○臼井主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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平成五年度
文部省所管予算概要説明
平成五年度
文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
平成五年度
文部省所管予算につきましては、我が国が、きたるべき二十一世紀に向けて、創造的で活力ある文化の香り高い国家として発展し、世界に貢献していく基礎を築くとともに、国民一人一人が、生活の豊かさを真に実感できる活力と潤いに満ちた「生活大国」づくりができるよう、教育・学術・文化・スポーツの
文教施策全般にわたり、その着実な推進を図ることとし、所要の予算の確保に努めたところであります。
文部省所管の
一般会計予算額は、五兆四千二百六十四億七千二百万円、
国立学校特別会計予算額は、二兆三千五百十七億六千三百万円となっております。
以下、平成五年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。
第一は、生涯学習の振興に関する経費であります。
生涯学習の振興については、平成四年七月の生涯
学習審議会答申「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」において示された提言を踏まえ、人々の生涯にわたる多様な学習活動の振興に資するため、生涯学習の基盤整備を総合的に推進するとともに、学校の生涯学習機能の拡充、生涯学習社会における社会教育の振興、青少年等の
社会教育施設の整備などを図ることといたしております。
まず、生涯学習の基盤整備につきましては、地域における生涯学習に取り組む体制の整備、多様な学習情報の提供、
社会教育指導者等の養成・確保に努めていくことといたしております。
次に、学校の生涯学習機能の拡充につきましては、大学等における社会人の再教育機能を高めるとともに、公開講座や学校の開放を促進するほか、放送大学の整備充実、
専修学校教育の振興を図ることといたしております。
また、社会教育の振興の面では、
現代的課題等の学習機会の整備充実に努めるほか、女性の社会参加への支援、家庭教育の振興、青少年の
学校外活動の振興、
長寿化対策事業の促進等を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。
さらに、
国立オリンピック記念青少年総合センター等国立社会教育施設の整備充実を図るとともに公民館、図書館等の
公立社会教育施設の整備に努めることといたしております。
第二は、
初等中等教育の充実に関する経費であります。
まず、義務教育諸学校の
教職員配置につきましては、児童生徒一人一人の個に応じた多様な教育を推進するため、第六次
公立義務教育諸
学校教職員配置改善計画を策定し、平成五年度から十年度までの六年計画で実施することといたしております。
なお、
義務教育費国庫負担金等のうち、
共済費追加費用等については、平成四年度において、同年度から六年度までの三年間で段階的に一般財源化することとされていましたが、これを平成五年度において全額一般財源化することといたしております。
次に、教員の資質の向上を図るため、
初任者研修制度を引き続き円滑に実施するなど、現職研修の体系的な整備充実に努めるとともに、教員の海外派遣、
教育研究団体への助成等を行うことといたしております。
教育内容につきましては、新
学習指導要領の趣旨徹底を図るため、引き続き講習会等を行い、さらに、今年度に引き続き、新教育課程の実施状況について、総合的に調査研究することといたしております。
また、理科教育における観察・実験を重視するため、中学校の設備基準を改訂し、その整備を図るほか、情報化への対応を円滑に進めるため、
教育用コンピュータの整備等を推進するとともに、
我が国社会の国際化への対応のため
外国語教育の充実や、豊かな人間形成のため読書指導の充実を図ることといたしております。
学校週五日制につきましては、平成四年九月から月一回実施しているところですが、平成五年度においては、月一回の円滑な定着を図るための研究協議を行うとともに、月二回の学校週五日制の導入に必要な
実践研究等を行うことといたしております。
また、
中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえ、
高等学校教育改革につきまして、調査研究の委託、
研究指定校の指定など引き続きその推進を図ることといたしております。
なお、
義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上いたしております。
次に、児童生徒の
登校拒否等の問題について適切に対処するため、
適応指導教室についての
実践的研究を拡充するなど、学校不
適応対策事業の一層の充実を図ることといたしております。
また、児童生徒の健全な育成を図るため、
自然教室推進事業等の施策を充実することといたしております。
さらに、環境教育の推進を図るため、
環境教育推進モデル市町村の指定等を行うことといたしております。
道徳教育につきましては、今後の道徳教育の参考に資するため、引き続き、
道徳教育推進状況調査を実施するなど、その一層の充実を図ることといたしております。
幼稚園教育につきましては、
幼稚園就園奨励費補助を充実するとともに、
幼稚園教育振興計画を推進するなど、一層の振興を図ることといたしております。
特殊教育につきましては、
心身障害児の
指導方法等の調査研究を行うとともに、
特殊教育就学奨励費を充実するなど、一層の振興に努めることといたしております。
また、
海外子女教育・
帰国子女教育につきましては、
日本人学校の新設や
児童生徒数の増加に対応し、派遣教員を増員するとともに、
在外教育施設における現地社会との国際教育・
文化交流等を一層推進するなど、その一層の充実を図ることといたしております。
さらに、学校における
エイズ教育など
児童生徒等の健康教育の充実に努めるとともに、豊かで魅力ある学校給食を目指して、その充実を図ることといたしております。
次に、
公立学校施設の整備につきましては、所要の事業量の確保を図りつつ、建築費の実態等を勘案の上、
補助基準単価の大幅な引き上げを行うとともに、
児童生徒急増地域における
小中学校校舎特例措置の継続等を行うこととし、平成四年度に対して二百二十六億円増の二千七百三十二億円を計上いたしております。
なお、定時制及び通信教育の振興、産業教育の振興、
地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
第三は、私学助成に関する経費であります。
まず、私立の大学等に対する
