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1993-09-28 第128回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成五年九月二十八日(火曜日)委員会において 、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。  雲仙普賢岳火山災害対策小委員       衛藤征士郎君    久間 章生君       鈴木 俊一君    萩山 教嚴君       宮路 和明君    石橋 大吉君       田口 健二君    西川太一郎君       宮本 一三君    弘友 和夫君       初村謙一郎君    石田 美栄君       穀田 恵二君  雲仙普賢岳火山災害対策小委員長                 衛藤征士郎君 ————————————————————— 平成五年九月二十八日(火曜日)     午前十時四分開議 出席委員   委員長 池端 清一君    理事 鈴木 俊一君 理事 萩山 教嚴君    理事 宮路 和明君 理事 村上誠一郎君    理事 石橋 大吉君 理事 西川太一郎君    理事 弘友 和夫君 理事 初村謙一郎君       稲葉 大和君    衛藤征士郎君       衛藤 晟一君    久間 章生君       熊代 昭彦君    小坂 憲次君       塩崎 恭久君    七条  明君       松岡 利勝君    松下 忠洋君       山本  拓君    沢藤礼次郎君       鉢呂 吉雄君    大谷 忠雄君       星野 行男君    宮本 一三君       大口 善徳君    千葉 国男君       西  博義君    園田 博之君       藤村  修君    牧野 聖修君       石田 美栄君    吉田  治君       穀田 恵二君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 上原 康助君  出席政府委員         国土庁防災局長 村瀬 興一君         農林水産大臣官         房審議官    福島啓史郎君  委員外出席者         内閣官房内閣内         政審議室内閣審         議官      北見 耕一君         経済企画庁調整         局審議官    金子 孝文君         大蔵省主計局司         計課長     野田 政昭君         文部省教育助成         局施設助成課長 矢野 重典君         文部省高等教育         局学生課長   北村 幸久君         厚生省健康政策         局指導課長   小島比登志君         厚生省社会・援         護局保護課長  松尾 武昌君         農林水産省構造         改善局農政部就         業改善課長   新庄 忠夫君         農林水産省農蚕         園芸局植物防疫         課長      吉村 正機君         農林水産省農蚕         園芸局果樹花き         課長      小高 良彦君         農林水産省農林         水産技術会議事         務局企画調査課         長       佐藤  晉君         水産庁漁政部協         同組合課長   高濱 正博君         中小企業庁長官         官房総務課倒産         対策室長    稲見 雅寿君         運輸省鉄道局施         設課長     藤森 泰明君         運輸省港湾局海         岸・防災課長  石田 省三君         気象庁予報部長         期予報課長   吉住 禎夫君         気象庁地震火山         部地震火山業務         課長      森  俊雄君         建設省都市局都         市政策課都市防         災対策室長   宇野 博之君         建設省河川局河         川計画課長   尾田 栄章君         建設省河川局防         災課長     山口 嘉之君         建設省道路局企         画課道路防災対         策室長     納   宏君         建設省住宅局民         間住宅課長   藤田  真君         自治大臣官房参         事官      武田 文男君         消防庁防災課長 牧野 清文君         消防庁防災課震         災対策指導室長 赤間 三郎君         消防庁救急救助         課長      山中 昭栄君         特別委員会第三         調査室長    菅野 和美君     ————————————— 委員の異動 九月二十四日  辞任       補欠選任   鈴木 宗男君   熊代 昭彦君 同月二十七日  辞任       補欠選任   月原 茂皓君   宮本 一三君 同月二十八日  辞任       補欠選任   金子徳之介君   大谷 忠雄君 同日  辞任       補欠選任   大谷 忠雄君   金子徳之介君     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任の  件  委員派遣承認申請に関する件  小委員会における参考人出頭要求に関する件  災害対策に関する件  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 池端清一

    池端委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、去る九月二日及び三日、平成五年北海道南西沖地震による被害状況調査のため、北海道委員派遣を行いましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。石橋大吉君。
  3. 石橋大吉

    石橋(大)委員 派遣委員を代表いたしまして、私から調査概要を申し上げます。  去る九月二日及び三日の二日間、平成五年北海道南西沖地震による被害状況調査のため、北海道に派遣された委員は、池端清一委員長を団長として、新生党・改革連合西川太一郎君、自由民主党自由国民会議の七条明君松下忠洋君、公明党の大口善徳君、さきがけ日本新党の藤村修君、民社党・新党クラブ石田美栄君、日本共産党穀田恵二君、そして私、日本社会党護憲民主連合石橋大吉の九名であります。  このほかに、地元から、委員鉢呂吉雄君、地元選出議員伊東秀子君の御参加を得まして調査してまいまりました。  去る七月十二日に発生した北海道南西沖地震は、マグニチュード七・八の、日本海側ではこれまでの観測史上最大規模地震でありました。奥尻町を初めとして、長万部町、瀬棚町、北檜山町、大成町、島牧村などの町村は、津波火災がけ崩れ等により多数の死傷者家屋の倒壊、焼失、船舶の転覆等激甚な災害となりました。  このため、四町一村に災害救助法適用されました。また、八月二十五日には奥尻町及び島牧村に中小企業に関する特別の助成措置を内容とする局地激甚災害指定が行われ、さらに、これに追加して九月十日には、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置の特例及び共同利用小型漁船建造費補助適用激甚災害指定が行われました。  それでは、調査の順を追って御報告申し上げます。  まず、第一日目の九月二日は、空路函館に入り、港湾被害のあった森町へ向かう車中、広瀬渡島支庁長から渡島支庁管内災害概要について説明を聴取しました。説明によると、森町へ向かう国道五号線は、地盤の液状化で路面が変状し、陥没や隆起が発生したとのことであり、現在も各所で路肩の工事等が行われておりました。  森町では、液状化によって沈下、亀裂等被害が生じた森港視察いたしました。森港は、近年ホタテ養殖漁業の基地としてその重要性が高まっていると同時に、背後の駒ケ岳山ろくより産出される火山灰を建築資材として積み出す港となっており、その早期復旧要望されました。  次いで、長万部町へと向かい、液状化により校舎が破損をした中の沢小学校視察しました。液状化により、校舎の基礎は破損し、壁には亀裂が入っており、校庭は波打っておりました。不便な学校生活を余儀なくされる子供たちのことを思うと、早期復旧を願わずにはいられませんでした。このほか、国道から海岸線にかけて液状化が見られ、住家、ガス、水道等被害が生じ、被害額は五十一億一千万円で、これは町の年間予算に匹敵するとのことでありました。  続いて、今金町を経て、瀬棚町に向かいましたが、農地農業用施設被害を受けた今金町では、車中、村本町長から、被害が甚大で、過去に経験したことがないものであり、農業経営に極めて支障がある等の現況報告及び要望等について説明を聴取しました。瀬棚町では、佐々木町長から津波が来たときの状況等を聞きながら、視察をいたしました。海岸の近くに高さ三十九メートルという岩がありましたが、その半分ぐらいのところまで津波が来たという話を聞き、津波の恐ろしさを実感いたしました。  次いで、バスは南下して北檜山町に着き、液状化によって波打った水田を視察いたしました。砂が噴き出し、亀裂が入った様子は、冷害被害と相まって目を覆うばかりでありました。冬季が長い北海道という土地柄を考えれば、来年の作付に間に合うように、一日も早い復旧を祈念せずにはいられませんでした。  一日目最後視察地である大成町では、守山町長から被害状況復旧対策説明を聴取した後、津波によって滅失した住宅跡地等視察いたしましたが、イカ釣り最盛期を迎え、冷蔵庫等水産業共同利用施設早期復旧要望が寄せられました。  江差町では、鈴木北海道知事小林北海道開発局建設部長から北海道における被害状況説明を、鈴木北海道知事佐々木檜山町村会長から陳情を受け、副知事からは、農業林業災害水産業災害及び公共土木施設災害早期復旧等要望が出されました。特に農業林業災害復旧については、冬季を控えているので早急に対策を講じてほしいとの発言がありました。佐々木檜山町村会長からは、商工業者への対策はすべて融資であるが、せめて設備の復旧については、補助制度の道を考えていただけないのかとの要望が強く出され、また、同町村基幹産業である水産業に関して種々の要望がありました。  第二日目の三日は、早朝、フェリーにて今次災害最大災害に見舞われた奥尻町へと向かいました。船が島に近づくにつれて、多数の宿泊者の命を一瞬にして奪ったホテル洋々荘のかけ崩れ現場の光景が目に飛び込んでまいりました。上陸後、バス越森奥尻町長説明を聞きながら、島内北部稲穂地区に向かい、車窓から、津波によって滅失した被災家屋、全壊した稲穂小学校等視察いたしました。同地区にあり、観光地として有名な賽の河原も、土産物店はすべて流失し、かろうじて地蔵堂だけが残っているという惨たんたる状況でありました。  その後、島内最大被災地であり、壊滅的被害を受けた青苗地区に入り、被災直後は瓦れきの山と化していたと思われる同地区も、関係者の御尽力により、瓦れきも片づけられておりましたが、その光景がより一層被災のすさまじさを感じさせました。  続いて、がけ崩れのため道路が通行どめになるなどの被害のあったホヤ石地区へと向かいましたが、応急工事で通行可能となった道路の横には、土のうの積んである箇所もあり、今にも崩れそうにせり出している巨岩を車窓から眺めながら、背筋の凍る思いがいたしました。  町役場において、越森町長から被害状況説明陳情を受け、町長からは、仮設住宅港湾整備等により住民は落ちつきを取り戻してきた、今後五年くらいで復興させたいと考えているので御協力をお願いしたいとの発言がありました。  続いて、ヘリコプターで奥尻町を離れ、上空から被災地視察しながら函館へ戻り、最後視察地である上磯町大野川へ向かい、液状化による護岸堤損壊箇所視察を行いました。  最後に、今回の北海道南西沖地震による被害は、八月十六日現在、死者・行方不明者二百三十三名、住家の全半壊八百六十六棟と極めて激甚なものとなりました。  また、農地農業用施設等農業被害は、百十九億一千万円、河川道路港湾等公共土木被害は、三百十四億二千万円余、漁船共同利用施設等水産被害は、百三十二億二千万円余となっております。  このたびの災害については、津波の来襲の早さ、規模ともに予想をはるかに上回ったものであり、火災も発生いたしました。十年前の昭和五十八年に発生した日本海中部地震でも、津波により大きな災害をもたらした教訓があったにもかかわらず、犠牲者が多かったことを大変残念に思います。  このような災害によりとうとい生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、残された被災者方々に対し衷心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地の一日も早い復興を心から祈念いたすところであります。  調査報告を終えるに当たり、日夜災害対策に努力されております関係者各位に感謝を申し上げ、調査に全面的に御協力を賜りました北海道現地市町村及び防衛庁を初めとする多くの関係者各位に心からお礼を申し上げまして、報告といたします。  以上です。
  4. 池端清一

    池端委員長 以上で派遣委員報告は終わりました。  この際、お諮りいたします。  北海道並び関係市町村からの要望事項等につきましては、これを本日の委員会議録末尾に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 池端清一

    池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔要望事項本号末尾に掲載〕     —————————————
  6. 池端清一

    池端委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木俊一君。
  7. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 自由民主党鈴木俊一でございます。  本年は、ただいま調査報告がございました北海道南西沖地震災害、鹿児島を中心とする豪雨災害、 さらには台風十三号を初めとする台風災害、そしてまた雲仙普賢岳噴火災害長期化をしている中で、多数の死傷者あるいは行方不明者が出るという、近年にない、場合によっては戦後最大災害が発生した最悪の年であると思います。  そしてまた、気象の方も大変異常でありまして、本年は、沖縄を除くと、梅雨明けの時期も明確ではなしに、そのような中で全国的に冷夏が続き、農作物中心とした冷害も非常に深刻なものがございます。災害対策特別委員会の果たすべき責務というものも大変大きなものがあるわけであります。  異常気象によります被災状況調査につきましては、本委員会におきましても後刻決定をされるということでございますけれども、私は、本委員会調査の前の段階でありますけれども、本日は、冷害の問題を中心にいたしまして質問をいたしたいと思います。  そこで初めに、本年の気象状況でありますけれども、どのような特異性を持っているのか。言うなれば、どのような状況によって冷夏がもたらされたのか。また、気温状況は、平年に比べまして、どのようであったのか、データもと気象庁にお伺いをいたしたいと思います。
  8. 吉住禎夫

    吉住説明員 お答えいたします。  ことしの夏、六月から八月までの天候の特徴を申し上げますと、南西諸島を除きまして、非常に顕著な低温それから多雨、日照不足でございました。  三カ月平均気温は、北海道から九州まで、広い範囲にわたりまして平年に比べまして一度から二度低く、特に北海道の一部それから東北太平洋側では平年より二度以上も低くなりました。  それから、三カ月合計降水量で見てみますと、東海以北太平洋側あるいは西日本では平年の一・五倍以上、特に九州の南部では平年の三倍以上のところもございました。  それから、三カ月合計日照時間について見ますと、東北から九州にかけましては、平年の五〇から八〇%でございました。  一九四六年、昭和二十一年以降の顕著な冷夏であった年といたしましては、一九八〇年、昭和五十五年、それから一九五四年、昭和二十九年などがございますけれども、ことしの夏はこれに匹敵するような低温でございました。
  9. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 ただいま気象庁の方から具体的なデータをお示しいただいたわけでありますけれども、平均気温においても平年に比べますと一度から二度低い、雨量も多い、そして日照時間につきましては平均の五〇ないし八〇%ということでありまして、データの上からも本年は近年にない寒い夏であったということが示されたわけであります。  さらに、本年は、先ほど申し上げましたとおり、台風もたびたび襲来をいたしまして、農作物に対しましては大変な被害が出ているわけであります。その中でも、とりわけ農業基幹であります稲作につきましては、作況指数が八月十五日の段階では九五、こういう発表があったわけでありますけれども、その後期待をされました天候の好転も、期待を裏切りましてさらに悪化をしている。こういう状況の中で、作況指数はさらに低下することは確実な状況であろうかと思います。  私の地元岩手県におきましても、稲の育成は極端におくれております。先ほど委員長にお許しをいただきましたので、お示しをいたしますけれども、これは盛岡近郊の太田という地区の穂でございまして、さわってみますと、ほとんど中に実が入っていない、辛うじて下の方に若干あるかなというような程度でございます。この地域は、岩手県におきましては比較的稲の育成のいい地域でございまして、特に悪い方を選んできたのではなしに、こんなような状況であります。十日ほど前に、もうちょっと北の西根町でありますとか松尾村にも行ってまいりましたけれども、そちらの地域では、もうとれてもいわゆるくず米というものしかとれない、地域によってはほとんど収穫皆無、そういうような状況でございます。こういうことでありますから、異常気象被害に対しまして、この五十五年を上回る被害というものが確実であるわけでございますし、古い方のお話伺いますと、何か昭和九年にも大災害があったそうでありますけれども、それをも上回る深刻な事態であるという話であります。  そこで、現段階での米の作柄状況と本年の冷害についての認識につきまして、農林水産省にお伺いをいたしたいと思います。
  10. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 お答えいたします。  本年は、田植え期以降記録的な低温あるいは日照不足、さらには台風襲来等に見舞われたことから、八月十五日現在の作柄は、先ほど先生御指摘がありましたように、全国平均作況指数九五の、やや不良となったわけでございますが、その後も不順な天候あるいは台風襲来が続いてきました。また、現地調査あるいは都道府県からの報告によれば、不稔もみの発生、登熟不良、いもち病等による被害が顕著になってきていることなどから、作柄はさらに悪化することが予想されております。  現在、農林水産省統計情報部が九月十五日現在の作柄概況を取りまとめ中でありまして、九月三十日に発表する予定となっております。
  11. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 今、農水省の方からも、ことしの冷害につきまして大変厳しい認識が示されたわけであります。そういう認識もとにして今後の対応を進めていかなくてはならないわけでありますけれども、こうした異常気象によって被害を受けました被災農家が今後ともくじけることなしに、安心して営農に取り組んでいけるように、救済対策は万全を期していかなくてはならないと思います。  そこで、ただいま、九月十五日の作況指数が三十日に発表されるというお話でありますが、行政といたしましては、確かな被災状況が出ませんと立てにくい対策もあろうかとは思うわけでありますけれども、被災農家の立場に立ってみますと、農家資金対策あるいは共済金早期支払い、来年度の種子の確保など、でき得る限りの救済策を速やかに行っていただかなければならないわけであります。  また、昭和五十一年そして五十五年の被災程度と比較をして考えましても、激甚災あるいは天災融資法発動というものは当然に行われるもの、このように私は考えております。そこで、激甚災天災融資法発動の見通し、及びその他の被災農家に対する救済対策を今後どのように展開していくのか、このことについてお伺いをいたしたいと思います。
  12. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 今、先生お話にありました天災融資法及び激甚災害法適用につきましては、天災による農作物等被害規模深度等を総合的に勘案して検討することとしております。今般の災害に係る天災融資法発動それから激甚災害法適用につきましては、九月三十日公表予定の稲の作柄状況をも踏まえまして、天災融資法発動する方向調査等準備を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、自作農維持資金につきましては、天災融資法発動されるような大災害で、かつ例年の災害による負債が著しく増高している場合には、被害実情等に応じて、必要により特別枠設定あるいは貸付限度額引き上げ等措置を講じられてきているわけでございます。今回の冷害につきましても、こうした措置を講ずる方向調査等準備を進めてまいりたいというふうに考えております。  さらに、既往借入制度資金償還条件の緩和につきましては、甚大な災害の場合に、関係金融機関に対しまして、被害農業者実情に応じ、中間据置期間設定償還金額の一部繰り下げ等、償還条件を緩和することによって償還負担を軽減するなど適切な対応を行うように指導しているところであります。今回の災害につきましても、近日中に指導通達を出す方向準備を進めているところでございます。
  13. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 ただいまお話をいただいたわけ でありますけれども、被災農家に対する救済策、ぜひ万全の上にも万全を期していただきたいと思いますし、またタイミングというものもございますので、例えば共済金支払い、あるいは激甚災発動につきましては、これが速やかに行われますように事務手続等を急いでいただきますことをこの際に御要望いたしておきます。  私は、先ほどの気象庁の話、また農水省認識もそうでありますけれども、ことしの災害というものは近年のこの昭和五十五年の災害を上回るものになる、こう認識をいたしております。したがいまして、これに対します救済策というものも当然昭和五十五年のものを上回っていただかなくてはならないと思います。そのためには、今まで行ってまいりました対策をそのままことしも当てはめるというのではなしに、その施策によっては対策の見直し、改善というものも必要ではないかと思うわけであります。  そこで、一、二例を挙げてお願いをいたすところでありますが、例えば天災融資法でありますけれども、天災融資法では被災程度を三段階に分けまして、被災程度の大きい方から三・〇%、五・五%、六・五%以内の、つまりそれ以下の金利融資することが法で定められておるところであります。こうした中で、中程度被災を受けられた方々に対しましては五・五%以内ということで四・二五%、あるいは比較的軽い災害を受けられた方につきましては六・五%以内ということで四・六%で融資をしていることもあるように聞いておるわけでありますけれども、一番大きな被害を受けた、いわゆる特別被害農業者につきましては、法律では三%以内となっておりながら、実態としては上限の三・〇%の金利で貸している、こういうことでございます。  御案内のとおり、先日も公定歩合が引き下げられまして、一・七五%という大変な低金利の時代になっているわけであります。公定歩合の引き下げと天災融資法金利というものはもちろん直接連動しないわけでありますけれども、例えば景気に苦しんでおられます商工業者はこれだけこの低金利の恩恵を受けながら、ことしのようにひどい災害を受けた農業等被災者天災融資法のいわば法律で決められている上限の三・〇%の融資しか受けられないということでありますと、低金利時代において金利の相対的メリットというものが失われているわけでありますので、何とかこの一番大きな被害を受けられました方にも、法律では三%以内と書いてあるので、より低い金利での融資というものを考えていただきたいと思いますが、この点につきまして御質問をいたします。
  14. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 先生御指摘がありましたように、天災資金の現在の金利でございますが、特別被害地域の特別被害農家につきましては三%、それから三割被害農家につきましては四・二五%、また一割被害農家につきましては四・六%というふうになっているわけでございます。このうち三%、これは一番被害の大きい農家に対する金利でございますが、これは政府の災害関係政策資金の下限ともいうべきものでありまして、例えば激甚災害法に基づきます中小企業者に対する資金融通におきましても金利は三%となっているわけでございます。またこの資金金利につきましては、一般の金利水準がいかに高水準になりましても、三%と固定してきたところでありまして、今後も一般の金利水準のいかんにかかわらず固定していくことが適切であるというふうに考えております。  以上のことから、三%を引き下げることにつきましては慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
  15. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 行政のお立場としては今のお答えは筋が通っていることかもしれませんけれども、先ほど来申し上げていますように、ことしは近年にない大変な災害になることは間違いないわけでありますから、この点につきましては、もっと血の通った対応ができるように、ひとつぜひ前向きに引き続き考えていただきたいと思います。  そこで、それではもう一つ具体的な提案をさせていただきたいと思うのであります。  本年のように収穫皆無の農家が出ることが予想される状況におきましては、被害を最も受ける農家というのは専業農家であり、しかも特に規模の大きい農家ほど受ける打撃が大きいということが言えると思います。新農政におきましても、効率的かつ安定的な経営体を育成するために経営規模の拡大というものが大きな柱になっているわけでありますが、本年のように冷害が発生して、規模の大きい農家ほど受ける打撃が大きいということになりますと、規模拡大意欲の喪失が懸念されるところであります。  そこで、提案であるわけでありますが、これは私の地元岩手県からの要望事項でもございますし、岩手県、地元だからということではなしに、本年最もこの大きな影響を受けている、そういう地域からの提言、要望ということでお聞きをいただきたいのでありますけれども、大規模経営体が平常年において災害時に備える制度、例えば平常年に一定額を積み立てておきまして、災害時にこれを取り崩す、その場合、税制の優遇措置を講ずる、こういうような制度があれば、農家もある意味では大変安心して規模拡大に取り組める、こういうことになろうかとも思うわけでありますが、こういう制度の創設というものは考えられるのかどうか、このことについてお伺いをいたします。
  16. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 農林水産省といたしましては、天災による被害を受けた農業者に対する低利の経営資金を融通する、先ほど説明いたしました、天災融資法に基づく天災融資資金、また災害により農業者が経営基盤である農地を処分しなければならない状態になったときに、その場合の生活資金等を融通します自作農維持資金、それから被災農家の経営を安定させるための、農業災害補償法に基づきます共済金支払い等によって被災農家の経営あるいは生活対策に支障がないように万全を期しているところでございます。  先生御指摘のありました災害準備金制度でございますが、税制上その繰り入れ、あるいは使途等、種々検討しなければいけない問題があるわけでございまして、これを直ちに採用するということには、いろいろな問題を検討しなければいけないだろうというふうに考えております。したがいまして、先ほど言いましたように、共済金それから天災資金それから自作農資金による対応中心に考えてまいりたいというふうに思っております。
  17. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 難しい難しいと言っておったら、これは昭和五十五年を上回るような対策にはならないと私は思うのでありまして、そうした従来の流れだけではなしに、改善していくということをぜひ一層やっていただきたいと思います。難しい難しい、どうせ野党の人間の言っていることだから軽く考えてもいいということではなしに、ひとつぜひぜひ前向きにお考えをいただきたいと思うところであります。本年の異常気象による災害に対しては、状況の把握を的確に行いまして、ただいま申し上げましたとおり、制度の見直し、改善を含めまして、昭和五十五年災害対策を上回る措置をぜひ早急に行いますようにひとつ要望をしておきます。  しかし、考えてみますと、この冷害被害と申しますのは十数年に一度ぐらいでめぐってきているという現実がございますから、冷害が起こったときに当面の対策に万全を期すということは極めて重要でありますけれども、それと同時に、中長期の対策をきちんとしなければならないと思うわけであります。  そこで、何年かに一度やってくる異常気象にも対応可能な農作物災害防止についての対策、例えば耐冷性品種の開発でありますとか、遺伝資源の収集などを平時から進めていくことが重要であると思いますけれども、これについて現在いかなる取り組みがなされており、今後どのように強化をしていくのか、このことについてお伺いいたしたいと思います。
  18. 佐藤晉

