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1993-09-16 第127回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成五年九月十六日(木曜日)    午後一時四分開会     ―――――――――――――    委員の異動  八月二十六日     辞任        補欠選任      永野 茂門君     田村 秀昭君  九月十三日     辞任        補欠選任      田村 秀昭君     永野 茂門君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         岡部 三郎君     理 事                 板垣  正君                 合馬  敬君                 翫  正敏君                 山口 哲夫君     委 員                 井上  孝君                 木宮 和彦君                 村上 正邦君                 守住 有信君                 瀬谷 英行君                 三石 久江君                 村沢  牧君                 大久保直彦君                 吉田 之久君                 聴濤  弘君                 井上 哲夫君                 永野 茂門君                 寺澤 芳男君    国務大臣        国 務 大 臣  武村 正義君        (内閣官房長官)        国 務 大 臣  石田幸四郎君        (総務庁長官)    事務局側       常任委員会専門   菅野  清君       員    説明員       内閣官房長官   鳩山由紀夫君       内閣法制局第二   秋山  收君       部長       人事院総裁     弥富啓之助君       人事院事務総局   山崎宏一郎君       管理局長       人事院事務総局   丹羽清之助君       給与局長       人事院事務総局   福島  登君       職員局長       国際平和協力本   鈴木 勝也君       部事務局長       総務政務次官    小池百合子君       総務庁人事局長   杉浦  力君       防衛政務次官    山口那津男君       防衛庁参事官    高島 有終君       防衛庁長官官房   宝珠山 昇君       長       防衛庁防衛局長   村田 直昭君       外務省経済協力       局国際緊急援助   設楽  清君       室長       大蔵省主計局給   増井喜一郎君       与課長       大蔵省主計局共   飯原 一樹君       済課長       労働省労政局労   石川  透君       政課長       自治省財政局財   嶋津  昭君       政課長     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査並びに国防衛に関する調査  (一般職職員給与及び勤務時間等について  の報告並びに給与改定についての勧告に関す  る件)  (戦域ミサイル防衛(TMD)への日米協力問題  に関する件)  (防衛に関する広報・啓発活動に関する件)  (アイヌ新法問題に関する件)
  2. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  この際、国務大臣及び政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。武村内閣官房長官
  3. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 過日、内閣官房長官、あわせて女性問題担当大臣を拝命いたしました。内閣官房及び総理府本府の事務を担当することになりました武村正義でございます。  微力でございますが、一生懸命努力をしてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手
  4. 岡部三郎

  5. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) このたび、総務庁長官を拝命いたしました石田幸四郎でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  私は、社会経済情勢変化に対応した総合的かつ効率的な行政を実現するため、総合調整官庁として総務庁が果たすべき役割を十分認識し、行政改革の推進を初めとする各般の課題に誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。  委員長及び委員皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げる次第でございます。よろしくお願いいたします。(拍手
  6. 岡部三郎

  7. 鳩山由紀夫

    説明員鳩山由紀夫君) 過日、内閣官房長官を命ぜられました鳩山由紀夫でございます。  委員長初め諸先生方の御指導、御鞭撻、御協力を賜りながら武村官房長官を補佐してまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。(拍手
  8. 岡部三郎

  9. 小池百合子

    説明員小池百合子君) このたび、総務政務次官を拝命いたしました小池百合子でございます。  石田長官を補佐して全力を尽くしてやってまいりたいと思います。委員長初め皆様方の格段の御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手
  10. 岡部三郎

  11. 山口那津男

    説明員山口那津男君) このたび、防衛政務次官を拝命いたしました山口那津男でございます。  中西長官を補佐し、最善を尽くして責務を全うしてまいる所存でありますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)     ―――――――――――――
  12. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国防衛に関する調査を議題といたします。  まず、一般職職員給与及び勤務時間等についての報告並びに給与改定についての勧告に関し、人事院から説明を聴取いたします。弥富人事院総裁
  13. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 人事院は、去る八月三日、国会内閣に対し、公務員給与勤務時間等に関する報告及び給与に関する勧告を提出いたしました。本日、その内容について御説明申し上げる機会が与えられましたことを厚く御礼申し上げます。  以下、その概要を御説明いたします。  初めに、職員給与に関する報告及び勧告内容について御説明いたします。  公務員給与改定当たりましては、人事院は、従来から社会経済情勢全般動向を踏まえつつ、公務員給与民間給与均衡させることを基本として臨んでまいりました。本年も、公務員給与に関する判断材料を得るため、民間企業給与を的確に把握するとともに、厳しい経営環境のもとにおける企業の対応についても調査を行い、また、広く各界から御意見を拝聴し、これらをさまざまな角度から検討いたしました。  本年の調査結果によりますと、民間企業給与伸びは厳しい経済環境を反映し昨年のそれを下回っているものの、なお官民給与の間には相当の較差か生じていることが認められました。これを踏まえ、諸事情をも総合的に勘案した結果、本年も、職員給与について所要改定を行うことが必要であると認め、勧告をいたしました。  本年四月時点における官民相互給与を比較したところ、民間給与公務員給与を一人当たり平均六千二百八十六円、率で一・九二%上回っており、この六千二百八十六円を給与改善原資として俸給改善に五千五百三十八円、諸手当改善に七百四十八円配分いたしました。  改定内容につきまして順次御説明をいたしますと、まず、俸給表については、中堅層職員改善重点を置きつつ、全俸給表にわたって改定を行うこととしております。なお改定に当たっては、昨年に引き続いて看護婦処遇改善に配慮するとともに、これまで同様、刑務官少年院教官若手研究員等に配慮しております。  次に、手当につきましては、扶養手当について、民間支給状況や高校生、大学生等の子を扶養する職員家計負担実情等を考慮し、配偶者以外の扶養親族のうち三人目以下の支給月額を引き上げるとともに、満十六歳の年度初めから満二十二歳の年度末までの子に対して新たに加算措置を講ずることとしております。また、住居手当について所要改善を行うほか、単身赴任手当について遠距離赴任者費用負担実情を、初任給調整手当については離島・僻地等勤務する医師の実情等を、それぞれ考慮し、所要改善を行うこととしております。  また、期末勤勉手当については、本年四月までの一年間における民間賞与等特別給支給割合との均衡を図るため、支給月数を引き下げることとしております。これは、昭和五十三年以来十五年ぶりのことであります。  なお、超過勤務手当及び休日給については、労働基準法改正に対応した所要改正を行うこととしております。  このほか、民間における中途採用者賃金動向公務における多様な人材確保必要性等を考慮して、中途採用者初任給決定方法改正することとしております。  実施時期につきましては、本年四月一日からとしておりますが、超過勤務手当及び休日給に関する改正並びに中途採用者初任給決定方法改正については平成六年四月からとしております。  次に、職員勤務時間等の報告内容について御説明いたします。  昨年五月より、完全週休二日制が実施されたところでございますが、完全週休二日制実施後の勤務時間・休暇制度の方向に関して、本年の報告におきましては、第一に、総実勤務時間の短縮の一環として、週四十時間勤務制原則法律上明らかにすること、第二に、土曜日、日曜日等の週休日勤務した場合に既に措置されている代休制度を、祝日や年末年始の休日に勤務した場合にも導入する必要があること、第三に、高齢化の進展、核家族化等により家族による介護が求められる場面が多くなってきていること、これに対応して、民間企業における介護休暇制度の普及の伸びが著しいこと等を総合勘案し、介護休暇を新設することなどを表明しております。  これらに関しましては、昨年の勤務時間等に関する法制の体系的な整備についての報告の趣旨をも踏まえ、別途、立法措置について、国会及び内閣意見の申し出を行うことといたしております。  次に、公務における高齢対策報告内容について御説明いたします。  来るべき本格的な高齢社会を明るく活力のあるものとするために、官民を問わず、六十歳代前半層雇用を促進していくことが求められております。  このような状況のもとで、公務における六十歳代前半層雇用のための方策として、現行六十歳定年年齢は維持しつつ新たな再任用の仕組みを導入すること、短時間勤務仕組みをも検討することが適当であるという考えを表明しております。また、公務高齢対策は、雇用と年金の適切な連携という視点を踏まえて進めるべきことにも言及しております。  ところで、行政環境が大きく変化する中で、公務員省庁の枠や既存の慣行にとらわれない柔軟な発想を持って行政課題に対応することが重要になっています。幅広い視野、豊かな国際感覚などを備えた人材を育成するため、人事院は、全省庁職員対象とする合同研修の一層の充実を図っていく所存であります。また、公務員が多様な経験を重ねるよう、省庁間その他の人事交流を促進していく必要性についても触れております。  人事院は、本年も勧告に向けて、公務員勤務条件に関し、中央地方を通じて、広く各界から意見を聴取しました。表明されたところによりますと、公務員給与民間給与に準拠して決定する方式は既に定着したものであって、公務に有為で多様な人材確保するためにもこの方式のもとで給与を始めとする勤務条件改善を進める必要があるとする意見が大勢を占めております。同時に、これまで以上に職務や能力に応じた処遇を推進していく必要があるとの指摘や、中途採用人事交流等の促進により組織を活性化すべきであるとの意見も見られました。  以上、給与勤務時間等に関する報告及び給与に関する勧告概要を御説明申し上げました。  人事院勧告は、申し上げるまでもなく、公務員労働基本権制約を受け、みずからの勤務条件決定に直接参加できる立場にないことの代償措置として行われるものであり、公務員にとってほとんど唯一勤務条件改善機会となっております。  人事院といたしましては、職員を適正に処遇することが、その士気の高揚を図り、職場労使関係の安定に寄与するとともに、公務が必要とする有為な人材確保を可能にし、将来にわたって国の行政運営の安定を図るために必須の条件であるものと考えます。  内閣委員会皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割職員が真摯に職務に精励している実情、さらには、給与勧告内容情勢適応原則に従い一般職国家公務員給与民間給与の水準に追いつかせるものであることに深い御理解を賜り、この勧告のとおり速やかに実施していただきますよう衷心よりお願い申し上げる次第でございます。
  14. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  15. 合馬敬

    合馬敬君 ある与党議員発言に、自民党の議員委員会発言する時間が物すごく短い、勉強が足りなくて質問することもないんだろう、こう書いておりましたけれども、御承知のように与党になると何としてでも法案を通したい、案件を通したいということで質問したいこともせずにできるだけ切り上げてきた、こういうのが現状でございますが、このたび我が党は初めて野党になりましたので、必置きなく発言をさせていただきたいわけでございます。それにしても時間が限られておりますので、私非常に寛大な精神の持ち主ですので、あらかじめちゃんと質問事項はすべてお届けしてありますので、てきぱきとお答えくださるようにお願いいたします。  それから、大臣さんもまだまだお勉強が足りないでございましょうから、政府委員にどんどんかわって答えさせていただいて結構でありますので、よろしく。  大事な人事院勧告でございますが、私も役人生活を二十八年半やってまいりまして、人事院勧告が出るのが大変な楽しみでございました、ことしの人事院勧告はどうだろうかと。確かに公務員労働三権を制限されております。職務に専念する義務もあります。民間の方といろんな意味で違っておりますので、そういう意味で私は人事院勧告が必要である、こういうふうに思っておりますが、それにつきましての基本的な考え方を述べてください。
  16. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 人事院勧告は、委員既に御承知のとおり、ただいま御説明を申し上げましたとおりでございまして、公務員というのは憲法国公法等に規定をされておりますとおりに、全体の奉仕者としての地位の特殊性及び公務公共性にかんがみまして労働基本権制約をされていることから、みずからの勤務条件決定に直接参加できる立場にないことの代償措置として行われるものでございまして、ただいまも御説明申し上げましたとおりに、公務員にとってほとんど唯一勤務条件改善機会となっておるわけでございまして、公務員制度上重要な役割を果たしているということでございます。
  17. 合馬敬

    合馬敬君 そのとおりですね。確かに人事院勧告というものが公務員唯一と言ってもいい処遇改善役割を果たしてきた。当然のことながら、それではこの人事院勧告は必ず完全実施をすべきものである、そのように言われておりますが、これについての考え方はどうでしょうか。また今まで完全実施されなかった、そういった事態があるのかどうか、これも含めて御説明願います。
  18. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) ただいま申し上げましたとおり、人事院勧告制度公務員労働基本権制約代償措置として設けられておるものでございまして、ただいまも申し上げて恐縮でございますが、ほとんど唯一勤務条件改善機会となっているということでございます。これは職員に対して適切な処遇確保するということ、このことはまず第一に、職員士気を高く保持をする、職場労使関係の安定に寄与するということでございますし、公務に必要な人材確保し、将来にわたりまして行政の安定に資するものでございまして、人事院勧告制度が尊重をされ適正に機能するということが公正かつ能率的な行政運営にとって極めて重要なことであると認識をいたしております。  過去においてどうであったかという御質問でございますが、最近の実施状況について申し上げるならば、昭和五十七年には勧告実施が当時のいろいろな状況のもとに凍結をされました。その後、昭和六十年までは完全実施には至らない状況が存在をいたしましたが、昭和六十年以降はおかげさまで完全実施の状態にあるということでございます。
  19. 合馬敬

    合馬敬君 そういったような経過があるわけですが、今年度給与改善率が一・九二%というように承知をいたしております。こり中身を見てみますと、給与改善額配分というのがありまして、俸給が五千五百三十八円、それから諸手当三百八十七円、はね返り分三百六十一円、そういう内容になっております。一・九二%引き上げた根拠、これは中に官民較差の是正等いろいろ書いておりますが、それらを含めまして一・九二%に至った理由、それからそれをこの三つの区分でこのように配分をした理由、それについて御説明お願いいたしたいと思います。
  20. 丹羽清之助

    説明員丹羽清之助君) 本年四月時点におきます官民相互給与を従来の手法を用いまして比較いたしましたところ、民間給与公務員給与を一人当たりにいたしまして、先生指摘のように平均、金額として六千二百八十六円、率にしまして一・九二%上回っていることが明らかになったわけでございます。  今回の勧告は、この六千二百八十六円を給与改善原資といたしまして、民間給与配分傾向、諸手当支給状況等を考慮しまして俸給改善に率にいたしまして一・六九%、諸手当改善に○・一二%、なお、はね返り分というのがございますが、これに○・一一%配分いたしましてちょうど較差を埋めたということでございます。  なお、具体的にそれぞれの根拠についてのお尋ねでございますので、まず俸給について申し上げますと、民間における賃上げの配分傾向というものを私ども参考にしております。本年は初任給よりも中堅層重点を置いているという傾向もございます。そのほかに、公務部内のそれぞれの職員層処遇改善必要性緊急性、このようなものに配慮いたしまして俸給表改善いたしております。  それから、扶養手当につきましては、従来から民間における扶養手当支給状況を考慮いたしまして、金額的には配偶者の額と配偶者を除きました三人目までの額との合計額官民均衡を図っていくことを基本としております。なお、本年はその枠の中で、公務部内の職員間での子供の教育費、そのようなものが生計費に占める負担というものを考慮しまして改定しておるところでございます。  また、住居手当改善いたしておりますが、これは民間の支給いたしております住宅手当民間最高支給額住宅手当の分布をとりましてその中位階層の上限の額に合わせて改善をしている、以上のようなことでございます。
  21. 合馬敬

    合馬敬君 大変な作業で、私は非常にたくさんのデータを集めて客観的に算定したのだというように理解をしております。  それにいたしましても、この人事院勧告というのは一般公務員だけではなくて御承知のように大変な波及効果といいますか、これを持つわけでございます。国家公務員だけで百十六万七千人、大体これに準拠しますから、地方公務員三百三十二万三千人、四百五十万人の方がことしの給与アップはどうなるだろうか。これだけじゃございませんですよね。特殊法人だとかそういった関係の方もみんなこの影響を受ける。さらには間接的に諸団体の方、さらに波及して民間にまでいくかどうか。そういったようなことを考えますと、やはり私はこの人事院勧告というのは大変な波及効果を持っておると思うんですよね。そういう意味で、ことしの勧告をどのくらいにするかというのはこれは大変な重みのあるものであるというように思っております。  これにつきまして、ちょっと人事院総裁考え方といいますか、これについてお話お願いしたいと思います。
  22. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) ただいま人勧波及効果についてどう考えるかということでございます。  委員指摘のとおりに地方公務員や団体職員等いろいろの層に波及をしていくものだと考えておりますが、人事院給与勧告と申しますのは、一般職職員給与等に関する法律の適用を受けているいわゆる非現業の国家公務員、今約五十一万人ほどおりますが、これを直接の対象といたしておるわけでございまして、特別職国家公務員地方公務員、公庫・公団等職員についてもただいま御指摘のようにそれぞれ影響が及ぶということの重要性については十分に認識をいたしておるところでございます。
  23. 合馬敬

    合馬敬君 人事院勧告重みというのが大変なものであるということはわかりました。  そこで、総務庁長官にお伺いいたしますが、人事院勧告が出たということで、総務庁としてこれをどういうぐあいに処理をしていくのか。世間の人は、総務庁というのは人事院勧告を受けたらこれをもう完全実施するための機関である、そういうようにも受け取っておるわけでございますが、そのような考え方でよろしゅうございましょうか。
  24. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) これはもう合馬先生よく御承知のとおりでございまして、私ども人事院のこういった勧告を受けまして、それを早期完全実施という基本的姿勢を踏まえて、そしてさまざまな会議経過を経て実施作業をいたしておるところでございます。  特に、今回の人事院勧告につきましては、やはりこういった現在の社会情勢変化、あるいはまた景気の低迷等を考えますと、できるだけ早くこれを実施することが非常に重要である、このようなことを考えながら、鋭意今努力をいたしているところでございます。
  25. 合馬敬

