しますか、私どもが各社に対して提案意思があるかどうかということをまず五月十二日において、そういうものを保有しておる、あるいは扱っておる関係八社に対して意思を確認し、先生御指摘の五月十三日にそのうちの提案意思を表明した三社について提案要求書を出して提案を求めたわけでございます。そして、六月十三日に先生御指摘のとおり三社から提案書というものが出てきたわけでございます。  そこで、それから先は私ども防衛庁として、この提案書に基づきまして要求性能との適合性あるいは技術的、経済的な見地から総合的に検討、評価しまして、厳正、公正に最適な機種選定する作業を行ってきたということでございます。  その間において、もちろん提案書は膨大なものでございますが、その膨大なものについて不明な点もございますから担当者等を呼んで聞くというようなことはございますが、基本的には一度出した提案書というものが非常に総合的な文書になっておりますので、その文書に基づいて審査を行ってきた。もちろん不明な点等について問いただしたりするということはございましたけれども、基本的には提案書は膨大なものでございます、総合的なものでございますが、それに従って選定作業を進めてきているという状況でございます。
  171. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 提案書を受け取る以前に、提案書を出した三社あるいはそれ以外の商社も含めて、このUXに関しての交渉等を、何らかの意味における折衝というか交渉というか、こういうふうなことを防衛庁として持ったことはあるんでしょうか。
  172. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) その点について、私はそれ以前にそのようなことがあったかどうかということを正確には知り得ませんが、少なくとも機種選定するという観点に立って接触するというようなことはなかったと思います。
  173. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 この提案書を三社から受けて六月十三日、それ以降いろいろ検討されたわけですが、その後の防衛庁としての検討の結果としての機種決定に至る経過について簡単に説明してください。
  174. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 先ほども御説明をしましたように、六月十三日に三社から空幕に提案書が提出されました。そこで、それに基づきまして空幕において評価作業を実施しております。この評価作業については、内局防衛局とも十分調整を行った上で評価作業を実施し、その間には関係の班長会議でございますとか関係課長の会議等が行われている。それから七月二十五日には、航空幕僚監部としての会議が空幕長の主宰のもとに関係部長出席して行われ、空幕としての機種選定の結果等の報告、審議等が行われております。  その後、八月に入りまして、空幕長から防衛庁長官に対し、空幕としての考え方を上申しております。そして八月の上旬、十日でございますが、関係参事官会議等を招集し、これは事務次官が主宰をし関係局長等が出席し、もちろん空幕長が出席し空幕の考え方を述べる等の手続が行われておるわけでございます。
  175. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 その八月十日の参事官会議でおおよそどういう機種にしようかというふうなことは決まったんですか。
  176. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) UX機種選定作業につきましては、八月十日の関係参事官会議というものにおきましては、空幕の考えているものについて各種の点から検討をし、理解し得るものであるという一定の評価をしたところでございます。
  177. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いや、もう少しはっきり言うと、ガルフストリームⅣという機種に少なくともこの参事官会議では決定したんですかと伺っているんです。
  178. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 現在、このUX機種選定につきましては、その後先生も御承知のとおりいろいろな経過がございまして、さらに精査をするということで行っておりまして、現時点において防衛庁としてもちろんこれは正式に決定しておらないわけでございまして、その点ではその会議を経て、その後の経過も踏まえてペンディングの状態になっておるという状況でございます。
  179. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いや、だからそういうふうに言わないで、ガルフストリーム参事官会議としては決定したんだと。そして、本来ならば八月二十四日に防衛庁長官が主宰する機種選定会議でそれを確定するという予定だったんじゃありませんか。
  180. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私ども、先ほどからお答えしますように八月十日の輿係参事官会議においては空幕の報告というものに一定の理解が得られたということで、先生御指摘のとおり八月の下旬、二十四日に機種選定会議というものを開くべく準備はしておりましたが、まだ決定を見るに至っておらないという状況でございます。
  181. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 私が聞きたいのは、なぜ八月二十四日に予定していた機種選定会議ガルフストリームということが決定できなかったかということに関しての問題なんです。  官房長官はまだお見えになっていないんですけれども、このように防衛整備計画で決定され、整備することが決定されているこのUXの具体的な機種選定をどれにするかということ、機種選定権限は行政組織的にはだれが持っているんですか。
  182. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 防衛庁の採用しますと申しますか、防衛庁で使用する航空機についてのお尋ねということでお答えしますと、防衛庁設置法第五条第三号及び第十二号、これによりまして自衛隊の装備に関すること及び所掌事務に係る装備品、船舶、航空機等の調達等に関することを防衛庁の所掌事務としてその第五条第三号及び第十二号が規定しているわけでございます。  防衛庁長官は、上記の規定を受けまして、国家行政組織法第十条及び自衛隊法第八条の規定によりまして、防衛庁の事務及び自衛隊の隊務を統括する者として自衛隊の正面装備の機種等の選定を行うことになっておるということでございます。
  183. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 防衛庁長官、現在UX問題について世間的にもいろいろ言われているようなことになったその原因は、防衛庁の対応の不適切さにも非常に原因があるんじゃなかろうかと私は考えるんです。  防衛庁長官、今、防衛局長が言われたように、機種選定に関する防衛庁としての決定権限はあなたにあるということをもちろん御存じなんでしょうけれども、一言そのことを明確に御自分の口から述べてください。
  184. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 機種選定に関しての権限は防衛庁長官にございます。
  185. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 そうすると、先ほど村上先生からもいろいろお話がございましたけれども、八月十二日の閣議後の閣僚懇談会の席上、このUX機種選定に関して結果的には四閣僚の懇談会というものが設けられたわけです。なぜこういう結果になったかというと、その懇談会の席上、一部の閣僚から今回のUX選定手続疑惑があるという報道がなされたということが発言されて、その結果として四閣僚の懇談会をつくろうということになったらしいという話は先ほどもお話しされました。  そこで、この一部閣僚からの選定手続に関する疑惑というのはどういうことなんですか。先ほども村上先生が聞かれたけれどもどうもはっきりしない。もう少し適正にやったらどうだとか、あるいは慎重を期すべきだとかというような意見があったという話は先ほど御答弁があったんです、今おられませんけれども官房長官からも、防衛庁長官からも。しかし、慎重にやるべきだなんというのは当たり前のことであって、慎重にやらないことにしようなんということを話に出す人がいるわけがない。防衛庁長官の専権事項である機種選定を制限するような意味の四閣僚の懇談会というものが、そんなたわ言で設置される筋合いはないと思う。  具体的にはどういう疑惑があるということが、閣僚の具体的名前は別にして、こういう具体的指摘があったんだということをおっしゃってください。
  186. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 今までも航空機の機種選定等につきましては、うわさだとか疑惑とかいろんなことが言われたこともございます。やはり機種選定するという上におきましては一点の疑いもあってはならない。やはりだれが見ても公正、厳正防衛目的を達成するために機種選定した、こういうことの透明性が証明されなければならない、こう考えておりますので、疑惑というよりも、何か決定に当たりましては透明性において明確じゃないところもあるのではないかというようなこともございましたから、一層慎重に検討するという意味での検討をやっておるわけでございます。
  187. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 いや、だから透明でない部分があったというのは、透明でない部分があったということの具体的な中身がなかったら透明だとか透明でないとか、絵の具じゃないんですからそんな話じゃ話は進まぬ。  それでは具体的に、田村参議院議員がこの対象機であるガルフストリームに搭乗してモザンビークヘ行ったということは、非常にこの選定手続との関係で問題があるんだというふうな意味での疑惑指摘はあったんでしょうか。
  188. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) その新聞報道は八月の時点ではございませんでしたから、そういうわけでございます。
  189. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 それでは、商社と整備会社の組み合わせの問題で、どうも選定手続におかしな不明朗な点があるというふうな発言はあったんでしょうか。
  190. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 閣僚懇談会においての内容についてはやはり公表を差し控える、こういうことになっておりますので、これ以上については余り詳しくは申し上げられないということを御了承いただきたいと思います。
  191. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 だって閣議そのものでないんだし、閣議の決定あるいは了解事項でもない、極諭すれば閣議が終わった後のティータイムじゃないですか。しかし、そういう閣議という形式張ったところじゃないけれども、閣僚としてそのときの政治課題、行政上の問題、いろんな問題について懇談する。その懇談の席上でUX選定に関して疑惑があるということがどの程度か言われたから、だから防衛庁長官としてもそれじゃしょうがない、四人の閣僚懇談会でやってみようじゃないかということになったんだろうと思うんです。そのときに出た疑惑が、町のうわさ話だとか新聞にちょっと出たとか、そんなことで法律によって任された防衛庁長官の権限がふにゃふにゃしちゃったんじゃ法治主義の建前から困るんです。  だから、この四閣僚懇談会というものをつくるについての根拠、理由、そういうものをもう少し明確にしてもらわないと、国民としては何か疑惑があるから四閣僚懇談会をつくったんだろう、こういうところへつながっていくんです。これも官房長官がいないから防衛庁長官だけだけれども、この防衛、官房、外務、大蔵の四人の大臣による懇談会というのは何の目的で設置して何を協議してどんな結論を出す会議なんですか。
  192. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 内閣は、共同して責任を負うという立場にあります。内閣総理大臣は最高責任者でございます。したがいまして、最終的に決定するのは防衛庁長官ではありますけれども、内閣全体としまして責任を負うという立場からは、それは新聞報道であろうと、やはりいささかの疑点があったという場合におきましてはそれを明確にして最終的な決定をするという趣旨をこの四閣僚で取り行う、こういう形にいたしたものでございます。
  193. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 だから、四閣僚の懇談会をつくった目的は、新聞報道一つでも変なことが書いてあるからつくろうというんだったらいいですよ、そんな事ごとに閣僚懇談会をつくるといったら大変忙しいでしょうけれども。  ではこの懇談会は何をするんですか。そしてこの機種選定に関してどういう立場に立つんですか。私がこう言っているのは、防衛庁長官の権限を不当に侵害していると思うから私は言っているんです。もちろん防衛庁選定した機種が妥当でない、不相当だとかいうことになったら予算の段階の閣議で否決すればいいんです。否決というか承知できないと言えばいい。機種選定までは防衛庁長官の専権でしょう。その専権事項に対して何でこのほかの三人の閣僚が顔を出すんですか。この四人で何をするんですか。新聞報道で疑惑があるからまあ四人でやろうや、いいだろうと。やるのはいいけれども、それではその四人が何をするんですか。何の調査をするんですか。あるいはどういう結論が出たらこの機種選定はこれから進むんですか。
  194. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 一つの懸念といたしましては、防衛庁が決定することが専権事項でございますが、仮に防衛庁が決定した後に明らかにならなかった問題等が生じた場合におきましては決定した内閣そのものが責任を負わなきゃいかぬじゃないか、こういう認識のもとにより慎重に検討をしていささかの疑点も挟ませないように最終的には決定しようじゃないか、こういうことで今進んでおるわけでございます。
  195. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 今の四閣僚懇談会をつくった目的と同じように、今度は学識経験者による調査会をつくったということも非常に私に言わせればおかしなことなんです。  これも、先ほど村上先生が言われましたが、この調査会をつくった目的は何なんだということなんです。UXに相当するとして選んだガルフストリームやそのほかの機種とのそういう技術的な性能ガルフストリームが確かにいいよというふうなことのためなのか、それともそうじゃなくて、世間で新聞であるいは雑誌で言われている疑惑を解明するということのための選定手続に関しての問題なのかどっちなんだということなんです。  これが性能の問題だったら、それは飛行機専門家の方にやってもらって、やっぱり防衛庁選定したガルフストリーム性能的にいいなという結論が出てくる。どういう結論が出るか知らぬけれども、それはそれでいいんです。しかし、機種選定手続に関する疑惑の問題というんだったら、飛行機専門家疑惑の解明の専門家じゃないんですから、この三人の学識経験者による調査会というか、名前はどうであるか知りませんが、これをなぜつくったのか、どういうことのために防衛庁としてつくったんですか。その辺の趣旨を説明してください。
  196. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 有識者会合の設置の理由でございますけれども、またその仕事の内容でございますけれどもUX機種選定につきましてはさらに慎重かつ公正に行うという観点から、防衛庁において機種選定の内容をさらに精査するということで庁外の有識者の意見を聞くこととしたものでございます。  具体的には、有識者に対してこれまでのUX機種選定経過について、防衛上の秘密にわたる事項や会社提案書の内容もすべて開示しまして詳細に説明をし、有識者としての立場から自由かつ率直に、また専門的な意見を聞くということで機種選定の内容をさらに深めると申しますか、精査していくという趣旨から現在作業を行っているものでございます。
