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1994-10-14 第131回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年十月十四日(金曜日)     午後一時開議 出席委員   委員長 鈴木 宗男君    理事 金田 英行君 理事 西銘 順治君    理事 松下 忠洋君 理事 長内 順一君    理事 仲村 正治君 理事 矢上 雅義君    理事 上原 康助君       粕谷  茂君    渡辺 省一君       石井 啓一君    北村 直人君       小平 忠正君    初村謙一郎君       広野ただし君    福島  豊君       金田 誠一君    鉢呂 吉雄君       荒井  聰君    古堅 実吉君  出席国務大臣         外 務 大 臣 河野 洋平君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 山口 鶴男君         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)     小里 貞利君  出席政府委員         北海道開発庁計         画監理官    大久保庄三君         外務省欧亜局長 野村 一成君         外務省条約局長 折田 正樹君  委員外出席者         防衛庁防衛局運         用課長     山崎信之郎君         国土庁防災局防         災企画課長   平川 勇夫君         厚生省生活衛生         局水道環境部水         道整備課長   浜田 康敬君         農林水産省畜産         局畜政課畜産総         合対策室長   黒木 幾雄君         水産庁漁政部協         同組合課長   高濱 正博君         水産庁漁港部防         災海岸課長   神瀬  哲君         運輸省鉄道局施         設課長     藤森 泰明君         気象庁地震火山         部地震火山業務         課長      栗原 隆治君         建設省河川局防         災課長     縣  保佑君         建設省住宅局民         間住宅課長   坂田 隆史君         自治大臣官房参         事官      三好 勝則君         自治大臣官房企         画室長     芳山 達郎君         消防庁防災課長 高田  恒君         特別委員会第一         調査室長    松本 圭右君     ――――――――――――― 委員異動 十月四日  辞任         補欠選任   武部  勤君     西銘 順治君 同月七日  辞任         補欠選任   古堅 実吉君     穀田 恵二君 同日  辞任         補欠選任   穀田 恵二君     古堅 実吉君 同月十一日  辞任         補欠選任   古堅 実吉君     吉井 英勝君 同日  辞任         補欠選任   吉井 英勝君     古堅 実吉君 同月十四日  辞任         補欠選任   船田  元君     北村 直人君 同日  辞任         補欠選任   北村 直人君     船田  元君 同日  理事武部勤君同月四日委員辞任につき、その補  欠として西銘順治君が理事に当選した。 同日  理事中川昭一君同日理事辞任につき、その補欠  として金田英行君が理事に当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  沖縄及び北方問題に関する件      ――――◇―――――
  2. 鈴木宗男

    鈴木委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事中川昭一君から、理事辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鈴木宗男

    鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  引き続き、理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任による欠員のほか、委員異動による欠員一名、計二名の理事欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鈴木宗男

    鈴木委員長 御異議なしと認めます。  よって、理事に       金田 英行君 及び 西銘 順治君を指名いたします。     〔委員長退席松下委員長代理着席〕      ――――◇―――――
  5. 松下忠洋

    松下委員長代理 次に、沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。
  6. 鈴木宗男

    鈴木委員長 外務大臣お尋ねしますけれども、今回、北海道東方沖地震があったわけですけれども、この地震における北方領土被害状況、並びに、北方四島に抑留されている日本漁船民が、乗組員がおるのですけれども、その安否状況について、現時点における正確な情報をお知らせいただきたいと思います。
  7. 河野洋平

    河野国務大臣 十一日付ロシア非常事態省災害処理委員会報告書によりますと、被害地域の総人口は二万二千四百人でございまして、被災者約千五百人と報告されております。死者九名、負傷者三十二名、四百十九世帯、およそ千三百人が家屋を喪失した、全壊家屋は百七十一軒、部分壊家屋は二百六軒との報告でございます。また、ロシア側からの情報によれば、十二日までに千五百五十五名が疎開をし、さらに千四百名が移住を希望しているとのことでございます。  その後の非常事態省の発表によりますと、先ほどのは十一日付でございますが、十二日までに死者は十一人に増加しているという報告もございます。  後段のお尋ねについては、事務当局から答弁させます。
  8. 野村一成

    野村(一)政府委員 抑留されております日本漁船員安否につきましてでございますが、ロシア外務省より、安全であるという確認を得ております。
  9. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 今大臣から、東方沖地震における四島の被害状況の詳細がわかったのですけれども、この地震によって、ロシア政府より日本外務省にはその復旧等について具体的にどのような要請があったのかについてお尋ねしたいと思います。
  10. 河野洋平

    河野国務大臣 政府といたしましては、今回の地震によりまして北方四島において多大な被害が発生したことにかんがみまして、非常事態における人道的見地から、現地ニーズを踏まえて支援を行うという考えでございますが、今お尋ねのように、状況等は、ロシア政府から、現地ニーズとしては、パン焼き器発電機魔法瓶ガスコンロなどが必要であるとの連絡がございました。これを踏まえまして我が国は、自主的に支援内容を検討した結果、昨日、千五百万円相当の支援を行うということを官房長官から発表した次第でございます。
  11. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 北方四島には、ロシア政府ヤーロフ首相、さらにはパノフ外務次官現地に入ってその被害状況を詳細に調査したというふうにも聞いております。ヤーロフ首相なりパノフ外務次官から正式にまた外交ルートでさらなる支援要請があるのかどうか、また、人の貢献だとか人的派遣について考えているのかどうか寸政府として今後どんな対応をするのか、お尋ねしたいと思います。
  12. 河野洋平

    河野国務大臣 現地支援の実施に当たりましては、現地ニーズを踏まえまして、物資供与基本として、人の派遣については、物資供与に必要な限度で実務者専門家派遣することとしたいと考えております。また、ロシア側より要請があれば、地震専門家派遣は検討できると考えております。  我が方といたしましては今後とも、今お尋ねのように、被害状況及び現地ニーズ把握に我が方としても努めたいと考えておりますし、必要であると認め得べき情報があれば、追加的な支援も検討いたしたいと思います。
  13. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 今、地震専門家派遣考えられると言いましたけれども、ほかの災害救助要員についてはどんなお考えでしょうか。
  14. 河野洋平

    河野国務大臣 災害救助要員について現地からはそのニーズはないというふうに、現地ニーズ確認をいたしまして、そういうことはないと承知をいたしております。
  15. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 北方四島はやはり自然の環境の厳しいところでありますから、これから寒さに向かいますので、人道支援だけは私はこれは速やかに行うべきだと。そういった意味では、きのうの食料だとか魔法瓶だとかガスコンロ等は、もうすぐ使えるものでありますから大変喜ばれると思いますので、政府対応にも敬意を表したい、こう思っております。なおまた、人道的な要請があれば速やかにやっていただきたい、こう思っております。  次に、大臣、十日に、渡辺ロ大使ロシア第一副首相との会談で、ロシア側より北方四島に自由経済地区を設けたい旨の打診がなされたとの報道がありますけれども、正確な話としてはどういった話だったのか、その具体的な、発表できる範囲内での話の内容会談内容を明らかにしていただきたい、こう思います。
  16. 河野洋平

    河野国務大臣 委員も御承知だと思いますが、サスコベッツロシア第一副首相訪日予定されております。そこで、サスコベッツ第一副首相訪日日程等の打ち合わせもあって、我が方の渡辺ロ大使サスコベッツ第一副首相に会っております。その際、日程を含めていろいろ話があったという報道がございますが、その詳細な内容については、コメントは、恐縮ですが差し控えさせていただきたいと思います。  一般論として申し上げれば、ロシア側管轄権を前提とするような自由経済地区といった考え方は、北方領土問題に関する我が国基本的立場にかんがみまして、我が方としては受け入れられないところでございます。情報等でこれらのことがいろいろ報道がなされておりますけれども一般論として申し上げれば、今申し上げた点に尽きると思います。
  17. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 今の答弁ですと、しからば管轄権を認めれば受け入れられるかという、私は裏返しをすればそういう話になるわけでありますけれども、その点ほどうなんでしょうか。
  18. 河野洋平

    河野国務大臣 ただいま私が申し上げましたのは一般論として申し上げたわけでございまして、渡辺大使サスコベッツ第一副首相との間の話の詳細は目下コメントを控えさせていただいております。機微に触れる点もございますので、少しその点は御容赦をいただきたいと思います。
  19. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 この自由経済地区の話なんかは、いっときエリツィンさんのあの五段階論のときも出てきた話でもありまして、私はさほど驚いてはいないのです。ただ、日本の従来の主張がありますし、管轄権云々で、一般論で言うべき話でもないし、ただ何となくかつての外務大臣経験者あたりが、それを受け入れてもいいのではないかみたいな話が出たり、ちょっと世論が動いているものですから、私はあえて大臣お尋ねをしたのでありますけれども、この点やはり日本の従来の主張というのがありますから、その枠というものは踏み外さないように、きちっと日本主張主張としてやっていただきたい、こう思っております。  あと大臣、時間もありませんから、北方四島における安全操業の問題、最近も銃撃があって漁船が沈没したというニュースも流れております。また、中国の漁船が撃たれて、亡くなったというような話も出てまいります。私は、北方水域における安全操業の問題は、やはりきちっとルールづくりをすることが、まず、こういった問題がなくなる、事故のなくなる最善の道だと思っているのです。  六月三日の外務委員会で、当時の外務大臣からは、八月中に日本側として何ができるかをまとめてロシア側と当たりたいというお話がありました。九月中に予備的意見交換といいますか、予備的交渉があったとも報道されておりますし、聞いております。この北方四島における安全操業進捗状況といいますか、現在における日ロ間においてはどこまで進んでおるのか、お尋ねをしたいと思います。
  20. 河野洋平

