○
政府委員(
太田義武君)
総務審議官の
太田でございます。
本
調査会の
先生方には高齢問題を初め
厚生関係の
仕事でいろいろと御指導賜っておりますことを御礼申し上げたいと思います。
本日は、今、
委員長からお話がありました六月二十三日の御
提言に対しまして、これまで私
ども政府、特に
厚生省が取り組んでまいりました
内容、それから今後の
方向等について御
説明を申し上げたいと思います。
十四
項目の御
提言がございましたが、そのうち
厚生省に
関係する十三
項目につきまして御
説明を申し上げたいと思います。お手元に資料をお配りしてございます。ちょっと厚い資料でございまして三十九
ページございますが、これに沿いまして
説明をさせていただきたいと思います。
第一番目は、「新たな
高齢者福祉総合推進計画の
策定」という問題でございます。
本
調査会からの御
提言と同時に、三月二十八日に「二十一
世紀福祉ビジョン」というのが私
どもに示されまして、この中でも、新しい
ゴールドプランを作成してその積極的な
推進を図るべきであるというような
提言がなされております。さらに、地方自治体がこの三月末までに
老人保健福祉計画というものを
策定することになっておりまして、全
市町村でその
策定が終わっております。これらを受けまして私
ども厚生省としては新
ゴールドプランの
策定に向けて作業を進めておりますけれ
ども、先般九月でございますが、その具体的な案といいますか素案といいますか、それを提示いたしておるところでございます。
その
内容はまた後ほどいろいろ出てまいりますけれ
ども、次の二
ページをちょっとごらんいただければと思います。
現在の
ゴールドプラン、これは
平成元年に
策定いたしまして
平成二年から
平成十一年までの十カ年
計画でありますが、これがちょうど
折り返し時点に来ておりまして、これを
見直して新
ゴールドプランを
策定するということでございます。先ほど申し上げました
市町村の
計画を集計いたしますと、一つは、
整備目標量を大幅に
引き上げなければいけない、これから新しい
事業をさらに展開しなければいけない、そのような
内容になっております。まず、
目標の
引き上げとしては、
ホームヘルパーは現行十カ年
計画で十万人となっておりますがこれを二十万人にする、それから
デイサービスとかデイケアが現在一万カ所となっておりますが二万カ所にする、あるいは
ショートステイを五万人から六万人分にする、あるいは
特別養護老人ホームを二十四万人から三十万人分にするというような量的な
引き上げが一つございます。
さらに新しいものとして、②にございますけれ
ども、
老人訪問看護ステーション、これの
計画的な
整備を図る、あるいは
福祉用具の
研究開発、あるいは
痴呆性老人、これは後ほ
ども出てまいりますけれ
ども、その
総合的展開のための諸
施策、これを図ることを考えております。
さらに三番目といたしまして
基盤整備、その
支援策といたしまして、
マンパワーの
確保あるいは
住宅対策、
まちづくりの
推進等が述べられておるところでございます。
以下、三
ページにその新旧の
状況を
対照表にして載せてございます。
今申し上げた
ホームヘルパーとそれから
ショートステイ、
デイサービス、それに右の方の最後の行に
老人訪問看護ステーションというのがございます。さらに、その下に主な
新規施策として、
ホームヘルプサービスについては二十四時間
対応の巡回型の普及を図るというようなことも載せてございます。
また、
そういソフトだけではなくてハードとして
施設サービスは必要でございますので、
特別養護老人ホームを三十万人分としますが、その下の
真ん中の方に主な
新規施策といたしまして、
特別養護老人ホームの
基準面積の拡大、
個室化を図っていくというような
内容が盛り込まれております。
次の
ページに行きますと、
痴呆性老人対策あるいは
マンパワーの養成、
福祉用具の
開発普及推進等々、新しくこういう
項目を立てまして
施策の
推進を図っていくという案を出しておるわけでございます。
一
ページに戻ります。今後の
課題でございますけれ
ども、これはまだ案の段階でございますので、今後はその最終の
策定に向けて
関係方面との調整を急ぎたい、このように思っておる次第でございます。
二番目は、六
ページの「
マンパワーの
確保、
福祉マインドの
育成」という点でございます。
御
提言にありました
マンパワーとしては、
保健医療分野の
マンパワーとそれから
福祉に関する
マンパワーがございます。まず、
保健医療に関する
マンパワーにつきましては、
平成四年に
看護婦等の
人材確保の
促進に関する
法律というのを御制定いただきました。そしてそれを受けまして、
平成四年の十二月二十五日にこの
法律に基づくところの
基本指針というのを
策定いたしました。現在、この
基本指針に基づきまして、そこに並べてございますけれ
ども、
看護の日の設定あるいは
看護週間、これを通じてのPRあるいは
修学資金の貸与、
院内保育所の
充実、
養成所の
充実ということをやってまいっておりますが、特に六年度におきましては、各県に置かれます
ナースセンター、これを全
県コンピューターで
ネットワーク化いたしまして、
看護職員の就業の
促進を図ることとしております。さらに、
院内保育所につきまして二十四時間体制を確立したいということでございまして、その
充実を図ることとしております。さらに、来年度におきましては、特に
看護婦さんの中でも
訪問をして
看護される
