○清水達雄君 それで、今の共国債権買取機構のような不良債権の処理方式でいいのかどうかということになるわけでございます。
私、いろいろ考えますと、余り一遍に銀行の方に損切りをさせてやるということは、
株式市場とかその他にいろいろ影響も及ぼすし、銀行の活力も本当にこれは弱気経営のようなことになっちゃうというようなこともありますので、ある程度時間をかけてやった方がいいんじゃないだろうかというふうに思いますと、不良債権の担保土地のうち使えるような土地についてはできるだけそれを使っていく。しかし、使えないような土地、地上げがまだ中途半端だとか市場になかなか出にくいとかいろいろあると思うんですけれ
ども、そういうものについてはいわば塩漬けにしておく、何かそういうふうなことを考えていかなければいけないんじゃないかなという
感じがするわけでございます。
それで、私は大体三つぐらいタイプがおるのかなというふうに思っているんです。
というのは、まず第一番目は、住都公団とか公共団体とか
地方公共団体の住宅供給公社とか、そういうところに使える土地を売るということでございます。ただ、これについては値段の問題とかなんとかありまして、そう多量なものは余り
見込みがないんじゃないかなという
感じがいたしますけれ
ども、そういうことをやらなきゃならない。
それからもう
一つは、土地は使えるけれ
ども、かなり損切りをしないと市場には出ていかないし、土地だけではなかなか流動化しない、動かないというふうな場合には、ビルなどを建てまして、市場で流通し得るような形態とか
価格にして、そこで例えば不動産共同投資事業みたいなもので小口化を図って売る。アメリカなんかでは証券化をして、小口化をして売ったというふうなことをよく聞くんですけれ
ども、そういうふうな使い方が第二番目にあるのかなと思います。
それから第三番目は塩漬けでございます。これについては、この塩漬け用の土地というのは非常に今後社会的にはいろんな問題を起こしてくる
可能性がある。まず、草ぼうぼうになって管理がうまくいかないとか、それから変な
人たちが占拠をしてどうにもならなくなるとか、いろんなことをかなり心配されている向きがあるわけです。そういう対策をも含めてちゃんとした管理もしていかなきゃならぬ。
それから、今かなりこういう土地は値段も非常に下がってきたから買っておこうかなと思いましても、買うとなると、まず不動産取得税がかかるとか登録免許税がかかるとか、固定資産税はもちろんかかるし地価税もかかるというふうなことで、買って塩漬けにして持っていても租税
負担なんかが非常にかかるとか、いろんな問題があるというようなことが一方で言われるわけでございます。
それからもう
一つは、塩漬けにするときに余り損切りをしないで、今回、五割の損切りをしておりますけれ
ども、八割ぐらいで、そのかわり買い戻し特約でもつけて新しい機構でもつくってそこに移すということにすると、これは贈与とみなされる。国税は贈与税を払えというようなことになる。あるいは監視区域制度でそんな
価格はだめだよというふうな話になる。いろんな問題がいっぱいあるわけですね。
通常の取引については、それはきちっとしたそういう体制でやる必要がありますけれ
ども、不良債権の塩漬けみたいなことを行うのには何かそういうことを許してやらないとうまくおさまらないんじゃないかというふうなことも含めまして、そういうことに伴う法制的な
措置も講じていく。
本当は新しい機構をつくって、金融機関とか不動産業界とかあるいは地方の公共団体とか、そういう
人たちにも出資をしてもらって、塩漬けにしても将来はちゃんと都市の再開発とかなんとかに使うという
意味において、いずれ使えるようになったら再開発にちゃんと使っていこうというふうな、何かそういうふうなものをつくる。しかも余り金利が高い金じゃだめですから、これは金融機関から超低利の融資をさせるということと、さっき言った租税とか、そういったことに関する
特別措置も講じながら、そういうものをつくってかなりの期間は塩漬けにしないとだめかなというふうな
感じもしているわけでございます。
何か
大蔵省もいろいろ検討されているとか、建設省もやっているとか、通産省もやっているとかいろいろなことを聞くのですが、やっぱりみんなで
一体となっていい案をつくらなきゃいけないのじゃないかというふうに思っているわけでございますけれ
ども、その辺についてのお考えを
伺いたいと思います。