    ○佐藤説明員 今お尋ねの、水稲の新品種の育成に関してでございますが、多収性、耐冷性あるいはいもち病抵抗性といったことを主な目標にいた しまして、筑波にございます農業研究センター、各地域農業試験場を中心に、都道府県の農業試験場とも連携をいたしまして、進めているわけでございます。  近年、耐冷性にすぐれました良質多収な品種といたしまして「ゆきひかり」ですとか「ひとめぼれ」などを育成したところでございますが、本年、平成五年におきましても耐冷性、いもち病抵抗性にすぐれた「まいひめ」「こころまち」といった品種を育成したところでございます。  また、ジーンバンク事業も実施をしておりまして、遺伝資源の収集、利用に努めているところでございまして、例えば、障害型冷害に対して高度抵抗性を有しますインドネシア在来種由来の水稲中間母本農八号、中間母本といいますのは品種育成の素材となるすばらしい形質を一部持ったものでございますが、それですとか、あるいはマレーシア在来種由来の水稲中間母本農十一号といったものを育成しまして、耐冷性品種の育成に活用しているところでございます。  今後とも、耐冷性あるいはいもち病抵抗性にすぐれた品種の育成に努力をしてまいりたいと考えております。
  19. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 こうした対応というものは、急に成果が出るものではないわけでありますので、ひとつ長期的なしっかりした展望に立って、今後ともしっかりとお進めをいただきたいと思います。  次に、最近マスコミをにぎわしておりますお米の需給問題に関連をいたしまして、お伺いをいたしたいと思います。  お米につきましては、衆参両院におきまして三度の国会決議というものが行われまして、基本的には国内産で自給するとの基本方針が確立をしているわけでありますし、細川総理も、さきの特別国会、またこの国会におきます所信表明あるいは施政方針演説におきましても、宮澤前総理と全く同じ表現を用いまして、この基本方針に変わりがないことを明確に明らかにしたはずであります。ところが、総理は数日前、外国報道機関とのインタビューにおきまして、米の市場開放を容認するかのような発言をしたとの報道があるわけでありまして、ここにまいりまして政府の基本方針というものがにわかに変わったのかどうか、このことをお伺いしたいわけであります。  私は、本年の冷害から我々が学び取るべき教訓というのは、やはり農業というものは、自然を相手にした、極めて危うい基盤の上に立っているということだと思うわけであります。ちょうど十年前になりますけれども、大量に余剰米が発生をいたしまして、食管会計に一兆五百七十六億円にも上る膨大な赤字が出まして、それ以来、それまで以上に厳しい生産調整を行ってきたわけでありますけれども、本年のように、たった一夏の冷害によりまして場合によっては米の需給がタイトになり、あるいはショートしてしまうかもしれない状況から考えますと、むしろここは国内自給体制の強化を打ち出していかなくてはならないのではないか、そういうふうに考えるわけでありますけれども、細川総理の発言というものは、政府の基本方針の変更を意味するのかどうか。本来であれば、農林水産大臣あるいは政務次官等政治家に伺うべき質問がとも思うわけでありますけれども、このことにつきまして農林水産省の御見解をお伺いいたしたいと思います。
  20. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 お答え申し上げます。  米は、日本国民の主食であり、かつ我が国農業の根幹をなすものであります。また水田稲作は、国土・自然環境の保全、地域経済上不可欠の役割を果たしております。したがって、農林水産省といたしましては、ウルグアイ・ラウンド交渉におきましては、我が国における米の重要性にかんがみ、国会決議の趣旨を体し、国内産で自給するという基本方針のもとで対処してまいりたいと考えております。  なお、総理の御発言でございますが、これは、米は極めて難しい問題であるということ、それから、ウルグアイ・ラウンドは本年末を期限として交渉が進められているので、それまでに国内の意見を踏まえつつ政府として対応を決定する必要があるということ、いずれにしろウルグアイ・ラウンドの農業問題に関しましては、各国とも困難な問題を抱えているが、相互の協力による解決に向けて最大限努力していく必要があるというこれまでの我が国の立場と同趣旨の御発言であるというふうに理解しているところでございます。
  21. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 政府の基本方針に変わりがないということでございますので、安心をしたような次第であります。  これまた新聞報道で大変恐縮でありますけれども、今回の冷害による不作に対応するため、数十万トン規模の緊急輸入を行う方針とのことであります。食管法の建前からいきましても、お米が足りなければ、これは政府の責任において確保しなくてはいけないということで、やむを得ないことだと思うわけでありますけれども、今のお話もございましたが、これはあくまで本年限りの緊急措置であって、決してお米の自由化には連動しないんだ、こういうことをひとつ明確にしていただきたいと思います。  それと同時に、緊急輸入の問題を含めまして、現時点での米の需給をどう認識し、今後の展望をどう考えているのかにつきましてもお尋ねをいたします。
  22. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 当面の米の需給につきましては、例年に比べ収穫がおくれていることは事実でありますが、四年産米に加えまして五年産米の新米の出回りが既に始まっていることから、全体としては、平成五米穀年度、これは平成四年十一月から平成五年十月まででございますが、その米の需給に心配はないと考えております。ただし、大幅な作柄の低下が予想される地域もあることから、そのような地域につきましては、きめ細かな需給操作に努めているところであります。  平成六米穀年度、これは平成五年十一月から平成六年十月まででございますが、この需給につきましては、五年産米に加えまして六年産米の新米供給を基本として対応していくことになるわけでございますが、九月末公表予定の九月十五日現在の作柄及びそれ以降の作柄等によっては、特に他用途利用米につきまして災害に配慮した特例的な作況調整を実施したこともあり、加工用米を中心に需給操作が厳しくなることも懸念されるわけでございます。  いずれにしましても、現在関係者が一体となって本年産米の集荷に全力を挙げ、取り組んでいるところであります。本年産米の作柄、それから集荷の見通し、それから用途別の需給状況等を踏まえつつ、主要食糧を需要に応じて安定的に供給するという食糧管理制度の基本的役割を十分に果たしていく観点に立って、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
  23. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 今のお話伺いますと、当面お米の需給については心配がないということだと思うわけでありますけれども、最近マスコミ報道を見ますと、何かあしたにでもお米が不足するかのような、そういうセンセーショナルな報道ぶりもあるわけでありまして、こういうものは要らぬ社会不安というものを引き起こすことにもなるわけでありますので、農水省といたしましては、こうしたことにつきましてきちんと国民にこの実態を知らしめる、そういう努力をしていただくことをこの機会にお願いをしておきます。  いずれ、心配なのは、来年の端境期にかけての需給というものが懸念をされるという、こういうお話でありますけれども、来年度の水田営農活性化対策については、そういう中で早急に転作面積等の緩和を決定することが必要であろうかと考えますけれども、このことについての見解をお伺いいたします。
  24. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 来年度の水田営農活性化対策につきましては、早期に提示してほしいという声が強いことは承知しております。先ほど申し述べましたような米の需給事情を踏まえつつ、転作面積について検討してまいりたいというふうに考えております。
  25. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 前向きな検討を、生産者の立場に立った検討というものをぜひ進めていただきたいと思うところであります。  次に、お米を初めといたします農作物の不作でありますけれども、これは、農家経済のみならず関連産業等にも影響が波及をしているわけであります。特に地方におきましては、平成不況といいますか、続いております不況というものが基本にある中で、地域基幹産業であります第一次産業が冷害で大変な影響を受けている、いわばダブルパンチを食っているような状況でありまして、地域経済全体に大変大きな打撃を与えているところであります。地方におきましては、さらにこの景気の落ち込みということが深刻に心配されるわけでありますけれども、そこで、異常気象対応した農村を念頭に置いたところの景気浮揚対策につきまして、私はそれが必要だと思うわけでありますけれども、この点について、景気対策の取りまとめ省庁であります経済企画庁は、どのような認識をなされておりますのかをお伺いいたしたいと思います。
  26. 金子孝文

    金子説明員 お答えいたします。  最近の経済状況を見ますと、景気回復に向けた動きに足踏みが見られまして、また、経済の先行きに対する中期的な不透明感が広がるというようなことでございまして、今後の景気回復には予断を許さないものがあるという認識に立ちまして、先般、九月十六日、緊急経済対策を取りまとめたわけであります。  この緊急経済対策は三つの柱から成っておりまして、一つが規制の緩和の推進、二番目が円高差益の還元、三番目が厳しい経済情勢への対応と調和ある対外経済関係の形成という三つになっているわけです。このうち、今申しました厳しい経済情勢ということでございますけれども、これにつきましては、最近の急激な円高と並びまして、冷夏あるいは長雨といった異常気象をその原因の一つとして認識をしておりまして、これに対する対策もこの緊急経済対策に盛り込んだわけでございます。  具体的に申しますと、まず第一は、集中豪雨あるいは台風によって被害を受けた地域における災害復旧工事の復旧進度を大幅に高めるというために事業費四千五百億円を追加することとしたわけです。これによりますと、原則年度内五〇%の復旧進度になるわけですけれども、これによりまして年度内八五%へとその復旧進度を高めるというようなことをしておりまして、こういう措置によりまして、農業を初めといたします地域の産業活動の正常化を迅速に進めまして、地域経済の景気回復を確かなものにするということをねらいとしているわけです。  第二は、低温日照不足あるいは台風によりまして農産物に被害が発生しているわけでございますので、農業共済等につきましては、その支払い事務手続の迅速を図りまして、共済金の早期の支払いを確保するということにしているわけです。  第三の盛り込まれた措置は、一時的に経営困難に陥っている中小企業を支援する緊急経営支援貸付制度というのがあるわけですけれども、この貸付要件の中に新たに、冷害などの異常気象の影響によって経営に一時的な不安定を生じているという要件を追加いたしまして、また貸付規模も追加するということを考えているわけです。  第四番目には、冷夏によりまして、非常に厳しい経営環境に直面している農業者等に対しましては、農業信用基金協会を通じた保証つき融資の拡大等によりまして資金融資の円滑を図るということにしているわけです。  このように、今回の緊急対策は、異常気象対応した農業対策が盛り込まれているわけでございますけれども、また、今申しましたような中小企業に対しても、異常気象対応した対策を盛り込むということをしておりまして、地方都市というものは中小企業が中核産業をなしているわけですから、そういう意味で、農業と一体となった地方都市、地域の景気浮揚措置ということにおきましても、今回、今年度の異常気象対応した措置を盛り込んでいるということになっているわけでございます。
  27. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 先般発表されました緊急経済対策全体の中でこういう地域の問題も考えられる、こういうお話でございます。  御承知のとおり、地方、地域は、仮に景気が上向きになりましても、そうした景気の上向きの波及、恩恵というのは一番最後に波及をしてくるわけでありますし、景気が後退をいたしますと、真っ先に引いていくという、そういうような宿命的といいますか、立場にもあるかと思いますし、加えてのことしの冷夏状況でございますので、全体でやるということでありまして、何か説明伺いまして、いろいろ細かい説明がございましたけれども、ぜひ地方に、農村、漁村に目を配った経済運営ということをお願い申し上げておきます。  時間も限られてまいりましたが、天災、ことしはひどい台風冷害のみならず、豪雨、地震等の天災もございました。まさに天災は忘れたころにやってくるということであろうかと思いますけれども、本年の異常気象による災害状況を踏まえれば、台風、集中豪雨等の気象状況を早くかつ正確に把握して、自然現象による災害の防止、軽減を図るための観測、監視、予報体制を強化する必要があると思うわけでありますが、こうした施策に具体的にどう取り組んでいこうとされておられますのかを気象庁にお伺いいたしたいと思います。
  28. 吉住禎夫

    吉住説明員 気象庁は、気象観測でのいろいろな観測に加えまして、静止衛星、それからレーダー、それからアメダス等を整備しまして、実況把握に努めております。そして、このような気象現象のいろいろな予測のためには、スーパーコンピューターの導入によりまして、日々の天気予報それから注意報、警報の精度向上に努めております。そして、観測された実況や予報等は、日ごろから広く国民にお知らせしております。  特に、災害が予想される場合には、適時適切に注意報、警報等を発表して、ラジオ、テレビ等を通じまして国民の皆様の周知に努めておりますけれども、特に農業関係につきましては、気象庁本庁とそれから農水省との間に全国農業気象協議会というのを設けております。それから管区気象台と地方の農政局におきましては、地域農業気象協議会、それから地方気象台と県との間には地方農業気象協議会を設置しておりまして、定期的に情報交換を行っております。特に、農作物に影響を与えるような気象状況が予想される場合には、いろいろな観測の結果をもとにしまして、気象の概況や長期予報等を随時農業関係者に提供するようにしております。
  29. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 それでは、時間が参りましたので、最後に長官にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、私は、細川総理の所信表明に代表されます新政権の政治運営の姿勢につきまして気がかりな点をお伺いいたしたいと思うわけであります。  総理は、所信表明で、その多くを住宅や公園、廃棄物処理等の生活環境施設あるいは都市交通網等の整備、また研究開発施設の整備、高度化、教育機関や行政の情報化の推進など社会資本の整備でありますとか、あるいは規制緩和、円高差益還元などということにその中心を割いているわけであります。  一方、災害関係につきましては、集中豪雨や台風等により被害を受けた地域災害復旧等を早急に実施に移すと、さらりと復旧に触れるのみで、さらに一歩進めた安全な国土づくりには何ら言及をなされておられないわけであります。また、こうした災害により疲弊している農山漁村の地域の活性化に触れるくだりもないわけであります。  細川内閣の言う生活者重視とは、これは都市生活者のみ重視するものなのか、集中豪雨や台風冷夏によりまして少なからぬ地域災害に見舞われ疲弊している今日、むしろ地方の活性化や安全な国土づくりに積極的に取り組むことが重要なことではないかと思うわけであります。  そこで、長官に、新政権は、都市生活者のための みに偏ることなく、国土の均衡ある発展、安全な国土づくり、地方の活性化に全力を注いでいくということをお約束していただきたく、あわせて長官の所信をお伺いいたしたいと思います。
  30. 上原康助

    ○上原国務大臣 鈴木先生の御質問にお答えいたしますが、お答えする前に、先ほど来の御提言を交えた御質問を聞いておって、非常に参考になります。国土庁としても、先ほど御指摘の点や御提言の点を踏まえて、農水省あるいは関係省庁と連携をとりながら、冷害対策災害対策にさらに努力をしてまいりたいと考えております。  そこで、今お尋ねの、細川首相の所信表明演説の内容で、いささか地域とか、国土の均衡ある振興、推進などに、都市生活者のみを中心にして、ちょっと意欲が欠けておるのじゃないかという御指摘ですが、鈴木先生おわかりのように、所信表明、限られた範囲での所信の表明で、特に当面している緊急課題、もちろん冷害災害、御指摘のように、ことしは異常なほど発生をしておりまして、それについても政府として全力を挙げることは当然であります。決して細川首相も、地域とかあるいは災害に消極的であるというお気持ちはございません。  御案内のように、御自分で鹿児島の集中豪雨に対しても足を運んで視察をしておられますし、また、御指摘のありました冷害対策につきましても、あさって関係閣僚で集まって、いろいろ政府全体としての抜本対策を講ずる努力をしようという御方針を持っておられることでありますので、御理解を賜りたいと思います。ですから、安全な国土づくりは、これは歴代の政権もそうでしたが、国政の基本であるという認識で、細川内閣としても極めて重要な課題として進めておることを御理解賜りたいと存じます。  そういう中で、安全な国土づくりということは、都市生活者あるいは地方生活者を問わず享受すべきものであるとの認識に立って、災害により疲弊した地域の復興を初め、今後とも地方にも十分配慮をした均衡ある国土づくりに全力を挙げて努力をいたしたいと思いますので、御協力を賜りたいと存じます。
  31. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 ありがとうございました。  時間が参りましたので、これで終了させていただきます。
  32. 池端清一

    池端委員長 次に、塩崎恭久君。
  33. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 自由民主党の塩崎恭久でございます。  ただいま鈴木先生の方から、いろいろと東北中心といたしました米の問題等々につきましてお話がございました。冒頭北海道南西沖地震視察について御報告がございましたけれども、今回の七月の北海道南西沖地震、そしてまた鹿児島を中心といたします集中豪雨、あるいは台風十三号等々で数多くの犠牲者が発生をいたしました。心から哀悼の意を表しますとともに、被害者に対しまして心からまずお見舞いを申し上げたいと思います。  今回の各種災害、特に北海道、鹿児島を中心に甚大なる被害があったわけでございますけれども、私の出身地でございます愛媛県でも、台風十三号を中心といたしまして死者が二名そして行方不明者が一名、そのほか農業、公共施設等の被害額は三百億円を超えるということでございます。公共施設が大体百五十億、農地農業用施設で六十億円余りの被害が出ているわけでございまして、相対的には小さな被害と言えるのかもわかりませんけれども、人の命の重みは全く変わりはないわけでございまして、愛媛県としても、これらの対策について今県当局も一生懸命頑張っておるわけでございますが、この点についてまず御質問申し上げたいと思います。  こういった被害につきましても、復旧に対して目下国の査定を受けている最中でございまして、年内に作業が完了すると聞いているわけでございます。ただ、地元の方では、この査定につきましても人手不足が懸念されておりまして、農政局あるいは財務局が一緒になって査定をされるわけでございますけれども、特に財務局の方での人繰りがなかなか難しいのではないだろうかというようなお話がしばしば出ているわけでございまして、地域間の応援体制等対策に万全を期していただきたいと思うわけでございます。  そして、こうした中で、北海道地震災害につきましては既に激甚災害指定が行われているわけでございますけれども、私ども承っておるところによりますと、この台風十三号についても、そう遠くない将来激甚指定が新たに行われるのではないだろうかということを聞いているわけでございます。私どもとしても、この台風十三号について激甚指定をぜひしていただきまして、被害地域復旧に際し、被災地の住民の負担軽減をぜひ図っていただきたいと思うわけでございまして、そのときにぜひ愛媛県もその中に含めていただきたいと思うわけでございます。  この激甚災害指定につきまして、そしてまた、先ほどの査定についての応援体制等につきまして、お答えをいただきたいと思います。
  34. 野田政昭

    ○野田説明員 災害査定の立会につきましては、農林省を初め各省庁の災害査定に合わせまして立会できるように、今財務局間の応援体制の万全を期するようにしております。したがって、不足するところはほかの財務局から応援を出すという体制を今各省の査定に合わせてつくっているところでございます。そういうことによりまして、年内にはその作業が完了する予定でございます。
  35. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 ただいま大蔵省の方から、万全を期すということで、年内での査定の完了をというお話がございました。四国は財務局が高松にございまして、私ども愛媛県には事務所があるわけでございまして、大変少ない人数で財務事務所の皆様方で頑張っている姿をいつも拝見しているわけでございますが、若干財務局から離れている愛媛県に対しましても、ぜひ御配慮をいただきたいと思うわけでございます。  さて、先ほど鈴木先生の方からお米の問題について大分お話が出ました。そういう中で、この東京あたり、あるいは私どもの地元以外では余り知られていないかもわからないわけでございますが、今回の長雨あるいは台風等の被害によりまして、愛媛県の中心産業でございますかんきつ類を中心とした果樹産業に大きな被害が出つつあるということが今懸念されているわけでございます。  きのう、私どもの地元の愛媛新聞の記事にもございましたけれども、ことしはまたミカン産業が正念場を迎えるという記事が大きく出ていたわけでございます。この愛媛県では、温州ミカンあるいは伊予カンを初めとするかんきつ類に始まりまして、キウイフルーツであるとか桃、ブドウなど、私どもとしてはいわゆる果樹王国と称してきたわけでございますが、大変被害が広まっております。かんきつ類を含めまして、農林省として、果樹全般への今回の冷夏、長雨あるいは台風等の被害状況について、どのように認識されているか、お聞かせをいただきたいと思います。
  36. 小高良彦

    ○小高説明員 御説明申し上げます。  本年は、記録的な冷夏や長雨、頻発する台風被害など不順な気象条件となっておりまして、多くの作物の生育に悪影響を与えているところでございます。  果樹につきましても、冷夏、長雨、日照不足によりまして、全般的に生育がおくれ、病害虫の発生も多くなっており、果実着色、糖度が低く、酸度が高いなど、品質が劣る傾向が見られ、果実肥大のおくれは回復しつつあるものの、リンゴ、ナシ、カキなどでは小玉傾向で推移しているところでございます。  また、台風の進路に当たった産地につきましては、強風によりまして、ナシ、クリ等の落果被害や傷果等が発生しているところでございます。  かんきつ類につきましても、全般的には同様の傾向にあるところでございますけれども、果実肥大はおおむね回復しつつございまして、糖度等の品質につきましても、今後、収穫までの気象条件に負うところが大きいのではないか、このように考えておるところでございます。  また、強風によりまして傷果が多いと見られることから、今後とも低品位な小玉果や傷果を中心 に仕上げ摘果を推進いたしまして、できる限り良質な果実を出荷することが重要だと考えております。  以上でございます、
  37. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 今、果樹全般についての異常気象の影響についてお話がございました。特に私ども、かんきつ中心の県におりまして、よく話が出てくるのは、黒点病という、かんきつに黒いぽつぽつができる病気でございます。これは、雨量が大変多くなってまいりますと出やすくなる病気であるわけでございます。いわゆるカビの一種であるわけでございますけれども、この病気につきましては、特に味には関係がないわけでございますが、この黒点が出ると、市場にそれが出荷をされても、売れないということになるわけでございます。通常ミカン等々につきましては、六月の上旬それから六月の末それから八月の中下旬に三回ぐらい薬剤の散布、防除をすれば防げるわけでございますけれども、ことしは五、六回既に防除をしているわけでございますし、八月の二十日に愛媛県でも発生予察注意報というのが出されているわけでございます。そういう中で防除が繰り返し行われているわけでございますが、それでも黒点病がかなり広がってきているというふうに今言われておりまして、かんきつ栽培農家が大変心配をしているわけでございます。  愛媛県並びに全国のこの黒点病の発生状況についてお話しをいただきたいと思います。
  38. 吉村正機

