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1993-04-14 第126回国会 衆議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成五年四月十四日(水曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 野中 広務君    理事 大野 功統君 理事 金子原二郎君    理事 久野統一郎君 理事 杉山 憲夫君    理事 野田  実君 理事 石井  智君    理事 山内  弘君 理事 平田 米男君       植竹 繁雄君    大石 正光君       金子徳之介君    川崎 二郎君       木村 守男君    塩谷  立君       光武  顕君    谷津 義男君       山本 有二君    木間  章君       貴志 八郎君    渋谷  修君       松本  龍君    伏木 和雄君       薮仲 義彦君    辻  第一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 中村喜四郎君  出席政府委員         建設大臣官房長 望月 薫雄君         建設大臣官房審 村瀬 興一君         議官         建設省建設経済 伴   襄君         局長         建設省都市局長 鹿島 尚武君  委員外出席者         運輸省鉄道局技         術企画課技術開 白取 健治君         発室長         建設委員会調査 杉本 康人君         室長     ――――――――――――― 委員の異動 四月十二日  辞任         補欠選任   植竹 繁雄君     渡辺 秀央君   貴志 八郎君     鈴木  久君 同日  辞任         補欠選任   渡辺 秀央君     植竹 繁雄君   鈴木  久君     貴志 八郎君     ――――――――――――― 四月十三日  住宅投資促進等に関する陳情書  (第一六二号)  第十一次道路整備五箇年計画促進のための道路  特定財源充実強化に関する陳情書外二十七件  (第一六三号  )  三陸縦貫自動車道建設促進に関する陳情書  (第一六四号)  第二国土軸整備推進等に関する陳情書外二件  (第一六五号)  紀淡連絡道路早期実現に関する陳情書  (第一六六号)  近畿自動車道敦賀線早期建設に関する陳情書  (第一六七号)  本州四国連絡橋建設促進に関する陳情書  (第一六八号)  島原・天草・長島架橋建設促進に関する陳情書  外一件  (第一六九号)  四国主要幹線道路等建設促進に関する陳情  書外一件  (第一七〇号)  九州の高速自動車道等整備促進に関する陳情  書外一件  (第一七一号)  下水道整備事業促進に関する陳情書外一件  (第一七二号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  一四号)      ――――◇―――――
  2. 野中広務

    野中委員長 これより会議を開きます。  内閣提出土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山内弘君。
  3. 山内弘

    山内委員 この法案に対する最初の質問者として、この法案背景、趣旨、効果等について概括的に伺うわけでありますが、広く土地区画整理事業実態と今後のあり方について問いたいと思います。  申すまでもなく、住宅宅地問題は、大都市地方都市を通じて国民生活の向上のための重要な課題であります。ところが、それに対する今日までの政府の取り組みは極めて不十分であり、国民の多くが非常に不満を覚えておると思うわけでありまして、政府がやっと五カ年計画において年収五倍論を打ち出し、これらの問題に取り組む姿勢を示しておるわけでありますけれども、これはまさに遅きに失した感があると思うわけでございまして、住宅宅地問題の解決のためにはさまざまな策が総合的に講じられる必要があるわけであります。  最も重要な対応の一つが、良質な宅地供給の確保であります。ところが、そのための用地買収が、今日では、地主方土地保有意欲が大きいために非常に難しくなっておるというのが現状であります。  そこで、全面的な用地買収を伴わずに、面的に基盤整備された良質な宅地供給される土地区画整理事業への期待が極めて大きくなっておるわけでございます。  そこで、まず、土地区画整理事業我が国市街地整備に果たしてきた役割について、今日までの実績を含め、具体的に示していただきたいと思うわけであります。
  4. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 我が国市街地整備は、御案内のとおり、関東大震災に対する復興策、そしてまた、第二次世界大戦の二度の大きな機会をとらえまして進展をしてきたというふうに言われております。震災復興土地区画整理事業首都東京近代都市へ脱皮するきっかけであったわけでありますけれども戦災復興土地区画整理事業全国百二の都市におきまして約二万八千ヘクタールが整備され、各都市中心市街地整備が進められまして、今日の都市発展の大きな基礎となったものでございます。こういった経験を踏まえまして、土地区画整理手法を用いて、新市街地整備既成市街地の再整備都市拠点形成等市街地整備を進めてまいったわけでございます。  土地区画整理事業は、平成年度末までに全国で約九千五百地区約三十四万ヘクタールについて着工されまして、うち約七千七百地区約二十六万ヘクタールが今日まで完了をいたしてございます。三十四万ヘクタールというふうに申しますと、全国市街地面積百七十二万ヘクタールあるわ けでございますけれども、その二〇%に相当するという大変な規模に上るものでございます。  こういった区画整理事業によりまして、都市基盤整備はもとよりでございますけれども宅地整備が進められてまいったわけでありますが、ちなみに道路で約七万キロメートル、公園で一万ヘクタール整備されまして、公園で見てまいりますと、全国整備されました住区基幹公園の約五五%がこれに当たるわけでございます。こういった意味で、土地区画整理事業都市基盤整備宅地供給に極めて大きな役割を果たしてきたというふうに理解をいたすところでございます。
  5. 山内弘

    山内委員 今答弁あったように、確かに広大な面積市街地土地区画整理事業によって整備されてきたことは事実であります。その実績はあるわけでありますけれども、それによって本当に国民が皆ゆとりを持ってそのことを感じておるかというと決してそうではない、私はまだまだそのことは不十分であると思うわけでございます。東京に人口や産業が集中し、非常に職と住の遠隔化住宅の取得が非常に難しいといった一極集中問題が発生する一方で、地方においては若者のふるさと離れが進み、ふるさとの町がだんだん活気のない寂しいものになってくる状況があるわけでございます。  今日のような都市化の時代においてふるさとに活力を取り戻すためには、町づくりが極めて重要であります。今後、土地区画整理事業を大いに役立たせる必要があると思いますけれども、そのための政策はどのように十分な体制がとられ得るのかどうか。  また、土地区画整理事業と言えばまず減歩という言葉が頭に浮かんでまいります。地権者にとってこの負担がなかなか重い事業という印象があるわけでありますけれども、その点の実態はどうなっているのか、その点についてお尋ねをしたいと思うわけでございます。
  6. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 先生仰せられましたのは、区画整理事業減歩のお話であろうかと思います。  土地区画整理事業は、御案内のとおり、道路等公共施設整備改善とあわせまして宅地整備を総合的、一体的に行う事業でございますけれども、その必要とする財源事業費財源というものは、保留地処分金等自己財源が主となるものであるわけでございます。  そこで、土地区画整理事業におきましては、そういった受益に応じまして地権者の適切な負担が前提となってくるわけでありまして、その場合に減歩率というのが重要になります。施行地区状況によりまして減歩率というのはまちまちでございますけれども昭和六十年度から平成年度までに事業認可されました地区について見てまいりますと、既成市街地中心に施行している公共団体事業二五%前後、新市街地中心に施行しております個人、組合事業におきましては三五%前後、山林等も含めまして大規模事業を展開する公団事業におきましては四〇%前後というようなことになっております。全体ぐるめまして三〇%前後というような状況であろうかと思います。
  7. 山内弘

    山内委員 今経過を考えるときに、受益に応じて適切な負担がなされるべきであるということは、我が党が率先して制定した土地基本法基本的理念一つでもあります。基本的には好ましいものであると考えられるのでありますけれども、その意味では土地区画整理は唯一の合理的な制度ではないかと思いますが、実際のところ、このような優等生でいるのは、地権者に対する説得も含めてなかなかつらいのではないかと想像もできるのでございます。道路などの公共施設を自前で整備するという大きな負担を強い、関係権利者の間の調整を図りながらうまく事業を進めるためには、大変な苦労も伴うでありましょう、  したがって、先ほど述べたように、十分な支援措置があってしかるべきであると思うわけでありますけれども、現在の土地区画整理事業に対する資金的な助成措置はどのようになっているのか、その点をお伺いしたいと思うわけであります。
  8. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 土地区画整理事業は、道路等公共施設整備改善宅地整備を総合一体的に実施をする事業でございますので、その整備財源につきましては、保留地処分金等自己財源でやってまいるというのが主となっているわけでございます。しかしながら、先生仰せのとおり、採算工事業実施が不可能な地区というものも当然あるわけでございますので、その推進助成措置というものが不可欠であるわけでございます。  今日とられております助成措置の主なものについてかいつまんで申し上げますと、一つ施行地区内でいろいろ一定の要件に該当する事業に対しまして、都市計画決定されました幹線道路整備を対象として道路整備特別会計から補助がなされております。平成年度の予算でまいりますと、約二千七百億円でございます。大変これが大きな役割を果たしておるところでございます。  それから、二つ目融資関係でございます。組合等が行います土地区画整理事業に対しまして、一般会計からでございますけれども、過去におきまして、無利子貸付制度実施いたしてございます。これを今般お諮り申し上げております法律改正によりまして、さらに拡充をしていきたいと考えているところでございます。  それから第三点目は、結局土地区画整理事業というのは、地主さん方の共同の意思によりましてその地域を開発していくものでございますので、文字どおり民活事業でございます。そういう意味で、民活区画整理緊急促進事業といったようなものによりまして、無利子貸付制度実施いたしておりますし、住宅金融公庫等からも宅地造成資金融資がございます。そしてまた、税制等におきましても配慮がなされているところでございます。
  9. 山内弘