訪問看護婦さんの研修の強化ということを図ることとしております。
次に、
福祉に関する
マンパワーの点でございますが、これも
医療関係と同じように
平成四年に
社会福祉事業法及び
社会福祉施設職員退職手当共済法の一部
改正法が制定されました。さらに、それを受けまして翌
平成五年の四月でございますけれ
ども、
基本指針というのをつくりました。この
基本指針に基づきまして、
都道府県福祉人材センターを全県に設置をいたし、また
施設職員の
福利厚生事業を全国共同化して行うということから
福利厚生センターというものを設置いたしまして
事業を開始しているところでございます。
なお、
平成七年度の要求におきましては、
施設職員の勤務時間の短縮あるいは
ホームヘルパーの手当の
改善等を行うこととしております。
次に、御
提言にありました第三点の
福祉マインドの
育成という点でございますけれ
ども、学童や
生徒の
福祉マインド、
青少年期からそういうことを醸成するということは大変極めて大事でございます。
そういうことで、
厚生省といたしましては、学童、
生徒の
ボランティア活動の
普及事業というのを行っております。これは、
ボランティア協力校を指定いたしまして、そこの
生徒さんに
施設訪問、交流、
相談、いろいろなことをやっていただくものでございますが、各県に大体八十校ぐらい選んでいただいております。この
制度は
昭和五十二年からスタートいたしまして、累計で
小中高で一万一千校がこの
ボランティア協力校となっていただいておりまして、全国の
小中高校の約四分の一が数の上では
協力校になっていただいているという
状況でございます。
また、
平成七年度からでございますけれ
ども、最近特に
企業の
方々、あるいは退職された
方々が
ボランティア活動を行いたいということが多くなってきておりますけれ
ども、私
どもとしても
シニアボランティア団体育成講座というのを設けて、一番最後の行でございますが、
企業を退職した方を
中心に、その
担当者といいますか
指導者クラスの方の
講習会、あるいは現に活動を行います方の
講習会、こういうものを行うようにしてございます。
例えば前に
運転関係の
仕事をされておったという
方々には、やはり
移送ボランティアとしていろんな活動する際の移送に参加していただくとか、あるいは
エンジニアリング関係の
仕事をされておったという方であれば、例えば
福祉機器の作製とか、
補助具とかあるいは
補装具とかそういうものの作製に携わっていただくというようなことを考えております。あるいは、
コンピューター関係で働いておられた方には、例えば
パソコン通信とかいろんな点訳とかそういう方に参加していただけるのではないかということで、ただ、いきなりというのもなかなか難しい点がございますので、このような講習を受けていただいてそれに参加していただくというような道を考えた次第でございます。
七
ページの今後の
課題でございますけれ
ども、まず全体として、先ほど申し上げました新
ゴールドプラン、この
マンパワーの
関係もそこに入れでございます。そういう意味で、新
ゴールドプランの
策定に向けて今後
関係方面との調整を図りたいと思います。
また、今後の
医療関係の職種の
マンパワーについて非常に大事なことは
資質の
向上ではないかということでございます。もちろん、今量的にもまだ必ずしも十分ではない点がありますが、
見通しとしては、特に
看護婦さんにつきましては大体量的な
見通しが立ちつつありますので、今後は
資質の
向上という点にシフトをしていかなければならないと思っております。特に、
看護職員の
方々につきましては四つの柱を立てておりまして、そこにちょっと述べておりますが、
離職防止を図っていく、あるいは先ほどの
ネットワークを使いました就業の
促進を図っていく、あるいは
養成力の強化を図っていく、あるいは
資質の
向上を図っていくということで、総合的な
看護職員確保対策を進めてまいりたいと思っております、
また、
福祉関係の
職員の
方々につきましては、特にその中核的な役割を担います
介護福祉士の
養成力、それから
福祉施設職員の勤務時間の短縮を含む処遇の改善、あるいは研修の
充実を通じた
資質の
向上等を図ってまいりたいというふう考えております。
八
ページ目は、先ほど申しました
医療関係職員の指針、そして下の方は
社会福祉関係の
従事者の
基本指針でございます。これは大きな
項目でございますが、これに基づきましていろいろなものが行われているということでございます。
それから、大きな
三つ目でございます。十
ページでございますが、「
高齢者向け住宅の
整備促進、
福祉の
まちづくりの
推進」というところでございます。
先に十一
ページをごらんいただきたいと思います。
高齢者の居住の
状況というのをごらんいただきます。
これは、下に書いてあります
平成二年度のいろんな
調査結果でございます。現時点では若干人数が変わってきておりますけれ
ども、こういう
状況で把握したものとして
平成二年のものが統一的にございます。六十五歳以上人口が千四百八十六万人ですが、そのうち
在宅、
つまり家におられる方が千三百九十万人、
施設に入っておられる方が九十六万人という
状況でございます。そのうち
在宅の方、家におられる方で
持ち家の方が千百八十七万人、借家が二百三万人、かつ
持ち家の中では一戸建てが千百四十三万人、共同が三十七万人、その他が七万人、こういうようになっておる
状況でございます。
こういうことから見ましても、ほとんどの
高齢者は自分のうちに住んでおられるということでございますし、さらに今後大事なことは、やはり
