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1992-02-27 第123回国会 参議院 法務委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成四年二月二十七日(木曜日)    午後一時開会     —————————————   委員氏名     委員長         鶴岡  洋君     理 事         野村 五男君     理 事         林田悠紀夫君     理 事         北村 哲男君     理 事         中野 鉄造君                 加藤 武徳君                 斎藤 十朗君                 下稲葉耕吉君                 中西 一郎君                 福田 宏一君                 山本 富雄君                 糸久八重子君                 栗村 和夫君                 瀬谷 英行君                 千葉 景子君                 八百板 正君                 橋本  敦君                 宇都宮徳馬君                 紀平 悌子君     —————————————    委員の異動  一月二十五日   委員栗村和夫君は逝去された。     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴岡  洋君     理 事                 野村 五男君                 林田悠紀夫君                 北村 哲男君                 中野 鉄造君     委 員                 加藤 武徳君                 下稲葉耕吉君                 中西 一郎君                 山本 富雄君                 糸久八重子君                 瀬谷 英行君                 橋本  敦君                 紀平 悌子君    国務大臣        法 務 大 臣  田原  隆君    政府委員        法務大臣官房長  則定  衛君        法務大臣官房会        計課長      永井 紀昭君        法務省刑事局長  濱  邦久君        法務省入国管理        局長       高橋 雅二君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総長       千種 秀夫君        最高裁判書事務        総局経理局長   仁田 陸郎君    事務局側        常任委員会専門        員        播磨 益夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国政調査に関する件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  (法務行政基本方針に関する件)  (平成四年度法務省及び裁判所関係予算に関す  る件)     —————————————
  2. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  議長に先立ち、一言申し上げます。  皆様既に御承知のことと存じますが、本委員会委員であられた栗村和夫君は、去る一月二十五日、逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。  ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表して御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。  どうぞ御起立を願います。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 黙祷を終わります。御着席を願います。     —————————————
  4. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) この際、千種最高裁判所事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。千種最高裁判所事務総長
  5. 千種秀夫

    最高裁判所長官代理者千種秀夫君) 一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。  去る二月十三日、最高裁判所事務総長を命ぜられました千種でございます。前任の山嵜事務総長大阪高等裁判所長官に転出した後を受けまして司法行政の任に当たることになりましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  改めて申し上げるまでもないことと存じますが、裁判所は具体的な事件裁判を通して国民人権擁護し一社会法秩序維持するという重要な責務を負っております。この責務を全うするために、司法行政の面におきまして微力を尽くしてまいりたいと考えております。  幸いにして、当委員会委員長並びに委員皆様方の深い御理解と力強い御支援によりまして、裁判所運営も逐次充実してまいっております。何とぞ今後とも引き続きまして一層の御支援を賜りますようお願い申し上げます。  これをもちまして私の就任のあいさつとさせていただきます。  ありがとうございました。     —————————————
  6. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、検察及び裁判運営等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  8. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 検察及び裁判運営等に関する調査を議題といたします。  まず、法務行政基本方針について、田原法務大臣から所信を聴取いたします。田原法務大臣
  9. 田原隆

