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1994-12-14 第131回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年十二月十四日(水曜日)    午前十時一分開会     ―――――――――――――    委員異動  十二月八日     辞任         補欠選任      橋本  敦君     聴濤  弘君  十二月十三日     辞任         補欠選任      聴濤  弘君     橋本  敦君  十二月十四日     辞任         補欠選任      岩崎 純三君     矢野 哲朗君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         岡野  裕君     理 事                 板垣  正君                 狩野  安君                 瀬谷 英行君                 寺澤 芳男君     委 員                 井上  孝君                 岡部 三郎君                 村上 正邦君                 矢野 哲朗君                 萱野  茂君                 久保田真苗君                 栗原 君子君                 中尾 則幸君                 永野 茂門君                 吉田 之久君                 猪熊 重二君                 橋本  敦君    国務大臣        外 務 大 臣  河野 洋平君        大 蔵 大 臣  武村 正義君        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 五十嵐広三君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  玉沢徳一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        菅野  清君    説明員        防衛庁参事官   太田 眞弘君        防衛庁長官官房        長        三井 康有君        防衛庁防衛局長  村田 直昭君        防衛庁人事局長  萩  次郎君        防衛施設庁長官  宝珠山 昇君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査並びに国防衛に関する調査  (多用途支援機機種選定評価作業に係る有識  者会合における意見とりまとめについての報  告に関する件)  (航空自衛隊の次期多用途支援機機種選定に  関する件)  (沖縄の米軍基地に関する件)     ―――――――――――――
  2. 岡野裕

    委員長岡野裕君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、岩崎純三君が委員辞任され、その補欠として矢野哲朗君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国防衛に関する調査を議題といたします。  多用途支援機機種選定評価作業に係る有識者会合における意見取りまとめについて防衛庁長官から報告を聴取いたします。玉沢防衛庁長官
  4. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 先般、防衛庁より公表いたしました「多用途支援機機種選定評価作業について(有識者会合における意見とりまとめ)」につきまして、本内閣委員会に御報告させていただきます。  航空自衛隊は、平成七年度から指揮連絡空輸訓練支援等に使用するため、多用途支援機UXを整備することとしておりますが、防衛庁としてその機種を慎重かつ公正に選定するとともに、選定作業透明性を高めるとの観点から、これまで実施してまいりました機種選定作業をさらに精査することとし、庁外意見を聞くこととしたものであります。そのため、多用途支援機機種選定に係る有識者意見を聞く会を設け、委員には東昭東京大学名誉教授幸尾治朗東海大学教授山田隆明民間航空機株式会社代表取締役の三名に委嘱いたしました。  会合は、九月一、十一日、十月十七日、十月二十日、十月二十八日の四回にわたり開催され、防衛庁側から多用途支援機機種選定内容について説明し、質疑応答を行い、委員意見を述べる形で行われました。  本会合における検討を踏まえて、先般委員意見取りまとめたところでありますが、これは、一、機種選定作業手続き妥当性等について、一、運用構想等妥当性について、三、評価項目方法妥当性について、四、三機種比較評価妥当性についての四つの項目から構成されております。  機種選定作業手続妥当性等については、機種選定に際しては、まず運用構想に基づく要求性能を策定し、これを提示して提案を求めたことは適当であり、また提案をなし得る会社機種選定に参加する機会が付付されており、提案意思を表明した会社には必要な資料が開示されていたことが認められております。  運用構想等妥当性については、指揮連絡態勢を維持することに加え、空輸訓練支援等をあわせた多用途に運用する構想航空機を整備することは、各用途に対応した複数の機種航空機を整備することに比較して効率的であり、妥当と認められております。運用要求及び要求性能は、離着陸性能航続性能速度性能上昇性能等について、本運用構想に基づき適切に策定されているものと認められております。  評価項目方法妥当性については、まず評価項目について、今後航空自衛隊が多用途支援機取得、運用していく上で基本的に考慮すべき事項を網羅しており、全体として妥当なものと認められましたが、さらに精査すべき項目及び追加すべき項目があったので、今回さらに精査、検討が実施されたところであります。  また、三機種提案会社は、提案内容は原則として変更は認められず、特に提案された経費平成七年度及び八年度以降における契約金額となり得るものであること等を前提として、責任ある資料提案していることが認められ、特に経費比較において、統一した基準及び条件のもとに比較評価を実施しており、適切な評価作業であると認められております。  三機種比較評価妥当性については、機能性能後方支援教育所要経費の四項目について検討されております。  まず機能性能については、一部についてはさらに詳細な検討を要するとして精査した事項や追加的に検討した事項があったが、それらの検討を実施した結果を含めて、一、ガルフストリームⅣ及びファルコン90OB要求性能を満足すること、二、チャレンジャー601は要求性能のうち離陸性能を満足しないこと、三、要求性能を満足するガルフストリームⅣとファルコン90OB比較すれば、ガルフストリームⅣの方が離陸性能航続性能及び上昇性能の面でより余裕があることが認められております。  なお、さらに精査した事項及び追加的に検討した事項としましては、離陸性能及び上昇性能性能余裕運用環境を考慮した搭載電子機器耐環境性エンジン機内及び機外騒音機内仕様の換装の容易さ、着氷対策塩害等腐食対策コックピット視界重量重心許容範囲搭載電子機器差異等があります。  後方支援につきましては、三機種はいずれも航空自衛隊要求する取得計画に適合し、また後方支援上の支障もないものと判断できるとされております。  また、教育については、三機種のいずれも所望の時期までに操縦者空中輸送員整備員所要の技能を習得させることができるとされております。  所要経費については、機種選定に当たっては、単に航空機機体価格のみを比較するのではなく、購入経費に加え、維持経費等を含めた所要経費総額比較することが必要であるとの考え方のもとに、三機種所要経費総額比較したところ、チャレンジャー601、ガルフストリームⅣ、ファルコン90OBの順に高くなることが認められております。  さらに機能性能において要求性能を満たさなかったチャレンジャー601を除き、ガルフストリームⅣ、ファルコン90OB経費を詳細に比較し、機体価格及び所要経費総額ガルフストリームⅣの方がファルコン90OBよりすぐれた結果となっていることが確認されております。  これまでの検討の結果として、総合評価としては、「航空自衛隊要求性能との関係では、ガルフストリームⅣ及びファルコン90OB要求性能を満足するが、チャレンジャー601は要求性能のうち離陸性能を満足しないと認められる。更に、ガルフストリームV及びファルコン90OB比較すると、ガルフストリームⅣは、離陸性能航続性能及び上昇性能において、より余裕があること、かつ、経費面でも優れていることが認められる。以上のように総合評価されることから、ガルフストリームⅣを最適な機種とした防衛庁評価結果は妥当と考えられる。」とされております。  以上が有識者会合における意見取りまとめの概要でございます。
  5. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 以上で防衛庁長官報告の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 村上正邦

    村上正邦君 おはようございます。  閉会中にもかかわらず、内閣委員会を精力的に開いていただきましたことを委員長に深甚なる敬意を表して、質問に入ります。  先月の二十九日の当委員会で、UX問題について私の質問に対して防衛庁から答弁がありました。かいつまんで申しますと、UX選定は厳正、公正であり、透明性は確保されているという主張に尽きると思う。しかし、私は調べれば調べるほど疑惑は深まり、ともすれば防衛庁組織ぐるみ疑惑隠しをしているのではないかという新たな疑惑さえ浮かんでまいります。だからこそ、商社整備会社の組みかえ疑惑にかかわった関係者を当委員会参考人として招致していただき真相を明らかにする必要がある、こう申し上げたのでございますが、それが実現できなかったことは遺憾であり、残念と言わざるを得ません。  長い私の国会経験の中で、こういうことは珍しいことなんですね。私は与党なんですよ。野党から参考人を出せと言われたら、それは困るというのが今までのパターンではなかったのか。それが、与党から出してくれと言って野党はだめだというこの不思議さ、かくもさま変わりしたと申しましょうか。しかし、年党であろうと野党であろうと、疑惑があればやはりこれはきちっとしかるべく委員要求を入れてその実現をするのが、特に私は参議院、衆議院は別といたしましても、参議院のあり方としては良識の府としてはそうであらなければならないのではないだろうかな。まず、参考人を招致できなかったことにつきましての私の趣旨を申し上げました。  時間もきょうは二時間欲しいと思いましたが一時間しかいただけませんので、答弁の方もひとつ十分そこら辺はわきまえて簡潔に要領よくやっていただきたいと思います。  そこで、UXをめぐる疑惑報道がなされる中で、とりわけ――その前に、今の防衛庁長官有識者会議、私はこれを再検討委員会と申しておりますが、有識者会議報告を聞いておりまして一つのことを連想いたしました。つい最近、新進党という新しい政党ができました、この党首選びを私は思い出したのであります。新進党党首選びは、私は最初からやっぱり小沢幹事長りきで決まっていた、その小沢幹事長を軸に党首をだれにするかの組み合わせが行われた、そして党首選挙がやられたようなものだなと、今ふと連想したわけでございます。  UXも同じでありまして、最初からガルフりきで決まっている、ガルフを念頭に置いた要求性能書をつくっているのに、白紙であるかのように選定作業を行っている。ガルフ導入前提としての商社整備会社組み合わせが行われたり、航空自衛隊OBである参議院議員らがガルフ機を格安でチャーターしてモザンビーク視察に出向いたりしたのは、いずれも最初ガルフりきを疑わせるのに十分な状況証拠ではないだろうか、こう私は言わざるを得ない。  そこで、官房長官大変お忙しいようでございますので最初お尋ねいたしますが、この有識者会議を設けるきっかけとなった八月十二日の閣僚懇談会では、どんな疑惑があると指摘されて、そして防衛庁長官は今までの手続常識に従って、今までの慣例に倣って機種選定を行っていると言うけれども、有識者会議なる今までにない、常識とおっしゃるけれども、常識に今までない、我々は今までいろいろな防衛庁問題、予算編成問題にも携わってまいりましたけれども、こういう有識者なるものがつくられたことは、これは初めてのことなんですね。常識外のことが行われた。なぜそういうものができたのか、もう一遍官房長官、どういう疑惑を解明してもらうためにこれができたのか、そのあたりをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  7. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 閣僚懇談会におきまして、UX機種選定をめぐりまして新聞であるとか週刊誌であるとかいろいろなところで議論がある、また閣僚の皆さんにもいろいろな情報等もあったりいたしまして、もちろんこれは防衛庁長官が責任を持って決めることではありますが、なおこれについて一層の公正を期すために関係閣僚でいわば防衛庁長官をサポートするような形で協議していってはどうかというような御提案がございまして、御承知のように四閣僚懇談会ということになった次第でございます。  今まで四閣僚会合につきましては三回開かれている次第であります。八月二十二日には防衛庁からUX機種選定作業の経過についての説明を受けまして……
  8. 村上正邦

    村上正邦君 時間がありませんので、その過程はもうわかってますから、私の質問に端的に答えてください。何回やったとかいうのはわかってます。
  9. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) あと、九月十三日及び十二月六日〔にそれぞれ会合を開いているような次第であります。  常識的な意味からいうとこういう閣僚懇談会を設けるのはいかがなものかというような御質問もございましたが、今の内閣はそういう意味ではいろいろ問題がありましたときには余りそういう点は意にしないで、いろいろ相談を各閣僚でしていくというような形がとられておりまして、今回もそういう意味で余り気張らない形ではありますが四閣僚相談をしていこう、こういうことになったような次第でございます。
  10. 村上正邦

    村上正邦君 官房長官、端的に言いまして、我々の同僚議員モザンビークヘガルフ機を使って行った、それから選定の透明さについても不透明ではないのか、それから組みかえ疑惑が出ているが、こういうさまざまな疑惑に対して、この有識者からの報告は恐らく期待をなさっておられたんじゃないですか、長官
  11. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) これはもちろん有識者会議をお持ちになられて、その公正さについてさらに念入りに御検討いただいたということでございまして、私どもといたしましてもそれは期待しておりましたし、その結果の御報告をまた承ったと、こういうことであります。
  12. 村上正邦

    村上正邦君 では期待していたと。  私は今の報告を聞いていて、何ら疑惑は解明されていない、そのことについては一切触れていない。官房長官は、適正な、公正な結論を得ると、こういうことを繰り返しておられましたが、すべての疑惑を払拭することが私は必要だと思いますけれども、この報告書を今お聞きになられて率直にどう思われますか。
  13. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) これは専門家立場から内容についていろいろ御検討になっておられて、機種選定内容をかなり突っ込んでさらに御検討になり、この有識者会合そのものは、もう言うまでもなく慎重かつ公正に行われたものだ。かつその審議の内容、結果等も公表されているところでございますし、そういう点では精査されたものと理解をしている次第であります。
  14. 村上正邦

    村上正邦君 あくまでも私が聞いているのは、その性能だとかいろいろ技術的なことについては我々は素人だからわかりませんが、今疑惑が指摘されているのはそういうことじゃないんですね。それは官房長官わかるでしょう。官房長官のお立場でこれ以上おっしゃれないと、官房長官らしくないと思うね、もう少し歯切れがいい官房長官だと私は思っていたんだが。あなたが建設大臣をやっているときには、本当にこれは自民党に今までにないタイプの閣僚だと思って大いに期待をしていた。あなた以外の社会党から入っている閣僚はずばずば物を言っている。官房長官というのはやっぱりそこらあたり物の言いにくい面もあるのかなと。武士の情けでそれ以上は聞きますまい。  そこで、率直な私の感想ですよ、今、玉沢長官報告を聞いていて。つまり、この有識者なる会合は、疑惑の解明ではなく疑惑存在をうやむやにした上で防衛庁機種選定のお墨つき民間航空機専門家から得ようとしたもので、その意味ではこの有識者報告書選定透明性確保には何ら因果関係もないということを改めて指摘しておきたい。  そこで、防衛庁長官、どんな疑惑を晴らそうとしてこれをおつくりになられたんですか。先ほど言いましたように、あなたは先日の委員会で、「今日までこれまでの機種選定と同様に手続に従いまして行っておる」と言っているが、これまでの機種選定の際には再検討委員会、要するに有識者会合なるこんな存在は、これ自体既にこれまでの機種選定と今回は違っている。この有識者なる会合ができたということは、いわばこの前も猪熊先生が盛んにこの機種決定決定権はだれにあるんだと。これは防衛庁長官にあるんですよ、あなたもはっきり言っていた。その権限を、こういうかつてない手続上こういう手続を踏まなきゃならなかったという、これ自体にもやっぱり問題がある、私はこう思っていますよ。だからそういう意味で、これで私がたびたび指摘した疑惑が晴れたと、これで国民が理解した、納得できる報告書だとお思いですか。
  15. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) まず、この飛行機は、昭和四十二年と四十三年に購入いたしましたB65にかわるもの、多用途支援機、これを購入すると。つまり四十二年、四十三年といいますと今からもう二十六年も七年も前でございます。かなりもう老朽化しておるわけでありますから、そういう意味におきまして、どうしてもそれにかわる飛行機防衛目的を達するためにも購入したい、こういう観点で始まった作業であります。  二年前にもその作業が始まったわけでございますが、予算等々の関連からこの作業は途中でストップいたしました。そして今回はことしの四月からこの作業に入ってきたわけでございますが、防衛庁航空自衛官がみずから運用するという上におきましても、自分たちが乗ってその目的を達成する、これが一番いいんだと、こういうところから端的に言えばスタートしているわけです。  そうした方向づけをいたしたものが、航空機購入につきましては、今までもいろんな疑惑がありまして大きな事件があったわけでございますが、そういう中におきまして新聞週刊誌等でも指摘された面もありましたので、やはりより公正を期すという観点から言いますならば、四閣僚会議を開き、透明性を明確にする、そういう観点から、やはりだれが見てもこの人は中立公正な委員の方々であるという観点から一切の前提をつけないで資料を見ていただきまして、最も適した機種を見ていただく、こういう形で委員会を設けたものでございまして、だれが見てもやはりこの飛行機だと、こういうような結論を得るということがより透明性を明確にするという形であるというふうに私は判断をいたしたわけでございます。  以上です。
  16. 村上正邦

    村上正邦君 意見がかみ合わないんですね、意見というより質問答弁が。私はそういうことを聞いているんじゃないんですよ。疑惑が出た、閣僚懇で話題になった、閣僚懇でそういう疑問が提起された、またこの委員会で問題を提起した、こういうことに何らお答えしていないね、この報告書はと、こう申し上げているんですよ。  そこで、この報告書には、百歩譲ってあなたの今言っていることを理解するとしても重大な欠陥があるんですね。この報告書には具体的な数字がどこにも記載されていない。ここまで秘密にする必要はどういうことなのか。  例えば経費防衛庁要求性能を満たすガルフファルコン比較しているわけだが、高い、経費が大きいとあるだけで、具体的な金額は一切示されない。その差額が十万円なのか一千万円なのか、はたまた十億なのかさっぱりわからない。これは性能比較についても同じだが、数字を見れば圧勝なのかそれほどの差がないのか一目瞭然なのか、ここまで基礎データを伏せられた報告書を見ても適正な判断が我々にはできない。  前回の委員会でも指摘したとおり、UXは特殊な飛行機ではなく一般に売られている、民間で売られている、民間で利用されている航空機であります。選定はオープンにすべきであり、なぜこれほど非公開にするのか、なぜ金額を出さないのか。私はそこらあたりもおかしいと思う。私はこの報告書の中に金額の入れたやつを出してもらいたい。そうしないとわからない。  例を挙げましょうか。ちょっとこれを広げてくれますか。(図表掲示)  村田さん、わからないんだよ、比較が全然。例えばIRANという、これは定期整備なんですね。まず機体定期修理費、いわゆるIRANといわれる定期整備の期間を見るとガルフは七十二カ月、ファルコンは三十六カ月になっている。ガルフが六年、ファルコンが三年で比べれば、ガルフ定期点検経費ファルコンの半額になるのは自明ではないか。大体、自衛隊が今まで航空機の寿命としているのは、二十年間で比べるとガルフ整備回数は二十三回、ファルコンは五十回で倍以上の開きになる。これは公平な比較とは言えないんじゃないですか。  自衛隊の今までの各機種を見ると大体三十六カ月なんだよ。何で今回だけこのガルフの七十二カ月、なぜそういう七十二カ月ということを基準にして経費を出させなきゃならない。三十六カ月でいいじゃないか。今までほとんど自衛隊が使っている飛行機は三十六カ月だ。ほとんどそうじゃないか。だから、こういうやはりごまかしかあるから、あると言わざるを得ないから数字を入れたものを出せというんだ。そうしないと我々にはわからない。  これはまだ言いますがね、オーバーホール回数だって同じことが言えるんだよ、両機種の。だから、ちゃんとした資料を我々に出しなさいというんだよ。基準がわからない、この報告では、あなた。
  17. 村田直昭

    説明員村田直昭君) まずお尋ねIRAN間隔の問題、それからエンジンオーバーホール間隔についてのお尋ねでございますので、それについてお答えをしたいと思います。
  18. 村上正邦

    村上正邦君 いや、それは聞いてないですよ。なぜその比較ができるものを出さないんだと言っているんだよ。こういうことはわからぬじゃないかというんだよ。
  19. 村田直昭

