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1993-04-06 第126回国会 衆議院 決算委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成
五年四月六日(火曜日) 午前九時三十分
開議
出席委員
委員長
貝沼
次郎君
理事
北川
石松
君
理事
前田 武志君
理事
森 英介君
理事
山崎 拓君
理事
志賀 一夫君
理事
時崎 雄司君
理事
倉田 栄喜君
伊藤宗一郎
君
加藤
六月君 渡辺 栄一君 小森
龍邦
君 新村 勝雄君
長谷百合子
君
寺前
巖君
出席国務大臣
建 設 大 臣
中村喜四郎
君 国 務 大 臣
井上
孝君 (
国土庁長官
)
出席政府委員
国土庁長官官房
藤原 和人君 長
国土庁長官官房
藤田 修君
会計課長
国土庁長官官房
加藤
昭君
水資源部長
国土庁計画
・調 糠谷 真平君
整局長
国土庁大都市圏
内藤 勲君
整備局長
国土庁地方振興
秋本 敏文君
局長
建設大臣官房長
望月
薫雄
君
建設大臣官房総
市川 一朗君
務審議官
建設大臣官房会
木下 博夫君 計
課長
建設省建設経済
伴 襄君
局長
建設省河川局長
岩井
國臣
君
委員外
の
出席者
公正取引委員会
事務局経済部調
平林 英勝君
整課長
国土庁土地局次
原 隆之君 長
法務省刑事局総
鶴田 六郎君
務課長
大蔵省主計局調
田村 義雄君 査
課長
大蔵省主計局主
東垣外洋
三君 計
監査官
国税庁課税部所
古出 哲彦君
得税課長
国税庁調査査察
藤井 保憲君
部調査課長
厚生省年金局資
吉武 民樹君
金管理課長
会計検査院事務
佐藤
恒正君 総局第三
局長
住宅金融公庫
総 高橋 進君 裁
決算委員会調査
山本 正君 室長
—————————————
委員
の異動 三月六日
辞任
補欠選任
不破 哲三君
寺前
巖君 同月十九日
辞任
補欠選任
日野
市朗
君
和田
静夫
君 同月二十五日
辞任
補欠選任
和田
静夫
君
日野
市朗
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
平成
元
年度一般会計歳入歳出決算
平成
元
年度特別会計歳入歳出決算
平成
元
年度国税収納金整理資金受払計算書
平成
元
年度政府関係機関決算書
平成
元
年度国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
元
年度国有財産無償貸付状況
総
計算書
〔
総理府所管
(
国土庁
)、
建設省所管
、
住宅金
融公庫
〕 ————◇—————
貝沼次郎
1
○
貝沼委員長
これより
会議
を開きます。
平成
元
年度決算外
二件を一括して議題といたします。 本日は、
総理府所管
中
国土庁
、
建設省所管
及び
住宅金融公庫
について
審査
を行います。 この際、
井上国務大臣
、
中村建設大臣
及び
住宅金融公庫当局
の
概要説明並び
に
会計検査院
の
検査概要説明
につきましては、これを省略し、本日の
委員会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
貝沼次郎
2
○
貝沼委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように
決定
いたしました。
—————————————
平成
元
年度歳出決算
に関する
概要説明
国 土 庁
国土庁
の
平成
元
年度歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
平成
元
年度
の当初
歳出予算額
は、二千三百七十九億三千二百八十二万円余でありましたが、これに
予算補正追加額
十六億四千九百八十四万円余、
予算補正修正減少額
三億九千五十八万円余、
予算
移替
増加額
一億三千百十三万円余、
予算
移替
減少額
千百二十九億五千四百三十五万円余、前
年度繰越額
二十億千四百二十一万円余を増減いたしますと、
平成
元
年度歳出予算
現額は、千二百八十三億八千三百八万円余となります。この
歳出予算
現額に対し、
支出済歳出額
千二百三十五億四千九百八十万円余、翌
年度繰越額
四十二億四千五百五十八万円余、
不用額
五億八千七百六十九万円余となっております。 次に、
支出済歳出額
のおもなものは、
離島振興事業費
四百十七億七千四百九十二万円余、
水資源開発事業費
二百四十一億九千八百七十九万円余、
揮発油税等財源離島道路整備事業費
二百一億四百万円、
国土庁
百六十七億六千六百六十一万円余、
国土調査費
八十億千二百四十四万円余、
国土総合開発事業調整費
七三二億千四百二十七万円余、
小笠原諸島振興開発事業費
十九億七千四百三十九万円余、
航空機燃料税財源離島空港整備事業費
十四億五千百万円、
離島振興特別事業費
五億八千百七十九万円
余等
であります。 さらに、翌
年度
へ繰り越したおもなものは、
離島振興事業費
二十二億六千二百七十七万円余、
水資源開発事業費
十八億二千八百六十一万円
余等
であります。 また、
不用額
のおもなものは、
水資源開発事業費
四億千六百二十四万円余、
防災集団移転促進事業費補助金
五千四百十六万円
余等
であります。 以上が
平成
元
年度国土庁
の
歳出決算
の
概要
であります。 何とぞよろしく御
審議
のほどお願いいたします。 …………………………………
平成
元
年度決算国土庁
についての
検査
の
概要
に関する
主管局長
の
説明
会計検査院
平成
元
年度国土庁
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法又は不当と認めた
事項
は ございません。
—————————————
平成
元
年度建設省所管決算概要説明
建 設 省
建設省所管
の
平成
元
年度歳入歳出決算
につきまして、
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
歳入
につきましては、各
会計別
の
収納済歳入額
は、
一般会計
四百六十二億四千七百万円余、
道路整備特別会計
三兆三千四百三十二億三千四百万円余、うち、「
日本電信電話株式会社
の
株式
の
売払収入
の
活用
による
社会資本
の
整備
の
促進
に関する
特別措置法
」第二条第一項に該当する
事業
に要する無
利子貸付金
は、四千七十七億千九百万円余、
治水特別会計
の
治水勘定
一兆千八百七十九億五千二百万円余、うち、「
日本電信電話株式会社
の
株式
の
売払収入
の
活用
による
社会資本
の
整備
の
促進
に関する
特別措置法
」第二条第一項に該当する
事業
に要する無
利子貸付金
は、千七百三十七億千六百万円余、同
特別会計
の
特定多目的ダム建設工事勘定
二千七百十九億六千四百万円余、
都市開発資金融通特別会計
千十五億九千百万円余、うち、「
日本電信電話株式会社
の
株式
の
売払収入
の
活用
による
社会資本
の
整備
の
促進
に関する
特別措置法
」第二条第一項に該当する
事業
に要する無
利子貸付金
は、七十八億六千九百万円余、となっております。 次に、
歳出
につきましては、各
会計別
の
支出済歳出額
は、
一般会計
四兆九千六百十二億七千百万円余、
道路整備特別会計
三兆二千四百十九億八千七百万円余、うち、「
日本電信電話株式会社
の
株式
の
売払収入
の
活用
による
社会資本
の
整備
の
促進
に関する
特別措置法
」第二条第一項に該当する
事業
に要した無
利子貸付金
は、三千九百八十九億千百万円余、
治水特別会計
の
治水勘定
一兆千五百六十億四千五百万円余、うち、「
日本電信電話株式会社
の
株式
の
売払収入
の
活用
による
社会資本
の
整備
の
促進
に関する
特別措置法
」第二条第一項に該当する
事業
に要した無
利子貸付金
は、千七百十五億七千七百万円余、同
特別会計
の
特定多目的ダム建設工事勘定
二千五百五十四億千七百万円余、
都市開発資金融通特別会計
千九億四千七百万円余、うち、「
日本電信電話株式会社
の
株式
の
売払収入
の
活用
による
社会資本
の
整備
の
促進
に関する
特別措置法
」第二条第一項に該当する
事業
に要した無
利子貸付金
は、七十三億二千三百万円余、
大蔵省
と共管の
特定国有財産整備特別会計
のうち
建設省所掌分
四百九十億五千六百万円余、となっております。 以下、各
事業
について御
説明
申し上げます。 まず、
治水事業
につきましては、第七次
治水事業
五箇年
計画
の第三
年度
として、
河川事業
では、
直轄河川改修事業
百二十二
河川
、
中小河川改修事業
七百五十九
河川
について
工事
を
実施
し、
ダム事業
では、
直轄
五十八
ダム
、
補助
百七十四
ダム
の
建設工事
を
実施
いたしました。また、
砂防事業
では、
直轄
三十一水系及び十
地区
、
補助
四千五十渓流及び九百六十二
地区
の
工事
を
実施
いたしました。
海岸事業
では、第四次
海岸事業
五箇年
計画
の第四
年度
として、
直轄
十二
海岸
、
補助
八百十四箇所の
工事
を
実施
いたしました。 また、急
傾斜地崩壊対策事業
は、第二次急
傾斜地崩壊対策事業
五箇年
計画
の第二
年度
として、二千四百三十一
地区
について
補助事業
を
実施
いたしました。
災害復旧事業
につきましては、
直轄
及び
補助事業
についてそれぞれ
復旧事業
を
実施
いたしました。 次に、
道路整備事業
につきましては、第十次
道路整備
五箇年
計画
の第二
年度
として、
一般道路事業
では、
一般国道
及び
地方道
の
改良
三千五百四十六キロメートル、舗装三千五百五十七キロメートルを完成させたほか、
特定交通安全施設等整備事業
、
維持修繕事業等
を
実施
いたしました。
有料道路事業
では、日本道路公団、首都高速道路公団、
阪神高速道路公団
及び
本州四国連絡橋公団
に対して
出資等
を行い、また、
有料道路事業
を
実施
した
地方公共団体等
に対して
資金
の貸
付け
を行いました。 次に、
都市計画事業
につきまして、御
説明
申し上げます。
公園事業
につきましては、第四次
都市公園等整備
五箇年
計画
の第四
年度
として、
国営公園
十二箇所、
都市公園等
二千二百十九箇所の
施設整備等
を
実施
いたしました。
下水道事業
につきましては、第六次
下水道整備
五箇年
計画
の第四
年度
として
事業
を
実施
し、
管渠
三千七百四十一キロメートル、
終末処理場
の
施設
二百二十八万人分を完成いたしました。 市街地再
開発事業
につきましては、百五十
地区
の
事業
を
実施
いたしました。
都市開発資金
の
貸付事業
につきましては、五十一箇所の用地の買取り等に対し、
資金
の貸
付け
を行いました。 次に、
住宅対策事業
につきましては、第五期
住宅建設
五箇年
計画
の第四
年度
として、
公営住宅
三万五千五百九十三戸、
改良住宅
千七百七十戸、
住宅金融公庫融資住宅
五十五万五百五十戸、
住宅
・
都市整備公団住宅
二万千五百四十二戸のほか、
農地所有者等賃貸住宅等
の
建設
を推進いたしました。 最後に、
官庁営繕事業
につきましては、
合同庁舎等
三百箇所の
工事
を
実施
いたしました。 以上が、
平成
元
年度
における
建設省所管
の
決算
の
概要
であります。 これら
所管事業
に係る
予算
の
執行
に当たりましては、常にその厳正な
執行
を図ることはもちろんのこと、
内部監察等
を行い万全を期してまいりましたが、
平成
元
年度決算検査報告
におきまして
指摘
を受ける
事項
がありましたことは、誠に遺憾であります。
指摘
を受けた
事項
につきましては、直ちに
是正措置
を講じておりますが、今後ともなお一層
事業
の
実施
の
適正化
に努めてまいる所存であります。 何とぞよろしく御
審議
のほどをお願い申し上げます。 …………………………………
平成
元
年度決算建設省
についての
検査
の
概要
に関する
主管局長
の
説明
会 計 検 査 院
平成
元
年度建設省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
八件及び
意見
を表示し又は
処置
を要求した
事項
一件であります。 まず、
不当事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
一七〇号から一七七号までの八件は、
補助事業
の
実施
及び経理が不当と認められるもので、
工事
の
設計
が適切でなかったり、
工事
の施工が
設計
と相違していたり、
補助金
を過大に交付していたりしていたものであります。 次に、
意見
を表示し又は
処置
を要求した
事項
について御
説明
いたします。 これは、
住宅新築資金等貸付事業
における
宅地取得資金
の貸
付け
に関するものであります。
建設省
では、
歴史的社会的理由
により
生活環境等
の
安定向上
が阻害されている
地域
の
環境
の
整備改善
を図るため、
住宅
の用に供する
土地
の
取得
に必要な
資金
の
貸付事業
を行う
市町村
に対し、
貸付事業
に必要な
財源
の一部として
国庫補助金
を交付しております。
宅地取得資金
は、自ら居住する
住宅
の用に供するため、
土地
の
取得
を行おうとする者に対し貸し
付け
られるもので、
借受人
には、貸
付け
を受けた日から二年以内に
貸付対象土地
において自ら居住する
住宅
の
建設
に着手しなければならない
義務等
が課せられております。 しかし、
市町村
において、
貸付対象土地
の
取得
及び
住宅建設
の
状況把握
や
指導
を十分に行っていなかったこと、
建設省
において、
市町村
における
貸付事業
の適正な
運営
が図られるよう十分に
指導監督
を行っていなかったことなどにより、
借受人
が
貸付対象土地
を
取得
していなかったり、
取得
した
貸付対象土地
を無断で処分していたり、
貸付対象土地
を
取得
していても
住宅
の
建設
に着手していなかったりしている不適切な
事態
が多数見受けられました。 したがいまして、
建設省
におきまして、
市町村
が、これらの
事態
について
是正措置
を講じるとともに、
貸付対象土地
の
取得
及び使用の
状況
や
住宅建設状況
を把握できるような手段を講じるなどするよう
指導監督
を行うことにより、
貸付事業
の適切な
運営
を確保し、もって
国庫補助事業
の目的の達成を期するよう
是正改善
の
処置
を要求いたしたものであります。 以上、簡単でございますが
説明
を終わります。
—————————————
平成
元
年度住宅金融公庫業務概況
住 宅 金 融 公 庫
住宅金融公庫
の
平成
元
年度
の
業務
の
計画
と
実績
につきまして、御
説明
申し上げます。
貸付契約予定額
は当初、
住宅等資金
貸
付け
五兆九千八百九十一億四千万円、
関連公共施設等資金
貸
付け
五十億円、
宅地造成等資金
貸
付け
一千八百一億八千万円、
財移住宅資金
貸
付け
三千億円、
合計
六兆四千七百四十三億二千万円でありましたが、その後、
資金需要
の
変動
に伴い、
貸付契約予定額
を
住宅等資金
貸
付け
六兆一千四百二十七億八千七百万円、
関連公共施設等資金
貸
付け
三十七億八百万円、
宅地造成等資金
貸
付け
一千百八億二千五百万円、
財移住宅資金
貸
付け
二千百七十二億三千八百万円、
合計
六兆四千七百四十五億五千八百万円に
改定
いたしたのでございます。 この
貸付契約予定額
に対しまして
貸付契約
の
実績
は、
住宅等資金
貸
付け
六兆一千四百二十七億四千百十四万円、
関連公共施設等資金
貸
付け
三十五億四千九百四十万円、
宅地造成等資金
貸
付け
一千百八億一千九百二十万円、
財移住宅資金
貸
付け
二千百七十二億三千六百八十万円、
合計
六兆四千七百四十三億四千六百五十四万円となったのでございます。
資金
の
貸付予定額
は当初、
平成
元
年度貸付契約
に係る分三兆二千九百八十九億三百万円、前
年度
までの
貸付契約
に係る分二兆六千九百六十三億七千三百万円、を合わせた計五兆九千九百五十二億七千六百万円でありましたが、その後、前
年度
決算
による
改定等
により、
合計
六兆三千九百七十六億二千四百万円余に改められたのでございます。 この原資は、
資金運用部資金
の
借入金
五兆五千十三億円、
簡易生命保険
及び
郵便年金積立金
の
借入金
八百八十五億円、
民間借入金
一千二百三十二億円、
財移住宅債券発行
による
収入
一千六十七億八百万円余、
住宅宅地債券発行
による
収入
四百二十二億二千万円のほか、
貸付回収金等
から五千三百五十六億九千五百万円余をもって、これに充てることとしたのでございます。 この
資金
の
貸付予定額
に対しまして
実績
は、前
年度
までの
貸付契約
に係る分を含めまして、
住宅等資金
貸
付け
六兆八百三十八億六百八十四万円、
関連公共施設等資金
貸
付け
二十八億六千百九十万円、
宅地造成等資金
貸
付け
一千二百六十八億三千三百四十五万円、
財移住宅資金
貸
付け
一千七百四十八億七千二百二十二万円、
合計
六兆三千八百八十三億七千四百四十一万円となったのでございます。この
実績
は、前
年度
に比べますと、二千七百八十九億六千七万円余、率にいたしまして、四・六パーセント増となっております。 また、
年度
間に回収いたした額は、二兆四千九百六十六億八千五百四十八万円余でありまして、前
年度
に比べますと、六百九十四億八千五百四万円余、率にいたしまして、二・七パーセント減となったのでございます。この結果、
年度
末
貸付残高
は、三十七兆七十五億三千三百七十一万円余となりまして、前
年度
末に比較いたしますと、三兆八千九百三十一億三千百八十九万円余の
増加
となったのでございます。
貸付金
の
延滞状況
につきましては、
平成
元
年度
末におきまして、
弁済期限
を六箇月以上経過した
元金延滞額
は、二百十八億一千七百一万円余でありまして、このうち一年以上
延滞
のものは、百九十億一千三百十九万円余でございました。 次に
住宅融資保険業務
につきましては、
平成
元
年度
におきまして
金融機関
との間に
保険関係
が成立する
保険価額
の総額を二千四百億円と
予定
し、この額の百分の九十に相当する二千百六十億円を
保険金額
といたしましたが、
保険関係
が成立いたしたものは、九百十九億六千八百二十四万円余でございました。
収入支出
について申し上げますと、
収入済額
は、
収入予算額
二兆七千七百億三千八百八十万円余に対し、二兆七千八百九十一億七千三十九万円余となりました。
支出済額
は、
支出予算額
二兆二千二百二十一億四千七十三万円余に対し、二兆二千百七十三億一千六百八十七万円余となり、
支出
より
収入
が、五千七百十八億五千三百五十二万円余多かったのでございます。
損益計算
の結果につきましては、総
利益
二兆八千二百二十七億七千三百五十六万円余、総
損失
二兆三千五十二億二千五百二十九万円余となり、差し引き五千百七十五億四千八百二十六万円余の
利益金
を生じましたが、これは
住宅資金融通事業
に係る
利益金
五千百六十三億六千万円、
住宅融資保険特別勘定
の
利益金
十一億八千八百二十六万円余によるものであります。 このうち、
住宅資金融通事業
に係る
利益金
は、
住宅金融公庫法附則
第十四項の
規定
により、
特別損失
を埋めるため
一般会計
から受け入れた
交付金
により生じた
利益金
でありますので、同
法附則
第十五項の
規定
により
特別損失
を減額して整理するとこととし、
住宅融資保険特別勘定
の
利益金
は、同法第二十六条の二第三項の
規定
により同
勘定
の
積立金
として積み立てることとしました。 なお、昭和六十二
年度
までの
特別損失
については、
補正予算
において
交付金
を四千六百九十五億六千万円増額して、一括整理することとしました。 以上をもちまして、
平成
元
年度
の
業務概況
の御
説明
を終わらせていただきます。 …………………………………
平成
元
年度決算住宅金融公庫
についての
検査
の
概要
に関する
主管局長
の
説明
会 計 検 査 院
平成
元
年度住宅金融公庫
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法又は不当と認めた
事項
はございません。
貝沼次郎
3
○
貝沼委員長
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
北川石松
君。
北川石松
4
○
北川
(石)
委員
平成
元
年度
の
建設省
、
国土庁
の
決算審査
に当たりまして質問の機会を得ましたことを深く感謝いたします。 最近、
決算委員会
が非常に軽くあしらわれているということを感ずるのでありますが、私は、
国民
の血税を使う
決算委員会
というものが一番大事なものではないか、こういう
観点
に立つものでありますが、両
大臣
はいかがお考えでしょうか。
中村喜四郎
5
○
中村国務大臣
先生
のお説、私も全く同感です。
井上孝
6
○
井上国務大臣
非常に重要な御
審議
をお願いする
決算委員会
でございますから、一生懸命務めさせていただきます。
北川石松
7
○
北川
(石)
委員
今両
大臣
が非常に重要だというところをお答え願ったので、私もまたこの
決算委員会
というものが重要なものであると考えております。 そこで、過日の、
国民
の声が国会に反映されていないというアンケートが七〇%以上のものがあるということを聞きます。また、知って、これではよくないと思っております。そういう
観点
から見ますと、私は、
平成
二年の十二月の二十五日だったと思うんですが、当時の
佐藤国土庁長官
に水の
利用
はどうなっていますかということをお聞き申し上げて、来年の春、三月ごろには出ます、こういうふうに答弁を願ったと思うんですが、その後つい最近、このなにが発表されたと聞いておりますが、
国土庁長官
はどう思われますか。
井上孝
8
○
井上国務大臣
今
北川先生
おっしゃいましたように、
平成
二年の十二月の二十五日でございますか、
閣議
で
環境庁長官
として
北川先生
から御発言があったことは私も伺っております。そのときに当時の
佐藤国土庁長官
が
年度
内、すなわち翌年の三月中に
木曽川
の
フルプラン
も作成いたします、 こういう御返事をなすったことも伺っておりますが、実は、
先生
御承知だと思いますけれども、
木曽川
の
水利用
につきましては、
フルプラン
の
地域
が三重県の方に拡大するとか、あるいは、
工業用水
としてかつて
予定
をいたしておりましたものを
水道用水
、特に
愛知用水
で供給いたしておりました
地域
、
知多半島方面
にも
水道用水
を
長良川
から持っていくというような大きな
計画
の
改定
がございましたので、
大変作業
がおくれました。ようやく去る三月二十六日に
閣議
で
決定
をするという運びになりまして、二年ばかりおくれてしまいました。 今私が申し上げましたように、
景気等
も非常に
変動
をしておりますし、その作成に非常に時間がかかったということをどうか御理解を願いたいと思います。
北川石松
9
○
北川
(石)
委員
フルプラン
を発表されまして幾多の
矛盾点
を感じますし、四十二年、四十三年でしたかな、
閣議決定
で、日本の
経済
の発展の中で水が必要だという
決定
をしている。今日までいろいろの紆余曲折を経てまいりました。私が
環境庁長官
のときに、今四日市も桑名も水は要らぬと言っておるし水の必要がない、
水需要
の必要はもう減少されたんだということを申し上げて、
長良川河口
ぜきは百害があって一利ないということを申し上げた途端に、これは
治水
のために必要ですと言う。何の
治水
のためだと言って、
長良川
をしゅんせつすると、探掘りすると塩水が遡上して塩害が出てくるというが、矛盾している。 こうなって、もう
治水
のためだ、
治水
のためだという声で
大臣室
に三百二十名の
署名
を持って、私のところへ早くやってくれと来たんだ。早くやりたければ
建設省
に行きなさいと僕は言った。違うんだ、あなたが反対されると困るからこれだけの
署名
を持ってきたんだ。それにお二方、両
大臣
も
署名
をしていらっしゃった。僕は全部見たんだから。もう一遍見せましょうか。そのときの三百二十名の名前がこれにちゃんとあって
大臣室
に来ておる。これは、私は圧力と全然感じなんだ。
治水
のためにこれだけ気を使ってくれているんだな、こう思った。そこで、
治水
というものについては僕は淀川、大和川の
治水対策委員長
のときに
河野建設大臣
と討論をしたことがあるんだと言ったら、まあまあ頼むと帰ってしまわれたが、私はそういういろいろな
観点
から見て、
建設省
が
水利用
が必要だという
閣議決定
した
ダム
が
治水
のためにだといって幅五
メーター
、長さ二十
メーター
、十三本くいを打ったら必然的に水圧を呼んできよる、
治水
じゃない、こういうことを力説したんですが今日まで
工事
が続行されておる。 この点について、
水利用
だと言われてこういうふうに変えて、そしてまたこの間
フルプラン
を発表された。ところが、その水というものに対しては
徳山ダム
を初めいろいろなところの検討をすると、その発表に対して
矛盾点
を非常に感ずる。この点について両
大臣
はどう思われますか。
井上孝
10
○
井上国務大臣
先ほど申し上げましたように、先般
木曽川
の
フルプラン
を
閣議
で
決定
をさせていただきました。これはもう
先生
御承知と思いますが、
平成
十二
年度
を目標として
水需要
に対処するためにいかに水資源を開発すべきか、
利用
の合理化をどうすべきかというようなことが書かれておるわけでありますが、中部圏といいますか名古屋地方は、今後さらに発展することが期待されておる
地域
でございまして、また関係県からも、将来の発展や都市化の進展に伴う
水需要
の
増加
というものに対処するために、水資源開発の
促進
が非常に強く望まれております。したがいまして、今回の
計画
におきましては、従来からやっております味噌川
ダム
あるいは
長良川河口
ぜき、さらにそれに加えまして長良導水
事業
というようなものも加えて
フルプラン
をつくったわけでございまして、私どもとしてはあの地方におきます
水需要
、将来にわたる
水需要
に対してこういった
事業
が必要であるということを確信をして作成したものでございます。
北川石松
11
○
北川
(石)
委員
ちょっと
委員長
のお許しを得て、このパンフレットを
大臣
初めみんなに配ってもらいたい。よろしくお願いします。
貝沼次郎
12
○
貝沼委員長
ばい、了解しました。
北川石松
13
○
北川
(石)
委員
では、お配りを願います。 今
国土庁長官
から御答弁を受けたんですが、その
矛盾点
を、私が入手したものによって一応御検討願っておきたい。これは当面形にならないだろうが、皆さんにも御承知を願っておきたい、こう思っておる次第であります。 そこで、岩屋
ダム
とか
徳山ダム
とかいろいろな
ダム
が上流にありまして、上水道を初め
工業用水
、いろいろなものに寄与しているんですが、
長良川河口
ぜきが水に貢献できるということは私は感じない。感じない。しかも、こういう
矛盾点
がありながら河口ぜきを強行することは非常に好ましくないという
観点
に立ちます。それは、最近の日本の政治というものが
国民
の信頼を失ってきている。失うんじゃない、嫌悪の感まで抱かしめるようにいろいろの問題が惹起されて、まさに国会というものがこれでいいのか、私は法は正義なりという教えを受けておりますが、法をつくるべき国会が
国民
の信頼を失ってしまっては成り立っていかない。そういう
観点
を見ますときに、
国民
の信頼を得るためには、このように
矛盾点
の多い、
国民
の血税を使った河口ぜきというものはこの際私は考え直す必要があるんじゃないかと思いますが、両
大臣
はいかがですか。
中村喜四郎
14
○
中村国務大臣
お答えいたします。
先生
のこのことに対するそういった姿勢、お考えがあるということは私も前から承知はしておりますが、このたび
建設
大臣
に就任をいたしまして私も現地を視察させていただきました。そして現地の方々からもいろいろの御
意見
を聞かせていただきましたし、また、このことに対しましては地元の三県、あるいは一市八町一村、その他民間団体、農業団体、水防の関係者、たくさんの方々がこの河口ぜきの一日も早い完成を願っているということも一方で事実でございます。 今
年度
の
予算
すべて消化を終わりますと九十数%が完成するといった
状況
でございますので、
建設省
としては、本
計画
に基づいて河口ぜきを初めとする水資源
開発事業
の
促進
に努めて、中部圏の発展のために必要な水資源の確保と、
木曽川
水系の頻発する渇水、あるいは
治水
、こうした問題に
地域
の皆様方の要望にこたえていくために、
予定
どおり
事業
を進めさせていただきたい、このように考えております。
北川石松
15
○
北川
(石)
委員
憲法の中で、第三章の十五条に、我々にこうしなくてはいかぬよということを
規定
している言葉がございますが、御存じですか、十五条。その中に、このように教えを受けておりますが、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、
国民
国有の権利である。 すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」こういうようにうたっておる。私はこのことは非常に重要であろうと思いますし、
建設省
あるいは
国土庁
が一部の奉仕者であってはならない。ましてやこの公務員というものは代議士を指して言っている。「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」こういうふうにうたっておるのです。このことを心するならば、私は、両
大臣
とも
国民
に選ばれた優良な代議士であると思います。 その点に立って
長良川河口
