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1992-12-01 第125回国会 衆議院 法務委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成四年十月三十日)(金曜日) (午前零時現在)における本委員は、次のとおり である。   委員長 浜田卓二郎君    理事 鈴木 俊一君 理事 田辺 広雄君    理事 津島 雄二君 理事 星野 行男君    理事 与謝野 馨君 理事 小森 龍邦君    理事 鈴木喜久子君 理事 冬柴 鐵三君       愛知 和男君    石川 要三君       江崎 眞澄君    奥野 誠亮君       粕谷  茂君    亀井 静香君       熊谷  弘君    坂本三十次君       武部  勤君    小澤 克介君       沢田  広君    仙谷 由人君       高沢 寅男君    谷村 啓介君       松原 脩雄君    倉田 栄喜君       中村  巖君    木島日出夫君       大内 啓伍君    徳田 虎雄君 ――――――――――――――――――――― 平成四年十二月一日(火曜日)     午後七時十八分開議 出席委員   委員長 浜田卓二郎君    理事 鈴木 俊一君 理事 田辺 広雄君    理事 星野 行男君 理事 小森 龍邦君    理事 鈴木喜久子君 理事 冬柴 鐵三君       愛知 和男君    石川 要三君       衛藤 晟一君    奥野 誠亮君       粕谷  茂君    北村 直人君       坂本三十次君    武部  勤君       小澤 克介君    沢田  広君       仙谷 由人君    高沢 寅男君       谷村 啓介君    山下洲夫君       倉田 栄喜君    中村  巖君       木島日出夫君    吉井 英勝君       中野 寛成君    徳田 虎雄君  出席国務大臣         法 務 大 臣 田原  隆君  出席政府委員         法務大臣官房長 則定  衛君         法務大臣官房司         法法制調査部長 濱崎 恭生君         法務省刑事局長 濱  邦久君  委員外出席者         人事院事務総局         給与局給与第一         課長      松浦 知彦君         最高裁判所事務         総局人事局長  泉  德治君         法務委員会調査         室長      平本 喜祿君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十日  辞任         補欠選任   大内 啓伍君     中野 寛成君 同日  辞任         補欠選任   中野 寛成君     大内 啓伍君 同月十一日  辞任         補欠選任   大内 啓伍君     中野 寛成君 同月二十六日  辞任         補欠選任   高沢 寅男君     井上 普方君 同日  辞任         補欠選任   井上 普方君     高沢 寅男君 十二月一日  辞任         補欠選任   亀井 静香君     衛藤 晟一君   熊谷  弘君     北村 直人君   松原 脩雄君     山下洲夫君   木島日出夫君     吉井 英勝君 同日  辞任         補欠選任   衛藤 晟一君     亀井 静香君   北村 直人君     熊谷  弘君   山下洲夫君     松原 脩雄君   吉井 英勝君     木島日出夫君     ――――――――――――― 十月三十日  製造物欠陥による損害賠償に関する法律案  (日笠勝之君外八名提出、第百二十三回国会衆  法第一一号)  刑事施設法案内閣提出、第百二十回国会閣法  第八七号)  刑事施設法施行法案内閣提出、第百二十回国  会閣法第八八号) 十一月十六日  製造物欠陥による損害賠償責任に関する法  律案竹村泰子君外五名提出参法第一号)  (予) 同月三十日  裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第九号)  検察官俸給等に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第一〇号) 同月二十四日  夫婦別氏・別戸籍選択を可能にする民法・戸  籍法改正に関する請願外一件(小澤克介君紹  介)(第四号)  同(岡崎トミ子紹介)(第五号)  同(土井たか子紹介)(第六号)  同外一件(河上覃雄君紹介)(第一〇号)  同(沢藤礼次郎紹介)(第一一号)  同(鳥居一雄紹介)(第一二号)  同(長谷百合子紹介)(第一三号)  同(春田重昭紹介)(第一四号)  同外一件(武藤山治紹介)(第一五号)  同外一件(赤松広隆紹介)(第二七号)  同外一件(伊藤忠治紹介)(第二八号)  同外一件(上田卓三紹介)(第二九号)  同外一件(加藤繁秋紹介)(第三〇号)  同(加藤万吉紹介)(第三一号)  同外一件(松本龍紹介)(第三二号)  同外一件(山中邦紀紹介)(第三三号)  同外一件(秋葉忠利紹介)(第四五号)  同外一件(池端清一紹介)(第四六号)  同(大畠章宏紹介)(第四七号)  同(倉田栄喜紹介)(第四八号)  同(小森龍邦紹介)(第四九号)  同(志賀一夫紹介)(第五〇号)  同外一件(清水勇紹介)(第五一号)  同外一件(村山富市紹介)(第五二号)  同(元信堯君紹介)(第五三号)  同外一件(岩田順介紹介)(第九七号)  同(大畠章宏紹介)(第九八号)  同(小谷輝二君紹介)(第九九号)  同外一件(中沢健次紹介)(第一〇〇号)  同(不破哲三紹介)(第一〇一号)  同(正森成二君紹介)(第一〇二号)  非嫡出子差別を撤廃する民法等改正に関する  請願上田卓三紹介)(第二六号)  同(上田卓三紹介)(第五四号)  同(倉田栄喜紹介)(第五五号)  同(上田卓三紹介)(第一〇三号)  消費者のための製造物責任法早期制定に関す  る請願大木正吾紹介)(第四三号)  同(新村勝雄紹介)(第四四号)  佐川急便事件に関し、検察当局の厳正な捜査、  追及に関する請願小沢和秋紹介)  (第八一号)  同(金子満広紹介)(第八二号)  同(木島日出夫紹介)(第八三号)  同(児玉健次紹介)(第八四号)  同(佐藤祐弘紹介)(第八五号)  同(菅野悦子紹介)(第八六号)  同(辻第一君紹介)(第八七号)  同(寺前巖紹介)(第八八号)  同(東中光雄紹介)(第八九号)  同(不破哲三紹介)(第九〇号)  同(藤田スミ紹介)(第九一号)  同(古堅実吉紹介)(第九二号)  同(正森成二君紹介)(第九三号)  同(三浦久紹介)(第九四号)  同(山原健二郎紹介)(第九五号)  同(吉井英勝紹介)(第九六号) 同月二十五日  夫婦同氏別氏の選択制導入続柄欄廃止に  関する請願秋葉忠利紹介)(第二一〇号)  同(岡崎トミ子紹介)(第二一一号)  同(岡崎宏美紹介)(第二一二号)  同(五島正規紹介)(第二一三号)  同(石橋大吉紹介)(第二九九号)  同(岩田順介紹介)(第三〇〇号)  同(岡崎トミ子紹介)(第三〇一号)  同(沖田正人紹介)(第三〇二号)  同(高沢寅男紹介)(第三〇三号)  同(日野市朗紹介)(第三〇四号)  同外一件(吉田和子紹介)(第三〇五号)  同(秋葉忠利紹介)(第三七二号)  同(岡崎トミ子紹介)(第三七三号)  同外三件(渋谷修紹介)(第三七四号)  同(竹村幸雄紹介)(第三七五号)  同(筒井信隆紹介)(第三七六号)  同外一件(中沢健次紹介)(第三七七号)  同(長谷百合子紹介)(第三七八号)  同(渡部行雄紹介)(第三七九号)  夫婦別氏・別戸籍選択を可能にする民法・戸  籍法改正に関する請願石橋大吉紹介)  (第二一四号)  同(岩垂寿喜男紹介)(第二一五号)  同(小川信紹介)(第二一六号)  同(岡崎宏美紹介)(第二一七号)  同(金子満広紹介)(第二一八号)  同外一件(川崎寛治紹介)(第二一九号)  同外一件(佐藤観樹紹介)(第二二〇号)  同(佐藤敬治紹介)(第二二一号)  同(鳥居一雄紹介)(第二二二号)  同(東中光雄紹介)(第二二三号)  同(藤田スミ紹介)(第二二四号)  同(細谷治通紹介)(第二二五号)  同(池田元久紹介)(第二九三号)  同外一件(木間章紹介)(第二九四号)  同(常松裕志紹介)(第二九五号)  同(藤田高敏紹介)(第二九六号)  同(山原健二郎紹介)(第二九七号)  同(井上一成紹介)(第三六〇号)  同外一件(井上義久紹介)(第三六一号)  同(石田祝稔紹介)(第三六二号)  同(小林守紹介)(第三六三号)  同(常松裕志紹介)(第三六四号)  同(楢崎弥之助紹介)(第三六五号)  同外一件(二見伸明紹介)(第三六六号)  同外一件(松浦利尚君紹介)(第三六七号)  同外一件(安田範紹介)(第三六八号)  同(渡部一郎紹介)(第三六九号)  非嫡出子差別を撤廃する民法等改正に関する  請願上田卓三紹介)(第二二六号)  同(上田卓三紹介)(第二九八号)  同(上田卓三紹介)(第三七〇号)  同(堀昌雄紹介)(第三七一号) 同月二十七日  夫婦別氏・別戸籍選択を可能にする民法・戸  籍法改正に関する請願伊藤英成紹介)  (第四一五号)  同外一件(貴志八郎紹介)(第四一六号)  同(関晴正紹介)(第四一七号)  同(常松裕志紹介)(第四一八号)  同外一件(沖田正人紹介)(第四六五号)  同(小松定男紹介)(第四六六号)  同外一件(佐藤恒晴紹介)(第四六七号)  同(常松裕志紹介)(第四六八号)  同(松前仰君紹介)(第四六九号)  