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1993-02-17 第126回国会 衆議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成五年二月十七日(水曜日)     午後零時二十分開議 出席委員   委員長 森田  一君    理事 今枝 敬雄君 理事 今津  寛君    理事 亀井 善之君 理事 佐藤 敬夫君    理事 村田 吉隆君 理事 緒方 克陽君    理事 常松 裕志君 理事 東  順治君       小里 貞利君    坂本 剛二君       関谷 勝嗣君    二階 俊博君       橋本龍太郎君    平泉  渉君       古屋 圭司君    星野 行男君       増子 輝彦君    宮路 和明君       阿部 昭吾君    小林 恒人君       左近 正男君    細川 律夫君       山中 末治君    浅井 美幸君       西中  清君    佐藤 祐弘君       高木 義明君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 越智 伊平君  出席政府委員         運輸政務次官  武部  勤君         運輸大臣官房  豊田  実君         運輸大臣官房会 楠木 行雄君         計課長         運輸省運輸政策 大塚 秀夫君         局長  委員外出席者         運輸委員会調査 長岡日出雄君         室長     —————————————  委員の異動 二月十七日  辞任         補欠選任   衛藤 晟一君     宮路 和明君 同日  辞任         補欠選任   宮路 和明君     衛藤 晟一君     ————————————— 二月十六日  船舶安全法の一部を改正する法律案内閣提出  第三〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  陸運海運及び航空に関する件等運輸行政の  基本施策)      ————◇—————
  2. 森田一

    森田委員長 これより会議を開きます。  陸運海運及び航空に関する件等について調査を進めます。  この際、運輸大臣から運輸行政基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。運輸大臣越智伊平君。
  3. 越智伊平