    山内委員 道路公共性の大きさ、これに応じた助成措置必要性は、大いに私も評価をいたしますけれども土地区画整理事業の成果というのは、必ずしもそれだけではないというふうに考えるわけでございます。  計画的に基盤整備された土地において、住宅、商業、文化など、さまざまな都市の機能を担う施設建設が期待されているわけでありますから、そうした活動を支援する面にも着目した助成措置を今後ますます充実させる方向で考えていくべきではないかということを指摘しておきたいと思うわけであります。  先ほどから申し上げているように、本当に国民が皆ゆとりと豊かさを感ぜられるふるさと町づくりのためにもう一つ私が重要だと考えていることがあるわけです。それは、その町ならではのよさ、言いかえれば個性というものをどのようにうまく引き出すかということであります。地域にはそれぞれの独自の歴史風土文化、自然があるわけでありますから、それらを生かした町づくりによってこそ我々が誇りと自信を持って、かつ快適に暮らすことができるようになるはずでございます。  先ほど、私は土地区画整理事業に対する助成措置重要性を述べたわけでありますけれども、国が助成するからといって、全国どこでも金太郎あめのような町づくりになるのでは困るわけでありまして、建設省地域自主性を生かすような助成の方法を工夫しているかどうか、こういう点に対する考え方も伺っておきたいと思うわけでございます。
  10. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 先生仰せのとおり、近年国民生活環境に対するニーズが大変高度化、多様化してまいっております。個性化され、魅力ある都市空間形成を図るということが強く求められておるわけでございます。そこで私ども、この土地区画整理事業を施行するに当たりましても、地域の発意と創意工夫に基づきまして、個性的で魅力ある市街地形成というものをお手伝いしていきたいと考えまして、六十二年度からふるさと顔づくりモデル土地区画整理事業推進してまいっているところでございます。  この事業内容でございますけれども区画整理事業の各施行地区におきまして、その核となり ます公共施設公益施設等地区の顔として位置づけをいたしまして、良好な景観形成地域コミュニティー形成に配慮した整備促進するといったような、個性と潤いのある町づくりを目指すものでございます。顔づくり計画策定のための必要な費用あるいは高品位な舗装、植栽、モニュメント、電線類地中化のための工事費といったような通常の事業よりもよりレベルの高い公共施設整備を支援しているところでございます。
  11. 山内弘

    山内委員 この点については、土地区画整理事業の中で最も意を尽くしてもらいたいという点においては、非常に機械的にただ単に行うということではなくて、そこに魂を入れ、地域活性化を図り、その地域歴史風土文化、これを末永く保存しながら、さらに新しく前進するという地域性を加味することが、極めて重要な意味合いを持つ、そういうふうに考えるわけでございますので、そのような地域自主性を生かす工夫をした町づくりを今後とも果敢に進めていくことを強く指摘しながら、この点に対する質問を終わりたいと思うわけでございます。  次に、土地区画整理法は、昭和二十九年に制定されて以来、四十年近くにわたって施行されてきたわけであります。今回、本改正案が提出される背景について、まず説明をしていただきたいと思うわけであります。
  12. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 豊かさとゆとりを実感できる国民生活を実現し、生活大国を築いていく上で、住生活充実というものが最も重要な課題一つであることは、先生おっしゃるとおりでございます。  私ども認識といたしまして、まず大都市地域におきまして住宅宅地供給促進が依然として大きな課題となっておりまして、居住環境の良好な住宅宅地供給を図るための方策を講ずることが現在求められているところでございます。  また、生産緑地法、それから関連税制改正を受けまして、農地宅地化進展が予想されます。農地所有者等を適切に支援しながら、農地計画的な宅地化促進いたしまして、良好な住宅宅地供給に結びつけることが必要になってまいっております。  一方、目を転じまして地方都市でございますけれども、定住を促進する居住環境の良好な住宅宅地供給というものが促進される必要があるわけでございます。土地区画整理事業は、従来から住宅宅地供給について重要な役割を果たしてまいってきておりますけれども、こういった状況のもとで、なお一層の事業推進住宅宅地供給への貢献が求められておるわけでございます。  そこで、かねてから都市計画中央審議会にお諮りをいたしておったわけでございますけれども、昨年十二月九日、都市計画中央審議会から答申をちょうだいいたしまして、今般所要の方策を講じさせていただきたいと考えておるところでございます。  そのまず第一点でございます、新市街地におきまして施行地区の一部に先行的に成熟度の高い町並み形成し、施行地区全体の住宅建設促進するための核とする方策、つまり住宅先行建設制度を創設させていただきたいということが第一点であります。  それから第二点は、新市街地における住宅宅地供給に資する土地区画整理事業に関し、その重要な担い手でございます土地区画整理組合等に対する支援策充実するために、住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度を創設させていただくようにお願いを申し上げでございます。
  13. 山内弘

    山内委員 この事業宅地供給に重要な役割を果たしてきたのだということを言っておるわけでありますけれども、それでは具体的にどういうことになっておるのか、数字を挙げてまず示していただきたいと思うわけであります。
  14. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 土地区画整理事業は、各年度ごと全国で年間約四千ヘクタールの宅地を今日まで安定的に供給をしてまいっております。近年におきましては、供給量が、開発許可を含めまして総宅地供給量の約四割に達しておるところでございます。このように土地区画整理事業宅地供給において極めて大きな役割を果たしておりまして、総宅地供給量がむしろ停滞傾向を示す中におきまして、計画的な町づくりという観点から、役割はますます重要になってこようというふうに思うわけでございます。  とりわけ、今後は大量の宅地供給を行うための大規模宅地開発事業に係る用地買収が現在より一層困難になることが予想されるわけでございますので、地権者が参加をする事業手法として土地区画整理事業役割はこれからさらに高まってくるものと認識をいたしております。
  15. 山内弘

    山内委員 今答えのあった四割の宅地というのは、土地区画整理事業が終了した土地合計のことであるのか、それともその中で実際に家が建って宅地として利用された土地のことなのか、どっちのことなのか、明確にしていただきたいと思うわけであります。
  16. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 実際に家が建って宅地として利用された土地面積合計が全宅地供給量の約四割という意味でございます。
  17. 山内弘

    山内委員 せっかく土地区画整理事業によって宅地が造成され、道路公園などが整備されても、それが実際の宅地供給に直接結びつくとは限らない、そう思うわけでありまして、なかなか市街化が進まないという実態があるようであります。そしてどうしてそのような事態が生ずるのか、その原因についてお尋ねをしておきたいと思うわけでございます。局長はどう考えられるか、その点明確にひとつ答えていただきたいと思うわけであります。
  18. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 昭和六十二年十一月、建設省で、三十七年から五十九年度事業認可、そして完了した区画整理済み地におきましてまだどのくらい家が建ち上がらない土地があるかという調査をいたしました。全国で約二万二千ヘクタール余りございます。  こういった土地区画整理事業施行済み地状況につきましては、その地区の従前の農用地賦存状況あるいはまた母都市宅地需給の動向といったような地域の実情によりまして、かなりばらつきが生じることはやむを得ないことでございます。区画整理事業自体が先駆けて公共施設整備改善宅地整備を行うわけでございますので、当然という側面もあろうと思います。  ただ、早期市街化進展しない要因といたしまして、これまた地域におきましてさまざまな事情があろうかと思うわけでございますけれども一般論でございますが、幾つか申し上げさせていただきますと、まず第一に、土地区画整理事業による基盤整備自体が、投資効率上、スプロールに先立って早期実施することが望ましいわけでございますので、一般論でありますが、事業完了早期市街化を期待することにまず無理があろうということでございます。そういう場合があろうというわけでございます。  また、当面営農を継続することを条件といたしまして区画整理事業に参画している地権者も多いわけでございますし、一般土地所有者土地の売却に消極的な側面があろうかと思います。  そしてまた新市街地におきましては、既存の住宅公益的施設等の集積がないわけでございますので、市街地としての成熱度利便性が低く、基盤整備がなされても、権利者早期住宅建設しにくいわけでございます。また、居住者が増加いたしませんと、良好な町並み形成とか公益的な施設立地が進まないために大変不便であるというようなことになります。こういった悪い循環が重なってきているということも一つあろうかと思っております。
  19. 山内弘

    山内委員 昭和六十三年の土地区画整理法改正附帯決議において「土地区画整理事業終了後の未利用地についてその有効利用促進に努めること。」というふうにあるわけでございます。これに対してどのような施策が講ぜられてきたのか、その点も明確にひとつお答えを願いたいと思います。
  20. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 六十三年の土地区画整理法改正附帯決議におきまして、衆参両院建設委員会 から、事業終了後の未利用地有効利用促進について附帯決議があったわけでございます。  未利用地利用促進につきましては、これまで税制とか融資とか、あるいはまた公共団体に対しまして地方債とかいうようないろいろな措置を講じてまいったわけでございますけれども地方公共団体に対しまして昭和五十五年度と六十一年度宅地利用促進方策について私ども通達をいたしまして、利用促進を周知徹底するように促しているところでございます。  五十五年の通達によれば、いろいろございますけれども、一、二申し上げますと、公益利便施設活用によりまして、先導的な建築物整備する、例えば集会所を設置するといったようなことをやってみるとか、あるいはまたいろいろ公益利便施設を誘致して立地を促すといったようなことがございます。  それから六十一年の通達におきましては、市街地形成促進対策事業ということで、起債の事業でございますけれどもセンター施設公益利便施設を集約して立地をさせますが、センター施設整備するというようなこと、あるいはまた施行者にやっていただくわけでございますけれども宅地利用誘導の指針となります促進プログラムを策定していただきましてその手順を明らかにしていただくといったようなこと、あるいはまた町づくり研究会を開催いたしまして理解を促していく等、いろいろな措置をやってまいりました。  また、平成年度におきましては、財団法人区画整理促進機構というようなものがつくられております。こういった組織を通じまして、区画整理組合、市町村から、宅地利用促進のために事業者を紹介していただく、あるいはまた資金能力の高い事業者を紹介するといったようなことによりまして、立ち上がりの事業が一層促進されるようにといったようなことをやっております。  そこで今般でございますけれども大都市地域におきます住宅宅地供給地方活性化促進するために、早期宅地利用を希望する権利者施行地区内の一定地区集約換地をすることによりまして、施行地区内全体の住宅建設促進する住宅先行建設制度内容といたします区画整理法改正お願いを申し上げたところでございます。
  21. 山内弘

    山内委員 それは今言った、宅地利用のために本法案による住宅先行建設制度活用の御説明があったわけでございますけれども、この住宅先行建設制度の基本的な考え方、これをいま一度明確にしていただきたい。
  22. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 土地区画整理事業実施する場合に施行地区というものが事業計画で決められます。その中に、住宅を優先的に建てたいという人々の要請を事前に把握をいたしまして、そういった方々の御希望に沿うように一定の区域を設定をいたします。これが住宅先行建設区ということになります。  事業計画の中でこれを明らかにいたしまして、ここに指定された期間内に住宅建設をいたしますという方々を集約して換地をここに持ってくるわけでございます。そういった措置によりまして、家を建てたい、早く建てたいという人々が集まるわけでございますので、この建設区におきまして早期にコミュニティーが形成をされて良好な居住環境整備されるものと考えるわけでございます。そういたしますと、周辺地域におきましても公益利便施設立地が容易になってまいりますし、先行的に成熟度の高い町並み形成というのがさらに助長されてくるだろうということで、区画整理を実施しようとする施行地区全体に市街化が速いテンポで進んでいくだろう。それによりまして住宅宅地供給に資するというふうに理解をいたしておるところでございます。
  23. 山内弘