    説明員村田直昭君) それで、まずそれをお答えしたいと思います。  提案候補機種IRAN間隔につきましては、提案会社からの提案内容に基づいて、その妥当性評価した上で最終的に判断したわけです。すなわち、提案会社から提案があったものを……
  20. 村上正邦

    村上正邦君 そんなことを言ったらだめだよ。価格が安いとあなたは言うが、価格が安くなるのは当たり前じゃないか。基準が違うんだよ、基準が。
  21. 村田直昭

    説明員村田直昭君) まず説明を……
  22. 村上正邦

    村上正邦君 何で向こうの商社の言うなりに、整備会社の言うなりに七十二カ月で計算しなきゃならないんだよ。三十六カ月で計算したらいいじゃないか。
  23. 村田直昭

    説明員村田直昭君) まず説明だけ……
  24. 村上正邦

    村上正邦君 値段が違ってくるのは当たり前じゃないか、そこで。安い安いと言っているけれども安くなるのは当たり前じゃないか。五十回やるのと百回やるのと回数が倍以上達うんだよ、値段が違ってくるのは当たり前じゃないの。  だから、そういう基準を示す価格の入ったやつを出せというんだよ、僕は。なぜ出さないんだよ。なぜ公開しないんだよ。それを答えろよ。
  25. 村田直昭

    説明員村田直昭君) まずIRAN間隔について先生から御質問がありましたので、それについてお答えをさせていただいているわけです。  ガルフストリームIRAN間隔について七十二カ月の……
  26. 村上正邦

    村上正邦君 僕が聞いているのはそういう技術的なことじゃない。なぜ、例えばこういうことがわかるような資料を出さないのかと聞いているんだよ。そのことを答えなさいよ。なぜ出さないんだ、資料を。
  27. 村田直昭

    説明員村田直昭君) ちょっとその前に先生に……
  28. 村上正邦

    村上正邦君 その前は要らない。僕の質問に答えなさい。  何だ君は、にやにや笑って。
  29. 村田直昭

    説明員村田直昭君) それではその価格の問題でございますけれども、三候補機種に関する所要経費の具体的な額でございますけれども、これはこの提案会社側からいただくときに、会社側と防衛庁が、このUX機種選定に使用するものとして会社側から提案をいただき、会社側としては、これはその限りにおいて使用していただくということをお願いしたいと、今後の営業活動に支障が生ずることからということで求められておりまして、したがってこれを一般に公表することは差し控えさせていただきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。  ただし……
  30. 村上正邦

    村上正邦君 いい、わかった、わかった。一般的と、一般的なのここは。内閣委員会は一般的なの。重要発言だよ、君。この委員会を一般的と見るのかね。
  31. 村田直昭

    説明員村田直昭君) これを一般に公表するということはこれによって、私が述べることによって何といいますか、報道される等によって一般の知るところとなるということで私が申し上げておるわけでございます。  そこで……
  32. 村上正邦

    村上正邦君 よしわかった。私の手元にあるんだよ、既に。閣僚懇で出したものをなぜここへ出せないんだよ。出せば出るんだよ、外へ。出ることを一般的と言うならば閣僚懇だって一般的じゃないか。どこに違いがあるんだよ。あるんだよ手元に、僕の手元にこうして。なぜ出さないんだよ、この委員会に。  委員長、時間をとめてください。  委員会へこれは提出を求める。
  33. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 村上君の意見につきましては、今直ちに理事会を行います。  速記をとめてください。    〔午前十時三十七分速記中止〕    〔午前十一時十三分速記開始〕
  34. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 速記を起こしてください。  先ほど村上委員申し入れの価格表の当委員会への提出につきましては、理事会で協議をいたしました。  防衛庁当局としては、価格表の公表については提案会社との信頼関係で差し控えなければならない立場にあるとのことでありました。  まず、理事会としては、一つ、当委員会にも閣僚懇へ提出した報告書と同じものを提出いただいたと、こう認識をしておりましたものの内容がいささか異なるようであります。つまり、別添というような形で価格表を含む資料が提出を閣僚懇にはされているようでありますが、この別添について当委員会には提出がありませんでした。加えて、当委員会に提出するに当たりまして、この別添がある、しかしながらかくかくの事情でこれは当委員会には提出はできないという旨の断りがいささかもなかったことは当委員会としてまことに遺憾だと存じております。  二つ、価格表の当委員会への提出につきましては関係会社等もある由でありますので、防衛庁当局としてはそれらとの十分意思の疎通を図りました上、本日中に可及的速やかに価格表の提出ができるよう最大限の努力を願うことといたしました。  理事会の決定は以上のとおりであります。  質疑を再開いたします。
  35. 村上正邦

    村上正邦君 私がこのファルコンガルフ価格表を出せと言うのは、ガルフに決めた決め手は価格が安いからだと、こう言っているわけですね。では幾ら安いのか。やっぱり我々が見て一目瞭然、なるほどなとわかる資料が必要だから出してくれよと、こう言っているわけなんですね。例えば数字のからくりがあると言われても、これは防衛局長、やむを得ないんだよ。例えば一つとったってそうでしょう。企業秘密だとか言うけれども、これは空のタクシーなんだよ、たかだかこの飛行機は。軍事秘密なんかある戦闘機じゃないんだよ。それをなぜあなた、後生大事に企業秘密だからということを尊重しなきゃならぬと思うのかね。例えば、これは空のタクシーといえば、IRANというのはこれは車検なんだよ、車で言うなら。  そこで、これ一つ計算にとったってそうでしょう。ファルコンは二十年サイクルで、二十年だというんだから寿命は、計算しているんだから自衛隊は。そうすると十二回なんですよ、十二回。三十六でやれば十二回、ファルコンは。ガルフは二十年でやれば六回なんですね。IRAN一回の経費は六千万から一億だと、こう言われている。六千万にしたってこれだけで三億六千万違ってくるんですよ、この計算の基準でいけば。安くなるのは当たり前なんだよ。値段というのは同じ性能で、例えばこの鉛筆がこれは何ぼかということの値段比較が出てくるわけだよ。そうでしょう。七十一カ月に殊さらしなきゃならぬということはどこに理由があるか。今まで自衛隊飛行機はみんな三十六カ月の車検じゃないか、簡単に言うならば。だから、数字の一つのからくりがあるんじゃないかという疑惑を逆に持たれるよと言うんだよ、これを伏せて伏せて、出さない出さないと言うのは。万事がすべてそうじゃないのと言われるから出しなさいと、こう僕は言っているんです。  そこで委員長、きょうじゅうに出されても、後、内閣委員会を開くんですか。開くならそれをもとに私は参考にいたしてやりますけれども、もう十一時でお昼の時間がございますので、できればその価格表をいただいて、閣僚懇に出す資料とこの内閣委員会に出す資料が違うなんということはとんでもないことなんだ、これは。そういう認識からして大体甘いんだ、局長。だから、私は質問を保留させていただきます。皆さんが終わった後、最後に再度やらせていただきます。了承をとっていただきたいと思います。
  36. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 再三、先ほどからお答えしておりますが、IRAN間隔の問題あるいはエンジンオーバーホールの問題についてお答えをするのと、それから当委員会に出しました資料で別紙がついていなかったということにつきましては、両方に差があったということについてその旨の申し出のなかったことについては我々としても反省をいたしますが、同時に、それは別紙の部分が秘の文書になっておるということもございまして提出を遠慮させていただいたということでございます。  それで、IRAN間隔の問題でございますけれども…
  37. 村上正邦

    村上正邦君 委員長、ちょっと済みません。  時間がないんだよ、私。あなたのいろいろそういう説明を、だから資料を出してもらえばわかるから資料を出していただきたい。私の提案に対してひとつ委員長お取り計らいを、出していただくということで質問を後半に回していただきたい。このことをお願い申し上げます。
  38. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 価格表の提出につきましては、先ほど理事会で結論が出ましたので私が申し上げたとおりであります。  つまり、価格表の提出について、防衛庁当局は本日中に可及的速やかに出していただくべく最大限の努力をするということをもって理事会の決定といたしました。  したがいまして、村上君の質問は後刻にというのは、その提出方を見ました上で理事会において協議をすることにさせていただきます。
  39. 村上正邦

    村上正邦君 では、後刻にお願いいたします、私の質問は。
  40. 岡野裕

    委員長岡野裕君) それでは、次の質問者に移ります。
  41. 永野茂門

    ○永野茂門君 先回、十一月二十九日の本委員会において、また本日の委員会において村上委員から指摘されましたけれども、機種選定について、これは防衛庁専管事項でありますけれども、これについて特に閣僚懇をつくって待ったがかかるといいますか、こういうようなことは非常にまれなことといいますか、あるいは前代来聞という表現を使われましたけれども、そういうことであると思います。  官房長官も先回の委員会、そしてまた本日も同様のことでございましたけれども、具体的な四閣僚懇をつくる、あるいはどういう不透明性が問題にされたというようなことはおっしゃいませんでしたけれども、とにかく透明性をより一層確保しなきゃいけないということで四閣僚による検討会議を設けたという御説明でありました。  一体、そもそもこの検討会議を特に設けなきゃいけなかった理由、その中で本当に問題視された不透明性というのは具体的にはどういうことだったのか、そしてそれについてその後検討した本有識者会合による解明によってそこのところはどういうように解明されたと考えたらいいのか、そういうことについて防衛庁長官にお伺いしたいと思います。
  42. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) これは先ほども申し上げたわけでございますが、このUXは昭和四十二年、四十二一年の二回にわたって購入されましたB65が老朽化いたしておるわけでございますので新しい機種に取りかえる、こういうことで作業が始まったものでございます。  そういう中におきまして、まあいろいろな報道等がございましたものですから、それに対してあくまでも一点の曇りもなく決定するということが大事ではないか、こういう観点から慎重を期すべきだ、こういうことからこの四閣僚会議が持たれたわけでございます。  そのもとで、ただ閣僚資料その他を見てもなかなか十分わかりませんから、やはり第三者の中立的、かつまた客観的な立場から判断できる専門家の方に委員会を設けてそこで精査していただくということがより透明性を増す、こういうことで行ってきたわけでございます。  今回の作業は本年の四月から始まっておるわけでありますが、その過程におきましては、先ほど来お話がありますように防衛庁として結論を出してきた方向はおおむね妥当である、こういう評価をいただいたものと考えておるわけでございますので私は極めて正しかったと、こう考えておる次第であります。
  43. 永野茂門

    ○永野茂門君 先回も出たわけでありますけれども、具体的には例えば機種最初から決まっておったんじゃないかという疑問を持った人がいた、それから特定の人から何らかの影響を受けたんじゃないかという疑問を持った人がいた、こういうことが提起されたということを先回の委員会で、二十九日の委員会長官からおっしゃられたと記憶しております。  この有識者会合においていろんなことをさらに深く検討することにおいて、また前回の説明等を総合してそういうような業者の組みかえが特に当初から決まっていたような動きでもなかったし、それからまた日程表に基づく手続が正当に多数の人の参加で行われ、かつその上に今回の有識者の判定があって全くそういうような疑念はもうないと考えていいと、こういう結論に達したと承ってよろしいんでしょうか。
  44. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 一定の機種最初から決めようとしたんではないかと、こういうような点でございますけれども、その例証として挙げられますのは、例えば二年前の業者の組みかえ、こういうようなことでございますが、業者の組みかえ云々についてはこれは二年前のことでございまして、途中で作業は停止しておるわけでありますからこれはもう今回の作業には何ら一切関係ない、こういうのが第一点であります。  それからまた、特定の方が飛行機で便宜供与をされたという指摘がございまして、それはその方に問いただすのがより正しいのではないかと思うわけでありますが、その方がこの機種決定に当たって何らかの影響を及ぼしたんじゃないかという点については私どもはそのような事実はない、こう考えておるわけでございまして、そう認識いたしております。  以上です。
  45. 永野茂門

    ○永野茂門君 そこで、今回の有識者会合において、従来行われた検討評価作業について具体的にそれをフォローし、その上に特に精査し、そしてまた追加して検討する項目を選び出して、さらに機種選定が正確、公正、厳正に行われたかということを求めたようでありますけれども、特に精査し、そして追加して検討した項目及びその結果を、項目とその結果は一言ずつで結構でございますから、先ほどの報告よりちょっと詳しく御説明をお願いしたいと思います。
  46. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 先生お尋ねの三候補機種比較評価妥当性につきましてさらに精査した項目としましては、離陸性能及び上昇性能、それから運用環境を考慮した搭載電子機器耐環境性エンジン機内あるいは機外の騒音、それから機内仕様、いろんな任務に使いますものですから機内仕様の換装が容易であるかどうか、それから着氷対策がございます。また追加的に検討した項目としましては、性能余裕、塩害等の腐食対策、コックピットの視界、重量重心許容範囲搭載電子機器の差異、操縦性がございまして、それぞれに詳細な意見が示されたところでございます。  その概要でございますが、離陸性能及び上昇性能につきましては、チャレンジャーのみが離陸性能について要求性能を満足しないことについて、滑走路長に影響する航空機の基礎的な諸元を比較検討することによってこれが定性的に確認されたということでございます。  それから、エンジンにつきましては、その本体の特徴や搭載台数の差について、整備性や維持経費評価において適切に考慮されているという妥当な評価がなされているものと認められるというふうに意見が述べられております。  さらに、機内外の騒音につきましては、将来的に環境問題の観点から騒音基準が厳しくなっても三機種エンジン製造会社はすぐれた技術力を持っていることから差はないと考えられるというような点。  それから、性能余裕でございますが、これは本来的にはある水準以上であれば私どもとしてはこれをもってよしとしておったわけでございますが、委員の方からは、その余裕度というものについてごらんになりまして、ガルフストリームⅣが他の機種比較して離陸性能航続性能及び上昇性能についてより余裕があるということが確認をされました。  そのほか、機内仕様の換装の容易さ、先ほど申しました運用環境を考慮した搭載電子機器耐環境性着氷対策塩害等腐食対策コックピット視界重量重心の範囲、搭載電子機器の差異、操縦性については三機種は大きな差はなく問題はないということを確認していただいたところでございます。
  47. 永野茂門

    ○永野茂門君 重要な項目についてさらに精査し、そしてまた追加項目を立てて検討した結果が有識者会合における最終的な意見取りまとめということでまとまってきたわけでありますが、すなわち要求性能との関係においてガルフストリーム及びファルコンがこれを満足しておる、しかしチャレンジャーの方は離陸性能において満足をしない、またさらに離陸性能航続性能及び上昇性能においてガルフストリームファルコンにより大きな余裕を持っておって、機種選定としてガルフストリームに決定することに同意であるという判定が行われておるわけであります。  この状況を見ますと、私は自信を持ってガルフストリームⅣを最適な機種として決定できると考えるわけでありますが、長官はどういうように決定するつもりでありますか、お答えを願いたいと思います。
  48. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) その前にちょっと正確を期すために。私は先ほどB65を四十二年、四十三年の購入と申し上げましたが、これは四十三年、四十四年度に予算計上いたしまして、四十四年と四十五年で購入をしておる、こういうふうに訂正をさせていただきます。  いずれにせよ、もう二十数年も経た飛行機でございますから、新しく購入する場合におきましてはやはり事故のないよう、またこれを運用、使用する航空自衛隊がみずからこれを決定する場合には最もすぐれた飛行機機種選定する、こういうことで取り組んだものである、こういうふうに私は考えておるわけであります。  したがいまして、そうしたみずから使用し運用する、そして防衛目的を達成するためにこの機種選定をした、これがその各それぞれのレベルで検討されてまいったわけでございますから、この点におきまして、この委員会結論におきましても、また防衛庁内で検討したことも一致しておるという点におきまして私は最もすぐれた機種ガルフストリームⅣである、こういうように確信いたします。
  49. 永野茂門

    ○永野茂門君 私はその結論で結構だと思いますが、今までの選定作業、特に閣僚検討会議、四閣僚による検討会議を設置する前後からの動きを見て、確かにより一層の透明性を確保するためにやったということでありますが、私は、八月何日かの閣議後に懇談会で疑問が呈せられたときに、やはり防衛庁長官立場としてはそれまでの選定作業評価作業のいきさつから自信を持ってそういうことは否定していただいて、ちゃんとするのがよかったんじゃないかという感じを持ちます。しかし、今回はさらに慎重に透明性を確保するための作業を行ったので、それはそれなりにまた別な意味で大事なことであったかと思います。  それから、先ほど村上委員から数字を出して、データを出してわかるようにしてもらいたいという話がありましたが、これはやはり私はそのとおりであって、外に出してはいけない、一般に公開すべきではない資料につきましても委員の方から開示を求められたら適切な方法でやっていただいた方がいい、こういうように考えることをつけ加えまして、私の質問を終わります。
  50. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 中尾でございます。先ほどの村上委員のいわゆる価格についての資料請求、私も早急、速やかに行っていただきたいと思います。本来であれば私もこの価格等を拝見した上で質問したいのでございますが、時間も限られておりますので、後ほどこれらについて若干の質問をさせていただきたいと思います。  先にちょっと確認をさせていただきたいんですが、十二月六日に提出された有識者会合報告書について確認させてください。  ここの趣旨といいますか報告内容をかいつまんで申し上げますと、防衛庁航空自衛隊機種選定手続運用構想評価方法、これは適切に行われたという報告だろうと思います。さらに、ガルフそれからファルコンチャレンジャーの三候補機種については総合評価として、チャレンジャー要求性能のうち離陸性能を満足しておらない、それからガルフファルコンについては基準を満たしているが、ガルフ離陸性能航続性能及び上昇性能においてより余裕がある、かつ経費面でもすぐれている、ゆえにガルフストリームを最適な機種とした防衛庁評価結果は妥当である、このようにこの報告書を私は読ませていただきました。  そこで、先ほどの金額の問題でございますけれども、このUXについて防衛庁は概算要求の段階で機種も決めないで、これは異例のことだというふうに私は承っておりますが、二機分七十二億円を計上しております。計上した金額について、まず間違っておらないのかどうか。
  51. 村田直昭