同(山花貞夫紹介)(第四七〇号)  同(関山信之紹介)(第五三七号)  同(常松裕志紹介)(第五三八号)  同(松原脩雄紹介)(第五三九号)  消費者のための製造物責任法早期制定に関す  る請願川俣健二郎紹介)(第四一九号)  夫婦同氏別氏の選択制導入続柄欄廃止に  関する請願伊東秀子紹介)(第四二〇号)  同(岡崎トミ子紹介)(第四二一号)  同外一件(斉藤一雄紹介)(第四二二号)  同(鉢呂吉雄紹介)(第四二三号)  同(岡崎トミ子紹介)(第四七一号)  同(岡崎宏美紹介)(第四七二号)  同(田中昭一紹介)(第四七三号)  同(岡崎トミ子紹介)(第五四〇号) 同月三十日  企業監査士資格認定制度法制化に関する請願  (中井洽紹介)(第六六九号)  夫婦別氏・別戸籍選択を可能にする民法・戸  籍法改正に関する請願伊藤英成紹介)  (第六七〇号)  同(上田哲紹介)(第六七一号)  同(木島日出夫紹介)(第六七二号)  同(佐藤敬治紹介)(第六七三号)  同(寺前巖紹介)(第六七四号)  同外一件(戸田菊雄紹介)(第六七五号)  同(細川律夫紹介)(第六七六号)  同(三浦久紹介)(第六七七号)  同(吉岡賢治紹介)(第六七八号)  同(遠藤和良紹介)(第七二二号)  同(岡崎宏美紹介)(第七二三号)  同(加藤万吉紹介)(第七二四号)  同(倉田栄喜紹介)(第七二五号)  同外二件(渋谷修紹介)(第七二六号)  同(鈴木久紹介)(第七二七号)  同(高沢寅男紹介)(第七二八号)  同(寺前巖紹介)(第七二九号)  同(不破哲三紹介)(第七三〇号)  同(森本晃司紹介)(第七三一号)  同(和田貞夫紹介)(第七三二号)  同外四件(小澤克介紹介)(第八三五号)  同(金子満広紹介)(第八三六号)  同(五島正規紹介)(第八三七号)  同外一件(渋谷修紹介)(第八三八号)  同(関山信之紹介)(第八三九号)  同外一件(田口健二紹介)(第八四〇号)  同(寺前巖紹介)(第八四一号)  同(藤田高敏紹介)(第八四二号)  同外一件(細川律夫紹介)(第八四三号)  同外四件(前島秀行紹介)(第八四四号)  同(藤田高敏紹介)(第八八三号)  同(目黒吉之助紹介)(第八八四号)  非嫡出子差別を撤廃する民法等改正に関する  請願近江巳記夫紹介)(第六七九号)  同(岡崎宏美紹介)(第七三三号)  同(木島日出夫紹介)(第七三四号)  同(鈴木喜久子紹介)(第七三五号)  同(田中恒利紹介)(第七三六号)  同(高沢寅男紹介)(第七三七号)  同(常松裕志紹介)(第七三八号)  同(寺前巖紹介)(第七三九号)  同(春田重昭紹介)(第七四〇号)  同(不破哲三紹介)(第七四一号)  同(堀昌雄紹介)(第七四二号)  同(岡崎トミ子紹介)(第八四五号)  同(楢崎弥之助紹介)(第八四六号)  同(藤田スミ紹介)(第八四七号)  同(吉井英勝紹介)(第八四八号)  同(常松裕志紹介)(第八八五号)  同(長谷百合子紹介)(第八八六号)  消費者のための製造物責任法早期制定に関す  る請願木島日出夫紹介)(第六八〇号)  同(佐藤敬治紹介)(第六八一号)  同(伊東秀子紹介)(第七四三号)  同(池端清一紹介)(第七四四号)  同(石橋大吉紹介)(第七四五号)  同(遠藤登紹介)(第七四六号)  同(大畠章宏紹介)(第七四七号)  同(岡崎宏美紹介)(第七四八号)  同(川俣健二郎紹介)(第七四九号)  同(串原義直紹介)(第七五〇号)  同(佐藤恒晴紹介)(第七五一号)  同(沢藤礼次郎紹介)(第七五二号)  同(嶋崎譲紹介)(第七五三号)  同(鈴木久紹介)(第七五四号)  同(関晴正紹介)(第七五五号)  同(田中恒利紹介)(第七五六号)  同外一件(竹内勝彦紹介)(第七五七号)  同(時崎雄司紹介)(第七五八号)  同(水田稔紹介)(第七五九号)  同(山元勉紹介)(第七六〇号)  同(吉田和子紹介)(第七六一号)  同(小沢和秋紹介)(第七六二号)  同(金子満広紹介)(第七六三号)  同(木島日出夫紹介)(第七六四号)  同(児玉健次紹介)(第七六五号)  同(佐藤祐弘紹介)(第七六六号)  同(菅野悦子紹介)(第七六七号)  同(辻第一君紹介)(第七六八号)  同(寺前巖紹介)(第七六九号)  同(東中光雄紹介)(第七七〇号)  同(不破哲三紹介)(第七七一号)  同(藤田スミ紹介)(第七七二号)  同(古堅実吉紹介)(第七七三号)  同(正森成二君紹介)(第七七四号)  同(三浦久紹介)(第七七五号)  同(山原健二郎紹介)(第七七六号)  同(吉井英勝紹介)(第七七七号)  同(小川国彦紹介)(第八五〇号)  同(北沢清功紹介)(第八五一号)  同(清水勇紹介)(第八五二号)  同(寺前巖紹介)(第八五三号)  同(藤田高敏紹介)(第八五四号)  同(堀込征雄紹介)(第八五五号)  同(佐藤敬治紹介)(第八八七号)  同(竹村幸雄紹介)(第八八八号)  同(藤田高敏紹介)(第八八九号)  夫婦同氏別氏の選択制導入続柄欄廃止に  関する請願池田元久紹介)(第七七八号)  同(鈴木喜久子紹介)(第七七九号)  同(田口健二紹介)(第八四九号) 十二月一日  夫婦別氏・別戸籍選択を可能にする民法・戸  籍法改正に関する請願上田卓三紹介)  (第九四八号)  同(江田五月紹介)(第九四九号)  同(外口玉子紹介)(第九五〇号)  同外一件(細川律夫紹介)(第九五一号)  同(宇都宮真由美紹介)(第一〇九四号)  同(岡崎トミ子紹介)(第一〇九五号)  同(佐藤祐弘紹介)(第一〇九六号)  同(日野市朗紹介)(第一〇九七号)  同外一件(細川律夫紹介)(第一〇九八号)  同(山原健二郎紹介)(第一〇九九号)  同外二件(伊藤英成紹介)(第一一四六号)  同外六件(伊藤茂紹介)(第一一四七号)  同(大木正吾紹介)(第一一四八号)  同(川俣健二郎紹介)(第一一四九号)  同(菅直人紹介)(第一一五〇号)  同(小森龍邦紹介)(第一一五一号)  同(五島正規紹介)(第一一五二号)  同外一件(関山信之紹介)(第一一五三号)  同(田中恒利紹介)(第一一五四号)  同(鳥居一雄紹介)(第一一五五号)  同外四件(中村巖紹介)(第一一五六号)  同(東順治紹介)(第一一五七号)  同(正森成二君紹介)(第一一五八号)  同(伊東秀子紹介)(第一二四八号)  同外二件(伊藤英成紹介)(第一二九号)  同(石田祝稔紹介)(第一二五〇号)  同外九件(石橋大吉紹介)(第一二五一号)  同(大出俊紹介)(第一二五二号)  同外七件(岡崎トミ子紹介)  (第一二五三号)  同外九件(沖田正人紹介)(第一二五四号)  同(佐藤泰介紹介)(第一二五五号)  同外二件(関山信之紹介)(第一二五六号)  同(田邊誠紹介)(第一二五七号)  同(外口玉子紹介)(第一二五八号)  同(土井たか子紹介)(第一二五九号)  同(中村正男紹介)(第一二六〇号)  同外一件(長谷百合子紹介)(第一二六一号)  同外六件(早川勝紹介)(第一二六二号)  同(山花貞夫紹介)(第一二六三号)  同(吉田正雄紹介)(第一二六四号)  非嫡出子差別を撤廃する民法等改正に関する  請願岡崎トミ子紹介)(第九五二号)  同(沢田広紹介)(第九五三号)  同(常松裕志紹介)(第九五四号)  同(外口玉子紹介)(第九五五号)  同(岡崎トミ子紹介)(第一一〇〇号)  同(伊東秀子紹介)(第一一五九号)  同外九件(伊藤茂紹介)(第一一六〇号)  同(小森龍邦紹介)(第一一六一号)  同(田中恒利紹介)(第一一六二号)  同(佐藤泰介紹介)(第一二六五号)  同(高沢寅男紹介)(第一二六六号)  同(土井たか子紹介)(第一二六七号)  同(中村正男紹介)(第一二六八号)  同(早川勝紹介)(第一二六九号)  同(山花貞夫紹介)(第一二七〇号)  消費者のための製造物責任法早期制定に関す  る請願藤田高敏紹介)(第九五六号)  同(藤田高敏紹介)(第一一〇一号)  同(川俣健二郎紹介)(第一一六三号)  同(関山信之紹介)(第一一六四号)  同(田中恒利紹介)(第一一六五号)  同外一件(藤田高敏紹介)(第一一六六号)  同(網岡雄紹介)(第一二七一号)  同(井上一成紹介)(第一二七二号)  同(伊藤忠治紹介)(第一二七三号)  同(池端清一紹介)(第一二七四号)  同(佐藤恒晴紹介)(第一二七五号)  同(鈴木久紹介)(第一二七六号)  同(関山信之紹介)(第一二七七号)  同(筒井信隆紹介)(第一二七八号)  同(土肥隆一紹介)(第一二七九号)  同外一件(藤田高敏紹介)(第一二八〇号)  同(宮地正介紹介)(第一二八一号)  同(目黒吉之助紹介)(第一二八二号)  同(山田英介紹介)(第一二八三号)  同外一件(吉岡賢治紹介)(第一二八四号)  同(吉田正雄紹介)(第一二八五号)  夫婦同氏別氏の選択制導入続柄欄廃止に  関する請願外口玉子紹介)(第九五七号)  同(中西績介紹介)(第一一〇二号)  死刑執行停止に関する請願  (木島日出夫紹介)(第一〇九三号)  同(浅井美幸紹介)(第一一六八号)  同(北側一雄紹介)(第一一六九号)  同(小谷輝二君紹介)(第一一七〇号)  同(小森龍邦紹介)(第一一七一号)  同(斉藤一雄紹介)(第一一七二号)  同(松原脩雄紹介)(第一一七三号)  同(高沢寅男紹介)(第一二八六号)  同(土井たか子紹介)(第一二八七号)  佐川急便事件に関し、検察当局の厳正な捜査、  追及に関する請願正森成二君紹介)  (第一一六七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第九号)  検察官俸給等に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第一〇号)      ――――◇―――――
  2. 浜田卓二郎