ぜきについて、昨夜も私が駅で東京新聞を買いましたところ、梅原
先生
はこのように言っているんですね。「思うままに」と書いているところに「政治改革の第一歩」として、「浪費され続ける血税」というところに
長良川河口
ぜきを取り上げていらっしゃいます。そして、
長良川河口
ぜきの中止から
国民
の血税の浪費は助かるんだというふうに言われている。そういう
観点
から見ますと、当初二百三十五億の
予算
計上が千五百にふえ、現時点ではまさに二千億をオーバーしようとする、この膨大な
予算
を
長良川河口
ぜきに消費するよりも、この際決断を持って一応中止する、そしてその
予算
を国全体の中で潤いのある社会奉仕に投資したらどうだろうか、私はこういうふうに思いをいたしますが、いかがですか。
貝沼次郎
16
○
貝沼委員長
岩井
河川
局長
。(
北川
(石)
委員
「いや、
大臣
だよ。こういうのは
大臣
だもの。ならぬ。
大臣
。こんな重要な、
国民
奉仕のことを言っているときに」と呼ぶ)
岩井國臣
17
○岩井政府
委員
技術的な話がありますので……。(
北川
(石)
委員
「質問者が言うんだよ」と呼ぶ)
井上孝
18
○
井上国務大臣
北川先生
に今さら申し上げるまでもないことでございますが、水資源の開発というのは、その
地域
あるいはその
河川
の河状によって非常に限定をされたものでございます。例えば
ダム
をつくる地点も非常に少のうございますし、せきをつくる地点も非常に少ない。そういうところが、今の
経済
効率のもとでいろいろな
施設
をいたしますと二度とやれなくなる。土木
工事
全般にそういうことが言えるわけでございますけれども、この
木曽川
につきましても、特に
長良川河口
ぜきのところにおきましては、あるいは目標年次において
水需要
をオーバーするようなキャパシティーのものができるかもしれませんけれども、それはさらにそれより先の将来に向かっての需要に対応するために、現状では大き過ぎる、過大だというようなものも、やはり二度と開発、
建設
ができませんから、なるべく将来にわたって需要を充足できるような
施設
をつくるということから、こういうものが目標
年度
におきましては需要をオーバーするということも、こういった土木
工事
においては許されていいのではないかと私は思っております。その点、
先生
とはちょっと見解が異なるのかな、こういう感じで承っておりました。
北川石松
19
○
北川
(石)
委員
いや、見解の相違点をあなたから言われるけれども、私は、水の需要ということと将来を考えたら、いろいろの角度から先見性を持って、水の確保ということは重大なことである。どうですかな。ぞうお思いになるでしょう。水確保は重大である。しかしながら、
長良川河口
ぜきについてはいろいろの
矛盾点
があるじゃないか。先ほどグラフをお配りした。こういう
矛盾点
を承知しながらやるということは好ましくないということを申し上げておる。 特に私は、政策の転換ということは重要である。過日も
委員
会で申し上げましたが、占領当時マッカーサー司令官が昭和天皇の御徳、御稜威、そして御みずから私こそと言われた、それに感激して大転換をしたのが今日の日本の繁栄を来しておる。もしあのときにマッカーサーが占領政策をそのまま
実施
したならどうなっておるか。今日の日本はないじゃないか。こういうことを考えますときに、
長良川河口
ぜきは、
中村建設大臣
が大英断をもって一時中止してでも再検討する必要があろうと思う。 ということは、
水利用
一つについても今日まで明確な結論が出ていない。せかないんだよ。せかなければ一応
工事
を中止して再検討して、その政策の転換をやって
国民
の負託にこたえてこそ国会であり、各行政庁であろうと私は思う。
国民
の血税を、ただ
予算
が通ったから唯々諾々として使う、それは害があって益がない。そんなものに
国民
の血税を使っていくならば、国会としてこれを許してはならない。それが
決算委員会
である。
国民
の血税をいかに使ったかということを
審査
しながら、これはよくない、よくなければやめなければいけない、
大蔵省
も
予算
をつけてはいけない。それを、長年の風習の中で唯々諾々としてやっていくならば、マンネリの中で政治というものは疎んじられ、「年を経し糸のみだれのくるしさに」となってしまう、音読みで言って悪いけれども金竹小と言われるような形の中で、国会の汚職問題が出てきて不信を生んでおるじゃないか。 これを思うときに、私は、この際両
大臣
が謙虚にそして真摯に、先見性を持ってこの点について再検討していただきたい、このことを申し上げておきたい。御決意を聞かせていただきます。
中村喜四郎
20
○
中村国務大臣
お答えをいたします。
北川先生
とは、五十一年に一緒に当選させていただきまして、日ごろから
先生
の御
意見
に対しては非常に敬服しておりますが、この問題につきましては若干、
先生
と私の考え方に依然距離があるということが否定できないわけでございます。 と申しますのは、客観的な条件として、我が国のゼロメートル地帯の中で濃尾平野は、
先生
御承知のとおり三五%を占めているわけでございます。こういった水に弱い
地域
であり、そしてそのはんらん
地域
に住む方が人口で約六十七万人、資産にして三兆八千億円の資産があるわけでありますので、こうした
治水事業
を進めながらこの
地域
の人たちの生命と財産を守らなければならないということも非常に大きな課題であると私たちは考えておりますし、また、御
指摘
をいただきましたように、大体一千五百億円、先ほど二千億というお話がございましたが、一千五百億ぐらいの
予算
てほぼ完成に近づいてきている、このように思っておりますので、
先生
の御
意見
は一つの
意見
として参考にさせていただきますが、この
計画
を基本的に進めさせていただきたい、このように考えております。
井上孝
21
○
井上国務大臣
北川先生
の御
意見
、私ども謙虚に受けとめさせていただきます。しかし、先ほども申し上げましたけれども、やはりこの
地域
の発展のためには将来を見越して、
先生
のおっしゃいます先見性を発揮して、こういった
施設
が必要であると確信を持ってやっておりますし、また、それは私どもが軽々に決めたわけではございません。
木曽川
の
フルプラン
につきましても、水資源
審議
会において長い間、先ほども申しましたが二年もかかって、
予定
よりも二年も余計かかって
審議
を尽くして決めたものでございます。私どもは、この
フルプラン
に沿って水資源開発の仕事をやっていくという決意でございます。
北川石松
22
○
北川
(石)
委員
先ほど
局長
が答弁されようとしましたが、
大蔵省
、どうですか。こんなものでも引き続いて
予算
計上をしていく考えはありますか。
大蔵省
、ちょっと答弁してください。
田村義雄
23
○田村
説明
員 ただいま両
大臣
から御答弁ございましたように、私ども
大蔵省
といたしましても、
平成
五
年度
の
予算
編成に当たりましては、自然
環境
の保全に万全を期しながら、
治水
、利水上の緊急性にかんがみて、地元とも十分連携をとりつつ
事業
を進めるという従来からの基本方針に従いまして、
環境
保全には万全の対応を図りつつ
工事
を
実施
すべく適切な
予算
措置ということでこの額を認めたものでございまして、今後とも十分関係省庁と連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。
北川石松
24
○
北川
(石)
委員
大蔵省
がそういうあいまいなことでは、国の財布を任すことに非常に悲しみを覚えると言わざるを得ない。これは
大臣
が見えておられないのでまたの機会にそれは質問するとして。 過日、三月三十一日に、伊藤さんから
大臣
と、差し押さえの裁判が出ておりますね。これは御承知ですか。伊藤昌幸さんから申し入れ書が
建設
大臣
、そして裁判としてこれを、差し押さえのなにを出しておる。これはどういうことですか。——では、先に進みます。そのことを調べておいてください。 ちょっとこれは先ほど来のなにがありますので申し上げておきたいが、前の近畿地方
建設
局長
は定道さんでしたか、そして、昨年といいますか
平成
四年六月五日に東京第12チャンネルから、秦野章元参議院議員、この方と山崎
建設
大臣
が、ここにおられないが、テレビ番組で名を出して、元
環境庁長官
北川石松
という名を出しながらの放映をしたことを、
建設省
は認めますか。
中村喜四郎
25
○
中村国務大臣
実は、この質問が出まして私初めてそういうような事実があることを知ったという
状況
で、大変申しわけなく思っておりますが、報告によれば、山崎前
大臣
と
長良川河口
ぜきの必要性、緊急性について秦野章氏と対談をされたと聞いております。
北川
委員
が
環境庁長官
在任中の
平成
二年十二月十八日に河口ぜき問題に関する
環境庁長官
の見解を出され、翌日
建設
大臣
と会談をされたことは承知しております。それに基づいて三
年度
に
環境
の追加調査が
実施
されたと報告を受けております。
北川石松
26
○
北川
(石)
委員
私は、みずからの悪口を言われ て、私みずからが頭から小便かけられてもいつかは肥やしになる、関東軍でも半殺しにされるほど殴られてきた男だから、少々のことは笑って過ごしてまいりました。また今もその気持ちでありますが、名前を出して差別とかいろいろ言われているときに、いやしくも、省がですよ、代議士の名前を出して、あの答弁。
大臣
はまだあのテレビを見ておられないんだよ。あのテレビを見られたらどのように感じられるか。ここらを一遍
説明
してください、
建設省
の
局長
。このことについて、山崎
大臣
みずからがこれを仕組んだのか、
建設省
が故意によってこのような放映をし、一代議士を公のテレビの前でこれを——これこそよくないと思うが、どうですか。
岩井國臣
27
○岩井政府
委員
ただいまの御質問にお答えいたす前に、先ほど仮処分申請の話が出ましたので、その点についてちょっと答えさせていただきたいと思います。 去る三月三十日に津地方裁判所四日市支部に対しまして、南松ケ島漁業組合の組合員等が水資源開発公団を相手取りまして、
長良川河口
ぜきを
建設
し、せきゲートを閉鎖してはならないというようなことを求めまして仮処分申請を行っておられます。 申請の理由は、債権者などの漁業に関する権利について正当な補償が行われないまま河口ぜきが
建設
中であって、このままでは河口ぜきの
建設
と完成によって債権者らの漁業に関する権利が侵害される、そういう理由からでございます。 若干補足させていただきますと、河口ぜきの着工に当たりましては、昭和六十三年二月までに関係する二十二のすべての漁業協同組合から着工同意をいただいておりまして、現在までに二十一組合と補償契約につきましても妥結済みでございます。問題の南松ケ島漁業協同組合につきましても、昭和六十二年一月に着工同意をいただいておりまして、漁業交渉をずっと行ってきておるわけでございますけれども、組合内部でちょっと紛争があるようでございまして、組合側から交渉の一時中断の申し入れがございました。現在補償交渉そのものにつきましては中断しておるということでございます。 今後、訴状の内容を検討の上、
長良川河口
ぜき
建設
の重要性を踏まえながら適切に対処してまいりたい、このように考えております。 さて、先ほどのテレビ放映の件でございますが、一般的に申し上げまして、私ども行政府が施策の内容について国
会議
員の
先生
方にいろいろ御
説明
をする、御
意見
を賜るというようなことはあるわけですが、かりそめにも圧力をかけるというふうなことはあろうはずもございません。したがいまして、放映の件につきましても、私ども
建設省
としては一切関知していないところでございます。
北川石松
28
○
北川
(石)
委員
言葉はどうでも使えるけれども、関知していないと言うなら、いやしくも現職の
大臣
が12チャンネルで放映しておるんだ、日本全国。こんなもの、
建設省
は関知していないと言ったらおかしいじゃないか。そういう物の言い方を
決算委員会
で答弁することは、それは官僚意識であるならば民主主義とは言えない。時間がないので非常に残念だが、それは後日、再総括において総理を初め全員に、
大蔵省
にも質問したいということを申し上げておきたい。 なお、裁判されておることについては、漁業補償その他について非常に
矛盾点
があるのです。これはきょう
委員長
も皆さんも初めて聞かれる方があると思うが、その補償費トータル、あるいは輪中の
改良
事業
だ、いや一つは県補償だ、どこだ、皆組合全体に反対の機運の高いときに、水資源公団が出した金は何ぼだということを私が
平成
三年の十月三日の
決算委員会
で大塚
建設
大臣
に聞いたって、プライベートだといって言わない。
決算委員会
というものは、
国民
の血税をいかに使ったかというところを
審議
するこの会において当所管の
大臣
が答えられない。 どうですか、事務局。微細にわたって答弁できますか。じゃ、どこに何ぼ、どこに何ぼ、そのトータルは何百億ということを答弁してみなさい。
岩井國臣
29
○岩井政府
委員
水資源開発公団におきましては、昭和三十七年に
閣議決定
されております公共用地の
取得
に伴う
損失
補償基準要綱というものに基づきまして、関係漁業協同組合とも十分話し合いを行いながら適正な補償を行っているところでございます。 しかしながら、
先生
御
指摘
の補償金額の問題あるいは算定根拠を明らかにするということにつきましては、一つは、その内容が被補償者の財産及び営業内容等のプライバシーにかかわるものを含んでおるというようなこと、それから二点目には、まだ未解決の組合が残っておりまして、任意交渉を前提に行っている補償交渉に支障を来すおそれがある、また他の同様の公共
工事
への波及も懸念される、以上、主として二点のことから従前より公表を差し控えることとしておるので、御理解を賜りたいというふうに思います。
北川石松
30
○
北川
(石)
委員
通り一遍の、
決算委員会
だけを何とか時間を過ごして終わった、それだけで済まされるものじゃないということを申し上げたい。 持ち時間がないということでここにそちらから持ってこられたので、きょうは時間を守らなくちゃいけない。この苦しさの中において重ねて申し上げておく。あいまいもこたるもの、しかも
矛盾点
の多いもの、しかも
国民
の血税をいかに使うかということ、東北新幹線百三十億は大変有意義に使われる、こういういろいろの点を
指摘
しながら、総括において再度ただすということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 重ねて申し上げておく。両
大臣
に、この
工事
を一応中止して再検討していただくのが、日本国全体、
国民
に対し、また世界的にもこれは問題にされておる、このことをあえて
指摘
をし、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
貝沼次郎
31
○
貝沼委員長
次に、小森
龍邦
君。
小森龍邦
32
○小森
委員
まず
建設
大臣
にお尋ねをしたいと思いますが、今日、政治の面において大変大きな問題となっております
建設
業者の政治家に対する献金、こういうことに絡みまして、
建設
業者が多額の金を政治家に献金という形てつぎ込むということの一つの大きな条件といたしまして、指名競争入札、それに対する政治家の介入、指名競争入札でありますから、当然その指名に入る業者の数が限定されておるし、言うなれば、顔見知りの者ばかりということで談合がやりやすい、こういう
状況
があると思いますが、指名競争入札ということについてこの際、今日の政情にかんがみて
建設
大臣
はどういう考えを持っておられるのか、お知らせ願いたいと思います。
中村喜四郎
33
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 公共
工事
につきましては、物品の購入と異なりまして現地の組み立て作業とかあるいは単品受注等の特殊性から、施工能力の劣る業者の方が仕事をとるということが誠実な業者を排除するという、また疎漏
工事
の防止を図る、そういった点で現在まで指名競争入札をとっているところでございます。 このことにつきましては、イギリスにおいても以前指名競争入札から一般競争入札に変えたこともございましたが、その後、先ほども申し上げましたような問題が起こりまして、一九六四年にバンウェル
委員
会報告によって指名競争入札を採用したという経緯もございます。 こうしたことで、御
指摘
をいただきましたような現在の指名競争入札の問題点を
平成
四年十一月に中建審において、一層透明性と競争性を高めていかなきゃならないという課題も一方にあるわけでございますので、このことにつきまして答申があり、昨日、
建設省
の方から、五
年度
から大規模で技術的な高度な
工事
七十一件につきまして技術情報募集型指名競争入札方式及び施工方法等提案型指名競争入札を導入するということを発表したわけでございます。このことによりまして、
建設
業者みずからの意欲に応じて幅広い入札参加がで きるということ等、一般入札方式の長所を最大限に生かすことになる、このようなことで良質な施工を確保することもできるということで、従来よりも、仕事を公開することによってその中で技術に応じた参加できるようなチャンスが生まれてくるということは大きく確保できた、このように考えております。 その上に、現在
建設省
の内部におきまして、全
局長
をメンバーにいたしました入札手続改善検討
委員
会というものをつくりまして、大体一カ月ぐらいの間に結論をまとめようということで今作業を進めておるわけでございます。そうすることによって、さらにこの手続の段階での透明性というものも確保することによって公共
事業
のなお一層適正かつ厳正な
執行
に努めていきたい、このように考えております。
小森龍邦
34
○小森
委員
建設
大臣
は、現在の段階で
建設
業関係者、つまり指名競争入札に参加する業者の間において競争の原理が生かされておるという認識を持っておられますか、それともまたその逆ですか、どちらですか。
中村喜四郎
35
○
中村国務大臣
私は、現在法律にのっとって適正にそうしたシステムが運用している、このように考えております。
小森龍邦
36
○小森
委員
大臣
が言われるように本当にそれが適正に行われておるというのであれば、例えば入札をする業者間における入札価格というものに相当程度開きがなければ本当に競争しておるということにはならぬと思いますが、そういう点については、例えば一つの
工事
について
建設
大臣
はそれを見ようと思えば見れる立場にありますが、そういう数字的なことから見て本当に適正な競争ができておるというふうに思われていますか。
望月薫雄
37
○望月(薫)政府
委員
お答えさせていただきます。 個別具体の入札のあり方、結果については私どもその都度公表させていただいております。そういったことでオープンになっておるわけでございますが、今
先生
の御質問にまとめてどうかと言われますが、大体大宗的には
予定
価格に対して九十数%から一〇〇%に近い間でもって札が入れられ、落札をしているという
状況
でございます。それに至るまでの間には一回あるいは二回でというふうな入札の回数を数を踏むことが間々ございますが、いずれにしましても、私どもは、
予定
価格の設定並びに入札の手続については厳正にやらせていただいている、こう確信いたしております。
小森龍邦
38
○小森
委員
今、九十数%から一〇〇%の間に入札の札がある、こういうことでありますが、世間一般のその他の業界において、本当に入札で落札を期待しようと思ったらそういう幅の狭いところへ入札の札が集中すると思いますか。
望月薫雄
39
○望月(薫)政府
委員
率直に申し上げまして、一遍で
予定
価格をクリアして落札者が決まるというケースもありますが、今申しましたように、間々二回、三回ということもございます。そうすると、御案内のとおり、業者の方はより高いところからより低い方へ、こういうことになってまいりますので、その幅が何%だから適正な競争があっなかなかったかとかという判断は、一概には申し上げにくい。 いずれにしましても、先ほど申しましたように、入札のプロセスというものは全部私ども公開させていただいておりますということで、先ほどの透明性については、そういう答弁をさせていただいた次第でございます。
小森龍邦
40
○小森
委員
これはひとつ
大臣
からお答えいただきたいと思います。 確かに、最初は
予定
価格よりも高いところで入札するでしょう。これは業者の間ではそういうやり方をどういう言葉で表現しておるかというと、つまり、ちょっとさわってみる、どの程度のものか味を聞いてみるという意味で、ボーリングという言葉が使われておる。わかりますか、
大臣
。ちょっとボーリングをしてみて、当たるか当たらぬかやってみるということです。そして結局、手探りをしながらいって、ここらだ、こういうのもありましょうし、あらかじめ
予定
価格というものを何らかの形で察知して、そして一遍に落としたのでは談合が明確になる、こういうことで何回か芝居をするために、そういうふうな入札の仕方をする者もいるのです。 あなたはそういう事情を知っていますか。
大臣
、ちょっと答えてみてください。
中村喜四郎
41
○
中村国務大臣
お答えをいたします。
先生
から御
指摘
をいただいたボーリングという言葉も、私、正直言って初めて聞く話でございまして、今のようなお話も今まで一度もまだ聞いたことのない話で、大変申しわけなく思っております。
小森龍邦
42
○小森
委員
ボーリングという言葉は二通りの使い方がありまして、官公庁に対してそれとなくいろいろな話を持ちかけて、おおよそ底値がどのくらいかということを知る方法もボーリングという言い方をしておるのですよ。それから、徐々に入札価格を下げていって、そして大体のところの探りを入れるというやり方もボーリングというのです。 そんなことを、今官房長がいかにも公正にやられておるのだと言われるけれども、事情を知っておる者が聞いたらばからしくてかなわぬです。今、公正な競争が行われていない日本の業種の中では、その最たるものは
建設
業ですよ。つまり、公正な競争が行われない制度的な問題点というのは、いわゆる指名競争入札ですよ。 先ほどちょっと私はよく聞き取れなかったけれども、その指名競争入札について今どういうことを考えておられると先ほど答弁されたのですか。何かちょっと手直しをするようなことを言われておりました。もう少し明確に言ってみてください。
中村喜四郎
43
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 今回から大規模かつ技術的に高度な
工事
七十一件について、技術情報募集型指名競争入札方式及び施工方法等提案型指名競争入札方式を導入する、このようなことをお話しを申し上げました。このことによりまして、業者の方が、七十一件、十億以上の仕事が昨日公表されましたので、その中で、自分の会社の技術力に応じて応募をし、そして厳正な
審査
が行われ、その結果、決まった業者または外れた業者に対してはどういう理由で外れたかということも明確に
説明
をしながら、こうした入札制度の透明性、競争性を確保していきたいということが一つでございます。 そのほかに、入札手続改善検討
委員
会というのを現在省内につくりまして、入札手続の透明性というものをさらに増していくために、一カ月以内に結論をまとめるように、今これを取り組んでおるということを先ほど答弁させていただきました。
小森龍邦
44
○小森
委員
指名競争入札というものも、あえて
説明
すれば、その会社の技術力とか、その会社のいわゆる
工事
完成高とか、これは国もそうだし地方公共団体もそうでありますが、ランクを決めて、そして
説明
からいえば公平にやっておるという
説明
が返ってくるのですよ。しかし実際には、今回の金丸の事件でもわかるように、政治家が電話を入れて、だれも落とさぬようにしてくれとか、だれをひとつどうしてくれとかいうことの介入があって、しかも表向きはランクによって公正にやっております、こういう
説明
が成り立つのです。 だから、今
大臣
が答弁されたように、多少技術力だとか、いや提案型だとかと言っても、この提案がよかったとか悪かったとかということについて、やはり先ほどのような権力側の恣意が働くでしょう。私は、そういうことの方がむしろ恣意が働くと思いますよ。君のところの
設計
はここがうちの行政庁からすれば気に入らぬからだめなんだ、そういうふうな、つまり
建設省
の、指名をする側の権力の恣意、そういうものが働く可能性が一層大きくなるとは思いませんか。
望月薫雄
45
○望月(薫)政府
委員
ただいま
大臣
から御答弁申し上げさせていただいたことに尽きるわけでございますが、今度私どもが新しく導入する技術情報募集型指名競争入札制度というものについて、今
先生
の御懸念を賜ったところでございますので、少しく詳しく申し上げたいと思います。 私ども、具体的にはもう既に七十一
事業
を公表いたしました。言うなれば、今
年度
この七十一の
事業
については新しい方式でやりますよということを、情報として広く提供させていただいたわけでございます。 そういった上に立って具体的にどう進めるかということでございますけれども、まず発注者は、指名行為をやる前に
工事
内容を掲示してオープンにいたします。二つ目に対象ランク、これは十億円以上の
工事
ですからランクはおのずから高い方になりますけれども、すべての登録業者がこれに対して対応できるようにということが基本でございまして、みずからの意思でもって、過去の
実績
、あるいは配置
予定
の技術者、その
工事
の現場にどれだけの
予定
技術者をつけるか、あるいは施工方法、こういったもの等々を示す技術資料を提出していただくということで、いわば参加希望を表明していただくということが次のプロセスでございます。 それに対しまして、今度は私ども発注者側でございますが、技術
審査
会というのを、端的に言うと各地方
建設
局単位、発注機関単位につくらせていただきまして、これは複数の合議制のものでございますので、ここで厳正に
審査
を行うという手続をとらせていただく。しかも次に、不合格の者が出てまいりますので、これは不誠実な行為がない限りは指名する、逆に言えば不誠実な行為をした者は不合格にせざるを得ない、こういうことです。しかも、その不合格者に対しましては、非指名の理由を求めに応じて
説明
する、こういったかなり丁寧な手続を踏ませていただくことで手続を具体化しようとしているわけでございます。 そういった意味で、
先生
の今の御懸念、いわば行政の側、発注者側の恣意が働くのではないかということでございますが、私どもとしては、こういった合議制等々の機関も設けながらオープンなシステムでやるというところには毅然たる厳正な対応をしていきたい、こういうことで御懸念の点については排除できるもの、こう考えておるところでございます。
小森龍邦
46
○小森
委員
そういう事前にみんなに物をわかるようにする、そうなると余計に今度はだれとだれが入れるということが業者にはすぐわかるでしょう。そうすると、すぐに横の連絡がとれてまたやるじゃないですか。談合をまたやるじゃないですか。もっと厳密な意味で談合をやろうとしてもできないような制度は考えられないのですか。
望月薫雄
47
○望月(薫)政府
委員
先ほど来申し上げております新しい方式というのは、本当の意味でやる気があり技術を十分駆使できるという企業は、積極的意思があるものは全部指名させていただくということでございますので、今
先生
がおっしゃった談合問題と絡められますと、私どもちょっと次元が違う話になってしまって恐縮でございますけれども、少なくとも
直轄
の現場においてこういうことを徹底してやってみたいということが今回の本意でございますので、その辺ひとつ冷静に見守っていただければ、このように思う次第でございます。
小森龍邦
48
○小森
委員
今日の
状況
では、あの
工事
は何々
建設
がとるとか何々組がとるとかということは、もう三カ月も五カ月も前から田舎では、地方ではばあっと通っておるのです。そして、あの人がとるからといって、まだ落札せぬうちから下請の話が次々進んでいくのですよ。下請、孫請、ひ孫請ぐらいまで進んでいくのですよ。そういう現状を知っておる者から言うたら、あなた方が言われるようなことは信用できないよ。 本当に談合というものをなくさない限り、公正な競争という民主社会の秩序が実現できないし、そこからつまり政治家との変な問題が生まれてくるわけでしょう。本当にぎりぎりの競争をしようと思うたら、やみ献金なんかできないですよ。生き残れるかどうかというようなぎりぎりの商売をしておって、やみ献金なんかできないですよ。つまり、先ほど言ったように、落札価格と、底値というか敷札というか、いわゆる落札
予定
価格ですね、それとの間に非常に接近したものがある、また接近したような形で落札できるというところに、少々金を出したってそれは保険金を掛けたようなものだ、こういうことになるわけでしょう。 そういうこれまでの問題点を考えた上で再度、
建設
大臣
、あなたは今日の現状をどの程度深刻に受けとめられておるのか、ひとつ
説明
してください。
中村喜四郎
49
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 私も、今日の現状は非常に深刻な状態だ、このように考えておりますので、
国民
の公共
事業
に対する信頼を回復しなければならないという非常に大きな危機感を私自身も持っておりますし、また
建設省
も、この機会に一層緊張し、そうした
国民
の不信を招くことのないようにさらに体制を強化しなければならない、このような基本的な考え方は
先生
と全く同感でございます。 私が今答弁させていただきました中で、
平成
二
年度
の
建設
投資が全体で八十二兆円ございます。その中で、政府関係投資が全体の三二・六%、二十六兆九千億円でありますが、ちょっと細かい話で恐縮でありますけれども、公共
事業
関係費が十五兆一千億円であります。そしてその中で、
直轄
関係が二兆八千億円ありますが、
建設省
分が一兆四千億円でございます。そうなってまいりますと、地方単独、
補助事業