    説明員村田直昭君) UXにつきましては、先生御指摘のとおり、七年度概算要求におきまして二機を整備するための経費ということで、契約ベースで約七十二億円、七年度の歳出として約一億円を計上しております。この経費につきましては、機種選定が行われていないため特定の機種前提としたものではなくて、三候補機種のいずれが選定されたとしても対応可能な経費ということで計上をしておるところでございます。
  52. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 つまり私が申し上げたいのは、ここで村上先生から先ほど御質問ありましたけれども、例えば閣僚に、閣僚懇の四閣僚だと思いますけれども資料を提出して、いわゆる疑惑解明をしようというこの国会の場において何ら金額が出されておらない。大変遺憾に思うんです。例えば七十二億円がぽんと出ます。今聞きますと、この三機種、つまりガルフファルコンチャレンジャーのいずれかでも相当できるという大変あいまいな計上になっておるわけです。これは私は国民は納得できないと思うわけです。  こうも書いてあるわけですね。機体価格については、先ほど村上先生も指摘がありましたが、ガルフの方がファルコンより安いかと、こうなっておるわけです。では、この七十二億円というのは一体何なんだと私は申し上げたいと思います。  それから、これは早急に資料が提出されるということでこれ以上私は申し上げませんが、もう一つ基本的なことを伺います。  この報告書を私はいただきました。先ほども確認いたしました。ガルフの方が最適であると。私は当然のことだと思うのです。この委員のメンバ十二人の方の所属をきのう確認させていただきました。東京大学の東先生、航空工学の専門家でございます。幸尾先生、東海大学のこの方も航空工学の専門家であります。それからもう一人、山田さんはやはり航空工学技術系の専門家であります。ですから、この十二月六日に出された「概要」は、これは私は当然だと思うんです。例えば十一月二十九日に指摘がありましたさまざまな疑惑、この先生たちに解明する理由もないし、この先生たちの責任ではないと思うんです。別のことでございます。ですから、この報告は私は正しいと受けとめております。  私が申し上げたいのは、この正しさゆえにだから機種選定は誤りでなかったという結論には私は至らないのであります。なぜならば、この委員会をなぜ二回も開いたか、その重要性をどう認識しておられるのか。これについては私は正当な評価だと思うんです。しかし、我々が求めて委員会を開いているのは、少なくとも疑問を、国民に対して疑惑を解明していただきたいということです。そういう意味ではこれは全く別のことであります。それについてお答えください。
  53. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 御指摘の点でございますけれども、防衛庁としましては、UX機種選定をさらに慎重かつ公正に行うということと機種選定透明性をより高めるという観点から、その内容を精査するために今回の庁外有識者意見を聞くこととしたものでございます。機種選定作業手続妥当性評価項目方法妥当性、三候補機種比較評価妥当性についてこの報告意見取りまとめたということでございます。それで、先生御指摘の点は、報道等であるいは国会等で指摘されている商社整備会社の組みかえの動き、あるいは特定の政治家にかかわる事項等についての問題については、直接その検討の対象とはしておりません。  そのことはそうでございますが、有識者意見の総合の評価として防衛庁評価結果は妥当であるとしていることからもわかるように、こうした事項機種選定作業に影響を与えていないというふうに考えられるというふうに読めるわけでございまして、その点を御理解いただきたいと思うわけでございます。
  54. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 それが読めるのであれば、何もこういうふうに委員会をするわけないんですよ。これは別なんです。これは正しいんですよ。言ってみれば、機種選定ガルフ性能がいいと。正しいんですよ。私はそれを聞いていないんです。権威ある先生だっておっしゃっているわけですから、これはいささかも、私は技術関係詳しくありませんが。私が申し上げたいのは、なぜこの委員会が開かれ、つまり八月十二日の閣僚懇でどんな話があったかということは、これは申し上げることでもないと思います。  そこで官房長官、この報告書は十二月六日に出されました。この報告書で、はい、そうでございますかという話になったかどうか、この提出を受けた閣僚懇でどんな話し合いがなされたか、ちょっと伺いたいと思います。
  55. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) これは閣僚懇談会の、あるいは四閣僚の協議における内容を詳しくお話し申し上げるということにはならないというふうに思います。  ただ、報告はこの前受けて、さらに国会で本委員会など大変熱心に御検討をいただいているわけでありますから、そういう状況等もよく我々としては拝見いたしまして、その上でさらに四閣僚において協議をいたしたいと、こういうふうに考えておるところであります。
  56. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 その閣僚懇内容についてはなかなか話しづらい問題があると思いますけれども、実は報道でもう既に、大蔵、外務、防衛、官房の関係閣僚による協議の結果、武村大蔵大臣が早急な決定には難色を示したという報道がなされておりますけれども、これは事実でしょうか。
  57. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 今申しましたように、内容については申しかねるところであります。
  58. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 それでは、この疑惑問題については今までも各委員の皆さんがされましたので私はあえてここでは申し上げませんが、簡単に振り返ってみますと、疑惑といっても、疑惑その一は、UX機種選定で二年前に商社整備会社の組みかえが行われた。これについて、業界のこれまでの常識を覆している、つまりいろいろな業界筋から事前にガルフに決まっているじゃないかという批判が出たと言われております。これは九一年の春に空幕の幹部が導入計画に関与したとも言われています。これについて私は捜査をしているわけじゃありませんので、こういった疑惑が一つ持たれています。  それで、これに対して防衛庁は関連会社から任意に事情を聞いたと。事実関係を調べたが、商社整備会社の動きはあくまでも民間会社の商取引関係の範囲内で行われている、航空自衛隊が関与した事実はないと。これは一般論としては当然正しいことであります。  私が申し上げるのは、例えば報道にしても本当に膨大な量が報道されておるわけです。これは私がいただいた資料だけでもあるわけです。週刊誌、それからニュース、国会の審議でもあるわけです。それで、私はちょっと指摘したいんですが、これは疑うということじゃありませんけれども、例えば一般論として身内が身内の関係者を調べる、調査をせられるのは私はどだい無理があろうかと思います。つまり、この調べる判断基準、判定基準が明確にされていないわけです、疑っているということじゃないんですが。  この疑惑を解明するために防衛庁は、これまでのことはもう結構ですが、今後どのようにされるのか、お伺いしたいと思います。
  59. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 私ども自衛隊が使用する装備品の機種選定作業の過程で策定される運用構想書とか手順が従来から決まっております。運用構想書とか要求性能書等をつくるわけでございますが、これには防衛上の秘密、それは機種によって程度がありますけれども防衛上の秘密あるいはこれと密接にかかわる事項が含まれていますから一般に公開できる性格のものではないわけでございますが、これに基づく候補機種に関する検討評価作業内容についてもできるだけ公開するという方向にするとしても限界があるわけでございます。  しかしながら、防衛庁としましては、機種選定透明性の確保に努めることは今回の例にもかんがみ重要であるというふうに考えておりますから、従来から可能な範囲では明らかにしてきたところでありますが、今回のUXの例にもかんがみまして、今後につきましては手続きについて防衛庁として航空機選定についての統一的な基準というような、あるいは定めというようなものについて検討してみたいと考えております。今までは選定の業務手順というようなものを陸上、海上、航空各幕僚監部がそれぞれ持って進めてきておったわけでございますけれども、そういうものを統一的なものとして定めたらどうかということについては今後検討してまいりたいと考えております。
  60. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 疑惑その二として挙げられたのは、元空幕監部の田村議員の問題であります。  詳しくは申し上げませんけれども、いわゆるUX商戦の最中、五月一日から四日、モザンビークヘの視察で、通常一千三百万円ぐらいかかるところを八十五万円相当の便宜供与といいますか、という事実も明らかにされております。当の田村議員は、知らなかった、ガルフであるとは知らなかった、知っていれば乗らなかったというような話も出ておるわけです。こういったことがいろいろ積み重なって国民はおかしいぞと、こうなるわけです。この航空機購入選定についてはこれまでもいろいろな例があったわけです。ですから疑うなということが無理なんですよ。ですから透明性を確保していただきたい。  続いて私が申しあげたいのは、これは商社保管の性能要求書を航空幕僚監部が廃棄させていたと。これは十一月二十日でございましょうか、報道がなされておりました。性能要求書を取扱注意文書として手渡した、要求書の内容の一部が報道されたため商社要求書の処分を求めたと。これは今までになかったことだと思いますが、これについて事実なんでしょうかどうでしょうか。
  61. 村田直昭

    説明員村田直昭君) これにつきましては、UX機種選定に当たって、防衛庁航空幕僚監部から提案要求書というものを五月のたしか十三日でございますか提示して、会社から提案を求めるという手順を踏んでおります。それで、六月十二日に提案をいただいておるわけでございます。  提案要求書というものは、その中に当然のことながら取り扱い上の注意を要する事項あるいは恥の事項というものが入っておるわけでございまして、そういう文書として指定されておるわけでございます。本文書は、提案作業に必要な範囲、会社側が提案をするために必要な範囲においてのみ開示したものでございまして、作業終了に伴い返納すべき性格のものでございます。  提案要求書においても、本文書の取り扱いについては関係者以外に提示しないこと等取り扱いや保管に十分注意すること、それから六年の六月三十日までに航空幕僚監部装備部に返納することという条件がつけられておるわけでございます。そして、六月下旬に返納を受けたわけでございます。  しかし、九月になりまして提案要求書の内容に関する報道がいろいろなされました。航空幕僚監部が提案会社、これは共同提案会社のある修理工場といいますかメーカーでございますが、等を含むに対して本文書の取り扱いについて確認しましたところ、写し、いわゆるコピーをとっておるということがわかりましたので、当該写しの返納あるいは破棄をお願いしたわけでございます。当然のことながら、本来的には六月三十日に返ってこなきゃならぬその部分についてコピーがあったということで返納ないし破棄を依頼したということでございまして、両者、防衛庁と企業との間の信頼関係からいって当然の措置なわけであります。
  62. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 私は当然の措置、確かに今の御説明で当然だと言われましたけれども、過剰反応じゃないかというふうに私は思うんです。何かそれを一般の国民から見て、例えばこういう報道がなされていない場合は別として、ずっとなされてきているわけです。  そこで、例えば破棄してくれということはかえって僕は疑惑を持たれる結果につながりかねないと思うんですが、それについて長官はどういうふうにお感じになりましたでしょうか。
  63. 村田直昭

    説明員村田直昭君) これは提案に必要なものとして、提案する作業に当たって使ってください、それを参考にして出してください、それは六月三十日までに破棄してください、あるいは返納してくださいということになっておるわけでございまして、それを保存しておく、しかもそれが理由がどうかはわかりませんが、部外に流れておるというような事実があるとすれば、それを破棄するあるいは返納させるということは、これは両当事者間の信頼関係として私は当然の措置だというふうに考えておるわけでございます。
  64. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 続いて、先月二十九日の当内閣委員会質疑でもございましたけれども、先ほどのモザンビークに視察に行かれた田村議員の後援会組織円木会の件であります。  この中に航空自衛隊の兵器関連企業、それから航空自衛隊の幹部、これは一佐以上というふうに私は承っておりますが、等々のいわゆる現職の幹部、防衛庁の幹部が後援会組織に入っておる、商社の組みかえ等で問題になりましたこの後援会組織円木会には大倉商事の担当幹部も入会しておるということは、これは事実でしょうか。確認いたしたいと思います。
  65. 萩次郎

    説明員(萩次郎君) 今、御指摘がありましたように、十一月二十九日の当委員会におきまして御指摘がありました件につきまして、防衛庁として事実関係の確認を行ったところであります。  承るところによりますと、当円木会というのは後援団体ということではなくて、会員相互の親睦と見識の向上を目的とする私的な会合ということで、会員数は約七十名程度というふうに聞いております。この円木会には、当委員会で御指摘がありました航空自衛官数名が入会しているということは確認をいたしました。  なお、この円木会に入会しております自衛官につきましては、このUX機種選定当時、本年の四月から八月でございますが、いずれもその担当ポスト、いわゆる航空幕僚監部の防衛部、装備部、技術部といったところの部長、課長、こういうものにはついておりませんので、UX機種選定には何らの影響は与えたものではないというふうに考えております。
  66. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 つまり、今の答弁UX選定には直接かかわる防衛庁の幹部職員がおらない、ゆえにこの選定には全く影響を及ぼしていないという話であります。  私は、かつて大変問題になった、さらに現在問題になっている政界、官界、業界の癒着、これについて随分問題になってきているわけです。ことわざで言えば李下に冠を正さずだと私は思うわけです。特に、防衛庁の例えは資材といいますか機種を含め、装備調達については防衛戦略上機密条項が大変多いわけです。全部を公開するわけにいかない。私はそれも納得できますしかるに、李下に冠を正さずというようなことわざからいえば、後援会組織といえども現職の防衛庁のいわゆる幹部を含めて職員は遠慮すべきじゃないか。勉強会といいながらも、純粋に勉強されている方もいらっしゃるでしょう、これは大変大事なことでありますけれども、少なくとも勉強会、研究会、現職の自衛官あるいはそういう官僚の皆さんが入るのは私はいかがかと思う。  ここで襟を正すべきじゃないかと思いますが、長官の御意見を伺わせていただきたいと思います。
  67. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 自衛隊法第六十一条第三項によりますと、自衛官は特の政治団体等の構成員となることはできない、こうなっておるわけでございますが、円木会はあくまでも私的な勉強団体である、こういうようになっておるようでございまして、仲人をしていただいたり、何かそういうような先輩、後輩のつながりというようなこともあり、勉強会の私的な団体、こういうふうに思うわけでございまして、これであるならば自衛隊法上の問題となるものではないと思っております。  しかしながら、一般的に申し上げますならば、とかくそういうような疑いを持って見られかねないようなことは個々人の判断において十分注意するよう努めるべきではないかと、このように考えておるところであります。
  68. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 個人の政治活動の判断、これは憲法にも保障されておりますし、思想信条の自由も保障されておりますけれども、私が申し上げたいのは、こういった問題が起こるたびにいろいろ政・官・業の癒着が取りざたされているわけです。ですから、これが自衛隊法に違反しているのは当然のことでありますから、そういった姿勢を今こそはっきり庁内にも伝達といいますか、自粛を私は強く求めたいものであります。  時間も限られておりますから、もう二点ほど質問させていただきます。  日本戦略研究センターの件でございますけれども、日戦研と言われている。日戦研についてお尋ねしたいと思います。この日戦研については自衛隊制服組OBを中心に構成していると。これは勉強というか政策プロジェクトといいますか、ただいろいろ専門家の話を聞きますと、この日戦研のネットワークを押さえていなければ防衛産業で商売はできないというのが大方の専門家の見方でございます。  それで、田村議員との関係についてどうであるか、この日戦研のメンバーであったかどうか、それだけ確認させてください。
  69. 三井康有

    説明員(三井康有君) 日本戦略研究センターと申しますのは防衛庁の所管している法人ではございませんので、そういう意味では当庁とは直接関係はないわけでございますけれども、設立趣意書ですとかセンターの規則というものは一般に公になっておりますので、その範囲では私どもも承知している事実があるわけでございますけれども、少なくとも防衛庁の現職の者が当センターの役員とか会員になっているという事実はございません。  なお、今お尋ねの田村議員がこのセンターの役員になっておられるかという点でございますけれども、何人かいらっしゃる副理事長のお一人に名を連ねていらっしゃるということはお聞きいたしております。
  70. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 確認だけさせてください。  そうしますと、今のお答えで、日戦研については防衛庁の現職の制服組の皆さんは出入りしていないということでよろしゅうございますか。
  71. 三井康有

    説明員(三井康有君) 念のためにという意味も込めまして、このセンターの事務の責任者に私ども直接確認をさせていただきましたけれども、現職につきましてはこのセンターに出入りしていると申しますか、そういうことは一切ございません。
  72. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 時間もございませんので最後に。  先ほど村上先生からも御質問ありましたけれども、こういった疑惑が解明されなければ、機種選定については今後どのように、予算ももう決定しなければいけないわけでございますけれども、白紙にしてもう一度やり直すのかどうか、それについてちょっとお伺いしたいと思います。ガルフの件でございますけれども、防衛庁長官に。
  73. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 御指摘の疑惑と、こういう視点でございますが、疑惑の事実が明確に証明をされるということがない限りにおきましては、選定作業におきましては防衛目的に適した機種を選んだと、こういう御判断をいただいておるわけでございますので、できるだけこの機種選定を進めてまいりたいと考えております。
  74. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 もう一問、官房長官に伺いたいと思います。  国民の血税を使う以上、先ほども申し上げましたけれども、防衛戦略の機密上の問題もありますから、すべて公開せい、透明性を確保せいと私は申し上げるつもりはございませんけれども、少なくとも国民に理解されるシステムに私はなっておらないのじゃないかと思うわけです。情報公開あるいは行政の透明性の確保、これはこの内閣の喫緊の課題であろうとも思います。この要請に対して官房長官そして防衛庁長官、どのようにこの透明性、国民にわかりやすい機種選定のあり方等々いろいろ国民のそういう声が強まっておるわけでございまして、それについての御所見をお二人の長官から伺いまして、私の質問を終わります。
  75. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 今回初めてだと、こういうふうに言われたわけでございますけれども、例えば透明性を明らかにするためにはやはり公平中立な専門家意見も十分聞いて、そしてこの目的性能というものがどのように合致しているか、こういうことをやるということも私は極めて大事なことだと、こう思うわけでございます。  それから、先ほど防衛局長の方からもお話がありましたように、機種選定におきましては、陸上自衛隊、海上自衛隊航空自衛隊、それぞれあるわけでございます。それぞれ仕組みが違っておるわけでございますけれども、こういうものを統一する努力をするとか、それからまた、やはり国会におきましてもこのように委員会において先生方から十分精査をしていただく、こういうことも極めて大事なことであると、このように考えております。
  76. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 防衛上の問題でありますから、そういう点では秘密を要する部分ももちろんあろうというふうに思います。しかしながら、今回の議論に見られますように、この機種選定その他の問題に関してできるだけ公正な審議の経過、結果というようなものを期していくという上では念には念を入れて努力することが必要であろうと、こういうぐあいに存ずる次第であります。  今回のことをまた教訓にもしながら、今後そういうような方向で公正と透明性を一層高めるよう努力すべきではないかと、このように存ずる次第であります。
  77. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時七分休憩      ―――――・―――――    午後一時開会
  78. 岡野裕

    委員長岡野裕君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国防衛に関する調査を議題とし、質疑を行います。  午前中理事会に諮りました例の価格表でありますが、今、委員長のもとに防衛庁当局から提出をいただきました。防衛庁、極めて速やかに、御苦労さまでありました。  それでは、委員の諸先生にその価格表をお届けいたします。    〔資料配付〕
  79. 岡野裕

    委員長岡野裕君) ごらんのとおりであります。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
  80. 猪熊重二

    猪熊重二君 質問通告をしておいた部分を大分省略させていただきます。  まず最初に、今回の調査報告書についてお伺いします。  機種選定に関していろんなフォローアップされた調査委員三名の方についてお伺いしますが、防衛庁としてはこの三名の委員の方をどのような基準によって選任したのか、特にこの三名の方の経歴とかも含め、また防衛庁との利害関係の有無等も含めて簡単に御説明ください。
  81. 村田直昭

    説明員村田直昭君) お尋ね検討委員会にお招きいたしました有識者でございますけれども、これにつきましては内局の防衛局を中心に人選について検討しまして、防衛庁長官から次のお三方に委嘱をしたわけでございます。  お一人は東昭さんでございまして、東京大学の名誉教授でございます。それから二人目は幸尾治朗さんでございまして、東海大学の教授で、やはり航空工学の専門家でございます。それからお三方目は山田隆昭さん、民間航空機株式会社代表取締役社長で、やはり航空機の製作にずっと携わってきた方でございます。  委員の人選に当たりましては、最新の航空機技術に精通するとともに、機種選定内容を十分理解、評価し得る職業上のバックグラウンドを有する第一線の方の中から選考することが適当と考えまして上の三人の委員の方に委嘱したものでございます。これらの三人の方につきましては、学者の先生でございますし、特に防衛庁との利害関係というようなことについてはございません。  なお、山田さんは、現在のロケットシステムの社長の前に三菱重工の取締役副社長等を歴任されておりました。
  82. 猪熊重二

