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大塚清次郎君
大臣の
決意、ますますかたくなっておるようでございますので、このままさらに終局まで
日本の農業を守るために、国益を守るために頑張っていただきたいと思いますが、一つ注文をつけておきます。
今まではそういういろいろな雑音がありました。ありましたけれ
ども、もう私
どもは
細川総理並びにあなたを信頼する以外にはないわけですが、あなたのよって立つ
政権与党の首脳あたりが今後こういうことの一切ないように、これはひとつくぎを刺しておいていただきたい、こう思います。個人で言われたということにしてはインパクトが余りに大き過ぎるとこれは思います。どうぞひとつそういう点でよろしくお願いいたしたいと思います。
それで、私がなぜこうもしつこく申し上げるかと申しますと、今
交渉は大詰めを迎えんとしておりまして、我が国がやっぱり
ガット交渉の最大の標的になっておる。それで、
例外なき
関税化をともかくものめという一本調子で攻め立てられておるのが実情だと思います。しかし私は、今まで一貫して私
どもが主張してきたように、このダンケル・ペーパーそのものが、これは非常に不公平、不平等、これを持ったままだということがございます。輸出国と輸入国の関係、輸出国が輸入国に戸をあけろと言うならば、輸出国は未来永劫の供給の責任を持たなきゃならぬわけです、これが一つ。それからもう一つは、今輸出補助金がありますね。これは全廃すべきなんです。全廃してからそれを条件に戸をあけろ、こう言うべきなんですね。それがそうなっていないということがあるわけですね。そういったような基本的な問題がございますので、これはどうしてもその壁をぶち破らないと私
どもはそれには乗れないということは、もう自明の理でございます。
ほかにもいろいろございます。例えば例を挙げて、ECとアメリカの今けんかといいますか、ブレアハウス合意をめぐってまだ延々と続いておりますけれ
ども、その輸出補助金の削減率、ダンケル・ペーパーは二四%、これは二一%で手を打っている。それに今度はフランスがだめだと抵抗しておるということですね。全廃しなきゃならぬものにそういったようなことでやっておるということで、これは一体何なんだと。それがしかも係争中なのに、それを外にして、ひとつともかく
日本はリーダーシップを発揮して、
交渉促進の主役になれというのが今の
サザーランドが来、エスピーが来た理由じゃないかと私は思うんですね。そういう
意味で、やっぱりきちっとして、これは将来にわたる国際
貿易ルールですから、あくまでも私
どもは正論を通していかなきゃなりません。そういう不公平、不公正なものは断じて私
どもは許すわけにいかぬということでございます。
そういったようなこともこれあり、それからもう一つ国内的には
関税化をのめば、私は我が国農業は行く行くつぶれてしまうという気さえいたします。皆さんもそう言います。だから、どうしても
例外なき
関税化はのめないというスタンスをきちっと限りなく持ち続けるべきだ、このように思っております。
私は、
大臣御
承知のとおり、
東京ラウンドの牛肉・かんきつの自由化のとき、団体側で
政府と一体になって何遍もワシントンあるいは
ジュネーブあるいは現地に参りました。多くの国
会議員の方々も議員
外交を展開してもらいました。そういうことで、非常にありがたい
国会の
支援を受けてまいりましたが、
最後の
最後になりますと、この
日本農業、基幹作目である米という、城に例えて言えば本丸を守らなきゃならぬからひとつやむを得ないという雰囲気が出てきたわけでございます。その本丸が今やられようとしておる。しかも、やむなく自由化されてしまった牛肉・かんきつのその後の状況はどうでしょうか。
あのときの国内
対策はそのときには非常に手厚いものと思っておりました。実は牛肉が関税一千億円の特化をいたし、それから関税率は七〇、それから五〇へなだらかに下げる、それで五〇で下げどまりということがございました。それから、かんきつは嗜好品だからというわけで、ちょっと弱かったと思います。しかし、ミカン園の減反をした上で、果汁はこれはやばいからひとつ将来とも原料の価格支持をやろうということで、あれに約一千億ばかりの国内
対策が講ぜられましたが、今になってみますと、そのときの見通し、シミュレーションというのが全然当たっていません。それよりさらに悪くなっておるということがございます。
私は、ここにその後の輸入の状況、かんきつと牛肉の急増の実態を持ってきておりますが、今それは言いません。どんどんどんどん国内生産のパイが縮小していっているということではないですか。そういうことがございますので、これは畑作にも通ずるし、やっぱり米にもこれは通ずることでございます、将来ともに。