    合馬敬君 それに関連しまして、ことしの人事院勧告には、後ほどまた詳細にお伺いいたしますが、期末手当の切り下げというのが盛り込まれているんですね。十二月の期末手当基準日である十二月一日までに給与法を施行されなければ十二月期の期末手当支給関係につき問題を生ずることとなるもの、この点を踏まえて人勧早期完全実施に向けてできるだけ早く給与法改正を図らなければならない、こういうようにスケジュールをお伺いいたしておりますが、今総務庁長官お話で、この本年度人勧についてはこれは高く評価しておる、完全実施をしなければならない、そういったことでお伺いしました。  ただ、先ほどから人勧というのは完全実施をしなければならないのかどうか、いろいろのお話ございましたが、最近の財源の状況だとかあるいは民間のいろんな経営状況だとか、そういったようなことも踏まえて、ちょっと公務員はよ過ぎるんじゃないか、こういったような話までひよっとしたら出てこないとも限らない。  そういったようなものを含めまして、そもそも総務庁といいますか、内閣といいますか、この人勧についての変更権といいますか、こういったようなものがあるのかどうか、そこら辺をちょっともう一度お聞かせを願いたいんでございますが。そういったようなことで、具体的にスケジュールとして当面この給与法改正までどういう方針で持っていこうとしているか、それを概略ちょっと御説明願いたいと思います。
  26. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) まず、御意見でございます完全実施あるいはまた総務庁として変更権があるのかというようなお話でございますけれども、私は憲法上の労働基本権公務員に対して制約する、それが一つは人事院勧告制度の大きな役割でございますので、やはりこの人事院勧告というのは総体として尊重するという原則でなければ意味がないというふうに思いますので、変更権の問題については全く考えていないところでございます。  さらにまた、実施についてのスケジュールはどうかというお話でございますけれども、これはむしろ官房長官からお答えいただくのが適切かもしれませんが、この閣僚会議というのは一遍もう消滅してしまっているわけでございますので、新たに給与関係の閣僚会議を設定しなければなりません。その設定に基づいて、やはり財政事情等を十分これは聴取しなければならないわけでございますので、その中の討議を経て、そして閣議決定をする、方針を決定する、こういうことになります。方針に基づいてこれは総務庁として事務的な給与の計算等をするわけでございまして、さらにまた給与の算定についてはかなり細かい作業になりますので、印刷物等においてもかなりの時間を要するわけでございます。  そういうような流れを踏まえながら、今申し上げたようなことで、ことしは何としても例年よりも早く実施できるように鋭意努力をいたしたい、こんなふうに思っておるわけでございまして、これから官房長官等と打ち合わせをしながら、早く閣議決定できる段階に持ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
  27. 合馬敬

    合馬敬君 今の石田大臣お話で、官房長官、そういうお考え方でよろしゅうございますか。
  28. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 全くそのとおりでございます。
  29. 合馬敬

    合馬敬君 次に、労働省にお伺いをいたします。  私は、労働省はこうやって毎年出されますこの人事院勧告について官民較差等を含めて絶えず適正に判断をし、それなりのサジェスチョンをし、それなりの調整を図ってきたと思っておりますが、本年度人勧も含めまして官民較差についてどのようにお考えになっておられるのか、それについて御意見をお伺いしたいと思いますし、官民較差があるということになりますと、それはこれまでのずっと長年の官民較差が今に至るもまだ解消していないんだと、それをこういう時期でも、民間が非常に悪くなっている時期でもまだ解消していかなければならない、そういったような理由があるかどうか、そういったものも含めまして御説明お願いしたい。
  30. 石川透

    説明員(石川透君) 人事院におかれましては、毎年民間企業の賃金水準や賞与の支給状況等国家公務員給与決定する諸要件を十分調査勘案した上で、公務員給与民間給与均衡させるという基本的な考え方に立ち、改定勧告しているものと承知しております。したがいまして、毎年の人事院勧告実施によりまして官民較差が解消されるものと考えているところでございます。
  31. 合馬敬

    合馬敬君 そういうことなら、本年度人勧は先ほどお話ありましたように一・九二%アップということになっておりますが、期末勤勉手当決定につきましては、最近の景気の状況、これを見、ことしの年末等は民間企業においては期末賞与、これの引き下げ、カットというような話も出ておるわけでございますが、これについても官民のバランスはとれておるというように解釈されるんですか。
  32. 石川透

    説明員(石川透君) 先生の言われるとおりでございます。
  33. 合馬敬

    合馬敬君 次に、防衛庁。  私は、米ソの冷戦構造は崩壊いたしましたけれども、これからは国対国、民族対民族、宗教対宗教、そういった地域間の紛争というのはむしろ激化するのじゃないか、また、そのように歴史も事実も証明をしておると思っております。何よりもこれまで冷戦下といえども平和で来られましたのは、私どもの国におきましても自衛隊が戦争抑止力としての防衛力の整備を図ってきたことにある、そういうように思っておりまして、何よりも戦争を未然に防止する、これが一番私は大事な国防の任務であるというように思っております。そういったようなことで、国家公務員としての自衛隊の皆さん方に一層の使命と士気を奮い立たせていかないといけないと思っておるわけでございます。  最近私、非常に心配なのは北朝鮮のミサイル開発、労働一号というのですか、これが軍事専門家にはわかっていたのかもわかりませんけれども、私どもの知らない間に日本方面に向けて発射試験が行われていた、こういったようなことがございます。先般の新聞を見ておりましても、こういった体制に向けて防衛の専門家の方は現在の防空システム、防空能力では全く対処できない、そういうように言っておるわけでございます。私は、そういう意味でやっぱり戦争を未然に防ぎ神聖な国土を守る、それがまた平和につながる道でありますので、専守防衛の日本といたしましては何といってもウサギの耳だけは長く持ってそういったことを事前にキャッチできる体制をつくっていかなければならぬ、こういうように思っておるわけです。  そういう意味で、一つの手段としてAWACSの配備、私はこれは非常に大事なことであると思っておりますが、これについての今の防衛庁の方針。それからさらに、こういったことだけではとても対処できないということで、今問題になっておりますのがTMDですね。これにつきましては集団安保の問題、宇宙の平和利用の問題、費用対効果の問題、いろいろ問題点があるといったことも挙げられておりますけれども、そういった国防の観点、専守防衛の観点から、国を守るというためにはこういったものについても強力な整備推進を図らなければならない、こういうように思っておりますが、これについての考え方を御説明願いたいと思います。
  34. 村田直昭

    説明員(村田直昭君) 先生防衛に関するお考え方、私どももそのように考えております。未然防止が重要だというような点についても、防衛は起こってしまってからでは遅いわけで、未然防止が非常に重要でございます。  そこで、お尋ね二点ございましたが、一点がAWACSの整備についてどのような考え方かということでございますが、これはたびたび申し上げておることでございますけれども、専守防衛を旨とする我が国にとりましては、情報収集機能の一環としての早期警戒監視機能の充実を図るということは極めて重要であるということから、中期防衛力整備計画におきまして早期警戒管制機四機の整備を計画しておるわけでございます。昨年十二月に中期防を減額修正をいたしたところでございますが、その際にも要撃戦闘機F15につきましては十三機の削減を図るということを行いましたが、早期警戒管制機につきましてはその重要性にかんがみまして従来計画どおり四機をさらに整備するということで盛り込んでございます。  五年度予算では、早期警戒管制機E1767二機分の整備にかかる経費の計上を既にしておりまして、現在契約手続を進めておるところでございますが、情報収集機能の一環としまして早期警戒監視を常続的に実施する。一個ポイントについて常続約二十四時間体制で実施し得る能力を持つというためには四機の整備が必要であるということで、現在概算要求しております六年度の要求におきましても残りの二機分の経費を計上しておるところでございます。  常続的に警戒するということによりまして、要するに要撃機能というものが完全にその能力を発揮するためには、目で見て、あるいはそれに対して要撃の方向についての指示を与えるというようなことがなければ、いかなる有効な兵器を持ってもこれは対応できないわけでございますから、そういう意味でこれが欠落しておるということは非常に我が国の防空体制に対しての大きな欠落機能ということで、ぜひこれを二機さらに認めていただくよう今要求しておるところでございます。  それから、北朝鮮のミサイルの問題でございますけれども、このミサイルの試射は五月の下旬に北朝鮮の東部海岸から日本海に向けて発射されたということを諸種の情報から私どもつかんでおりますが、なおその性能についての詳しい点でありますとかについて、成功したかどうかというようなことについても確定的な情報をまだ得ている段階ではございません。しかし、我々としては、ミサイルの試作というものがかなり進んでおる段階であるというふうには見ておるわけでございます。  そこで、先生お尋ねのTMDでございますけれども、これにつきましては、現在、アメリカでの概念でございまして、先般、八月二日ですか、防衛事務次官とウィズナー米国防次官が見えられたときの会談におきまして、ミサイル防衛に係る日米双方の関心事項について話し合いが行われまして、今後情報の交換等両国間での協力の可能性を研究するとの話がありましたが、防衛庁としては、まず米側からのこれまでのTMD、シアター・ミサイル・ディフェンスという概念でございますが、に関する研究状況等について説明を受けた上で今後の取り進め方について部内で検討してまいりたいと考えております。  この件についての日米間の協議の場でありますとか日程については、まだ決まったものがあるわけではございません。これから日米間で調整を進めていきたいという段階にございます。
  35. 合馬敬

    合馬敬君 そのとおりでございまして、専守防衛の軽武装国家というのは、役にも立たない陳腐な武器をそろえるというだけじゃだめなので、やっぱりその時代に合ったハイテクの専守防衛の武器を備えるということが大事なわけでございまして、その方向でぜひ充実をお願いいたしたいと思います。  次に、PKOでございますが、カンボジアのUNTAC、立派にこの使命を果たされて帰ってこられまして、私は非常に国際的にもよかったというように思っております。  今や、五原則を踏まえて、さらにPKOの段階でいいのかPKFまで進めるべきかどうか、これが議論になっておる段階でございますが、それを含めまして、私、カンボジアのUNTACへの自衛隊のPKOの派遣は大変に大きな功績を上げたというように思っております。  今また、モザンビークにも輸送調整部隊が出ておりますが、同じように立派な成果を上げられることを期待しておるわけでございますが、これを踏まえまして、今度、イラク・クウエートの国境に医療部隊のPKOの派遣といったようなものも要請をされておられますが、これについての対処方針等をお伺いしたいと思います。
  36. 鈴木勝也

    説明員(鈴木勝也君) 先生お尋ねの点、順次簡単にお答えいたしたいと思います。  まず、カンボジアのPKOでございますが、まさに本日、停戦監視要員も帰国いたしました。残るは二十六日の施設部隊の第二班が帰ってくるというような状況でございまして、カンボジアのPKOへの我が国の参加につきましては、御承知のとおり、我が国要員の死傷事件の発生というまことに痛ましい事件もございました。ございましたけれども、やはりUNTACの活動というものがカンボジアの問題の解決に大きく貢献をしたということについてはこれは広く認められた事実でございまして、その一翼を我が国が果たすことができたということについては、私どもも非常に有意義な貢献ができたと思っておりますし、国際的な評価もまことに高いということが申し上げられると思います。また、我が国内においても大多数の国民の皆様の御理解と御支持を得られるに至っているというふうに考えておるところであります。  それから、モザンビークのONUMOZでございますが、これにも我が国五十三名の自衛隊員の司令部要員とそれから輸送調整部隊という形で現在派遣をいたしております。  現地の情勢を見ますと、モザンビークのPKOは若干当初の予定よりも長引きそうであるという感じではございます。アフリカという比較的我が国にとっては縁の薄い地域ではございますが、やはり我が国のこの面における人的貢献というものは何も近隣諸国に限っていいものではございませんので、やはりグローバルな観点からなすべき貢献はなすという意味で、モザンビークヘのPKOに一翼をなすという形で貢献をするということはまたこれ非常に重要なことであるというふうに考えております。  三点目のイラク・クウエート監視団、いわゆるUNIKOMの問題でございますけれども、これは先般新聞等にも報道されましたけれども、国連の事務局の担当レベルから、ニューヨークの私どもの方の国連代表部の担当官に対して内々に瀬踏みがあったことは事実でございます。中身は、報道されているとおり医療部隊数十名ということで日本の都合はどうだろうかというようなことでございます。  これは何をもって打診と言い、何をもって瀬踏みと言うかというあたりはなかなか難しいのでございますが、国連の事務局からニューヨークにあります各国代表部に対してはこのような瀬踏み、内々の瀬踏みというのは日常的に行われておりまして、それに対して初歩的な反応というようなものもまた日常的に返されている。そういうものが積み上がっていってだんだん要請、それに対する回答という形に発展するものもあるし、自然に消えていくものもあるというようなことが実情でございます。  実は、この件が我が国でかなり広く報道されたことにつきましては国連の事務局の方から早速苦言を呈されておりまして、それぞれの国にこういうことを内々にちょっと打診すると、あるいは瀬踏みをするとそれがすぐ漏れちゃうということだと、打診を受けなかった国はまた文句を言うかもしれないしというようなことで重々気をつけてくれというような話もございますので、本来こういうことは余り早い段階で公言すべきことではないのかもしれませんけれども、本件に限って申しますと、新聞に既に報道されたこともございますので、今申し上げたようなことが現状であるわけであります。  これに対しましては、我が国の方からは、いろいろな角度から考えてみてやはりこれは慎重に対応した方がいいというのが今の政府部内の雰囲気であるよということをごくごく非公式に、先方から言ってきたと同じような低いレベルで感触だけは伝えでございます。
  37. 合馬敬

    合馬敬君 もう一度確認しておきますが、私はPKOに先立ちまして、湾岸戦争のとき、掃海艇を派遣したときも、それと同時に、その前に百三十億ドルですか、さらに円高差益というのでまた五億ドル取られ、百三十五億ドルも取られて、何らクウエート、当事国から感謝されなかったと。それが掃海艇一隻で、掃海艇であれだけよくやってくれたと、国際貢献してくれたと非常に感謝をされたのを思い出すわけでございます。  きのうテレビを見ておりましたら、PKOについて、カンボジアUNTACですね、日本人のボランティアの人が、いや日本から来た自衛隊さんは全然現地で感謝されていない、何の働きもしていないと。私はこれおかしいと思うんですね。私が今まで承知しておるところによれば、当事国、現地の国民、国連、それから関係諸国、すべて我が自衛隊PKOの派遣について高く評価し、本当によく働いてくれた、同じような機会が生ずるならまたそこに行って助けてほしい、そのようにみんな言っておる、私はそのように確信するのでございますけれども、これについては間違いございませんか。
  38. 鈴木勝也

    説明員(鈴木勝也君) ただいま先生がおっしゃいましたそのボランティアの方の発言というのは、私は直接承知いたしておりませんので、その点については何とも申しかねますけれども、しかし、私から改めて御説明申し上げるまでもなく、テレビ等でも報道されましたタケオの基地からの施設大隊出発のときの風景あれだけを思い浮かべていただいても、全然感謝されていないというようなことはあの画面からは全く出てこない話でございまして、出ていく施設大隊に対して現地の村人が追いすがるようにして、贈り物まで贈って別れを惜しんだということは、私が承知している限り、ほかの国から派遣されてきた部隊について常に起こっていることでは決してないということを申し上げたいと思います。
  39. 合馬敬

    合馬敬君 私も必ずやそうであろうと思っております。  そういったようなことで、自衛隊の諸君は常に緊張を強いられ、非常に危険率の高い、いつ紛争が起こるかわからない。どんどん兵器も進化しておりますから、ハイテク武器も非常に操作が難しくなっておる、危険と隣り合わせである。しかも戦争があっては困るわけでございますから、常時いつでもスクランブルをかけられるというぐらい片時も安心できない、そういった事態で職務に従事しておられるわけでございますから、そういった面で給与についても十分な配慮がされていなければならないと思うわけでございます。  自衛隊のような特別公務員給与につきましては、これは一般職公務員に準じて決まることになっておりますので当然そういった面も配慮した給与体系になっておると思いますし、また、給与のアップにつきましても当然そのような配慮がされると思いますが、その点につきまして。  それから、時間がありませんのでまとめてお伺いしますが、非常な危機、災害があった場合、これまでは警察官等の方々と比べて特別公務災害補償がやや劣るところがあったといったように承知をしておりますが、私はこれは必ず同じような扱いをしなければならないというように思っておりますので、その点につきましての既に配慮が行われておるのかどうかということでございます。  それから、三点目がPKOにつきましての派遣手当でございます。そういう瘴癘の地、生活的にも勤務条件的にも非常に劣悪なところへ参るわけでございますから、そういったようなところにつきまして、私も掃海艇派遣のときの手当に比べましたらさらに改善が加えられたと聞いておりますけれども、それにつきまして具体的に改善の方向についてお伺いいたしたいと思います。
  40. 宝珠山昇

