○吉井(光)
委員 次は、空き教室の保育所等への転用についてでございます。
児童福祉法に基づいて保育所がつくられて約四十五年がたったわけですが、最近
女性の社会進出、それから核家族化など、いわゆる養育環境というものが大きく
変化をしてまいりました。こうした
変化の中で、
女性が働きながら子育てができるためには保育所はどうあるべきなのか、もう一度見直す必要があると思うのです。
その見直しを検討してきた厚生省のこれからの保育所懇談会、これが去る四月七日に「今後の保育所のあり方について(提言)」をまとめまして、
児童家庭局長に提出をしたわけでございますが、この提言によりますと、これまで行政が主導する形で
運営されてきたために、延長保育、それから夜間保育、一時保育など、いわゆる特別保育
事業と呼ぶさまざまなメニューがあったにもかかわらず、おのおのの保育
事業及び保育施設間に大きな格差が生じている、このように
指摘をしているわけでございます。
すなわち、全国の保育所、園で預かる
子供が約百六十二万人、うちゼロ歳児はたったの四万四千人にすぎないわけでございまして、四歳児以上であるならば保母一人で三十人預かることができるが、ゼロ歳児であるならば三人までの基準になっているからでございます。全国に約二万三千カ所ある保育施設のうち、延長保育で千百四十六施設、一時保育で二百七十四施設しかないわけでして、このため提言では、行政側は今までのような特別な保育意識を捨てて、働く
女性にも残業もあれば出張もあるといった、いわば保育所の
一般の機能として受け入れる必要がある、このように言っているわけでございます。
また、保育所に対しましては、子育て
家庭への支援センターの役割を求めております。さらに、お年寄りや年長の
子供たちとの交流センターになってほしい、このようにも言っているわけですが、そのためには、この保育所が地域の中核に位置するということが大事であります。しかも、老朽化した施設の計画的整備が必要であると
指摘をしているわけです。
そこで今、小中学校の
児童生徒数が
減少をしてまいりました。既に一万近い空き教室があるようですが、これを社会教育施設といったいわゆる文部行政の範囲内での転用だけではなくして、保育所であるとか、また高齢者、障害者の施設に利活用してはどうか。こうした利活用は、ベビーホテル等のいわゆる無許可の保
児童福祉施設問題の対策にもつながってくると思いますし、また、既にあるものを活用すれば土地代は要りません。また
改築コストも安く上がる。
しかも複合施設になるならば、世代間の交流であるとか障害者交流、こうしたものも自然に生まれて育っていくと思うのです。さらには、働くお母さんたちへの支援がなければ、将来の出生率の向上も労働力の確保もおぼつかないことを
考え合わせれば、まさに一石二鳥である、このように私も思うわけでございますが、文部省の御見解はいかがでしょうか。