    山内委員 説明は一応わかるわけだけれども、通常の土地区画整理事業では市街化進展しない場合がある。住宅先行建設制度を用いた場合、どうして市街化促進されるのか、その点がひとつ明確でない。  初めから住宅建設しようとする者は、土地区画整理事業が施行され公共施設整備をされれば住宅建設するのは当然なわけでありますけれども、そのようなものの換地を一定の区域にまとめるということが、どのようなメカニズムで施行後の地区全体の市街化促進になるのか、その辺がどうも明確に私にはわからないわけでございますけれども制度の基本となることでございますので、その点、ひとつ明快な答えをいま一度いただきたいと思うわけであります。
  24. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 調査の結果数字を用いて御説明申し上げさせていただきたいと思います。  これまで、任意に申し出によりまして住宅を早く建てるというような御希望の方々を集約して換地を進めてきたというような事例が過去に幾つかあるわけでございます。こういったものにつきまして、昭和六十二年十一月でございますけれども昭和三十七年以降に事業認可された施行地区面積につきまして対象として推計を行ってまいりました。  それによりますと、こういった通常の場合の区画整理におきまして住宅がどのくらいのスピードで建ち上がるかというようなことを考えてまいりますと、およそ七%、七・一%ぐらいで毎年毎年家が建ち上がっていくだろう、こういう結果がございます。それに対しまして、ただいま申し上げました幾つかの過去の申し出換地の事例から見てまいりますと、九・三%ぐらいの市街化速度になってくるだろうというようなことで、この地区を定めない場合の区画整理による建ち上がりよりも、この区域、家を建てようというような御意向に従ってここに集まってこられる場合の制度との差は三割ぐらいあるというようなことでございますので、こういった建設区を設定をして家をすぐ建てられるというような方々を集約換地いたしますれば、その地区全体が早く建ち上がってよい町並み形成されるだろう、こういうふうに考えたわけでございます。
  25. 山内弘

    山内委員 それはまあいろいろございますけれども権利者の中にはいろいろな人がいると思うわけでございます。この住宅先行建設区というのは反対者がいても設定されるものであるのかどうか、その点についてもお答えをいただきたいと思います。
  26. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 およそ土地区画整理事業実施する場合には、地区内の権利者の意向を事前に十分に把握をしながら行ってまいるわけでございます。そこで、事業開始前から説明会の開催等を通じまして権利者の方々の合意の形成というのを図りながら今日進められているところでございます。  今回創設をいたします住宅先行建設区を設定する事業につきましても、権利者住宅建設に関する意向を把握をいたしまして、住民の合意の上にこれを進めてまいるわけでございます。万一、住宅先行建設区の設定に反対する方がおられる場合におきましても、事業施行者の方におきましては、この地区を設定して区域全体の町並みを早く進めよう、そういう公共性について十分な理解を得られるようにさらに進めてまいるわけでございます。  もとより、事業計画の中でこういったものが決められますので、その事業計画を認可する場合におきましては、例えば反対する方は意見書を提出をすることもできるわけでございますし、いろいろ御意見をいただき、そしてまた御理解をいただくという機会は手続上もたくさんあるわけでございます。そういった意味で、合意の上で進めていくというようなことを考えているところでございます。
  27. 山内弘

    山内委員 いろいろ難しい問題がたくさんあるわけでございますけれども土地を有効に利用宅地供給に結びつけるために、その手法の一つとして評価はしていいと思うわけでありますが、いろいろこれは我が党における土地基本法の精神、こういうふうな問題もあるわけでありますから、今後この問題に対しては、より一層活用できるような体制をとっていただきたいということもあわせて要望しておきたいと思うわけでございます。  また、未利用地の問題について、これはなかなか解決するというところまではいかないのではないかという点もあるわけでありますから、さらに一歩進んで、土地区画整理事業が終了した土地はすべて建設義務を課す方がよいのではないかというふうにも考えられるわけでもあります。これはなかなか難しいと思います。  しかし、土地区画整理事業施行地区内の土地の所有者はこれまでは農家の方々であったりするわけでありますけれども、このような人たちに、土地区画整理事業をしたからといって、必ずしも住宅を建てろとまでは言えないと思うわけであります。そのようにすれば、土地所有者の人たちがかえって土地区画整理事業に取り組むことをちゅうちょしかねない。苦労して土地区画整理事業をやるといった農家の方々、さらにまた、せっかくアパートの経営をしてみよう、こういう気持ちになっておる人々、そういうときにむしろ何らかの支援策があるのかどうか、またそれが妥当なのかどうか、そういう検討もする必要があるのではないかと私は思うわけでございます。  そういう意味合いにおいて、今後ともさらに実効性のある施策が講ぜられていく必要が非常に大きいのではないかと思うわけでありますが、この件に対して局長のいま一度の答弁を求めてみたいと思うわけであります。
  28. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 区画整理事業自体が、都市基盤整備を進めながら宅地利用増進を図るというところに大きな目的があるわけでございます。そしてまた、貴重な個人の財産を集合整理をして、事業を全体として進めていくわけでございます。  そこで、それぞれの方々の御理解を得ながら慎重に手続を踏んで進めていくということになっておるわけでございますけれども、そういう中ででき上がりました土地区画整理事業の中の済み地、土地につきまして、その利用を増進するということが大変重要なことになってくるわけでございます。  そこで、私ども、その土地所有者に対しましては、もちろん金融面で、例えば建物を建設する場合に住宅金融公庫から低利の融資を行うというようなこともあります。そしてまた、税制面におきましてもいろいろ配慮もあるわけでございます。あるいはまた、事業者に対しまして、公共団体あるいはまた組合、いろいろ区画整理事業者があるわけでございますけれども、補助、融資税制、いろいろな措置を合わせましてその促進お願いをしているところでございます。今般、土地区画整理組合貸付金制度改善策というものもその一環としてお願いを申し上げているところでございます。
  29. 山内弘

    山内委員 この件は、今後とも実効性のある施策を大いに講じられることを期待をして、一応終わりたいと思うわけです。  次に、都市開発資金法の改正についてお伺いをいたします。  まず、今回の住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度を創設するということでありますけれども、これまでも、土地区画整理事業土地区画整理組合に対しては土地区画整理組合貸付金という制度があったわけでありますが、その実績はどのようになっているのか、お聞きをしたいと思います。
  30. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 昭和三十八年度土地区画整理組合貸付金制度が創設されまして以来、平成年度までに約六百三土地区、国費で約三百九十億円貸し付けがなされております。最近五カ年、昭和六十三年から平成年度の間をとりましても、約六土地区、国費約八十億円が貸し付けられております。そのうち平成年度は、二十七地区、国費約十六億円の貸し付け実施いたしておるところでございます。
  31. 山内弘

    山内委員 その制度改善して新たに住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度を設けた趣旨をお伺いしたい。
  32. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 生活大国実現のために、大都市地域におきまして住宅宅地供給促進をする、地方活性化のために定住基盤整備等が緊急の政策課題となっておるわけでございます。こういった課題にこたえるために、土地区画整理事業実施する土地区画整理組合等に対しまして、貸付金を早急に住宅宅地供給の見込まれる事業に対して積極的に導入をいたしまして、これを促していきたいというところでございます。  また、最近におきましては、土地保有意欲が高まっている等の事情によりまして、事業者が全面買収方式によりまして事業を進めるというのが難しくなってまいっております。そういう中で、宅地造成についてのノウハウ等を持っております宅地開発事業者が一般権利者と共同して開発を行う、いわゆる先買い型の土地区画整理事業促進宅地供給促進を図る上でやはりこれまた重要になってまいっております。  そこで、住宅宅地供給促進に資する土地区画整理事業につきまして、初動期、最初の立ち上がりの資金としての事業費に係る無利子貸し付けにつきまして、その内容を従来のものから拡充をいたしますとともに、先買いの土地区画整理事業推進に資する業務代行者の用地取得費を新たに財投金利によりまして貸し付けの対象にしようというような改正お願い申し上げておるところでございます。
  33. 山内弘

    山内委員 この貸付制度によって土地区画整理事業推進がどのくらい役立つのか、その効果をお答え願いたい。
  34. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 本貸付制度が、ただいま御説明申し上げましたとおり、土地区画整理組合等が施行する土地区画整理事業に対する無利子の貸し付け制度、それからもう一つは、業務代行者が取得する用地に対する有利子貸付制度、二つの貸し付けで構成されておるわけでございます。  そこで、最初の土地区画整理組合等が施行する土地区画整理事業に対しまして無利子で資金貸し付けを行うということになりますと、総事業費におきます利子の軽減というものがまず図られてまいります。それから、国、都道府県から無利子の貸し付けを受けるわけでございますので、土地区画整理組合に信用が生じてまいります。やはり審査がございますので、そういった面で信用が出てまいります。そういたしますと、他の金融機関からの融資も受けやすくなるというようなことで、事業に対する安心感というものが増してまいりますし、円滑な事業執行が図られるということが期待されます。それから、保留地の処分が開始されるまでに時間がかかるわけでございますので、その間の初動期の資金の確保に資することが見込まれるわけでございます。  平成年度におきましては、国費二十五億、事業費で五十億という事業を進めるわけでございますけれども、これを過去の平均貸付額といったようなものを勘案して仮に大胆に試算をいたしてみますと、一千ヘクタール余りの組合の土地区画整理がこれによりまして実施をされるだろうというふうに考えております。  それから、業務代行者が取得する用地に対しましては、財投を借りてきて有利子で貸し付けをするということでございます。ミニ開発を抑制し、良好な面的整備事業であります区画整理事業によりましての開発を誘導していくことがこれによって可能となってまいりますし、資力、信用、そして技術的な能力を有します宅地開発事業者が、業務代行者として事業参画することによりまして、事業の円滑な執行が図られること等が見込まれるわけでございます。  これまた過去の例によりまして大胆に試算をしてまいりますと、平成年度は予算額を二十億考えておりますので、戸建て住宅に換算いたしまして約三千戸程度の住宅供給のための用地の取得が実施されるだろうというふうに考えております。
  35. 山内弘