在宅を
中心とした政策がよろしいんではないかということで、そういうことを考えておりますので、今後ますます住
環境の
整備ということは重要だというふうに思っております。
厚生省関係では、特に①から④まで掲げましたが、
増改築に対する
融資制度、あるいは
住宅改造に関する
相談体制、これは
シルバー一一〇番と言っておりますが、あるいは
ケアハウス、これは
ゴールドプランの中にも出てまいりますが
ケアハウスの
整備、あるいは
建設省と連携いたしました
シルバーハウジングの実施ということを進めております。
もう少し具体的には十二
ページにそれぞれの
項目につきまして書いてございまして、
住宅改造では
各種資金の
貸付制度がございます。その中でも
年金福祉事業団による
年金在宅ケア割り増し融資制度というのもございます。それから、
住宅改造の
相談としては先ほど申し上げました
シルバー一一〇番、
平成五年度から
リフォームヘルパー制度をスタートさせております。また、
平成元年度から
ケアハウスというものをつくることとしております。これは、車いすや
ホームヘルパー等を活用いたしまして自立した
生活が継続できるように工夫された軽費の
老人ホームでございまして、一応
目標として
平成十一年度に十万人というのを考えております。
シルバーハウジングプロジェクトとして
昭和六十二年度から
建設省との
協力のもとに進んでおるというところでございます。
前にちょっと戻っていただきますが、十
ページの
二つ目は、個別のいわゆる点としての
住宅の
整備ではなくて、面としての
まちづくりというのが大事だろうということでございまして、私
どもは、
平成六年度の新しい
事業といたしまして
障害者や
高齢者にやさしい
まちづくりを
推進したいということでございまして、これは十三
ページに書いてございますが、
真ん中あたりに、
対象施設として病院とか
市民会館、
市町村庁舎等の既存の
公共施設に
点字ブロックの敷設とか段差の解消、エレベーターの設置、
自動ドア化等のためのいわゆる助成を行うという
内容でございまして、このような予算を組んでおるという次第でございます。
〔
会長退席、
理事竹山裕君着席〕
戻りまして次の十一
ページでございますが、今後の
課題といたしましては、十月七日にいわゆる
公共投資基本計画の
見直しが行われ、その
閣議了解がなされました。総額で四百二十兆円から六百三十兆円にするという
内容の
見直しでございますが、この中におきまして、
高齢者や
障害者が住みなれた家庭、地域で安心して
生活できるようにするための
施策が盛り込まれておりますので、
関係省庁と連携をいたしましてこの
関係の一層の
推進を図りたいというふうに考えております。
その
該当部分が一番下にちょっと小さい字でございますけれ
ども、
公共投資計画の抄として
閣議了解の分が出ております。御参照いただければと思います。
なお、上の四角に戻りますが、
民間事業者が
障害者や
高齢者に配慮した設備の
整備をするという場合に
税制上の措置をとっていただきたいということで、
平成七年度の
税制改正におきましては、
公共交通機関における
障害者や
高齢者に配慮した設備に対する
税制上の
優遇措置、具体的にはいわゆる
割り増し償却、従来の償却の二〇%を
割り増して償却を五年間認めてほしいというような
内容の要望を行っておるところでございます。
次に、十四
ページの「
国際家族年への適切な取組み」というところでございます。
国際家族年は、十五
ページにございますが、一九八九年、
平成元年でございますが、第四十四回の
国連総会におきまして一九九四年を、つまり本年でございますが、
国際家族年とする決議が採択されております。
共通スローガンは4にありますところの「
家族から始まる小さなデモクラシー」と
いう
スローガンでございますが、これを受けまして各種の
イベントをもちろん行うと同時に、着実な行政の
推進を図っていく必要があるということ一で、幾つかを今年度行うこととしております。
第二
バラグラフにございますが、
子供を産み育てやすい
環境の
整備を行う
環境の
整備が重要でございます。特に今年度、①といたしまして
子育て家庭を支援するための基金、これは
児童環境基金あるいは
こども未来基金といいますか、
児童環境基金というものを三百億円で創設してあります。また、全県に
児童環境づくり推進協議会というものを設置していただき、官民挙げての
環境づくりというのを
推進してもらうことにしております。
また二番目として、
児童関連情報を二十四時間
ネットワークで提供したい。といいますのは、最近の
状況は
お母さん方も働きに出ておられる、昼間なかなか
情報の入手が困難だということがたくさん出てきておりますので、例えば
コンビニエンスストアなどに育児に関する
情報が提供できる機能を持たせるというような形でございまして、そこで二十四時間
情報が得られる。それは
子育ての
相談もあれば、
子育てと就労の
関係の
相談もあれば、あるいはそういう
社会資源といいますか、どういうところにどういうものがあるかというような
情報もその
コンビニエンスストアなどで得られるというようなものでございまして、そういう
ネットワークを今年度からつくりたいというふうに考えております。
また③に、新しい試みとして
駅型保育モデル事業、従来は
保育所を設置して進めてきておるわけでございますが、あるいは
企業内の
保育所というのを設置し
促進してきておるわけでございますが、例えば朝出勤時に