    説明員(宝珠山昇君) 簡潔にお答えさせていただきます。  防衛庁の自衛官の給与のあり方につきましては、先生指摘のように隊員の処遇重点事項として常々留意しているところでございます。そういうことで、特別職国家公務員でございますので人事院勧告がそのまま適用されるということはございませんけれども一般職国家公務員との均衡を図るということ、それと自衛官の任務あるいは勤務特殊性というものを考慮いたしまして、例えば航空手当でございますとか乗組手当あるいは落下傘隊員手当といったもの、すなわち防衛庁独自の手当を設けることによって適切に処遇するべく努力しておるところでありまして、今後ともこの努力を続けてまいりたいと考えております。  それから第二点の危険な場所での勤務があるのではないかそれについてどうだということでありますが、これは手当について申しますと、航空機乗員あるいは艦艇、潜水艦を含みますが、これらの乗務員につきましては、あるいは落下傘隊員についても同様でありますけれども、その勤務の困難性、危険性などに応ずる手当を設け、支給しているところでございます。またさらに、危険なテストパイロット等につきましてはこれに加給する方式をとっております。万一の事故の場合につきましては、国家公務員災害補償法を準用いたしまして適切な処理に努めております。  関連いたしまして、警察官との間に差があるのではないかということでございます。  御指摘のとおり、かつては自衛隊員と地方公共団体の職員であります警察官との間には、あるいは消防職員も含めてでありますが、大きな格差がございました。これを改善すべく努力し、平成年度において格差是正のための制度改正実施させていただきました。その結果、従来でございますと賞しゅっ金千七百万円ほどでございましたが、現在これは五千万円に改善されているところでございます。この結果、完全に格差が是正されてしまったかといいますとそうまでは申し切れませんけれども、大幅に改善された、すなわち国としてできるだけの努力はさせていただいているつもりでございます。  PKOに派遣されております自衛隊員に対する手当でございますが、これはPKO法、国際平和協力法の委任を受けた政令におきまして額が規定されております。施設業務にかかわりますものについては一万六千円、輸送・補給業務については八千円または四千円ということでカンボジアについては決められております。モザンビークにつきましては司令部要員について一万六千円から八千円、さらに輸送調整部隊につきましては一万六千円から八千円と決められております。  このほかに国際平和協力本部長が定めます一定の条件、これは天幕、露営等々でありますけれども、これを満たす隊員に対しては千五百円を加算した額を支給するなどによって処遇をいたしているつもりでございます。  以上であったかと思います。
  41. 合馬敬

    合馬敬君 時間がどんどん過ぎて焦るのでありますが、一応また本論の方に戻りまして人事院の方にお伺いいたしますが、もう一度詳しくお聞きしたいんですが、官民給与較差についての認識でございます。  いただいた資料によりますれば、平成五年四月の時点での比較、こういうことになっております が、最近の経済状況は急速に変化いたしておりまして、私も地元に帰りましたら来年は失業者で職業安定所には長蛇の列が並ぶのではないかというぐらいの深刻なども言われておりますが、こういった最近の経済状況についてはこれはどの時点でまた反映されることになるんでしょうか。そうすると、ことしはまずよかったけれども、来年の人勧ではこれが非常にトラスチックな形でまた出てくる、こういうことになるのでございますか。そこら辺をちょっと御説明願いたいと思います。
  42. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 人事院勧告と申しますのは、民間給与が大きく変動いたしますいわゆる春闘の時期をとらえまして、四月時点におきます官民双方の給与の額を、ラスパイレス方式と申しておりますが、課長なら課長民間公務の方の同じような段階における額を精密に比較をいたしまして、そこに較差があればこれを埋めるということを基本として行っておることは御承知のとおりでございます。  民間の深刻な経済状況は、本年の民間でのベアが低かったこと及びそれ等を通じまして勧告率が低かったことに反映をされているところでございますけれども人事院給与勧告は、既にことしの四月からほとんどの民間企業実施をされております改定後の給与水準に公務員給与を追いつかせるものであるということを御理解をひとついただきたいと存ずる次第でございます。  なお、民間における今後の賃金動向でございますが、これにつきましては、御指摘のとおりに来年の人事院勧告を通じて公務員給与に反映をされるところでございますし、また、公務における期末勤勉手当につきましては民間におきます支給実績を正確に反映させる趣旨からしまして、前年における民間の賞与等の給与割合に均衡させることとしているものでございまして、本年の民間のボーナスの支給状況、これは来年の期末勤勉手当に反映されるものと考えております。
  43. 合馬敬

    合馬敬君 それと、公務員の一般的な給与体系、これは御承知のように年功序列型でございますね。よほど悪いことをしないといいますか、懲戒免職にならない限り給与のダウンというのは普通はないわけでございまして、その意味では年をとるに従って遅々とはいえ必ず賃金が上がっていく。これに対しまして、最近民間はどんどん能力型といいますか、能率型といいますか、そのときの勤務条件、能力に応じた形に変わってきておりまして、賃金のピークというのがどんどん若年化しているんですね。  聞くところによれば、公務員のピークは五十代、それが今やハイテク産業等におきましては四十代から三十代にピークが移っておる。したがって、そこまではいいんですが、今度は一番お金が要る中高年齢層になると給与が下がっていく、こういったようなことになってくるわけでございまして、これは私はどちらがいいともなかなか言えないわけでございまして、やはり日本型の賃金体系といいますか、これも捨てがたいいいところがあると思います。若いときは能力以上に働く、安月給で、かわりに年をとって能力が衰えてもそれにまさる賃金をもらうという、これもまた一つのいいやり方でございます。  いずれにしましても、これからの全国民の給与体系といったようなものもこれから人事院勧告では考えていかざるを得ない時期に来ているんじゃなかろうか、こう思うわけでございます。  そういう中で、やはり一つメルクマールとなりますのは生涯賃金ですね。これは大体どのくらいに定めて、そしてこれを年齢別でどういうふうに配分していくかといったこともまた一つの考え方であると思いますが、これを含めまして人事院のお考えがあればお話を願いたいと思います。
  44. 丹羽清之助

    説明員丹羽清之助君) ただいま民間の能力型のお話がございましたけれども国家公務員給与につきましては、いわゆる職務給の原則というのがございまして、職務の複雑さ、あるいは困難、責任の度に基づいて支給されることとなっておるわけでございます。  具体的に申し上げますと、職務の段階に応じまして、俸給表そのものに職務の級というものが設定されておるわけでございますが、その上位の方のポストにつかない限り、今申し上げました上位の級の給与が得られないというような仕組みになっております。これは職務給の原則にのっとっているわけでございます。  また、一つの級における昇給につきましても、いわゆる昇給率につきまして申し上げますと、高位の号俸の方にいくに従いまして低くなっている、いわゆる寝た形になっておるわけでございます。  先生今御指摘のございました公務員の採用から退職に至るまでの間の昇給、給与についてはどう考えるかということでございますけれども、これにつきましては、ことしの報告におきましてもその検討の必要性について言及いたしております。特に、将来の高齢者雇用というものを念頭に置いた場合には、給与のカーブのあり方がどうあるべきかということにつきましては引き続いて検討してまいりたい、かように思っております。
  45. 合馬敬

    合馬敬君 それから、これはぜひ大蔵省、自治省にお伺いしておかないといかぬと思いますが、先ほどからの議論のように、人事院勧告は今年度完全実施してもらうということで、財源の手当てですね、これは当初予算で一%分ですか計上されておると聞いておりますが、十分な手当てがいっておるのかどうか。先ほどから聞きましたように、これは地方公務員もすべて含めてということに結果的になるわけでございますが、大体全体でどのくらい財源が要るものかどうか、国、地方を通じて試算したことがあるんでございましょうか、これをぜひお知らせ願いたいと思います。
  46. 増井喜一郎

    説明員増井喜一郎君) お答えいたします。  平成年度の予算でございますが、給与改善費、一般会計ベースで一・五%分、千四百五十二億が計上されております。また、これは私どもというよりも地方公務員の方でございますが、地方公務員給与改定に要する一般財源が約二千四百九十億見込まれるというふうに伺っております。また、国家公務員の方でございますが、人事院勧告完全実施に要する財源は約千三百七十億円、これは一般会計ベースでございますが、見込んでおります。
  47. 合馬敬

    合馬敬君 今の給与改善費の中には、定昇分は入っておるんですか。
  48. 増井喜一郎

    説明員増井喜一郎君) 今の分は、定昇分というよりも一・五%の給与改善分でございます。
  49. 合馬敬

    合馬敬君 理解は、含めてということでいいんですね、理解は。
  50. 増井喜一郎

    説明員増井喜一郎君) そういうことでございます。
  51. 嶋津昭

    説明員(嶋津昭君) 自治省の財政課長でございます。  ことしの人事院勧告地方公務員所要額につきましては、俸給表改善分一・九%分と、期末勤勉手当の減額分を差し引きいたしますと二千四百九十億円でございまして、それに対しまして、国と同様、地方財政計画におきまして、給与費の上で一・五%分二千六百三十億円の給与改善費を計上しております。
  52. 合馬敬

    合馬敬君 それから、時間がありませんので、ぜひ聞きたいところだけ先につまみ食い質問をさせていただきます。  私は、今の公務員処遇改善ですね、いろいろ言われておりますが、その中で一番やっぱり問題なのは、公務員、特に管理職クラスの定年前の実質強制退職といいますか、これがやはり非常に公務員の人事制度の弊害をつくっておるんじゃないかと思うわけでございます。  役所の組織というのはヒエラルキーでございまして、特別身分関係でございますと、だんだん上にいくほど整理していかなければいけないという必然的な理由もあるわけでございますが、それにしても、管理職になればなるほど、もう五十代ですね、場合によっては五十代前半から整理が始まって、そして無理な天下り、これをやらぬといかぬ。そうすると、今言われておるように、政官財の癒着というんですか、そのポストも確保しなければなりませんから大変な弊害が出てくる。  私は、こういう点につきまして、やはり公務員としてそれだけの能力を身につけ、まじめに働いてきたわけでございますから、管理職を外してでも公務員としての活用というものを積極的に図っていくといいますか、そのあり方を考えていかなければいけない時期ではないかと思いますが、これについてのお考え方をお伺いしたいと思います。  これは人事院にもお伺いしますけれども、ぜひ総務庁長官にもこれからの公務員制度のあり方、いわゆる管理職の若年実質強制退職、これについてどうお考えか、そのお考え方をぜひお聞きしたいと思います。
  53. 山崎宏一郎

    説明員山崎宏一郎君) 組織の活性化の観点から、職員の同意を前提に一定の勧奨退職が行われておりますけれども、その勧奨退職の意義というのはもちろんございますけれども、どうしても強制的なようなことがないようにとり行われておると理解しております。  ただ、問題は管理職を外してまでということでございますけれども制度的に職員の分限という制度もございまして、同意が必要になるというようなことが一方でございます。それから、ただそれはそれといたしまして、公務に長年携わってきた職員を今後公務部内で活用をできるだけしていくべきだというような御意見も一方でございますし、あるいは同期の職員が一斉に退職するのはそろそろ再検討してはどうかというような御意見も出てきておるのは事実でございます。  それらの問題は真剣に受けとめるべき問題であるんではないかと考えておりますけれども、今後、高齢社会に向けて公務員制度をどう考えていくかというような検討の中で、関係省庁等とも意見を交換しながら、幅広い観点で公務員の活用方策について検討していく必要があるというふうに思っております。
  54. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) ただいまの先生が御指摘になりました公務員の高齢者、これからどう考えていくべきか、大変重要な問題だと総務庁としても認識をいたしておるところでございます。  ただ、公務全体のことを考えてみますと、やはり能率的な運営ということも大事なわけでございますので、組織の新陳代謝といいますか、そういったものも当然加味して考えていかなければならない問題である、この点も重要であるというふうに思っているところでございます。  定年前の職員に対する退職勧奨といいますかそういったものもそれぞれの省庁実情に応じて行っているところでございまして、やはり新陳代謝等を考えますとやむを得ない場合もあるだろう、例外的にそういうふうなこともあるだろうと思うわけでございます。ただし、定年前の職員の問題については、なんといってもその職員の意思が尊重されなければならないわけでございますから、そこのところを間違ってしまうと大変なことになるというふうに思っておるところでございます。
  55. 合馬敬

    合馬敬君 この問題について、ぜひ長官、また真剣な御検討をお願いいたします。  それから、そういった問題の解決の一環として官民人事交流の話があるわけでございますが、私保はこれは公正公平な行政を進めていくためにも、やはりこの官民人事交流というのは促進をしなければならぬというように思っております。特に、若年のときに官から純然たる民間企業に出向するといいますか、働きに行く、そしてまた官に戻れる、こういったような制度を私は幅広くつくるべきであると、こういうように思っておりますが、これについてのお考え方なりをお聞きしたいと思います。
  56. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 官民交流につきましては、現在の制度として研究休職の制度あるいは共同研究への派遣休職の制度が用いられているほか、これは平成年度に創設したものでございますが、民間企業の業務運営手法あるいは発想方法等を修得させることを目的とする民間派遣研修、その活用を図っているところでございます。  ただ、民間との交流でございますが、官民間の相互理解の促進、人材育成等、その面では非常に有効であり、さらに促進をすることも必要であるとは考えておりますが、そのためには条件整備を図る必要がございまして、過去におきましても服務の問題、あるいは退職手当等の取り扱いの問題が指摘をされたこともございますし、それらを踏まえまして今後とも関係省庁意見交換を図りながら検討を進めていく所存でございます。
  57. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 今、先生指摘の官民間人事交流につきましては、本年度人事院勧告においてもその必要性指摘されているところでございますが、現在行革審においていわゆる縦割り行政の弊害の是正の観点から、これについても鋭意御検討をいただいているところでございますので、この行革審の最終答申を拝見しながら総務庁としては鋭意検討してまいりたい、このように思っているところでございます。
  58. 合馬敬

    合馬敬君 もう時間が来ましたけれども、あと一問だけ。  高齢化社会を迎えまして、今回の人事院勧告の中で、六十歳の定年を迎えた公務員のそれぞれの能力を生かしての再任用について早急な検討を行う、私はこれは大賛成でございます。ただ、実施に移りまして、うまくそういった人をはめ込む仕事ができるかどうかこれまた大変非常に難しい問題であると思いますが、一面では組織も新陳代謝といいますか若返っていかないといけないという問題もございますし、そこら辺の調和問題についてこれからどういう点を考えていかなければならないのか、これをぜひお聞かせ願いたいと思うわけでございます。  それに関連いたしまして、今厚生年金の支払い開始年齢の引き上げというのがこの前の閣議決定でも行われまして、これに連動して公務員の共済年金についても同じような考え方が出されております。そういったようなことになりますと、将来的には今の六十が六十五歳まで平成十年になれば男子の場合は上がっていくと、もちろん経過措置もあるのでございましょうが。ただ、そのときまでに今度は公務員雇用制度が定年制を含めてどういう検討が行われておるのか。そこら辺の関係を、これは大蔵省でございますか、御説明お願いしたいと思います。
  59. 飯原一樹

    説明員(飯原一樹君) まず、共済年金の支給開始年齢の御質問についてお答えをさせていただきます。  今後、高齢化が急速に進展していく中で、必要な年金水準を維持しつつ後世代の負担を適正な範囲に抑えていくためには、現行の支給開始年齢を見直していくことが次期改正の最も重要な課題と考えておりまして、厚生年金につきましてはこの問題は現在年金審議会におきまして審議中でございます。  共済年金保につきましても、平成元年三月の閣議決定におきまして、厚生年金と同様の措置を講ずることとされておりまして、今後はこの閣議決定の趣旨を踏まえて、共済年金につきましても適切に対処することといたしております。
  60. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 公務における六十歳代前半層雇用につきましてお答えを申し上げます。  これは現行の定年年齢は維持をしながら、新たな再任用の仕組みを導入する形で進めていくことが適当である旨をこのたびの報告指摘をさせていただいたところでございます。  公務における高齢者雇用を国民の理解を得ながら進めていくためには、組織としての新陳代謝との調和は最も工夫を要するところでございまして、新たな再任用の仕組みによりまして六十歳を超えて雇用する道を開く際には、六十歳までの雇用を前提とした従来の昇進管理システムというような人事の諸制度、諸慣行のこれは見直しが当然に必要になるわけでございまして、各官庁に対しましても今後は採用計画、あるいは昇任管理や退職管理等の人事管理の見直し、あるいは職域開拓等々の工夫が必要であることをいろいろな機会お話を申し上げているところでございまして、人事院といたしましても各関係者と協力をしながら公務員制度上必要な対応を進めていく所存でございます。
  61. 合馬敬