    浜田委員長 これより会議を開きます。  この際、御報告申し上げます。  本委員会委員でありました長谷川峻君が、去る十月十九日、逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。  ここに、委員各位とともに故長谷川峻君の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  御起立をお願いいたします。――黙祷。     〔起立総員黙祷
  3. 浜田卓二郎

    浜田委員長 黙祷を終わります。御着席願います。      ――――◇―――――
  4. 浜田卓二郎

    浜田委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  裁判所司法行政に関する事項  法務行政及び検察行政に関する事項  国内治安に関する事項  人権擁護に関する事項の各事項につきまして、本会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 浜田卓二郎

    浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ――――◇―――――
  6. 浜田卓二郎

    浜田委員長 お諮りいたします。  本日、最高裁判所泉人事局長から出席説明要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 浜田卓二郎

    浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ――――◇―――――
  8. 浜田卓二郎

    浜田委員長 内閣提出裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  まず、趣旨説明を聴取いたします。田原法務大臣。     ―――――――――――――  裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する   法律案  検察官俸給等に関する法律の一部を改正する   法律案    〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  9. 田原隆

    田原国務大臣 裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。  政府においては、人事院勧告趣旨等にかんがみ、一般政府職員給与を改善する必要を認め、今国会一般職職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。  第一に、最高裁判所長官最高裁判所判事及び高等裁判所長官報酬並びに検事総長次長検事及び検事長俸給は、従来、特別職職員給与に関する法律適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職職員俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報酬または俸給を増額することといたしております。  第二に、判事判事補及び簡易裁判所判事報酬並びに検事及び副検事俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職職員給与等に関する法律適用を受ける職員俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。  これらの給与の改定は、一般政府職員の場合と同様に、平成四年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。  以上が、裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  10. 浜田卓二郎

    浜田委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     ―――――――――――――
  11. 浜田卓二郎

    浜田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仙谷由人君。
  12. 仙谷由人

    仙谷委員 日本社会党・護憲民主連合の仙谷でございます。  裁判官検察官報酬あるいは俸給に関する法律の一部を改正する法律案についての審議でございますが、私は、裁判官検察官一般職の公務員に比べて少々いい報酬俸給等を支給されているということは、いわば職務の重要性にかんがみて当然のことである、十分なとは言えないかもわかりませんけれども、比較的良好な報酬俸給等によりまして、ある種の国政上の根幹であります刑事司法あるいは司法そのものが健全に運営されなければならない、こういうふうに考えているところでございます。  ところで、今日ほど日本の法務・検察行政に対する国民の信頼が揺らいだことはかつてなかったということは、多くの国民の共通認識ではないだろうかと考えております。ずっと予算委員会の審議もテレビあるいは傍聴席で拝聴をいたしたわけでございますが、法務省当局の答弁によりましては何ら信頼回復につながるようなものが見えない。そういう姿勢が見えないばかりか、かえってますます国民に背を向けた法務・検察行政が行われているのではないだろうかということを私は痛感しております。私も法曹界出身の議員の一人でございます。法務・検察行政が毅然として公正で公平な捜査を貫徹することなしには、国家の基本あるいは国民の司法に対する信頼そのものが大きく揺らぐということは間違いないのではなかろうか、そう考えているわけでございます。  一体何が問題になっているのかということでございます。一つは、刑事訴訟法第一条にも記載をされております実体的真実発見義務を有する司法関係者の重要な一翼を担う検察官が、このたびの東京佐川急便事件におきましてあるいはそこから派生する事件におきまして十分の義務履行をしたのだろうかという問題でございます。そして、そのような十分の真実発見義務を果たさなかったように少なくとも見える。法務当局は、端座憶測、げすの勘ぐりと言われるのかもわかりませんけれども、いわゆる政治的なプレッシャーに自主規制、自己規制をしたのではないだろうか、こういう問題点でございます。せんじ詰めて言えば、今回の、現在も引き続いておりますいわゆる東京佐川急便事件捜査が厳正、公正、公平に行われていたか、いるかという問題でございます。  ちなみに、元新潟県知事の金子清さんの弁護人は、こんな不公平な捜査はないと公言をしていらっしゃるわけでございます。そしてさらに、金丸さんの弁護人でいらっしゃる安部昌博弁護士も、なぜ巷間多くの政治家が多額の全員を授受しながら金丸一人だけが捜査の対象になるのかということを強く申し出たということを述べておるわけでございます。  ここまで来ますと、検察官が、いわゆる巷間うわさされております、あるいは報道された十二人の代議士のうち、金丸元代議士の五億円受領についてのみ、それを政治資金規正法量的制限違反という法務当局の認識によると軽罪で処分した、微罪で処分した、それのみに終わろうとしているということがやはり一番の大問題だろうと考えるわけでございます。  前置きをそのくらいにいたしまして、そこで、派生した問題の中で、法務大臣、昨日の予算委員 会で大臣がお述べになったことをちょっとお伺いしておきたいと思います。  法務大臣が検事調書の朗読について、「検事調書について政治家の名誉棄損ではないか等の検察批判が出ているが、どうみるか。」という問いに対して「確かに裏付けされていないものが朗読されたとした場合、一般の庶民の方がそうされた場合にどうするかを振り返ってみると、人権擁護等の立場から何とか第三者の名誉を回復するような方法はないのかを謙虚に反省して冷静に考えていかねばならない問題だと考えている。」ということをおっしゃっておるのですね。  大臣、これ逆さまじゃないですか。「謙虚に反省して冷静に考えていかねばならない問題」は、裏づけ捜査をしなかったという問題であったり、捜査がまずかったという問題であったり、公判維持の仕方がまずかったという問題で謙虚に反省するのはいいけれども、「何とか第三者の名誉を回復するような方法はないのかを謙虚に反省して冷静に考えていかねばならない」、何でこんなリップサービスをする必要があるんですか。お答えください。
  13. 田原隆

    田原国務大臣 リップサービスのつもりで申したのではございません。私は法律家ではございませんが、実務的なことは余り詳しくないといたしましても、いわゆる法廷において冒頭陳述と起訴状というのは、検察から裏づけをもって提示されておると承っておりますし、また法廷におきまして本人がお話をして、それが証拠として裁判官が採用するかという問題もあるやに承っております。  いわゆる検察官調書というのは、その本人が陳述するものに非常に近いものとされておりますので、必ずしも裏がとられていない。その法廷の趣旨に合う証拠として出されておるのでありましょうが、その場合に、全部を読まれた場合に、私は政治家だからということで申したのじゃなくて、第三者として非常に、何といいますか、全く無実の人が読まれたとしたならば、今私が申し上げたような名誉毀損、名誉に関することがあり得るかもしれない。そうした場合には、第三者の一般人の人がもしそうだった場合には、なかなか強い発言ができない立場の人もある。  そういうことがあったりしたときのことを考えて、まあ法律的にはいいと言われておりますし、法律に定められておることをやっていると言えばそれまででありますが、そこのところを謙虚に反省して冷静に見て、名誉回復ということもあるいは名誉に関することがあるということも頭に置きながらやったらどうかということを、法律家ではない私が申したわけでございます。
  14. 仙谷由人

    仙谷委員 じゃ、今度、刑事局長に聞きましょう。  裏づけされてないもので朗読されたものがあるんですか。今回の渡邉廣康、早乙女、それから庄司宗信だったですか、この被告に対する法廷で、裏づけされてないもので朗読されたものがあるんだったら具体的に指摘してください。
  15. 濱邦久

    ○濱政府委員 まず一般論として申し上げますけれども、検察官が法廷で証拠調べ請求する証拠、その立証趣旨の範囲内で裏づけ捜査の要否というものを考えると思うわけでございます。したがいまして、個々の証拠についてその裏づけをとっているものもありましょうし、とっていないものもあるだろう。それは、結局、その証拠の立証趣旨との関係で、その要否をそれぞれ捜査の段階で考えて、裏づけの要否を判断して証拠を収集するということだろうと思うわけでございます。
  16. 仙谷由人

    仙谷委員 そんな一般論、何の役にも立たぬじゃないですか。いいですか。それじゃ、あなたの今おっしゃったことをそんたくして敷衍しますと、調書の中には人の名前が、裏づけもされてない人の名前が従来の他事件でも相当出てくるんだと、そういうことが前提になっちゃうじゃないですか、結論になっちゃうじゃないですか。そんなことをやっているのですか、検察庁は今までの捜査で。今度はたまたま政治家の名前が出たから大問題になったけれども、今までは、か弱き庶民はそういうことを問題にしない、だからそのまま泣き寝入りだったという話にしかならないじゃないですか、今の話は。いいんですか、そんなことで。時間かかりますから答弁を求めません。  法務大臣、調書の朗読なんというレベルの問題じゃなくて、名誉回復を法務省によってされなければならないのは、一番大きな問題は冤罪事件の被告人ですよ。冤罪事件を闘って何年も、十年も二十年も闘って無罪になった人に法務省が今まで名誉回復の措置をとったことがありますか。御存じですか、そんなこと。政治家の名前が法廷でちょっと出されて報道されて、それについては名誉回復の問題をすぐこういうふうにおっしゃるけれども、冤罪事件で苦しんでいる人、冤罪事件が終わって無罪をとった人、そういう人について名誉回復措置したことがありますか。私は自分の事件を言うのは口幅つたいから言わないけれども、富山事件の北野宏さん、この人について法務省が何か今までしましたか。だれか答えられますか。
  17. 田原隆

    田原国務大臣 私が先ほどから繰り返しておりますように、政治家の名誉回復というつもりで申したんじゃなくて、一般論として、先生がおっしゃると同じように、か弱い第三者がそういうことがあったときに困るから冷静に判断してというふうな意味で申していることは、よく読んでいただければわかるはずでございます。
  18. 仙谷由人

    仙谷委員 それじゃこの際、いいですか、おっしゃった、あまねく人が調書を朗読されて、裏づけのない供述によって朗読をされて迷惑がかかった、人権侵害が起こった。その人に名誉回復の措置を検討する。そしてさらに、冤罪事件が冤罪であることが証明された場合には、無罪判決が出た場合には、大いに名誉回復の措置を検討する、それを今約束してください。
  19. 田原隆

    田原国務大臣 今すぐそれを約束せいと言っても、私もその実態その他よくわかりませんので今すぐ返事はいたしかねますが、定性的には私は、先ほどのその検察官調書にあるようなことがあった場合には、これは冷静に謙虚に反省していいんではないかという趣旨ございます。
  20. 仙谷由人

    仙谷委員 時間がないので、次に進みます。  竹下さんの証言、大臣も刑事局長も大体把握されていらっしゃいますね。この中で、いわゆるお礼の会というのがございます。銀座「吉兆」、十月二十九日、出席者、金丸さん、竹下さん、青木さん、渡邉さん、これが法廷で取り調べされた調書に記載されていることであって、朗読されたことであります。この間竹下さんは、十一月中旬だったら私はそういうことをしたかもわからぬという意味の証言をされたんですよね、十一月中旬。これはどうなんですか、法務省としては。何か十月二十九日ということを裏づける資料、法廷にまだ出てない資料をお持ちなんですか。
  21. 濱邦久

    ○濱政府委員 今委員御指摘の供述調書についてのお尋ねかと思うわけでございますが、公判廷で全文が朗読された渡邉廣康元東京佐川急便社長の検察官に対する供述調書には、検察官が同人渡邉に対しまして「渡邉ダイアリー」と題する証拠を示して取り調べたとの記載があるということから御理解いただきたいと思います。
  22. 仙谷由人