子供を預けまして帰宅のときに
子供をまた受け取って帰るというようなことを考え、そのためには駅の近辺、
駅内等にそういう保育する場所を設け
保育事業を行ったらどうかということで、これはモデル的でございますけれ
ども、このような
事業を開始することとしております。
そのほか、
イベントといたしまして
国際シンポジウム等を行うということでございます。また、各県にもそのようないろいろな
イベントを行ってもらうこととしており、それに対する助成も行っておる次第でございます。
今後の
課題でございますけれ
ども、
少子社会ということで、現在
特殊出生率一・四六というような極めて少ない
状況でございます。大変将来大きな問題となるわけでございますので、私
どもは、今年度は
エンゼルプランプレリュードということで各種の
施策を進めておりますが、来年度
エンゼルプランという
総合計画を
策定したいということで
関係省庁と今協議をしているところでございます。
次は五番目の十六
ページでございますけれ
ども、「
社会保障における
家族のとらえ方の
整合性の
確保」、つまり
社会保障において
家族を
世帯単位でとるか、
個人単位でとるかという御提案かと思います。
現在までの
状況でございますけれ
ども、例えば
生活保護の場合は受給の
単位は
世帯単位とされておりますが、通常これは
生活が
世帯を
単位として行われているということからくるものでございます。
また、第二
バラグラフにありますが、
特別養護老人ホームの
費用徴収につきましては、
入居者本人からの徴収、ここに重点がございますけれ
ども、
扶養義務者からも限定的でございますが補完的に徴収を行うということでございまして、そういう意味では
個人単位であると同時に
世帯単位という考え方も入ってきております。
また、次の
医療保険でございますけれ
ども、これは
夫婦共同扶養、お互いにある程度
稼得能力がある場合の被
扶養者の認定についてでございます。従来は、普通は夫が
世帯主で妻が被
扶養者というのが一般であろうということから、
昭和六十年までは妻を被
扶養者というふうにして扱ってまいりましたが、
昭和六十年の
法律改正におきまして、
年間収入の多い方が
中心になって、そうでない方が被
扶養者になるというような形に改め、実態に応じた
対応を行ってきておるところでございます。
また、
年金につきましても、御承知のとおり、
昭和六十年の改正で一人一
年金の原則により
基礎年金が導入されました。
これは次の十七
ページをちょっとごらんいただきたいと思います。一番下の方の図でございますが、従来の
年金制度では
夫名義でいわゆる
厚生年金というのがございました。
定額部分がありました。奥さんがいれば
加給年金ということで加給されるという構成をとる。その上に、定額、加給のほかに
報酬比例というのがございましたが、これを六十年の改定では、
夫名義が夫の
基礎年金と
報酬比例、それから妻の場合は
基礎年金、三号被
保険者と呼んでおりますけれ
ども妻の名義の
年金、こういうような形に改正されました。そういうふうにして女性の
年金権が確立されたというふうに言われているわけでございます。
前の
ページに戻りますが、今後の
課題といたしましては、一概に全部
世帯か個人かという議論もあるかと思いますけれ
ども、それぞれの
制度の性質に応じまして
世帯単位、
個人単位というふうに今までされておりますので、
生活実態の
多様化、あるいは多様なニーズに変わってまいると思いますが、適宜
見直しを行っていく必要があるものと考えております。
次に、十八
ページの「
子育てと
子供の成長への支援」というところでございます。
先ほ
ども申し上げましたが、
平成六年度は第一段階として、
エンゼルプランプレリュードと銘打ちまして、
保育対策の
充実等、それから就労と育児の
両立支援のための総合的な
児童家庭対策の
推進に取り組んでおるところでございます。
特に、
保育需要が非常に
多様化している。
乳児保育とか
延長保育、そういうように大変御要望が強いわけでございます。特に
乳児保育につきましては、
保育所を六百六十一カ所増加して七千六百四十五カ所とすることとしております。現在、
保育所は二万二千カ所でございますので、その三分の一でこのような
乳児保育ができるということになるかと思います。また、時間
延長、通常は五時なり六時で終わるわけでございますけれ
ども、従来の
制度を
見直して二時間
延長、四時間
延長、六時間
延長の形態のサービスが実施できることとしております。
それから、児童クラブ、いわゆる学童保育、つまり、言葉は悪いですが、
保育所を卒業して小学校に入った
子供の放課後の問題でございますが、これに対して児童クラブという
制度を設けでございます。その児童クラブを
平成六年度予算におきましては、実施クラブ数を四千五百二十カ所というふうに増加させております。さらに、児童数が四十一人以上のクラブに対しましては、指導
職員一人が加配できるというような予算措置を講じることとしております。
また、児童手当でございますけれ
ども、ここは児童手当の支給とともに、いわゆるさきの通常国会、本年三月に児童手当法の改正を行っていただきまして、金銭の給付のほかに児童
育成事業というものを実施することができるようになりました。また、そのためのいわゆる料率を加算いたしまして、
企業等からその費用を徴収することができるようになる、これによりまして児童
育成事業が飛躍的に発展するものというふうに思っております。
今後の
課題といたしましては、先ほ