    合馬敬君 終わります。
  62. 守住有信

    守住有信君 自民党の守住でございます。  以前一年間内閣委員長をさせていただきまして、余り質問ができませんでした。理事会、理事懇どまりでございましたので、きょうは平委員として。合馬理事からお話がいろいろございましたので、なるべく重複は避けます。  せっかくお手元に「給与勧告の骨子」というのが出ております。もう基本論の方は合馬委員がおやりになりました。今度の人事院勧告、非常にきめ細かい点が入っておるなと思います。看護婦さんとか若手研究員等への配慮とか、あるいは単身赴任の長距離の諸君たちの手当のアップとか、次の方は医師の初任給調整、それから特に中途採用者初任給、私もかつて人事管理を現業公務員についてやっておりました。最初のとき、中途採用ですね、これが三十代、四十代でみんな景気が悪いときに郵政、郵便局で働きたい。ところがその初任給は、現業公務員も団交でやりますけれども、やっぱり人事院勧告を念頭に置いてやりますので、こういう点も人事院みずから初任給決定方法について手を触れられたというこの改定。  それから特に今も出ておりましたけれども、週休二日、代休制度、休日の代休の仕組み。私どもも交代制勤務でございましたので、その代休の仕組みというのを労働組合との間で長い間やってまいりまして、今の郵便局は一生懸命働くと。全逓の諸君も、かつては私も首切り朝右衛門で大分やりましたけれども、随分運動方針が変わりまして非常によくなったということを痛感しながら、そういう中でこれは非現業の職員も交代制勤務があるわけです、看護婦さん初めもろもろ。  そういうことを思いながら、人事院の方からこういう制度の新設、特に介護休暇制度民間は進んでおりますが、やっと人事院国家公務員についてもこういう制度をおやりになる。したがって、それが地方公務員にも介護休暇制度、もちろん無給でございます。いろいろ論議がありましたけれども、無給制度としてまずこういう介護休暇制度も浸透していくということについて敬意を表します。  同時に、今出ました六十歳前半層の再雇用という仕組みでございますね。これは民間はとっくに導入いたしておりますので、どの程度普及したか知りませんけれども、当然人事院としてもここで明確に今後に対する取り組み、もちろん雇用と年金の連携の問題、非常に複雑で難しい問題です。人事院として再任用の仕組みを設ける、こういうのを今度は私は人事院に対して問うわけじゃございません。政府側としてどういうふうにこれを受けとめになっていかれるのか。  特にもう一つ最後がございます。この縦割り行政を横割りにして、中堅幹部から上級の方まで各省庁横断的に総務庁人事局を中心にやられ出しました。これは昔はなかったんですね。ちょぼちょぼだったけれども、六十二年、六十三年、平成に入って非常にこういう仕組みが具体的になって、いわゆる国家公務員の各省庁の中堅幹部以上の諸君が他省庁との交流の研修の中で、あるいは外国との研修も含めましてこういう動きになったということに非常に私は、この間も報告を聞きまして、これをますます広げていただきたい。  特に最後の「研修の充実」、これにつきまして、実は総務庁を初め、内閣にも外政審議室、内政審議室、安全保障の問題は後でいたしますけれども、そういうふうなものがどんどん動いております。ひとつ官房長官を中心に、総務庁が御担当でございますけれども、各省庁の縦割り行政を中堅幹部時代から、人事の交流もありますけれども、研修の場を通じていろんな情報、仕組み、これをマインドの中に入れ込んでいくということを特に私は、最後の項目でございますが、これにつきまして御意見あらば、特に石田長官の御意見をお伺いしたいと思います。
  63. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 守住先生にお答えを申し上げたいと存じます。  先生指摘の縦割り行政の弊害を除去するというのは極めて大事な観点だと思うのでございますが、まず公務員としましては、やはり政府の一員として総合的、効率的な行政運営に努めるということが基本的な考え方でなければならないわけでございます。  そういった意味におきまして、第一種公務員の初任研修等を行っていることは先生御存じのとおりでございます。今前段に申し上げました目的の中で、採用時においてこの研修をまず行っているところでございます。  それから、先ほどもちょっと人事院総裁の方からお話が出ましたけれども、政府の政策にかかわる職員及び将来の行政の中核的要員となる、そういった職員に対しては官民幹部合同セミナー等に参加することを奨励いたしておりますので、その点の充実も極めて大事な問題であろうというふうに思っておるわけでございます。また、先生御存じのとおり、外国にもそれぞれの大使館にそれぞれの省庁から派遣されている例もございます。  いずれにいたしましても、そこら辺の先生の御意見を踏まえて、さらにまた行革審が恐らくこの問題についても、今度の最終答申で何らかの方向を示唆してくれるものと思っておりますので、そういった点を勘案しまして鋭意進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
  64. 守住有信

    守住有信君 人事局の方からの資料を拝見いたしましたけれども、前からあったのは国家公務員合同初任研修、1種試験採用者を対象とする。それから管理者啓発課程、本省庁課長クラスを対象、年一回、三週間ぐらい、これは各省庁一人でございます。それから管理者要員啓発課程、本省庁課長補佐クラス、これも年一回、二週間程度で二、三十名でございます。  それから、六十二年に入りまして、さらに各省幹部懇話会、本省庁官房長、局長クラス及び審議官クラスを対象、これは非常に小さく年五回。しかし昼を挟んで皆業務をやっております。そういうやり方で各省幹部懇話会。これは六十二年度から実は始まっておるわけでございます。  それから、さらに平成元年に至りまして、官民幹部合同セミナー、本省庁局長クラス及び審議官クラスを対象、年二回、一泊二日。そして、そこには各界有識者も入る。こういう仕組みにだんだんなってまいりましたが、まだちょっと規模を聞きますと、それは公務をやりながらということでございますけれども、合間合間があるわけでございます。立法の前とか予算編成の前はこれはやむを得ません。しかし、それ以外の期間があるわけですから、石田長官、行革審の答申を得たぬでも具体的な細目はやっぱり省庁の幹部が指揮をとって、単に調整だけでなくて推進官庁に、実は国土庁長官にも、この間災害対策委員会を三十一日にやりましたけれども、調整官庁であると同時に推進するという役割を、大いにリーダーシップを発揮していただきまして、せっかくいい仕組みが、芽が出ておる、六十二、三年ごろ、平成と。そこで、これをもっと強力にいい知恵を出して、民間の有識者の意見も入れてやっていただくこと、これは私どもの切実な希望、意見でございます。  そして、そのことを同時に内閣官房長官としても、副長官その他いらっしゃいますが、細川総理へもそういう意見をどうぞひとつお伝えいただきまして、こういう仕組みでいろいろな行政能力を縦割りから横割りへ、多面的、多層化、情報化時代でございますので、どうかそれをよろしくお願い申し上げる次第でございます。  時間が余りありませんので、今度は防衛の方へ移らせていただきます。  合馬委員も御指摘になりましたが、私は労働一号で日本人が北朝鮮にやっと目を向けるようになった、こう思っております。実は、昔の防衛白書にはちょっとしか書いてなかった。一番最初はスカッドBミサイルでございます。スカッドBはソ連時代に北朝鮮に貸与したミサイルでございまして三百キロ、よくソ連は考えておったなと思います。三十八度線から描いておりましたら釜山まで来ますけれども我が九州の対馬までは来ないんですよ、ちょうど三百キロ。そのころみんな関心なかった。その次はスカッドCという、これ六百キロなんだ。六百キロだと我が九州は全部入ってしまう。  それからさらに、スカッドBからCへ、いわゆるCの改良型、そして労働一号は一千キロ。きょうの日経あたりにもはっきり出ておりますけれども、これは北朝鮮じゃなくて韓国の方の朝鮮日報その他アメリカの情報で今度は千三百キロから千五百キロヘ至るような今研究開発を努力中だ。一千キロのやつは日本海ではあんとなったけれども、日本の防衛庁も日本国民もその情報は一切知らない。これがあるわけです。  私自身実は通信をやっておりましたので、電波、レーダー、こういう世界から防衛庁に例えて思い出しますと、硫黄島に自衛隊の基地がありますが、これと通信できない、昔の長波だけでございますからね。それをちょうど電電公社でございましたが、衛星通信を開発しましたね。この衛星通信利用というときになりましたら、衛星は、宇宙は平和利用だということで、自衛隊の皆さん方は通信ができない。生活もあるわけですよ、カンボジアではちょうど衛星通信を使いまして、KDDのあれを使って家庭との通信、料金が高いとかいろいろありましたけれども通信ができた。我が国の中に硫黄島の通信基地がある。それと自衛官の生活も含めて、今のNTTのトランスポンダを使って国内の防衛網とアクセスする、こういうのもございました。  それからまた、申し上げますけれども、えびのの潜水艦通信基地、我が国が潜水艦何隻持っておるか御承知でございますか、あの潜水艦通信基地、潜水艦は海の中に潜ります。したがって、いわゆる普通の電波では海の中ははね返すわけでございます。入りません。ところが、古い型の超長波という電波だけは海面以下二十メートル、三十メートルまで入るわけでございます。そして、それは何を伝えるかといいますと、機密情報じゃございません。全部傍受されておりますよ、電波はみんな傍受されておるんです。問題は気象情報、どこで台風が発生した、国内の水害、災害予報もありますが、潜水艦に乗っておる自衛隊の諸君は海の中に入っておるわけで、危険だとか、どこで台風が発生したか、どうしなさい、こういう指図すらできない。  そこで、やっと宮崎県のえびので、何年前ですか、潜水艦通信基地、VLF、超長波でございますね。そのとき、はっきり申し上げますが、社会党の熊本二区、個人名は申し上げませんけれども、落選されたけれども、水俣病なんかに一生懸命だったあの方が反対。それで、当時の土井たか子社会党委員長も見えまして反対運動、何にもわからない成人式の日に社会党の車の横にVLF反対、それで核が落ちてくる、何か日米軍事基地化だとか、こういうデマゴギーを飛ばして(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)いやいや、そういうことは事実ですよ。証人も呼んでくれ、今落選しておるけれども、馬場君を。  まあそういうことがありまして、一生懸命になってやりました。そういう積み上げの中で、私は通信屋でございますけれども、電波、レーダー、レーダーもみんな陸上系のレーダー基地をずっとつくってこられたんです、いろいろ疑惑があったとかという経緯もあったけれども。ところが時代は違う。そして航空機、AWACS、半径三百キロ、これがまだいろいろ御意見が、沖縄の方なんかは閣僚の一員でいらっしゃいますので、これは個人の意見と閣僚としての意見は云々という細川総理の何かもあったようでございますけれども、私は防衛庁の諸君がもっとそういう啓蒙運動をやらにゃいかぬと思う。  さらに内閣にも広報予算が大きいのがございます。御承知のとおり相当な金額です。それと防衛庁の広報、啓蒙運動と一緒にしてやっていくというか、電波は見えませんので、外国、北朝鮮は特にどのような開発をしておるかというのは見えないわけです。我が国はスパイ防止法もなければ国家機密法もない。その中でどうやって国民に啓蒙運動をしていかれるのか。私は防衛白書の、白書はこんな厚過ぎるから読まぬのだよ。あの中で極東の範囲だけでも抜き出して、あるいは、ミサイルならミサイルだけでも抜き出して、まさしく合馬君が言うように専守防衛ですよ。そしてウサギの耳、私は昔からウサギの長い耳出して、あのころはソ連だったけれども、どこに戦車がいるとか、偵察衛星でそれを捕捉する、そして備える。  こういうふうないろいろな考え方を言っておりますけれども、そこらあたりに対しまして、防衛庁と官房長官内閣として、そういう日本の周りのいろんな動きに対しまして啓蒙運動が非常に大切だと思っております。イデオロギーなしで、啓蒙運動、事実に即して、こういう点について防衛庁と内閣官房としてはどういうふうなお取り組みで今後やっていかれるのか。特に国民にわからせにゃいけません。そこをぜひとも御質問申し上げる次第でございます。
  65. 村田直昭

    説明員(村田直昭君) 我が国周辺の軍事情勢あるいは我が国の防衛の実態というようなことについては、当然のことながら国民の御理解を得て防衛力整備を進めていくという観点からも実態を明らかにすることが必要であり、私ども先生今白書について若干不足であるということも申し述べられましたけれども、私どもとしては、毎年白書によって我が国周辺の実態というものを明らかにすることによって国民の御理解を得るよう努めておるところでございます。  内容の精査あるいはさらに充実すべき点というようなことについては、年々白書を刊行するたびに、その上の国民の意見等を聞くような仕組みになっておりまして、そういうものに基づいて改善を加えてきておりますけれども、さらに改善を要する点についてはこれからも一層努力してまいりたいと思います。国民の皆さん方の御理解を得ていくということが必要であることについては、私どもとしても全く同感でございます。
  66. 武村正義

    国務大臣武村正義君) お話を承りまして、おっしゃるとおりだと思って拝聴いたしました。  長い間の平和の中で平和が当たり前といいますか、国の安全が損なわれることは実感としては余り予想ができないぐらいの状況に我々はなりがちでありますが、そういう中で万一のことを絶えず考えながら国の安全に努めなければなりませんし、そのことの教育、啓発に御指摘のとおり政府としましても一層意を用いてまいりたいと存じます。
  67. 守住有信