    河野国務大臣 安全操業の問題は、極めて重大な問題だと思います。操業をなさる方々の安全をいかにしていくかということを我々としては真剣に考えなければならないと思います。  北方四島周辺水域におきます日本漁船操業問題につきましては、政府としては、北方領土問題に関する我が方の基本的立場を万が一にも損なうことがあってはならない、これが基本的な立場でございますから、その枠内で何ができるかということを検討しているわけでございます。  鈴木委員お尋ねのように、このような検討の一環として、九月に事務レベルロシア側との間で非公式かっ予備的な意見交換を行ったわけでございますが、先般、国連総会の折にニューヨークにおきまして日ロ外相会談をいたしました。私、コズイレフ外相との間で会談を行いました際に、この問題について引き続き話し合いを続けていくということを申し上げ、そうした点、確認をされたところでございます。  我が方といたしましては、本件についてのロシア側との話し合いをできるだけ早く推進したいと考えておりまして、ロシア側準備が整うのであれば、今月中にも第二回目の意見交換を行いたいと考えている次第でございます。ロシア側準備が整うということが必要でございますが、若干、地震の問題などこれまで考えていなかった状態も出てきておりますが、いずれにせよ、我が方としては、先方の準備の整うのを待ってできるだけ早く行いたいという考えでございます。
  21. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 今大臣から、今月中にも第二回目の予備的交渉といいますか、予備的意見交換をしたいという日本側態度表明がなされたわけでありますけれども、私は、北方四島の自然状況から見ましても、さらには魚種の絡みからいきましても、何といってもあの地域で一番困っているのはスケソウダラの資源の問題なんです。  スケソウダラというのは一月からの漁でありますから、この一月ということを考えたならば、私は、十一月中にはまとめるのが最低のタイムリミットではないかと思っているのです。しからば、これは相手のある話でありますし、また外交交渉ではありますけれども、私はやはり、まとめるという方向で今外務省も動いていると思っておりますし、またそのための九月の予備的意見交換でもあったと思いますので、ぜひとも今月中にも二回目の意見交換をしたいという大臣お話でもありますから、十一月中に何とか両国で成案を得ていただきたい、こう私は思っているのですけれども大臣のお考えはどうでしょうか。
  22. 河野洋平

    河野国務大臣 議員も御承知のとおり、この手の交渉は、相手のあることでもございますし、なかなかこの交渉は微妙なところがございます。したがって、いつまでにできるかと言われて、できますと一方で胸を張るというわけにはまいりませんが、確かに御指摘のとおり、漁期の問題という問題がございます。この漁期を失えば、これはまた一年時間をロスしてしまうということになるわけで、できるだけ早く交渉をして、何らかの結論を導き出すということが重要だと考えております。  他方、余りそのことにこだわって、我々の筋、基本的な考え方を曲げるというわけにはまいらないところがございます。我々の基本的な崩してはならない姿勢というものをしっかりと踏まえながら、しかし漁民の皆さん方の御苦労、御苦心、心配を考えれば、できるだけ早くまとめる努力をするということが重要だと心得て、最善を尽くしたいと思います。
  23. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 大臣、今の答弁は非常に、漁期の問題も頭に入れつつ、考慮しつつやってくれるということで、それには私は、ある程度の感じはっかめるのですけれども、わかりやすく言わせてもらうならば、漁期の問題がある。さっき私が言ったように、スケソウダラというのは一月からだということも考えて逆算していくと、これはやはり十一月がタイムリミットだ。そうしなければ、今大臣答弁の中でおっしゃったとおり、また先送り、一年後でもまたいいような話になってしまいますので、もう少しわかりやすく大臣にお答えいただきたいのですけれども漁期も頭に入れながらできるだけ早くまとめたいということでよろしいのでしょうか。
  24. 河野洋平

    河野国務大臣 まさにおっしゃるとおりでございます。漁期の問題などを考慮しつつ、できるだけ早く解決するべく努力をいたします。
  25. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 ぜひとも、今の大臣漁期の問題、さっき私が言ったように、それはまさに十一月がある程度の時期だ、こう私は思っておりますので、相手のあることではありますけれども、その時期に向かっての最善外交努力というものをお願いしたいと思っております。そのことによってまた安全操業の秩序というのがきちっと確立される、こう思っておりますので、山口総務庁長官北方四島を視察していただきまして、地元も大変そういった問題についても期待をしておりますので、あわせてこれはお願いをしておきたいと思います。  最後に、地震の問題について触れますけれども、私も九日に根室から別海中標津、浜中、釧路と回らせていただきました。震度は六で釧路が一番大きかったのですけれども、実際は震度五の根室だとか中標津別海の方が被害は、酪農問題でも水産につきましても多うございます。特に公共施設、港、道路が大変でありますので、関係省庁にお願いしたいことは、一つ査定を速やかにやってもらうということ。  それから、これは建設省ですか、国土庁になりますか、査定はいつ幾日かが一つ。  あと、自治体としては普通交付税の前倒しをぜひともお願いしたいということ。十一月分の普通交付税ができたら十月にということですね。さらに、特別交付税で配慮をいただきたいということ。  さらに、局地激甚指定をしていただきたいということ。この局地激甚につきましては、標準税取との絡みがありまして、標準税収以上の被害がばければ該当しないわけでありますけれども、私は、自然災害ですから、ある程度拳々服膺といいますか、弾力的にこれは運用してもらいたいと思っのであります。きょうは北海道開発庁長官もお見えでありますから、この局地激甚につきましてはぜひとも国土庁等に働きかけをしていただきたい、ある程度の幅を持って対応してもらいたい、こう思うのです。以上四つ、各省庁から答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
  26. 縣保佑

    縣説明員 道路河川関係建設省所管施設でございますが、緊急を要するものにつきましては、査定を待たずに応急復旧をやるように指導しております。それから、現地では、今査定を受けるべく設計、積算の準備中でございますが、これを早めるために、建設本省からも査定官等派遣しまして、工法指導に当たらせる予定でございまして、今の予定でいきますと、国管理施設につきましては、今月中、今月末ごろでございます。それから補助については、何回かに及ぶと思いますが、第一回目は十一月十四日の週に予定をしておりますので、いずれにしても災害復旧に万全を期すように努力したいと思っております。
  27. 三好勝則

    三好説明員 東方沖地震被災地方公共団体につきましては、現在早急に調査を進めておりまして、実情を把握いたしまして、特に被害額が大きく、必要な団体には、普通交付税の繰り上げ交付措置をとりたいと考えております。  また、特別交付税の配分につきましては、今後被害状況財政状況を勘案いたしまして、関係団体財政運営に支障が生じないよう適切に対処してまいる所存でございます。
  28. 小里貞利

    小里国務大臣 今次の災害につきまして、深い関心と同時に積極的な御提言をいただいておるところでございますが、私ども北海道開発庁といたしましても、御承知いただいておりまするように、開発局対策本部を設置いたしまして、そして、ただいま具体的にお話がございました釧路、帯広、網走等にも災害対策本部を設置いたしまして、災害実態把握に努めてまいると同時に、ただいま御指摘がございました緊急対応措置、あるいはまた、かなり年度をかけてこれが復旧を要する事業計画等もあろうと思うのでございますが、これらの対処にただいまひたすら励んでおるところでございます。  特に、委員の方から御発言がございました激甚措置等を中心にいたしましてもろもろの、先ほど担当官の方から御発言がございましたが、それらのことにつきましても、開発庁という立場もございますが、積極的に御相談、督励を申し上げながら御期待に沿わなければならぬ、かように考えております。
  29. 平川勇夫

    平川説明員 激甚災害指定についてでございますけれども、これにつきましては、まず災害復旧事業費査定が必要でございますので、今後関係省庁におきまして速やかに査定作業を行うということになっております。これを受付まして、被害調査の結果を待って適切に対処していきたいと考えております。
  30. 鈴木宗男

    鈴木(宗)委員 防災課長さん、小里大臣の決意もありますし、そこの点は弾力的にやってもらうように重ねて要求して、質問を終えます。ありがとうございました。
  31. 松下忠洋

    松下委員長代理 鈴木宗男君の質疑は終了いたしました。     〔松下委員長代理退席委員長着席
  32. 鈴木宗男

    鈴木委員長 続いて、金田英行君。
  33. 金田英行

    金田(英)委員 今回の北海道東方沖地震で被災された国民皆さん、そして北方四島の皆さん方に心からお見舞い申し上げながら、若干、短い時間でありますが、質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず外務省お尋ねいたしたいのですが、ロシア世論調査において、民間機関でやったのですが、国際世論調査センターというところで北方領土についての世論調査をされておりますけれども、このことについて御存じかどうか、これについてどんな感触をお持ちなのか、外務省お尋ねしたいと思います。
  34. 野村一成

    野村(一)政府委員 今回の地震の後でございますけれどもモスクワそれからウラジオストクで行われましたロシアにおける世論調査の結果、北方領土返還に賛成する声が増加した、そういう情報があることは私ども承知いたしております。  それについてのコメントということでございますけれども、今回のような大規模な被害の発生という状況のもとで、何分ロシア国内世論の動向でございますので、政府としてそれについてコメントするのはいかがなものかなというふうに考えている次第でございます。
  35. 金田英行

    金田(英)委員 この調査によりますと、モスクワの千人、ウラジオストクの千人に対して、北方領土について返還すべきかどうかという世論調査をしております。ことしの五月には、モスクワにおいては一〇%が返還すべきだということだったのですが、今回の調査では、六〇%の人が返還すべきだというふうに世論が大きく変わってきております。また、ウラジオストクにおきましては、五月段階では六〇%の国民人たち返還すべきだと言っていたのが、これが何と八九%に返還すべきだという国民世論が変わってきております。また、北方四島の島民人力アンケート調査もいろいろと数字があるわけでありますけれども、もう七〇%の島民人力が、日本北方四島を返還すべきだというふうに変わってきているのであります。  このことは、これから北方四島問題をロシアといろいろと詰めていく上で大きな変化だ、かつてないほどの大きなさま変わり変化があったんだというふうに理解してよろしいかというふうに思うわけであります。  今まで日本国は、政経分離だとか、いろいろな形で北方四島の返還を求めてやってきたわけであります。ところが、最近に至ってロシア側から、ソスコベツ第一副首相の方から、自由経済地区を設けていただきたい、そのための費用を出していただきたい。あるいは、ポキージン提案というようなことで、金を何かもらえないか、入漁料、その入漁料を今回の災害復旧に充てたいという形で、北方四島の住民が大変苦労しておるわけでありまして、いろいろな数字がありますけれども、この北方四島に住んでいる住民、何と、最大限見積もっても約一万七千とか言われておりますが、その一万七千人の住民のうち、約一万人が疎開を希望している。そして、ロシア政府非常事態委員会ではこの移住対策問題を検討しておりまして、一世帯当たり日本円にして百七十二万円とかの疎開費用を補償しようというようなことがあります。そういったことで、この北方四島は、この疎開希望者等々を合わせますと、民間住民が約八千人。情報――情報なんですよ、これは。確実じゃないのですが、八千人。あるいは軍人とその家族を含めて二千五百人。何と一万人。一万七千人の島民のうち一万人の人力が、サハリンあるいはウラジオストク移住しようというような事態であります。小学校も、木造小学校が全部壊れておりまして、この冬を越せないという形で、勉強もできないという形で、学童疎開が始まっている。まさに、この北方四島の島民は約半減してしまうというのですか、七千人程度に半減してしまうというような大きな事態の変化であります。  そして、国民世論というのも大きく変わってきているこの事態を踏まえて、北方領土返還について、政府として今日までとは変わった画期的な動きを起こすべき時期に来ているのではないのか。まさに、経済と政治とは完全に不可分なんだよというようなことを言っている事態ではない。我が国有の領土であるこの四島がこんな事態になっているのだから、何とかして国として、日本国としてできることは講じなきゃならない。ついては、長年の懸案であるロシアとの北方四島返還交渉をあらゆる手段を講じて急遽進めるべきではないのか。  先ほど外務大臣から、第二回目のコズイレフ外相との会見も今月中にも予定したい、しておるというようなことでございましたけれども、今までの北方四島の返還交渉とは全く違った形で、まさに各分野総力を挙げて交渉をすべき時期、またその覚悟が必要だというふうに私は考えております。そのことについて、外務省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  36. 野村一成

