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金田(英)
委員 武村官房長官が、政府を信頼していただきたい、そういう信頼がないところに民主主義、あるいはせっかく
国民が選んだ政権だからというふうにおっしゃられましたけれ
ども、私は、武村官房長官そのものは本当に尊敬もしておりますし、信頼いたしますけれ
ども、やはりこういったものは
制度的にしっかりとした担保、
制度そのものをより公正なものにしておくことが絶対必要だというふうに考えるわけであります。何も信頼していないというわけではありませんけれ
ども、そういったことから、ぜひともこれからの与野党の接点の探り合いの中で、
国会に設置していただくようにお願いしたいと思います。
時間もありませんので、次の論点に進ませていただきます。
二つ目の論点は、
比例の集計単位は都道府県とすべきだというふうに私は考えておりますので、この点について所見を述べさせていただきます。
私は今、
国会の権威というものについて考えてみたいと思っております。
憲法で「国権の最高機関」というふうに
国会が定められてもおります。しかし、
国民の皆さん方が
国会というものに
一つの無視できない尊敬を払っている点というのは、それを構成している
議員が
選挙という厳しい試練を乗り越えた人たちで構成されているという点が重要だろうというふうに思うのであります。
個々の
議員については、何だ、あんなやつも代議士かというふうな人もおるのかもしれません。しかし、じゃおまえがやってみるかというふうに一般の方々に聞いてみますと、何万という大量の票を集めるため、口で言われぬ苦痛や苦労の連続や、そして靴を何足もすり減らして、昼夜を分かたない
選挙民との対応、人間関係の醸成、そして後援会づくり、このような多大な苦労を知ったときに、多くの人たちは自分が代議士になることにしり込みをしてしまいます。
そのような多大な苦労を乗り越える人間としてのバイタリティー、
選挙戦という厳しい戦いを勝ち抜いた勇者、あるいは多くの人を寄せつける魅力、そういった人間の集団であるからこそ
国会の権威あるいは尊敬というものが存在しているんだろうというふうに私は考えるのであります。
ちなみに今、
比例区の当選者は、その集計単位を全国というふうにいたしますときに、このような尊敬に値をするそういった当選者であり得るのでございましょうか。その当選者が、
選挙区も持たず、そして
選挙民も特定せず、多くの人に
名前を知られる機会もなく、単に党中央から
名簿に登載されただけというような
国会議員が誕生したときに、
国会に対する尊敬や尊厳や、そういったものが大きく傷ついてしまうというふうに思うのであります。
ちなみに、
参議院の
比例の先生方は多大な後援会活動、後援会づくり、我が党の
参議院の先生方は、多大な後援者づくり、あるいは党員集め、そういった形で、衆議院の先生を超えるような多大な御苦労をされております。しかし、この今与党が示されております全国
比例制の候補の方々は、そのような苦労をされるというふうには到底思えません。
国会議員がそのような構成になったときに
国会の権威が急激に低下し、そして
国会のつくる法律に対する遵法精神も希薄なものになっていきはしないだろうか。尊敬されない
国会、そういったものになるのではないでしょうか。
ちなみに、全国の
比例の候補というものはたすきをかけることがありません。
選挙民との関係が極めて希薄であります。私は、このような観点から、
比例区の
候補者にもしっかりとした
選挙区を与える、
選挙民を与えることが最低限必要だというふうに考えます。筆舌に尽くしがたい苦悩を、苦難を乗り越えて初めて代議士としての権威と尊敬が与えられるのであります。集計単位を都道府県とすることによって、
比例区の
候補者は
選挙民に対して党の政策を訴える、
国民は
候補者の顔の見える
選挙区が
実現するのであります。
投票の喜びも
比例区の先生方にしても倍加するのだろう、
投票する人たちにもその
投票の喜びも倍加すると思うのであります。
与党案は、
国会の尊厳とか権威の低下とかということについてどのようにお考えなんでしょうか。三人の御先生にお聞きしたいと思います。
山花先生と自治大臣。