その地合わせて十九兆円のうち、
建設省
関係のシェアというものは全体で一兆五千億円でありますから、五・六%ではありますが、このことが今回
実施
されることによって、関係省庁も
建設省
の新しい考え方というものを当然採用し横並びにしていくことができるならば、かなりそういった面での透明性、競争性は確保できる。 このように考えておりますので、その上は、自治省を中心とした都道府県知事、
市町村
、こういったところまで、いかにして透明性、競争性を確保できるかということについて御理解と御協力をいただくことは、
先生
御
指摘
をいただいたような問題の解決の具体的な方法であろう、このように考えております。
小森龍邦
50
○小森
委員
官房長の答弁に関係して、官房長、再度あなたにお尋ねしてみますけれども、あなたは私の質問に対して、今日の段階において入札というものは公正に適正に行われておるという意味のことを先ほど答弁されたでしょう。それが官僚的答弁というものですよ。今
大臣
は、非常に深刻な憂慮すべき状態だと言ったでしょう。どういうことなんですか、あなたと
大臣
の答弁の違いは。
望月薫雄
51
○望月(薫)政府
委員
公共
事業
のいわゆる入札一般について申し上げたとすれば、私の答弁、いささか舌足らずということでお許しいただきますが、私申し上げましたのは、
建設省
が行っております
直轄
工事
については私ども職員一丸となって本当に襟を正す、あるいは緊張して入札事務に当たっているということから、私は先ほどそういう御答弁を申し上げた次第でございます。
小森龍邦
52
○小森
委員
建設省
の職員が堕落しておるというようなところまで私は言っているんじゃないですよ。それは中には、わからぬですよ。例えば、わからぬように大体の見当がつくように
予定
価格を漏らしておる者がおるかもわからない。それはそういうことがずっと行われれば、やがてはれて刑事事件にまで発展すると思うけれども、今の段階で私はそんなことを言っているんじゃないのですよ。 問題は、指名競争入札という今日の制度において、業者が横の連絡をとって、やれ研究会だとか、いや何とかの会合だとかいうことをやって、今度はおまえがとる番だ、その次はわしたというようなことが、既に順番が決まっておるというようなことが問題なんですよ。そこを言っておるわけで、それはあなたの先ほどの、今言いかえた答弁ならそれはそれで筋が通りますけれども、余り官僚的な答弁はやめなさいよ、これほど
国民
が今心配しておるのですから。本当にこれは深刻な問題として受けとめてもらわなければならぬ。 それから、今度の入札制度はこういうふうにす るんだということについても、私は大きな懸念を持っています。何となれば、日本の権力の構造というもの全体が極めて恣意的ですから。だからランクを求めたときも、恣意的な指名競争入札をやってはいかぬからランクという制度ができたのですよ。しかし、そのランクという制度ができても依然として同じじゃないですか。ランク内で何をやるかわからないじゃないですか。ということだから、これはひとつ本当に、言葉だけでなく腹の底から深刻な問題として受けとめてもらわなければいかぬ、かように思います。 今日の問題がいかに深刻であるかということを明らかにしたいと思いますから、現在の段階で入札
予定
価格と実際の落札価格というものがどういう
状況
になっておるかということを、余り細かいことまで言われないと思うけれども、限られた時間ですから、ちょっと可能なところを言ってみてください、どのくらい接近しておるか。今、九十数%から一〇〇%の間ということを言いましたが、ちょっと簡単に
説明
してみてください。
望月薫雄
53
○望月(薫)政府
委員
先ほどちょっと御答弁させていただきましたけれども、
予定
価格自体が秘密であるということからしまして詳しいことは御勘弁いただきたいと思います。 そうは言いながらも、
予定
価格に対します落札価格の割合というものは、正直言いましてこれは個別事案ごとにさまざまでございます。そこで私ども、
先生
の御質問を賜るということも含めまして、最近の事例についてある地建の例を調べてみましたところ、平均的には九九%近いものになっております。ただ率直に申して、事案ごとには九六%から一〇〇%にかなり近いものがある、こういうことでございまして、そのことを先ほど私、九十数%から一〇〇%近くというふうに御答弁申し上げた次第でございます。
小森龍邦
54
○小森
委員
積算の基礎というか積算の能力というか、それは今日、官僚が一つの
工事
に対する
設計
書をつくって、そしてそれに単価を入れて積算をするということと、大企業、
建設
会社がそういうことを積算するということはそんなに能力的に違わないから、だから九九%だってその面からだけ見たら決して不思議じゃないのですよ。 問題は、競争の原理から見て九九%ということはあり得ないのですよ。これは談合しておる証拠なんですよ。そこをまじめに官僚側が受けとめて問題の解決をしなかったら、幾ら先ほど提案されたようなことをやったって、結局は競争の原理が働かずに、一割とか二割とか余計な税金の食いつぶしになるじゃないですか。そして、それが税金の食いつぶしならいいけれども、それだけにとどまったらまだいいけれども、やがては政界の腐敗と堕落じゃないですか。これはきょうあなたがそういうふうに九九%という言葉も出されたので、私はますます談合をしておるという確信を持ちますよ。この点は、政府部内において本当の意味でここを追及するという気持ちがなかったら、幾ら制度を変えたって同じですよ。 だんだん時間が迫るから次の問題に移りますが、今日段階においてJVというものが、もとを言ったら、これは大企業と中小企業の仕事の分野、中小企業がなかなか大きい仕事に参入できないということで大企業と組んで、そして中小企業の仕事の分野も確保しようではないか、そして、次第に会社の内容も充実できるような
工事
の経験もしようではないか、私はそういう意味だったと思うが、最近はどうですか。それは田舎の地方自治体の
工事
については、あるいは名目的にJVを組んでおるところもありますよ。しかし、これは事実上のJVじゃない。下請関係です。今どうですか、このJVについてはどういう評価をしておられるわけでありますか。大企業と大企業同士が組んで、言うならば一つのものを二つに分けて食べる、談合をするためには、一つのものを一つとしておったのでは談合の順番が来ないから、それを二つに分けて、あるいは三つに分けて談合の調整弁みたいになっていませんか。そこをちょっと答えてみてください。
伴襄
55
○伴政府
委員
お答え申し上げます。 ジョイントベンチャー、共同企業体でございますが、これは
先生
御
指摘
のとおりでございますけれども、当初は、
建設工事
における技術の拡充強化とか、経験の増大とか、
工事
施工の確実性の確保というようなことから大と大でまず組み合わせが始まって、お互いの技術交換みたいなことが始まったわけで、それは二十五年ごろから導入されまして、以来
活用
が図られてきておりますが、その途中経過におきまして、御
指摘
のように、単に受注機会を確保するための共同企業体といったようなものがある程度行き過ぎみたいな形で事例が散見されるようになったわけでございます。 そこで、昭和四十一年ごろからはこのようなジョイントベンチャー、要するに受注機会を確保するためだけのジョイントベンチャー、そういったものは行うべきではないというふうに
指導
してきたところでございます。 こういったことを受けまして、昭和六十二年八月にジョイントベンチャー、「共同企業体の在り方」という中央
建設
業
審議
会の答申をいただきました。その中では、公共
工事
はなるべく発注は単体発注を原則としてほしい、基本としてほしい、どうしても共同企業体を
活用
する場合には二つの場合に限定してほしいということに答申ではなっておりまして、一つは、特定
建設工事
共同企業体という大規模の
工事
の組み合わせでございまして、大規模かつ技術的難度の高い
工事
の施工につきまして、技術力等を結集することによって
工事
の安定的施工を確保する、そういう結成の仕方というのを一つ出しております。それからもう一つは、中小
建設
業者が継続的に協業関係を結ぶジョイントベンチャー、そういうことによりまして経営力、施工力を強化するという目的で、これを経常
建設
共同企業体といっておりますが、この二方式にしてほしいというふうに言っております。 特に大手が組み合わせいたします特定
建設工事
共同企業体につきましては、大規模な
工事
でなくてはいかぬということで、価格が少なくとも二ないし三億円程度を下回らない、要するに二、三億円以上のものにするとか、技術的難度の高い
工事
にするとか、構成員の数は原則として二ないし三社とする、こういうような一定の基準を設けたところでございます。 したがって、単に受注機会を確保するためのジョイントベンチャーは考え方としては認められてないわけでございますが、このようなことにつきましては、
建設省
としては、
直轄
工事
では極力励行するようにしておりますが、これも
先生
御
指摘
のとおりでございますけれども、この答申の基本的な考え方が必ずしもまだ浸透してないというところが問題でございまして、これにつきまして、極力
指導
、徹底周知していくという努力をしているところでございます。
小森龍邦
56
○小森
委員
ジョイントベンチャー、大企業同士が組んでおるというのがよく看板などで、自動車で道路を走っておってもよく目につくのですが、田舎においては、時たま大きな
工事
が出る、そうすると、地場の中小企業がその
工事
に参入したい、大きな業者に頼んで名目上のジョイントベンチャーを組ませてもらって、実際は下請なんですね。それでどうかというと、最後の収支
決算
を見たらこんなばからしいことはない、しかし信用度を高めて名前をとりたい、こういうことで田舎の中小企業はだんだん経理的にもうまくいかなくなって、そして犠牲になっているのですよ。だから、いろいろと体裁よく言うことはできると思いますが、これも現在の段階では
建設
業の談合を
促進
するいわば調整弁、こういうことになっておるということを
指摘
しておきます。 もう余り時間がありませんから、ちょっと国税庁の方にお尋ねしたいと思います。 最近、今回の金丸事件を契機に、使途不明金ということが盛んに言われるようになりました。これは、国税庁とすればどの程度の使途不明金というものがあったのか、特に
建設
業にかかわってどの程度あったのかということを知らせていただきたいと思います。
藤井保憲
57
○藤井
説明
員 お答え申し上げます。 使途不明金につきましては、私ども、原則として資本金一億円以上のいわゆる大法人につきまして実際に調査を行ったものについて計数を把握してございます。 これについて最近三年間の
状況
を申し上げますと、
平成
元事務
年度
におきましては、全体の一六・四%に当たります四千八百六十件の調査を行いまして、そのうち五百九十八法人から使途不明が把握されておりまして、その使途不明金の総額は五百六十二億円、うち
建設
業は七三%に当たります四百八億円。 以下、
平成
二事務
年度
におきましては、四千九百八十三件の実地調査を行いましたもののうち、把握されました法人が五百八十五件、使途不明金の総額は四百七十六億円、うち
建設
業は六四%に当たります三百五億円。
平成
三事務
年度
におきましては、四千七百二十二件の実地調査を行いまして、使途不明金を把握しました法人数は五百五十四件、使途不明金の総額は五百五十八億円、うち
建設
業は六八%に当たります三百八十二億円。 以上でございます。
小森龍邦
58
○小森
委員
そういった使途不明金が税法上の扱いとして現実に動いておるから、したがって金丸とか生原とか、わかったところだけでも何十億という金が数年間のうちに、表面に出ただけでも動いておるということがわかるわけでしょう。だから、使途不明金がこういう形で出てきてよそへ流される、この余裕は何から来るかといったら、九九%から来るのですよ。
予定
価格に対する落札価格九九%というまことに有利な、競争の原理とは全く異なったことが
建設
業界を横行しておるから出るのですよ。そこを考えてください。 そこで、私はこの際、国税庁に尋ねておきたいと思いますのは、使途不明金という税法上の扱いは、何か税金を納める納税者に対して、そういう使途不明金という取り扱いをすることによって、厳密にその使途不明金を追及するよりは使途不明金という形でぱっと処理する方が、社会の秩序の安定のために、税制上何かプラスになることがあってやっておられるのか、それとも極めて消極的に、やりようがないからこういう
処置
をしておるんだと言われるのか、それはどういうことになりますか。
藤井保憲
59
○藤井
説明
員 お答え申し上げます。 私ども国税当局といたしましては、真実の所得者に課税するという税務行政に課せられた役割から見ましても、使途不明金は課税上大変問題があるというふうに認識いたしております。したがいまして、その解明に特段の努力を払っているところでございます。 ただ、解明のために最大限の努力をいたしましても、なお法人がその使途を明らかにしない場合があることも事実でございまして、そうした場合には、やむを得ない措置といたしまして、法人がその使途を明らかにすれば損金となるべきものでありましても損金算入を認めず、法人に対して法人税を課している、こういう扱いをさせていただいておるところでございます。
小森龍邦
60
○小森
委員
いや、それで納税者のどういう正当な権利を守っているということになるのですか。例えば一例を言うと、そこから先追及したらプライバシーの侵害になるとか、ほかに考えられる何らかの民主社会における納税者の権利を守るという意味で使途不明金という制度があるのか、そういう取り扱いがあるのか、あるいはやむを得ないからそういう消極的に
処置
をしておるのか、一体これはどちらなんですか。
藤井保憲
61
○藤井
説明
員 やむを得ない場合の措置というふうに考えております。 私ども税務調査を行うわけでございますが、この税務調査はいわゆる任意調査を基本としておりますことから、使途不明金の使途の解明は極めて難しいということも事実でございます。しかしながら、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、使途不明金は大変問題があるという認識のもとに、調査に当たりましては使途不明金の使途の解明に最大限の努力を払ってきておるところでございます。今回の国会でも種々御議論をいただいております。今後とも徹底した調査を行いまして、その使途の解明に全力を尽くしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
小森龍邦
62
○小森
委員
使途不明金の追及というようなものを全力を挙げてやるというお話でございますが、税金を払う方の側の、これは朝日新聞に出ておりましたけれども、経団連の房野専務とか、あるいは秩父セメントの諸井虔会長とか、これは言葉、言い回しはそれぞれ違いますけれども、こんなもの廃止した方がよい、使途不明金制度なんというものは廃止した方がいい、納税者の方が言っているのですよ。
国民
のために公平に税金を徴収しなければならない国税庁がそんなあいまいなことでいいのですか。そのあいまいさというものが今日の政界の腐敗と堕落を導いておるのですよ。再度答えてください。
藤井保憲
63
○藤井
説明
員 使途不明金の制度というものはございませんで、私ども、もちろん税法にもそういう定義はございませんで、法人税の基本通達で、「法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって
支出
した金銭でその費途が明らかでないもの」ということがございます。全力を尽くして使途の解明に努めてまいりたいと思います。
小森龍邦
64
○小森
委員
こういうやりとりの場合に、時間が迫ってきたときに、また同じようなことを繰り返したら、結局は繰り返して逃げた方が得というようなことになって、
決算委員会
の本当の任務を果たしてないということになるのです。したがって、私はそういう言い方では満足しない。これはいずれまた機会を得てやりたい、こう思っています。 そこで、最後に申し上げておきますが、
建設
大臣
、先ほどのようなことではまた同じことを繰り返しますよ。一面透明性が出たようだけれども、その透明性が確保できたように見える裏側に非常に権力の恣意がはびこる余地ができてくるのですから、単純でなくなるのですから、また問題が出てきますよ。それから、今の国税庁の場合も、ここのところを徹底的にメスを入れなければ、幾らでも献金しなさいという、その余裕を悪いことをしようとする業者にずっと与え続けるということになりますよ。これでは政界再編とか政治改革とか言ってみたところで、根源はここにあるんですから。以上、二点を
指摘
をさせていただいて、私の質問を終わります。
貝沼次郎
65
○
貝沼委員長
次に、時崎雄司君。
時崎雄司
66
○時崎
委員
建設
大臣
に冒頭、先ほどの同僚の小森
委員
の発言に対する答弁で確認をしておきたいことがございますので、申し上げたいと思います。 現在の
建設省
の
直轄
工事
については適正に行われている、こう言いながら、今日の現状については相当危機感を持っているということでございました。そうすると、危機感を持っているのは
建設省
の
直轄
工事
以外の
工事
について危機感を持っているということなのか、その持っている危機感とは具体的に何なのか、もう少し
説明
していただきたいと思います。
中村喜四郎
67
○
中村国務大臣
先ほど私舌足らずでもしかしたら少し誤解があったかと思いますが、私が申し上げたかったことは、今日
建設
業界が捜査の対象になり、そして、その他今日いろいろ
国民
的な関心事に
建設
業界の実態というものが置かれているということに対して非常に大きな危機感を持っている、このようなことで申し上げたわけでございます。
時崎雄司
68
○時崎
委員
そうしますと、
直轄
工事
の方にかかわる、今言われておりますような捜査を受けたというようなこと等を含めて業界全体にかかわる問題、そしてそれがひいては公共
工事
等々にかかわる問題として、その中には
建設省
の
直轄
工事
は入らないということなんですか。
建設省
の
直轄
工事
を受けた中にも直接、間接的にそういう今の業界の問題、これからるる申し上げますけれども、そういう問題もあるということなのか、ないということなのか。何か
建設省
だけがいい子になって、 業界の問題というのは公共
事業
にかかわる問題も多分に含まれているわけでしょう、それに関して、どうも政府
委員
の方からも、
建設省
の
直轄
工事
については何ら問題なく適正に行われている。どこが問題になっているんですか、そうすると。もう少し具体的に言ってください。 私は
大臣
に聞いているんですよ。
大臣
から政府
委員
に答弁させるなら結構ですが、私は
大臣
に質問しているんですから、
委員長
が
大臣
と言っている間は
大臣
が答弁しなさいよ。細かい点で政府
委員
でなければわからぬことは、どうぞあなたから、政府
委員
に答弁させますと言うだけでもいいですから、やりなさい。
中村喜四郎
69
○
中村国務大臣
先生
の御質問の趣旨が私に今ちょっと正確に理解できませんので、政府
委員
に答弁させていただきたいと思います。
望月薫雄
70
○望月(薫)政府
委員
お許しいただきまして答弁させていただきます。 先ほど私申し上げましたのは、その契約事務について
直轄
の私ども現場職員、厳正にやらしていただいているということを申し上げました。
大臣
のお言葉の中であるのは、要するに、広く
建設
業界の今日というものについての危機感を持っておる、その限りにおいては、
直轄
の仕事を行うのもやはり大手業者等も含まれているわけでございますので一体のものでございます。ただ私が申し上げたかったことは、
建設省
の発注
工事
については厳正に行わせていただいているという趣旨で御答弁申し上げた次第でございますので、御理解いただきたいと思います。
時崎雄司
71
○時崎
委員
それでは、具体的に今問題になっておりますことを若干申し上げたいんですが、原則としては一般競争入札というのはこれは建前でありますけれども、ほとんどが指名競争入札というやり方になっているのが現状だと思うんですね。これは
建設省
直轄
工事
も含めて考えてそういう理解をしてよろしいと思うんです。 その指名競争入札で今までいろんなことが
指摘
されてきました。先ほどの先輩の議員の質問にもございました。指名競争入札は、これは談合がしやすいという制度なんですね。いかんせん数も少ないですからね。これは、一般競争入札のようにだれでも一定の登録をしていれば入札に参加できるという制度じゃありませんから、談合がしやすい。先ほど来聞いていると、九六%から一〇〇%の間で落札をされている、こんなことも言いました。そしてボーリングという言葉もございました。一度目が落ちなくたって、仮に二十社入札に参加して、一度目が落ちなくて二回、三回、四回とやっていって一万円ずつでもだんだん下げていけば、初めからだれが落とすかというのは決まっているわけですから、そういうやり方でいけば一番
予定
価格に近いところで落札ができるわけでしょう。こんなこといつも業界ではやっているんじゃないですか。そういうことがまず一つあるということ。 それから、指名するときに何か基準などがあるんですか。 例えば、この
工事
をやろう、この
工事
をやるときにはこういう業者を指名するんだという指名の基準というのですか、一つの物差しになるようなものを一度も見たことがないですね。これは発注する側が、自由裁量でどの業者を選ぶか指名をしているんでしょう。それは一定の規模に対して、
実績
その他を加味して例えばランクづけはされているだろうと思いますが、そのランク内だったら特にその仕事について基準が我々に公表されている、
国民
に公表されているかといえばそうではないというふうに思うんですね。であるからこそ、政治家があの会社に指名をかけてやれやということになるんではないですか。そして、仮に指名がいただけない業者が、例えば
異議
を申し立てて、私をなぜ指名から外したんですかという救済措置のような機関もないわけでしょう。これでは、政治家と役所がくっついて幾らだって恣意的に業者を選定することができるだろうと思うんです。 それから、もっと現実的なものを申し上げたいんですが、業者の方にしたって、指名に入れば何回かに一回は順繰りに仕事が落ちる、もらえるだろう、こう思っているわけですから、役人の天下り先なんか見たら
建設
業界はぞっくりでしょう。これは違いますか。以前も国会で、北海道開発庁の仕事の関係でも同僚議員が
指摘
したことがあるのですけれども、
建設
業界の役人の天下りはすごいんじゃないですか。そうなれば当然、指名をすることによって役所では天下り先も見つけられるし、また政治家にも恩を売れるということになるわけですね。だから、この指名競争入札というのは私は根本的に談合がしやすいだろう、こう思っているんですよ。 そういう点で、後ほど抜本的に改革についてお尋ねしますが、私はどうもこの指名競争入札のほかに、最近、合理化その他で行政改革等で職員も大分減っておりますから、
設計
事務などは民間に委託してお願いするケースが多いんですね。当然それは積算基礎も含まれるでしょう。そういうところからもし積算の基礎が漏れるようなことがあった場合、公務員の場合は法律で決まっていて、秘密を漏らしてはならないという法律がありますけれども、民間の場合、委託されて
設計
を担当した、それが民間に漏れた場合どういう法的処分ができるんですか。
建設
大臣
にこれをお尋ねします。
中村喜四郎
72
○
中村国務大臣
お答えをいたします。
先生
の御質問はちょっと広範囲にわたっておりますので、先ほどの、まず最初に指名基準というものが明確にされていないという御
指摘
でございましたが、八項目にわたりまして公表させていただいております。ただその中身が、不誠実な行為の有無あるいは経営
状況
とか地理的条件、技術的適性、安全管理の
状況
、労働福祉の
状況
等、こうした抽象的な部分がございますので、今回入札手続改善検討
委員
会におきまして、その具体的な透明性、客観性というものを明示したい、このようなことで取り組んでおりますので、この結果につきましては近いうちに公表できるような
状況
になる、このように考えております。 また、天下りのお話と民間の話は若干専門的なことでございますので、政府
委員
から答弁させていただきたいと思います。
望月薫雄
73
○望月(薫)政府
委員
まず一点目、天下りのことについて御
指摘
でございます。 これはもう一般的なことで御理解賜りたいと存じますのは、まず、国家公務員をやった私どもの同僚たちが五十数歳にして退職をするということになったときに、その経歴の中で培われた知識、経験等々はやはり広く社会に有用に活躍する必要がある、また求められているものである、こういう認識でいわば民間企業への再就職ということがなされているわけでございます。ただその際に、当然のことでございますが、厳正な倫理観というものが必要であるわけでございまして、当然のように私ども手続的には人事院の御承認をいただいてそういった再就職をさせていただいているということでございます。
平成
二年一月一日から
平成
四年十二月三十一日の三年間の数字をちょっと申し上げさせていただきますと、これは人事院承認を得ている者は
建設省
関係で七十六名ございます。ただその中で、いわゆる
建設
業界に就職した者ということになりますと、二十二名という次第でございます。
建設
業以外にも幅広く活躍の道を選んでいただいている、こういう次第でございますので、御理解いただきたいと思います。 それから、今の
設計
のいわば外部委託のことでございますが、お話しのように、私ども、累次にわたる定員削減あるいは片方で
事業
量の増大、こういった中で単純なというか、
設計
事務等について外部に委託することをよく行わせていただいております。いわゆるコンサルヘの委託でございますが、この際大事なことは、私ども役所が
設計
の基本は行うということを守らせていただいておりますので、いわば
補助
的な
業務
について具体的なコンサルにお願いする、こういうことでございます。その際に秘密を守るということは当然大前提でございまして、これに違背するということに なった場合、違背したことをまた
活用
した場合等については、これはまさしく不適切な行為ということになるわけでございますので、私どもは当然のようにその後の指名等々について厳しく対処する、こういうことで厳正な対応をしているつもりでございます。 いずれにしましても、秘密の保持、厳守ということについては徹底しているつもりでございます。
時崎雄司
74
○時崎
委員
私の尋ねたこととちょっと今の官房長の話は違うんですが、秘密の保持について徹底しているということと、法律的に何らかの措置をとれるのかということとの違いですから、恐らく公務員法に基づく秘密を漏らした際の
規定
は適用できない、こういうことでしょう。そう答えていただきたかった。まあ、うなずいていますから、いいです。 次に、
建設
会社、その他業界からの献金問題について、最近新聞を見るたびにもう、きょうも、前田
建設
工業の前田社長が金丸被告を初め自民党の十名の国
会議
員にやみ献金をしておった、その金の出どころはまた例によって使途不明金から出した、こういうようなことですね。少し前にさかのぼると、東急
建設
の五島社長が同じようなことを言っておりましたし、ある
建設
会社では、献金をする際にSAとかAとかBとかランクづけをして、
建設
大臣
は何番に入っておったか記憶はしていないんですが、そういうことまでして政治献金、裏献金を重ねている。それから、日経連の副会長が石川日商会頭にけじめをつけなさいという発言などをしたという新聞報道もございますし、先般二日の参議院の
予算
委員
会で濱刑事
局長
が、金丸、生原被告の脱税事件の中間報告で、大手
建設
会社、さらには山梨県内の
建設
業者から提供された
資金
の一部が原資として割引債券購入に充てられておったというようなことも、これは参議院で報告をされておるわけです。そして、先ほどの使途不明金の額でも、
年度
を追っていっても六十数%以上だ。 こういうことですから、
建設
大臣
は、なぜこんなに
建設
業界というのは政治家にお金を出したがると思いますか、率直に聞かせてください。
中村喜四郎
75
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 今般日建連あるいは全建が申し合わせを行って、会員企業が一丸となって企業倫理の確立のために決意表明をしたことは、
建設省
としては評価しているところでございます。業界における献金の実態について
建設省
として承知しているところではございませんが、業界は
国民
の厳しい批判を受けているということを重く受けとめまして、三月二十九日に
大臣
談話と
建設省
の対応方針を発表させていただきました。その中で、企業倫理の確立を強く求めたことであり、今回の団体の決意表明はこれに対応したものであると認識しております。今後この内容が会員全員に対して速やかに徹底して、このことが守られることを私は期待しております。
時崎雄司
76
○時崎
委員
私の聞いているのはそういうことじゃないですよ。例えば、このたび日本
建設
団体連合会が三月三十一日にやみ献金の全廃を申し合わせたなどというのは、大体今ごろやっている方がおかしいので、あなたのように評価なんかしてないんですよ。こんなことを申し合わせなければならないような業界なんだということでしょう。やっていなければ申し合わせなくたっていいわけですからね。やっていることを認めて今回申し合わせをしているわけでしょう。よその業界なり団体にこんなことをやっているところは今ありますか。先般シール談合事件なんというのもありましたけれども、業界がこぞってやみ献金全廃を申し合わせる、申し合わせたから評価する、これは
国民
感情とは大分離れていますよ。こういう団体である。
建設
大臣
だって
指導
その他を含めて一定程度の責任は感じていなければならないと思うんですね。 私の聞きたかったのは、なぜ
建設
業界というのは政治家に政治
資金
