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1994-06-02 第129回国会 参議院 農林水産委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年六月二日(木曜日)    午後零時十分開会     —————————————    委員異動  六月二日     辞任         補欠選任      谷本  巍君     菅野 久光君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         浦田  勝君     理 事                 青木 幹雄君                 大塚清次郎君                 野別 隆俊君                 林  紀子君     委 員                 井上 吉夫君                 北  修二君                 佐藤 静雄君                 高木 正明君                 吉川 芳男君                 稲村 稔夫君                 菅野 久光君                 中尾 則幸君                 三上 隆雄君                 村沢  牧君                 井上 哲夫君                 星川 保松君                 風間  昶君                 刈田 貞子君                 新間 正次君    国務大臣        農林水産大臣   加藤 六月君    政府委員        農林水産政務次        官        北澤 俊美君        農林水産大臣官        房長       高橋 政行君        農林水産大臣官        房総務審議官   山本  徹君        農林水産省経済        局長       東  久雄君        農林水産省構造        改善局長     入澤  肇君        農林水産省農蚕  日出 英輔君        園芸局長           農林水産省畜産        局長       高木 勇樹君        農林水産省食品        流通局長     鈴木 久司君        農林水産技術会        議事務局長    武政 邦夫君        食糧庁長官    上野 博史君        林野庁長官    塚本 隆久君        水産庁長官    鎭西 迪雄君    事務局側        常任委員会専門        員        秋本 達徳君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査  (平成六年度の農林水産行政基本施策に関す  る件)     —————————————
  2. 浦田勝

    委員長浦田勝君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として菅野久光君が選任されました。     —————————————
  3. 浦田勝

    委員長浦田勝君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。  平成六年度の農林水産行政基本施策について、農林水産大臣から所信を聴取いたします。加藤農林水産大臣
  4. 加藤六月