経常費補助につきましては、平成四年度に対して五十四億円増の二千六百五十五億五千万円を計上いたしております。このほか、
教育研究装置施設整備費補助及び
研究設備整備費等補助についても、それぞれ増額を図るなど教育研究の推進に配慮いたしております。
また、私立の
高等学校等の
経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、平成四年度に対して二十四億円増の八百四十七億円を計上いたしております。
日本私学振興財団の貸付事業につきましては、八百七十億円の貸付額を予定いたしております。
第四は、高等教育の整備充実に関する経費であります。
まず、高等教育の高度化等の要請に応え、大学院につきましては、研究科等の新設整備、
高度化推進特別経費や
最先端設備の充実など、各般にわたる整備充実を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。
国立大学につきましては、その
教育研究環境の改善充実を図るため、老朽・狭隘校舎の改築など
国立学校施設の整備充実を推進するほか、
教育研究設備の整備充実、
教育研究経費の充実等を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。さらに、大学改革の推進に即した学部の改組など、教育研究上緊要なものについて整備充実を図ることといたしております。
また、附属病院につきましては、看護婦等の増員を図るとともに、
集中治療部等の
社会的要請の強い分野に関する診療組織の整備を行うことといたしております。
なお、国立学校の入学料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することといたしております。
次に、
育英奨学事業につきましては、貸与月額を増額するほか、大学院学生の貸与人員の増員を図ることとし、
政府貸付金七百六十三億円、
財政投融資資金四百三億円と返還金とを合わせて、千九百九十二億円の
学資貸与事業を行うことといたしております。
また、公立大学につきましては、医科大学、
看護大学等の
経常費補助及び
教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることといたしております。
第五は、学術の振興に関する経費であります。
まず、
科学研究費補助金につきましては、独創性に富む優れた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための
基幹的研究費として大幅に拡充を図ることとし、平成四年度に対して九十億円増の七百三十六億円を計上いたしております。
また、我が国の学術研究の将来を担う優れた
若手研究者を養成・確保するため、
特別研究員の採用人数の大幅な
拡充等施策の充実を図ることといたしております。
次に、
学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、研究設備の充実、
学術情報システムの整備、大学と産業界等との研究協力の推進など各般の施策を進めることとし、国立大学における研究環境の高度化に資するため、基盤的な研究設備の整備充実を推進することといたしております。
さらに、
天文学研究、
核融合研究等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとし、これらに要する経費として五百六十五億円を計上いたしております。
第六は、スポーツの振興に関する経費であります。
広く
スポーツ施設の整備を進めるため、
社会体育施設及び
学校体育施設の整備に要する経費として二百五十一億円を計上いたしております。また、学校体育につきましては、
学校体育指導の充実を図るため所要の経費を計上いたしております。
さらに、生涯
スポーツ推進の観点から、指導者の養成・確保など、
幅広ぐ国民の
スポーツ活動を助長するための諸施策の一層の推進に努めることとし、所要の経費を計上いたしております。一次に、
競技スポーツの振興につきましては、
日本オリンピック委員会が行う
選手強化事業を引き続き実施するとともに、
スポーツ科学の推進を図るため、
国立スポーツ科学センター(仮称)の建設に伴う事前調査を行うほか、
国民体育大会への助成など、所要の経費を計上いたしております。
また、一九九八年に長野で開催される第十八回
オリンピック冬季競技大会の準備を推進するため、所要の経費を計上いたしております。
第七は、芸術文化の振興と文化財の整備・活用の推進に関する経費であります。
まず、芸術文化の振興につきましては、優れた
舞台芸術活動への支援を推進するとともに、
若手芸術家に国内外における研修の機会を提供する
芸術フェローシップ事業の拡充を図るほか、地域の文化振興のための
地方拠点都市文化推進事業等の諸施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。
次に、文化財の整備・活用につきましては、史跡の整備・公有化の促進、国宝・
重要文化財及び
歴史的町並みの
保存整備等の推進を図るとともに、国分寺・国府跡(こくふあと)等の史跡を地域住民の生活・文化のふれあいの場として活用を図る
地域中核史跡等整備特別事業を実施することといたしております。
第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。
留学生交流につきましては、二十一世紀初頭における十万人の
留学生受入れを目途に、
国費留学生受入れの
計画的整備、
私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における
教育指導体制の充実など各般の事業を積極的に推進するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として三百八十七億円を計上いたしております。
さらに、外国人に対する
日本語教育、特に我が国の義務教育諸学校に在籍している
外国人子女への
日本語指導の充実を進めるとともに、
識字教育事業に対する協力などユネスコを通じた
教育協力等もその推進を図ることといたしております。
次に、学術の国際交流・協力につきましては、諸外国との
研究者交流、各種の
国際共同研究、
発展途上国との学術交流、国連大学への協力等を推進することといたしております。
また、文化の国際交流につきましても、優秀な芸術家の招へい、
海外フェスティバル等への参加公演、
文化財保存の国際協力など各般の施策の充実を図ることといたしております。
以上、平成五年度
文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〔
村田国務大臣の説明を省略した部分〕