  197. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 今の説明を聞いて半分わかったようだけれどもよくわからぬ。要するに、先ほど私が比喩的に申し上げた機種選定に関する技術的な性能的な側面に関する調査会なのか、そううじゃなくて、疑惑があるからその疑惑を解明するための選定手続の公正さに関する調査会なのかどっちなのかということを伺ったんだが、どうもあなたのお話だと性能の方みたいです。  ただ、防衛庁長官性能の方のために調査会をつくるなんというんだったら、長官としては自分の部下であるいろんな部局、どういう部局があるか私は知りませんけれども、そこの自分の部下が一生懸命やってきた仕事の成果について人から面倒を見てもらわなきゃうまくいっているかいっていないかわからぬというようなことになって、部下に対する非常な不信、背信になるじゃないですか、もしこっちなら。こっちならというのは、性能の問題であるとすればそうじゃないんですか。  性能の問題なのか、それとも選定手続疑惑解明のための調査会なんですか。どっちなんですか、この調査会は。
  198. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 先ほどから申し上げましたように、もちろん主として要するにまず選定目的、それから選定考え方、そういうようなものについての御理解をいただくとともに、それについて今度は選定手続面について、やはりどのような手続で行われ、それが適正な手続でプロセスとして行われているかというようなことについての理解をいただく。そして、そういう手順なり内容について間違いがないかということを確認していただくというような意味合いがございます。  そのほかに、今部外に出ております意見等がございますので、技術的なそういうものについて、先ほど大臣からもお話がありました対我々の手の及ばない範囲のものについてはなかなかそこに及ばないわけでございますけれども、そういう以外に技術的に解明できる点については、例えばこの飛行機がどこかの飛行場を使うに当たって、ある飛行機は九割使えるけれどもある飛行機は七割の飛行場しか使えないというようなことが巷間言われたわけでございますけれども、そういうことの事実関係というようなものは、これは例えばでございますが技術的な例として示し得るわけでございまして、そういうようなものについても広く御検討をいただいて我々の選定の参考にしておるということでございます。
  199. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 この出た結論について公表の問題も先ほど村上先生からも御質問があったんですが、ともかく結論が出るまでの途中はこの調査を担当する三人の学識経験者の方の氏名も公表しない、あるいは途中経過も公表しない、しかし最後に結論が出た場合にはそういうものをすべて公表するというふうなことを先ほどおっしゃったと思うんですが、それは公表してもらわなきゃ困る。  なぜかというと、疑惑自体が明らかでなくて、その疑惑を解明したと称する調査会の中身も報告されないまま疑惑はありませんという報告があったんでは、疑惑もわからぬ、疑惑がないということもわからぬということで何も国民にはわからぬことになってしまう。この辺はこの調査会の委員を含め、調査過程、調査結果は明らかに全部公表されるんでしょうか。
  200. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 有識者の意見についてでございますけれども、それが取りまとめられた暁には有識者の名前とともにその内容について公表するわけでございます。もちろん公表と申しましても概要ということになろうかと思いますが、公表することになろうと思います。  ちょっと言葉をつけ足させていただきますと、委員の了承を得て公表するということになろうかと思います。
  201. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 官房長官見えないので防衛庁長官、私が申し上げている趣旨はおわかりいただけるでしょうか。要するに四閣僚懇談会なんというものをつくること、それから学識経験者による調査会なんというものをつくること自体が防衛庁がこの選定手続疑惑があることをみずから認めているものだというふうに世間的に見られてもやむを得ないでしょう。私はそう思う。  だって新聞報道を見てみなさい、疑惑があるからつくったと書いてある。私もそう思いますよ。何でもなかったら四閣僚懇談会のときに、とんでもない、これはおれの専権だ、全部きれいにやっているから任しておいてくれと、それだけでいいじゃない。それにもかかわらず四閣僚の懇談会をつくって、さらにこの四閣僚の懇談会の意思だか、あるいは防衛庁の意思だか知らぬけれども、今度はまた学識経験者だという方の調査会をつくる、こんなようなことをしなければならぬ状況というのは何なんだということなんです。まさに防衛庁みずからが疑惑の存在を認めているようなことになるじゃないですか。  だから、私はなぜこんな四閣僚懇談会なんということが始まったんだ、その始まったときの一番の発言はどこからきているんだということを聞いたんだけれども、最終的にはそれは懇談会の問題だから言えぬと、こうおっしゃるのでやむを得ぬと思っているけれども国民の信頼というものに対するお考えをどう考えておられるか、お伺いしたい。
  202. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 今までも機種選定に際しましてはいろんなことがあったわけでございます。したがいまして、防衛庁としましてはみずからの決定、選定手続というものがあくまでも正しいと、こういうふうに確信をいたしておりますし、今までの検討の結果につきましても私はしっかりやってきたと、こう思っております。それをより公正に、だれが見ても明確に、胸を張ってこういうふうな方向で決定するということをより正しい方向で決定いたしたいと、こう考えておるからでございます。
  203. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 官房長官、あっちこっちで非常に御苦労さまで申しわけないんですが、ちょっと官房長官の御意見を伺っておきたいんです。  ほかの先生方には、また同じことを言うのかといって怒られるんですが。今、防衛庁長官にお伺いしたのは、私はUX選定疑惑と言われている問題は、政府の対応が非常に不適切だったんじゃないかという前提で質問を申し上げたんです。というのは、防衛庁としての機種選定に関する権限は防衛庁長官にある。それを閣議後の懇談会で、どなたがどういう意見を言ったかその辺は明らかじゃないんですが、ともかく四人の閣僚の懇談会をつくろうということを決められたんです。疑惑がなかったらつくらなくてもいいはずなんです。防衛庁長官機種選定に関する権限を尊重していれば四閣僚の懇談会なんというものはつくる必要はなかったと私は思う。それをつくったこと、さらに防衛庁長官の私的諮問機関だか何だか知りませんが三人の学識経験者による調査会なんというものをつくる、こういうふうなことを政府みずからがやることが、みずから疑惑があることを認めているんだというふうに世間から見られるのじゃありませんかということを私は申し上げているんです。  これは一機三十億だとか、九機やったら四百億とか、これだけの四百億円の国民の金を使って買う飛行機について、疑惑があるんじゃなかろうかとか、そういうふうに国民に思わせる、国民が思わざるを得ないような状況を作出した責任は内閣そのものにあると私は思うんですが、官房長官いかがでしょう。
  204. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 経過につきましてはもうよく御承知のとおりでございますので省略をさせていただきたいと、こういうぐあいに思う次第であります。  第一義的には、防衛庁長官機種選定責任を持って、しかも厳正にそれを進めているものと、こういうふうには私も考えているところであります。しかし、いろいろとにかくこれについてのさまざまな見方というものが、マスコミであるとかあるいはその他からも御意見がある。そういう中で、閣僚懇談会におきましてそういういろいろな国民の意見があるということを反映して閣僚から意見が出るというのも、これはそれなりに僕はもっともなことであろうというふうに思うのであります。  そういう何人かの閣僚の御意見というものもあって、集約としてはこの際、間違いはないものというふうに思いますが、しかし念には念を入れて、そしてだれが見てもそういう疑惑のない選定であるということのためには、この際さらに防衛庁の内部でしっかりした御検討をいただくのが適当でないか。それに合わせて関係の四閣僚が防衛庁長官からいろいろお話を聞いたり、どういう状況であったというようなこと等もあわせ聞きながら、もう本当にいささかの疑惑もないようにしっかり国民に見てもらうということが大事だろうということでそのような手はずになりましたわけでございまして、それは全く疑惑が濃いからそうしたんだというようなものではない点を御理解いただきたい、このように思います。
  205. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 時間がありません。最後に防衛情報の公開について一言だけお伺いしておきたい。  防衛庁のいろんな情報の中に、例えば同じ航空機にしても、軍用機だとかそういうものに関する情報について秘匿せにゃならぬ部分があることはわかりますが、今回のなんかは町を、町というか普通に飛んでいる飛行機を買うか買わぬかの問題だけなんであって、そんなに難しいことも何もないはずなんです。ですから、今回にしても名前だけは仰々しく提案要求書だとか、それから要求性能書か、いろいろあるけれどもどうせ町を飛んでいるだけの飛行機のことなんです。だから、もう全部の書類を明らかにしたらこんな疑惑もないはずなんです。  だから、防衛庁は何だってともかく秘だとか何とか押せばそれでいいというふうじゃなくて、本当に必要な秘密の書類、それは必要なものがあるはずです。そうでないものはもっと国民情報公開するべきだ。そうすれば今回にしたって別にだれがどうしたなんということを言われなくても済む。そういうふうにしておいた方が疑惑を生む余地が少ないと思う。  そういう意味において、防衛情報の可能な限りの公開ということについて防衛庁長官、時間ありませんので一言で。
  206. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 確かに今回の飛行機の場合におきましては、これは一般に使用されている飛行機でございますから、この点については何ら秘匿するものはない、こう思います。ただ、防衛目的に関してそれにかなう飛行機選定する場合におきましては、防衛目的をどのように限定しどのように運用していくかというような点については若干これは秘密に属するものもある、こういうところでございます。
  207. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 官房長官、防衛庁長官、いろいろ御苦労さまでした。ちょっときついことをいろいろ言いましたけれども、もう少しうまくやってもらいたいということだけを私は申し上げて終わりにします。以上です。
  208. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 現在の航空自衛隊、それから陸上、海上、それぞれの自衛隊の隊員募集でございますが、これはどのようにしていつ行っておられますか。まずそれをお伺いいたします。
  209. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 陸海空各自衛隊の任期制隊員の募集は、基本的には年間を通じて行っております。しかしながら、最近は経済情勢の悪化、それから処遇改善の効果が出ておりますせいで大変応募者が多いということで、高卒の新規の隊員を採る場合が多うございます。  したがいまして、そうなりますとどうしても高校生が卒業する年度末に募集が集中するということでございまして、例えば平成五年度でございますと任期制の大部分はほとんど、高在生と私ども呼んでおりますが、高校の在校生だけで採用を行っているという現状でございます。
  210. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ここ数年来、五年来ぐらいでも結構でございますが、充足率というんですか、定員を上回る応募があって自衛隊としてはその点では十分国民の要望にこたえ得る体制にあるわけですか。
  211. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 先生御存じのとおり、定員に対しまして予算上毎年何%ぐらいの隊員を補充するかということが決められております。その関係で士の隊員の充足率というのは一〇〇%を相当下回っているという状況でございます。  最近で申しますと、士の隊員のみの充足率を申しますと平成元年度で八一%、二年度で六九%、これ年度末でございますが三年度で七五%、四年度で七〇%、五年度で六四%、こういうふうになっております。ただ、年度末で採っておる関係で、年度末に新隊員を採るのか、それから二、三日たって新年度に入って新隊員を採る場合がありますので、今申しましたようにどうしても年度年度で充足率がばらつくという傾向にございます。
  212. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 充足率が一〇〇%にならないということは、単純比較になりますけれども、例えばいわゆる大学の受験者数を見ましても、質のいい受験生が定員をはるかに上回って受験をする場合と、それから定員割れを起こしまして少ない人が受験をするという状況では、一般論として言えば学生の質にも影響する、こういうことが言われているんですが、自衛隊も不断にやはり魅力ある自衛隊とでもいいますか、そういう意気に燃えた人たちがたくさん応募するにこしたことはないと思いますが、その点について防衛庁長官はどのようにお考えでございますか。
  213. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) もちろん良質の隊員に来ていただくということは私ども大変目的としております。今お話がございましたように、近年の経済の動向とかそれから公務員一般に対する人気ということもありまして、全般的に大変応募がふえております。  例えば、私ども防衛大学校、防衛医科大学校といったような大学を持っておるんですが、そこの応募状況でもここのところ、例えば防衛大学ですと平成三年度が二十六倍、平成四年度が二十五倍、平成五年度が二十九倍という応募でございます。防衛医科大学校の場合は平成三年度が五十二倍、四年度が五十八倍、五年度が七十四倍ということで大変応募者が殺到しているという状況でございます。
  214. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 今おっしゃいましたが、一般に受験生が受験できる防衛関係の学校といいますと防衛大学と防衛医科大と二つだけでございますか。
  215. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) いわゆる大学に相当するものはこの二つでございます。  そのほか、一般の高校に並ぶと思っておりますのが少年工科学校とか、それから海上自衛隊ですと第一術科学校、それから航空自衛隊ですと航空教育隊、こういうのが大体高卒に該当することを目標としてつくられている学校というものでございます。
  216. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 今伺いますと、防大とか防衛医科大は大変な競争率だということでございますが、どうなんですかね。防衛大学に例をとれば、防衛大学を卒業いたしますと一定の年限は自衛隊に在籍をしなければならないことになっているのか、それとも大学を出ればどの道を選ぶかはその学生の選択に任せているのか、その点はいかがでございますか。
  217. 佐藤謙