ども申し上げましたが、本格的な
エンゼルプラン、
子育て支援のための
総合計画、これをできるだけ早く
策定することであるというふうに思っておりまして、現在、
関係省庁と協議を進めておるところでございます。
その
内容については、もちろん今後の協議でございますけれ
ども、十九
ページに一応
厚生省関係分ということで
項目と
内容を載せてございます。もちろん、
子供の問題は雇用の問題、
住宅の問題、教育の問題と幅広く
関係してまいりますので、
厚生省関係分では十分ではございませんが、とりあえず
厚生省関係の
エンゼルプランということで素案をお示ししたところでございます。
厚生省の案でございますので、まだ
関係省庁とも
相談しておりませんし、また財政当局とも未調整でございます。
厚生省の考え方としてこのような案を今考えておるというふうにお受けとめいただければありがたいと思います。
その中で、特に1として
保育対策の
充実ということで下の方にございますが、特に低年齢児、三歳未満の受け入れ枠を現在の四十万を倍の八十万にしたい、あるいは
延長保育を二千二百三十カ所から
保育所の半分強の一万四千カ所に持っていきたいというような
内容でございます。
それから、保育料の軽減を図る、あるいは
保育所の多機能化のための
増改築を図っていく。現在の
保育所のかなりの部分は、非常に
保育所需要が多かった
昭和四十年代から五十年代にかけて
整備されております。今後十年間に耐用年数を迎える
保育所が三千五百カ所ほどあるというふうに考えられていまして、この三千五百カ所の改築を行いたいというふうに考えております。
それから、二十
ページに放課後児童対策、いわゆる児童クラブでございますが、これを先ほど四千五百二十カ所と申し上げましたが、三倍以上の一万五千カ所に持っていきたいというふうに考えております。
三番目は、母子
保健医療対策といたしまして、母子保健総合医療センターを
整備するということで、今後百二十カ所を
目標にしていきたい、あるいは乳幼児健康支援
デイサービス事業、これは病気回復期の乳幼児で、保護者が家庭で育児が困難である、そういう児童を対象にいたしまして
デイサービスが利用できるようにするというもので、現在三十カ所でございますが、二千二百カ所に持っていきたいというようなことを考えております。
大変くどいようでございますが、これはあくまでも
厚生省の素案でございまして、今後さらに
関係省庁と詰めてまいりたいというふうに考えております。
次は、二十一
ページ、その「
高齢者と
家族への支援」の問題でございます。
先ほどの新
ゴールドプランとダブるところがございますけれ
ども、第二
バラグラフでございます。
平成七年度予算で要求しておりまして、それは先ほ
どもちょっと触れましたけれ
ども、二十四時間
対応の巡回型の
ホームヘルパーを創設したいというふうに考えて要求しております。また
デイサービスというのは、老人の
方々がそこに一週間に一回とか二回とか行きましてサービスを受けるものでございますけれ
ども、この
事業の基準の弾力化というのを図っていく。
ちょっとわかりにくうございますけれ
ども、次の
ページをごらんいただきたいと思います。二番目の黒丸でございますが、D型というのは小規模のものである、E型というのは
痴呆性老人毎日通所型。先ほど申し上げましたように、
デイサービスといいますのは一週間に数回ということですけれ
ども、これは毎日行けるというようなものをE型と呼んでおります。その基準を弾力化する。特に、現在は補助対象定員というのが八人以上でございますけれ
ども、これを五人以上といたしまして、規模の小さいものでも補助が受けられるというような形に持っていきたいというふうに思っておるわけでございます。
それから、前の
ページに戻りますけれ
ども、
ゴールドプランの具体的な中身については先ほど申し上げたとおりですが、さらに今後は大変高齢の
方々が多くなるということで、必ずしも行政本体だけですべてのサービスが提供できるというわけでもなく、いろんな主体がいろんな形で参画していただかなければならないわけですが、そのためにはやはり
情報、
相談、そういう窓口がしっかりしていなければならないというふうに思っておりまして、その窓口になる
在宅介護支援センターというものがございます。これの
整備、機能強化というのを図っていく必要があると思います。
その
在宅介護支援センターの中身について、二十二
ページの二番目の大きな丸のところに書いてございますが、これは、本年六月の老人
福祉法の改正によりまして、
情報関係の窓口、
情報関係の
仕事を
在宅介護支援センターに委託できることにしておりまして、この
在宅介護支援センターも今度の改正で
法律上明確に位置づけられたものでございます。
また、この
在宅介護支援センターの機能強化を図るために七月に実施要綱を改正いたしまして、
事業内容の
見直しをしてございます。
また、この
在宅介護支援センターにつきましては、これも先ほどの
ゴールドプランの中に載せてございますけれ
ども、
整備を進めることといたしておりまして、
平成七年度の予算要求におきましては累計で三千四百カ所を
整備するということにしてございます。なお、
平成十一年度の
目標は一万カ所でございます。
今後の
課題は、先ほどと全くダブりますけれ
ども、新
ゴールドプランの
策定に向けまして
関係方面との調整を急いでまいりたいというふうに思っております。
次は二十三
ページ、八の「個々の
高齢者のニーズに
対応した介護システムの構築」ということでございます。
