○梶原敬義君 ありがとうございました。
きょうは、
補正予算あるいは景気対策を主に私の
意見も入れて述べさせていただきたいんですが、今日のこの深刻な不況、きょうもずっと報告がありましたからもう多くを申し上げませんが、しかしもう少し冷静に考えると、一体何でこういうことになったのか。
これは、私もずっと中曽根さんの
内閣のときに各種
委員会に出て
議論をいたしました。あのバブルの原因というのは、御承知のように民活中心にどんどん景気をあおっていったわけです。当時、土地がまとまれば容積率を上げて大きくして、そして高いビルができるから、だから地上げ屋がどんどん横行して、そしてこういうところに金を銀行はどんどん貸していった。どうでしょうか、日銀総裁もいらっしゃいますが、その当時は各都市銀行の窓口というのは、何の仕事か金を借りてくれ借りてくれというのが当時の大きな仕事だった。今、
担当者が全部かわって、いや、貸す金がない、こういう厳しい状況になっております。
この異常なバブル、
日本の国土がアメリカのあの国土の二・五倍の土地の資産価値があるというような、こういう本当に泡の上に乗ったような
経済をつくり出したその根源というのは非常に今責められておりますが、そうじゃなくて、中曽根さんのあの民活時代、民活民活、それからリゾート法、このリゾート法も、つくるときに私どももいろいろ
議論をいたしましたが、今、宮崎県のあそこのリゾート計画が成功しているだけで、あとはみんな計画がつぶれていっているでしょう。もう本当に跡形もない。こういうような状況をつくり出してきた。
そして、そこで今度は、これは大変だということで景気の引き締めをやりました。私どもは、この景気の引き締めに対して、これはいいかげんにせぬと、余り急に風船を膨らませて空気を抜くとこれは大変なことになるということで、今度は逆に、これはほどほどにしてほしいということを言ったわけです。
例えば、
平成三年十二月の本院の
予算委員会で私は、大丈夫ですか、このように日銀総裁に
質問をしたことがある。これに対しまして日銀の
三重野総裁も、
三重野総裁もまた大分県にゆかりのある人ですから余り厳しいことは言えないんですが、景気については、やはりキーポイントは設備投資だと思います。設備投資は、過去三年間非常に高い伸びが続きましたので、当然今年度は減少しておりますけれども、つい最近発表をいたしました短期
経済観測によりましても、中小企業を含めまして設備投資が、ごくわずかでありますが上方
修正をしております。
なお減速は続くとは思いますけれども、ここに来て急速に景気が落ち込むことはないという云々。
私はそれに対して「景気というのは一たん下がりかかったら想像以上に下がってきますから、その点については十分配慮していただきたい」、このように言って、また
三重野総裁が答弁された。
三重野総裁といたしましても、これは前の澄田さん、大蔵省出身の方が
三重野総裁の上に来て、その後始末したから
三重野総裁にすべて責任があるわけじゃないと思うんですが、やはり日銀においても若干景気の見方に対する甘さがあったんじゃないか。
そして、翌年の
平成四年三月三十一日に、この本
予算委員会の暫定
予算の
審議のときに、在庫調整等を中心にして野田経企庁
長官と
議論をいたしました。大丈夫かとこう言ったら、野田経企庁
長官は、本年度の半ば過ぎたころから大体一巡が終わった姿になっていくのかなと、こう思っております。いわゆる在庫圧迫感というものは、在庫の山がずっと崩れ始めていくというような姿がはっきりと見えていけば、またおのずから景気への業況感というものも変わってくるわけでありますから、そういった意味で、本年度の半ばごろから
最終需要に引っ張られて在庫調整が一巡をし、緩やかに生産が拡大をしていく、そういう過程をたどるのではないかと、こう見ておるわけであります。このように答えております。これは宮澤政権下の野田
経済企画庁長官が答えたわけですから、この点の甘さを私は指摘をせざるを得ないと思います。
それから、私はもう一つ厳しいことを言いますが、大蔵
大臣、銀行の指導やあるいは証券の指導で、当時、証券スキャンダルあるいは銀行の不始末に対して橋本大蔵
大臣は責任をとっておやめになったが、銀行局やあるいは証券局の大蔵省の幹部はだれも責任をとっていない。私は、やめるということはそれはよくないかもしれない、しかしそううまくいかなかったときにはピッチャー交代してやはり政策を変えていくのが筋ではないか、そのように思うのであります。
この点について私は、大変でしょうが、しかし
細川政権になりまして、じゃ過去はこうだったからおれは知らぬぞというわけにはいかない。その点は
細川総理はしっかりそめ責任を負って、前のことは大変だったが、そのことは一言も言わぬで今一生懸命やっているという姿は私は御立派ではないか、このように思いました。
この点につきまして、
三重野総裁や大蔵
大臣や経企庁、何か所感がありませば
お話しをお願いしたいと思います。