    越智国務大臣 第百二十六回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し、所信を述べ、各位の御理解と御支援を賜りたいと思います。  我が国をめぐる経済社会情勢は、国民意識高度化多様化国際化の一層の進展、高齢化社会への移行等の一方で、地球環境問題等環境制約増大するなど大きな変革の過程にあります。また、最近の経済情勢を見ましても、バブルの崩壊による資産価格の大幅な下落等もあり、依然として厳しい状況にあると考えられます。  このような状況において、国民一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感できる「生活大国」を実現していく上で、日常生活経済活動基盤となる運輸の果たす役割はまことに大きなものがあります。私は、このような運輸の使命の重要性を認識し、交通安全の確保基本としつつ、陸・海・空にわたり「生活大国」にふさわしい交通体系形成運輸産業経営基盤確立を目指した運輸行政を積極的に展開してまいります。  以上申し上げました基本的考え方にのっとり、当面する諸問題につきましては、次のとおり所要施策推進してまいる所存であります。  まず第一に、交通関係社会資本整備等を通じた豊かさとゆとりを実感できる国民生活実現であります。  鉄道につきましては、鉄道整備基金による補助の拡充や無利子貸付制度活用等により、幹線鉄道及び都市鉄道整備等推進してまいります。  特に、整備新幹線に関しましては、政府与党申し合わせに従い、北陸新幹線高崎−長野間、東北新幹線盛岡−青森間、九州新幹線八代−西鹿児島間及び北陸新幹線石動−金沢間について、今後とも着実に工事を進めるとともに、北陸新幹線糸魚川−魚津間についても着工のための事業費を計上し、その整備を図ってまいります。  また、大都市圏における通勤・通学の混雑及び長時間化に対する対応策につきましては、輸送力の増強を引き続き進めるとともに、時差通勤拡大促進に努めてまいります。  次に、空港につきましては、第六次空港整備五箇年計画に基づき、中長期的な航空需要増大対応しつつ、航空ネットワークの量的及び質的な拡充等が図られるよう、新東京国際空港の二期施設完成東京国際空港沖合展開完成及び関西国際空港開港の三大プロジェクトを最優先課題として引き続き推進するとともに、地方空港についても新設、滑走路延長等所要空港整備推進してまいります。  特に、新東京国際空港につきましては、昨年十二月より新たに第二旅客ターミナルビルの供用が開始されましたが、今後は、残る二本の滑走路等の二期施設完成最大課題であります。これにつきましては、いわゆる成田空港問題の解決に向けて、一昨年の十一月から地元で開催していただいております「シンポジウム」等の場を通じ、地元の方々の御意見を承りながら、解決の道を求めて努力しているところであります。今後とも、この流れを大切にしながら、話し合いによる解決に全力を尽くしてまいる所存であります。  港湾につきましては、第八次港湾整備五箇年計画に基づき、外貿コンテナターミナル等輸入関係インフラ整備モーダルシフトの受け皿となる内貿ターミナル整備を初め、マリーナ、緑地等整備により、豊かで潤いのあるウオーターフロントの形成等に努めてまいります。また、海岸につきましても、第五次海岸事業五箇年計画に基づき、着実にその整備推進してまいります。  地域住民日常生活を支える地域交通維持整備につきましては、都市におきまして、都市バス活性化対策推進するとともに、地方におきましては、地方バス中小民鉄離島航路等に対する助成等を行ってまいります。  以上のような交通施設等整備に当たっては、乗り継ぎの利便や高齢者障害者等利用にも配慮するなど、利用者の視点に立った施策推進を心がけてまいります。  豊かさとゆとりを実感できる国民生活実現にとって、観光の果たす役割もますます重要なものとなってきております。このため、中央及び各地方ごと観光振興に関する具体的施策の提言を行う「観光立県推進会議」の開催や地域に伝わる伝統芸能活用等により、国内観光振興を図ってまいります。  また、気象情報に寄せられる国民の要望の多様 化等対応し、時代の要請に適合した気象サービス高度化を図ってまいります。  第二に、国際化の一層の促進国際社会への貢献であります。  産業国民生活両面にわたる本格的な国際化時代を迎え、我が国を中心とした国際的な人と物の流れが活発化しており、国際交通網の一層の整備充実が強く求められております。  このため、既に述べました空港港湾の着実な整備を進めることにより旅客交通及び貨物流通にわたる国際輸送ネットワーク整備を図ってまいります。特に、国際航空につきましては、市場原理を反映したより弾力的な運賃政策を進めるとともに、国際航空ネットワーク充実に努め、当面平成六年開港予定関西国際空港への乗り入れを希望している国々との航空交渉を最優先推進してまいります。また、地方空港発着国際チャーター便促進国際線開設等により、地方空港国際化を進めてまいります。  さらに、輸入促進を図るため、港湾または空港及びその周辺に設けられる輸入促進地域等において、荷さばき、保管、流通加工等を行う総合輸入ターミナル等輸入促進に寄与する施設整備を着実に推進してまいります。  国際観光につきましては、日本人海外旅行及び外国人訪日旅行の双方向の観光交流拡大を図り、国際間の相互理解を高めるため、個性豊かな海外旅行商品開発等を進めるとともに、外客宿泊ニーズ変化対応した登録ホテル・旅館の整備を図ること等により、外客接遇の一層の充実を図ってまいります。  また、外航客船旅行に関しましても、その健全な発展を図るための施策を引き続き推進してまいります。  国際社会への貢献につきましては、開発途上国ニーズを十分把握しつつ、鉄道空港港湾等輸送インフラ整備に関する協力を引き続き推進するとともに、運輸分野における開発途上国人材養成環境保全に関する協力等についても積極的に取り組んでまいります。  また、ガット・ウルグアイ・ラウンド・サービス貿易交渉について、最終合意に向けて積極的に対応するとともに、二国間運輸ハイレベル協議等を通じて円滑な国際運輸行政推進を図っていく所存であります。  第三に、地球環境問題を初めとする環境問題への対応であります。  地球温暖化オゾン層破壊海洋汚染等の地球環境問題や窒素酸化物による大気汚染等の公害問題への対応は、重要な課題であります。  このため、交通分野における二酸化炭素、窒素酸化物排出総量の大宗を占める自動車輸送において、排出ガス規制燃費基準強化、低公害車普及等対策を総合的に進めるとともに、環境負荷の少なくエネルギー効率も高い鉄道海上輸送へのモーダルシフト等推進し、環境に優しい交通体系形成を進めてまいります。  また、地球温暖化及びオゾン層破壊につきましては、観測監視体制充実強化、そのメカニズムの解明のための調査研究等を進めてまいります。  さらに、運輸省はかねてより、ASEAN海域における油流出事故に対する防除体制強化のための国際協力船舶からの油流出防止技術研究開発等を進めてきたところでありますが、最近における相次ぐタンカー事故発生にかんがみ、国際海事機関等国際的な場での積極的な対応を含め、こうした取り組みをさらに充実強化してまいる所存であります。  また、物流部門につきましては、環境面からもその効率化が求められているところであります。このため、さきに述べましたモーダルシフト推進するとともに、トラックの積み合わせ輸送推進、車両総重量規制緩和物流拠点整備等により、物流効率化を進めてまいります。  第四に、経済社会変化対応した運輸産業の健全な発展であります。  まず、海運につきましては、内航海運業におきまして、構造改善対策推進船腹調整制度の機動的・弾力的な運用、内航船近代化推進等を進め、また、外航海運業におきましても、近代的な外航船舶整備促進日本船への混乗の推進等により、日本船国際競争力強化するとともに、経営基盤確立を図ってまいります。  船員問題につきましては、船員雇用の安定と確保のための対策推進するとともに、国際規制強化に伴う漁業離職船員対策を講ずるほか、労働時間の短縮等労働条件改善を図ることとしております。  造船業につきましても、引き続き、長期的な需給の安定化産業基盤整備等、魅力ある造船業づくりのための施策推進するとともに、特に、経営基盤が脆弱な中小造船業につきまして構造改善推進してまいります。  航空につきましては、企業間の適正な競争促進し、利用者サービスの向上を図っていくため、国際線複数社化、国内線におけるダブル・トリプル化等施策を今後とも進めてまいります。  将来の運輸産業発展のかぎとなる技術開発につきましては、安全の確保基本としつつ、利用者多様ニーズに適切に対応し、着実に推進していく必要があります。このため、超電導磁気浮上方式鉄道テクノスーパーライナー等研究開発を進めてまいります。  国鉄改革に残された最大課題である国鉄長期債務の処理につきましては、極めて厳しい状況にありますが、地方公共団体等による清算事業団用地先行取得促進のための利子補給措置随意契約要件緩和上限価格つき入札拡大不動産変換ローン投資家への低利融資等の成果を生かしつつ土地処分促進を図るとともに、JR株式については、四年度は売却を見送ることとされましたが、五年度においては売却すべく準備を進めてまいることとしております。  また、自動車交通につきましては、最近における諸情勢変化対応するとともに、昨年六月の臨時行政改革推進審議会答申を踏まえ、現在、今後のタクシー事業のあり方及び自動車検査点検整備の見直しについて、それぞれ運輸政策審議会及び運輸技術審議会の場で御審議いただいているところであり、この結果を踏まえ適切に対処していく所存であります。  なお、佐川急便グループに対しては、輸送の安全の確保等についで、今後とも適切に指導してまいります。  第五に、安全な生活確保であります。  交通安全の確保運輸行政基本であり、事故防止に万全を期すことは最重要の課題であります。しかしながら、昨年の関東鉄道島原鉄道等における列車事故発生道路交通事故死者数増大などまことに憂慮すべき状況にあります。このため、第五次交通安全基本計画に基づき、陸・海・空にわたり基本動作の励行の徹底等運行管理体制充実交通安全施設整備等を行うとともに、自動車安全基準拡充強化プレジャーボート等小型船舶安全基準検査体制適正化等を図ることにより、交通安全の確保に最善の努力をいたしてまいる所存であります。また、交通事故被害者救済対策充実に努めてまいります。  次に、災害対策につきましては、気象観測・予報、地震観測・予知及び火山観測等気象業務体制海上防災体制充実等に努めてまいります。  特に、雲仙・普賢岳につきましては、観測監視体制を継続し、防災対策に万全を期すこととしております。また、先般の釧路沖地震によって、港湾鉄道等にも大きな被害が生じたところであり、現在、港湾施設等について引き続き復旧に努めているところであります。  海上保安体制充実強化につきましては、船舶航行安全体制確立警備救難体制強化海洋調査充実強化等を図るため、巡視船艇航空機等整備、「海上における遭難及び安全の世界的な制度体制整備等海上保安通信体制整備を行うとともに、船舶交通安全確保を図るため、航路標識整備を引き続き推進してまい ります。  このほか、運輸行政をめぐる課題は数多くありますが、私は、長期的展望に立ちつつ、各課題解決に向けて積極果敢に取り組んでまいる所存であります。  以上、運輸行政の当面する諸問題につき述べましたが、これらは申すまでもなく委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりでございます。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。(拍手
  4. 森田一

