○田名部
委員 まあ
ウルグアイ・ラウンドで受け入れた程度のことはおやりになるんだろうと思います。これ以下でもそれ以上でもないと思っておられると思います。まあ、これ以上
議論しても何ですから先へ進みます。
今回のこの
法案を拝見して、私の感想から実は申し上げたいと思いますが、私はいま少し、私はもともと国内はより自由化にした方がいいという考えを持っておったものですから、一歩前進はしていると思いますが、もうちょっとやってよかったんじゃないのかな。それは、そうすることによって、新農政というものをつくらせていただいたんですが、これにもっと近づける、近づくことができる。これ、中途半端にやりますと、なかなか新農政が進まない要素を抱えておるというふうに実は感じているんです。ですから私は、今もっとチャンスだったな、この機会を逃すとなかなかまた、これはいろいろ抵抗もあるし、交通整理もできないという感じを実は持っておるわけです。
特に、企業的な感覚で
農業に取り組むべきだというのは、私の強い気持ちをあの新農政の中に入れさせていただいたんです。そのことは、結果的には
日本の
農業がよくなる。まあどんぶり勘定で、もうかったか損したかわからぬ
農業をやっているようでは、若い人たちは意欲的にもうこれはやっていくはずがない。それで、他
産業並みの収入も得られるというのがあの骨子だったわけですが、小農切り捨てかといって私は随分怒られました。小農は切り捨てるんではないんです。規模拡大する者、あるいは中山間地等の放棄地があればそれを買い取って、森林に造成して管理をその
地域にしてもらうとか、あるいはもう委託をする。趣味程度の
農業、兼業農家、これをだんだん区別していきませんと、これ全部一緒になって
議論しておるものですから、これは前へ進まぬのですよ。だから、そういうことをやって、規模の大きい人たちがより自由に米が売れるという体制に近づいてほしかったんです。
かつて私は、フロリアード、花のオリンピックといいますか、オランダに参りました。オランダのあの花の市場へ行ってみたら、だれそれの花ですというのが出てくるんですよ。そうすると、それで入札がぽんと入る。物すごく高いんです。もうブランド品になっちゃっているんです。
農業も一生懸命
努力しているんですから、いいものはもうブランドとして販売できるぐらいの
努力をすると、これみんな競争になっていきますよ。
だから、そういうことを考えると、生産をした人たちが売れる。もう今は農産物、私の地元でも、奥さん方が生産したものを自分で値段をつけて、名前を書いて、住所書いて、電話番号づけて売っていますよ。それは都会の人たちが皆買っていって、これはいいというと直接注文するようになっちゃっているんです。そういう時代があるんで、これは一挙にできないことは私もわかります。わかりますけれども、もうちょっとその方向を目指してほしかったということと、そのために、やっぱり
政府の関与する部分というのはなるたけ少なくした方がいい。あるいはこの規制も、したがって緩和して、
政府の責任と農家自身の責任というものを、もうちょっとはっきりした方がいいと思うんですね。
その辺が、まあ幾らかいろんな面で
努力の跡は見られますが、ちょっと足りなかったかなという感じを持つことと、まあ国家
貿易も、私はヒルズ通商代表と四回
交渉をやりましたが、国家
貿易がけしからぬ、こう言って、こればっかり責められた。ですから、いつかは国家
貿易というのは、これ守り切れるのかどうか、そのために国内の整備というのは必要だということになるわけですけれども、そういうことも将来やっぱり考えながらやっていくというのも入れておかなきゃいかぬ。
先ほどもどなたかから意見がありましたが、より多くの
議論をここで深めて、例えば、当時私、ミニマムアクセスのときに、
関税化した方がいいのかどうかというのを自分でも随分迷ったのですよ。高い
関税をやれば、最終的には八十万トンなんて入ってくるかどうかわからぬ。一部農産品にはありますよね、乳製品等は三〇%、六年後でも高い
関税を張って、それでもいいから
輸入したいという人は、これはもうやむを得ないわけですけれども。しかしまあ、これだけ国産米に、非常に
国民が外米は嫌だという志向が多いことを考えると、どっちがよかったかというのは私もよくわかりません。わかりませんが、
議論できる状況になかったのです、当時は。ですから、この機会に、これからいろんなことをやはり
議論して、農民もよく
理解してもらうということではないでしょうか。どうですか、農林大臣。