    野村(一)政府委員 お答え申し上げます。  確かに先生御指摘のように、重要な変化ロシアにおいて起こっております。それはまさに、一言でロシアにおける改革と申しますけれども、改革という場合には、実は三つの重要な点がございます。  一つは、市場経済への移行、もう一つは政治の民主化、さらには法と正義に基づく外交を推進しましょう、そういうことであるがゆえに、私どもはそれに対する支援というものも行っているわけでございます。御指摘のように、この改革が成功するということはすなわち領土問題の解決にもプラスになるという基本的な考え方をとっております。  また、まさにこの領土返還交渉のことを考えますと、去年の十月のエリツィン大統領の訪日の際に署名されました東京宣言というのが非常に重要な基礎でございます。それに基づきまして、一歩一歩にせよ、きちんと政治自体は、これは外相レベルを含めまして、事務レベルもそうでございます、やっていくということが一方において非常に重要だと思っております。  同時に、まさに先生の御指摘にございましたが、領土返還というか、領土問題解決のための一種の環境整備といたしまして、やはりロシア国民の多くの人の正しい理解を得るということ。その国民という中には、四島の住民も入っております、さらにはロシアの国会議員もございます。そういう人たちの正しい理解を得るということがあわせて大事である。  何分決して簡単な道とは思いませんけれども、最大限努力して、解決に向けて積極的な努力を行っていきたい、そういうように考えておる次第でございます。
  37. 金田英行

    金田(英)委員 まさに世界の中で巨大なロシアでもあります。また大国意識の旺盛なロシアでもあります。また日本も、まさに安保理の常任理事国に立候補するというような、そういう経済大国にもなりました。そういった世界を引っ張る両大国が、本当に胸襟を開いてこの領土問題について話し合うべき時期だなという感じでおります。  例えば、ロシアについては、G7について何とか入れるように日本としてこういった協力もしましょう。あるいはシベリア開発について、こういった協力もすることができますよ。災害復旧については、人道上の問題だけでなくて、こういう形でシベリア等々に、サハリン等についてこういう協力もできますよ。まさに総合的な形で戦後最大の懸案であるこの北方四島の解決に今すぐ取り組み、そしてそれを何としてでも解決しようという姿勢が今求められているのだろうなというふうに思っております。  ポキージン提案について若干今の状況お尋ねいたしますけれども、まさに北方四島海域から根室周辺の漁民が締め出されているというようなことであります。何としても、入漁料を払ってでも、自分たちの生活のためにあの海域で操業させていただけるような環境をつくってほしい、まさにそれが住民の願いでありますけれども、今この時期に至って、北方四島を領有していることが何らかの経済的価値を生むのだというふうにロシアに思われるような行動は、断じてあってはならないというふうに思います。そうすることによって、やはりこの四島は持っていた方がいいのだ、日本返還しない方がいいのだという、そういった逆の立場考え方が発生するということも懸念されます。  しかし、このポキージン提案に動揺しておる、動揺というのか、何とかそういう状況を早くつくってくれないかということについて、復興、例えば対日支援という形で、今、今回は千五百万程度の人道上の物資支援が行われようとしておりますし、また、これはずっと続いていくと約一億円ぐらいになるのではないか。それから、いろいろな対日支援対応、既に政経不可分と言いながらも、もうその原則は崩れている状況でございます。そういった状況の中で、何とかして、このポキージン提案というのですか、入漁料でない形、もう各種の支援措置日本ロシアに対して講じているわけですから、そういった中で、住民、漁師たちの希望をかなえる方策というのを何とか模索していただきたい。緊急の問題でありますが、当面の問題として、そのことも重要であります。  これについてお考えがあれば、よろしくお願いします。
  38. 野村一成

    野村(一)政府委員 ただいま先生、ポキージン提案ということで言われましたけれども、ポキージン、これは、一つの小さな地方自治体の人でございます。彼が言っていることをポキージン提案というふうに一般には言われておるわけでございますけれども、この問題というのはすぐれて領土問題に関係いたします。したがいまして、これは中央政府が取り扱うべき問題でございまして、まさにそういう見地からロシア政府外務省と、先ほど大臣答弁にございましたように、非公式にせよ折衝を始めておるわけでございます。  この附題、先ほどの大臣の御答弁に尽きるわけでございますけれども、やはり崩しては絶対ならない立場というのはあるわけでございます。それを踏まえまして、同時に、漁民の長年の御苦労されたことに何らかの形でその枠の中でこたえることができないか、そのための知恵を絞れないかということで、双方、外務省努力している状況でございます。
  39. 金田英行

    金田(英)委員 最後の質問とさせていただきますけれども、やはり日ソの両国が平和な中でお互いに協力し合える関係を一日も早く立てるためには、どうしてもこの北方四島の返還を実現しなくてはなりません。そういった意味で、ロシアの最大の国益にもかなうことでもありますし、もう少し大局的な見地に立って、法と正義に立ってということでもあるのでしょうけれども、早く実現することが国際平和に必ずつながっていくのだというふうに思っていますので、一刻も早くどうしてもこれを片づけなければ、日本は、あるいは日ソの関係、両大国の関係が良好にいかないのだ、そういう意気込みで、今までとは違った形で外相会議それから北方四島の交渉に当たっていただきたい、そういうふうに思って、これについてはお答えが要りませんので、時間が来ましたので、これで質問を終わらせていただきます。
  40. 鈴木宗男

    鈴木委員長 続いて、長内順一君。
  41. 長内順一

    ○長内委員 改革の長内順一でございます。  私は、このたびの北海道東方沖地震に関連いたしまして、時間の関係もございますので、端的に数点お伺いをしたいと思います。  このたびの地震につきましては、当初、マグニチュード八・一という大変大規模な地震であったのにもかかわらず被害が意外と小さかったのではないかというようなお話がございましたが、日がたつにつれ、大変大きな被害があるということが確認されたところでございます。この場におきまして、この地震におきまして被災された皆様に対し、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  まず、災害復旧事業につきまして数点お伺いをさせていただきたいと思います。  今回さまざまな形で北海道の東方地域に大変な被害をもたらしているわけでございまして、先ほどもさまざまな形のお尋ねがございましたが、改めて私からも、この被害についての速やかな復旧事業の促進をお訴えさせていただきたい、このように思う次第でございます。  一つは、先ほどお話がございましたけれども、私も地震発生の翌日、十月の五日でございますが、現地へ伺いました。戻ってから、その後も地元からさまざまな形で要望が来ております。先ほどもお話がございましたような、例えば局地激甚災害指定の適用、こんなこともぜひお願いしたいということも来ておりますし、それからまた各自治体におきましては、これは復旧作業等、それから調査自体にもえらい金と時間がかかるということもございまして、普通交付税の繰り上げたとか特別交付税の配分に対する御配慮、また地方債、これについてもぜひともお考えいただきたい、こんな要望が来ておるところでございます。  特に、先ほどちょっとお話にはございませんでしたが、北海道はやはり農林水産業の大変な一大地でございまして、この影響も随分出ているようでございます。私のところでは、例えば羅臼では、水産業でございますが、刺し網漁船二十四隻が破損しただとか、それから海の中にあります刺し網が流出してなくなってしまった、こんなこと。それから、各漁港では岸壁にひび割れが起きているだとかという被害が随分出ているようでございます。また酪農では、全国一の酪農地域でございます別海町や中標津町を中心に、サイロの崩壊、破損、それから農道が寸断されている、また、酪農におけるライフラインでございます停電だとか断水、こんなことによって乳牛の搾乳作業にえらい支障を来している、こんなことも報告されているわけでございます。また、先ほど触れておりませんでしたが、商工業者の方も大変な状態である。こんなことを考えた場合に、私は、ぜひとも先ほどのようなことを進めるのと同時に、これら農水関係の方、商工業者の方にも手厚い災害復旧の援助をすべきではないか。そんな意味では、いろいろな財政面、金融面、また、これまで借りている資金の償還条件の緩和だとか、こんなことも含めての対策がこれから必要であるということをお訴えしたいわけでございますが、これについて対策があれば、ぜひとも答弁をしていただきたいと思います。  さらに、私は、この災害復旧の問題、まとめてお話をしてしまいますけれども災害が起きる、特に北海道なんというのは、最近とみに災害が集中している地域でございます。そんな中で、この復旧作業には大変な資金が、経費がかかることは当然のことでございますが、これが地方の自治体にとりましては、大きな負担になっていることも事実でございます、こんな受益者負担と申しますか、都道府県なり市町村が負担する、この大きな負担に対して、例えば災害復興基金制度、このようなことも以前災害特別委員会で随分議論されているようでございますが、その後進捗がどんなふうになっているのか、こんなこともお伺いしておきたいと思います。
  42. 高濱正博