    政府委員(佐藤謙君) 防大を卒業する者に対しましては、今お話しのような自衛官への任官を義務づけるというようなことはしておりません。  ただ、この四年間の教育の中におきまして学生が進路について的確な判断ができるようにということでいろいろな指導をしている、こういうことでございます。
  218. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 今おっしゃった防大とか防衛医大ですね、この応募数が非常に多いということの中には、率直に言いまして、大学を出ても自衛隊に入らなくてもいい、別の道を選択してもいいんだということが応募数にもあるいは影響しているんじゃないかと思いますが、その点。  それから、現実に防大に例をとれば、これもここ五年間ぐらいの推移で、防大を出て自衛隊に入らなくて別の道を選択する学生数でございますね、これは何人ぐらいおいでになるんですか。
  219. 佐藤謙

    政府委員(佐藤謙君) まず私の方から、過去五年間の防大卒業者の任官辞退者数について申し上げますと、平成二年三月におきます任官辞退者数は五十九名でございました。それから以降一年ごとに……
  220. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 卒業何人について何人ですか。
  221. 佐藤謙

    政府委員(佐藤謙君) 平成二年三月は卒業者数が四百二十四名でございます。それに対しまして任官辞退者数が五十九名、こうなっております。次の平成三年三月が四百九十四名に対しまして九十四名の任官辞退者数が出ております。それ以降ですが、四年の三月には卒業者数三百五十四名に対して三十四名、五年三月は三百八十四名に対しまして十九名、平成六年三月は三百三十八名に対して二十名ということで、今数字を申し上げましたように平成三年三月の九十四名というのはこれはピークでございまして、それ以降減少傾向にございまして現在のところ二十名、こういう状況になっておるところでございます。
  222. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 今、一例としてお挙げになられた平成三年の九十何名でございますか、それはどの辺にそういう理由があるのか。九十名というのは非常に多いですが、それ以後も大体一割ぐらい別の道を選択する学生がいるわけですが、それはどういう理由に基づくものか。  それから、そういうことについて、せっかくこれはしっかりと教育を授けているわけでございますから、防衛大学の学生に対しましては自衛隊で任官をするような指導を当然なさっているとは思いますが、それはどの程度、どういうふうにしていらっしゃるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
  223. 佐藤謙