    猪熊重二君 それからこの報告書の性質ですが、これは委員三名の方が直接に報告書を作成したものではなくして委員三名の方の意見防衛庁において取りまとめたものというふうに思われますが直接の報告書を書いてもらうというふうなことを考えなかったのか。  また、委員の直接の報告書でないとすると、防衛庁の方で作成した場合に、委員意見報告書に作成された内容との同一性、適合性というふうなことについてはどのような配慮をしたんでしょうか。
  83. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 先生御指摘のとおり、本報告書有識者会合における意見取りまとめということでございまして、委員による報告ではなく、本会合におきます検討を踏まえまして、その委員意見防衛庁として取りまとめたものでございます。  委員から直接いただくという方式も考えたわけでございますが、それぞれ事項が、技術的な事項も多く、多岐にわたる、整理がしにくいということもございまして防衛庁として作成したわけでございますが、作成段階において委員と十分に協議しつつ作成しておりまして、その内容については委員がいろいろと点検、チェックをしまして、最終的に皆さんが合意をしておるものでございます。
  84. 猪熊重二

    猪熊重二君 報告書の具体的な内容の中の一、二点についてお伺いします。  まず離着陸性能に関して。  離着陸性能として二千メートル以下の要求性能をしていると、こういうことになっているわけです。その根拠として、入間基地の滑走路が二千メートルだから、したがってこの二千メートル以下におさまらぬと困る、こういうことを要求性能しているわけですが、そうすると入間基地の現存の二千メートルを変更するとすればこの要求性能というのも変更することになるわけです。  なぜこんなことを申し上げるかというと、このことによってチャレンジャー要求性能を満たさぬということで落とされて、落とされてというか失格の方へ行ってしまうわけですから、そうすると入間基地の二千メートルというのを固定化することの相当性については、合理性についてはどうなんでしょうか。
  85. 村田直昭

    説明員村田直昭君) お答えします。  入間基地の使用を念頭に置いて要求性能をお願いしておりますのは、この飛行機の使用目的でございますけれども、使用目的が、一つは指揮連絡用の航空機であるということでございます。指揮連絡用といいますと、自衛隊の最高幹部といいますか、幹部は主として東京近辺、関東周辺におるということと、それから指揮連絡を行うにはやはり中央から南に北にというような行動をすることが便利であるというようなこと。それから、この飛行機は小規模な空輸目的としておりますが、そういう補給処の関係というようなものもこの関東周辺にあるということ。それから三番目として、いわゆるAWACS等の導入による部隊の錬成訓練のための目標機、ターゲット機として利用するわけでございますが、その際にも全体の中央にあって北に南にというように、その運用のターゲットとなるということの利便があるということから、あわせて現在ありますB65、指揮連絡機でございますが、これが入間基地にあると。こういうようなことを勘案して入間基地としたわけでございます。  それで、入間基地が二千メートルということで、その結果、入間を中心にして運用されますので、出ていくときも帰ってくるもそこが中心になるということでこのような要求性能になったわけでございます。  先生お尋ねのこの入間基地の滑走路延長の可能性ということでございますけれども、現在、現行敷地の範囲内で最大限の滑走路地を確保しているところでございまして、これの延長を行うということは極めて困難な状況でございます。
  86. 猪熊重二

    猪熊重二君 それから航続性能検討の中で、多用途支援機は、国連平和維持活動あるいは国際緊急援助活動のために海外運航することを予定しているというふうに書いてあると思うんですが、その場合の用途はどのようなものを想定しているのかという点が一点と、海外運航のための航続性能を有することを確認しているけれども、この運航能力は機種選定において影響がない要素だということで考慮しないというふうにまたなっているわけです。しかし、国連平和維持活動あるいは国際緊急援助活動のために海外運航することを予定しているというのだったら、その運航能力についても当然機種選定において検討するべき性能の一つとして考慮するべきであるというふうに思いますが、その辺はどう考えておるんでしょうか。
  87. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 御指摘の件でございますが、UXは先ほどから申し上げましたように、国内における指揮連絡あるいは空輸、それから訓練の支援等に使用するため導入するということで、海外運航そのものを目的として整備するものではないという考え方に立っておるわけでございます。ただし、航空自衛隊UXを運用していく中で、国際緊急援助活動あるいは国際平和協力活動等の関連で、現在もモザンビークあるいはザイールに行っておるわけでございますが、そういうUXが海外運航をすることもあり得ると考えられるため、提案された機種が海外運航に必要な性能をどの程度持っているかということについて確認をしております。  具体的には、要求性能書において航続性能について指揮連絡だとか空輸訓練支援等七つの飛行プロファイルを満足することとしている中で、ハワイと日本、タイと日本との運航を想定したプロファイルを組むことによって海外運航に必要な性能を確認しておるわけでございます。  そこで、それではそれを満たすということを求めないでどういう能力があるのかということだけを検証したのはなぜかということでございますけれども、この点については、国際緊急援助活動あるいは国際平和協力活動というのが基本的には防衛庁の任務ではございますけれども、本来的には防衛庁の持っている能力、経験等を活用してやるというようなこともありまして、そういうことからそれはどの程度の能力があるかということだけの検証にとどめて、これをもってこれが達成されないがゆえにこの機種評価できないというようなことには使わなかったということでございます。
  88. 猪熊重二

    猪熊重二君 どうもそこのところが余りよくわからぬ。使う気があるんだけれども、それを性能の判定基準の一つにしなかったという理由はちょっとよくわかりませんが、主たる任務ではないんだということからそういうことなのかもしれませんが、何か余りよくわかりませんな。  それから、従前防衛庁でやっていたいろんな性能検査項目のほかに、今回、委員三名の方の御指示というか提案によって新規に幾つかの性能検査を実施したと。これについては先ほど防衛庁長官の方からも報告がございましたので、細かい点は別にして、この新規項目を従前防衛庁でやっていなかったのはやっぱりちょっと手落ちだったのかなというふうな点、あるいはこれを実施した結果として、従前の機種選定の経過に照らしてみてこの新しい項目によって変化が生じたとか生じないとか、その辺についてお伺いしたいと思います。
  89. 村田直昭

    説明員村田直昭君) お尋ねの、委員の方々からさらに精査すべき項目と追加的に検討した項目というのがございます。それにつきましては、離陸性能でありますとか上昇性能、それから性能余裕でございます。それから運用環境を考慮した搭載電子機器耐環境性、熱さの厳しいところあるいは寒いところでの耐環境性でございます。それからエンジン性能等、それから機内及び機外の騒音の関係、それからいろんな目的に使いますので機内仕様を換装する場合の容易さ、着氷の対策、塩害等の腐食対策、コックピットの視界、荷物を積みますので重量重心許容範囲、あるいは搭載電子機器差異等についてさらに精査、追加的に検討されました。  これによって変わったところと変わらないところがあるかということでございますが、主として変わったところと申しますのは、どれも非常に要求を満たしておるが、ガルフストリーム離陸性能あるいは上昇性能等の点で若干余裕があるというようなことでございました。その点について評価されましたが、それ以外については両方そう大きな差はないと認められております。  それで、その点のほかに、防衛庁がそういう追加的な項目その他について精査されたということについてそれに気づかなかったのかということでございますが、防衛庁としましては、機種選定作業において検討した機能性能要求性能との適合性に関する項目につきましては、従来、航空自衛隊がいろいろ経験としてやってきたものを網羅しておりまして、委員の方々からも全項目にわたって網羅されており、ある程度評価できるということは言われております。  しかし、我々としては、こういうことはさらに追加的な項目として言われ、そういうことが航空機機種選定に影響を、さらに重要な要素であるということでございますので、今後の選定作業にはそういう点にも目配りをしていきたいと思います。
  90. 猪熊重二

    猪熊重二君 報告書に関する質問は以上で終わりにさせていただきます。  あと、いわゆる四閣僚懇談会に関する問題についてお伺いしたいと思います。外務大臣、大蔵大臣、お忙しいところ恐縮に存じましたが、やはり四閣僚懇談会の問題というのは非常に大きな問題と考えますので、お忙しいでしょうけれども、よろしくお願いしたいと思います。  御承知のとおり、八月十二日に閣議後の閣僚懇談会においてUX機種選定に関し四閣僚懇談会が設置されたということですが、外務大臣、大蔵大臣のそれぞれのお立場で、この閣僚懇談会において機種選定に関してどういう具体的な疑惑があるということで四閣僚懇談会を設置しようとしたことになったのかどうなのか。  この点に関しては、前回の委員会でも防衛庁長官官房長官にもお伺いしたんですが、どうもよくわからない。おっしゃっていることは、機種選定に関していろいろ新聞報道だとか雑誌の報道で疑惑があるようなことを言われているから、だから慎重にもう一度検討をするという意味で四閣僚懇談会をつくったんだというふうな趣旨にもとれるんですが、ただそれだとどうして納得できないかと言うと、新聞報道でどうだとか週刊誌の報道でどうだとかという、それだけのことで四閣僚でもう一回この機種選定問題について洗い直してやって検討してみようなんということをやるとは到底思えない。そうかといって、では具体的な疑惑はどういうものがあったんですかとお伺いするんですが、なかなかなるほどというお答えがないんです。  それで恐縮ですが、どちらからでも結構ですが、河野外務大臣にしろ武村大蔵大臣にしろ、この閣僚懇談会においてそれぞれの大臣は、具体的にどういう疑惑があるからこれは四閣僚懇談会をつくろうじゃないかということを決められたのか。それについてお伺いしたいと思います。
  91. 河野洋平

    国務大臣(河野洋平君) 何か特定の疑惑があるということであれば、それは司法の問題であろうと思います。司法の問題ではなくて四閣僚がこの問題について集まって相談をしろ、こういう御指示がございましたのは、機種選定について慎重に対応する、いやしくも村山内閣において機種選定が間違えるようなことがあってはならぬ、慎重に機種選定をするということが大事だという趣旨で四閣僚懇というものができて私はそれに参加をしておる、こういうことでございます。
  92. 武村正義

    国務大臣(武村正義君) 河野大臣と同じでございますが、いずれにしましても国民の皆様が機種選定に疑念を持たれないように、フェアに選定がされたと信じていただけるようにわざわざ、これは異例かもしれませんが、閣僚懇での議論を背景にして四閣僚でしっかり判断せよということであったかと思っております。  新政権がスタートしたということで一層お互いに緊張してこういう問題、何でもかんでもちょっと新聞に出れば、週刊誌に出ればその疑惑を信じてこういう対応をするわけではありませんが、従来からもいろいろ事件も起こったテーマでもありますだけに一層緊張して、真剣に間違いのない判断をさせていただこうという新政権の気持ちがこういう形をとらせていただいたというふうに認識いたしております。
  93. 猪熊重二

    猪熊重二君 そうすると官房長官、要するに具体的にこうこうという疑惑があるとかそういう問題じゃなくて、ざっくばらんに申し上げれば旧政権下における機種選定問題であり、現内閣としては六月二十九日だか六月三十日だか、現政権が成立した六月幾日の時点においては既に機種選定作業が大分進んでいた、こういう点も考慮に入れた上で具体的な疑惑の、こういう疑惑がある、ああいう疑惑があるという問題じゃなくして、週刊誌新聞等でも言われていることでもあるしという程度でこの四閣僚懇談会というものが設置されたというふうにお伺いしてよろしいでしょうか。
  94. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) これは今、外務大臣並びに大蔵大臣からお話をいただいたとおりでございまして、今、委員御指摘のようなこと、ことというのは、つまり新聞だとか雑誌だとかさまざまなところで指摘をされていたというようなこともございますが、それぞれの、個々の閣僚にいたしましてもいろいろな情報はもちろん持っておりまして、とにかく防衛庁長官の決めることでありますし、また今までの作業も間違いがあるとは思いませんが、しかしこういうことというのはとにかくやはり国民にとって間違いのないものだということを新政権としても特にこういう点は大事に考えていきたいというふうに思うものでありますから、そこで四閣僚でいわば防衛庁長官をサポートするといいますか、そういうような形で協議をしていこう、こういうことになった次第であります。
  95. 猪熊重二

    猪熊重二君 そういうふうな観点から出てきた四閣僚懇談会であるとすれば、防衛庁が今回設置した学識経験者三人による機種選定手続ないし機種の決定の過程についていろいろ検証していただいたその報告書が出ているわけです。この報告書の取り扱いについて、また四閣僚懇談会の取り扱いがどうもはっきりしない。もし今のような、具体的な疑惑があるわけじゃないけれども、ともかくもう一回慎重にきちんとやっておこうというふうな趣旨での四閣僚懇談会の設置であるとすれば、この四閣僚意見防衛庁の方で意を体して今申し上げたような意味での調査会を設置した。その調査会の調査結果が出た。これを本月の二日に防衛庁の方から四閣僚の皆さんに内容報告されたわけです。  私は、この報告書で見る限り、三人の委員先生方から機種選定手続においても適正にやっているし、それから機種性能判定も適正にできていると、こういう報告があるんですからわかったということになるんだろうと思うけれども、どうもわかったというところにいかないで、まだ結論が出ていないような報道なんです。  まず、新聞報道によると、報告は受けたけれども国会の審議状況を見て対応するというふうに結論づけられたというようなことなんですが、この新聞報道のようなことなんでしょうか。もしそうだとしたら、国会の審議状況を見て対応するということは一体どういうことをお考えで、どういうことを意味しておられるんでしょうか。失礼だけれども、それを官房長官、外務大臣、大蔵大臣にそれぞれお伺いしたいと思います。
  96. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) これはもうむしろこの委員会の皆様方が一番御承知のことで、先般来、当委員会で非常に熱心な御議論が行われているわけでありますから、そういう御議論の状況というものは私どもとしても重大な関心を持っているというのは当然のことでございまして、そういう本委員会の審議の状況を見ながら我々としてはまた結論を出していくことになろうと、こういうぐあいに思っている次第であります。
  97. 河野洋平

    国務大臣(河野洋平君) 防衛庁説明を伺いますと、来年度予算の要求にこれを入れているわけでございますから、議員御承知のとおり、もう間もなく予算の政府案を決めなければならぬという時期でございます。私どもとしては本来可及的速やかに判断を下す必要のある時期になっていると思いますが、しかし今、官房長官答弁のとおりでございまして、本委員会の御議論というものもやはり関心を持って最終的判断をすべきではないか、こういう我々の議論があったわけでございます。ただ、しかしながら予算編成作業というものがございますことも事実でございまして、その辺のことも十分考えねばならぬというふうに思っております。
  98. 武村正義

    国務大臣(武村正義君) 両大臣と同じであります。
  99. 猪熊重二

    猪熊重二君 私が、お忙しいのに外務大臣にもそれから大蔵大臣にもわざわざ来ていただいたのは、要するに防衛庁の事務方が一生懸命にやったことについて、いろいろ疑惑がある疑惑があると言われた場合であったとしても、防衛庁自体疑惑がなかった場合に、防衛庁にこうせいああせいと言ったとしてもそれはできない相談だろうと思うんです。  要するに、存在することは証明できるけれども、存在しないことは証明できないんです。存在しないことを証明しろというのは、いわゆる悪魔の証明といって、証明不可能なんです。ですから私は、商社の方でどういう動きをどうしたとかあるいは商社と特定の政治家がどうだとか、そういう意味における疑惑なり問題は問題として、それが防衛庁に、もっとはっきり言えば、防衛庁防衛局長だとか何か担当の整備部長だか整備局長だか知らぬけれども、そういうところにつながらぬ限り防衛庁としては処置のしょうがないと、こういう意味において防衛庁にああせい、こうせいど言われても仕方がないことだろうと私は思うんです。そのことをぜひお考えいただいて、事務方の一生懸命やったことについてはしかるべく評価されたらいかがなものだろうかということでお出ましいただいたんです。  防衛庁長官、最後に、今ほかの各大臣の皆さんからいろいろ御意見も伺ったんですが、長官としてはこの報告書をもとにしてこの問題についてどう決着をつけるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
  100. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) この問題は、あくまでも透明性を明確にしまして、公正にして厳正な決定を行うということが大事でございますので、やはり国会等におきましても十分なる御審議をいただき、また四閣僚のそれぞれの、私を除いては三閣僚でございますが、御意見を賜りまして最終的には私が決定させていただきたい、このように考えております。
  101. 猪熊重二

    猪熊重二君 それでは各大臣、私の質問はこれで終わりますので、大変御苦労さまでした。終わります。
  102. 村上正邦

    村上正邦君 数字が入ったやつを出してもらいましたが、これはちゃんとやっぱり出してもらったら明確なんだよね。これは何が企業秘密だ、こんなものは。さっさと出せばまた疑惑は持たれないのに。  そこで、これを見ますと、ガルフファルコン、本体はそんなに変わらないんですね。維持費で相当ガルフファルコンの差が出ているんです。三十億近く出ているかな。全体で十億なんです。そうしますと、維持費に私は数字のトリックがあるということで、けさほどからこれを何回も出しているわけです。だから、これは何で七十二カ月か。防衛庁商社が言うから、整備会社が言うからこれをうのみにしてと、こういうことなんでしょうけれども、ではこの今までの三十六カ月というあれは一体どうだったのか。これは予算に直接響いてくるんだ、あなたのところの本予算にも。だから、これをどうするのかということ。  それから、先ほどもちょっと言いかけましたが、エンジンにいたしましても運輸省の基準では七千時間なんだね、オーバーホールは。安全なあれとして、これは基準なんだよ、運輸省は。それから海上保安庁だって二機購入したこのオーバーホールは四千二百時間なんだよ。そうした中でガルフは七千八百時間で計算しているんだよ。ファルコンは二千八百時間で計算している。三分の一だよ。何で同じ基準で計算をさせないのか。  七千八百で、それはそれだけ性能がいいからだとこの報告書にはあるわけだ。しかし、それは一方的な自分のところの品物を売りつける性能として、それはこういうすばらしいやつがある、こういうすばらしい点があると言って売り込んでいくわけだ。しかし、そこにはそこなりの今までの防衛庁常識、それから我が日本国におけるオーバーホール基準自衛隊は違うんだとあなた言うかもしれないけれども、しかしそれはやっぱり通らない。  そういう一般基準の中から計算をさせていけば、値段が安かった安かったというけれども、大した開きは出てこないという計算が成り立つんじゃないかなと、私はこう思います。だからこれを出している。これを出してより明らかになったわけですね。何でこれを隠す必要があったのかということです。やはり維持費に問題があるということです。維持費は、だから計算の仕方においてなぜ防衛庁で一つの基準を示して積算をさせないのか、こういう疑問があるわけです。どうぞ。
  103. 村田直昭

    説明員村田直昭君) まず、なぜ防衛庁で示してそれで計算をさせないのかということでございますが、これはその飛行機が本来的に持っておりますエンジンなりそれから機体の問題でございまして、むしろその機体提案されたものとして信頼性があるか、エンジンが信頼性があるかということを我々としては調べるわけでございます。  そこで、ちょっと長くなりますが、IRANの問題につきましては、要するにこれは会社側から提案をされ、それについて我々として調べましたところ、これは米軍が既に実績に基づいて提案しているものでございまして、運輸省のガルフストリーム航空機についても、米国においてこれは整備をしているわけでございますけれども、七十二カ月ということでやっておるということでございまして、米国でやっているわけでございます。
  104. 村上正邦