    ○吉村説明員 お答えさせていただきます。  かんきつの黒点病菌は、先生御指摘のとおり、カビの一種でございまして、その伝染は雨滴を媒介として行われることから、降雨の影響を特に強く受けます。ことしのような冷夏あるいは長雨の年には特に発生しやすい病気でございます。  この病気につきましては、病害虫発生予察事業によりまして、発生状況調査と防除指導を実施しているところでございますが、ことしは夏の期間を通じまして全国的に低温多雨に経過いたしましたことから、現在、主要なかんきつ栽培地域における発生は、平年と比べまして、やや多いないし多いという発生状況になっております。  特に愛媛県につきましては、発生面積が平年の約一・五倍、発病している果実の割合は平年の約二倍に達するという状況でございまして、特に東予地方における発生が多い状況にあると承知しております。
  39. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 今御報告がありましたように、全国的にもこの黒点病が多い上に、私どもの地元でかなり蔓延しているというお話がございました。  先ほどちょっと申し上げましたように、この黒点病に侵されたかんきつというのは、大変日本の消費者あるいは市場の目というのが巌しゅうございまして、結局生食、生で食べるためにはどうも市場には出られないだろうということに多分なるのだろうと思います。結局、そうなりますと、ジュースに回さざるを得ないということになるわけでございますけれども、皆様方御案内のように、平成四年四月からオレンジ果汁の自由化というものがもう既に行われておりまして、国産ミカン果汁は、既に本年の一月時点で、二年分の消費量に当たります約四万トンの在庫を抱えている状況でございます。したがいまして、このまままいりますと、生食用の場合には大体引き取りがキロ百四十円から百五十円で引き取ってもらえるわけでございますけれども、ジュースにするための原料の場合には大変に安い。表面的には大体キロ当たり三円から五円ぐらいになってしまうということで、格段に安い価格で出さなければいけない可能性が高くなるわけでございます。  おまけに、先ほどちょっとお話がございましたように、ことしは温州ミカンがそもそもいささか供給過剰になりそうだということでございます。このため、ミカン農家の経営維持のための施策でございます計画的な生産、出荷を強化せざるを得ないということになるわけでございまして、既に果樹農業振興特別措置法、いわゆる果振法と言われているわけでございますが、この法律に基づきまして、生産出荷安定指針というものが、温州ミカンについて昭和六十三年以来五年ぶりに出されているというふうに聞いているわけでございます。  この生産出荷安定指針の発動の経緯と、それから今の実施状況、そして今後の方針等につきまして、農林省の方からお話伺いたいと思います。
  40. 小高良彦

    ○小高説明員 御説明申し上げます。  平成五年産の温州ミカンの作柄につきましては、六月時点の当初の統計情報部並びに関係団体の推計によりますと、生産量はほぼ前年並み、約百六十五万トン前後と見込まれたところでございます。  一方、需要につきましては、生果の消費量が依然として減少傾向にあること、温州ミカン果汁につきましては、先生御指摘のとおり、オレンジ果汁の大幅な輸入増によりまして過剰在庫を抱えている上に、消費量が減少していることなどから、総需要量は前年をかなり下回ると見込まれたところでございます。  このため、このまま推移すれば、平成五年産の温州ミカンの需給が著しく均衡を失すると見込まれましたことから、果樹農業振興特別措置法に基づきまして、果樹農業振興審議会に諮り、七月一日付で百五十万トンの生産を目標といたします生産出荷安定指針を定め、良質果実の生産に配慮しつつ、摘果の推進等所要の事業を実施しているところでございます。  八月一日現在の予想収穫量は百六十二万六千トンと目標生産量を上回っておるところでございますけれども、現在、産地におきましては、低品位の小玉果、傷果等を中心に仕上げ摘果に一丸となって取り組んでいるところでございまして、良質果実が計画的に生産されるように引き続き指導してまいる所存でございます。  また、本年産につきましては、気象条件から全国的に開花が一斉にそろいましたために、出荷時期の集中が例年にも増して一層懸念されますところから、出荷時期の分散対策並びに計画的な出荷を徹底するよう指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  41. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 今の御説明を聞いておりますと、百六十五万トンの予想が今百六十二万トンぐらいまで来ている、それを百五十万トンぐらいまで抑えなければいけないという御説明でございました。農家にとって、摘果をするというのは大変つらい仕事であるわけでございますけれども、最終的な所得が決まるのは恐らく来年になるわけでございますので、その点の指導につきましてはぜひ万全を期していただきたいと思います。  今お話がございましたように、オレンジ果汁の自由化が進む中で、今果樹産業、大変厳しいわけでございます。そして、今後とも輸入果汁の増加というものが見込まれているわけでございまして、かんきつを取り巻く環境は本当に厳しいものがあるわけでございます。六十三年にオレンジ及びオレンジ果汁の輸入自由化に伴う国内対策の一環といたしまして、果汁原料用に向けるかんきつの価格安定策を含めまして、果実生産出荷安定基金の充実というものが行われたわけでございますが、今申し上げましたように、ただでも輸入自由化の厳しい中で病害虫の被害を受ける、こういう中で、この果実生産出荷安定基金の今後のさらなる充実強化というものが必要なのじゃないだろうかという気がいたすわけでございますが、その点についてひとつお聞かせをいただきたい。  特に、この基金のいろいろな事業の中で、現行制度によりますと、特別補てん制度というものがあるわけでございます。これは、オレンジ果汁の自由化をする際に、八年間の時限を切っての補てんという制度を設けたわけでございますが、この特別補てん制度がちょうど平成七年度で一応終了するということになっておるわけでございます。この制度が一応終了いたしますと、従来の通常補てんのみということになるわけでございますが、予想以上の果汁の国際価格の低下であるとか、あるいは円高の問題等々を考えますと、この制度の延長、あるいはこれにかわる新しい制度を農家の ために考えなければいけないのじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。  それと同時に、果樹農家のジュース原料価格の下支えとなっておりますこの補てん制度の保証基準価格、ここに至るまでの特別補てんを今やっているわけでございますけれども、この保証基準価格については、先ほどの国内対策の一環として、対象期間中、すなわち八年間でございますけれども、この間に目標取引価格、当初十五円とされておりましたけれども、この十五円にさや寄せをしていくということになっておるわけでございますが、ここに来て、むしろこの保証基準価格を上げてほしいという声が産地では大分出ているわけでございます。  今ちょっとたくさん御質問してしまいましたけれども、一つは、果実生産出荷安定基金のさらなる充実強化が図れないか、そして第二点は、もしあれでしたら、この制度の延長ないしは新しい制度を考えられないか、三番目に、保証基準価格のアップを望む声が多いけれども、これについての考え方はどうか、この三つについてお答えをいただきたいと思います。
  42. 小高良彦

    ○小高説明員 御説明申し上げます。  果汁原料用かんきつの価格安定制度につきましては、従来から行ってまいりました通常の価格変動を安定化させるための価格差補てんに加えまして、先生御指摘のとおり、オレンジ並びにオレンジ果汁の自由化対策の一環といたしまして、オレンジ果汁の輸入増の影響による価格低下に相当する分を補てんする特別補てん事業を昭和六十三年度から平成七年度までの八年間実施することとしているところでございまして、現在、進行をしているというところでございます。  我が国のかんきつ農家の経営は、生食用果実の生産を主体としておりまして、果汁原料用はその付随的な地位にございまして、生果の需給調整の役割を果たしているところでございます。  このようなこともございまして、加工原料用果実価格安定制度の特別補てん事業は、自由化前後の原料価格の大幅な低下の影響を緩和するための対策として、一定期間に限って行うこととしたものでございます。  今後とも加工原料果実の位置づけとその役割を踏まえまして、先ほど果実基金制度の充実ということもございましたけれども、これにつきましては、十分基金としては資金を持っておりますので、これも踏まえまして、ミカン農家の経営安定を図ってまいりたい、このように考えております。  以上でございます。
  43. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 今、基金にはまだまだ十分資金があるというお話でございました。そのお言葉を聞きますと、この制度を延長するのかなというふうにとれる気もいたすわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
  44. 小高良彦

    ○小高説明員 先ほどお答え申し上げましたとおり、この制度につきましては、六十三年度から平成七年度まで八年間というセットになっているわけでございまして、現在はその延長とかを考える時期ではないのではないか、このように考えております。  以上でございます。
  45. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 オレンジの果汁自由化を決め、そしてまた国内対策を考えたのは昭和六十三年でございました。そのときの為替レートが幾らかというのを、覚えていらっしゃるかもわかりませんが、あえては聞きません。今、私の手元にあるデータで見ますと、ちょうどこの対策が決められた昭和六十三年八月の月中平均が百三十五円だったわけでございます。ですから、その当時百三十五円を前提にその程度、緩やかな円高ということを考えても、そこからまさか百円に近づくような時代が来るとは恐らく思っていなかったんだろうと思うのですね。その時点で輸入を自由化し、そして構造改善をする時間的余裕を与えるためにこの制度を設けて、八年間の時間的余裕を農家にも、そしてまた流通段階にも、あるいは加工の工場等々の合理化にも時間的猶予を与えたというわけでございますが、恐らく皆さんが考えておった輸入の将来の数量は、そのときの為替で大体考えておったんだろうと思うのです。  しかし、今為替が、きょうあたりでも百六円か五円ぐらいでしょう。その程度になって、二割ぐらいの円高が進む中にあっては、やはりその当時と前提条件が変わってきた。そうなると、この八年間ということで一応その時点では考えましたけれども、しかし、こういった為替の状況も考えてみれば、さらに構造調整を農家の方でもあるいは流通加工段階でもやらなければいけないということになりますと、もう少し時間的余裕が必要なのではないかという声が産地の方では割合多いわけでございます。  こういう点で、繰り返すようで大変恐縮でございますが、この制度について、ぜひまた先々の延長ないしは新しい制度の導入等によりまして、スムーズになる構造改善を進めるように、そして農家の体質改善を進めるようにしていただかなければいけないのではないかなと思うわけでございますが、お考えはいかがでございましょうか。
  46. 小高良彦

    ○小高説明員 御説明申し上げます。  先生が御指摘のとおりでございまして、私自身も、団体の皆さん、農家の皆さん方からは、そういう御要望としてはお聞きをしているところでございます。しかしながら、私自身の考え方といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、農家の経営という意味におきましては、やはり生果で勝負をするということが非常に大事なのではないかと思っております。  また、果汁問題で申し上げますと、先ほど十四円七十銭にさや寄せをするというお話がございましたけれども、八年間をかけまして、外国産果汁に対応できるような形、それが十四円七十銭という価格になっておるわけでございまして、それに向けまして、工場の整備でございますとか産地の整備でございますとか、そういうことに努めてきたということでございます。  今後につきましては、今八年間ということでやってきておりますので、その段階になりましていろいろ検討していかなければいかぬ、このように考えております。  以上でございます。
  47. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 皆さんの御記憶にもまだ残っておるかと思うわけでございますが、一昨年、台風十九号が九州、四国、中国そしてまた青森等々に大変大きな被害を与えたわけでございまして、私ども地元愛媛県のかんきつも、海の水をかぶったがためにもう切らなければいけないという甚大なる被害を受けたわけでございます。  そして去年は、ミカンの玉が大変小さい小玉果ということで大変低価格で、所得減少が起こってしまいまして、農家が苦しんだわけでございます。  そして、先ほど来お話し申し上げているような黒点病というのがことしも発生をするということで、今生果中心でいくべきだというお話がございましたが、黒点病あるいは台風の風による傷ものによりまして、なかなか生果で出せないということが出てきているわけでございます。これは、そもそも日本人が割合外見を気にし過ぎる。傷があっても、あるいは黒点病になっても、中身は何も変わらない、おいしいミカンであるわけでございますけれども、それをなかなか買ってくれないという、日本人の国民性なのかもわかりませんけれども、それが今のとこうの現実でございます。  そういう中で今農家は大変苦しんでいるわけでございまして、先ほど生果というお話がございましたが、それでもオレンジ果汁の輸入自由化の新時代に際しまして、いろいろな対策現地でも行っているわけでございます。  こうした状態が続きますと、やはり担い手の高齢化、そしてまた、かん水施設など各種事業を実施するに当たりまして地元農家が負担をしなければいけない部分がたくさんあるわけでございまして、このような負担がふえることによって、ますます後継者難が今起きているわけでございます。  私どもの知っている方々の中でも、もう息子が後を継いでくれないというところがたくさんあっ て、困っているわけでございますが、この後継者対策等を含めまして、今後のかんきつ生産地の総合的な対策について農水省の御所見を伺いたいと思います。
  48. 小高良彦

    ○小高説明員 御説明申し上げます。  我が国の果樹農業は、国際化の進展、消費者ニーズの多様化の中で、高品質、低コストの両面がますます要求される一方におきまして、産地におきましては、担い手の高齢化、後継者不足が顕在化してきているところでございます。また、かんきつを中心に樹園地は傾斜地が多く、機械化が進みにくい状況にございまして、こうしたことから、若い担い手が育たない要因ともなっていると考えております。  このため、先進的農業生産総合推進対策事業におきまして、特にかんきつ産地におきましては、その多くが立地している傾斜地での大幅な労力軽減を実現するため、作業道や園地の整備とともに、傾斜地でも利用可能な傾斜地用多目的管理機、クローラー型の管理機でございますが、その導入を進め、機械化によります傾斜地果樹園の省力化、低コスト化を進めているところでございます。  さらに、果樹農業を将来にわたりまして発展的に維持していくためには、低コスト省力化技術の導入、園地条件の整備や団地化等によりまして、労働条件、生産力の劣悪な園地の高品質、高能率園地への転換、労働力のあっせん、調整や省力的な集出荷体制の整備等、労働力不足を補う支援対策等を総合的に実施いたしまして、足腰の強い果樹産地への再編整備を強力に推進しているところでございまして、このような、若い担い手にも受け入れられるような果樹産地づくりを通しまして、後継者の育成、さらには果樹産地の維持発展に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  49. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 今の御答弁の中にもありましたけれども、日本の場合は、どうしても山間地を活用した果樹生産というものが多いわけでございます。私もアメリカに住んでいたことがございますけれども、カリフォルニアなどに行きますと、大変広い平たんなところでオレンジが栽培をされて、トラックが縦横無尽に走って集荷等々の作業をしている姿を見て、余りの違いにびっくりするわけでございます。  私どもの地元などでは、山にいわゆるモノラックというモノレールのようなものをつけて、本当は人間は乗ってはいけないわけでございますが、どうしても山に上がる高齢者の担い手の方々はついそれに乗って、よくけがをされたり、場合によっては命を落とされることもあったりするという大変厳しい環境の中で果樹生産をしているわけでございます。  今各種政策について御説明がございましたけれども、このような悪条件の中でやらなければいけない問題点を十分お含みおきの上、今後とも総合的な対策をお願いしたいと思うわけでございます。  ひとつこれはお願いになるかもわかりませんけれども、先ほど鈴木先生の御質問の中にもたしか共済の早期支払いお話が入っていたと思うわけでございますが、今回台風十三号等で被害を受けましたかんきつ農家の所得安定を考えますと、やはり当面は果樹共済金による所得補てんによる対応中心になるかなと思うわけでございます。ぜひともこれも米の対策と同じように早期の支払いをお願いしたいと思いますが、その点の御配慮は賜れるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  50. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 農業共済の対応といたしましては、被害を受けた果樹等の損害評価を迅速的確に行うとともに、共済金等の早期支払いが円滑に行われるよう農業共済団体等を指導しているところでございます。先ほど来の関係で申し上げましたように、九月十日付で通達により指導しているところでございます。
  51. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 果樹共済金についても、ぜひ早期の支払いをお願いいたしたいと思います。  次に、米の問題について若干御質問をさせていただきたいと思います。  今の共済のお話でございますけれども、現行の農作物共済金支払いは減収量が三〇%を超えたときに支払うということになっているかと思うわけでございます。作況指数についてはこの三十日に発表されるということで、新聞等では、大体八〇台になることは間違いないと言われているわけでございますが、愛媛県の場合でも、全国九五に対して九六というのが八月十五日時点の作柄でございまして、それが今後さらに悪くなる可能性が十分あるわけでございますが、三〇%の減収量に至らなくても、品質の低下に伴う政府買い入れ対象とならないような規格外の米等による所得の減少を共済の対象にすべきじゃないだろうかという声が地元で上がっておるわけでございます。  この品質低下に伴う所得の減少について、共済でのカバーはどのような方針でおられるのか、御説明をいただきたいと思います。
  52. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 現行の農作物共済につきましては、共済事故により減収が生じた場合に共済金を支払うという仕組み、いわゆる収量保険方式をとっております。その損害評価は、耕地ごとに県による悉皆調査を主として、稲が植わっている状態で行わざるを得ない実態から、品質の低下そのものは補てんの対象とはされていないわけでございます。  しかしながら、異常な災害によって広範囲の地域にわたり政府買い入れ対象とならないような低品質米が発生した場合には、減収量の取り扱いにつきまして、政府買い入れ基準に達するまで被害粒を控除する等の方法によりこれを特別に減収量とする、いわゆる損害評価に関する特例措置を講ずることとしております。被害を受けた水稲の品質低下に伴う損害評価に関する特例措置につきましては、被害の実態を見ながら、農業共済組合連合会からの申請に基づき適切に対処してまいる所存でございます。
  53. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 先ほど鈴木先生の方からの御質問に対して御説明もあったわけでございますけれども、このところ米の緊急輸入の問題について大分新聞等々にぎわしているようでございます。ウルグアイ・ラウンドの年内の合意形成の問題と米の輸入自由化の問題について先ほど質問があり、また御答弁も一応あったわけでございますが、特に細川総理の御発言を見ておりますと、米の輸入自由化については大変困難な問題だと言いながら、やはりウルグアイ・ラウンドは年内の期限があるんだということでありまして、先ほどのお答えでも、一体どっちを向いておられるのかがいささかよくわからないというふうに恐らく国民の皆様方も思っておられます。  これは、報道ぶりがそうさせているところがあるのかもわからないのですが、もう一度、先ほどのお答えを少し敷衍して、一体細川総理の真意、これはもう御本人に聞かなければいけないんでしょうけれども、おられませんから、その辺を、国内産で賄うと言いながら、やはりウルグアイ・ラウンドは年内に決着をつけなければいけないという相矛盾している形のことをおっしゃっているような気がしてならないわけでございますが、もう一度御説明をいただきたいと思います。
  54. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 先ほども鈴木委員の質問に対しましてお答えいたしましたように、米は日本国民の主食であり、かつ我が国農業の根幹をなすものでございます。また、水田稲作は、国土・自然環境の保全、地域経済上不可欠の役割を果たしております。したがいまして、農林水産省といたしましては、ウルグアイ・ラウンド交渉においては、我が国における米の重要性にかんがみ、国会決議の趣旨を体し、国内産で自給するという基本方針のもとで対処してまいりたいと考えております。
  55. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 やはり細川総理にお伺いをしないと、その辺はどうもよくわからないという気がいたすわけでございます。  最後に、上原長官にお伺いをいたしたいわけでございますが、先ほど来ずっとお話が出ているように、ことしは本当に北海道の南西沖地震に始まりまして、集中豪雨あるいは台風十三号、そして 低温、そして日照不足、さらに冷夏、長雨、こういった、本当にこれまでになかったような自然災害が続いて、農作物被害が大変大きいわけでございます。これに加えまして、被害を受けた農家は収入減が顕著になりそうだということで、都会に昔ながらにやはり出てきて働かなければいけない、しかしながら、今は不景気だということでなかなか雇用機会もないかもわからない、そういうわけでございます。  それで、先ほど経企庁の方から景気対策の御説明がございましたけれども、こういった中で、災害という観点から、やはり政府として総合的な対策というものを考えていかなければいけないんじゃないかと私も思っているわけでございます。たしか先週でございましたでしょうか、テレビのニュースで、総合的な対策を打つということを報道しておりました。その後、どうも各省庁に聞いておりますと、いや、まだそういうところまで話がいってないというお話でございましたが、あさって関係閣僚がお集まりになって、対策を検討するんだというお答えが先ほどございましたけれども、この点、やはり総合的な災害対策というものを考えなければいけないんじゃないか。  時あたかも新政権ができて、大いなる期待と、そしてまた一方では、不安を恐らく国民の皆様方もお持ちだろうと思いますし、これまでにない景気の低迷、公定歩合が史上最低の一・七五%になるというような状態、それに加えて、今回の各種災害に見舞われたこういう中で、大変国民の不安というものが募っているんだろうと思うわけでございます。先ほど地方と都市のお話もありましたけれども、やはりここで総合的な災害対策というものを明示することによって国民の不安を払拭することが大事なんではないかなと思うわけでございますが、長官の御意見を承りたいと思います。
  56. 上原康助

    ○上原国務大臣 お答えさせていただきます。  御指摘のように、本年は北海道南西沖地震、鹿児島県を中心とする八月の集中豪雨、あるいは先ほど来お尋ねのありました台風十三号等の災害が頻発をしておりまして、多数の人命が失われたのみならず、地域社会に深刻な影響を及ぼしていることは御指摘のとおりであります。  国土庁といたしましては、政府の災害対策の中核として、非常災害対策本部の設置などにより、各省庁の災害対策に関しましてその総合調整を行いつつ、適切な措置を講じてきたところでございます。今後とも災害予防施策の充実強化、迅速的確な災害応急対策災害復旧対策の推進に努めてまいるつもりでございます。  さらに、災害対策に加えて、所要の経済対策や雇用対策が別途講じられようといたしておりますので、そういう点にも配慮して、施策の万全を期す決意でございます。  総合対策といいましても、激甚災であるとか天災融資法適用等は、国土庁は御承知のように調整機関として一生懸命努力をさせていただいておりますが、農作物等についてはこの実行機関は農水省が主体になる面がありますので、そういう面で国土庁としては、やはり縦割りだけでなくして、横の連携もとりながら、先ほど来御指摘のあるような諸般の状況に対処をしていきたいということで、総合対策本部といいますか、総合対策をやらなければいかないということで、関係閣僚の集まりを持って、今後の方針あるいはいろいろの対策を講じていきたい、こういう考えで今話し合いをしているところでございます。
  57. 塩崎恭久