    山内委員 これはいろいろございますけれども宅地の造成や換地計画など十分な知識、技術を持ったいわゆる民間ディベロッパー、これがやるわけでありますから、業務代行の用地取得に対してなぜわざわざ助成しなければならないのか、簡単にひとつお答え願いたい。
  36. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 宅地開発事業者が相当規模の用 地を全面的に買収をして仕事をするということにつきましては、近年の土地保有意欲の高まりとか用地取得費の増大等から見まして困難になりつつあるというふうに考えられるところでございます。一方、地権者みずから土地区画整理事業実施することは、土地区画整理事業を施行する資力、信用、技術的能力がないといったようなことで困難になる場合があるわけでございます。  そこで、現下のこういった住宅宅地の需要に対応するために、宅地造成についてノウハウを持っております宅地開発事業者が一般権利者と共同して開発をする土地区画整理事業、いわゆる先買い型土地区画整理事業でありますけれども、これに対する期待が大変大きいわけでございます。  そこで振り返ってみますと、こういった先買い型土地区画整理事業推進するに当たりまして、用地取得に要する先行的な費用の負担が増大をいたしますし、金利負担も増大をするといったような問題もあるわけでございます。  そこで、資金負担の大きさから十分な先買いが困難となってまいりますので、宅地開発事業者の業務代行業務への参入が阻害されたり、業務代行が行われたといたしましても、土地の先買いによりまして土地区画整理事業実施するその効果が期待できないというようなことが予想されるわけでございます。そこで、今般都市開発資金によりまして、用地取得費について貸し付けを行うということを通じまして用地取得費の負担を軽減いたします。業務代行者の用地先行取得が促進されるように配慮するわけでございます。  こういったことによりまして、先買い型土地区画整理事業推進が図られるものというふうに考えているところでございます。
  37. 山内弘

    山内委員 この辺はいろいろ議論があるけれども、時間もなくなってきたから……。  地価が下落傾向にあるといいながらも、いつまでも下落をし続けるわけでもない。民間ディベロッパーの用地取得に対して、いろいろ地価の上昇をあおるという心配もあるわけでありますが、この点に関する議論は省いて、今回の改正によって、大都市地域における住宅宅地供給地方における定住基盤の確立の問題があるわけでございます。そこで、地方活性化のための町づくりの問題も重要な意味を持つわけでございまして、この点については、昨年制定した地方拠点都市法、居住者の雇用の問題とかいろいろな問題があるわけです。  例えば我が弘前駅前では、古くからの商業地、商業市街地をリフレッシュする意味土地区画整理事業が行われているわけでございます。このような土地区画整理事業推進とあわせて、商業地域活性化を図るために総合的な町づくりをしなければならないという重要な問題であります。建設省としてはこのプロジェクトの問題に対してどう取り組んでいるか。  また、黒石市における国鉄の跡地の拠点整備の問題が、土地区画整理事業と一体となって行われておるわけでございます。この点について、その対策をお伺いしておきたい。局長、これは時間がないから簡単に答えてください、簡明に、しかも重点的に。
  38. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 まず第一点は、弘前駅前土地区画整理事業の件でございます。  市が施行いたしますが、約三十ヘクタール余り、昭和五十四年度から平成年度までかかるという事業でございます。弘前の駅前、JRの奥羽本線弘前駅を中心とした地区でございまして、駅前広場、都市計画道路がわずかに現在整備されているような状況にございます。また、土地利用につきましても、先生仰せのとおり、商、住、工それぞれ混在をいたしまして都市機能が低下をしているということで、市の表玄関としてさらに整備を図っていく必要があろうということでございます。  そこで、この区画整理をもちろん進めてまいるわけでございますけれども、商業市街地整備効果を一層高めるために、区画整理事業とあわせまして幾つか施策を私ども考えております。  都市拠点総合整備事業によりまして拠点形成を進めること、ふるさとの顔づくりモデル事業によりまして質の高い事業実施すること、それから特定交通安全施設整備事業によりまして駐車場の整備等を進めること、それから立体換地促進事業区画整理事業を同時に施行いたしまして商業市街地の高度の利用促進しようということ、それから商業地域振興整備事業推進するということ、いろいろな施策をあわせて実施することを考えておるところでございます。  それから黒石市につきましては、国鉄跡地二・二ヘクタールがございまして、これを活用して事業をこの地域実施をしていこうというわけでございます。この周辺を含めまして一体的に公共施設整備実施してまいるわけでございますけれども先生仰せのとおり、この地域都市拠点総合整備事業によりまして拠点整備土地区画整理事業が創設をされたところでもございます。  一般論になりますけれども、私ども、こういった法律も受けて区画整理事業をさらに実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。この中で、施行条件も緩和をいたしまして、やりやすい区画整理というものを手がけております。つまり、公共団体等が原則正ヘクタール以上の規模実施する区画整理につきまして、二ヘクタール以上というようなことで面積要件も緩和をいたしております。こういった施策を講じて事業を進めてまいりたいと考えております。
  39. 山内弘

    山内委員 最後に、この土地区画整理事業に伴う地方活性化のために建設大臣の決意をお聞きをいたします。
  40. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 お答えをいたします。  先生御指摘をいただきましたように、地域個性と質の高い、そして地域全体を引っ張っていけるような拠点をつくって、住む人たちが誇りを持てるような、そういった地域づくりというものをしていくためには、今回の土地区画整理事業中心とした各種施策を展開いたしまして大いに取り組んでいきたい、このように考えております。
  41. 山内弘

    山内委員 終わります。
  42. 野中広務

    野中委員長 渋谷修君。
  43. 渋谷修

    ○渋谷委員 きょうは土地区画整理法についての審議でありますけれども、先週の質疑の中で若干残しているものがありますので、その分をまず先に質問をさせていただきたいと思います。  先般の質疑の中で、山梨県の建設業協会について建設省の方は県の方と協力をしながら実情の調査を一度行いたいといったような答弁をされておったように記憶をしておりますけれども、この点まず確認をしておきたいと思います。
  44. 伴襄

    ○伴政府委員 山梨県建設業協会から事情を聞くという話でございますけれども、今建設省といたしましては、一般的に建設業の指導育成を行うという立場が大事でございますので、業界におきます事業活動の適正化あるいは企業倫理の確立というような観点から主要な建設業者団体あるいは関係企業に対してヒアリングを行いたい、それもできる限り早期に行いたいと思っておりますが、特に山梨県の建設業協会につきましては、いろいろ話題にもなっていることでもございます。協会を認可した県当局、山梨県が認可した団体でございますので、県当局を通じてしっかりとヒアリングをしたいと思っております。既に県当局におきましても独自の立場から状況を聞き始めておると聞いておりますけれども、我々の方からもしっかりそめことを伝えてヒアリングをしたいというふうに考えております。
  45. 渋谷修

    ○渋谷委員 県当局を通じて調査を行うということですが、その調査内容なんですが、どういう点を特に重点的にこの建設業協会あるいは関係の団体等からヒアリングを行うか、あるいは時期はいつごろになるかということについてお答えを願います。
  46. 伴襄

    ○伴政府委員 最初に申し上げたように、一般的に建設業団体のあり方というのは、特に団体の場合ですと、あり方というような観点から、どうあるべきかという前向きの観点からの調査にしたいというふうに思っておりまして、今現在の建設業団体の事業活動の実態はどうなっているかと か、会計処理はどうしているかとか、あるいは会費の取り方についてもいろいろ話があるようでございますので、そういった問題等につきましてヒアリングを行いたいと思っております。  時期はできる限り早く、先ほど申し上げたように、県としてはもう入っているわけでございますので、それになお覆いかぶさるような形で調査を始めたいというふうに考えております。
  47. 渋谷修

    ○渋谷委員 今回の事件で協会がいろいろ問題になりましたのは、一つは金丸氏の脱税事件に絡みまして、その協会等あるいは協会の組織の一番末端を通じましていわば集金をするシステムができていて、それが山梨ルートと言われる金丸氏への資金提供になっていたということなどが、いわば大きな問題として取り上げられてきた経過があるわけです。そしてまた、我々が現場の実態調査をいたしましたら、さらに県の入札制度にかかわりまして、例えば指名業者の指名の仕方あるいはそのシステムとこれが表裏一体になっておりまして、いわば資金の吸い上げが行われているということなども、これは実際に関係しておった業者から事情聴取をする中で明らかになったわけであります。そうしたことも入札制度のあり方といった点からいって大変重大な問題を含んでいるわけですけれども、そうしたことなども調査の対象になりますか。
  48. 伴襄

    ○伴政府委員 県の協会の場合は主として地方公共団体の発注の工事のことについてだと思います。たびたびこの席でも御答弁申し上げておりますけれども、この発注手続、発注業務というのは、それぞれの発注主体がそれぞれの根拠法をもとに適切に制度をつくり運用しているわけでございまして、県の場合ですと、当然のことながら地方自治法に基づいてやるというようなことでございます。したがいまして、その発注者に直接私どもの方からどうこうするというわけにはいかないわけでございますが、発注システムとか何かという形につきましては、我々としては直轄の方につきまして、まず自分でできるところ、それはいろいろたびたび申し上げているような制度改善のことも考えておりますので、そういう方向でしっかり踏み出したいと思っておりますけれども公共団体発注分につきましては、そこまでは直接どうこうするわけにいかない。  ただ、先ほど申し上げたのは、私ども業監督、業指導の立場で県協会をいろいろな形で導いていくことができるのじゃないかと思いますので、そういう観点からの調査をしたいと思いますので、その観点で、その関係調査であるいはかかわりがあるかもしれませんけれども、私どもの先ほど申し上げた調査は、あくまで業監督、指導の立場でやっていきたいというふうに考えております。
  49. 渋谷修

    ○渋谷委員 そうしますと、もっと露骨に言えば、いわば談合といった問題、これは実態把握をきちんとしなければなりませんし、その上でということになりますけれども、そうしたことも関心には置いて事情を聞くということになりますか。
  50. 伴襄

    ○伴政府委員 談合というのは、その行為が独禁法違反になるかどうかということはしかるべき機関が調べる話でございまして、私どもが私どもの立場でどうこうできる話ではないというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、その業の協会の活動実態ということを中心に今調べたいというふうに考えております。
  51. 渋谷修

    ○渋谷委員 私が申し上げているのは、いわゆる談合ということで摘発する云々というのは公取の問題でしょうけれども、つまりそういう問題が起こるその業界団体の組織のあり方、あるいは入札制度の実情を把握をしなければ、建設省がこれから入札制度改善をしようということについてこれが反映されるということにはならないではないか。今度の問題もまだまだ事件としてはきちんと明確にされてないわけでありますけれども、実情把握、とりわけ今度事件になったような事例についての状況把握をするということでありますから、そういう意味で、将来的に建設省で行おうとするそういう入札制度の見直しなどにきちんと反映されるような形での調査でなければならないというぐあいに考えるのですが、いかがでしょうか。
  52. 伴襄

