○二田孝治君 私は、
自由民主党を代表いたしまして、
細川総理、羽田外務大臣、畑農林大臣に
お尋ねをいたしたいと思います。
先ほど辻議員のお話にもありましたとおり、昨日、十一月七日からきのうまで訪欧してまいりました。それは、超党派の訪欧団ということでございます。参ります前に、私は、辻団長に確認を申し上げておったのでございますけれ
ども、それは何かといいますと、各党の代表であることに間違いないでしょうねという念を押したわけでございます。参りました議員は、辻さんと白沢新生党の議員、それから錦織さきがけ
日本新党の議員、この四名なわけでございます。ということは、この代表団というところに大変大きな意義があるということは皆様方
理解のとおりでございます。
いかがでございましょうか。各党が代表で行きまして、
交渉に行ったんじゃないということも確認しておるわけでございます。
交渉じゃなく、私
どもは各党の代表が
国会の意思を申し述べに行った、こういうことでございますので、
総理、その点をひとつよろしく御
理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
申し上げてまいりました
内容につきましては、ただいま辻代表が申したとおりでございます。
端的に言いますと、米の
例外なき
関税化には反対でございますという意思を鮮明に申し述べてきた、こういうことでございますので、ただいま参りました各党の代表者もこのことには縛られるんじゃないか。でなければ、我々が外国に行ってうそをついてきたということになりますので、どうぞよろしく御
理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
サザーランド・
ガット事務局長にもお会いしてまいりました。話は先ほど畑農林大臣がしておったとおりでございまして、辻議員から
日本のいろいろな実情、そしてなぜできないかということ
は、私から申し述べますのは重複をいたしますので省かせてもらいたいと思います。
そして、我が党では、ここでこうやって話し、皆様のお顔を拝見いたしますと、米の
例外なき
関税化にはみんな反対だよという顔をしていらっしゃいます。しかし、じゃ、ここで
国会決議を上げてくださいと言うと、どういうわけか、なかなかできない。この摩詞不思議な現象というのは、一体どうしたことでございましょうか。(
拍手)我が党では、先月からずっと一貫しまして、三度この
国会で上げております
国会決議を、選挙もやって議員もかわったし、
政権交代もしたことだ、こういうことでございますので、新たにやったらどうかという御提案を再三再四申し述べておったところでございます。しかし、これがなかなかできない。私はまことに不思議に思うのでございます。
しかし、また一方、各党の代表団は、私
どもは党を代表して参りまして、米の
例外なき
関税化、
自由化には反対ですぞ、こういう
二つの矛盾した問題をどう解決したらいいかということではないでしょうか。そしてまた、今回の我が党からの提案に対しまして、連立与党側からは、
政府の
交渉の手足を縛りたくないというような返答があったようにお伺いしております。
総理にお伺いいたしたいのでございますけれ
ども、手足を縛られたくないということは、
総理は過去三回の
決議には手足は縛られたくないということなのかどうか、はっきりしていただきたいと思います。したがいまして、新たな
決議はできないのじゃないか、こういううがった見方もできますので、どうかひとつ速やかな、一日も早い
国会決議というものをお願い申し上げたいと思います。
私は秋田でございますから、選挙
制度はどうなるかわかりませんけれ
ども、今までどおりよくうちに帰ります。そうすると、実際の
農民者、
生産者にお会いをいたします。いろいろな
地域に参る。
生産者の手は、
総理、大変荒れています。
総理に質問しているのでございますから、ひとつ……。
総理に質問しているのでございますから。荒れております。
そして、私
どもはなぜこういう
地域にいるのか、なぜここで
農業をやっているのか、それはとりもなおさず、私
どもが
農業をやめてしまったらこの
地域はどうなるでしょうか。だれも人がいなくなってしまうのじゃないでしょうか。何とかひとつ私
ども農業者にもいい目を見るようにお願い申し上げたい。そして、米の問題はおおむね心情的な問題なのでございます。国家が
食糧自給を堅持するか否かという、極めて哲学的な問題でございますので、その点を踏まえたひとつ御答弁をお願い申し上げたいと思います。
次に、
ガット・
ウルグアイ・ラウンド交渉は、現在大詰めの段階を迎えて、大変緊迫の度を深めております。
サザーランド事務局長にいろいろなことをお伺いしました。
事務局長は、問題は米ばかりではございませんでしょう、いろいろな問題が内在しておる、存在しておる、とりわけ金融問題は今大きな問題になっておるんだ、こんなこと一つでも
ウルグアイ・ラウンドというのはすっ飛ぶ可能性すらあるのだ、こういうお話をお伺いしておったわけでございます。
総理は、
ウルグアイ・ラウンド全体をまとめる
立場にございます。何をとり、何を捨てるのか、この決断をしていかなければならない部面が必ず到達する、私はそう思うわけででざいますのでございますので、
総理の
責任におきまして、
ウルグアイ・ラウンド全体をまとめる
責任のある
総理の