    ○塩崎委員 今長官から御説明がございました。細川新総理の哲学として、霞が関の縦割り行政にはかなり御意見をお持ちのようでございますので、今のお言葉がございましたように、特に横の連絡を密にして、国民の不安を払拭すべく、総合的な対策を今後とも立てていただくように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  58. 池端清一

    池端委員長 次に、鉢呂吉雄君。
  59. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 北海道も今回の冷害の影響を大変大きく受けておりまして、上原長官も御視察されました私の地元の檜山管内も、地震による地割れ等で作物の収穫皆無、そしてあの地域全体を、この冷害で本当に収穫皆無があの農業地帯を覆っておるという状況でございまして、大変なダブルパンチのような形になっておりますのですけれども、きょうは、北海道南西沖地震に限って御質問をさせていただきたいというふうに考えます。  まず、個人災害救済制度の創設に関してでございます。  このことについては、個人が自然災害を受けた、これについての公的な救済制度についてはなかなか難しいということが言われてきました。昭和四十年代からさまざまな検討を加えて、いわゆる弔慰金法というものに基づく個人、死傷者に対する弔慰金制度ができたところでございますけれども、大変国民生活が高度化した反面、災害における大きなダメージを受けて、その生活の再建なり、とりわけ商工業あるいは農水産業の自営業者の再建、これが極めて大きな問題になっておるというようなこともありまして、この辺で、個人が自然災害を受けたときの救済制度というものを、恒常的な仕組みをつくる必要があるだろうということで、昨年七月にこの関係の初動期災害対策に関する研究会の報告も受けておるというふうに私ども聞いております。  この衆議院災害特別委員会でも局長の答弁がございまして、四つほどの形が考えられる、一つは、個人が拠出する制度ということで、これは被害の常襲地帯においては個人が入るけれども、逆選択ということで母集団がなかなか集まらないという難しさがあるということで、これは困難であるということを局長も言っておるわけでありますけれども、ほか三点、例えば公的主体が拠出する公的な共済、あるいはまた公的な信託制度の利用、そしてまたボランティアの預金制度の利用というようなことを具体的に述べておられるわけであります。  そこで、これらの報告書を得て、国土庁として、これらをどういうふうに検討していくのか。あるいはまた、その期限等については、いつまでと区切って、これはもう長い間こういう検討を繰り返しておるわけでありますから、やはり具体的な方向をいつまでに示すかということについてきちんと御答弁を願いたいというふうに思います。
  60. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 今先生がおっしゃいました初動期の対策につきまして、検討をして、一応の成果を得ているわけでございます。  内容についてお話しさせていただく前に、その調査の前提について若干触れさせていただきたいと思います。  御承知のように、雲仙岳の噴火災害につきましては、長期継続というその災害の特質を踏まえまして、基金を初めとする特別の措置によっていろいろな対応を行ってきているわけでございます。国土庁において先ほど先生がおっしゃいましたような研究をいたしましたのは、今後、雲仙災害と同様な、長期避難を伴う新たな災害が起きた場合に備えて、基金を設置しなくても対応できる道があるのではないかということを研究するために、委託をして勉強したということでございます。したがいまして、その基金の上にさらに何かやるということでこの研究をいたしたわけではないわけでございます。  先ほど先生がおっしゃいましたように、テーマといたしましては四つございます。一つは個人加入による共済保険制度でございますし、もう一つは公的主体の加入による共済保険制度、それから公益信託を利用した被害者救済制度、それから被害者救済のためのボランティア預金制度というものでございます。  先生がおっしゃいましたように、最初の二つにつきましては、逆選択というようなことがあって、なかなか難しいのではないかということでございます。それから三番目、四番目のものにつきましては、そういった逆選択というふうな本質的な問題はないかと思いますけれども、公益信託なりあるいはボランティアの預金制度という制度が国民の中に今の段階ではそれほど浸透していないわけでございまして、その浸透の度合いというものを 見きわめながら、そういった信託を使っていただける、あるいはボランティア預金制度に応じていただけるという方々がふえました場合には、一つのまとまった制度として運用が可能になるというふうに考えておるところでございます。  したがいまして、その四つの中の三番目と四番目になるかと思いますけれども、それをいつまでに実行するかという点につきましては、今申し上げましたように、定着の度合いというものを見きわめながら進めていなければならないと考えておりますので、具体的な期限を切ってということはなかなか難しいということを御理解いただければと思います。
  61. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 今回の南西沖地震でも、百四十億にわたる個人義援金、まあ企業も含めてでありますけれども、日本の国民は熱しやすく冷めやすいということはあるかもわかりませんけれども、国民の方が、今の時代に災害に遭ったら大変だ、もうある程度の財産を国民すべては持っているわけですけれども、これをもう一瞬のうちに失うという事態、我が身のことも考えられて、ああいう物資あるいは金銭による義援金も相当なまでに上っている。  ですから、こういう国民的なものになっておりますから、もっと政府がそのシステムをつくる。例えばボランティア預金制度というのは、一定の金利内について寄附制度を設けるというようなことだろうと思いますから、そういう政府全体としての仕組みをきちんとつくらなければ、なかなかこれは国民のものとならないということであります。基金制度と共済制度というものは両立はしないんだという言い方、どちらか一つ、例えば雲仙では基金制度をつくったからというようなニュアンスも今ありましたけれども、やはりそういうことでなくて、この個人救済のための共済制度というものを真剣に考慮する必要があるのではないかというふうに思います。  きょう結論を出す必要はありませんけれども、大臣も相当踏み込んで、いろいろなことを検討しておるわけでありますから、こういう長い蓄積があって、こういう共済制度というものについての研究を重ねておるわけでありますから、ぜひとも具体的な一歩を踏み出していただきたいというふうに思うところであります。  続きまして、北海道南西沖地震につきましては、地震後きょうで八十日を経過いたしました。奥尻町を初めとして、北海道本島側にも大きなつめ跡を残して、ようやく復興、復旧のための第一歩に着手をしたなという感じであります。これまでは無我夢中で過ごしてきたのですけれども、改めて復興ということになりますと、大変なものが必要であるなということを被災者は感じておるところでありまして、やはり国等のさまざまな手だてがなければ、現状ではなかなか難しいということに逢着しておるような状況だと思います。  そこで、例えば北海道庁は、この間北海道の単独事業としてさまざまな事業を組み立てております。一例を申し上げますと、例えば共同利用の漁船という形で五トン以下については国あるいは道が三分の一ずつ、合わせて三分の二を補助するということでありますけれども、残りの三分の一についても、奥尻町につきましては、漁協ですとか漁業者に負担をかけないということで道が持つ。あるいは五トン以上のものについても、貸付資金についてその利子補給を道が持つ。あるいは天災資金についても利子補給をする。あるいは農家への末端金利についても特別の利子補給を三%というところでする。あるいはまた、法人格を持たない営農施設についても道が助成をする。これは法人格を持つ場合は国の激甚法に基づく助成があるのですけれども、こういうものを行う。あるいは奥尻農協に対する施設の助成をするとか、あるいは災害住宅対策として末端の金利を無利息にする。あるいは、北海道は冬が厳しいですから、仮設住宅入居者五百二十七世帯に対して灯油代の助成を行う。さまざまな手だてを講じておるわけであります。  そこで、長崎県の雲仙岳の対策が講じられております。例えば、生活安定再建資金の創設ということで、これは五年据え置きの十年償還という、五年据置期間は無利息というような資金を創設したり、あるいはまた、御案内のとおり、六百三十億の基金を設けまして、これは国が五百四十億を出資するという形で、その基金を、例えば各種資金の無利子化、先ほどの生活安定再建資金、五年間の据置期間は無利息ですけれども、償還期間についてもこの基金を使って無利息にする。あるいはまた、被害住宅の再建をするために五百五十万の助成をする、あるいはまた営農施設等の再開助成として二百万、とりわけ工場等の商工業者に対する再開助成として二百万するというようなことで雲仙の場合は対応しておるわけであります。  これらについても、私は、北海道南西沖地震の最も被害の大きかったところにはきめ細かくこれと相応の、相当の対応をすべきであるというふうに思いますけれども、この点についての考えをお聞かせ願いたいと思います。
  62. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 今先生がおっしゃいましたように、雲仙では先生がおっしゃいましたようないろいろな対策を講じておるわけでございます。今そういった対策につきましては、雲仙災害が長期に継続しておるということに着目をいたしまして講じたものでございます。そういった意味で、北海道の南西沖地震災害雲仙噴火災害とは、長期継続性という点につきまして若干違う面があるのではないかというふうに考えておるところでございますが、今後とも地元自治体ともよく相談をしながら進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
  63. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 今、長期性ということの区分けをしたわけであります。これは長官にお伺いしたいのですけれども、確かに国の非常災害対策本部で、長期化をしておるために従来の災害対策にない特別追加措置を行うんだということを言っております。しかし、やはり雲仙は非常に例外的に、大規模でまた長期化であることはわかります。しかし、この種のことは、やはり妥当性をもって措置ができるものであれば、ほかにこれを拡大していくというのが政治のあり方だというふうに思います。とりわけこの北海道南西沖地震については、一度の大地震、大津波でありました。しかし、やはり再建復興を図っていくには、相当非常に長い年月が必要である。ですから、私は、雲仙のこの貴重な体験あるいはこの貴重な施策をぜひとも制度化していただきたい。  もちろん、その場合には基準というものが必要であります。ですから、例えば災害程度の大規模だとか深刻さ、そういうものをどのように基準としてとらえるのか。あるいはまた、奥尻の場合は離島であります。離島の生活というものをしていない方はわからないのですけれども、離島というのは非常にハンディキャップが多いのです。特に交通アクセスが限られておるという点では、本当に再建するためにも大変なハンディキャップを持っておるということは言えるわけであります。そういう特殊性、この地域の特殊性、やはりそういうものを基準化する必要があるだろう。  あるいは、住民の所得水準ですとか、生産力、あるいはまた地方公共団体の財政力というものを基準化して、見きわめて、雲仙の場合、さまざまな住宅に対する助成等々、これは基金で出ておりますけれども、あるいは商工業者の再建に対する助成、こういうものは、必ずしも今の雲仙長期化をして噴火を繰り返しておるということだけでなくて、やはり一回の災害であっても復興に相当期間を要する。先ほど言ったような基準をきちんと設定して、不公平な形にならないように行うのが政治の務めだろう。そして、それが災害に対する国の新たな一つの施策を講ずることになるだろうという点で、長官から前向きの御答弁をお願いいたしたいと思います。
  64. 上原康助

    ○上原国務大臣 お答えいたします。  先ほど防災局長から御答弁がありましたように、いろいろ実態把握をしながら、それぞれの災害に対して努力をしている点は御理解を賜りたいと存じます。  私、昨日も長崎県に行きまして、一昨晩行ったのですが、雲仙岳の噴火の状況など、あるいはまた県当局、市などからも御意見を聞いたわけですが、雲仙噴火災害長期化をしておって、規模も大きい、それはもう皆さんおわかりのとおりで、決して、そこを重点にして、南西沖地震とか他の災害について軽く見ているということではございませんので、その点御理解を賜りたいと存じます。  そこで、雲仙の場合は県が中心になって、もちろん市も、関係深江町とか島原市なんかもそうですが、基金制度というものを設置して、そのことについて国土庁あるいは自治省等々からいろいろな援助をいただきながら推進をしておるわけでございます。それは、北海道の南西沖の場合も参考になる面もあると考えます。  御承知のように、鉢呂先生御指摘のように、北海道庁においては、既に先月、全庁にわたる災害復興対策推進委員会を設置して、その事務機能を持つ南西沖地震災害復興対策室という専任の組織をつくって、被災地域の復興対策を総合的に推進しておられるようでございます。ですから、この災害復興対策推進委員会等で、これから雲仙・普賢の基金問題なども参考にしたいろいろな御提言なり、また御要請があれば、国土庁としても、今御指摘のようなこともできるだけ取り入れることができればやっていく、こういうふうに努力をさせていただきたいと思います。
  65. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 長官からでき得る限りとり得るものはとっていきたいという前向きの御答弁でありますから、よろしくお願いをいたしたいと思います。  ただ、非常に既存の制度あるいはさまざまな事業というものが多岐にわたっておりまして、はっきり言いまして、今道庁でこういう対策室をつくっておりますから、やはりどれをとれば一番いいのかということについては、国がもっと指導性を発揮していただきたい。ですから、端的に言えば、北海道庁は国には頭が上がりませんから、皆さんの言われる中でやるわけでありますけれども、先ほど言いましたように、雲仙のようなものが、雲仙でもやはりこれは立法化せいという強い声があります、特別立法という声もありますけれども、しかし、他の大規模災害適用できるものについては基準化をしておく必要が国としてもあるだろう。二十一分野九十八項目でしたか、これは既存の制度を使ってのものがほとんどでありますけれども、新たなものについては一つの奉準化をすべきであると思うわけであります。  時間がありませんから、次に移ります。  具体的な問題に入らせていただきますけれども、今奥尻町は大きな集落が壊滅状態になりました。あるいは隣の、向かい側の、対岸の北檜山町あるいは大成町でもようやく集落の町づくりをこれから検討し、計画をするという段階に入ったわけであります。北海道庁も、これに主体的に取り組みながら、青写真を提示して、住民との合意を求めるという形になろうと思いますけれども、とりわけ奥尻町の青苗地区はこの十年間で二つの大きな津波を繰り返し受けたわけでありまして、今度三度目を受けるということになりますと、これは人災ともとられかねないことであります。  私が言いたいのは、防災という視点を最優先にした町づくり、その計画を構想すべきである。この点について、これは基本的なことでありますから、長官の御答弁をお願いしたいというふうに思っております。
  66. 上原康助

    ○上原国務大臣 先ほども答弁いたしましたが、なかなか総合的な災害復興対策というのも、いろいろ各省庁にまたがる点もありまして、国土庁は、御案内のように、執行機関ではなくして調整機能しか持っておらない弱さもあるわけです。ですが、今御指摘のような、特に私も奥尻青苗地区も行って見ましたが、本当に惨たんたる状況で、地元被災者の皆さんのお気持ちもよくわかるし、また、今御注文や御提言がありましたことについても理解をしておるつもりでございます。  そういう立場で、事務当局に対しても、できるだけそういった地域の声に耳を傾けながら、防災あるいは災害復興総合対策をやれ、やってもらいたいということを話してございますので、時間もかかる面も多いかと思うのですが、いま少し地域住民の意向が反映できるような制度あるいは法律の内容等を再検討もする時期じゃないかと思いますから、またこの災特委員会の各先生方の御協力も仰ぎたいと思います。
  67. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 防災最優先として町づくりをする、これはなかなか、言うことは簡単ですけれども、個人、自由主義の時代ですから、もとの宅地の方に戻りたい、こういう希望が常につきまとうわけで、住民の合意を得ることは、地方公共団体を中心として、そして住民のさまざまな話し合いを通じてなされていくと思います。  その際に一番大きな問題は、個人の経済的な負担がどうしても伴う。例えば防災集団移転事業とかさまざまありますけれども、これも個人の負担を伴うわけであります。経済基盤の強い地域であればいいのですけれども、長官御承知のとおり、ああいうところであります。また、産業基盤も根こそぎやられたということでありまして、本当に路頭に迷っておると言っても言い過ぎでないようなところであります。そういうところでの再建、復興でありますし、同時に、だんだんやっているうちに、防災というものを第一に考えることは忘れ去られるところが非常に多くなってきているのですね。  ですから、防災を最優先に考える町づくりということを、国としても地方自治体を通じて強く指導していただきたいし、あわせて、そのことは相当の自己負担も伴うということで、そこの地域の経済実態に合わせた国のさまざまな手だてが必要となるだろうというふうなことで、その辺は国は、単なる下支えですとか、あるいは相談に来たときの支援ということでなくて、防災という点に関してはきっちり指導していただきたいし、そのためのさまざまな助成行為というものについても一生懸命であっていただきたいと思いまして、そのことをぜひともお願いいたしたいと思います。  さまざまな町づくりを聞いてみますと、そのことが一番ネックになっておるということでありますし、とりわけ都市づくりのために住民の宅地を売ってまた別の宅地に入るとかいうことがあるわけでありまして、その場合はどうしても公共用地も問題になってくる。ですから、とりわけ道路等の問題についても、きょうは建設省、来ておられると思いますけれども、避難道路をつくるとか、あるいはまた道路のかさ上げをするとか、さまざまな問題が起こってきておりますが、これに対しても建設省として、防災を最優先にして、そして町づくりを最優先にして、積極的な支援をしていただきたい、このことについて御答弁を願いたいと思います。
  68. 宇野博之

    ○宇野説明員 まず、町づくりの部分につきまして御説明申し上げます。  地震津波火災と三種の災害によりまして壊滅的な被害をこうむった奥尻青苗地区につきましては、二度とあのような惨事を繰り返さないよう、現在北海道奥尻町で復興のための構想案を検討中と聞いております。  建設省といたしましても、復興案が関係自治体から示されましたら、所管事業につきまして、災害に強い町づくりに向けて最大限の支援をしてまいる所存でございます。
  69. 納宏

    ○納説明員 御指摘の、防災の観点からの道路整備についてお答え申し上げたいと思います。  地震に伴います建物の倒壊、火災津波の発生に対する避難路の確保、消防活動並びに被災後の復旧活動に当たりまして道路は重要な機能を持つものでありますが、今回の北海道南西沖地震を大きな教訓としてとらえまして、道路整備の一層の推進が必要と考えておるところでございます。  今後、関係自治体が検討中であります被災地域の復興計画と一体となりました道路計画の策定あるいは道路事業の実施に当たりまして、建設省としても、でき得ることがあれば、積極的に支援してまいりたいと考えております。
  70. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 それでは、十二分までですので、簡単に三つほど質問します。  一つは、私ども災特委員会でも視察に行きましたあの奥尻島の西側の部分、あのところが再度土砂崩れを起こして、道路が不通になっておる。この開通の見通しと、我々が見ても、通るときに地震が来たらもう岩が崩れるのかという大変恐ろしいところが数カ所あるのですけれども、やはり恒久的なというか本格的な復旧工事をどういう形でやるのか、このことが一つ。  それから、地震津波観測体制の強化ということで、今度の地震においても、奥尻島に検潮あるいは津波の高さをはかる施設とか、あるいは震度をはかる施設がなかったということで、必ずしも近隣の測候所と震度が違うのではないかということがありました。そういったことで、北海道でも、奥尻島に小地震観測装置それから遠隔自記検潮装置を設置すべきという御要請があるのでありますけれども、このことを来年度の予算でぜひとも設置を願いたい、このことが二つ目。  それから、水産業の再建との関係で、あの檜山管内の八つの漁協は、現状でも、被災前でも大変な再建漁協になっております。今回、奥尻漁協も含めて根こそぎ施設を全壊したという状況でありまして、これについての再建がなければ、水産業は今や漁協の施設がなければやっていけないことは目に見えておるわけでありますから、この漁協の関係の再建あるいはこの施設の回復等についての農水省のお考えをお聞かせ願いたい、この三つでございます。
  71. 山口嘉之

    ○山口説明員 先生御指摘の奥尻島の西側の道路の件につきましてでございますが、私も、委員会先生方のお供をいたしまして、現地に参りました。あの箇所につきましては、地震発生直後のり面崩壊が発生いたしまして、全面通行どめになっておりました。しかし、地域の重要な生活道路でもございますので、北海道では直ちに応急復旧工事をやっておりました。その応急復旧工事につきましては、八月の二十四日に完成いたしまして、暫定的に交通を確保したところでございます。委員会先生方が御視察いただいたときは、ちょうどその段階でございました。  その後、九月の十八日に再度のり面の崩壊が発生いたしまして、現在北海道におきまして、路面の崩土やのり面の浮き石といったようなものの除去を鋭意実施しております。間もなく、多分明日ごろ、それは終わるというふうに聞いております。  これはあくまで応急復旧工事でございますから、本復旧工事につきましては、北海道におきまして現在、落石防護擁壁工でございますとか、のり面の落石予防工といった本格的な工法の実施を検討しております。それにつきましては、現地準備が整い次第、災害査定を実施いたしまして、早期復旧に努めてまいりたい、かように考えております。
  72. 森俊雄

    ○森説明員 気象庁からお答えさしていただきます。  気象庁では、北海道南西沖地震の経験にかんがみまして、津波予報に必要な震源の観測精度の維持向上を図るため、必要な観測点について、小地震観測装置の改良更新を計画しております。また、北海道南西域においては江差検潮所の隔測化を検討しております。なお、地震機動班を派遣いたしまして、観測の強化を図る等の措置を講じております。  今後とも地震津波監視体制の強化を図るとともに、適時適切な津波予報及び地震津波情報の発表に努めてまいりたいと存じております。
  73. 高濱正博

    ○高濱説明員 お答えを申し上げます。  奥尻漁協を初め檜山管内の漁協につきましては、従来から経営が困難な状況にあることにつきましては、水産庁といたしましても承知をしているところでございます。奥尻漁協等の経営につきまして、今回の災害によりましてさらに経営が悪化することのないよう、先般、共同利用小型漁船の建造の補助でございますとか、天災融資法の特例につきまして激甚法の発動を行ったところでございますが、今後、さらに被害を受けました漁協の共同利用施設の復旧等に万全を期してまいりたいというふうに考えております。  さらに、被害を受けました組合が今後経営の再建を図っていくためには、基本的には地域の漁業を振興いたしまして、漁業者の経営改善を図ることが大切でございますが、それとあわせまして、漁業協同組合がみずから、合併でございますとか事業統合等によりまして事業基盤の早急な確立を図ることが大変重要ではないかというふうに考えているところでございます。  現在、奥尻漁協を含めまして檜山地区の八つの漁協につきましては、北海道庁それから北海道の漁協系統団体を中心といたしまして、国の漁協事業基盤強化総合対策事業を活用いたしました合併等によります再建策について検討が進められているところでございます。水産庁といたしましても、できるだけ早期に関係漁協のコンセンサスが得られまして、具体的な取り組みが軌道に乗るように、関係機関を指導してまいりたいというふうに考えております。
  74. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 終わります。
  75. 池端清一

    池端委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十七分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  76. 池端清一