    仙谷委員 「渡邉ダイアリー」、確かに調書の記載中にうかがえます。そのほかに「吉兆」の請求書や領収書というものも存在するのでしょうか。そして、請求書、領収書の中の内訳欄でも書いてあって、十月二十九日、そこに竹下先生あるいは金丸先生というふうな記載があるのでしょうか。いかがですか。
  23. 濱邦久

    ○濱政府委員 個々の証拠の内容について立ち入ったことはお答えいたしかねるわけでございますけれども、一般論としてお答えするわけですが、検察官が日時の特定をするためには、供述だけではなしにいろいろな物証をも収集して裏づけをとるということは一般的に申し上げられると思います。
  24. 仙谷由人

    仙谷委員 この点は、刑事局長、余りしつこくやるつもりはないのですが、今あなたがおっしゃったのは反対なんじゃないですか。まず物があって、それと供述の整合性が合うように調べて いくんじゃないですか。物の方が物を言う、つまり物語るものが多いというのが大体通常の場合じゃないですか、そうじゃないですか。――結構です。  次に行きます。  ところで、金丸五億円事件の確定記録というものを検察の方では閲覧を許可しないという挙に出られて、我が党の伊東秀子代議士が閲覧請求をして、裁判所の準抗告審での決定によって一部開示されたのです。これは捜査が終結する、いわゆる東京佐川急便事件あるいは金丸さんの五億円事件、派生したその事件が終結する、もっと言えば、常識的には政治資金規正法違反の事件は来年の一月十五日の到来とともに公訴時効が成立するわけでございますので、それまでには事件として終結に向かわせなければならない、こう考えるのが常識的だと思います。例えば来年の一月十六日以降は確定記録の閲覧の不許可にしておる今の取り扱いを改める、そういうおつもりがあるのでしょうか、ないのでしょうか。
  25. 濱邦久

    ○濱政府委員 今、委員お尋ねになっておられますのは、金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の確定記録のことだと思うわけでございますが、これにつきましては刑事訴訟法五十三条一項ただし書きの事由があるということで閲覧を拒否し、それに対して今委員御指摘になられましたように準抗告の申し立てがあり、その決定に対して現在特別抗告がなされて、特別抗告審に係属中であるというふうに理解しているわけでございます。  一般的に申し上げて、政治資金規正法違反の罪は、これは法定刑が例えば収支報告書の不記載罪、虚偽記載罪というのは五年以下の禁錮、三十万円以下の罰金ということでございますし、量的制限違反の法定刑というのは罰金二十万円ということでございますので、法定刑によって公訴時効は当然違ってくるわけでございます。したがいまして、今委員が御指摘になられたのは、量的制限違反の罰金二十万円の時効を念頭に置いておっしゃっておられるのだろうと思いますけれども、これは仮に、先ほど申し上げた五十三条一項のただし書きの事由がないということの判断がなされれば、当然その時点で閲覧ができるようになるということだと思います。
  26. 仙谷由人

    仙谷委員 というよりも、法務省の高官が、また後で聞きますけれども、捜査なんというのは延々と続けるわけにいかぬじゃないかという話をしたということを私、聞いております。この事件についても延々と、来年も一年じゅうやるなんということにはならないと思うのですよ。だから、捜査というのは終結する段階が来ると思うのです。その段階で確定記録を無条件に閲覧させるのかということを聞いているのです。どうですか。
  27. 濱邦久

    ○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、政治資金規正法違反の事実をも含めまして、これは所得税法違反についても現在告発を受理しておりまして、それらを含めて捜査を続けているわけでございます。  委員のおっしゃっておられるのは、例えば法定刑が二十万円である量的制限違反の罪につきましては、時効は仰せのとおり三年でございます。三年でございますけれども、そういう意味でもちろん公訴時効をにらみながら捜査をすることは、これは検察官としては当然でございます。したがって、その捜査が終わった時点で当然、確定記録について捜査の支障がないということであれば、これは閲覧していただくということになると思いますけれども。
  28. 仙谷由人

    仙谷委員 それじゃ、確定記録の件はそういうことで、早く閲覧ができるように期待をいたしまして、次の質問に移りますが、せんだっての金丸さんの証言を聞いておりますと、随分いわゆる略式命令の訴因、つまり罪となるべき事実と違うことを言うものだなというふうに私、聞いておったのです。  それで、その関連で一つお伺いするのですが、生原さんという人と渡邉さんともに、金丸さんが政治資金規正法違反、量的制限違反に問われた犯罪において、対向犯といいますかあるいは共同被疑者といいますか、そういうことで捜査の対象になっていたわけです。立件をされて起訴猶予処分、あるいはまだ処分されていないのかもわかりませんけれども、そういう立場におったわけですね。この生原さんと渡邉廣康さん、このお二人の供述が、五億円の授受の場所、どこで受け取りしたか、あるいは授受の状況において、どうもこの二人の供述が食い違っておるんじゃないですか。いかがですか。
  29. 濱邦久

    ○濱政府委員 今委員のお尋ねは、証拠の内容についてのお尋ねでございますので、この点についてはお答えはいたしかねるわけでございます。
  30. 仙谷由人

    仙谷委員 金丸さんの証言でございますが、上申書について金丸さんが、「私の秘書である生原が竹下ともよく相談し、それから小沢とも相談してこういうものをつくりました」「ちょうど安部先生が私の弁護士を引き受けてくれるというとき判をついた、そのときの上申書が初め」てである。「まあ任せるという気持ちもあったかなかったか、その辺ははっきりしませんが、大体私は不精者だから、そういう意味でその問題については、どういうか、何しろ私は、督促というか、お父さんを説得してくれという問題」。まあ、余りよくわからないですが、こういうことを上申書作成の経過を聞かれたときに答えているのですね。  確認されておると思いますが、こんな証言で金丸さんの体験的事実を供述したものだと言えるのでしょうか、上申書はいかがですか。
  31. 濱邦久

    ○濱政府委員 お答えいたします。  金丸前議員の証言の内容について法務当局から御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。  先日も衆議院の予算委員会で御報告申し上げましたように、今委員が御指摘になられたその金丸議員の証言の中で次男の方のお話が出てまいっておりますけれども、その点はこの間予算委員会で御説明したとおりでございまして、上申書の提出方を説得したというような事実は全くございません。  それから、衆議院の予算委員会で中間報告ということで報告を申し上げました中でも申し上げておるとおりでございますが、東京地検におきましては、金丸前議員から上申書の提出を受けた段階におきまして、当然その上申書の内容がそれまでに収集したほかの証拠と符合しているかどうかということも検討しておるわけでございますし、その上申書がそれまでに収集したほかの証拠とその内容において符合している、またその上申書が弁護人を通じて提出されたいきさつ等から考えましてその信用性が認められるというふうに判断したものというふうに理解しているわけでございます。
  32. 仙谷由人

    仙谷委員 特信情況についてもお触れになったわけですが、あるいは任意性、特信情況、ともに上申書であっても刑事訴訟法三百二十二条によって証拠能力を持たせるためにはどちらかが要るわけですよね。そうでしょう。特信情況があるか、ただし書きの方で言うと任意性が必要だということになるわけでしょう。こんな「私の秘書である生原が竹下ともよく相談し、それから小沢とも相談してこういうものをつくりました」なんということが、そういう作成経過でつくられた上申書だとすれば、任意性もなければ、金丸さん自身の供述もなければ、特信情況がないことになってしまうじゃないですか。そうなるんじゃないですか。そんなこと、あなた、ちょっとでも法律かじつたり裁判実務を触った者はすぐわかるじゃないですか。だから、取り調べというふうな画面での取り調べが必要なんだという話になるのじゃないですか。どうですか。  もっと指摘しましょうか。内容にもわたりますが、「本人が、私は不精者だから任せて、」「私は参議院選挙の前であるか、衆議院選挙の前であるか、それはわかりません。」と言っているのですね、これは授受の時期について。私は任してあった、その時期をどっちかに決めるのを記憶に基づかないで任した、こう言っているわけですよ。「私は 政治団体に入れたんじゃねえかと思いますよ。」と、これも言っている。全然違うじゃないですか。「彼が衆議院選挙前だと言うから、」彼というのは生原さんですよ。「そうかな、それじゃそうだろうと。彼は悲壮な状況で私に訴えた。」だからそうしたのだと言うのでしょう。こんなものが任意性があったり特信情況がありますか。談合のもとに上申書がつくられた、こういうことじゃないですか。まさに談合じゃないですか、こんなのは。こんなものにすべての取り調べにかわる、信をおくかのようなことを今まで言ってきた。私は今度の捜査はこの一点をもってしても許されないと思いますよ。いかがですか。
  33. 濱邦久

    ○濱政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、金丸前議員の証言を前提にいろいろお尋ねいただいているわけでございますけれども、金丸前議員の証言の内容について法務当局から御意見を申し上げることはいたしかねるわけでございます。  ただ、金丸前議員から弁護人を通じて提出された上申書の信用性につきましては、先ほど申し上げましたような理由から、東京地検におきましては、その内容が信用できるものというふうに判断し、それまでに収集したほかの証拠とあわせ検討した上、公訴事実を認定して、公訴を提起するとともに略式命令を請求したという経過であると承知しているわけでございます。
  34. 仙谷由人

    仙谷委員 今のは、濱刑事局長も研修所の教官をなさったけれども、私の問いに答えて、こういう具体的なケースの場合に、特信情況があるとか任意性があるかという設問が出たときに、今のお答えをしたら零点でしょう、研修所だったら。全然答えになっていないじゃないですか、そんなものは。任意性と特信情況の問題についての答えになってない。私、そう思いますよ。こういう具体的な事情をわざわざ金丸さんが言ってくれたわけだから、そういう具体的な事情のもとでつくられた上申書というものは果たして任意性のある、三百二十二条による証拠能力を持たされる書類かどうか、こういう問題でしょう。  きょうは、余りこんなところで審議がとまったりしてもいけませんので、次に行きましょう。  なぜこうなったのか。あらかじめ取り調べをしないということを、どうも法務省と最高検といいますか、検察の上層部で決めていたのじゃないか。本件については金丸さんの調べをしないということが初めにありきであって、そしてそれをどこへ落とし込むかということで、どうもこの事件捜査が行われたきらいがあるのじゃないかと私は思うのですね。そういうにおいを感じる。本能的にそういうにおいを感じますね。  ところで、亀山さんという方が、読売新聞に論文を書かれましたね。これは「逮捕状もとれないような軽い事件について、検察官が被疑者の出頭を求めるのは、」一、二と書いて、「第三は、略式手続きによることの承諾書を取る必要がある場合である。」と書いていますね。「今回の事件では、この三つのどれにも当たらないから、本人をどうしても取り調べなければならない捜査上の理由はなくなってしまう。」と書いてあるのですよ。こういうのをタウトロギーというのですか。「第三は、略式手続きによることの承諾書を取る必要がある場合である。」今回の事件ではこれにも当たらない、これはどういう意味ですか。もし何だったらこれを読んでください。     〔委員長退席、星野委員長代理着席〕
  35. 濱邦久