    村上正邦君 もうわかった。  そうすると、この三十六カ月というのはどうなるんだ、今までの防衛庁基準は。否定するのかね。
  105. 村田直昭

    説明員村田直昭君) これは、今までの航空機はどうかというと、それは今までの選ばれたときにそれぞれがやはりこの三十六、これは防衛庁基準じゃございません。IRAN間隔はいつにするかということでそれぞれの航空機について決まっておるものでございまして、防衛庁が三十六という基準で運用しているわけではございません。それは機体によると。したがって、今回は米軍のそういう実績があるということでやったわけでございます。  それから、もう一つつけ加えさせていただきますと、両方の差が二倍でございますので、先ほど先生が言われるようにIRAN回数が多くなるということがございます。そこで、片っ方を三十六にできないのかということに対しては、いや七十二で十分である、大丈夫だということ。一方、これは三十六を七十二にできないのかというようなことも検討しましたが、それについても、いやこれはやはり三十六なんだと、提案者側がそういうふうに言っています。  したがって、私どもとしてこれについて両方計算をしてみました。一方を仮に三十六カ月として、七十二を三十六としてやってみたらどうか。倍になるわけでございます。それから一方、三十六を七十二にしてやってみたらどうかというので、これは一方は二分の一になるわけでございますが、その結果両者の順位に変わりがないということも確認をして、そういうような検証もし、これらについては専門家の方々にもそういう説明をして理解を得ているところでございます。
  106. 村上正邦

    村上正邦君 しかし、これは多少やっぱり不安を感じないかね。大体今までも防衛庁が決めたものじゃないといったって、防衛庁購入して、それでこれを見たらわかるようにいろいろな飛行機の種類なんだよ。大体が三十六カ月になっているんだよ。商社が言うから、売り込み先が言うからそれは全面的に信用しているんだといえばそれはそれまでの話だろうけれども、しかし私は価格の公平さということからいけばそれなりにこれは、一つの建物をつくる場合でもそうですけれども、ある程度そこらあたりの過去の常識、そしてまた安全性ということから石橋をたたいて渡るという、これは人の命を預かるわけだからね。  しかし、余りにもかけ離れているからね。三十六カ月と七十二カ月、倍のかけ離れがあるから、そこら辺、多少の危惧も、余りにも冒険過ぎるんじゃないかなと、こういう僕は心配をし、そこでその価格の違いがぐっと出てくるという、こういう計算の仕方ではどうなのかな。これだけをやっていても時間がないから、だからそういう意味において、価格が安いということについては私は私なりにこういう計算をして、問題があるんじゃないのかなということを指摘しておきます。  次に参ります。組みかえ疑惑についてであります。  村田防衛局長、あなたは組みかえ疑惑についてさきの委員会で、「あくまで民間会社の商取引関係の範囲で行われていたということでございまして、これに航空自衛隊が関与した事実はないということを確認しております。」と言った。そして、日本飛行機が大倉商事と組もうとした理由を、「日本飛行機が、防衛産業の受注自体が大分減少してきておりますので、そういう意味で売り上げの減少があるということで、いろいろな飛行機についての整備修理の会社になることを希望しておりまして、その件に関しまして大倉商事と組んでガルフストリームを共同提案すべく大倉商事に働きかけを行いまして、大倉商事もそれに対して好意的な対応を示しておりました。」と述べているわけであります。大倉商事と組めば防衛庁からの受注がふえるかのような答弁をあなたはしたのでありますが、これは局長、まことに陳腐と言わざるを得ない答弁だと私は思う。  大倉商事と組めばなぜ受注がふえるのか。日本飛行機はもともとファルコンジェット社のアジア地域サービスセンターであり、本来の系列であるソニートレーディングとともに防衛庁ファルコンの売り込みに努力するのが筋なのはだれの目にもこれは明らかなことではないか。そうしなかったのは、日本飛行機が当時、大倉商事が扱うガルフUX選定されることとわかっていて勝ち馬に乗ろうとしたからではないか。  防衛局長、日本飛行機が組みかえに動いた理由について調べておりますか。おるならばその内容をひとつ聞かせてください。
  107. 村田直昭

    説明員村田直昭君) その件につきましては、委員が今読み上げられましたとおり私が前回答えたわけでございますが、まさに私どもが調査したのはそのとおりでございます。
  108. 村上正邦

    村上正邦君 そのとおりということはどういうこと。私の言ったことを肯定したわけね。
  109. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 読み上げられたのは議事録だと思いましたので、もう一回御説明をさせていただきますと、日本飛行機が、防衛関連事業の売り上げ額が減少してきているということで将来の業績の低下が予想されたために、空白の他のこういうUX等に対する修理会社の受諾を希望していたということでございます。そこで、日本飛行機が大倉商事に相談を持ちかけたところ、大倉商事も好意的な対応をしたということで、そのことをもって当時の空幕の装備部長のところに相談に来たということでございます。それに対して空幕の装備部長が、それは民間同士の商談の話であるということでそのように申したということを私は前回にも申し上げたとおりでございます。
  110. 村上正邦

    村上正邦君 調べたのかどうかということを聞いているんですよ。日本飛行機が組みかえに動いたという理由について調べているかどうかということ。
  111. 村田直昭

    説明員村田直昭君) ちょっと質問意味が理解できなかったんでございますが。
  112. 村上正邦

    村上正邦君 結局、勝ち馬に乗ろうとしたのではないか。勝ち馬に乗ろうとしたということは、ガルフがもう先にありきということがわかっていてそういうニュアンスを与えていたんじゃないのか、こういうことなんです。  それで、日飛が動いたということについて調べたことがあるかと、こう聞いているわけですよ。
  113. 村田直昭

    説明員村田直昭君) まず、最初機種が決まっていたんじゃないかということでございますが、これはいろんなケースがあると思います。このような多用途支援機というようなものを見渡したときに、どういう飛行機があるか。そして、そのような飛行機それぞれについて可能性を考えるのは、そういう商社なり産業界の担当者としては当然のことと思います。その中で、ある者はこれがいいんじゃないかというふうに考えるということは、多少でもそういう飛行機のことについて知っておる方であればそう考えるということはあるわけですね。そして、その考えで自分はこれがいいと思って、これならば将来選ばれるんじゃないかというようなことでそちらに寄るということはあると思うんです。しかし、それはそれぞれの人の経験による。  その場合に、今度の場合では、海上保安庁との関係ではファルコンと系列を組んでおった日本飛行機がそういうような判断のもとに寄っていったということは、私はそういうことはあり得ると思う。  しかし、防衛庁がそのことによって決めておるわけではございませんで、防衛庁機種選定作業というものを行っておりまして、繰り返しになりますが、三候補機種に関する具体的な評価作業に入る以前に運用構想書でありますとか要求性能を決めて、それに基づいて決めていくという手順を踏むわけでございます。その中で初めからいいだろうと思った機種に決まることもあるし、やはり経費等を比較してみたらそれにはならないということもあるわけでございまして、いずれにしましても初めに機種選定がされておった、機種が決まっておったということではないわけでございます。
  114. 村上正邦

    村上正邦君 僕は二時ちょっとまでしか時間がないから急いで質問をしますが、あなたも簡単に言ってくださいね。  そこで、やっぱりこのガルフというのが何らかの形で出ていたんだね。ゼネコンでもそうだよね。この本命はどこだということが大体談合で出ていく、その体質があったんじゃないのかねということ。  それから防衛局長、さきの委員会であなたは、防衛庁といたしましてもUX機種選定が客観的に見て公正に行われる必要があるという観点から、関連会社から任意に事情を聞きまして事実関係を調べました、と言ったんだよ。組みかえによって相手ペアを失ったソニートレーディングと新明和工業から話を聞いたのか。当然これは聞かなきゃならないわね。交通事故でも、加害者と被害者の双方から公平に話を聞くことでその事故の真相は明らかになるわけだから。あなたはそういう意味を指して言ったのかどうなのか、任意に事情を聞きましたと言ったことは。今回の組みかえで被害を受けた当事者から事情を聞かずに調査したと言えるはずはないと私は思う。  そこで、ソニーの秋田治雄社長は、そういうことは一遍も聞かれたことがないと、私のところへ連絡がありまして、いつでもどこでもひとつ呼んでくれと、こう言っているんですね。本来ならばあの再検討委員会、あの三人の人格者が飛行機専門家で、そんなところへこういう人たちをお呼びして聞けるような、そういう有識者会合じゃないんだよね。しかし、ならばやっぱりどこかでそういうことを聞いてあげる必要があるんじゃないのかなと、こう私は思う。ぜひひとつそれはやってもらいたい。アメリカだったら、これは公聴会を開いて恐らくやるはずですよ。どうかひとつそのことを。  私の調査によりますと、先ほど述べたとおり、日本飛行機はアジア地域のサービスセンター、つまり日本だけではなくアジア一帯でファルコンの整備を担当している。現に、海上保安庁のファルコン二機は日本飛行機が整備を請け負っているんですよ。一方、新明和はガルフストリームの部品を生産しているばかりじゃなくして、徳島に工場を持っているんですよ、ガルフの整備工場。商社整備会社機種によって時には組みかえがある、あなたはそういうことを言った。それは私も承知している。救援捜査機の選定の際には、ソニーは川崎重工と組んでファルコン50を提案した事実は確かにある。しかし、事UX候補になった大型ビジネスジェット機について系列がはっきりしており、組みかえはあり得ないのが業界の常識だと言われている。起こり得ないことがなぜ起きたのか。日本飛行機は大倉商事と組んでガルフUX選定されなかった場合すべてを失う危険があった。そんな危険なかけをなぜやったのか。  ソニーの秋田社長はこう言っている。日本飛行機に対し大倉商事との縁組を解消して戻ってくるように何度も説得した。なぜ大倉商事と組みたいのかという問いには、空幕の御指導によるものという返事だった。これは重大な事実だ。疑惑解明のかぎとさえ私は言えると思う。つまり、空幕のお墨つきがあれば組みかえは日本飛行機にとってかけでも何でもなく、もうけ話だったということになるのではないか。  防衛局長、こういう事実をつかんでいるかどうか、簡単に言ってくれ。
  115. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 私ども従来からソニーと日本飛行機の間にそのような話があったかということについて調査をしましたが、日本飛行機の責任者からの回答として今言ったような話はなかったというふうに承知をしておるところでございます。
  116. 村上正邦

    村上正邦君 これは時間がないから飛ばすけれども、そういうずさんな調査調査のうちに入らないんだよ、なかったと思うとか。被害者、加害者を呼んでしっかり話を聞くことが大事なんだよ。長官、アメリカだったらこれは公聴会物だ。だから、それなりにそういう調査をしていく努力を今後もひとつ見せてほしい、こう思います。  そこで、モザンビークの同僚議員ガルフ使用についての質問に移ります。  局長、あなたはやはりさきのこの内閣委員会でこう答弁しているんだ。「総理府の国際平和協力本部事務局が日程の調整を行っておりましたので、防衛庁としては事前に承知をしていなかったところでございます。」と、これは田村さんが行くということで何時にどうするということを知らなかったと、こういうことなんです。あなたはこう言っているんだ、知らなかった、防衛庁は知らなかったと。  通常、我々が行く場合には、きょうも政府委員室のキャップが来ているけれども、この政府委員室を窓口にまず連絡するんだよ。そして内局総務課または運用課に国会議員の視察日程が連絡が行くんだ、その詳細が行くんだよ。それから陸上幕僚監部から現地部隊に出迎えるようにだとか指示が行くんだ。防衛庁が知らぬなんということはこれはあなた、とつけもない職場放棄の、怠慢の、この内閣委員会を何と心得ている答弁だと、知らないなんて。  そこで、私の言っていることは、それよりも田村さんが大倉商事に飛行機の依頼をしたわけだ、それを知らなかった。さっきも質問あったけれども、彼は飛行機屋だ、自分がチャーターした飛行機がどういう機種か知らないなんていうことはこれは常識外の話で、そんなことは通らない。そういうことを局長が肯定するようなことであったのでは話にならぬと思う。  そして、このチャーター機を利用した理由に、ヨハネスブルクでガルフストリームのデモンストレーションの計画があった、だから格安で行けたんだと、こう言っているんだね。千三百万もかかるところが八十五万しか振り込んでいない。しかしまた一方、その理由に南アフリカの情勢が不安定であったからあのチャーター機頼んだと。南アフリカが不安定だったからチャーター機を頼んだなんて、そんな不安定な世情の中でデモンストレーションなんか行えるかい。それで、実際そういう事実があったのかどうなのか、それを調査したかね。そして、それに川口部長も同行してるんだよ、どうだい。
  117. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 幾つかお尋ねがありましたが、お答えします。  まず、私どもが田村議員がガルフストリームに乗っていくということを国際平和協力本部の方でセッティングをしましたために知らなかったということで、もちろん行くことについてはこれを知っておりまして、当然部隊は前回私が答えたように出迎えるわけでございますから、田村議員が来る、それについてお出迎えをするということで、飛行機で来るということは知っておるわけでございます。私が前回も申し上げましたように、機種を知らなかったというのは、もし言っておるとすれば、田村議員が自分が乗る飛行機は知らなかったということならば私はわかりますが、私らは知らなかったと言っているわけでございまして、私らは事実知らなかったわけでございます。それが第一点でございます。  それから、モザンビーク訪問に使用したガルフストリームⅣはヨハネスブルクでデモンストレーションをやるためのものだった、こう申し上げました。それで、これは私どもその後御指摘もありまして調べました。それで、デモンストレーションが実際には行われておりませんでした。  それは、理由は何だということで尋ねましたところ、ガルフストリーム社はヨハネスブルク所在の二つの会社と取引がありまして、南アフリカの顧客にガルフストリームⅣを売り込むために五月にヨーロッパからヨハネスブルクヘガルフストリームⅣを持っていき、二つの会社が南アフリカに対して、その代理店でございますが、デモンストレーションを行う予定にしていた。しかしながら四月の終わりになりまして、南アフリカの顧客のうちの最も主要な人物が参加できないという理由でデモンストレーションを再度計画するよう要求され、延期したわけでございます。  したがって、田村議員等はガルフストリーム社のヨハネスブルクでのデモンストレーションの計画の際の往復便に便乗することを前提に日程調整を行い、料金についてもファーストクラス料金並みを支払うことで合意したんですが、直前になって当該デモンストレーションの計画がなくなったために、ガルフストリーム社としては同議員等と事前に約束していたこともあって運用したということでございます。
  118. 村上正邦

    村上正邦君 要するになかったんだよ。それは、僕はあなたが個人的に来られたときに、あったのかなかったのかと、それを調査しろと言ってあなたは初めて調査したんだよ。だから、あなたが二十九日に答弁したことと現実は違うんだよ。あなたが二十九日に言った数々の私の質問に対して無責任な答弁があるということを私は指摘しておきたいね。それは理由にならないんだよ、そういうものがあったから千三百万が八十五万で済んだなんてことは、これはそれでは通じない。  それから、円木会に関連してお尋ねをしたい。  さっきも話がありましたが、UX選考はことし四月にスタートしているが、玉沢長官も先ほど答弁されているように二年前からこれは始まっているんだと。当時組みかえ疑惑にも登場したある空幕装備部長、また統幕三室通電調整官、これは一佐ですね。それから空幕装備課長、こういう人たちですね、空幕の装備品調達の担当部長と課長がこの円木会に入っているんだね。そうした個人的な勉強会にUX選定の責任者と商社の売り込み責任者が一緒にいて、これは何もなかったということはなかなか立証しにくいんじゃないか。限りなくやっぱり灰色と常識のある人は見るのではないのかなと、こう私は思っております。  答弁していただく時間がないものだから僕は一方的にしゃべるようになりますけれども、要するに本日の委員会を通じていろいろ各先生からも質問がありましたが、やっぱり多少いろいろ問題は残るなと、こう思います。  実は昨日、UX商戦にかかわっている米国法人の役員が私のところへ来られました。この人は米国の連邦議会にも多くの友人がいるということでございました。そこで、米国の上院議員や下院議員も非常に注目していることを私にお伝えすると、そしてどうか公正な選考をしてほしいと言っていた。この前も官房長官にも質問しましたが、フランスからも総理のもとへ親書も届いている。今やUX選定は日本だけの問題ではなく世界じゅうの関心事になっている。米国の有力連邦議員が、この田村氏のモザンビーク視察についてチャーター機を格安で提供したガルフストリーム社の行為は海外商行為不正防止法に照らして問題があるのではないかと情報収集を急いでいた事実がある。そして私のところにも、何だったらあなた、内閣委員会でこのことについて質問をなさっておられるけれども、あなたの方からこのモザンビーク視察の実態を調査していただくように米国司法省へ告発してもらいたい、こういう依頼も来ている。  ということは、非常に関心が、世界の目がこれに集まっているということを長官は自覚してもらって今後の対応をやってもらいたい。これを見てごらんなさい。この問題についていろいろな議員、いろいろな方たちがこれだけのお手紙を日本の要人に、これ私は一々もらってファイルしてきた。やっぱりこれは大変な問題であるということをひとつ認識してもらいたい。  そうした中で防衛庁は、この組みかえの疑惑についても、そして田村議員のモザンビーク視察についても、UX選定とは関係がないの一点張りだ。田村氏は、五年前の参議院選挙で防衛庁自衛隊が総力を挙げて応援した人物。私も推薦を申し上げた。その田村氏が格安料金でUX飛行機をチャーターしているのに関係ないでは通らない。影響を全然受けなかったということは一般国民の常識からは大きく外れている。持ちつ持たれつですよ、推薦団体と推薦議員との関係というのは。あなたが言うように一切その議員の言うことは関与させないんだとか、干渉させないとか影響を受けないんだとか言っているけれども、我々はその事実をたくさん知っているわけだ。だから、そういうことは村田さん、通らない。  そこで、最後に申し上げますが、国民が自衛隊へ信頼を失ったら国防はおぼつかない。だからこそ私は防衛庁予算の中に一点の曇りもあってはならないと思っている。朽ち果てた、腐った部分はどんどん切り捨てて、要るべき予算はしっかり取っていくという姿勢が長官、これからの予算編成については私は大事なことだと。そういう中に自・社という基本的に防衛問題ではスタンスが違うんだから、そういう方々、総理初め官房長官もおられる、それから武村大蔵大臣もいる。いろいろ社会党の先生方の中で防衛費削減というのが先にあるんだということで予算を組もうとしている。だから、こういう疑惑についてはやっぱり切り捨てていく、そして要るべき予算は堂々と取っていく、私はこういう姿勢が大事ではないかと。  一方、先ほども長官が言われた老朽化したB65の後継機が早急に必要という防衛庁の心配も私は理解できる。空幕の諸君の気持ちもよくわかる。したがって長官、私はUXを来年の予算に盛り込むことには反対しない。これは反対しない。しかし、この機種選定についてはもう少し慎重に、そして疑惑解明に真剣に、真摯に取り組んでもらいたい。そういう人たちを呼んでやらなきゃだめだよ、村田さん。どうかひとつこのことを長官に最後に切望して、私の質問を終わります。  長官、何か最後に言うことがあれば。
  119. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 議員が御指摘のとおり、この飛行機の関心といいますか、各国から大変な推薦の手紙が来ておるわけであります。それだけに我が国として公正、厳正にこの機種選定を行うということで今日まで努力いたしてきたわけでございます。  そこで、今二つ議員から指摘されましたが、組みかえ云々の問題につきましては、これは二年前に一たん作業に入った上で、これは予算の関係もありまして切っておるわけですから、今回は四月から新しくやったわけでございます。  そこで、その中において、五月に海外に行かれた田村議員がガルフストリームをチャーターしたと。そこでこれが今回の選定と何らかの関係があるんじゃないか、こういう御指摘でございましたが、我々の方といたしましては、あくまでも公正、客観的な観点から選定を進めてまいりまして、ガルフストリームが我が国の老朽化したB65にかわって最も適正な機種である、こういう判断をいたしておるわけでございます。田村議員がどのような働きかけをしたかという事実が明らかになって、それが決定的な材料であればこれは大きな問題でありますけれども、それが証明されない以上は我々としましては何らの影響を受けてないと、こういうふうに判断せざるを得ない。  今までの公正な決定の手続等につきましては、この委員会でも二回にわたってお話を申し上げてまいりましたようにこの手続等におきましては一切問題がなかった、こういうように判断をいたして、できれば来年の予算の中に機種選定を含めて決定させていただきたい、このように考えておるところであります。
  120. 村上正邦