介護システムのあり方につきましては、黒丸の二番目でございますけれ
ども、私
ども厚生省に四月の十三日に
高齢者介護対策本部というのをつくりまして省内での検討を進めておりますが、さらに本年七月から学識経験者によります
高齢者介護・自立支援システム研究会というのをつくってございまして、そこにおきまして
高齢者の介護問題をめぐる基本的な論点とか考え方について今整理、検討を行っておるところでございます。
その研究会のテーマ等につきましては二十七
ページにございますけれ
ども、介護問題については、先ほど述べました二十一
世紀福祉ビジョンでも、将来の介護システムに関する検討を行うべきだというふうに述べられておりまして、それを受けまして本部をつくり、また七月にはこの研究会を発足させておりますが、この研究会では、2の(2)にございますけれ
ども、今日の社会経済
状況から見た介護問題、あるいは介護・自立支援に関する現行
制度の
対応と
課題、介護サービスに求められる特性と基本的なあり方、介護サービスを支える人材の
確保・養成、将来の介護システムに関する論点整理ということでございまして、こういうことを現在精力的に研究を行っておりまして、この研究会の報告は年内には取りまとめていただきたいというふうに思ってお願いをしているところでございます。
二十三
ページに戻らせていただきますが、一番上の白い丸の
三つ目の黒丸でございますが、ことしの十月から
医療保険各
保険者から拠出金を得まして、老人保健
施設整備あるいは
老人訪問看護ステーションの
整備等を行うこととしてございます。さらに、老人
関係の診療報酬の改定を図ることといたしまして、特に
在宅医療の
充実あるいは老人病棟、老人保健
施設における介護の
充実を図ることとしております。
その診療報酬の改定の中身につきましては、次の二十四
ページの下の方の白丸がございますけれ
ども、
在宅医療あるいは
施設内介護の
充実ということで、そこに挙げておりますような
内容の診療報酬改定を行っておるということでございます。
また大変恐縮ですが二十三
ページに戻っていただきますが、御
提言にありました医療ソーシャルワーカー、これにつきましては
平成元年二月に医療ソーシャルワーカー業務指針というのを作成いたしておりまして、またその研修会も実施しておるという
状況でございます。
今後の
課題でございますけれ
ども、先ほどの新
ゴールドプランのほか、一つは、新しい介護システムの構築に向けまして幅広い観点から検討を行ってまいりたいということは先ほど申し上げたとおりですが、さらに医療ソーシャルワーカーにつきましては
関係者の間にさまざまな御意見がございますので、直ちに資格
制度を創設するというのは困難ではないかというふうに考えておりますが、今後とも
関係者全体の意見を聞きながら合意の形成に努めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
なお、資料として二十五
ページ、二十六
ページに、
高齢者介護をめぐる国民の意識というもの等々の資料を載せておりますが、簡単に申し上げますと、現在、老後
生活に不安を感じている方が七九・九%、八割の方があるという数値。それから(2)に、要介護
高齢者の将来推計といたしましては、全体で寝たきりの方あるいは痴呆の方、虚弱老人の方を含めまして
平成五年には二百万でございますが、
平成十二年、二〇〇〇年には二百七十万、さらに十年後の
平成二十二年には三百九十万、ピーク時の
平成二十五年には五百二十万というようなことが推計されております。
さらに、(3)で六十五歳以上の入所をされている方がどういう
状況にあるかということでございますが、
特別養護老人ホームに入っている方が十六万人、老人保健
施設が二万人、六カ月以上の長期入院の方が三十万人という
状況でございます。以下省略させていただきます。
次に、二十九
ページに移らせていただきます。
九番目の御
提言は、「
高齢者医療における
生活の質の
向上と
高齢者の選択の尊重」ということでございます。いわゆる医療において
生活の質も
向上させなきゃいかぬということだと思います。それから、
高齢者の自主性といいますか選択、意思を尊重する必要があるということだと思います。
まず、これまででございますが、
高齢者をめぐります医療、療養
環境の
整備、特にハード面の
整備につきましては、
平成四年の医療法改正、私
どもはこれを第二次医療法改正と呼んでおりますが、第二次医療法改正によりまして療養型病床群というのを設けたわけでございます。これは三十一
ページに若干その
説明がしてございますけれ
ども、三十一
ページの一番上に、主として長期にわたり療養を必要とする患者を収容するために設けられた病床群でございまして、人的、物的な面においてふさわしい
環境、つまり人的には医療より
生活の質ということで、そういう
生活をポイントに置いた人的な配備、物的には広さも広くして、やはり暮らしやすいといいますか療養しやすい
環境づくり、そういうようなものを考えた病床群でございます。具体的には、この病院から各県知事に申請があって、それにふさわしいものを都道府県知事が許可を行うという
制度でございまして、そこにもございますが、
平成六年の六月三十日現在で百四十三病院、九千六百六十三床という数値が載っておりますが、私
どもとしては極めて順調にその療養型病床群が設けられつつあるのではないかというふうに思っております。
また前の二十九
ページに戻らせていただきますが、日本の病院は大変狭いし、暗いし、汚いというふうによく言われます。これらの病院をまさに近代化していくということは患者の療養