    ○伴政府委員 くどいようですけれども、発注者である山梨県あるいは山梨県下の市町村に対して、この今の調査でどうこうできるというわけではないと思います。したがって、我々もちろんそういったことも視野に入れて調査することになるかもしれませんけれども、いずれにしても県の協会の活動のあり方がどうなっているか、どうなっていたかといったようなことを中心に調べるということで、今先生が御指摘のような、あるいはそのことが県の、あるいは県下市町村の発注の仕方についての問題として連なるということはあるかもしれませんけれども、あくまで県協会を業監督の立場から調べるということでやりたいというふうに思っております。
  53. 渋谷修

    ○渋谷委員 そうしたことも視野に入れて調査するといったような御答弁が今ありましたので、その込まず一応確認しておくということにとどめたいと思います。  そこで、建設省が認可いたします社団法人というのがありますし、今度の場合は県の認可ということでありますが、いわゆる社団法人という場合の、公益法人につきましての政治活動へのかかわり方、これについてはどこまで許されるのか、あるいはどこまで以上はしてはならないのかということについての見解は、建設省お持ちですか。
  54. 伴襄

    ○伴政府委員 一般的に、公益法人が特定の政党を支持したり、あるいは政治活動を行うということは、政党が社会の公益のために活動するものであるという観点から、公益法人の目的の範囲内において法律上許されるものだというふうに、これは法制局の解釈でもありますし、国会でもしばしば答弁されているようでございまして、具体の事案の適否で、要するにそれが公益法人の目的の範囲内におさまっているかどうかということは、それぞれの事案でもって判断するほかないのじゃないかと思っております。したがって、一般的には、公益法人がその目的の範囲内において政治活動を行うことは、法律上禁止されているわけではないというふうな理解をしております。
  55. 渋谷修

    ○渋谷委員 一般的なということでの御答弁が今ありましたので、それでは具体的にお聞きを申し上げます。  私、先般もここで取り上げましたが、今度の新しい知事になりまして、知事の政治団体に建設業者が会費を納めておりまして、これは政治資金規正法に基づく納入ですから、その限りで、法律がある以上、それが問題だということにはならないと思いますけれども、この知事の政治団体の会費納入に当たりまして、この社団法人の建設業協会の支部長名で会費の請求事務が行われている。これは、つい先日、負け業者と言われる業者と私が直接に会って、その請求書も確認しております。しかも、会費が納まっていないということから、再請求の手続までその支部長名で行っている。  こういうことになりますと、これは社団法人の建設業協会のあり方としてはどうかというぐあいに思うわけです。それは当然、政治団体は政治団体としての活動でやるべき話であって、協会がそれに関与するということはあってはならないというぐあいに私は思いますが、例えば個別問題でこのことについてはどう考えますか。
  56. 伴襄

    ○伴政府委員 その個別の話というのは私もよく把握してなくてちょっとわかりませんが、一般的に申し上げると先ほどのようなことでございまして、山梨県の建設業協会は定款で目的を持っております。そこには、建設業者の資質の向上を図り、建設業を技術的、経済的及び社会的に向上させ、公共の福祉の増進に寄与すること、こういうのが目的になっておりますので、その目的を逸脱した政治活動か否かといったようなことは、それぞれ実態を十分見きわめた上で判断されるべきではないかと思っております。  御指摘の点につきましてでございますけれども、今申し上げたような協会の具体活動が目的を逸脱しているか否かというような判断は、山梨県建設業協会を認可した県当局においてまず一義的に判断されるべきものであると思っておりますの で、これは先ほど申し上げたような県を通じてのヒアリングをやるつもりでおりますので、その過程でそういうことがいろいろ判断されるのではないかというふうに考えております。
  57. 渋谷修

    ○渋谷委員 これは山梨県が認可した団体ですから、第一義的には山梨県側が判断すべきということですが、今御答弁されたこの山梨県建設業協会のいわば社団法人としての目的ということでいえば、今のような協会の活動ということはその目的の中で読めますか。
  58. 伴襄

    ○伴政府委員 先生から御指摘のあった事実は、私ども全然確認できておりませんので、まず事実かどうか、それから、どういうことであったかという実態がわかりません。したがって、それが今申し上げたような目的に入っているのか、逸脱しているのかといったような点は、どうもこの場では私どもは判断できかねるわけでございますので、まさにそういうことも含めて県はヒアリングをするのだと思いますし、また、県は判断されるであろうというふうに理解しております。
  59. 渋谷修

    ○渋谷委員 それでは、例えば建設省が認可する社団法人などの場合については、その場合に建設省としてはどういう判断をされるのですか、こういうケースについては。
  60. 伴襄

    ○伴政府委員 これは一般的なお答えしかできないわけでございますけれども、先ほど申し上げたように、それぞれの公益法人は目的を持っておるわけでございますので、目的の範囲内において法律上許されたものかどうかというようなことを判断するしかないというふうに理解しております。
  61. 渋谷修

    ○渋谷委員 先ほど目的を読まれましても、これはその目的の範囲内には入っていないということですし、県の方を通じて実情調査するときに、必要があれば、その領収証をお持ちの方を建設省当局に私の方から紹介しても結構ですから、ぜひこのことについては是正方を県の方と連絡をとりながらやっていただきたいということと、それから、建設省は、今のような一般的な話ではなくて、こういう具体的な事実が出てきたときに、これは本来、建設省が認可する社団法人のあり方としては正しいのかどうかということはきちんとしておかなければならないというぐあいに思います。  もう一つ、具体的なことで申し上げますと、こういう社団法人が政党を支持するのは確かにいいけれども、ある特定の政党の、例えば参議院の比例区の候補者の党員を集めるということについて協力する、名簿を集めるだけではない、党員の党費をその傘下にある企業だけじゃなくて協会も肩がわりするというような事例も確認しております。こういうことについては、もう一度伺いますが、社団法人のいわゆる公益的な責任ということのあり方としてどういう判断になりますか。
  62. 伴襄

    ○伴政府委員 今のお話も私どもは事実を確認しておりませんけれども、これも、その事実をしっかり把握した上、当該法人の定款の目的を逸脱しているかどうかということで判断するしかないというふうに考えております。
  63. 渋谷修

    ○渋谷委員 伴さん、社団法人でどこかの特定の政党を支持するというのはあるけれども、特定の政党の党費の肩がわりをするというまで、そこまでできるというような目的を掲げているような社団法人が常識的な話としてあるわけないじゃないですか。  これ以上このことについてのやりとりはしませんけれども、いずれにしてもこれも事実です。協会が党費を半分肩がわりしてくれたということも、これは企業の方がまず要請があって党員を集めて、その党員についての党費を企業が半分肩がわりし、さらにその半分を協会の方で肩がわりしてくれた。これは私ども同僚政治家が聞いておるわけですが、政治資金規正法でいいますと、こういう党費の肩がわりは明確に寄附行為に当たります。ですから、本来はこれは政治資金規正法に基づいてきちんと報告書に対する記載の義務があります。当然、一定の金額を超えたものについては相手方の名称も書かなければなりませんし、その金額いかんについても、名前は書く必要はありませんけれども、しかし、金額についてはきちんと計上しなければならないということになっておるわけです。  このことは私の方は引き続き調べてまいりますけれども、この事案は以前も私がここで取り上げたことがありますが、国土庁あるいは建設省出身の今現職の参議院比例区の議員の件であります。山梨県出身の議員であります。私はこういうことについても大きな問題があるというぐあいに考えておりまして、今度の政治改革法案の中で私ども野党の方からは、こうした肩がわりについては許してはならないということでの法律ども提起しております。  つけ加えて申し上げておきますが、そういう意味で政治資金規正法上も問題があるということも一つあるわけですから、建設省の方は一般論としての片づけをするのではなくて、このことについての事実関係もきちんと確認していただきたい。このことも、必要があれば、私の方からそのことの事実確認をした企業者を紹介しても結構だというぐあいに考えております。  それではもう一つ、先般の質問の際に、この件は建設省の方で検討しておいてほしいということで御質問申し上げました件ですが、甲斐通商というぺーパーカンパニーのことをお話し申し上げました。工事の発注が行われ、ゼネコンが発注し、その資材を購入する、その資材の中に例えば生コンなどもあるわけでありますが、生コンの納入をさせる、そのときに甲斐通商を関与させてぺーパーカンパニーとして口銭だけ稼ぐということになったのでは、これは法的には、例えば独禁法上も、いろいろその他の法律も調べましたけれども、なかなかこれが難しい。これが違法であるということにはならない。しかしながら、やはり一般的、国民的感情からいえば、国民の税金を使って公共事業を行う、その公共事業を行うについて、例えば政治家のダミー会社がその間に入って口銭を稼ぐなどということが白昼公然と行われるということをそのままほうっておくわけにはいかない。何らかの方法はないのか。  建設省の方には、先般、これはそういう口銭稼ぎのぺーパーカンパニーが介在できるということは、そもそもの見積もりに実は問題があるのではないかということの指摘をしたわけでありますけれども、こういうぺーパーカンパニーの介在問題を含めまして一週間の間にどういう検討をされたか、ぜひお答えをいただきたいと思います。
  64. 伴襄

    ○伴政府委員 甲斐通商のお話でございますけれども、これは受注者である元請が下請を選定したり、あるいは資材納入業者を選定するわけでございまして、どういうふうに人を選ぶかというのは、これは請け負った者である元請がその責任において定める、これは自主施工の原則でございますので、当然のことながらそういうことになっておるわけでございます。したがって、工事資材につきましては、これは元請が調達するものでございますので、その資材会社から購入する価格等の契約条件がどうだというようなことは、これは民民間の自由な商取引の間の話でございます。したがって、建設省といたしまして、個々のそういう資材の価格とか流通につきまして一々介入する立場にはないわけでございます。  加えて、この積算につきましては、ここで官房長等がたびたび答弁申し上げておりますけれども実態に即して、積み上げてきちっとやっておるところでございますので、適正な資材単価でもって積算していると思っておりますので、それが例えばぺーパーカンパニー等の介在で何かあったとすれば、それはどこかにひずみが出ているということがうかがわれますけれども、少なくともそれぞれのぺーパーカンパニーの介入というようなことにつきまして個別にこちらから立ち入ってどうこうするという立場にはないことを御理解いただきたいというふうに思っております。
  65. 渋谷修