見解をお聞きしたい、こう思います。
また、いろいろ勉強したり、見たり、聞いたりしておりますと、大詰めの
ウルグアイ・ラウンド交渉に対処するためには、各省ばらばらの対応ではなく、
総理がリーダーシップをとる体制で総力を挙げて取り組むことが重要だと思います。各省のそれぞれのエゴが出てきておってはこういう
交渉というのはまとまらない、私はそう思います。こういったばらばらな
交渉を統合し、一本化し、
交渉をするということが大変大事なことじゃないかな、私はそう心から思うわけでございますので、この辺に関する
見解をお聞かせいただきたいと思います。
NAFTA、北米
自由貿易協定の批准を前にいたしまして、
ガットのそれぞれの
関係者のお話をお伺いいたしますと、アメリカとしては、このNAFTAの批准が決まらなければ
ウルグアイ・ラウンドどころではないというお話が各
関係者から出ておりました。そして、このNAFTAが批准されるのか批准しないのか、大変厳しい
状況だということもまた聞かされております。これが批准されない場合には、羽田外務大臣、どういう影響が
我が国に来るのか、また
ガット交渉はどういう展開になっていくのか、その辺の見通しと対処の方法というのは、
我が国でもきっちりと踏まえておかなければいけない問題だと思いますので、ひとつよろしく御
見解をお聞かせいただきたいと思います。
また、フランスのシャローという
生産貿易局長に会ったのですけれ
ども、こういう話をしておりました。
ガットの
交渉期限は十二月十五日でございますけれ
ども、そもそもアメリカのファストトラックとの
関係から来ておるわけでございまして、アメリカ側が今のようにNAFTAでまとめるような
努力をしなければ
ウルグアイ・ラウンドの年内
合意はおぼっかないのじゃないか、おぼっかなければ困るのじゃないですか、こういう質問をしましたら、それはアメリカの都合でおぼつかないということ、またアメリカの都合で十五日までに決めなければならないというのは極めて変な論理であって、それは十五日までに決めなくても、もっとやったらいいじゃないですか、こういうようにその
貿易生産担当局長が言っておりましたので、そういう
考えというのはいかがかと私は思ってまいったわけでございます。
我が
日本の
国民は、米を含めまして、どこへ行っても毎日
ガット、
ガット、
ガット、
ガットとやっていますけれ
ども、果たしてもうちょっと冷静になって、この条約の行く末というものをきっちりと見きわめる必要もあるのではないかなという感じを受けましたので、よろしく御
見解をお聞かせいただきたいと思います。
また、農林大臣にお伺いしますけれ
ども、国別表の提示期限が迫っていますが、米はかりじゃなく、米以外の乳製品、でん粉等の重要な
地域作物があるわけでございます。これをどう取り扱うのか。きょうの新聞を見ますと、
我が国が来週中に国別表の出し直しを行い、二十五品目について白
紙回答を行う、こういうふうな報道がされておりましたが、これまでどおりの
方針で臨むのかどうなのか。また、決まらない前に書くわけにはまいらないでしょうから、白紙で出し得るのかどうなのかということを、畑農林大臣から、多少質問が重複いたしますけれ
ども、よろしく御答弁のほどをお願い申し上げたいと思います。
ウルグアイ・ラウンド交渉に当たりましては、また、水産物、林産物に関してもあるわけでございまして、
我が国の水産業は二百海里が定着し、公海操業の規制が厳しくなる中で本当に漁業者は大変な
努力をしながら日々暮らしておるわけでございます。こういう中で、輸入数量制限を行っている水産物の
取り扱い方法というものにつきまして、
生産者は大きな関心を持ってその行方を見守っております。
我が国は
世界一の水産国と言われております。また、魚の消費量もずば抜けて多うございます。かかるときに、
国民の食生活に大変
関係深いこの水産物の
取り扱いにつきまして、御
見解のほどをお知らせいただきたいと思います。
また、
我が国は山が非常に多くございます。林産物
交渉につきましては、木材
関税についてゼロ・ゼロとする
方針で
交渉が行われているというふうにお伺いしておるわけでございますが、これに対処する
方針はどういうものか、畑農水相にお答えいただきたいと思います。
以上、四点について御質問いたしたわけでございますけれ
ども、いずれも
我が国の存立にとりまして大変大事な問題ばかりでございます。私は思いますに、
食糧問題に関しましては、余り
経済的、直接的に論ずることはナンセンスではないか、こう思っております。国家は、
政府の大きな
責任は、
国民に、安定的な
食糧を、不安のないように良質なものを提供していくという大きな責務を負っている、それがまた
政府の大きな仕事の一つの比重だ、私はそう思います。
どうかひとつ、この問題には
地域問題も絡んでおります。どうも
細川総理の田舎での評判を聞きますと、あの人はどうでしょうか、都会型の方ではないでしょうか、地方のことは切り捨てていくのではないでしょうかという、私が言っているのではなく、有権者の声はそういうふうに言う方も非常に多うございます。
総理、光の当たらないところに光を当てるのが政治である、私はそういうふうに学んでおります。かくのごとき観点を持って、よろしく御答弁のほどをお願い申し上げます。ありがとうございました。(
拍手)
〔
内閣総理大臣細川護煕君
登壇〕