    村上正邦君 委員長、最後に。ちょっと済みません、時間をオーバーして。  二年前と言うけれども、これは因果関係があるんですよ。延長線上の話なんですね。  それから、影響を受けてないと言うけれども円木会、真一会、これはまた共産党さんがおやりになるかと思いますが、売り手と買い手と、そして政治家の後援会の中にいて、それがみんな当時の当事者だよ、それで全然影響は受けないなんてことはあり得ない、常識的に。  それから、さっき言った海外商行為不正防止法、英文でわざわざこういうものまで送ってくるんですよ。これは大変な法律ですよ、脱法行為があるとするならば、アメリカでは。それから、こういう写真もわざわざこうして、たかが知れたと言うけれども、この内閣委員会質問したら世界にこうして反応していくという、こういう時代だという認識にひとつぜひ立って、官房長官、どうぞひとつ、私は予算を組むことはそれはやむを得ないだろうと思う、しかし機種選定については凍結をしてもらいたい、このことを申し上げておきます。
  121. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) もう一点だけ、ちょっと。  今お話しがありましたが、つまりある条件の悪い飛行機が何らかの働きかけによりまして優位に立って決定された、こういうことであれば議員の御指摘された問題点は大きな疑惑として追及されなきゃならぬと思うわけであります。  しかしながら、この選定作業につきましては、防衛目的を明確にし、各飛行機会社のそれぞれの機能を全部集めまして、そして最も適正な機種であると、こういうふうに選定しておるわけでございますから、仮にそういうことがあったといたしましても、この機種選定については性能からいいましても決して公正を欠いておるということにはならない、こう考えておる次第であります。
  122. 橋本敦

    橋本敦君 それでは、続いて質問をいたします。  まず防衛局長に伺いたいんですが、今月の二日に村田防衛局長は、武村大蔵大臣、また野中自治大臣を訪ねて、再検討の結果につきまして、ガルフ機の採用が最適であるという結論を得た有識者報告書をお示しした上で理解を求めるよう、そういった報告をされたということが一斉に報道されました。これは事実、間違いないですね。
  123. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 日付が一緒になっておりますけれども、お二人については違う日でございましたけれども、御説明に上がったことは事実でございます。
  124. 橋本敦

    橋本敦君 私は、まず伺いたいんですが、この再検討委員会有識者会合なるものですが、これの報告書を私どもは十二月六日付でいただきましたね。この添付資料価格が抜けていたということで委員長から厳しい指摘がございました。先ほど出されました。  私の手元には、十二月六日付の防衛庁のまとめと日付が書いてない報告書と二つあるんです。これは、先ほど理事会の席上でこの報告書について防衛局長は、国会用にまとめたということをはしなくもおっしゃられたんですが、閣僚会議にお示しになった報告書は日付のない分、国会に示されたのは我々が今もらっている十二月六日、こういうもので二つあるという事実を私はまず指摘したいんですが、間違いありませんね。
  125. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 十二月六日は四閣僚会合において御報告をしたということでございます。  それから、〇月〇日というようなもの、確かに私どもございますが、これはまだ案の段階ということで、まだ決定を見ておらない段階でございますけれども、そういうものがある時点ではあったということでございます。
  126. 橋本敦

    橋本敦君 今、存在はお認めになりました。資料配付しております資料一がそれであります。これは、先ほどあなたがお話しになった武村大蔵大臣や野中自治大臣にお示しになった分はこの日付のない分でしょう。日付があるのはまだ示されませんね、二日には。当たり前でしょう、局長。
  127. 村田直昭

    説明員村田直昭君) ちょっと私、今急にお尋ねですので、どちらをどういうときにその資料を持っていったかということはただいま記憶にございません。
  128. 橋本敦

    橋本敦君 理屈から言って当然そうなります。六日に作成したのは六日という日付がある。もう一つあなたが存在を認められたのは日付がないんだからそれ以前のものだ、こういうことですよ。この二つの関係は一体どういう関係になるんですか。
  129. 村田直昭

    説明員村田直昭君) もちろん日付のある方が後であるということだけは事実でございますが、六日というのは六日に御報告するということで六日と日付をしたということで、それがその前の日か前々日か、ちょっとそこら辺については事務的な作業でございましたので、私はちょっと今存じておりません。
  130. 橋本敦

    橋本敦君 閣僚懇に示されたものと国会に出されたものが違うという重大な疑いがあるんです。先ほどは資料として価格の問題が出されましたが、国会には初めから示さないつもりでそれは外してあるんです。なぜこういうことになったかということは、それは後でまた順次問題ごとに伺っていきますが、この二つの関係で具体的に私は聞きながらその話はしていきたいと思います。  まず第一に、この機種選定評価に関することでありますけれども、資料一の九ページをごらんいただきたいのであります。  その九ページは十二月六日付の九ページとほぼ同じでありますが、ここでアンダーラインをしてあるところが十二月六日の私どもが国会でもらった報告書には消えておるんです。いいですか。そして消えておって、この中で、ガルフストリームファルコンチャレンジャーがそれぞれ千九百二十メートル、千九百六十六メートル、二千三百二十メートルであるという数字を示して、「チャレンジャー601は要求を満足しない。」、こうあるんです。十二月六日にもらった方については、「二千メートル以内であるしという一般的表示をして、それでチャレンジャー要求を満足しないという結論になっているんですね。  まず私はここで聞きますが、ここで言う大気条件、この大気条件というのは、これは標準大気状態からさらに二十度引き上げまして、滑走路条件はウエットにする、こういう厳しい条件での審査であります。こういうことになりますと、通常温度は三十五度以上、そしてウエットの滑走路状態というので、年間通じて極めてそれに該当する日は少ない、そういう厳しい条件であることは、これは一般に言われているとおりです。そういう厳しい条件であることはまず間違いありませんね。
  131. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 離陸性能等における滑走路長の大気条件ISAプラス二十度という条件でございますけれども、これにつきましては夏季における航空機の運用、特に沖縄等ございますし、そういうような用途等もございます。そういうような厳しい環境下ということを考えて、ISAは十五度でございますが、それに対して二十度プラスということで要求をしているものでございます。そしてこれは従来からT400等これらの機種を選んでまいりましたときに、航空自衛隊としてはISAプラス二十度というのが標準的な要求パターンでございまして、この機種についてこのパターンを特に適用したというようなことではございません。
  132. 橋本敦

    橋本敦君 この機種について特に適用したと言っていません。そういう厳しい条件でしょうと言うんです。そういう厳しい条件でまずチャレンジャーが落とされたわけだ。あとはガルフファルコンか、こうなっていく。そういうことが始まるわけだ。だから、このことはまずチャレンジャーがこの問題で要求性能を満たしていないということがはっきりしたということを言っていますから、これは間違いないでしょう。間違いないですね。
  133. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 要するに二千メートルという条件に対して二千三百メートルを超えるということで、これの条件を満たさないということであることは間違いございません。
  134. 橋本敦

    橋本敦君 そこで、まずチャレンジャーが落とされることになるんですが、その次に、維持価格に入る前に性能余裕の問題について私は聞きたいと思います。  性能余裕について、ガルフストリームの方がファルコンよりも余裕があるということを言っていることはこれを読めばわかりますが、どれくらい、どの程度ガルフの方がファルコンよりも性能余裕があるのかは一切数値で示されていないのはなぜですか。
  135. 村田直昭

    説明員村田直昭君) それは性能の全体をどこまで表現するかということでございますから、これは委員の方々についてはその性能の数値は全部あるわけでございます。私どもは性能の数値を全部持っておるわけでございます。これはやはりそれぞれの機種について各社の出されることについての意向というのもあるかもしれませんし、我々として、ここではそれをもって余裕がこれについてあるということさえ表現すれば十分であるという判断のもとにこの報告書をつくったわけでございます。
  136. 橋本敦

    橋本敦君 それは簡単に言えないんですよ。後で経費の方に触れますが、ガルフファルコン比較して要求性能ガルフファルコンもほとんど全部同様に満足させておる、しかし余裕度においてファルコンよりもガルフの方が余裕度が高い。こういうことを選定結果として、最終的な判断で総合的なところで言っているじゃありませんか。違いますか。間違いないでし一よう。
  137. 村田直昭

    説明員村田直昭君) これは二十ページをごらんいただきますとわかりますように、まさに先生御指摘のとおり二十ページのところに、「ガルフストリームⅣは、離陸性能航続性能及び上昇性能において、より余裕があること、かつ、経費面でも優れていることが認められる。」。私どもとしては、選定基準というのはこれをクリアしておればそれでよしとしているのが選定のスタンスでございまして、それに対して専門家の方々の中から余裕というのも見る必要があるだろうという御意見があって、その余裕度を見た。そしてかつ経費を見れば、先ほどここに御提出しましたように経費面でもすぐれている。そうすると、余裕があってかつ安い、こういう結果でございますから、ここにあるように専門家の方々もこのような認定をしたということだろうと思うんです。
  138. 橋本敦

    橋本敦君 だから、大事な要素だと言うのなら、数値的に比較ができるように資料をなぜ出さぬかと私は言っているんですよ。あなたがおっしゃったように、総合評価でも離陸性能等でガルフの方が余裕があるということを言ったというんですが、そこでもう一遍資料一の九ページに戻ってください。  そこで、滑走路長を見ますと、ガルフストリームファルコンとはどれくらい違うか。千九百二十メートルと千九百六十六メートルですから、たった四十メートルしか差がないんですよ。二千メートル以内にもちろん両方入っている。たった四十メートルなんです。たった四十メートルの差、これが余裕があると言う。そういったことを余裕があるという評価で重く見るほどの違いかというと、そんな違いはないと私は思うんです。しかし、総合評価ではこういった離陸長も含めてガルフの方が余裕があると、こう言っている。私はここに疑問を持つんです。たった四十メートル。  ところが、たった四十メートルだということはきょうもらった資料には出てこないんです。アンダーラインしてこれは隠れているんです。なぜこれを消したんですか。数値をなぜ消したんですか。
  139. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 先ほど私は係の者から聞きましたけれども、要するに最終報告書にする際に徴修正をして、数字にわたるような部分についてはこれを削除したということでございますが、もし今の点についてさらに詳細な御説明を要すれば……
  140. 橋本敦

    橋本敦君 もういいです。
  141. 村田直昭

    説明員村田直昭君) それでは離着陸滑走距離、これにつきましてはガルフストリームⅣの千九百二十メートルがファルコン九〇〇Bの千九百六十六メートルより約五十メートル短い。これは離陸滑走中エンジン故障等で離陸を断念する場合において、機体が停止できる距離が約五十メートル短いことを意味し、安全上余裕がある、こういうことなんです。一回離陸しようとしてエンジンがストップしたときに……
  142. 橋本敦

    橋本敦君 もういいです。わかりました。  なぜ報告書で消さにゃいかぬかというんです。大した違いでないのに、総合評価ではまさに余裕があるということでガルフの方に話を持っていくという、そういう状況になっているから私は納得できないよと、こう言っているんです。初めから書いておけばいいじゃないですか。なぜこれを外したか、正当な理由の説明がない。  それから、さらに次に進んでいきます。  今度は維持経費に関する話の問題の検討に入ります。資料一の十二ページを見てください。ここでは一機当たりのエンジンの問題が出ているんですが、このオーバーホール間隔、これがきょういただいた報告書では、一機当たりのエンジンの搭載台数がファルコンの方が多いことに加えて、エンジン本体のオーバーホール間隔が短いために、ファルコンの方がエンジンにかかわる修理費及び維持部品費が高くなっている、こういう評価をしている。  ところが、きょういただいた報告書ではオーバーホール間隔がそれぞれどれだけか、どれだけガルフの方が長いのか一切説明がないです。結論だけだ。なぜ数字を明らかにしないんですか。
  143. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 一つ一つ数字を明らかにしない理由といっても、その際に、整理をするときにその数字を削除したということでございまして、特段そういう特別な理由があってそうしたわけ……
  144. 橋本敦

    橋本敦君 何をしてるんですか。
  145. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 今ちょっといただきました提案要求書において、会社提案書の取り扱いについて、「貴社の提案書に含まれる技術資料の中で、貴社が公開及び使用の制限を希望するものがある場合にはその旨を明記してください」ということを言っておりまして、これを受けて会社からは、当該会社が保有する知的財産権にかかわる情報も含まれているため、提案書についての公開の制限を求めてきているものがございます。そういう中で考慮をして外すというようなことをしておるものもございます。  ただし、この点について、これがそれに当たるかどうかはちょっと今、私は資料としてわかりませんが、一般的にそういうことが行われておるということでございます。
  146. 橋本敦

    橋本敦君 あなたがおっしゃったように、納得できないんですよ。エンジンオーバーホール間隔がそんなものに当たるなんということはないです、民間機で。  そこで、資料一の十二ページでは、ガルフストリームが七千八百時間、ファルコンは二千八百時間で、倍以上も早くファルコンオーバーホールしなきゃならぬということを言っているんです。果たしてそうか。  私は運輸省を調べてみまして、運輸省にはファルコンも入っていればガルフストリームも入っていること御存じでしょう。運輸省から得た回答によりますと、運輸省は、ガルフについては、これはメーカーのリコメンデーションの数字は七千八百時間となっているが、運輸省としては三千五百時間でオーバーホールをさせる、こういう基準で運用している。そうして一方のファルコンについては四千二百時間。たった七百時間の差ですよ。四千二百時間、ガルフは三千五百時間。むしろこれでいくと、ファルコンの方は四千二百時間でオーバーホールガルフの方は運輸省では三千五百時間でオーバーホールさせるんだから、ガルフの方が費用が高くつくんです、エンジンオーバーホールは。ところが、ここではガルフは七千八百時間となっておる。  運輸省がこういう基準オーバーホールを、ガルフに対して、ファルコンに対して、それぞれ運輸省の基準でやらせているというシステムであることは局長、知っていましたか。
  147. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 私どもは、UX選定に当たりまして、そのUXに対する運用構想、運用要求性能等を提示して、それに基づいて会社側からの提案書をいただいて、それについてエンジンの信頼性とオーバーホール間隔等についても入念なチェックを行ってこれとして定めたわけでございまして、私はその運輸省のガルフなりファルコンエンジン整備、オーバーホール間隔については承知しておりませんでした。
  148. 橋本敦

    橋本敦君 極めて調査不足も甚だしいじゃないですか。大変な事故が起こるんだから。同じ国の運輸省はオーバーホールガルフに対しては三千五百時間でやらせている。ところが、この報告書で消された部分では七千八百時間、これで計算をしてガルフの方がファルコンよりいいんだ、経費が安いんだと。こんなことやっていいんですか。そういうことがはっきりすると困るから、資料一のアンダーラインしているこの部分は隠したんじゃないかという疑念がどうしても起こりますよ。ちょっと待ってください。起こりますよ。あなたは運輸省のを知らないと言ったんだから、もうそれ以上答えることはない。  それで、その次の経費の問題に行きます。次は村上委員が指摘をされたIRANの問題。十九ページ。ここでも、国会が受け取った報告書と、それからあなたが存在をお認めになった日付のない報告書では、また重大な記載の違いがあるんです。  きょういただいた六日付のこの報告書では、IRANにつきましてどう言っているか。IRAN経費機体定期修理費ファルコンは、この間隔ガルフストリームより短いことにより、二十年間における修理の回数ガルフストリームより多い。だから、IRAN一回ごとの所要工数はほぼ同じであるため、ファルコン経費がより高い。こう書いてますね。二十年間にガルフは何回やり、そしてファルコンは何回やるのか。これは数字が書いてない、示されていない。  村上委員は、片方は、ファルコンは三十六カ月、ところがガルフの方は七十二カ月、こんな差があるから大変な違いだということを指摘されている。あなたはそれを事実上お認めになった。その数字はなぜこの報告書に記載しないんですか。ところが日付のない報告書にはちゃんと入っているじゃないですか。なぜこういう大事なことを国会に対する報告書で出さないんですか。重大な疑念がありますよ。国会に真実をあなたは隠すつもりか、どういうつもりか。
  149. 村田直昭

    説明員村田直昭君) これはお答えしますと、先ほど私がお答えしたように会社側からの申し出、いわゆる「貴社の提案書に含まれる技術資料の中で、貴社が公開及び使用の制限を希望するものがある場合にはその旨を明記してください」と言われた中のものであって、そういう意味でここでは削除したわけでございますけれども、このこと自体、先ほどから質問でも出ておりますように、私どもも何回かもう既に説明をしているわけでございますけれども、事実はこのとおりでございます。
  150. 橋本敦

    橋本敦君 なぜ消したかの説明がないというのはおかしいと僕は言っているんだ。  私は防衛庁資料要求をいたしましたが、資料の二-二、これは防衛庁からいただいた資料です。これは航空自衛隊航空機機種ごとの整備期間を要求したんですが、C130だけについて防衛庁は出してきている、約三十六カ月ごとだと、こう言っていますね。そしてその下の注に、「他の機種についても、同様の体系に基づき整備を行っている。」と、こうあります。  だから、他の機種についてということになりますと航空自衛隊が採用しているほとんどの飛行機ということになって、村上委員も指摘されたとおりでありますが、ほとんど三十六カ月、この基準でやっていることは間違いないですね。まずこの事実は間違いないでしょう。もう事実だけ簡単に言ってくれ、資料に書いてあるんだから。三十六カ月だろう。
  151. 太田眞弘

    説明員(太田眞弘君) お答えいたします。  約三十六カ月ごとのIRAN点検をいたしております。
  152. 橋本敦

    橋本敦君 そして維持経費ということの中で、この定期点検IRANというのが一番費用がかかる大変なものだというのはこれは常識ですよ。これは、英語ではイシスペクション・アンド・リペア・アズ・ネセサリーと言うらしいんですが、これはもう国際的にIRANと言われておるんですが、村上委員航空自衛隊が採用しているMU2のIRAN経費約六千万円または一億円を基準にして計算されました。こういう回数比較するとそれだけで二十三億の違いがあるという御指摘をなさった。これは大変な指摘です。そして私が関係商社等に聞いたところでは、MU2は一億円らしいですが、このガルフファルコンクラスになりますと、IRAN経費というのは一機当たり三億五千万から四億円、つまり数億円に近い金がかかるというんですよ。  だから、そういうことを機数に応じ、二十年以内のIRAN回数に応じて計算をすると、これは七十二カ月だというガルフの方がはるかに安くなることはもう言うまでもない。こんなものはもう計算すること自体がナンセンスに近い開きが出てくるんですよ。  そこで問題は、一方が三十六カ月、一方が七十二カ月というこの問題を防衛庁はどう考えるかということです。先ほど局長は、運輸省が入れているガルフについてIRANの期間を聞いたらやっぱり七十二カ月だという話をされましたが、本当にそれを聞かれたんですか。私も運輸省に聞いたんです。もう一遍答えてください。IRANは七十二カ月と言いましたか。
  153. 村田直昭