    政府委員(佐藤謙君) 先ほどの平成六年三月の二十名について申し上げますと、そのうち本人の申告と申しましょうか、それを分類してみますと、身体的理由と答えているのが四名、家庭の事情と答えているのが四名、大学院等進学と答えているのが二名、民間会社就職二名、自衛隊が性格に合わない三名、他の職業を希望五名、こういうふうな内訳になってございます。  それから、現在防大を卒業した者に対しましては自衛官への任官を義務づけておりませんし、またこの辞退者に対して罰則を設けるというようなこともしていないわけでございますが、ぜひ御理解いただきたいと思いますのは、やはり優秀な学生を採用いたしますのはできるだけ範囲を広く、間口を広くあけておいた方が適当であろうと思いますし、それから逆に例えば償還金というようなことになりますと、むしろ償還金さえ払えば安易に退職できるというような風潮というのを生ずるのもいかがかというようなこともございます。  いずれにしましても、二十名とはいって従来よりも随分少なくなってきておりますけれども、やっぱり出てくるのは非常に残念に私ども思っておりまして、いろいろな形で、先ほども申しましたけれども例えば募集のときに防大の趣旨、目的、こういったものもよく周知徹底いたしますし、それから防大に入ってから後も、中でカウンセラーであるとかあるいは指導教官というのをかなりきめ細かく置いてございまして、こういった者がいろいろと対話、話し相手、相談相手になってやって将来に対する不安をなくすとか、そういうことで指導したり、一方、やはり何といっても自衛隊に対する国民の理解といいましょうか、それがやっぱり大きいと思いますし、それから自衛官として任官した後の処遇といいましょうか、そういうものも魅力あるものにしていく必要があるということで総合的な対策をとるように努めているところでございます。
  224. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 本日の私の質問の眼目は、実は今からお尋ねすることにあるわけでございます。  今、魅力あるものにとおっしゃいましたね。その点なんですが、私は一九三〇年の生まれでございまして、旧制中学校に在籍をしておりました。私のおりました中学校では上級学校へ進学をいたしますと、海軍兵学校へ進学をした生徒は雨天体操場にその者の氏名だけを大きく掲示いたしました。率直に言いましてこれは五十年以上も前の話でございますけれども、その学校から何人海軍兵学校へ行ったかというのがその学校のいわば誇りであったように私は思います。  それは旧軍の海軍兵学校と防衛大学とは同日に論ずるわけにはいきませんけれども、今あなたがおっしゃったように魅力ある学校にするとかそういうことじゃなくて、やはり少なくとも例えば防衛大学に入るのは、この日本の国をもし侵すものがあれば、我々は外に攻めていくんじゃなくて、もちろんそんなことは当然のことでありますが、国土を侵すものがあれば自分たちの家族やふるさとを守るためにいつでも決然として立つ用意がある、そういう精神面の充実というものが学生にも常に私は要求されてしかるべきであると、このように考えるものであります。  私の友人に海軍のラッパ隊にいた人がおりましてよくラッパを吹奏してくれるんですが、今の例えは自衛隊の食事ラッパ、これを別の言葉に置きかえてみるんですね。そうしますと、「将官も新兵さんも食事は同じ、嫌いなおかずは残しましょう」、こういうふうに言いかえて吹いているんだと。非常に民主的でそれは結構なことでありますけれども、少なくとも例えば防衛大学に入るには、卒業して別の道を選択するんだとかお金さえ返せばいいんだろう、そういう考え方で勉強をしてもらっちゃ本当に私は困る、こう思うんですが、長官その辺についてはどのようにお考えでございますか。
  225. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 国を守る仕事につくということは最もとうとい仕事であると、このように思います。したがいまして、防大の卒業生の諸君も、あくまでもこの国の平和を守り、国民の生命財産を守るというとうとい使命感を持って職務に精励すると、こういう決意を持ってこの仕事につくということが最も大事であると考えますし、そのような方向に進んでいってもらいたいと考えます。
  226. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 長官、私は愛国心という言葉について長官の御意見をお伺いしたいと思うんです。  私は、学生時代にドーデというフランスの作家の書いた「最後の授業」という本を読んで随分感銘を受けた記憶がございます。愛国心という言葉は戦後相当長い間、何かそれを言うとまるで右翼のような、何かちょっとアナクロニズムのような印象を与えかねまじき感じがあったことは否定できないと思うんですよね。少なくとも、自衛隊に入隊をする諸君はこの日本という国を愛し、この国に生きている人たちの生命財産を守り、もし仮にこの国土を侵すものがあれば、自分たちのふるさとをじゅうりんしようというものがあれば、いわば一身を犠牲にしてこれに当たって愛する家族やあるいはふるさとを守ると、そういう熱意に燃えなければいけない。  もし愛国心という言葉がそれを意味するのであれば、自衛隊の幹部の皆さんが、長官を初めこれは文官も含めて愛国心の涵養に努めていただくことは一向に私は差し支えがないと、こう思うのですが、それについての長官のお考えと決意をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
  227. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 国を愛するということは、国民それぞれが持つ当然の心であると思います。  我が国は、日本国憲法のもとに主権在民、民主主義そしてまた平和主義を持っておるわけでありますが、このすばらしい国を、国土を愛する、そしてこれを守るということは最も大切なことであると、このように考えております。
  228. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 終わります。
  229. 永野茂門

    永野茂門君 きょうの午前中、村上委員がいろいろと御質問なさいましたので、私が質問しようとしていた内容の大部分とは言いませんけれども、一部は既に御説明がありました。しかしながら、若干の重複がありますけれども、重複をいとわず承りたいと思います。  UX機種選定につきましては、私どもが予想していたのとは非常に違いまして大変に大きな話題となってきております。私なんかはUXの調達が始まるなんていうことは全然これが新聞で問題になるまで気がついてなかったわけでありますけれども、最初に、UXの必要性はどういうことなのかということ。そして、このUXは修正された中期防において何年度に何機、どういうように調達していくのか。その調達構想についてお伺いいたします。
  230. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) お答えいたします。  UXの必要性でございますけれどもUX、多用途支援機でございますけれども、これにつきましては航空自衛隊が指揮連絡、空輸、訓練支援等に使用するために整備するものでございまして、これをもって昭和四十四年度及び四十五年度に取得しました現在、指揮連絡用として運用しておりますB65の用途廃止に対応してこれを補充しようという考えのもとに整備するものでございます。  さらに、具体的な必要性について申し上げますと、現在、B65等で行っている指揮運絡体制を維持していく必要があること。二番目に、三百キログラム程度のものでございますが小型軽量貨物輸送や少人数の人員輸送を効率的に行う必要がある。これは例えば航空自衛隊の事故調査のメンバーというのは十八人編成というようなことになっていますので、このような際に救急応急的に対応できるような、そういう人数を効率的に輸送できるということ。  それから、近年の航空軍事技術の進歩に対応しましてAWACSを導入したわけでございますけれども、そういうAWACSでありますとか地上のレーダーサイトあるいは戦闘機部隊というような、いわゆる警戒管制部隊等の訓練を有効に行うための必要があるということ、これはこれらの部隊に対するターゲットとしての役割を果たす、目標としての役割を果たすということでございますが、そういうような必要性から今回導入をしようとするものでございます。  そして、これは中期防衛力整備計画、平成三年度から平成七年度までの現計画におきましてはその期間中に七機の整備を予定しておりましたが、御案内のとおり平成五年度か四年度の末におきまして、この中期防衛力整備計画の減額修正、五千八百億円の減額修正を行ったわけでございますが、その際にB65のいわゆる減勢計画というものを見直しまして、現計画いわゆる修正計画におきましては、この中期計画において平成七年度に二機整備する計画として現在整備を進めるということで、今般、平成七年度の要求に当たりましてこのUXを二機予算要求をお願いしておるところでございます。
  231. 永野茂門

    永野茂門君 今、具体的な必要性について三つおっしやいましたけれども、その三番目の訓練支援、これは従来はやはりB65で行っていたんですか。それともほかの機種だったですか。
  232. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) これは主としてAWACSの導入に伴ってそういう必要が出てきたわけでございまして、従来B65は指揮連絡機として運用しておりました。これらのターゲットにつきましてはそれぞれT33を用いる場合もありますし、普通の戦闘機を用いてターゲットにするというケースもございました。
  233. 永野茂門