したがって、私は、今度の新政策について先般本
委員会での
質疑の折に申し上げましたけれ
ども、今度の新政策は、いわゆる現行の国境措置を維持するという前提でつくってあるのか、そうじゃないのかということを官
房長に伺いましたら、現行の国境措置は維持するという前提でつくってありますと言う。だから、これが
関税化でつぶれれば新政策は吹き飛ぶということになるわけでございます。そういったようなことがあるわけでございます。
そして、特に自給率ということになりますと、休みなく下がっています。維持はなかなか困難だと私は思います。今度米の本丸をやられるということになりますと、そのことの心理的な
影響が重なって、これはどうなっていくか。ますます自給率は下がり、
日本の生産パイは縮小していく。老齢化し、後継者不足だからいいだろうなんということにはならないわけでございます。パイの大きさは縮めずに担い手の規模拡大で
対応しようとしておるわけでございまするから、絶対国内的にも
関税化には応ぜられないというスタンスを維持すべきだと私も思っておりますし、恐らく
大臣もそうだろうと思います。
それから、一番怖いのは、青山学院の速水教授というこれは
関税化論者なんでございますが、その米に関するシミュレーション等も見ました。ほかにも二、三の学者がシミュレーションを出しておられます。よく私
どものこの実態を踏まえたものもございますが、その中で
関税化、これが一番問題なんです。
関税化は牛肉・かんきつのときもガットにバインドしました。例えばフレッシュオレンジで季節関税四〇%でしたかね、それから非季節で大体二〇%でバインドしました。安心しておりましたところが、またぞろ最近どうですか経済局の方では、ゼロゼロとかハーモニゼーションとかあるいはまた一律引き下げとかいうようなことで、この関税引き下げの要請があっているんじゃないかと思いますけれ
ども、そういうので、
東京ラウンド、それからウルグアイ・ラウンド、これがどういう形で終結するにしても、また次のラウンド始まると思うんですよ、私は。そうなったときは、米は最初高い関税をしいてなだらかに下げていくから米の
関税化もいいんじゃないかといっておりますが、これほど当てにならないものはないということは、過去の例、現実が示しておると私は思います。そのときのラウンドにバインドされているのが次のラウンドでゼロを目指して下げられていくことになります。
林産物もついこの前約束したのをまたゼロにしろと言ってきておるといったような問題もありまするから、これは当てにならない。だから、そういったような
関税化というものは、これは非常に危険なものであるということを思わざるを得ませんが、それについても
大臣はどうお考えになりますか。そういったようなことがございます。
それからもう一つは、今のようなことで
日本にだけリーダーシップをとれ、包括
関税化をひとつ受け入れてリーダーシップをとって、そして
ガット交渉をまとめていこうというそういうひとつの
日本に対する大変な攻めがあっておるわけですが、その陰に隠れてアメリカの今持っておる創業者利得でございますウェーバーは一体どうなっておりますか。それから、各国にそれぞれ輸入制限品目が
日本以上にある。
日本は小さく分類しても二十一ぐらいしか米を含めて残っておりませんけれ
ども、これの行方はさっばりわからぬままに
日本にだけともかくも米の
関税化に応じろ応じると言うのは、これはいかがなものかと私は考えますが、そういう
交渉の中身の
説明は一向に今まで受けておりません、私
どもは。ですから、米というものに隠れてしまっておるということは、非常にこれは危険だと思う。そういう
意味からも私は、米の
関税化は絶対これは阻止していかなきゃならぬ、受け入れられないという
立場をとってまいらねばならぬ、こういうように思うわけでございます。
問題は、いわゆる
関税化がいかに恐ろしいものであるか、そしてまた、今の
関税化の基礎になっているダンケル・ペーパーがいかに不公平なものか
大臣もおわかりですし、またそれが国内に
影響することはどうなのかということも、もう私が言う必要はございませんが、この辺で
大臣にしっかり認識を合わせていただいて、その認識の上に立って今後の
交渉に毅然たる
立場で臨んでいただいて、
日本の農業を守っていただきたいということをお願いいたしたいということで長々しゃべったわけでございます。
ひとつ
大臣、そういう点について、今後の
大臣の
交渉に臨むスケジュール、どんなものが考えられるか、そしてどういう態度で今後臨まれるかということ、そして
細川総理もひとつ一心同体のものとしてこれはやってもらわねばなりません、非常に
心配がありますので。そういう点も含めまして
大臣の
決意のほどを承って、私はこの問題を終結したいと思います。