    ○濱政府委員 この論文自体について論評することはいたしかねますけれども、ここで言っておられる「検察官が被疑者の出頭を求めるのは、第一には、被疑者が犯行を否認しているなど本人を取り調べなければ犯罪事実が確定できない場合、」(仙谷委員「それには当たらない。いいですよ、それは」と呼ぶ)いや、ここに書いてある三つの。場合というのは、二つ目は「被疑者の弁解を聞き、情状を調べなければ、起訴するか起訴猶予にするか決定できない場合、」三つ目は「略式手続きによることの承諾書を取る必要がある場合である。今回の事件では、この三つのどれにも当たらないから、本人をどうしても取り調べなければならない捜査上の理由はなくなってしまう。」ということをおっしゃっておりますね。(仙谷委員「正しいですか。いいですか」と呼ぶ)
  36. 星野行男

    星野委員長代理 発言を求めて。  仙谷君。
  37. 仙谷由人

    仙谷委員 「第三は、略式手続きによることの承諾書を取る必要がある場合」。本件は略式手続によるんだから、そもそも承諾書をとる必要があったんじゃないですか。
  38. 濱邦久

    ○濱政府委員 委員のお尋ねになっておられるのは、その三番目に関連してのお尋ねですね。――わかりました。いや、私は今その論文の三点についての理解をおっしゃっていることかと思ったわけでございます。  それで、この金丸前議員に対する略式手続の告知の経緯というのは、先ほど中間報告で御報告したとおりですけれども、これは結局、被疑者の利益を擁護する立場にある弁護人が終始関与しておったわけでございまして、金丸前議員において略式手続の意味あるいは趣旨を十分理解した上で、その意思に基づいてこれに異議がないことを確認できる旨を実質的に担保していたということでございます。  さらに、念のために、この略式請書の提出後、検察官においては、弁護人から金丸前議員に電話をかけさせて弁護人と電話をかわった上で、その場で金丸前議員に再度直接、略式手続によることに異議がない旨の確認も行っているということでございます。  したがって、この刑訴法の要求する略式手続の説明告知につきましては、検察官が被疑者に対して略式手続の意味や趣旨を理解させるものである限り、必ずしも面接の有無等は問わない。これは、過日最高裁当局からも答弁がありましたように、略式手続の意味や趣旨検察官から直接被疑者に説明告知されたと同等に評価できるような実質が大事であるというふうに理解しておるわけでございます。したがいまして、今申し上げたような実質を満たすものである限りは、略式手続の告知説明の手続は適法、有効なものであるというふうに考えているわけでございます。
  39. 仙谷由人

    仙谷委員 そういうバイパスみたいな手続をいまだかつて法務省も裁判所も認めてなかったはずですよ。どこにそんなことを書いてある教科書や参考書や書き物があるのですか、論文が。よく御存じでしょう、濱さんは研修所の教官もなさっているから。まして、白表紙だってそんなものないじゃないですか。今度新たにあなた方が発明して最高裁のお墨つきを与えさせようとしているだけじゃないですか。通用しない、そんなことは。  ましてや、これはどうなんですか。東京地検の次席検事高橋武生。いいですか、ワシントン・ポスト紙に、「「比較的軽い犯罪の場合、当事者がすべて告白するなら、事情聴取や裁判にもっていかないのがわれわれの慣例だ」と述べた」こういうふうに書かれているのですよ。日にち言いましょうか。九月二十九日。高橋次席検事がもしそう述べたとすれば、どうですか、「慣例だ」というこんな論理は、東京地検、法務省にあるのですか。事情聴取に持っていかないのが我々の慣例だ、こんな論理あるのですか。     〔星野委員長代理退席、委員長着席〕
  40. 濱邦久

    ○濱政府委員 今委員お尋ねになっておられるその、ワシントン・ポストとおっしゃいましたか。ちょっと今理解できませんでしたので、後ほど……。
  41. 仙谷由人

    仙谷委員 私は持っておりませんけれども、私が持っているのは、十月三日付の読売新聞に載ったワシントン・ポストの引用です。だから、訳が合っているかどうかわかりませんけれども。
  42. 濱邦久

    ○濱政府委員 ちょっと、趣旨がよく理解できませんけれども、被疑者の取り調べの手続をとるかどうかということは、これはそれぞれの具体的事件の具体的状況によるわけでございまして、その事件の証拠の集まりぐあいとか、それから捜査の進展状況とか、そういうことからその必要性を判断して、必要がある場合には被疑者の出頭を求めて取り調べをいたしますし、必要がない場合には 被疑者の取り調べをしないで処理をするということは、これはよくあることでございます。
  43. 仙谷由人

    仙谷委員 では、あなた、処理という一般論で今逃げたけれども、予算委員会でも聞かれて、予算委員長に注意されているケースがあるでしょう。略式命令、略式起訴をした事案で被疑者を取り調べなかった例はあるのですか、ないのですかという点について、全然、島田最高裁刑事局長、これは島田さんだけれども、あったかなかったかは把握していない。法務省の刑事局長の答弁は国民の納得が十分得られない、答弁内容について十分検討していただきたいと言われているけれども、今の点、どうですか。
  44. 濱邦久

    ○濱政府委員 最高裁御当局が衆議院の予算委員会でお答えになられましたのは、そういう事例を調査していないのであるかどうかは把握してないという御趣旨のお答えだったと記憶しております。  もちろん法務当局におきましても、そういう事件の有無について特に報告を求めているわけではございませんけれども、それはもちろん例はあるというふうに承知しているわけでございまして、例えば運転免許証上の住所の虚偽記載に係る免状不実記載罪で被告人を罰金五万円に処する旨の略式命令が発せられた事案におきまして、被疑者が検察官に犯行を自認する内容の上申書を提出して、弁護人も当該上申書の作成経緯を明らかにした上申書を提出したことから、検察官における取り調べを行わずにそのまま略式命令の請求手続をとった事案があるものと聞いているわけでございます。  また、そのほかにも、例えば被疑者が検察官の出頭の求めに応じないまま、検察官が弁明の機会を与えたのに、再三の出頭の求めにも応じない、取り調べにも応じないという被疑者について、ほかの証拠から罪証明白であるということで公判請求した事例もございます。
  45. 仙谷由人

    仙谷委員 公判請求する場合があるでしょう。略式命令の場合は、いいですか、承諾書とれないのに何でそんなことできるのですか。そうでしょう。先ほどおっしゃった例は、どういう事情があったのか、後で教えてください。そんなもの、もしあるとしても極めてレアケースでしょう。それは特殊な事情があったはずですよ。単にマスコミに取り囲まれたなんという事情で調べないなんということはないはずですよ。あなた方のというか、いわゆる東京地検あるいは法務省が伝統的にとってきた糾問的な捜査観からして、被疑者を取り調べない、被告人を取り調べないで起訴をする、略式起訴をするなんということはあり得ないはずですよ。  ちょっと変えます。  次に、根來さんという法務事務次官。これは、取り調べなかったのは「現行法の適用としてはやむを得なかった。」こういうふうに読売新聞の十一月十日のインタビューで語っている。極めて簡単ですね。現行法の適用としてやむを得ないということで済ませていただけるんだったら、ほとんどの人は、面倒くさいから取り調べには応じませんよ。  私は、こうやって法務総合研究所の所長から法務事務次官から東京地検の次席検事、いわば検察ではトップクラスですよ、そういう人が寄ってたかって今回の捜査の方法を合理化しようとする、法を曲げて合理化しようとする、今までせっかく東京地検特捜部が、東京地検があるいは検察庁全体がとってきた原則をいとも簡単にゆるがせにしてそれを合理化しようとする、こんなの法律家じゃないと言っても過言でないと思いますよ。むしろ、この点について真摯に反省しなければいけないのじゃないですか。  そこで、お伺いします。  最高裁判所から「刑事手続法規に関する通達・質疑回答集」というのが出ておりますね。持っていますか。この中にちゃんと取り調べをしないで略式命令を発することの可否が問われていますね。「許されないものと解する。」という答えになっていますね。これで「(検)」と書いてあるから私は何かと思って見てみたら、検察月報五十六号に出ている、暗号がそうなっておるとわかりました。法務省に、検察月報五十六号というのを見せてくれ。お見せすることはできませんと言う。今の段階でもこの検察月報などというものが国会にも出すことできない代物なのですか、まずそれ、答えてください。
  46. 濱邦久

    ○濱政府委員 検察月報自体は現在も検察部内の内部資料として定期刊行しているものでございます。その内容は、具体的事件の検察運営の内容、検察権行使あるいは具体的事件の報告等を内容とするものでございますのでこれは外部にはお出しいたしかねるということで、そういうふうにお答え申し上げたと思うわけでございます。
  47. 仙谷由人

    仙谷委員 少なべとも、私が見せてほしいと言った検察月報の部分は、何か刑事訴訟法が変わったときに、改正になったときに、事務規定というのですか、これが変えられた、あるいは訓令された、それに伴って、それをより具体化したものを質疑回答集ということで出したということなのでしょう。いわば刑事訴訟法の具体的な検察官の執務の要領を書いたものでしょう。あるいは解釈規定になっているものなのだ。つまり、本件で問題になっておるのは、刑事訴訟法四百六十一条の二、これについての具体的な運用の応答が書いてあるわけでしょう。そうじゃないですか。
  48. 濱邦久

    ○濱政府委員 検察月報自体は、先ほど申し上げましたように、部内の資料として具体的事件の検察権行使等にかかわる内容の報告等をその掲載内容としているものでございます。
  49. 仙谷由人

    仙谷委員 では、この回答集というのは、私が申し上げたように「昭和二十八年、刑訴及び刑訴規則の一部改正に伴う質疑回答集ということで各庁あてに送付したもの」というふうに書かれていますけれども、そうじゃないのですか。  それで、今の問題については、「検察官が被疑者を取り調べないで、書面を送付して略式手続の趣旨を告知し、かつ、略式手続による旨の同意書を徴することは、違法か。」「許されないものと解する。」と書いてあるじゃないですか。この取り扱い、いつから変わったのですか。
  50. 濱邦久