環境の改善になるわけでございますので、
平成五年度から医療
施設近代化
施設整備事業というのを行っております。従来、これは個人の病院に対しましてもこのような
施設近代化のための費用を助成するというものでございまして、従来の補助だと政策医療的なものに対する補助が
中心でございましたけれ
ども、今度は近代化のためにも補助ができるようにしたということでございます。近代化ですから、療養
環境、
生活環境あるいは職場
環境がよくなるようにするということは当然ですけれ
ども、さらに進んでインテリジェント化とか、そういうようなこともこれで図っていきたいというふうに考えておりまして、特に
平成七年度予算要求では百二億円の要求を盛り込んでおるところでございます。
その
内容を三十一
ページの二番目の白丸に書いてございます。おおむね三十年以上経過した病院、おおむねでございますが、原則でございまして、これ以下でももちろんいい場合もあるわけでございますが、一定の居室面積を
確保する。つまり広くするということを前提として、国三分の一、県三分の一以内、本人負担が三分の一というようなことでこの
事業を進めておるということでございまして、
平成五年度の
状況を見ますと、二十二病院、十九億四千八百三十万円が交付されておるということでございまして、また今年度分は各県からの要請を取りまとめ中でございます。
それから、また二十九
ページに戻っていただきますが、第二
バラグラフの診療報酬、いわゆるソフトの面におきましても、ことしは診療報酬の改定がこの四月と十月の二回行われておりますけれ
ども、四月の改定におきまして、入院中の療養
環境を総合的に評価するものとして入院
環境料というのを設けでございます。この中身につきましては、また次の次の三十一
ページにこの具体的な
内容を書いてございますけれ
ども、療養
環境関係では入院
環境料あるいは老人病棟
環境加算というのを設けて、浴室、食堂、談話室を備えていればこういうような加算をするというような
内容の診療報酬の改定がなされております。
大変恐縮ですが、また二十九
ページにお戻りいただきまして、第三パラグラフでございますけれ
ども、患者さんがお医者さん等からその
内容について十分な御
説明を受け同意された上で治療が行われるというインフォームド・コンセントでございますけれ
ども、これは御
提言にあります
高齢者の選択ということに非常に重要に
関係しているものであるわけですけれ
ども、そのインフォームド・コンセントにつきましては、インフォームド・コンセントの在り方に関する検討会というのを設置いたしておりまして、そこで検討しております。これが今年度内に報告書がまとめられるという
状況になっております。
また、末期医療に関しましては、
平成二年度から末期医療に関するケアの
講習会というのを現に実施してきておりまして、末期医療に関する知識と技術の普及に努めておりますが、先ほどと同じ四月の診療報酬改定におきましても
在宅におけるターミナルケアの評価というのを行いまして、
高齢者のQOL、クオリティー・オブ・ライフの
向上を図っておるということでございます。その診療報酬についても先ほどの三十一
ページに載せてございますが、省略させていただきます。
最後に、ホスピスにつきましては、適切なケアを行うことができる病床を診療報酬におきまして緩和ケア病棟として評価する
制度を設けておりまして、九月現在、十四医療機関二百九十三床が承認されておるところでございます。
次に、三十二
ページでございます。御
提言の十の「
痴呆性老人に対する処遇の総合的
推進」という御
提言でございます。
痴呆性老人の対策につきましては、老人性痴呆疾患センターを
整備するとか、あるいは老人保健
施設に痴呆専門棟を
整備するとか、あるいは
特別養護老人ホームや養護
老人ホームに
痴呆性老人の加算を認めるとか、従来から各種の
施策は行ってきたつもりでございます。
また、今年の六月二十八日に、
高齢者関係の三つの審議会がございます。老人保健審議会、あるいは公衆衛生審議会、中央社会
福祉審議会等ございますが、合同
委員会として設置されました
痴呆性老人対策に関する検討会というのがございまして、そこにおいて報告書がまとめられております。
その報告書の中身は次の三十三
ページに概要をまとめてありますが、要点だけ三十二
ページで申し上げますが、痴呆についての理解を
促進するための意識啓発と
情報の提供、二番目として痴呆症状をできるだけ早期に発見し早期に
対応する体制の確立、三番目として
痴呆性老人及び介護が必要なときに必要なサービスを利用できる体制の
整備ということを重点に
施策を展開すべきであるという報告がなされておりました。この報告書を受けまして、来年度、
平成七年度の概算要求におきましては、先ほ
どもちょっと申し上げましたけれ
ども、
デイサービスE型、いわゆる毎日通所する形の
痴呆性老人の
デイサービス、この基準の弾力化等の要求をしておるところでございます。
また、先ほどの
ゴールドプランの中でも一つの大きな
項目を立てまして、
痴呆性老人対策への
総合的展開を図るということをしたいというふうに考えており、今後の
課題といたしましては、これを含んだ全体の新
ゴールドプランを早く
策定したいというところでございます。
それから、三十四
ページをちょっとごらんいただければ、新
ゴールドプランの中でこういうふうに痴呆性
関係の
項目を実施したいという素案でございますが、特に(4)の①の第二
バラグラフ、このために対痴呆十カ年総合研究