    池端委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。星野行男君。
  77. 星野行男

    ○星野委員 私は、台風十三号によって大きな被害を受けた九州の鉄道の復旧の問題と、稲作の冷害対策等についてお尋ねをさせていただきます。  御案内のように、たび重なる集中豪雨や台風七号に引き続きまして台風十三号が九州一円、とりわけ鹿児島県内に大きなつめ跡を残したことはいまだに記憶に新しいところでございまして、改めて、被災地並びに被災者に対しまして心からお見舞いを申し上げる次第であります。この被害は、人身の多数の犠牲を初め各般にわたっておりますけれども、JR九州管内の鉄道も各路線が甚大な被害を受けたところであります。したがって、まず、各路線の復旧の現状と見通しにつきましてお聞かせをいただきたいと存じます。
  78. 藤森泰明

    ○藤森説明員 台風十三号によりましてJR九州は多くの箇所被害を受けましたが、鋭意復旧に努めまして、逐次運転再開を行ってきたところでございます。しかしながら、九月二十七日現在、豊肥線、久大線、日豊線及び肥薩線の四線区におきまして、築堤崩壊等により今なお一部区間が不通となっております。これらの線区につきましては、久大線が十月下旬、日豊線及び肥薩線が十一月上旬の開通をめどに復旧作業が行われておるところでございます。また、豊肥線につきましては、橋脚が流失する等の重大な被害を受けたことでございまして、現在のところ復旧の見通しは立っていないという状況でございます。  なお、現在運転を休止しております区間につきましては、バスによる代替輸送を行っているというところでございます。
  79. 星野行男

    ○星野委員 今御説明がございましたように、まだ豊肥本線の緒方−豊後清川間開通の見通しが立たない、こういう状況でありますが、大変な事態であると思います。この台風十三号によるJR九州被害総額が八十数億円になっている、こう見込まれておりますが、この復旧を年間収益三十億円程度のJR九州が自力でやることには財政的に無理があろうかと思います。しかも、住民の足の確保は何よりも優先されなければならない課題であります。  そこで、鉄道軌道整備法第三条第一項第四号によりますと、「洪水、地震その他の異常な天然現象により大規模災害を受けた鉄道であって、すみやかに災害復旧事業を施行してその運輸を確保しなければ国民生活に著しい障害を生ずる虞のあるもの」は助成の対象になるわけでございますし、しかもこのJR九州被害は、その規模において、あるいは損害額において、同法第八条第四項の「鉄道事業者がその資力のみによっては当該災害復旧事業を施行することが著しく困難」な場合に該当すると思われます。  そこで、ぜひとも国の補助事業に認定をしていただきまして、災害復旧の早期完成とその後の運行に万全を期していただきまして、住民の生活を確保していただきたい、そう考えるわけでありますが、御見解を承りたいと思います。
  80. 藤森泰明

    ○藤森説明員 ただいま御指摘のように、JR九州におきましては、六月以降の豪雨等によりまして、被害額が八十億円を超えるというふうな発表をしておるところでございます。ただ、この額につきましては、被害直後に試算したものでございまして、個々の被害状況復旧方法に関しまして、必ずしも十分に精査されたものではございません。現在JR九州では、個々の被災箇所に対しまして、具体的な復旧計画及びこれに基づく災害復旧に要する費用につきまして詳細な調査を行っておるところでございます。  御案内のとおり、鉄道施設が大規模な自然災害を受けました場合には、災害規模、鉄道事業者の経営状況等が一定の要件を満たした場合には、その災害復旧に要する費用に対しまして、鉄道軌道整備法に基づく補助を行うことができるというふうにされておるところでございます。したがいまして、運輸省といたしましては、現在行われておりますJR九州調査結果を待ちまして、復旧に要する費用等が鉄道軌道整備法の所要の要件を満たしましたらば、補助適用について検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  81. 星野行男

    ○星野委員 前向きの御答弁をちょうだいしたわけでありますが、詳細調査の結果を待ちまして、ぜひともそういうような補助対象に取り上げて、災害復旧の早期完成、そしてまた運行の確保に努めていただくよう改めてお願いを申し上げておきます。  次に、水稲の冷害対策等についてお尋ねをいたします。  本年の稲作は、午前中鈴木俊一委員からのお話もございましたように、低温、長雨あるいは台風被害さらにはいもち病なども加わりまして、戦後最悪の状況になることはほぼ間違いなかろうと思うところであります。東北九州地方等の作況については、その深刻な状況がマスコミ等によって報道されているところであり、鈴木委員からの東北地方のお話もあったわけでございますが、比較的よいと言われておりました私ども新潟県におきましてもかなりの減収になる見込みであります。  とりわけ標高の高い山間地、大体標高四百メーター以上のところの被害は甚大でございます。私は、去る九月二十五日、新潟県の南魚沼郡の塩沢町、湯沢町、そしてまた北魚沼郡の守門村の標高四百メーター以上の地域視察いたしてまいりました。この地域はおいしいコシヒカリの産地でございますが、平年作に比べまして、三割減から、標高五百メーター以上のところはほぼ収穫皆無、こういう惨たんたる状況でございます。  地元の人から、まあこの稲を東京の人に見てもらってくれということで持ってまいったのでありますが、これは湯沢町の高いところ、芝原地区というところの稲でございますが、出穂期あるいは開花期に冷害にやられまして、全く登熟の見込みのない稲でございます。それから、これは塩沢町の蟹原地区というところでありますが、これまた、冷害台風被害が加わりまして、このように黒ずんで、変色をいたしております。少しがたいところもありますが、くず米が十アール当たり一俵もとれればいいだろう、こういうことを地元の人が申しておりましたが、いずれにしても、手間代もないような状況でございます。  湯沢町の芝原地区で町の農林課の職員が、この状況ではコンバインを入れてもしょうがないので、草刈り機で刈り倒した方が経費が安上がりになるけれども、農家の気持ちを考えるとそういうことも言いかねてと、こういうことで今顔を曇らせておられました。  このような農家にも肥料とか農業あるいは農機具代金の負担が重くのしかかってくるわけでありますし、さらに、飯米もとれないわけでありますから、生活費にも事欠く農家もあろうかと思います。同時に、不況で他産業への就業がままならない現下の情勢を考えてみますと、この救済対策はまさに急を要するものと考えるわけであります。  そこで、何点かお伺いをさせていただきます。  鈴木委員からも農業共済のお話が出たわけでございますが、この農業共済の保険金の支払いにつきましては、去る九月十六日の経済対策閣僚会議におきまして、支払いの早期確保を決定したところでございますが、実務の進捗状況はどのようになっておりますか、改めてお尋ねをいたします。さらに、この保険金の支払いが、三割の足切りがございまして、実際の損害額に比べて補てんが薄い、こういう農家の不満が多いわけでございますが、この改善の必要もあろうかと思いますけれども、そのあたりについてどのように考えておられますか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
  82. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 去る九月十六日の経済対策閣僚会議において決定されました緊急経済対策の中で、農業共済につきましては、「保険金支払いに係る事務手続き等の速やかな実施を図り、早期の支払いを確保する。」というふうに決定されております。本年産の水稲の被害につきましては、現在農業共済団体等におきまして見回り調査等、これは早場県等におきましては悉皆調査が始まっているところもございます。そういう見回り調査等によりその被害の実態を調査しているところでございますが、これら被害に対しましては、損害評価を迅速かつ的確に行い、被害の激甚な組合等におきましては、共済金の仮渡しを含め、共済金等の早期支払いについて農業共済団体を指導しているところでございます。  また、先生御指摘の足切りの件でございますが、農業共済は作物保険ということでございまして、そうした性格から、軽微な被害につきましては農家対応すべきであるという考え方を基本とし、また農家の自助努力による損害防止も必要であるという観点から、いわゆる足切りを設けているわけでございます。  この足切り割合につきましては、耕地一筆ごとの被害に着目して補てんするいわゆる一筆方式につきましては三割、また半相殺の農家単位引受方式につきましては二割、また全相殺の農家単位引受方式では一割となっております。この足切り割合をさらに引き下げることにつきましては、農家の掛金負担あるいは損害評価経費の増高等、種々の問題があると考えております。したがいまして、先ほど言いました半相殺の農家単位引受方式の導入等の選択を検討していただきたいというふうに思っております。
  83. 星野行男

    ○星野委員 共済金支払いについては鋭意取り組んでいるということでありますので、早期支払いをぜひお願いいたします。  さらにまた、三割の足切りの改善につきましては、ぜひ、ことしは間に合わないと思いますけれども、今後いろいろな角度から御検討を賜りたいと存じます。  さて、このような凶作の状況でございますので、天災融資法発動激甚災害法第八条の規定による特別措置適用を速やかに決定すべきであると存じますが、これについては、鈴木委員の御質問にお答えがございました。  問題は、被災者被害状況が深刻でございまして、今後の営農を確保するためには、私は、天災融資法の経営資金なんかも無利子融資が必要ではないかと思っております。天災融資法の第三条によりますと、市町村が利子補給を行った場合、これに対して都道府県が補助をし、それを国が国庫補助をする、こういう仕組みになっているわけでありますけれども、このような状況から、例えば市町村が利子全額を助成する、利子補給という形で助成をするというようなことを決めた場合、これは国の方としてもぜひ対応していただきたいと存じますが、この点についてはいかがでございましょうか。
  84. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 天災資金につきましては、その発動の都度、被害程度に応じまして国が三段階の末端金利を定めているところでございま す。また、末端金利を金融機関の基準金利からその水準に下げるために必要な都道府県の利子補給金の一定割合、これは通常は二分の一でございますが、一番末端金利の低い三%資金につきましては、百分の六十五でございますが、これを国から都道府県に助成することとしております。  各都道府県が、その実情に応じて、末端金利をこの水準以下に引き下げるために、より多くの利子補給金を支出されることは全く問題はないわけでございます。ただし、この場合も、国からの利子補給金は国が定めた末端金利を前提として行われることになります。
  85. 星野行男

    ○星野委員 それをここで議論しても始まりませんので、次に移ります。  被害地域が当該市町村の一部に限定されておりまして、例えば高いところに限定されておりまして、被害農業者あるいは特別被害農業者の割合が全体に比べて低い場合、これは天災融資法あるいは激甚災害法適用を受けられない、要件を満たさないために受けられないという場合が出てくるわけでございます。そういう場合に、市町村あるいは県が独自でこれに準じた措置をとった場合、当該地方自治体に対しまして地方交付税等による財源措置が相当であろうと私は考えますけれども、このあたりはいかがでございましょうか。
  86. 武田文男

    ○武田説明員 御説明申し上げます。  冷害によりまして農作物に大きな被害が生じた場合、地元の地方団体におきましては、営農指導あるいは病害虫の防除、さらには被害農業者の就労の場の確保、さらにまた金融上の支援など、各種の対策を講じることになります。自治省におきましては、このような措置の実施に伴い、地方団体において生じます財政負担に対しまして、特別交付税の措置を講じてまいりたいと考えております。  なお、具体的に地方団体がそれぞれ実施いたします各種の対策、これはそれぞれ実情に応じて個別のものがされますので、それを個々に経費として見積もることは実際上困難でございますけれども、農作物被害額を指標として用いることによりまして、御指摘のような金融上の措置対策等も含めまして、包括的に特別交付税上の措置を行うことといたしております。  今後とも、地方団体が行います冷害対策等に係る財政需要につきまして、実情の把握に努め、財政状況等を十分勘案しながら、適切に配慮してまいりたいと考えております。
  87. 星野行男

    ○星野委員 ありがとうございました。  繰り返しますけれども、被害地域市町村の一部に限定されておりましても、その被害農家にとりましてはその影響が深刻であることは変わりがないわけでありまして、各市町村それぞれ対応をとっていくと思いますが、今お話しのとおり、市町村に対するそういう冷害対策についての交付税措置をよろしくお願い申し上げる次第であります。  さて、このような農業経営資金だけではなくて、生活費にも困窮する農家が出てくる可能性が十分あると思いますが、昔と違いまして、農外所得の割合も高くなっておりますから、極めて少ないとは思いますけれども、そういう生活費に困窮するような農家が出た場合、どのような救済措置がとり得るのか、この点もお聞かせいただきたいと思います。
  88. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 今回の被害により生活費に困窮する農家に対しましては、自作農資金の融通措置があるわけでございます。この自作農維持資金災害資金は、災害によって農業経営または農家経済に著しい支障を及ぼす被害を受けた農業者を対象として、経営再建に必要な資金及び収入減の補てんに必要な費用につきまして、農林漁業金融公庫から長期かつ低利に融通する資金でございます。本資金の貸し付け条件は、個人の場合百五十万円、農業生産法人の場合七百五十万円を限度に、利率は年四%、償還期間二十年以内、うち据置期間三年以内でございます。
  89. 星野行男

    ○星野委員 そういうことがあることも承知をしておりますが、この場合も、恐らく金利四%負担というのは、そういう悲惨な状況農家にとりましては荷が重いわけでありまして、恐らく市町村では無利子融資等を考えてくるものと思いますが、そういう場合のことも、前段申し上げたような対応をお願いしたいと思います。  次に、中山間地対策でございますが、本年の冷害等による中山間地域の打撃は深刻でございます。適切な対策を講じないことには、中山間地域の農民の離村や過疎化が一挙に進み、耕作放棄地が激増することは間違いございません。森林が水資源を涵養し、あるいは山間地の水田がダムの役割を果たして、川下の洪水の災害を予防していることは御案内のとおりでございます。山が荒れ、水田が荒廃して、このような機能を果たさなくなったら大変なことであります。したがって、申山間地対策は防災対策の上からも極めて重要であろうと思います。  前国会で特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律が成立したわけでございますが、これに基づいて農林水産省は具体的にどのような施策を考えておられますか、お聞かせをいただきたいと思います。
  90. 新庄忠夫

    ○新庄説明員 御説明申し上げます。  先生御指摘の法律、私ども特定農山村法というふうに略称しておりますが、この法律は、実はきょう施行されたわけでございます。今後この法律に基づきまして、市町村がその地域の活性化のための整備計画を作成いたしますけれども、これを私ども支援し、促進してまいりたいというふうに考えております。  この市町村の計画に基づきまして、中山間地域のそれぞれの条件に応じた、例えば新規作物の導入でございますとか、いろいろな活性化のための取り組みをやるわけでございますけれども、これに対しまして、法律に規定をされております税制あるいは地方財政措置、さらには金融予算措置、こういったものを総合的に、積極的に活用しまして、その地域の活性化を図ってまいりたいというふうに思っております。  具体的には、農林水産省といたしましては、平成五年度におきまして、この計画に基づきまして、農業者集団がその新規作物の導入等によります経営の改善、安定のための取り組みをいたしますが、その際に、実際の収入が目標収入を下回った場合に低利の経営資金を融通するというような措置も講じておるところでございますし、あるいは、集落の機能が低下しているようなところにつきましては、その再編整備のための事業を補助事業で仕組んでいるわけでございます。こういった措置によりまして、私ども中山間地域の活性化を図ってまいりたいというふうに思っております。
  91. 星野行男

    ○星野委員 農業新聞でございますが、農水省平成六年度から、中山間地を緊急支援するためにソフト事業に助成することを決めた、こういうようなことが報道されておりますが、そういうことを含めて思い切った対応をとっていただきたいとお願いを申し上げる次第であります。  次に、所得のないところに人は住むことはできません。また、水が低きに流れるように、人は所得の高いところに向かって移動することが常であります。中山間地の農業者と他産業の従事者との所得格差はますます開く一方でありまして、何らかの所得補償政策の導入が必要であります。そうしないと、山を守り、あるいは山の農地を耕す人がいなくなるのではないか、そういう危機感を強くしているところであります。ヨーロッパで行われておりますデカップリングは我が国ではなじみにくいと思いますけれども、国の財政支援を前提条件に、市町村や農協あるいは森林組合等が中心になりまして、第三セクターの地域農林業振興公社等をつくりまして、耕し手のいなくなった農地を現物出資あるいは借り受けをして、農地の管理や生産活動を行い、そこに雇用機会と所得を創出するシステムを法制化して推進することは、私は、可能であり、有効ではなかろうか、そう思うわけであります。いわば間接的な所得補償政策でありますが、そういうことをぜひ御検討賜りたいと思います。
  92. 新庄忠夫

    ○新庄説明員 御説明申し上げます。  先生御指摘のように、今中山間地域におきます農林地の適正な保全ということは、もちろんその地域の活性化はもとよりでございますけれども、国土あるいは環境保全の面からも極めて重要であるというふうに私ども認識しております。そういった観点から、いわゆる山村につきましては、平成三年の山村振興法の改正によりまして、第三セクターが農林地の保全をやる、このために必要な機械施設の導入に対しまして低利の融資制度を設けたところでございます。それからさらには、この第三セクターに対します税制上の特例措置、例えば特定の機械施設につきまして特別償却をいたしますとか、あるいは特別土地保有税を非課税にするとか、こういった支援措置が講じられているわけでございます。  それから、先ほども申し上げましたけれども、本日施行されましたいわゆる特定農山村法でございますけれども、この中にも市町村がつくります整備計画、この計画事項として、農林地の保全を重要な事業の一つと位置づけておりまして、それから、農協あるいは森林組合が農作業あるいは森林施業の受託をするというような場合の相互の連携協力、あるいは、森林組合は従来は農作業の受託というものが機能としてできなかったわけでございますけれども、これを、この特定農山村法によりまして特例をつくりまして、森林組合が農作業の受託もできるようにしたというようなことでございます。  私どもといたしましては、先ほども御説明をさせていただきましたけれども、いわゆる中山間地域の活性化のためのいろいろな支援措置、こういったものを積極的に活用することによりまして、法律が施行されたばかりでございますので、その状況を見守りつつ、活性化を図ってまいりたい、こういうふうに存じております。
  93. 星野行男

    ○星野委員 特定農山村法が本日施行ということで、まことに意義ある日の質問となりました。細かいことは時間の関係で議論ができませんけれども、改めてまた要請をし、あるいはまた議論をしたいと思います。  次でございますが、転作目標面積の大幅緩和についてであります。  冷害等で本年稲作の不作が決定的になった今日、やみ米の買いあさりが横行していると伝えられております。また、加工用米十五万トンの緊急輸入が決定されたようであります。今後加工用のみならず主食用の米も緊急輸入が必要ではないか、こんなふうにも言われており、まことに残念なことであり、遺憾な事態であります。私は、これは天災であると同時に、大変強い言い方になりますけれども、人災でもあろうかと思います。当局が、長年続いた減反政策で農家の生産意欲が減退していることや、あるいは転作田が現実には復旧困難な状態になっていることなどの認識と見通しが十分でなかったため、近年端境期の米の在庫量が適正水準を大幅に割り込んできたにもかかわらず、転作目標面積の大胆な緩和について慎重になり過ぎた結果であると言わざるを得ません。  年々宅地化される農地もかなりの面積に上っていることや、あるいは担い手の高齢化、さらには他作物への転換が定着しているところもかなりふえてきていることなどを考えますと、減反政策をやめて、作付を農家の判断に任せても、米が生産過剰で困る事態は考えにくい状況になりつつあります。また近時、農地とりわけ水田の転用が厳しく規制されていて、地域の産業経済の活性化を阻害しているという面があることも指摘をしておきたいと存じます。  いずれにいたしましても、当面ウルグアイ・ラウンド交渉との関連で減反政策の撤廃はできないといたしましても、本年稲作の作況を踏まえ、米の自給体制を維持するため来年度は大幅に米の転作目標面積を緩和すべきであります。同時に、そのためにも種もみ確保が必要でありまして、早期に決定をする必要がございます。これらにつきましてお答えをいただきたいと思います。
  94. 福島啓史郎

    福島(啓)政府委員 来年度の水田営農活性化対策につきましては、早期に提示してほしいとの声が強いことは承知しております。米の需給事情等を踏まえつつ、適切な転作面積を設定する方向で検討することといたしたいと思います。
  95. 星野行男

    ○星野委員 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきますけれども、繰り返して申し上げますが、本年の稲作の作況は三十日に発表になるそうでありますけれども、恐らく発表される数値よりも深刻なのではなかろうかと実感として思っております。同時に、このような事態がこれからの農業あるいは中山間地の農家に与える影響も極めて深刻なものがあろう、そう思っております。ひとつ農水省を含めた政府の方で、このような食糧政策と同時に、これからの新農政を踏まえた農村、農業の立て直しに全力を挙げて取り組んでいただきますように心からお願いをさせていただきまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  96. 池端清一

    池端委員長 次に、大口善徳君。
  97. 大口善徳

    大口委員 公明党の大口と申します。東海地震が予想されております静岡一区選出の議員でございます。  質問に入ります前に、去る七月十二日、北海道の南西沖地震、また一連の台風、そしてまた鹿児島を中心といたしました集中豪雨により亡くなられた皆様に謹んで御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の方に心よりお見舞い申し上げます。  また、長官におかれましては、早速現地に行かれまして、迅速に対応されておることを本当に評価したいと思います。  また、現地方々が昼夜を分かたず働かれておられる、そのとうとい作業につきましても、心から敬意を表したいと思います。  今回、九月十六日の閣議決定における緊急経済対策におきまして、災害復旧費として四千五百億円が盛り込まれたわけでございますけれども、このことにつきまして、鹿児島、北海道、また深刻な冷害対策を考えまして、早急な実施をしていかなければならない、そのように思っております。  今回、九月の二日、三日にわたりまして、北海道南西沖地震現地視察に参加させていただきました。そして、私のこの目で地震津波液状化等、その現実を見まして、非常に衝撃を受けました。これを私の今後の災害に対する原点としてまいりたい、そういう思いでいっぱいでございます。  そこで、長官にお伺いしたいのでありますが、今回、南西沖地震、二十二時十七分発生と、夜間の災害でございました。月の明かりもありません。そういう夜間災害、また津波が非常に、予想以上の津波が起こったわけでありますが、津波対策についてお伺いしたい、これが一点です。  もう一つは、先ほどさまざまな識者の方からありました冷害問題につきまして、この九月の三十日には作況指数が米について八〇台になるのではないか、そういうふうに言われております。  こういう状況を踏まえて、公明党におきましても、農作物冷害対策本部というものを設置いたしまして、そして全国実態調査も実施してまいりました。そして、二十四日に農水省に対しまして、天災融資法適用激甚災指定の実施、あるいは貸付制度に係る償還条件の緩和等々、七項目にわたって農業者の早期救済の申し込みをさせていただきました。このことにつきましては、九月三十日に関係閣僚の会議があるということでございますが、これは、やはり先ほどもありましたように、総合的な対策が必要であると思います。  そういう点で、農水省に置かれているこの冷害対策本部を細川内閣全体の対策本部に格上げして、縦割りではなくて、総合的な対策本部が必要である、そのように思います。そしてまた、激甚災災害指定につきましても早期にお願いしたい、このことについて長官にお伺いしたいと思います。
  98. 上原康助