    ○高濱説明員 お答え申し上げます。  災害復旧のための資金を必要といたします漁業者の皆様方に対しましては、農林漁業金融公庫の漁船資金でございますとか、農林漁業施設資金等の低利資金を用意しているところでございます。また、災害によりまして、当面収入の減少を来すことが予想されるような漁業者に対しましては、そういう収入の減を補てんするために必要な資金につきまして、これも農林漁業金融公庫でございますが、沿岸漁業経営安定資金を用意しているところでございます。さらに、災害復旧を目的としたものではございませんけれども、新たに施設の設置や、漁船、漁具等の取得を行うための資金といたしましては、漁業近代化資金の活用が可能でございます。  私ども水産庁といたしましては、今後これらの資金の有効な活用を図りまして、被害漁業者の経営の安定を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。  以上でございます。
  43. 黒木幾雄

    ○黒木説明員 今回の地震被害を受けました酪農家に対する対策、こういうお尋ねでございました。  御質問の中に、最初、停電、断水の話がありましたので、その状況をまずちょっと御説明しておきますと、畜産関係承知している範囲内なのですが、地震が起きまして停電が起きましたけれども、この停電の関係は、次の十月の五日の夜二十時前にはこれらが全面復旧した、こういうふうに聞いております。また、水道の方は、これは断水関係でございますが、これは現在も一部まだ水がとまっているところもございますが、かなり復旧してきておるようでございます。ただ、水の関係は、この間も給水車等を出しまして支障のないようにということで対応している、こういうふうに聞いております。  それから、サイロ等の話がございました。北海道の道庁の方から聞いておるところによりますと、今回の地震で、畜舎等が八百九十棟、それからサイロが七十五基、こういうところに被害が出ておる、こういうふうに聞いております。  畜産局の方では、これはお話がありましたように大変な酪農の大きな地帯でございますので、その被害状況を的確に把握しようということで、この十一日、十二日に政府調査団の一員として担当官を被災地域派遣いたしました。そういうことで、被害状況の正確な把握に努めている、こういう状況でございます。  ただ、そういう被害状況把握に努めながら、畜産局といたしまして、二つほど手を打ちました。  一つは、サイロが倒れているというようなことでございますので、中に収穫しましたえさが詰まっておるところですが、御承知のように、密封状態からまた外の空気に触れるということで二次発酵のおそれもありますので、そういう面につきまして、品質確保対策、これは安全に、作業に注意しながらやってほしい、こういうことで、道庁に対して指導したところでございます。  もう一点は、衛生の関係でございます。道庁の家畜保健衛生所等を通じまして、巡回指導、こういうものを強化するようにということで指導を行ったところでございます。  それから、畜舎、サイロ等の施設の破損につきましては、これはこれからの問題かと思いますが、農林漁業金融公庫の農林漁業施設資金といったような災害復旧関係の資金がございます。こういう面で、資金が必要となった酪農家に対しましては、このような資金が円滑に融通が行われるよう、関係機関と連絡を密にしながら対処してまいりたいというふうに考えてございます。  いずれにしましても、地域の本当に基幹的な産業でございます酪農の経営の安定を確保するということを基本としまして、関係省庁なり北海道庁、関係市町村と密接な連携をとりつつ適切に対処してまいりたい、こういうふうに考えでございます。  以上です。
  44. 平川勇夫

    平川説明員 まず、国に災害復興基金を設置する構想についてでございますけれども、これにつきましては、現行制度のもとで、激甚災害制度を初め極めて多岐にわたる対策を整えているところでございます。また、国費による基金には制約が多く、柔軟性にも欠けるのではないか、こういうことの理由から、全国一律の仕組みとして国に基金を設置しますよりは、被災地の実情ですとか災害の態様などに応じまして対策を講じていく方が適当ではないかと考えておる次第でございます。  また、激甚災害指定の件につきましては、災害復旧事業費査定が必要でございますので、これにつきまして関係省庁査定作業を急ぐということになっております。この結果を受けまして、適切に対処していきたいと考えておるところでございます。
  45. 三好勝則

    三好説明員 今回の被災地方公共団体につきましては、実情を早急に調査いたしまして、特に、被害額が大きくて必要な団体には普通交付税の繰り上げ交付措置をとりますとともに、今後被害状況財政状況を勘案いたしまして、地方債の配分、特別交付税の配分に当たりまして、関係団体財政運営に支障が生じないよう、適切に対処してまいります。
  46. 長内順一

    ○長内委員 いずれにいたしましても、こういう事態でございますので、特段の配慮で、そして特にすべてにかかわることは、やはり査定作業というのが非常に重要になってくると思います。そんなことで、全力投球でお願いしたいと申し上げておきたいと思います。  時間がちょっとないようですので、飛ばしまして、こういう災害の教訓をどのように生かしていくかということが非常に大事ではなかろうか、その場合にやはり一つは、この災害の教訓を生かすためには今のような救済措置を、防災をどうするかというようなことが一つではないか、それともう一つは、やはりこの予防、これをどうしたらいいのかということがポイントではないか、私はこんなふうに考えるわけでございます。  今回は情報通信体制が非常にうまくいったのかなというふうに私は考えておるわけでございます。これは、昨年の北海道南西沖地震の教訓で消防庁が大変御努力され、また気象庁が大変御努力された結果がな、こんなふうに考えているわけでございます。  前段飛ばしまして、実はここに、平成五年十一月二十六日、消防庁長官の名前で「津波対策等の強化・推進について」ということで徹底事項が出されているのでありますが、その二番目に「情報通信体制の充実」ということで、(一)に市町村防災無線の同時報道システムの整備促進に一生懸命頑張るべきであるというようなことが書かれているわけでございます。  私ちょっと調べてみますと、市町村の防災行政無線の整備率なのですが、五三・六%とえらい低いわけでございますけれども、これはもっと促進を図るべきであると考えておりますので、この辺の御認識について伺いたいと思います。  それからまた、私は、余りこういう緊急時の通報システムというのは人の手から人の手に渡っていくようなやり方は好ましくないと考えております。自動的に震源地から、例えば住民のところまでストレートに情報が行くようなことは考えられないのか、こんなこともあわせてお伺いしたいと思います。  二点でございます。
  47. 高田恒

    高田説明員 まず、市町村防災行政無線の整備についてでございますが、その重要性にかんがみまして、私ども国庫補助制度あるいは防災まちづくり事業等の活用によりましてその促進を強く指導してきた結果、整備率は着実に上がっているところでございます。平成六年度におきましては、市町村防災行政無線の整備のために十二億八千五百万円の国庫補助金を計上してございます。また、防災まちづくり事業の活用というものも図ることにしてございまして、その整備の一層の促進を図っているところでございます。今後ともその整備を促進してまいりたいと考えております。  次に、自動的に異常気象をキャッチをいたしまして人手を介さないで住民に伝達するシステムでございますが、地震災害時において、特に電源地近傍の地域にありましては、地震に伴います火災、津波などによる被害を未然に防止するための情報の迅速かつ的確な伝達が極めて重要であると認識してございます。私どもでは、このような状況にかんがみまして、各市町村役場等に設置した地震計が一定以上の加速度を感知した場合に、市町村防災行政無線、同報系の無線でございますが、これを起動いたしまして屋外拡声器を通じ住民災害対応に必要な情報等を伝達するシステムの整備に係る新たな補助制度を考えているところでございます。
  48. 長内順一

    ○長内委員 時間がなくなってしまいましたので、最後に一問だけお伺いしておきたいと思います。  現在、このようなもののほかに、今の防災無線を補完するために地域衛星通信ネットワトクシステムというのがございまして、これもやはり早期整備を図ることになっております。私がいただいた資料によりますと、これがなかなかすばらしいものでありますけれども、ただ地震や津波などの災害が最も多い北海道が未整備になっておるわけでございまして、この整備計画の見通しをお示しいただきたいと思います。  また、この衛星を使った防災システムの今後の展開、特に気象庁のひまわりとのリンクはどのようになるのか。私は、これからはやはりさまざまなこういうマルチメディアといいますか、いろんな機器を駆使しながら防災に努める、これが一つのあり方ではないかな、こんなふうに考えております。  そんな意味では、山口長官も見えておりますので、全体的な横の連携ですね、六省庁か何かで津波その他の災害に対する連絡会議を持っているというようなことも伺っておりますけれども、ぜひともそういうマルチメディア、新しい体制での防災に努める、この辺の御決意を最後にいただきたいと思います。
  49. 山口鶴男

    山口国務大臣 我が国は世界有数の地震国であることはもう国民皆さん方御存じのとおりであります。また、それだけに地震に対する科学的な研究も世界の中では最も進歩しているのではないかと思います。また、御指摘のありましたような防災のためのさまざまな近代的な施設を整備するという問題も、これは早急に国が力を入れなければならぬ課題であるということは御指摘のとおりだろうと存じます。  したがいまして、総務庁といたしましては、行政監察というのが総務庁の仕事でございます。昨年は気象庁の仕事に対しまして監察等も行いまして、そうして改善すべきところは指摘もしてまいったわけでございますが、今後御指摘のありましたような防災上の行政を総合的に進めていくためのシステムづくりはどうあるべきかという点につきまして、必要とあらば監察も行い、御期待にこたえるように努力をいたしたいものと思っている次第でございます。
  50. 芳山達郎

    ○芳山説明員 地域衛星通信ネットワークの整備についてでありますが、現在十九都県、千百六十四市町村で整備され、運行されております。そのほか、十三道府県において現在整備が進められております。北海道におきましても、平成五年度から実施設計に入っておりまして、平成九年度までには支庁、本庁、市町村、道出先機関を結ぶネットワーク整備が完了する見込みであります。自治省としましても、引き続きふるさとづくり事業等の活用によりまして鋭意整備に努めてまいりたいというぐあいに考えております。  また、衛星ネットワークを通じての津波予報の気象情報を伝達することは有効な手段でございますので、現在その方策について消防庁において具体的な検討を行っております。  以上でございます。
  51. 長内順一

    ○長内委員 終わります。
  52. 鈴木宗男

    鈴木委員長 続いて、北村直人君。
  53. 北村直人

    北村委員 我が国の国有の領土であります北方四島を含めた今回の北海道東方沖地震、大変な被害が出されました。被害を受けられた皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  そうしまして、この北海道東方沖地震被害調査をしておりました航空自衛隊員の二名が殉職をされたことに対しましても、私個人としても、被害地に住んでいる一人としまして哀悼の意を表する次第でございます。また、御遺族の皆様方にもお悔やみを申し上げる次第でございます。  こういうことがございましたので、防衛庁の方に、今回のこの地震におきまして、その対応というものをいかになさったのかということをお伺いをしたいと思います。
  54. 山崎信之郎