    国務大臣加藤六月君) まず、一言ごあいさつ申し上げます。  農林水産大臣を拝命いたしました加藤六月でございます。  農林水産行政がまことに重要な時期を迎えておる折から、農林水産大臣の責務の重大さを痛感している次第でございます。  私は、皆様方の御支援、御教示を得て、農林水産行政責任者として、二十一世紀に向けて我が国農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限努力をする決意でございますので、よろしくお願い申し上げます。  そこで、農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信一端を申し上げます。  農林水産業は、国民生活に不可欠な食料安定供給という基本的な使命に加えて、地域経済・社会の維持発展国土自然環境保全など極めて多様で重要な役割を果たしております。また、国土大宗を占める農山漁村は、伝統に裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた生活余暇空間国民全体に提供するという機能を有しています。  こうした役割機能を持つ我が国農林水産業農山漁村をめぐる状況は、経済の高度化、人口や産業都市への集中といった諸情勢の変化の中で、従事者の減少、高齢化進行山村等における過疎化進行など近年大きく変貌しております。  加えて、昨年十二月十五日にガットウルグアイ・ラウンド交渉実質合意を見たところであり、我が国農業農村は新たな国境措置のもとで激しい環境のもとに置かれることになると認識しております。  この際、ガットウルグアイ・ラウンド農業交渉に関しまして御説明申し上げます。  我が国は、ウルグアイ・ラウンド農業交渉において、世界最大農産物輸入国としての立場から、食料安全保障環境保全等のために農業が果たしている役割を重視すべきこと等を強く訴え、包括的関税化に対しては、世界の大勢がこれを受け入れる方向にある中で、国会決議の趣旨を踏まえ、これを回避すべく最大限努力を傾注してきたところであります。  このような状況のもとで、昨年十二月、市場アクセス交渉グループドゥニ議長から調整案が提示されました。この調整案につきましては、米について関税化特例措置が認められているものの、米のミニマムアクセスの加重や米以外の農産物関税化という点で、我が国農業にとってまことに厳しい内容を含むものであります。しかしながも、この調整案は、各国の対立する意見を踏まえたぎりぎりのものであるとともに、我が国の主張にも相当程度の配慮がなされたものであり、自由貿易体制維持強化によってもたらされる幅広い国民的利益という観点も含め、前内閣のもとにおいてぎりぎりの検討を行った結果、政府としては、この調整案受け入れの決断を下したところであります。  この農業合意においては、米については平成七年から六年間関税化が免除され、ミニマムアクセスとして消費量の四%から八%に相当する量の輸入をすることとし、七年目以降の取り扱いは六年目に協議されることとなっております。また、乳製品、でん粉等米以外の輸入制限品目等についてはすべて関税化することとなり、一般関税品目とあわせて六年間で平均三六%の関税引き下げを行うこととなっております。また、林産物及び水産物についても一定の関税引き下げを行うこととなっております。  なお、今回、合意された内容を収録した最終文書につきましては、本年四月にモロッコで開催された閣僚会合において正式に署名が行われ、農業協定を含む世界貿易機関を設立する協定の文言が最終的に確定いたしております。政府としては、今後、国会の御承認をいただき、農業合意については、来年四月一日から実施することとしたいと考えております。  このような中で、今後の農林水産行政推進するに当たっては、長期的展望のもとに魅力あふれる農林水産業活力ある農山漁村を着実に実現していくとともに、国民にとって真に豊かな国土を形成していくことこそが重要であると確信しております。  このため、農林水産省といたしましては、今後「新しい食料農業農村政策方向」、いわゆる新政策に即しまして、二十一世紀に向けた農業構造早期実現を図りつつ、農山漁村が多様で活力のある地域社会として発展することができるよう努めてまいります。また、今回のウルグアイ・ラウンド農業協定実施に伴う国内対策につきましては、昨年十二月に閣議了解されました「ガットウルグアイ・ラウンド農業合意実施に伴う農業施策に関する基本方針」に沿って設置した緊急農業農村対策本部において検討の上、農政審議会における御論議を踏まえつつ、逐次所要の施策具体化に向けて万全を期してまいります。  なお、国民の主食である米につきましては、昨年の未曾有の不作に対応して緊急特例的に輸入した外国産米国産米とを一体としたきめ細かな需給操作等により、その安定的な供給に努めてまいります。  以下、平成六年度における主要な農林水産施策について申し上げます。  まず、農業振興についてであります。  新政策の本格的な展開を図る観点から、活力ある農業農村づくりを進めるための施策充実強化に努めてまいります。特に、ウルグアイ・ラウンド農業合意成立に伴う今後の国際化の進展を踏まえ、緊急に国内農業体質強化するための対策を積極的に推進してまいります。  第一は、国民生活に欠かせない食料安定供給する担い手育成であります。効率的、安定的な農業経営体育成し、これらの農業経営体生産大宗を担う農業構造を早期に実現することが急務であります。このような担い生育成のための総合的な融資制度の創設を初め、農業経営改善、農地の利用集積、低コスト生産実現に資する生産基盤整備推進など、各般施策を積極的に展開してまいります。  第二は、中山間地域を初めとする農山漁村活性化であります。