    ○上原国務大臣 今大口先生お尋ねの点ですが、まず、夜間に地震あるいは津波災害が起きた場合の対策、特に緊急避難等の取り組みについていかがかというお尋ねでございますが、御指摘のように、災害は時を問わず発生するものでございまし て、いつ災害が発生しても災害応急対策が迅速かつ効果的に展開できるようにしておくことは重要であることは申し上げるまでもございません。これまでも、夜間における災害発生に対応した訓練の実施や、防災無線における自家発電設備の設置等の停電対策などを行ってきているところでございますが、今後とも、夜間災害対策の充実強化が図られるように一層努力をしてまいるつもりでございます。  また、今回の奥尻島の津波災害では、住民の多くの方々日本海中部地震の経験を生かされて、地震発生後、直ちに高いところへ避難されるなど、適切な行動をとられたと聞いておりますが、一方において、残念ながら、多数の方々が犠牲になられて、津波対策重要性を改めて認識させられたところでございます。  これまでも、津波警報等の発表の迅速化や、防災行政無線の整備等によるその伝達の迅速化、海岸堤防等の整備等対策を行っているところでありますが、引き続き関係省庁と緊密な連携を図りつつ、津波対策を推進してまいりたい、こう考えておるところでございます。  第二点目の、現在冷害対策、またこの災害による被害等を含めての農水省内の対策本部を格上げして、細川内閣全体として災害あるいは冷害対策を総合的にやっていくべきじゃないかという御指摘でございます。午前中もお答えをさせていただきましたが、国土庁としても、また私としても、そのような考えで今努力をいたしております。  本年の異常低温農業に深刻な被害をもたらしていること、その影響でさまざまな産業に多くの被害あるいは影響を与えていることは、御承知のとおりで、私も大変心配をいたしております。被害農作物にかかわるものであることにかんがみまして、農林水産省中心になって対応されると思うし、また、されておるわけですが、近日中に関係閣僚による意見交換の場が持たれる予定で、日程の都合がつけば明後日、三十日に行われる予定でございますが、私もこれに参加をさせていただいて、万全の対策を講ずるように努力をいたしたいと思います。  また、激甚災害法適用につきましては、天災融資法発動が前提となるため、天災融資法発動についての関係省庁の調査検討を踏まえ、適切に対処していかなければなりませんので、こういうこと等にも十分配慮をして、努力をしてまいりたいと考えております。
  99. 大口善徳

    大口委員 大変ありがとうございました。前向きな御発言をいただきましてありがとうございます。  この二点につきまして、夜間の停電対策につきましても、避難路が停電で街灯がつかないために避難が非常に困難であったとか、あるいは防災行政無線においても、停電に対してどう対応するのか等々、夜間における停電、特に月明かりのない場合の情報伝達あるいは避難等についてはしっかりと考えていかなければならないと思います。また、東海大地震等の大規模地震あるいは大都市における停電を伴う災害、夜間災害につきましても緊急対応能力が脆弱でありますので、これは真剣に対策を講じてまいらなければならない、そのように考えます。  また、冷害問題につきましては、米の緊急輸入等も、今そういう報道もなされております。このことも真剣にまた受けとめておきたいと思います。  次に、津波につきましてお伺いしたいと思います。  今回の津波による被害は甚大でありました。その中で、堤の有無によりましてその被害に差が出ております。そういう点で、防潮堤あるいは防波堤、離岸堤、こういうものが非常に大事になってまいります。こういうことにつきまして、総点検をこの際しておかなければならないと思います。道路におきましては、平成二年、落石等のおそれのある箇所の全国総点検、平成三年には震災点検など、道路の総点検はなされておりますが、先ほど言いました、防波堤、防潮堤、離岸堤の総点検を実施すべきではないか、そのように考えます。この点、運輸省、お願いいたします。
  100. 石田省三

    石田説明員 御説明いたします。  我が国では、過去、津波による被害というのは非常に多く受けております。そういうことから、これまでも、津波対策というのは非常に極めて重要な対策である、こういうふうに認識しておりまして、これまでも我が国の全国の海岸につきましては、既往最大規模クラスの津波を対象といたしまして、背後地域の安全性を確保するという観点から、計画的に防潮堤であるとか護岸、そういうものの海岸保全施設の整備を行ってきているところでございます。  しかしながら、今回、北海道南西沖地震では、北海道南西沿岸に日本海中部地震、実はこの地区日本海中部地震津波を想定して海岸保全施設の整備を進めてきておったわけでございますけれども、その想定地震を上回る津波が来襲したということもございまして、今回非常に大きな被害を生じております。このため、今回の津波被害実態等の調査を行いまして、所要の津波対策を積極的に進めてまいりたい、このように考えております。
  101. 大口善徳

    大口委員 ありがとうございました。  次に、この津波につきまして、消防庁にお伺いしたいのでありますけれども、今回、津波に辛うじて助かった、こういう方々も新聞報道等ございます。そういう点で津波の避難事例というものを収集して、そして津波の避難のあり方ということを研究し、そして地域防災計画に反映することが必要であると思います。また今回、その津波襲来の到達速度は驚異的であったわけであります。  そういう点で、既存の施設の利用も含めて、いつでも避難できる安全な津波避難ビルなど、多数確保する必要があります。そして、それを地域住民の方に周知徹底する必要がございます。今回の奥尻におきましても、海岸線の背後に急傾斜地が迫っておって逃げられない、そういうこともありますので、この点につきましてお伺いしたい。また、東海地震対象地区においての対応についてもお伺いしたいと思います。
  102. 赤間三郎

    ○赤間説明員 御説明いたします。  まず最初の点でございますが、消防庁といたしましては、日本海中部地震の経験等にかんがみまして、かねてから沿岸の市町村に対しまして、津波災害に備え、安全な場所に避難所、避難路を選定して、日ごろから防災訓練等を通じて地域住民に周知徹底を図るよう、地域防災計画の中で具体的な避難計画を定めるなどして、津波対策に万全を期するように指導してきているところでございます。  ただいま御指摘にありましたように、事例集とかそういうものにつきましては、今年度、国土庁と共同で、今回の北海道南西沖地震災害の総合的な調査を行うことにしております。その結果を踏まえまして、今後の津波避難対策について生かしてまいりたいというふうに考えております。  それから二点目でございますが、御指摘のように、津波に対する安全な緊急避難施設といたしまして、既存の建物の利用を含めました耐震耐火構造の頑丈な建築物を避難ビルとして指定して、地域住民に周知徹底を図るということは、津波避難対策といたしまして極めて有効であると考えております。現在、東海地震の対象とされております静岡県では六百三十二棟がございます。それから、神奈川県では七十五棟が避難ビルとして指定されている、それで地域住民にも周知されているというふうに聞いております。  消防庁といたしましては、津波浸水危険予想地域の見直しや、過去の津波の実態等を踏まえまして、津波避難施設の確保に努めるよう今後とも地方公共団体を指導してまいりたいと考えております。
  103. 大口善徳

    大口委員 ありがとうございました。  やはり危険なところに早急にこれは配置していかなければ、また指定していかなければならないと思います。  次に、引き続き津波の問題をさせていただきますが、この九月一日の朝日新聞の夕刊に、太平洋 津波警報組織が共同で津波のテキストづくりを推進している、そしてチリが中心となりまして、試作品をつくったということを聞いております。これは幼い子供から高校生までのものでありますが、気象庁もこれにつきましては、「幼いころから、津波とはどういうものかを知るのは大事だ。各年齢層に合ったテキストで、いずれ日本語版も作りたい」このようにコメントされております。このテキストの作成はいつごろされるのか。また、できるだけ早くつくって、これを他国にも提供する、それがまた国際貢献上も必要ではないか、そのように思いますが、いかがでしょう。
  104. 森俊雄

    ○森説明員 太平洋津波警報組織が計画しております津波に関する教材につきましては、各年齢層別を対象としておりまして、津波のメカニズムや恐ろしさを理解させるような内容となってございます。このようなテキストが刊行されるならば、我が国にとっても有用な、津波対策上重要な内容であると考えてございますので、我が国といたしましても、この課題に積極的に対応してまいりたいと考えでございます。
  105. 大口善徳

    大口委員 できるだけ早急に作成していただきたいと思います。  また、先ほどは、南西沖地震の発生したことにおいて、気象庁におきまして地震の観測装置につきまして配備を考えているということでありました。  ところで、朝日新聞の三月九日付で、東海地震のところで、海底地震観測について海底地震計の老朽化が心配されている、こういう記事が出ておりました。その部分を読みますと、御前崎ににらみをきかす海底地震計四台は設置以来、もう十四年になっている。昨年三月には陸上の電源部分が故障して完全復旧するまで二十時間近くかかった。小さなトラブルは絶えない。九三年度予算で陸上の送受信装置の更新がやっと認められた。海底に沈められた地震計本体も、老朽化が心配されている、このようなことが載っております。この点についてお伺いしたいと思います。
  106. 森俊雄

    ○森説明員 御指摘のように、平成五年度におきましては、東海沖海底地震常時監視システムの本庁及び御前崎における陸上伝送送受信装置の改良更新を行っているところでございます。海底部の機器につきましては、現在一応安定に稼働しており、現時点では当該地域地震活動の把握に特段の支障は生じてはおりません。  今後とも、より安定した観測データを得ることができますように、システムの性能維持に努めてまいりたいと存じます。
  107. 大口善徳

    大口委員 このような記事が出たことで、不安感を抱いている国民のためにも、引き続きよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、鹿児島の問題についてお伺いします。  鹿児島・金峰町の扇山地区の惨事は各方面にショックを与えました。早速私がこの金峰町の地域防災計画を取り寄せて調べてみましたところ、この扇山地区のかけ崩れの危険度がA、一番厳しいということです。また、避難場所が近隣住家、このようになっております。今回の惨事というのは、この地区住民が危険度Aを十分認識していなかったこと、また計画上の避難場所が近隣住家とあるだけで、明確性を欠いていたこと、また実際に指定されていた大坂公民館が扇山地区から四、五キロ離れていたこと、また犠牲者が二十人のうち十四名が六十歳以上ということを考えますと、災害弱者の視点からも問題点があると思います。  昭和六十二年六月三十日付の「地域防災計画の見直しの推進について」という通達を消防庁の方で出しております。そこにおきましても、避難勧告、指示につきましては具体的、実際的であること、また地域別防災カルテを推進してこの危険度を住民がわかるようにする、このようなことが通達でも出されておりますけれども、今後の取り組みにつきまして消防庁にお伺いしたいと思います。
  108. 牧野清文

    牧野説明員 御説明いたします。  地域防災計画につきましては、これまでの計画におきましては、地域災害特性でありますとか災害危険性、これらが科学的あるいは総合的に把握されていなかった、また予防対策が抽象的な規定にとどまっていたこと、あるいは地域防災計画自体が住民に身近なものとはなっていなかったこと、そういった問題点がございました。  そこで、消防庁といたしましては、先生御指摘の「地域防災計画の見直しの推進について」という通達によりまして、地域災害危険性を総合的かつ科学的に把握する、いわゆる防災アセスメントの実施、あるいは防災施策の基本方針となります防災ビジョンの確立、さらに災害予防対策計画でありますとか災害応急対策の整備充実を図ること、加えまして、これも御指摘ございましたが、コミュニティーレベルでの災害危険性や避難方法などを地区別に示した防災カルテの整備を促進すること、それを住民へ周知徹底するということを地方公共団体に対し指導してきたところでございますが、現在まだ十分とは言えない状況にございます。  そこで、今後の見直し推進に当たりましては、今般の災害の教訓も踏まえまして、また御指摘のありましたような点を踏まえて、それぞれの市町村がみずから定めた地域防災計画を、具体的に、例えば住民の立場に立った計画になっているか、あるいは実際的な対策が講じられているかということを検証するための方法といいますか方策を示すといったようなことによりまして、実効性のあるきめ細かな指導を行ってまいりたい、そのように考えております。
  109. 大口善徳

    大口委員 今後とも、この厳しい悲惨な事態というものを深刻に受けとめて、防災計画のあり方について検討していただきたいと思います。  今回、私も奥尻に行かせていただきました。町役場の方に聞きましたところ、災害で両親を亡くされたお子様がいるということを聞きました。新聞によってもそれを読むことがありました。それで、今回のこの一連の災害でも親を亡くされた遺児の方がいらっしゃいます。このような災害遺児ともいうべき方々に対してやはり救援の措置を講ずる必要があると思います。  これにつきまして大変参考になりますのは、犯罪被害救援基金というのがございます。この基金は、犯罪被害者等給付金支給法の審議の際に、衆参両議院の附帯決議によって、これはこういう制度が、犯罪被害救援基金というものが認められました。そういうものを受けまして、そしてこういう基金が認められたわけであります。全国警察職員等の方々から募った一億四百万の浄財をもとに、内閣総理大臣、文部大臣から五十六年五月二十一日に法人の認可をされ、財団法人犯罪被害救援基金として発足したというふうに聞いております。  この基金の「目的」の中で、「社会連帯、共助の精神を基盤として、人命又は身体を害する犯罪行為により、不慮の死を遂げ、又は重障害を受けた方の子弟のうち、経済的理由により就学が困難な者に対する奨学金の給与その他の救援事業を行う。」このようになっております。また、交通遺児につきましても就学の援助等の事業をなされております。  やはり生活者本位、温かみのある政治ということを考えますと、せめて災害遺児にはこのような奨学金の給付等も含めた制度を、基金等を設ける必要がある、私はこのように考えます。内閣の方にお伺いしたいと思います。
  110. 北見耕一

    ○北見説明員 御説明申し上げます。  政府の助成によりまして災害遺児を対象とする特別の育英制度を設けるということでございますけれども、これにつきましては病死とか他の要因との均衡の問題、また現在既に経済的に進学が困難になった方々につきましては、社会保障制度あるいは日本育英会の制度によりまして対応措置が講じられているところでございます。政府といたしましては、新たに国の補助による災害遺児育英制度を創設することは困難な問題であるというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、この問題につきまし ては現在各党の専門家の間で検討が進められておりまして、政府としては、そのお話し合いを見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  111. 大口善徳

    大口委員 この点につきましては、災害遺児のことをしっかりと考えた、温かみのある政治をしていくことが新政権の一つの目玉になるんじゃないか、私はそのように考えます。  九月二十二日の本会議で細川首相がこの災害対策について御答弁をされまして、その中で、北海道などの地震災害について、ローンの金利の減免について言及されたわけでございます。  これにつきまして、既存の建物を失った、そのローンの負担の軽減につきましては、これは、北海道等の地震災害についてはこれを認めるが、鹿児島等には認めないという説明を受けております。今後新しく家を建てるという方につきましては、またこれは柔軟にその融資について対応していくということで、住宅金融公庫法二十二条、十七条六項、これを弾力的に運用されるということであります。  特にこの既存の建物を失ったことに対する金利の減免問題について、あるいは北海道地震災害、確かにこれは火災保険がおりないということもあります。それに対して、鹿児島等の豪雨等の被害につきましては、水害であって、保険がおりるということもありますが、それにしましても、保険金で十分それを満たせるわけでもございません。保険に加入していない方もいらっしゃいます。この点についてお伺いしたいと思います。
  112. 藤田真

    ○藤田説明員 住宅ローンについてのおただしてございますけれども、既存の債務につきましては、今お話がございましたように、金融公庫法の二十二条に基づきまして、災害によりまして返済が著しく困難になられた方々に対しまして、その罹災割合に応じて、貸し付け条件の緩和、すなわち、例えば償還元金の払い込みの据え置き、あるいはその期間中の利率の引き下げ、あるいは償還期間の延長などを行うことができることになっておりまして、個別の事情に応じて公庫の窓口で対応できるよう指導しておるところでございます。  今もお話ございましたけれども、この措置につきましては、北海道につきましては主務大臣の包括承認ということを行っております。鹿児島におきましてはこの包括承認は行っていないということではございますけれども、この包括承認制度といいますのは、申し込みの件数が多いと思われるときに、事務手続の煩瑣を避けるために行っているものでございまして、罹災者への取り扱いについては全く同じでございますので、鹿児島につきましても、具体的にこのようなケースがございましたら、適用するように指導してまいりたいと思っておりますし、そのように措置したいと思っております。
  113. 大口善徳

    大口委員 最後に一点だけお伺いいたします。  今夏、八月の豪雨、また台風十三号で鹿児島県の二級河川がはんらんいたしました。鹿児島に私の友人もおりまして、被災をしております。この件につきまして、川の状態が、河川の情報というのは非常に大事になってまいります。河川情報センターにおきましては、現在約三千の水防に係る機関に対して情報提供しておりますし、平成五年七月現在、NHK本部、NHK地方放送局十局に対して、河川の水位状況等河川情報を提供できる体制を整備して、二十五都道府県の県民に情報提供をされております。  ところが、鹿児島県におきましては、この河川情報システムは未整備であると聞いております。この河川情報システムの未整備地区への今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
  114. 尾田栄章

    ○尾田説明員 御説明いたします。  ただいま先生御指摘のとおり、我が国は、厳しい気象、急峻な地形、もろい地質という悪条件が重なりまして、水害を受けやすい国土でございます。このため、建設省といたしましては、国民の生命財産を守るために、まずハードな対策として、治水事業、砂防事業等を精力的に進めまして、災害に強い国土づくりというのが基本だと考えておりますが、それと相まちまして、生命を守るためのソフトな対策、その一環としての的確な情報の提供というのが大変重要と考えております。  御指摘のとおり、昭和六十年十月に設置をされました河川情報センターを通じまして、全国約一千の市町村河川情報提供用の端末機が導入されておるところでございます。ただ、まだ未整備のところも多く残されておるわけでございまして、今後とも、使いやすい河川情報の提供に努めるとともに、端末機を導入していない市町村への普及がさらに図られますよう努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
  115. 大口善徳

    大口委員 よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  116. 池端清一

    池端委員長 次に、藤村修君。
  117. 藤村修

    藤村委員 私はさきがけ日本新党の藤村修でございます。  先般、池端委員長を団長とする北海道南西沖地震による被害状況調査団で、その現地をつぶさに拝見、視察させていただきました。まず、その災害の本当に恐ろしさ、あの海岸沿いのずっと高いところに小舟がぶら下がっていたり、電柱に昆布がぶら下がっていたりというその現状を目の当たりにいたしまして、本当にこれは大変な出来事であったということを実感してまいりました。  そこで、まず最初に、この奥尻ほか南西沖地震関連で幾つか御質問をさせていただきたいと存じます。  まず、前国会でも、この奥尻の問題がここの委員会で論議をされておりました。ちょうど八月二十四日の委員会の後の八月二十五日付で、これは北海道新聞でございますが、上原国土庁長官の御回答に対してこういう見出しがつきました。「道南西沖地震被災者救済 基金創設 前向き姿勢」ということでございます。私も聞いておりまして、災害対策復旧基金、仮称でございますが、これについては、一考に値する、内閣全体で検討せねばというふうな御回答があったかと存じます。その後、内閣での御検討あるいは国土庁での御検討の推移はいかがでございましょうか。上原長官及び国土庁にお尋ねしたいと存じます。
  118. 上原康助

    ○上原国務大臣 お答えいたしますが、災害復旧基金制度ということは、私もかねがね災害問題に幾分関心を持ってまいりましたので、特に今回北海道の南西沖、奥尻島などへ行って、たしかいろいろマスコミの皆さんから聞かれて、そういうのも一つの考えじゃないかということと、また、せんだっての本国会でも一考に値することではないかという御答弁もいたしましたことは、そのとおりでございます。現在も、一考に値すると思っているのですが、なかなか容易でないという点もまた御理解をいただきたいと思うのです。  そこで、先ほども各先生方のお尋ねにもお答えをいたしましたが、雲仙噴火災害につきましては、その長期継続性と多数の避難者などの特性に関連をして、被災者救済のために長崎県に雲仙災害対策基金を設置して、これに対して国が、まだまだ十分とは言えないと思うのですが、特別の地方財政措置等を講じて、被災者のニーズにきめ細かく対応することが可能となっております。今後同様の長期的災害が発生した場合に、このような基金により対処するのがよいのか、先ほど来御議論がありますように、事務当局は、現在の制度あるいは法律の範囲内で適時適正できるだけの方法を講じたい、こういうお考えのようでございますので、政治論でいうとよくわかるし、また、被災者の皆さんの、現在の制度や法律で十分手だてのできないすき間をどうするかということは、長いこと議論された課題でありますので、将来における中長期な検討課題と考えておりますので、ぜひひとつまたこの委員会の各先生方のいろいろの御提言なり叱咤激励もお願いをしたい、こういうふうに思います。
  119. 藤村修

    藤村委員 おっしゃるとおり、やはり今ある法律の枠内で当然行政が一生懸命やるということではございますが、やはり立法府の我々としましては、それを乗り越えて、中長期的にそういう、それも大きな全国的な災害をカバーできるような何か 新しい、上原長官のその災害対策復旧基金(仮称)というふうなものを含めて、ぜひ早急にこれは検討に値するものだと存じますので、今後とも本当に御検討をよろしくお願い申し上げます。  関連しまして、先ほども既に鉢呂先生の方からの御質問で、国土庁で御検討いただいて、これは昨年七月、初動期災害対策研究会の方から提言があったということで、四つ、既に防災局長の方から御説明をいただきました。その四つ目のボランティア預金というもの、これは、先ほど防災局長の御説明でも、国民の中に浸透していないがということでございますが、こういうものをやはり浸透させるという努力もひとつ必要かと私は存じますので、その四番目のボランティア預金についての概略説明と、それから、それに取り組む姿勢みたいなものをお答え願えればありがたいと思います。
  120. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 今先生からお話がありましたボランティア預金制度でございます。これは、国民の皆様が金融機関に預金をいたしますと利子がつくわけでございますが、その利子の一部を御寄附願って、それを集約して被災者の救済のために使おうというものでございます。これも郵便貯金の関係で海外向けのものが既にやった例もあるようでありますが、今申し上げましたそういったボランティア預金制度というものが、金融機関の一部も興味を持っているところもあるようでございますけれども、そういったものがだんだん定着をしてまいれば、災害救済のためにも役に立つ制度になり得るというふうに思っております。  ただ、ある程度のボリュームがそろいませんと、例えば雲仙の基金でも現在六百三十億をもってやっております。簡単に言いますと、雲仙にボランティア預金制度で対応しようとしますと、今実際にやっておりますのと同じようなことをやりますためには、同じ程度の金額が集まらないと実際の役には立たないわけでございますので、そういったところまで達するのにはなかなかもう少し時間がかかるだろうというふうに考えておるところでございます。
  121. 藤村修