    永野茂門君 さてそこで、機種選定の基礎になるものは要求性能であり、そしてまた提案された候補の機種が要求性能、ミリタリーリクワイアメントをどのように充足するのか、そしてまた一機の初度の価格は幾らするか、あるいはまたさらにライフサイクルコストといいますか、トータルのライフサイクル価格はどういうものかというようなことによっていろんな選定が行われる、こう思うわけでありますが、今申し上げました要求性能、あるいはその提案機種がそれを充足する度合い、それから価格関係、そういうものについて御説明をお願いいたします。
  234. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) UX機種選定の評価作業につきましては、会社から提案をされました三候補機種、これはガルフストリーム、ファルコン、チャレンジャーという機種でございますけれども、それについて会社の提案書に基づきまして要求性能との適合性を含め、技術的、経済的観点から総合的に検討、評価をして最適な機種選定する作業を実施中でございますが、現在その過程にあることからその内容を公表することは差し控えさせていただきますが、ただ現時点でその概要について可能な限り申し上げれば次のとおりでございます。  主要な要求性能との適合性でございますが、まず離着陸性能についてでございますが、離着陸性能につきましては航空自衛隊の主要な飛行場、すなわち入間基地の滑走路が二千メートルでございますが、二千メートル滑走路までに最大離陸重量及び最大着陸重量で離着陸できる性能を持つことを求めておりまして、三候補機種のうち性能を満足しない可能性のあるものが見られます。この点につきましては、先ほど来から話が出ております有識者の会合におきましても、その理由や評価の妥当性等について有識者間でさらに詳細に調査が行われておりまして、それが制動能力によるんだというようなことについての評価をいただいておりますが、そのような点についての検討を行っております。  それから、航続性能でございますけれども、航続性能につきましては、情勢緊迫時あるいは有事において航空自衛隊の主要な航空基地間を指揮連絡できるということとともに、近年の航空軍事技術の進歩に対応しまして質の高い訓練を行うというために、仮設敵機を模擬できる、先ほど言いましたAWACSあるいは地上レーダー等の目標機として低空進入してくるというふうなパターンを指すわけでございますけれども、模擬できるなどの性能を持つことを求めておりまして、基本的には三候補機種ともいずれも性能を満足し得る状態にあるということでございます。  それから、速度性能とか上昇性能でございますけれども、速度性能、上昇性能につきましては、航空路における交通を阻害しないよう、この飛行機は指揮連絡等に当たるときには主として民間航空路を飛ぶわけでございますから、そのような場合に民間ジェット機と同程度の速度性能、巡航速度におきましてマッハ〇・八以上及び上昇性能が四万フィート以上、民間航空機は三万五千から四万フィートの間を飛ぶのが通常でございますが、したがって四万フィート以上を持つとともに、仮設敵機を模擬できる性能、今度は逆に低い高度、高度五千フィート以下で三百ノット以上の速度で入ってこられるというようなことを持つことを求めておりまして、これにつきましても基本的に三候補機種はいずれも性能を満足するというふうに私どもは考えております。  なお、所要経費の比較でございますが、航空機の価格の個々の単体の価格を含む購入経費、それから二十年間の維持経費、それはその維持整備に要する経費、それから当然部品の代金等を含む、あるいは整備要員の人員のコストを含む、あるいは運航のための燃料代というようなものを積み上げましてそういう二十年間の維持経費、それから航空機の大小がございますので、施設に係る経費が若干それぞれ機種で変わります。そういう意味での施設経費等の関連経費から成る所要経費総額について三候補機種を比較検討しますと、三候補機種間でばらつきがある、これについて順位をつけるということが可能であるというような状況に今なっております。  以上が検討の大体の概要でございます。
  235. 永野茂門

    永野茂門君 ロジスティックの関係からの検討はコストの中に全部含んでおっしゃったのかもしれませんけれども、この種の機種については、インターオペラビリティーだとか部品取得の容易性とか、そういうのは特に問題にする必要がないと、三機種は似たようなものだと、こういうようにお考えになったのでしょうか、観察されたのでしょうか。
  236. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私どももちろんそれは部品取得とか維持、整備の上でその二十年間を見ておるわけでございますから、当然そういうことが十分満足し得るということは、これは検討の中に入っております。しかしながら、いわゆるインターオペラビリティーということについてはもちろん私どもの念頭にはございますけれども、それをもって選定の対象とするというようなことについては選定要素の中には入っておらないということでございます。
  237. 永野茂門

    永野茂門君 恐らく全部要求性能は最低限充足しているということだろうと思います。充足をしているけれども、充足の度合いといいますか、余裕度はいろいろあると思うのですけれども、これは今、選定作業中でありますのでおっしゃれないのかと思いますので質問をしないことにいたします。質問をしようかと思ったのですけれども、やめます。  次に、このUX機種選定、ずっと四月ごろから、あるいは実際の構想書が始まったのは四月ごろのようでありますが、それからずっと慎重に選定手続きを続けてこられたようであります。その手続の手順の項目、そしてそれらをどういうような日程でやってこられたか、そして機種選定の評価をどういう人たちでやったかということについて簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  238. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) UX機種選定につきましての手続でございますが、これまでの航空自衛隊選定をしてきました航空機の機種選定手続と同様の手法、手順に従って進めてまいっております。  具体的に申し上げますと、まずUXを指揮連絡、空輸、訓練支援等に使用することなどを規定しました運用構想書というものを策定いたしました。これは四月の下旬でございますけれども、それを策定した後に、これを具体的かつ詳細に規定した運用要求書というものにまとめております。これが五月の十二日でございまして、これに基づきましてUXが持つべき性能、離着陸性能でありますとか航続性能、先ほど申し上げた各種の性能を規定しました要求性能書というものをつくっております。そして、こうした性能を満足する可能性のある機種を漏れのないように幅広く選び出しまして、これらの関連会社に機種選定を行う旨連絡しました。これが五月十二日でございます。  そして、これに対して提案意思があるかどうかを確認したわけでございますが、この申し出に対し提案意思を表明しました三社に対して、会社提案を受けるため我々がつくりましたこれに従って会社としての提案をしてくださいという提案要求書というものを五月十三日に三社に提示いたしました。これを受けまして、会社が今度は提案書というものをつくって、六月十二日に三機種について出してきたわけでございます。これ以降、この提案書に基づきまして要求性能との適合性を含め、技術的、経済的見地から総合的に検討、評価し、厳正、公正に最適な機種選定するための作業を行ってきているわけでございます。  そこで、その間どういう者がこの選定作業に携わったかということでございますけれども、いわゆる運用構想書の策定等については内局とも十分調整した上で空幕長が決裁をし、運用要求書あるいは要求性能書の策定についても内局と十分調整の上で空幕でこれをつくり、そしてその提案要求書を各社に出しました。  その結果、出てきた提案書を今度は審査する段階では、空幕におきましては関係の班長会議関係の課長会議等を利用し、そして航空幕僚幹部として空幕長の主宰のもとに各部長出席しこれを検討し、そしてその後、次官が主宰するところの関係参事官会議において、空幕長を含め内局各局関係局長等が出席しこれを審査し、そして防衛庁長官のところで政務次官、事務次官を含め空幕の各部長内局の各局長等も参加をして審議したというような、非常に多くの方々がこれに参加して今まで審議を進めてきておるという状況でございます。
  239. 永野茂門

    永野茂門君 この手続の状況を承りますと、多くの専門家が参加し、そして段階的に逐次詰めていくと。そういうことを繰り返しておりますし、そしてまた若干の疑問がある、不透明な点があるという御指摘があったのかどうか知りませんけれども、四閣僚会議というものが設けられて、これによるチェックが行われ始めておるということ。こういうような状況だと、関係会社が勝手なことをしようとか、あるいは外の人が影響力をこの中に行使しようとかいうようなことはできないようなシステムになっていると、私はこういうようにこれを観察するわけでありますが、まず担当局長としてはどういうように観察しておられますか。
  240. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私ども防衛上の必要性に基づきまして多用途の支援機というものは今後必要であるという認識のもとに、それの必要な要求の性能というものを確定し、そのもとにこれに適合する機種を、最も効果的に効率的に任務を達成するに必要な機種を選ぶという作業については十分自信を持って進めてきた。  したがって、その選定の結果については十分自信を持っておるし、また手続的にも間違いがないと、公正かつ厳正にこの選定手続が行われたものと確信を持って申し上げるわけでございます。
  241. 永野茂門

    永野茂門君 次は長官に承りたいと思いますが、今、防衛局長はみずからの責任において十分公正、厳正に行われたと、また現在行われつつあるということを述べられました。非常に心強いことであり私もそうだと観察いたしますが、長官は最終的な責任者として、このような手続過程において外部から影響力を及ぼされるようなことはないんだというようにお感じになっているかどうかという所見、そしてもし、しかしそれでもなおいろいろやっている間にこういう誤解を受けるようなことは排除した方がいいという、そういうことについて何らかの手続上の改善について考えておられることがありましたらお答えをお願いいたしたいと思います。
  242. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 機種選定におきましては、透明性を明確にいたしまして、公正、厳正に決定をするということに力を入れて今日まで作業を進めてまいったところでございます。あくまでも防衛目的を達成するためには、その要求性能との適合性も含め、技術的、経済的な見地から総合的に検討をいたしまして最終的な決定をいたしたい。  この過程におきまして種々の疑点が生じたとすればまことに残念なことではございますけれども、しかし今日までこの委員会等におきましても議論をされてまいりましたように、いささかも今日までの手続その他選定の作業等におきまして問題を起こすような、あるいは逸脱しているようなことはないと、このように考えておるわけでございまして、最終的にだれが見ても公正、厳正であると、こういうような結論を決定したいと、こういうふうに考えております。
  243. 永野茂門

    永野茂門君 最後に念を押したいと思いますけれども、午前中から討議がありますように、これは早急に決定をする必要があるわけでありますけれども、その最後の決定に至るまで公正、厳正な判定をし得る、あるいはしなければならない。この中には先ほどもフランスの首相からの手紙云々がありましたけれども、これは首相のお手紙でありますのでそれがいいとか悪いとかいうことを私は申し上げませんけれども、そういうことにつきましても影響を受けることなく御決定いただきたいと思いますし、それに対する決意をもう一度お願いしたいと思います。
  244. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 自分の国の飛行機が最適であるという御推薦は、いろんな角度からの手紙といいますか、そういうものは来ておるわけでございます。しかし、あくまでも私としましては、何度申し上げてもそうでございますが、我が国にとって最も適切な機種を決定する、こういう決意で臨んでおるということを申し上げたいと思います。
  245. 永野茂門