    森田委員長 次に、平成五年度運輸省予算について、運輸政務次官から説明を聴取いたします。運輸政務次官武部勤君。
  5. 武部勤

    武部政府委員 平成五年度の運輸省関係予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計につきまして申し上げますと、歳入予算総額は二十六億九千九百万円、歳出予算総額は、他省所管計上分一千三百六十七億九千九百万円を含め九千九百九十一億一千三百万円をそれぞれ計上いたしております。  なお、一般会計歳出予算は、平成三年度まで産業投資特別会計において日本電信電話株式会社株式、いわゆるNTT株の売り払い収入活用しで行ってきた事業のうち、当該売り払い収入以外の財源をもって一般会計において行うこととされたもの、いわゆるNTT事業一般会計への振替分及び平成五年度より償還が始まるNTT事業償還財源分を含めると一兆七百十四億九千七百万円となっております。  次に、特別会計につきまして申し上げます。  自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては、歳入予算額三兆四千七百四十七億二千万円、歳出予算額七千三十六億五千六百万円、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額四千九百三十億二千二百万円、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入予算額四百七十億一千四百万円、歳出予算額四百三十四億百万円、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額五千二百八十三億六千二百万円をそれぞれ計上いたしております。  また、平成五年度財政投融資計画中には、当省関係公団等分として二兆七千二百二十三億円が予定されております。  このほか、民間事業者の能力の活用による施設整備事業に要する資金の一部について、NTT株売り払い収入活用した日本開発銀行等からの無利子貸付等民間事業者に対して行い、これにより運輸関係社会資本整備を図ることといたしております。  運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、鉄道整備推進、日本国有鉄道清算事業団の長期債務対策運輸関係社会資本である空港港湾及び海岸整備地域における公共交通維持整備海運造船及び船員雇用対策観光交流拡大観光振興国際社会への貢献貨物流通対策運輸関係技術開発推進海上保安体制及び気象業務体制充実強化交通安全対策環境対策等各般にわたる施策推進してまいる所存であります。  運輸省関係予算の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。  以上をもちまして、平成五年度の運輸省関係予算につきましての説明を終わります。ありがとうございました。(拍手
  6. 森田一

    森田委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、来る二十三日火曜日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十四分散会