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1993-02-18 第126回国会 衆議院 安全保障委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
五年二月十八日(木曜日) 午前十時五分
開議
出席委員
委員長
志賀
節君
理事
池田
行彦君
理事
魚住
汎英
君
理事
江口
一雄
君
理事
佐藤謙一郎
君
理事
山崎 拓君
理事
上田
哲君
理事
山中
邦紀
君
理事
北側
一雄
君 麻生 太郎君
石原
伸晃
君
今津
寛君 木部 佳昭君 北川 正恭君
久間
章生
君
鈴木
宗男
君
中山
正暉君 町村 信孝君 山下 元利君
池田
元久
君 大出 俊君
川崎
寛治
君
佐藤
恒晴
君 斉藤
一雄
君 松原
脩雄
君 吉田 正雄君 玉城 栄一君 東中 光雄君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
防衛庁長官
)
中山
利生
君
出席政府委員
内閣官房内閣安
全
保障室長
児玉 良雄君
防衛政務次官
三原
朝彦
君
防衛庁長官官房
長 村田 直昭君
防衛施設庁総務
部長 竹下 昭君
委員外
の
出席者
安全保障委員会
調査室長
下尾
晃正
君 ――
―――――――――――
委員
の異動 二月十七日
辞任
補欠選任
石原
伸晃
君
衛藤
晟一
君
今津
寛君
虎島
和夫
君
久間
章生
君
尾身
幸次
君
鈴木
宗男
君
唐沢俊二郎
君
池田
元久
君
三野
優美
君
小澤
克介
君
元信
堯君
川崎
寛治
君
上田
卓三
君
佐藤
恒晴
君
貴志
八郎
君
神田
厚君
永末
英一
君 同日
辞任
補欠選任
衛藤
晟一
君
石原
伸晃
君
尾身
幸次
君
久間
章生
君
唐沢俊二郎
君
鈴木
宗男
君
虎島
和夫
君
今津
寛君
上田
卓三
君
川崎
寛治
君
貴志
八郎
君
佐藤
恒晴
君
三野
優美
君
池田
元久
君
元信
堯君
小澤
克介
君
永末
英一
君
神田
厚君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件 国の
安全保障
に関する件 ――――◇―――――
志賀節
1
○
志賀委員長
これより
会議
を開きます。 国の
安全保障
に関する件について
調査
を進めます。
防衛庁長官
から
防衛政策
に関して説明を求めます。
中山防衛庁長官
。
中山利生
2
○
中山国務大臣
先般、
防衛庁長官
を拝命いたしました
中山利生
でございます。
安全保障委員長在任
中、当
委員会
の
皆様
から賜りました多くの御
指導
、御支援に対しまして厚く御礼申し上げますとともに、
我が国
の
防衛
という
国家存立
の
基本
に関する崇高な
任務
に携わることとなった今、その使命と
責任
の重大さを痛感いたしております。 本日は、平素から
我が国
の
安全保障
に深い関心を持たれ、御
指導
いただいている
志賀委員長
を初め
委員各位
に謹んでごあいさつ申し上げるとともに、あわせて、私の
所信
の一端を申し述べさせていただきたいと思います。 まず、最近の
国際情勢
について概観させていただきます。 一昨年の
ソ連
の
解体
により
東西冷戦
は
名実とも
に終結し、現在、
国際社会
においては、STARTⅡの署名などに見られるような
国際情勢
の
安定化
に向けての
各般
の
努力
が継続されています。こうした中、
国際情勢
は、総じていえば好ましい
方向
への
流れ
が一層進行しつつあり、
国際社会
は新しい世界平和の秩序を模索しているところであると言えましょう。しかしながら、旧ユーゴの紛争や流動的な
中東情勢
など、世界には依然として多くの
不安定要因
が存在していることもまた事実であります。
アジア
・
太平洋地域
に目を転じますと、
中韓国交樹立
や
韓ロ基本条約
の調印など、この
地域
の
緊張緩和
に向けた注目すべき
動き
もありますが、この
地域
の
情勢
はヨーロッパとは異なって複雑多様であり、朝鮮半島、
南沙群島
や
我が国
の北方領土のような未解決の諸問題も存在しております。また、膨大な
極東ロシア軍
の存在は、
軍再編
の先行きの不透明さもあり、
アジア
・
太平洋地域
の
不安定要因
と
認識
しております。また、
北朝鮮
における
核関連施設
の建設や
地対地ミサイル
の長
射程化
のための
研究開発
に対する懸念があり、こうした
北朝鮮
の
動き
はこの
地域
の大きな
不安定要因
となっております。さらに中国は、
核戦力
や
海空軍力
など
軍事力
の
漸進的近代化
を推進するとともに、近年、
南沙群島等
を中心とした海洋における活動を拡大するなど、その動向が