    ○山崎説明員 お答え申し上げます。  先般、北海道東方沖地震の際にとりました自衛隊の対応につきましては、各自衛隊ごとに申し上げますと以下のとおりでございます。  まず陸上自衛隊につきましては、地震発生後直ちに、帯広に所在をしております第五師団でまず隊員を非常呼集いたしまして所要の勤務体制をとりましたほか、千歳の第七師団及び札幌の第一一師団におきましても情報所というものを開設いたしまして情報収集体制の強化を図って、災害派遣に迅速に対処できる体制をとっております。  それから、海上自衛隊につきましても、同様に大湊の艦艇部隊を中心に艦艇五隻、それから航空機につきましても五機が待機態勢をとっておりまして、これも同様に災害派遣に迅速に対処できる体制をとらせていただきました。  航空自衛隊につきましても、同様に北部航空方面隊等で隊員を非常呼集いたしまして、災害派遣に迅速に対応できる体制をとったと同時に、偵察機等の航空機を十一機飛ばしまして、火災、津波等の状況把握するための航空偵察活動を実施いたしました。  また、これに加えまして、地震発生の翌日でございますが、北海道知事からの御要請を受けまして、陸上自衛隊は中標津可及び別海町において給水活動を開始をいたしまして、十日に撤収するまでの間、人員延べ約三百五十名、車両延べ約百四十両によりまして、合計約百三十五トンの給水を実施をいたしました。  また、航空自衛隊も、発生の翌日に同様に北海道知事からの御要請を受けまして、根室市において同様の給水活動を開始しております。  以上でございます。
  55. 北村直人

    北村委員 大変、地域皆さんは今回のこの被災に対する協力支援ということに心から感謝をしております。日ごろからの御助力に心から敬意を表する次第でございます。  さて、これは新聞の情報でございますけれども、ポキジン南クリル地区長がタス通信に対しまして、とれは越冬用の燃料タンクからディーゼル油が一千トン海に流れたという一部報道がございますけれども、もしこれが本当であれば、これは漁業関係者を初め環境に多大の影響を及ぼすということになるわけでございますが、この報道、あるいはこういうことが実際にあるのかどうか、そこら辺を外務省はとらえているのでしょうか。
  56. 野村一成

    野村(一)政府委員 お答えを申し上げます。  ただいま先生御指摘報道があるということは承知いたしておりますが、何分、事実関係について現在情報を収集中でございます。
  57. 北村直人

    北村委員 情報を収集中ということでございますが、もしこれが事実とすれば大変大きな被害になりますので、情報を収集の上、またロシアに対してもしかるべく申し入れ等々をお願い申し上げる次第でございます。  さて、今回の東方沖地震、気象庁の報道というのでしょうか、釧路震度六、根室中標津震度五、あるいはマグニチュード七・九がマグニチュード八・一というふうに訂正をされたわけでございますけれども地域によってあるいは、素人の考えではございますけれども、断層等々によってはその揺れ方というのはかなり違うんだと思います。気象庁として、今回のこの観測調査で、根室市あるいは根室管内、そしてまた釧路管内、こういう震度あるいはそういうことについての考え方というのをできれば披瀝していただきたいと思います。
  58. 栗原隆治

    ○栗原説明員 御説明申し上げます。  先生御指摘のとおり、今回の北海道東方沖地震につきましては、気象庁の観測地点としましては、あの地域では根室測候所、それから中標津というところに観測点がございまして、この震度の観測結果は震度五でございます。が、震度といいますものは、状況によっては場所によりまして、かなり近いところの、地盤の状況、それから人体で感ずる場合は建物、そういう状況によって異なってまいります。  気象庁におきましては、この地震の直後、直ちに現地に、地震及び津波の状況調査ということで地震機動観測班というものを派遣いたしました。これらの調査の結果によりますと、地割れ等、それから地面の状況あるいは建物の破損状況、そういうものから判断しまして、根室周辺におきましてはおおむね震度五でございますが、一部の地域においては震度六であったと推定される部分がございます。  以上のとおりでございます。
  59. 北村直人

    北村委員 なかなか予知あるいは報道というのは難しいとは思います。しかし、六日の気象審議会では、この震度情報の充実という観点から、震度三以上については震度情報地震発生から二分程度で出して、あわせて震度の判断材料の見直しと、津波の高さも三段階から五段階ないしは六段階に分けるよう出されております。  今回の地震にかんがみまして、偶然が重なり合ってこの震度表示がおくれたりした、また、正確な情報を提供するという観点から、震度計の設置箇所を今よりもやはりふやしていく必要があるのではないか、私はこう思います。そういった地震の発生状況等を勘案した対応というものを、今後やはり政府はしっかりととっていっていただきたい、このことは御答弁は要りませんが、要望として強くお願いをする次第でございます。  さて、総務庁長官、十月一日に、これは大変御苦労さまでございました。見ていただいてすぐ地震ということでございまして、大変御心配されたと思いますし、そういった意味では、被災を受けられた地域の方々も大変、見ていただいて、隣接地域の振興あるいは北方領土が帰ってくる、そういうことを心待ちにしているわけであります。  そういった意味では、昨年の七月の南西沖地震の際には、特に地震が発生してから二日後には当時の総理大臣が被災地を視察をされたということがございます。今回は村山総理が誕生をしております。なかなか北方地域に総理が、鈴木元総理が視察して以来一度も入っていない。いろいろな関係があるんだと思いますけれども、同じ盟友でございます村山総理と山口長官でございますので、ぜひ長官から総理に、あの地域、これは地震ということばかりではなくて、ぜひ視察、そしてまた総理がみずから北方四島に全力を挙げる、そういう姿勢をとっていただけるように、これはもう総務庁長官しかおりませんので、ぜひそれに御尽力をいただきたい。ひとつ御答弁というよりもその心構えをお聞かせいただければありがたいと思います。
  60. 山口鶴男

    山口国務大臣 去る十月一日、二日、北方四島、視察をさせていただきました。  なぜ十月一日に行ったかと申しますと、御案内だと思いますが、行政手続法という法律が十月一日施行になったわけでございます。今まで官と民の関係と申しますか、何か官が上で民が下というような嫌いが多かったと思うのですが、今度の行政手続法では、今度民の方から官に対して書類の提出を求めることもできる、そういう意味では、官と民との間の壁を取り払うという意味では、画期的な法律だろうと思います。したがいまして、この北海道と北方四島とにある目に見えない壁を取り払うという願いを込めて、ちょうど十月一日がいいんじゃないかと思ってお邪魔に参った次第でございます。大矢根室市長さん初め関係市町村長さん、住民皆さんから切々たる訴えを承りました。その中には、ぜひ総理大臣がこの北方四島を調査に来てほしいというお話もございました。ただいま予算委員会も進行中でございまして、なかなか総理も多忙だと思いますが、いずれ機会を見まして、村山総理に対してそういった北方四島の皆さん方の願いを直接伝えて、総理の判断をいただこうと思っている次第でございます。  なお、私調査いたしました直後、四日にあのような地震がございました。テレビ等であのときお目にかかりました大矢市長さん初め皆さん方が、先頭に立って懸命に災害対策に尽痺しておられる姿をテレビで拝見いたしまして、大変感銘をいたした次第でございます。
  61. 北村直人

    北村委員 長官の心強い支援があれば総理の北方視察も可能だ、このように私自身感じたところでございます。  さて、先ほども同僚の長内議員も御質問等々がこざいました。今回の地震、マグニチュード八・一というのは、これはちょうど昭和二十七年の十勝沖地震に次ぐ近来まれに見る大きな地震でございました。その割には人的な被害というのは非常に最小限度に抑えられた。津波も、これもそう大きなものではなかった。私は、加えてこの地方自治体の今までの教訓というものが非常に生かされた、そう思っております。  さらにまた、昨年の釧路地震で大変な教訓をいただいた開発庁あるいは道の土木部の皆さんの適切な処置があって、混乱がない中に交通網の確保をしていただいたとか、あるいは迅速な被災地の視察の段取りをしていただいたとか、大変事務方の皆さんに、特に現場の皆さんに心から感謝を申し上げる次第でございます。  ただ、今回、住民の足でありますJRの根室本線あるいは釧網本線の一部が、これは見通しがつかないというふうな状況でございます。これはJRですから民間といえばそれまででございますけれども、運輸省の方にお聞きをいたしたいと思いますが、特にあの地域の地盤あるいは湿原、そして軟弱な、そういったことを考えて、災害に大変強いそういった交通網の整備をしていかなければならない、こう思うわけでありますけれども、運輸省の見解をお聞かせをいただきたいと思います。
  62. 藤森泰明

    ○藤森説明員 今回の地震による鉄道関係被害状況につきましては、今先生御指摘のとおり、JR北海道の根室本線ほか二線区及び釧路開発埠頭におきまして約三百七十カ所で被害が発生したという報告を受けております。  地震に強い鉄道の整備ということでございますが、釧路湿原等と鉄道の被害との因果関係について、現在のところまだ私ども情報が手に入っておりませんのでこの場で正しいお答えができないところでございますが、いずれにしましても、今回の復旧に当たりましては、専門家でございます鉄道総合技術研究所というところの協力を得ながらこの対策を進めたいというふうにJRの方では考えておりまして、鉄道総合技術研究所におきまして地質調査を行い、それに対応しました適切な復旧あるいは対策工法というものを考えて、それに従いましてJR北海道の方で具体的な復旧を進めていくというふうにしているところでございます。
  63. 北村直人