    ○渋谷委員 そうすると、伴さん、こういう形で政治家のダミー会社などがいわゆる口銭稼ぎに、例えば間接受注であれば、それは入って、いわば公共事業に係るお金をどんどんかすめ取っても、これは一切問題ない、建設省としてはあずかり知 らぬことだということですか。
  66. 伴襄

    ○伴政府委員 くどいようでございますけれども、その元請がどういう資材会社を選び、それからどういう条件で取引するかというのは、なかなか個別に立ち入ってやるわけにはいきません。  ただ、先生御指摘のようなことが実際にあって、その建設工事についての資材調達の流通過程において不必要な重層関係がありまして、それによって、本当ならばもっと安いのだけれども、実勢価格以上の価格で建設業者が資材を購入せざるを得ない状況にあるとすれば、それは一般的には好ましくないというふうに考えております。  したがって、一般的な指導としては、個別のことについてそれぞれ介入するわけにはいきませんが、一方の当事者である建設業者がそういう資材を購入するときには、例えばいろいろな個々の資材業者から見積もり合わせという形で見積もりをとるとかというような形で適正な市場価格を把握した上で契約を締結するべきだということは当然だと思いますけれども、そういうことの一般的な指導は可能だと思いますけれども、個別の指導まではできないということを御理解いただきたいと思います。
  67. 渋谷修

    ○渋谷委員 私は具体的な事例を聞いておるのであります。  これもやはり高速道路ですが、中央道のあるインターチェンジなのですが、具体的なインターチェンジの名前を申し上げますと、受注した企業名がわかってしまいますし、この事実経過もはっきりしてしまいますので問題が出てきますが、その中央道のあるインターチェンジの受注に当たりまして、ゼネコンがこの甲斐通商を入れるということについて話がありまして、これは地元の建設会社、地元の建設会社はいいでしょうね、地元の建設会社と、あと他の建設会社との関係で工事をやりましたときに、当然これは政治家からの要請もあって、甲斐通商を生コンの納入に当たって入れろということでの要請があって入れざるを得なかった。当然その単価の問題等々出てくるわけですね。  こういう具体的な事例を私の方も一応把握しているものですから、実は今のようなことを申し上げているわけでございまして、今の伴さんのお話だと、確かに間接受注に関しては民民の問題だというのはわかりますけれども、しかし少なくとも性格が官公需ということで、いわば国民の税金を使った工事ということであるわけですから、直接受注については、もちろん直接的な意味での責任はありますけれども、しかし間接受注については、その実態把握、具体的などうしよう、こうしよう、どこの企業がやるなんという話は、それこそまたこれ自身も、建設省のどこどこから資材業者を指名されたなどという話もありますので、そんなことになったのではもちろん困りますから、そうしたことまでやるようになってはいけないというぐあいに思いますから、そこまでは言いませんが、しかしながら、間接受注の実情の把握ということが必要なのではありませんか。そういうぺーパーカンパニーの介在が常態化している、あちこちにあるということになりましたら、当然これは特殊な事例ということではなくて、やはり見積もりの問題をこれはもう一度検討し直さなければいけないということにならなければいけないのではないかというぐあいに思います。  それから、私の関心でいけば、本当は、例えば下請になります中小企業の問題、実情などを言いますと、いわばその直接発注の部分では、例えば官公需法といったような法律の中で中小企業者に対する配慮などがありますけれども、ところが、間接受注になりますと、下請企業に対する大手のいろいろな意味でのリスクのしわ寄せなどがあるわけですね。そうしたことなどもやはり官公需施策の是正という観点からいっても、一たん発注して、直接受注のその先へ行ったら、建設省はあずかり知らぬという姿勢は考え直すべきではないかというぐあいに考えますけれども、いかがですか。
  68. 伴襄

    ○伴政府委員 資材納入業者の選定というのは、まさに自主施工の観点からいったら、請負者が自分の責任と負担においてやるべきものでございますので、それを一々中にまで入ってやるというのは、もしその請負工事によってその工事の施工とか管理に一々不適当なものが出てきたらともかくとして、本来ならばその請負者そのものが、元請者そのものが、しっかりと的確に対応すべき問題であるというふうに考えるわけでございます。  資材業者そのものについて、私ども建設省として直接監督する立場にあればともかく、それもないわけでございますので、そういったことも勘案しますと、これは第一義的にはしっかりと請負者が的確に判断して対応していただくしかない問題かというふうに思っております。  ただ、先ほど申し上げたように、一般的にはそういうことは介入しないようにしっかりと多数の見積もり合わせをして、適正な価格のところから購入するというような一般的な指導はできるし、それからそういうことについてしっかりと契約を結んでやれといったようなことはできると思いますので、そういうことはやっていきたいと思っておりますが、個別の話になりますとなかなか限界があるということは、ぜひとも御理解賜りたいと思います。
  69. 渋谷修

    ○渋谷委員 なかなか難しいということでの御答弁なのですが、これもやはり個別の問題で、ちょっと古い記事ですけれども、一九七九年に水戸地方裁判所で出された判決が、これは談合問題が摘発されまして、裁判でこの事件が取り上げられまして、そして最終的には裁判所の判決も出たわけですが、裁判所の方が実は独自の積算を行いまして、落札価格と裁判所が独自に積算した価格との比較をしております。そうしましたら、いわゆる適正な価格と思われる価格は、裁判所が積算した価格からいえば一四%から三一%も落札した価格は高いという、これは当局じゃなくて裁判所がみずから積算をした非常に珍しいケースですね。そういう事例なども実はあるわけですね。  これは僕は一般化、普遍化しようというぐあいには思いませんけれども、そういう意味で、いわゆる談合の経済犯罪としての重さということをぜひ我々は認識しなければいけない。つまり、こういう形で国民の貴重な税金をかすめ取っているというような実態、あるいはぺーパーカンパニーが入って、それは高い安いはありますよ、しかし、そこで金を抜けるという構図は、私は、やはりそれは間接受注であって、それは民民の契約だから我々は関与することはできないんだ、公然とそれは認められますよというようなことになったら、それは政治資金規正法その他でだんだん資金集めが難しくなったら、では、そういう方法でもやるかということになるわけでありまして、やはりそういうことについては、もう少し建設省としての検討を、直接発注の部分だけでなくて、間接発注についても実態把握はするということについての取り組みは、ぜひ行っておいていただきたいというぐあいに思います。  それで、運輸省に来ていただいていますけれども、山梨のリニア実験線、細かいことは申し上げません。この間の経過で、言ってみれば我田引水などという言葉がありますけれども、まさに我田引線ですね、自分のところに線を引くみたいな話でありまして、そういう意味で言いますと、これは直接的にはまだ事件としてはきちっとこの問題についての例えば検察の報告などが行われているわけではございませんが、この間マスコミ等で報告されている内容で、検察の捜査を受けている企業がこのリニアの実験線の各工区の受注にわたります請負業者の中に入っているわけであります。大臣、これは色をつけてありますから、ほとんど入っているのですね。  これらが具体的な事実として、例えば検察の方からこれにかかわる問題として幾つかの事件が明らかになってくるということになりましたら、私は、やはりこの工事そのものについて果たしてどうなのかということが問われることになりかねない。しかしながら、もう既に発注が行われまして工事もどんどん進んでいるということなんだろうと思うのですが、その工事の進捗率の報告をひと ついただくと同時に、そういう事件になった場合にそれを一体どういうふうに運輸省としては対処していく考えなのか。  それからもう一つは、先ほどの甲斐通商の介在の件について、この中にも実は私が先ほど取り上げた中央高速道のインターチェンジにかかわるときに、甲斐通商を入れろということでいった業者がかかわっている工区もございます。  そういう意味で申し上げますと、生コンの納入等について、そういう甲斐通商の関与、介在ということについて、運輸省はこの発注主体が、発注主体はどこでしたか、それもたしか調べてあったのですが、鉄建公団ですね、その発注主体の方に指示をするなどして、そうした実態把握ということをやる考えがあるかどうか、あわせてお伺いしておきます。
  70. 白取健治

    ○白取説明員 まず、山梨リニア実験線の現在の進捗状況でございますけれども、既にトンネル等の工事につきましては大分進捗しておりまして、合わせて約六キロの掘削が済んでおります。また、明かりの部分の用地買収につきましても、現時点で全体の約二五%、先行工事区間、これは都留市を中心とした十八・四キロを重点的に工事を進めておりますが、この部分につきましては六割の用地買収が済んでおります。  それから、先ほど先生の御指摘のような、いろいろ捜査が入っているというような事柄につきまして、このような事実が仮に事実でございますれば遺憾であると考えておりますが、このような一連の事柄とリニアの技術開発というのは別の問題であるというふうに考えておりまして、運輸省といたしましては、今までの予定どおり計画を進めていくというふうに考えております。     〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕  それから、甲斐通商の件でございますが、これも、御存じのとおり、運輸省は直接建設を担当しておるわけでございませんが、先ほどの日本鉄道建設公団、それからJR東海、これがトンネル等のインフラ部分の工事を担当しておりまして、これらの二社によりますと、聞き合わせたわけでございますけれども、両者とも甲斐通商とは直接契約関係にないということでございまして、事実関係については承知していないということでございますので、これ以上運輸省としては、さらに調べるというようなことは今考えておりません。
  71. 渋谷修

    ○渋谷委員 先ほど申し上げたように、甲斐通商が直接契約であるというぐあいに私は言っていないわけでありまして、間接受注だから問題があるという指摘をしているわけだから、だから発注者に対して連絡をして、そういう間接発注の部分についてまで指導監督は、それは今の法律制度の中でできないけれども、少なくとも実情把握はしてほしいということでぜひ申し入れをしておいていただけますか。
  72. 白取健治

    ○白取説明員 先ほど来のやりとりの中でございましたように、直接の元請がやっておる事柄でございますので、発注元である鉄道公団あるいはJR東海がどこまでその辺の現状把握ができるかということは、ちょっと現時点ではわかりませんが、問い合わせはしてみることにいたしたいと思います。
  73. 渋谷修