    藤村委員 ありがとうございました。  私は、ずっとそういうボランティアというものに注目をしながら二十五年来運動をしてきたものでございます。例えばサンフランシスコのロマプリータ地震でも、非常に多くの国民の皆さんあるいは外国からも含めて支援を仰ぐ、そういうことがございました。  それで、私、恐縮ですが、これは上原長官にもう一度お尋ねしたいのですが、前国会この委員会で、災害に対しては、一つは国がやるべきことをちゃんとやるんだ、それから地方公共団体がやることに対しても国は協力していく、さらに災害を受けた方々が自助努力で更生じていくんだという三位一体の気持ちで対策を講じるんだというふうにおっしゃった。私、恐縮ながらもう一つ、そういう他の地域方々の非常にボランタリーな気持ちやら支援、そういうものも非常に大きな災害対策の復興に力を発揮するのではないかなということで、四位一体という私の考え方について、上原長官のお考えをお願いしたいと存じます。
  122. 上原康助

    ○上原国務大臣 大変結構な御見解、御提言だと思います。私がせんだって申し上げましたのは、災害が起きると、すべて国なり地方公共団体、県あるいは各市町村という強い要望が出るのは御承知のとおりで、これは当然やらなければいかないことですが、一方、不幸にして災害に遭った、災害を受けた方々もやはりいろいろ自助努力をやらなければいかない点もあるわけですから、そういう面で三位一体という表現をいたしましたが、今ありましたように、国際的にもボランティア活動というのは、あらゆる自然災害にしましても、人的災害にしても、いろんな面で現に諸外国においても行われておりますし、また国内においても、まだまだ十分ではないようですが、そういう意識というか行動性というのがかなり出てきているようでありますから、今御提言ありましたように、被災地外からボランティアとして防災に協力するという形の協力活動は、これまでは比較的なじみが日本人には薄い面もあるようですが、国土庁としても、政府全体として、そういった広報活動あるいは実際に呼びかけて、御協力を願うという環境づくりに努力をさせていただきたいと存じます。
  123. 藤村修

    藤村委員 それに関連いたしまして、つまり私が主張いたしました四つ目の民間のそういう活力といいますか、そういうものをまたこれはやはり国の方で例えばひとつ組織化をし、登録、紹介システムをつくるである、あるいは二番目には教育訓練体制をつくるである、あるいはまたけがをした場合の補償制度も考える、そして四番目に受け入れ体制を充実するなど、国でもそれを応援する制度ができるのではないかなと考えておりますが、国土庁の方ではそういうお考えがございませんでしょうか。
  124. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 例えば、南関東の直下型の地震対応いたしますために、昨年そのための大綱を決定いたしておりますが、その大綱の中でもボランティア活動についても触れております。ちょっと御紹介をいたしますと、「防災ボランティア活動については、既存の防災体制を補強し拡充するものとして震災時に重要な役割を果たすことが期待されることにかんがみ、国及び関係地方公共団体は、その自主性等を尊重しつつ防災ボランティアの育成を支援することとし、現在、日本赤十字社において進められている防災ボランティアの活性化、組織化及び訓練の充実等に向けての取組みと積極的な連携を図りつつ、防災ボランティアを取り巻く社会環境及び活動環境の整備に努めるものとする。」ということにいたしております。  この前の北海道の南西沖地震につきましてもボランティアの方々の活動が見られたようでございますので、その実例を調査するということもいたしまして、今後の活動に対する行政の支援のあり方についても、関係省庁と協力をして、検討してまいりたいというふうに考えております。
  125. 藤村修

    藤村委員 どうもありがとうございます。  少し奥尻にかかわって、もう一つ具体的なことについてお尋ねをさせていただきます。  八月二十五日に奥尻町及び島牧村に対して中小企業に関する特別の助成措置を内容とする局地激甚災害指定ということが行われて、いわゆる融資の道が中小企業者に開かれたということでございます。ただ、これは、北海道の方でも災害資金融資ということで、とにかく融資を受けて自力更生の道を進むということは非常にわかりやすいことでございますが、その際に結学窓口は地元の金融機関となって、私もかつてそういう事業資金融資について窓口の方といろいろお話をしたことがございますが、やはり事業の今後の見通しというものを相当はっきりと立てないと金は貸してくれないということを経験しております。ただ、こういう奥尻の場合に、まだ道としての先行きの計画も、やはり年末ぐらいにならないとはっきりしないという状況の中で、やはりきょうあすの問題として、仮営業でも始める資金融資を弾力的に貸し出すことができないものだろうか、その辺、中小企業庁かと存じます。お尋ねをしたいと思います。
  126. 稲見雅寿

    ○稲見説明員 お答え申し上げます。  南西沖地震につきましては、現在政府としましては、中小公庫、国民金融公庫、商工中金の政府系中小企業三機関によります災害復旧貸し付け、奥尻町及び島牧村につきましては激甚災害法に基づく特別貸し付けを行っているところでございます。これらの貸し付けに当たりましては、個々の中小企業者の実情に応じまして、弾力的に対応するよう各政府系金融機関に指示を出しているところでございまして、仮営業の場合でございましても、当然のことながら融資の対象になるわけでございます。
  127. 藤村修

    藤村委員 地元の方のお声を聞く範囲で、やはりまだなかなか仮営業で見通しが立たないので貸してもらえないなという方のお声もちょっと聞いたものですから、ぜひそういうお声に本当に生活者重視で積極的におこたえいただければと要望させていただきます。  次に、やや全般的な災害対策ということで御質 問をさせていただきたいと存じます。  大きな災害が起こりますと、先ほど大口先生の方からの御質問もありました、両親を亡くす、あるいはそういうまでいかなくても、家がなくなり子供たちの教育という問題が、これは二次災害というのでしょうか、その災害の後にやはり大きな問題としてまだ残るものがたくさんございますが、私は特に、その被災者の子弟の教育に関しまして、例えば今回の北海道の場合、北海道は高校の奨学金の貸し付けであるとか、あるいは道立高校の授業料の減免等の措置を講じられたと伺いました。あるいは民間でも、災害遺児というものに対する高校の奨学金の貸し付けなどが図られている現状でございます。これに対して国、行政の方で、例えば日本育英会の災害被災者への特例の措置がどうなっているか、あるいは文部省の方で、その他、特に被災者子弟の教育という観点から、この災害対策概要はいかがかということを文部省の方にお尋ねさせていただきたいと存じます。
  128. 北村幸久

    ○北村説明員 御説明いたします。  日本育英会の奨学金の事業なんでございますが、従来からの一般の貸し付けの、年二回が原則でございますけれども、そのような出願の時期以外にも、今お話がございましたような災害が起こった場合につきましては、災害採用の別の措置を講じております。そういった必要性が起きました場合に受け付けをいたしまして、例えばことしの七月の北海道南西沖地震で申しますと、九月一日現在でございますが、既に六名の採用を見ている、そういう状況でございます。
  129. 藤村修

    藤村委員 もう一点、今お尋ねしました、文部省としての被災者の子弟の教育、これは学校の復旧なども含めて、文部省として災害時に子供の教育の問題をどのようにお考えか、お尋ねをしたいと存じます。
  130. 矢野重典

    ○矢野説明員 災害によりまして公立学校施設が受けた被害につきましては、国はその復旧に要する経費の三分の二を国庫負担することになっているわけでございますが、公立学校が被害を受けた場合に、文部省といたしましては、まず早期復旧について指導を行いますとともに、設置者から災害復旧計画の提出が出てまいりますれば、その提出を待ちまして、可能な限り早急に現地調査を行い、適切かつ速やかに復旧事業の採択を行ってきているところでございます。また、特に緊急を要する場合には、現地調査以前に工事に着手するための事前着工制というのがございます。この事前着工の制度を活用して、早急に復旧工事ができるように指導しているところでございます。
  131. 藤村修

    藤村委員 特に子供の教育についても、私も育英団体におりました関係上、やはり大きな災害の後の、その後のやや忘れられがちなそういう子弟の教育問題についても、今後、国土庁が調整機関と伺いますが、文部省の方でも本当に災害対策という問題についてお考えを願えればと要望させていただきたいと存じます。  次に、これは災害時医療という言葉が多分あるのだと存じます。例えば今回の奥尻へのいろいろな視察団がございました。その中の一つで日本災害医療研究会というグループがやはり檜山管内、奥尻町等の視察をされました。その際に、災害発生時にまず医者のいない状態というのは、非常に空白といいますか、これは離島で当然しょうがない部分もあるかとは存じますが、僻地ではそういう事情が起こりやすいと考えられますが、災害時において、これは多分厚生省の方で災害時医療というふうなものをお考えのことと思いますが、それについての概略をお聞かせ願いたいと存じます。
  132. 小島比登志

    ○小島説明員 お答えを申し上げます。  先生御指摘のように、離島、僻地におきまして災害が発生した場合には、早急に医師あるいは看護婦等の人員を現地に派遣する必要があるわけでございますが、その際、第一義的には、各都道府県の定める防災計画、北海道にありましては北海道地域防災計画の中に医療救護計画というものが具体的に定められておりまして、それに基づいて適切な対応がなされることになっております。  一方、厚生省におきましては、災害対策基本法に基づきまして、厚生省防災業務計画というのを定めておりまして、この中で医療の確保を含めた応急援助が迅速的確に行われるよう被災都道府県知事を指導するとともに、必要と認められた場合には、他の都道府県知事に対しても応援を依頼するというシステムをとっておるわけでございます。  今後とも都道府県、関係機関と密接な連携をとりつつ、災害発生時の対応に万全を期してまいりたいと考えております。
  133. 藤村修

    藤村委員 こうした災害時に、特に今の奥尻町もそうですが、非常に交通が途絶えた地域あるいは離島などの場合に、その医療関係者を搬送するあるいは患者を搬送するなどについてヘリコプターを活用したらどうか。私どものこの前の視察でも、これは防衛庁でございますか、自衛隊のヘリコプターを使わせていただいたのですが、そういう形で一般の災害時医療体制において、このヘリコプターの導入ということは、既に検討されておるのかどうか。これは消防庁かどうかちょっとわかりませんが、お尋ねしたいと存じます。
  134. 山中昭栄

    ○山中説明員 お答えをいたします。  交通不便な僻地あるいは離島におきまして災害が発生をいたしました場合に、御指摘がございましたように、ヘリコプターによる被災者の搬送が極めて効果的であると考えております。また、救援物資の輸送あるいは行方不明者の捜索などにも不可欠なものであると考えております。また、離島等におきましては、所在の医療施設での対応が難しい重度の救急患者につきまして、ヘリコプターを活用して最寄りの中核医療施設へ搬送するという必要性も生じてこようかと思います。  このようにヘリコプターは救急搬送のほかにも山林火災時におきます消火でありますとか、高層ビル火災の際の救助、さらに災害状況の把握、非常に有用性の高い機材であると考えております。  こういったことから、消防防災ヘリコプターを活用した機動的、広域的な航空消防防災体制を全国的に早急に整備をする必要があるということで、未配備県におきます計画的な整備を進めますとともに、既に配備をされております団体におきましても、機数をふやすといった形で、今年度航空消防防災体制の整備計画の策定を指導いたしておるところでございます。  なお、特に大規模災害時におきましては、単独の消防本部や都道府県で対応することが困難な場合が多くございます。広域にわたる応援体制が必要となるわけでありますが、今回の北海道の南西沖地震に際しましても、北海道知事からの広域航空消防応援の要請に基づきまして、東京消防庁のヘリコプターが出動して、物資、人員の搬送等を行ったところでございます。
  135. 藤村修

    藤村委員 災害時医療体制について、今回の北海道地震お話も今少しございましたが、これは最終的に情報をどこでおまとめになっているのか。厚生省かと存じます。流れを追って、どういうふうにその災害時医療体制が発動したのかということを御説明いただきたいと思います。
  136. 小島比登志

    ○小島説明員 北海道南西沖地震の経緯でございますが、本年七月十二日の二十二時十七分に地震が発生いたしました。二十二時三十分には北海道災害対策連絡本部が設置されまして、二十二時五十七分には日本赤十字社北海道支部が、傘下の日赤病院に対しまして、緊急受け入れ態勢の整備及び救護班の待機を指示いたしました。  明けて七月十三日の零時二十分、北海道知事から、陸上自衛隊及び日赤北海道支部に救護班の奥尻町派遣の要請がございました。明け方の六時三十分、陸上自衛隊救護班、医師七名、看護婦、看護士二十三名等が青苗地区に到着をいたしまして、医療を開始いたしました。一方、函館日赤救護班は、十時三十分に医師三名、看護婦三名が青苗地区に到着をいたしました。  治療の結果、重傷患者等の搬送につきましては、ヘリコプター十五機を利用しまして、救急患者を含めます患者三十七名が市立函館病院ほか八病院に、それから海上保安庁の巡視船三隻を利用いた しまして、患者十三名が道立江差病院にそれぞれ搬送され、治療を受けたわけでございます。  奥尻町での救護班の活動はその後数日ごとに交代で行われまして、派遣回数は、七月末までに日赤関係が延べ九回、自衛隊関係が延べ十六回にわたって行われたところでございます。  以上でございます。
  137. 藤村修

    藤村委員 時間がございませんので、締めくくりにしたいと存じます。  最初に戻りますか、この災害対策特別委員会というのが立法府にあって、今の法律の枠内で本当に今お聞きする範囲で各行政単位で一生懸命やっていただいていることは理解しつつも、国民の声といいますか、そういう中に、全体的な災害国である日本の中で、大きな災害対策に関する国の施策みたいなものを、これは我々立法府の者で検討していく課題かと存じますので、私新人でございますので、今後とも先輩委員の皆さんの御指導を得ながら、こういう形で検討させていただきたいと思います。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  138. 池端清一

    池端委員長 次に、石田美栄君。
  139. 石田美栄

    石田(美)委員 民社党・新党クラブ石田美栄でございます。  私は岡山県の出身でございまして、災害の非常に少ない地方の出身でございます。その上に、私自身まだ一生のうちで一度も災害といったものを経験したことがございません。そうした者がこのたび初めて北海道の南西沖地震被害状況視察に参加させていただきまして、災害というもののすさまじさ、恐ろしさ、そして特に人の今のほかなさ、とうとさといったものを実感いたしました。ここに九州豪雨災害など、すべての災害で亡くなられた方々の御冥福をお祈りしたいと思います。とともに、続いております深い悲しみ、そして、被災された方々に心よりお見舞い申し上げたいと思います。  もう既にいろいろな御質問が出ていまして、後の方を受け持つ者はなかなか質問しにくいわけでございますけれども、まず北海道南西沖地震災害についてお尋ねしたいと思います。  もう既にさまざまな対策が行われ、九月七日の資料をいただきますと、激甚災害法の局地激甚適用、政令を改正して、共同利用小型漁船の建設費について補助する規定を適用することになっておりますが、それによりますと、国の補助率三分の一、そして道が三分の一と決まっております。現地視察しましたときに特に要望の中にも出ておりましたけれども、商工業といった小さい営業、そういう個人営業ではありますけれども、おっしゃるところによると、町の生活復興にかかわる、大きな公共性があって、地域の復興に非常に重要だということです。これは個人財産ということですが、営業の設備などについて、この共同利用小型漁船補助が決まりましたように、そういう補助制度といったような何らかの方策はないものなのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
  140. 稲見雅寿

    ○稲見説明員 お答え申し上げます。  商工業者につきましては、先ほど申し上げましたような政府系中小企業金融機関によります災害復旧貸付制度及び激甚災害法に基づきます特別融資制度を設けておりまして、そうした特別の融資を通じて復興を助成するという仕組みになっております。
  141. 石田美栄

    石田(美)委員 そうしますと、融資という形しか今のところないということでございますね。補助制度、そういうことができないものかなと私は望んだわけですけれども、今そういう方法はないということでございますね。
  142. 稲見雅寿

    ○稲見説明員 現在の仕組みにおきましては、融資制度のみということになってございます。
  143. 石田美栄

    石田(美)委員 多分これは過去のいろいろなそうした組織の勢力といったようなことも関係してきているのかと思いますけれども、商工業といった方面にも、公共性がございますので、そうした災害の際には将来的に何らかの補助といったような制度ができることを希望いたしまして、次に移りたいと思います。  次に、鹿児島県を中心にしました集中豪雨災害についてお尋ね、あるいはこれはお尋ねというよりも要望と言った方がいいかと思いますが、これが一点と、そしてお尋ねが一点ございます。  これは要望とさせていただいてもいいのですけれども、鹿児島市の報告によりますと、非常に広範囲にわたり町の市道上に大量の土砂が堆積したために、市民生活に一刻のおくれも許されない状況の中で、道路上の堆積土砂を取り除くという復旧事業を、調査とか査定といった手順を踏まないで、早急に実施してしまったということでございます。したがって、公共土木施設災害復旧事業補助が受けられないということでございますけれども、こういうことが事後になっても、その時点ではどうしてもすぐにやらなければならなかったという状況を考えて、何らかの形で適用できるような方法はないものだろうかと御要望したいなと思います。これは要望にとどめてもよろしいのですけれども、今後とも、そういう災害の場合に、早急にやってしまって後ではどうにもならないといったようなことについて。    〔委員長退席、石橋(大)委員長代理着席〕
  144. 山口嘉之

    ○山口説明員 特に私どもに御通告ございませんでしたので、席を外しておりまして、失礼いたしました。  先生お話しされましたように、今回の豪雨によりまして市道に大量の流出土砂が発生いたしまして、約四百カ所近くで路面の埋塞が発生いたしております。鹿児島市では、重要な生活道路でございますので、機能をできるだけ早く確保するために、応急復旧工事といたしまして、埋塞土砂の排除を既にもう実施しております。現在、形としては既にもう土砂は排除されておるわけでございますが、緊急時のこういったような形の災害につきましては、後日、写真あるいは図面、そういった資料をもと災害査定を行いまして、適切なものについては災害復旧工事として採択しております。  現在、鹿児島市では、これを災害復旧工事として申請するためにいろいろそういった資料等の準備を実施しておりまして、これらの準備が整い次第、速やかに災害査定を実施いたしまして、適切なものについては災害復旧工事として採択するということになろうかと思いますので、我々もそういうつもりでおります。
  145. 石田美栄

    石田(美)委員 ありがとうございました。  次に、教育施設の災害復旧についてでございますけれども、災害の査定が早急に実施され、復旧が早期に着工されませんと教育に支障を来すということで、鹿児島市を中心にした教育施設についての進捗状況についてお尋ねしたいと思います。  現在行われております査定の状況調査状況では、どれくらいの学校にどれくらいの金額の被害があって、復旧実施のめど、時期がどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
  146. 矢野重典

    ○矢野説明員 八月豪雨、それから台風十三号等による被害状況でございますが、鹿児島県教育委員会報告によりますと、県立、市町村立合わせました被害学校数は四百六十三校に上っておりまして、被害金額では二十四億三百万円という報告を受けているところでございます。また、その被害の内容でございますが、床上浸水、土砂流入及び強風による校舎、体育館、運動場等の被害がございますし、また、土砂崩れによる被害等もございます。  文部省といたしましては、一般には現地調査等を行いまして、復旧工事を行うわけでございますが、そういう現地調査等を行わないで、事前に着工できる制度がございます。そういう事前着工の制度等を利用することによりまして、早急に被害に遭った校舎等を復旧するように指導してまいったところでございまして、現在、授業等に大きく支障を及ぼす部分から優先的に復旧が行われてまいっておりまして、県下の学校におきましては、体育館について一部若干支障があるものがなお残っておりますけれども、授業等は大体におきまして本校舎で行われているという状況にございます。  また、これらの被害復旧に対する予算措置につきましては、設置者から災害復旧事業計画書の提出を待ちまして、早急に現地調査の上、法律に基づきまして措置をしていく予定でございますが、文部省としては、先ほど申しましたように、なお一部支障のあるものが残ってございますから、引き続き、授業等にできる限り支障がないように、事前着工等の制度を利用いたしまして、早急に復旧を行うように指導してまいりたいと考えているところでございます。
  147. 石田美栄

    石田(美)委員 どうもありがとうございました。  次に、これは御質問というよりも、災害対策とか予防について、災害について、将来への展望として、私が希望したいことを含めて幾つか申し上げてみたいと思いますので、その担当の方の御意向が伺える箇所があればお伺いしてみたいと思います。  例えば、北海道南西沖地震の際の津波によって死傷された方について、これは五十八年の日本海中部地震の経験が役立ったそうですけれども、今回も津波で、とっさの判断、行動が生死を分けたという実例を現地に行きましていろいろと伺いました。また、新聞報道等で多く報道されていたと思います。  私たちはたまたまこのとき選挙の真っ最中で、私自身はなかなか新聞でそういうところまで読む機会がございませんでしたけれども、現地でいろいろな例を伺いました。こうした教訓を生かすために、とっさのときの判断の要点をまとめたような冊子をつくっていただいて、そういう可能性のある地域に配布して、そういう地域に住む人たちはある程度の知識を持っておくということが非常に大事だと痛感いたしました。  例えば、車で逃げようとした人は案外命を失った。そして、日本の地形というのは、ああいうところを視察いたしまして、本当にびっくりしたのですけれども、山が海のすぐそばまで迫っているのがほとんどの地域で、そして、そういうところに少し平らな土地があれば人が住んでいるという、多分そういう地域は日本の中にたくさんあるのだと思います。そういうところに住んでいる人たちというのは、とっさのときに、ある方などは、平生はとても登れないと思っていたすぐ裏山に夫婦で押し合いながら上がったら助かったとか、いろいろなことを伺いました。そうしたふとした教訓とかを何らかの形にまとめて、そういう地域に配布するといったことをしていただけたらいいなというふうに思います。  もう既に何人かの方がおっしゃいましたけれども、地震地帯、津波の起こりやすい地域には避難所とか避難路、この避難路の場合、市街化地域に逃げる道をといったこともですけれども、私が思いましたのは、奥尻島の場合もそうですけれども、青苗地区のあの地点で町長さんがおっしゃっていましたけれども、高台に住宅街がありまして、低い地域のところに津波そして火災が起きたわけですが、高台に住宅をつくったときに、坂のところに散歩道をつけろと言って、それを網のごとくたくさんつけて、そんなものつけたってむだだというふうにそのとき思ったけれども、実際にあの津波のときに、それが人命を非常に救って、あれがなかったら、もっとたくさんの人命が失われていたということをおっしゃいました。  こういう避難路とか避難所、何でもないことですけれども、そういった地域にこういう体験を生かすといったこともこれから大事なことだなと思いますので、そういう担当の方々の中で、こういう体験を生かす何らかの方策をお願いしたいなと思います。  そして、もう一つ、いわゆるライフラインのことが前回の災害特別委員会では随分出てまいりましたけれども、電気とか電話、水道、ガス、そういった、新しく建設される住宅地などには共同溝を設置するといったような、災害時などに総合的なバックアップ体制がとれるような将来のライフラインの総合化といったようなことを、今は多分ある地域では任意にそういうことが行われているところもあると伺いますけれども、国として将来的にこういう構想が持てないものかと思います。  私も、特に、アメリカなんかから来た友人が、新しい団地を建設しているのを見て、いわゆるこういうライフラインの滝といったような、なぜそういう工事がないのかということを疑問に思われるらしいのです。そういうのはまた後から掘って、ガス管を配置したり、後でするんだと言ったら、何でそんなむだなことをするのかとよく聞かれるのですけれども、このライフライン構想についてお伺いしてみたいなと思います。
  148. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 まず最初の方のお話でございますが、津波に対する対策といたしまして、今までもいろいろなことをやってきているわけでございますが、今回の経験からいきますと、地震を感じて直ちに逃げていただいた方は助かった方もかなりおられるということでございますので、海辺に住んでおられる方、あるいは住んでいなくても、海辺に行って地震に遭遇したような方には、ふだんから地震を感じたら直ちに避難していただくということをよく周知徹底するということも必要だろうと思います。  それから、先生おっしゃいましたように、そうは言っても、逃げようがなくては困りますので、避難のできるような施設というものも整備する必要があるだろうというふうに考えております。  それで、私ども、先ほども話が出ましたが、今回の北海道南西沖地震につきましても、実態調査をことしまず各省共同でいたしたいというふうに考えております。  それで、来年度の予算で要求をいたしておりますが、地域の実態に合った津波対策というものをどうしたらいいか。例えば、先ほどもちょっとお話が出ておりましたように、人口が密集しているようなところにつきましては、ビルをつくってそこに避難していただくというようなこともあり得るかと思いますし、そうでなくて、人口がそれほど密集していないというようなところで、ビルをつくることができないような場合には、地盤面をかさ上げするということも必要かもしれませんし、地域実情に合ったいろいろな対策を考えていきたいというふうに考えております。  それから、ライフラインの方のお話でございますが、これは災害が起きました場合に、ライフラインに対する被害というものが長く続きますと、住民生活あるいは企業活動の維持継続という点から非常に問題でございますので、各事業者、電気、ガス、上水道それぞれの事業者がルートの多重化でありますとか、いざという場合のバックアップ体制の確立とかいうようなことにつきまして推進をしているところでございます。  特に、先生おっしゃいましたのは共同溝のことかと思いますが、これは残念ながらまだ日本ではそれほど進んでおりませんが、これから、特に大都市部からということになろうかと思いますけれども、必要に応じて推進をしていくということになろうかと思います。  以上でございます。
  149. 石田美栄