    北村委員 今回も公共施設等々の被害が大変大きいわけでございます。しかしその中で、被害が全くないとは言いませんけれども、なかったのはやはり空港でございます。  中標津空港あるいは釧路空港は、若干見えない亀裂が入ったのかもわかりませんけれども、しかし、あの空港の工法というのでしょうか、工事の工法というのは大変被害に強いというのでしょうか、そういうものに強いと素人ながら思います。と申しますのは、昨年の釧路地震のときに国道四十四号線で何百メーターにわたって大変陥没をしたところがございます。その工事がちょうど飛行場をつくっていくのと同じような工法でやっていかれた、そこのところがほとんど無傷である、これは北海道開発庁の方々の非常に綿密な設計のたまものでないかと思うわけでございます。  そういった、特に北方領土の隣接のこの地域釧路湿原、基盤的に非常に軟弱のところがございますので、これからの公共の施設の復旧に当たりましては、本当に災害に強い、そういった工事等々をぜひ考えていただきたい、このように思うとこみでございます。  公共事業につきましては、これは災害復旧につきまして、先ほど同僚の長内議員からも、局地の激甚災害指定を受けさせていただいて迅速な対応をお願いするというお話がございました。  それと加えて、一般の市民の皆さん、特に昨年の釧路地震で住宅等々にかなり被害を受けた方々がおいでになります。それを一部直したり、あるいは住宅金融公庫を使って直された方々がおいでになります。そういう借金をして、さあこれからというときにまた今回の地震がありまして、泣きっ面にハチみたいなところがあるわけであります。  特にこの住宅公庫等々の災害復旧の資金については、ある一定の基準はあると思いますけれども、こういう、まあ普通は災害は忘れたころにやってくるというのが、今回は忘れないうちにやってきたというところでございますので、特に本当に声なき声の人力、こういった全壊したり半壊した人力は、これはもう仕方がないと笑って、本当にもう笑うしかありませんなんという方もおいでになりましたけれども、壁ですとか土台ですとか、そういうところに非常に亀裂だとか被害を受けた方々に、住宅金融公庫として災害のための資金、あるいは今までは棚上げをしてもらうだとか低利のもの、そういうものをやはり考えていかなければならない、私はこう思うわけでございますが、いかがでしょうか。
  64. 坂田隆史

    ○坂田説明員 現在住宅金融公庫の融資を借りておられる方々につきましては、災害で罹災された場合につきまして公庫の融資の条件を緩和する仕組みがございます。例えば、融資を受けた住宅が損害を受けられた場合でその復旧に相当の自己資金が入り用になった、そのために余裕がなくなったというようなケースにつきましては、償還元金の払込期間を据え置くとか、あるいは罹災の程度に応じまして据置期間中の利率を引き下げる、さらには償還期間を延長するなどの仕組みを用意されているところでございます。  また、罹災された方々が被害を受けた住宅の修理を行う場合につきましては、リフォームローンの特別貸付制度というのがございまして、金利は一般の場合と同じでございますけれども、一般のリフォームローンが年四回の受け付けになっておりますのに対しまして、特別貸し付けは罹災後一年以内であればいつでも貸し付けを行うことができるようになっております。  この融資条件の緩和あるいはリフォームローンの特別貸し付け、いずれにつきましても、申し出がございました場合には迅速に対応するように建設省といたしましては公庫を指導してまいりたい、このように考えているところございます。
  65. 北村直人

    北村委員 時間がありませんのではしょることになりますが、今のお話ですと、なかなかちょっと難しいのかなというふうな感じもしないわけではありません。国土庁の防災局の方の被害状況では、住宅の被害というのは二千九十九ということでございます。これは床上浸水、床下浸水も含めて、一部破損も含めてですけれども、そういった二千を超える住宅に被害があるわけでございますので、どうぞ今までの規定どおりというそういう格式張ったことではなくて、こういう時期にはやはり温かな配慮というものが必要になるのではないかな、このように思います。加えて中小企業の方々、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫、こういった政府系の金融機関の対応、これらもやはりきちっと対応していただきたいな。そうすると、環境衛生関係の公庫も横並びでやれるわけでございますので、まだしっかり出ていないようなことも聞いておりますので、これはお答え要りませんが、ぜひそういった政府の金融機関の対応について特段の御配慮をいただきたい、このようにお願いを申し上げます。  そして、最後になりますけれども、重ねて自治省にお願いいたします。  先ほどから普通交付税の繰り上げ交付特別交付税の配分に関してという御答弁、それぞれの先生方にございましたけれども、この被害にかんがみて、地方自治体の財政圧迫にならないように、ぜひこれも特段の御配慮をいただきたい、このようにお願いを申し上げる次第でございます。  さらに、北海道開発庁皆さんには、現地で本当に御苦労されていると思いますけれども、ぜひ一日も早い査定、そして積算、査定も高い査定でぜひこれはやってあげてください。そういった中で、災害に強い地域づくりのために現場で働いている職員の方々に報いるためにも、それぞれの省庁の特段の御配慮を心からお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
  66. 鈴木宗男

    鈴木委員長 金田誠一君。
  67. 金田誠一

    金田(誠)委員 今回初めて河北の委員会に入れさせていただきました。新米でございますが、ひとつよろしくお願いいたします。  まず、北海道開発庁お尋ねをしたいと思うわけでございます。  去年の釧路沖、そして未曾有の冷害がございまして、ようやくことしはまあ豊作、ほっと一息というやさきに、今回の災害にまた襲われるということで、釧路根室地域の方々、お見舞いの申し上げようもない、言葉もない、そんなような気持ちでいるわけでございますけれども、本当にお気の毒に思うわけでございます。それだけに国の立場でできる限り迅速に、かつ温かい対応をしていただくということが何より肝要だと思うわけでございます。  私ども、そういう立場で、地震の後、七日でございますけれども、私どもの上原康助委員長を団長といたしまして、現地に党として調査団を派遣いたしました。つぶさに現地を拝見させていただきまして、そして緊急必要な手だてというものを四項目にまとめたわけでございます。  その一つは、「被災地の特殊性に鑑み、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」の弾力的運用を図り、同法に基づく激甚災害としての指定」を急いでいただきたい。二つ目は、「農・林・水産業及び土木、医療、社会福祉、中小企業、教育施設等の被害状況を速やかに把握し、必要な対策」を早急に講じていただきたい。三つ目は、「被災市町村に対する普通交付税の繰り上げ交付特別交付税の重点配分、地方債等による十分な財源措置」を講じていただきたい。そして四つ目は、「余震がいまなお続いていることから、地震・津波情報など防災情報体制を強化するとともに、観測地点、機器及び人員配置など予知観測体制の増強整備」を図っていただきたい。  こういう四項目に取りまとめをいたしまして、関係省庁、それぞれお願いを申し上げているところでございますが、ぜひひとつ開発庁といたしまして、各省庁にそれなりに働きかけを強めていただいて、この要望項目の一日も早い実現方に御努力をいただきたいものと思うわけでございますが、ひとつ御所見をまず承りたいと思います。     〔委員長退席松下委員長代理着席
  68. 大久保庄三

    ○大久保政府委員 お答えいたします。  北海道開発庁といたしましては、地震発生直後に現地の北海道開発局災害対策本部を置きまして、また、さらに釧路開発建設部、帯広、網走の開発建設部に災害対策本部を設置いたしまして、さらには政府関係省庁連絡会議に加わりまして、担当官を派遣いたしまして、被害状況の的確な把握に努め、関係省庁と一体となりまして応急対策を現在実施しているところでございます。今後とも、先生から御指摘のございました四つの御要望も十分踏まえながら、災害対策関係省庁運絡会議等を通じまして関係省庁と緊密に連携をしながら、被災施設の早急な復旧に努めるなど、対策に万全を期してまいる所存でございます。
  69. 金田誠一

    金田(誠)委員 どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいと思うわけでございます。  次に、対岸の北方四島の関係につきましてお尋ねをしたいと思うわけでございますが、映像等で現地状況は順次入ってきているようでございますが、拝見をいたしますとかなり深刻であると。北海道側もさることながら、復旧の方もなかなか手がかかっておらないようでございますし、被害そのものも相当大規模な被害が出ておるようでございます。外務省といたしまして、この北方四島の災害状況、これを基本的にどのように認識をされておられるか、概括的にひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  70. 野村一成

    野村(一)政府委員 今回の北海道東方沖地震北方四島における被害状況につきましては、これは刻々いろいろな情報が入っております。一番最新のところは先ほど外務大臣の方から紹介させていただきました。死者負傷者の数のみならず、家屋の倒壊その他を含めまして、やはり相当規模の被害が及んでいるというのが実態であろうと。また、非常に数多くの住民の皆様が、疎開と申しますか、樺太その他の方に避難しているという状況も、あるいはもう移住したいということを言っておられるロシア住民の方が多いというのも、この被害がいかに大きかったかということを物語っていることかなというふうに認識いたしております。
  71. 金田誠一

    金田(誠)委員 これに対して政府基本的な方針でございますけれども、三項目の基本方針があるということで伺っでございます。  一つは、緊急人道支援を行う。人道的な立場で政治目的とは絡めないということだそうでございます。二つ目は、北方領土問題の基本的立場を害さない。そして三つ目として、日ロ双方に受け入れ可能なもの。この三つの方針を決めて対処をされているということを伺っておりますが、この基本方針というのはどのレベルで決定をされたものなのでしょうか。今回の災害に当たって、改めてこの三つが何らかの場で決定をされたというふうに推測をするわけでございますけれども、閣議決定等になっておるものなのか、その辺の、どこのレベルで決められたかということが一つ。  それからもう一つは、この三項目の中で一つ疑問に思う点がございます。それは、この三項目もさることながら、基本的な目的は、今回のこの前段お話しいただいたような極めて深刻な被害に対して、基本的な視点としては友好関係の促進に寄与するということが、北方領土問題云々もさることながら、やはりお隣の、隣接する、目と鼻の先に住んでおられる方々との友好関係の促進に寄与していくということが一つ抜け落ちているのではなかろうかなという気がいたしておりますので、その辺のところをお聞かせをいただきたいと思います。
  72. 野村一成

    野村(一)政府委員 まず、最後に触れられた点からお答えさせていただきますが、私ども、この緊急人道と言っている場合には、特に北方四島につきましては、御案内のとおり、国と国との関係におきましては領土問題というまことに難しい厳然たる問題が存在しているという現実がございます。しかしながら、先ほど申しましたこういう自然災害に対しまして、かなり多くのロシア住民の方々が被害を受けられた、そういうことに着目いたしますと、やはりそれに対しては、国と国との間での厳然たる難しい問題があるにもかかわらず、やはり一種の、何と申しましょうか、心の問題といたしましてこういう支援の手を差し伸べるというのが必要であるというふうに認識しておるわけでございまして、その点はやはり緊急人道支援ということの中に私どもは含めておる点でございます。  次に、どのレベルでということでございますが、これは北方四島、特にロシアとの関係におきまして、私ども外務省の方で所掌しておるわけでございます。外務大臣の了解をとりまして、さらに官邸、総理の了解をとった上で決めさせていただいたことでございます。     〔松下委員長代理退席委員長着席
  73. 金田誠一

