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石田(美)
委員 今お答えいただきましたように、
社会教育の中ではいろいろと進んでいることは私も存じておりますし、私もそういうことに参加してまいりましたが、これは実際には
学校にいる間というのはかなり男女平等というのは
実現されている。
しかし、
社会に出て初めて女性は、自分が
社会人として非常に不利な立場にあるということを実感するわけでして、こうしたいろいろな
施策というのは、いわば病気に例えれば病が出てきてそこでいろいろな処方せんだとか治療を行っているというところだと思うのです。実際にはそういうことにならない以前の病気の予防だとか、あるいは健全な体を保てるようにするにはどうしたらいいかというのは、それ以前にこうした問題意識を持った、あるいは女性の場合ですと
子供を見ながら働く、そういうことが本当は私は正常な、正常はいけませんね、いろいろな選択があっていいんですけれども、より豊かな人生が送れるとすれば、女性としてはそのライフサイクルがどんなふうになるのか、あるいは歴史的にはどういう時期に自分
たちは生きているのかといったような基本的な
教育というのがそれ以前に行われなければいけないと思うのですけれども、さて下って、
高等教育の中ではこういう女性学といったものがどのように扱われているかお尋ねしたいんですけれども、ちょっと時間がありませんので先に進みたいと
思います。
大学、短大の中では、これは国立婦人
教育会館の方でそういった講座もありますし、資料もありまして、私もこちらに持っていまして、かなりの
大学でそうした女性学関連の科目が一つ、二つ、私も地元の岡山
大学で
学校の中で一つだけ講座がございまして、男性論、女性論というそれの講義に行っておりましたが、統計の上で
開議されている
大学の数といえば、パーセンテージは幾らか出ていますけれども、全体の中で実際にそうした男女ともに女性学、これは男性学も含まれ女性だけのものというわけではないのですけれども、女性学的な視点での科目を実際に受けるチャンスとなりますと、本当にまだまだ一部。これが例えばアメリカなんかですと、女性学そのものが学際的な学問になっておりまして、学部として存続しているというふうな比較ができるかと
思います。
さて、もっと高等
学校、中学、小
学校、特に
中学校、高等
学校の中でこうした女性学的なものがどのように扱われているかということ、も
うちょっと時間がありませんので飛ばして、ここに資料がございますが、お答えいただければもちろんですけれども、
学習指導要領にのっとって、中学のものとここに高等
学校のものを持っておりますけれども、高等
学校なんかですともう本当に一ページあるかないかでございます。女性解放運動も、単に明治の末ごろから活発となり、平塚雷鳥とか青鞜、青鞜というのはプルーストッキング、それが挙げられておりまして、市川房枝、新婦人協会を組織しというふうな本当に半ページあるかないか、名前が挙がっているだけというふうな状況でございます。
さて、じゃそういうことがほかの国でどうかと申しますと、ここに私も一冊の本を持ってまいっているのですけれども、これはアメリカの高等
学校の
社会科の教科書でございます。「われらアメリカの女
たち ドキュメント・アメリカ女性史」、私自身が訳した本なんですけれども、これが高等
学校の
社会科の教科書でございます。これはアメリカの高校生が女性学の時間に使っている教科書の一つでして、
社会科の中の一つのコースとしてあります。これは男生徒もそして女生徒も選択しているというふうな
一端がございます。この本は、御記憶にあるかと
思いますけれども、アメリカで宇宙飛行士、女性の宇宙飛行士、普通の人が乗った、高校の
先生が乗りましたね。それでスペースシャトルが破裂しまして死亡してしまった。あのときのマッコーリフさんというのは、実はニューハンプシャーのコンコードという高等
学校で女性学を教えていた
先生なんですね。その方が亡くなったときに、たしか今の副総理・外務
大臣の河野代議士が経済企画庁長官だったのですかね、国
会議員の方から弔慰金を集められてお送りになったのですね。その金額が何千万もの大きな額だった。ニューハンプシャーの
教育長が、そういうお金だったらといって、マッコーリフさんの後に
日本の女性史を教える人を募集したのです。それに応募して通ったのがこの宮城さんで、私の
友達でして、彼女がアメリカから高校の女性学の教科書を持って帰って、私と一緒に訳したものです。私はこれを教えていました、
大学で使っておりました。
こういうふうに、
日本では一ページしか扱われていない、しかし、そういう国ではこういう女性学に
教育の中で取り組んでいるという、こういう比較の中で、どうか少子化に対処できる
教育、特に
学校教育の中で今後こうした女性史といいますか女性学といったものにどう取り組んでいったらいいかということを、ぜひ御要望したいと
思いますし、今のような私の訴えに対して、ちょっと
文部大臣から御感想、これからのお気持ちをお伺いできればと
思います。