    ○濱政府委員 お答えいたします。  今委員お尋ねの次席検事会同の質疑回答には、御指摘のように、被疑者を取り調べないで、検察官から書面を送付して略式手続の趣旨を告知し、かつ、略式手続による旨の同意書を徴することは違法かという問いに対しまして、「許されないものと解する。」という回答がなされたという記録はございます。そのとおりでございます。  ただ、これは正確に御理解いただきたいと思いますので申し上げるわけでございますが、略式手続の告知が被告人が公開の公判によって裁判を受けるという憲法上の権利を放棄させることに通じるという重大な意味を持つものであることにかんがみまして、法律上も検察官がこれを行うべきこととされていることを踏まえまして、単に被疑者に書面だけを送付して事足れりというような取り扱いをすべきではないということを端的な回答の形で示したものであるわけでございます。取り調べをしないでした略式手続の告知の当否自体、あるいは、およそ略式手続の告知について書面を用いることの可否について論じたものではないというふうに理解しているわけでございます。  もう少し申し上げますと、金丸前議員に対する略式手続の告知について申し上げますると、この告知手続につきましては、単に検察官が金丸前議員に略式手続の趣旨を告知した書面を一方的に送付したというものではございません。先に、書面による略式手続の告知を求めるとの弁護人の上申書を受け、検察官が「略式手続の告知」と題する書面を作成して、いわゆる略式手続の請書とともに弁護人を通じて金丸前議員に交付し、金丸前議員においてこの書面によって告知を受けた旨を記載し、弁護人がその真正であることを副署した上申書及び所要事項の記入を行った請書を作成し、これらを弁護人を通じて検察官提出したという経緯を踏んでいるわけでございます。  刑事手続におきまして、被疑者の利益を擁護す る立場から適正手続の保障を全うすべき弁護士たる弁護人が終始関与して、金丸前議員において略式手続の意味ないし趣旨を十分理解した旨を実質的に保障しているという事実関係があるわけでございます。そして、さらに念のため、この請書の提出後、検察官において弁護人から金丸前議員に電話をかけさせて、弁護人と電話をかわった上、その場で金丸前議員に再度直接略式手続によることに異議がない旨の確認も行っているということでありますから、単に書面を送付したケースと同様に論じ得ないことは当然であるというふうに考えるわけでございます。
  51. 仙谷由人

    仙谷委員 刑事局長の今の答弁は、単に書面を送付して略式手続の趣旨を告知したわけではない、弁護人が間へ入っている、せんじ詰めればこういう話ですよ。これは、検察官が被疑者を取り調べないで略式手続による旨の同意書を徴することは違法かという問題には全然答えていないことになる。法務省がいつから人権擁護尊重派になったのか知りませんけれども、取り調べることによって実体的真実発見の義務があるから取り調べなければいけないわけでしょう。その点を今回は放てきしたから、さっき私が申し上げたような問題が起こっているのじゃないですか。  取り調べなしで、局長がおっしゃるような、弁護人が間へ介在して行ったり来たりして、上申書が出て、同意書の書式というか用紙を渡して同意書が返ってくるという、この方法ですね。取り調べなしで金丸さんの五億円事件を処理しようというのは、今回の場合、これはどのレベルで決まっているのですか。検察首脳会議というのがあるやに聞きますけれども、そのレベルで決まったのですか。
  52. 濱邦久

    ○濱政府委員 まず、その具体的事件の捜査処理、特に今委員お尋ねのどういう処理をするかということにつきましては、これはその事件の捜査処理を任されております検察官がその責任と権限で決めることでございます。  それから、先ほど委員のお尋ねの中には、二つのことをあわせておっしゃっておられる点があるかと思うわけでございますが、要するに、被疑者の出頭を求めることには大きくわけて二つの意味合いがあるかと思うわけでございまして、一つは被疑者の取り調べをするためということと、それから先ほど来お尋ねになっておられます略式手続についての理解を得るための説明をするという二つの意味合いがあると思うわけでございます。  それで、委員は先ほどから、取り調べしないで略式手続をとるのはどうかということをあわせておっしゃっておられるわけでございますけれども、今私申し上げた二つの観点のうちの前者の方、すなわち被疑者の取り調べをする必要があるかどうかということは、先ほど私申し上げましたように、証拠全体の集まりぐあいあるいは捜査の進展状況等から被疑者本人の取り調べが必要かどうかということを判断して、必要がある場合には被疑者の出頭を求めて取り調べる、必要がない場合には取り調べないということになるわけでございます。  もう一つの被疑者の出頭を求めることの必要性とか意味合いというのは、先ほど来委員がるるおっしゃっておられますように、略式手続の説明告知あるいは確認というものが正確になされているかどうかということになるわけでございます。したがいまして、その二つの点は一応区別して考えなければならないだろうというふうに思うわけでございます。  それで、先ほど来委員がお尋ねになっておられます本人の出頭を求めずに略式手続の告知ができるのかという点につきましては、検察官が略式手続の概要の説明をしたと実質的に評価できる場合でありますれば、この刑事訴訟法四百六十一条の二の略式手続についての説明告知あるいは略式手続によることに異議がないことの確認、これらの手続をとったということで、手続を適法に履践したというふうに考えられるということを申し上げたわけでございます。
  53. 仙谷由人

    仙谷委員 検察首脳会議というのは本件で開かれたのか、開かれなかったのか。そして、金丸さんを取り調べないで済ますのだということが検察首脳会議で決められたのか、それとも検察首脳会議とは関係のない独任官庁としての取り調べ担当官が決めたのか、どちらですか、これを答えてください。答えになっていないんです。
  54. 濱邦久

    ○濱政府委員 もちろん、今委員お尋ねの後者の方でございます。したがって、主任検察官が最終的に決断するということになるわけでございます。
  55. 仙谷由人

    仙谷委員 そうすると、検察首脳会議に決裁を仰ぐあるいは報告をして了承を得るというふうな手続は、本件の場合にはなされていないのですか。
  56. 濱邦久

    ○濱政府委員 俗に言われます検察首脳会議というものは、必ずしも決まった定義があるわけでもございませんし、検察首脳会議を開かなければならないとかというようなことも別に決まっているわけではございません。
  57. 仙谷由人

    仙谷委員 相変わらず全然答えになっていないけれども、私は常識的に見て、主任検察官というと少なくとも私の期より下の期の検事ですよ、そういう人が処理するときに、呼び出しのはがきも出さず、つまり事務的な処理をしないで――金丸さんに呼び出しのはがきを出していないんでしょう。そういういわゆる罰金二十万円という軽罪な事件であれば通常行うであろうような処理をこの事件は一切していない。そして、これから聞きますけれども、札幌高検の検事長の佐藤さんが言っているように、「例えば「上申書が提出されたから」とか「マスコミが大騒ぎしているから」とかで、「検察官の生命」ともいうべき被疑者に対する取調権を放棄するようなことはあり得ない。」若い検事が取り調べをしないで済ますなんてことはむしろあり得ないと思いますよ、こういう事案に関しても。  なぜこのような取り扱いがなされたか。それは、いいですか、根來さんが文芸春秋の中で堂々とお書きになっておるように、大事件であれば検察首脳会議が開かれる、こういうことを言っていますよね。大事件だから、捜査のやり方、捜査方針も、主任検察官が決めたんじゃなくてもっと上層部の検事が決めたということになるんじゃないですか。そんな事実はないんですか。
  58. 濱邦久

    ○濱政府委員 先ほどお答えいたしましたように、それぞれの具体的事件の処理についての決断と申しますかどういうふうに処理するかということは、これはその具体的事件を捜査して、証拠の内容、情状等を一番よく知っている主任検察官がその責任と権限の範囲で判断するわけでございます。  もちろん、検察の場合には、委員も御案内のとおり、一般の行政庁と違いまして、一般の行政庁で行われているようにそういう組織上の決裁制度と申しますかそういうものとは違って、検察部内で衆知を集めるという意味での決裁官と申しますか決裁者というものはもちろんあるわけでございますし、またその主任検察官の判断について、例えば委員が先ほど御指摘になっておられますように、地検で捜査をしている場合には、例えば高検あるいは最高検の幹部の意見を聞いて衆知を集めるというようなことは通常行われているところでございます。  しかしながら、先ほども申しましたように、その具体的事件について責任を持って処理の判断をするのはその事件の捜査をよく知っている当該主任検察官でございますし、もし地検が捜査しているといたしますと、例えば検事正がそれを決裁するというようなことは通常よくあるわけでございます。
  59. 仙谷由人

    仙谷委員 よくわからないのですが、衆知を集めて、この事件では、衆知を集めた結果金丸さんを取り調べないことにした、そうなんじゃないんですか。端的にお答えください。
  60. 濱邦久

    ○濱政府委員 先ほどお答えいたしましたように、この事件を捜査いたしております東京地検がその判断をしたということでございます。
  61. 仙谷由人

    仙谷委員 じゃ、ちょっと聞き方を変えましょう。  九月四日から生原さんの取り調べが始まったようですね。連日取り調べが始まった。十日には安部弁護士と五十嵐特捜部長が初めて会っている。それで、事件になったのは、認知事件として立件されたのは、どうも九月二十五日のようですね、検察庁の記録によりますと。安部弁護士の話によりますと、事情聴取はしない、上申書を出してくれ、ただし五億円は金丸個人あてに入ったことにしてほしいという通告が五十嵐部長から安部弁護士になされたのが九月二十三日。安部弁護士の話によりますと、最高決定が出たんだと五十嵐部長は言ったという話でございます。そういう経過ですね。  それで、その中で、九月の二十五日までの間、つまり上申書が出されるまでの間、検事総長や東京高検の検事長次長検事や東京地検の検事正がどのぐらい五十嵐特捜部長の方に話をしたか、つまり、どのぐらいというのは回数ですよ、あるいは特捜部長とそういう東京地検の検事正以上の方が協議をしたか、この事件の処理方法についてですよ、これはいかがですか。
  62. 濱邦久

    ○濱政府委員 まず、今委員がお尋ねになっておられる前提の中に、例えば安部弁護士と五十嵐特捜部長がこういう話をしたとかいうような、るるお尋ねの中でおっしゃっておられますけれども、これは、委員の方はあるいは報道等を根拠におっしゃっておられるのかもしれませんけれども、そういう事実はないというふうに聞いているわけでございまして、私どもの方で承知しておりますのは、九月十日以降弁護人を通じて金丸前議員の取り調べのための出頭方を求めていたということでございます。  それから、先ほどちょっと検察庁におけるこの事件の認知立件のことについておっしゃったわけですけれども、これは、本件の認知立件は九月二十六日になされております。
  63. 仙谷由人

    仙谷委員 お答えがないのですが、東京地検の検事正あるいは高検の次席検事、あるいは東京高検の検事長検事総長そのものが五十嵐特捜部長に直接捜査の指揮、それは別に法律で禁止されていることじゃないですからね、あるいは協議というふうなことを行ったかどうか、何回ぐらい行ったか、この金丸さんの五億円事件についてですよ、そのお答えをしてください。
  64. 濱邦久

