○今井澄君 今のお答え、確かに二木氏の
調査は自分の知り合いとか
医師の側、ケースワーカーの側、MSWの側から調べたという意味で偏る可能性があるわけですが、しかし彼がこの報告の中で言っているのは、十一ブロックに分けて見ていると。それで、北九州や南九州もかなり母数というか
調査対象として集まってきたものが多いわけです。この十一ブロックごとに
厚生省のブロックを当てはめて計算してみると、どのブロックでも
厚生省との比率が大体三倍前後、相関係数は〇・八九二ということで、一%の危険率で有意であるということをちゃんと統計的にも証明しておられるので、必ずしも今のお答えは当たらないのではないかというふうに思います。
さらに、私は
厚生省に引き続いて
調査をお願いしたいんですが、このアンケート
調査の用紙を拝見したわけですが、こういうものを郵送で送って
患者さんなり家族の方に書いて返送してもらうということでは正確な
調査はできない。というより落ちが多くなるということですね。これはやっぱり大変面倒くさいんですよね。三、四カ月も前に入院したものの領収書をとってあるなんということは余りないわけで、こういうものではむしろ低く出るんじゃないかと私は思いますので、できればまた
調査費をしっかりかけて聞き取り
調査か何か、数はこんなに二万五千人も多くなくていいですからやっていただいたらいいかと思います。
さらに、最近朝日新聞でシリーズ「あなたの老後は」が始まっていますが、この二十五日のナンバー③の「保険外
負担」の中でも、これは東京近郊で十万円以上、十万円以上、そしてとうとう預けられなくなって家へ引き取ったなんという例が幾つも出ているわけです。そういう意味でも、
厚生省の方としては、
調査の結果が低かったことに安心せずに、引き続き御
調査なり御指導なりをお願いしたいと思います。
そういう点で、これはお答えは多分いただけないだろうと思いますのであれですが、やはりお世話料として今まで非合法下で黙認されていたものが今度公認されたような感じがいたしまして、私はこの特定療養費制度の導入というものは非常に問題だと思うんです。
そもそも、この特定療養費制度というのは、かつて一九八四年に健康保険本人の一割
負担を内容とする健康保険法の
改正が行われた国会、百一国会であわせて導入された制度だったと思います。そのときの理由は、
日本の
医療保険制度は最初から最後まで保険でやるか、それとも最初から最後まで自費でやるか、要するにどっちかでしかできない、途中に自費分を狭めない、その矛盾があるのを解消するため、特に、まだ実験段階の高度
医療を受けるときに入院費まで全部自費じゃかわいそうじゃないかという論理で出されたと思います。あわせて、そのときに黙認されていた室料差額と金歯の材料費、これも一応法的に認めようということだったと思いますし、議事録を読んでみますとそういうことが書かれております。
そして、委員の側から、ひょっとしてこういう制度がどんどん
拡大されると保険制度自身がおかしくなるんじゃないか、自己
負担がふえるんじゃないかという
質問に対して、当時の吉村
局長はこういうふうに答えておられますね。
自由診療の範囲を
拡大しようとかあるいは将来にわたりまして保険給付の範囲を縮減しよう、こういうようなことを考えておるわけではございません。保険
医療としては従来どおり必要かつ適切な
医療は全部保険で給付する、保険
医療としては給付したいと明快に答弁しておられるわけですね。
そうすると、
先ほどの差額を取っていい部屋というのが、カーテンがついているとか衣服を入れるロッカーがあるとかというのが、これが必要かつ適切な
医療として保険給付されるべき問題のものではないかと私には思えてならないわけです。
さてそこで、次に進んでいきたいと思いますけれ
ども、確かにこういうことが言われる背景には、後ほどアメニティーのことをちょっと論じたいと思いますが、ニーズが多様化したと
先ほどのお答えにもあったと思いますけれ
ども、しかしカーテンがあるかないかというのはこれはニーズの問題ではなくて、本当に必要最小限の問題だと思います。だから、そういう意味ではこの特定療養費制度、これがどんどん
拡大するということに対して非常に大きな危惧がある。これにはどこかで歯どめをかけなければならない。これがこういう国会の
審議の場ではなく
中医協というところで、しかも
国民も知らないところで行われていくことに非常に大きな問題があるということを言っておかざるを得ないと思います。
それでさらに、今度の
診療報酬は、
資料の②の三枚とじのものでもお示ししましたが、さっき言いましたように大変複雑になってきている。この複雑になった理由にはいろいろあると思いますけれ
ども、
中医協でもこの答申を行ったときに、健保連の副会長である八木さんが複雑怪奇であるという感想を述べられたということを報道で知りました。まさに複雑怪奇であって、
医療関係者にすらわかりにくい点数表というのが現実にあります。確かに機能分化を進めなければいけないことは一方であると同時に、お金の計算の方法がやたらに複雑になるということはこれはいかがなものか。これは、
医療関係者にわからないだけではなく、受益者である
患者さんや家族にますますわかりにくくなって、一体何の金を取られているのかということがわかりにくくなるという意味では、簡素化を進めるべきではないだろうかなというふうに思います。
さらに、簡素化を進める上でのコンピューター化について、昨年の暮れに
日本医師会と
厚生省との間で
委員会ができて前向きに進められる方向にきたというのは、非常に喜ばしいことだと思います。しかし
厚生省の中には、
診療報酬制度を簡素化したりあるいはコンピューター化をしたりすることに対しては、保険局の一部の方を除くと非常に対応が冷たいということを私は
現場の方からも伺っているわけですし、自分自身も
医療情報システムをやってきて感じているわけです。やはりこういった情報化の時代ですから、保険なんというのは学問でもないし医学でもないわけで、要するにお金の支払い方の問題ですから、みんなにわかりやすい簡単な方向に今後やっていっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
そして、申しわけありません、幾つかお答えいただきたいんですが、時間の関係があって先へ進めます。
さて、そういう
診療報酬の問題でありますけれ
ども、今回の二月五日の
中医協の
診療報酬の改定では、今度の
医療法にかかわる特定機能
病院と療養型病床群にかかわる以外のものには一切手がつけられませんでした。ところが、
医師会からも
病院団体からもその他の各種の
医療団体からも、昨年四月の
診療報酬改定ではやっていけない、緊急に是正してほしいという要望が随分
厚生省の方にも行っていると思います。また、この参議院におきましても、昨年の八月と十一月の二回にわたって紀平悌子氏から
質問書が出ております。
そういうふうなことで、非常に今
診療報酬改定の要望が強いわけですが、これを二年に一回しか改定しない、この前の四月に改定したから今回の二月には最小限の改定しか、
医療法関係しかやらないというふうにお答えになりましたが、この二年に一度しか改定しないというのは、一体どこで決められたどういうルールで、今後も守っていくつもりなのかどうかお尋ねしたいと思います。