    説明員村田直昭君) お答えします。  この三十六カ月と七十二カ月というものについては、私どももそういう意味で重大な関心を持って、先ほども御答弁しましたように一方は七十二にならぬか、一方は三十六にならぬかということを確認し、どちらもそれは難しいという御返事を得たということが一つ。  それから、その場合でも経費については、双方七十二の場合、双方四十八の場合、双方三十六の場合というような三つのケースについてあわせて行っておりまして、その場合でもこの経費面での逆転はないということを確認しておる。そういう意味では、経費面比較においては共通のものとしての扱いをして比較もしておる。実際はこれはやはり必要な月数でやらなきゃなりませんから、七十二でいいところは七十二でやりますし、三十六のものを七十二に延ばすということはなかなか難しいわけでございますけれども、経費比較という面ではそのように行ったということでございます。  それから、先ほど私は運輸省のと申し上げましたが、米軍の実績ということで、米軍にこれは問い合わせて、米軍は実際に七十二カ月で運用しておるということでございます。その点については訂正しておきます。
  154. 橋本敦

    橋本敦君 米軍は米軍でやったらいいですよ。防衛庁は三十六カ月でほとんどの機種をやっているじゃないですか。防衛庁の主体的な安全基準を守ったらいいんですよ。  村上委員も指摘されたけれども、防衛庁はほとんどの機種について二十六カ月でIRANをやっているのに、これは七十二カ月で、提案者の言うとおり、会社の言うとおり七十二カ月でよいと。そういうことで、これから防衛庁はこのIRANについてほとんどの機種は三十六カ月でやっているという体系が大きく変わる、そのことは承知の上でやろうというわけですか。
  155. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 私は整備の専門家じゃありませんから確信を持ってお答えできませんけれども、現在でもふぞろいでございまして、基本的には先ほど参事官から答えましたように三十六というのが多うございますけれども、四十二でありますとか三十九でありますとか三十八でありますとか、むしろこう見ますと三十六というのは少ないんで、もっとほかの三十三だとか……
  156. 橋本敦

    橋本敦君 ヘリコプターをあなたは言っているんですよ、ヘリコプター。固定翼で言わなければだめですよ。ヘリコプターなんか言ったってだめですよ。
  157. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 今申し上げましたように、T33が三十九カ月、T1が三十四カ月、YSが四十二カ月、それからF4が三十八カ月、RFが三十八カ月、T2が三十六カ月、F1は三十六カ月、C1は四十二カ月、F15が三十八カ月、E2Cが三十四カ月、T4が三十六カ月。CHが、まああとはヘリでございますが、そんなような状況でございまして、必ずしも三十六で統一されて運用しているというんじゃなくて、その機種によってそれぞれ整備期間が違うということでございます。
  158. 橋本敦

    橋本敦君 基本的には三十六でやっているという事実ははっきりしているんですよ。だから防衛庁から私によこした資料でも、他の機種についても同様の体系で整備を行っていると言っているじゃないですか。多少の違いはあったって七十二というようなものはないんですよ。だから、何で今度はガルフ会社の言うとおり七十二かということが問題なんです。  そこで局長、もう一つ話をするが、いいですか、質問を聞いてくださいよ。  この七十二というのは提案者が言ってきた数字だということはおっしゃった。アメリカがやっているというのは別に置くよ。それじゃファルコンの方は、ソニーの方は提案書の中で三十六カ月でIRANをやっていただいて結構ですということで出したが、ファルコン会社そのもののレコメンデーションでの数字は同じように七十二カ月だというふうに私ども調べて聞いてきたんです。しかしソニートレーディングの方は、防衛庁の方は三十六カ月を基本的な基準として運用されてきている、整備問題としてということがあり、そしてまた、そういうことに対応して安全を確保することがよかろうという配慮もあって三十六カ月ということで提案書では出したという話も聞いてきた。だから、会社の言うなりにするならファルコンだって七十二になる可能性があるんですよ。そこまで調べていますか。ファルコン会社の方のもともとのレコメンデーションの数字が何ぼか、調べていますか。
  159. 村田直昭

    説明員村田直昭君) お答えします。  その点につきましては、先ほど私がお答えしましたように、これでファルコンとして七十二というような運用はできないのかというようなことを確認して、その上でもやはりこれは三十六だという回答を得たというふうに承知しております。
  160. 橋本敦

    橋本敦君 もっともっと調べなきゃいけませんよ。  この前の委員会で、機種選定についてあなたは、三候補の機種について、まず主要な要求性能との適合性、離着陸性能についてでございますが、これでまず二千メートル滑走路の問題、ここで満足しない可能性のあるものが一機種見られます、これはチャレンジャーだとはっきりしております。その他、航続性能だとか速度性能上昇性能、基本的なこういった性能については基本的に三候補機種はいずれも性能を満足するというふうに考えております、これもそのとおりだね、満足しておると。そこであなたは、「なお、所要経費比較でございますがこということで述べて、二十年間の維持経費、それから施設に係る経費が若干機種で変わりますが、そういう意味所要経費総額について三候補機種検討しますと、三候補機種間でばらつきがある、これで順位をつけるということが可能であると考えています、こう言っているんです。  つまり、決定的な選択のモーメントになるのはまさに順位をつけられる維持経費を含む経費だと、こうあなたは主張している。そのとおりの報告書が出てきたわけです。そのとおりの報告書が出てきて、総合評価ではガルフストリーム経費面でもすぐれていることが認められるとして、まさにこの選定でよろしいと、こういうことになっている。だから、今私が指摘したようなことからいうと、ガルフストリームにもう決まるような話はあの七十二カ月と三十六カ月の差においてもはっきりしている。余裕度にしたってほとんどないということも私は言っている。そこがこの報告書から隠されている。だから、そういう意味で決定的な要素になった維持経費関係で、その中でも決定的な開きが生ずるIRANの問題について不明確さがある限り、これは公正で透明性がある決定とはとても言えぬと私は思っています。  そして、特にこの問題について、そういう問題が、肝心の一番大事なところが国会に出されたこの六日付の報告書では数値を含めてそこが書かれていない。ところが、もともとあなた方が報告書をつくった日付のないところでは、ちゃんと数字も入ってある程度の検討ができるようになっているのにそれが消されて国会に出される。これは国会を軽視するも甚だしいです。何のために内閣委員会で審議をやっているのか、何のためにそういうことをやるのか、疑惑の上に疑惑を重ねる行為を防衛庁はやっているとしか思えぬですよ。こんなことでこの問題の疑惑がなくなったなどとはとても言えないということを私は今指摘した報告書が二つあることに関連して、その中身にかかわって指摘をしたんです。  それで、この問題については数値を明らかにすることを含めてもう一遍正確な報告をやり直すかどうか、検討委員会にもう一遍逆戻しをかけてもらいたい。検討委員会の三人の皆さんは、国会に出す報告書と部内でまとめた報告書、二つが違う、しかしこれは検討委員会報告書である、こんなことを三人の了解を得てやっておるんですか。出すものと出さぬものを仕分けするのは防衛庁が勝手にやっているんですか。
  161. 村田直昭

    説明員村田直昭君) まず何点かのお答えのうち第一点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、IRAN期間につきましては三十六カ月、四十八カ月、それから七十二カ月というように三種類の同様にそろえたタイプでやっておりまして、それで比較をしておるという面で、そういう経費比較について配慮をした上で検討し、かつ経費の優位性が認められるということでございます。  それから、性能余裕については、私ども先ほど言いましたように、余裕自体は我々としては最初評価しておらなかったわけですが、三人の専門家の方々の中で余裕というものも見るべきだということで、離陸性能については先ほど申し上げました。それから航続性能につきましては、いろんな七つのプロファイルを要求しておりますが、その七つのプロファイルを、飛んだときの航空機の残燃料というようなものを我々は比較しておりまして、それを見ると、先生方も認められるようにある任務を達成後の残燃料が非常にガルフが多いと、まあ機体が大きいわけですけれども、そういうことから余裕がある。  それから上昇性能につきましても、ある程度三万八千ぐらいまで上がったり直四万まで上がれるかどうかということが問題でして、そういうものと、ある程度三万八千ぐらいまで上がって、それで水平飛行してさらに四万に上がるというような、そういう差をもって余裕があるというふうに評価をされたものと考えております。  それから、先生が言われる資料一というようなものは、防衛庁の素案の段階のものがどういうわけかお手元にあるということでございまして、素案の段階でございます。閣僚懇において使われた資料とは同じものでございます。  ただ、また指摘を受けるといけませんので言いますと、運輸省にかかわる部分については運輸省からの申し出もありまして、操縦性あるいは整備性について良好であるということでございますけれども、若干省略しておるということでございます。
  162. 橋本敦

    橋本敦君 要するに、全く透明性を欠く不明朗なやり方であり、疑惑は全然解消されない。報告書がこういう状況であり、肝心の数字が隠されていく。今あなたは三十六カ月で計算した、パラレルにやったと言うけれども、その数値で一体どれくらいの経費差が出るか、その数字さえ出てこない。そういうことで、そういう数字が一切示されないままでこれでガルフストリームの方の選定が合理性があると言ったって、それは通用しません。  そこで、もう時間がなくなったんですけれども、まさに初めにガルフりきじゃないかということは私も村上委員もこの前から指摘してきたんだが、まず組みかえの問題について私が調べたら、それはとんでもない、本当に異例だと言っていましたよ。日本飛行機ファルコンとそれからソニートレーディングとの間で一九七七年以来整備のための契約をちゃんと結んでいる最中なんだよ。そういう契約を踏み破ってまで大倉に乗りかえるというのは、これは信義に反するどころか業界としては極めて異常だというんだよ。  このことで何でこんなことをやるかということについては、もう一つ新たな疑惑が出てきた。日本飛行機防衛庁への売り込み業績が落ちているから売り込みたいんだ。これはもうファルコンでねらうよりもガルフをねらった方がもうかるということで的を当てだということが疑惑の一つだが、しかし実際に有価証券報告書で日本飛行機を調べてみると、第五十二期の九一年四月から九二年三月、第五十三期の九二年四月から九三年三月、つまり組みかえをやられた時期は何と七十一億四千万から七十六億九千万へと業績が伸びているんだよ、防衛庁との契約は。だから、日本飛行機はもっともっともうけようという、こういう意図で大倉に乗りかかった、ガルフに乗りかかったと見てもいいんだよ。これは新たな疑惑だよ。  そういうことについて整備会社というのは、局長に聞くけれども、商社がある飛行機を売り込むのについて整備会社をそれぞれ自由に選択するということだか、結局これは防衛庁がオーソライズしないとできないでしょう。どうですか。
  163. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 整備会社の決定につきましては、本来的なシステムとしてはその提案をしたから必ず整備会社になるというものでもございません。それは最終的にこの機種が決定された後、整備会社を決定するということは別途の行為として行われるわけでございます。しかし、それは当然のことながら、そういう過去のつながりとかそういうようなことについて見るということも当然考慮の対象になるわけでございます。
  164. 橋本敦

    橋本敦君 そこが大事なんですよ。防衛庁がオーソライズするんです、整備会社を。だから装備部長に話に行く必要があったんだよ。勝手に大倉に乗りかえてオーケーしてくれなんて話にならない。そして相談に行く必要があったんだ。そうしたら、民間民間の、民民の関係だから自由にやっていいですよと言ってくれた。それは、いいですよというオーケーと同じような意味を持つんだよ、会社にとっては。  それで、日本飛行機はなぜこんな異例なことをやったのかということを業界で聞かれて、日本飛行機の担当者は、いや官の意向もちゃんと聞いて官の意向に基づいてやったんだよと言っているという話を僕は聞いた。重大なことだよ。だから村上委員が、日本飛行機の担当者を呼んで聞いたかと言ったら、呼んで聞いたけれどもそんなことはないと言ったけれども、冗談じゃない。参考人として国会に来てもらってきちっと我々が聞かなきゃならぬという重大な問題がある。これが一つであります。  それからもう一つの、田村議員のチャーターの問題についてその後私も調べてみた。そうしたら、やっぱりガルフストリームをチャーターでやるという費用は新聞に出た一千三百万というのは安い方で、はるかに高くなると。ファーストクラスの料金を払ったらいいという、そんな比較なんというようなものはナンセンスだ、そんなものじゃないんだ、極めて多額だと。  そうすると、防衛庁に今度三社が出した提案書、これをつくるのにどのぐらいお金がかかるか、費用がかかるか私は聞いてみた。そうすると、提案書を出した三社のうちのある社は、何と三千万円かかったと言ったよ、提案理由書を出すのに。それではガルフファルコンチャレンジャーもかかっているでしょう。三千万円かけて提案書を出すんだよ。その上に一千万以上の実質的な経費を出して田村さんを乗せてサービスする、たった八十万でサービスする。これは、本当にガルフが必ず採用されるというそこのところの見通しを持っていなきゃ商業ベースの商社でできることじゃないと言っているよ、みんな。  だから、そういう意味で重大な疑惑がここにもあるんだよ。だから、そういう問題を今度の委員会報告は何ら解明していないところか今私が指摘したように重大な疑惑が不透明性としてまだまだ残っているから、こういった問題についてはこの前要求した参考人も含めてまだまた国会をやらなきゃならぬし、同時に防衛庁長官に言うが、また官房長官にも言いたいんだが、こういう問題で本当に不透明性、疑念が一切国民の側から見てないとは絶対に言えないから、当面この機種選定は白紙に戻す、その決断を官房長官防衛庁長官もすべきである、このことを強く要求して質問を終わります。
  165. 太田眞弘

    説明員(太田眞弘君) 先ほど、舌足らずで大変御迷惑をかけました。  航空自衛隊飛行機では、三十六カ月基準、もしくは三十六カ月と、それから機体ごとに定まっております飛行時間、それごとにIRANをいたしております。先ほど防衛局長が御説明申し上げましたのはその五年度の実績を申し上げたのでございまして、例えばF4Eは三十八カ月、それからC1は四十二回ということでございます。訂正させていただきます。大変失礼いたしました。
  166. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 委員の御指摘の田村議員が飛行機にチャーターをして乗ったということと機種選定の関連でございますけれども、飛行機を安くチャーターしたという問題は我々は関連いたしません。これはやはり別のところで追及していただかなきゃならぬことだと思います。  我々の方といたしましては、そういうチャーターをしたというような行為が具体的にこの機種選定にどのような影響を及ぼしたかということを明確にすべきであると思うわけでありまして、その点におきましては、我々は機種選定に当たりましてはそのような議員の影響は受けてない、こういうようにはっきり申し上げて、この機種選定につきましては白紙に戻さずに決定をさせていただきたい、こう思っております。
  167. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 先ほども申し上げましたように、有識者による評価検討というものは十分な精査がされており、私ども尊重すべきものであるというふうに思う次第であります。  しかし、同時にそういう報告を得ながら、なおきょうのこの参議院内閣委員会における御審議というものを大きな関心を持ちながら実は注目し、それらを踏まえながら予算の作業も間近でありますものですから、できれば早目に四閣僚による御相談もしたい、こういうふうに思っていたところでございまして、きょうは大変傾聴すべき御意見がいろいろございましたように思っておりますので、それらも踏まえながら、また当然、防衛庁長官の御意見も十分にちょうだいいたしながら近く四閣僚で改めて検討いたしたい、このように存ずる次第であります。
  168. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 私は、昨日、沖縄へ基地問題で党の方から行ってまいりました。昨日ときょうと二日間にわたって沖縄にあるアメリカ軍基地というものをいろいろと視察し関係者と話をしてくる、こういうのが目的でしたけれども、きょう委員会が開かれることになったので、きのうだけで切り上げまして、けさ一番の飛行機でこっちへ戻ってきたわけであります。  それで昨日は、P3Cの問題のある本部町、それから実弾演習が行われている金武町、あるいはまた基地の中に村が埋没したような格好になっている読谷村、こういうところを回ってまいりまして、つぶさに地元の、例えば読谷の村長さんとか金武の町長さんから生々しい話を聞いてまいりました。  地元の関係者の方々は、実に今日まで涙ぐましいまでの努力を続けております。私は、やはり戦後五十年を迎えようとしている今日でありますので、戦争の傷跡をなるべく早く一掃しなければならないだろう。戦後補償といったようなことも非常に多くの問題があるけれども、片づけなければならない、そして戦後五十年を迎えるということが必要だろうというふうに思うのであります。  政府としては例えば行政改革ということを言われるけれども、防衛費の問題だけは聖域であるということにしてはいけないと思うんです。防衛費の問題も要るか要らないのか、もう不要になったものはどんどんこれは切っていく、節約をするということが原則でなければならないというふうに思うのでありますが、来年度の予算編成に当たって総理もこの行政改革ということを言っておられる。非常に多岐にわたるのでどこから手をつけてどういう効果が上がるか、これからの問題であろうとは思いますけれども、極めて重要な問題なので、それらの基本的な考え方について一体どういうふうに政府としては対応しようとしておられるのか、まず官房長官に考え方をお聞きしたいと思います。
  169. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 防衛予算につきましては、中期防衛力整備計画のもとで一層の効率化、合理化に努めて、極力経費を抑制するよう努力するとともに、そのときどきの経済、財政事情等を勘案して、国の他の諸施策との調和を図りながら毎年度の予算編成を行うということになっているわけでございます。  平成七年度の防衛予算につきましても、このような方針のもとに、七月の概算要求基準決定の折の経緯、そしてますます深刻な状況になってきている厳しい財政事情等も踏まえながら、政府部内におきましてこれからの予算編成過程を通じて適切に対応してまいりたい、このように考えている次第であります。
  170. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 国連の問題に関連して外務大臣にお聞きしたいと思うのでありますけれども、いまだに地球上のあちこちで紛争が続いております。例えばモザンビーク等にもPKOを派遣いたしました。ああいう遠いところへ派遣をされるPKOもたまったものじゃないと思うんですよ。だから、こういう内戦のような問題は、その内戦が起こっている原因というものを考えなければいけないし、縁もゆかりもないところにPKOが派遣をされるということになりますと、言葉もわからないし字も読めない、お互いに事情がわからない、そういうところに派遣されたPKOは、これは手が出せないというような問題が出てくると思うんですよ。だから、やはり内部でもって紛争が起きている国は、その周辺の国が応援をしてやるというのを建前にしなきゃいかぬと思うんですね。  そのためには、ある程度分担を、つまりテリトリーを決める。アジアの出来事はアジアの国で、ヨーロッパはヨーロッパで、アフリカあるいは中近東はそういう地域でもって原則的に事を処理する。地球を半分回っていくような遠くのところから出かけていくというのでは大変なんですよ。ところが、今、国連でもって日本に注文しようとしていることは、ボスニア・ヘルツェゴビナであろうとゴラン高原であろうと、何かあるというと日本にも出せと言わんばかりのことを言うんですよね。これにいい顔をして乗っていたら切りがないと思うんですよ。地球のどこでももめごとがあればおっ取り刀で飛んでいくと。きょうは義士の討ち入りの日だけれども、堀部安兵衛みたいな、こういうような役割を日本が引き受けさせられたんでは困ると思うんですよね。だから、まずそれらの国々についてどこが出かけていくかという場合だって地理的なことを考える。  それからまた、内乱自体を起こしている国に武器・弾薬を供給している国はやはり責任を持たなきゃいかぬと思うんですよ。あれは武器・弾薬があるから多くの死者が出たりあるいは難民が出たりするんです。武器が何にもなければ、けんかがしたければ取っ組み合いで済ませということであれば、そんなややこしいことは起きないんです。だから、そういう点を考えて、まず武器・弾薬の供給をしない、それから供給をしている国も責任を一部は持つ、ある程度の区域を決める、こういうふうな方法を考えないと、いい顔をしていればいいように利用されちまうということになると思うんです。  その辺、外交上の配慮というものはどういうものか、外務大臣にお伺いしたいと思うんです。
  171. 河野洋平

