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羽田国務大臣 確かに
歴史を振り返ってみますと、やはり一つの時期というもの、これは非常に冷たいときであったろう。しかし、今
お話がありましたように、音楽の面では非常にポピュラーになっておるということ、あるいは小説あるいは思想、そういったものについても私
ども多くのものを実は学んだりなんかしたもので、その面では割合と親しみがあったわけです。ところが、全体主義といいますかソビエトの時代、特にスターリン時代ですね、このときにいろいろな問題を起こしてしまったということであろうと思っております。
しかし、私は今度の
会談にずっと御一緒しておりまして思ったことは、そういった問題に対して非常に率直にやはり認められておったということです。そして、そのソビエト時代というのは我々
日本に対してもとんでもないことをしてかしたわけですけれ
ども、しかし、
ロシアの中にあってもやはり大変なことをしているのですね。人をこうやって動かしたり、共和国の中の人をこうやって動かしてしまうなんということをしてみたり、大変なことをした。あるいはそこで死んでいった人もあった。しかし、そのことも実は率直に話されていました。しかし、それがあったから
日本に対しての言いわけにはなるものではないのだということを私はよく承知しておるということを言われまして、私はまさに人間として、そして精神的なものからいってもこのことは率直に
おわびしなければいけないというふうに思うと。しかも、
ロシア国民を代表して、
政府を代表して、大統領として皆様に
おわびを申し上げたいという言葉を尽くされておったということでありまして、私は、やはりそういうところからこれからの新しいものがスタートする、これがやはり一番大きな収穫であったのではないのかなというふうに思っております。
ですから、私
どもはこれから
お互いが率直に話し合うことのできる基盤というものができたということ、それから、これからの外交政策というものの、これはただ
日ロというだけではありませんけれ
ども、これからの外交政策というものをやはり法と正義に基づいて進めていこうということを言われておりまして、私
どもはこの言葉というものは大変重いものであろうというふうに思っております。
そういったことを基盤にして、私
ども申し上げることは率直に申し上げていく、我々が協力すべきことは協力していくということで、これから
隣国ロシアというものとのつき合いというものをさらに深める必要があろうというふうに考えております。