以下、この
歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。
最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。
まず、
地方交付税交付金財源の繰入れに必要な経費でありますが、十五兆六千百七十三億五千万円を計上いたしております。
これは、平成五年度の所得税、法人税及び酒税の
収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額、消費税(
消費譲与税に係るものを除く。)の
収入見込額の百分の二十四に相当する金額並びにたばこ税の
収入見込額の百分の二十五に相当する金額の合算額十五兆九千八百三億五千万円に平成五年度における加算額三百七十億円を加算した額から、平成五年度特例措置に係る額四千億円を控除した額を交付税及び
譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
次に、
国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百十五億五千万円を計上いたしております。これは、いわゆる
基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する
国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、
助成交付金を交付するためのものであります。
次に、
施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十六億円を計上いたしております。
これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける
施設等所在市町村に対し、
調整交付金を交付するためのものであります。
次に、新
産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、二十六億四千百万円を計上いたしております。
これは、新産業都市、
工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、
建設事業債の
特別調整分について
利子補給金を交付するためのものであります。
次に、
公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、五十四億一千三百万円を計上いたしております。
これは、昭和四十七年度から昭和五十七年度までの間において発行された
公営地下高速鉄道事業債の支払利子に相当するものとして発行を認めた企業債の利子の一部について、
地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。
次に、
公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、七十三億八千万円を計上いたしております。
これは、
公営企業金融公庫の
上水道事業、
下水道事業、
工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に対する貸付利率の引下げに関連し、同公庫に対し補給金を交付するためのものであります。
次に、
広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、四億二千三百万円を計上いたしております。
これは、
広域市町村圏等において、
田園都市構想の推進を図るための
地方公共団体に対する
田園都市構想推進事業助成交付金の交付に必要な経費であります。
次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、十六億二千八百万円を計上いたしております。
これは、選挙人の政治常識の向上を図り、明るい選挙を推進するために、都道府県に対し交付する等必要な経費であります。
次に、
衆議院議員総選挙及び
最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費でありますが、四百三十九億七千七百万円を計上いたしております。
この経費は、平成五年度における
衆議院議員総選挙の執行に必要な経費、
衆議院議員総選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する
衆議院議員総選挙の啓発の推進をするために必要な経費及び同時に行われる
最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費であります。
以上が自治本省についてであります。
次に、消防庁について、御説明申し上げます。
消防防災施設等整備に必要な経費として、百六十億六千八百万円を計上いたしております。
これは、市町村の消防力の充実強化を図るとともに複雑多様化する各種災害に備えるため、消防車、ヘリコプター、高
規格救急自動車、
消防団拠点施設、防火水そう、
耐震性貯水そうなどの諸施設等を地域の実情に応じて重点的に整備するために必要な経費であります。
第二に、
特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。
自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び
譲与税配付金特別会計があり、交付税及び
譲与税配付金勘定と
交通安全対策特別交付金勘定があります。
まず、交付税及び
譲与税配付金勘定の
歳入予定額は二十兆四百十三億六千七百万円、
歳出予定額は十九兆七千二十億六千七百万円となっております。
歳入は、「交付税及び
譲与税配付金特別会計法」に基づく一般会計からの
受入れ見込額、消費税の
収入見込額の五分の一に相当する額、
地方道路税の
収入見込額、
石油ガス税の
収入見込額の二分の一に相当する額、
航空機燃料税の
収入見込額の十三分の二に相当する額、
自動車重量税の
収入見込額の四分の一に相当する額、特別とん税の
収入見込額等を計上いたしております。
歳出は、
地方交付税交付金、
地方譲与税譲与金及び借入金の
償還財源等の
国債整理基金特別会計への繰入れ等に必要な経費であります。
次に、
交通安全対策特別交付金勘定の
歳入予定額は九百五十九億五千二百万円、
歳出予定額は八百八十六億二千三百万円となっております。
歳入は、
交通反則者納金の
収入見込額等を計上いたしております。
歳出は、
交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。
以上、平成五年度の
自治省関係の一般会計及び
特別会計予算の概要を御説明申し上げました。