    守住有信君 防衛庁も予算が足らぬのなら広報、啓蒙、啓発を内閣と一緒になって、内閣の広報予算は何ぼですか相当な金額と聞いておるが、いろいろもろもろあるでしょうけれども、その中でやっぱり基盤をなすもの、前に国土庁長官こうおっしゃいましたよ、防災は国民の人命、身体、生命を守るということでございますと、私は重ねまして、それにプラスして国内の治安、社会秩序、それと防衛、もちろん外交と絡ませての防衛でございますけれども、その三つが一番の国民を守る、ちょうど申し上げました、私は住まいを守る守住でございますので、国民の住まいを守る、生活を守ると、こういう意味で細川さんが知事のときからわあわあ言ってきました。原点は同じなんです、聞きようが違うだけで。(「何を聞きたいんですか、先生」と呼ぶ者あり)いや、そこで言いたいのだ、私は。聞きたいんじゃない、討論の場でなきゃいかぬ。質問だけして官僚から答弁だけ聞くようじゃだめ。数字は官僚でいいがね。  そういう意味で、きょう石田長官もいらっしゃいますし、防衛長官はモザンビークヘ行っていらっしゃいます。立派なことだと思っております。と同時に、この極東の範囲内、特に北朝鮮、そして中国は御承知のとおり陸軍は縮小いたしますが、海軍の強化、空軍そしてミサイルの強化へ向かうわけでございます。あの北朝鮮の動きを当然に中国側も心得て、陸軍の方は減らしまして、海軍は南沙群島、西沙群島その他。それから、空軍はミサイルの強化、防衛庁の専門家はよく御承知と思いますけれども、それをいかにして各界各層の、政治家はもちろん地域の皆さんにどうやって正しい認識を深めていくか。  これは専守防衛でございますので、要撃ミサイルですから途中で打ち落とすんですよ、日本海や東シナ海、我が九州の前。こっちがしかけて弾道弾をぶち込むんじゃありません。向こうが打ってきたやつを海の上で、来たらばあんですよ。まして核と結びついたり。日本人は核の問題だけは非常に神経質ですが、ところがこのミサイル、ロケットについては余り御関心がないと、こう思っております。それを途中で打ち落とす。そのためには今までの地上系のレーダーでは捕捉できない。そこでまず移動が始まりましたな、AWACSという。これでも捕捉できない。  したがって、衛星を使わなきゃならない。私も衛星少しゃってきましたけれども、そういうのとセットにするという発想がアメリカで。そして、申し上げておきますが、日本にあるペトリオットミサイルといいますな、私はあれは湾岸戦争のパトリオットミサイルと同じ仕組みだと思っておった。イラクがアラブ連邦を飛び越してイスラエルまでぶち込みましたな。あのとき打ち落としたのは全部じゃなかったけれども、パトリオットミサイルで何十か打ち落としていた。二十ぐらい打ち込んだのを幾つぐらいだったかな、確率は四割ぐらいだった、たしか。  日本ではペトリオットミサイルというものだから、私はあれだと思っていた。ところがどっこい、ペトリオットというのは、空軍に対して我が本土から打ち落とせる。空軍が迫ってきたときに打ち落とせるミサイルなんですよね。そして、どちらかというと北の方ばかりに配置しちゃいましたな、北海道その他、ソ連ばっかり見ておったから。北朝鮮なんか見てなかった。我が九州はやっとこの間、春日基地にですよ、従来型のペトリオットミサイルを春日基地に。そうしたら、福岡県の皆さんもう反対運動やっておった。いや知っていますよ、九州の中でございますから。  そういう現実というものがあることを御承知いただきまして、熊本県も福岡県のあれも反対運動になったんですよ、自衛隊の春日空軍基地に、飛行機を落とすミサイル、ペトリオットがやっと九州にワンセット来る。ところがもう反対だと。よっぽどこれはもう地方自治体まで含めて啓蒙運動をやらにゃいかぬということを私は地域社会の最前線で痛切に感じております。  第八師団長とか西部方面総監部の横地君とかともいろいろ専門知識を得ながら、あるいは北朝鮮についての深い情報の「現代コリア」とかいろいろ韓国系の人たちからも、これは質問でなくて私の思いでございます。よくお受けとめいただきまして、大いに防衛庁も内閣と一緒になって頑張っていただくことを切にお願いをいたしまして、質問を終わります。
  68. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 日本共産党の聴濤です。自民党よりは野党としてはしにせでございます。  最初に人事院勧告の問題について質問をいたします。  ことしの勧告給与部分の最大の特徴は、先ほどもちょっと質問がありましたけれども平均一・九二%という引き上げ率の非常な低さ、それと期末勤勉手当、すなわち一時金のカット、五・四五カ月から五・三カ月という十五年ぶりの切り下げであります。公務員の方々から、これでは実質賃金の改善にならない、到底納得できないという声が上がっていることも私は承知しておりますが、まずこの点について、人事院総裁としてこういう声をどのように受けとめておられるかお伺いしたいと思います。
  69. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 御承知のとおりでございますが、人事院給与勧告では、期末勤勉手当につきましても月例給につきましても民間との均衡を考慮して決定をいたしているところでございます。本年の勧告では、先ほど来お話のありますように、一・九二%の改定率、それから期末手当の〇・一五カ月分の引き下げという内容になっておりますけれども、これは厳しい民間の実態を反映したものとして御理解をいただきたいと思うわけでございます。  また、具体的に一時金の問題について申し上げますと、事業所ごとに前年の五月から当年の四月までの間の民間における特別給の支給総額と給与月額の支給総額とを調査してこれを積み上げてまいりまして、全体として特別給が平均給与月額の何月分に相当するかを算出いたしております。  したがいまして、俸給等の改善率が低い水準でございましても、民間の特別給の年間支給月数が下がっている場合には、従来同様これは期末勤勉手当の年間支給月数をそれに均衡させるように引き下げることが当然のことであると考えているところでございまして、確かに従来から見ますと本年の勧告につきましては低いという感じは持たれると思いますが、これはあくまでも厳しい民間給与の実態を反映したものとして御理解をいただきたいと存ずるところでございます。
  70. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 今、民間との均衡ということを強調されましたけれども、例の期末手当勤勉手当、一時金については民間にはない切り下げ、低下になっているということは民間との均衡という建前からいってもこれは矛盾するんじゃないかというふうに思うんです。一・九二%のベースアップ部分を考慮しても絶対的に減少する。  ところが、労働省の調査では、九二年夏の民間での一時金の対前年度伸び率というのは二・七%伸びている、年末は○・二%伸びているということですから、建前からいってもやはり矛盾すると私は思うわけです。やはり一時金の切り下げというのはやるべきではないというふうに私は思います。  その点で、私は総務庁長官にお伺いしたいんですが、実施される側といたしまして、この一時金の切り下げというのは中止して実施すべきではないかというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
  71. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 一時金の切り下げ部分について、それは民間にはないではないかというお話でございますけれども、私どもとしましては、第三者機関である人事院官民給与実態のさまざまな調査に基づいて社会全般の状況に適合した形で勧告をされておるわけでございますので、一・九二%という数字を考えましたときもそういった切り下げを含めての勧告であるというふうに受けとめざるを得ないわけでございますので、もし人事院がそういう勧告をしておられるのに対して総務庁が勝手にその問題について何らかの措置を加えるということになりますと、人事院勧告基本的に尊重するという精神にもとることになりますので、総務庁としてはその点はできないというふうに考えざるを得ないところでございます。
  72. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 今までも人事院勧告完全実施ということがよく公務員の方から出ておりましたけれども、それは人事院勧告してもそのとおりに実施されない、要するにダウンした部分で実施される、だから完全実施をということになっていたわけです。ですから、勧告があっても従来政府としてはその勧告どおりやらないというケースはあったわけなんですから、逆に引き下げるときは勧告どおりにはやらないで、引き上げるときには勧告がそういう低いところでやったんだから、この点で従うというのではちょっと理屈が通らないんじゃないかと私は思うんです。  簡潔に言って、切り下げには勧告どおりに従うが切り上げには勧告どおりにはやらないということになると、これはおかしなことになるんじゃないかと思うんですけれども、その点につきまして、基本的な認識で結構です、ただ変更権がないということだけではない説明をお聞かせいただきたいと思います。
  73. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) この給与ベースの問題については、やはり経済社会全体の景気の問題にも当然かかわってくるわけでございますし、現在のこういう情勢の中では、私は人事院勧告のあり方ということも踏まえて適切な措置ではなかろうかと思います。  したがいまして、現在発足しました細川政権としましては、政権のスタートでもございますし、そういった人事院勧告完全実施早期実施ということをあくまでも貫いて対処すべきであるというふうに思っているところでございます。
  74. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 時間がございませんので、私は一時金の切り下げというのは中止して実施すべきだというふうに思うということを申し上げて、次に官房長官にお伺いいたします。  国連常任理事国入り問題についてお伺いします。  細川首相は二十五日に国連総会に出席するために訪米をされます。今度の国連総会で日本の安全保障理事会の常任理事国入りの動きがあることは周知のとおりでございます。この問題について国連総会で首相はどのような態度を表明するのか、基本的な姿勢についてまずお聞きしたいと思います。
  75. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 安全保障理事会につきましては、世界の平和と安全に対し責任を有する機関として一層の機能強化が必要になってきております。そのためには、世界の繁栄と安定のために貢献する能力を持つ加盟国の資源を積極的に活用していくことが必要であると考えます。  我が国としましては、今後とも安全保障理事会においてできる限りの責任を果たしていくという考え方であります。
  76. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 御承知のことと思いますけれども、安全保障理事会というのは国連憲章二十四条で明記しておりますように、国際の平和、安全の維持に関する主要な責任を負う、こういう機関であります。その安全保障理事会の中の常任理事国はその中心的役割を果たすということはもう言うまでもありません。そこから日本として大きな問題が出てくると思うんですね。  第一に、国連の平和維持活動について常任理事国として日本が決定に参加する、非常に重要な決定的な役割を果たす。ところが同時に、憲法制約上その決定した軍事行動には日本は参加しないという問題が起こってくる。そうすると、これでは常任理事国として責任が果たせるのか、これは論理上のことでございますが、そういう非難というのが起こってくるということは当然あり得ることです。現に、新聞報道によりますと、アメリカのロス上院議員、それからコンラッド上院議員が端的に、日本は憲法改正してから常任理事国に入れ、こういうことを主張しているということを新聞で私は読みました。これは当然の主張だというふうに思います。  こういう大きな矛盾にぶつかるという点を政府はどのように考えておられるのか官房長官にお伺いしたいと思います。
  77. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 御承知のように、国連憲章第四十七条の明文の上では、軍事参謀委員会は安保理の常任理事国の参謀総長またはその代表者で構成をされて、同委員会は国際の平和と安全の維持のための安保理の軍事的な要求や、理事会の自由に任された兵力の使用や指揮等につき安保理に助言及び援助を与え、さらに兵力の戦略的な指導について責任を負うということになっております。  戦略的な指導内容については、現在同委員会の実質的な活動は行われておりません。憲章第四十二条に基づく特別協定もいまだ結ばれておりませんので、現状ではいかなるものになるかについては不明としか申し上げられません。  また、安保理改組後の常任理事国の権限や義務につきましてはさまざまな態様があり得るわけでございますが、現時点において一定の権利義務を前提として憲法との関係を云々するのは適当でないと考えておりますし、いずれにしましても我が国には憲法がございますから、憲法の枠内で安全保障理事会にかかわっていく、その中で責任を果たしていくということだと考えております。
  78. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 私、まだ四十七条までの質問はしていないんですけれども、一般論として申し上げた点ですが、四十七条のことについて長官がお触れになりましたので、四十七条に沿って次の質問をいたします。  憲法の枠内、憲法に沿って活動していきたいとおっしゃいましたけれども、この四十七条の問題というのはそもそも憲法と矛盾してくる。常任理事国の本来的な性格からいって、これは憲法と矛盾しない、あるいは矛盾しない範囲でやるということは、これは事実上不可能だというふうに言わざるを得ないと思うんです。というのは、四十二条でもって国連軍が結成される、軍事制裁をとる、国連がそういう決定をした場合に、そこでは軍事参謀委員会というのがつくられて、そしてその軍事参謀委員会がその国連部隊、国連軍を使用し、指揮していく、こういう権限が軍事参謀委員会に与えられる。それでその軍事参謀委員会へはだれが入るのかといえば、常任理事国がその軍事参謀委員会に入るというのが四十七条であると私は理解しております。  そうしますと日本は、常任理事国に入った場合にはこの国連軍の指揮監督に当たるということになるわけです。対外的に日本が武力を行使してはならないというのは、これはもう政府が一貫してとってきた態度であります。その国が軍事参謀委員会のメンバーとして国連軍を指揮するということ、これが憲法上完全に両立しないということは私は明白だと思うんです。  極めて簡単塗言葉で言えば、常任理事国になるというのは、その国で軍隊を持っている、その軍隊が海外に自由に出動できるそういう国、これが常任理事国になる、それはもう当然の前提ということでつくられているのが四十七条だと私は思います。  そういう点で、まだそういうものができていないからと長官は言われましたけれども、では、できた場合どうなるんだ、当然そういう問題が起こってきまして、これはできていないから憲法違反じゃないんだと、できていないから憲法の問題は今のところこっちへ置いておいていいんだという問題では私ないと思うんです。原理上の問題だというふうに思うんですが、もう一度、長官の御見解を聞かせていただきたいと思います。
  79. 武村正義

    国務大臣武村正義君) この委員会は、今まではまだ実質的な活動を行っていないわけであります。今、安全保障理事会のあり方について国連で論議が行われているところでございまして、日本はこの議論には参加をいたしておりますが、改組が行われたとしましても、常任理事国に入るか入らないか、これはまだ明らかではありません。また、議論の中では、常任理事国のあり方も拒否権等々も含めて議論が行われているようでございますから、今までの安保理の常任理事国とイコールというふうに必ずしも決めてかかることができないような感じもするわけでございます。  いずれにしましても、少なくとも今までの安保理の常任理事国と同じような仮定の上で日本がそれに参加するしないの論議はする必要はない、お答えする必要はないと、私はここでは思っております。
  80. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 今、私述べましたように、本当にこの常任理事国入りというのは、日本が経済的に大きな国になったからまあいいだろうというような調子のものではない、日本の憲法の問題と本当に原理的に問題になってくる、そういう重大な問題であります。ですから、国会で十分な審議をすることを当然の前提として政府は対外的な発言をすべきだというふうに私は思います。そういう意味で、今度の国連総会でこの入る云々という問題については総理が言及すべきでないというふうに私は考えます。  もう本当に時間がございませんので、最後に一問、例の侵略戦争問題について一問御質問をいたしたいと思います。  細川総理が、周知のとおり、八月十日の記者会見で、日本が行った戦争は侵略戦争であった、間違った戦争であったというふうに述べました。これに対して韓国だとか中国の新聞論調では、この点が自民党政権と大きく違う点だ、日本の首相として初めて言明したことだという論評が起こったほど、アジア諸国に大きな反響を呼び起こしました。ところが、国会の所信表明では、侵略行為あるいは植民地支配ということで、侵略戦争であったという認識は、そういう言葉は少なくとも所信表明ではございませんでした。  日本共産党の不破委員長が、これは極めて重大な後退だということを本会議で述べました。それに対して首相は、いや、そうじゃない、同一の認識だ、後も先も同じ認識だ、変更ではないと、こういうふうに述べられましたが、官房長官もこれは変更ではないというふうにお考えでしょうか。
  81. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 総理がそうおっしゃっておりますから、総理の考えはそのとおりだと思うのでありますが、過去のその国の行為に対する認識は人によってさまざまでございますし、その人の歴史観、世界観によって表現されるものでもあるわけでございます。細川総理がこういう表現を用いられたのは、さきの戦争が多くの人々に対し耐えがたい苦しみや悲しみをもたらした戦争であったという認識から出た言葉ではないか、私はそういうふうに拝察をいたしております。
  82. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 聴濤君、時間ですので簡単にお願いします。
  83. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 最後に一言。  内閣でこの問題について一人一人いろいろな違いがあるというふうに言われると、これは内閣としての統一的な考え方はどうなんだということが求められるのは当然だというふうに私は思います。  時間がございませんので、これで私の質問を終わります。
  84. 翫正敏

    ○翫正敏君 社会党の翫正敏です。  武村官房長官がせっかく提案しておられます小選挙区並立制について、私絶対反対をしておりますので、お見知りおきのほど、よろしくお願い申し上げます。  防衛庁に質問したいんですが、先ほど自民党の委員質問をしました中に、隣国から弾道型のミサイルが飛んで来る危険があるということと、それからAWACSの購入の問題ということとを結びつけて質問がありましたのでちょっと確かめたいんですけれども、AWACSを購入しましてそれを飛ばして空へ浮かべておきますと、某国、どこでもいいですけれども、近くの某国がそういう弾道型のミサイルを飛ばすというようなことについて、それを防御することが可能ですか。
  85. 村田直昭

    説明員(村田直昭君) AWACSを今鋭意整備しており、また来年も二機要求をしておるところでございます。いまだ整備をされておりませんが、ぜひ整備をしたいものと考えております。  そのAWACSでございますけれども、AWACSというものは、航空機なりミサイルなりというものでも、いわゆる例のおわん型のレーダードームで探知するものはどちらかといえばその下になるものを探知するというのが基本的な考え方でございますので、AWACSを整備したからその打ち上げとかそういうものについて有効であるということについては、全く有効じゃないというようなことはございませんけれども基本的にはそういうことを想定して整備しておるものではございません。
  86. 翫正敏

    ○翫正敏君 それでは、通告してありました質問につきまして山口防衛政務次官質問いたします。  防衛白書をずっと通読いたしまして私感ずるんですけれども、アジアのところ、特に朝鮮民主主義人民共和国、防衛白書では「北朝鮮」と書かれておりますが、この部分の、わけても労働一号などいわゆるスカッドミサイル、この問題の記述のところが非常に表現があいまいになっているということを感じます。他のところはかなりきっちりとした表現で断定すべきところは断定するというふうになっておりますけれども、例えば六十三ページの下からちょっと読んでみますが、書いてあるとおりですから国名を私、朝鮮民主主義人民共和国とは言いません、ここに書いてあるとおり読みますが、  北朝鮮は、一九八〇年代半ば以降、スカッドB  やその射程を延長したスカッドCを生産・配備  するとともに、これらのミサイルを中東諸国へ  輸出してきたとみられている。現在、さらに射  程を延伸した新型ミサイル「ノドン一号」を開  発中であるとみられる。本年五月下旬、北朝鮮  は、同国東沿岸部から日本海中部に向けて飛距  離約五百キロメートルの弾道ミサイルを発射す  る実験を行ったものとみられるが、これは、射  程約千キロメートルともいわれるノドン一号を  発射方法に制限を加えて実験した可能性もあ  る。ノドン一号の開発に成功した場合には、西  日本などわが国の一部が、また、配備位置に  よってはわが国の過半がその射程内に入る可能  性がある。こういうことで、今まで読みました中で五回ぐらいすべて最後のところの文章がこういう言い方になっているわけですね。これは非常にこういうあいまいなものを白書に書くということは疑問を感じますので、現在、防衛庁の方で把握をしている確かな情報に基づいてどういうことがはっきり言えるのか、どういう情報に基づいてどういうことをはっきり言えるのかということをこの場で説明していただきたい、そのように思います。
  87. 山口那津男

    説明員山口那津男君) かねてからこの北朝鮮のノドン一号の開発状況については強い懸念を持っておりまして、鋭意その情報収集に努めているところではございますけれども、現段階では何分十分な情報の収集が整っているという状況ではございませんので、現段階におきまして確定的にこうであるということは差し控えさせていただきたい、このように思います。
  88. 翫正敏

    ○翫正敏君 ちょっと繰り返しますが、防衛白書ですから、要するに不確かなことを白書に書くということは、これをみんな国民が読むわけですから、よくないことだと思うんですね。こうこうこういうふうに防衛庁は調べて、そしてこうやったらこういうことがはっきりわかったというようなふうに断定できるところをちゃんと書かないと、思われるとか可能性があるとか見られるとかという、そういうことばかりが文章で続いているということは非常に残念だというふうに思います。  それから、私自身は、例えば隣国がミサイルを開発中であるとか開発したという場合につきましても、大事なことはそれに対する防衛を強化するというようなことではなくて、外交努力を積み重ねることによって、外交関係ないわけですから、外務省におられたからわかるでしょう、外交関係ないわけで、国交の回復をちゃんとするというのはそういうことによって危険を防いでいくという、そういうことが大事だという考え方でありますけれども、それはともかくとして、防衛白書をせっかく出すということでいいますと、こういうあいまいな表現は今後は避けるようにしていただきたい、そのように思いますので、次官の方から一言お答えいただきたいと思います。
  89. 山口那津男

    説明員山口那津男君) 細部については国際参事官から答弁させます。
  90. 高島有終

    説明員(高島有終君) お答えいたします。  確かに断定的な表現を避けた形になっておりますことはただいま翫先生指摘のとおりでございます。しかし、何分にも北朝鮮という国は情報という面では極めて閉鎖的な国でございますが、特に軍事情報につきましてはその透明性が非常に乏しいと申し上げざるを得ない国でございます。したがいまして、北朝鮮の軍事情勢を私どもとして評価いたします際には、私どもが入手可能な各種の情報を総合的に分析、評価いたしまして、その結果として一定の結論を得ると。  したがいまして、その結論はある意味で、確度の問題は別にいたしましても、推定という部分も当然入ってくるわけでございます。そのような結果といたしまして、防衛白書におきましても明確な断定を避けたような表現にならざるを得ない、こういう事情にございます。
  91. 翫正敏

    ○翫正敏君 当然のことながら、この防衛白書は自民党政権のときに書かれたものであります。政権も私どもの連立政権にかわりましたので、今後はこういう白書の書き方につきましても調べたところを正確に記述をするというふうにしていくべきだ、このように考えておるところで、これは提言として申し上げておきたいと思います。  むしろ自民党政権時代につくられたこの防衛白書は、この部分に関していいますと不確実な情報に基づいてかなりいろいろ書かれている。特に労働一号ミサイルのことについてはそういう記述が目立つという感じがいたしますので、ここは新政権のもとにおいてはちゃんときっちりしていただきたいということを申し上げておきます。  もう一点だけ、先ほどもこれは自民党の委員からも質問がありましたけれども、AWACSでは対処できない、非常にしにくいという、弾道型で飛行してまいりますミサイルに対する防衛をするということで、TMD、戦域ミサイル防衛という構想がアメリカとの間で話し合いが進んでいるということでありますけれども、こういうことを今後話し合いをしていくということにつきましてはいろいろクリアしなければならない問題があると思うんです。どういう問題についてクリアをしていかなければならないか、課題としてあるのか、その辺について山口次官からお答えをいただきたいと思います。
  92. 村田直昭

    説明員(村田直昭君) 非常に技術的にわたることでございますので私から申し上げますが、その前に一点だけ、先ほど記述が、見られる、あるいは可能と考えられるというようなことで推定が入っているということでございますけれども、当然のことながら、これについては各種の情報を総合的に判断した、先ほど国際参事官からも申し上げましたが、そういうような判断に基づいて報告しているわけでございます。例えば、五百キロ飛んでおるけれどもそれは発射角度を変えてというようなことも、私どもそういう可能性もあると言っておるのは、ある種のそういう情報を得て判断をしておるということでございまして、必ずしも全く当てずっぽうに言っておるというようなものではないと御理解を賜りたいと思います。  そこで、戦域ミサイル防衛、TMDについての我が国の参加の問題を先生お話しになりましたけれども、まだこれについては先ほど御答弁しましたように、現段階はどういう状況かと申しますと、今後日米間で協力の可能性について研究していくことということでウィズナー国防次官が見えられましたときに我が方の事務次官との間で合意をしている。したがって、現時点で米国の構想に対して我が国が参加を決めたということではございません。将来の我が国の戦域ミサイル防衛につきましては、いかなる弾道ミサイルヘの対応を考えることが必要なのかといった点や、有効なシステムを構築するためのコストなどについて中長期的な視点からさらに慎重に検討する必要があると考えております。  また、どのような戦域ミサイル防衛システムを考えていくかによっては、この方法、手段についてまだ決まっておるわけではございませんので、どういうシステムを考えていくかによっては、宇宙の平和利用に関する国会決議でありますとか、集団的自衛権との関係についても慎重な検討が必要になることもあり得ると考えておりますが、いずれにしましても今後の検討にまつべき問題でありまして、現時点で確定的なことを申し上げるまだ段階ではないということでございます。
  93. 翫正敏