規正法に基づく表の献金以外にもさらにこういうやみ献金をするような団体なのかということを聞いているんです。あなたのお考えはどうです。どう思いますか。
中村喜四郎
77
○
中村国務大臣
せっかくの
先生
の御質問なんですけれども、ちょっと私、
先生
のおっしゃられていることの趣旨というものがよく理解できないわけでございます。
時崎雄司
78
○時崎
委員
まあいいでしょう。理解できないということでは答弁をいただくわけにもいかない。 それじゃもう少し話を変えてお尋ねしますが、先ほど例を挙げたように、政治家に多額のやみ政治
資金
が流れているということは多く言われているんですが、たしか私の記憶では、国会で
建設
大臣
は、政治
資金
について広く薄く
大臣
自身もいただいている、それはやみかやみでないかは別にして、いただいているというような答弁も先般ございました。そこでお尋ねしておきたいんですが、広く薄くという場合に、広さはどの程度で薄さはどの程度ですか、あなたの場合。
中村喜四郎
79
○
中村国務大臣
お答えをいたします。
建設
業界からの企業献金につきましては、先日衆議院の本
会議
で社会党の
委員
の方から御質問いただきまして、そのときにも答弁をさせていただきましたが、私の政治信条として、広く薄くということで今まで政治献金をちょうだいしてまいりました。この点につきましては、
建設
大臣
としても現在もこれからも変わらないという基本的な考え方でございます。
建設
業界を含む企業からの献金について報告を受けました結果、複数の企業から献金を受けているということは報告を受けましたが、いずれも政治
資金
規正法等によって適正に処理されているという報告でございました。 そして、清水献金のリストについては私は全く関知しておりませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
時崎雄司
80
○時崎
委員
大臣
、私の聞きたかったのは、金丸被告が逮捕されて、従前は佐川からの問題では五億円という金額でございまして、それでも
国民
は大変な怒りを持ったわけですね。それがあともう一つ丸が余計になるほどのお金の問題が出てきたわけですね。だから、政治家の言う薄いというのは
国民
一般から見てとの程度のことを指すのか、実は聞きたかったんです。 あなたのおっしゃる薄いというのは、まあ金丸さんが五十億だの六十億というんですから、それより薄いとして、ずばり言って百万ですか、一千万ですか。一千万でも届ければできることかどうか知らぬけれども、どの程度のことを薄いとお感じになっているのか。私は、百万だったらば一般
国民
から見たら相当厚い、薄くなく厚いと感じると思ったものですから、ちょっと聞かせていただきたいと思うんです。あなたが受けているその薄いというのはどのぐらいのことを指すんですか。
中村喜四郎
81
○
中村国務大臣
お答えをいたしますが、その前に、
先生
はたまたま同じ茨城県でございますので、直接の答弁にならないかもしれませんが、私の基本的な政治姿勢として少し御理解をいただけるのではなかろうかと思いますが、私は今まで政務次官を二度、そして今度閣僚を二度させていただきましたが、十七年間の活動の中で、パーティーとか出版記念会とか祝賀会とか、そうした活動は一度もやっておりません。そして、
大臣
になるならないということとは別に、そうした活動というものに対しては自分に厳しく律していこうということで今までやってまいりましたので、そういう面で薄く広くやってきたということで、すべて適正に処理されているということで答弁にかえさせていただきたい、このように思います。
時崎雄司
82
○時崎
委員
大臣
の立場で金額を明示することはなかなかできなかったのでしょうが、政治
資金
というのか、お金が政治なり選挙にたくさんかかる、こういうことから、自民党の若手の方々のユートピア云々という発表などもあって、平均で年間億を超えるような政治
資金
が必要だ、こういうようなことも一般に公表されているわけですが、今回、政治改革関連法として自民党も野党も今改革法をそれぞれ検討して国会へ出されると思うんですが、自民党は、選挙制度については小選挙区制というものを検討されているようです。党 議で
決定
されたと思うんですが、そのときに言われるのが、今の中選挙区制では、選挙戦が政策論争ではなくて、どちらかというとサービス合戦になってしまう、こういうことから、一政党一人だけ立候補できるような小選挙区制がベターだ、そのことによって、政治
資金
を必要としない、選挙に余り金をかけない、そういう制度にした方がいい、これが自民党さんの言う小選挙区制の一般的な主張だというふうに私は理解しているんですが、
建設
大臣
もそう思っておられますか。
中村喜四郎
83
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 今の選挙制度の問題でございますが、御
指摘
がありましたように、自由民主党の中で政治改革の問題について、選挙制度の問題、政治
資金
の問題を含めまして、四法案を一括して今度、政治改革の抜本改革案として提出していくということについては、私も基本的な考え方としては同じでございます。 ただ、もっと基本的な問題として、制度ばかりではなく、一人一人の政治家の基本的な政治家としてのモラル、そして政治にかける信念、情熱、そうしたものはやはり
国民
に最も求められているものである、このように考えておりますので、両々相まっていかなければ、本当の政治改革というものは成果を上げていくことはできないと思っておりますので、個人的には今申し上げました後者のこと、そして党としてまとめた案は国会の中で議論されて成案としてまとめられることを私も望んでおります。
時崎雄司
84
○時崎
委員
時間の関係もありますので、次に進みます。 今言われておりますような公共
事業
の入札制度について、私が若干考えてこのようにしたらいいのではないかということを幾つか申し上げてみたいんですが、まず業者を登録する段階で、過去の
実績
とかいろいろなものも含めて、やはり過去に手抜き
工事
をやったとか談合をやったとか、問題の多い業者は最初から外してしまったらどうですかね。例えば、御徒町でぼんといっちゃったという、あれは幾らですか、停止した期間は。だから、極端に言えば、公共
事業
からもう永久に追放だ、このぐらいのことをやらない限りは手抜き
工事
とか談合は後を絶たないと私は思うんですよ。そういう点では、まず業者指名の段階で厳しい態度で臨むということが一つ必要なのではないか。 それから、先ほども出た、技術的に云々というが、仕事はとってどんと丸投げしてしまうやり方をしているような場合もある。丸投げというのは、指名業者、落札した業者が仕事をするんじゃなくて、ほとんどだれか子会社にぼんとやっちゃうとか、こういうこともあったり、さらには、丸投げではなくても相当部分が下請、孫請、言葉は悪いがひ孫請なんというものまで出てくる。事故に遭っているのを見ると、東北の方とか北陸の方の出稼ぎ者が実際に事故の犠牲者になるような場合が多いんです。手繰っていくと大体が孫請とかそういうところになっていってしまうんですね。そういう実態は
建設
大臣
だって御理解いただいておると思うんです。そういう点で、仕事が一社に集中するからそういうことにもなりかねないわけですから、やはり公共
事業
は、一定の手持ちというものがあるとすれば、それを一つのところに、また、一つというのか数社に集中的に発注をしないというような規制ができないのかということ。 それから、手抜き
工事
などに関しても、発注した方にも専門家がいるわけですから、人が減らされちゃって手抜きをやっていることに目が通らないとか、監視、監督ができないなどというのは理由にならないんですからね。だから、やはりそういう厳重な監督というのが必要なのではないか。 そしてもう一つは、やはり公開するということですよ。
国民
の前にたくさん見せていくということですよ。きょうのどこどこの入札
工事
はどこの会社に落ちると電話でもってある新聞社に連絡が入った、朝刊を見たらそういうことが書いてある、翌日になったらうちで言ったとおりになりましたという、こんなことが日常茶飯事に起きているんじゃないですか。だから、
建設省
は、いや、うちの
直轄
工事
は適切に行われていますと言うかもしれないが、では
建設省
の
直轄
工事
だけが入札その他が適切にやられている、これは不思議ですね。調べてみれば、よそには談合されたりなんかする問題が随分あるんじゃないですか。 そういう点で、先ほど言われるようなその検討、一カ月ぐらいかけてもっと検討するというのなら、ぜひ今申し上げたようなことも検討材料にしていただきたいなと私は思います。
大臣
の考え方を。
中村喜四郎
85
○
中村国務大臣
先生
から御
指摘
をいただいた点、少し広範囲にわたっておりますので、全部がその検討の対象になるかどうか明確に申し上げることはできませんが、
先生
の御
意見
を一つの
意見
、参考として検討させていただきたい、このように考えております。
時崎雄司
86
○時崎
委員
突然で申しわけないんですが、
井上
長官にもちょっとお尋ねしたいんです。 私初めてお会いするものですから長官の経歴などを政策時報社というものの「政官要覧」で見させてもらったら、以前事務次官をやられておったという。そのプロフィールの中に、次官中には談合問題などというものは全くなかった、こう書いてありますしばしばいろいろな話題はあったけれども、
井上
先生
が事務次官をやられている期間には談合はなかった、こう言っているんですね。何か妙案があればひとつ、こういう不正な談合などが行われたり
建設
業界にかかわる不祥事が起きていない、こういうことですから、何か長官の妙薬でもあればお聞かせをいただきたい、こう思うんです。
井上孝
87
○
井上国務大臣
私、長く
建設省
に勤めておりまして、いわゆる地方
建設
局長
の経験もいたしました。発注側に立った経験がございます。私が事務次官をやっておりましたのはわずか一年でございますけれども、その間は全く談合問題なんかはなかったと記憶しておりますが、私が実はバッジをつけて国会に来させていただいてから一年目でございましたか、静岡で例の、
先生
も御記憶があろうかと思いますが、談合事件が起きまして、あのときに随分独禁法と
建設
業という問題の勉強をさせていただきました。 率直に申し上げまして、調整行為といいますか、そういうものが現実に行われておるということは認めざるを得ないとあのときは思いました。しかし、当時
建設
業界は大混乱になりまして、どこでも大変なことになりましたので、
公正取引委員会
とも御相談をして、
公正取引委員会
でわかりやすいガイドラインというのをつくっていただいて、
建設
業界が独禁法に触れないで入札行為ができるようにということを、とりあえず、私も下働きではございましたが、公取と相談なんかをいたした経験がございます。 ただ、今回起きておる問題につきましては、所管が
建設省
でございますから、
建設省
で中央
建設
業
審議
会というものを通していろいろと検討中でございますので、
建設省
の結論を私も関係者として注目して見させていただいておる次第でございます。
時崎雄司
88
○時崎
委員
突然の予告なしの質問で大変申しわけございませんでしたが、ありがとうございました。 次に、
環境
基本法にかかわる件について、
建設
大臣
にお尋ねをいたしたいと思います。
環境
基本法は既に三月十二日に国会に提出されました。これから
審議
が行われるわけでございますが、その中に「
環境
影響評価の推進」という項がございまして、「必要な措置を講ずるものとする。」こういう文言になっておるわけです。実はその後、三月二十九日の新聞報道によりますと、
環境
庁と関係省庁との間に、今回の
環境
基本法の制定に当たっては
環境
影響評価に関する法律については法制化は見送るという合意ができて、何か覚書というものが取り交わされていると大分大きく報道されたわけでございます。その内容は後にして、
建設
大臣
としてはこの
環境
アセス法と一般的に言われる
環境
影響評価法、この法律をつくることについてどういうお考えを持つそいるか、お 聞かせをいただきたいと思います。
中村喜四郎
89
○
中村国務大臣
お答えをいたします。
環境
と調和した
住宅
、
社会資本
の
整備
を進める上でアセスメントは重要であると私も考えております。
建設省
としても、
閣議決定
要綱に基づいて百五十八件の
環境
アセスメントを
実施
してきているところであります。アセスメント制度のあり方につきましてはさまざまな
意見
があると思いますが、
建設省
としては、基本法案の要旨を踏まえて、
閣議決定
要綱に基づいて、アセスメントの内容の一層の充実等、的確にこれを
実施
していきたい、このように考えております。
時崎雄司
90
○時崎
委員
私がお尋ねしたのは、
環境
アセスについて法制化することについて
大臣
はどうお考えになっているのか、ここを聞かせていただきたかったんですね。アセスの重要性とかそういうものは当然のことだろうと思いますが、法律でこのアセスに関するものをつくるということについてお考えがありますか。
中村喜四郎
91
○
中村国務大臣
その前に、先ほど
先生
のお話がございました新聞報道によればということで、
環境
庁と
建設省
の間で当面行わないという合意があった、こういうような御
指摘
がございましたが、そのような合意はございません。そして、繰り返して申しわけございませんが、先ほど申し上げました
建設省
としての基本的な考え方は、
閣議
要綱に基づいてアセスメントの内容の一層の充実を図って、的確にこれを
実施
していきたいというのが現在の基本的な方針でございます。
時崎雄司
92
○時崎
委員
私、
環境
基本法の提案を冒頭申し上げたんですよね、三月十二日に政府から
環境
基本法がもう既に出されておりますから。そして、その中でアセスに関しては、先ほども言いましたように、「必要な措置を講ずるものとする。」これは一般的に言えば、従来からあるような
閣議決定
、それから法律、その他政令を含めて、そういう制度だろう、こう思うんです。この
環境
基本法の案の中にあるその「措置」というのは、
建設
大臣
として、法律までつくるという考えを持っておられるのかどうか、その辺をお尋ねをしているわけです。
中村喜四郎
93
○
中村国務大臣
少し専門的なところでございますので、政府
委員
に答弁をさしていただきたいと思います。
市川一朗
94
○市川(一)政府
委員
お答え申し上げます。
環境
基本法の第十九条に書いております「必要な措置」といいますのは、
先生
がただいま御
指摘
ございましたように、いろいろな措置の内容が考えられ得ると思う次第でございます。ただ、先ほど
大臣
が御答弁申し上げましたのは、今まで
閣議決定
された要綱に基づいて
実施
してまいりましたアセスメントの内容につきまして、より内容の充実を図りながら対応していくという形で参ることで
環境
基本法案で言う「必要な措置」が一応満たされているというふうに
建設省
としては考えておるということを御答弁したと理解しておる次第でございます。
時崎雄司
95
○時崎
委員
そうすると、
建設
大臣
は、従前からあった、
閣議決定
をされたアセス、これをより内容を充実していくというのがいい、仮に
環境
基本法ができて、その法律に基づいてアセス関連のいろいろな方法がある、「必要な措置」というだけですからいろいろな方法がある、その際は
閣議決定
で今あるものより内容をよくする、こういう考え方だということですか。
中村喜四郎
96
○
中村国務大臣
先ほどから答弁をさしていただいておりますが、
建設省
といたしましては、現在の中でできることを一つ一つ
環境
のプラスになるように積み上げていくということが基本的に必要だ、このように考えております。
時崎雄司
97
○時崎
委員
どうも答弁が、私の聞きたいことと違うんですね。
大臣
、では、ずばり聞きますが、過去に
閣議
で
決定
されて、今現在生きてい各アセスに関する決まりというのをあなたは知っていますか。これは一項目から十一項目まであって、実はほとんどが公共
事業
でやるような大型のプロジェクトだけですよね。例えば、道路新設、高速道路、国道、一般道、阪神、首都、指定都市高速道路、
ダム
新築、その他
河川
工事
、鉄道
建設
、飛行場、埋め立て、干拓、
土地
改良
区画整理
事業
云々、それも面積が百ヘクタール以上とか、ほとんどが公共
事業
でやる分だけがアセスの対象になっているんですよ。だからそれ以外、民間でゴルフ場つくるといったってアセスメントの対象になりますか。何かよくわかりませんけれども、現状はそうなっているんですよ。だからこそ、もっとしっかりしたものをつくり、法律でもってしっかりした方がいいという
意見
も出てきているわけですね。 内容をより充実して云々、そして今聞いたらば、前向きにとかどうとかという現状のことを言っているんですが、この
環境
基本法で今回改めて「必要な措置を講ずる」、こう明記したわけですね。これについて
建設省
としては、法律によるのがいいのか政令がいいのか、さらには従前どおり
閣議決定
事項
ということでいいのか、どの辺を考えているかということをもう少しわかりやすく
説明
いただきたいと思います。
中村喜四郎
98
○
中村国務大臣
その点につきまして、政府
委員
の方から答弁差し上げたいと思います。
市川一朗
99
○市川(一)政府
委員
お答えいたします。
環境
基本法案の第十九条によります「必要な措置を講ずる」という内容につきましては、いろいろな内容が考えられるわけでございますが、少なくとも
建設省
関係につきましては、従来から
閣議決定
されました要綱に基づきまして、先ほど
大臣
も御答弁いたしましたが、既に百五十八件の
環境
アセスソンドの
実績
を持っております。今後そういった手続の中で、まず御
指摘
がございました
事業
の範囲の問題も内容の改善策としてはあろうかと思いますし、またさらに、具体的なアセスメントを
実施
するに当たりまして、
環境
影響評価の具体的なやり方につきましての技術的な改善策とか、そういったような問題もあるわけでございまして、法律によるとか要綱によるとか政令によるとかという手続的な面もあるいは重要なのかもしれませんが、私どもとしては、内容の充実こそむしろ重要であるという考え方に立ちまして、そういった内容の充実に努めながら一層の的確なアセスメントを
実施
していくということが肝要なのではないかというふうに考えておる次第でございます。
時崎雄司
100
○時崎
委員
時間もありませんから余り長く時間どれませんが、少なくとも
閣議
で
決定
をしてこの法律案を国会に出したわけでしょう。憲法の六十六条には行政権の行使、すなわち法律を出すことも行政権の一つでしょう。これは連帯して国会に責任を負うということになっているんですね。それは
建設
という一つの枠内での
審査
だから
建設
大臣
なり、また
国土庁
の関係で出てくる。少なくとも連帯で負うというのは、総理
大臣
の代行ですよ、皆さんは。何か、聞いていると、政府
委員
の方は——私は、法律によるのか政令によるのか
閣議決定
によるのかと聞いているんですよ。どれですか、こう言っているんです。いや、まだ決まっていなければ決まっていないでいいんですよ。失礼な言い方をするじゃないですか、今の政府
委員
の方、何という方だか知らないけれども。法律によるのか政令によるのか
閣議決定
によるのかと言ったら、それよりもこっちが重要だというのはどういうことですか。どれによるかは重要でなくて、中身の方が重要だと今答えているわけでしょう。私は中身のことはまだ一切聞いていないんですよ。手続として、法律によるのか政令によるのか、従前のとおり
閣議決定
で行うのかと聞いているんであって、それが何か重要でないみたいな言い方、私の質問、重要でないんですか。むかっときますよ、これ。
建設省
としてはそのうちのどれがいいと思っているかと聞いているんですよ。もしくは
閣議
でどれがいいと決まったのか、議論されたのか、それを含めて聞いているわけですよ。何ですか。私が聞いたのは重要でないというんですか。
市川一朗
101
○市川(一)政府
委員
お答え申し上げます。 答弁の表現に非常に不行き届きな点がございまして申しわけございませんでしたが、私どもの考 え方といたしまして、内容の充実を図ることが極めて重要だというふうに考えておりますことを強調する余り、やや不適切な表現があったように思っておりますが、もちろんアセスメントのやり方につきましてどういう手続でやるかということも極めて重要な問題点だと思っておりますので、先ほどの答弁につきましてはお許しいただきたいと思う次第でございます。
時崎雄司
102
○時崎
委員
大臣
、どれでいくつもりなんですか。どれというのは、法律か政令か従前のような
閣議決定
か、どれでいくというお考えをしているのか、
建設
大臣
は。また、
閣議
の中でそういう話し合いがなされたのか。
中村喜四郎
103
○
中村国務大臣
現在の
状況
で、若干長期的な課題として
閣議決定
でやっていきたいというような方針を、今報告を受けております。
時崎雄司
104
○時崎
委員
それは、
建設
大臣
としてはそう思っているということで理解していいのか、そうではなくて、この法律案を国会に出す際に、政府として従来の
閣議決定
でいいと確認をされていると理解していいのか、どちらですか。
中村喜四郎
105
○
中村国務大臣
お答えいたします。
建設
大臣
としての考え方を申し上げました。
時崎雄司
106
○時崎
委員
それから、新聞に大きく出された
環境
庁と関係省庁、私は
建設省
との間に文書を結ばれているという言い方はしませんでした。関係省庁との間で
環境
庁が法制化見送りの覚書を結んでいる、こういう新聞報道でございました。そこで、「関係省庁ではこれはどこを指すのか。「「覚書は、法制化問題の慎重な取り扱いを、
環境
庁が約束したもので、(法制化は)当分の間、ありえない」としており、実質的に法制化の道を閉ざすものともいえる。」こう報道しているんですね。 そうすると、こういう覚書はないと先ほど答弁がありました。覚書でなくて、メモとか口頭確認とかというのはあるんですか。
市川一朗
107
○市川(一)政府
委員
お答えいたします。 今私も手元に
平成
五年三月二十九日の新聞のコピーを持っておりますが、このような
環境
庁との取り交わしはしてございません。
時崎雄司
108
○時崎
委員
官房長、聞いていることにしっかり答えていただきたいんです。取り交わしはございませんというのは、私が聞いたのは、文書での覚書というものはないけれども、メモとか口頭確認とか、そういうものもないんですねと聞いているわけです。取り交わしはないというのは、それは先ほど
大臣
の方から文書での覚書というものはないと聞いたんです。それ以外のものでそういう約束事はあったのかなかったのか、もう一度答弁願いたいと思います。
市川一朗
109
○市川(一)政府
委員
お答えいたします。 法案作成の過程で、原案作成の
環境
庁と
建設省
との間でいろいろなやりとりはございました。しかし、こういった内容の覚書を交わしてはございませんということを申し上げた次第でございます。
時崎雄司
110
○時崎
委員
余り時間もございませんので、
国土庁
に最後にお尋ねをさせていただきたいと思います。 私は、以前も
国土庁長官
に、特にリゾート、ゴルフ場の開発、国土
利用
計画
法という法律に違反をする事例について再三お尋ねしたことが過去にありますが、どうもよくわからないのは、
国土庁
というのはどういう仕事をなさっておる省庁なのか、極端に言えばあってもなくてもいい省庁なのではないか、三年間の国
会議
員経験で短いんですが、そう感じておるんです。いや、そうではない、
国土庁
は立派な仕事をしておるということをきょうはひとつ宣伝をしていただきたい、また、私を納得させていただきたいと思います。まず任務について。
井上孝
111
○
井上国務大臣
国土庁
は昭和四十九年にできまして、政府の中では一番新しい役所でございます。私も、先ほど申しましたように長く
建設省
におりましたので、その成立のときのいきさつもある程度は存じておるつもりでございます。 今、我が国の政府は縦割り行政でございます。これらを総合して調整をするというのが
国土庁
の一番大きな任務ではないかと思います。例を挙げますと、例えば
社会資本
整備
、公共
事業
の
執行
につきましても、各省が縦割りでやりますとどうしてもその間に足らないところができたり空白ができたり、あるいは進捗
状況
が一緒にならないというようなちぐはぐが出てまいります。これに対しましては総合開発の調整費というのがございまして、百数十億持っておりますから、その
予算
をつけて足らないところを伸ばすというような調整をいたしております。 それからもう一つ、
土地
問題でございます。
土地
問題というのは所管は実はそれまではなかったわけでございます。農林省とか
建設省
とか、道路用地は
建設省
、
河川
用地は
建設省
、林野とか農地は農林省というようなことでございまして、
土地
政策というものを一貫してやる役所がなかったわけでございますが、
国土庁
におきましてこの
土地
政策を一貫してやる。
先生
も御承知のように先般地価公示をいたしましたが、こういった地価の暴騰を抑えるというようなことも、
平成
元年の暮れに
土地
基本法を
国土庁
所管でつくっていただきまして、それにのっとって今
土地
政策を進め、現在は地価の高騰を何とか鎮静化させようという努力をしております。 それからもう一つ、たくさんございますので時間がかかりますが、もう一つ重要なことを申し上げますと、防災局というのを持っておりまして、これは、いざ災害になりますと、この間釧路沖地震が起きましたが、実は関係省庁が二十あります。二十省庁がそれぞれの所管で災害対策をし、救助をする、こういうようなことでございますので、これもやはり調整してやらなければいかぬというので、
国土庁
では防災局というのを置きまして災害を所管する。例えば雲仙の普賢岳のときもそうでございます。なかなか各省の足並みがそろわないものを
国土庁
で全員集めまして、釧路沖のときもすぐ翌日二十省庁の担当を集めまして対策を協議して、遺漏のないようにしたわけでございます。 そのほか調整行為というのは相当たくさんございますが、時間がございません。例を挙げて御
説明
を申し上げました。御理解を賜りたいと思います。
時崎雄司
112
○時崎
委員
短時間での
説明
ですので、どんな重要な仕事をやっておるのかなというその主なものだけでございましたが、防災、地価の高騰の抑制、さらには調整ということですが、国土
利用
計画
法の第五条に、全国
計画
をつくらなければならないという
規定
になっておりますね。私のところに
国土庁
から最近のものをいただいておりますが、昭和六十年十二月十七日付で第二次国土
利用
計画
、すなわち全国
計画
というのが、これは恐らく
閣議
で
決定
をされたのだろうと思います。それから昭和六十二年六月に第四次全国総合開発
計画
というのもありますから、これもその全国
計画
の一つということだろうと思うんですね。この第四次の総合
計画
の中に、これは国土
審議
会等にかけて、その答申を受けながらつくられたものということなんですが、多極分散型国土を実現する、そのために幾つかのことをやる、こう基本に書かれてあるんですね。 この第四次全国総合開発
計画
も
平成
五年末には新たなものが検討される時期にもう来ていますね。ところが、残念ながらこの第四次の総合開発
計画
にのっとって
事業
を進めても、多極分散どころか一極集中が今我が国に起きていることは御案内のとおりだと思うんです。なぜ国土
利用
計画
法に基づいて全国
計画
を立てながら
運営
をしても一極集中がとまらないのか。時間もございませんので、ずばりその主な原因についてお聞かせをいただきたいと思います。
井上孝
113
○
井上国務大臣
先ほど
国土庁
の役目を申し上げるので、一番大切なのが四全総で、全国総合開発
計画
でございますが、それを申し上げるのを忘れておりましたが、いずれ御質問があると思ったものですから。 四全総につきましては、御承知のとおり昭和六十二年につくりまして、その中心テーマは東京一 極集中を是正して多極分散型国土を形成する、こういうことでございまして、そのために
国土庁
といたしましては、四全総に基づきまして、先般の国会で
平成
四年、昨年の六月つくっていただきました地方拠点都市法、それから昭和六十三年の多極法に基づく振興拠点
地域
、あるいはテクノポリス法、頭脳立地法といろいろな施策をやってまいりました。さらに、昨年の暮れには国会等の移転に関する法律、それから大阪湾ベイエリアの開発
整備
の法律、いろいろな手段を講じてきておることは御案内のとおりでございます。 結果といたしまして、今
先生
御
指摘
のように、東京一極集中は、例えば人口で申しますと昭和六十二年には東京は社会増で十六万人一年間にふえました。それが
平成
三年には八万人弱で半減したわけでございますから、東京一極集中がやや鈍化してきたとは言えるのじゃないかと思いますけれども、まだ一極集中は継続しておると言わざるを得ません。 したがいまして、一方では大都市における
住宅
、通勤問題等、過密の弊害が出ておりますし、一方では地方では人口が減少して活力が低下する、こういうような
状況
になっておりますので、私どもといたしましては、四全総が今五年を経過したところでございますが、おっくりいただきました、御
審議
いただきました国土
審議
会に調査部会というのを設けていただきまして、昨年からこの点検をいたしております。今まさに
先生
のおっしゃったように、どういうところに原因があり、どういうところが足らないかというような点検をずっとやっていただいておりまして、ことしの末ごろまでにはこの点検作業を終わっていただく、必要あれば四全総の見直し、またさらに必要あれば
改定
をして、第五次全国総合開発
計画
ということになるかもしれませんが、それはまだ私の口からはっきり申し上げるわけにいきませんけれども、今御
指摘
のようなことで四全総を総点検をしておる、作業中であるということを御理解賜りたいと思います。
時崎雄司
114
○時崎