    永野茂門君 終わります。ありがとうございました。
  246. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  247. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 速記を起こして。
  248. 橋本敦

    橋本敦君 官房長官、御多忙中恐縮でございます。記者会見がおありになるそうなので、最後にお聞きしたかったことを最初に回さざるを得ないんですが、お待ちをいたしておりました。  このUX問題については、防衛庁防衛庁立場で、選定過程にはいささかも疑義を挟む、そういった問題はないという立場で終始答弁されておられます。しかし事はそれで済むものではない。だから、したがって閣僚懇談会でも議論になり、また再検討委員会防衛庁の言葉で言えば有識者の委員会もつくられ、そして官房長官もいささかの疑惑もないようにしたいということを当委員会でも宣言されるという、こういう事態になっているわけであります。  私は、これに関連をして幾つかの問題点をこれから指摘していくわけですが、結論として官房長官にお伺いしたいのは、こういった経過の中で概算要求も機種を定めないまま二機七十二億円を要求するという、こういう事態になって今日に来ておるんですが、この点も含めて今一体どうすべきかということが官房長官にただしたい大事な点であります。つまり、いささかの疑惑もないようにしたいという官房長官の言葉をそのまま信用するならば、この一切の疑惑がまずは政府みずからもまた国会においても解明をされる必要があるし、そういった解明が進まないうちにはこの問題については予算決定もすべきではない。いささかの疑惑もあなたがおっしゃったように残さないようにしないうちには、そういった処置は政府としてはとるべきではないという立場を堅持すべきだと思うんですね。その点についてのお考えはいかがですか。
  249. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) UX機種選定の問題に関しましては、防衛庁が第一義的な責任者の立場で内部で真剣な機種選定検討を続けてまいりまして、その方向が示されていたところでありますが、これらをめぐりましていろいろな議論が御指摘のようにございまして、またそういう議論を踏まえて閣僚懇談会でも一部議員から御発言等がありまして、私どもといたしましてはそういうことなども踏まえて、本来、防衛庁長官を中心に防衛庁で、それは公正な機種選定の作業が行われたものであるというふうには思いますが、なお国民の疑念というようなものが残ってはいけないものでありますから、そこで念を入れるというような思いで四閣僚による会合等も持っていろいろ相談をしながら、かつ防衛庁の内部には有識者会議専門家の意見も改めて徴して、そして作業を進めてきておりますことは御承知のとおりでございます。  概算要求は、御指摘のように機種は別にして一応要求は上がっているということになっているわけでありますが、私どもとしては恐らく伺っているところでは、予算編成の詰めの段階までには検討作業もまとまって防衛庁としての責任ある機種選定の方針というものがまた改めて示されるものであろう、こういうぐあいに思います。  私ども四閣僚といたしましては、それを受けながら四閣僚としてなお議論を若干いたしまして、そしてこれらの選定について、その公正について最善を期していくというような考え方でいる次第であります。
  250. 橋本敦

    橋本敦君 今おっしゃった国民の目から見て疑念がないようにということが大事なんですね。有識者検討委員会の結果も結論が出たら公表する、こうおっしゃっているんですよ。だから、四閣僚あるいは政府でこれでいいということだけじゃなくて、国民の目から見て疑念がない、公正に選定されたということがいささかも疑いがないようにするという、そういった立場から見れば、まだ公表もされてませんから、公表されれば議論しなきゃならぬ。そしてまた国会の論議もあるでしょう。そういったことを含めて徹底的にこの問題をいささかも疑念がないように解明していくということのためには、官房長官がおっしゃった予算の確定のときまでにはというそんな甘い期待でおられては、私は徹底的解明という姿勢に欠けると思いますよ。言うこととなさることが違ってきては大変ですよ。  そういう意味では、万が一の場合には、あなたがおっしゃったようにいささかの疑念もないようにすることが手続的にも国民立場から見てもできないときは、予算からはそれは白紙に戻して、やらないということもこれは含めて腹をくくって官房長官としては見ていかなくちゃならぬのじゃないか、こう言っているんですが、どうですか。
  251. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 万が一にもというお話でございますが、もちろんこれはどう見ても疑惑だらけだというような状況の中で押してどうこうというものではないというふうに思いますが、しかし今行われている作業がしっかり進められて、そしてその結論が公正なものというふうに判断し得る場合にはこれはもちろん予算をつける段階に入っていく、こういうぐあいに思います。
  252. 橋本敦

    橋本敦君 だから、逆に言えばそういうことが判断できなければ決断をしなきゃならないということだと思いますよ。  それでは官房長官、もう時間のようですから、ありがとうございました。  質問を続けます。  このUXの問題は、言うまでもありませんが九〇年十二月二十日の中期防衛力整備計画、ここで四種の支援機のジェット化が図られるということから出てまいりました。そもそも防衛庁の当初の計画では、九二年にはUX機種選定をして九三年から導入するといったような予定だったように承知をしておりますが、そもそもの初めはそういうことであったことは間違いありませんね。
  253. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) UXにつきましては、先ほど来申し上げておりますように今中期防ですか、平成三年から平成七年度までの中期防においては現計画では七機の整備を計画しておりましたが、平成四年末の修正によりまして……
  254. 橋本敦

    橋本敦君 私の質問に答えてください。
  255. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) それで二機に減らしたわけでございますが、たしか平成五年から整備するようになっておったと承知しております。
  256. 橋本敦

    橋本敦君 だから話は古いんです。それで、第一の疑惑というのはもう古くから実は起こってくるんです。  この大倉商事がUXの問題としてGⅣの売り込みに全力を挙げ始めるのがいつごろか、局長、知っていますか。簡単に言ってください。
  257. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私は、大倉商事がどのような経緯で……
  258. 橋本敦

    橋本敦君 知らなきゃ知らないでいいですよ。
  259. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) そういうように熱を上げたと言われるのか、私は承知しておりません。
  260. 橋本敦

    橋本敦君 「ウイング」という情報誌があることは、これは防衛庁もよく御存じでしょう。  その「ウイング」の平成四年の二月五日号には、大倉グループが早くも九一年の四月に会社の組織を大幅に改正して、そして従来の宇宙航空機部を宇宙航空部というようにして、組織改正で体制強化を図ってGⅣの売り込みに全力を挙げるようになったという記事も出ているんですよ。そして大倉商事では、この記事によりますと、「防衛システム課が今最も力を入れているのが、航空自衛隊のU-Xに提案しているガルフストリームⅣだ。大倉商事ではガルフストリームⅣについて、二十一世紀を見越した機体であり方全の体制でサポートしたいとしており、U-Xの採用に並々ならぬ意欲を見せている。」という報道がもう既に出ておるわけですね。  そして、この報道がなされたのが九二年のことでありますけれども、この問題について九一年ごろからアメリカの米国人ロビイストによるUX導入についての動きが、これが実は出てくるということがあるのであります。防衛庁は、アメリカの国防通商コンサルタントと言われ、弁護士をしているジョン・カーボーという人の名前をよく御存じと思いますが、このジョン・カーボー氏のいろんなニュースがそれこそいろいろな面から入ってきているのも御存じだと思います。例えば産経新聞の十月二十三日でも明確に書かれているんですが、このカーボー・メモなるものが防衛庁内でひそかに出回っていたという話もあり、このカーボー・メモはまさにUXに関するそういった情報も含めて出されているものであります。  私が指摘をしたいのは、こうして大倉商事が組織改正までしてガルフストリームの導入に全力を挙げ始めたまさにその九二年のころでありますが、それに先立つ九一年十一月十日に、我々の調査によりますと、ホテルオークラで米国防省安全保障担当次官代理カール・W・フォード氏と在日米大使館員、そこにカーボー氏が加わる、それに田村参議院議員も加わり、それから防衛庁航空自衛隊の技術研究本部航空機開発官である松宮氏が加わって会談を持ったという事実を私ども調査で承知しております。  そして、このときにどういう話があったかということになりますと、このときにはAWACS導入の問題や、FSXを初め航空機部品の対日売り込みについて話があったというように私ども調査ではつかんでおるんですが、この点について、なぜこのような会合に現職の自衛官がかかわるのかという重大な疑問を私は抱かざるを得ない。この事実を防衛庁は知っていますか。
  261. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) ただいま先生から御指摘のありました事実については、私どもは承知しておりません。
  262. 橋本敦

    橋本敦君 防衛庁長官、この松宮氏は現在は川崎重工の顧問をなさっていますが、防大を出られて空幕の技術装備畑をずっと歩いてこられたトップクラスの人物であります。こういう自衛官が現職で米国のロビイストあるいは防衛産業売り込みのコンサルタントと言われるような人と会って、防衛問題に絡む装備についてのアメリカの売り込みの話、そういったことに加わってよいのであろうか。私は、これは調べてしかるべき調査をなさる必要があると思いますが、いかがですか。
  263. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 先生がそういう会合があったということについて私どもとして調べてみることは調べてみたいと思いますが、その現職自衛官であり、あるいは現職のどういう職業にあるかを問わずいろんな情報を得るという必要があるわけでございまして、必要なときには必要な人に会うということはあり得るわけでございます。私どもも米国から来たいろいろな方にお会いすると。  この恐らくフォードさんという方は、先ほどカール・フォードと言われたかと思うんですが、フォードさんという方には私は何度かお会いしたこともございます。たしか元米国防省の次官補をされておった方だと思います。そういう意味で、いろんな意味で情報収集ということからそういう方とお会いするということがあるということは否定できない事実でございまして、特段それがいけないことであるとかということではないと承知しております。
  264. 橋本敦