    ○渋谷委員 実は、委員長の方に確認と、また改めてお願いしようというぐあいに思ったのですが、もうすぐ帰りますか。——それでは、土地区画整理法についての御質疑を若干させていただきます。  この土地区画整理法改正については、昨年の十二月の「経済社会の変化に対応した計画的な市街化方策、特に土地区画整理事業による市街地整備のための方策についての答申」、これを踏まえまして今度の改正案が出てきているわけでありますけれども、この答申の内容がすべて今度の改正案の中に反映されておりますでしょうか。あるいは、反映されていない点があれば、箇条書き的に御指摘いただけますか。
  74. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 昨年十二月九日でございますけれども都市計画中央審議会から建設大臣に先生仰せの答申をちょうだいいたしました。答申の中ではいろいろ御提言を出されてございます。  その中で、今般、一つ土地区画整理事業施行地区内の宅地利用促進のための住宅先行建設区の創設、これが第一点であります。それから二つ目に、市街化区域内農地に適切に対応し、住宅宅地供給に資する土地区画整理事業推進のための住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度の創設。三つ目、建築物と一体となった市街地整備促進するための立体換地制度充実。四つ目、密集市街地の環境改善推進のためのツイン区画整理の創設等でございます。  建設省におきましては、これらのうち、法制度が急がれるものにつきまして検討を加えてまいりました。それで、住宅先行建設区また住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度、この二点につきまして今回法案としてお諮りを申し上げまして、これらを中心法案整備お願いいたしたところでございます。  今回立法されなかった事項といたしましては、運用によりましてその実現を図っていくというものもございます。さらに検討を加えて進めてまいりたいというふうに考えておりますが、先生、箇条的にと仰せられましたので、幾つかさらに申し上げてみたいと思います。     〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕  一つは、先買いによりまして公益的施設用地を確保するようにという事項もございます。内容的にもなかなか広範多岐にわたる難しい問題がございますので、もうしばらく検討をさせていただきたいと考えております。  それから、継続的なまちづくりの推進もございます。宅地利用促進プログラムの策定とか不動産経営ノウハウの啓蒙普及、まちづくり施設の維持管理体制の検討、共同宅地利用事業推進というような事項にわたりまして答申をいただいております。これにつきましては、通達によりまして実施を回らせていただきたいというふうに考えております。  以下幾つかございますけれども、代表的なものでお許しをいただきたいと思います。
  75. 渋谷修

    ○渋谷委員 委員長がいらっしゃるときに、先ほどの質問との関連で一つ確認しておきたいと思ったのですが、先般の質問の最後に実は私の方から御要望申し上げまして、入札制度の検討などについては本当は専門的に議論する場が必要なわけですけれども、非常に技術的、専門的な分野にわたりますので、例えば私の問題意識だけでも、実は建設業法の見直しあるいは建築士法についての検討も実は行わなければならない、一般的な制度の問題についても、単に建設省の行政指導に任せておいていいのかということなどもございます。  今回の一連の問題については、立法府の責任は非常に重い。建設省何をやっておるかとしかるのは勝手でありますけれども、そうではなくて、本来立法府が検討し、そしてそういう問題を未然に防止をするということでの役割を果たしていないところにこうした問題が引き続き起こっている状況があるわけでありますから、その意味で、私の方から御提案、御要望を申し上げまして、仮の名前でありますけれども、行政調査委員会といったような委員会を設置したらどうか。これについては、アメリカなどでは各常任委員会にそういうものがすべて置かれておりまして、その委員会で通った法律についての法運用等についてはその都度フォローアップをしていくという体制があって、行政府と立法府との権力のチェック・アンド・バランスが行われているという指摘も実はしたところでございます。  先ほど理事から若干お話も聞きましたが、このことの処理は大変重要な意味を含んでおりますので、ぜひ委員長の方から具体的にその取り扱いの経過がどうなったか、御回答いただいて、議事録にきちんと残しておきたいというぐあいに思います。
  76. 野中広務

    野中委員長 けさ理事会におきまして、社会党理事からお申し出がありましたので、今後、それぞれ持ち帰りまして検討することにいたしました。
  77. 渋谷修

    ○渋谷委員 ありがとうございます。これはぜひできる限り早く結論を出していただきたい。  今度の事件について、マスコミ等ではスキャンダル的に実は取り上げておりますけれども、私は、立法府の責任を非常に重く問われていることだと思いますので、自民党の理事の方々もこのことについてはぜひ御理解いただきまして、そうした小委員会などで非常に実務的、具体的な取り組みをやる。私どもも、例えば入札の現場などに行って立ち会う、あるいはそういう具体的な制度がどうなっているかということを把握する、そうした中で制度というものを透明化を図ることは今の時代の要請あるいはアメリカ側からの要請でもあるわけですから、これにきちんと対応するということは必要だろう。何も入札制度だけの問題ではない、そのほかの問題もたくさんあるわけでございまして、そのことは改めてぜひ強く要望を申し上げておきます。  先ほどの土地区画整理法に戻りますけれども、そうしますと、答申で掲げられているけれども取り上げていないことはまだたくさん残っています。大変重要な問題が残っていますが、それは引き続き運用等、それからさらに法改正等が必要なものは検討を行っていくというようなことでございました。  そこで、実は先ほど来私どもの同僚の山内議員からの質問もありまして聞いておったのですが、どうも一つ大事な部分が抜けているかなというぐあいに思います。一般的に市街地整備を行って、そして住宅供給を図る大都市近郊における住宅供給というのは、依然としてこれは重要な課題である、これは一般論としてはわかりますが、先般の都市計画法の議論の際に私の方からも具体的な提起を行いましたけれども、それでは住宅供給をすれば問題は解決するのかということで言えば、そう単純な話ではないのではないか。住宅供給をすれば、一方では当然上下水道等の整備が必要になってくるわけですし、あるいは学校等の施設併設なども必要になってくる。もちろん環境の問題その他もございます。  一方、例えば大都市東京におきましては、もうこれ以上東京を大きくしてはならぬという意味でのいわば問題指摘があって、国会等の移転といったような具体的な取り組みなども行われているわけですね。  つまり何を言っているかと言えば、それぞれの都市についてはそれぞれの容量、キャパシティーがあるわけでありまして、その容量に合わせた形で成長の管理といいますかコントロール、そういういわば都市町づくりについてのコントロールをしていく必要があるだろう。今回出された法律をその限り見るだけにおきましては、そういう観点が実は欠如しているのではないかというぐあいに思います。  先般の都市計画法でいろいろな議論の経過があって、市町村のマスタープランというのがこの都市計画法の第十八条の二ということで新たに入りました。「市町村の都市計画に関する基本的な方針」というのが入ったわけですが、これと、今度の法律改正によりまして、例えば住宅を先行的に建設をしていく区域を設けるという意味での住宅先行建設区、こうした制度などについても、私はそれはそれなりに評価する部分があると思いますけれども、こういう新たな土地区画整理事業につきまして、今申し上げました市町村マスタープランとのリンクというのは一体どんなふうに考えておられるのか、ぜひお答えをいただきたいと思います。
  78. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 先般の都市計画法の改正によりまして幾つかの改正事項がございますが、中でも、先生御指摘のとおり市町村のマスタープランづくりというのがまさに都市計画の根源であるということで、大変重要な事項として、これから各自治体におきましてその策定を実施していただきます。このマスタープランに基づきまして、その地域土地利用等を含めました都市計画が実は進められてまいるわけでございます。その都市計画を進める過程におきまして、ただいま御提案を申し上げておりますこの区画整理事業をきちっと位置づけをされまして進められるわけでございます。
  79. 渋谷修

    ○渋谷委員 そうしますと、やっと一つのイメージが出てきましたが、市町村マスタープランがあくまでも上位ですね。市町村マスタープランは今これからつくらせるものとするということで、これは、いつでしたか、六月末ぐらいまでに政省令等を出すことになっていましたが、それに関連する日等、もしわかっていましたら、それも含めてお答えください。  それができ上がるということになりまして、市町村マスタープランを各市町村でつくり上げていく。その中に、自分の町をどうするかという一つのイメージをつくりまして、そのイメージの中で、例えばこの地域については土地区画整理を進めていこう、さらにその中で、例えばここは住宅を先行的に建設をしていく区域としょうということが決まっていくというような意味でイメージとして具体的に理解をすればよろしいですか。あるいはそういうことのイメージの中で、例えば市町村等に対しそちらの方から、そういうような理解でこの問題は取り組むのだということの指示といいますか指導ということをされるのだというぐあいに理解してよろしいですか。
  80. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 昨年改正をしていただきました都市計画法等の施行は、公布の日、昨年六月二十六日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされております。現在、関係の政省令、通達整備につきまして検討しているところでございまして、なるべく早い機会に成案を得て、必要な周知期間を経た上で実施に移したいと考えております。  その中で、各地方公共団体におきまして、新しい改正の中で盛り込まれました。途の的確な決定とか、新たに創設されました、ただいま先生おっしゃる市町村のマスタープランの策定の推進のこととか、いろいろ準備を進めていかなければいかぬわけでございます。所期の成果を上げるように、関係省庁、自治体と相談をしてまいります。  もう一つは、都市計画につきましては、もともと基本的に、計画的に市街化を図るべき区域につきまして、土地区画整理事業等の市街地開発事業等によります面的な計画市街化に備えまして、公共施設整備状況等を踏まえていろいろ町づくりを進めることに実はなっておるわけでございます。その中に、一番基礎的なレベルでございます市町村のレベルでそういった町づくりのマスタープランというものを位置づけをして、より地に足のついたものにこれをしていこうというようなことが法の趣旨であろうかと思います。  こういったマスタープランも受けて、具体に都市計画の中で区画整理事業、そしてまた、今般改正お願いしております。その区画整理事業の中で住宅先行建設区の設定につきましても、具体の手続を踏んで進めていただくことを考えておるわけでございます。
  81. 渋谷修

    ○渋谷委員 実は大事なことをやりとりをさせていただいたわけでありまして、今度の土地区画整理法改正に当たって、住宅先行建設区を設けることは建設大臣が指定することになっているのですね。「住宅の需要の著しい地域に係る都市計画区域で建設大臣が指定するものの区域において」——住宅先行建設区は建設大臣じゃないのか。その前の、建設大臣が指定する区域において、さらに住宅を先行して建設すべき土地の区域を定めるということになっているのですね。これについては、つまり先ほど市町村マスタープランが上位にあるのかというのは、実は非常に重要な部分でありまして、建設大臣が指定をするということと市町村マスタープランとのリンクという問題は、具体的にはどういうことになるのでしょうか。わかりますか。
  82. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 住宅の需要の著しい地域建設大臣が指定をするわけでございますけれども、この著しい地域と申しますのは、人口の増加率あるいはまた政策的な位置づけといったものを総合的に勘案いたしまして、住宅需要が著しいと判断さ れるところを選ぼうというわけでございます。大都市地域はもちろんでございますけれども地域活性化のために需要がこれから増すであろうというような地域も対象に考えていくわけでございますが、具体的に、例えば地方のことを考えていきますと、県庁所在地その他の中枢、中核都市とか拠点都市とかそういった地域を念頭に置いて考えていきたいと考えております。  こういう地域の中で、具体に都市計画をそれぞれ市町村、そしてまた県、機関が決めてまいりますけれども、そういった都市計画に従ってこの区画整理事業実施する、既存の枠組みの中で、手続の中でもちろん進めていくということになってまいるわけでございます。
  83. 渋谷修