    国務大臣田原隆君) 委員長を初め委員皆様には、常日ごろ法務行政運営につきまして、格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。  当面する法務行政重要施策につきまして所信一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。  第一は、治安確保及び法秩序維持についてであります。  最近における犯罪情勢を概観いたしますと、全般的にはおおむね平穏に推移していると認められますが、いわゆるバブル経済の破綻に伴い、大規模脱税事犯株式相場操縦事犯、公務員による涜職事犯が相次いで発覚しており、これらの内容もますます複雑多様化広域化、悪質巧妙化しております。また、経済活動国際化等に伴い、国の内外から取引ルールの一層の遵守を求める声が高まり、公正取引委員会から十七年ぶりにいわゆる独占禁止法違反事件の告発がなされるなど、経済取引の公正を図るため刑事罰の活用が求められ ております。  私は、このような情勢のもとで、各種犯罪事象に的確に対処するため、検察態勢の一層の整備充実を図り、さらに、具体的事件を通じて刑事司法に関する国際協力を促進していくことにより、時代の要請に応じた良好な治安確保法秩序維持に努めていき次いと考えております。  第二は、出入国管理行政充実強化についてであります。  近年、諸外国との人的交流がますます活発化しているほか、新東京国際空港の二期施設及び関西国際空港の完成を間近に控え、業務量の大幅な増加が見込まれることから、引き続き要員及び施設確保に努め、業務体制整備を図ることとしております。  また、不法就労を企図して我が国入国する外国人増加傾向にありますが、こうした外国人については、その定着を防止しつつ減少を図るとの基本方針のもと、厳正な入国審査による上陸の防止悪質事犯重点を置いた摘発の実施及び警察等関係機関との協力体制確保に努めてまいります。  さらに、我が国入国、在留する外国人に関する諸問題については、内外情勢や世論を踏まえながら幅広い角度から検討を加え、これらに的確に対処することができるよう全力を尽くしていきたいと考えております。  第三は、一般民事関係事務効率化訟務事件処理についてであります。  一般民事関係事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大するとともに、取引等国際化社会経済生活多様化複雑化を反映して年々複雑困難な事件がふえてきております。逐年大幅な増加を続けてきた登記事件は、不動産取引鎮静化に伴い、その伸びに若干の低下が見られますが、やや長い期間をとってみますと、経済規模の拡大、公共事業活発化等に伴い、登記事件増加傾向は引き続き継続するものと考えられます。そこでこのような現状に対処し、あわせて窓口サービス抜本的改善を図るため、現在、登記事務コンピューター化を鋭意推進しておりますが、全国登記所コンピューター化するには相当期間を要するため、その間も要員確保に努めるなどして増加する登記事件の適正迅速な事務処理体制確保を図っていきたいと考えております。  次に、訟務事件処理についてでありますが、最近の訟務事件は、最先端の知識、技術に関連し、あるいは諸外国法制度との対比が問題とされるなど、複雑困難なものが増加する傾向にあります。また、これらの訴訟は、集団化、大型化し、全国各地裁判所に提起される傾向にあり、訴訟の結果いかんが国の政治行政国民生活等に重大な影響を及ぼすものが少なくありませんので、訟務事務処理体制の一層の充実強化を図り、適正、円滑な事件処理に努めてまいりたいと考えております。  第四は、人権擁護行政についてであります。  人権擁護は、憲法の重要な柱の一つであり、民主政治基本でもあります。国民のすべてが人権について正しい認識を持ち、お互いの人権を尊重し合いながら幸福を追求するという態度が必要であると考えます。  人権擁護行政におきましては、各種広報活動によって国民の間に広く人権尊重の思想が普及高揚するように努めるとともに、具体的な人権に関する相談や人権侵犯事件調査処理を通じて関係者人権尊重を啓発し、被害者の救済にも努めておりますが、中でも、我が国社会国際化に伴う人権問題、部落差別を初めとするいろいろな差別問題、子供をめぐるいじめ、体罰問題につきまして、関係省庁と緊密な連絡をとりながら、一層啓発活動充実強化していきたいと考えております。  第五は、犯罪者に対する矯正処遇更正保護についてであります。  犯罪者矯正処遇社会復帰及び再犯防止につきましては、対象者暴力団関係者覚せい刑事犯者のほか、施設への入出所を繰り返している累入者等改善困難な者の占める割合が増加しているのに加え、高齢化傾向が顕著であるなど処遇複雑困難化が著しくなっております。これらの者の年齢、心情及び行動の変化に応じた新たな処遇方策の開発を図るとともに、犯罪のない明るい社会の実現のために多大な貢献をしている民間篤志家、団体との連携を強化し、一層適切な対策を講ずるよう努めていきたいと考えております。  第六は、法曹養成制度についてであります。  法曹養成制度につきましては、平成二年十月の最高裁判所日本弁護士連合会法務省法曹三者の基本的な合意に基づいて法曹養成制度等改革協議会が設けられ、この協議会において司法試験制度法曹養成制度国民的見地に立った抜本的改革改正司法試験法実施するための検証に必要な事項等について調査、研究、検討を行うこととされております。  この協議会は、平成三年六月に発足し、以後協議が重ねられておりますが、その成果が得られますよう、今後、一層の努力をしていきたいと考えております。  最後に、これら法務行政の適正円滑な推進確保のため本国会に提出し御審議をお願いすることを予定しております法務省関係法律案は、既に提出しました外国人登録法の一部を改正する法律案等を含めて七件であります。このほか、前国会から引き続き御審議をお願いしております刑事施設法案外一件があります。今後、提出法律案内容について逐次御説明することになりますが、何とぞ十分な御審議をいただき、速やかに成立に至るようよろしくお願い申し上げます。  以上、法務行政重要施策につきまして所信一端を申し述べましたが、委員長を始め委員各位の一層の御協力、御支援を得まして重責を果たしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
  10. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 次に、平成四年度法務省及び裁判所関係予算について説明を聴取いたします。  まず、永井法務大臣官房会計課長
  11. 永井紀昭