周辺諸国
からの注目を集めております。 このように
国際情勢
は現在も
変化
を続けているところであり、
不安定性
及び不
確実性
に特徴づけられた新たな時代にあっては、これらについて今後なお慎重に見きわめていくことが必要であると考えております。 次に、
我が国
の
防衛政策
について述べさせていただきます。
我が国
の
防衛政策
は、
日米安全保障体制
を堅持するとともに、みずから適切な
規模
の
防衛力
を保有することにより
我が国
に対する侵略を未然に防止することをその
基本
としております。
我が国
の
防衛力整備
の
指針
となっている
防衛計画
の
大綱
は、このような
考え方
の
もと
、
我が国
に対する
軍事的脅威
に直接対抗するよりも、みずからが力の空白となってこの
地域
における
不安定要因
とならないよう
独立国
として
必要最小限
の
防衛力
を保持するという、
基盤的防衛力構想
に立脚しております。 現在の
中期防衛力整備計画
は、このような
大綱
の
基本的考え方
に基づき
策定
されたものですが、昨年末、
策定
後の
内外
諸
情勢
の
変化
を踏まえて
修正
されたところであります。これにつきましては後ほど御
報告
させていただきます。 現在、国会で御審議いただいております
平成
五年度の
防衛関係予算
につきましては、
皆様
のお手元の資料にもございますように、
修正
後の
中期防衛力整備計画
の
もと
、厳しい
財政事情等
を踏まえ、極力
経費
の抑制を図り、
防衛力
全体として均衡がとれた
態勢
の
維持
、
整備
を図るための
必要最小限
の
経費
四兆六千四百六億円を計上いたしております。その内容といたしましては、
正面装備
については、
老巧装備
の
更新
・
近代化
及び
欠落機能
の
是正
に努めることを
基本
とし、
後方分野
については、 隊舎、
宿舎等生活関連施設
の
充実
、
隊員
の
処遇改善
、
基地対策
の推進、
特別協定等
による
在日米軍駐留経費負担
の
充実等
の諸
施策
を重点的に
実施
し得るよう配意しております。
防衛力
の
整備
と並ぶ国の
防衛
の骨幹をなすものが
日米安全保障体制
であります。昨年一月に発表された「
日米グローバル
・パートナーシップに関する
東京宣言
」では、
安全保障面
において、
日米両国
が
日米安全保障条約
を堅持していくこと及び
日米防衛関係
がこの
地域
の平和と安定に重要であると
認識
し、緊密に
協力
していくことが確認されました。その後、共和党から民主党に
政権
が移行し、
クリントン政権
が発足いたしましたが、同
政権
も
日米防衛関係
は非常に重要であるとの
認識
を表明しています。 私は、
日米安全保障体制
の
信頼性
の
維持向上
のために、
我が国
は不断の
努力
を行っていくことが重要であると考えます。このため、あらゆる機会をとらえて
防衛当局
間の協議を行い相互の
意思疎通
を図るとともに、「
日米防衛協力
のための
指針
」に基づく
研究
、
日米共同訓練
の
実施
、
装備
、
技術面
での
協力
など
各種
の
日米防衛協力
を行い、また、
在日米軍
の
駐留
を円滑にするための諸
施策
を
実施
し、
防衛分野
における
日米関係
のさらなる
緊密化
に尽力してまいる
所存
であります。 次に、
自衛隊
による
国際貢献
について述べさせていただきます。 昨年六月の
国際平和協力法
の成立以来、
防衛庁
、
自衛隊
からも同法に基づき陸・海・空各
自衛隊
の部隊が、また
停戦監視要員
たる
陸上自衛官
が、幾多の苦難にもめげずに
国際平和協力業務
を整斉と
実施
しております。このような
派遣隊員
の活躍により、
国際平和協力法
の
もと
、
国際社会
における平和と安全の
維持
のためには、
我が国
がその地位にふさわしい
責任
を果たすことが不可欠との
認識
が
国民
の間にさらに深まったものと確信しております。
我が国
に求められている人的な面での
協力
を行っていくに当たっては、
自衛隊
の果たす役割が極めて大きいものと考えます。
防衛庁
、
自衛隊
としては、これからも与えられた
任務
を着実に遂行することにより、
国民
の期待にこたえるとともに、
我が国
が行う
国際貢献
により一層寄与していくよう努めてまいる
所存
であります。 最後に、私は、
国民
の
理解
と支持を得ながら、
我が国
の
安全確保
のために全力をもって国防の任に当たる
所存
でありますので、
志賀委員長
を初め
委員各位
におかれましても、
我が国
の
安全保障
に関し幅広く議論される場である当
委員会
での御審議を通じ、なお。一層の御
指導
、御
鞭撻