特に、国土保全自然環境の維持に寄与している中山間地域活性化は、国土の健全な発展を図る上で極めて重要であります。本年は、高付加価値型・高収益型農業展開農業経営複合化等推進定住条件の総合的な整備の促進など各種の施策の一層の充実に努めます。  第三は、立ちおくれている農村地域生活環境整備であります。  都市と比較して著しく立ちおくれている農村地域生活環境整備を図るため、集落排水施設農道等整備推進し、地域住民が誇りを持って快適に居住できるよう、景観形成等に配慮した「美しいむらづくり」を進めてまいります。  第四は、活力ある農業生産展開であります。  昨年の未曾有の冷害の経験にかんがみ、気象条件に左右されにくい生産体制を早急に構築していくこととしております。  米につきましては、昨年から取り組んでいる水田営農活性化対策について、需給事情に対応して転作面積を緩和して実施することとしております。  また、畜産物、野菜、畑作物等につきましても、価格安定対策の適切な実施に努め、経営体育成強化を初めとした生産活性化等推進してまいります。  第五は、環境問題への積極的な対応と国際協力推進であります。  農業が有する環境保全機能物質循環型産業としての特質を生かして、地域合意に基づく環境保全型農業を総合的に推進してまいります。また、食品産業における廃棄物減量化、再資源化等に対する取り組みを積極的に推進してまいります。  さらに、熱帯林減少等に対する地球環境保全対策強化し、開発途上国等への農林水産業協力により国際協力推進してまいります。  第六は、技術開発とその普及であります。  今後、我が国農業体質強化していくためには、技術開発普及による農業生産効率化と労働時間の短縮が肝要であります。このため、革新的な農業機械等開発実用化等推進してまいります。また、生産性飛躍的向上、高付加価値化等を図るため、基礎的、先導的研究推進し、冷害等異常気象環境問題等重要政策課題に対応した研究開発強化してまいります。  さらに、農業に関する普及事業についても総合的な普及指導体制を確立するほか、一九九五年農業センサス実施いたします。  第七は、食品産業消費者対策推進であります。  食品産業につきましては、近年の消費者ニーズ多様化国際化進展等状況も踏まえつつ、食品流通構造改善食品産業振興を図ってまいります。また、消費者が安心して食生活を送ることができるよう、輸入食品品質表示適正化等に努め、消費者被害の未然、再発防止及び救済のための総合的な対策実施してまいります。  このほか、農業災害補償制度の円滑な運営等にも努めてまいります。  次に、林業振興についてであります。  森林は、緑と水の源泉であり、地球環境保全、豊かな国民生活実現のためにもかけがえのない役割を果たしておりますが、林業は、現在、山村地域における過疎化高齢化進行木材価格低迷等依然として厳しい状況にあります。  このような状況に対処するため、民有林国有林を通じた森林流域管理システムの確立を基本として、森林整備事業及び治山事業の計画的な推進保安林の緊急かつ計画的な整備林業担い手育成強化生活環境整備国産材供給体制整備木材産業体質強化林業金融制度拡充強化といった各般施策推進し、森林整備山村地域活性化に努めてまいります。  また、国有林野事業につきましては、改善計画に基づき、経営健全性の確保に努めてまいります。  次に、水産業振興についてであります。  水産業につきましては、公海漁業に対する規制の強化我が国周辺水域資源状況の悪化、漁村活力低下等厳しい状況にあります。  このような中で、平成六年度を初年度とする第九次漁港整備長期計画及び第四次沿岸漁場整備開発計画を策定し、二十一世紀への橋渡しとなるこれらの計画を通して、水産業振興活力ある漁村の形成、美しい海辺環境保全等を図り、来るべき沿岸の新時代に向けてその基盤を確立してまいります。  また、資源管理型漁業、つくり育てる漁業推進等により、我が国周辺水域漁業振興を図り、漁業経営基盤強化漁業就業者育成、確保、水産物の需給、価格の安定等各般施策を講じてまいります。  以上のような農林水産施策展開するため、平成六年度の農林水産予算の編成に際しましては、今後の農林水産政策の着実な推進の第一歩として、十分に意を尽くしたところであります。  また、施策展開に伴って必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  以上、所信一端を申し上げましたが、私は、魅力あふれ、活力に満ちた農林水産業農山漁村実現に向けて全力を尽くしてまいります。  委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。
  5. 浦田勝

    委員長浦田勝君) 以上で所信の聴取は終わりました。  本件に関する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  6. 浦田勝

    委員長浦田勝君) 北澤農林水産政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北澤農林水産政務次官
  7. 北澤俊美

    政府委員北澤俊美君) 農林水産政務次官を拝命いたしました北澤俊美でございます。  我が国農林水産行政は、幾多の重要な課題を抱えておりますが、加藤大臣を補佐いたしまして、全力を傾けて諸課題に当たりたいと存じております。  委員各位の御支援のほどを心からお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
  8. 浦田勝

    委員長浦田勝君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十七分散会      ——————————