    橋本敦君 そんな簡単なことを言っていると疑惑だらけになってしまうよ。アメリカのロビイストが来て話をしているんですよ。そして政治家も加わっているんですよ。防衛庁の正式な話じゃないですよ、防衛庁でやっているわけでもないですし。あなたは調べると言ったからぜひ調べてもらいたい。  そこで、そういった問題があって、これはまさに田村さんがここの会合に加わっているということも今指摘をしましたが、この事実も正確に調べてほしいんだが、大倉商事と田村さんとは深い関係にあることは後で触れますが、まさに大倉が組織全力を挙げて売り込みにかかっているその渦中でこういった会合が持たれているということにまず第一の問題がある。  第二の問題は、村上委員からも指摘をされましたが、いわゆる組み合わせの問題で、大倉商事がそれまで新明和と組んでいたのを、今度は日本飛行機と組んで共同でアメリカガルフストリームの提案に乗り出そうとしたというこの問題ですね。  この問題について防衛局長は、村上委員質問に対して調べてみたとおっしゃいました。そして当時の装備局長に聞いてもみたというお話でありました。その結果、日本飛行機防衛庁への売り込み、そういった業績が減ってきて、そのために日本飛行機の方としては業績を上げるために今度は大倉と組む、こういうようになったという報告を受けた。そしてまたそういうことについて相談も受けたと、こういうことでありました。  その当時の装備部長というのは、調べてみますと、九三年三月二十八日まで航空幕僚監部の装備部長をされておられた増元榮和さん。その後、防衛庁技術研究本部航空開発官に就任をされて今に至っておりますが、この方であることは間違いありませんね。
  265. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 私ども、当時の装備部長にお聞きしたわけでございまして、当時の装備部長は時系列からいって増元氏であったということでございます。
  266. 橋本敦

    橋本敦君 はっきりしていることははっきりお認めになった方がいいですよ。時系列的になんて言わなくたってあなた、ほかに人がいるわけじゃないんだ。  そこで、では日本飛行機が会社業績を上げるためになぜそれまでのファルコンと手を切って大倉と手を組むのか。これは、大倉と手を組んでそしてガルフストリーム、こうなることが期待をされているからじゃありませんか。ファルコンの売り込みが展望あるならば、日本飛行機はファルコンと組んでいれば業績上がるんですよ。それを会社の業績を上げるために今までの組み合わせを根本的に変えて大倉商事と組んだ、ここに一つの重大な問題がある。  つまり、ガルフストリームが、これが本命だと見られていたということが一つは推測されるわけですよ。そしてまた大倉商事としても、大倉商事はこれまで防衛庁の調達で部品納入はやっていますが、飛行機本体の調達をしたことはありませんから、飛行機本体の売り込みはガルフストリームがもし成功すれはこれが初めてになる。それまでは部品だけで、飛行機本体の売り込みを調達でやったという経歴はない。これはそのとおりでしょう。まずこの一点だけ。
  267. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) まず、いろいろ先生が言われた点だけじゃなくて、私からお答えしますと、大倉商事と日本飛行機が組むという話でございますけれども、これは先ほど来言いましたように日本飛行機防衛関連事業の売り上げが減少してきたということで、業績の低下が予想される中でそういうようなほかの飛行機についての修理の受託を希望していた。そういう中で大倉商事と組んでガルフストリームⅣを共同提案すべく大倉商事と相談したところ、大倉商事も好意的であったので、そのことについて先ほど名前が出ました部長に相談をしたという、それについては民民の話である、民間同士の話であるということをお答えしたということが一点。  それから、大倉商事が前々から新明和と組んでおったんだという事実はないわけでございまして、大倉商事が部品を納入していたのは事実でございますが、新明和と組んでやるというのは、この話が出てから、新明和がもともとガルフストリームの部品を生産していたという事実があるわけでございまして、そういうことからそれでは新明和というのはガルフ関係があるということで最終的にその組み合わせになったわけでございますが、前々から大倉商事と新明和が組んでおったという事実はないわけでございます。
  268. 橋本敦

    橋本敦君 大倉商事は調達では部品は納入しているが飛行機本体はこれまではなかった、今度が始めてだということは事実でしょう。質問に答えなさいよ。ここに調達のあれをもらっていますよ、だめですよ。
  269. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) お答えします。  大倉商事がいろいろ使用部品等について納入をしております。これはCH47Jのエンジン及び部品、それからコックピットのテレビジョンシステム、ハネウェルの計器類、そういうようなものを納入しておるということでございます。
  270. 橋本敦

    橋本敦君 だから、私が飛行機本体を納入した会社経歴はないでしょうと言ったら、そうだと答えればいいじゃないですか。あなたは質問の時間をいたずらにとるつもりか。冗談じゃない。  それで、今言った大倉商事の方も了解したというのはそうなんです。なぜなら、大倉商事は今言ったように飛行機本体の売り込みを今度始めてやるから、そのノウハウについては持っていないわけです。そこで日本飛行機と組むことも利がある、こう見たということもある。だから彼らの利害は一致しているんですよ。そういう話の中に先ほど言った装備部長がどうかかわったかということ、これが問題なんだからこれは徹底的に調べなさいと、こういうわけです。  だから、この問題について装備部長がどうかかわり、そのときの組みかえの話をどう承知していたか、一切の経過を明らかにするために私はこの装備部長をぜひとも参考人として呼んでいただきたいということを、増元榮和さんですが、まず委員長に理事会協議をお願いしておきたいと思います。よろしゅうございますか。
  271. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 後刻理事会で協議をすることにいたします。
  272. 橋本敦

    橋本敦君 こういうことがあって機種選定がさらにおくれていく過程で第三の疑惑、いわゆる田村議員のモザンビークへのガルフストリームチャーターという問題が出てくるわけですよ。この問題について、モザンビークの視察は防衛庁長官も行かれましたし、他の衆議院、参議院皆さんも約十名から行っておられますね。全部チャーター便じゃなくて定期航空を利用されているでしょう。田村さんたちだけがチャーター機で行かれておる、まず第一にここに問題が、どういうわけかということが考えられる疑惑があるじゃないですか。  そして、仮にチャーターで行くとしてもなぜ大倉商事が窓口でガルフなのかという問題が次に出てくるじゃありませんか。ここが問題ですね。そして、このチャーターについて報道されているところによりますと、これはファーストクラス八十五万一千八百十円、これは田村事務所が支払いをなさったようですけれども、これのチャーター料をノーマルに計算すると一千三百万円以上になるという報道もある。そうしますと、これが事実だとすると一工二百万要るものが八十五万で済んだとなりますと、一千二百万相当の便宜供与を受けたということにもなりかねないんですよ。だから、この点も事実かどうか調べなきやならぬのじゃないですか。  そういう意味でこの件については、実際に価格はどうだったか、なぜチャーターをほかの会社でなくて大倉を通じてこのガルフストリームになったのか、なぜほかの議員は定期便で行くのにチャーターする必要があったのか、こういった問題についてはこれは重大な関心を持って当然調べておく必要があると私は思うんです。長官、いかがですか。
  273. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) まず事実関係から。  田村議員のガルフストリームーⅣの利用につきましては、当然私どもとして関心を持って、UX機種選定が客観的に見て公正に行われる必要があるという観点から報道された事実について会社から事情を聞いたところでございます。  この結果、報道されているように田村氏を含む二名の国会議員の方が欧州とモザンビーク間を往復し、搭乗者はガルフストリーム社に対してこのための対価を支払っているということでございます。この対価につきまして私どもが調べたところについては、ファーストクラス料金並みを支払うということで合意し、その金額を支払ったというふうに承知しております。  そして、私どもがこの目的は何かということを尋ねましたところ、モザンビークに行く便に行動との間で調整がとれず、そこでガルフ社に依頼したということでございます。ガルフ社としましては、ヨハネスブルクでガルフストリームⅣのデモンストレーションの計画がありまして、その往復便に便乗することによってマプトへ立ち寄ることで日程を調整した、こういうことでございます。
  274. 橋本敦