を賜ることをお願い申し上げまして、私の
所信表明
とさせていただきます。(
拍手
)
志賀節
3
○
志賀委員長
この際、
防衛政務次官
から
発言
を求められておりますので、これを許します。
三原防衛政務次官
。
三原朝彦
4
○
三原政府委員
先般、
防衛政務次官
を拝命いたしました
三原朝彦
でございます。
中山長官
を補佐し、最善を尽くして職員を全うしてまいる
所存
でございますので、
委員長
初め
委員各位
の御
指導
、御
鞭撻
を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。ありがとうございます。(
拍手
)
志賀節
5
○
志賀委員長
次に、
中期防衛力整備計画
の
修正
について、
防衛庁長官
から
報告
を聴取いたします。
中山防衛庁長官
。
中山利生
6
○
中山国務大臣
政府
は、昨年十二月十八日、「
中期防衛力整備計画
(
平成
三年度
~平成
七年度)の
修正
について」を
安全保障会議
及び
閣議
において決定いたしました。 以下、これについて御
報告
申し上げます。
我が国
は、
平成
二年十二月二十日に
安全保障会議
及び
閣議
において決定された「
中期防衛力整備計画
(
平成
三年度
~平成
七年度)」の
もと
で
防衛力整備
を進めてきたところであります。この
計画
においては、三年後には、その時点における
国際情勢等
を勘案し、必要に応じ、
計画
の
修正
を行うとされておりましたが、
平成
三年十二月二十八日の
安全保障会議
の席上、
内閣総理大臣
から、
政府
として、諸
情勢
の
変化等
を見きわめつつ、前広に、
所要
の
検討
に着手することが適当であるという趣旨の御
発言
があり、その後、
政府
として
所要
の
検討
を行ったところであります。
計画策定
後の
内外
諸
情勢
には次のような
変化
が生じてきております。 まず、
国際情勢
については、
安定化
に向けて
各般
の
努力
が継続されている中で、なお
各種
の
不安定要因
が存在しておりますが、特に
ソ連
の
解体
により
東西冷戦
が
名実とも
に終結したことの結果として、総じていえば、好ましい
方向
への
流れ
が
計画策定
時よりもさらに進行しつつあると見ることができます。また、
財政事情
は一段と厳しさを増しているところであります。 このような
計画策定
後における
内外
諸
情勢
の
変化
については可能な限り早期に
防衛力整備
に反映させる必要があることから、
計画
において三年後に行うこととされている
計画
の
修正
を、これを待たずに一年早めて行うことといたしました。
計画
の
修正
に当たっては、
主要装備
について、
防衛計画
の
大綱
に定める
防衛力
の
水準
を全体として適切に
維持
することに重点を置きつつ、後に述べる
防衛力
の
在り方
の
検討
を行っていることをも念頭に置いて、より緩やかな形で
整備
を進めることといたしました。 このため、
主要装備
について、一部
任務
の
遂行態勢
の
緩和等
に留意し、
計画
に定める事業の
実施
を一部見送るとともに、諸外国の
技術的水準
への対応に配意し、
老朽装備
の
更新
・
近代化
及び
欠落機能
の
是正
に努めることとして、
期間
内の
整備規模
を
修正
いたしました。 こうした
措置
により、
計画
に示す
防衛関係費総額
の限度については、いわゆる
湾岸削減措置
に係る約一千億円の
削減
を含めて五千八百億円減額し、
平成
二年度価格でおおむね二十二兆一千七百億円程度をめどとすることとしております。 なお、
国際情勢
は現在も
変化
を続けているところであり、こうした
変化
は
我が国
の
防衛力
の
在り方
にも影響を及ぼす
可能性
があると
認識
しております。したがって、
防衛力
の
在り方
を
検討
するに際しては、これらの
変化
を今後慎重に見きわめる必要があります。 一方、その際、将来における
人的資源
の制約の
増大等
の
要因
もあわせて考慮する必要があります。 このような観点から、
国際情勢
の
変化
をも踏まえ、
自衛官定数
を含む
防衛力
の
在り方
について引き続き精力的に
検討
を行い、本
計画期間
中に結論を得ることといたしております。 私といたしましては、引き続き、
国民
の
信頼
にこたえ得る真に有効かつ効率的な
防衛力
の
維持
、運用を図っていく
所存
であり、
国民
の
皆様
の御
理解
を賜りたいと考えております。 以上でございます。
志賀節
7
○
志賀委員長
これにて
報告
は終わりました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十一分散会