    ○濱政府委員 具体的事件の捜査処理の経緯の内容になるわけでございますので立ち入って具体的にはお答えできませんけれども、数回協議をしているということは事実であるというふうに思います。
  65. 仙谷由人

    仙谷委員 一番わかりにくいところですから、何月何日に会ってこういう指示をしたとか協議をしたというのはなかなかおっしゃりにくいでしょうけれども、本件はこういう格好で終わって、先ほどの札幌高検の佐藤検事長のような、こういう議論が出てくる。それで佐藤検事長を注意したということになるわけですね、大臣。そうですね。  その前提として、検事総長が十月十四日札幌へ行く予定にしておって、これを中止しましたね。これは何のために行くことにしておって、何のために中止したのですか。
  66. 濱邦久

    ○濱政府委員 検事総長が札幌高検管内の視察に行く予定であったところ、その予定を変更したのはなぜか、こういう御趣旨かと思うわけでございます。
  67. 仙谷由人

    仙谷委員 いや、だから、行く予定にしていてやめたというのは事実か、そしてやめたとすればなぜか。
  68. 濱邦久

    ○濱政府委員 それは事実でございます。その理由は、警護上の理由であったというふうに聞いております。
  69. 仙谷由人

    仙谷委員 十月十四日付の朝日新聞によりますと「検事総長の身辺に危害を加えるような電話が時折かかってきている。このため、万一の場合を考えて見合わせることにした」、こういうことが報道されているのですね。しかし、検事総長が身辺の危険性を感じて視察に行くことをやめたというのは、これは到底いただけないですね。警視総監がそういうことをやめたらどうします、総理大臣が右翼の街宣がこわくてやらなきゃいけないことをやらなかったらどうします。  こういう理由がついているけれども、本当はやめさせた人がおるんでしょう、これは。  十月二十五日に根來さんと岡村検事総長が高輪の法務施設「かつら」でひそかに会っている。二十五日というのは、これ日曜日ですよ。日本テレビに隠し撮りされて放映されたじゃないですか。そして、二十六日、急遽緊急検事長会同が招集された。佐藤検事長を含めて東京へ高検の検事長が全部呼び寄せられた。そうですね。これは新聞報道ですべて明らかですよ、日にちは。それで、佐藤高検検事長に注意を与えた。法的根拠があるのか。法的な注意ではない。つまり、一番最初は、岡村検事総長が佐藤検事長を注意に札幌へ行こうとしたけれども、注意に行くのにあなた札幌へ行く人がありますか、呼びつけなさい、しかし呼ぶ理由がないよ、じゃ全員集めましょうと全員集めた、こういうことでしょう。報告受けてないですか。
  70. 田原隆

    田原国務大臣 検察庁の内部のことについては、注意をしたということは聞きましたけれども、事前については、相談すべきことでもないし、相談を受けておりません。
  71. 仙谷由人

    仙谷委員 もう時間がなくなりましたけれども、この注意について、土肥さんという次長検事、批判的な意見を外へ出したから注意をしたんだ、こういうことを言っておるのですね。それで、検察庁をかばうような意見だったとさつきから私はいろいろ言いましたけれども、いいですか、法務大臣、法務総合研究所長とか法務次官が何を言おうと、何が表へ出ようと、これは注意の対象にならないのですか。  根來さんという人は、今週出た週刊文春にも二回目書かれていますよ。金丸さんが五億円もらったのは、職務権限なんかないから、日比谷公園で立ち小便して捕まったのと同じ程度だということを言っているじゃないですか。証拠があるとまで文春の記者に書かれているじゃないですか。こんなことでどうなるんですか、法務省。何で金丸さんが五億円を受領した事件が日比谷公園で立ち小便して警察に捕まったのと同じ程度の事件なんですか。――ちょっと待ってください、もう時間がございませんので。法務大臣、どうですか、調べて注意しますか、それとも調べませんか。あなたの部下です。
  72. 則定衛

    ○則定政府委員 大臣への御質問ですけれども、事実調査の結果についてまず御説明いたしまして、その上で要すればまた大臣から答弁させていただきます。  今御指摘の放言といいましょうか、これが果たしてあるかどうか私ども調査してみたわけでございますが、今委員御指摘の文言といいますのは、御指摘のとおり文芸春秋十月一日号でそういう報道がなされているわけです。(仙谷委員「週刊文春」と呼ぶ)週刊文春でございますね。これがいわば種元みたいになっておりましていろいろなところで利用されておる、こういうことでございます。  この点につきまして事務次官に確かめましたところ、このような週刊文春に対して話したことは全くないということでございまして、九月二十五日に担当記者に対しまして厳重に抗議いたしました。その際、いつだれに対してそのような発言をしたのか、それが明確にできるものはしてほしい、こういうことを申し入れたわけでございますが、その担当記者のおっしゃいますには、取材源の秘匿の関係で明らかにできない、もし不服があるならば編集長に抗議をするかそれとも訴訟を起こせばよいでしょう、こういうことになったわけでございまして、九月三十日に事務次官から週刊文春編集長に文書で抗議しております。さらに、今おっしゃいましたように二回目の同誌の十二月三日号にも同種のことをみずから語ったということになっておるわけでございますが、今申しましたような経緯からおわかりのとおり、そのような事実は全くないということでございます。
  73. 仙谷由人

    仙谷委員 大臣、どうですか。
  74. 田原隆

    田原国務大臣 佐藤検事長に対する注意は検察 庁自体で検事総長が行ったものであり、事後報告を受けたわけでありますが、根來事務次官の場合ただいま官房長が申したようなことでありまして、その他注意に値するように私は考えておりませんが、一般論としてそういう場合があり得ることもないこともあると思います。
  75. 仙谷由人

    仙谷委員 終わります。
  76. 浜田卓二郎

  77. 倉田栄喜

    倉田委員 公明党・国民会議倉田でございます。  私は、まず裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に関連して御質問を申し上げ、最後に、法務大臣に対し、渡邉東京佐川急便前社長の刑事被告事件における検察首脳の発言についてお伺いをいたしたいと思います。  まず検察官俸給等について、これは法務省にお伺いをいたしたいと思います。  いただきました関連資料の中で、この表を見ますと、まず内閣総理大臣は最高額で二百十一万四千円、これは最高裁の長官と同じでございまして、その次、最高裁判事検事総長が百五十四万一千円、これが最高の額でございます。この表の一番最後の方は司法修習生の十八万三千八百円、こうなっておりまして、検事さんの、検察官の二十号と申しますか、これが二十一万八千百円、こういうふうな表になっております。  そこで、まず検察官俸給の体系についてお伺いをしたいわけでございますけれども、以前問題になりました検察官の任官不足の問題で、いわば最初に任官される方々については初任給調整手当等の措置が図られまして、この辺のところは大分よくなったとは思うのですが、中間におられる方々、この表の、例えば検察官でいきますと検の十三から恐らく十六号ぐらいまででしょうか、政府職員に関しますと十級から七級あたり、例えば本省の課長さんあるいは本省の課長補佐さんの職務の辺の給料でございます。これが検十三のところを見ると三十一万六千百円という俸給表になっているわけでございますが、感覚として私が感じるところなんでございますが、三十代後半から四十代前半にかけて、いわばそれぞれの子供さんたちが高校、大学で、家計的には一番出費がかさむ時期なのではないのかな、こういう思いもするわけです。そういう思いから比べると、最高額の報酬それから初任給等々を比較した場合、この俸給体系において、例えば検察官の中くらいのところにおいて薄いというふうな御議論あるいはそういう御意見が法務省内部にないかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
  78. 濱崎恭生

    ○濱崎政府委員 委員御指摘の給与体系、これは基本的に裁判官検察官も同じでございまして、初任給調整手当は初任の者だけでなくて、初任から大体五年間程度は、だんだん上に行くに従って初任給調整手当自体は額が小さくなりますけれども支給されるということでございまして、それが支給されなくなるのが、裁判官では判事補四号以上、それから検察官については検事十二号以上ということでございます。  委員御指摘の年代ということを考えますと、大体そのあたりから中間層ということになりますと、判事の号俸でいいますと八号から五号あたりまで、判事の中では下位の方、それに対応する検察官の八号から五号まで、そのあたりを御指摘なのではないかなというふうに考えます。  このあたりの俸給の額は、今委員がごらんいただいておる一覧表のとおりでございまして、こういう金額になっておるわけでございますけれども、私ども端的に申し上げまして、特に上下との関係においてこの中間層の俸給の額が額として低いという声は、一般的な声としては聞いておらないところでございます。  また、一般政府職員給与の昇給がどういうふうになっているかということは、私ども正確なところは承知しておりませんが、おおよそのところ何年ぐらいたったらどの辺に行くだろうということを推測しておりますけれども、そういう推測のもとに一般の行政官、特に国家公務員採用の一種試験を合格した方が順次どういうふうに昇給していくかということを想定した場合の給与体系と対比いたしましても、御指摘の中間層が、裁判官検察官の場合において低いということはないものと考えております。
  79. 倉田栄喜

    倉田委員 そういう御意見がないのであれば結構なことでございますけれども、きょう人事院の方にもお見えいただいておりますので、一般論として人事院にお伺いをいたしたいと思います。  私が今のような質問を申し上げたのは、例えば先ほど検事総長、最高裁長官の、これは官に対する報酬でございますのでそれなりの額であるな、こういうふうに思うわけでございますが、職責の第一線を担われて一番大変な時期、それと同時に家計の方については結構いろいろ出費が多端入用な時期、こういう時期にそれなりの、いわゆる本給において手当てがなされるようなシステムが考えられないのかどうか。一般に昇進制がとられておるわけでございますけれども、その昇進制、俸給号数に従ってそれぞれの年度について引き上げ率等々が決められていくわけだと思うのですね。  そこで、人事院としては、この昇進の幅あるいは引き上げの幅、この点について、職場の職責あるいは年齢、家計で非常にたくさん出費が要る時期があると思うのですが、こういう時期により厚く支給されるような俸給体系あるいはスライドの勧告、こういうものがなされないのかどうか、人事院はいわゆる給与人事院勧告についてこの点どんな御配慮をなさっておられるのか、あるのかどうかも含めて御質問したいと思います。
  80. 松浦知彦