    石田(美)委員 もう時間がございませんが、先ほどから鉢呂先生藤村先生も私と同じような趣旨で上原国土庁長官にお考えを伺われたと思います。  私も、地震とか台風による災害というのは、日本の地形とか地理上宿命的な問題で、個人の財産は個人で守るべきだということではありますけれども、こうした災害をたまたま受けることになった個人に対して、私たち国民共有の宿命として、何らかの救助の基金、被害者援助制度というか、ボランティア基金、いろいろな公益基金とか災害復旧基金制度、いろいろな形で今まで出てまいりましたけれども、そういった最終的に個人の財産をみんなで多少補償するといったような制度が将来的に考えられないものだろうかということを、最後にお伺いというか要望しておきたいというふうに思っておりました。  もう時間がございませんので、長官のお考えも何度か伺いましたので、これで質問を終わらせていただきますけれども、私、初めてのこういう場面でございまして、ふなれで何かと御迷惑をおかけ したようでございます。おわび申し上げまして、御協力いただきましたことを感謝申し上げて、終わらせていただきたいと思います。    〔石橋(大)委員長代理退席、委員長着席〕
  150. 池端清一

    池端委員長 次に、穀田恵二君。
  151. 穀田恵二

    穀田委員 日本共産党穀田恵二です。  数々の災害で亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げますと同時に、私ども、仕事として、やはり救済の万全を期し、また復旧、復興に全力を尽くし、防災の強化のために当たりたいと思っています。  私は、端的に長官にお聞きします。ついせんだって、参議院での我が党の同僚議員の質問に対し長官が答弁なすったことと関連してお聞きします。  私どもは、自民党政権のもとで、防災対策が極めて不十分に行われてきたという認識もとに、一連の改善を要求してまいりました。その一例として、地震予知の関係予算の伸びと防衛費の伸びを比較して前回指摘したところであります。ところが長官は、最近の状況地震予知の伸びが防衛費の伸びを上回っている旨の発言を行って、あたかも十分であるかのような印象を与えているわけです。私は、これはちょっとおかしいのではないか。長官が就任される以前、いわば防災対策を初めとした、また地震予知の関係予算がきちんとやられてきたと本当に思っておられるのか、そこをまず第一に端的にお聞きしたいと思います。
  152. 上原康助

    ○上原国務大臣 お答えいたします。  せんだっての参議院の災特委での私の答弁を御引用してのお尋ねですが、私は、必ずしも災害対策予算なりあるいは地震予知関係予算が、国民が期待している十分な、これは予算全般、一般論で言えば、そういう御疑問なり御不満があることは御承知のとおりで、そういう一般論として防衛費とあのとき比較対照して数字で挙げられたものですから、防衛費の伸びも確かに相当なものなんだが、地震予知対策関係も近年は努力しておりますよと申し上げたわけでありまして、それは、それぞれの価値判断の問題もあろうかと思うのですが、そのような意味で御答弁をいたしました。
  153. 穀田恵二

    穀田委員 私は、価値判断の問題では明らかにないと思うのです。それは確かに、長官おっしゃるように、ここ数年伸びが上回っている、これは事実だと思います。しかし問題は、例えば今我々は何を基準にして物を考えるのかという共通の土台に立つ必要があろうかと思います。  それは第一に、第四次地震予知計画の建議が出された。そういう地震予知に対する絶対額の予算額が低いことから格段の拡充強化を図れと、これは「格段の」とわざわざ書いているわけですね。これは、建議に基づいてやろうということを始めた、それからすると、明らかに少ないのじゃないか。しかも、日本海中部地震が起こった八三年から次の四年間は、第五次予知計画の建議がされた年と同じ時期に重なるわけですけれども、前年を割り込むという連続した事態が行われているわけです。これで満足と言えるのだろうかという価値判断の問題、これは基準を同一にできると私は思います。  二つ目に、同時に現実を見た場合どうか。例えば、日本海中部地震津波の教訓ということでいろいろ書かれていますけれども、この前一緒に私ども委員で派遣されたときにお聞きしますと、中部地震の折にも、青苗では三・六メーター、神威では四・八メーター、こういう教訓が、事実があるわけですね。だから、そういうものは津波対策としてしっかりやらなくてはならないということが、一九八三年、その時点から言われているわけですね。  そして気象庁が、津波対策として北海道西部の津波監視のために江差港と留萌港の二カ所に津波監視用検潮観測の計画をしたけれども、予算がつかなかった。そして、この前の一連のこの問題の議論を通じて、日本海西部がノーマークだったということを言っておられる。これは、明らかに不十分だったという証拠ではありませんか。ですから、その点でどうかという、いわばお互いの共通の基盤として論議できるものがある、その点でいかがか。
  154. 上原康助

    ○上原国務大臣 ですから、共通の基盤というか、地震予知対策その他の災害全般に対しての予算の増額とか確保ということについては私たちも一生懸命努力をさせていただいておりまして、数字を挙げるまでもございませんが、昭和六十三年度、一九八八年度が五十七億一百万円に対して、九三年度、平成五年度は八十一億六千九百万円、さらにそういった御指摘もありましたので、次年度、九四年度、平成六年度はたしか予知対策関連予算百十二億余、これは国土庁だけでありませんが、努力をしておりますので、その点は御理解を賜りたいと存じます。
  155. 穀田恵二

    穀田委員 私は、全く努力していないと言っているんじゃなくて、そういう価値基準、つまり格段の強化を求める、そして地震という実際の教訓があった、そしてそのことから次が起こる可能性があるということで、改めて西部をやろうとした。そして留萌港と江差港にそういう機器を置こうじゃないかということも含めて建議されて、気象庁もそういうことを何回も提起してきた。それがやられていない結果、今度ノーマークになって、やられた。こういう点から不十分だということを私は申し上げているわけです。だから、努力していないという意味じゃなくて、これはやはり不十分だったということを私は指摘しているわけです。やはりそういう認識に基づいてやる必要があろうかと思います。  今長官からお話がありまして、八八年に五十八億円から八十一億円だと。念のために言っておきますと、きょう朝日新聞の社説に「けじめ欠く米軍駐留費の負担」ということで載っていましたけれども、それを見ますと、これはもっとひどくて、七九年、米軍の思いやり予算は前年に始まりましたね、同じ時期、七九年でいいますと二百七十九億円から今日でいえば二千二百八十五億円ということですから、これは八倍にもなっているということを見ますと、来年またこれはふえますから大変なことになるわけですけれども、そういうことからしても、やはり明らかに比較上おくれているということを私どもは言いたかったわけです。そこをしっかり認識していただくことが、長官がいろいろおっしゃる、災害対策というのは国民生活にとって一番の肝要なことなんですよ、こう常々おっしゃっているわけですから、そういう立場で、もっとふやしていただくための努力を改めて要求しておきたいと思います。その点いかがでしょうか。
  156. 上原康助

    ○上原国務大臣 お答えいたします。  一層努力をさせていただきます。
  157. 穀田恵二

    穀田委員 そこで、具体的に言うならば、先ほど言いました第四次地震予知計画で観測強化両地域以外の特定観測地域等、他の必要な地域についても埋め込み式体積ひずみ計による地殻変動連続観測の常時監視体制の整備に努めるなどということで、四次でも五次でも六次でもその整備を図るということに書き込まれています。ですから、傾斜計、伸縮計、地殻ひずみ計、これらを初めとした整備を確実にやっていただきたいと思います。そのことを要求して、次に移ります。  そういう立場からしますと、私ども、具体的問題に次から入っていきたいと思います。  一つは、災害弔慰金の問題です。これは議員立法の経緯もあり、私たち自身としても検討を加えねばならぬ点は承知しておるわけですが、こういう例がございます。ある奥尻の家族の方は、家族七人が行方不明となり、一人も死体が上がっていない。このうち二人については、兄弟しか遺族がおらずに、支給されない。それから両親と子供が亡くなった場合、遺族には子供の兄弟が別世帯でいるが、弔慰金は両親の分のみ支給されて、しかも生計が別ということで半分しか支給されない。こういった点は改善を図る必要があるんじゃないかと思います。これは議員立法で努力することはもちろんで、私も問題提起としますが、政府としても、この初動期災害対策に関する調査の中で、そのことも引き続き見直しが必要だということも触れております。ですから、それは要望しておきたい。  次に、厚生省にお尋ねします。  災害住宅の建設については、全壊戸数の三割の 限度いっぱいつくっていただきたい。その上で、もう少し、半年なり一定の先の話になると思いますが、現在仮設住宅に入居している方がそちらに移転すると仮設住宅にあきができます。ですから、契約は二年間であるし、即撤去するのではなくて、二年間については大きな世帯は分けて入居させるとか、そういう弾力的運用を図っていただきたいと思います。その点はいかがでしょうか。
  158. 松尾武昌

    松尾説明員 お答えいたします。  まず最初の、三割の限度の問題でございますが、これにつきましては、被災地実情に応じまして、特別基準で、必要に応じて戸数をふやしておる状況でございます。  それから二年内は多人数世帯に利用させるべきではないかという御提言でございますが、奥尻で申し上げますと、現在入居されたばかりでございますので、なかなかここで想定しづらいところもあるのですが、仮に退去者が出た場合につきましては、原則はすぐ取り壊すということになっているわけですが、被災地状況、あるいは地域の実態等を踏まえまして、弾力的に運用できるよう十分検討してまいりたいと思っております。
  159. 穀田恵二

    穀田委員 次に、中小企業庁にお聞きします。  一つは、私何度も、この前も申し上げたのですが、鹿児島の例も出しましたけれども、今回は北海道における金融機関の貸し渋りの是正の指導を求めたい。その実情についてお伺いしたい。  二つ目に、国民金融公庫の災害資金の受け付け期間、これは普通六カ月とされていますが、先ほども各委員からお話ありましたように、町自身の復興という問題があって、いつめどが立つかということがわからない。ですから、起点がなかなか定まらないということがありますよね。したがって、六カ月以後もそれは受け付けるということにしたら、そういう周知ないしは努力はできないだろうか。  この二つ、お尋ねします。
  160. 稲見雅寿

    ○稲見説明員 お答え申し上げます。  私ども、政府系中小企業金融機関に対しましては、被災地中小企業者に対しまして弾力的かつ速やかな融資を行うよう指示をしているところでございまして、各機関におきましてそのような対応がなされているものと考えております。  また、二つ目の御質問でございますが、激甚災害法に基づきます政令指定の期間の問題というふうに理解していますが、奥尻町及び島牧村に対します激甚災害措置は半年ということで、平成六年一月三十一日までということになっております。その後の取り扱いにつきましては、事態の推移を見まして、期限後におきましても、やはり相当の資金需要があるというような事情がございますれば、期限延長につきまして、関係省庁とも協議の上、前向きに検討したいと考えております。
  161. 穀田恵二

    穀田委員 それでは二つ目の方はよろしくお願いします。  最初の方ですけれども、先ほども中小企業実情に応じてとか、きょう今度は、速やかなまで入りましたけれども、私が行くと、これは速やかなまで入れてくれてありがたいんですが、弾力的運用と言いますが、実際金融機関の窓口に行くとどうかということは、現地に聞いてみました。現地ではこう言っています。借りに行かれた方が、まず保証人はいるか、それから担保はあるか、自己資金はあるか、過去の債務は処理できるのか、こう来ますと、どう違うわけです、今までと。普通の場合と、災害に応じて速やかに中小企業の実態に応じて貸すなどと言っておって、今までと何ら変わらないという実態があるわけです。  だから、現実はどうかといいますと、六十人以上の方が相談に来られて、書類が提出できたのはわずか三人というのが五日ほど前の状況と聞いております。ですから、ここはしっかり是正を図っていただきたいということなんですが、いかがでしょう。
  162. 稲見雅寿

    ○稲見説明員 災害関係融資でございますけれども、やはり融資でございますので、金融機関の方では、最低限度の情報の収集ということは行っているものと思います。その意味で、若干急いで融資が欲しいという方々には、やや手続が煩雑だという印象を与えるところがあるかもしれません。しかしながら、私どもとしては、その保証人を含みます担保の徴求等につきまして、通常の場合に比べまして、その担保の評価あるいは保証人の資力の評価等につきまして弾力的に対応するように指示しているところでございます。
  163. 穀田恵二

    穀田委員 ですから、そういう言葉の話と違って、こういう保証人はいるか、担保はあるか、こういう聞き方自身が従来と何ら変わらないということを言っているんですよ。これは、まず、災害だから、どういうことにお遭いになりましたかとか、そこから聞いて、どうしたら貸すことができるだろうかという話じゃないわけですよ。そういう実態についてぜひ調査いただいて、そういう事実は通常と何ら変わらないということで、少し是正を図っていただきたい。  時間がありませんから、次に進んでいきたいと思います。  一つは、建設省にお聞きしたいんですが、住宅金融公庫の返済免除と猶予についてです。貸付金の免除はできないものか。私、端的に申しまして、「貸付金償却認定基準について」という昭和四十三年に発行されている文書によりますと、つまり、政府に対しては不良債権だという認定をすることができるという旨のことが書いています。つまり、上に対して認定するということは、実際上不良債権なわけだから、債務者に対してそういう旨を通知するかしないかは少しあれがあるところでしょうけれども、そういう被災を受けた方、「天災、事故その他経済事情の急変のため回収の見込みのない場合」、こういう項目もあるわけですから、もう少しそれこそ弾力的に適用して、そういう方々を救うことができないのか。  そして二つ目に、貸し付けの条件の変更等、いわば住宅金融公庫法の二十二条ですね、それに基づく適用をしっかりしていただきたい。ことしの場合でいいますと、たった一件しかまだ北海道の場合はされていないという実態があるのだと思うのですね。だからこれは、現地方々はそういう希望者がたくさんいるわけだから、その点の御配慮を願えないだろうか、お聞きしたい。
  164. 藤田真

    ○藤田説明員 住宅ローンの貸し付け条件の変更等についての御質問でございますけれども、今お話にございました貸付金の償却認定基準、これは公庫の内部規定として設けられておるものでございます。性格としては、国と金融公庫との関係について定められたものでございまして、債務者を直接対象にしているものではないわけでございます。  債務者に対してどの程度請求するかということにつきましては、個々の事情によりまして判断されることになりますけれども、通常この償却認定基準に該当するようなケースにつきましては、事実上請求が不可能になっている場合が多いというのが実態でございます。  ただ、いずれにいたしましても、この措置ということにつきましては、個別具体に判断すべき事柄でございまして、災害上の一般的な債務者の援助としての措置といたしましては、先ほどもお話ございましたように、公庫法の二十二条に基づきます貸し付け条件の緩和によって行っているものでございます。公庫法のこの二十二条の適用につきましては、御指摘のとおり、既に認定したものは一件ということでございますけれども、御相談に来られている数が既に七十件を超えておるということでございまして、このことにつきましては、具体的な罹災の基準に基づきまして的確に措置をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  165. 穀田恵二

    穀田委員 今お話ありましたように、個別の事情でやはり見ていただきたいな。その場合、何も被災者を救うという立場だけじゃなくて、やはりここにありますように、天災だとか、本当にどう考えてもそういう判断をする場合がございますから、それに基づいて、一定の例えば猶予期間をつけて、どうしたらお互いに債務を払うことができるか、そういうことを親身になって相談してあげるとか、そういう努力がもう少し温かい形でできればな、私はそれが必要だと思うのです。  しかも、私も聞きましたように、実際の変更の適用は、私は当時六十数件と聞きましたけれども、七十件あるそうですから、やはりそれはもう少し、実際新潟地震だとかその他の点でも、結果としては少ないわけなんですよね。だから、今回の場合など本当に、家はなくなるわ、それから火災保険はおりないわ、借金は残るわ、こういうことですから、そういった点でのきちんとした努力を要望しておきたい。  次に、先ほども道路の問題で、道路上の堆積土砂の排除の問題がありましたけれども、この点では、大事なのは、ちょうど鹿児島市議会全体で超党派で来られました。私どももお会いしました。そのときの事情をお聞きしますと、十七日に日本共産党の鹿児島市会議員団に対する当局の議案説明の席上で、災害復旧経費約十六億円すべてが市の単独事業で一般財源でなされ、国の補助が一円も見込まれていないことが問題になったということが発端のようです。ですから、私は、緊急時の県の指導のあり方、地方自治体への徹底の必要、これを教訓として、お図りいただきたいというのが一つ。  それから、二つ目にお聞きしたいのは、火災保険の適用の件について、最後にこの点だけお聞きしたいと思います。  これは長官に最後にお聞きしたいのですが、個人生活の再建を軌道に乗せる支援を長官も何度も強調されておられます。そこで、今、奥尻などでは、火災保険の支払いを求める運動が始まっています。私も、きのう損保協会にもお会いして、要望してきたところですけれども、やはり困っている現状に対して何らかの工夫をしてほしいというのが希望です。被災者の何とかしてほしいという期待に対しておこたえいただけないだろうか、それが今の新政権に対する希望がと私は思います。  歴史を調べてみると、この火災保険の地震保険などの改善は、地震が起きたたびに改善されている模様です。したがって、当時宮域沖の地震の場合には、地震保険がたった二億六千万円しか出ていないのに対して、農協が二十八億九千八百万円出されている。これはひどいんじゃないかということで改善方がされた模様です。今回も調べてみると、地震保険は二億数千万円に対して、生命保険は十七億円を超す、農協のいわゆる建更は十一億九千万円を超す、こういう実態にあるわけです。  そこで、最後に聞きたいのは、生命保険などは、保険金を支払わない場合として、戦争その他の変乱で死亡したとき、ただし、被保険者の死亡数の増加の程度がこの保険の計算の基礎に及ぼす影響が少ないと認めたときは、その程度に応じて死亡保険金の金額を支払いまたはその一部を削減して支払いますということを言っているわけです。つまり、こういうふうな約款に直すことができれば、私は払えると思うのです。だから、そういう点の検討も含めて、改善方はできないのだろうか。そのことが、今どうしても火災保険でお金を出してほしいという方々の希望、それに対して、新しい政治への期待にこたえる道ではないだろうか、そのことをぜひ最後に長官にお聞きしたいと思います。
  166. 上原康助

    ○上原国務大臣 このお尋ねにつきましては、先回からいろいろ御指摘もあるし、また御要望があることもよく承知をいたしております。しかし、大変残念な、現在の制度あるいは法律の適用下においては、一般的に、自然災害により個人が財産被害等を受けた場合については、従来から共済制度、今御指摘のあった保険制度を初めとして救済措置をとるというのが原則となっているところでありまして、地震津波等による被害についても地震保険に加入しておられれば相当程度の保障というものができるようになるようでございますが、現在のところそういう個人財産被害に対する損失補償は、補てんは極めて困難な状況にあります。ですから、御指摘のことについては、先般来いろいろ御提言なり問題提起がありましたように、各般について各関係省庁でどういう改善措置ができるのか、またあるのか等々について、もう少しよく検討させていただきたい、こう考えます。
  167. 穀田恵二

    穀田委員 終わります。     —————————————
  168. 池端清一

    池端委員長 この際、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  雲仙普賢岳の火山災害対策調査するため、本委員会に小委員十三名よりなる雲仙普賢岳火山災害対策小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 池端清一

    池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 池端清一

    池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、雲仙普賢岳火山災害対策小委員に       衛藤征士郎君    久間 章生君       鈴木 俊一君    萩山 教嚴君       宮路 和明君    石橋 大吉君       田口 健二君    西川太一郎君       宮本 一三君    弘友 和夫君       初村謙一郎君    石田 美栄君       穀田 恵二君  以上十三名を指名し、小委員長衛藤征士郎君を指名いたしたいと存じます。  なお、小委員及び小委員長辞任の許可並びに補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  171. 池端清一

    池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  また、雲仙普賢岳火山災害対策小委員会に参考人の出頭を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  172. 池端清一

    池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  173. 池端清一

    池端委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  異常気象による被害状況調査のため、北海道、山形県及び宮城県に、また、台風十三号等の被害状況調査のため、大分県に本委員会から委員を派遣することとし、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 池端清一

    池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、派遣委員の人選及び派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  175. 池端清一

    池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十五分散会      ————◇—————