○森国務大臣
中島委員にお答えを申し上げます前に、先ほど同僚の
井出委員からもお話がございましたように、
委員の御尊父は当選以来ずっと商工
委員会の重鎮でございました。たまたま、初めて当選をなさいましたとき私と同じ昭和四十四年の同期でございまして、またこういう場で申し上げていいかどうかわかりませんが、群馬県の偉大な指導者でありました福田赳夫
先生の門下にも二人ともございまして、同期生として競い合ってきたわけでございます。その
中島先生がまさかと思うような本当に早い他界をなさいまして、我々も愕然といたしたわけでございますが、その御子息がこうして見事にお父さんの遺志を継がれて
国会に出られる。
今お聞きしましたらきょうが初
質問ということでございまして、それにまた私がお答えをする。通産行政、
中小企業についてはまさに
中島源太郎
先生の領域でありました。どちらかというと私は素人なのかもしれませんが、もしここにお父さんが立っておられたらなと思うわけでありまして、感無量でございます。特にお父さんは自動車産業については我が党唯一の政策を持っておられましたし、それから、きょう御
質問をいろいろいただいております
中小企業につきましても、私の政調会長時代も
中小企業調査会の会長としていろいろと御活躍いただいた、そういう御縁がございまして、お答え申し上げることが本当に私にとっても感無量なものがあるわけでございます。
いろいろと今
委員からお話がございましたように、我が国の事業所の約八割を占めております、日本経済のまさに底辺を支えております
小規模事業者、この事業者の数が、先ほどの
井出さんのときにもお話があったかと思いますが、
平成元年五百九万から
平成三年には四百九十万に減少しておるわけでございまして、小
規模企業は多様化、個性化する
需要への対応、新事業分野への参入、あるいは新技術の商品化等の面で機動的な対応が可能な側面をいろいろ有しておりまして、これまで日本の活力の源泉になってきておられましただけに、こうした現象というのは私
どもにとっても、これからの日本の経済についてもかなり懸念をされるところだ、こう思っております。
実は私は、次の
安田委員の御
質問の時間にちょっと御迷惑をかけるかもしれませんが、きのうロシアからお見えでございましたフョードロフ副総理と少しお話をさせていただきました。非常にロシアの自主的な経済改革について御関心を持っておられまして、特に通産省の施策に対して大変な関心を持っておられました。
戦後の日本がこうした形で経済力をつけたというのは、やはり
中小企業を育成したことだ、この
中小企業は特に地域をつくり上げていったことだ。かつての日本は善光寺のようにお寺や神社を
中心にして栄えていった、そういう城下町もあります。もちろんお城もございましょう。しかし、もう
一つはやはり、そうした
企業が
中心になってその地域をつくり上げていった。例えば
委員のおられます太田などは、まさに富士重工を
中心にした自動車城下町、こう申し上げてもいいのかもしれません。そういう中に、関連の深い、すそ野のいろいろな部品産業や関連
企業が栄えていって地域をつくり上げている。私はこういうことを副総理にも申し上げました。
そして、これからのロシアの経済的な改革、自立は、
中小企業を育成することだ、そのために今回宮澤総理が発表いたしました日ロの
支援項目の中にも、
中小企業の育成という項目を加えてあります、そうしたことを大いに参考にしていただきたい、またそのためにも通産省としてはできる限りのお手伝いも申し上げたい、こうきのうお話をしてきたばかりでございます。
しかし、同時に、そういうことをロシアに対して申し上げている我が国でも、そうした小
規模企業が減少していくという現実、これは日本の経済にとって重要な問題として我々は取り組んでいかなければならぬ、このように考えております。
今後とも、このような小
規模企業の先ほど申し上げたような利点を生かしながら、これら事業活動が継続するとともに、
企業規模が小さいことによって起因する不利を克服し、みずからの努力次第でさらなる発展成長をなし得る環境を整備することが我が国国民経済の健全な発展に不可欠でございます。本法の
運用等を通じまして、小
規模企業の
経営基盤の
充実を、
中小企業庁が
中心になって環境あるいは税制面あるいはまた金融面において万般たる基盤をつくり上げていくということが私
どもの大事な仕事であろう、このように認識いたしております。今後とも、今回の
法律に基づきまして、基盤の
充実のために最大限の努力を傾けていきたい、このように考えております。
どうぞ
中島委員も、お父さんの御遺志を受け継いで、
中小企業あるいは通商行政に対してなお一層御研さんありますことを御期待申し上げて、お答えといたしておきます。