○白浜一良君 私は、新緑風会及び公明党・
国民会議を代表して、ただいま議題になっております
平成六年度
予算三案に対する賛成討論を行うものであります。
昨年八月の連立
政権発足以来十カ月が経過し、この間、連立
政権は、まず実現を目指した
政治改革も完結直前であり、ガット・ウルグアイ・ラウンドにも積極的に
対応するなど、難しい諸課題に真正面から取り組んでまいりました。連立
政権がこうした改革の道を歩み続け
政治の閉塞状態を打破してきたことは、大きな成果であり、高く評価すべきものであることをまず申し上げます。
さて、現在の我が国の経済事情を概観いたしますと、先ごろ発表された経企庁の月例経済
報告や日銀の短観にも見られるとおり、在庫調整や資本ストック調整が進み、我が国の
景気はようやく長いトンネルの出口に差しかかり、個人消費にもやや明るさが見えてまいりました。しかし、その一方で、依然として雇用、企業の設備投資等の面で厳しい情勢が続いております。
また、我が国の
財政は、
平成四年度決算において税収が戦後初めて二年連続して減少、その後の税収動向も注意が必要な状態になっております。さらに、公債残高は五年度で百九十兆円の巨額に上り、国債費が政策的経費を圧迫するなど、
財政運営は構造的にますます厳しさを増し、機動的施策が強く望まれています。
政府は、以上のような経済・
財政事情を踏まえ、
平成五年度第三次
補正予算とあわせ、可能な限り
景気に配慮し、今後急速に進展する高齢化社会、核家族化、少子化社会を見据えて
国民生活の質の向上を図るとともに、深刻な
状況に陥っている
財政の健全化に重点を置き
平成六年度
予算案を作成したものであり、一日も早い成立が望まれているところであります。
以下、本
予算案に賛成する理由を申し述べます。
賛成の第一の理由は、
景気に対し十分な配慮がなされていることであります。
本
予算案において、
公共事業費は対前年度化四・〇%増と、一般会計全体の伸び率一・〇%増を大幅に上回る伸びとなっております。しかも、五年度第三次
補正予算と合わせたいわゆる十五カ月
予算として見れば、
公共事業費は実に二二・六%の高い伸びが確保されているのであります。
加えて、
国民が待ち望んでいた五兆五千億円に上る所得税・住民税
減税が盛り込まれ、
公共事業の拡大と相まって、施策が相乗効果を発揮し、
景気浮揚に大いに役立つものと期待されるのであります。
賛成の第二の理由は、生活者重視の
予算配分となっている点であります。
公共事業費の事業別の伸び率を見ますと、廃棄物処理施設一四・四%増、水道一〇・〇%増、市街地整備九・五%増など、
国民生活と密着した分野に手厚い
予算配分が行われております。
福祉の面においても、ホームヘルパーやデイサービス等の事業の大幅拡充、在宅介護支援センターの充実を目指すゴールドプランの着実な実施を図っているほか、出生率の低下、核家族化の進展に
対応しエンゼルプラン・プレリュードを創設するなど、児童家庭対策へ本格的に取り組む姿勢が見られ、極めて高く評価できるものであります。
このほか、文教及び科学振興費、中小企業対策費につきましても、おのおのそれを支えるマンパワーの充実に向けた施策が図られており、ハードからソフトヘの時代の流れに沿った事業が展開されております。
賛成の第三の理由は、国際化の進展に
対応した内容となっている点であります。
本
予算案における経済
協力費の伸びは四・四%増と、主要経費中、実質的に最も高い伸びとなっており、厳しい
財政状況の中でも国際貢献に対し特段の配慮が見られます。
内容的にも、途上国における人づくり支援に関する
予算を大幅に増額するほか、エネルギー、人口、環境保全、公害防止など地球的規模の問題、さらに人権、難民といった今日的課題にも積極的に
対応し、極めて適切な施策として国際的にも高い評価が得られると確信するものであります。
賛成の第四の理由は、防衛費が適切に計上されていることであります。
東西冷戦の終結という国際情勢の大きな変化を踏まえ、防衛費の伸びは〇・九%増と実に三十四年ぶりに低い伸びとなっております。
現下の厳しい
財政状況のもと、防衛力全体として均衡のとれた態勢の維持、整備に努め、正面装備の
予算を極力抑制する一方、隊舎、宿舎などの充実にはきめ細かな配慮が見られ、まことに適切な計上となっております。
以上のとおり、
平成六年度
予算案は、資金の重点的、効率的配分が必要とされる中で、
景気浮揚の施策と
国民生活の向上に最大限
努力しております。本
予算が
景気を大いに刺激し、その
回復のテンポを速めるものであることを確信し、私の賛成討論といたします。(拍手)