○青木幹雄君 私は、自由民主党を
代表し、米の
自由化を事実上決定した
細川内閣の
責任を
国民の前に明らかにしていただきたいと思います。
昨日、本日、衆参両院の本
会議において米問題の質疑が行われてまいりました。自民党として私が最後の
質問者であります。重複する部分があろうと思いますが、長年にわたりこの問題は
議論をしてきた問題でありますので、今さらその
内容について細かい
議論をしようとは考えておりません。事実上米の
自由化を決定された
細川内閣の
責任がどのような形でとられるのか、とられないのか、
責任問題に絞って
お尋ねをしたいと考えます。
まず、三度にわたる
国会決議についてであります。
今回の決定は、明らかに
国会決議を無視した決定であります。私は、参議院に当選しましてから七年になります。
国会決議というものは、いかなる
事情があろうとも、いかなる
立場にあろうとも、議会に席がある以上絶対に守らなければならない
議員にとっては憲法に等しいものであると考えてまいりました。
国民の皆さんもまた同じ気持ちで
国会決議を受けとめてこられたはずであります。この三度にわたる
国会決議を踏みにじった
責任を
総理はどのような形でとられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
その
責任は、単なる米問題の
責任ではありません。衆参両院の権威を完全に失わしめた
責任であります。また、
国民の皆さんに
国会決議がいかにむなしいものか、信用できないものかということを事実をもって示した
責任であります。この
責任は、米の
自由化賛成、米の
自由化反対以前の問題であるという認識に立ってはっきりとした
答弁を求めます。我々議会に対してではなく、
細川総理の
国会決議に対する認識を
国民の
皆様にもわかりやすく説明を求めるものであります。
自由民主党は、今日まで四度目の
国会決議を
主張してまいりました。与党の中でも多数の賛成者がありながら、四度目の
国会決議はできませんでした。まことに残念であります。三度の
国会決議を守るから四度目の必要はないということでありました。しかし、事実は、
うそをついているので今さら決議はできないということが真実であったわけであります。
総理、
国会決議を無視して
うそをつくくらいなら、なぜ堂々と正直に、三度の
国会決議を今回は守ることはできません、それはこういう理由からであります、したがって米の
自由化はいたしますと正直に表明されるのが、
努力はしましたができませんでしたと
うそを言われるよりもまだ親切な政治であったと思います。
総理が日ごろおっしゃっている、わかりやすい正直な政治であったと私は考えております。
この問題は息子や娘の入学試験ではありません。失敗したからもう一度頑張って六年後にはしっかりやれと言える問題でないことを、
総理ははっきりとこの際認識すべきだと考えております。
総理、あなたは五十五年の決議には参議院
議員として参加をしておられます。しかし、それは
ウルグアイ・ラウンドの始まる前であります。二回目、三回目には参加をしておられません。前回の衆議院
選挙、前回の参議院
選挙で初当選された皆さんは、一回も決議には参加しておられないのであります。それゆえにこそ、本気で
国会決議を守る気持ちが
総理にあるならば、あなたが率先して四回目の決議をすべきだったのではないでしょうか。
日本国の
総理の命がけの
決意を
世界に示す上でも必要なことであったと思います。はっきりとした
答弁を求めます。
四度目の
国会決議ができなかった
時点で、既に
日本の外交は完全に敗北をいたしております。
国会の意識統一ができない国が、事実上三度にわたる
国会決議を破棄した国が、激しい
外交交渉の中で勝てるはずがございません。子供でもわかることであります。
それがはっきりと証明されたのが、長い間における
国会を無視し、
国民をだまし続けた秘密
交渉が行われてきたという事実であります。内外の新聞で報道されるたびに、私
どもは本
会議で委員会でこのことをただしてまいりました。
総理も
農水大臣も、その都度、報道の誤りであり、絶対そういうことはありませんと言い続けてまいりました。私たちは、その都度信用をしてきました。
国会という公の場での
責任ある
立場の人の
発言だからであります。
この際、はっきりとさせておきたいと思います。
外交は国と国とがそれぞれの国益をかけた
話し合いであります。時には秘密も必要でありましょう。しかし、秘密外交が許されるのは、それがそのまま
日本の、
我が国の国益に合致するときのみ許されるべき問題であります。国益を結果として害することに終わった今回の秘密外交は、絶対に許すべからざる行為であります。この際、隣国の大統領が行ったように、正直に
国民に断りをし、この
責任を明らかにしていただきたいと思います。
総理のはっきりとした
答弁を求めます。
先般、同僚の片山
議員の予算委員会における
質問から七年目の問題が明らかになりました。
日本にとって何ら得るものはありません。
努力の跡など影すら見えない状態であります。外国に対するサービスの跡だけが残っておるのが
現状であります。こういう重大な問題を何も知らずに役所に任せていたとしたら大変な問題であります。また、知っていたとしたら一体だれとだれとが知っていたのか、その存在を明らかにし、その
責任を明らかにしていただきたいと思います。
昨夜のテレビ報道によりますと、
日本において閣議了承が行われる前に
現地においては既に決定事項として取り扱われているということでありますが、一体どういうことになっておりますか、説明を求めます。
次に、羽田
外務大臣の派遣についてであります。
最後の一番大事な時期に
責任大臣を派遣するかしないのか。一度は中止をなさいました。そしてそのとき、今からでは遅過ぎると
反対されたと聞いております
外務大臣が、自由民主党の要請によって自分で行かなければならなくなった。全く
国民から見ればなそのような
内閣の動きであります。しかも、与党の首脳の皆さんも羽田
外務大臣の派遣を知らなかったということですから、一体
内閣の
方針はどうなっているのか全く
理解に苦しむものであります。
当然初めから
内閣を挙げて
現地で最後の
努力をするのが本当の姿ではないでしょうか。それができなかったということは、既にそれまでに秘密
交渉によってすべてが決定したというあかしてはありませんか。正直な御
答弁を求めます。
残念なことでありますが、今朝、
細川内閣の名において事実上の米の
自由化が閣議了承されました。
私は、それぞれの党の
代表からはっきりとした
答弁を求めたい気持ちでありますが、時間の
関係から
質問の
内容は
各党に対し同じ気持ちであることを申し上げ、昨日一番苦しい選択をされたであろう
社会党を
代表して、
山花大臣に
答弁を求めます。
社会党は、
国会決議、八
党派合意、特に公党として
選挙の
公約にはっきりと
完全自給を堅持し、
農産物の
例外なき
関税化には絶対に
反対するとはっきりと
国民の前に表明を続けてまいられました。現在でも党内の多くの同志の皆さんが、公党として
公約はあくまでも守るべきだという正しい
主張を続けておられる
現状ではございませんか。そういう中で、調停案には
反対であるけれ
ども政府の決定はやむを得ない、
内閣にとどまり協力するという決定をなされたわけであります。
まさに
国民を裏切り、
農民を見捨て、
公約を破り、昨日までともに汚した同志を裏切り、政党としての存在をみずから放棄した行為であると言わざるを得ません。