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浦野委員長 これより会議を開きます。
厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
心身障害者
対策基本法の一部を改正する法律案の起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、
委員長において草案を作成し、
委員各位のお手元に配付いたしてございます。
その起草案の趣旨及び内容について、
委員長から簡単に御説明申し上げます。
国際連合においては、昭和五十八年から昨平成四年までの十年間を国連障害者の十年と宣言し、各国において行動計画を策定し、障害者の福祉の増進を提唱してきたところであります。
我が国においても、この提唱に基づき、昭和五十七年三月に障害者
対策に関する長期計画を決定し、この十年間に、
身体障害者福祉法の改正、
障害基礎年金の創設、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正等、障害者に関する施策の着実な進展が図られてきたところであります。
さらに、昨年四月には、本年、すなわち一九九三年から二〇〇二年までの十年間をアジア太平洋障害者の十年とすることが国連アジア・太平洋経済社会
委員会第四十八回総会において採択され、政府においても、本年三月に新たな障害者
対策に関する長期計画を策定し、これまでの理念及び目標を受け継ぎながら、新たな時代のニーズにも対応できるよう積極的に取り組んでいくこととしております。
しかしながら、障害者の完全参加と平等を目指すためには、今後も引き続き施策の一層の
充実強化が求められております。
本案は、このような国連長期計画の節目の時期に当たり、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等に対応すべく、心身障害者
対策基本法を大幅に改正することとし、障害者の自立と社会参加の一層の促進を図るため、同法の題名を改め、障害者のための施策に関する基本的理念を定めるとともに、障害者の日及び障害者のための施策に関する基本的な計画に関する規定を設けるほか、雇用の促進、公共的施設の利用及び情報の利用等に関する規定の改正等、障害者のための施策を総合的かつ計画的に推進するための措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、法律の題名を「障害者基本法」に改めるとともに、障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを法律の目的とすること。
第二に、法律の対象となる者の名称を障害者に改めるとともに、身体障害、精神薄弱または精神障害が法律の対象であることを明定すること。
第三に、基本的理念として、「すべて障害者は、社会を構成する一員としてあらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする」を加えること。
第四に、十二月九日を障害者の日とすること。
第五に、政府は、障害者基本計画を策定するとともに、都道府県及び市町村も同様の計画を策定するよう努めること。
第六に、政府は、毎年、国会に、障害者の施策の概況に関する報告書を提出すること。
第七に、国及び地方公共団体は、障害者の医療、施設への入所、
在宅障害者への支援及び雇用の促進等について、必要な施策を講ずることとし、事業者に対しても所要の努力義務規定を設けること。
第八に、心身障害者
対策協議会の名称を障害者施策推進協議会に改めるとともに、中央協議会の
委員を障害者及び障害者福祉事業の従事者のうちからも任命すること。
第九に、この法律は、公布の日から施行すること。ただし、障害者施策推進協議会及び障害者基本計画等に関する規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行すること。
以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
心身障害者
対策基本法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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