○三木忠雄君 私は、今回のバブルの崩壊の問題にしても、金融緩和の時代に
銀行のあり方というのはやっぱり
一つの社会的問題だと僕は思っているんですよ、ある意味では。四百八十兆は
貸し出しているけれ
ども、結局、
ノンバンクから経由して
リース会社あるいは信販、クレジットヘ行っている。この中でやはり焦げづいているのは何かといえば、
ノンバンクがほとんどなんです。ほとんどと言ったら言葉は悪いかもしれませんがね。
それはなぜかというと、
銀行はなかなか審査が厳しい。確かに審査
体制はしっかりしている。これはこれから
債権を販売するにも審査
体制が一番大きな問題だと思うんです。その中で、やはり
銀行系の
ノンバンク、
銀行系の
ノンバンクと言うと言葉は悪いかもしれないけれ
ども、そういうところに対する、やはり
銀行では
融資できないけれ
ども、
ノンバンクだ、あるいは
銀行関係の
リースだ、そこが非常に甘いんですよ、正直に言って。だから、これが
融資の混乱を招いた
一つの大きな原因なんです。これがバブルの崩壊につながってきたんですよ。焦げつきが約三十兆円で、
銀行の利息から考えてみたら、年間収益は普通の
銀行が大体一兆五千億円か二兆円の利益が出るというんだ。大体六%か七%が
融資の中の焦げつきと考えた場合に、やっぱり同じぐらいのとんとんの焦げつきがあって延滞になっているわけです。
そういう点を考えますと、
銀行系列の
ノンバンクに対するいろいろな
融資が今回のバブルを招いたという問題について、やっぱり
銀行がそういうところをもう少ししっかりしていかないと――系列化のところだけは甘い。そういうところは、貸し出せないものは全部そういう
ノンバンクに逃げている。そういうところが非常に私は大きな問題だろうと思うんです。これは答弁は要らない。あなたに聞いても、あなたに文句を言っても申しわけないから、私の
意見を言っておきますよ、事実だから。私は、そういう問題の実態をいろいろ調べました。また、現実にいろんな人と会うからよくわかっているんですよ。そういうところをやっぱりよくこれから
銀行として
姿勢をしっかりしていきませんと、問題だろうと思うんです。幸い、
銀行は審査
体制が非常にしっかりしている。
時間がないので、今回の
特定債権の
指定機関がどういうぐあいになってくるかということが
一つ私は問題だろうと思うんです。ここで
大蔵と通産の審査
体制の問題が、
証券が
流動化することによって本当に審査
体制が十分になっていくのかどうか。ここらの問題について、
指定機関をまた
公益的な法人をつくる、そのときに規模だとか人材だとか、こういう問題についてまた大きな問題だろうと私は思うんです。それほど大きくつくらない、五千万の
債権で一兆円ぐらいだからもう何社に絞るんだという
考え方かもしれませんけれ
ども、一般からすれば、これはやっぱり審査
体制、検査
体制というのは大変だと思うんです。
ノンバンクが失敗したのは、やっぱり
証券の審査
体制ができなかったんです。審査する人が少ないんです、人材が。これが結局担保物件をとられて
不良債権を起こした
一つの原動力になってきているんですよ。機関は多いけれ
ども審査
体制ができない、こういうところに問題があるんです。
したがって、私は従来から、佐藤総理と昔予算
委員会で
質疑したことがあるんですが、
公益法人は簡素化しないと必ず問題になりますよとだけれ
ども全然、
一つつくれば
一つ廃止するというスクラップ・アンド・ビルドでやるという話が当時あったんですけれ
ども、時代の趨勢ですからいろんなことはあるから文句は言いません。約七千の
公益法人、またこういう
指定機関をどんどんつくっていくということについて人材がそれだけそろっていくか。できれば本当は
大蔵と通産と、品物は少々違うかもしれないけれ
ども、もう少し審査
体制が確立できるような
体制をしっかりつくっておくべきじゃないか。したがって、この
指定機関についてしっかりした人材、検査
体制をつくっていかないと、これは
投資家に大きな損害をもたらすような
一つの問題になってくるのじゃないかということを考えるわけです。この
指定機関についてちょっと御
説明願いたいと思います。