委員
原因の点検については早期に行って、次の施策のための資料にしていただきたいと思います。 これは思いつき的な感じで申し上げますと、東京都では今、臨海副都心
計画
、バブル崩壊で若干おくれるとかどうとかというのが新聞にもありますけれども、また、これは人口何万という
計画
を立てているようですし、千葉県の方でも幕張を中心とした開発が進み、それから横浜の方ではみなとみらい21とかいろいろな大型の開発が進んでいっておる。そういうような自治体における開発ともやはり調整をしなければ、国の直接やる
事業
だけが調整しても、例えば国の機関を東京からどこかへ出す、これもなかなか進んでいないようですが、そういう国自体がやる
事業
だけではなくて、自治体がやる今の副都心
計画
などというのは何兆という金を使った膨大な長期にわたる
計画
ですから、一極集中排除をして多極分散型国土をつくっていこうと今
国土庁長官
言われておっても、現実を見ているとどうもそうではない、こんな気がしてならないわけでございます。 したがって、この原因の点検をやる際にはぜひ、国の方の立場というのか、国が直でやる部分だけではなくて、自治体がどういうふうになって動いていっているのか、どういう
計画
を持っているのか、今後どうなるのか、ひとつそこまで含めた大がかりな点検をしていただいて以降の対応に資していただきたい、このことを強く申し上げまして、時間でございますので私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
貝沼次郎
115
○
貝沼委員長
次に、志賀一夫君。
志賀一夫
116
○志賀(一)
委員
建設
事業
をめぐる汚職事件は今日まで数多くありまして、ただいまもいろいろな角度からお話がございました。過去に言えば静岡の問題等もありましたし、また埼玉での談合問題もありました。また、国内だけではなくて日米構造協議の中でも、日本の企業の排他的な行為が
指摘
をされておるわけでありまして、特に関西新空港への土砂納入問題では、やはりこれまた公取から談合問題として取り上げられてまいりました。そればかりではなくて、横須賀米軍基地談合事件が発生をいたしまして、この問題で米国から、それに参加した何十社という企業がとてつもない、約五十億という談合に伴う賠償金として支払いをしたという、かつてない初めてのそういった事件があったことは御承知のとおりだと思います。そういうことでありましたし、また最近では、社会保険庁のシール印刷に絡む談合事件が公取から摘発される。 こういうことに加えて、御承知のように金丸前自民党副総裁の大変な多額の脱税事件あるいはまたやみ献金というようなことで、
国民
の皆さんから強い強い政治に対する不信感が、もうこれ以上どうにもならないと思えるようなほどまで、
国民
の皆さんが厳しく批判をされているということであります。 そういう中で私は、やはりたびたびいろいろな角度からお話がございました公共
事業
についての、今後このような不祥事件ができないようにするための手だてをどういうふうにするかということは、まさに全
国民
が注目しておることであろう、そういうふうに考えますと、まずここで、その辺に対する
建設
大臣
の決意と今後の対応といったことについてお聞きをしておかなければならないと思います。
中村喜四郎
117
○
中村国務大臣
お答えをいたします。
先生
の御
指摘
をいただきました点につきましては、先ほどから答弁させていただいておりますが、指名競争入札は、少なくとも
建設省
が設置された昭和二十三年ごろから行っているところでございます。そして、この指名競争入札制度は、御案内のとおり、物品の購入とかするのと違いまして、現地で組み立て作業、単品受注等の特性があることから施工能力というものが非常に重要だというようなことで、不誠実な業者を排除して疎漏
工事
等の防止を図っていく、このような考え方で今日まで行ってきたわけでございますが、しかし一方、入札・契約制度の基本的なあり方については、中建審におきまして昨年十一月に答申をいただき、その中で改善すべきところは、競争性、透明性を高めていく必要性がある、このような考え方で、その答申を踏まえまして、昨日でございますが、本年発注
予定
の十億円以上の
事業
七十一件について
事業
を公開いたしまして、これに対して技術情報募集型指名競争入札、施工方法等提案型指名競争入札の導入を図ることにしたわけでございます。 このことが透明性、競争性を
直轄
においてかなり確保することができる、このように確信しておりますし、さらに、入札手続の検討
委員
会を設置いたしまして、約一カ月程度のうちにはこういった手続の中での客観性、透明性を高めていくという作業も、今、省内で技監を中心といたしまして全
局長
が
委員
になって、この成案をまとめるための作業をしているところでございます。 いずれにいたしましても、公共
事業
のなお一層の適正かつ厳正な
執行
に努めていかなければならない、このように考えております。
志賀一夫
118
○志賀(一)
委員
さらに
大臣
にお尋ねをいたしたいと思います。 中村
大臣
は金丸さんの御
指導
が多々あって今日の地位を占められたのではなかろうかと推測しておるところでありますが、今度の金丸さんのいろいろな事柄が次から次と出てくる中で、
建設
関係にかかわるいわゆる族議員の名前も、何か新聞の報道では五十七名も出ているというふうな報道があります。その中で、特に竹下派からは十数名というふうに出ておるわけでありまして、
大臣
の名前もその一覧表に載っかっている、こういうことでありますけれども、これについてはどうお考えになっておられるのか。火の気のないところに煙は立たないというふうなことも聞いておりますが、一体どうなのか、きちっと
国民
の前に明らかにしてほしい、そんなふうに思います。
中村喜四郎
119
○
中村国務大臣
私自身の金丸前副総裁との関係について御
指摘
をいただきましたが、御
指摘
のと おり、確かに私は以前、今でも経世会でありますが、旧竹下派というグループの中で、金丸前副総裁が会長であり、そのメンバーであったことは紛れもない事実でございます。そして、そのほかに族議員という御
指摘
を今いただきましたが、その族議員という意味がちょっと私、新聞ではよくそういう活字を拝見するわけでありますが、私は、
建設
行政というものは、日本の
国民
が豊かさというものを享受するためにはもっともっと
国民
の期待にこたえられるように大きく発展していくべきである、このような考え方で、公私のけじめをつけて、そして政治家として、そうした行政に対していささかも誤解を与えるようなことがないように、自分自身を厳しく律して
建設
行政の発展のために今日まで取り組んできた一つもりでございます。 そして、その中で私の基本的な政治姿勢として、政治献金につきましては、薄く広くということを基本的な方針にして今日まで適正に浄財をちょうだいし、適正に処理してきたということでございます。
志賀一夫
120
○志賀(一)
委員
新聞報道によりますと、清水
建設
から各政治家に配られたというお話でございますが、それはどうなんですか。
中村喜四郎
121
○
中村国務大臣
この間の衆議院本
会議
で社会党の議員の方からこのことについても御質問がございましたが、私は、そのランク表なるものを一切関知しておりませんので、そのことに対して答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
志賀一夫
122
○志賀(一)
委員
関知してないということですけれども、しかし今後、金丸問題が発展する過程の中では、そういった新聞報道が既になされている以上、あるいは具体的に出てくる可能性もなきにしもあらずではないかというふうに思いますが、もしそういうことになったらいかなる対応をされるおつもりですか。
中村喜四郎
123
○
中村国務大臣
今答弁させていただいておることを繰り返して申しわけないのでありますが、ただいまの御
指摘
の点につきましても、またこれからのお話につきましても、仮定の話でございますので、私としてはこのランク表というものは全く関知しておりませんので答弁ができない、このような
状況
でございます。
志賀一夫
124
○志賀(一)
委員
関知してないという意味はどうもよくわからぬけれども、政治
資金
規正法で受けて届けてあるよ、こういうことの範疇に入るのでしょうか。そのことをひとつ答えていただきたいと思います。 それから、金丸前副総裁が議員を辞職された後、その後を継いで自民党道路調査会長にあなたがなられた。多分、これは金丸さんのお声がかりではないかと想像いたしておるわけでありますけれども、この道路調査会長というのは、
建設
、運輸、通産、大蔵、あるいは警察庁というふうに大変顔がきく役職で、自民党にとってはだれも垂涎の極めて重要な役職だというふうにも聞いているわけでありますが、その後、金丸さんの金塊が出てくるころに及んで急遽やめられたというふうにお聞きいたしております。その辺の御事情は何なのか、明確にひとつお聞かせいただきたいと思います。
中村喜四郎
125
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 政治献金につきましては、先ほどから申し上げさせていただいておりますように、薄く広くちょうだいしているということで御理解いただきたいと思います。 二番目の質問でございます、自由民主党道路調査会長に金丸さんの後を受け継いでなったではないか、そしてその後、いろいろ事件が出てきたら急にやめたではないか、こういうようなお話でございますが、一部の雑誌にそのような報道があったということに対して、事実と違う報道をされておりまして、私は内心大変遺憾に思っておるわけであります。道路調査会長には確かに数カ月間なりましたけれども、その後、
建設
大臣
を拝命いたしましたので、自動的に道路調査会長をやめるということは党の規則として当然のことでございます。そして、道路調査会長は党の正式の政調の機関でございまして、政調会長から指名をいただいてお預かりしたわけでございますし、また、こういったポストというものは、ポストがその人の影響力を大きいとか小さいとかいう評価をするのではなく、その政治家個人の持っている能力なり影響力というものほかなり差があるということは
先生
も御承知のとおりでございます。私と金丸前副総裁とは、年齢的に見てもキャリアの面からいっても、すべての面で大きな差があるわけでございますので、私が自由民主党の中でそのような大きな影響力を持っているという評価は自分自身もしておりませんし、他からもそのような評価をいただいているとは承知しておりません。
志賀一夫
126
○志賀(一)
委員
ここで、資料を要求いたしましたが、どうも私の期待するような資料が出てきませんでしたので、ちょっと明確な方針をお聞かせいただきたい、そんなふうに思います。 それは、先ほども官房長から入札のプロセスについては公表をなさっている、こういうふうに言っているわけですね。私は、事務当局がいろいろ作業をするのに大変だろうからということで、この入札の公表している部分について極めて限定をしてお願いをしておったわけであります。しかし、その公表をするという言い方とは裏腹に、そのことについては全く言を左右にして出そうとしない。そして、いろいろ努力をしまして、その資料が、一週間、十日も前に言っていた資料がゆうべ七時近くになってようやっとやってきた。それで見ましたけれども、これは全く質問に使えない資料、入札のプロセスは公表していると言いながら、その公表とは全く関係のない、関係のないというか、ほんのちょっぴり一部分を出しているにすぎないということでありますが、一体これはどうなっているのでしょう。官房長の言っていることと実際事務当局が対応していることは全く違いますね。これはどうなんですか。
望月薫雄
127
○望月(薫)政府
委員
先ほども御答弁申し上げましたように、私ども
直轄
事業
につきましては、入札結果は閲覧方式で公表いたしております。具体的には過去一年分、これはその発注期間において閲覧可能、こういったことでございまして、そういった意味で私は公表しているということを申し上げた次第でございます。 今
先生
おっしゃったように、
先生
からの資料要求、確かにいただいておりますが、率直に言いまして事務的には、具体的には山梨県内の
実績
、こういうことでございましたけれども、これは時間的にも差し迫っていたのと、それから、何分とも大変な作業を伴うということがございまして、今
先生
に御不満をいただきましたけれども、きょう
理事
会でお決めいただいた線に沿って提出させていただいた次第でございます。 いずれにしましても、
委員
会での資料要求ということがなされたことにつきましては、私ども
委員
会の御判断をいただく中で積極的に前向きに取り組んでいきたい、こう考えております。ただ一言申し上げさせていただきますと、
先生
方からいただく御要望でございますけれども、資料は物によっては大変な作業を伴うということは率直に言って御理解いただきたいと存じます。 そういった意味で、この膨大な事務量ということの中で、私どもの事務処理体制ということがかなり限られておるということも御賢察いただかなければなりませんわけですから、おのずからそこには一定の限度があるということもやむを得ないことかな、こう思っておりますので、いずれにしましても、今後
委員
会のお裁き、御判断をいただきながら、私ども前向きに取り組ませていただきたいと思います。 くどいようでございますけれども、閲覧という格好で一年間公表させていただいているという意味で申し上げさせていただいたものです。
志賀一夫
128
○志賀(一)
委員
その
説明
では納得できませんね。ちゃんと入札で公表している部分をということで、私は極めて遠慮をしながら、その一部のものに限定をして、しかも山梨県内における仕事ですよ。これに出ている件数で言いますと、せいぜい三十件そこそこですね。これだけの作業をする のに、当然公表している入札のプロセスというものを何で明らかにしない。何十日もかかるんですか。私は十日も前から言っているんですよ。こんなことを対応しようとしないところに、先ほども言われたように
建設省
の体質が、役人の体質があるのじゃないですか。これを直していただかないと、この
決算委員会
での
審査
ができませんよ。必要な書類を出せ、出すということが当然のことだと私は思うんです。
大臣
、どう思いますか。
望月薫雄
129
○望月(薫)政府
委員
大変御無礼があったのかもしれませんが、私どもが事務方に確認してみますると、十日も前というふうに伺ったのは違う件の資料として伺ったというふうにこちらは受けとめておりまして、山梨県のことについては木曜日の夕方というふうに承知いたしております。そうなりますと、金曜日、土、日が休みというようなことで、私ども職員、今、早期発注等のことで本当にがたがた大変忙しい中でございますが、そういった面も御理解いただきたいということです。
先生
のお申し越しを軽視して無視したということでは決してございませんので、御理解をいただきたいと思います。そういった中で、今後
委員
会の御判断を仰ぎながら、私ども前向きに取り組ませていただきたいと思います。
志賀一夫
130
○志賀(一)
委員
そんなことで、それでいいですかということではいけませんよ。この
審査
に間に合うように出してほしいということで、しかも十日前に言ったのは、それは福島県内の
事業
所のことですが、それは多いだろうなというふうに思ったから、今度はまた方法を変えて、山梨県内の
事業
に、
直轄
工事
に絞ってやったんです。三十件足らずですよ。ここに書くのに、手書きしたって一時間やそこら見れば可能なことですよ。それをやらない、やろうとしないあなた方の体質が問題なんです。そこに、先ほどの小森
先生
じゃないけれども、やはり談合を生む素地がある、こう断言してもいいと思うんですが、
決算審査
にこういうことでは今後極めて問題だと思いますので、
大臣
、どういう考えで対処されますか。これは公表しているとはっきり言っているんですから、それと裏腹に、公表しているというものを出さないなんて、そんなばかな話ありますか。
中村喜四郎
131
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 実はそのお話、資料の要求に対しておくれたということに対しておしかりをいただいたことについて、私、今初めてわかりましたものですから、どうしてそういう
状況
になったのか、後で少し事情を聞いてみたい、このように思っております。
志賀一夫
132
○志賀(一)
委員
大臣
、事情を聞くというのはいいけれども、こんなわずかなもので、これを見てくださいよ。だれか持っていって
大臣
にこれを見せろ。見せてください。これだけのわずかな
工事
の、何社、一回の入札に当たって、せいぜい十社でしょう。それを一回、二回、三回と入札をやっている。その中身を明らかにできないと言って、そんなばかな、忙しくてできない、なかなか大変だ、そんなことはここで理由にはなりませんよ、できないなんて、
望月薫雄
133
○望月(薫)政府
委員
本当に何遍も申し上げて恐縮でございますけれども、私ども過去一年間の分は全部閲覧公表させていただいている。二年前、三年前のものについては、正直言って閲覧公開はもう期限が過ぎて別途の措置をしておりますものですから、
先生
の御要望等について的確におこたえするには相当膨大な資料をいわば点検しなければいかぬ。点検というか……(志賀(一)
委員
「膨大じゃないよ」と呼ぶ)そういうことで、いずれにしても、まとまった資料として整理させていただいて提出するということになりますと、私ども整理作業というものは当然必要でございますものですから、そういった中で、くどいようですけれども、今回御要望の線には十分こたえられなかったかもしれませんけれども、私どもとりあえず一億円以上ということで出させていただいた次第でございます。
志賀一夫
134
○志賀(一)
委員
このことで議論していても私の質問できなくなりますので、これはぜひ
理事
会で議論をして、
国民
の皆さんの期待にこたえられるような公正な
審議
ができるような条件をつくっていただくというのは、これは我々が真剣になって国政に
審議
権を持って参加するという意味があるわけですから、ひとつ
理事
会でお諮り願いたいと思います。
貝沼次郎
135
○
貝沼委員長
ただいまの件につきましては、
理事
会で協議いたします。
志賀一夫
136
○志賀(一)
委員
では、質問に移りますが、金丸問題で捜査を受けた大手十八社というふうに新聞報道されておりますけれども、これらの各社の売上高及び
利益金
のトータルはどれくらいになっているのか。それからまた、各社の交際費、寄附金もまたトータルで幾らになっているか。さらに加えて、この使途不明金は総額及び三カ年一社当たりどれぐらいの額になっているのか、明らかにしていただきたいと思います。
藤井保憲
137
○藤井
説明
員 お答え申し上げます。 マスコミで報道のございましたゼネコン十八社についてのお尋ねでございますが、私どもとしては、特定の企業または少数の企業の特定の項目についての答弁は、税務行政の性格上、差し控えさせていただきたいと思います。 そこで、私どもの公表いたしております会社標本調査結果に基づいて申し上げます。 資本金一億円以上の
建設
業で、
利益
を計上いたしました法人の一
事業
年度
当たりの調査所得金額は十八億二千九百万円でございます。 次に、寄附金についてでございますが、同じ会社標本調査結果で、資本金一億円以上の
建設
業の寄附金
支出
をいたしました法人数が千百三十七社、寄附金の
支出
額は四百十億円でございますので、一社当たりの寄附金の平均
支出
額は三千六百万円でございます。 また、同じく一億円以上の
建設
業の交際費につきましては、千六百三社が
支出
しておりまして、交際費
支出
総額は二千七百八億円でございますので、一社当たりの交際費の平均
支出
額は一億六千九百万円ということになります。 次に、使途不明金でございますが、
平成
三事務
年度
におきまして国税当局が実地調査を行いました、これも原則として資本金一億円以上のいわゆる大法人について把握した使途不明金について申し上げますと、五百五十四社の法人から
合計
五百五十八億円の使途不明金が把握されておりますが、このうち
建設
業につきましては、使途不明金を把握しました法人数が約百八十社でございまして、使途不明金総額は三百八十二億円、
建設
業一社当たりの使途不明金の平均額は約二億円ということになっております。
志賀一夫
138
○志賀(一)
委員
この数字を今いろいろお聞かせいただいたわけでありますが、今のゼネコンと言われる各社も相当な
利益
を上げて、かつその上で交際費、寄附金あるいはまた使途不明金、こういう名目で大変なお金を使っておられる、こういう事実が明らかになってきているわけであります。 実は山梨に、今度のゼネコンと言われる会社の中で捜査の対象になりました十一社が、山梨におけるリニアモーターカーの実験
工事
をすべて受注しているというふうに見ているわけでありますが、こういう捜査活動を受けている各社がやはり今回の金丸事件と極めて密接な関係がある。そういう中で、やはりこの疑惑があって捜査を受けているという実態だと思うのでありますが、この件について
大臣
はどのように把握されておられるのか。 それからまた、山梨県内におきまする
建設省
の
直轄
工事
費で、三カ年間の中でわずか三社で五十三億九千万円というダントツの
事業
を受注しているということが明らかになっている。先ほどの問題になりました資料でそれだけは明らかになっているわけでありますが、こういったことについてどのような見解をお持ちか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
中村喜四郎
139
○
中村国務大臣
お答えいたします。 具体的な御質問でございますので、政府
委員
から答えさせていただきたいと思います。
望月薫雄
140
○望月(薫)政府
委員
今
先生
お話しの中で、リニアモーターカーの
建設工事
に関する部分もござい ましたけれども、これについては、御案内のとおり、
建設省
関係ではなくて運輸省サイドの発注
工事
でございますので、ちょっと答弁いたしかねますので、よろしくお願いいたします。 今のお話しの
建設省
の
直轄
工事
、具体的には山梨の
工事
事務所の発注した
工事
について、大手三社というふうにおっしゃられましたが、これは、今これだけの資料を見ている限りで特に不自然かどうかということを私もコメントできる
状況
にございません。また同時に、今お話しのように、これらが政治献金等との関係でいろいろと報道されているというお話でございますが、そういったものとのかかわり等は、私どもは基本的にはあり得ないものと考えているということだけ申し添えさせていただきまして、これ以上の答弁、私ちょっといたしかねますということで、よろしくお願いします。
志賀一夫
141
○志賀(一)
委員
先日の新聞等で見ますと、大成
建設
、あるいは飛島
建設
、鹿島
建設
の大手三社が国税局の税務調査を受けて、十八億八千万円を所得隠しということで認定されたということが報道され、重加算税で総額六十二億二千万円の追徴金を取られておることが明らかになりました。 こういった実態を見るときに、大手のみならず
建設
会社が多額の
利益
を上げて、しかも、交際費とか寄附金あるいは使途不明金という形でたくさんのお金をやみからやみに葬っているという実態を見ますと、やはり一つは今の
建設
業協会の体質がこれでいいのかという問題点がありますし、また、多額の
利益金
を上げるこれらの各社はかなり高い公共
事業
を請け負っているわけでありますから、そういたしますと、かなりな
利益金
を上げるということになると、どうも国の公共
事業
の積算が甘いのではないか、私はこういうふうに思わざるを得ないのですが、このことについてどのようにお考えになっておられるか、明らかにしていただきたいと思います。
望月薫雄
142
○望月(薫)政府
委員
公共
工事
の積算についてのお尋ねでございますので御答弁させていただきますけれども、これはもう
先生
も御案内のとおり、私ども予決令に基づきまして、実例価格に沿った
予定
価格をつくるということが基本でございます。
予定
価格というものは具体的に言えば、直接の
工事
費、それから共通仮設費、それから現場管理費、プラスして一般管理費等、こういう四つの要素から成っておりますが、直接
工事
費というのは文字どおり、資材費であり労務費でございます。 この資材費というのは、もうちょっと詳しく言わせていただきますと、公益法人であります財団法人
建設
物価調査会、あるいは同じく財団法人の
経済
調査会、こういうところが毎月物価資料を公表しています。これは一般に市販されているものでございますが、そういったものでいわばリアルタイムの価格を反映するということを基本にして資材価格は積算する、材料費は積算する。 労務費につきましては、最近では単価は毎年似通っておりますけれども、
建設
、運輸、農林三省が共同で実態調査、これは個々の労務者の賃金台帳にまで戻って点検して、その上に立って賃金がどうなっておるかということを調査し、
大蔵省
と協議して単価を決める。それからもう一つは、この単価に通常の場合労務費全体は歩掛かりというのが掛け算して出てくるわけでございますが、これも過去の
実績
から私ども精査したものでもって歩掛かりを決めている。こういったことで積み上げさせていただいておるのが直接
工事
費でございます。 それから、共通仮設費というのは、現場での
工事
の準備費用、あるいは機械の搬入費用、あるいは材料試験等に要する費用でございまして、これも現場での共通的なものについては一定の率を厳密に積算する、あるいは、道路
工事
のような場合には
状況
で大分変わりますものですから、積み上げも行うということを厳正に行っているところでございます。 現場管理費は、労務安全管理等に関する経費でございます。あるいは福利厚生に関する経費ですから、これを積み上げ計上をさせていただく、こういうことでございます。 さて問題に、多分御関心をお持ちなのは一般管理費等というのでございますが、これは、本支店におきます従業員給与、あるいは広告宣伝、交際費、税金、配当金等々でございますが、これは
建設
業法に基づきまして、私どもで財務諸表を各企業から提出していただきまして、これを分析して決めておるというものでございます。その際に注意しなければならないのは、
建設
業者というのは、多くの場合民間の
工事
もたくさんやっておる。場合によっては不動産業、デベロッパーとしての仕事もやっておるというのが実態として多うございまして、そういったものは除外して考えなければならぬ。あるいは広告とか交際費、こういうものについては、公共
事業
の場合は一般的には必要ないわけでございますので、そういうものを全部捨象して一般管理費等の経費の率をはじかせていただいておるということで、私どもとしましては、これは非常に厳正にやらせていただいているつもりでございますが、今お話しのようなこと等も踏まえまして、さらに今後引き続き積算のあり方については念査をし、よりよりしっかりしたものにしていく努力はしてまいりたい、こう考えております。
志賀一夫
143
○志賀(一)
委員
御
説明
としてはわかるわけです。しかし、現実に公共
事業
にかかわっている問題で、談合でいろいろな事件が相次いで出ているという今日の姿、そしてまたそれと絡んで政治家が暗躍をしてうまい汁をすする、こういうような実態というのは、やはりうまみがあるところにたくさんのアリが集まってくるというようなものだろうと私は思うのであります。そういう点では、もし採算がとれないものであればそんなにたくさんの会社が群がるように寄ってはこないと思いますと、やはりこの辺で抜本的な見直し、そういうものを検討しなければいけないのではないか、そういうふうに私は思うのです。 今詳しいお話がありましたけれども、公共
事業
はどうも積算が甘い、甘いからこういうところに人が、業者がたくさん寄ってくる、こういう実情だと思いますが、
大臣
はどうですか、検討しようという考えはありませんか。
中村喜四郎
144
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 先ほどから政府
委員
が答えさせていただきましたように、御
指摘
の点も含めまして、今回省内にできました入札手続検討
委員
会におきまして、さらに透明性、競争性、客観性を具体的に御理解をいただけるような
環境
づくりに今取り組んでおりますので、
先生
の御
意見
を一つの参考として検討させていただきたい、このように考えております。
志賀一夫
145
○志賀(一)
委員
会計法第二十九条の三及びこれに関連する
予算
決算
令あるいは調達令では、一般競争入札が本則で決められていることは御承知のとおりだと思います。指名競争入札は単にただし書きで決められているにすぎないのでありますが、いつからいかなる理由でただし書きの指名競争入札を今日まで
実施
してきたのか、その辺について御
説明
いただきたいと思います。
望月薫雄
146
○望月(薫)政府
委員
一般的なことで申し上げさせていただきますと、我が国で明治二十二年に会計法が制定されているようでございますが、このときには、どちらかというと一般競争入札の考え方であったようでございます。その後、明治三十三年になりまして、言うならば政府の
工事
、この調達につきまして、今風に言えば発注者にとって不利となるときには指名競争に付することができる、この考え方は今の会計法にも引き継がれている、こう考えております。
建設省
におきましても、先ほど
大臣
が御答弁させていただきましたが、昭和二十二年に
建設省
が発足して以来ずっと指名競争入札制度を採用させていただいている、こういう経過でございます。 なぜかという御質問でございますが、今までもしばしば御答弁させていただいておりますが、端的に言うと、一般競争入札では、公共
工事
の契約というのは、契約の段階ではまだ物ができていな い現実がございます。ですから、そういった意味で、現地での組み立てであり、あるいは単品受注であるということからすると、発注する国なり地方公共団体の立場から見ますと、
