○武田節子君 私は、公明党の武田節子でございます。
今、
我が国は超
高齢化社会の本格的到来とあわせて超出生率低下時代を迎えております。そこで、
厚生省は生きがいと活力ある
高齢社会を目指して、安心して
介護を受けられる
社会づくりのために
現行ゴールドプランを大幅に拡充した新
ゴールドプランの
検討がなされておりますけれ
ども、ホーム
ヘルパー、
デイサービスの倍増、在宅支援センターの早期
整備、大都市における
老人福祉施設、
老人保健施設の
整備促進、重
介護を必要とする
高齢者の入院、入所の
確保など、
介護サービスを必要とするだれもが、いつでもどこでも必要とする
サービスを受けることのできる体制づくりを進めるというものでございます。その中で、在宅
介護支援センターについて
厚生省にお尋ねいたします。
実は、親の
介護、夫の
介護、子育てをしながら働く女性の
体験事例を通して在宅
介護支援センターについてお尋ねいたします。
田無市に住む安保さんという方なんですけれ
ども、次のような報告がございました。彼女は夫に先立たれて、二人のお子さんを育てながら働き続けている母子
家庭の母親でございます。
安保さんは、在宅
介護支援センターが
平成十一年まで一万カ所、中学校区に一カ所の割りで設けられるとの発表を聞いて、都内の
幾つかの区の実態を調べました。在宅
介護支援センターは
ゴールドプランの中の在宅
福祉施策の四本柱の
一つであるということから、これに関心を持ったようでございます。現在、中野区てはなし。北区二カ所。杉並区一カ所。江戸川区なし、しかし独自の形で進めておるようでございます。田無市なし。東大和市一カ所。この現状に驚いて、
厚生省に問い尋ねましたところ、
平成二年から三年間で全国七百九十一カ所、目標の八%。あと残りの九二%は七年間でできるのでしょうかと、大変心配の様子の報告がございました。
また、彼女は、
日本で初めての二十四時間ホームヘルプ
サービスが秋田の鷹巣町で始まったことを知って、早速電話をかけて聞いてみた。鷹巣町は人口二万四千人、
高齢化率一九%で、ホーム
ヘルパー常勤二十一名、非常勤二十名の体制となっています。安保さんの住んでいる田無市では、常勤
ヘルパーはたった二名、非常勤が十一名しかおりません。これでは必要なときに必要な
サービスは無理です。
鷹巣町で実際にこの制度を利用したのは七十三歳と六十九歳の二人暮らしの姉妹です。六十九歳の寝たきりの妹を七十三歳の姉が
介護していましたが、妹の容体が急に悪くなり、姉も二十四時間づきっきりの
介護で夜も寝られない状態になっていました。そんな状態を見た
ヘルパーさんから
福祉課に連絡をし、町長のゴーサインが出ました。現在では、
介護者の姉も安心して
生活をしているとのことでした。
秋田のこんな小さな町で二十四時間体制のホームヘルプ
サービスができたのは、朝日新聞の論説
委員の大熊由紀子さんの講演を町長初め行政、町民の
皆さんが聞いたのがきっかけとなりました、ということです。やはり、行政は現場に学べと言われておりますが、大変重要なことだと痛感しましたと強調しております。
また、各区の
実情を調べましたが、各区がばらばらで、また
PRが不足ですから
住民に余り利用されておりませんということで、非常に
PRが大事だということを言っております。
その後のもう
一つの例と一緒に御回答いただきたいと思いますが、次に、東大和市に住む熊谷さんという方の事例です。
昨年一月、夫が突然クモ膜下出血で倒れてしまいました。緊急手術をしないと命にかかわる重大な事態になってしまいました。夫の回復の見通しは全くつかず、私は仕事を続けられなくなり、会社からは退社勧告を受けて、昨年六月退職せざるを得ませんでした。こういうときに
介護休業制度があったらどんなによかったかと思うと、とても残念でなりません。夫はその後一種一級の障害者になってしまいましたが、一年二カ月の入院の後、本年四月二日、やっと退院することができました。さて、私が住んでいる東大和市にも在宅
介護支援センターが本年四月オープンいたしました。現状では電話による相談で、受付の時間も午前九時から午後八時まで、時間制限があります。在宅で
介護している私にとって、突然容体が変わったりしたときなど、相談したいときに相談できないということは非常に不安です。また、支援センターの受付では、六十五歳以上という年齢制限があります。
こうした現状から私は次の点を望みますということで、五点にわたった要望が来ておりました。
その一。この支援センターは、相談を受けたときにスムーズに用件が処理できるよう、
医療、
保健、
福祉の窓口の一本化を望みます。その二。
ゴールドプランでは二十四時間の相談となっていますが、現実は午前九時から午後八時まで電話で受けつけて翌日の返事となっております。二十四時間体制の
対応、アドバイスのできる支援を望みます。その三。現在の
ゴールドプランでは、
介護支援センターは中学校区に一カ所となっていますが、小学校区に一カ所を望みます。その四。年齢制限を外し、現在の在宅
介護支援センターの名称を、
高齢者や障害者を在宅で
介護する者への
生活の支援をするセンターとして、
生活支援センターという名称に変えてほしいと思います。その五。支援センターにいろんな人の相談がたくさん寄せられ、利用されることによって、マネージメントとしての力がつき、知恵がわき、実態に即した
対応ができるものと思います。多くの人が利用しやすいように、
PR、周知の徹底を望みますという報告が来ております。
まとめてこれに対する
厚生省からの御回答をお願いしたいと思います。