○矢島
委員 郵政省の方の
答弁の中の、いわゆるどういう段取りでこのコンサルタント会社がODAの中でかかわりを持つか、また、今の
答弁の中にもありましたように、要請があった国の
放送設備や、あるいはソフト面も含めてアイテックがやっている
事業、こういうものの御説明を受けたわけであります。
ところが、今の
郵政省並びに
NHKの
答弁と実際に行われていることがどうもかけ離れているんじゃないか。実は今
お話がありましたように、こういう援助が欲しいということが相手国からいわゆる要請という形であるわけです。そこで動き出していく。
ところが、実はここに私、
委員長にお願いしなければならないのですが、そのことを、その違いを説明するために、内部資料として「平成三年度以降の経済協力案件御説明資料 株式会社
NHKアイテック海外
事業本部 取
扱い注意」こういう文書がある。この中を使いながら私はちょっと説明したいので、
大臣や
会長に資料として……。今資料を配る途中ですが、時間の
関係でその中の問題について、お手元の資料を見ながらお聞きいただければありがたいと思います。
この「取
扱い注意」という資料の方を見ていただきたいと思います。もう
一つ、「一九九四年版経済・技術協力便覧」とありますが、この
二つの資料をお配りしたわけであります。その「御説明資料 取
扱い注意」の方をあけていただきますと、これができたのが平成三年九月現在ということであります。その年度をぜひ御記憶にとどめていただきながら「備考」という欄を見ていただきます。「備考」という欄のところに「要請促進中」こういう
事業がたくさん出てまいります。さらに、備考の後ろに、日商だとか東芝だとかあるいはアイテックだとか、それぞれ名前が書き込まれております。つまり、受注するところの商社あるいはコンサルタントということだろうと思います。
ODAにつきましては、かねがね日本の商社やあるいは大企業が暗躍しているのではないかという批判が今日までもたくさんありました。この文書の中のいわゆる「要請促進中」というのは、
先ほど郵政省並びに
NHKの方から御
答弁があったように、相手国から要請があったら、それからまず出発して、そしてコンサルタントの果たす役割、
事業の進む手順、こういうものが説明されたわけです。本来であれば、相手国から要請がなければこの問題はもちろん前へは進みませんし、取り上げられもしない、こういうことになるわけですけれども、この文書によりますと、日本の商社あるいは後ろに書いてあるいろいろな企業が、こういうプロジェクトを日本の開発援助でつくったらいかがですか、こういうふうに売り込みをやり、そして要請をするようにと促進中なんだというような
内容になっているわけです。つまり、正式のODAのルートに乗る以前からずっとこういう要請行動が行われ、資料によれば、だれが受注するか、もう後ろに日商、東芝以下ずっと名前が書かれている。まさにその後行われる入札という制度があるわけですけれども、有名無実だという実態であると思うのです。
そこで、さらに私、要請中の
事業がその後どういうふうになっているかという点を御説明申し上げるために、もう
一つの資料、つまり「経済・技術協力便覧」、実際の本はこういう本であります。この中から一部取り出して、今資料としてお配りしたわけです。その両方を見ながらお聞きいただきたいのですが、「経済・技術協力便覧」こちらの方の
内容というのは、「一九九四年版」こうあるわけです。
そこで、その中の一番最初のところを開いていただきたいと思うのです。中国の欄がございます。ずっと並んでおりますが、ちょうど下から五番目のところに「河南省テレビ局機材整備計画」というのがあります。十億円であります。その後に業者名がございます。
NHKアイテックと三井物産となっております。これが九二年度、つまり平成四年にそういう
事業が進められた、こういうわけです。
ところが、それと同じ
事業が、
先ほどお渡しいたしました「取
扱い注意」という方の中国の欄を見ていただきたいのです。一番上です。「河南省電視台テレビセンター機材整備計画」というのがあります。ここにきちんと三井が入っております。つまり、実際にはこちらの方は、いわゆる「取
扱い注意」の文書の方は平成三年度のものとして出されているわけです。片方の、いわゆる便覧の方によりますと、これは正式の文書ですけれども、それがどう行われたかといいますと、きちんとこれはこの方が後ですから、平成四年度になるわけですから、簡単に言いますと、一年さきからこの河南省電視台テレビセンター機材整備計画という形で要請を促進しながら、実際にそのとおりになっていった。
時間がありませんので、そのちょっと上に「新疆
放送局機材整備計画」というのがあります。この新疆機材整備計画というのが、五億九百万円ですか、受注者は三井物産。それで、この「取
扱い注意」の中国のところ、「新疆ウイグルテレビ
放送センター機材整備計画」の備考欄、そこに全くその行ったのと同じ三井の名前がある。
もう
一つだけ、ラオスの欄。ラオスの欄の「国立テレビ局施設計画」、これは清水建設になっております。もう
一つ、そのすぐ下に、ラオスのところ、便覧の方ですが、「国立テレビ局整備計画」、
NHKアイテックと日商岩井となっています。さて、内部文書「取
扱い注意」の方によりますと、この文書によりますと、「テレビ
放送設備拡充計画」の備考欄には、日商と清水建設の名前がきちんと出てくる。
つまり、このことは、中立的な
立場であるはずの開発コンサルタントが、こういう文書を「取
扱い注意」としてつくっている、大変な疑惑があるわけであります。さらに、この文書では、ODAの発注において入札前に受注業者が決定しているような形での記載になっていることは、
先ほど来私が申し上げてきたとおりであります。少なくとも、このことが事実であるとすれば、重大な問題であると思います。まさに問題になっている今のいわゆる建設談合、ゼネコン談合、これと同様にODA談合が行われているのではないかという疑惑を持たざるを得ないわけです。
もちろん御案内のとおり、ODAというのは
国民の税金を使っているのであります。こういた疑惑があること自体、極めて重大だと思います。しかも、これを
公共放送機関である
NHKの名前をつけた、関連会社ですけれども、
NHKアイテックが関与しているということは、
NHKに対する
国民の信頼というものにもかかわる問題だ。
そこで、時間がありませんので、「御説明資料」というわけですから、この説明がだれにどうなされたのか、あるいはまたどういう経過でこういう「取
扱い注意」の文書ができてきているのか、これは
NHKとしてもきちんと明らかにする必要があるだろうと思うわけです。そういう
意味から、
郵政省にしても、こういう問題を徹底的に事実を明らかにするということが必要だし、同時に、どのようにODAのいわゆる要請、それからどういう順序で今進行しているか、そういう点も含めて明らかにしていく必要があるだろうと思います。場合によっては、コンサルタント会社としての適格性というものも問われる問題じゃないかと思います。このことについて、
会長並びに
郵政大臣の方から御
答弁いただきたいと思います。