    ○翫正敏君 次官、何かありますか。
  94. 山口那津男

    説明員山口那津男君) 今答弁のあったとおりであります。
  95. 翫正敏

    ○翫正敏君 終わります。
  96. 山口哲夫

    山口哲夫君 ようやく念願の与党になりましたけれども、政府と議員の間というのは私は常にやはり緊張関係というものを保つ方がいいだろうと思っております。そういう意味で議論は議論としてきちっとやる、そういうことはむしろ連立政権が長くもつためにも必要でないか、こう考えておりますので、そういう意味で以下質問をしたいと思います。特に武村官房長官におかれては四十五分には記者会見で席を立たれるというふうに聞いておりますので、人事院勧告に入る前に、先にアイヌ新法の制定問題について質問をさせていただきたい、こう思います。  御存じのとおり、ことしは国際先住民年に当たります。そういうことでいろいろな行事を行っているところでございますけれども、前自民党内閣の時代にようやくこのアイヌ新法問題についての検討委員会をつくったんですけれども、三年間かかっていながら何ら結論的なものは出てこない。まずこの検討委員会をつくって格好だけつくっているにすぎないんではないだろうか、アイヌ新法の制定というのは全然頭にない、しかし形だけはっくらざるを得ないという、そういうことでこの三年間経過してきたというふうに私どもは不信感を実は抱いているわけであります。これは私に限らず非常に多くの人だちがそう思っているわけでございますけれども、細川内閣は特に人権問題については非常に熱心に取り組んでいらっしゃると考えております。その人権問題の象徴とも言われるアイヌ問題、ぜひひとつこの国際先住民年の年にこそアイヌ新法制定の第一歩を踏み出していただきたいと思っております。  それで、質問でございますけれども、この際ぜひアイヌ新法制定のための審議会をつくりまして、それに対してきちっと諮問をする時期に来ているのではないだろうか、このように思いますけれども、官房長官、いかがでしょうか。
  97. 武村正義

    国務大臣武村正義君) アイヌ新法問題につきましては、御指摘のとおり、北海道知事から新法制定の要望を受けまして、平成元年以来検討を続けてきているところでございます。もう大分月日がたっております。新政権ができまして、おっしゃるとおり、私どもも早くこの検討委員会を全うして、終えて、そして今先生御提案の審議会の設置、これも一つの有力な御提案だと思って拝聴いたしました。このことも含めて、次の段階に入るべく全力を尽くしてまいりたいと思っております。
  98. 山口哲夫

    山口哲夫君 大変積極的なお答えをいただきましてありがとうございました。  三年間検討委員会勉強してきているわけですね。ですから、まず北海道関係意見も全部聞いたようですし、私どもから催促をされて当事者であるアイヌ民族の方々の意見も聞きました。さらに、私どもからまた催促をされて関係する学者の意見も聞いております。ですから、関係者はほとんども意見を聞いておりますから、あとはやはりきちっとした審議会の中で具体的に論議を進める時期に来ていると思いますので、今、官房長官がおっしゃいましたように、ぜひひとつこの国際先住民年の年に審議会を開くという一歩を踏み出していただきたいことを重ねてお願いいたしておきたいと思いますけれども、さらに御所見がありましたらちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  99. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 今月もこの検討委員会は、国連の差別防止・少数者保護小委員会というのがあるようでございますが、ここで活躍されているある先生をお招きしてお話を伺う予定でございます。御承知のように、国連も先住民族の定義とかあるいは先住民族の権利等をめぐっていろいろと議論が行われているようでございまして、この状況もつぶさに伺って、その辺検討委員会はおおむね全うできるのかなと私は思っておりまして、ぜひ次の段階に少しでも早く、より前向きの段階に入っていけるよう努力をしていきたいと思っております。
  100. 山口哲夫

    山口哲夫君 期待いたしておりますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。  それでは人事院勧告の問題に入りたいと思いますけれども、九月九日の衆議院の内閣委員会を傍聴させていただきました。その中で、石田総務保庁長官がこのようにお答えになっております。今日景気回復が内閣の重大課題である、それに多少とも資するために早期実施できるよう格段の努力をいたしたい。そして、武村官房長官も次のようにお答えになっております。数多くの公務員の皆さんに一日千秋の思いで待っていただいておるわけですから、一日でも早くとの気持ちで作業に取り組んでいる。そこで今月中ぐらいには第一回目の給与関係閣僚会議を開かなければならないと思うと、大変積極的なお答えをされております。  それで、これまでの給与法改正というのは、大変残念ながら、ほとんど毎回と言っていいくらいほかの法案との取引の材料に使われてきたのがこの給与法の一部改正でございました。こんなことがあっては私はならないと思うわけでございます。石田総務庁長官もおっしゃっておりますように、やはり景気回復に資するためにも、先ほどのお答えでは四、五千億円のお金が出るわけでございますから、ぜひ一日も早くその差額を支給できるようにやっていただきたいと思うわけです。念のために申しますけれども公務員のベースアップの差額というのはほとんど一〇〇%と言っていいくらい消費に使われますので、貯金なんかしている余裕はありませんので大体が使われる、そういう点では大変景気回復には役立つと思います。  それで、ちなみに両長官の積極的な発言をとらえて、昨年より仮に一カ月早く法律を成立させるということにいたしますと、昨年の法律の成立日は十二月十日でございました。人勧の閣議決定日が十月二十三日でございます。一カ月ということになりますと、九月二十三日に閣議決定をして昨年どおりやったとしても十一月十日、一カ月早く成立をする、こういうことになるわけであります。たまたま九月二十二日は休日でございますので、ぜひひとつその前に閣議決定をしていただかなければならないんじゃないだろうか。そう考えますと、細川総理が渡米されるのは二十五日と伺っておりますから、渡米前にはぜひ閣議決定をしていただきたいと思いますけれども、御努力いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  101. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 御指摘をいただきました勧告早期実施の件でございますが、私どもとしましては、地方公務員も含めて数多くの公務員の皆さんが一日も早い実施をお待ちだということを認識いたしながら、遅滞なくこの仕事を進めてまいりたいと思っております。  今、俸給表その他の整理を総務庁で御苦労いただいていますが、この辺の作業を見ながら、少なくとも今月中には給与関係閣僚会議を開きたい。渡米前か渡米後か、ぎりぎりその前後になろうかと思っていますが、きょうは日までは約束できませんが、作業を見ながら、一日も早く閣僚会議を開き、二回ぐらいこれを開く必要がございますが、その上で閣議決定を行いたい、こういうふうに思っております。
  102. 山口哲夫

    山口哲夫君 給与関係閣僚会議を二回くらいというふうに今おっしゃったんですか。これは衆議院でもそのようにおっしゃっておりまして、私は長官は誤解なさっているのでないかなというふうに聞いておりました。  なぜならば、人事院勧告完全実施給与関係閣僚会議で二度決めますね。そうしますと、それにのっとって作業はどんどん進んでおりますから、これを一回開けばあとは閣議を開いて完全実施を決めるわけです。閣議で決まりますと、そのうちに法案がきちっと出てきますね。そうすると、その法案を今度は閣議で国会に提案することを決めればいいわけです。ですから、給与関係閣僚会議というのは、最初に一回開いておけばあと二度開く必要はないわけです。二度開かなきゃならないのは閣議だと思うんです。そこを両長官ともちょっと誤解されていらっしゃったんじゃないかと私は聞いておって思ったんですけれども、いかがでしょうか。
  103. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) そのようなお考えで前へ進めるという意味合いはよくわかるのでございますけれども、やはり関係閣僚会議において財政事情等を十分にお互いに閣僚が知り合った上で討議して決めなきゃならない、そういう方向のものでございますので、その事情を十分に聞き得るチャンスというものを一遍設けなきゃならぬという従来の考え方であるということを承っておるわけでございます。  私としましては、やはりこれだけ大勢の方々の公務員給与の問題でございますし、また財政にもそれなりの影響あるいは次年度の財政問題にも当然そういった数字が検討されるべきことになるわけでございますので、そういった慎重な姿勢があっていい、また国会に対して政府が責任を持つという意味合いにおきましても、そういった若干の討議というものは必要ではないのかこんなふうに考えておるところでございます。
  104. 山口哲夫

    山口哲夫君 御存じだと思いますけれども、かつて人事院勧告が凍結されたことがございました。そのときにILOで大変に大きな問題になりまして、それを政府は受けとめて、その後また完全実施をやるようになってきたわけです。  ですから、人事院勧告が出されたということは、もう即完全実施に踏み切るというそういうシステムが大体ずっと今までの政府の中でもでき上がってきているわけです。しかも、ことしは千四百五十億の予算をちゃんと組んでおりますから、それは確かに収入は既定の収入よりも減るでしょうけれども、しかし人件費に限っては収入が減ってくるからといってそれをカットしなきゃならないなどということには私はならないと思うんです、今までのILOとの関係からいきましても。ですから、閣議できちっと一度完全実施を決めていただくということが、私はまず先決問題だと思うんです。  幸い政府の与党首脳会議でも大体そういう完全実施早期実施でもって意見の調整ができているというふうにも伺っておりますので、閣議の決定がおくれますと、結局はまた提案の方もおくれてくるわけでございますので、積極的に今までと違って早くやりたいというそういうお考えのようでございますので、ぜひひとつ閣議決定を急いでいただくように重ねてお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  105. 杉浦力

    説明員(杉浦力君) ちょっと実務的な御説明を申し上げたいと思います。  先生、今おっしゃいます閣議で早く決めていただきたいという話でございますが、閣議で最終案を決めます前に、関係閣僚が集まりまして中身を議論していただき最終的な結論を出していただく。そして、その最終的な結論を出しました段階で内閣としての意思決定の閣議をしていただく。その意思決定の閣議が終わりますと、あと私ども事務的な議論が非常に多くございますが、法案の作成をさせていただく。そして法案ができ上がりました段階で国会へ提出するための法案提出閣議ということで、閣議は二度行うことになっております。  その一番初めの決定の閣議を行う前の閣僚会議につきましては、何度開くかということはそのときの国民に対する、あるいは財政事情、いろいろなことを御検討の上でお願いをするということになっている。今、山口先生はもうこの時期一回でいいじゃないかという御主張だろうと思いますが、官房長官の方のお話はいろいろな意見を聞いてみたいということで、ちょっとすれ違いだったんだろうと思っております。  実務的に補足いたしますと、閣議の扱いというのはこういう格好になっております。
  106. 山口哲夫

    山口哲夫君 給与関係閣僚会議を閣議の前に開くというのは、これはもう知っております。当然のことです。ですから、それをまずきちっと完全実施で早くやるということでしょう。それを受けて閣議でもって完全実施をお決めになる。そしてあと作業完全実施でもってどんどん進んでいるわけですから、それはまた後からやりますけれども、そうすると、法案ができたらすぐにでも閣議で決定して、何日に国会に提案するということを二回目の閣議で決めればいいわけです。  ですから、関係閣僚会議については一回で足りるという考え方に立つわけです。多分そういうことになると思いますので、これは今ここで議論してもあれでございますから、事務的な問題でもございますから、どうぞ御検討をいただいておけば結構だと思います。  その次は総務庁長官にお尋ねをいたしますけれども給与法改正をできるだけ早く提出するための手順の問題について質問をしてみたいと思います。  人事院勧告を受けて総務庁給与法改正を行うということは、これはなかなか大変分量も多いわけです、それから内容も極めて複雑でございます。総務庁職員も非常に数が限られている中で作業をやるわけですから大変なことだと思いますので、できるだけ人事院など関係方面の協力を得て法案の作成というものをやっぱり急ぐ必要があるのではないかと思うんです。そういう点についていかがでしょうか。
  107. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) ただいま山口先生が御指摘でございましたが、閣議決定が行われてから作業に入るわけでございますけれども、その前のいろいろな諸準備につきましては事務レベルで十分打ち合わせをしながら進めてまいりたいし、そのように関係省庁にもお願いをいたしたいというような気持ちで今進めておるところでございます。できるだけそういった意味で、前に準備しなきゃならない問題、その点については万遺漏なきようやってまいるつもりでございます。
  108. 山口哲夫

    山口哲夫君 閣議決定されてから法案の作成というお話がありました。これは三年前に私が内閣委員会におりましたときに、当時たしか塩崎総務庁長官だったと思いますけれども、同じ質問をしております。  それは、人事院勧告が出たら一〇〇%完全実施をするというシステムが大体でき上がってきた。とするならば、閣議決定までの間に、勧告が出たらすぐ作業に入った方が事務的には非常に早くできるのじゃないか。だから、そういう原則的なことを言っていないで作業作業として事務的な作業は進めたらいかがですかと、こういう話をしましたら、当時、塩崎総務庁長官は、そのとおりでございまして大体そういうようなことは内々やっております、こういうお答えでございました。  そういう答弁を三年前にちゃんと長官がされているんですから、この間私が要請に行ったときにも何か事務当局は原則的なことしか言っていないけれども国会の中では大体そういうことがちゃんとやれるようになっているわけですから、その辺は新長官に対しても、一日も早く作業を進めるということできちっとしたやっぱり報告をしておいてもらわなければ困ると思うんです。大体そういうことになっておりますことを長官にも御存じおきいただきたい、こんなふうに思います。  そこで、法案ができましたら、閣議決定の前でありましても法案の審査を法制局から受けなければなりません。これは極めて事務的なことでございますので、閣議決定前であっても総務庁法制局に対して審査の手続をきちっととって作業を進めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  109. 杉浦力

    説明員(杉浦力君) お答え申し上げます。  先ほどうちの大臣からの御答弁も、あらゆるものが閣議決定をしてからやりますという意味ではありません、できるものは万遺漏なくやるという御趣旨の御発言でございますので、よろしくお願いを申し上げます。  それから、今の具体的な法制審査のお話でございますが、私どもも可能な限り法制局と連絡をとりながらできるものからやっていきたいと思っております。ただ、問題は手戻りがないようにとかあるいはいろいろな状況を見きわめてスタートしなければなりませんので、勧告が出てすぐ次の日とか、そういうような問題はちょっと難しいと思いますが、できるだけ準備ができるものは関係者の御協力を得ながら進めてまいるということには変わりございません。
  110. 山口哲夫

    山口哲夫君 それでは、法制局いらっしゃっていますか。  念のためにお聞きしておきますけれども総務庁の方から事前に閣議決定の前でありましても一応の法案が作成された段階で法制局に審査の要請があった場合には、法制局としてはそれを受けるということについては差し支えないですね。
  111. 秋山收

    説明員(秋山收君) 先ほど来総務庁の方から御答弁申し上げておりますとおり、総務庁の方で効率的な法案作成のために今後その推進に配意したいということでございます。  内閣法制局としましても、これに対応して効率的かつ的確な審査を進めていくということは当然のことと考えております。
  112. 山口哲夫

    山口哲夫君 今の答弁で、今までよりは相当早くこれは法案の提出ができるという期待が持てました。  事務当局にいろいろと聞いておりますが、これは総務庁長官にお伺いしますけれども人事院勧告が出て、人事院協力もいただきながら一般職については改正案をつくる。そうすると、今度総務庁は、特別職、これは五本もあるわけですね、特別職、警察官、自衛官、裁判官、検察官、この五本の法案をつくらなければならない。それを法制局の審査を受ける。今度は閣議決定の前でもやると言っておりますから、そして印刷が意外にかかるんですね、私は随分近代的なこの時代にこんなに印刷にかかるのかなと思ったんですけれども、印刷の時間もかかる。しかし事務当局に言わせると、急いでやれば人事院勧告が出てから大体三週間くらいあれば、最大スピードを上げればこのくらいでできるだろう、こういうお話でございました。  そうなりますと、八月早々に人事院勧告が出ますと、大体九月上旬には給与法改正案が国会に提出できるということになるわけですけれども、そういう面でぜひ今後努力をしていただきたいと思いますが、長官、いかがでしょうか。
  113. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 山口先生もうこの人勧の問題について大変お詳しいわけですから、その間の事情は御存じのとおりでございますが、やはり数字の印刷というようなことになるわけでございますから物理的な時間がかかるのはやむを得ないわけでございます。また、今回の政治改革法案の問題につきましても詰めてみたときに随分やっぱり物理的に時間がかかっているわけでございますので、そういうものが立て込まなければ御趣旨のことはどんどん推進できるのでございますけれども、また公務員の方々のいわゆる休暇の問題もございますので、そこら辺は十分御意思を尊重してやりたいと思います。そういう決意だけを申し上げたいと思います。
  114. 山口哲夫