    橋本敦君 それはもう聞いたよ。私の疑問に全然答えていないじゃないか。なぜ田村事務所は大倉商事に言ったか、これが一つ。これは何も調べてないじゃないですか。そしてまた、なぜいろいろな民間ビジネス機があるのにガルフストリームか。これも調べてないじゃないですか。料金はファーストクラスで払った、そういう話がガルフストリームとの間でついたという報告はあったが、実際もっと高額な費用がかかるという問題について調べなきゃならぬじゃないかという私の質問に対しても答えられないじゃないですか。全部調べなきゃだめですよ。  そして、この問題の背景にあるのは田村議員と大倉商事が一体どういう親しい関係にあるか、必死になって売り込もうとしている大倉商事とどういう親しい関係にあるかということを見なくちゃならぬですよ。  その点について言うなら、資産公開を国会議員がやりますが、資産公開をするその中に、田村議員が公開をしておられる関係企業として精立工業が記載をされております。これは公表されている。この精立工業は大倉商事の一〇〇%出資の子会社であることは業界みんなが知っていることですが、この精立工業から田村さんは一カ月二十万の顧問料を毎月ずっといただいておられる、そしてそれは一九八八年三月から、防衛庁退職後の三月から昨年の七月まで五年五カ月ですから総額で一千三百万円を上回る額です。  私は、顧問料がいけないというそんなことは言っていませんよ。政治献金だったら年間百五十万の限度額がありますから、本当は政治献金ならばその限度を超える額なんですが、顧問料ということでいただいておられる。そういう親しい関係だ、こういうことですね。  そして、それだけじゃなくて、午前中も問題になりましたが、この田村さんがやっていらっしゃる円木会という会がありますね。これは局長も円木会を承知しているとおっしゃっておる、円木会は田村事務所に聞いてみたともおっしゃっておる。この円木会は、先ほどのお話でもありましたが、現在メンバーは何名か御存じですか。
  275. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 円木会については、報道もあった関係で取り急ぎいろいろお聞きをしたわけでございますが、メンバーが何人でどういう人がおられるかということは把握しておりません。
  276. 橋本敦

    橋本敦君 調べ不足も甚だしいよ。現在六十七名、私どもが入手した名簿でははっきりしておる。  それじゃもう一つ聞きますが、この円木会に入っている国会議員は田村さんお一人なんですが、承知していますか。知っているか知らないかでいいですよ。
  277. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 田村先生を囲んでの勉強会だというふうに聞いておりますので、田村先生がメンバーであることは間違いないと思います。
  278. 橋本敦

    橋本敦君 何を勉強する会だと言っていますか。
  279. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) いろんな勉強会だというふうにしか聞いておりません。
  280. 橋本敦

    橋本敦君 調査不足も甚だしい。調べて、何の勉強会が、いろんな勉強会だと言われてそれで引っ込むようじゃ調査にならぬ。  それでは聞きますが、月一回定例会があるそうですが、ここにいろんなメンバーが集まる。  そこでもう一つ進んで聞きますが、このメンバーの中に大倉商事関係者がいますが、知っていますか。
  281. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 存じ上げておりません。
  282. 橋本敦

    橋本敦君 大倉商事のガルフストリーム売り込み担当責任者は宇宙航空機部長の川口富士夫さん、この方があのチャーター機に四日間一緒に乗っていかれた方だというように私ども調査では明らかであります。これは防衛局長、知っていますか。答えだけでいいです。
  283. 村田直昭

    政府委員村田直昭君) 同乗していたということについては承知しております。
  284. 橋本敦

    橋本敦君 この方がメンバーであり、そして同時にガルフストリーム売り込みの担当重役である大倉商事常務取締役森英世さん、この二人の方が大倉商事関係者として円木会に入っております。そして、これ以外にも東芝、富士重工、日本航空電子工業、島津製作所、横河電機その他防衛産業に関連ある企業の関係者が入っております。  問題は、現職防衛庁関係者であります。現職防衛庁関係者はどういう方が円木会に入っているか、人事局長、知っていますか。
  285. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 前の航空幕僚監部装備部長が入会をしているというふうに聞いております。
  286. 橋本敦

    橋本敦君 お名前は。
  287. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 増元でございます。
  288. 橋本敦

    橋本敦君 先ほど話が出た増元榮和さん。  それ以外にあるんですが、知りませんか。
  289. 萩次郎

    政府委員(萩次郎君) 存じ上げておりません。
  290. 橋本敦

    橋本敦君 それでは私から申し上げましょう。杉浦功一氏、航空自衛隊中部航空方面隊司令官、空将であります。高部求さん、防衛庁航空幕僚監部援護業務課長をしておられて現在は補給本部総務部長、一等空佐であります。もう一人、津金澤洋實さん、防衛庁航空幕僚監部技術部技術第一課長をしておられて現在は調達実施本部岐阜事務所におられる一等空佐であります。それと増元さんが今入っておりますね。  現職のトップあるいは装備部分では重要な責任を持つこれらの人たちが、ガルフストリームの売り込みに必死になっている大倉商事やあるいはその他防衛企業関係、こういったメンバーと田村さんを中心にして月一回会合をやっていろいろなことを勉強しているとかいう話ですが、まさに防衛庁やあるいは航空自衛隊の装備や商談に関するいろんな話が出る。これはもう明白であります。そういったところに現職の防衛庁のこうした幹部が入っているということは、私は疑惑を抱かせる重大な一つの問題だと思います。  まず第一に、今私が指摘したとおりのメンバーが入っていることは間違いありませんから、これを調べてみる必要がある。そして、これがどういう会合でどういう話をしているか、現職高級幹部がこういったところに入って一切疑惑を招かないといったことが言えるのかどうかに重大な問題がありますからこの点について姿勢をただしていく必要がある。長官答弁を求めます。
  291. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、この機種選定に当たりましては公平、厳正をもとにして行っていく、こういうことでございますので、もし御指摘のような点で何か問題があった場合におきましては、当然調査をいたしまして決定についての今後の参考にいたしたい、このように思います。
  292. 橋本敦

    橋本敦君 田村議員がこういう関係から大倉商事を通じてガルフストリームをチャーターすることは容易に考えられるでしょう。そしてそれに乗って五月に行った。その五月は、まさに先ほどから防衛庁がおっしゃっているようにUX選定作業の再開を今年の四月から始めて、そしていよいよ具体的段階になって要求書を提示する五月、まさに売り込み商戦のホットな時期ですよね。そういう時期にこの飛行機に乗っていくことは、これはやっぱり重大な問題じゃありませんか。  だから、田村さん自身は、新聞の報道によりますとガルフストリームUXの対象機種であることを知っていたらそれには乗っていかなかったと、こうおっしゃっているんです。乗っていくべきでないことは政治家ならわかりますよ。  しかし問題は、知らなかったというふうなことが言えるか。さっき言ったように担当部長が四日間同行しているんだ、売り込みの担当部長が。大倉商事と親しい関係にある、円木会で話も出る、九二年から売り込みが始まっている。それを田村さんともあろう方が知らなかったということで済ましておられるかどうか。知らなかったとおっしゃればなおさら一層疑惑が膨らんでくるわけですよね。徹底的にこの間の関係は厳しく調査をすることを要求するわけであります。  そして、こういったことを徹底的に解明しないで、長官が何度も言うように厳正、公正に機種選定と、こう言っても疑惑は残ってくるわけであります。私はこの点について、この問題が今私が指摘した視点として徹底的に調査されることを厳しく重ねて要求しますが、長官いかがですか。
  293. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) まず機種選定に当たりましては、先ほどから申し上げておりますように我が国の防衛目的を達成するためにどうしても必要である、こういう観点から進めておるわけでございまして、その過程におきましていささかでも問題があるようなことになった場合におきましては事実を明らかにするということは当然のことであるわけでございますが、今お話がありました点は、それだからといって機種選定に何らかの影響というものを残したかというところが問題かと思うわけでございまして、そういう点についても調べてみたいと思います。
  294. 橋本敦

    橋本敦君 厳しく調べてもらいたい。  ガルフストリームにとったら、ファーストクラスの料金で一千万以上の負担をしようとも、この売り込みに成功すれば三百億円からの商いになるわけです。だから商社関係の人に言わすと、それはもう大いにやりますよ、しかし商社はただでは莫大な費用は使わない、必ずガルフストリームに来るというそういったまさにピンポイントに視点を当てるように正確に情報をつかんでやったことでしょうと言っていますよ。だから、そういった問題について今長官が言ったように厳しく調査をしてもらいたいと思うんですよね。  そして、もう時間がなくなりましたけれども、私は、この多用途支援機について防衛庁が業者に出したいわゆる要求性能書、これについて重大な問題を指摘しておきたい。  その要求性能書は私も調査で今こうして手にしておるんですけれども、その運用目的、運用条件の一つの中で、「状況により海外においても運用する」と、こうあって、そして主として次の業務のために運用するということで、「空輸」の項に「国際平和協力業務等に係る要員の派遣及び物品の輸送」というふうに明確にこれが入っているわけですよ。だから、まさにPKO体制に持っていくというそういった方向なんですよ。  ただ、PKF本体は凍結されているでしょう。PKF、自衛隊海外派遣は憲法上問題があるとさんざん国会で論議になっているでしょう。こういった問題も、選定機種経過の不透明性ももちろんだけれども、こういった目的で要求性能書を出して公然とPKO体制をつくるということは、まさに国会論議を踏まえずに、シビリアンコントロールを踏まえずに防衛庁が先走りすることになるのじゃありませんか。絶対そういうことは私は許せないと思いますよ。  ここに書いてあるんだから、はっきり要求性能書に。だから、そういう意味をも踏まえて、この問題については一切この際白紙に戻して、そして防衛庁としてはやり直すべきだというように私は思います。思い切ってこの際白紙に戻すことを要求して、もう時間ですから私の質問を終わりますが、長官答弁を求めたい。
  295. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 公平、厳正を確保することができますようにとり行いまして最終的な決定をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  296. 橋本敦

    橋本敦君 終わります。
  297. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十分散会      ―――――・―――――