計画を
策定するということが述べられております。
次は十一番目の
項目、三十五
ページでございますけれ
ども、「高齢社会に
対応した医学教育の
推進」ということでございます。
医学教育そのものは文部省で行われておるわけでございますけれ
ども、
厚生省関係では各種の養成
施設等がございます。あるいは臨床研修等がございます。そういう中で高齢化に
対応した教育、研修を
推進していく必要があるということでございますが、これまで研修といたしまして、病院等の管理者を補佐する
看護部門の責任者に対して
平成六年度より研修を実施するということをしております。
また、
看護職員の教育課程についても、医学・医療の高度化、専門化、あるいは
看護理論、技術の進展等に即応するために逐次その
見直しを行ってきておるところでございます。
また、医師の
関係では、医師の卒後の臨床研修、これは現在二年間臨床研修を行うようになっておりますけれ
ども、この研修を
充実させたいということで今現在検討を行っております。さらには、地域の医師の研修の場である地域医療研修センターの
整備、
訪問看護婦、これから高齢化を迎えまして
看護婦の中でも
訪問して
看護するという
訪問看護というのが重要性を増してまいりますのでその研修の実施、あるいは
看護婦養成所の教員の
確保と
資質の
向上を図ってまいりたいというふうに思っております。
総じて、先ほど申し上げましたが、
医療関係職員は、まだ少ない部分がございますけれ
ども、おおよそその量的な
目標は達成しつつあります。今後は、やはりその
資質の
向上ということを図っていく必要があると思っております。
三十六
ページの十二番目の「国民
年金制度の「空洞化」問題への
対応」というところでございます。
三十七
ページの資料をちょっとごらんいただきたいと思いますが、現在、国民
年金の未加入者というのは①にあるような
状況でございます。これは三次元のグラフを書いたつもりで、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、一番後ろの方に黒い棒が高くなっております。これは、つまり二十から二十九歳代の方で、かつ、都市の規模でとらえたものでございます。人口二十万以上の市、つまり大きな市の若い人が入っていないというようなことを示そうとしたものでございますけれ
ども、そういう未加入者というのは都市部の若年者に集中しておるということでございます。
三十六
ページに戻っていただきますが、いわゆる未加入者対策という問題につきまして、今の都市部の若年者でございますが、国民健康保険と連携を強化いたしまして、届け出漏れの防止あるいは個別の届け出奨励の徹底に取り組んでまいりたいと思います。
さらに未納者、入っておっても納付していない方がございます。それに対しましては、口座振替の
促進等を行いまして保険料を納付しやすい
環境をつくっていきたいというふうに思っています。
年金週間というのが定められておりますけれ
ども、そういう場を利用いたしまして広報活動を徹底してまいりたいというふうに思っていますし、また社会保険庁に
平成五年度から国民
年金都市対策室というのをつくっておりまして、都道府県や
市町村、地方公共団体と
協力してこの面の努力をしておるところでございます。そのいろんな対策の一覧は三十八
ページに載せてございますので、後ほどごらんいただければと思います。
今後の
課題でございますけれ
ども、三十六
ページに戻りますが、共通の
基礎年金番号というものを設定いたしまして各
制度間の
情報交換体制を
整備する必要があると思います。これによりまして届け出漏れを解消したいと思いますし、さらに
年金相談の迅速化を図りまして被
保険者へのサービスの
向上を図ってまいりたいというふうに思っております。
最後は三十九
ページ、十四番目の御
提言の「有料
老人ホーム被害の未然防止」という点でございます。
これにつきましては、有料
老人ホーム自身の表示の問題、それから運営の問題と二つあるかと思います。
まず、広告表示の問題につきましては、有料
老人ホーム設置運営指導指針というのがございまして、その中に入居希望者に対する正確な
情報の提供というのがありまして、この指導を徹底させたいと思っておりますが、さらに、全国有料
老人ホーム協会という社団法人がございまして、そこでも有料
老人ホームの広告等に関する基準というのをつくっていただいておりますので、これの周知徹底を図ってまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
また、運営の問題につきましては、先ほどの運営指導指針に基づきまして、着工前の市場ニーズの
調査あるいは入居見込み者の
確保、三年ごとの
見直し、こういうことを指導しておるところでございます。
より基本的には、ことしの三月に有料
老人ホームの健全
育成及び処遇の
向上に関する検討会というものを設けまして、ここで多面的な検討を行っております。例えば入居者に対する介護サービスのあり方とか、有料
老人ホームの経営安定化のための方策とか、契約方式のあり方とかあるいは設置運営
事業の今日的な位置づけとか、こういう点の多面的な検討を行っておりますが、今後は、この検討会の報告が今年度中、来年三月までには出されるものと思っておりますので、これらの報告を受けまして、有料
老人ホーム施策の一層の
充実を図っていきたいというふうに思っております。
以上でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。