    金田(誠)委員 そこで、具体的な支援の方でございますが、金額にして約一千五百万円相当ということで、あすあさってにかけてこの支援が行われる、第一陣ということになるようでございますけれども、どうも伝えられている惨状なりに比べて、この程度で果たしていかがなものなのかという疑問があるわけでございます。一説にはベトナム、インド、インドネシアから一億ドル、これは何か債務の償還分ということのようでございますが、一億ドル、百億円の生活必需品あるいは食料、これを緊急援助ということも報道されておるわけでございまして、それに比べまして日本からの支援が一千五百万円相当、映像などでも食料もない、水もない、住宅も破壊をされているという状況の中で、この辺いかがなものか。ニーズ把握をして要望にこたえてということで御説明はいただいておりますが、それにしてもこの程度のニーズなのかなという疑問がどうも離れないわけぞございます。  どうなんでしょうか。ニーズ把握ということが十分なされているのかどうなのか。北方領土問題ということがどうも陰に陽に作用する中で、その辺踏み込みがいまいち足りないようにも見受けられるのですが、いかがなものでしょうか。
  74. 野村一成

    野村(一)政府委員 ニーズ把握につきましては、これはモスクワあるいは東京におきまして、外交ルート等を通じまして頻繁にロシア側と連絡をとり合っております。それを踏まえた上での話でございます。  他方、この点につきましてはぜひひとつ御理解いただかないといけない点があろうかと思いますのは、それは、やはりロシアにはロシアの方の立場でもって、いち早く政府委員会を設立してこの問題に対処するというふうに、御案内のとおり副首相、それから外務次官も行きました、調査団もずく派遣しているということで取り組んでいるということでございます。私どもにとりましては、基本的には領土問題についての立場を害さない、これは当然のことでございますが、その上でなおかつ、現実にどのようなニーズがあるかということを正しく把握した上で、今回千五百万円相当ではございますけれども、既にこれは官房長官が明らかにいたしておりますように、その後さらに向こう側との連絡の中で必要に応じて、適当なニーズがさらにあるということであれば追加的な支援も検討するということでございます。
  75. 金田誠一

    金田(誠)委員 モスクワ日本大使館とロシアの緊急事態省ですか、そちらとで調整をされておるというふうに伺ってはおるわけでございますが、実は私ども出身が函館でございまして、ユジノサハリンスクと定期航空路もおかげさまでつないでいただきまして、今までもかなりロシアとの交流の経験があるわけでございます。モスクワとの通信回路とかあるいは時差の問題とか、それが北方四島からとなりますと、余計面倒な状況になるのではなかろうか。それでなくても、例えば先般の奥尻の震災のときの経験からしても、どこかを経由して伝わる情報というものは現地にとっては違うものに、実質本当に要望しているものがなかなかそのとおり伝わりにくい。奥尻などという、通信も非常に発達してこういう狭い日本の国内であってもそういう傾向があるわけでございまして、ましてやロシアのようなああいう広い国土で、情報通信設備もかなり立ちおくれている、それがいろいろな、恐らく州政府だとかいろいろなところを経由しながら情報が伝わっていく、そして日本の大使館に伝わり、外務省に伝わり、さらに物資調達部門に伝わっていく、こういう回路をくぐりますと、本当に情報が正確に伝わるものなんだろうか。これは、努力はされているのは十分承知はいたしますけれども、そういう面倒な面があるんだと思うわけでございます。したがって、映像などを拝見いたしますと、その程度のものではないのではないかという率直な感想を持つわけでございます。  ひとつお尋ねを申し上げたい、あるいは御要請申し上げたいということは、そういうことからしますと、やはり実際はこちらもできるだけの支援を申し上げたいという立場でしょうし、向こうは向こうで、やはり超大国であった国柄であるわけですから、それなりのプライドを持っておられる。そのプライドはプライドとして大切にしながら、しかし、隣国としてできるだけの手を差し伸べるということは、これは当然の人道上のことだろうと思うわけでございまして、そういうお互いの立場をきちっとしつつも、やはり現地に直接入って実態を掌握して、何ができるのかということを詰めてかからなければ、パン焼き器とか魔法瓶とかいろいろ項目では挙がっておりますが、それがどういう状態でどう使われるものなのか、そうした客観状況等もトータルで踏まえてかからなければ、もらったはいいがということにもなりかねない、本当に必要なものが届かないということにもなりかねない、こう思うわけでございます。  そこで、ニーズ把握方法につきまして、これは向こうが拒否されるということであれば別でしょうが、現地に直接入って実態を拝見して、事情をお聞きして、その上でできるだけの手だてをする、こういう方策をとるべきだと思うのですが、いかがなものでしょうか。
  76. 野村一成

    野村(一)政府委員 ただいまの調査の件につきましては、ロシア側の方から既に、これは第一義的には自分たちの方でというはっきりとした意向が表明されております。これは御案内のとおり、第一副首相がトップとしまして外務次官もついていっている、そういう態勢で臨んでおるわけでございますので、その辺はロシア側の意向として私どもも踏まえて対応する必要があろうかなというふうに思っております。  それから、先ほど先生、通信のことでいろいろと御指摘がございました。特に時差の関係なんかもございます。ただ、今回のオペレーションにつきましては、東京もそうですけれども、私ども外務省の欧亜局にロシア課というところがございます、二十四時間態勢と言っていいんだろうと思います。それから、在京のロシア大使館もそうだと思いますね。モスクワもそうでございます、外務省。したがいまして、時差を越えた形でのお互いの連絡はとり合っているというのが実態でございますので、その辺やはり、そういう物理的な時間その他の、あるいは距離の制約というのが実際のニーズ把握に対して影響がないように最大限努力しているところでございます。これはロシア側についても言えることでございます。
  77. 金田誠一

    金田(誠)委員 映像を見ますと、住宅が崩壊をして、乗用車の中でずっと生活をしておられるという状況などが映っております。奥尻の場合は、そこまではいかなかった、体育館であるとかそういうところで何とかできた。それでも非常に苦しい状態であったわけでございまして、ましてや、今回学校なども全部使えなくなって、子供は疎開をする、乗用車の中で、たき火をたきながら、暖をとる。今、寒さがもうすぐ目前でございまして、かなり深刻ではないのかなという気がいたしているわけでございます。ロシア側の反対を押し切ってどうのこうのというつもりでは全くございませんで、そういうことではないのですが、まさに領土問題とは全く別に、人道的支援、友好の促進に寄与するという立場でぜひ誠意を尽くしていただきたいものだ、こう思うわけでございます。こちらから現地を実際に目で見て、できるだけのものを考えたい、そのために何名かを派遣したいという提案はしてあるものなのでしょうか。それが一つ。  それと、先ほど申し上げましたベトナム、インド、インドネシアの一億ドル、これの支援物資というのは既に正規に確認されたものになっているのでしょうか。こうしたところから、たとえ債務の返済分ということであっても一億ドル、こちらが一千五百万と、これは余りにもいかがなものか、どうなっているのだという感じがしてならないわけでございまして、その二点だけちょっと確認させてください。
  78. 野村一成

    野村(一)政府委員 調査云々につきましても、私ども非公式にと申しますか、先方に打診した結果を先ほど私申し述べた次第でございます。何分、私はベトナム云々につきましては詳しく実態を承知しておらない、これはロシア側がそういうふうに言っていることでございますけれども、これはむしろ援助というよりは、向こうの方がどういう形でやろうかとしていることかなというふうに私どもは認識しております。
  79. 金田誠一

    金田(誠)委員 新聞報道等を見ますと、例えば燃料であるとか、これは自動車等の燃料あるいは建設資材、ユンボだとかそういうものとか、あるいは暖をとるための燃料とか、そういうものが不足をしておるやに伝えられておりますし、今までも、サハリンを含めてあの地域はかなりそういう面では、食料もそうですが、平時であっても潤沢ではなかったという状態からすれば、災害を受けてかなり不足をしているのではないかというのが想像されるわけでございますが、ニーズの中にはそういうものは入ってきておらないということになっているわけですね。どうもその辺が腑に落ちない点もございます。本当に間に合っていて冬を越せる状態であればそれはそれでよろしいのですが、ぜひひとつ、いま一つ努力のほどをお願い申し上げておきたいと思います。  最後でございますが、法律の適用関係についてお聞かせをいただきたいと思うのですが、国際緊急援助隊法というのがございます。あるいは国内であると災害救助法というのがございますが、この北方四島の場合はどちらも適用できないということのようでございます。となりますと、法律的には全くの空白という状態になっているのでしょうか。その辺の検討をされていたと思うのですが、お聞かせをいただきたいと思うのです。
  80. 野村一成

    野村(一)政府委員 ただいま御指摘の国際緊急援助隊法につきましても、これは海外の地域における救助活動ということでございます。私どもは、この北方四島につきましては我が国固有の領土であるという立場でございます。何分、日本の法律の適用関係につきましては、これは固有の領土であるといいながらも、私ども立場からいたしますと不法に占拠されているということでございまして、実際の、現実の適用という面においてはそれがなされ得ていないというのが実態でございます。
  81. 金田誠一

    金田(誠)委員 実際には適用する法律がないという状態でしょうか。  となりますと、例えば今回は人的援助の支援がないということですから、それはそれで今回についてはよろしかったのかもしれませんが、ああいう地域だけに、例えば緊急医療チームとか消防隊だとか、そういうものの派遣が今後ともあり得ないということではないのではないかと思うわけでございます。そういうときには、この国際緊急援助隊法にもよらない、災害救助法にもよらないで、どういう手だてが考えられるものでしょうか。
  82. 野村一成

    野村(一)政府委員 私、北方四島と日本の法律の適用関係につきましては、先ほど申し述べたととおりでございます。個々具体的にどういうふうに対応するかということにつきましては、冒頭に申し上げました現実のニーズというのを踏まえながら考えていくということかなというふうに思っております。
  83. 金田誠一

    金田(誠)委員 そういうことでございますと、具体的にある法律によらずに、例えば医療チームを派遣をするとか災害復旧のチームを派遣するとか、そういうことは個々具体の問題として可能ではある、今回はたまたま要請はなかったという理解でよろしいものでしょうか。
  84. 野村一成

