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石破委員 冒頭、
大河原大臣の御就任に心からお祝いを申し上げたいと思います。また、
谷津政務次官も御苦労さまでございます。
さて、私も長い間
大河原大臣の御
指導をいただいてきた一人でございます。私も、
米価決定にいささかなりともかかわり合いますのはこれで九回目に相なります。最初が
昭和六十一年でございました。それはある意味で今回と似ておるような気がいたしますけれども、あのときも下げという形てたしか出ておったはずでございます。ところが、第三十八回総選挙を挟みまして、各代議士が、一体おまえどうするんだということでそれぞれ、言葉は悪いのかもしれませんが、踏み絵というような形でございました。結果として
据え置きというような形であった。
その後どういうふうな形になったかといえば、故人になられましたが、玉置総務庁長官の農協批判であるとかああいうような問題が出て、どうもなかなか農政というものに対して世間の御理解というものが得にくい中で、ずっと
米価の
決定をやってまいりました。
こうやって
米価が徹夜をして決まります。終わった後に、ああやったなという充実感を感じたことは、残念ですけれども一回もありません。何かむなしさのようなものを感じて、もうこれから先はこんなことをやってはいかぬ。一年に一回お祭りみたいなことをやって、おれが上げたんだとか、あいつが上げに反対したんだとか、そういうようなことをやっておって一体だれが幸せになるんだということを我々はそろそろ考えていかなければいけない時期になったのではないかというふうに考えております。
私ども、野党になりましたが、何でもいいから反対すればいい、自分たちの得点さえ上げればいい、野党だから何でも言ってもいいんだというような、ある意味でそういうような不健全野党ではありたくないと思っております。きちんと国策に従うことは従うべきでありますし、そして、本当にそれが国民のためになるものであれば、私ども
全力を挙げて大河原農政を支えてまいりたい、かように考えておるところでございます。
さて、今回の
米価が今までと違う点が幾つかございます。それはまず第一に、当然のことでございますが、ラウンド合意というものを受けておるということ。そしてまた、食管制度をどうするんだいという問題をこの後に控えておるということ。そしてまた、
未曾有の凶作にどういうふうに対応するんだねというお話。そして、臨時国会になるのでありましょうけれども、ラウンド批准についてどうするんだということ。その時系列の中にあって、今回の
米価決定であります。
私どもは、やはりつらくて苦しいことでありますけれども、ラウンドの批准というのはやっていかなければいけないというふうに思っております。もちろんミニマムアクセス受け入れということがみんなウェルカムかといえば、それはだれも、ミニマムアクセスだって受け入れたくない。当然のことであります。しかし、交渉事でありますから、絶対にだめだと頑張って、結果として、ミニマムアクセスであって、例外なき関税化が避けられ北とするならば、それはそれで私は結果として認めることは認めるべきだというふうに思っております。
ある意味でラウンドの批准というものを視点の中に入れながら今回の
米価決定というものを考えていかねばならぬと思いますが、先般の
米価大会において、自由民主党の総合農政
調査会長がラウンドの批准というものにかなり否定的な御見解を提示されました。その点について、今回政権交代によって自由民主党が政権の一翼を担われるということになったわけでありますが、もしその姿勢を継続するとするならば、今回の
米価決定の意味も私はあるいは変わってくるのではないかというふうに考えております。野党であるから何を言ったっていい、私はそのように思っておりません。
ラウンド自体は、私はアリバイづくりであってはならぬと思っております。自分たちだったらこんなことはやらなかったというようなお話を随分聞きますが、私はそれは逃げだと思う。私は、この批准の合意というものは一種の原罪であって、私どもはともに背負うべきものであろう、与党であろうが野党であろうが、ともに背負ってその痛みをどうやって分け合うかということを考えていかなければいかぬと思っておりますが、農政の自由民主党の最高責任者がそういう御発言をなさっておられるということから考えますと、この政権はどのように対応されるかということであります。まずその点を明確にしていただきたいと存じます。