予定
している質を
予定
されている工期の中でかっちりと仕上げていただく、こういったことをどう担保するかということがこの契約制度について終始つきまとっている大変重要な問題だ、こう認識しております。 そういった中で、昭和五十八年それから昨年というふうに、中央
建設
業
審議
会でも大変な御議論をいただいて今日に至っているわけでございますが、基本としては指名競争入札だという御結論をいただいておりますが、一方で指名競争入札についての問題点もいろいろとあるということを御
指摘
をいただき、より透明性、競争性を高める、こういった
観点
から、先ほども
大臣
が御答弁させていただきましたけれども、そういうふうな具体的な改善の取り組みに私ども今、省を挙げて取り組んでいる、こういう
状況
でございます。
志賀一夫
147
○志賀(一)
委員
経過としてはわかりますが、会計法二十九条の三を無視して今日までやってきた、その指名競争入札という制度のあり方が相次ぐ談合事件や不祥事件を起こしているという実態を考えれば、抜本的な改正をすべきだ、こういうふうに私は思うのですけれども、これについて
建設省
では、今なお談合はない、そういう認識なんですか、まあ幾らかはあるよ、こういうとらえ方で対応しているのですか、いずれですか。
望月薫雄
148
○望月(薫)政府
委員
指名競争入札制度と談合とのかかわりという御質問になるわけでございます。 中建審等でも言われておりますが、不透明性というものが問題の一つとして
指摘
されている、そういった中で、一般論でございますけれども、指名競争入札制度についてもより透明性を高めるということは、今
先生
がおっしゃったようなことを懸念しての御
意見
、こう私ども受けとめております。私は
建設省
の立場でスタンスだけ申し上げさせていただきますと、
直轄
工事
について我々常に言っておりますことは、談合というか、いわゆる独禁法に触れる行為は決して許さないというのが
建設省
の基本姿勢でございますし、終始変わらないところでございます。 そういった意味で、指名競争入札制度だから談合がどうというふうに私どもは必ずしも受けとめていないところでございますが、一方、運用あるいは業者のモラル等も含めて一般論で言うと、その種の問題も現実には広く各方面でないわけじゃないということも注目いたしますと、私どもとしては、この指名競争入札の運用についてもより厳正な姿勢を堅持していかなければならぬ、こういう気持ちで現在おるわけでございます。
志賀一夫
149
○志賀(一)
委員
実は、きょうもしその資料をいただければ、大体一日すれば、当初から落札業者が決まっておって、そして形式的な入札を三回やる、こういうふうになることは恐らくだれしもわかることだろうと私は思うのであります。
設計
価格の〇・九九七掛けがやはり
予定
価格に対する落札
予定
業者の入れる価格だというふうに聞いているわけです。かつては落札
予定
者が全部三回分の、十人いれば三十人分の入札価格を封筒に入れて配る、そういう方法でやっていたそうであります。今は電話で前の日に、落札価格がこれだけだからということで連絡をして、それで皆さんがそれより高い価格で入れる、こういうのがむしろ半ば慣例的になっているというのが現実の姿だと思うのでありますけれども、やはりこの辺でこういうやり方を変えていくためにはどうしたらいいのかを真剣に考えるべき時期に来ている、そういうふうに思うのですが、どうですか。
望月薫雄
150
○望月(薫)政府
委員
今
先生
から、
予定
価格の〇・九九七でございますか、そういうようなお話が、何か常識だというふうに承りましたが、私ども実はこれは大変ショッキングな御質問、御発言と受けとめさせていただくしかありません。というのは、
予定
価格は、もう言うまでもありませんけれども厳秘、少なくとも相手方等には一切知られるべきものでないということで、私どもこれは本当に真剣に取り組んでいる最も基本的な部分でございまして、そういった意味で○・九九何がしというようなものについて、私どもはあり得ないと思っております。 先ほども御答弁させていただきましたが、念のために、私ども最近の事例をある地方
建設
局について調べたところでは、〇・九六から一〇〇に近いものがございました、単純平均すると〇・九九でございましたということを、そのある地建のサンプル調査だけに限った話でございますが、いずれにしましても、ある一定の率がまずありきで、それでいわゆる入札談合等が行われるということについては、私どもこれは発注者の基本倫理にかかわる大変重要な部分を今御
指摘
いただいたと受けとめさせていただいて、本当にこれは絶対あり得ない、こういうふうに申し上げさせていただくほかございません。 いずれにしましても、入札事務、契約事務については、先ほど来
大臣
も申し上げておられるように、私ども本当に、こういった時期に改めて、特に
建設省
直轄
の仕事というのはいろいろな意味で公共団体の仕事に対しても大いに参考になる、また学んでいただくべき必要もあるところでございますので、今、省を挙げて取り組まさせていただいておる、こういうことでございます。
志賀一夫
151
○志賀(一)
委員
大変きれいな答弁ですが、しかし現実にはそうではないのですね。やはりそういったことで行われておりますので、一般的に天の声が聞こえるとかいうことがあるわけです。ですから、現場で、末端で、
建設
協会のある支部長がいるということになればその支部長と、地方では県の出先との間の
予定
価格についてのやりとりがあって、そしてそのもとで入札がされるというのが、私どものいろいろなことで聞いている実態だというふうに思っているわけです。ですから、あなた方が知らないのか知らないふりをしているのか、いずれかわかりませんけれども、現実にはそうだ、こう言わざるを得ないと思います。 これで議論していますともう時間がなくなりますのて、実は最近山梨県に参りまして、山梨県での公共
事業
等をめぐっての問題をいろいろお聞きしようということで、行ってまいりました。私どもが行きまして見た範囲、お聞きしたりなんかした範囲では、やはり
執行
当局あるいはまた業界とのなれ合い、こういうものは歴然として存在するわけですね。ですから、その結果として、新聞にも出ておりますけれども、何か勝ち組と負け組があって、今までほんのわずかであったものが、勝ち組になると一遍に十一・九倍の受注高になるとか、今までかなりもらってきた各社が、負け組になるともう本当にわずかな受注しかさせてもらえない、こういう結果が、これは新聞に出ております。 それと、私ここに資料を持っておりますけれども、いわゆる勝ち組のある
建設
会社は、本当に同じランクでですよ、
平成
四年三月から
平成
五年二月二十六日までの間ですが、その間、発注する公的機関から出されたものを百九件も実はもらっている、以前はかなりもらっておった会社が負け組になったために一年間にわずか十三件しかもらってない、こういうこともあります。それからまた、勝ち組の特定会社に受注が集中いたしました。そして、負け組で極端な例を申しますと、何億かを年間もらっていた会社がわずかに三千万程度しかもらえなくなってしまったということもありますし、全くゼロだという会社も、会社名はここで申し上げませんが、実はそういう会社もあるわけです。 ですから、こういう実態を見てまいりますと、果たして公正、公平な公共
事業
の発注が行われているのかどうかという点になりますと極めて疑問だ、こう断定せざるを得ない。こういうふうに考えますが、
建設省
として、このような実情にある山梨県の実態調査をして、きちっと公平、公正に行われるような公共
事業
の発注について
指導
をする考えがあるかどうか、改めてお聞きをしたいと思います。
伴襄
152
○伴政府
委員
山梨県の話は、私も報道等では勝 ち組、負け組とあるような話は承っております。実態がそのとおりだと大変ゆゆしい話だと思っております。 ただ、今発注のお話だとすると、それは山梨県当局あるいは山梨県下の
市町村
の発注の話でございまして、
建設省
直轄
工事
につきましては責任を持って対応できるわけでございますけれども、それはそれぞれ発注当局の判断の問題でございますので、その辺までの対応はしかねるところでございます。 問題は、特に山梨県の
建設
業の協会との関係等も言われておりまして、そういったことが公益法人である協会の活動として行われているとは思えませんけれども、問題は問題でございますので、私ども、こういった協会のことも含めまして、その
事業
活動の実態だとか、例えば会費の徴収方法とか、会計処理はどうなっているかということは調査してみたいというふうには思っております。 いずれにいたしましても、山梨県の協会は山梨県知事の認可の団体でございますので、まずは山梨県当局を経由するか、あるいは一緒になってやるというようなことで、調査方法は工夫してみたいと思っております。いずれにいたしましても、関心を持って
建設
業団体の
指導
育成という立場から調査してみたいというふうに考えております。
志賀一夫
153
○志賀(一)
委員
協会の
指導
はそのような答弁で結構だと思いますが、やはり県に対しても、当然国がかなりな公共
事業
費を山梨県にやっているわけでありますから、総体で一千億円くらいの大変な
事業
費を使っているというふうに聞いておりますから、これは県だから関係ないよというのではなくて、当然
建設省
でしかるべき
指導
があっていいのではないかと思いますので、ぜひその辺はきちっとやっていただきたいというふうに思います。 公共
事業
をめぐる汚職事件で大変問題になった千葉県では、今ランク制、同じランクにおる企業については、例えばAランクならAランクの発注については全部自由化させる、こういうことでかなり成果を上げているというふうに聞いております。また、岡崎市あるいは静岡市の両市では、十年前から今申し上げたような一般入札的な方向でやっているというお話を聞いておりますが、まあこれらを十分参考にしながら、公共
事業
をめぐる汚職事件が二度と起きないような抜本的な入札制度の見直しをやるべきではなかろうかと私は思いますが、いかがでしょう。
望月薫雄
154
○望月(薫)政府
委員
お説のとおり、今回のもろもろの問題というものの背景にはいろいろなことがございましょうけれども、契約制度というものについても一つの課題がある、あるいはまた、その運用のやり方についてもいろいろ課題がある、こういった基本的
観点
に立って、今省を挙げて考えさせていただいておるさなかでございます。 今
先生
からお話のありましたように、県においてはいろんな工夫をしているんではないかということを私どもも承知をしておりますが、ちょっとこれは手前みそになるかという感じを与えるかもしれませんけれども、実は千葉県なり埼玉県でおやりいただいているという方式は、
建設省
が
直轄
においてモデル的に二年前から取り組んでいる一つの成果というものもございまして、そういったこと等もむしろ公共団体にいい評価をいただきながら、これを導入していただいているということでございます。それを踏まえて、私ども技術情報公募型というものを、
平成
五
年度
からは七十一
工事
についてあらかじめ一年間のプロジェクトも公表しながら積極的にやっていこう、こういったことでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。 ともあれ、公共
工事
の発注というのは、
直轄
、公共団体発注ともどもが取り組まなければならぬ、こういうことでございますので、私どもも一生懸命頑張らせていただくという姿勢でございます。
志賀一夫
155
○志賀(一)
委員
会計検査院
法第二十三条一項の七によって、公共
事業
の効率的な
実施
をしているかを
検査
しなければならない、こういうふうになっておるわけでありますが、これら入札の現況等について、今日まで
会計検査院
でどんな
検査
をやってきたのか、また、その中で問題になったのはどんな点があったのか、お聞かせいただきたい。
佐藤恒正
156
○
佐藤
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 ただいま
先生
が申し上げられたのは、
会計検査院
法二十二条第一項の七号の
規定
によりまして、私ども、
工事
の請負人についても
検査
ができるということの関連で御質問があったのかというふうに承っておりますが、私どもの
検査
は、基本的には、発注官庁から契約等会計経理に関する帳簿や資料の提出を受けまして、それらをもとに
説明
を受けるなどいたしまして
検査
を行っているところでございます。その結果、請負人に対しましても調査をする必要が生じた場合には、従来から、請負人の自発的な協力によりまして関係書類等を提出していただきまして
検査
しているところでございます。今後も、
事態
によって必要があると認められる場合におきましては、請負人に対しましてもこの二十二条第一項七号の
規定
によりまして
検査
してまいりたいと考えておるところでございます。 今まで契約に関してどのような
指摘
があったのかということでございますが、私ども契約に関しましては、会計法令にのっとって適正な契約がなされているかどうかということを
検査
の一つの主眼点にして今まで
検査
いたしております。その結果、今まで契約に関して大きな問題と申しますか、そういった問題を
指摘
したということは、今まで各地方公共団体の。
補助金
の
検査
に関しまして、各地方公共団体でロ一アーリミットというようなものも設けておりまして、ローアーリミットが設けられている関係で不当に契約価格が高額になっているというような
事態
を
指摘
したことがございますが、こういった
指摘
が何件かございます。これが契約に関する
指摘
でございます。
志賀一夫
157
○志賀(一)
委員
こういう
検査
院法二十三条の一項という
規定
があるわけでありますから、公共
事業
について公正、公平な入札が行われているかということをきちっと
検査
する、そういうことが大事だと思いますので、ぜひそれはやっていただきたい。そして、あなた方は談合だという判定を下すところではありませんので、そういう可能性が見えたときには当然にしてこの集中排除法によって
公正取引委員会
に通告をして、しかるべき
処置
をしていただく、こういうことをするのは当然のことだと思うのですが、その点についてどういうお考えがありますかお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
佐藤恒正
158
○
佐藤
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 私ども、国なり
補助金
を交付している地方公共団体の契約価格が適正かどうかという点で
検査
しているわけでありまして、談合云々という問題になりますと、私ども入札した全契約相手方と申しますか、
建設
業者を調べなければなりませんし、そして、
建設
業者に対しましては、国の契約相手方に関しては調査権限があるわけでありますけれども、その他の業者に対しては調査権限もございません。また、私どもの調査権限と申しますのは、司法当局の有しておられる強制調査権限とか
公正取引委員会
の持っておられる立入調査権限といった権限もございませんし、当然、権限上の制約もございます。したがって、これが談合が行われているというようなことを実を申しますと発見できないというのが実情でございます。したがいまして、
先生
が今御
指摘
になられたような、談合を発見した場合に
公正取引委員会
に通告するというようなことが、私、今の立場ではできかねるというところでございますけれども、もしそういった
事態
を確信するようなことができました場合には、当然そういったような措置もとり得る場合があろうかと考えております。
志賀一夫
159
○志賀(一)
委員
どうもありがとうございました。
貝沼次郎
160
○
貝沼委員長
この際、休憩いたします。 午後零時五十分休憩 ————◇————— 午後三時三分
開議
貝沼次郎
161
○
貝沼委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。
質疑
を続行いたします。倉田栄喜君。
倉田栄喜
162
○倉田
委員
公明党・
国民
会議
の倉田でございます。 本日は、
平成
元
年度
の
決算
ということでございますが、まずこれに関連して、既に
平成
三
年度
の
検査報告
書も出ておりますので、
会計検査院
の方にまずお伺いをいたしたいと思います。
検査報告
書は、まず「
不当事項
」というところがありまして、「
補助金
」という項目から始まっております。 そこで、いわゆる
建設省
の
補助事業
につきまして、この
補助事業
の総額、
平成
元
年度
と
平成
三
年度
、
会計検査院
として承知をしておられるかどうか、承知をしておられればその額をお伺いしたいと思います。
佐藤恒正
163
○
佐藤
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 私ども、
決算
の確認ということを職務としていたしておりまして、当然
決算
金額ということで
建設省所管
の
国庫補助金
の総額も把握しております。
一般会計
、
特別会計
を合わせまして、
平成
元
年度
は三兆七千五百七十九億八千九百万円、それから
平成
三
年度
が四兆七百九十四億三千九百万円でございます。
倉田栄喜
164
○倉田
委員
それからもう一点、
建設省
でいわゆる
直轄
の
工事
をされておるわけでございますが、この
直轄
公共
事業
の総額、これも
平成
元
年度
と
平成
三
年度
、
検査
院として承知をしておられますか。
佐藤恒正
165
○
佐藤
会計検査院
説明
員
一般会計
、
特別会計
を合わせまして、
平成
元
年度
が二兆四千百八十九億六千四百万円、それから
平成
三
年度
が二兆五千五百七十億五千六百万円でございます。
倉田栄喜
166
○倉田
委員
検査
院の
指摘
では、まずこの
補助金
の過大交付について、元
年度
七千五百四十万円、それから二
年度
は少し少ないみたいですが、三
年度
になりますと六千四百三十六万円という過大交付についての
指摘
がございます。 今のお答えいただきました
補助事業
、それから
直轄
公共
事業
の総額五兆から六兆強、これだけの総額があるわけでございますけれども、ここに
検査
院が
指摘
されておられるのは、まず
補助事業
についての
指摘
しか今ございません、手元にあるのは。この
直轄
の公共
事業
について、
検査
院として
不当事項
あるいは不正
事項
として承知をしておられること、あるいは
検査
をされたことがあるかどうか、まずお伺いをしておきたいと思います。
佐藤恒正
167
○
佐藤
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 私どもは、まず主要な任務として国の会計経理に対する
検査
ということが課されておりまして、当然
建設省
の
直轄
事業
についても
検査
を行っているわけであります。そして、
直轄
事業
について今まで
指摘
がないのかという話でございますが、
直轄
事業
に対する
不当事項
の
指摘
は甚だ少ないわけでございますけれども、昭和五十九
年度
の
検査報告
に積算過大の
指摘
例がございます。 このように
補助事業
と
直轄
事業
とにかかわらず、私ども同じように力を入れて
検査
しているわけでございますけれども、なぜこのように
直轄
事業
に対する
指摘
が少ないのかということを、私の考えを述べさせていただきますと、
建設省
の場合は非常に専門的な能力を持った専門家集団でございまして、
工事
の
実施
体制とか専門的能力等が
補助事業
等に比べましてややまさっているのではないかというような印象を受けておりますけれども、このような点から
直轄
事業
に対する
指摘
が少なくなっているものというふうに私は考えています。
倉田栄喜
168
○倉田
委員
直轄
事業
に関しては後でまた、今マスコミ等で騒がれておりますいわゆる
建設
業界の献金問題と絡んで、もう一度お伺いをいたしたいと思いますが、
検査
院のこの報告書を拝見させていただいておりますと、いわゆる
不当事項
あるいは
補助金
の過大交付が、先ほど申し上げましたように元
年度
七千五百四十万ある、三
年度
は六千四百三十六万ある、こういうふうに
指摘
をされているわけですが、見ましたときに、例えば
補助金
の総額が幾らで、あるいは
直轄
の公共
事業
の総額が幾らで、この件数がこれくらいあって、
検査
院としてこの中からどれだけ取り上げて、
検査
したものが幾らあって、その
検査
したものの中で
指摘
された
事項
はこれくらいであった、例えばパーセンテージで言うとこういうふうな割合であった、そういうふうに書いていただくとわかりやすいし、それで、推測するというのもどうかとは思いますけれども、こういうものかと読めると思うのですが、今の報告書だけのあり方では、全体の枠の中で考えるときに、これがこれぐらいのものなのか、あるいはこれはちょっと大変なことなのかというのがよくわかりにくいな、実はこういう感想を持ったわけでございます。
国民
の皆さんの目から見て、
検査報告
書の記載のあり方、もっと工夫の余地がないものかどうか、これをお伺いをしたいと思うのですが、いかがですか。
佐藤恒正
169
○
佐藤
会計検査院
説明
員 ただいま
先生
の御
指摘
のとおり、確かに
事業
費が幾らで、そのうち
検査
院の
指摘
が幾らだという記載が一目瞭然とは現在の
検査
院の
検査報告
にわからないようになっておりまして、その点、あるいは御
指摘
のように改善の余地があるのかなとも考えておりますけれども、今までこのような形式で
検査報告
ということを世間に対しまして報告させてきていただいておりますので、それがずっと続いてきたということでございます。 改善の点につきましては私の一存では答えられませんので、とにかく今までそういうふうなことがずっと続いてきたということで御
説明
をさせていただきたいと思います。
倉田栄喜
170
○倉田
委員
国民
の血税をどのように使ったかということでは、午前中からも
指摘
をされておりますとおり、
決算委員会
の重みというのは重要なものでございますし、また、
決算
という意味から、
国民
の目から見てああなるほどと納得できるし、わかりやすい報告でなければならないだろう、こういうふうに思います。私どもが
決算委員会
でいろいろ質問させていただくのも、
会計検査院
のこの
検査報告
書というのは一つの基礎となるものでございますので、ぜひもっとわかりやすくというか、いいものを、そういう報告のあり方はぜひ検討していただきたい、このように強く要望をしておきたいと思います。 そこで、今、
国民
の血税がどう使われたかということを申し上げました。きょうは
建設省所管
ということでございますけれども、
建設
業界の献金あるいはやみ献金、
国民
の皆様方にとっては不信の非常に大きな的であろうと思います。そこでまずこの点に関連して、金丸脱税事件について、きょうは法務省、国税庁にもおいでいただいておると思いますので、お伺いをしたいと思います。 金丸脱税事件というふうに呼ばせていただきますけれども、法務省では相当な資料を押収をされました。この金丸脱税事件について、その資料を今鋭意精査をされておられるのであろうと思いますが、この捜査資料を調査された結果、さらに捜査が進むということがあり得るのかどうか、また、この事件に関連をして追起訴ということも可能性としてあり得るかどうか、まずこの二点をお伺いをしたいと思います。
鶴田六郎
171
○鶴田
説明
員 お答えいたします。 金丸前議員らに対する所得税法違反事件の捜査はおおむね終了したものと聞いておりまして、これまでのところ、金丸前議員につきましては、起訴した以外の年につき訴追するに足る所得税法違反の事実が認められた、そういった報告には接しておりません。 なお、今後の見通しということでございますけれども、これは捜査当局が判断すべき事柄でございますので、法務当局からあれこれ申し上げるべき事柄ではないかと思うわけですが、今
先生
も御
指摘
になりましたとおり、今回の捜査では多くの証拠物などを押収しておるわけでございまして、検察当局においても、公訴維持等の
観点
から、今後必要に応じこれらの証拠物を分析、検討すると思われるわけでございます。ただ、これは相当日 数を要する作業でございまして、現段階で、検察当局が今後どうするかといった見通しにつきましては、何とも申し上げられないということで御了解いただきたいと思います。
倉田栄喜
172
○倉田
委員
押収をされた証拠資料というものは、確かに公判維持ということで押収されたのだとは思いますけれども、その資料の中からこれは犯罪だなと思われる端緒、きっかけがあれば、これは捜査当局としてもまた鋭意その解明に努めていかなければならないであろう、これは当然のことだろうと私は思います。それがどのようになっていくかは、まさにその資料の分析を待たなければいけないのだろうと思いますのでその点は待ちたいと思いますが、関連してもう一点、今回の捜査の中で、山梨県以外に全国各県の
建設
業界を捜査された事実があるかどうか、あるいは、もう捜査を終了されたという善言葉だったのでどうかと思いますが、今後
建設
業界について新しい犯罪の端緒が見つかることがあり得るかもしれませんし、そういう意味からすれば、全国の
建設
業界を今後捜査する
予定
があられるかどうか、お聞きしたいと思います。
鶴田六郎
173
○鶴田
説明
員 お答えいたします。 検察当局としては、去る三月六日に強制捜査に着手して以降、八次にわたりましていろいろなところを、
合計
約九十四カ所ですが、捜索、押収といった措置をとってきたわけですけれども、それ以上詳しいことになりますと捜査の中身になるわけでございまして、その内容につきましてはちょっと御容赦いただきたいと思うわけでございます。 それからまた、今後の
予定
ということも、先ほども申し上げたとおり、あくまで捜査機関が判断すべき事柄ですし、その性質上あらかじめ公にするべきものではございませんので、その点も答弁を差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
倉田栄喜
174
○倉田
委員
どこの質問のときも大抵、捜査中であるとか捜査の中身の問題でありますということで、お答えをいただけないわけですけれども、これは明らかにできる機会があれば何らかの形できちっと明らかにしていただきたい。明らかにしていただきたいというよりも、明らかにする必要があるのではないのか、こういうふうに強く要望をしておきたいと思います。 そこで法務省に、一般論としてお聞きをしたいと思います。 金丸さんは党の元副総裁であったわけでございますが、この党の副総裁が公共
工事
の発注に関して各省と、例えば
建設省
でもよろしゅうございますが影響力を行使した、この影響力を行使した場合に、いわばどのような場合に汚職となるか、一般論としてお答えいただけますか。
鶴田六郎
175
○鶴田
説明
員 お答えいたします。 あくまでも一般論ということで答えさせていただきたいわけでございますが、政党に所属する政治家の方々につきましては、そういう立場で行政当局に、いわゆる政治力と申しますか、そういうものを行使した、あるいは各省に働きかけを行った、それだけでは犯罪は成立しないのではないか、こういうふうに理解しております。 なお、申し上げるまでもないところでございますが、政治家が、例えば国
会議
員その他の公務員である場合には、公務員としての職務に関しまして
利益
を収受するというようなことになりますれば、これは収賄罪が成立するでありましょうし、また収受した
利益
がその地位にある公務員自身の職務とは関係しない場合でありましても、請託を受けまして、他の公務員をしてその職務上不正な行為をなさしめ、または相当な行為をさせないようにあっせんすることまたはしたことの報酬としてわいろを収受すれば、あっせん収賄罪というものがある、ごくごく一般論で申し上げれば、そういうことでございます。
倉田栄喜
176
○倉田
委員
私は今、汚職が成立しない場合をお聞きしたのではなくて、成立する場合を端的にお答えいただきたかったわけですが、その後段の部分に、いわゆるあっせん収賄罪のお話をなさいました。 御答弁は刑法の条文どおりお答えをいただいたわけでございますが、そのあっせん収賄罪に関連して、例えば自民党副総裁が各省庁に影響力を行使した場合、どのような場合にそのあっせん収賄罪というものが成立するのか。これも一般論の範囲としてお聞きできることだと私は思いますので、御見解をお伺いしたい。
鶴田六郎
177
○鶴田
説明
員 お答えいたします。 先ほども申し上げましたけれども、あっせん収賄罪というのはどういう要件があれば成立するかということを申し上げますと、一つには、贈賄者において請託をなす、収賄者たる公務員においてこれを了承することが必要でございます。二番目に、請託の趣旨が、収賄者が他の公務員の職務に関し当該公務員にあっせんすること、これが要件でございます。三つ目の要件は、贈賄者と収賄者の間で
利益
の授受またはその要求もしくは約束があったこと。四つ目の要件としましては、その
利益
の授受の趣旨が、収賄者が他の公務員をして当該公務員の職務上不正な行為をさせ、または相当な行為をさせないようあっせんし、またあっせんをしたことに対する謝礼であること。この四つの条件が充足されればあっせん収賄罪が成立する、こういう法律関係になっております。
倉田栄喜
178
○倉田
委員
一般論でお聞きをしたわけでございますけれども、例えば政治家の場合、今回の場合も適法、適正に処理をされた献金もありますでしょうし、あるいは裏献金と呼ばれる場合もあったわけでございますが、その金を受け取った、そして政治的影響力の行使もあった、さらに今請託というお話がありましたけれども、この請託は、具体的に特定をされないと今の要件に当たらないのかどうか。また、献金と政治的影響力の行使が、具体的な事実に関して結びついていかなければいけないのかどうか。この点についての御見解もお伺いをしておきたいと思います。
鶴田六郎
179
○鶴田
説明
