○吉岡
吉典君 そうだとしますと、ロシアの参加というふうなことになれば、先ほ
どもありましたようにこれは協定のやり直しですよ。それを
アメリカの実験棟についての変更だけだと言ってきたというようなことで前回済まされたわけですけれ
ども、これはやっぱり正確な事態の報告が当
委員会でなかったことだと私は言わざるを得ません。時間もありませんから、そういうふうに私は考えているということを表明します。
この問題でもう一点私は述べておきたいんですが、私がこの宇宙ステーション計画の過程にペンタゴンもかんでいたんだというようなことを問題にしたのに対して、いや、そうじゃないんだと、これは平和目的だという答弁がありました。時間の
関係で私そこで詳しく
展開する余裕がありませんでしたけれ
ども、この問題というのはやはり今の事態を考える上でも重要な問題なんです。
というのは、この計画にペンタゴンが関心を持っていたということは、当時の協定の
審議のときに外務省もはっきり認めていたわけです。そしてこの問題を協議するための国際会議には国防総省の代表も参加していた、国際会議にですよ。そういうことも外務省は認めていた。そして最大の論争になったのは、平和目的の定義が
アメリカと
日本とは違うんだということだったんです。
アメリカはこの
研究成果を軍事的に利用することは平和目的の範囲だと考えている。侵略的な軍事利用でないものは平和目的だということであり、
日本は軍事的な利用は一切許さない。この協定をめぐって定義は各国ごとの解釈でやるんだということだったわけです。だから、そういういいかげんなことじゃだめだと。平和目的の定義を統一してやらなきゃ、
日本棟でも
アメリカの実験もあるわけですからね。そういうことが論議になったわけです。侵略的に使わないというだけのことだと。ですから冷戦下にペンタゴンが大いに乗り込んだんだと。
私は、軍事利用をやろうとしているということが言いたいのじゃなくて、そういう状態が終わっちゃった、冷戦が崩壊しちゃった、だから
アメリカが財政上の理由とそういう情勢の
変化と二つの
変化からこれを縮小してくる
状況というのは一層強まっている。だから、今の事態を、我々が従来の
日本の主張をやりますと、主張をやるかやらないかは別問題として、主張しても事態をよくよく見守っていないと
日本の主張どおりにならない可能性が出てくるということを言いたくて私はこの前もそういうことを言ったわけですけれ
ども、そういう
状況で、あたかも私が一方的に勝手なことを言ったようにとられるとぐあいが悪いのでちょっと述べておきたいわけです。
それだけに、巨額の
予算を投じての宇宙開発問題の進め方ということは、私は本当のところ
日本の主張どおりになる可能性というのが非常に困難であるというふうに思うんです。そう断定はしませんけれ
ども、そういうふうに思うわけです。ですから、本当に一体どうなるかということは私は慎重に見守る期間が必要じゃないかということをこの前も申し上げたかったわけです。そして、もう
予算は計画どおりつぎ込んで、後からむだ遣いになった、あるいは多くの部分がむだ遣いになったというふうなことがないようにするためには、私は本当を言ったらこの部分の
予算は凍結して見守っていただきたいということぐらい言いたいわけです。
ともあれ、私はこの問題について、今どういうところへ落ちつくかわからない論議の最中に、いや、
予算は通してもらった、だからこのまま突っ走るんだということでない態度をとる必要があるということを、これ
予算の
審議ですから申し上げたいわけですが、それについてどのようにお考えかということだけ最後にお
伺いします。