○
吉田(治)
委員 その中で、再び
貿易の方向へ少し
お話を戻したいと思うのですけれども、先ほど言いましたように、一九八七年に初めて
日本の
繊維産業が
輸入産業になってまいりました。
輸入産業というか、
輸出よりも
輸入の方が多くなってまいりまして、それから以降どんどん
輸入がふえてまいっている。
現状では六十六億六千万ドルもこの
繊維産業において
日本にとっての
貿易赤字。つまり、六十六億六千万ドルも
海外から余分に、余分というか、
輸出するよりもたくさん買っている。
先ほども言いましたように、
日本という国は、今や
輸出大国から
輸入大国へというかけ声の一番先頭を切っているのがこの
繊維産業であって、また、先ほどから申し上げておりますように、その中においては、
構造不況という非常に厳しい
状況の中、
円高でも、ある一部の
産業によって、
貿易黒字は一千億ドルだ、やれ何百億ドルだという形で、もっと
日本は
輸入をふやせ、そのために
円高圧力がかかってくる。
円高になってくると、ますます
繊維という一番取り扱いやすい
産業というふうなものは
海外へ出ていく。
御
承知のとおり、
日本の
繊維産業がたどってきた道というのは、より安いところを求めて、韓国へ出、台湾へ出、そしてシンガポールヘ出ていき、今やインドネシア、マレーシア、そしてベトナム、
中国というふうな形で、そして最終的にはインド、バングラデシュと。
私も、
アメリカ時代に、きょうは着ておりませんけれども、スーツを買ったり、このワイシャツは
アメリカで買ったワイシャツです。買ったワイシャツですけれども、
アメリカ製と言えないのは、後ろを見ますと、メード・イン・バングラデシュですとか、メード・イン・カリブ海のどこか知らない国の名ですとか、そういうような形の服を私もたくさん着ておりまして、
繊維業界の方にその話をすると、君は体が大きいからその服しか買えないんだろうといつも言われるのですけれども、でも、そういうふうな形でどんどん
海外の
製品が入ってくる。
しかしながら、だったら
アメリカで、例えば
アメリカでの話ですけれども、
アメリカで
繊維産業が全然だめになったのかというと、そうではない。先ほども申し上げましたように、
アメリカからの
輸出は確実にふえていっている。
その中では、駐日
アメリカ大使館のある商務官の女性の方が、一生懸命
日本の
市場を開拓するために、この三年間、ベトナム系
アメリカ人の方らしいですけれども、本当に一生懸命、東京、大阪、
日本じゅうを歩いて、
日本に合う
製品、
日本人が喜ぶような
製品、
日本人が買ってくれそうな
繊維製品というものを、
情報をこつこつ集めて
アメリカ本土へ送って、その結果、
アメリカの
企業が
日本へ出てきた。
私の地元大阪では、本当に
繊維産業の占める
ウエートが高こうございます。
日本輸出縫
製品組合の本部も私の選挙区にございまして、本当に
繊維で今まで飯を食ってきた、
繊維を
輸出することによって飯を食ってきた。そして、それが日米の
繊維交渉、日米の
貿易摩擦の一番取っかかりである
繊維交渉から、一ドルシャツに代表される
繊維交渉から、だんだん
輸出の
割合が減ってきて、今やもう
輸入になってきた。
輸出組合の方でも、いつまでも
輸出組合ではいかがか、エクスポートアソシエーションじゃなくて、トレードアソシエーションに変えようかというふうな組合の方の声も一部出てきている。
そういう中で、先ほど言いましたように、
繊維産業が占める
日本での
割合、雇用においては一〇%、それだけの
産業をこのまま自然死させていくのはいかがか。長いトンネルに入ってきている。将来これは
構造改善さえできればいいよとか、頑張れば何とかなるよという
段階じゃなくて、また次の新たな希望に燃える火を出す必要があるのではないかと
考えます。
その中で、今申し上げました
国際化という中で、
輸入ばかりじゃなくて、もう一度
輸出というのですか、
日本の
繊維製品は、今局長言われましたように、非常にすばらしいテキスタイルの技術を持っている、
デザイナーの力を持っている。そして機械も世界一流のものを持っている。そして
国内市場は世界第二位だと言われている。それだけの基盤をもう一度
繊維産業に復活さして、そしてそのことによってまた
海外への
輸出もふやしていくというふうなことも、これからは発想として必要ではないかと思います。
繊維産業の
人たちの中には、私
たちは戦後の復興期一生懸命頑張ったのにその後は虐待され続けている、何でこんな苦しい目に遭っているんだという声も確かにあると思います。
その中で、
日本の
繊維製品が、価格面においても、また、
品質面、デザイン面におきましても世界の
市場において確固たる地位を占め、
輸出をする、
輸出をふやして
繊維産業の技術革新と新規
商品開発意欲を刺激するということが
繊維産業の再
活性化の道ではないかと私は
考えるわけであります。単に、
輸出で苦しめられて、何とかしようじゃなくて、今度は、守りじゃなくて、攻めをもう一度
考える必要があるのではないかと思います。
その中におきましては、
日本発のブランドイメージも必要でしょうし、メード・イン・ジャパンにおける信頼性というものを、そこへこの織
工法で言われているようなデザインですとか、川中、川下の部分までプラスさせていけば非常にいいものが出て、確固たる世界の
繊維産業、
繊維のマーケットにおける地位を占めるのではないかと思うのですけれども、こうした確固たる地位を占めるために、ブランドのイメージの育成ですとか
産業の育成に今回のこの法改正というふうなものはどの程度の
支援と効果が期待できるのでしょうか。
業界の方は非常にこの法案について期待されておりまして、これによってもう一度自分
たちの
産業を夢あるもの、そしてもっといろいろな
人たちに勤めてもらえる力のある
産業、伸びている
産業にはどんどん人も集まってまいりますので、そういう
産業にしたいという希望もございます。その辺はどういうふうにお
考えなんでしょうか。