員 お答えいたします。 一つ目の御質問は、わいろと政治献金に関係するような事柄だと理解しましたので、そのようなことから一般論として申し上げますと、例えば国
会議
員の場合には、公務員たる国
会議
員としての立場と政治家としての立場を兼ね備えているというふうに
指摘
されておるところもあるわけですが、わいろと政治献金との関係では、かつて大阪タクシー汚職事件の控訴審におきまして次のように判示されておるわけでございます。 すなわち、献金者の
利益
を目的とする場合でも、献金者の
利益
にかなう政治活動を一般的に期待してなされたと認められる限り、その
資金
の贈与は、政治家が公務員とする職務権限の行使に関する行為と対価関係に立たないものとしてわいろ性は否定されることになる、こういうふうに判示しておりまして、最高裁もこの判断を肯定するような判示をしておるわけです。 そういうところから考えますと、一般的ですが、献金に際しまして何らかの思惑、期待があったということが直ちに刑法上のわいろ性を意味するということは断定できないのではないか。いずれにしろ、職務に関するわいろか職務に関しない純粋の政治献金がは、事実認定の問題でございますので、収集された証拠により判断されるべき事柄だろうと思うわけでございます。 それから、請託の意味につきまして、具体性あるいは特定性が必要ではないかといった御質問ですが、基本的には、そういうものでなければ請託があったということにはならないのではないか、こういうように考えております。
倉田栄喜
180
○倉田
委員
私も今御答弁いただいた趣旨はよく理解できるつもりでおるわけでございますが、いわゆる政治家と金、これは
国民
の目から見たら非常にわかりづらい。それが一つの政治不信の大きな原因になっている。今回のいわゆる
建設
業界の献金の問題あるいは政治家の影響力の行使、こういう問題について果たして刑法の発動はないのかどうか、こういう点からの
国民
の関心も非常に高いだろうと思います。刑法というのは構成要件きちっと決まっているわけでございますので、その 枠を広めるようなことがあってはならないと思いますけれども、しかしこれも、きちんと
国民
の目から見てわかるようにお答えをいただきたい、こう思うわけでございます。 そこで、次は国税庁にお伺いをしておきたいと思いますが、献金があった、あるいは裏献金があった場合、その献金を受けた方で、受けたけれども政治
資金
として使用されなかったという場合については、これは課税をするというふうに考えてよろしいのでしょうか。
古出哲彦
181
○古出
説明
員 一般論としてお答え申し上げますと、政治家個人に対して提供されました政治
資金
は、政治
資金
規正法または公職選挙法の
規定
に違反するものであるか否かにかかわらず、所得税の課税上は雑所得の
収入
金額として取り扱われておりまして、その政治
資金
の
収入
金額から雑所得の必要経費として政治活動のための費用を差し引いて、残高がある場合には所得税の課税の対象となっております。 この場合に、政治活動のための費用の認定につきましては、単に領収書等の書類の有無のみで判断するというものではございませんでして、その納税者の私的消費や私的財産の形成の
状況
も含めまして、個別のケースにおいて総合的に判断して処理することとしているところでございまして、その結果、政治活動のために使われたという事実認定ができなかったものについては、必要経費としては認めないというような取り扱いをいたしております。
倉田栄喜
182
○倉田
委員
国税庁として、いわゆる政治
資金
の使途、これは具体的な事件が起こったケースではなくて一般論の、課税申告の時期において、あるいは申告をそれぞれ政治家がするときに、その政治
資金
の使途あるいは雑所得の経費等々、これはどういう形で今調査をしておられるわけでしょうか。
古出哲彦
183
○古出
説明
員 今議員の方から、政治
資金
の使途、その費用として認定する場合にどのような調査をしているかということでございました。先ほどちょっとお答え申し上げたのでございますけれども、現実に領収書等があるかどうかというのももちろん一つの基準ではございますけれども、ただ、
事業
所得者の場合にも、現金取引等もございますし、領収書等の書類の提示がないといったような場合もございます。また、その支払い先の
説明
を拒否する場合もございますが、そういう場合におきましては、その納税者の私的消費の
状況
も含めまして、個別のケースにおいて総合的に判断して処理するわけでございます。具体的には、先ほど申し上げましたように、財産面から総合的に調査を行うといったような手法も持っております。 税務調査におきましては、御承知のように、国税当局の方には質問
検査
権が与えられておりますから、その質問
検査
に対しましては、納税者はこれに対しまして答弁し、または
検査
を受ける義務が課されているところでございます。したがいましては、個別のケースにおいて、その質問
検査
の過程において事実認定を行っていくということになろうかと思います。
倉田栄喜
184
○倉田
委員
今回の
建設
業界の献金の問題については、いわゆる企業の使途不明金という点も非常に大きな問題となっているわけでございます。午前中のお答えの中にも、百八十社、三百八十二億円の使途不明金があった、そして、これは一社当たり二億円くらいに当たるという御答弁もございました。 使途不明金というのは、結局、どう考えても何に使ったのかわからない、こういうものなんだろうと思うのですけれども、
利益
の追求を第一の基準とする企業が、一社当たり平均二億円もの使途不明金があるということ自体が大体おかしいと思うのですけれども、国税庁が使途不明金と認定するについて、大体どういう、ああ、これは使途不明金てしょうがないですねと言っておられるのかどうか、その辺の使途不明金についての認定のあり方ということをまずお聞かせ願いたいと思います。
藤井保憲
185
○藤井
説明
員 お答え申し上げます。 国税当局といたしましては、真実の所得者に課税するというのが税務行政に課せられた役割というふうに考えておりまして、その
観点
からいたしましても、使途不明金は課税上大変な問題があるというふうに認識をいたしております。したがい、まして、その解明に特段の努力を払っているところでございまして、ぎりぎりまで調査をいたしまして使途の解明に当たっているというのが実情でございます。 ただ、解明のために最大限の努力をいたしましても、なお法人がその使途を明らかにしない場合があるということもこれまた事実でございまして、そうした場合の取り扱いといたしましては、法人が使途を明らかにすれば損金となるものもあるわけでございますが、そうした場合であっても損金算入を認めずに、
支出
法人に対して法人税を課しておる、こういう扱いをいたしておるところでございます。
倉田栄喜
186
○倉田
委員
まさに今お答えの中にありましたように、法人自身は使途をわかっておったとしてもその使い先を明らかにしないというケース、これは国税庁の方にしても多分おわかりになるんじゃないのかなという気がしてならないわけでございますが、使途を明らかにしない、実際に実情を、これを何に使ったのか本当にわかりませんということだったら納得はできるし、そういう金額はそんなに大きな金額ではないんだろうと思うのですが、わかっていて
説明
できないというケースに対しては、やはり現行の使途不明金という項目に対する処理の仕方よりも、もっと何か違う、使途不明金というのは基本的にはなくしていきましょう、こういう方向で、これは制度の問題になるかもしれませんが、課税をもっと厳しくするとかなんとかいろいろあり得るんだと思うのですが、この点について国税庁としてお答えをいただける点がありましたら、お答えを願いたいと思います。
藤井保憲
187
○藤井
説明
員 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、先ほどお答えいたしましたように、その使途の解明に全力を挙げるということが最も重要なことというふうに考えております。ただ、午前中にもお答えいたしました使途不明金として把握しました数字の中でも、最終的に約八割につきましては使途が解明できない、こういうことになっております。そういった
状況
にはございますけれども、今国会でもいろいろ使途不明金についての御議論をいただいております。そうしたことも頭に置きまして、さらに使途の解明に全力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
執行
当局としては、現行税制のもとでできる限りの厳正な処理をしておる、こういうふうに考えておるところでございます。
倉田栄喜
188
○倉田
委員
そこで、
建設
業界からのやみ献金あるいは使途不明金の処理ということに関して
建設省
にお伺いをしたいと思いますが、
建設
業界からのいわゆる政治献金の実態について、
建設省
としては、
建設
業界の
事業
活動
状況
あるいは会計処理方法などを調査したい、こういうお答えで、その
実施
方法を詰めているという答えをされておられると思います。それは、独自に調査をされるというふうに聞いていいのだろうと私は思うのですが、大体いつごろをめどに、どういう手順で進めようとされておられますか、お答えいただきたいと思います。
伴襄
189
○伴政府
委員
建設
業界からの政治献金の問題でございますが、これはまさに現在捜査当局でも捜査中というか、精査中の話でもございます。また、政治
資金
規正法そのものは
建設省
の所管する法律でもございませんし、しかるべき部署で担当されている法だと思っております。しかも、この政治献金につきましては、個人、法人を問わず、その自発的意思に基づいて適法に行われている限りは正当だということもあろうかと思いますので、
建設省
として何かするにしても、今一般的に
先生
御
指摘
のような話がございますので、やはり企業倫理の上でどうか、企業モラルの上でどうかという
観点
から調べてみたいというふうに考えているわけでございます。 したがって、とりあえずは
建設
業者団体からのヒアリングもございますし、また、関係の個別企業からもヒアリングを行いたいと思っておりますが、
先生
御
指摘
のとおり、
事業
活動の実態とか会計処理とか、あるいは会費の納入方法といったことを調べてみたいというふうに思っております。仰せ、これに関しての強制捜査権も押収する権限もないわけでございますので、やるといたしましても、この
建設
業を一般的に育成、
指導
するという立場からやりたいというふうに考えておるところでございます。 体制につきましては、極力、調査の中身とか
実施
体制とか受け入れ側の受け入れ
状況
、そういうことを詰めておりますので、おただしてございますけれども、これはできる限り早目に
実施
着手に入りたいというふうに考えております。
倉田栄喜
190
○倉田
委員
建設
大臣
にお伺いをしたいと思います。 大手ゼネコンからのいわゆるやみ献金問題というのがマスコミの新聞紙上で騒がれております。
建設
大臣
、この大手ゼネコンのやみ献金問題についてどのような御認識であるか、お伺いをしたいと思います。
中村喜四郎
191
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 政治献金につきましては、個人、法人等の自発的な意思に基づき適法に行われるものである限り正当であると考えております。
建設省
としては、
建設
業界がやみ献金を行っているのではないかという
国民
の厳しい批判を受けることになって、重く受けとめておりますので、三月二十九日に
大臣
談話等、対応方針を発表し、その中で
建設
業界に対して、ただいま政府
委員
が
説明
をさせていただきましたように、いわゆる会計処理とか団体の会費とかそういったものも含めまして、そうしたものがきちっと整理ができるように、企業倫理の確立を強く要請しているところであります。日建連あるいは全建におきましても、
国民
の批判を真摯に受けとめて、今後、団体に所属する企業が一丸となって企業の倫理の確立に努めるとともに、政治
資金
規正法に違反する献金は一切行わないという決議をいたしましたので、自主的に表明したということを高く評価し、その内容が速やかに会員の会社に徹底されるように
指導
していきたい、このように考えております。
倉田栄喜
192
○倉田
委員
清水
建設
が作成した政治家五十七人を五ランクに分けた政治献金リストが公開をされたわけでございますが、
建設
大臣
はBランクという位置に位置づけられているという形で報道されておられました。このメモというか、このランクそのものについては
大臣
は関知しておらないので全くコメントはできない、こういう御答弁でございましたが、この清水
建設
から
建設
大臣
は政治献金を受け取られたことが現在までにございますか。
中村喜四郎
193
○
中村国務大臣
私は、政治献金というのは薄く広く企業から受けて浄財としていただくということでやってまいりましたので、
建設
業界複数の会社から政治献金を今までいただいております。
倉田栄喜
194
○倉田
委員
恐らくお答えの趣旨は、薄く広く
建設
業界からも献金を受けておる、こういうことですので清水
建設
も中に入っておるのだろうと思うのですが、その薄く広く
建設
業界からどの程度もらっておられるか、あるいは、その中の一つとして清水
建設
から幾らもらっておられるか、これは
大臣
として自分の政治団体あるいは後援団体、承知をしておられますか。
中村喜四郎
195
○
中村国務大臣
この問題につきましては、先日の衆議院本
会議
、また新聞記者会見でも質問をいただきましたので、調査をいたしまして、調査した結果、いずれも適正に適法にちょうだいをしているということで確認ができております。
倉田栄喜
196
○倉田
委員
いずれも適法、適正に処理をされておるということでございますので、一番最後にこの問題はもう一度、
建設
大臣
のいわゆる政治
資金
の透明性という
観点
からお伺いをしたいと思いますが、その前に、
建設
大臣
は公共
工事
の主管
大臣
であるわけでございますが、ゼネコンから献金を受けられるということは、これは記者会見で、閣僚就任後も、薄く広くということでしょうけれども、お受け取りになっておるということを明らかにされておられるわけでございますが、大手ゼネコンから、あるいは
建設
業界から
建設
大臣
が献金を受けるということ自体について、例えば、やはり職務にかかわる献金、職務にかかわるお金だと誤解されやすいのではないのかとか、そういうことも批判としては出ると思いますが、
大臣
としていかがでございますか。
建設
大臣
としておられる間であっても、薄く広くということであれば今後も、
建設
業界からの献金はお受け取りになるつもりでございますか。
中村喜四郎
197
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 先ほど答弁をさしていただいたことに繰り返しになりますが、
建設
業界を含む企業からの献金については、これまでも適法に薄く広くちょうだいしてまいりました。この点につきましては、
建設
大臣
の立場である現在も、また今後も変わらないというのが基本方針でございます。ただ、企業献金のあり方につきましては、いろいろ議論があることは承知しております。これまでも法令の定めに従って適正に処理してまいりましたが、今後、今回の政治改革問題の抜本的な改正あるいは政治
資金
の規制の強化、こうしたものが決められるということになれば、これに従うのは当然のことでございます。 ただ、御
指摘
をいただきましたように、現職閣僚という立場を考えれば、公私の区別をはっきりつけるということは当然必要なことであると考えております。献金の有無にかかわらず
大臣
としての職員を毅然として全うすることは当然であり、行政の筋をいささかも曲げることなく、特に最近一部で報道されているような公共
工事
と政治家の関係について疑惑を招くことのないように、みずからを厳しく律していきたい、このように考えております。
倉田栄喜
198
○倉田
委員
関連してまた最後にお伺いをしておきたいと思うのですが、その前に、いわゆる公共
工事
の発注の問題について、これは
公正取引委員会
、
建設省
にお伺いをしておきたいと思います。 一九九〇年から例えば十年間公共投資四百三十兆やりますという対外的公約があります。この四百三十兆もの公共
工事
、その額、見積もりあるいは
執行
、
予定
を含めて公共
工事
のガラス張りの
執行
というのが今後ますます強く求められることになると思います。これは新聞報道ですが、池田内閣のもとで臨時行政調査会の
委員
だった花村忠元検事総長が、新幹線や縦貫高速道路は国の
事業
予算
の大体半値くらいでできると私は思うと同じ
委員
の太田薫元総評議長に語ったんだ、これは伝間ですので事実がそうなのかどうかわからないけれども、こういう報道がありますと、ますます
国民
の皆様方の、いわゆる公共
工事
とそれから現在の指名競争入札制度のあり方というものについて関心を呼ぶし、これはきちんとしていかなければいけないんだろう、こう思います。 そこで、現在の指名競争入札制度、さまざまもう議論が出ておりますけれども、これは
公正取引委員会
にお尋ねをしたいと思います。 それなりの理由が存して現在の指名競争入札制度になっているんだろうと私も思うのですが、制度的に考えるとやはりもう疲労を来しているのではないのか、これが談合や腐敗を生む温床になっていないのかどうか。済みません、まずこの点を
建設
大臣
にちょっとお伺いをして、その後
公正取引委員会
にお伺いをしたいと思います。
伴襄
199
○伴政府
委員
現行の指名競争入札制度についてのお話でございますが、指名競争入札制度というのは、不要な
工事
を排除いたしましたり
工事
施工の質を確保するというためには、信頼できる施工業者を選定して指名という行為でもって質を確保するという点で非常にすぐれている制度だと思います。ただ、一般競争と比べますと、入札参加意思のある業者に対しまして広範な参加機会の確保を図るといういわゆる競争性の点からは改善すべき点があるのではないかと考えております。 そこで、指名競争入札制度は公共
工事
の質の確保という点では有効な制度だと考えますけれど も、この一層の透明性、競争性を確保する、あるいはアップするということが大事かと思いますので、その点で改善を進めていきたいというふうに考えておりまして、今指名競争が談合の温床という話がございましたけれども、競争入札の形式によって談合が多いか少ないかということは必ずしも言えないんじゃないかという気がいたしますのは、例えばアメリカは有名な一般競争入札方式をとっておりますけれども、これも年間数十件の入札談合に関する刑事訴追が行われているというふうに聞いております。だから一定の競争者が決まりますとそこでカルテルが行われる可能性があるということは否定できないわけでございますので、そういう意味でいいますと、必ずしも入札方式と談合の発生が結びつくものじゃないという考え方でございます。 ただ、申し上げましたように、この指名競争入札がやはり透明性が欠けるんじゃないか、競争性が不十分じゃないかというふうな御
指摘
がありますので、この点については改めて改善していくということが必要かと思いますので、これにつきまして
大臣
からも強い指示がございます。早速やるものは実行しておりますけれども、検討すべきものは一月以内に結論を出すというようなことで、できるものからやっていくという姿勢で臨んでおるところでございます。
倉田栄喜
200
○倉田
委員
大臣
にも少し御認識をお伺いしたいと思います。
中村喜四郎
201
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 ただいま政府
委員
が答弁したことと重複いたしますが、指名競争入札と一般競争入札については、アメリカにおいては一般競争入札、ボンドを中心としたものが行われて、その中で何件かの談合も起こっておる、こういうようなことでございますし、また、イギリスなんかにおきましては、指名競争入札から一般競争入札に変わって、その後やはり疎漏
工事
等が起こって指名競争入札になっていった。あと、フランス、ドイツ、こういったところも、全部ではありませんが指名競争入札の制度というものが採用されているということから見れば、指名競争入札の透明性と競争性、あとは客観性、公開性、こうしたものをやはりきちっと整理をしながら問題点を排除するように努力するということは必要なことだろう、このように考えております。
倉田栄喜
202
○倉田
委員
公正取引委員会
の方に、現在の指名競争入札制度、いわゆる談合の温床になっていないかどうか、この点について御
意見
をお伺いしたいと思います。
平林英勝
203
○平林
説明
員 御
説明
いたします。 公共
工事
におきましてどのような入札制度が望ましいかという問題につきましては、第一義的には発注官庁がまず検討すべき問題ではないかというふうに私どもは考えております。
公正取引委員会
といたしましては、一般競争入札でございましても、また指名競争入札でございましても、入札制度か適切に運用されまして、入札参加者間において公正かつ自由な競争が確保されることが重要ではないかというふうに考えております。 先ほど御
説明
ありましたように、
建設省
におきまして透明性、競争性の確保の
観点
からいろいろ改善措置がとられるというふうに聞いておりますので、
公正取引委員会
といたしましては、このような措置が着実に
実施
されて、
建設
業者間の公正かつ自由な競争というものが一層確保されるということを期待しているところでございます。
倉田栄喜
204
○倉田
委員
会計検査院
にもう一度お伺いをしておきたいと思うのですが、現在の公共
工事
の発注手続が適正であるのかどうか、これは
予定
価格、例えば見積もりをされるときに、通称電話帳と呼ばれる基準価格をもとにして
予定
価格を立てていかれるのだろうと思うのですが、この点も含めて
予算
というものが、公共
工事
の見積もりというものがまず適正なのかどうか、それからその発注手続も適正に行われているのかどうか、こういう点は
会計検査院
としてお調べになっておられるのかどうか、あるいは調べたことがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
佐藤恒正
205
○
佐藤
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 私ども当然、契約制度が適正に運用されているか、例えば国の公共
事業
においては指名競争契約制度がとられておりますけれども、これが法令にのっとって適正に行われているか、こういうことについては当然
検査
しております。そして、今見積もりとおっしゃいましたけれども、
予定
価格の積算が適正に行われているか、これはもとより、
予定
価格の積算が積算基準や市場価格等に照らして適正な価格となっているかというのは私どもの主要な
検査
の
観点
でございまして、これももちろん当然事細かく
検査
しているわけでございます。
倉田栄喜
206
○倉田
委員
今、公共
工事
の発注の問題については、指名競争入札制度自体の問題、それから
予定
価格のあり方の問題が
指摘
をされているわけでございますが、そのほかに、いわゆる共同企業体の問題、さらには企画
設計
の見積もり、インハウスというのですか、官庁でやっておるというこのインハウスの公開の問題、こういう点も
指摘
をされておると思います。
建設省
は、まず共同企業体の問題に絡んでいえば、
建設省
は
建設
業法第二十二条で禁止をされている一括下請の禁止の徹底を図るため、たしか昨年の十一月十七日ごろ、どういう形の通達かわかりませんけれども、要請をされておると思います。
建設省
として、いわゆる一括下請、丸投げというふうにも言われているんだそうですが、この実態をどんなふうに認識をしておられるのか。それから、この共同企業体の関連でいえば、いわゆる金丸脱税事件において、金丸氏関連企業が公共
事業
を請け負ったという事実はないのかどうか。 この点については、
建設省
とそれから法務省にもお尋ねをしたいと思いますので、お答えいただきたいと思います。
伴襄
207
○伴政府
委員
まず一括下請の問題でございますが、これは
建設
業法二十二条というので禁止しているわけでございますけれども、せっかく受注した
建設工事
を一括して下請に請け負わせますと、発注者が当該業者に寄せた信頼を裏切るというようなことで施工責任が不明確になるとか、
工事
の質が低下するとか、労働条件の悪化を招くといった問題があります。したがって、
建設
業の健全な発展を阻害するという意味でこれを禁止しているわけでございますけれども、これがなかなか実は実態としては不分明なところがございます。ただ、刑事事件等でこれが浮上してくる場合がございまして、まあそのときによく言われますのは、どうなれば一括下請になるのかといったようなことがよくわからないということがございました。 一般的にはそういった違反に対しましては、監督処分をやったり、あるいは、
建設
業の構造改善の中でも、不良、不適格の業者は排斥するという意味で一括下請を禁止しているわけでございますけれども、それをもう少しわかりやすくするという意味で、今
先生
御
指摘
の昨年十一月の運用基準で、一問一答形式でマニュアルをつくりまして、こういう場合には一括下請になるよということをはっきりさせまして、その趣旨の徹底を図っているところでございます。現在、財団法人の
建設
業適正取引機構というのをつくっておりますので、その講習会等を通じまして、この一括下請の禁止につきましてその徹底に努めていきたいというふうに考えております。 それから、ジョイントベンチャーのことにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、公共
工事
におけるジョイントベンチャーは、基本的にはなるべく単体で、ジョイントベンチャーを避けるように、ただ、二つの場合がありまして、大型の
工事
の場合には危険分散とかいうような意味もありまして、大型
工事
の場合に二、三社でジョイントベンチャーを組むこと、あるいは中小企業で経常的に組むことということをジョイントベンチャーのお薦め品としておりますけれども、ただどうも、受注機会の確保、拡大のためのジョイントベンチャーというのが蔓延しているようでございまして、それを何とか整理し縮小していくということを我々今努力しているところでございます。
望月薫雄
208
○望月(薫)政府
委員
先生
からちょっと積算のこと、インハウスのこと、あるいは金丸関連企業のことを御質問ございましたものですから、簡潔に御答弁させていただきます。 積算のあり方については、先ほど来御答弁させていただいておりますのでくどくど申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、いずれにしましても、資材価格については、今
先生
電。話帳といみじくもおっしゃいましたが、具体的には財団法人の
建設
物価調査会なり
経済
調査会が毎月発行しております全国的、
地域
別の物価資料、これを使うということで、最新の価格を反映させるということでやらせていただいております。 また、労務単価につきましても、
建設
、運輸、農林三省が共同で毎年、まあ二回最近ではやっておりますけれども、賃金実態調査、これを踏まえまして
大蔵省
とも協議の上、労務単価を決めさせていただいて、それを積算に使っているということでございます。 なお、一般管理費につきましても、先ほど来御答弁申し上げておりますけれども、私ども毎年のようにいただきます企業から出す財務諸表等を分析いたしまして、その際に、民間
工事
あるいは不動産
事業
等入っておりますので、こういったものを除き、あるいは公共
事業
というものについては交際費、広告宣伝費等要らないという
観点
から、非常に厳格ないわゆる一般管理費等の比率を決めさせていただいているということで積算の正確さ生きを期している、こういう次第でございます。 なお、その
設計
に当たりましては、御
指摘
のとおり、私ども
直轄
事業
、また公共団体の場合でもそうでございますけれども、いわゆるインハウスでやらせていただいております。これは正直言って長い伝統の中で
建設省
自身も大変大きな技術者集団でございます。そういった中でインハウスでやるということになっておりますが、ただ昨今、いわゆる
補助
的な部分、単純な部分については秘密厳守の上で民間のコンサルタント等にも委託しているといった事実はありますけれども、いずれにしてもこれによって契約事務、積算事務がゆがめられることのないように、私どもこれはもう細心の注意を払ってやらせていただいておる次第でございます。 なお、金丸前議員の関連企業についての御質問でございますけれども、率直に申しまして、どのような企業があるか私ども承知いたしておりません。そういうことできょうの答弁はお許しいただきたいと思います。
鶴田六郎
209
○鶴田
説明
員 お答えいたします。 脱税事件の捜査の過程で金丸前議員自身の関連企業が公共
事業
を請け負っていたかどうかといった御質問がと思いますが、関連企業に関しましてはいろいろ報道がなされていることは検察当局も承知していると思いますけれども、何分にも御質問は捜査の過程でどのような事実を把握しているかといった問題でございますので、先ほども同じようなお答えをしてきたとおりで大変恐縮でございますが、そういった内容についてはお答えを御容赦いただきたい、このように考えております。
倉田栄喜
210
○倉田
委員
共同企業体の問題でいけば、確かにお互いに技術力を補完し合うという意味での共同企業体のあり方は適正かと思うのですが、ただ単に名目的に大手の企業と地方の業者とが合体をしてどこかで手数料だけ取ってしまう、そういうあり方であってはならないだろうと思いますし、そこからいわゆる政治
資金
が裏に流れるということもまた、
国民
の皆様から見れば不信の大きな一つであろう、こういうふうに思いますし、先ほどのインハウスの問題にしても、見積価格の問題、果たして公共
工事
の総額が本当にこれだけかかるのかどうか、これも厳正にこれからやっていかなければいけないのだろう、こういうふうに思います。そこで