    ○渋谷委員 その場合に、選定あるいは指定ということについて、都道府県知事とのかかわりの部分が出てまいりますけれども、いわゆる市町村との関係の問題とそれから市町村議会、この中を見ましても議会が出てこないのですね、議会とのかかわりというのは一体どんなふうに考えておられるのか。  それから、今度のこういう例えば区画整理事業に当たりまして、後で具体的な事例を一件申し上げますけれども、いわば当該地域の住民、だれも住んでないところを区画整理をやるのなら、またそれは住んでないからいいのですが、それでもその周辺の住民というのは当然いるわけでありまして、今の御答弁の中のように、大都市地域において、人口密集地ということであれば、一定の人がばら建ちみたいにして住んでいる、今度の計画でもそうですね、そこに今度は少し集中的に住宅をまとめてつくるというようなことになりますと、当然そのばら建ちのところに住んでいる人たちもいるわけですわ。こういう住民に対して区画整理の情報、大体いつそういう計画を具体的につくり上げていくのか、どういう町づくりをしていくのかということについての情報提供がきちんと行われなければならないというぐあいに思うのです。  つまり、議会の関与と当該地域の住民へのこういう計画内容の開示、それからそういう人たちの参加ということについてはどのように考えていらっしゃいますか。
  84. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 まず、地域の指定というものを大臣が行いますと、その地域に含まれる自治体が都市計画を決めて実施をしてまいります、その中で区画整理という事業を面的に実施をします、こういう考えでございます。  そうしますと、具体の都市計画に基づきます区画整理事業実施に当たりましては、いろいろ施行の主体が、公共団体が施行する場合、組合が施行する場合、個人が施行する場合、それぞれ手続が区画整理法に定められておるわけでございますけれども、その中で、具体の実施に当たりまして議会の意見を聞いていくというようなことも従来の手続の一環でございますけれども制度としてこれはもう組み込まれているところでございます。今般これによって何を変えるというような、この区画整理の手続自体につきまして何を変えるというところには実はなっておらないわけでございます。  例えば事業計画を決める際に、住宅先行建設区というものを決めてまいります。その場合の手続について例えば申し上げてみますと、公共団体実施をする場合に、事業計画の中でそういった建設区を決めてまいります。その場合には、計画をつくる場合に縦覧あるいは意見の聴取を行いますし、知事の審査がありますし、審議会の御意見も聴取をするというような手続を経まして事業計画の認可が行われてまいります。  そういう認可が進められて、具体にこういった建設区ができ上がってまいりますと、そこに集約して換地を進めようということでございますので、家をそこへ建てたいという人は、六十日という期間を設けてございますけれども、申し出をしていただきまして、具体にその申し出に基づきまして、建設区の中に住宅を建てたいという希望者の方を集約をしてまいるわけでございます。最終的には、そういった過程を経まして、換地処分というものを経た後、実施をしていく、こういうことになるわけでございます。
  85. 渋谷修

    ○渋谷委員 ちょっと途中聞き取れないところがあったのですが、こういう計画実施に当たって、事業実施に当たって、議会の意見の聴取とか住民への情報の公開といったようなことについて、これはいわゆる行政のベースで配慮しているという話ですか。それとも、制度的にこういうものがきちっと準備されている、これまでの事業に当たってもそういうのは制度としてあるんだということなんですか。そのことを一つ確認しておきたい。  余り時間がないものですから申しわけないのですが、具体的な事例で申し上げますと、これは埼玉県の桶川の事例なんですが、これまでの事例の話ですよ、この新しい制度はもちろんこれからの話ですが、そういう地域で、やはりこれは市街化が進んでいる地域ですが、区画整理地域にかかって新しくマンションが建ったものですから、そのマンションに入居した、区画整理が行われるということを入居時には入居者は知らなかったものですから、入った後に実は区画整理が行われもということがわかりまして、それぞれの負担金がかかるというような話もあって、市の方に問い合わせをした。そうしましたら、このマンションに住んでいる住民に対し、それこそ一家に対して二百数十万の負担金がかかるといったようなことが突然わかった。マンションのローンを払うだけでも大変なのに、そういう情報がないものですから、マンションに入ってそういう負担金を新たに負担するというようなことがわかりまして、——このことは事前に申し上げていませんから余り心配しないでください。  そういうような事例などもございまして、つまり何を言っているかといいますと、これから新しくつくる制度もそうですが、今までの制度もそうなんですけれども、そういう情報がきちんと住民に伝わっていない。それから、今マンションが建つ事例を申し上げましたけれども、つまり住宅を先行して建設する区域を設けましても、市街化区域でそのほかの地域に、今で言いますと、例えば宅地化する農地などを持っている農家があって、ここに例えば土地を換地して移すよりも、実は自分のところでマンションでも何でも建てられるわけです、市街化区域ですから。何も無理して自分で、例えばそこに土地を持っていく必要はない。そこに持っていけば、例えば減歩の問題があるでしょう。負担の問題があるわけですね。そんな制限をかけられるよりは、自分のところでマンションでも建てて売ってしまった方がいい。そういうのが実はこういう事例なんですね。こういう形でスプロールが進んで、どんどん乱開発が行われる、いわゆる醜い都市開発があちこちで行われている事例は実はここに原因があるわけです、大臣。  私は、最後の部分で結論を申し上げますが、今申し上げたことは、桶川の市議会で北村さんという市会議員がこの問題を取り上げて質問をしておりますので、住民も突然でびっくりしたでしょうね。住んでみて、これは区画整理が行われる地域で、その地域内にマンションまで組み込まれて、それで負担金がこんなだという話ですから、ぜひこれは実情を把握していただいて、どういう形での対応の仕方がこういうケースの場合はあるのかということを、建設省の方からぜひこの問題についての把握をしていただきたいのと、後でまた私の方にその状況を聞かせていただきたいのです。  今申し上げたような点で、実は今度の新しい制度をつくりましても、一方で市街化区域で開発することについては、言ってみれば自由なんですね。ですから、今政府がつくろうという政策はそれなりに評価できるのだけれども、それを本当にうまく生かせるためには、こっちの側の開発自由というものを何とかして、やはり一定の制限を加えるということをしておかないと、そこの地主さんが積極的に関与してここに例えば住宅をつくるということについて、行政の思惑どおりに協力してくれないのではないかということを申し上げているのです。  結論部分で申し上げれば、せっかくこの前の都市計画法で誘導容積制度というのはつくりましたので、用途にもよりますけれども、例えば住居地域といったようなことでありましたら、いわば区画整理にかかっている部分以外の部分については一たんダウンゾーニングする、勝手に何でもかんでも、マンションとかその用途に限られている部分で建てられるということではなくて、一たんダウンゾーニングしまして乱開発を防ぐ、それで、区画整理をしているところについてきちんとした社会基盤整備をし、いろんな意味での、それはもう税金を投ずるわけですから、投ずることによってそこは逆に言えばアップゾーニングをして、一定規模まで住宅建設が行われるというようなことでいかないと、新しい制度をつくりましてもなかなかうまくいかないのではないかというぐあいに実は感じておるわけでございますけれども、この点についてぜひ御答弁をいただきたい。  最後に、大臣の方から、この問題は実は、町づくりということに関して言えば、一貫した問題です。先ほど都市計画法の話をしましたけれども、一貫した問題です。そういう問題意識でぜひこの問題について取り組んでいただきたいというぐあいに考えておりますが、そういう意味で、大臣の所信表明の演説の中にもありました、豊かな、質の高い町づくり形成ということについてこの法律をどう生かしていくかという決意を最後に大臣に伺って、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。
  86. 鹿島尚武

    鹿島政府委員 幾つか先生仰せられましたが、まず、都市計画で区画整理の事業等面的な開発をする場合に、都道府県の都市計画審議会の議を経るわけでございますが、それに対しまして、市町村におきましては、議会の御意見も聴取をしているのが実態であろうかと思います。それから、もちろん都市計画審議会には、委員として代表の先生方が参加していらっしゃいます。  それから、第二点目は、負担金、桶川の例ですが、負担金というか、むしろ清算金ということでありましょうか、もう少し勉強してみたいと思います。桶川についても同じように、御指摘のとおり調査をしてみたいと思います。  さて、最後に、基盤整備が進んでないところでいろいろ仕事をするということについて御懸念があるように仰せられました。  都市計画自体が、その地域公共施設整備状況に応じまして適切に建ぺい率、容積率というようなものを決めて、具体にその地域町づくりを進めていこうということになっているわけでございます、一般論でございます。そういう意味で、計画的に市街化を図るような区域につきましては、かねてから土地区画整理事業市街地開発事業によります面的な計画市街化に備えまして、第一種の住居専用地域を指定して、容積、建ぺいというのを一番低いところで設定をするということで抑えているというところにございます。これは東京都におきましても既に同じような扱いをなさっている例もございます。全国そういう運用で今日まで進めてきているところでございます。私どもといたしまして、計画的な市街化が図られれば、公共施設がそれによって整備されれば、それに合わせていろいろ建物の容積とか建ぺいとかセットバックの考え方とか、そういうことをはっきりしていくことになるわけでございますけれども、そういった措置は既にとられているということでございます。  それから、昨年御審議賜りまして創設をしていただきました誘導容積制度におきましても、結局同じように、公共施設整備が十分にされてないところで、その施設整備に見合って有効利用を進めていこうというのが趣旨であるわけでございます。そういった考え方は貫いているというふうに理解をいたしております。
  87. 中村喜四郎

    ○中村国務大臣 御指摘をいただきましたように、住民の意見を踏まえつつ、都市整備を進めていきたい、このように考えております。
  88. 渋谷修

    ○渋谷委員 以上です。ありがとうございました。
  89. 野中広務

    野中委員長 次回は、明後十六日金曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五分散会