    野村(一)政府委員 法律の適用問題につきましての考え方は先ほど私が申し述べたとおりでございまして、また、現在あるこの状況についての私ども対応というのも先ほど申し上げたとおりでございます。それ以上の仮定の状況につきましてどうこうということについて、私は今ちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  85. 金田誠一

    金田(誠)委員 大して仮定で物を言っているつもりもないのですが、今回、人的要請、医療チームを派遣してくれというようなものはなかったからいいわけですが、あった場合と言ったらこれは仮定の問題になってしまうわけですが、少なくとも今の状態では、北方四島に関しては、そういう要請にこたえ得る法律的な背景といいますか、それはないということで空白になっている、今後の検討課題であるということでしかないわけですね。
  86. 野村一成

    野村(一)政府委員 まさに固有の領土であるという立場、それから実際不法占拠されているということ、それを踏まえて日本の法律がどうかというときには、その適用は実際上できていない、そういう点、私は申し述べたとおりでございます。
  87. 金田誠一

    金田(誠)委員 わかりました。ニーズ把握なりそれに基づく援助なり、映像を拝見する、あるいは今までのロシアというものに対して多少なりとも知る立場からしますと、実はかなり深刻ではないかという気がいたしておりますので、ぜひひとつその辺はできる限りの手を差し伸べる。人の弱みにつけ込んでどうこうということでは全くないわけでございまして、本当に人道的な立場の、これから寒さに向かう中での支援ということで、再度重ねて御要望申し上げておきたいと思うわけでございます。  それと、今回たまたま人的要請がなかったということではありますけれども、恐らく世界各国で空白になっている地域というのは、この北方四島と、例えば尖閣列島とか幾つかまだあるのかもしれませんが、現実的に問題になりそうな箇所というと、この北方四島だけではないでしょうか。それにつけて、ぜひ人道的な支援あるいは人的要請対応し得るような根拠についての検討といいますか、国際緊急援助隊法にもよらない、火災救助法にもよらないとすれば、何らかの代替の検討をひとつお願いを申し上げておきたいと思うわけでございます。  以上で終わります。
  88. 野村一成

    野村(一)政府委員 大前提といたしまして、私は、この北方四島につきましては、領土交渉を成功裏におさめて四島返還を平和条約の締結でもって図る、その結果としてこれは我が国の法律をきちんと適用する、したがって、領土交渉による平和条約の締結というのがまずもっての大前提としての最大の課題である、そういうふうに認識しておりますので、その点はひとつ正しく御理解いただきたいと思います。
  89. 金田誠一

    金田(誠)委員 その点は私も一切、全く変わるものではございませんで、そういう大前提は大前提として踏まえた上で、しかし、それにつけても善隣友好といいますか、その関係をどう築くか。ましてや、こういう緊急災害時にお互いの友好関係が増進をされなければ、その大目的に向かっても進み出すことにならないのではないか。こういう立場で御質問申し上げておりますので、その前提条件だけは同じだと思いますので、それだけ申し上げまして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  90. 鈴木宗男

  91. 古堅実吉

    古堅委員 今回の北海道東方沖地震災害については、日本共産党としても、現地北海道出身の高崎参議院議員を初め調査団を編成しまして、二度にわたって被害調査を行いました。その中で、地元からも切実なたくさんの要望なども出されております。しかし、きょうは私、わずか十分しかございませんので、二、三点、大事な点と思われることについて、絞ってお伺いしておきたいと思います。  根室市で、地震後一万三千世帯にわたる断水の状況が生まれました。現在でも、先ほど御答弁がありましたように一部復旧してないという状況が続いています。なぜそのような大きな被害が生活に不可欠の水道関係に出たか、その理由の一つに、これがあると思われます。市内の水道管が、約三割、七万メートルと言われますが、埋設されてから三十五年たっておる、しかもそれが石綿セメント管であること、これがこのような大きな被害を発生させた要因ともなっておるんじゃないか、このように言われています。  この老朽管の更新は、国の補助率が三分の一と低いために、小さい地元の市町村で対応するというのがなかなか難しいわけで、今のような対応状況ではこれから十年もかかる、このように言われておるというのであります。もちろんの。ことながら、市としては早目にその更新も図りたい、しかし財政が不如意だ、そのためにも国の負担割合を高めてほしい、こういう強い要望だというのであります。  生活に必要な水道や電気やガスなど、こういう大事な物資の供給機能対策というのは何にも増して最優先的に検討しなければならない課題であることは申すまでもございません。ぜひ、現地の御要望に早目にこたえられるように対応を進めてほしいと思いますが、まず最初にその点からお伺いさせていただきます。
  92. 浜田康敬

    ○浜田説明員 お答えいたします。  先生今御指摘のとおり、水道は今や国民生活の基盤として欠くことのできないというものになってきておりまして、平常時のみならず地震等の災害時におきましても水道水が確保できるように、ライフライン機能の強化を図っていく必要があります。そのためにも、御指摘のような老朽管更新推進事業を進めていくということは大変重要であると厚生省も認識しているところでございます。  このために、厚生省におきましては平成二年度に、特に老朽化の進行が著しくて漏水や折損事故の起こりやすい石綿セメント管につきまして、老朽管更新事業に対する財政支援をするための補助制度を創設したところでございます。その後、年々、全国各地の事業体の事業量は増大してきているところでございます。  この老朽管更新事業というのは、現時点で大変事業実施要望が多く寄せられておりまして、私どもといたしましても予算の拡大に努めておるところでございますけれども、限られた予算の中でできるだけ多くの市町村の要望にこたえていくというためには、御指摘のような補助率のアップについては困難な状況にあるということを御理解を賜ればと思います。
  93. 古堅実吉

    古堅委員 補助率のアップは困難だ、こう言ってのけるんじゃなしに、そういう強い要望があって生活不可欠の課題については補助率を高めるなどして要望にこたえられるようにする、これが政治だと思うんですね。ぜひ御検討を願いたい、そう要望申し上げておきます。  次に、港湾や漁港の液状化対策について伺います。  今回の地震で特徴の一つとして見られておるものに、液状化現象による被害が多数発生しておるという問題です。その中で、釧路では、昨年の釧路地震後の復旧で液状化対策を実施した西港、それには被害がなかったんだが、工事から外れた副港では被害が起きているというような状況がございます。それらを通じて理解できる点は、液状化対策の実施いかんが被害の明暗を分けた、このように受けとめられている問題です。  そういう意味で、特に港湾や漁港においては液状化対策を含めた災害復旧をきちんとやるかどうかが、これは今回の北海道におけるだけのものじゃなしに、全国的、一般的な面からも防災対策の重要な課題になっておるんじゃないか、このように考えますが、いかがですか。
  94. 大久保庄三

    ○大久保政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のとおりに、今般の地震に起因する液化現象によりまして、釧路とかそれから根室等の港湾の施設におきまして数カ所の被害が生じております。  この港湾施設の液状化対策につきましては、過去の新潟地震とかあるいは日本海中部地震において液状化によって甚大な被害を受けましたことを契機にいたしまして、液状化の予測とか判定法等の基準が定められまして、これに基づきまして、液状化の可能性を点検して、そして対策の必要な港湾につきましては、その重要性を考慮しながら液状化の対策を実施しているところでございます。北海道の港湾におきましても、この液状化による被災は地域生活に大きな影響を及ぼす問題でありますので、これまで逐次対策を実施しているところでございます。  先生先ほど御指摘のとおりに、釧路港におきまして、釧路地震で既に対策を実施したところにつきましてはほとんど被害を受けなかったということもございまして、開発庁といたしましては、今後とも関係省庁と連携をとりながら、被災した施設に対しまして速やかに復旧するために必要な対策をとってまいりたいと考えております。
  95. 古堅実吉

    古堅委員 農水省側にお聞きしたいのですが、特に地震多発地帯における港湾や漁港の液状化対策についてどういう計画をお持ちか、ちょっとお聞かせください。
  96. 神瀬哲

    ○神瀬説明員 今回の地震によります漁港の被災状況でございますが、現在のところ、二、三の漁港で背後施設であります道路であるとか用地において砂の噴出等の液状化現象が見られておりますけれども、幸いにも、岸壁等の基本施設においては液状化による被害は現時点では生じてないというぐあいに伺っているところでございます。  漁港における地震対策といたしましては、従来から地域地震特性、構造物の重要度等を考慮した耐震設計を行っているところでございますが、今後とも、液状化を含めた、地震被害により漁港施設の機能に大きな支障が生じないように関係地方公共団体等に対する十分な指導を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  97. 古堅実吉

    古堅委員 時間が参りましたので最後になりますが、今回の地震は、気象庁の発表ではマグニチュード八・一と、日本近海で発生した地震としては最大級のものだと言われております。ところで、根室市の根室測候所ではことし四月から観測業務に当たる夜間当直が一人になった中で、今回の地震の発生となりました。気象関係者からは、こういう状況を踏まえて、人員削減は住民サービスを低下させるものとして当然のことながら問題視していますし、人員の復元の要求も強うございます。それにどうこたえていかれるかどうかの問題が一つ。  また、現在、房総半島沖と駿河湾の二カ所だけに設置されている海底地震計を北海道東方地域などにも設置して、太平洋沿岸の海洋型大地震に対して備えることも必要ではないかとも考えられます。それらについて、観測体制強化対策の一環として御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
  98. 栗原隆治

    ○栗原説明員 お答え申し上げます。  ただいまの先生御指摘根室測候所の件につきましては、地震津波観測の面から、北海道地方の地震津波等の観測データは、中枢でございます札幌管区気象台にテレメーターで一元的に収集して、そこで処理、常時監視というものを行ってございます。したがいまして、現在の体制で地震津波の監視については対応可能とは考えでございますが、なお全国的な観測体制で申しますると、従来から気象庁は、全国の大中小地震の活動を的確に監視するという面から全国の地震観測網を整備してまいりました。昨年、北海道南西沖地震にかんがみまして、津波地震早期検知網というものを整備いたしまして、一層の津波対策及び地震監視の強化を図ったところでございます。  なお、海底地震計の整備につきましては、先生御指摘のように、現在東海洋及び房総沖に整備してございまするが、ただいま申しましたように、全国的な観測網によりまして、現状では全国の大中小地震を周辺海域を含めまして監視しておる、全国の地震活動については適切に把握しておるというふうに私たちは考えでございます。  以上でございます。
  99. 古堅実吉

    古堅委員 終わります。
  100. 鈴木宗男

    鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四分散会