    山口哲夫君 たまたまほかの法案と一緒になったとかそういうこともあるでしょうけれども、そういうようなことをある程度含めても三週間か一カ月以内には幾ら立て込んでおったとしてもできるだろうというような判断をいたしましたので、せっかく両長官が積極的に格別の努力をしたいということで、公務員給与の差額を一日も早く出そうという熱心な考え方をお持ちのようでございますので、こういう作業日程でいきますと将来は九月上旬には出せるというように思いますので、ぜひひとつ努力をしていただきたいと重ねてお願いをしておきたいと思います。  それで次に、閣議決定のシステムなんですけれども、毎国会で閣議決定をめぐって質疑を交わしているわけです。とにかく早くやってもらいたいというようなことでやっているんですけれども、この際、やっぱり人事院勧告が出たら直ちに閣議決定は行う、先ほど申しましたようにILOの関係からいきましても完全実施せざるを得ないというそういうシステムがずっと大体でき上がってきているわけですから、もう少しシステム化を閣議決定について図ってみてはいかがだろうかというふうに思いますけれども総務庁長官、いかがでしょうか。
  115. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 人事院勧告を従来ともに完全実施早期実施、これを尊重するべきだという立場でずっと来ているわけでございますが、これは国家公務員法で明文化をするということになりましても、大体私は明文がなくとも人事院勧告というシステムそのものがやはりそれだけの効果を期待できる制度になっておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  山口先生は、これは毎年かかる問題だからちゃんとそこら辺のシステム化をすべきだという御意見でございますけれども、やっぱり今までの中で聞いておりましても極力そういう姿勢できておりますし、今新しい連立政権という立場を考えてみても、これはこれからも重視されるべき問題だと思いますので、そこら辺は遅滞のないようにしてまいりたいと思っているところでございます。
  116. 山口哲夫

    山口哲夫君 それに関係いたしまして、これは前の内閣委員会からずっと議論になっておる問題で我が党の喜岡議員が随分この問題について触れてきたんですけれども、それはどういうことかというと、結論から申しますと、国家公務員法二十八条に情勢適応原則ということがあるわけでございます。  いろんな法律の中で、例えば宇宙開発委員会設置法についても、「内閣総理大臣は、」「意見を受けたときは、これを尊重しなければならない。」、あるいは電気事業法であっても「建議があったときは、これを尊重しなければならない。」、あるいは選挙制度審議会設置法についても「政府は、審議会から答申又は意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならない。」、法律の中では「尊重しなければならない」という規定がほとんどの法律で書かれている。ところが、どういうわけか人事院勧告についてだけは書かれていない、こういうことなんですね。  それで、毎回のように、我が党の方からこれに対する見解を求めますと、完全実施しているんだからいいじゃないか、こういう答弁が返ってくるんですけれども、それは政権がずっと、連立政権がずっと続くでしょうけれども、続いている間は間違いなくやるということなんでしょうけれども、しかし内閣が変わった場合にはどうなるかわからない、法律がきちっと書いてない限りにおいては。ですから、やるという気持ちがあるのであれば、むしろそのことをきちっと書いた方がこれはやはり受ける側としては非常に安心感を抱くだろうと思うわけです。  ですから、これはぜひ一度検討してみる必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
  117. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 側趣旨のほどは十分わかるのでございますが、そこら辺の過去のいきさつもあるようでございますので、人事局長から答弁をさせます。
  118. 杉浦力

    説明員(杉浦力君) それでは御説明申し上げます。  御説明の前に一つ遡及した答弁をお許し願いたいと思いますが、先ほど山口先生人事院勧告が出てから三週間ないし一カ月でいろいろ準備ができちゃうじゃないかというお話でございますが、私ども事務的に詰めましても、少なくとも閣議で方針を決められない限り私どもそこで最終決定ができないわけでございます。閣議決定が終わりました後ということで御理解を賜れればありがたいと思っております。  それからもう一つ、今の国公法二十八条の中に明文規定を入れたらどうかというのは確かに先国会でもここで議論がございました。そしてそのときに、基本的には国家公務員給与を初めとする勤務条件につきましては、先生おっしゃったように、情勢適応原則というもとに国会決定、いわゆる法律に基づきましていろいろなものが決められる建前になっております。そして、その国会の判断のよりどころとしておるところが人事院勧告及び内閣から提出いたします法案だと思っております。したがいまして、人事院の出しますものにつきましては、内閣及び国会ともに尊重することは当然だということで基本的には一致しておるものだと思っております。  なお、ほかの立法で、今電気事業法とかいろいろ挙げられましたんですが、審議会等からの答申、建議あるいは勧告を受けた場合、これは基本的には政府の中で対応のできる項目でございます。しかし、本人事院勧告につきましては政府だけで対応するのは非常に難しい問題があるというような点がございまして、明文がなくも基本的に政府がちゃんと努力いだすという前提でいいんじゃなかろうかということで今までずっとまいったわけでございます。  御理解いただければ大変ありがたいと思っております。
  119. 山口哲夫

    山口哲夫君 前段の答弁、それはおかしいですよ。三年前に塩崎長官が現にそういうことはやってはおりますということを言っているわけでしょう。それで現にやっているわけでしょう。そんな建前だけの話をしたってだめですよ、これは。さっき長官だってちゃんとそういうことで努力しましょうと言っているのに、担当する人事局長がそういうことを言うというのは何ですか。そんな建前だけで話をしているんじゃないですよ。だから、作業は進めればいいじゃないですか。そして閣議で決定されたときに初めてその効力があらわれるのであって、そんなことは我々百も承知しているわけですから、そういう考え方国会答弁されるということは私どもの今までの経過を全く無視するようなことなので、それだけはきちっと改めてもらわなければ困ります。それは言っておきます。  「尊重する」の法文化については、今までも長い議論をしておりますので今ここで結論を求めることは無理だと思いますので、ぜひ一度長官もお考えをいただきたい、こんなふうにお願いをしておきたいと思います。  その次に、超過勤務の問題でございます。  これは、労働基準法で百分の百二十五が百分の百五十に段階的に政省令で改定されるということになっております。これは人事院にお尋ねすることになると思いますけれども、当然公務員につきましても一般の労働者と同じように人事院規則で同時に改定を行うべきではないだろうかというように思いますけれども、この点についての見解をお伺いいたします。
  120. 丹羽清之助

    説明員丹羽清之助君) 今般報告で述べましたのは、先生確かに御指摘のとおり、時間外、休日の割り増し賃金に関する労働基準法改正によりまして民間事業所の割り増し率の具体的な最低基準は、命令、具体的には政令によって定められることとなったわけでございます。ただ、これはあくまでも民間における最低基準でございまして、したがいまして、公務員につきましても、人事院規則で具体的な最低割合を定めることによりまして民間の動きに遅滞なく対応できるようにしてまいりたいという趣旨で今回勧告お願いしたことでございます。
  121. 山口哲夫

    山口哲夫君 ぜひ民間と歩調を合わせてできるように努力をしていただきたいと思います。  それで、総務庁長官に申し上げておきたいと思うんですけれども、実は国家公務員の超過勤務というのは物すごく多いんですね。特に多いのは予算編成期、それから国会の開会中に大変多いわけです。特に国会開会中については、我々も努力をしていかなきゃならないんですけれども質問通告が非常に遅くなるともう徹夜でもって作業をしなければならない。ですから、我々もできるだけ質問通告は早くいたしましょうということで野党時代随分そんな話もしたことがありましたけれども、それにいたしましてもただ働きというのが物すごく多いんですよ。  三年前の私の調査によりますと、たしか五割くらいも出しているかどうかというそんな実態なんです。ですから、半分以上はもうただ働きをさせられている。これは非常にゆゆしき問題だと思います。法律的にそれこそ詰めていけば全く違法措置ということになると思います。今度は特に百二十五が百五十になっていきますと、これはその分だけまたただ働きの時間がふえるわけですね、もう枠が決められてしまっていますから。  ですから、今後こういうことのないように、総務庁長官にはぜひひとつ公務員が安心して働けるようにその点の御努力お願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  122. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 国家公務員の超過勤務の問題につきましては、各省庁の長の命令によって行われておるわけでございますので、これに対する手当はすべて支給されているというふうに理解をいたしております。  しかしながら、御指摘の面も十分検討しなきゃならないわけでございますので、特に超過勤務、労働時間短縮の時代の中にありましてはやはり役所としても十分に配慮しなきゃならぬわけでございますから、そういった面の努力を積み重ねていかなきゃならない。御存じのとおり、来月一日から超過勤務の縮減キャンペーンというものを一週間やりまして、できるだけそういうものを少なくしていこう、こういう運動も鋭意やっておりますし、ここら辺も総務庁として十分チェックをしながら効果を上げてまいりたい、このように思っているところでございます。  ただ、若干つけ加えて申し上げておきますと、恐らくこういう問題については人事院から問題ありというふうに指摘をされるべき性格のものかなと思っておりますけれども、今のところはさほど大きな御指摘を受けているような状態ではない。しかし、先生の御指摘もありますので、各省庁に格段の注意を勧告しながら前へ進めてまいりたいと思います。
  123. 山口哲夫

    山口哲夫君 関係者はみんな知りながら余りさわりたくないというのがこの超過勤務のただ働きの問題だと思うんです。特に長官は人間尊重の公明党の委員長でもいらっしゃるし、ぜひひとつそういう点で公務員の人間性をきちっと認めていただいて、今後ただ働きのないような御努力を期待いたしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、育児休業の問題について人事院の方にお伺いいたします。  人事院は育児休業の実施の比較対象について、民間については企業対象にしてやっているようでございますけれども企業ではなくして、そこに働く従業員数、労働者数、そういうもので比較したことがございますでしょうか。比較をすれば、割合実施をしている企業というのは大きいところが多いわけですから、相当パーセンテージも上がるというふうに私は見ておるんで、その点についての調査結果はいかがでしょうか。
  124. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 平成五年職種別民間給与実態調査によりますと、育児休業給を支給する事業所の割合というのは八・一%となっておりますし、これを従業員の割合で見ますと一〇・九%、こういうふうになっていると報告を受けております。
  125. 山口哲夫

    山口哲夫君 それでは育児休業給、それを支給している企業数、それから労働者数はいかがでしょうか。
  126. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) ただいま調べておりますが、ちょっと今のところその数については出ていないようでございます。
  127. 山口哲夫

    山口哲夫君 一説には、民間企業でこの育児休業給を支給しているところは、実際にやっているところの四〇%くらいが支給しているというふうな説もあるんですけれども、全然調査しておりませんか。
  128. 福島登

    説明員(福島登君) ただいまの先生の御質問意味が定かではございませんけれども民間事業所はきちっと調べておりまして、その事業所の数、かつまた当該事業所の従業員の数、それについては今手持ちがございませんので、もしよろしければ後ほどその数についてはお届けしますということにさせていただきたいと思っておりますけれども、今先生の四〇%とおっしゃるのは、大変恐れ入りますがどういうふうな意味での四〇%でございましょうか。
  129. 山口哲夫

    山口哲夫君 育児休業を実施している企業の中で、育児休業給を出している数。
  130. 福島登

    説明員(福島登君) 失礼しました。  おっしゃられたのは、育児休業制度があって育児休業給を支給している事業所というふうに理解いたしましたけれども、その面についての数字は今のところ持ち合わせておりません。ただ、先生のお知りになりたいのはそれらの従業員ベースで見るとか、育児休業給のみならずその他経済的な援助も若干している事業所もございます。そういったものも含めてこれから考えていく必要があるのではないかと思っておりますけれども、そういう観点からの調査はこれから進めていきたいと考えているところでございます。
  131. 山口哲夫

    山口哲夫君 今お答えになったのは、この次に聞こうと思っていたことです。  おっしゃるように、民間企業というのは育児休業給として支給されているところもある。ところが、そういう形はとらないで、例えば育児休業をとっている間は貸付金を出す、しかし、育児休業が明けて出勤するようになれば貸付金の返済は要らないというようなことで実質的に支給しているところもある。そのほかいろんな形でやっているところがあるわけですね。ですから、その辺を人事院でもう少し詳しく調査をされて、それが即公務員の方に適用されるよう勧告をきちっとやっぱりやっていくべきではないだろうかという考え方なんですけれども、再度お答えいただけますか。
  132. 福島登

    説明員(福島登君) ただいま説明ございましたように、確かに民間事業所におきましては、とりあえず保険料等の立てかえ払いをしまして、当該職員が復帰した後一定の期間勤務した場合にはそれを免除します、または一定期間経過後に当該金額を返してもらう、いろいろな対応の仕方はございます。  ただいまも御指摘ございましたように、それらにつきましては今回初めての調査でございますので、昨年の四月からの実施でございますから、したがいまして、来年の調査におきましてはそういった面も細かに調査しまして、実態を把握した後に適切に対処していきたい、このように考えております。
  133. 山口哲夫

    山口哲夫君 その点も期待しておりますので、ぜひ今お答えになったような緻密な調査をされるようにお願いしていきたいと思います。  次に、高齢者対策です。  一九八六年、昭和六十一年の六月六日に閣議決定をされました長寿社会対策大綱というのがございます。「人生八十年時代にふさわしい経済社会システムの構築を図るものとする。」という基本方針の中で、例えば「雇用・就業を通じた高齢者の能力活用」の項目の中に「高齢者の雇用・就業の機会確保」という項目があります。その中で具体的に「当面、六十五歳程度までの継続雇用を促進する。」というようなことが書かれております。こういう考え方に立ちまして今回の人事院勧告を読ん一でみますと、「公務における高齢対策」というところの(4)に、「就業意識が多様化する高齢者の雇用においては、職場における業務運営の事情に応じて、例えば隔日勤務、半日勤務等も可能となるような短時間勤務仕組みを検討していくことが適当であると考える。」という勧告が実は出されているわけであります。  これは総務庁長官に実はお尋ねするわけでございますけれども人事院も高齢者対策室までつくってこのような方針を出してきたと思うんですけれども、これからはなかなか労働力の不足という問題がだんだん深刻な状態になってくるんじゃないだろうか。それで、恐らく二〇〇〇年ころになりますと高齢者も相当の労働力として対処せざるを得ない時代になってくるだろうというふうに思うわけです。  ただ、そのときになって制度をどうこうするといってみても間に合わないことでございますので、一応この六十歳の定年というものは認めるにいたしましても、その後、例えば高齢者の中には、あと三年くらいだったらフルタイムできちっと働きたいという方もおるでしょうし、また、いやとてももうそれまでは体力が続かない、だから半日勤務くらいならぜひ働きたいとか、あるいは隔日勤務だったらぜひひとつ働きたいとかそんなようないろんな希望があると思うんです。  ですから、そういうような本人の希望がある程度選択できるような制度、再任用制度というんでしょうかそういうものをやはりもう具体的に検討をしていく時期ではないだろうか、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  134. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 先生指摘のとおり、高齢化社会の進行に伴いまして、私はやはり公務員の方々が高齢化に進まれる状況の中におきましても働いていくということは、本人のためにも、また社会全体のためにも必要だというふうに考えておるわけでございます。そういった意味で、これはかなり長期的な展望に立った考え方に立たなきゃなりません。また先生指摘のとおり、個人差が非常にございますので、その個人差の状況に応じての雇用のあり方というものを十分これから考えていかなきゃならない問題であろう、こう思っているところでございます。  ただ、先生指摘のとおり、一応六十歳定年ということになっておるわけでございますので、これから年金との兼ね合い、この問題をも十分に考えなければならないわけでございます。そういったことで、今政府としましては、この公務における高齢者雇用問題について、関係省庁から成りますところの公務員共済年金制度改定問題にかかわる雇用問題委員会というものをつくって、これは平成元年に設置されたわけですが、それからずっと協議をいたしておるわけでございます。  そういうようなことで、今申し上げました年金制度の答えを得てやりたいわけでございますけれども、大体めどとしましては、年度いっぱいぐらいにはこの年金との整合性を考えた上でこの公務員の高齢者の雇用の問題、これに対して何らかの答えを出し得るのではないだろうか、こんなふうに思っているところでございます。  しかし、これも民間動向もございますし所得の問題もまだ解決されているわけじゃございませんので、そういった問題を十分考えながら何としても結論を得たいものだと、当面そんなことで重要課題として検討を進めてまいりたい、こう思っているところでございます。
  135. 山口哲夫

    山口哲夫君 当然、年金との連携の問題というのは非常に重要な問題になってくると思うわけです。特に人事院勧告の中でもそういうことについて触れられておるようですし、また先ほど合馬委員質問に対して、大蔵省の方が年金年齢の見直しの問題等についてもございますのでというお答えをしておりました。非常に私はその点が答弁として気になったところなんですけれども、新しい内閣の大内厚生大臣が最初の記者会見の中で、やはり年金と定年というのは当然連結しなければならないという基本方針を述べられております。やっぱり私はそこが非常に重要なところではないだろうかというように思うわけですけれども、この問題についていかがお考えでしょうか。
  136. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 私は基本的にこれは連動しなきゃならない問題と考えておるわけでございますが、全く個人的な意見を少し申し述べさせていただきたいわけでございますが、現在、年金制度というものを考えますと、その人の他の収入等の問題との兼ね合いでカットされてしまう場合もあり得るわけでございます。しかし、そういう一律な考え方を導入すると非常に私は今後の高齢者の雇用というのは難しいというふうに思っているところでございまして、やはり働く以上はそれなりのペイを受けて働かない人よりはよりよい生活をというような願いが私は根強くあるんだと思うんですね。ですから、そこら辺のところも十分、年金制度を六十五歳に引き上げるに当たっては考えていってほしい、こんな希望を持っているところでございます。
  137. 山口哲夫

    山口哲夫君 大変積極的なお考えで私どもも感銘をするわけですけれども、今長官がおっしゃったように、せっかく高齢者に対して働く場を与えても、収入が入れば年金の方を削られるんであれば、これはもう労働意欲なんというのは全然わかないわけですね。ですから、やはり二〇〇〇年に目がけて高齢者を労働力の二部としてきちっと確保していかなきゃならないという考え方からいけばそういうこ一とではどうにもならないんで、今長官がおっしゃったように、やはり働いた場合においてはそれなりの収入が得られると、そういうことを年金との関連の中でも考えなければならをいというそういうお考えだと思います。  ぜひひとつ人事院勧告から出された高齢者の再任用の新しいシステムについても、そういうお考えも含めながら本人の希望というものもできるだけ取り入れられるような制度をなるべく早くひとつやっていただきたい、こんなふうに思います。いかがでしょうか、最後にお伺いします。
  138. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 十分、先生のお考えを尊重いたしまして考えてまいりたいと存じます。
  139. 山口哲夫

