○釘宮磐君 最後であります。皆さんお疲れでしょうけれども、あと十五分ほどよろしくお願いを申し上げたいと思います。
個別の
被害対策については既に相当
質問が出尽くしたようであります。そこで、私は
災害復旧事業の制度に関する問題について、若干の問題を提起しながら
質問をさせていただきたい、このように思うわけであります。
最近の
災害の特徴は、どうも連続して起こるようであります。我々が
鹿児島県の
災害視察をしてから一週間もたたないうちにまた
台風十三号に見舞われたわけでありまして、そういうことからしてみますと、まさに
復旧に取りかからないうちに次の
被害が起こっているということが言えようかと思います。
私の出身であります
大分県でも、実は
平成三年に
台風十九号がありまして、その風倒木が十分今でも片づいていないわけでありますけれども、その風倒木が実は今回の
台風十三号で川に流出しまして、それが橋脚にひっかかってそこにせきをつくってそれが一気に決壊をしたような
状況の中から、とうとい人命を失うというような大きな
被害につながっていっているわけであります。そういう意味では、こういう
災害復旧事業というのは一日も早くやらなければならないということは論をまたないわけであります。
しかしながら、どうもすぐに
復旧作業に着手できない事情があるのじゃないのかということがよく言われるわけであります。それはどういうことかといいますと、もう皆さんも御
案内のように、
災害査定というものが非常に時間がかかるということであります。もともと時間がかかるのにもってきて、最近は
被害が膨大でありますので、なおさらこれがおくれていくということになっているわけでありまして、こういった面では改善が今後必要になっていくんではないかこのように
考えるわけであります。
私は今回、
災害が起こりましてすぐに
台風十三号の
被害を受けた
大分県下の市町村を歩きました。その中でいろんな意見を聞いたわけであります。
まず第一に、査定をもっと簡素化してもらえないかというような切実な意見がありました。特に、続けて
災害に遭うというケースが最近多いということを先ほど申しましたけれども、本来の事務事業をストップしても対応しなければならない、しかも期限は限られているというようなことで、もっと手続の簡素化、簡略化を
検討してほしいというような意見がありました。
それから、最近では国も職員数の
関係などで査定の簡素化を図ろうということで机上査定を多くしているようでありますが、この机上査定についても、現場の
状況を図面や写真で査定官が判断していくために現地査定以上に多くの資料を用意しなきゃならないということで、本来、少しでも簡素化しようということでスタートした机上査定が逆に市町村にとって大きな負担になっている。この辺もぜひ
考えてほしいというような意見がありました。
さらに、査定前着工の簡素化を進めてほしいとか、簡易積算方法の拡充をもっともっと採用してほしいとか、さらには査定設計書の簡素化、これは私も聞いてびっくりしたんですけれども、この査定設計書は
災害復旧用の指示された単価及び歩掛けを用いているために、電算に通常の単価というのは打ち込んであるんですけれども、特別に
災害のための単価、歩掛けでやらなきゃならないために電算が使えないで手
作業でやらなければならない、こういうことで大変困っているというような話でありました。そしてそれが、さらに今度は発注時にはまた
実施単価に戻さなきゃならない、置き直さなきゃならない。こういうふうな極めて矛盾したようなことがかえって市町村の事務量を増大させているというようなこともあるようであります。そういうことで、ぜひ
実施単価査定を
検討できないだろうかというようなことも意見としてありました。
さらに、
災害規模が大きくなりますと、保留をかけられて大蔵省の
決定までさらに時間がかかるというようなこともあるようであります。こういうふうにるる述べてまいりましたけれども、このような
災害査定についての問題、これが実は大変当該市町村、
被害を受けた市町村にとって大きな負担になっている。さらにはまた、すぐに
災害復旧に取りかかれないというようなことになっているわけでありますから、この辺についてぜひ、私はもう見直す時期というか、実情に合わせたものに変えていかなきゃならないんじゃないのかというふうに思うわけであります。
このような問題についてどのように認識をなさっておられるのか。さらにまた、今回の
災害に対処するための改善というものがもしなされているとするならばそこのところをお聞きしたいし、さらに中長期的にはどういうふうなお
考えなのか。具体的に
建設省、
農水省、さらに所管大臣であります
上原長官にもお聞かせをいただきたい、このように思います。