    政府委員永井紀昭君) それでは、平成四年度法務省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、法務省所管一般会計予算額は五千九十七億三千七百万円であり、登記特別会計予算額は一千四百二十五億七千二百万円でありまして、その純計額は五千八百二十八億三千九百万円となっております。この純計額を平成三年度補正予算額五千五百億一千三百万円と比較いたしますと三百三十八億二千六百万円の増額となっております。  次に、重点事項別予算内容について、御説明申し上げます。  まず、定員関係でありますが、前年度定員に比較いたしますと純増百四十五人となっております。  平成四年度の増員は、新規四百八十人と部門間配置転換による振りかえ増員五十人とを合わせ、合計五百三十人となっております。  その内容を申し上げますと、一、検察庁における特殊事件財政経済事件公安労働事件等に対処するとともに、公判審理迅速化を図るため九十七人。二、法務局における登記事件訟務事件及び人権擁護関係事件に対処するため、登記特別会計の百六十八人を含め百七十三人。三、刑務所における保安体制分類体制及び医療体制充実を図るため百六人。四、少年院及び少年鑑別所における処遇体制充実を図るため三十八人。五、保護観察活動等充実を図るため十五人。六、出入国審査及び在留資格審査等業務充実を図るため九十七人。七、公安調査活動充実強化を図るため四人となっております。  他方、減員は、平成三年七月の閣議決定に基づく「定員削減計画(第八次)の実施について」による平成四年度定員削減分として三百八十五人を削減することとなっております。  次に。主要事項経費について御説明申し上 ます。  第一に、法秩序確保につきましては、二千九百二億五百万円を計上し、前年度補正予算額と比較しますと百十九億八千八百万円の増額となっております。  その内容について申し上げますと、まず、検察庁関係では、検察活動充実を図る経費として九百一億六千七百万円を計上しております。  矯正施設関係では、刑務所等矯正機能充実を図るため一千六百七十億六千五百万円を計上しており、この経費の中には、被収容者処遇確保のための生活備品日用品改善及び食糧費単価改定等に要する経費を含んでおります。  更生保護関係では、保護観察充実を図る経費として百五十億七千八百万円を計上しております。  訟務関係では、国の利害に関係のある争訟事件処理経費として十二億九千三百万円を計上しております。  公安調査庁関係では、公安調査活動充実を図る経費として百六十六億二百万円を計上しております。  第二に、外国人登録制度及び出入国管理業務充実につきましては、二百七億三千九百万円を計上し、前年度補正予算額と比較しますと四十三億六千九百万円の増額となっております。  その内容について申し上げますと、外国人登録制度改革等経費として六十二億九千六百万円、出入国及び在留管理業務充実として十八億六千三百万円等を計上しております。  第三に、国民権利保全強化につきましては、一般会計で八百四十七億四千二百万円を計上し、前年度補正予算額と比較しますと三十六億八千七百万円の増額となっております。  その内容について申し上げますと、まず、登記関係では、登記事務費として六百八十四億七千万円を計上しております。この登記事務費は、登記事務を円滑、適正に処理するために設けられている登記特別会計の財源の一部として繰り入れるための経費であります。  法務局のうち登記を除く関係では、国籍、戸籍等事務処理充実を図る経費として百五十二億五千百万円を計上しております。また、人権擁護関係では、地域改善対策としての啓発等人権擁護活動充実を図るため十億二千百万円を計上しております。  第四に、施設整備につきましては、老朽、狭陸化が著しい基幹の大行刑施設拘置支所継続整備及び入国管理局関係施設を含めた法務省庁舎施設整備するための経費として百五十七億六千七百万円を計上し、前年度補正予算額と比較いたしますと六億百万円の増額となっております。  第五に、登記特別会計につきましては、総額一千四百三十六億一千百万円の歳入、一千四百二十五億七千二百万円の歳出となっております。  歳出の主な内容といたしましては、登記所等管理経費八百七十七億二千七百万円、登記事務コンピューター化計画推進及び登記簿謄抄本交付事務の適正、迅速化を図る経費四十七億百万円、登記申請事件審査等経費三十三億四百万円、法務局支局出張所等整備する施設整備費として八十四億八千八百万円等をそれぞれ計上しております。  以上、平成四年度法務省所管予算概要を御説明申し上げました。
  12. 鶴岡洋

  13. 仁田陸郎

    最高裁判所長官代理者仁田陸郎君) 平成四年度裁判所所管歳出予算要求額について御説明申し上げます。  平成四年度裁判所所管歳出予算要求額総額は二千七百七十六億七千二百五十八万円でありまして、これを前年度補正予算額二千七百二十四億五千百十万円に比較いたしますと、差し引き五十二億二千百四十八万円の増加となっております。  これは、人件費において三十六億六千三百七十六万三千円、裁判費において六千二百九十八万一千円、施設費において五億四千二百二十七万一千円、司法行政事務を行うために必要な庁費等において九億五千二百四十六万五千円が増加した結果であります。  次に、平成四年度歳出予算要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。  まず、人的機構充実、すなわち増員であります。  民事訴訟事件民事執行法に基づく執行事件の適正迅速な処理及び司法修習体制充実を図るため、判事補七人、裁判所書記官二十三人、裁判所事務官三十三人、合計六十三人の増員をすることとしております。  他方定員削減計画に基づく平成四年度削減分として裁判所事務官等三十三人が減員されることになりますので、差し引き三十人の定員増となるわけであります。  次は、司法体制強化に必要な経費であります。  裁判運営効率化及び近代化のため、庁用図書等裁判資料整備に要する経費として七億百二十三万二千円、複写機計算機等裁判事務能率化器具整備に要する経費として八億六千九百十四万円、調停委員に支給する手当として五十六億二千百六十八万五千円、裁判費充実を図るため、国選弁護人報酬に要する経費として二十四億四千四百七十万八千円、証人、司法委員参与員等旅費として七億二千二百六十一万一千円を計上しております。  また、裁判所施設整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百十六億五千百五十九万一千円を計上しております。  以上が平成四年度裁判所所管歳出予算要求額の大要であります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  14. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 以上で所信並びに予算説明聴取は終了いたしました。  本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十一分散会      ——————————