    松浦説明員 お答えいたします。  ただいま先生御質問の件でございますが、先生の御質問は、俸給の改定に際してどの層にどのような改善を行うかという、いわば官民較差を原資といたします配分の問題というふうに我々考えておりまして、配分につきましての基本的な考え方を申し上げさせていただきますと、人事院といたしましては、従来から民間の状況を参考にいたしまして、さらに世代別の標準的な世帯構成その他もろもろの事情を総合的に勘案して判断して対処する、こういう基本原則で臨んできております。  ここ数年、先生御案内のとおり、初任給を中心といたしまして民間では非常に大幅な上昇がございました。したがいまして、それに従って公務員におきましても初任給あるいは若年層重視の改善を行う必要があるということで改善を行いました結果、中堅層以降の職員につきましては相対的に低目の改善になってきた、こういう状況があったわけでございますが、本年の改定に際しましては中堅層にも留意することが必要ではないか、こういうことでございまして、例えば具体的には、行政職(一)をとってみますと、行政職(一)の三級以下につきましては制度的な年齢で見まして大体四十歳過ぎまで、それから四級以上につきましても大体三十歳代後半までは行政職(一)の平均的な引き上げ率でございます二・九%を確保するような改定を行ってきているということでございます。  それからまた、四十歳半ば以降の職員層の扶養の実態、こういったものを考慮いたしまして、扶養手当のうち子供に係る分につきまして支給年齢の引き上げを、従前の十八歳から二十二歳まで引き上げるというようなことを行っておりまして、俸給表以外にも手当による措置も含めましてできるだけ中堅層職員の処遇改善には意を用いてきた、こういうつもりで考えております。
  81. 倉田栄喜

    倉田委員 そこで、お伺いをしたいと思うですけれども、検察官あるいは裁判官のいわゆる途中退職者、中途辞職者と申しますか、この点について、私ちょっと法務省から資料をいただいたわけでございますけれども、例えばいただいた資料の中で最近における検察官について申し上げますと、検事以上の検察官の退職者の年齢別内訳表、定年退官者を含まない場合ですが、昭和六十年から平成元年まで、三十歳から三十九歳までの方々が昭和六十年は十四人、六十一年は十一人、六十二年は十三人、六十三年は十二人、平成元年は十三人と、一番働き盛りの人たちがほかの層に比べてちょっと多いのかな、こういうふうな印象を 持ったわけでございます。俸給の問題と関係があるのかどうかわかりませんけれども、いわゆる最近の中途辞職者の傾向について特別なことがあればお答えをいただきたいと思います。
  82. 則定衛

    ○則定政府委員 検事の中途退職者の傾向につきましては、今委員御指摘のとおり、昭和六十年代当初十数名、十一名から十四名ぐらい、これが三十歳から三十九歳で、働き盛りの層に当たるかと思います。その数が平成二年あたり、二年ほど前からでございますけれども、一けた台に減ってきているということが言えるかと思います。  また、毎年約五十名弱、四十数名が途中退官ということになるわけでございますが、その大部分が五十歳以上、かつ最近の傾向を見ますと、勧奨退職を含めてでございますけれども、五十歳以上の比率が高まってきているということでございまして、一時いろいろと議論を呼びました中堅層の退職者数の高さといいましょうか、数の高さという傾向はおさまってきていると思っておるわけでございます。  なお、つけ加えますと、三十歳代は働き盛りである反面、子供の学校の問題というのが非常に深刻な年代でもあるかと思うわけでございますが、そういう進学問題を抱えた層につきまして最近の人事政策といたしましてできるだけ支障の少ないような配置の仕方を実行しているということもそれなりの効果として上がっているのではなかろうか、こう考えております。
  83. 倉田栄喜

    倉田委員 裁判官の方についてはいかがでございますか。
  84. 泉德治

    ○泉最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。  裁判官の中の判事判事補の中途退官でございますけれども、毎年四十名から六十名でございます。ただ、中途退官と申しましても、この中には六十歳を超えまして、定年近くになりまして公証人あるいは簡易裁判所判事に転官する人が半分を占めておりまして、弁護士とか学者になるための退官、すなわち本当の意味の中途退官というものは大体年間二十名ないし四十名というところでございます。この数は、若干の差がございますけれども、ここのところほぼ横ばい程度のものでございます。  なぜこういう中途退官をするかということでございますけれども、自分の親族の経営いたします法律事務所に後継者として入るケースも多うございますし、あとはやはり子供の教育それから親、親族のために一カ所に居を構えていたい、つまり転勤を避けたいという方がございまして、これが数として一番多いのではないか、このように考えております。
  85. 倉田栄喜

    倉田委員 まだ質問を大分残しておりますので簡潔にお答えいただきたいと思うのですが、検察官に限ってお尋ねをいたします。  最近の検察官の定員の充足状況、それからこれは裁判官にもまたがりますけれども、来年度の司法修習生の検判事の任官見込み、これの数がわかりましたら教えていただければと思います。
  86. 則定衛

    ○則定政府委員 まず、検事関係につきましてお答えいたしますが、定員が千百七十三名に対しまして、十二月一日現在の欠員が八十一名ということになっております。  それで、来年度、司法修習生から検事任官予定者数でございますが、まだいわゆる後期修習が始まったばかりでございますので、確定的な数字は把握し切っておりません。ただ、何といいましょうか、現地修習の指導官等々からの報告等を集計いたしますと、四十名程度は検事任官をするのではないかと考えております。
  87. 泉德治

    ○泉最高裁判所長官代理者 裁判官について申し上げます。  判事判事補の欠員は、三十名でございます。  一方、来年度の任官の見込みでございますけれども、これも検事と同様でございます。これから願書を修習生に配りまして、その締め切りが来年の一月の十八日というところになっております。現在のところ、研修所から得ている情報によりますと、来年八十名台の任官が見込めるのではないか、このように考えております。
  88. 倉田栄喜

    倉田委員 定員充足の状況に関連して、この間、弁護士からの検事判事の任官制度が動き出しております。この実情、任官者数、それから任官された方々の仕事の内容、またどういう基準で採用されておられるのか、今後この制度をどういうふうに運用していかれるつもりであるのか。もう大分時間がなくなってきましたので簡潔にお答えいただければと思います。
  89. 則定衛

    ○則定政府委員 まず、弁護士から検事に任官する問題でございますが、昨年十月に三者合意の結果、検事といたしましては、弁護士経験三年から十五年に該当する層から希望があれば任用させていただきたい、こういうふうに考えているわけです。  本年度、制度が始まってまだ間もないわけでございますが、二名の弁護士さんから検事に任官していただきまして、いずれも東京地検の公判部で現在勤務中という状況でございます。  今後とも、適任者がおられれば積極的に採用してまいりたい、こう考えているわけでございます。
  90. 泉德治

    ○泉最高裁判所長官代理者 裁判所の場合について申し上げますと、ことし五名の弁護士からの任官を見ることができました。来年一月にさらに一名の任官を見込んでおります。既に任官していただきました五名の方は、東京地裁、大阪家裁、大阪高裁、大阪地裁、大阪地裁というところで働いていただいております。  私どもとしても、この任官制度が発展いたしまして、今後ともすぐれた弁護士さんが多数任官してくださることを期待しているところでございます。
  91. 倉田栄喜

    倉田委員 さて、最後に法務大臣にお伺いをしたいわけでございます。  いわゆる裁判官報酬検察官俸給、これは先ほどの司法修習生の十八万三千八百円から始まって、最高額の二百十一万四千円と、上に上がれば非常に高い額になる、こういうふうな状況であるわけですね。  ところで、いわゆる渡邉東京佐川急便前社長の刑事被告事件において、調書が公判朗読をされました。この調書が公判朗読される中で、いわば自民党首脳の方々の、新聞報道によりますれば、いわゆる検察批判発言と呼ばれるものが続きました。名誉毀損で告訴する等々一連の発言がございましたので、このことについては法務大臣も既に御承知のことであろうかと思います。  私は、報酬俸給等の法案審議をしているわけでございますけれども、今申し上げましたように上に上がることによって非常に額も高くなる、こういう状況があるわけでございます。こういう一連の検察批判発言があることがいわゆる検察の準司法的性格、これに非常に影響しているのではないのか、これを懸念するわけですけれども、まず法務大臣に、自民党首脳と言われる方々の検察批判発言、法務大臣としてこれをどのようにお考えになっておられるのか、この点を一点お伺いし、さらに二点目、これらの発言がいわゆる人事、待遇において影響がないのかどうか、あるいは第一線に当たっておられる捜査に対する萎縮効果はないものかどうか、法務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  92. 田原隆

    田原国務大臣 第一点目の御質問については、先ほど来お答えしましたように、私は法律の実務家でございませんので、今度私も初めて知った点がありますが、政治家なるがゆえに私はこういうことが表になった嫌いもありますけれども、もしも一般のか弱い第三者だったらどうするのかということを感じたわけでありますが、裏をとってきちんと公訴を提起する冒陳とか起訴状と違って、いわゆる現場のそこにおいて発言するに近いような、そういう調書が人権を傷つけたりするような場合にどうするかということは、非常に私もそこに思いをいたすときに大変なことだなと思ってああいう発言をしたわけであります。  第二点は検察官について、いろいろ検察官がしたことについて報道等で言われていることがあり ますが、私は、検察官は法に従って厳正、公平にやっているものと信じておりますし、また仮にいろいろそういうことを言われたとしても、私はそれが直ちに今の給与に影響するものとは考えておりません。一般の公務員でもそうであります。検察官は非常に独立性を持って自主の精神でやっていかれることの大変多い職務でありますから、ましてやそうだと思います。
  93. 倉田栄喜

    倉田委員 私は、その一連の発言について、法務大臣としてどのようなお考えをお持ちになったのですか、こういう御質問を一点としてしたわけですが、今法務大臣はいわゆる政治家の名誉あるいは人権の視点から、何か自分も同調できるかな、そういうふうに受け取れる御発言、御答弁があったわけですけれども、法務大臣としてこれらの発言が、いわば司法的性格を持つ、準司法的作用を持つ検察行政法務行政、これらに悪影響を及ぼさないかどうか、そういう点の御心配はなかったのでしょうか。重ねて御質問申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  94. 田原隆

    田原国務大臣 私は、朗読その他、法に従って厳正にやられたことであって、それそのものを批判する気もないし、また三権分立の立場からも当然訴訟指揮が行われたわけで、批判する立場にありませんが、ただ私が申し上げたようなことが一般論としてか弱い第三者にあり得るとするならば、これは謙虚にやはり考えてもいいのではないかということを申し上げたわけです。
  95. 倉田栄喜

    倉田委員 ちょっと私、あれですけれども、これらの発言がともかく法務行政検察行政、これらの中正、厳正を損なうことがないように法務大臣に強く求めて、質問を終わりたいと思います。
  96. 浜田卓二郎

    浜田委員長 これにて質疑は終局いたしました。
  97. 浜田卓二郎

    浜田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、裁判官報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  98. 浜田卓二郎

    浜田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、検察官俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  99. 浜田卓二郎

    浜田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 浜田卓二郎

    浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ―――――――――――――〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  101. 浜田卓二郎

    浜田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後九時十一分散会      ――――◇―――――