    国務大臣(河野洋平君) 大変多岐にわたるお尋ねでございますが、まず最初に申し上げたいと思いますことは、あちこちで起きております紛争の原因は何だということを幾つか例を頭に描いて考えてみますと、一つは民族間の争い、一つは宗教上の問題、一つは貧富の格差がいかにも大きいといったようなことが紛争の原因になりがちでございます。ということになりますと、今、議員御提案でございますが、テリトリー、ブロックを決めて、アフリカのことはアフリカで何とかしたらいいじゃないかと、こういう例えば御指摘でございました。  確かに、例えばアフリカの問題を根本的に解決しようと思えば、その周辺の国が取り組まなければ根本的な解決はなかなかできないだろうというふうに、私はそんなふうには思います。思いますが、しかし今あちこちで要請をされております例えばモザンビークの問題でございますとかルワンダの問題などを考えてみますと、ルワンダの問題を例にとりますと、フツ族、ツチ族という部族対立がああした悲劇を引き起こしておりまして、これらの部族は周辺の国にもそれぞれそうした部族の関係者がいるわけでございます。ということは、周辺の国がこのPKOにかかわって出ていけばいずれかの部族に支援をする形になってしまう。つまり、あそこで求められているのは、いずれの国、いずれの部族にも余り関係のない、つまり手を汚していないといいますか、白紙の状態で入っていける、そういう国、そういう地域からの支援というものがまずPKO、平和維持活動としては望ましい、こういうことが国連などでも考えられているのだと思うんです。  例えば、これは余り例がよくありませんが、宗教的な対立があるところに一方の宗教の色濃い国が出ていくということになると、これは割って入ってきた平和維持活動の人たちが宗教的背景からどうもどっちか一方に偏しているのではないかというふうに見られれば、これは平和維持活動は極めてしにくくなるということがございます。むしろ縁がない、手を汚していない、どちらにも色濃い関係がないということが非常に重要だというそういうこともあると思うんです。  ですから、確かに議員御指摘のように、アフリカの問題をアフリカ以外の国が飛んでいっていろいろやってみて、完全にそれは問題が解決できるかとおっしゃられると、確かにそういう御指摘もあると思いますが、まず内戦が一応おさまって両方がそれぞれ分かれて真ん中に平和維持活動が行われるというときには、やはりどちらとも縁がない者が行くというのは一つの考え方だろう。  しかし、議員お尋ねのように、ずっと離れたところに行って、気候もよくわからぬ、生活慣習、風習その地よくわからないところに行ってそうした活動をしてくださる方々にとっては大変御苦労の多いことだと思います。先ごろ、防衛庁長官は再びザイールを訪問されて自衛隊の活動を視察して帰ってこられたばかりでございますが、活動している人たちの御苦労は相当多かっただろうと我々も思っておりまして、それはおっしゃるように遠くまで行くということのハンディキャップがあるということはよくわかりますが、しかし平和維持活動そのものについては今私が御説明申し上げたようなことがあるということもぜひ御理解をいただきたいと思います。  さらに、議員が御指摘になりましたこうした問題は、武器が悲劇を非常に深刻にしているということはもう全くおっしゃるとおりだと思います。これはUNHCRの緒方さんとお目にかかったときにも緒方さんからしみじみ、もしあの内紛に武器がなかったら、確かに議員が今おっしゃるようにこんなに死者は出ていない、こんなにけが人は出ていないで済んだろう。いかにも武器をたくさん持ち過ぎている、ここに問題がある。したがって、武器の移動といいますか、武器の売買というものがこの悲惨な状況をつくる最大の原因になっていることは間違いがないというのは緒方さんのお話でもあり、議員の今の御指摘もそのとおりだと思います。  私は、先般の国連総会での演説の際にも、武器の売買というものにもっと多くの関心を寄せて、こうしたことがない、そういう状況をつくるべきだ。つまり、武器移転についてのルールをつくるべきだし、その透明性というものを確保すべきだということを私も申し上げたところでございますが、こうした点でさらに一層我々は努力しなければなるまいと思っております。  多岐にわたりまして、答弁が落ちておりましたらまた後ほどお願いします。
  172. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 国連の方では、何かというとどうも我々は日本に甘えるようなことがあるんじゃなかろうかという心配をするんですよ。それで安受け合いをしてほいほい行ったんじゃ、これはよこしてくれと言う方はいいかもしれないけれども、やらされる方は欠きに迷惑だと思うんですね。特に宗教上の問題が絡んだりするというと、これまた厄介だと思うんです。幾ら日本が仏教国だといったって、それだけにこの宗教上の問題で非常に難しいところは、これはやりにくいと思うんですよ。  ゴラン高原がどうとかこうとかという話がありましたけれども、あそこだって日本からえらく離れています。ああいうところは日本からはるばる行かなくてもいいから、なるべくならば近隣の国でやってごらんと、こういうふうに思うんですがね。そこのところは十分に、国連にいい顔をするために余り安受け合いをしないようにしてほしいというのは私の希望であります。  それから基地の問題でありますけれども、昨日沖縄でもって、きのうのことがもうきょうの新聞にも載っているのでコピーして参考までにお渡しいたしましたけれども、県道越えの砲撃の演習が非常にひどい、こういう話を聞きまして私どももその現地を見せてもらったんですけれども、百五十五ミリりゅう弾砲だとかその種の、昔で言えば重砲に属する大きな大砲の実弾射撃をやる。県道を越えて砲弾が飛んでくる。時折それがいろいろな犠牲を生ずる。けが人が出る。そしてまた非常に回数も多いんです、年平均三十三日から三十五日。まことに気前よく米軍は弾を撃っているんですよ。こういう実弾演習などというものは、沖縄でやることはなかろうというふうに私らは思うんです。あの小さな島でもって、こっちの海岸から撃った弾が向こうの浜辺へ届くような、そういうところでもってやられたんではたまったものじゃない。  たまたま、きのう私どもが会って話をした海兵隊の司令官のカールトン・フルフォード少将でしたな、階級は。地域における六千五百名ほどの配下を持っているかなりの立場にある人ですが、この人が本土に移設をするということも考えておると。それは富士のすそ野を考えているみたいだという話がありました。  それがいいか悪いかはともかくとして、その中で移設費用の半分を海兵隊が持って残りを日本側が負担するという、そういう意味の話をされたんです。どうも聞いてみると、今までそういうふうな折半でもって費用負担というような話は具体的に出たことがなかったということでありますが、これらの問題について政府としては関知しているのか、具体的に話題になっておるのか、決められるような状況にあるのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
  173. 宝珠山昇

    説明員(宝珠山昇君) 沖縄の県道一〇四号線越えの実弾射撃訓練の問題については、かねてから日米間で検討していることは御承知のとおりでございます。今、先生、フルフォード海兵隊司令官のお話がございましたが、これを沖縄以外のところに移して訓練することについてどうかという提案があったかどうかという点についてでございますと、この点ついては現在コメントできる状況にないことを御理解いただきたいと思います。  一般論として申し上げますと、訓練の経費につきまして日本側が半分であれ全部であれ負担することについては、現在の地位協定上は難しいと理解しております。  それから、場所について申し上げますと、これも一般論でございますが、沖縄で実施しているものをどこかに持っていくということになりますと、その移設先の自治体といいますか周辺住民の方の御意向というものも十分配慮する必要があろうと考えられるものでございまして、これらについても現在コメントできる状況にございません。
  174. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 来年は戦後五十周年でいろいろな行事も地元で計画をされているという話を聞きましたけれども、五十年もたってまだ戦争の傷跡を引きずっているというようなことは極めて遺憾だと思うんですよ。半世紀ですからね。こういうことを考えると、もう安保条約についてでもある程度これは考えてもらわにゃいかぬ。アメリカのような広大な土地を持っている国が何で自分のところで実弾射撃やらないんだと、こう言いたい。  富士のすそ野でどうだというようなことを考えているように聞きましたけれども、富士山のようなあんな大きな山は沖縄にはないんですよね。だから、その山林が樹木がなくなって、もうむき出しになっちゃっているんです、土が。赤茶けた土がむき出しになっているところへ雨が降ると、その土砂が海に流れ込むんです。海に流れ込むというと、沖縄の海というのは非常に青くてきれいなんですね、その青くてきれいな海がもう赤く濁ってしまうんです。そういうせいかどうか、レッドビーチなんて、そういう名前がついているんですがね。せっかくの美しい浜辺が汚されているんです。また、山林をそうやって荒らすこと自体が問題だと思うんですよね。  こういうことをやはり私はもう考えてもらわなきゃいかぬ、本当に日米の友好関係を考えるならば、この狭い日本のそのまた小さな沖縄のこの小さな山に砲撃を、毎日というわけではないけれども頻繁に行うというようなこと。しかも、具体的なことを一々申し上げませんが、今までにも少なからずの犠牲者が出ているわけです、日本人の犠牲者が。子供なんかも犠牲になっているわけです。こんなことはもういつまでもやるべきじゃないし、日本の領土を何か戦利品のように考えて、何をやってもいいというふうな感覚を持っていたとすれば、これは間違いだと思う。  ただ、軍人というのは一般人と違ってそういう感覚を持ちやすいんですよね、日本の軍隊でもそうだったんですから。アメリカの軍隊だって、ここはおれたちが占領したところだ、ずっと確保して好きなことをやっていていいんだというふうな認識を持たせてはいけないと思うんですね。  だから、長官はこの前も安保条約があるからと言われたけれども、安保条約だってもう五十年もたっていれば考えなきゃいかぬ。二言目には安保条約というふうに言っていたんしゃ、水戸黄門のお供の助さん格さんが印籠を出してこれが見えぬかというのは葵の紋だと。葵の紋のかわりに安保条約と書いてある。これが見えぬかとやる。これじゃ本当の日米間の友好関係というのは私は続かないと思うんです。その辺を考えて、やはり日本とアメリカとの関係を具体的にこういう問題のあるところから修復していくという考え方に立てないものかどうか。これは防衛庁長官に見解をお伺いしたいと思います。
  175. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 日米安保条約が我が国の平和と安全に果たしてきた役割は非常に大きいものがあると思います。また同時に、ポスト冷戦という言葉がありますけれども、しかし極東におきましてはまだ情勢が不透明な部分もたくさんあるわけでございますし、極めて不安定な面もあるわけであります。そういう意味におきましては、私はこの米軍の日本におけるプレゼンスといいますものは、やはり極東の平和と安定というものに大きなおもしになっている、安定の大きな役割を果たしている、こういうふうに考えるわけでございます。  しかし、今後のことにつきましては委員も御指摘のように、日米両国が協力をして共通の目的を達成するために努力することでありますから、我が国は米軍に対しまして基地を提供する義務を負っておるわけでございますけれども、しかしそれが両国の国民の間で十分理解され、協力をされるという基調で進んでいくということが大事だと、こう思うわけでございまして、個々の点について問題点があれば率直に問題を解決するように努力しなければなりませんし、また基地が必要ないというような場合におきましては、基地の整理統合のことにつきましても我々の方から申し出て解決をしていくと、こういう努力が必要であると思います。
  176. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 沖縄だけではなくて、東京周辺だって厚木基地であるとか横田基地であるとか、騒音問題で住民から訴訟が起きているんですね。そういう住民にとっては、年がら年じゅう爆音で悩まされるということはたまったものじゃないですね。特にこの砲撃なんかの演習は沖縄でやらなくたっていいと我々は思うんですよ。幾ら大砲を撃ったってあたり近所に人家がないような土地をたくさん持っているのはむしろアメリカなんですからね。日本はどこへ行ったって人家がある。そういう事情の違いがあるということを考えなきゃいかぬと思うし、また極東における不安定要因ということも考えなきゃいかぬという御答弁がありました。  それではもう一つ。P3Cの計画が問題になっておる本部町の方ですけれども、P3Cというのは大体どういう仕事をするのか。絶えて久しく私はP3Cというのは聞かなかったんですよ。もうこの問題はなくなっちゃったかと思ったら、沖縄へ行ったらまたこのP3Cという問題が出てきたんですね。びっくりしたんです。このP3Cは一体どういうのがその任務なのか、一言言ってください。
  177. 村田直昭

    説明員村田直昭君) 我が国は海に四面が囲まれているわけでございます。そして資源・エネルギー等を海外に依存しているということで、そういう意味で海上交通の安全を確保する能力を保持するということは非常に重要でございます。  その意味で、P3Cというのは対潜哨戒機でございますけれども、我が国周辺海域の監視、哨戒及び海上護衛を主任務とした航空機でございまして、非常に機動性に富み、広い海域の捜索及び迅速な対処が可能である等の特色を持っておりまして、我が国の海上交通の安全確保のために非常に重要なものであるということで、八戸、厚木、鹿屋、沖縄、那覇でございますか、そのような基地に配備をされておるということでございます。
  178. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 潜水艦に対応する飛行機ということでしょう。ところが、潜水艦を大量に持っていて日本に対する脅威になるような国が我々の周辺にあるかというと、かつてはソビエトが一応そういう仮想敵国のような役割を果たしていたかもしれないけれども、今のロシアは軍備の重圧でもって腰が抜けてしまったような格好になって、原子力潜水艦なんかはもう始末に困っておるという状況でしょう。ああいうものを使って日本を脅かすなどという動機もなければ理由もない。ロシアにしてもあるいは南北朝鮮にしても中国にしても、こういうものを大量に備えて日本を攻撃するという可能性などというものは考えられないというふうに思うし、その他の国々といったって、潜水艦を警戒しなければならないような国が我々の周辺を見渡しであるかというと、ないと思うんですよ。それらの国々との関係は外交上の努力によって幾らでも、もしトラブルがあったとしても修復できると思うんです。  そういう点を考えると、私はもうP3Cなどということを心配するのは時代おくれだというふうに思うんです。心配があるかないかということになると水かけ論になるけれども、もう絶えて久しく聞かなかったP3Cがこの沖縄ではまだ残っておるということを聞いて私はびっくりしたんです。だから、むしろ潜水艦に対応する対策を講ずる必要があるのかないのかということも今後の防衛のあり方について具体的に検討する必要があるんじゃないかなと、こういう気がいたします。抽象論ではなくて、現実論として周辺を眺めた場合にどうですか、防衛庁長官の見解をお伺いしたい。
  179. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) これは大いに議論すべきところだと思います。つまり、日本の周辺の国々の軍事的な能力がどの程度あるか、潜水艦を持っている国々がどの程度あるか、そしてその潜水艦を持っている国々が日本に対して敵意を持っているかと、こういうところをもっと明確に議論しなきゃいかぬ。  しかしながら、現在敵意を持っていなくても、場合によっては、政権が変わったり政変があることによりまして、もっと攻撃的、しかも悪意を持っている政府が出まして、軍事的な手段を用いて政治目的を達成するというような国が出現する可能性もあるということを考えておかなきゃいかぬ。  すべての国々が性善説で平和を志向し、全く他国に対して脅威を与えないという国ばかりであればよろしいわけでございますが、場合によりましては大きく情勢の変化があり得るというような場合、各国の平和を追求する気持ち、それだけにウエートを置いて防衛努力を行った場合におきまして、仮に思いがけない事態に遭遇して、我が国に大きな脅威がきたときには、防衛努力を怠った場合におきましては容易に他国の侵略を許してしまう、こういうことがあり得るわけでございます。  したがいまして、委員お説のとおり、例えば冷戦構造がなくなりまして、日本のP3Cの場合におきましてはソ連の潜水艦が潜在的な脅威であると、こういうような認識であった。しかし、その脅威がなくなったからといってP3Cを全部なくしてしまえ、こういうことにはならない。ある程度やはり数は削減するということも必要でありましょうし、いろんな検討をしなきゃならぬとは思いますけれども、今脅威がなくなったから全部なくしてしまえばいいと、こういうような考え方には立たないわけでございます。  やはり世界の国々が軍事力を持っておる限りにおきましては、そういういざという場合、昔から言われておりますように安にいて色を思う、備えあれば憂いなし、やはりこれは平時において危機を考えていくと、こういう意味だと思うわけでございますので、やはり現在の時点だけの物の考え方で将来をすべて規制してしまうということはいかがなものであるか、こう思うわけでございます。
  180. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 戦争なんというのは簡単にできるものじゃないし、莫大な金がかかるわけです。  例えば、先般、富士のすそ野で実弾演習を見せてもらいましたけれども、半日でもって二億六千万かかったというんですね、そうすると一日で五億ですよ。本物の戦になったら、お昼になったからやめるとか日が暮れたからあすにしようとかというわけにはいかないですよ、これは。弾を先に撃ち尽くした方が負けなんですよ、実際の戦闘では。  ガダルカナルの戦いの中で、ガダルカナルの兵隊が読んだ詩の中に「前線は撃てと呼ばわるに、我が方に弾なきをいかんせん」と、こういうような詩があったんですね。先にこっちの方は撃ち尽くしちゃった、向こうはどんどん撃ってくる、これでは勝負にならない。それほど金がかかるわけです。そういう莫大な金をかけて戦争ができる国は我が周辺には失礼だけれどもないというふうに私は考えるんです。だから、そういう国が戦争を始めようというような動機を起こさないようにするためには外交上の努力というものが必要だろう。  また、日本を攻めるにしたって制海権も制空権もなくて日本を攻撃するなんてことはできません。これは日本だけでなくてどこの国だってそうです。この前の大戦の我々の貴重な経験は、制海権、制空権なしで、そして島に立てこもって、そして食う物もない、弾薬もない、こういう状態で悲惨な最期を遂げた。こういう教訓があるわけでありますから、それらの教訓というものを生かすならば、余り挑発的におれの方はいつでも戦えるぞといったような姿勢を示す必要はなかろうと、こういう気がします。  この軍備の問題にしても、万が一だ、万が一だといったって、恐らくあり得ないような万が一に備えていたのでは、幾ら金があったって間に合わないということになるんですね。その点をやはり慎重に配慮して、特に予算の編成に当たってはここを聖域化しないで検討して節約できるものはどんどん節約していく、こういうことが基本的な考え方として必要ではないかなと、こういう気がいたしますが、官房長官にその点、政府としての見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
  181. 五十嵐広三

    国務大臣五十嵐広三君) 先ほども防衛予算に関します政府の考え方につきましては申し述べたとおりでございますが、今の傾聴すべき御意見等もごもっともと存ずる次第でございます。諸般の財政事情の窮状というようなものもあるわけでありますし、防衛予算につきましてもしっかり検討いたしまして、私ども間もなくの予算編成に臨んでまいりたい、このように存ずる次第であります。
  182. 岡野裕

    委員長岡野裕君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十五分散会