    山口哲夫君 ありがとうございました。  それでは最後に、通勤手当の問題について人事院質問いたします。  三年前の話ですけれども、私の方から、公務員についても新幹線通勤をそろそろ考える時期ではないですかという簡単な質問をしましたら、総裁は検討しますと、こう一言お答えになりました。その後、いかがでしょうか。
  140. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) 新幹線通勤につきましては、たしか平成元年の当内閣委員会におきましても手当の支給について検討すべしという御意見がございました。その後、私どもの方で民間における新幹線通勤者に対する通勤手当支給状況等を見ながら検討をしているところでございますが民間支給状況等を見ましても、現時点において直ちに新幹線利用者に対して何らかの給与上の措置をとる状態にはないと言えるところでございます。新幹線通勤に対して措置があるというのは、平成四年の調べでは一八・四%ということでございます。  いずれにいたしましても、新幹線利用者に対する給与上の取り扱いにつきましては、全体の給与配分の問題とも絡みますけれども、一つは単身赴任の回避という観点等もございます。これも含めまして、民間における新幹線利用者に対する措置の動向を見ながら引き続き検討をしていく所存でございます。
  141. 山口哲夫

    山口哲夫君 単身赴任の場合は、例えば東京勤務が栃木県の勤務になった、宇都宮勤務になったという場合には、私は具体的に調査していませんけれども、そういう方は恐らく単身赴任はしないでむしろ通勤をされているんじゃないかと思います、一時間かからないですからね。東京都内の遠くに住んでいる方ですと一時間以上でしょう。大体今一時間半くらいはかかっている方が多いんじゃないですか。一時間以内のところに住宅を確保しようと思ったってとても今公務員給与では確保できませんですよね。  そうすると、むしろ通勤手当を出すことによって、宇都宮あたりに安い、余り安くないかもしれないけれども、東京に比べれば安い土地を求めて住宅を建てて、そして一時間かからないで通勤するという方がこれはいろんな面からいっても大変私はいいことだというふうに考えておりますので、ぜひもう少し検討をしてみていただきたいものだ、そういうふうに思います。御所見があれば後ほどお伺いします。  もう一つ通勤手当の問題で、通勤手当というのはこれは賃金じゃないんですね、これは賃金として考えること自体間違いなので、これは官民比較をする場合にはそういう考え方にきちっと立って、賃金ではないということから、官民比較からは当然外してやらなければ非常に矛盾が出てくると思いますが、そこはいかがですか。
  142. 丹羽清之助

    説明員丹羽清之助君) 私どもが今民調で把握しております通勤手当給与として支給されているものでございます。  民間給与の種類につきましても企業によって千差万別でございまして、先生は通勤手当官民比較から除外すべきであるというような御意見かと思いますけれども、今申し上げましたように企業によって千差万別であるということから、公務員給与と比較します場合におきましては超勤などの実績給、これは除きますけれども、それを除きましていわゆる所定内給与額によって比較する以外にないのではなかろうかと考えておるところでございます。
  143. 山口哲夫

    山口哲夫君 いろいろと議論のあるところだと思います。今までもこの問題については何回か質疑があったと思いますので、もう時間も来ましたからこれ以上触れませんけれども、私は官民比較からはきちっと外してやらないといろんな矛盾が出てくるんじゃないかと思いますので、ぜひひとつそういう意向も酌みながら検討していただきたい。  それで、最後に通勤の最低基準、これは今大体二キロということになっているんですね、二キロ以内。例えば一キロから一キロ半くらいで歩いて通っている人というのは余りいないんじゃないですか。私みたいになるべく歩きたいと思って二十分くらいなら歩こうなんという人間はこれは例外中の例外らしいですね。  それで、よく調べてみたら地下鉄の駅と駅との間隔基準というのは七百メートルだそうですね。ですから、七百メートル以上のところはもう歩くんじゃなくして大体鉄道を使ったりいろんなものを使うということらしいですよ。地下鉄の駅と駅との間隔は七百メートルが基準というふうになっているらしいです。ですからこれはもう二キロ以上なんて言わないで、一キロくらいまで基準を下げてもいい時代になったんだというふうに思います。検討する余地はありますか。
  144. 丹羽清之助

    説明員丹羽清之助君) 現在のところ二キロメートル程度は通常徒歩による距離ではなかろうかと考えておりますけれども、実は本年の職種別民間給与実態調査によりましてちょっと調べた結果があるわけでございますが、民間で交通用具の使用者に対して通勤手当を支給します場合に通勤手当を距離段階別定額制で支給しております事業所における最低距離の平均、それを調べてみたわけでございます。そうしますと、一・九キロメートルとなっておりまして、これは公務員における支給要件どおおむね対応していると考えられることでございまして、現在の二キロメートルというのはそれなりに妥当ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
  145. 山口哲夫

    山口哲夫君 調査内容に異議があります。
  146. 井上哲夫

    井上哲夫君 民主改革連合の井上でございますが、内閣委員会で初めて質問をさせていただきます。  とごあいさつ申し上げましたが、実は本日、日本新党と私どもは統一会派をつくりましたので、ここにお見えの寺澤委員の分まで私はきょうは質問をさせていただこうと。持ち時間は十三分しかありませんので、ほんの一、二問しかできませんが、よろしくお願い申し上げたいと思います。  まず、総務庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。  私は非常に近いところに住む者として、このたびの御就任、本当におめでとうございます。  実は人事院勧告内容についてでございますが、給与改善費という名目で予算計上がこの三年間なされてきております。平成年度分は給与改善予備費と、「予備費」という言葉がついて計上されているということでございますが、この予算計上が平成年度以前は一時計上がされておりませんでした。過去の計上の歴史について申し述べる時間のいとまはありませんが、やはり今後も予算計上を続けることが私は一つは大変大切なことだと実は思っております。  もちろん、それは大蔵省所管の予算の案件についての問題でございますが、総務庁長官としましては、これまで一・五%の計上率で計上してきた、そして今度の平成年度予算案の概算要求においてもそのことはなされていると思っておりますが、この予算計上について総務庁としては今後も踏まえてどういうおつもりであるか、その点についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。
  147. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 井上先生にお答えを申し上げたいと存じますが、先生もう御案内のとおりでございますのであれこれ詳しくは申し上げないわけでございますけれども基本はやはり人事院勧告の性格上、予算に計上されてもされなくても、この勧告の取り扱いがそのことによって左右されるべきものではないというふうに考えておるわけでございます。  また、予算計上に当たりましては、これは財務当局の方の権限に属する問題でございますので、総務庁としては、今申し述べました人事院勧告の性格もございますので、そちらにお任せをする以外にないのではないか、こう思っておるところでございます。
  148. 井上哲夫

    井上哲夫君 それは答弁のできる許容範囲はその程度だということだと思いますけれども総務庁としては、私は強くその計上について積極的な意見を言っていただきたい、そういう気持ちであります。  次に、防衛庁の方に御質問をしたいと思います。  実は、防衛に関する行政機関としての防衛庁が持っている情報に関して、それをどういうふうに国民に知らせるべきものであるか。これは防衛白書等、防衛庁がこの範囲は国民に知らしめ、そして理解を得た方がいいという形で出している、そういう部分もあります。しかし一方では、防衛庁の持っている情報に関して、防衛上の秘密あるいは国の安全上の秘密、その他もろもろの配慮から国民の目にさらすことはできない性格のものが多々あることも私は十分理解しているものであります。  特にこの内閣委員会で隣に座ってみえる永野委員は大家、専門家でございまして、私もこういう質問をするのは実は身震いを禁じ得ないところでありますが、防衛情報と情報公開との兼ね合いの問題についてお尋ねをしたいと思います。  防衛長官はお見えになりませんので山口政務次官にお尋ねをいたしたいと思うんですが、抽象的なことはさておき、実は沖縄における那覇防衛施設局から那覇市の建築課に出されました対潜水艦戦作戦センター庁舎建築に関する文書、これについて那覇市の情報公開条例との問題で裁判が今係属をしております。このことについて詳しく申し述べる時間もありませんが、この裁判において既に二十回の口頭弁論が那覇地方裁判所で行われているということを聞いております。こういう条例に基づく情報公開条例、それとの絡み合いで防衛庁に関する資料の開示に関して裁判に至っているのは恐らく初めてで、しかもこれは裁判所においても慎重審理がされると思いますが、この問題について、今、施設庁というよりも防衛庁自体がどういうふうな見解と考え方を持って臨んでみえるか、そのことについてお尋ねをいたします。
  149. 山口那津男

    説明員山口那津男君) 委員におかれましては、かねてより行政情報の公開制度について深い御理解を賜っておりまして、心から敬意を表するところでありますが、今御指摘の点につきましては、何分係属中の裁判ということもありまして、行政側である防衛庁として意見を述べるということは差し控えさせていただきたいと思うんですが、一般論として申し上げますと、各地方公共団体が情報公開のあり方について制度化するに当たっては、基本的にはそれぞれの団体が実情に即してその判断と責任によって対応しているところでありまして、それはそれで尊重しなければならない制度の枠組みだと理解しております。  しかしながら、当庁の保有する防衛情報の中には国家の安全と利益に深くかかわるものがあることもまた委員に御理解いただけるものと思いますけれども、結局最終的には機密にわたる資料については公開できない範囲が残るということを申し述べさせていただきたいと思います。その上で、裁判の中で、国の安全とそれから国民の知る権利というものがどのような調和点を持つかということが具体的に判断をされることを望みたいと思っております。
  150. 井上哲夫

    井上哲夫君 裁判で係属になっていることをもとに質問をするのは必ずしもそぐわないと思っておりますが、私は防衛情報の中でも一定の制限の中で国民に請求があれば開示し、あるいは公開するということは決して考え違いなことではないと常々考えております。すべて防衛情報が、例えば憲法に違反するから出せとかあるいは防衛情報については国の安全のために大変な情報であって、開示することは特別に防衛情報についての保護規定が法律で規定されない限り一切いけないとかそういう考え方には私はくみすることはできない。  問題は、そういたしますと、今のお答えをいただきましたことに関してもう一点だけお尋ねをいたしたいと思うんですが、こういう条例に関連して防衛に関する情報の裁判が出てきた。これはもし国の行政機関が持っている情報でそういう基本法ができた場合には、情報公開をすべきかどうかの独立した審査会が決定をする、開示あるいは非開示の決定をして裁判になるということは当然予測されるわけでありますが、こういうところについてさらにお考えがあれば伺いたいと思います。
  151. 山口那津男

    説明員山口那津男君) 何分、国と自治体との情報管理の仕方、また公開に対する考え方というのは一致しない場合もございますので、その管理する情報がどのような性質のものであるかということを個々具体的に検討する必要があるのではないかと思います。  そうした意味で、一般論として申し上げる段階ではございませんけれども、特に地方自治体とのかかわりにおいてそのような事務がどのような性質を持っているか、その関係を深く吟味した上でこの公開のあり方というものを今後検討してまいりたい、このように思っております。
  152. 井上哲夫

    井上哲夫君 どうもありがとうございました。引き続きまたこの問題は質問させていただき勉強していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  153. 永野茂門

    永野茂門君 最初に人事院総裁にお伺いいたします。  本日の御答弁の中に何度も出てまいりましたけれども人事院勧告一般職公務員のためのほとんど唯一給与改善機会であるわけでありますけれども、景気低迷でありますとか歳入欠陥など厳しい財政事情のもと、本年はどのような認識を持って勧告を行ったか、お伺いしたいと思います。
  154. 弥富啓之助

    説明員弥富啓之助君) お答えを申し上げます。  ただいま委員指摘のとおり、現下の財政事情、非常に厳しい状況にあるということは我々人事院といたしましても十分に認識をいたしておるところでございます。しかしながら、毎回申し上げておりますように、人事院給与勧告、これは公務員労働基本権制約代償措置として国家公務員法に定められた情勢適応原則に基づいて官民給与均衡を図るという趣旨のものでございまして、この点くれぐれも御理解を賜りたいと存ずるところでございます。
  155. 永野茂門

    永野茂門君 このような重要な勧告でありますが、本年度勧告早期完全実施につきまして、既に官房長官あるいは総務庁長官から何度もお答えがありましたけれども、もう一度この早期完全実施についての見通しと決意について確認をしたいと思います。官房長官お願いしたいと思います。
  156. 武村正義

    国務大臣武村正義君) 退席をしまして失礼しました。  人事院勧告はもう既に総務庁長官からもお答えをいただいております。そのとおりでございますが、内閣全体としましても、労働基本権制約に対する代償措置であるという認識を持ちながら、なるべく早く事務的な作業、それから政治的な手続を終えて実施までこぎっけたいという考えでございます。  先ほど山口委員の御質問にお答えしましたとおり、目下総務庁作業を進めていただいておりますが、それを見ながら今月中、総理訪米前後に第一回の給与関係閣僚会議を開かせていただきます。ここで基本的な認識について意見交換をして、第二回目の関係閣僚会議をそんなに日を置かないでやらせていただく予定でございます。山口委員は一回でいいという御指摘もございましたが、絶対に二回必要かどうかは私も判断しかねますが、とりあえず本年は二回、余り日をあけないで開かせていただきたい。そして間髪を入れずに閣議を開かせていただいて決定をし、それから法案をつくり、もう一度法案を閣議了解して国会提出、こんな運びで進めさせていただき、今までよりは一カ月以上早く成立ができますように最善を尽くさせていただく考えでございます。
  157. 永野茂門

    永野茂門君 総務庁長官、何かつけ加えられることありますか。
  158. 石田幸四郎

    国務大臣石田幸四郎君) 今、官房長官からお考えが示されたわけでございますので、例年よりは一カ月早くなるということで御理解をちょうだいできればありがたいと思っております。
  159. 永野茂門

    永野茂門君 ありがたいお言葉を賜りましたので、ぜひその線でやっていただきたいと思います。  次に、外務省にお伺いいたします。  御承知のように、海外に派遣する平和協力隊員につきましては特別な平和協力手当というものが支給されておりますが、いわゆる国際緊急援助隊が海外に派遣された場合におきましても、災害直後の非常に危険な状況でありますとか、あるいは新しい環境のもと、難しい条件を克服しなきゃいけないとかいろんなことがあると思いますので類似の諸手当が必要なんじゃないかということが考えられますが、これらについてどういうような検討がなされておるか、お伺いいたします。
  160. 設楽清

    説明員(設楽清君) お答え申し上げます。  国際緊急援助隊に参加する国家公務員に対しましては、それぞれの所属先より通常の国内給与が支払われておりますけれども、特別な手当は支給されておりません。なお、現在派遣隊員の旅費、日当につきましてはJICA、国際協力事業団が規定額を負担、支給しているところでございます。  先生指摘のとおり、外務省といたしましても、派遣される隊員が主として大規模な災害に見舞われた海外の開発途上の地域において、被災地で活動するということ等にかんがみまして、各隊員の所属先より何らかの形で必要な手当を支給できるよう、現在関係方面と協議を行っているところでございます。  いずれにいたしましても、緊急援助隊に参加する隊員の処遇改善につきましては、今後とも引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。
  161. 永野茂門

    永野茂門君 今のことに関連いたしまして、緊急援助隊を派遣する一つの機関であります防衛庁にお伺いしたいと思いますが、政務次官、この件について何らかの要求を起こしつつありますか、その状況を承りたいと思います。
  162. 山口那津男

    説明員山口那津男君) もとより自衛隊員が緊急援助活動に参加する場合には、誇りを持って安んじて業務に従事できるように配慮することが重要でありますし、また海外で活動を行うという特殊性を十分配慮いたしまして、これに対する手当のあり方について現在関係省庁と調整を図っているところであります。  具体的に申し上げれば、国内業務として現在行われております災害派遣、この災害派遣については現行の特殊勤務手当の一つとして災害派遣手当というものが支給されておるわけでございますが、これを一つのモデルといたしまして国際緊急援助活動に適用できるようにしていきたい、こういう方向で今検討しております。  さらに、この手当の水準につきましては、国内と同様というわけにはまいりませんで、海外で、しかも主として開発途上国でこのような活動が行われる、こういう特殊性にかんがみまして、この厳しい環境下で行われる隊員の皆様に満足のいくような災害派遣手当というものを検討してまいりたこのように思っております。
  163. 永野茂門

    永野茂門君 同じく防衛庁にお伺いいたしますが、本年度人事院勧告におきまして、一般公務員中途採用者初任給決定方法改善につきまして勧告されています。  自衛官についても、業務の活性化を図り、そしてまた時代の変化に柔軟に対応できる幅広い人材確保する方策を整備すべきだと考えておりますが、人事院勧告を参考としながらどのように検討されておるか、次官あるいは担当の方に御答弁をお願いします。
  164. 宝珠山昇

    説明員(宝珠山昇君) 防衛庁としては、今先生指摘のような問題意識も含めまして、隊員の中長期的な確保対策について人材確保対策会議を設置して検討しているところでございます。その一環として、今御指摘のような問題を含めまして、一般職中途採用者初任給決定方法改善されるということであれば、それを準用するなりいたしながら、改善内容を自衛官についても適用できるように関係省庁と調整をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  165. 永野茂門

    永野茂門君 以上をもって質問を終わりたいと思いますが、先ほど同僚議員質疑の中に、隣国のミサイルについての情報が極めて不確かな状況であるという論争がありましたけれども、私はこういうような不確かな状況、隣国についてでありますので、あってはならない、ないようにしてもらいたい、こう思います。そのためにも情報に関するいろんな施策を予算をとってしっかりやっていただきたい。これは答弁は要りません。  お願いいたします。  以上です。
  166. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十八分散会