○上山和人君 時間がなくなりましたが、きょうは文教
予算の
委嘱審査でございますから、そのことについて。
実は、
森山委員の御質問をお伺いしておりました。
田沢委員の御主張もよく理解できることばかりでした。いずれも極めて大事なことでありまして、これから文教
予算の柱になる問題ばかりだったと思うんです。
森山委員がおっしゃったのは、
科学技術費といいますか、そして学者の
研究費といいますか、理工離れが起きているそのもとは何かというお話もちょっとなさったと思うんですけれ
ども、これが
どんなに重要な分野であるかというのはここでは申し上げません、
森山委員がおっしゃったとおりですから。
私学をどう位置づけるかということで
私学助成に対する姿勢が変わると思うんです。
私学助成をどうとらえるのかというのはこれからの
日本の
教育にとって極めて重大な課題ではないでしょうか。
それと
田沢委員が
最後におっしゃったのは文化庁
関係の
予算ですね。文化庁
関係の
予算が今後また文教
予算の大きな柱になるんじゃないでしょうか。ことしは御
努力で、私
たちも
予算編成する立場にあのときありましたけれ
ども、文化庁
関係の
予算はふえましたね。今後それをどう根本的にさらに
充実させていくか。
いずれも大きな柱であるそういう骨格に沿う、今の大きな柱に沿う
予算として文教
予算を編成するには一体どうしたらいいか。今のままではとても、大事だということは共通に理解されながら、それに沿う
予算の措置が実は残念ながら文教
予算の中では行われてこなかった。
そこで、私は今、少し文教
予算の編成については転換期に差しかかっていると言っていいんじゃないかという気がいたしますのは、最近、特に一両年各界で、
教育費というのはやっぱり投資的経費なんだという世論的な盛り上がりも出てきたように思うんです。
例えば去年、日経の「経済教室」に載っているんですが、東大の岩田
教授が、道路や下水道が将来の世代のための資産であることは確かであるけれ
ども、若い世代の人的資本形成のための費用もまた直接的な投資であると。これはもう当然のことなのでありまして、御紹介申し上げたい
内容もたくさんこの「経済教室」の中に東大の
教授が書いておられますけれ
ども、まさに
教育投資論なんですね。それからほかにも、例えば前の大蔵事務次官の竹内道雄さん、この人だって
教育投資論をやっぱり主張されています。
そういうふうにして私
たちの外で客観的にも
教育投資論が主張されるようになりまして羽田総理の今回の所信表明演説で、
教育や
科学技術を未来への先行投資として位置づけるという、歴代の総理がはっきり言われなかったことを明快に表明をされるようになったんじゃないか。そういう
意味では、文教
予算の編成について大きな転換点に差しかかっているというより、転換させる条件が客観的にも整いつつある
状況になったと言っていいんじゃないでしょうか。
だから、いろいろおっしゃった、私もこれから少し申し上げますけれ
ども、そういうものを満たしていく
教育予算にするためには、これは
平成七年度の
予算案がもう既に前年度比マイナス一〇%のシーリングというのは出ていますけれ
ども、連続十三年になるでしょう、これで。そういう一律シーリング
予算のもとで文教
予算を一切編成されるととても重要な
政策が推進できるような
予算にならないということは、長い歴史の中で私
たちがお互いに悩んできたことなんです。何とかしてここから抜け出さなければ
教育政策のこれ以上の発展的な推進はないという思いで、ずっと
文部省の皆さんも
大臣以下、私
たちのこのメンバーも同じ思いでその点については来たと思うんです。
だから、ぜひ私はこの機会に、総理
大臣が言ったとかあるいは経済学者が言ったとかいうような対応ではなくて
文部省の理念として、
教育は投資的経費なのか経常的経費なのかということについては明快に統一をされて、
文部省が中心になって主体的にむしろそういう条件をもっと整えていってもらわなければなかなか進展しないんじゃないか。
そんなふうに思いますので、多くの問題を抱えている
教育の分野ですから、そういうものを本当に
充実させて展開していくためには
予算編成の方式を、シーリング方式になじまない文教
予算を一挙にとはいかないと思うんですけれ
ども、徐々にこのシーリングを外す。別枠の部分をより多く設定しながら弾力的な
予算編成に文教
予算をすべきではないかと思います。
はしょって申し上げましたが、
大臣の御見解を。