国民
の皆さんの目から見たその金が政治家に流れているのではないのかということが、非常に大きな不信の日なのであろうと思います。 もう時間も少なくなってまいりましたので、最後にもう一度
建設
大臣
に、
建設
大臣
御自身の政治
資金
の透明性、御自身の一般論として適法、適正に処理をされているというふうにお答えになりましたが、
建設
大臣
自身の政治
資金
の透明性、御自分でどのようにきちんとできているとお考えになっておられますか。あるいは、その透明性を御自身でこれからどのように確保していくとお考えでしょうか。
中村喜四郎
211
○
中村国務大臣
お答えをいたします。 今、
国民
の政治に対する不信の高まりは、今日の民主主義のあり方の根底を問われるような厳しい
状況
になってきている、このように考えております。政治改革を考える上でも最も重要なことは政治腐敗の防止であり、そのために政治
資金
の公正性と透明性を高めることはぜひとも必要であると私は考えております。このような
観点
から政治
資金
規正法改正案を党がまとめたわけでありますので、緊急な課題であり、選挙制度の問題と密接に関連しておりますので、関連している提出された四法案が一括して早急に議論されることを基本的な考え方としております。 そして午前中も私自身の政治活動について若干触れさせていただきましたが、私は今まで十七年間政治活動をさせていただいてまいりましたが、その間に、いろいろ支障があるかもしれませんが、パーティーとか出版記念会あるいは祝賀会、こういったことを、現職のときはもちろんでありますが、議員のときもやらないで、そういう面では自分の政治活動というものには非常に厳しくしていかなければならない、このような考え方で自分としては今まで政治活動をやってきたつもりであります。
倉田栄喜
212
○倉田
委員
建設
大臣
のいわゆる政治団体、これは官報に掲載をされている分でございますが、その資料、これで全部なのかどうかちょっとわかりませんけれども、一応私は拝見させていただきました。その中に今回の
建設
業界からの献金の問題、
大臣
は適法、適正に処理をされているというふうにお答えでございますが、この
大臣
御自身の後援会あるいは政治団体においていわゆる大手ゼネコンの名前は一社も出てこないわけですね。間違っているのかどうか、私が
大臣
御自身の政治、後援団体を調べた範囲では、ともかく年間百万円を超えるという形で報告をされているのは一つもない。茨城県の
建設
業界は何社かございましたけれども、いわゆる大手ゼネコンからの政治献金としての形は、名前はあらわれてこないわけです。そうすると、適法、適正に処理をされているという
大臣
の御答弁のままですと、そして受け取っているということであるとすれば、いわゆる小口に、年間百万円以下に分散されているとしか考えられないわけでございますが、これでは果たして
大臣
自身の政治
資金
の透明性は確保されていると言えるのかどうか、非常に疑問だと思うのです。 私の今の質問、
大臣
御自身の後援会あるいは政治
資金
団体において大手ゼネコンの名前が一社も出てこないというのが事実かどうか、
大臣
どのように御認識になっておられるかをお伺いし、最後に、今
大臣
御自身、政治改革関連法案の実現を期する上で政治
資金
の問題も解明していきたいという話もございました。この問題は今国会で実現すべきだとお考えになるのかどうか、この点もお答えを願いたいと思います。そして最後の問題は
国土庁長官
にもお伺いをしておきたいと思いますので、ちょっと時間を超過してしまいますが、どうぞよろしくお願いをいたします。
中村喜四郎
213
○
中村国務大臣
政治
資金
の問題につきましては、先ほどから答弁させていただいていることを繰り返して恐縮でありますが、私の信条として広く薄くという考え方で対応してまいりましたし、今後もその基本方針を貫いていきたい、このように考えております。そして今後とも、
建設
大臣
として、また一人の政治家として、厳しく襟を正して、
国民
の皆様方から信頼される行政、政治の実現に向けて誠心誠意努力をしていきたい、このように考えております。 そして政治改革関連法案につきましては、現在自民党として政治改革関連四法案をまとめて国会に提出しているところであり、早期に
審議
をいただけるものであると考えております。四法案は抜 本的な制度改革に取り組もうというもので、自民党としてはベストなものであると考えておりますし、国会においてもいろいろな立場から論議がなされていくだろうと考えておりますが、政治に対する
国民
の信頼を一刻も早く回復するように、速やかに成果が得られることを望みたいと考えております。大いに議論をして与野党が歩み寄る中でこの問題が解決されるように、私も閣僚の一人として最大の関心と努力を払わなければならない、このように考えております。
井上孝
214
○
井上国務大臣
私も、今国会で政治改革関連四法案をぜひ通していただきたい、これが
国民
の政治不信を解消する第一歩だと思っております。 なお、私は参議院議員でございますので一言申し上げますが、参議院はただいま与野党逆転でございます。野党の方が多いという
状況
でございます。ただいま
建設
大臣
がおっしゃいましたように、与野党間で十分お打ち合わせの上しかるべき成案を送っていただきたい、こう思っております。保
倉田栄喜
215
○倉田
委員
建設
大臣
の御答弁でございますが、
建設
大臣
御自身の後援会あるいは政治団体、その透明性はどうも必ずしも確保されてないな、こういうふうな印象を受けてなりません。お互いに政治家として政治と金の問題をすっきりできるように、
国民
の皆さんの目から見ても政治家が裏と表をつくることがないように、そういう政治改革、今回の法案をぜひとも議論をしながら
国民
の皆さんに
説明
できるものをつくり上げていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 以上で終わります。
貝沼次郎
216
○
貝沼委員長
次に、
寺前
巖君。
寺前巖
217
○
寺前
委員
せっかくゼネコンをめぐる話が出ておりますから、幾つか引き続き私も聞かせてほしいと思います。時間の都合がありますのでいろいろ聞くわけにはいきませんが、しかし、金丸前議員の巨額脱税、不正蓄財事件に端を発したゼネコンのやみ献金の問題というのは、
建設省
として、あるいは
国土庁
としても、検察の問題は検察の問題、みずからの問題はみずからの問題としてメスを入れていただく必要がある、私はそう思っております。 四月二日の東急
建設
の五島社長の記者会見を読んでいたら、こういうのが出ていました。金丸氏に対して一番大きな提供だったのが九一年二月の山梨県知事選挙に際しての献金で、「選挙前に金丸氏側から数回要請され、巨額な金を出した。やむなく使途不明金として処理した」と述べているし、鹿島
建設
の宮崎社長も同日の記者会見で、「東京地検に調べられたのだから、使途不明金として処理されている献金もあったと思う」。皆こうやって、ゼネコンが使途不明金でもって莫大な金を出しているということが次々と今明るみになってきていると思う。 ですからそういう意味では、主管庁としての
建設省
が、
建設
業法に基づいて主管するわけですけれども、やみ献金をやっているところの
事業
体に対して公共
事業
の指名入札などといって仕事をやらせていいもんかいな。地方の小さい自治体だったら、もう即決のごとくにしてそういう問題に対する対応をしていると思うんです。ところが国の場合にそういう問題がすかっとしない。これはもう
国民
が疑問に思っている一つであろうと私は思うんです。さっきも、
建設省
、何か調査をやるみたいな話をしておるけれども何かすっきりしない。 問題は、
建設省
だって八四年三月二十九日に、地方支分部局所掌の
工事
請負契約に係る指名停止等の措置要領というのが出されていますよ。この通達の別表第二の十を見ると、「
業務
に関し不正又は不誠実な行為をし、
工事
の請負契約の相手方として不適当である」、こういうふうにちゃんと明確に書いてある。これだけの大問題になってきているときだから、そういう立場からゼネコンの分野について、捜査当局とは違いますといってもこういう気迫を持って臨まなかったら、この立場に立つところの調査をやらなかったら、
国民
の批判は避けて通ることはいつまでもできないと思うのです。かって三井
建設
の問題で大問題になった、そのほかいろいろ問題になってきているだけに、いつまでも続くこの体質を基本的に正そうと思ったら、
中村建設大臣
のときにそういう決意をやって、そして調査をやったんだということが明らかになってこなければあかんと私は思うんです。 このゼネコン各社のやみ献金が政治
資金
規正法などに抵触するようなことになっていくならば指名業者としての停止をするんだという立場から、調査を
建設
大臣
おやりになりますか。いかがですか。
望月薫雄
218
○望月(薫)政府
委員
指名停止のことについて御質問ございましたものですから、ちょっと私からお答えさせていただきます。 指名停止、
先生
御
指摘
のとおり私ども通達を出しております。これは、中央関係省庁なり公団等がメンバーになっております中央公共
工事
契約制度運用連絡協議会、私ども中央公契連と申しておりますけれども、こういったところで共通的なモデルをつくりまして、それによって指名停止要領というのを策定して具体的な発動をしております。これは御案内でございましょうけれどもいわゆる行政処分ではないわけでございますが、当然のように相手方に大変大きな影響を及ぼすということから明確にその理由を列記しておりまして、それに該当する場合に指名停止を行う、こういった仕組みであるわけです。 そういったことで、
先生
もう御存じですから省略いたしますけれども、特に別表の十号に「不正又は不誠実な行為」というのがございます。ただ、これをごらんいただきますとわかるとおり、
業務
に関し不正または不誠実な行為を行ったというときをその事由にいたしておりまして、今の御
指摘
のような問題が
業務
に関してというふうに言い切れるかどうかということが一つ基本的にあります。それから、なおもっと言わせていただきますと、この問題について現在まだ具体的な結論が出ていない、こういう次第でございますので、私どもとしましては今後の推移を見守りながら、
業務
に関してかどうかということも含めて念査しながら対応していく必要がある、こんなふうに考えておるところでございます。
寺前巖
219
○
寺前
委員
大臣
が余計おったら困るんやわ。私は
大臣
に聞いておるんや、話は。事務を聞いているのと違う。要するにどういう態度で今の
事態
の問題に対処していくんだということを聞いているんです。事務的に処理をこうしていますのやということを聞いているんじゃない。 そこで
大臣
に。さっきも言ったように、東急
建設
の社長にしたって鹿島
建設
の社長にしても、ゼネコンの社長さんたちが次々と、今の使途不明金という形で処理してきましたんやということを言っているんだよ。ごまかしをやってきましたということや。だから、ごまかしをやってきたということを言われていて、そういうところに公共
事業
を発注するのかい。そんなことではおかしいじゃないか。いずれにしたって指名を拒否するという気迫でもって調査をしなかったら、調査調査いったって何を調査するんやということになるじゃないか。はっきりする必要あるよ。 といって私は、ないしょでやったことを全部すべてどうのこうの、それはもう法にはひっかかりませんとかいろいろあるのでしょう。あるだろうから、そこはそれこそ
建設
大臣
としてちゃんと事務的に処理して、こういう範疇からは指名入札はもうさせぬというような基準をつくってやるとか、調査の仕方も何かそういう気迫がなかったならば
国民
は納得しませんよということを言っているんです。
大臣
、どうですか。
中村喜四郎
220
○
中村国務大臣
お答えいたします。
建設
業界が不正な政治献金を行ったのではないかという厳しい批判を受けているということは
建設省
としても重く受けとめております。御
指摘
をいただいた会社の献金が政治
資金
規正法違反の献金となるかどうかは、しかるべき機関が判断する問題であり、私としてはコメントをできる立場にはございません。ただ、今般日建連、全建では政 治
資金
規正法に違反する一切の献金を行わない旨表明しているところであり、私としては、今後その内容が会員企業に速やかに徹底されることを強く期待しております。 そして、三月二十九日に
建設
大臣
談話及び
建設省
の対応方針を発表いたしましたし、その中で、業界に対して企業活動の
適正化
、企業倫理の確立を強く要請したところでございます。今後
建設省
としては、
建設
業を一般的に
指導
育成するという立場から、団体、関係企業に対して、
事業
活動の実態、会計処理、会費の徴収方法等についてヒアリングを行い、その結果を踏まえて業界の企業倫理の確立のために
指導
していきたいと考えております。できるだけ早い機会にそのことを
実施
していこう、このように考えております。
寺前巖
221
○
寺前
委員
それではもう一度
大臣
に聞くけれども、いわゆるやみ献金の政治
資金
規正法にひっかかるようなことをやっている場合には、それはこれから指名入札から外しますな。その点はどうです、
大臣
。
中村喜四郎
222
○
中村国務大臣
建設省
の調査は、先ほどから政府
委員
が答弁さしていただいておりますように、個別の
事項
の事実関係の究明のために行うものではなく、
事業
活動の
適正化
や企業倫理の確立等、一般的な
指導
のために行うものであり、個々の献金の実態まで調べることは考えておりません。なお、個々の
建設
業者が政治
資金
規正法に違反したかどうかについては、しかるべき機関が判断すべきであり、その判断を踏まえて必要な対応を図っていくべきである、このように考えております。
寺前巖
223
○
寺前
委員
必要な態度として、指名の停止も含まれているというふうに理解してよろしいか、今
大臣
がおっしゃったのは。
望月薫雄
224
○望月(薫)政府
委員
先ほども御答弁申し上げたところでございますけれども、現在私どもが持っております指名停止要領というのはかなり厳格なものである、こう理解いたしておりますが、それであるがゆえに、いわゆる措置基準というものがはっきり書かれているわけです。先ほども申しましたけれども、
業務
に関し不誠実な行為、こういうふうになっているわけでございまして、これをむやみやたらに拡大運用することがいいかどうかという問題が一つ基本にございます。
先生
の今のお話はお話として承らしていただいているわけでございますが、私ども
建設省
としましては、これまで何遍も御答弁さしていただいておりますけれども、今省内に入札手続改善検討
委員
会、こういったものをつくって、全省的な研究、検討に取り組ましていただいております。そういった中で、どういうことがあるのかな、できるのかということを真剣に考えさしていただきますが、いずれにしましても、指名停止要領を直ちにこの条項で適用するということについてはかなり問題がある。 なお、先ほど申しましたように、本件については、まだまだ
事態
がどういうふうになるのか正確なところを承知していないということも含めまして、これからもろもろの問題、幅広く研究さしていただきたい、こう考えております。
寺前巖
225
○
寺前
委員
真剣に考えると言うのだから考えてもらうことにしましょう。しかし、本当にこれだけ続いてきているのに、
建設省
がメスを入れることをみずからの責任としておやりにならなかったら、
国民
の批判はこれで済まないと私は思います。なぜ
国民
的に不信がいつまでも消えないのか、私は、積極的に打って出ようとしないという姿勢があるだけに、この際に改めて強調しておきたいと思うんです。 三月二十六日の新聞を読んでおりましたら、ゼネコンの大手の清水
建設
が、毎年盆と暮れに百人近い政治家に対して、額を五ランクに分けて献金をやっていたというような記事が載っていました。中村
大臣
はBランクやということが書かれておりましたけれども、清水
建設
とのおつき合い、献金を含んで、あるんですか。
中村喜四郎
226
○
中村国務大臣
先ほどから答弁さしていただいておりますように、私は、政治活動を政治献金含めまして薄く広くということで、この点については、
大臣
としての現在もこれからも変わりございません。献金につきましては、報告を受けた結果、複数の企業から献金を受けているということで、いずれも政治
資金
規正法に基づき適正に処理されているという報告を受けております。 なお、報道された清水
建設
のランク表については、私としては全く関知しておりません。
寺前巖
227
○
寺前
委員
私はそんなところまで聞いておらへんのです。BランクにするかAランクにするかは清水
建設
の側の問題でして、
大臣
の知ったこっちゃない、私はそう思いますよ、それは。
国土庁長官
は、
建設
事務次官や自民党の道路調査会副会長などを歴任してこられました。一般的に
建設
族というふうに見られているお一人じゃないかと思いますけれども、ゼネコンとのおつき合いはあるんですか。
井上孝
228
○
井上国務大臣
私は、国会に出させていただいたのが昭和五十五年でございますが、そのとき以来、政治団体を二つ持っております。そのうちの一つの新政策研究会というところに、ゼネコンを含む
建設
関係の業界が多数、会員として入っていただいておりますが、一口月一万円ということでございますが、三口以上はいただかないということで今日までずっと続けさしていただいております。
寺前巖
229
○
寺前
委員
それで中村
大臣
にちょっとお聞きしますが、知ったことじゃないかもしれませんが、薄く広くおつき合いをしておられるようですから、それじゃ、この献金額は一体何ぼもらっておられることになっておるんですか。
中村喜四郎
230
○
中村国務大臣
繰り返しになって本当に申しわけないのですけれども、私は、政治献金は薄く広くということで今までもいただいておりますので、これからもその考え方は変わらないでやっていきたいと思っております。
寺前巖
231
○
寺前
委員
Bランクというと、報道によるならば三百万円と書いてあるんですね。そうすると、一社で出すのは、限度額は、政治団体には百五十万が上限ということになってくると、違法献金ということになるんじゃないだろうか。これ一体何は出しておられるのか、もらっておられるのかということが気になる。同時に、あなたの政治団体を見ると、自治省届け出の方では、喜友会とか長期医療政策懇話会とか大喜会とかいうのがあります。この政治団体のどこで処理されたんだろう。ちょっと探してみたんだけれども見当たりませんので、そこはどうなっているんですか、金額といい、それと……。
中村喜四郎
232
○
中村国務大臣
先ほどから答弁させていただいておりますように、清水
建設
のリストなるものについて私は関知しておりませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
寺前巖
233
○
寺前
委員
しかし、ああやって報道までされた以上は、内容的には、国会とかいろいろなところでもおっしゃっていますけれども、やはり
国民
の前に明らかにしなかったならば疑惑は残っていく。しかも、
建設
業界を所管するところの
建設
大臣
である以上は、
建設
業界との関係において、ここからこういうふうにもらっていますんやということを明らかにしなかったら不信はますます募るんじゃないでしょうか。これからも引き続きもらっていかれるつもりなんだろうか、そんなことで主管
大臣
としていいんだろうか、これは
国民
が率直に思う点ではありませんか。いかがですか。
中村喜四郎
234
○
中村国務大臣
政治
資金
規正法に基づいて適正に処理してまいりましたし、献金の内容については同法に基づき報告も行っており、それ以上の点について申し上げる必要はないと考えております。
寺前巖
235
○
寺前
委員
何ぼの金をどの団体に入れてあるさかい、ここを見てもらったらわかりますと言うんだったら、ああそう、なるほどね、適正におやりになってますなということになるでしょう。しかし、あそこまで新聞に書かれてしまって、ランクのところに名前まで書かれてきたら、みずから明らかにしななんだら、しかも
建設
業界との関係、ゼネコンとの関係が出てきた以上は、それはみずから明らかにされるのは当然だ。私は、反省を強 く求めたいと思います。 ちょっと時間の都合がありますので、あと十分余り違う問題についてお聞きをしたいと思います。 厚生省、お見えですか。——これは厚生省が所管し、監督している公益法人の一つで、財団法人日本分栄協会というのがありまして、きょうは私、
国土庁
がお見えになっているから、
国土庁
の問題に限って聞きたいと思うんですが、しかしそれだけ言うとってもわかりませんものですから、ちょっと御紹介しておきますと、「
業務
内容」というパンフレットがあるんです。このパンフレットを見ておりますと、昭和四十二年二月に設立されて、原口さんというお方はなかなかの希望を持っておやりになったようです。勤労者のための豊かな生活
環境
をつくり、良質で低廉な
住宅
の供給を目標に地道な努力を重ねてきて、二十年間に約七十六万平方メートル、約一千戸の宅地造成、
住宅
供給を実現させることができました、このように書いてある。 そこで調べてみると、年金福祉
事業
団を通じて約二百三十七億円、九一
年度
末の
貸付残高
が百三十一億円となっているんですね。 私のところに問題を持ち込まれた方は、同協会のサンライフ春日居
事業
について問題を持ち込んでこられた。何を言われるかというと、山梨県の東山梨郡春日居町にサンライフ春日居というのを
建設
して現在販売していると階建て一棟九十七戸の分譲マンションをめぐっての問題なんです。 何かというと、この請負
事業
をやっておられるのは、金丸事件で東京地検の捜査を受けた準大手ゼネコンの
佐藤
工業、その
佐藤
工業の下請が山梨県の井尻工業、井尻工業というのは望月県政誕生の勝ち組企業として十二年間に急成長した企業だ。井尻工業の河野氏と太平物産の山野氏、YKと呼ばれて、金丸氏を含めてYKKと呼ばれ、県発注公共
事業
の采配を振るっているということで、東京地検でも最近捜査を受けておられるわけです。 捜査の関係とこれとは関係ないんですが、日本分栄協会のサンライフ春日居
事業
をめぐって、この
土地
を提供している地権者Y氏と日本分栄協会との間の
土地
売買を見ると、契約年月日は
平成
三年四月十五日、契約金額は三億三千三百万円、内訳は、
土地
が二億四千五百五十万円、工作物が三百万円、鉱泉源が八千四百五十万円。地権者への契約金支払いの形式は、地権者Y氏に対して、
平成
三年四月十二日に第一勧銀の四谷支店にある協会の口座から第一勧業銀行甲府支店の協会の口座に振り込まれ、四月十五日に同甲府支店発行の小切手に換金されY氏に渡ったというふうになっているわけなんですね。 それで、この問題をめぐって聞きたいんですが、そこまでの私の認識は間違いございませんね、厚生省。
吉武民樹
236
○吉武
説明
員 お答え申し上げます。 日本分栄協会は、ただいま
委員
のお話ございましたとおり、昭和四十二年に設立がされまして、年金の被保険者のための分譲
住宅
を、年金福祉
事業
団から融資を受けまして、良好な
住宅
を供給するということで設立された公益法人でございます。 それから、日本分栄協会に対しますこれまでの融資
実績
でございますが、昭和五十一年以来十五カ所の分譲
住宅
事業
につきまして約二百三十七億円の貸付
決定
を行っておりまして、三
年度
末現在の
貸付残高
は百三十一億円でございます。 それから、ただいまお話がございました日本分栄協会が
整備
しておられますサンライフ春日居の
事業
につきまして、用地を
取得
いたしました際に、日本分栄協会と地権者の方との間の売買契約でございますが、
平成
三年四月十五日に売買契約が結ばれたというふうに私どもは承知しております。その内答につきましては、(
寺前
委員
「私の提起した問題、間違いがあるかないかだけ言ってください」と呼ぶ)その価格でございますが、総額三億三千三百万円でございます。 それから、私どもの方でも、昨年来
先生
の秘書の方からもお尋ねがございましたので、日本分栄協会の方からもいろいろお話を伺っておりまして、私どもの方では日本分栄協会から御提出していただきました普通預金の通帳で確認をいたしておりますが、
平成
三年四月十二日に山梨の支店の方に日本分栄協会の支店の方から三億三千三百万円の
資金
の移しがございまして、
平成
三年四月十五日に振りかえで三億三千三百万の
支出
がされております。銀行振り出しの小切手により地権者に対しまして支払われたものというふうに聞いております。
寺前巖
237
○
寺前
委員
だから、わしの言っておるのは間違いないやないか。そう言ってくれたらええ。 それで問題は、
平成
三年四月十二日に第一勧業銀行四谷支店にある協会口座の原資になった三億三千万はどこから振り込まれたか。聞きたいのはそれなんだ。——知らないんだったら知らないでいいんだよ。
吉武民樹
238
○吉武
説明
員 私どもの方では、そこの原資まで把握をいたしておりません。
寺前巖
239
○
寺前
委員
そこで、内部告発じゃございませんけれども、関係者が持ち込んできたものを見ると、三和銀行大塚支店の普通預金通帳の写しを私も見せてもらっているわけですが、その預金口座に春日居
事業
のために設けたと見られるものがちゃんと出てくるんです。預金口座には
平成
三年四月十二日に三億三千万円が振りかえ出金されている。つまり、この三和銀行大塚支店の口座から、私が先ほど
説明
した第一勧業銀行四谷支店の口座に三億三千万円が振り込まれているということになるわけだ。 ところが不思議なことに、同じ日の口座を見てみると、三和銀行大塚支店の口座の中に、そこから出金振りかえをやっているのに一億四千七百万円という金が出てくる。それで関係者の間では言われているんです。何が言われているかというと、このお金は裏金としてY氏に渡っているんだ。 知っていますか。
吉武民樹
240
○吉武
説明
員 私どもは承知しておりません。
寺前巖
241
○
寺前
委員
知っていたら大変なことやと私は思うんです。 というのは、一億四千七百万円の、地権者Y氏に何でそういうことをしなければならないのかというと、ここで
国土庁
がかんでくるわけなんです。協会がこのような手の込んだやり方をするのは、高い価格の
土地
取引を行うことができないように山梨県の知事から勧告通知が出されないようにするために、すなわち国土法の不勧告通知の金額を上回る額の取引ができないわけなんだ。だから、三億三千万円だったらいいけれども、それ以上の金を回すということになると国土法違反という問題にひっかかってくるんだ。
国土庁
にお聞きしますけれども、不勧告通知金額以上の
土地
取引が行われていれば明らかに国土法違反になると、常識的に私はそう思うんですが、間違いありませんわね。
原隆之
242
○原
説明
員 お答えいたします。 国土
利用
計画
法による届け出勧告制度と申しますのは、
土地
に関する権利の移動に関する契約をしようとする場合に、あらかじめ当事者の氏名それから契約の締結の
予定
価格等をお届けいただきまして、
利用
目的の
観点
、それから価格の
観点
から、適正かどうかを都道府県知事において判断しようとするものでございます。 したがいまして、一の契約
予定
の事柄に関しまして届け出をなします、それに対しまして不勧告の通知が
審査
の結果なされます、それと別の契約をしようとするのであればもう一度届け出をしていただくというのが法律の趣旨でございます。
寺前巖
243
○
寺前
委員
そこで、私の調査の範囲では、明確に国土法の不勧告通知金額以上の
土地
取引が行われておる、私はそういうふうに思うので、国土法違反のままで、厚生
大臣
が
指導監督
している年金福祉
事業
団の公的
資金
を使って
事業
をやっているということを許しておくならば、これは大変な問題だ。預金通帳など資料に基づいて私も調査した結果を言っているんですから、厚生省として調査 をして、そしてこの問題について私は明らかにしてほしい。 問題はこれだけじゃないんです。引き続き私は
決算委員会
の厚生省の部門のところでまた他の問題も問題にしますが、八四年四月二十五日の衆議院
決算委員会
でこの団体の問題は問題になっているんですね。常識外れの交際費使用や空出張、年金福祉
事業
団元
課長
に対する接待、贈答問題などいろいろあったんです。 だから、その問題についてはまだの機会にさせてもらいますけれども、いずれにしたって、きょうせっかく
建設省
、
国土庁
の
決算
の分野であったから、この国土法をめぐるやり方として
土地
の高騰を抑えるためにそういう申請制度までやって、そして進めているものを、裏金で高い金額にして売っておったということになってくると、事は非常に重大だし、そしてその結果は入居者の分譲価格にも影響してくる問題ですので、私は、厚生省としてこの問題についてはぜひ調査をやってほしいということを提起をしたいと思うんですが、いかがですか。
吉武民樹
244
○吉武
説明
員 既に昨年の九月以来、
先生
の秘書の方からそういう旨のお話がございまして、私どもは労労協会から何度も話を聞いております。そこで現在まで私どもが聞いておりますところでは、日本分栄協会は決してそういうことはないということをおっしゃっておられますが、なお念のために、今
先生
のお話もございますので、もう一度よく事情を聞いてみたいと思っておりますが、私どもの今まで聞いておりますところでは、そういう事実はないというふうに聞いております。
寺前巖
245
○
寺前
委員
もう時間ですからやめますけれども、その預金通帳などを見てもらったら明らかに別に出ている金の問題が出てきますから、だからそういう点を含めて調べられたら、これではなということにお気づきになるはずです。あえて問題を提起して、終わらせてもらいます。
貝沼次郎
246
○
貝沼委員長
次回は、来る十二日月曜日午前十時五十分
理事
会、午前十一時から
委員
会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会